(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018721
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、および、システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240201BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240201BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/0482
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 335
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122240
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 壮史
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA30
5E555AA57
5E555AA59
5E555BA02
5E555BA03
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB03
5E555BB04
5E555BC10
5E555BC17
5E555DC21
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA03
5E555EA04
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって重要な通知情報がユーザに届きやすくする。
【解決手段】特定のユーザの端末装置は、特定のユーザによって利用される複数個の対象デバイスのそれぞれの利用状況を示す情報である利用情報を取得し、サーバから複数個の対象デバイスに関連する情報を含む複数個の通知情報を受信し、利用情報に基づいて、複数個の対象デバイスの中に複数個の対象デバイスのうちの特定のデバイスよりも利用頻度が低く、かつ、特定のデバイスとの間の利用頻度の差が基準よりも大きい低頻度デバイスがあるか否かを判断し、低頻度デバイスがある場合に、特定のデバイスを含み低頻度デバイスよりも利用頻度が高い1以上の高頻度デバイスに関連する第1の通知情報が、低頻度デバイスに関連し高頻度デバイスに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される特定の表示順序で複数個の通知情報を表示部に表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のユーザの端末装置上で動作するコンピュータプログラムであって、
特定のユーザによって利用される複数個の対象デバイスのそれぞれの利用状況を示す情報である利用情報を取得する取得機能と、
サーバから前記複数個の対象デバイスに関連する情報を含む複数個の通知情報を受信する受信機能と、
前記利用情報に基づいて、前記複数個の対象デバイスの中に前記複数個の対象デバイスのうちの特定のデバイスよりも利用頻度が低く、かつ、前記特定のデバイスとの間の利用頻度の差が基準よりも大きい低頻度デバイスがあるか否かを判断する判断機能と、
前記複数個の対象デバイスの中に前記低頻度デバイスがある場合に、前記特定のデバイスを含み前記低頻度デバイスよりも利用頻度が高い1以上の高頻度デバイスに関連する第1の通知情報が、前記低頻度デバイスに関連し前記高頻度デバイスに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される特定の表示順序で前記複数個の通知情報を前記端末装置の表示部に表示させる表示機能と、
を前記端末装置のコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータプログラムであって、
前記利用情報は、前記対象デバイスによって特定期間内に特定処理が実行された回数である特定処理回数を示す回数情報を含み、
前記判断機能は、前記回数情報に基づいて、前記特定のデバイスによる前記特定処理回数と、前記複数個の対象デバイスのうちの前記特定のデバイスとは異なるデバイスによる前記特定処理回数と、に基づいて、前記複数個の対象デバイスの中に前記低頻度デバイスがあるか否かを判断する、コンピュータプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータプログラムであって、
前記判断機能は、
前記特定のデバイスによる前記特定処理回数に基づいて、前記特定のデバイスによる前記特定処理回数よりも小さな特定閾値を決定し、
前記複数個の対象デバイスの中に、前記特定処理回数が前記特定閾値よりも少ないデバイスがある場合に、前記複数個の対象デバイスの中に前記低頻度デバイスがあると判断する、コンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、さらに、
前記コンピュータプログラムが前記端末装置にて起動される頻度である起動頻度を取得する起動頻度取得機能をコンピュータに実現させ、
前記表示機能は、
前記起動頻度が基準よりも低い場合に、前記複数個の通知情報を前記特定の表示順序で前記表示部に表示し、
前記起動頻度が基準以上である場合に、前記複数個の通知情報を前記特定の表示順序とは異なる順序で前記表示部に表示する、コンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のコンピュータプログラムであって、
前記高頻度デバイスに関連する前記第1の通知情報は、前記複数個の消耗品に関連する複数個の消耗品関連情報を含み、
前記取得機能は、さらに、前記高頻度デバイスにて使用される消耗品の残量を示す消耗品情報を取得し、
前記特定の表示順序における前記複数個の消耗品関連情報の順序は、前記消耗品情報に基づいて決定される順序であり、第1の消耗品に関連する通知情報が前記第1の消耗品よりも残量が多い第2の消耗品に関連し前記第1の消耗品に関連しない通知情報よりも上位に表示される順序である、コンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のコンピュータプログラムであって、
前記高頻度デバイスに関連する前記第1の通知情報は、前記複数個の消耗品に関連する複数個の消耗品関連情報を含み、
前記取得機能は、さらに、前記高頻度デバイスにて使用される消耗品の使用量を示す消耗品情報を取得し、
前記特定の表示順序における前記複数個の消耗品関連情報の順序は、前記消耗品情報に基づいて決定される順序であり、第1の消耗品に関連する通知情報が前記第1の消耗品よりも使用量が少ない第2の消耗品に関連し前記第1の消耗品に関連しない通知情報よりも上位に表示される順序である、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のコンピュータプログラムであって、
前記高頻度デバイスは、前記特定のデバイスと、前記特定のデバイスとは異なる他のデバイスと、を含み、
前記高頻度デバイスに関連する前記第1の通知情報は、前記特定のデバイスに関連し前記他のデバイスと関連しない前記特定のデバイスのための通知情報と、前記他のデバイスに関連し前記特定のデバイスと関連しない前記他のデバイスのための通知情報と、を含み、
前記特定の表示順序における前記特定のデバイスのための通知情報と前記他のデバイスのための通知情報との順序は、前記特定のデバイスの利用頻度と前記他のデバイスの利用頻度とに依存せず、利用頻度とは異なる情報に基づいて決定される、コンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のコンピュータプログラムであって、
前記複数個の対象デバイスは、色材を用いて印刷を実行する複数個のプリンタであり、
前記利用情報は、前記印刷の実行状況を示す印刷実行情報であり、
前記取得機能は、前記複数個のプリンタのそれぞれの前記印刷実行情報と、前記複数個のプリンタのそれぞれの前記色材の残量または使用量を特定するための色材情報と、を取得し、
前記高頻度デバイスに関連する前記第1の通知情報は、前記色材に関連する情報である第1種の通知情報と、前記複数個のプリンタの少なくとも一部に関連し、前記色材に関連しない情報である第2種の通知情報と、を含み、
前記受信機能によって受信される複数個の通知情報は、さらに、前記複数個のプリンタと前記色材とのいずれにも関連しない情報である第3種の通知情報を含み、
前記特定の表示順序は、前記第2種の通知情報よりも前記第1種の通知情報が上位に表示され、前記第3種の通知情報よりも前記第2種の通知情報が上位に表示される順序である、コンピュータプログラム。
【請求項9】
特定のユーザの端末装置と、前記特定のユーザによって利用される複数個の対象デバイスと、前記端末装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバと、を含むシステムであって、
特定のユーザによって利用される複数個の対象デバイスのそれぞれの利用状況を示す情報である利用情報を取得する処理と、
前記複数個の対象デバイスに関連する情報を含む複数個の通知情報を取得する処理と、
