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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018711
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】開き扉の取付構造及び取付方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/60 20060101AFI20240201BHJP
   E06B 3/36 20060101ALI20240201BHJP
   E05D 7/04 20060101ALI20240201BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
E06B1/60
E06B3/36
E05D7/04
E06B1/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122214
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】592114703
【氏名又は名称】株式会社ベスト
(71)【出願人】
【識別番号】312010696
【氏名又は名称】株式会社ジェネラルハードウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲留 一行
【テーマコード(参考)】
2E011
2E014
2E030
【Fターム(参考)】
2E011JA03
2E011KA06
2E011KC04
2E011KD26
2E011KD28
2E011KE04
2E011KE10
2E014AA02
2E014DB02
2E030AB01
2E030AB02
2E030BB03
2E030GA03
2E030GB01
2E030GC00
(57)【要約】
【課題】 簡易かつ安全に取り付けることが可能である開き扉の取付構造を提供する。
【解決手段】
壁面Wに鉛直方向に延設されている左支持枠11と、左支持枠11に嵌設されている内側支持枠18とを備え、ヒンジ部材40を介して、開き扉Hが内側支持枠18に回動自在に取り付けられており、内側支持枠18は、高さ方向に移動可能である装着補助体30に挿通されているボルト21とナット22により、左支持枠11に取り付けられている。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に鉛直方向に延設されている外側支持枠と、
前記外側支持枠に嵌設されている内側支持枠と、を備え、
ヒンジ部材を介して、開き扉が前記内側支持枠に回動自在に取り付けられており、
前記内側支持枠は、高さ方向に移動可能である取付具装着補助体に挿通されている取付具により、前記外側支持枠に取り付けられていることを特徴とする開き扉の取付構造。
【請求項2】
前記取付具はボルト及びナットであり、
前記ナットは、前記ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開き扉の取付構造。
【請求項3】
前記取付具はボルト及びナットであり、
前記ボルトの先端部は、縮径するようにテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開き扉の取付構造。
【請求項4】
支持体に鉛直方向に延設されている外側支持枠と、
前記外側支持枠に嵌設されている内側支持枠と、を備え、
ヒンジ部材を介して、開き扉が前記内側支持枠に回動自在に取り付けられており、
前記内側支持枠を上昇させるための上昇手段が、前記内側支持枠に内装されていることを特徴とする開き扉の取付構造。
【請求項5】
外側支持枠に開き扉を取り付けるにあたり、以下の各工程を含むことを特徴とする開き扉の取付方法。
(1)前記開き扉を、ヒンジ部材を介して内側支持枠に取り付ける開き扉取付工程。
(2)取付具が設けられ、かつ、高さ方向に移動可能である取付具装着補助体を前記内側支持枠に取り付けるとともに、
前記外側支持枠の鉛直方向の取付位置に仮位置合わせをした後に、
前記取付具を用いて、前記内側支持枠を前記外側支持枠に仮取り付けする仮取付工程。
(3)前記内側支持枠を上昇させるとともに、前記取付具を用いて、前記内側支持枠を前記外側支持枠に最終取り付けする最終取付工程。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付けが容易である開き扉の取付構造及び取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なドア等の開き扉は、ドア本体の一側端面が、ドア本体が取り付けられているドア枠部材に対して丁番を介して開閉自在に枢支され、当該ドア本体の他側端を回動させて開閉するように構成されている。
【0003】
