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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018728
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】携帯情報機器用スタンド
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240201BHJP
   F16M 11/24 20060101ALI20240201BHJP
   H04M 1/04 20060101ALI20240201BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20240201BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06F1/16 313A
F16M11/24 D
G06F1/16 312G
H04M1/04 A
H04M1/11 Z
H05K5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122250
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000208684
【氏名又は名称】第一工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】冨田 豊
【テーマコード(参考)】
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AC24
4E360ED02
4E360ED04
4E360ED06
4E360EE13
4E360GA46
4E360GB26
4E360GB46
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC03
5K023AA07
5K023KK10
5K023PP16
5K023QQ02
(57)【要約】
【課題】携帯情報機器の位置ずれを抑制できるとともに操作性を向上できる、携帯情報機器用スタンドを提供する。
【解決手段】携帯情報機器用スタンド10は、携帯情報機器14が前方から立て掛けられる支持体30と、支持体30を後方から支持する脚体32とを備える。支持体30は、携帯情報機器14の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の第1左支持部42および第1右支持部44と、携帯情報機器14の下端部に前方から対向するように左右方向へ延びて形成されたワイヤーからなる線状の前柵部46と、第1左支持部42と前柵部46とをつなぐ左つなぎ部48と、第1右支持部44と前柵部46とをつなぐ右つなぎ部50とを有する。前柵部46の左右方向中央部は、上端が携帯情報機器14の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に位置するように、下方へ向けて凹んだ凹状に形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器が傾斜した状態で前方から立て掛けられる支持体と、前記載置面において前記支持体を後方から支持する脚体とを備え、
前記支持体は、
前記携帯情報機器の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の第1左支持部および第1右支持部と、
立て掛けられた前記携帯情報機器の下端部に前方から対向するように左右方向へ延びて形成されたワイヤーからなる線状の前柵部と、
前記第1左支持部の下端部と前記前柵部の左端部とをつなぐ左つなぎ部と、
前記第1右支持部の下端部と前記前柵部の右端部とをつなぐ右つなぎ部とを有し、
前記前柵部の左右方向中央部は、下方へ向けて凹んだ凹状に形成される、携帯情報機器用スタンド。
【請求項2】
前記前柵部は、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に下方へ向かうように形成される、請求項1に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項3】
前記前柵部は、左右方向中央部の上端が前記携帯情報機器の下部に設けられたボタンの下端よりも下方に位置するように形成される、請求項1または2に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項4】
前記支持体は、
前記携帯情報機器の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の第2左支持部および第2右支持部と、
立て掛けられた前記携帯情報機器に後方から対向するように左右方向へ延びて形成され、前記第2左支持部および前記第2右支持部のそれぞれの上端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の上支持部とを有し、
前記上支持部の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成される、請求項1または2に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項5】
前記上支持部は、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に後方へ向かうように形成される、請求項4に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項6】
前記支持体は、
前記第1左支持部の上端部と前記第2左支持部の下端部とを左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続する左接続部と、
