(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018727
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122249
(22)【出願日】2022-07-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】黒田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】市川 智貴
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA14
(57)【要約】
【課題】複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とに基づいて、仮想的に設定された残高である第1仮想残高を取得する。第1仮想残高に関する情報を表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とに基づいて、仮想的に設定された残高である第1仮想残高を取得し、
前記第1仮想残高に関する情報を表示させる、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1仮想残高は、前記ウォレット残高から、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、未確定のあと払い利用額とを差し引いた金額であり、
前記制御部は、
前記ウォレット残高を超える金額の支払いがされる場合、前記ウォレット残高を全て消費し、かつ、不足している支払い分をあと払いにより支払うようにし、
前記第1仮想残高から、前記ウォレット残高の消費された金額と、あと払いにより支払われる金額とを差し引くことで、支払い後の第1仮想残高を取得する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1仮想残高に関する情報は、あと払い利用枠に、前記ウォレット残高を加えた金額から、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額とを差し引いた金額であり、
ここで前記あと払い利用枠は、利用者に対してあと払いの利用枠として設定された金額である、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記ウォレット残高と、前記引き落とし前の確定したあと払い利用額及び前記未確定のあと払い利用額を足した金額と、前記あと払い利用枠とを一覧性を有した状態で表示させる、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
第2仮想残高を管理し、
ここで前記第2仮想残高は、所定のタイミングにおいて、引き落とし前の確定したあと払いの利用額を定義する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
未確定のあと払い利用額がある状態で前記ウォレット残高にチャージした場合、前記あと払い利用額を相殺する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
あと払いにより前記第2仮想残高が所定の閾値を超えている場合、又は、前記未確定のあと払い利用額が前記ウォレット残高へのチャージにより相殺された場合、にあと払い明細を発行し、
ここで、前記あと払い明細は、あと払いに関する明細である、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
取引において、前記ウォレット残高を使用した場合に、ウォレット払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、
取引において、前記あと払いを使用した場合に、あと払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、
取引において、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方を使用した場合に、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方の表記を取引の情報と共に表示させる、
情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
利用可能額を表示させるものであり、
前記利用可能額は、利用者に対して設定されたあと払い利用枠を示す金額に、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高を加えた金額から、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額と、を差し引いた金額である、
情報処理システム。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1~9のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
請求項1~9のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、複数種類の電子マネーを保有可能な携帯電話機と、電子マネーによる決済が可能な電子決済端末とを備える電子決済システムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年において、複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供するには、依然として改良の余地があった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供することが可能な技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とに基づいて、仮想的に設定された残高である第1仮想残高を取得する。第1仮想残高に関する情報を表示させる。
【0007】
本開示によれば、複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供することが可能な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】クライアント装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティの一例を示す図である。
【
図6】あと払い利用申込画面5の一例を示す図である。
【
図7】仮想残高を構成する決定性有限オートマトンの一例を示す図である。
【
図8】
図7に示す仮想残高を構成する決定性有限オートマトンを用いた状態遷移の一例を示す図である。
【
図10】変形例の利用可能額表示領域70の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント装置でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.情報処理システム1のシステム構成
まず、
図1を参照しながら本実施形態の情報処理システム1のシステム構成について説明する。
【0014】
図1は、情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1が示すように、情報処理システム1は、サーバ装置2、クライアント装置3と、ネットワークNとを含む。サーバ装置2は、ネットワークNを介して、クライアント装置3と通信可能に構成される。これにより、サーバ装置2及びクライアント装置3は、相互に様々な情報を送信又は受信することができる。なお、サーバ装置2及びクライアント装置3は、情報処理装置の一例であり、本実施形態に限定されるものではない。クライアント装置3は、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等のいずれであってもよい。なお、サーバ装置2及びクライアント装置3は、複数あってもよい。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ装置2単体又はクライアント装置3単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。
【0015】
2.ハードウェア構成
次に、
図2を参照しながら本実施形態のサーバ装置2及びクライアント装置3のハードウェア構成について説明する。
【0016】
2.1.サーバ装置2のハードウェア構成
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、サーバ装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備え、これらの構成要素がサーバ装置2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。サーバ装置2は、実施形態に係る処理を実行する。
【0017】
制御部21は、サーバ装置2に関連する全体動作の処理及び制御を行う。制御部21は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部21が、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出し、プログラムに基づき処理を実行することによって、サーバ装置2に係る種々の機能、例えば、後述する
図4~