このような丁番として、扉又は本体のいずれか一方に取り付けられる第1ケーシングと、上記扉等の他方に取り付けられる第2ケーシングと、一対のアームを有するリンク機構の一端部に連結され、扉を第1方向に位置調整可能なように、第1ケーシングに第1位置調整機構によって位置調整可能に収容される第1ケージと、リンク機構の他端部に連結され、扉を第1方向と異なる第2方向に位置調整可能なように、第2ケーシングに第2位置調整機構によって位置調整可能に収容される第2ケージと、を備え、上記第1ケーシングと第2ケーシングが共通の部品であり、当該第1ケーシングと第2ケーシングそれぞれに第1部と第2部を形成し、第1ケーシングにおいて、第1位置調整機構の構成要素である第1部を使用して第2部を使用せず、上記第2ケーシングにおいて、第2位置調整機構の構成要素である第2部を使用して第1部を使用しない隠し丁番が知られている(引用文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-119276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、OAフロアなどの二重床構造において、上記開き扉を支持枠に取り付ける際に、床面が施工されていない状態で行う場合がある。このような場合には、開き扉の取り付けが難しく、時間がかかるという問題点を有していた。
また、上記隠し丁番を使用した場合には、当該隠し丁番が分離しないため、吊り込み及び取り付けが難しいという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上記各問題点を解決するためになされたものであり、簡易かつ安全に取り付けることが可能である開き扉の取付構造及び開き扉の取付け方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体に鉛直方向に延設されている外側支持枠と、上記外側支持枠に嵌設されている内側支持枠と、を備え、ヒンジ部材を介して、開き扉が上記内側支持枠に回動自在に取り付けられており、上記内側支持枠は、高さ方向に移動可能である取付具装着補助体に挿通されている取付具により、上記外側支持枠に取り付けられていることを特徴とする開き扉の取付構造(以下、「本取付構造」という場合がある。)を提供するものである。
【0008】
ここで、支持体は、開き扉が取り付けられる構造体等であり、袖壁及び取付パネル等、その種類を問うものではない。また、適用される開き扉についても、片開き扉、両開き扉、各種ドア等、その種類に制限はない。
【0009】
また、外側支持枠は、従来の取付枠及び戸枠に相当する部材であり、本開き扉の取付構造では、さらに、内側支持枠を備えていることに特徴を有している。この外側支持枠と内側支持枠は、両者を強固に取り付ける構造であれば形状等に制限はないが、当該外側支持枠は、少なくとも一部に開き扉側が開口している凹部が形成されており、外側支持枠の開口部に、内側支持枠が嵌装されている構造とするものであればよい。
【0010】
上記のとおり、内側支持枠は外側支持枠に嵌装されている必要があり、嵌装とは嵌めるように備え付けられることであるが、両支持枠の間に所定の間隙を有するものであってもよい。
また、ヒンジ部材の形態、取付位置、数等は、適宜定めることができる。
【0011】
また、取付具装着補助体は、取付具の装着時において、取付具の位置決めや締結をしやすくするために用いる部材である。取付具装着補助体に関し、高さ方向に移動可能とするためには、付勢部材を用いて、取付具装着補助体に対して所定方向に付勢力を付与する方法、取付具装着補助体の少なくとも一部を弾性変形可能となるように形成する方法等とすることで対応することができる。
【0012】
本取付構造によれば、取付具装着補助体を用い、構造体の一部とすることにより、開き扉の取付具の取り付けを容易に行うことができることになる。そのため、予め開き扉に延設されている内側支持枠を、予め支持体に延設されている外側支持枠の所定箇所に取り付けることが可能となる。
【0013】
また、本取付構造において、上記取付具はボルト及びナットであるとともに、上記取付具装着補助体は、上記ボルトが挿通される取付具挿通体を備え、上記ナットは、上記ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ形状に形成されていることとすれば、簡易に構成することが可能となるため好適である。
【0014】
上記ナットは、上記ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ形状に形成されているが、当該ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が垂台形状に形成されていること、又は、凸形状(側面視)に形成されているものとすることが好適である。なお、テーパ形状の寸法等については、適宜定めることが可能である。
【0015】
また、本取付構造において、上記取付具はボルト及びナットであり、上記ボルトの先端部が、縮径するようにテーパ形状に形成されていることとしても、簡易に構成することが可能となるため好適である。
【0016】