前記利用情報に基づいて、前記複数個の対象デバイスの中に前記複数個の対象デバイスのうちの特定のデバイスよりも利用頻度が低く、かつ、前記特定のデバイスとの間の利用頻度の差が基準よりも大きい低頻度デバイスがあるか否かを判断する判断処理と、
前記複数個の対象デバイスの中に前記低頻度デバイスがある場合に、前記特定のデバイスを含み前記低頻度デバイスよりも利用頻度が高い1以上の高頻度デバイスに関連する第1の通知情報が、前記低頻度デバイスに関連し前記高頻度デバイスに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される特定の表示順序で前記複数個の通知情報を前記端末装置の表示部に表示させる表示処理と、
を実行する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、複数個の通知情報を端末装置の表示部に表示させるコンピュータプログラム、および、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたデバイスでは、オペレーティングシステムの通知モジュールは、ウェブサービスから複数の通知を受信し、アプリケーションの表示として複数の通知を表示する。通知モジュールは、複数の通知の優先度を決定し、決定された優先度に従って複数の通知を連続的に表示する。複数の通知の優先度は、通知の発信元によってアサインされても良い、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献では、通知の発信元によってアサインされる例を除いて、優先度を決定する具体的な構成について、何ら開示されていない。このために、上記文献の技術では、例えば、デバイスのユーザにとって好ましい順序で複数の通知を表示できない可能性があり、ユーザにとって重要な通知がユーザに届き難い可能性があった。
【0005】
本明細書は、ユーザにとって重要な通知情報がユーザに届きやすくすることができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]特定のユーザの端末装置上で動作するコンピュータプログラムであって、特定のユーザによって利用される複数個の対象デバイスのそれぞれの利用状況を示す情報である利用情報を取得する取得機能と、サーバから前記複数個の対象デバイスに関連する情報を含む複数個の通知情報を受信する受信機能と、前記利用情報に基づいて、前記複数個の対象デバイスの中に前記複数個の対象デバイスのうちの特定のデバイスよりも利用頻度が低く、かつ、前記特定のデバイスとの間の利用頻度の差が基準よりも大きい低頻度デバイスがあるか否かを判断する判断機能と、前記複数個の対象デバイスの中に前記低頻度デバイスがある場合に、前記特定のデバイスを含み前記低頻度デバイスよりも利用頻度が高い1以上の高頻度デバイスに関連する第1の通知情報が、前記低頻度デバイスに関連し前記高頻度デバイスに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される特定の表示順序で前記複数個の通知情報を前記端末装置の表示部に表示させる表示機能と、を前記端末装置のコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【0008】
複数個の対象デバイスの中に、特定のデバイスよりも利用頻度が低いデバイスであり、かつ、特定のデバイスとの間の利用頻度の差が基準よりも大きな低頻度デバイスがある場合には、特定のユーザにとって、低頻度デバイスよりも利用頻度が高い高頻度デバイスに関連する第1の通知情報は、低頻度デバイスに関連し高頻度デバイスに関連しない第2の通知情報よりも重要であると考えられる。上記構成によれば、複数個の対象デバイスの中に低頻度デバイスがある場合に、第1の通知情報は、第2の通知情報よりも上位で表示される。したがって、特定のユーザにとって重要な通知情報を優先的に表示できるので、特定のユーザによって重要な通知情報が特定のユーザに届きやすくすることができる。例えば、特定のユーザが重要な通知情報を見逃す可能性の低減や特定のユーザが重要な通知情報を探す作業の軽減を実現できる。
【0009】
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、端末装置とデバイスとサーバとを含むシステム、端末装置、これらのシステムや装置における方法、これらのシステム、装置、および、方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した印刷媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】デバイス管理テーブルDTsと通知情報テーブルNTsの一例を示す図。
【
図5】通知情報テーブルNTtの一例を示す第1の図。
【
図6】通知情報テーブルNTtの一例を示す第2の図。
【
図7】印刷枚数管理テーブルPTtとインク残量管理テーブルITtの一例を示す図。
【
図8】通知情報テーブルNTtの一例を示す第3の図。
【
図9】通知情報テーブルNTtの一例を示す第4の図。
【
図10】通知情報テーブルNTtの一例を示す第5の図。
【
図11】通知情報テーブルNTtの一例を示す第6の図。
【
図13】変形例の通知処理の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施例
A-1.システム1000の構成
図1は、システム1000の構成を示すブロック図である。システム1000は、プリンタ100A~100Dと、プリンタ100A~100Dのユーザが所有する端末装置200と、デバイス管理サーバ300と、を備える。
【0012】
プリンタ100A~100Dは、例えば、ローカルエリアネットワークLATに接続され、該ローカルエリアネットワークLATを介して、インターネットITに接続されている。端末装置200は、ローカルエリアネットワークLATを介して、もしくは、図示しない移動体通信の基地局を介して、インターネットITに接続されている。デバイス管理サーバ300は、インターネットITに接続されている。これによって、端末装置200と、プリンタ100A~100Dと、デバイス管理サーバ300とは、互いに通信可能に接続されている。
【0013】
プリンタ100Aは、制御装置110と印刷機構120とを備える。印刷機構は、制御装置110の制御に従って、印刷を実行する。印刷機構120は、複数種類のインク(例えば、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロ(Y)とブラック(K)との4種類のインク)を色材として用いて、画像を印刷媒体に印刷するインクジェット方式の印刷機構である。これに代えて、印刷機構120は、トナーを色材として用いて、画像を印刷媒体に印刷する電子写真方式の印刷機構であっても良い。制御装置110は、図示しないCPUと、メモリと、ローカルエリアネットワークLATに接続するための通信インタフェースと、を備え、印刷機構120の制御や、後述するデバイス管理サーバ300や端末装置200との通信を、実行する。プリンタ100B~100Dは、図示は省略するが、プリンタ100Aと同様に制御装置110および印刷機構120を備えている。
【0014】
端末装置200は、計算機であり、例えば、スマートフォンである。変形例では、端末装置200は、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータであっても良い。
【0015】
端末装置200は、コントローラとして、CPU210と、DRAMなどの揮発性記憶装置220と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置230と、を備えている。また、端末装置200は、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部240と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部250と、通信インタフェース(通信IF)280と、を備えている。通信IFは、例えば、Wi-Fi規格や移動体通信の規格(例えば、LTE規格)に準拠した無線の通信インタフェースである。
【0016】
CPU210は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置220は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置230には、アプリケーションプログラムAPtと、印刷枚数管理テーブルPTtと、インク残量管理テーブルATsと、通知情報テーブルNTtと、が格納されている。
【0017】
アプリケーションプログラムAPtは、対象のプリンタ100A~100Dに関する様々な処理(例えば、後述する通知処理)を端末装置200のCPU210に実現させる。例えば、アプリケーションプログラムAPtは、プリンタ100A~100Dの製造や販売を行う事業者によって提供される。アプリケーションプログラムAPtは、例えば、インターネットITを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態で提供される。これに代えて、アプリケーションプログラムAPtは、端末装置200に予めプリインストールされる形態で提供されても良い。以下、アプリケーションプログラムAPtを実行することによって、端末装置200のCPU210が実現する機能を「端末アプリケーション」とも呼ぶ。