前記第1右支持部の上端部と前記第2右支持部の下端部とを左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続する右接続部とを有する、請求項5に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項7】
前記脚体は、
前記第1左支持部の後方において、前記第1左支持部の上端部と前記載置面との間に配置されるワイヤーからなる線状の左脚部と、
前記第1右支持部の後方において、前記第1右支持部の上端部と前記載置面との間に配置されるワイヤーからなる線状の右脚部と、
前記左脚部および前記右脚部のそれぞれの下端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の連結部とを有し、
前記左脚部の上端部は、前記第1左支持部の上端部に前記左接続部を介して角度変更可能に接続され、
前記右脚部の上端部は、前記第1右支持部の上端部に前記右接続部を介して角度変更可能に接続される、請求項6に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項8】
前記左脚部の長さは、前記第1左支持部の長さよりも長く定められ、
前記右脚部の長さは、前記第1右支持部の長さよりも長く定められる、請求項7に記載の携帯情報機器用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット端末や携帯電話などの携帯情報機器を机の上面に立てた状態で支持する、携帯情報機器用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯情報機器用スタンドの例が、特許文献1および非特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたタブレットスタンドは、1本の針金を曲げることによって形成されており、針金の両端部はU字状に曲げられている。タブレット端末を机の上面に立てて使用する際には、机の上面に載置されたタブレットスタンドにタブレット端末が前方から立て掛けられる。このとき、タブレットスタンドのU字状の部分がタブレット端末の下部を受けることによって、タブレット端末の前方への位置ずれが抑制される。
【0003】
非特許文献1に開示されたマルチアングルスタンドは、ワイヤーからなる複数の部材を組み合わせることによって構成されている。複数の部材のうち1つには、タブレット端末の下端部に前方から対向する線状の前柵部が、左右方向に延びて一定の高さで形成されている。タブレット端末を机の上面に立てて使用する際には、机の上面に載置されたマルチアングルスタンドにタブレット端末が前方から立て掛けられる。このとき、マルチアングルスタンドの前柵部がタブレット端末の前方に配置されることによって、タブレット端末の前方への位置ずれが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-049577号公報(図2
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社ホワイトナッツ,”マルチアングルスタンド”,[online],株式会社リクルート,ポンパレモール,[令和4年6月18日検索],インターネット <URL:https://store.ponparemall.com/whitenuts/goods/multi-angle-stand/>
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたタブレットスタンドでは、ワイヤーの両端部に設けられたU字状の部分が左右方向へ動くため、タブレットスタンドの幅が変動するおそれがあり、タブレット端末を安定して支持することが困難であった。一方、非特許文献1に開示されたマルチアングルスタンドでは、前柵部の高さが左右方向において一定であるため、携帯情報機器の位置ずれを抑制する効果と、携帯情報機器の操作性を高める効果とを両立させることが困難であった。つまり、タブレット端末の前方への位置ずれを抑制するために前柵部の高さを高くすると、タブレット端末の下端部に設けられたボタンの操作性が低下するおそれがあり、逆に、当該ボタンの操作性を高めるために前柵部の高さを低くすると、タブレット端末の前方への位置ずれを抑制できないおそれがあった。
【発明の概要】
【0007】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、携帯情報機器の位置ずれを抑制できるとともに操作性を向上できる、携帯情報機器用スタンドを提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯情報機器用スタンドの特徴は、上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器が傾斜した状態で前方から立て掛けられる支持体と、前記載置面において前記支持体を後方から支持する脚体とを備え、前記支持体は、前記携帯情報機器の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の第1左支持部および第1右支持部と、立て掛けられた前記携帯情報機器の下端部に前方から対向するように左右方向へ延びて形成されたワイヤーからなる線状の前柵部と、前記第1左支持部の下端部と前記前柵部の左端部とをつなぐ左つなぎ部と、前記第1右支持部の下端部と前記前柵部の右端部とをつなぐ右つなぎ部とを有し、前記前柵部の左右方向中央部は、下方へ向けて凹んだ凹状に形成されることにある。
【0009】
この構成では、前柵部の左右方向中央部が下方へ向けて凹んだ凹状に形成されるので、前柵部の左右方向中央部を除いた部分の高さを高くした場合でも、左右方向中央部の高さを携帯情報機器の下端部に設けられたボタンに重ならない程度に低くすることができる。したがって、携帯情報機器の前方への位置ずれを効果的に抑制できるとともに、携帯情報機器の操作性を向上できる。