本取付構造によれば、ナットが上記ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ状に形成されている、又は、ボルトの先端部が縮径するようにテーパ形状に形成されている。そのため、ボルトとナットの水平位置に多少の相違が生じた場合であっても、ボルトがテーパ状の開口部に案内されながらネジ部に案内され、又は、テーパ形状であるボルトの先端部がナットに挿通されるため、当該ボルトを容易に締結することが可能となる。
【0017】
また、支持体に鉛直方向に延設されている外側支持枠と、上記外側支持枠に嵌設されている内側支持枠と、を備え、ヒンジ部材を介して、開き扉が上記内側支持枠に回動自在に取り付けられており、、上記内側支持枠を上昇させるための上昇手段が設けられている開き扉の取付構造とすると、開き扉を取り付けるための上下方向の位置決めを容易にすることができるため好適である。
【0018】
なお、上昇手段の取り付け位置は、内側支持枠の下部に一体的に設けることが好適である。また、上昇手段は、各種のジャッキ及びその他の機構を用いることができ、下降手段を備える昇降手段とするものであってもよい。
【0019】
また、上記内側支持枠には、水平方向の位置決め具が内装されており、当該水平方向の位置決め具は、外側支持枠の対向する二面に対して、直接的又は間接的に押圧力を付与することにより、上記内側支持枠を上記外側支持枠に固定可能とするものであってもよい。
【0020】
また、上記位置決め具は、長孔を有する基体と、頂点を中心として2つの傾斜部を有する山形形状である押圧体と、上記押圧体の一方の上記傾斜部と当接しながら上記長孔にスライド自在に挿通されているスライドピンと、を備え、上記スライドピンの動作に伴い、上記押圧体の他方の上記傾斜部が上記基体から出没自在に構成されており、上記押圧体が、上記外側支持枠の対向する二面と直接的又は間接的に当接することにより、上記内側支持枠を上記外側支持枠に固定可能となるものであってもよい。
【0021】
また、上記開き扉の取付構造において、上記内側支持枠における、上記ヒンジ部材の取付部の側面に開口部が形成され、かつ、上記開口部には、上記開き扉と離間する側の縁端部に突出部が形成されているとともに、上記外側支持枠には、水平方向に、上記突出部と係合するための係合部が設けられている補強部材を有し、上記突出部と上記係合部とが係合しているものであってもよい。
【0022】
さらに、本発明は、外側支持枠に開き扉を取り付けるにあたり、以下の各工程を含むことを特徴とする開き扉の取付方法(以下、「本取付方法」という場合がある。)を提供するものである。
(1)上記開き扉を、ヒンジ部材を介して内側支持枠に取り付ける開き扉取付工程。
(2)取付具が設けられ、かつ、高さ方向に移動可能である取付具装着補助体を上記内側支持枠に取り付けるとともに、上記外側支持枠の鉛直方向の取付位置に仮位置合わせをした後に、上記取付具を用いて、上記内側支持枠を上記外側支持枠に仮取り付けする仮取付工程。
(3)上記内側支持枠を上昇させるとともに、上記取付具を用いて、上記内側支持枠を上記外側支持枠に最終取り付けする最終取付工程。
【0023】
本取付方法において、上記最終取付工程の際に、上記内側支持枠に設けられている水平方向位置決め具により、上記外側支持枠の水平方向の取付位置に位置決めをした後に、上記内側支持枠を上記外側支持枠に最終取り付けすることとすると、さらに好適である。
【0024】
本取付方法では、高さ方向に移動可能である取付具装着補助体を用いて、外側支持枠の鉛直方向の取付位置に仮位置合わせをして、内側支持枠を当該外側支持枠に仮取り付けする仮取り付けを行なう。その後、内側支持枠を上昇させることにより高さ方向の位置合わせをして、取付具を用いて内側支持枠を外側支持枠に最終取り付けしている。このような手順とすることにより、正確かつ迅速に位置合わせをすることが可能となり、簡易かつ安全に開き扉を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡易かつ安全に取り付けることが可能である開き扉の取付構造及び取付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の開き扉の取付構造を示す斜視図である。
図2】(a)は、図1におけるA部の拡大図であり、(b)は、図1におけるB部の拡大図(左支持枠は省略)である。
図3】本発明の開き扉の取付構造に用いられる取付具及び装着補助体の分解斜視図である。
図4】(a)は、本発明の開き扉の取付構造に用いられるボルト及び装着補助体の背面図であり、(b)は、同じくナットの正面図である。
図5】本発明の開き扉の取付構造に用いられるヒンジ部材の分解斜視図である。
図6】本発明の開き扉の取付構造に用いられるヒンジ部材の斜視図である。
図7】本発明の開き扉の取付構造に用いられる水平方向位置決め具を示す図であり、(a)は、分解斜視図であり、(b)は、斜視図である。
図8】本発明の開き扉の取付構造に用いられる上昇装置を示す図であり、(a)は、分解斜視図であり、(b)は、斜視図である。