図10に示される処理が実現される。なお、制御部21は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部21を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0018】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム、変数及び制御部21がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶している。また、記憶部22は、従業員の情報を格納するデータベースを記憶する。記憶部22は、記憶媒体の一例である。
【0019】
通信部23は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G/4G/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置2は、通信部23を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
2.2.クライアント装置3のハードウェア構成
図3は、クライアント装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、クライアント装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、を有し、これらの構成要素がクライアント装置3の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。クライアント装置3は、実施形態に係る処理を実行する。クライアント装置3の制御部31、記憶部32及び通信部33については、サーバ装置2の制御部21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。
【0021】
入力部34は、クライアント装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。例えば、入力部34は、出力部35と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することが可能である。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部34がユーザによってなされた操作に基づく入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バスを介して制御部31に転送され、制御部31が必要に応じて所定の制御又は演算を実行しうる。
【0022】
出力部35は、クライアント装置3の表示部として機能することが可能である。出力部35は、例えば、クライアント装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。出力部35は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、クライアント装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0023】
3.情報処理システム1の動作の流れ
本実施形態の情報処理システム1で実行される好ましい情報処理の一例を説明する。本実施形態では、
ユーザは、クライアント装置3を操作することにより、ウォレット払いとあと払いとを使用して支払いをする。ある観点によると、ユーザは、あと払いの利用者である。
【0024】
「ウォレット払い」とは、予めチャージした金額から支払いがされる支払い方法である。ウォレット払いは、前払い又は即時払い支払いと称されることがある。また、ウォレット払いとは、プリペイドの概念を含んでもよい。また、「ウォレット残高」とは、ウォレット払いにより使用可能な態様で予めチャージされた金額のことをいう。
【0025】
「あと払い」とは、所定期間経過後に支払いが行われる支払い方法である。あと払いは、ひと月まとめてのあと払い、分割払い及びリボルビング払いなどの支払い方法を含んでもよい。「あと払い利用枠」とは、あるユーザが使用可能なあと払いの利用額の上限である。あと払い利用額は、ユーザによって異なる額が設定され、例えば、ユーザの支払い能力、希望額等に応じて設定される。「あと払い利用額」とは、あと払いを利用した金額をいう。
【0026】
あと払い利用額には、未確定のあと払い利用額と、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、引き落とし後の確定したあと払い利用額とが含まれる。「未確定のあと払い利用額」とは、まだ支払うことが確定していないあと払い利用額のことである。すなわち、未確定のあと払い利用額は、ウォレット残高へのチャージ、更なるあと払いの利用等により変動する。「引き落とし前の確定したあと払い利用額」とは、支払うことが確定しており、かつ、ユーザの引落口座から未だ引き落としがされていないあと払い利用額である。「引き落とし後の確定したあと払い利用額」とは、ユーザの引落口座から引き落としがされたあと払い利用額である。
【0027】
また、本実施形態では、ウォレット残高がない場合又は不足している場合は、あと払いにより支払われる処理が行われる。また、あと払い利用額がある状態でウォレット残高にチャージされた場合は、あと払い利用額を打ち消したりする処理が行われる。それらの場合、未確定のあと払い利用額と引き落とし前の確定したあと払い利用額とを識別する必要がある。具体的には、あと払い利用額がある状態で、月が切り替わった場合にあと払いを使用したことによる支払額が確定し、その後20日に確定したあと払いの支払額が、引落口座から引き落とされる。この引き落としがされるまでの間、未確定のあと払い利用額と引き落とし前の確定したあと払い利用額とが発生し、これらを識別する必要がある。本実施形態では、ウォレット残高とあと払い利用額が相互に関係する中で、未確定のあと払い利用額と引き落とし前の確定したあと払い利用額とを識別するために、第1仮想残高b1と第2仮想残高b2とを定義した。
【0028】
「第1仮想残高b1」とは、ウォレット残高とあと払い利用額により定義される仮想残高である。例えば、第1仮想残高b1は、ウォレット残高から、未確定のあと払い利用額と、引き落とし前の確定したあと払い利用額とを引いた金額である。第1仮想残高b1の算出にあたって、引き落とし前の確定したあと払い利用額か未確定のあと払い利用額かを区別せずに、単にあと払い利用額が使用される。
【0029】
「第2仮想残高b2」とは、第1仮想残高b1と組み合わせることにより、引き落とし前の確定したあと払い利用額を定義する仮想残高である。例えば、第2仮想残高b2は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を第1仮想残高b1に加算したものである。すなわち、第2仮想残高b2は、第1仮想残高b1と比較して、引き落とし前の確定したあと払い利用額を加算しているため、引き落とし前の確定したあと払い利用額を定義することができる。
【0030】
本明細書において、ネットワークN、通信部23及び通信部33を介して送受信された種々の情報は、記憶部22及び記憶部32に記憶されるものとする。
【0031】
本明細書において、ネットワークN、通信部23、通信部33及び入力部34に関連する情報処理を省略して記載することがある。例えば、制御部31がユーザによる入力部34への操作を介して所定の入力を受け付けることを、単に制御部31がユーザから所定の入力を受け付けると記載することがある。また、制御部21が通信部23とネットワークNと通信部33とを介して、クライアント装置3との間で情報を送受信することを、単に制御部21がクライアント装置3に情報を送信する、又は単に制御部21がクライアント装置3から情報を受信すると省略して記載することがある。制御部31が通信部33とネットワークNと通信部23とを介して、サーバ装置2と情報を送受信する場合についても同様である。
【0032】
本明細書において、出力部35に情報を表示させる情報処理について、単に制御部31がある情報を出力部35に表示させるものとして、また、間接的には制御部21がある情報を出力部35に表示させるものとして省略して説明することがある。その場合例えば次に説明するような情報処理が実行されている。例えば、制御部31は、ユーザによる画面の状態を変化させる指示を受け付ける。制御部31は、その指示に基づいて表示情報を生成する。制御部31は、生成した表示情報に基づいて、出力部35への表示を制御する。また、他の例として、制御部31は、ユーザによる画面に情報を表示させるための指示をユーザから受け付ける。制御部31は、その指示をサーバ装置2に送信する。制御部21は、その指示をクライアント装置3から受信する。制御部21は、その指示に基づいて表示情報を生成する。制御部21は、生成した表示情報をクライアント装置3に送信する。制御部31は、生成した表示情報をサーバ装置2から受信する。制御部31は、生成した表示情報に基づいて、出力部35への表示を制御する。ここで表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものだけでなく、表示させるためのレンダリング情報を含む概念である。
【0033】
3.1 情報処理の概要
本節では、前述した情報処理システム1による、情報処理方法を説明する。
図4は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティの一例を示す図である。
図4では、ユーザが支払いサービスを利用するにあたって、ログインをしてから(アクティビティA1)、あと払いの申込みをし(アクティビティA2~A9)、あと払いの権限が付与され(アクティビティA10)、支払い又はチャージを実行するまで(アクティビティA11~A18)の情報処理の流れについて説明する。