【0018】
印刷枚数管理テーブルPTtと、インク残量管理テーブルITtと、通知情報テーブルNTtと、については、後述する。
【0019】
デバイス管理サーバ300は、例えば、プリンタ100A~100Dの製造や販売を行う事業者が運用する計算機、例えば、クラウドサーバである。
【0020】
デバイス管理サーバ300は、コントローラとしてのCPU310と、DRAMなどの揮発性記憶装置320と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置330と、通信IF380と、を備えている。通信IF380は、例えば、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースである。
【0021】
CPU310は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置320は、CPU310が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置330には、コンピュータプログラムPGsと、デバイス管理テーブルDTsと、通知情報テーブルNTsと、が格納されている。
【0022】
コンピュータプログラムPGsは、例えば、プリンタ100A~100Dの製造や販売を行う事業者によってアップロードされる形態で提供される。デバイス管理サーバ300のCPU310は、コンピュータプログラムPGsを実行することによって、デバイス管理サーバ300が提供するサービスに関する処理を実行する。例えば、CPU310は、端末アプリケーションと通信を行って、端末装置200に後述する通知情報などの情報を送信する処理を実行する。
【0023】
なお、
図1では、一人のユーザの端末装置200と、該ユーザが管理するプリンタ100A~100Dのみが図示されているが、デバイス管理サーバ300は、多数のユーザに対して、多数のプリンタを用いてサービスを提供している。以下では、端末装置200と、プリンタ100A~100Dに関するサービスの処理について説明するが、これらの処理は、管理対象の多数のプリンタ、および、そのユーザの端末装置について、それぞれ、独立して実行される。また、
図1では、デバイス管理サーバ300は、1つの計算機であるが、デバイス管理サーバ300は、互いに通信可能な複数個の計算機で構成されても良い。例えば、デバイス管理サーバ300は、デバイス管理テーブルDTsを記憶する計算機と通知情報テーブルNTsを記憶する計算機とを備え、それぞれのデータテーブルを独立管理する構成であっても良い。
【0024】
図2は、デバイス管理テーブルDTsと通知情報テーブルNTsの一例を示す図である。デバイス管理テーブルDTsは、ユーザごとに、管理対象のプリンタ(例えば、プリンタ100A~100D)が記録されるとともに、管理対象のプリンタごとに、印刷履歴情報と、インク残量情報と、が記録されている。
図2(A)の例では、プリンタ100A~100DのユーザのID「US_a」に関連付けて、プリンタ100A~100DのデバイスID「PRID_A」、「PRID_B」、「PRID_C」、「PRID_D」が記録されている。そして、各デバイスIDに関連付けて、各プリンタの印刷履歴情報と、インク残量情報と、が記録されている。
【0025】
印刷履歴情報は、例えば、各プリンタにおける印刷枚数が印刷日時と関連付けて記録された情報である。インク残量情報は、例えば、各プリンタにおけるCMYKのインクの残量が、該残量の情報がプリンタから取得された取得日時と関連付けて記録された情報である。
【0026】
通知情報テーブルNTsは、管理対象のプリンタのユーザに対して通知すべき通知情報が、該通知情報の属性情報と関連付けて記録されている。属性情報は、通知情報の内容に応じて、適宜に関連付けられる。例えば、
図2(B)の例では、インクの割引クーポンの通知情報N1、N2には、該クーポンの有効期限を示す情報と、該クーポンの適用が受けられるプリンタ(対応プリンタとも呼ぶ)を示す情報と、該クーポンの適用が受けられるインク(対応インクとも呼ぶ)を示す情報と、が関連付けられている。例えば、通知情報N1の対応プリンタは、デバイスID「PRID_A」のプリンタ100Aであり、通知情報N1の対応インクは、Cインクである。対応プリンタは、個別のプリンタに限らず、特定の機種のプリンタであっても良いし、全てのプリンタであっても良い。また、対応インクは、個別の色のインクに限らず、全ての色のインクであっても良い。デバイス管理サーバ300のメンテナンスを通知する通知情報N3には、属性情報は関連付けられていない。なお、通知情報テーブルNTsには、通知情報ごとに、管理対象のプリンタの各ユーザ宛に送信済みであるか否かが記録されている。例えば、通知情報ごと、かつ、ユーザのユーザIDごとに、送信済みであるか未送信であるかを示すフラグ(図示省略)が記録されている。
【0027】
A-2.システム1000の動作
端末装置200のCPU210(端末アプリケーション)は、例えば、ユーザの指示に基づいて、ユーザのプリンタ100A~100Dに印刷を実行させることができる。例えば、端末アプリケーションは、ユーザに指定された画像データを用いて印刷ジョブを生成し、ユーザのプリンタ100A~100Dのうちのユーザに指定されたプリンタに該印刷ジョブを送信する。あるいは、端末アプリケーションは、ユーザに指定された画像データとユーザに指定されたプリンタを示す情報とを含む印刷指示をデバイス管理サーバ300に送信する。デバイス管理サーバ300は、該画像データを用いて印刷ジョブを生成し、ユーザに指定されたプリンタに該印刷ジョブを送信する。プリンタ100A~100Dは、端末アプリケーションやデバイス管理サーバ300から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブに従って、印刷を実行する。
【0028】
プリンタ100A~100Dの制御装置110は、それぞれ、定期的に、あるいは、印刷やインクの補給(例えば、インクカートリッジの交換)が行われる度に、CMYKの各色のインクの残量(単位は、例えば、%)を示すインク残量情報を、デバイス管理サーバ300に送信する。プリンタ100A~100Dの制御装置110は、それぞれ、定期的に、あるいは、印刷が行われる度に、印刷履歴(例えば、印刷枚数と印刷時刻)を示す印刷履歴情報を、デバイス管理サーバ300に送信する。
【0029】
デバイス管理サーバ300のCPU310は、インク残量情報や印刷履歴情報を受信すると、該インク残量情報や陰裂履歴情報をデバイス管理テーブルDTs(
図2)に記録する。
【0030】
デバイス管理サーバ300の運用者は、管理対象のプリンタ(例えば、プリンタ100A~100D)に対して通知すべき通知情報を、適宜にデバイス管理サーバ300にアップロードする。デバイス管理サーバ300は、アップロードされた通知情報をアップロードされた順序で通知情報テーブルNTsに記録する。
【0031】
端末装置200のCPU210(端末アプリケーション)は、さらに、通知情報を表示部240に表示することによって、該通知情報をユーザに通知する通知処理を実行する。
【0032】
図3、
図4は、通知処理のフローチャートである。
図3、
図4の通知処理は、端末装置200において、端末アプリケーションが起動される度に、実行される。
【0033】
S100では、CPU210は、デバイス管理サーバ300から未受信の通知情報を受信する。具体的には、CPU210は、ユーザID(本実施例では「US_a」)と通知情報の要求とを、デバイス管理サーバ300に送信する。デバイス管理サーバ300は、ユーザIDと通知情報の要求とを受信すると、通知情報テーブルNTsを参照して、ユーザID宛に送信されるべき通知情報を特定する。例えば、送信されるべき通知情報は、例えば、全てのユーザに通知すべき情報と、特定の機種やIDを有するプリンタのユーザに通知すべき情報と、を含む。デバイス管理サーバ300は、送信されるべき通知情報のうち、未送信である通知情報を特定し、特定された通知情報を端末装置200に送信する。特定された通知情報が複数個である場合には、複数個の通知情報は、デバイス管理サーバ300にアップロードされた順序で送信される。これによって、端末装置200は、デバイス管理サーバ300から未受信の通知情報を受信する。
【0034】
CPU210は、受信された通知情報を、デバイス管理サーバ300からの受信順序が後であるほど上位に位置するように、通知情報テーブルNTt(
図1)に記録する。これによって、通知情報テーブルNTtには、複数個の通知情報が、デバイス管理サーバ300にアップロードされた順序が後であるほど上位に位置するように記録される。
図5は、通知情報テーブルNTtの一例を示す図である。通知情報テーブルNTtには、例えば、過去に受信済みであり、削除されていない通知情報と、今回受信された通知情報と、が記録されている。
図5の例では、通知情報テーブルNTtには、通知情報N1~N11が記録されている。通知情報テーブルNTtにおいて、通知情報N1~N11は、デバイス管理サーバ300から受信された順序が遅いほど上位に記録されている。
図5の例では、通知情報N1~N11は、符号の末尾の数字k(kは1~11の整数)が小さいほど受信順が遅い。
【0035】