図9】本発明の開き扉の取付方法における開き扉取付工程を示す斜視図である。
図10】(a)は、本発明の開き扉の取付方法における仮取付工程を示す斜視図であり、(b)は、図10(a)におけるC部の拡大図である。
図11】(a)は、本発明の開き扉の取付方法における最終取付工程を示す斜視図であり、(b)は、図11(a)におけるD部を一部切り欠いた拡大図である。
図12】(a),(b)ともに、本発明の開き扉の取付け構造における内側支持枠の突出部と、左支持枠の補強リブおける係合溝との係合時の状態を示す一部を切り欠いて拡大した斜視図である。
図13】(a),(b)ともに、本発明の開き扉の取付け構造における水平方向位置決め具の動作を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、各構成要素は適宜、変更が可能であり、本発明に直接的に関係しない細部の構造については、その説明を省略する。
【0028】
(1)本取付構造
本実施形態の本取付構造Mは、壁面Wに形成されている矩形形状の開口である扉取付部(図示せず)に取付けられる開き扉H(ドア)の取付構造である(図1)。
扉取付部の四周には、水平方向の上下の枠体と、鉛直方向の左右の枠体(左側の枠体のみを図示、以下、左側の枠体を「左支持枠11」という。)が延設されている。
【0029】
支持枠10は、外側支持枠に対応する左支持枠11と内側支持枠18から構成されている(図2(a))。左支持枠11と内側支持枠18とは、取付具装着補助体(以下、「装着補助体30」という。)が使用された状態で、下記ボルト21及びナット22(取付具)により取り付けられている。
また、内側支持枠18の下記ヒンジ部材40の取付箇所近傍における高さ位置には、水平方向位置決め具60が取り付けられているとともに、下端部には、当該内側支持枠18を左支持枠11に取り付ける際に使用する上昇装置70(上昇手段)が一体的に内装されている。
【0030】
開き扉Hは、矩形形状であり、開き扉Hの戸尻側における鉛直方向の木口面(以下、「鉛直木口面H1」という。)の上下の2箇所にヒンジ部材40が取り付けられている。このヒンジ部材40を介して、開き扉Hが、内側支持枠18に回動自在となるように取り付けられている。
なお、開き扉Hの鉛直木口面H1の上下端部の所定高さ位置には、ヒンジ部材40の開き扉埋設部41を収容するための開口部H2が形成されている。
以下、各構成要素に関して詳説する。
【0031】
[支持枠]
上記のとおり、支持枠10は、左支持枠11と内側支持枠18から構成されている。
左支持枠11は、段部を有する変形六角形形状(上面視)である閉鎖断面部12と、当該閉鎖断面部12に隣接するコ字形状部13(溝形部)(上面視)と、2枚の側板14,15とを備えており、閉鎖断面部12及びコ字形状部13には、それぞれ端辺部12a,13aが設けられている。
【0032】
左支持枠11は、閉鎖断面部12の段差部が開き扉Hと離間する向きとなるとともに、コ字形状部13の開放部13c(図10(a),(b))が開き扉Hの扉面側となる向きに配置され、各端辺部12a,13aは、対向して立設する幅広である2枚の側板14,15に係止されている。そして、一方の側板14が壁面に取り付けられている。
【0033】
左支持枠11のヒンジ部材40に対応する位置には、高さ方向に水平となるように、それぞれ複数(本実施形態では、3枚)の補強リブ16が設けられている(図10(b))。
各補強リブ16は、直角三角形形状であり、隅角部に直角部が位置するように設けられている。最上部の補強リブ16におけるコ字形状部13のフランジ部分(以下、単に「フランジ」という。)に接する箇所は、矩形形状の係合溝16a(係合部)が形成されている。
また、左支持枠11のコ字形状部13におけるウェブ部分(以下、単に「ウェブ」という。)の所定高さ位置において、装着補助体30の取付け箇所には、円孔13bが形成されている(図12(a),(b))。
【0034】
内側支持枠18は、中空部を有する箱型形状(上面視)であり、一面が開き扉Hの扉面の戸尻側の縁辺に沿って、鉛直方向に延設されている。そして、内側支持枠18は、左支持枠11のコ字形状部13における内側空間部に、多少の間隙を有した状態で嵌装されており、装着補助体30に挿通されたボルト21及びナット22により延設されている。
【0035】
内側支持枠18のヒンジ部材40の取付位置の周囲における、左支持枠11のコ字形状部13のウェブ側の面と戸先側のフランジ側の面には、開口部18aが形成されている(図2(b))。また、この開口部18aの開き扉Hと離間する側(左支持枠11のフランジ側)の隅角部近傍には、上記補強リブ16の係合溝16aに係合する突出部18bが形成されている(図10)。
【0036】