【0034】
まず、情報処理システム1は、ログイン処理を実行する(アクティビティA1)。例えば、制御部31は、ユーザから、ログイン情報(ID及びパスワード)の入力及びログインの指示を受け付け、受け付けたログイン情報をサーバ装置2に送信する。その後、制御部21は、ログイン情報をクライアント装置3から受信する。制御部21は、受信したログイン情報と、記憶部22に記憶されているそのユーザのログイン情報とが一致するか否かを判定する。ログイン情報が一致している場合、制御部21は、種々の機能を提供するため機能提供画面4(
図5を用いて後述)を出力部35に表示させる。
【0035】
続いて、制御部31は、ユーザから、機能提供画面4に含まれる利用申込ボタン430(
図5を用いて後述)の押下を受け付ける(アクティビティA2)。次に、利用申込ボタン430の押下を受け付けたことに応じて、制御部31は、あと払い利用申込の要求をサーバ装置2に送信する(アクティビティA3)。
【0036】
続いて、制御部21は、あと払い利用申込の要求をクライアント装置3から受け付ける(アクティビティA4)。次に、あと払い利用申込の指示をクライアント装置3から受け付けることに応じて、制御部21は、あと払いの利用開始に必要な情報の要求をクライアント装置3に送信する(アクティビティA5)。
【0037】
続いて、制御部31は、あと払いの利用開始に必要な情報の要求をサーバ装置2から受信する(アクティビティA6)。次に、制御部31は、あと払い利用申込画面5(
図6を用いて後述)等のあと払いの利用開始に必要な情報を入力するための画面を出力部35に表示させる。制御部31は、ユーザから、あと払い利用申込画面5等に対してあと払いの利用開始に必要な情報の入力を受け付ける(アクティビティA7)。次に、制御部31は、あと払いの利用開始に必要な情報をサーバ装置2に送信する(アクティビティA8)。
【0038】
続いて、制御部21は、あと払いの利用開始に必要な情報をクライアント装置3から受信する(アクティビティA9)。次に、制御部21は、あと払いの権限を付与し、あと払いの利用可能枠を決定する(アクティビティA10)。このとき、制御部21は、あと払いの利用可能枠を、ユーザの預金残高の推移やユーザの希望額などに応じて設定する。なお、あと払いの利用可能枠は、サービスの提供者による審査により設定されてもよい。その場合、サービスの提供者が使用する情報処理装置は、あと払いの利用可能枠の審査結果をサーバ装置2に送信する。次に、制御部21は、あと払いの権限がある旨を識別できる表示情報をクライアント装置3に送信する(アクティビティA11)。
【0039】
続いて、制御部31は、あと払いの権限がある旨を識別できる表示情報をサーバ装置2から受信する(アクティビティA12)。A12の処理を実行するにあたって、ユーザがサービスからログアウトしていた場合、情報処理システム1は、ユーザにログイン処理を再度促してもよい。次に、制御部31は、ユーザから、決済の指示を受け付ける(アクティビティA13)。決済の指示には、ウォレット残高へのチャージの指示、又は支払いの指示が含まれる。次に、制御部31は、決済の指示をサーバ装置2に送信する(アクティビティA14)。
【0040】
続いて、制御部21は、決済の指示をクライアント装置3から受信する(アクティビティA15)。次に、制御部21は、決済の指示に基づいて処理を実行する(アクティビティA16)。このとき、制御部21は、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とを取得する。制御部21は、ウォレット残高からあと払い利用額を引くことで、仮想的に設定された残高である第1仮想残高b1を取得する。次に、制御部21は、支払い又はチャージ後の表示情報をクライアント装置3に送信する(アクティビティA17)。支払い又はチャージ後の表示情報は、第1仮想残高b1に関する情報を含む。
【0041】
最後に、制御部31は、支払い又はチャージ後の表示情報をサーバ装置2から受信する(アクティビティA18)。制御部31は、決済後の表示情報に基づいて、第1仮想残高b1に関する情報を出力部35に表示させる。ここで表示される第1仮想残高b1に関する情報は、ユーザが支払いに使用することができる金額の総額である。ある観点によると、第1仮想残高b1に関する情報は、第1仮想残高b1から算出される金額の情報であってもよい。また、ある観点によると、制御部21は、機能提供画面6(
図9を用いて後述)を出力部35に表示させる。
【0042】
本実施形態によれば、複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供することが可能な技術を提供することが可能となる。また、第1仮想残高b1が設定されるため、ユーザが使用可能な金額をユーザが認識しやすくなる。さらに、複数の支払い方法を組み合わせた処理を行うにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置2及びクライアント装置3のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。また、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置又はコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0043】
3.2 情報処理の詳細
次に、
図5~
図9を用いて、上記概説した情報処理の詳細部分を説明する。まず、
図5を用いて、
図4のアクティビティA2のあと払い利用申込の要求の受付にあたって、表示される機能提供画面4の詳細について説明する。
【0044】
図5は、機能提供画面4の一例を示す図である。機能提供画面4は、ユーザに種々の機能を提供するための画面である。
図5の機能提供画面4には、ウォレット残高表示領域41と、あと払い申込領域43と、広告領域44と、入出金履歴表示領域45とが少なくとも含まれる。
【0045】
ウォレット残高表示領域41は、ウォレット残高に関する情報が表示される領域である。ウォレット残高表示領域41は、ウォレット残高情報410と、ポイント残高情報411とを含む。ウォレット残高情報410は、現在のウォレット残高の情報である。例えば、ウォレット残高情報410は、「1,500円」等の情報である。ポイント残高情報411は、現在のポイントの残高に関する情報である。例えば、ポイント残高情報411は、「5ポイント」等の情報である。ここでポイントは、1ポイントあたり1円として、支払いに利用することができる。ポイントは、所定のサービスへの新規登録、ウォレット残高の使用による支払い、あと払いの使用による支払い等により付与される。
【0046】
あと払い申込領域43は、あと払いの申込みに関する情報が表示される領域である。あと払い申込領域43は、利用申込ボタン430を含む。利用申込ボタン430は、あと払いの申込みをするためのボタンである。制御部21は、利用申込ボタン430の押下と、その後の所定の操作とを受け付けることで、
図6に示すあと払い利用申込画面5を出力部35に表示させる。
【0047】
広告領域44は、所定のサービスに関する広告が表示される領域である。広告領域44には、所定のサービスを利用することにより得られる特典の情報が表示されてもよい。
【0048】
入出金履歴表示領域45は、入金又は出金に関する情報が表示される領域である。入出金履歴表示領域45は、入金情報450と、出金情報451とを含む。入金情報450は、ユーザが入金した日時と、入金額とを含む情報である。例えば、入金情報450は、「2022年1月1日 10:00」に、「2,000円」が入金されたことを示す情報である。出金情報451は、ユーザが出金した日時と、取引内容情報と、出金額と、ウォレットマーク451aとを含む。取引内容情報は、支払い先を特定するための情報である。ウォレットマーク451aは、ウォレット残高により支払われたことを示すための情報である。例えば、出金情報451は、「2022年1月2日 12:00」に、「マネーコーヒー」にて、ウォレット残高を使用することにより、「500円」が出金されたことを示す情報である。
【0049】
次に、
図6を用いて、
図4のアクティビティA7のあと払いの利用申込に必要な情報の入力の受付にあたって、表示されるあと払い利用申込画面5の詳細について説明する。
【0050】
図6は、あと払い利用申込画面5の一例を示す図である。あと払い利用申込画面5は、あと払いの利用申込にあたって表示される画面である。あと払い利用申込画面5は、希望利用枠入力領域50と、引落口座選択領域51と、内容申込ボタン52とを含む。希望利用枠入力領域50は、ユーザが希望するあと払いの利用枠としての金額を入力可能に構成されている領域である。引落口座選択領域51は、引落口座を選択するための領域である。引落口座は、特定のタイミングで、引き落とし前の確定したあと払い利用額が引き落とされる口座である。特定のタイミングは、引き落とし前の確定したあと払い利用額が、引き落とし後の確定したあと払い利用額になるタイミングである。特定のタイミングは、例えば、毎月20日である。引落口座選択領域51は、所定の銀行口座をプルダウン形式で選択可能に構成される。ここで所定の銀行口座は、他のサービスで連携している法人又は個人の銀行口座であってもよい。例えば、Money Forward Pay for Businessであと払いのサービスを利用する場合、引落口座選択領域51は、Money Forward クラウドでアカウントアグリゲーションを使って会計情報を取得するために連携している銀行口座を選択可能に構成されてもよい。内容申込ボタン52は、希望利用枠入力領域50と、引落口座選択領域51とに入力された情報を基にあと払いを申込するためのボタンである。制御部21は、内容申込ボタン52が押下されたことに応じて、あと払いの権限をユーザのアカウントに付与する。