通知情報N1~N11は、インク関連情報と、プリンタ関連情報と、一般情報と、を含んでいる。インク関連情報は、プリンタ100A~100Dのインクと関連する通知情報である。本実施例では、インク関連情報は、対応プリンタを示す情報と、対応インクを示す情報と、の両方が属性情報として関連付けられた通知情報である。プリンタ関連情報は、プリンタ100A~100Dの少なくとも一部に関連し、インクに関連しない通知情報である。本実施例では、プリンタ関連情報は、対応プリンタを示す情報が属正情報として関連付けられ、かつ、対応インクを示す情報が属性情報として関連付けられていない通知情報である。一般情報は、プリンタとインクとのいずれにも関連しない通知情報である。本実施例では、一般情報は、対応プリンタを示す情報と対応インクを示す情報とのいずれも属正情報として関連付けられていない通知情報である。
【0036】
図5の通知情報N1、N2、N4、N6、N7、N9、N11は、インク関連情報である。
図5の例に示すように、
図5のインク関連情報は、インクの購入時に使用できる割引クーポンを通知するクーポン情報(例えば、通知情報N1、N2、N6、N7、N9、N11)や、インクの残量を通知する情報(例えば、通知情報N4)を含む。インク関連情報は、他の情報、例えば、インクの新製品に関する情報や、インクの割引販売期間を通知する情報を含んでも良い。インク関連情報は、例えば、CMYKのうちの一部の特定のインクに関連付けられても良いし、CMYKの全てのインクに関連付けられても良い。
【0037】
図5の通知情報N10は、プリンタ関連情報である。
図5のプリンタ関連情報N10は、プリンタのファームウエアのバージョンアップを通知する通知情報である。プリンタ関連情報は、他の情報、例えば、プリンタの不具合に関する情報や、プリンタに新たな機能を追加するアプリケーションの情報を含んでも良い。プリンタ関連情報は、特定の機種やIDのプリンタに関連付けられても良いし、全てのプリンタに関連付けられても良い。
【0038】
図5の通知情報N3、N5、N8は、一般情報である。
図5の一般情報は、デバイス管理サーバ300のメンテナンスに関する通知情報N3、N8や、端末装置200のアプリケーションプログラムAPtのバージョンアップを通知する情報N5を含む。一般情報は、他の情報、例えば、デバイス管理サーバ300によって提供される新たなサービスに関する情報を含んでも良い。
【0039】
S105では、CPU210は、通知情報テーブルNTtに記録された通知情報のうち、有効期限が切れているクーポン情報を削除する。例えば、
図3の通知処理の実行時が、2022年の2月15日であるとする。この場合には、
図5において、クーポン情報である通知情報N1、N2、N6、N7、N9、N11のうち、有効期限が2022年1月31日である通知情報N9の有効期限は切れており、他の通知情報の有効期限は切れていない。このために、この場合には、通知情報テーブルNTtから通知情報N9が削除される。
図6には、通知情報N9が削除された後の通知情報テーブルNTtが示されている。
【0040】
S107では、CPU210は、端末アプリケーションの起動頻度、すなわち、アプリケーションプログラムAPtがユーザの操作に基づいて端末装置200にて起動される頻度を示す情報を取得する。起動頻度は、例えば、直近の所定期間(例えば、1年)内に端末アプリケーションが起動された回数によって示される。例えば、不揮発性記憶装置230に端末アプリケーションの起動日時を記録した起動履歴情報が格納され、CPU210は、端末アプリケーションが起動される度に、起動履歴情報を更新する。CPU210は、該起動履歴情報を参照して、起動頻度情報を取得する。
【0041】
S110では、CPU210は、端末アプリケーションの起動頻度は、閾値THより低いか否かを判断する。閾値THは、例えば、一ヶ月に1回程度の起動頻度に設定される。起動頻度が閾値THより低い場合には、ユーザは、通知情報をこまめに確認していないと考えられる。起動頻度が閾値TH以上である場合には、ユーザは、通知情報をこまめに確認していると考えられる。
【0042】
起動頻度が閾値THより低い場合には(S110:YES)、S115にて、CPU210は、管理対象のプリンタの個数が2以上であるか否かを判断する。
図1の例では、管理対象のプリンタ100A~100Dの個数は4個であるので、管理対象のプリンタの個数が2以上であると判断される。管理対象のプリンタのデバイスIDは、例えば、後述するように、印刷枚数管理テーブルPTtやインク残量管理テーブルATsに記録されているので、CPU210は、これらのテーブルを参照して管理対象のプリンタの個数を認識できる。管理対象のプリンタの個数が2以上である場合には(S115:YES)、CPU210は、S120に処理を進める。管理対象のプリンタの個数が1つである場合には(S115:NO)、CPU210は、S140に処理を進める。
【0043】
S120では、CPU210は、管理対象のプリンタのそれぞれについて、直近印刷枚数情報を取得する。直近印刷枚数情報は、直近の特定期間(本実施例では30日)内に管理対象のプリンタにて印刷された用紙の枚数(直近印刷枚数とも呼ぶ)を示す情報である。直近印刷枚数情報は、プリンタによって特定期間内に、一枚分の画像を印刷する印刷処理が実行された回数を示す回数情報である、とも言うことができる。
【0044】
例えば、CPU210は、デバイス管理サーバ300に直近印刷枚数情報の取得要求を送信する。デバイス管理サーバ300は、該要求を受信すると、デバイス管理テーブルDTs(
図2)に記録された管理対象のプリンタ100A~100Dの印刷履歴情報に基づいて、直近印刷枚数を算出する。デバイス管理サーバ300は、算出した直近印刷枚数を示す直近印刷枚数情報を端末装置200に送信する。これに代えて、端末装置200のCPU210は、デバイス管理サーバ300から印刷履歴情報を受信し、該印刷履歴情報を用いて、直近印刷枚数を算出することによって直近印刷枚数情報を取得しても良い。また、CPU210は、デバイス管理サーバ300に代えて、管理対象の100A~100Dにそれぞれ問い合わせることによって、管理対象の100A~100Dから直近印刷枚数情報や印刷履歴情報を受信しても良い。これらの直近印刷枚数情報や印刷履歴情報は、プリンタ100A~100Dのそれぞれの利用状況、すなわち、印刷の実行情報を示す情報である。また、直近印刷枚数情報は、プリンタ100A~100Dのそれぞれの利用頻度を示す情報でもある。
【0045】
取得された直近印刷枚数情報は、印刷枚数管理テーブルPTt(
図1)に記録される。
図7は、印刷枚数管理テーブルPTtとインク残量管理テーブルITtの一例を示す図である。
図7(A)のインク残量管理テーブルITtには、ユーザIDと関連付けて、管理対象のプリンタ100A~100DのデバイスIDが記録され、該デバイスIDに関連付けて直近印刷枚数が記録されている。ここで、以下では、
図7(A)に示すように、プリンタ100A(デバイスID「PRID_A」)、100B(デバイスID「PRID_B」)、100C(デバイスID「PRID_C」)、100D(デバイスID「PRID_D」)の直近印刷枚数は、それぞれ、100、60、40、30であるとして説明を行う。
【0046】
S125では、CPU210は、直近印刷枚数が最大であるプリンタの直近印刷枚数に基づいて、閾値THpを決定する。閾値THpは、直近印刷枚数が最大であるプリンタの直近印刷枚数よりも小さな値、本実施例では、直近印刷枚数が最大であるプリンタの直近印刷枚数の半分の値に決定される。
図7(A)の例では、直近印刷枚数が最大であるプリンタは、プリンタ100Aであり、プリンタ100Aの直近印刷枚数は、100であるので、閾値THpは、50に決定される。
【0047】
S130では、CPU210は、管理対象のプリンタ100A~100Dの中に、直近印刷枚数が閾値THp未満であるプリンタ(低頻度プリンタとも呼ぶ)が存在するか否かを判断する。
図7(A)の例では、プリンタ100C、100Dの直近印刷枚数が閾値THp(50)未満であるので、管理対象のプリンタ100A~100Dの中に低頻度プリンタが存在すると判断される。管理対象のプリンタ100A~100Dの中に低頻度プリンタが存在する場合には(S130:YES)、CPU210は、S135に処理を進める。管理対象のプリンタ100A~100Dの中に低頻度プリンタが存在しない場合には(S130:NO)、CPU210は、S140に処理を進める。直近印刷枚数が閾値THp未満であることは、プリンタ100Aよりも直近印刷枚数が少なく、かつ、プリンタ100Aとの間の直近印刷枚数の差が、プリンタ100Aの直近印刷枚数の半分より大きいことを意味する。
【0048】
S135では、CPU210は、高頻度プリンタに関連する通知情報を、高頻度プリンタに関連しない通知情報よりも上位に移動する。高頻度プリンタは、管理対象のプリンタ100A~100Dのうち、低頻度プリンタよりも直近印刷枚数が多いプリンタ、すなわち、直近印刷枚数がTHp以上であるプリンタである。なお、低頻度プリンタが存在しない場合には、全てのプリンタ100A~100Dが高頻度プリンタとして扱われる。
図7(A)の例では、プリンタ100A、100Bの直近印刷枚数が閾値THp(50)以上であるので、プリンタ100A、100Bが高頻度プリンタである。高頻度プリンタは、低頻度プリンタよりも利用頻度が高いプリンタである、とも言うことができる。
【0049】