内側支持枠18における左支持枠11のウェブ側の面の所定高さ位置には、装着補助体30を装着するために用いられる、長軸が鉛直方向である長孔(図示せず)が形成されており、内側支持枠18の開き扉H側の面における当該長孔と対向する位置には、ボルト21を締結するためのドライバの操作孔18eが形成されている。また、内側支持枠18の開き扉H側の面の所定高さには、水平方向位置決め具60の操作孔18fと上昇装置70の操作孔18gが形成されている。さらに、2つの水平方向位置決め具60の操作孔18fの間には、ヒンジ部材40の支持枠取付部46における取付板46bを嵌設するための矩形形状の嵌挿部18hが設けられている。
【0037】
[装着補助体等]
装着補助体30は、取付具挿通筒体31(取付具挿通部材)と付勢バネ32と第1取付板33と第2取付板34とを備えている(図3)。
取付具挿通筒体31は、中空円筒であり、左支持枠11のウェブ側(開き扉Hと反対側)には、円環状の鍔部31aが設けられている。
また、付勢バネ32は、二等辺三角形状のダブルトーションばねであり、常時上方に付勢力を付与できるようになっている。
【0038】
第1取付板33及び第2取付板34は、内側支持枠18の略幅寸法である細長形状に形成されている。第1取付板33は、中央に設けられている鉛直方向に長い細長孔33aと、上方に設けられている3個(上側2個、下側1個)の円孔(以下、上側の円孔を「上側円孔33b」、下側の円孔を「下側円孔33c」という。)と、下方に設けられている4個(上側2個、下側2個)の円孔(以下、上側の円孔を「上側円孔33d」、下側の円孔を「下側円孔33e」という。)を有している。また、第2取付板34は、中央に設けられている鉛直方向に長い細長孔34aと、上方に設けられている1個の上側円孔34b、下方に設けられている2個の下側円孔34cを有している。
【0039】
装着補助体30は、内側支持枠18側から、第1取付板33、取付具挿通筒体31、座金35、ワッシャ36及び第2取付板34の順に配置されており、当該取付具挿通筒体31の中空部には、予めボルト21が挿通されている。ボルト21は、取付具挿通筒体31の先端部から突出せず、かつ、当該先端部の開口部から締結操作可能となっている。
【0040】
第1取付板33の上側円孔33bと第2取付板34の上側円孔34bとの間、及び、第1取付板33の下方の上側円孔33dと第2取付板34の下側円孔34cとの間には、それぞれ、羽根つきダボ37が挿設されており、当該第1取付板33と第2取付板34が一体となっている。そして、下側の2本の羽根つきダボ37は、付勢バネ32の各コイル体32aの中空部に挿通されているとともに、当該付勢バネ32の上部32bが、取付具挿通筒体31の顎部31aの下面に当接することにより、上向きの付勢力が付与されている(図4(a))。このようにして、第1取付板33と第2取付34により取付具挿通筒体31の鍔部31aが挟設されている。そして、第1取付板33の上方における2個の上側円孔33bと、下方における2個の下側円孔33eにネジ(図示せず)が挿通されることにより、内側支持枠18の外側面に取り付けられている。
【0041】
また、内側支持枠18の長孔(図示せず)と、第1取付板33の長孔33aとを合致させるとともに、内側支持枠18における左支持枠11のウェブ側の外面と、当該第1取付板33を当接させた状態で、取付具挿通筒体31の先端部が細長孔33a及び内側支持枠18の長孔に挿通され、当該長孔から突出するようになっている。
【0042】
第1取付板33と第2取付板34は、内側支持枠18と左支持枠11の間に介装されるとともに、予め取付具挿通筒体31に挿通されているボルト21の雄ネジ部は、左支持枠11のコ字形状部13における円孔13b(図12(a),(b))に挿通され、コ字形状部13におけるウェブの外側に設けられているナット22の雌ネジ部に螺設されている。
ナット22は、側面視で凸形状であり、ボルト21の挿通部側の開口部22aからネジ部22bまでの中空部分が縮径するようにテーパ状に形成されており、終端部に雌ネジ部が形成されている(図4(b))。
【0043】
上記構造により、取付具挿通筒体31は、第1取付板33の長孔33aに沿って高さ方向である上下に移動可能となっている。
【0044】
[ヒンジ部材]
ヒンジ部材40は、開き扉埋設部41と鉛直方向調節部42と水平方向調節部43と内装部44と支軸45と支持枠取付部46とを備えている(図5図6)。
開き扉埋設部41は、前面が開口している薄型の直方体形状の筐体であり、上下の端部に扉取付部41aが突出している。この開き扉埋設部41は、鉛直木口面H1の開口部H2に挿設され、当該扉取付部41aにおいて、ネジ(図示せず)により取り付けられている。なお、扉取付部41aは、被装板48で覆われており、符号51は、当該被装板48を取り付けるためのネジである。
【0045】
鉛直方向調節部42及び水平方向調節部43は公知の要素であるため詳述しないが、開き扉埋設部41における中空部に挿設されており、所定の調節ネジ42a,43aを調節することにより、当該開き扉埋設部41の鉛直方向の位置と、水平方向の位置を微調節できるようになっている。
【0046】
内装部44は、中心角を約90度とする上下の扇形板44aと、当該各扇形板44aの円弧部の間に設けられる背面板44cと、各扇形板44aの半径方向の一辺の間に設けられている側板44dとを備えている。そして、各扇形板44aの要部(かなめぶ)には、中心孔44bが形成されている。