【0051】
次に、
図7及び
図8を示しながら、
図4のアクティビティA16の決済の指示に基づく処理の実行の詳細について説明する。先に説明する
図7では、状態集合Qと入力の集合Σについて説明する。
【0052】
図7は、仮想残高を構成する決定性有限オートマトンの一例を示す図である。
図7における決定性有限オートマトンの状態集合Qは、以下のように第1状態S1と、第2状態S2と、第3状態S3とを定義する。第1状態S1、第2状態S2及び第3状態S3のそれぞれは、決定性有限オートマトンにおける受理状態である。
【数1】
【0053】
第1状態S1、第2状態S2及び第3状態S3は、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2を用いて以下のように表すことができる。数2に示す通り、第1状態S1では、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上である。
【数2】
数3に示す通り、第2状態S2では、第1仮想残高b1が0未満であり、第2仮想残高b2が0以上である。
【数3】
数4に示す通り、第3状態S3では、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満である。
【数4】
【0054】
続いて、入力の集合Σを説明する。
図7の決定性有限オートマトンにおける入力の集合Σは、入力p、q、r、s、t、uを用いて、以下のように定義される。
【数5】
利用可能額を増やす入金の集合F1は、入力s、t、uを用いて、以下のように定義される。
【数6】
利用可能額を減らす出金の集合F2は、入力p、q、rを用いて、以下のように定義される。
【数7】
【0055】
ここで入金又は出金される金額をxとおくと、各入力p、q、r、s、t、uは、以下の条件を満たすものとする。出金される金額xが第2仮想残高b2よりも大きい場合を、入力pとする。
【数8】
出金される金額xが第1仮想残高b1よりも大きく、第2仮想残高b2以下である場合を、入力qとする。
【数9】
出金される金額xが第1仮想残高b1以下である場合を、入力rとする。
【数10】
入金される金額xが第1仮想残高b1に-1を乗じた値よりも大きい場合を、入力sとする。
【数11】
入金される金額xが第2仮想残高b2に-1を乗じた値よりも大きく、第1仮想残高b1に-1を乗じた値以下である場合を、入力tとする。
【数12】
入金される金額xが第2仮想残高b2に-1を乗じた値以下である場合を、入力uとする。
【数13】
【0056】
また、
図7における出力0は、あと払い明細を発行しないことを示す。
図7における出力1は、あと払い明細を発行することを示す。ここで、あと払い明細は、あと払いによるものであることを示す明細である。あと払い明細は、あと払い利用額等の金額に関する情報と、あと払いの使用日時等の日付に関する情報のうち少なくとも1以上を含む。
【0057】
なお拘束条件は、2つある。1つ目の拘束条件は、数14に示す通り、第2仮想残高b2の値は、第1仮想残高b1の値以上であることである。
【数14】
2つ目の拘束条件は、数15に示す通り、入金又は出金される金額xは、0以上であることである。
【数15】
拘束条件を満たさないため、状態S2において、r、uは入力されない。
【0058】
次に、
図8を示しながら、これまでに定義したウォレット残高と、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、未確定のあと払い利用額と、第1仮想残高b1と、第2仮想残高b2と、各状態S1、S2、S3と、各入力p、q、r、s、t、uとの関係性について具体例を説明する。
【0059】
図8は、
図7に示す仮想残高を構成する決定性有限オートマトンを用いた状態遷移の一例を示す図である。ここで初期状態は、(b1,b2)=(0,0)であるものとする。初期状態は、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上であり数2の条件を満たすため、第1状態S1である。また、
図8に示す例では、未確定のあと払い利用額は、月の切り替わりのタイミングで、引き落とし前の確定したあと払い利用額となる。月の切り替わりのタイミングは、所定のタイミングの一例である。引き落とし前の確定したあと払い利用額は、毎月20日に、予め設定された引落口座から引き落としがされる。毎月20日は、特定のタイミングの一例である。
【0060】
[1月1日の処理]
1月1日に2,000円の金額がウォレット残高にチャージされる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0から2,000円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を0から2,000円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を0から2,000円にする。
第1仮想残高b1にー1を乗じた値が0であり、0よりも大きい2,000円が入金されたこととなるため、数11に従い、制御部21は、入力sを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上のままであり数2の条件を満たすため、制御部21は、第1状態S1のままとする。
【0061】
[1月2日の処理]
1月2日に500円の金額がウォレット残高から支払われる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を2,000円から1,500円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を2,000円から1,500円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を2,000円から1,500円にする。
第1仮想残高b1が2,000円の状態で、第1仮想残高b1よりも小さい500円が出金されたこととなるため、数10に従い、制御部21は、入力rを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上のままであり数2の条件を満たすため、制御部21は、第1状態S1のままとする。
【0062】
[1月3日の処理]
1月3日に2,500円の金額がウォレット残高から支払われる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を1,500円から0にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0から1,000円とする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を1,500円から-1,000円とする。すなわち、制御部21は、ウォレット残高(1,500円)を超える金額(2,500円)の支払いがされる場合、ウォレット残高(1,500円)を全て消費し、かつ、不足している支払い分(1,000円)をあと払いにより支払い、第1仮想残高b1(1,500円)から、消費されたウォレット残高の金額(1,500円)と、あと払いにより支払われた金額(1,000円)とを差し引くことで、支払い後の第1仮想残高b1(-1,000円)を取得する。
制御部21は、第2仮想残高b2を1,500円から-1,000円とする。
第2仮想残高b2が1,000円の状態で、第2仮想残高b2よりも大きい2,500円が出金されることとなるため、数8に従い、制御部21は、入力pを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満となり数4の条件を満たすため、制御部21は、第1状態S1から第3状態S3に状態を遷移する。
制御部21は、前記第2仮想残高が1,500円から-1,000円となり0を下回っているため、あと払い明細を発行する。第2仮想残高b2が0を下回っていることは、第2仮想残高b2が所定の閾値を超えていることの一例である。
【0063】
[2月1日の処理]
2月1日に請求が確定する場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を1,000円から0にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0から1000円にする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,000円のままとする。第1仮想残高b1は、ウォレット残高から、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、未確定のあと払い利用額と額を差し引いた金額である。
制御部21は、第2仮想残高b2を-1,000円から0にする。制御部21は、2月への月の切り替わりのタイミングにおいて、引き落とし前の確定したあと払いの利用額(1,000円)を定義する、第2仮想残高b2を管理する。
第1仮想残高b1が0未満のままであり、第2仮想残高b2が0以上となり数3の条件を満たすため、制御部21は、第3状態S3から第2状態S2に状態を遷移する。
【0064】
[2月2日の処理]