図6の通知情報テーブルNTtに記録された通知情報の中では、高頻度プリンタに関連する通知情報は、通知情報N1、N2、N6、N10、N11である。高頻度プリンタに関連する通知情報は、高頻度プリンタ(100Aまたは100B)に関連し、低頻度プリンタ(100Cまたは100D)に関連しない通知情報N1、N2、N10、N11を含む。高頻度プリンタに関連する通知情報は、高頻度プリンタ(100Aまたは100B)に関連し、かつ、低頻度プリンタ(100Cまたは100D)にも関連する通知情報N6を含む。
【0050】
図6の通知情報テーブルNTtに記録された通知情報の中では、高頻度プリンタに関連しない通知情報は、通知情報N3、N4、N5、N7、N8である。高頻度プリンタに関連しない通知情報は、高頻度プリンタ(100Aまたは100B)に関連せず、低頻度プリンタ(100Cまたは100D)に関連する通知情報N4、N7を含む。高頻度プリンタに関連しない通知情報は、高頻度プリンタ(100Aまたは100B)に関連せず、かつ、低頻度プリンタ(100Cまたは100D)にも関連しない通知情報N3、N5、N8を含む。
【0051】
具体的には、CPU210は、通知情報テーブルNTtにおいて、各通知情報に関連付けられた属正情報(対応プリンタを示す情報)に基づいて、通知情報テーブルNTtに記録された複数個の通知情報を、高頻度プリンタに関連する通知情報と、高頻度プリンタに関連しない通知情報とに分類する。CPU210は、通知情報テーブルNTtにおいて、高頻度プリンタに関連する通知情報が、高頻度プリンタに関連しない通知情報よりも上位になるように、通知情報を並べ替える。その際に、高頻度プリンタに関連する複数個の通知情報の中での並び順は、並べ替えの前の並び順のまま維持される。同様に、高頻度プリンタに関連しない複数個の通知情報の中での並び順は、並べ替えの前の並び順のまま維持される。
【0052】
図8には、S135の処理後の通知情報テーブルNTtが示されている。
図8において破線で示す通知情報N6、N10、N11が、
図6の状態よりも上位に移動している。これによって、
図8の通知情報テーブルNTtでは、高頻度プリンタに関連する通知情報N1、N2、N6、N10、N11が、高頻度プリンタに関連しない通知情報N3、N4、N5、N7、N8よりも上位に位置している。
【0053】
S140では、CPU210は、高頻度プリンタに関連する通知情報について、インク関連情報をプリンタ関連情報よりも上位に移動する。
図8の通知情報テーブルNTtにおいて、高頻度プリンタに関連する通知情報N1、N2、N6、N10、N11のうち、インク関連情報は通知情報N1、N2、N6、N11であり、プリンタ関連情報は通知情報N10である。
図9には、S140の処理後の通知情報テーブルNTtが示されている。
図9では、破線で示すインク関連情報N11がプリンタ関連情報N10より上位に移動している点が
図8と異なっている。これによって、インク関連情報N1、N2、N6、N11が、プリンタ関連情報N10より上位になっている。
【0054】
図4のS150では、CPU210は、管理対象のプリンタのそれぞれについて、インク残量情報を取得する。インク残量情報は、プリンタの印刷に用いられる1以上のインク(本実施例では、CMYKの4色のインク)のそれぞれの残量を示す情報である。例えば、CPU210は、デバイス管理サーバ300にインク残量情報の取得要求を送信する。デバイス管理サーバ300は、該要求を受信すると、デバイス管理テーブルDTs(
図2)に記録された管理対象のプリンタ100A~100Dのインク残量情報を端末装置200に送信する。これに代えて、端末装置200のCPU210は、管理対象のプリンタ100A~100Dにそれぞれ問い合わせることによって、管理対象の100A~100Dからインク残量情報を受信しても良い。また、デバイス管理サーバ300やプリンタ100A~100Dから直接にインク残量情報を取得しなくても良い。例えば、CPU210は、デバイス管理サーバ300やプリンタ100A~100Dからインクの使用量を示すインク使用量情報を取得し、該インク使用量情報を用いてインク残量を算出することによって、インク残量情報を取得しても良い。インク残量は、例えば、新品のインクカートリッジのインク収容量からインク使用量を減算することで算出される。また、CPU210は、このタイミングに限らず、別のタイミング、例えば、
図3のS120にて直近印刷枚数情報を取得する際に、インク残量情報を併せて取得しても良い。
【0055】
取得されたインク残量情報は、インク残量管理テーブルITt(
図1)に記録される。
図7(B)のインク残量管理テーブルITtには、管理対象のプリンタのデバイスIDに関連付けて、CMYKの4色のインクのそれぞれの残量が記録されている。ここで、以下では、
図7(B)に示すように、高頻度プリンタであるプリンタ100A(デバイスID「PRID_A」)のCMYKのインク残量は、それぞれ、40%、45%、60%、25%であり、プリンタ100B(デバイスID「PRID_B」)のCMYKのインク残量は、それぞれ、50%、40%、19%、30%であるとして説明を行う。
【0056】
S155では、CPU210は、高頻度プリンタに関連する通知情報について、インク関連情報をインク残量が少ない順に並べ替える。
図9の例では、高頻度プリンタに関連するインク関連情報N1、N2、N6、N11が並べ替えの対象となる。インク関連情報N1、N2、N6、N11は、それぞれ、プリンタ100AのCインク、プリンタ100AのKインク、プリンタ100A、100BのKインク、プリンタ100BのYインクに関連する。2以上のインクに関連するインク関連情報は、2以上のインクの残量のうち、最も少ない残量を参照して順位が決定される。例えば、通知情報N6は、プリンタ100AのKインクと、プリンタ100BのKインクと、の両方に関連するが、
図7(B)の例では、プリンタ100AのKインクの残量がより少ないので、プリンタ100AのKインクの残量が参照される。
【0057】
図10には、S155の処理後の通知情報テーブルNTtが示されている。
図10では、破線で囲まれた4個のインク関連情報N1、N2、N6、N11の順序が、
図9とは異なっている。
図7(B)の例では、残量が少ない順に、プリンタ100BのYインク(残量19%)、プリンタ100AのKインク(残量25%)、プリンタ100AのCインク(残量40%)の順である。このために、
図10では、インク関連情報N1、N2、N6、N11は、上位から、プリンタ100BのYインクに関連するインク関連情報N11、プリンタ100AのKインクに関連するインク関連情報N2、N6、プリンタ100AのCインクに関連するインク関連情報N1の順に並んでいる。
【0058】
S160では、CPU210は、高頻度プリンタに関連する通知情報について、同じインクに関連するクーポン情報を割引率が高い順に並べ替える。同じインクとは、同じプリンタに関連する同じ色のインクを意味する。
図10の例では、高頻度プリンタに関連するインク関連情報N2、N6は、いずれも、プリンタ100Aに関連するKインクのクーポン情報である。
図11には、S160の処理後の通知情報テーブルNTtが示されている。
図11では、同じインクに関連するクーポン情報であるインク関連情報N2、N6の順序は、割引率が高い方が上位になるように、
図10の状態から入れ替えられている。
【0059】
上述した
図3のS140~S160では、高頻度プリンタであるプリンタ100Aとプリンタ100Bに関連する通知情報(インク関連情報N1、N2、N6やプリンタ関連情報N10)の変更が行われている。これらの処理では、利用頻度に基づいて、プリンタ100Aに関連する通知情報をプリンタ100Bに関連する通知情報よりも上位にすることは行われない。すなわち、複数個の高頻度プリンタの中では、利用頻度に応じて順序が決定されることはなく、利用頻度には依存せず、利用頻度とは異なる情報に基づいて順序が決定される。利用頻度とは異なる情報は、例えば、インク残量情報、クーポンの割引率、インク関連情報であるか否か、あるいは、通知情報の受信順を含む。
【0060】
図3のS110にて、端末アプリケーションの起動頻度が閾値TH以上である場合には(S110:NO)、CPU210は、上述したS115~S160をスキップして、S165に処理を進める。この場合には、通知情報テーブルNTtは、
図6に示す状態のままで、S165に処理が進められる。
図6の通知情報テーブルNTtでは、複数個の通知情報N1~N8、N10、N11は、上述したように、これらの複数個の通知情報がデバイス管理サーバ300にアップロードされた順序が後であるほど、上位になるように並んでいる。換言すれば、複数個の通知情報N1~N8、N10、N11は、新しい通知情報ほど上位になるように並んでいる。
【0061】
S165では、CPU210は、この時点における通知情報テーブルNTtに従って、通知情報の表示画面MWを表示部240に表示する。例えば、端末アプリケーションの起動頻度が閾値TH以上である場合には、複数個の通知情報は、
図6の通知情報テーブルNTtに示す順序で表示される。端末アプリケーションの起動頻度が閾値THより低い場合には、複数個の通知情報は、S160の処理後の通知情報テーブルNTt、例えば、
図11の通知情報テーブルNTtに示す順序で表示される。
【0062】
図12は、表示画面MWの一例を示す図である。表示画面MWは、通知情報のリストLTと、リストLTをスクロールさせることで、リストLTのうちの表示部分を変更するスクロールバーSBと、終了ボタンBTと、を含んでいる。