また、内装部44は、上下において、ネジ(図示せず)により、鉛直方向調節部42及び水平方向調節部43とともに、開き扉埋設部41に取り付けられている。
【0047】
支持枠取付部46は、中心角を約90度とする扇形柱46aと、内側支持枠18に取り付けるための取付板46bと、当該扇形柱46aと取付板46bの間に設けられている接続体46cとを有している。
扇形柱46aの要部には、鉛直方向に中空部46dが形成されている。中空部46dの上下と、内装部44の中心孔44bの位置を一致させた状態で、中空部46dの上側及び下側から嵌挿されているブッシュ53を介して、支軸45が挿通されており、当該支軸45を中心として、内装部44が支持体取付部46と摺動しながら回動自在に軸支されている。そして、ヒンジ部材40の支持枠取付部46における取付板46bが、内側支持枠18の嵌挿部18hに嵌設されている。
【0048】
これにより、開き扉埋設部41に取り付けられている内装部44が、支持体取付部46の扇形柱46aに沿って摺動可能であり、開き扉埋設部41に取り付けられている開き扉Hが回動可能(自在)に軸支されるようになっている。
なお、符号54は、ブッシュ53の外周に設けられているワッシャである。
また、支持枠取付部46の扇形柱46aの上面には、半径方向に2個の円孔46eが形成されており、当該円孔46eには、回動位置規制板55を挿設することができるようになっている。
【0049】
[水平方向位置決め具]
水平方向位置決め具60は、本体61と突出体62とスライドピン65と位置決め用ネジ66とを備えている(図7(a),(b))。
本体61は、扁平であるコ字形状(側面視)に形成されている、また、本体61における上下の対向面には、長軸が位置決め用ネジ66の挿通方向である長孔61aが形成されており、他の面には、ネジ挿通孔61bが形成されている。
なお、本体61の上面の端部には、左支持枠11におけるコ字形状部13のウェブの端部に当接する上方当接片61cが設けられているとともに、左支持枠11における、下記突出体62との当接面との反対側のフランジに当接する側方当接片61dが設けられている。
【0050】
突出体62は、側面視で扁平なコ字形状であり、上面視で矩形部63と山形部64を組み合わせた形状に形成されており、本体61の開口部と突出体62の開口部が同方向となる向きで、本体61の空間部に嵌装されている。突出体62の開口部と反対側の面には、位置決め用ネジ66の挿通部(以下、「挿通部62a」という。)が開口している。
突出体62の山形部64は、頂点64aの両側に傾斜面が形成されている。傾斜面は左右非対称であり、矩形部63側の傾斜面(以下、「矩形部側傾斜面64b」という。)が、他方側の傾斜面(以下、「他方側傾斜面64c」という。)より緩やかに形成されている。
【0051】
本体61の上下の長孔61aには、鉛直方向にスライドピン65が挿通されている。
スライドピン65の側面中央部には、貫通孔65aが形成されている。そして、位置決め用ネジ66は、本体61のネジ挿通孔61bと、スライドピン65の貫通孔65a及び突出体62の挿通部62aに挿通されており、当該位置決め用ネジ66が、本体61に侵入することにより、スライドピン65が矩形部側傾斜面64bに沿って、頂点64aから離反する方向に摺動し、当該矩形部側傾斜面64bを押圧することができるようになっている。
【0052】
これに伴い、突出体62を本体61の上下面に摺動させながらスライド移動させ、他方側傾斜面64cを内側支持枠18の開口部18aから水平方向に突出させることにより、左支持枠11の側面に当接させることができるようになっている。そして、突出体62の押圧力により、本体61の側方当接片61dが内側支持枠18を押圧し、当該内側支持枠18を左支持枠11の側面に当接させて、内側支持枠18を左支持枠11に固定できるようになっている。
なお、符号67は、ワッシャである。
【0053】
[上昇装置]
上昇装置70は、内側支持枠18を上昇させるために設けられる装置であり、当該内側支持枠18の中空部における最下部に嵌装され、載置板(図示せず)の上に設置されることにより一体的に取り付けられている(図8(a),(b))。
上昇装置70は、取付枠71と可動体72と上部体73とリンク部材74とスライドピン75と操作用ネジ76と取付ピン77とを備えている。
【0054】
取付枠71は、コ字形状(溝形)(上面視)に形成されており、両側のフランジにおける上縁部の近傍には各々2箇所の上部孔71aが形成されている。可動体72もコ字形状(溝形)(上面視)に形成されており、上部のフランジにおいて、ウェブ側の隅角部の近傍には、上部孔72aが形成されている。可動体72と取付枠71は、互いの開口部が対向する向きで、当該可動体72が取付枠71に嵌装されている。
【0055】
上部体73は、コ字形状(溝型)(上面視)に形成されており、対向する各フランジの下部には、長軸が水平方向である長孔73aが形成されるとともに、当該長孔73aの上部には、取付枠71への取付孔73bが2箇所形成されている。また、上部体73のウェブにはネジ孔73cが形成されている。