2月2日に3,000円の金額があと払いで支払われる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0から3,000円にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,000円から-4,000円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を0から-3,000円にする。
第2仮想残高b2が0円の状態で、第2仮想残高b2よりも大きい3,000円が出金されたこととなるため、数8に従い、制御部21は、入力pを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満となり数4の条件を満たすため、制御部21は、第2状態S2から第3状態S3に状態を遷移する。
制御部21は、前記第2仮想残高が0から-3,000円となり0を下回っているため、あと払い明細を発行する。
【0065】
[2月3日の処理]
2月3日に3,500円の金額がチャージされる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0から500円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を1,000円から0にする。すなわち、制御部21は、未確定のあと払い利用額(1,000円)がある状態でウォレット残高にチャージした場合、あと払い利用額を相殺する。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1,000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-4,000円から-500円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を-3,000円から500円にする。
第1仮想残高b1が-4,000円で、第2仮想残高b2が-3,000円の状態で、第2仮想残高b2に-1を乗じた値よりも大きく、かつ、第1仮想残高b1に-1を乗じた値よりも小さい3,500円が入金されたこととなるため、数12に従い、制御部21は、入力tを処理する。このとき、第1仮想残高b1が0未満のまま、かつ、第2仮想残高b2が0以上となり数3の条件を満たすため、制御部21は、第3状態S3から第2状態S2に遷移する。
制御部21は、未確定のあと払い利用額(1,000円)がウォレット残高へのチャージにより相殺されたため、あと払い明細を発行する。
【0066】
[2月4日の処理]
2月4日に200円の金額がウォレット残高から支払われる場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を500円から300円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-500円から-700円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を500円から300円にする。
第1仮想残高b1が-500円で、第2仮想残高b2が500円の状態で、第1仮想残高b1よりも大きく、かつ、第2仮想残高b2よりも小さい200円が出金されたこととなるため、数9に従い、制御部21は、入力qを処理する。このとき、第1仮想残高b1が0未満のまま、かつ、第2仮想残高b2が0以上のままであり数3の条件を満たすため、制御部21は、第2状態S2のままとする。
【0067】
[2月5日の処理]
2月5日にウォレット残高とあと払いから合わせて1,000円の金額が支払われた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を300円から0にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0から700円にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1,000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-700円から-1,700円にする。すなわち、制御部21は、ウォレット残高(300円)を超える金額(1,000円)の支払いがされる場合、ウォレット残高(300円)を全て消費し、かつ、不足している支払い分(700円)をあと払いにより支払い、第1仮想残高b1(-700円)から、消費されたウォレット残高の金額(300円)と、あと払いにより支払われた金額(700円)とを差し引くことで、支払い後の第1仮想残高b1(-1,700円)を取得する。
制御部21は、第2仮想残高b2を300円から-700円にする。
第1仮想残高b1が-700円で、第2仮想残高b2が300円の状態で、第2仮想残高b2よりも大きい1,000円が出金されたこととなるため、数8に従い、制御部21は、入力pを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満となり数4の条件を満たすため、制御部21は、第2状態S2から第3状態S3に状態を遷移する。
制御部21は、前記第2仮想残高が300円から-700円となり0を下回っているため、あと払い明細を発行する。
【0068】
[2月20日の処理]
2月20日に請求が確定する場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0円のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を700円のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円から0にする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,700円から-700円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を-700円のままとする。
第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満のままであるため、数4の条件に従い、制御部21は、第3状態S3の状態のままとする。
【0069】
[2月21日の処理]
2月21日にあと払いから300円の金額が支払われた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を700円から1000円にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-700円から-1,000円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を-700円から-1,000円にする。
第2仮想残高b2よりも大きい300円が出金されたこととなるため、数8に従い、制御部21は、入力pを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0未満のままであるため、数4の条件に従い、制御部21は、第3状態S3の状態のままとする。
制御部21は、前記第2仮想残高が-700円から-1,000円となり0を下回っているため、あと払い明細を発行する。他の観点によると、制御部21は、未確定のあと払い利用額が存在する状態で、あと払いが使用された場合に、あと払い明細を発行する。
【0070】
[3月1日の処理]
3月1日に請求が確定する場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を1,000円から0にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を0から1000円にする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,000円のままとする。
制御部21は、第2仮想残高b2を-1,000円から0にする。制御部21は、3月への月の切り替わりのタイミングにおいて、引き落とし前の確定したあと払いの利用額(1,000円)を定義する、第2仮想残高b2を管理する。
第1仮想残高b1が0未満のままであり、第2仮想残高b2が0以上となり数3の条件を満たすため、制御部21は、第3状態S3から第2状態S2に状態を遷移する。
【0071】
[3月2日の処理]
3月2日にウォレット残高に2,000円の金額がチャージされた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0から2,000円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。すなわち、制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額(1,000円)がある状態でウォレット残高にチャージした場合、あと払い利用額を相殺しない。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,000円から1,000円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を0から2,000円にする。
第1仮想残高b1が-1,000円であるため、―b1よりも大きい2,000円が入金されたこととなるため、数11に従い、制御部21は、入力sを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上になり数2の条件を満たすため、制御部21は、第2状態S2から第1状態S1に状態を遷移する。
【0072】
[3月3日の処理]