【0010】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記前柵部は、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に下方へ向かうように形成されることにある。
【0011】
この構成では、前柵部の高さが、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に低くなっているので、携帯情報機器の幅が前柵部の長さよりも狭い場合でも、携帯情報機器の位置ずれを抑制する効果と、携帯情報機器の操作性を高める効果とを両立させることができる。
【0012】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記前柵部は、左右方向中央部の上端が前記携帯情報機器の下部に設けられたボタンの下端よりも下方に位置するように形成されることにある。
【0013】
この構成では、携帯情報機器の下部に設けられたボタンと前柵部とが前後方向で重なることを回避できるので、ボタンの操作性を高めることができる。
【0014】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記支持体は、前記携帯情報機器の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の第2左支持部および第2右支持部と、立て掛けられた前記携帯情報機器に後方から対向するように左右方向へ延びて形成され、前記第2左支持部および前記第2右支持部のそれぞれの上端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の上支持部とを有し、前記上支持部の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成されることにある。
【0015】
この構成では、左右方向へ延びる上支持部によって、携帯情報機器を安定して支持できる。また、上支持部の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成されるので、携帯情報機器と上支持部との接触面積を小さくでき、表示画面を後方へ向けた状態で携帯情報機器を支持する場合でも、表示画面に線状の汚れや傷が付くことを抑制できる。
【0016】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記上支持部は、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に後方へ向かうように形成されることにある。
【0017】
この構成では、携帯情報機器の幅が上支持部の長さよりも狭い場合でも、携帯情報機器を2つの点で安定して支持できる。
【0018】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記支持体は、前記第1左支持部の上端部と前記第2左支持部の下端部とを左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続する左接続部と、前記第1右支持部の上端部と前記第2右支持部の下端部とを左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続する右接続部とを有することにある。
【0019】
この構成では、第1左支持部、第1右支持部、前柵部、左つなぎ部および右つなぎ部の全体(以下、「下側支持体」という。)と、第2左支持部、第2右支持部および上支持部の全体(以下、「上側支持体」という。)とが、左接続部および右接続部を介して角度変更可能に接続される。したがって、携帯情報機器用スタンドを使用しないときには、下側支持体と上側支持体とを重ね合わせることによって、携帯情報機器用スタンドを小さく畳むことができる。
【0020】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記脚体は、前記第1左支持部の後方において、前記第1左支持部の上端部と前記載置面との間に配置されるワイヤーからなる線状の左脚部と、前記第1右支持部の後方において、前記第1右支持部の上端部と前記載置面との間に配置されるワイヤーからなる線状の右脚部と、前記左脚部および前記右脚部のそれぞれの下端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の連結部とを有し、前記左脚部の上端部は、前記第1左支持部の上端部に前記左接続部を介して角度変更可能に接続され、前記右脚部の上端部は、前記第1右支持部の上端部に前記右接続部を介して角度変更可能に接続されることにある。
【0021】
この構成では、携帯情報機器用スタンドを使用しないときには、下側支持体と上側支持体と脚体とを重ね合わせることによって、携帯情報機器用スタンドを小さく畳むことができる。
【0022】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記左脚部の長さは、前記第1左支持部の長さよりも長く定められ、前記右脚部の長さは、前記第1右支持部の長さよりも長く定められることにある。
【0023】
この構成では、左脚部および右脚部の長さは、第1左支持部および第1右支持部の長さよりも長いので、脚体と下側支持体とを重ね合わせたときには、脚体の連結部を下側支持体の前柵部よりも外側に配置できる。したがって、使用者が携帯情報機器用スタンドを持ち運ぶ際には、連結部を把持できる。また、第1左支持部および第1右支持部が机の天板の上面に置かれ、左脚部および右脚部が天板の上面よりも低い面(例えば、天板の周囲に設けられた溝の底面)に置かれた場合でも、携帯情報機器を適切な角度で支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの使用状態を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す右側面図である。