上部体73は、可動体72の上部において、開口部が対向する向きで、取付枠71に嵌装されており、上部孔71aと取付孔73bを合致させて、当該取付枠71にネジ78により取り付けられている。
【0056】
なお、可動体72と上部体73の幅は同一となるように形成されている。また、可動体72と上部体73の高さ寸法の合計と、取付枠71の高さ寸法が同一となるように形成されている。
【0057】
また、上部体73と可動体72の各フランジの内壁面に接するように、2本のリンク部材74が設けられている。各リンク部材74の両端部には、上部円孔74a及び下部円孔74bが形成されており、当該上部円孔74aと上部体73の長孔73aの位置を合致させた状態で、スライドピン75がスライド自在に挿通されている。
さらに、各リンク部材74の下部円孔74bと可動体72の上部孔72aには、両孔の位置を合致させた状態で、取付ピン77が挿通されている。
【0058】
スライドピン75の中央部には、貫通孔75aが形成されており、上部体73のネジ孔73cとスライドピン75の貫通孔75aには、操作用ネジ76が挿通されている。
なお、符号79は、ワッシャである。
【0059】
そして、上記上昇装置70において、操作用ネジ76を回動させる(操作する)ことにより、上部体73の長孔73a内におけるスライドピン75の位置を変化させることができ、各リンク部材74の下部円孔74bに挿通されている取付ピン77を中心として、当該各リンク部材74が搖動可能となっている。そのため、各リンク部材74をスライドピン75の動作に追従して搖動させることにより起立させ、可動体72を取付枠71の下面から載置板に向けて突出させることで、当該可動体72に作用する反力により、内側支持枠18を上昇させることができるようになっている。
また、上記と逆の動作により、内側支持枠18を下降させることができるようになっている。
【0060】
(2)本取付方法
続いて、本取付方法について説明する。なお、下記の説明において、扉取付部の四周には、左支持枠11を含む取付枠が取り付けられていることを前提としている。
本取付方法は、(a)開き扉取付工程、(b)仮取付工程及び(c)最終取付工程を含んでいる。
【0061】
a)開き扉取付工程
本工程は、鉛直木口面H1の上下の二か所において、ヒンジ部材40を介して、上記開き扉Hを内側支持枠18に取り付ける作業を行う工程である。
本工程では、開き扉Hの開口部H2にヒンジ部材40の開き扉埋設部41を挿設し、扉取付部41aにおいて、ネジ(図示せず)により、鉛直木口面H1に取り付けるとともに、内側支持枠18の嵌挿部18hにヒンジ部材40の取付板46dを取り付ける(図9)。
なお、本工程では、円孔46eに回動位置規制板55を挿設することにより(図6)、開き扉Hを所定角度以上回動させることを防止することができ、以下の取付作業をし易くすることが可能となっている。
【0062】
b)仮取付工程
本工程は、上記装着補助体30を内側支持枠18に取り付け、左支持枠11の鉛直方向の取付位置に仮位置合わせをして、ボルト21及びナット22を用いて、内側支持枠18を左支持枠11に仮取り付けする作業を行う工程である。
【0063】
本工程では、装着補助体30が取り付けられた内側支持枠18を左支持枠11におけるコ字形状部13の開放部13cに挿入する(図10(a),(b))。続いて、内側支持枠18の操作孔18eから、ドライバ(図示せず)を挿入し、装着補助体30の取付具挿通筒体31に予め挿設されているボルト21を操作し(回動させ)、ナット22に螺合させることにより、仮取り付けする。
【0064】
c)最終取付工程
本工程は、上昇装置70を使用することにより、内側支持枠18を上昇させ、内側支持枠18に設けられている水平方向位置決め具60により、左支持枠11の水平方向の取付位置に位置合わせをして、ボルト21及びナット22を用いて、当該内側支持枠18を左支持枠11に最終取り付けする作業を行う工程である。
【0065】
本工程では、まず、上昇装置70の操作用ネジ76を操作する(回動させる)ことにより、上部体73の長孔73a内におけるスライドピン75の位置を開き扉H側に移動させ、斜め状態となっていた各リンク部材74を起立させることにより、可動体72を取付枠71の下面から突出させる。そして、内側支持枠18を、左支持枠11の取付位置にまで上昇させる(図11(a),(b))。
【0066】
このとき、内側支持枠18が左支持枠11の開放部13cの奥側に移動する際に(12(a))、突出部18bが、左支持枠11の補強リブ16における係合溝16aと係合し、以降、強固に固定されることになる(図12(b))。
【0067】