図12の例では、リストLTには、複数個の通知情報N1~N8、N10、N11(
図11)が、
図11の通知情報テーブルNTtに示す順序に従って記述されている。初期の表示状態では、リストLTに含まれる複数個の通知情報N1~N8、N10、N11(
図11)のうち、表示順序が上位の6個の通知情報N11、N6、N2、N1、N10、N3が表示画面MWに表示されている。ユーザは、上位の6個の通知情報N11、N6、N2、N1、N10、N3を、スクロールバーSBを操作することなく見ることができる。ユーザは、スクロールバーSBを操作して、6個の通知情報N11、N6、N2、N1、N10、N3よりも表示順序が下位の通知情報を見ることができる。例えば、ユーザが、表示画面MWにおいて、各通知情報が表示された部分をタップすると、タップされた通知情報の詳細が表示部240に表示される(図示省略)。詳細が表示された通知情報は、例えば、ユーザの同意を得た上で削除される。ユーザが、終了ボタンBTをタップすると、表示画面MWの表示は終了されて、別の所定の画面、例えば、印刷指示などを行うためのメニュー画面(図示省略)が表示部240に表示される。
【0063】
以上説明した本実施例によれば、端末装置200上で動作するコンピュータプログラムであるアプリケーションプログラムAPtによって実現される端末アプリケーションとして機能するCPU210は、特定のユーザ(端末装置200のユーザ)によって利用される複数個のプリンタ100A~100Bのそれぞれの直近印刷枚数情報を取得する(
図3のS120)。CPU210は、デバイス管理サーバ300から複数個のプリンタ100A~100Dに関連する情報(具体的には、インク関連情報とプリンタ関連情報)を含む複数個の通知情報N1~N11を受信する(
図3のS100、
図5)。CPU210は、直近印刷枚数情報に基づいて、複数個のプリンタ100A~100Dの中に、低頻度プリンタがあるか否かを判断する(
図3のS130)。低頻度プリンタは、上述のように、直近印刷枚数が最大であるプリンタ100Aよりも直近印刷枚数が少なく、かつ、プリンタ100Aとの間の直近印刷枚数の差が基準(本実施例では、プリンタ100Aの直近印刷枚数の半分)よりも大きいプリンタ(
図7(A)の例では、プリンタ100C、100D)である。CPU210は、低頻度プリンタがある場合に(
図3のS130にてYES)、低頻度プリンタよりも直近印刷枚数が多い1以上の高頻度プリンタ(
図7(A)の例では、プリンタ100A、100B)に関連する第1の通知情報(例えば、通知情報N1、N2、N6、N10、N11(
図11等))が、低頻度プリンタに関連し高頻度プリンタに関連しない第2の通知情報(例えば、通知情報N4、N7(
図11等))よりも上位で表示させる特定の表示順序で、複数個の通知情報N1~N8、N10、N11を、表示部240に表示させる(
図3の135、
図4のS165、
図12)。
【0064】
複数個のプリンタ100A~100Dの中に、低頻度プリンタがある場合には、プリンタ100A~100Dのユーザにとって、低頻度プリンタよりも利用頻度が高い高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、低頻度プリンタに関連し高頻度プリンタに関連しない第2の通知情報よりも重要であると考えられる。例えば、高頻度プリンタでは、低頻度プリンタよりもインクの消費量が多くなる。このために、高頻度プリンタにインクを補給する頻度(例えば、インクカートリッジの交換頻度)は、低頻度プリンタにインクを補給する頻度よりも高くなるので、高頻度プリンタのインクの割引クーポンは、低頻度プリンタのインクの割引クーポンと比較して、利用される確率が高い。インク関連情報に限らず、プリンタのファームウエアのアップデート情報や不具合情報などのプリンタ関連情報についても、利用頻度が高いプリンタに関する情報は、利用頻度が低いプリンタに関する情報よりもユーザに対する影響が大きいため、利用頻度が低いプリンタに関する情報よりもユーザにとって重要である。本実施例によれば、上述のように、プリンタ100A~100Dのうち、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、低頻度プリンタに関連し高頻度プリンタに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される。これによって、したがって、ユーザにとって重要な通知情報を優先的に表示できるので、ユーザによって重要な通知情報がユーザに届きやすくすることができる。例えば、ユーザが表示画面MWにおいてスクロールバーSBを操作しなくても、重要な通知情報がユーザの目に触れる確率が高くなる。これによって、ユーザが重要な通知情報を見逃す可能性の低減やユーザが重要な通知情報を探す作業の軽減を実現できる。
【0065】
また、本実施例では、CPU210は、複数個の通知情報を、関連するプリンタの直近印刷枚数が多い順に単純に並べるわけではない。本実施例では、CPU210は、プリンタ100Aよりも直近印刷枚数が少なく(すなわち、利用頻度が低く)、かつ、プリンタ100Aとの間の直近印刷枚数の差が基準よりも大きい(すなわち、利用頻度の差が基準よりも大きい)プリンタ100C、100Dを低頻度プリンタとする。そして、CPU210は、低頻度プリンタよりも直近印刷枚数が多いプリンタ100A、100Bを高頻度プリンタとしている。これによって、CPU210は、通知情報を適切な順序で表示できる。例えば、プリンタの利用頻度には、期間によってバラツキもあり、プリンタの利用態様も様々であるので、例えば、一のプリンタの利用頻度が他のプリンタの利用頻度よりも僅かに多い程度では、ユーザにとって他のプリンタの重要性が一のプリンタ100Aの重要性よりも低いとは言えない場合も多い。本実施例では、プリンタ100Aよりも十分に利用頻度が低いプリンタ100C、100Dが存在する場合に、プリンタ100A、100Bに関連する第1の通知情報が、プリンタ100C、100Dに関連しプリンタ100A、100Bに関連しない第2の通知情報よりも上位に表示される。この結果、ユーザにとって重要なプリンタの通知情報が誤って下位の順序で表示される可能性を低減できる。したがって、ユーザが重要な通知情報を見逃す可能性の低減やユーザが重要な通知情報を探す作業の軽減を実現できる。
【0066】
さらに、上記実施例によれば、利用頻度を示す印刷枚数情報は、プリンタによって特定期間内に一枚分の印刷処理が実行された回数を示す回数情報である。この結果、プリンタによって印刷処理が実行された回数に基づいて、プリンタの利用頻度を精度良く特定できるので、プリンタ100A~100Dの中に低頻度プリンタがあるか否かを適切に判断できる。
【0067】
さらに、上記実施例によれば、CPU210は、プリンタ100Aの直近印刷枚数に基づいて、プリンタ100Aによる直近印刷枚数よりも小さな閾値THpを決定する(
図3のS125)。そして、CPU210は、プリンタ100A~100Dの中に、直近印刷枚数情報が閾値THpよりも小さなデバイスがある場合に、低頻度プリンタがあると判断する(
図3のS130)。この結果、プリンタ100A~100Dの中に低頻度プリンタがあるか否かをより適切に判断できる。例えば、仮に、プリンタ100Aの直近印刷枚数に基づかずに固定値の閾値を採用する場合には、管理対象のプリンタを高頻度プリンタと低頻度プリンタとに適切に分類できない場合がある。例えば、直近印刷枚数が100枚以上のプリンタを高頻度プリンタとし、印刷枚数が50未満のプリンタを低頻度プリンタとする場合を仮定する。この場合には、例えば、2個の管理対象のプリンタの直近印刷枚数が、500枚、150枚である場合には、2個の管理対象のプリンタの利用頻度には十分な差があるにも拘わらず、低頻度プリンタはないと判断される。また、2個の管理対象のプリンタの直近印刷枚数が、90枚、10枚である場合には、2個の管理対象のプリンタの利用頻度には十分な差があるにも拘わらず、高頻度プリンタはないと判断される。この結果、通知情報を利用頻度に応じた適切な順序で表示できない場合がある。本実施例によれば、このような不都合が発生することを抑制できる。
【0068】
さらに、上記実施例によれば、CPU210は、端末アプリケーションの起動頻度を取得する(
図3のS107)。CPU210は、起動頻度が閾値THよりも低い場合に(
図3のS110にてYES)、複数個の通知情報を、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報が低頻度プリンタに関連し高頻度プリンタに関連しない第2の通知情報よりも上位で表示される特定の表示順序(例えば、
図11に示す順序)で表示する。CPU210は、起動頻度がTH以上である場合に(
図3のS110にてNO)、複数個の通知情報を、上記特定の表示順序とは異なる順序、本実施例では、並べ替えを行う前のデフォルトの順序、すなわち、デバイス管理サーバ300からの受信順序が後であるほど上位に位置する順序(
図6)で表示する。
【0069】