図4】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図5】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す図であり、(A)は、図3におけるV(A)矢視図、(B)は、図3におけるV(B)矢視図である。
図6】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドを畳んだ状態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は右側面図である。
図7】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの他の使用状態を示す図であり、(A)は、携帯情報機器用スタンドを高低差のある2つの面に載置した状態を示す右側面図、(B)は、携帯情報機器の高さをスペーサで調整した状態を示す右側面図である。
図8】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの他の使用状態を示す図であり、(A)は、携帯情報機器を横長となるように携帯情報機器用スタンドに立て掛けた状態を示す斜視図、(B)は、小型の携帯情報機器を携帯情報機器用スタンドに立て掛けた状態を示す斜視図である。
図9】他の実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す図であり、(A)は、図5(A)に示す矢視図に対応する図、(B)は、図5(B)に示す矢視図に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る携帯情報機器用スタンドの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「前・後・左・右・上・下」の各方向は、図面において矢印で示す各方向と一致する。
【0026】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成)
図1は、実施形態に係る携帯情報機器用スタンド10の使用状態を示す斜視図である。図1に示すように、携帯情報機器用スタンド10は、机12の上面などの上方を向いた載置面Qに載置されて、携帯情報機器14を支持する器具である。
【0027】
図1に示す机12は、学校の教室で使用されるものであり、平面視で四角形の天板16を有する本体部18と、本体部18から下方へ延びて設けられた4本の脚部20と、天板16の上面を覆うカバー22とを有している。カバー22は、天板16を覆う平面視で四角形の板状の本体部24と、本体部24の後端部に左右方向に延びて形成された溝状の拡張部26とを有している。図7(A)に示すように、拡張部26の上面(底面)26aの高さは、本体部24の上面24aの高さよりも低く定められている。本体部24の上面24aおよび拡張部26の上面(底面)26aは、いずれも載置面Qである。
【0028】
図1に示す携帯情報機器14は、タブレット端末であり、携帯情報機器14の下部の幅方向中央部には、携帯情報機器14を操作するためのボタン14aが設けられている。より詳細には、携帯情報機器14の表面は、表示画面14bで構成されており、携帯情報機器14の使用時には、携帯情報機器14の下部の幅方向中央部にボタン14aが表示される。
【0029】
なお、携帯情報機器用スタンド10が載置される載置面Qは、机12の上面に限定されるものではなく、例えば、台所、洗面所および浴室などに設けられた台の上面であってもよい。また、携帯情報機器14は、タブレット端末に限定されるものではなく、例えば、携帯電話などであってもよい。さらに、携帯情報機器14のボタン14aは、物理的に操作できるボタンであってもよい。
【0030】
図2は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す斜視図である。図3は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す右側面図である。図4は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は正面図である。図5は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す図であり、図5(A)は、図3におけるV(A)矢視図、図5(B)は、図3におけるV(B)矢視図である。
【0031】
図2に示すように、携帯情報機器用スタンド10は、載置面Q(図1)に載置されて、携帯情報機器14(図1)が傾斜した状態で前方から立て掛けられる支持体30と、載置面Q(図1)において支持体30を後方から支持する脚体32とを備えている。支持体30は、下側支持体34と、上側支持体36と、左接続部38と、右接続部40とを備えている。以下では、下側支持体34、上側支持体36、脚体32、左接続部38および右接続部40の各構成について、この順に説明する。
【0032】
図2に示すように、下側支持体34は、第1左支持部42、第1右支持部44、前柵部46、左つなぎ部48および右つなぎ部50を有している。
【0033】
図2に示す第1左支持部42および第1右支持部44は、携帯情報機器14(図1)の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図4(B)に示すように、第1左支持部42の上端部には、左接続部38を構成する雄ネジ部70の軸が右方から挿通される環状の第1左環状部42aが形成されている。第1右支持部44の上端部には、右接続部40を構成する雄ネジ部74の軸が左方から挿通される環状の第1右環状部44aが形成されている。
【0034】