次に、水平方向位置決め具60(左支持枠11に仮取り付けされた内側支持枠18の所定箇所に取り付けられている)の位置決め用ネジ66を操作して、本体61を開き扉Hから離間する側に移動させる(図13(a))。スライドピン65は、本体61の移動に伴い、矩形部側傾斜面64bを押圧しながら頂点64aと反対方向に摺動する。それに伴い、他方側傾斜面64cが内側支持枠18の開口部18aから突出し、左支持枠11の側面に当接する(図13(b))。この動作により、本体61の他方側傾斜面64cが左支持枠11に当接するとともに、本体61の側方当接片61dが内側支持枠18と左支持枠11を押圧することにより、当該内側支持枠18が左支持枠11に固定される。
その状態で、装着補助体30における取付具挿通筒体31に挿設されているボルト21を本締めして、最終取り付けを行う。
【0068】
なお、位置決め用ネジ66を保持することにより、水平方向位置決め具60の突出体62を突出させたままの状態として、内側支持枠18を左支持枠11に押圧させることにより、開き扉Hの使用時に発生する、がたつきの防止を図ることが可能となる。
【0069】
[本取付構造及び本取付方法の作用効果]
本取付構造Mによれば、構造体の一部として、内側支持枠18を上昇させるための上昇装置70が当該内側支持枠18に予め内装されているため、開き扉Hが取り付けられている内側支持枠18を左支持枠11へ取り付ける際において、上下方向の位置決めを容易に行うことができる。また、本取付構造Mの構造体の一部として装着補助体30を備えていることから、当該装着補助体30を用いて、開き扉Hのボルト21の取り付けを容易に行うことができる。
【0070】
また、本取付構造Mの構造体の一部として、内側支持枠18に内装されている水平方向位置決め具60を備えており、内側支持枠18を左支持枠11に強く固定した上で、内側支持枠18を左支持枠11に取り付けることができる。
このように、本取付け構造Mによれば、予め開き扉Hに延設されている内側支持枠18を、予め壁面Wに延設されている左支持枠11に容易に取り付けることができる。
【0071】
また、本取付構造Mに使用する取付具であるナット22は、ボルト21の挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ形状に形成されているため、内側支持枠18の左支持枠11への取付時において、ボルト21とナット22の水平位置に多少の相違が生じた場合であっても、ボルト21がテーパ形状の開口部に案内されて、ネジ部に案内されるため、当該ボルト21を容易に締結することが可能となる。
【0072】
また、本取付構造Mによれば、内側支持枠18の開口部18aに突出部18bが形成されているとともに、左支持枠11に設けられている補強リブ16には係合溝16aが設けられている。そのため、突出部18bと係合溝16aを係合させ、開き扉Hの取付時及び取付後に強固に固定することができる。
【0073】
さらに、本取付方法では、予めボルト21が設けられており、高さ方向に移動可能である装着補助体30を用いて、左支持枠11の鉛直方向の取付位置に仮位置合わせをして、内側支持枠18を当該左支持枠11に仮取り付けをする。その後、内側支持枠18に予め設けられている水平方向位置決め具60により、取付位置に位置決めをして、ボルト21及びナット22を用いて内側支持枠18を左支持枠11に最終取り付けをする。そのため、正確かつ迅速に位置合わせをすることができ、簡易かつ安全に開き扉Hを取り付けることができる。
【0074】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
特に、本取付構造の適用個所に制限はなく、適切に定めることができる。
【0075】
また、本発明は、必要最小限の構成要素を例示したものであり、その作用効果を阻害しない限り、必要となる他の構成要素を付加するものであってもよい。さらに、請求項に記載する外側支持枠、内側支持枠、ヒンジ部材、取付具装着補助体、取付具(ボルト及びナット)及び上昇手段は、基本的な構成を備え、その作用効果を奏するものであれば、種々の構成要素を用いることができる。
【0076】
また、本実施形態では、取付具であるボルト及びナットにおいて、ナットは、ボルトの挿通部側の開口部からネジ部までの部分が縮径するようにテーパ形状に形成されている構造としている。しかし、取付具として、一般的なナットを用い、ボルトの先端部が、縮径するようにテーパ形状に形成されている構造とすることも可能である。
【符号の説明】
【0077】
M 開き扉の取付構造
W 壁面(支持体)
H 開き扉
10 支持枠
11 左支持枠(外側支持枠)
12 閉鎖断面部
13 コ字形状部
16 補強リブ
16a 係合溝(係合部)
18 内側支持枠
18a 開口部
18b 突出部
21 ボルト(取付具)
22 ナット(取付具)
30 装着補助体(取付具装着補助体)
31 取付具挿通筒体
32 付勢バネ
40 ヒンジ部材
41 開き扉埋設部
44 内装部
45 支軸
46 支持枠取付部
60 水平方向位置決め具
61 本体
62 突出体
65 スライドピン
70 上昇装置(上昇手段)
71 取付枠
72 可動体
73 上部体
74 リンク部材
75 スライドピン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13