3月3日にウォレット残高から1,200円の金額が支払われた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を2,000円から800円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1,000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を1,000円から-200円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を2,000円から800円にする。
第1仮想残高b1が1,000円で、第2仮想残高b2が2,000円の状態で、第1仮想残高b1よりも大きく、かつ、第2仮想残高b2よりも小さい1200円が出金されたこととなるため、数9に従い、制御部21は、入力qを処理する。このとき、第1仮想残高b1が0未満となり、第2仮想残高b2が0以上のままであることから数3の条件を満たすため、制御部21は、第1状態S1から第2状態S2に状態を遷移する。
【0073】
[3月4日の処理]
3月4日に100円の金額がチャージされた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を800円から900円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-200円から-100円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を800円から900円にする。
第1仮想残高b1が-200円で、第2仮想残高b2が800円の状態で、第2仮想残高b2に-1を乗じた値よりも大きく、かつ、第1仮想残高b1に-1を乗じた値よりも小さい100円が入金されたこととなるため、数12に従い、制御部21は、入力tを処理する。このとき、第1仮想残高b1が0未満のままであり、第2仮想残高b2が0以上のままであるため、数3の条件に従い、制御部21は、第2状態S2のままとする。
【0074】
[3月5日の処理]
3月5日にウォレット残高とあと払いから合わせて1,100円の金額が支払われた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を900円から0にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0から200円にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1,000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-100円から-1,200円にする。すなわち、制御部21は、ウォレット残高(900円)を超える金額(1,100円)の支払いがされる場合、ウォレット残高(900円)を全て消費し、かつ、不足している支払い分(200円)をあと払いにより支払い、第1仮想残高b1(-100円)から、消費されたウォレット残高の金額(900円)と、あと払いにより支払われた金額(200円)とを差し引くことで、支払い後の第1仮想残高b1(-1,200円)を取得する。
制御部21は、第2仮想残高b2を900円から-200円にする。
第2仮想残高b2が900円の状態で、第2仮想残高b2よりも大きい1,100円が出金されたこととなるため、数8に従い、制御部21は、入力pを処理する。このとき、第1仮想残高b1と第2仮想残高b2が0未満となることから数4の条件を満たすため、制御部21は、第2状態S2から第3状態S3に状態を遷移する。
制御部21は、前記第2仮想残高が900円から-200円となり0を下回っているため、あと払い明細を発行する。
【0075】
[3月6日の処理]
3月6日にウォレット残高に1,700円の金額がチャージされた場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を0から1,500円にする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を200円から0にする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1,000円のままとする。
制御部21は、第1仮想残高b1を-1,200円から500円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を-200円から1,500円にする。
第1仮想残高b1が-1,200円であるため、-b1の1,200円よりも大きい2,000円が入金されたこととなるため、数11に従い、制御部21は、入力sを処理する。このとき、第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上になることから数2の条件を満たすため、制御部21は、第3状態S3から第1状態S1に状態を遷移する。
制御部21は、未確定のあと払い利用額(200円)がウォレット残高へのチャージにより相殺されたため、あと払い明細を発行する。
【0076】
[3月20日の処理]
3月20日に請求が確定する場合について説明する。
制御部21は、ウォレット残高を1,500円のままとする。
制御部21は、未確定のあと払い利用額を0円のままとする。
制御部21は、引き落とし前の確定したあと払い利用額を1000円から0にする。
制御部21は、第1仮想残高b1を500円から1,500円にする。
制御部21は、第2仮想残高b2を1500円のままとする。
第1仮想残高b1及び第2仮想残高b2が0以上であり数2の条件を満たすため、制御部21は、第1状態S1のままとする。
【0077】
次に、
図9を用いて、
図4のアクティビティA18にて表示される機能提供画面6の詳細について説明する。
【0078】
図9は、機能提供画面6の一例を示す図である。機能提供画面6は、ユーザに種々の機能を提供するための画面である。機能提供画面6は、
図4のA2の情報処理に関連する画面である。
図9の機能提供画面6には、利用可能額表示領域60と、ウォレット残高表示領域61と、あと払い利用額表示領域62と、広告領域64と、入出金履歴表示領域65とが少なくとも含まれる。
【0079】
利用可能額表示領域60は、利用可能額に関する情報が表示される領域である。利用可能額表示領域60は、利用可能額情報600と、あと払い利用枠情報601と、ウォレット残高情報602と、あと払い利用額情報603とを含む。利用可能額情報600は、ユーザが支払いに使用することができる金額の総額である。より具体的には、利用可能額情報600は、利用者に対して設定されたあと払い利用枠に、ウォレット残高を加えた金額から、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額とを差し引いた金額である。ある観点によると、引き落とし前の確定したあと払い利用額が、引き落とし後の確定したあと払い利用額になるタイミングにおいて、利用可能額情報600は、引き落とし前の確定したあと払い利用額が差し引かれた情報となる。ある観点によると、制御部21は、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とに基づいて、仮想的に設定された残高である利用可能額情報600を取得する。制御部21は、利用可能額情報600を出力部35に表示させる。ここで利用可能額情報600は、第1仮想残高b1に関する情報の一例である。これにより、あと払い利用額とウォレット残高とあと払い利用枠に基づくユーザが使用可能な金額を、ユーザが認識しやすくなる。
【0080】
あと払い利用枠情報601は、あと払い利用枠に関する情報である。ここであと払い利用枠は、あと払いによる支払いを利用することが可能な金額である。また、あと払い利用枠は、ウォレット残高の利用、あと払いの利用等によって変化しない固定値である。ウォレット残高情報602は、ウォレット残高に関する情報である。ウォレット残高は、プリペイド残高と同義である。あと払い利用額情報603は、あと払いを利用している額の総額に関する情報である。ある観点によると、未確定のあと払い利用額が存在しない場合は、あと払い利用額情報603は、「0」となる。また、ある観点によると、引き落とし前の確定したあと払い利用額が、引き落とし後の確定したあと払い利用額になるタイミングに、あと払い利用額情報603は、「0」となる。また、ある観点によると、制御部21は、あと払い利用枠情報601と、ウォレット残高情報602と、あと払い利用額情報603とを一覧性を有した状態で出力部35に表示させる。これにより、ウォレット残高と、あと払い利用額と、あと払い利用枠とをユーザが認識しやすくなるため、利便性が向上する。
【0081】
ウォレット残高表示領域61は、ウォレット残高表示領域41を参照されたい。
図9のウォレット残高情報610は、「500円」である。
図9のポイント残高情報611は、「60ポイント」である。
【0082】
あと払い利用額表示領域62は、あと払い利用額に関する情報が表示される領域である。あと払い利用額表示領域62は、確定あと払い情報620と、未確定あと払い情報621とを含む。確定あと払い情報620は、確定したあと払いに関する情報である。確定あと払い情報620は、「2022年1月分」等のあと払いが使用された期間に関する情報が含まれてもよい。確定あと払い情報620は、「2月20日引落」等の引き落としがされる日付の情報が含まれてもよい。確定あと払い情報620は、「確定」等の引き落とし前の確定したあと払い利用額又は引き落とし後の確定したあと払い利用額であることを識別するための情報が含まれてもよい。確定あと払い情報620は、「1,000円」等の引き落とし前の確定したあと払い利用額又は引き落とし後の確定したあと払い利用額の情報が含まれても良い。第2仮想残高b2が0未満の状態で月の切り替わりのタイミングとなった場合、制御部21は、確定あと払い情報620にその0未満の第2仮想残高b2に-1を乗じた値を、引き落とし前の確定したあと払い利用額とする。また、第2仮想残高b2が0以上の状態で月の切り替わりのタイミングとなった場合、制御部21は、「0円」を引き落とし前の確定したあと払い利用額とする。