図2に示す前柵部46は、携帯情報機器14(図1)の下端部に前方から対向するように左右方向へ延びて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図4(B)に示すように、前柵部46の左右方向中央部は、下方へ向けて凹んだ凹状に形成されている。この凹んだ部分を「第1凹部」と称するとき、本実施形態では、前柵部46の全体が第1凹部52となっている。つまり、本実施形態では、前柵部46が、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に下方へ向かうように形成されており、前柵部46の全体が正面視でV字状の第1凹部52となっている。
【0035】
図4(B)に示すように、第1凹部52の最下部の上端、すなわち前柵部46の左右方向中央部の上端は、携帯情報機器14(図1)の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に配置されている。言い換えると、前柵部46は、左右方向中央部の上端が携帯情報機器14(図1)の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に位置するように形成されている。したがって、ボタン14aと前柵部46とは、前後方向で重ならない。
【0036】
図2に示す左つなぎ部48は、第1左支持部42の下端部と前柵部46の左端部とをつなぐ部分であり、横片部48aと縦片部48bとを有するL字状に形成されている。図2に示す右つなぎ部50は、第1右支持部44の下端部と前柵部46の右端部とをつなぐ部分であり、横片部50aと縦片部50bとを有するL字状に形成されている。横片部48a,50aの長さは、携帯情報機器14(図1)の下端部を受けるために、携帯情報機器14の厚さよりも長く定められている。縦片部48b,50bの長さは、携帯情報機器14の下端部の前方への位置ずれを効果的に抑制するために、前柵部46の左右方向中央部の高さよりも十分に長く定められている。
【0037】
図2に示すように、縦片部48bと第1左支持部42との間隔は、上方へ向かうにつれて徐々に広くなるように定められている。また、図2および図3に示すように、縦片部50bと第1右支持部44との間隔は、上方へ向かうにつれて徐々に広くなるように定められている。したがって、使用者は、携帯情報機器14(図1)の下端部を横片部48a,50aに載置する作業を容易に行うことができる。
【0038】
図2に示す第1左支持部42、左つなぎ部48、前柵部46、右つなぎ部50および第1右支持部44は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第1左環状部42aおよび第1右環状部44aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0039】
図2に示すように、上側支持体36は、第2左支持部54、第2右支持部56および上支持部58を有している。
【0040】
図2に示す第2左支持部54および第2右支持部56は、携帯情報機器14(図1)の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図4(B)に示すように、第2左支持部54の下端部には、左接続部38を構成する雄ネジ部70の軸が右方から挿通される環状の第2左環状部54aが形成されている。第2右支持部56の下端部には、右接続部40を構成する雄ネジ部74の軸が左方から挿通される環状の第2右環状部56aが形成されている。
【0041】
図2に示す上支持部58は、第2左支持部54および第2右支持部56のそれぞれの上端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の部分であり、立て掛けられた携帯情報機器14(図1)に後方から対向するように左右方向へ延びて形成されている。図4(A)に示すように、上支持部58の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成されている。この凹んだ部分を「第2凹部」と称するとき、本実施形態では、上支持部58の全体が第2凹部60となっている。つまり、本実施形態では、上支持部58が、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に後方へ向かうように形成されており、上支持部58の全体が平面視でV字状の第2凹部60となっている。
【0042】
図2に示す第2左支持部54、上支持部58および第2右支持部56は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第2左環状部54aおよび第2右環状部56aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0043】
図2に示すように、脚体32は、左脚部62、右脚部64および連結部66を有している。
【0044】
図2に示す左脚部62は、第1左支持部42の後方において、第1左支持部42の上端部と載置面Q(図1)との間に配置されるワイヤーからなる線状の部分である。図2に示す右脚部64は、第1右支持部44の後方において、第1右支持部44の上端部と載置面Q(図1)との間に配置されるワイヤーからなる線状の部分である。左脚部62の長さは、第1左支持部42および第2左支持部54の長さよりも長く定められており、右脚部64の長さは、第1右支持部44および第2右支持部56の長さよりも長く定められている。
【0045】
図2に示す連結部66は、左脚部62および右脚部64のそれぞれの下端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の部分である。図4(B)に示すように、左脚部62の上端部には、左接続部38を構成する雄ネジ部70の軸が右方から挿通される環状の第3左環状部62aが形成されており、右脚部64の上端部には、右接続部40を構成する雄ネジ部74の軸が左方から挿通される環状の第3右環状部64aが形成されている。