例えば、起動頻度が閾値THより低い場合には、ユーザは、通知情報をこまめに確認していないと考えられる。この場合には、ユーザが確認していない多数の通知情報が通知情報テーブルNTtに存在する可能性が高く、また、新たに起動時に受信される通知情報も比較的多い可能性が高い。このために、多数の表示すべき通知情報を、ユーザにとっての重要性を考慮して、利用頻度に応じて並べ替える必要性が高い。これに対して、起動頻度が閾値THより低い場合には、ユーザは、通知情報をこまめに確認していると考えられる。この場合には、そもそも通知情報テーブルNTtに存在する通知情報も少なく、また、新たに起動時に受信される通知情報も比較的少ない可能性が高い。このために、並べ替えを行わなくても、ユーザは容易に通知情報に目を通すことができる可能性が高く、並べ替えを行う必要性が低い。また、ユーザが古い通知情報に既に目を通している可能性が高いので、ユーザにとって重要性の高い通知情報は、より新しい通知情報である可能性が高い。したがって、この場合には、デバイス管理サーバ300からの受信順序が後であるほど上位に位置する順序、すなわち、
図6の通知情報テーブルNTtに示すような並べ替えを行う前のデフォルトの順序で、複数個の通知情報を表示することが好ましいと考えられる。このように、本実施例によれば、起動頻度に応じて、並べ替えを行うか否かを切り替えることで、無駄な並べ替えを行うことを回避することができるとともに、複数個の通知情報を起動頻度に応じた適切な順序で表示することができる。
【0070】
さらに、上記実施例によれば、CPU210は、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、複数個のインクに関連する複数個のインク関連情報N1、N2、N6、N11を含む。CPU210は、高頻度プリンタにて使用されるインクの残量を示すインク残量情報を取得する(
図4のS150)。CPU210は、直近印刷枚数情報に加えて、インク残量情報に基づいて決定される特定の表示順序で、複数個の通知情報を表示する(
図4のS155、
図10)。具体的には、複数個のインク関連情報N1、N2、N6、N11は、残量が少ないインクに関連する情報ほど上位に表示される。例えば、
図10の例では、プリンタ100BのYインク(残量19%(
図7(B)))に関連するインク関連情報N11は、プリンタ100BのYインクよりも残量が多い他のインクに関連しプリンタ100BのYインクに関連しないインク関連情報N1、N2、N6よりも上位に表示される(
図10)。
【0071】
残量が少ないインクに関連する通知情報は、残量が多いインクに関連する通知情報よりもユーザに通知すべき重要性が高いと考えられる。例えば、残量が少ないインクは、残量が多いインクと比較して早いタイミングで補給される可能性が高いので、残量が少ないインクのクーポン情報は、残量が多いインクのクーポン情報よりも早く必要になる可能性が高い。このために、残量が少ないクーポン情報は、残量が多いインクのクーポン情報よりも早く確実にユーザに通知される必要がある。本実施例では、上述のように、残量が少ないインクに関連する通知情報は、残量が多いインクに関連する通知情報よりも上位に表示される。したがって、ユーザにとっての重要性に応じて高頻度プリンタの複数個のインク関連情報N1、N2、N6、N11が適切な順序で表示されるので、重要な通知情報をユーザにより届きやすくすることができる。
【0072】
さらに、上記実施例では、高頻度プリンタは、直近印刷枚数が最も多いプリンタ100Aと、プリンタ100Aとは異なる他のプリンタ100Bと、を含む(
図7(A))。そして、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、プリンタ100Aのための通知情報(例えば、通知情報N2)と、プリンタ100Aに関連しないプリンタ100Bのための通知情報(例えば、通知情報N11)と、を含む。これらの高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、これらのプリンタの利用頻度に依存せず、利用頻度とは異なる情報(インク残量情報、クーポンの割引率等)に基づいて決定される。このために、例えば、インクの残量に応じて、プリンタ100Aのための通知情報がプリンタ100Bのための通知情報よりも上位になることもあれば、その逆になることもある。
【0073】
高頻度プリンタであるプリンタ100A、100Bは、ともに、比較的高い頻度で利用されている。比較的高い頻度で利用されている2以上の高頻度プリンタに関する通知情報は、いずれもユーザにとって重要であり、該2以上の高頻度プリンタ間にある程度の利用頻度の差があるとしても、2以上の高頻度プリンタに関する2以上の通知情報の重要性には、大差はないと考えられる。このために、2以上のプリンタに関する2以上の通知情報の表示順序は、利用頻度とは異なる情報に基づいて決定されることが好ましいと考えられる。このように、上記実施例では、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報をさらに適切な順序で表示できる。
【0074】
さらに、上記実施例によれば、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報は、インクに関連するインク関連情報(例えば、通知情報N1、N2、N6、N11)と、プリンタ100A~100Bの少なくとも一部に関連しインクに関連しないプリンタ関連情報(例えば、通知情報N10)を含む(
図11等)。また、受信される複数個の通知情報は、プリンタ100A~100Bとインクとのいずれにも関連しない一般情報(例えば、通知情報N3、N5、N8)を含む(
図11等)。これらの複数個の通知情報の表示順序は、
図11に示すように、高頻度プリンタに関連するプリンタ関連情報よりも高頻度プリンタに関連するインク関連情報が上位に表示され、一般情報よりも高頻度プリンタに関連するプリンタ関連情報が上位に表示される順序である(
図3のS135、S140)。例えば、
図11では、通知情報N10よりも通知情報N1、N2、N6、N11が上位にあり、通知情報N3、N5、N8よりも通知情報N10が上位にあることが解る。
【0075】
端末アプリケーションは、プリンタ100A~100Dの管理や利用のためのアプリケーションであるので、プリンタやインクに関連しない一般情報は、プリンタやインクに関連する情報よりも重要性は低いと考えられる。また、プリンタにおいて発生するメンテナンスのうち、最も頻度が高いのは、インクなどの消耗品の補給であるので、プリンタに関連する通知情報の中では、インク関連情報は、インクに関連しないプリンタ関連情報よりも重要性が高いと考えられる。このように、上記実施例では、端末アプリケーションの目的やプリンタのメンテナンス頻度を考慮して、適切な順序で複数個の通知情報を表示することができる。
【0076】
さらに、上記実施例によれば、CPU210は、直近の利用頻度を示す直近印刷枚数情報に基づいて、低頻度プリンタが存在するか否かを判断する(
図3のS120~S130)。この結果、直近の利用頻度に基づいて流動的に高頻度プリンタと低頻度プリンタとを決定できる。そして、低頻度プリンタが存在する場合に限って、高頻度プリンタに関連する第1の通知情報を、低頻度プリンタに関連し高頻度プリンタに関連しない第2の通知情報よりも上位に表示する。例えば、一のプリンタのインクの残量が少なかったとしても、一のプリンタが表示処理の時点で低頻度プリンタに分類される場合には、該一のプリンタに関連するインク関連情報は、高頻度プリンタに関連する通知情報よりも上位に表示されることはない。このように、通知処理の時点におけるプリンタの利用頻度に基づいて、利用頻度に応じて変動し得る通知情報の重要性に応じて柔軟に表示順序を決定できる。
【0077】
さらに、上記実施例によれば、CPU210は、高頻度プリンタに関連する同じインクの複数個のクーポン情報を、割引率が高いほど上位になるように、表示する(
図4のS160、
図12)。インクを購入する際には、割引率が高い割引クーポンを用いるほどユーザが享受するメリットが大きい。このために、同じインクの複数個のクーポン情報がある場合には、該複数個のクーポン情報のうち、割引率が高いクーポン情報は、割引率が低いクーポン情報よりも重要性が高い。このように、上記実施例では、同じインクの複数個のクーポン情報を、割引率に応じた適切な順序で表示することができる。
【0078】
以上の説明から解るように、本実施例の直近印刷枚数情報は、利用情報、回数情報、および、印刷実行情報の例である。本実施例の直近印刷枚数が最大であるプリンタ100Aは、特定のデバイスの例である。本実施例のインク残量情報は、消耗品情報、および、色材の例である。本実施例の管理対象のプリンタ100A~100Dは、複数個の対象デバイスの例である。
【0079】
C.変形例
(1)
図13は、変形例の通知処理の一部を示すフローチャートである。本変形例では、上記実施例の
図4の処理に代えて、
図13の処理が実行される。変形例の通知処理では、
図4のS150、S155に代えて、
図13のS150B、S155Bの処理が実行される。変形例の通知処理の他の処理は、
図3、
図4の通知処理と同一である。
【0080】
図13のS150Bでは、CPU210は、管理対象のプリンタのそれぞれについて、インク使用量情報を取得する。インク使用量情報は、プリンタの印刷に用いられる1以上のインク(本実施例では、CMYKの4色のインク)のそれぞれの使用量を示す情報である。インク使用量情報によって示されるインク使用量は、インクの補給(例えば、インクカートリッジの交換)が行われた時点から使用されたインクの総量である。CPU210は、実施例のインク残量情報と同様に、例えば、デバイス管理サーバ300からインク使用量情報を受信する。これに代えて、CPU210は、管理対象のプリンタ100A~100Dにそれぞれからインク使用量情報を受信しても良い。また、CPU210は、デバイス管理サーバ300やプリンタ100A~100Dから直接にインク使用量情報を取得しなくても良い。例えば、CPU210は、デバイス管理サーバ300やプリンタ100A~100Dから印刷履歴情報を取得し、印刷履歴情報に基づいて、インクの補給が行われた時点からのインク使用量を推定することによって、インク使用量情報を取得しても良い。