【0083】
未確定あと払い情報621は、未確定のあと払いに関する情報である。未確定あと払い情報621は、「2022年2月分」等のあと払いが使用された期間に関する情報が含まれてもよい。未確定あと払い情報621は、「3月20日引落」等の引き落としがされる日付の情報が含まれてもよい。未確定あと払い情報621は、「未確定」等の未確定のあと払い利用額であることを識別するための情報が含まれてもよい。未確定あと払い情報621は、「0円」等の未確定のあと払い利用額の情報が含まれても良い。
【0084】
広告領域64は、広告領域44を参照されたい。
【0085】
入出金履歴表示領域65は、入金又は出金に関する情報が表示される領域である。入出金履歴表示領域65は、入金情報650、654と、出金情報651、652、653とを含む。入金情報650は、入金情報450を参照されたい。入金情報654は、ユーザが入金した日時と、入金額とを含む情報である。例えば、入金情報654は、「2022年2月3日 15:11」に、「3,500円」が入金されたことを示す情報である。
【0086】
出金情報651は、出金情報451を参照されたい。なお、出金情報651は、ウォレットマーク651aを含む。出金情報652は、ユーザが出金した日時と、取引内容情報と、出金額と、ウォレットマーク652a及びあと払いマーク652bとを含む。例えば、出金情報652は、「2022年1月3日 10:52」に、「フォワード書店」にて、ウォレット残高とあと払いを使用することにより、「2,500円」が出金されたことを示す情報である。出金情報653は、ユーザが出金した日時と、取引内容情報と、出金額と、あと払いマーク653bとを含む。例えば、出金情報653は、「2022年2月2日 11:30」に、「ペイ文具」にて、あと払いを使用することにより、「3,000円」が出金されたことを示す情報である。ここで、ウォレットマーク651a、652aは、ウォレット残高により支払われたことを示すための情報である。あと払いマーク652b、653bは、あと払いにより支払われたことを示すための情報である。
【0087】
ある観点によると、制御部21は、取引においてウォレット残高を使用した場合に、ウォレットマーク651aを取引の情報と共に出力部35に表示させる。また、制御部21は、取引においてあと払いを使用した場合に、あと払いマーク653bを取引の情報と共に出力部35に表示させる。制御部21は、取引においてウォレット及びあと払いの両方を使用した場合に、ウォレットマーク652a及びあと払いマーク652bの両方を取引の情報と共に出力部35に表示させる。ここで、ウォレットマーク651a、652aは、ウォレットに対応する表記の一例である。あと払いマーク652b、653bは、あと払いに対応する表記の一例である。また、取引の情報には、ユーザが出金した日時と取引内容情報及び出金額のうち少なくとも1つが含まれる。これにより、ウォレット残高を使用して支払いをしたのか、あと払いを使用して支払いをしたのかを、ユーザが識別することが可能となる。
【0088】
以上、本開示によれば、複数の支払い方法を組み合わせて、より利便性の高いサービスを提供することが可能な技術を提供することが可能となる。また、第1仮想残高b1と第2仮想残高b2とを定義することにより、ウォレット残高とあと払い利用額が相互に関係する中で、引き落とし前の確定したあと払い利用額の引き落としを問題なく実行することが可能となる。
【0089】
[変形例]
次に、
図10を用いて、本実施形態の変形例について説明する。
図10は、変形例の利用可能額表示領域70の一例を示す図である。
図10の利用可能額表示領域70は、利用可能額に関する情報が表示される領域である。利用可能額表示領域70は、モーダルウィンドウの形式で任意の情報を背景に表示されてもよい。利用可能額表示領域70は、利用可能額情報700と、あと払い利用枠情報701と、ウォレット残高情報702と、あと払い利用額情報703とを含む。利用可能額情報700と、あと払い利用枠情報701と、ウォレット残高情報702と、あと払い利用額情報703とについては、利用可能額情報600と、あと払い利用枠情報601と、ウォレット残高情報602と、あと払い利用額情報603とを参照されたい。
【0090】
制御部21は、利用可能額情報700を表示部としての出力部35に表示させる。ここで利用可能額情報700は、第1仮想残高b1に関する情報の一例である。これにより、あと払い利用額とウォレット残高とあと払い利用枠に基づくユーザが使用可能な金額を、ユーザが認識しやすくなる。
【0091】
また、制御部21は、あと払い利用枠情報701と、ウォレット残高情報702と、あと払い利用額情報703とを一覧性を有した状態で表示部としての出力部35に表示させる。これにより、ウォレット残高と、あと払い利用額と、あと払い利用枠とをユーザが認識しやすくなるため、サービスの利便性が向上する。
【0092】
また、本実施形態では、制御部21は、第1仮想残高b1に関する情報を表示部としての出力部35に表示させ、ここで利用可能額情報700は、第1仮想残高b1に関する情報の一例であるものとして説明した。変形例では、制御部21は、第1仮想残高b1自体を表示部としての出力部35に表示させてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、未確定のあと払い利用額が、引き落とし前の確定したあと払い利用額となるタイミングを、月の切り替わりのタイミングとして説明したが、変形例では、任意のタイミングであってもよい。例えば、所定のタイミングは、15日等の任意の日付を設定してもよいし、3ヶ月に一回等の任意の間隔で設定されてもよいし、土日祝日と平日を認識して設定されてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、引き落とし前の確定したあと払い利用額が、予め設定された引落口座から引き落としがされる特定のタイミングを毎月20日であるものとして説明したが、変形例では、任意のタイミングであってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、ウォレット残高を使用した場合に、ウォレット払いに対応する表記として記号を表示させるものとして説明したが、変形例では、記号以外でもよく、文字、画像等によって表示させてもよい。あと払いに対応する表記についても同様である。
【0096】
また、本実施形態の「ボタンの押下」は、「オブジェクトの操作」の一例であり、ユーザからの指示を受け付けることができる態様であればよい。
【0097】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、コンピュータを、情報処理システム1の制御部31として機能させるプログラムであってもよい。また、情報処理システム1が実行する情報処理方法であってもよい。
【0098】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0099】
(1)情報処理システムであって、制御部を有し、前記制御部は、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高と、あと払いによって支払われる金額であるあと払い利用額とに基づいて、仮想的に設定された残高である第1仮想残高を取得し、前記第1仮想残高に関する情報を表示させる、情報処理システム。
【0100】
このような構成によれば、複数の支払い方法を組み合わせるため、より利便性の高いサービスを提供することができる。また、このような構成によれば、第1仮想残高が設定されるため、ユーザが使用可能な金額をユーザが認識しやすくなる。
【0101】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1仮想残高は、前記ウォレット残高から、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、未確定のあと払い利用額とを差し引いた金額であり、前記制御部は、前記ウォレット残高を超える金額の支払いがされる場合、前記ウォレット残高を全て消費し、かつ、不足している支払い分をあと払いにより支払うようにし、前記第1仮想残高から、前記ウォレット残高の消費された金額と、あと払いにより支払われる金額とを差し引くことで、支払い後の第1仮想残高を取得する、情報処理システム。
【0102】
このような構成によれば、ウォレット残高を超える金額の支払いにより、ウォレット残高に不足分が発生した場合であっても、あと払いにより賄って支払うことができる。また、このような構成によれば、ウォレット残高とあと払い利用額とに基づいて第1仮想残高が設定されるため、ユーザが使用可能な金額をユーザが認識しやすくなる。
【0103】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1仮想残高に関する情報は、あと払い利用枠に、前記ウォレット残高を加えた金額から、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額とを差し引いた金額であり、ここで前記あと払い利用枠は、利用者に対してあと払いの利用枠として設定された金額である、情報処理システム。