【0081】
S155Bでは、CPU210は、高頻度プリンタに関連する通知情報について、インク関連情報をインク使用量が多い順に並べ替える。例えば、インクの使用量が多い順に、プリンタ100BのYインク、プリンタ100AのKインク、プリンタ100AのCインクの順であるとする。この場合には、
図10に示すように、インク関連情報N1、N2、N6、N11は、上位から、プリンタ100BのYインクに関連するインク関連情報N11、プリンタ100AのKインクに関連するインク関連情報N2、N6、プリンタ100AのCインクに関連するインク関連情報N1の順に並べられる。
【0082】
以上説明した変形例によれば、CPU210は、直近印刷枚数情報に加えて、インク使用量情報に基づいて決定される特定の表示順序で、複数個の通知情報を表示する(
図13のS155B)。具体的には、複数個のインク関連情報N1、N2、N6、N11(
図10等)は、使用量が多いインクに関連する情報ほど上位に表示される。例えば、プリンタ100BのYインクの使用量が、プリンタ100AのKインクの使用量より多い場合には、プリンタ100BのYインクに関連するインク関連情報N11は、プリンタ100BのYインクよりも使用量が少ないプリンタ100AのKインクに関連しプリンタ100BのYインクに関連しないインク関連情報N2よりも上位に表示される。
【0083】
使用量が多いインクに関連する通知情報は、使用量が少ないインクに関連する通知情報よりもユーザに通知すべき重要性が高いと考えられる。例えば、使用量が少ないインクは、使用量が多いインクと比較して早いタイミングで補給される可能性が高いので、使用量が多いインクのクーポン情報は、使用量が少ないインクのクーポン情報よりも早く必要になる可能性が高い。このために、使用量が多いクーポン情報は、使用量が少ないインクのクーポン情報よりも早く確実にユーザに通知される必要がある。本実施例では、上述のように、使用量が多いインクに関連する通知情報は、使用量が少ないインクに関連する通知情報よりも上位に表示される。したがって、本変形例によれば、上記実施例と同様に、ユーザにとっての重要性に応じて高頻度プリンタの複数個のインク関連情報N1、N2、N6、N11が適切な順序で表示されるので、重要な通知情報をユーザにより届きやすくすることができる。
【0084】
(2)上記実施例の対象デバイスは、プリンタであるが、これに限られない。例えば、複数個の対象デバイスは、複数個のスキャナであっても良い。この場合には、例えば、CPU210は、直近印刷枚数情報に代えて、複数個のスキャナのそれぞれの利用頻度を示す情報、具体的には、直近の特定期間内に実行されたスキャン処理の回数を示すスキャン回数情報を取得する。CPU210は、複数個のスキャナのうち、スキャン回数が最大である特定のスキャナのスキャン回数の半分を閾値THsとして決定する。CPU210は、複数個のスキャナのうち、スキャン回数が閾値THs未満である低頻度スキャナがある場合には、低頻度スキャナよりもスキャン回数が多い高頻度スキャナに関連する通知情報を、低頻度スキャナに関連する通知情報よりも上位に表示する。この変形例によれば、スキャナに関連する情報を含む複数個の通知情報を、重要性に応じて適切な順序で表示することができる。
【0085】
(3)上記実施例では、直近印刷枚数が最大であるプリンタ100Aの直近印刷枚数の半分の値に、閾値THpが決定され(
図3のS125)、直近印刷枚数が該閾値THp未満であるプリンタが低頻度プリンタとして特定される(
図3のS130)。低頻度プリンタの特定の手法はこれに限られない。
【0086】
閾値THpは、直近印刷枚数が最大であるプリンタ100Aの直近印刷枚数に基づく他の値であっても良い。例えば、閾値THpは、直近印刷枚数が最大であるプリンタ100Aの直近印刷枚数の1/3であっても良いし、2/3であっても良い。
【0087】
閾値THpは、直近印刷枚数が2番目に多いプリンタの直近印刷枚数に基づいて決定されても良い。例えば、閾値THpは、直近印刷枚数が2番目に多いプリンタの直近印刷枚数の1/2、1/3、あるいは、2/3であっても良い。
【0088】
閾値THpは、複数個のプリンタの直近印刷枚数に基づいて決定されても良い。例えば、閾値THpは、直近印刷枚数が最大であるプリンタと2番目に多いプリンタとの直近印刷枚数の平均値に基づいて決定されても良い。あるいは、管理対象の複数個のプリンタの直近印刷枚数の平均値や中央値が算出され、管理対象の複数個のプリンタのうち、直近印刷枚数が平均値や中央値以上であるプリンタの直近平均枚数に基づいて、閾値THpが決定されても良い。
【0089】
複数個のプリンタの直近印刷枚数とは無関係の値、例えば、予め経験的に定められた固定値を閾値として、低頻度プリンタと高頻度プリンタとを分類しても良い。
【0090】
直近印刷枚数に代えて、直近の特定期間内に処理された印刷ジョブの個数、換言すれば、直近の特定期間内において、1つの印刷ジョブに対応する印刷処理が実行された回数が用いられても良い。この場合には、印刷ジョブが、1枚分の印刷を行うジョブであるか複数枚の印刷を行うジョブであるかに拘わらず、1個の印刷ジョブに対応する印刷処理は、1回の印刷処理としてカウントされる。
【0091】
直近印刷枚数に代えて、印刷処理の回数とは異なる量であって、プリンタの利用頻度を示す量が用いられても良い。例えば、直近印刷枚数に代えて、直近の特定期間内に印刷によって使用されたインクの総量が用いられても良い。
【0092】
(4)上記実施例では、端末アプリケーションの起動頻度に応じて、
図3のS115~S160の処理を実行するか否かが切り替えられている。これに代えて、起動頻度に拘わらずに、常に、
図3のS115~S160の処理が実行されても良い。あるいは、通知情報テーブルNTtに記録された通知情報の個数やデバイス管理サーバ300から受信された通知情報の個数に応じて、
図3、
図4のS115~S160の処理を実行するか否かが切り替えられても良い。例えば、通知情報テーブルNTtに記録された通知情報の個数が所定の閾値以上である場合に、
図3、
図4のS115~S160の処理が実行され、該通知情報の個数が所定の閾値より少ない場合に、
図3、
図4のS115~S160の処理が実行されなくても良い。
【0093】
(5)上記実施例では、プリンタの消耗品として、インクが例示されている。これに代えて、プリンタの消耗品は、用紙などの印刷媒体であっても良い。例えば、通知情報は、印刷媒体に関連する印刷媒体関連情報を含んでも良い。この場合には、通知情報の並べ替えのために参照される情報は、印刷媒体の使用量を示す情報や、印刷媒体の残量を示す情報を含んでも良い。
【0094】
(6)上記実施例の
図3、
図4の通知処理は、一例であり、適宜に変形がなされ得る。例えば、
図3、
図4の通知処理のうち、
図3のS140は省略されても良い。同様に、
図3、
図4の通知処理のうち、
図4のS150、S155は省略されても良く、
図4のS160も省略されても良い。
【0095】
(7)上記実施例において、
図3、
図4の通知処理の一部は、デバイス管理サーバ300において実行されても良い。例えば、デバイス管理サーバ300は、デバイス管理テーブルDTsを保持しているので、直近印刷枚数情報やインク残量情報を容易に取得できる。また、端末アプリケーションは、起動される度に、デバイス管理サーバ300との通信を行うために、デバイス管理サーバ300は、端末アプリケーションの起動頻度を把握することも容易である。このために、例えば、デバイス管理サーバ300は、端末装置200に送信すべき複数個の通知情報について、S105~S160の処理を実行して、複数個の通知情報の表示順序を決定してもよい。この場合には、デバイス管理サーバ300は、決定された表示順序を示す情報と、複数個の通知情報と、を端末装置200に送信する。端末装置200は、デバイス管理サーバ300によって決定された表示順序に従って、複数個の通知情報を表示部240に表示しても良い。
【0096】
(8)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0097】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1000…システム,100A~100D…プリンタ,110…制御装置,120…印刷機構,200…端末装置,210…CPU,220…揮発性記憶装置,230…不揮発性記憶装置,240…表示部,250…操作部,300…デバイス管理サーバ,310…CPU,320…揮発性記憶装置,330…不揮発性記憶装置,APt…アプリケーションプログラム,ATs…インク残量管理テーブル,DTs…デバイス管理テーブル,280,380…通信IF,IT…インターネット,ITt…インク残量管理テーブル,LAT…ローカルエリアネットワーク,NTs…通知情報テーブル,NTt…通知情報テーブル,PGs…コンピュータプログラム,PTt…印刷枚数管理テーブル