【0104】
このような構成によれば、あと払い利用枠と、ウォレット残高と、引き落とし前の確定したあと払い利用額と、未確定のあと払い利用額とに基づくユーザが使用可能な金額を、ユーザが認識しやすくなる。
【0105】
(4)上記(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記ウォレット残高と、前記引き落とし前の確定したあと払い利用額及び前記未確定のあと払い利用額を足した金額と、前記あと払い利用枠とを一覧性を有した状態で表示させる、情報処理システム。
【0106】
このような構成によれば、ウォレット残高と、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額を足した金額と、あと払い利用枠とをユーザが認識しやすくなるため、サービスの利便性が向上する。
【0107】
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2仮想残高を管理し、ここで前記第2仮想残高は、所定のタイミングにおいて、引き落とし前の確定したあと払いの利用額を定義する、情報処理システム。
【0108】
このような構成によれば、第2仮想残高を管理するため、引き落とし前の確定したあと払いの利用額を管理することができる。
【0109】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、未確定のあと払い利用額がある状態で前記ウォレット残高にチャージした場合、前記あと払い利用額を相殺する、情報処理システム。
【0110】
このような構成によれば、第2仮想残高を定義することにより、確定したあと払いの利用額と確定していないあと払いの利用額とを識別して支払いをすることができる。また、このような構成によれば、確定していないあと払い利用額については、相殺することができる。
【0111】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、あと払いにより前記第2仮想残高が所定の閾値を超えている場合、又は、前記未確定のあと払い利用額が前記ウォレット残高へのチャージにより相殺された場合、にあと払い明細を発行し、ここで、前記あと払い明細は、あと払いに関する明細である、情報処理システム。
【0112】
このような構成によれば、あと払いの発生又は相殺したことを示すあと払い明細を発行することができる。
【0113】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、取引において、前記ウォレット残高を使用した場合に、ウォレット払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、取引において、前記あと払いを使用した場合に、あと払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、取引において、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方を使用した場合に、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方の表記を取引の情報と共に表示させる、情報処理システム。
【0114】
このような構成によれば、どの支払い方法にて支払いがされたのかユーザに認識させることができる。
【0115】
(9)情報処理システムであって、制御部を有し、前記制御部は、利用可能額を表示させるものであり、前記利用可能額は、利用者に対して設定されたあと払い利用枠を示す金額に、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高を加えた金額から、引き落とし前の確定したあと払い利用額及び未確定のあと払い利用額と、を差し引いた金額である、情報処理システム。
【0116】
(10)プログラムであって、コンピュータを、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【0117】
(11)情報処理システムが実行する情報処理方法であって、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0118】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0119】
1 :情報処理システム
2 :サーバ装置
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
3 :クライアント装置
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
4 :機能提供画面
41 :ウォレット残高表示領域
410 :ウォレット残高情報
411 :ポイント残高情報
43 :払い申込領域
430 :利用申込ボタン
44 :広告領域
45 :入出金履歴表示領域
450 :入金情報
451 :出金情報
451a :ウォレットマーク
5 :払い利用申込画面
50 :希望利用枠入力領域
51 :引落口座選択領域
52 :内容申込ボタン
6 :機能提供画面
60 :利用可能額表示領域
600 :利用可能額情報
601 :払い利用枠情報
602 :ウォレット残高情報
603 :払い利用額情報
61 :ウォレット残高表示領域
610 :ウォレット残高情報
611 :ポイント残高情報
62 :払い利用額表示領域
620 :払い情報
621 :払い情報
64 :広告領域
65 :入出金履歴表示領域
650 :入金情報
651 :出金情報
651a :ウォレットマーク
652 :出金情報
652a :ウォレットマーク
652b :払いマーク
653 :出金情報
653b :払いマーク
654 :入金情報
70 :利用可能額表示領域
700 :利用可能額情報
701 :払い利用枠情報
702 :ウォレット残高情報
703 :払い利用額情報
N :ネットワーク
S1 :第1状態
S2 :第2状態
S3 :第3状態
b1 :第1仮想残高
b2 :第2仮想残高
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
第1定義処理と、第2定義処理と、を繰り返し実行可能であり、ここで、
前記第1定義処理は、あと払いによる決済が発生してから、最初の第1タイミングを過ぎるまでのあと払い利用額を、未確定のあと払い利用額と定義する処理であり、
前記第2定義処理は、前記未確定のあと払い利用額を引き落とし前の確定したあと払い利用額と定義する処理であり、
前記第2定義処理は、前記第1タイミングを過ぎた後であって、かつ、前記第1タイミングの後に来る最初の第2タイミングを過ぎるまでのあと払い利用額を、前記引き落とし前の確定したあと払い利用額と定義する処理であり、
利用可能額を取得し、前記利用可能額を表示させ、ここで、
前記利用可能額は、利用者に対して設定されたあと払い利用枠を示す金額に、予めチャージにより入金された金額であるウォレット残高を加えた金額から、前記引き落とし前の確定したあと払い利用額及び前記未確定のあと払い利用額と、を差し引いた金額であり、前記未確定のあと払い利用額は、前記利用可能額を取得する時点の金額である、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記ウォレット残高を超える金額の支払いがされる場合、前記ウォレット残高を全て消費し、かつ、不足している支払い分をあと払いにより支払うようにし、
前記利用可能額から、前記ウォレット残高の消費された金額と、あと払いにより支払われる金額とを差し引くことで、支払い後の利用可能額を取得する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記ウォレット残高と、前記引き落とし前の確定したあと払い利用額及び前記未確定のあと払い利用額を足した金額と、前記あと払い利用枠とを一覧性を有した状態で表示させる、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
第2金額情報を管理し、
ここで前記第2金額情報は、所定のタイミングにおいて、引き落とし前の確定したあと払いの利用額を定義する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
未確定のあと払い利用額がある状態で前記ウォレット残高にチャージした場合、前記あと払い利用額を相殺する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
あと払いにより前記第2金額情報が所定の閾値を超えている場合、又は、前記未確定のあと払い利用額が前記ウォレット残高へのチャージにより相殺された場合、にあと払い明細を発行し、
ここで、前記あと払い明細は、あと払いに関する明細である、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
取引において、前記ウォレット残高を使用した場合に、ウォレット払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、
取引において、前記あと払いを使用した場合に、あと払いに対応する表記を取引の情報と共に表示させ、
取引において、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方を使用した場合に、前記ウォレット残高及び前記あと払いの両方の表記を取引の情報と共に表示させる、
情報処理システム。
【請求項8】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、
情報処理方法。