【0046】
図2に示す左脚部62、連結部66および右脚部64は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第3左環状部62aおよび第3右環状部64aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0047】
図2に示す左接続部38は、使用者の手で操作される円形の回動操作部68と、軸を有する雄ネジ部70とを有している。回動操作部68の中心部には、雌ネジ(図示省略)が形成されており、雄ネジ部70の軸には、雄ネジ(図示省略)が形成されている。そして、雄ネジ部70の軸が、第3左環状部62a、第2左環状部54aおよび第1左環状部42aにこの順で挿通されるとともに、軸の雄ネジ(図示省略)が、回動操作部68の雌ネジ(図示省略)に螺合されている。
【0048】
つまり、左接続部38によって、第1左支持部42の上端部と第2左支持部54の下端部とが、左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続されており、かつ、第1左支持部42の上端部と左脚部62の上端部とが、左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続されている。
【0049】
図2に示す右接続部40は、使用者の手で操作される円形の回動操作部72と、軸を有する雄ネジ部74と、ストッパー部76とを有している。回動操作部72の中心部には、雌ネジ(図示省略)が形成されており、雄ネジ部74の軸には、雄ネジ(図示省略)が形成されている。
【0050】
図3に示すように、ストッパー部76は、雄ネジ部74(図2)の軸が挿通される貫通孔(図示省略)を有する板状の本体部78と、本体部78と一体的に形成され、下側支持体34、上側支持体36および脚体32のそれぞれが引っ掛けられる3つのストッパー片80a,80b,80cとを有している。3つのストッパー片80a,80b,80cの相互の位置関係は、下側支持体34、上側支持体36および脚体32が引っ掛けられたときに、これらが成す角度を一定に保持するように定められている。本実施形態では、下側支持体34と上側支持体36とが成す角度を180度に保持し、かつ、下側支持体34と脚体32とが成す角度を65度に保持するように、上記位置関係が定められている。
【0051】
そして、図2に示す雄ネジ部74の軸が、第3右環状部64a、第2右環状部56a、ストッパー部76の貫通孔(図示省略)および第1右環状部44aに挿通されるとともに、軸の雄ネジ(図示省略)が、回動操作部72の雌ネジ(図示省略)に螺合されている。
【0052】
つまり、右接続部40によって、第1右支持部44の上端部と第2右支持部56の下端部とが、左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続されており、かつ、第1右支持部44の上端部と右脚部64の上端部とが、左右方向へ延びる回動中心の周りで角度変更可能に接続されている。
【0053】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの使用方法)
携帯情報機器用スタンド10を用いて携帯情報機器14を支持するときには、まず、使用者は、図1中の実線で示すように、携帯情報機器用スタンド10を机12の載置面Qに載置する。その後、使用者は、図1中の二点鎖線で示すように、携帯情報機器14の下端部をつなぎ部48,50の横片部48a,50aに載置するとともに、携帯情報機器14の後面を上支持部58に接触させる。この状態において、ボタン14aと第1凹部52(前柵部46)は前後方向で重ならないので、使用者は、第1凹部52の上方からボタン14aを操作できる。
【0054】
図6は、携帯情報機器用スタンド10を畳んだ状態を示す図であり、図6(A)は斜視図、図6(B)は右側面図である。
【0055】
携帯情報機器用スタンド10を使用しないときには、使用者は、左接続部38および右接続部40の螺合を緩めて、脚体32、下側支持体34および上側支持体36を互いに重ね合わせる。この状態において、脚体32の連結部66は、下側支持体34の前柵部46および上側支持体36の上支持部58よりも外側に配置されるので、使用者は、連結部66を把持して携帯情報機器用スタンド10を持ち運ぶことができる。
【0056】
図7は、携帯情報機器用スタンド10の他の使用状態を示す図であり、図7(A)は、携帯情報機器用スタンド10を高低差のある2つの面24a,26aに載置した状態を示す右側面図、図7(B)は、携帯情報機器14の高さをスペーサ82で調整した状態を示す右側面図である。
【0057】
図7(A)に示すように、携帯情報機器用スタンド10が載置される載置面Qは、本体部24の上面24aと、それよりも低い拡張部26の上面(底面)26aとを含んでいてもよい。図2に示す左脚部62の長さは、第1左支持部42の長さよりも長く定められており、図2に示す右脚部64の長さは、第1右支持部44の長さよりも長く定められているので、第1左支持部42および第1右支持部44が本体部24の上面24aに置かれ、左脚部62および右脚部64が拡張部26の上面(底面)26aに置かれた場合でも、図7(A)に示す携帯情報機器14を適切な角度で支持できる。
【0058】
図1に示す携帯情報機器14のボタン14aの位置は、一般的には、携帯情報機器14の下部の幅方向中央部であるが、携帯情報機器14の種類によっては、ボタン14aの位置が低くなり過ぎることがある。このような場合には、図7(B)に示すように、携帯情報機器14の高さがスペーサ82で調整されてもよい。
【0059】
図8は、携帯情報機器用スタンド10の他の使用状態を示す図であり、図8(A)は、携帯情報機器14を横長となるように携帯情報機器用スタンド10に立て掛けた状態を示す斜視図、図8(B)は、小型の携帯情報機器14を携帯情報機器用スタンド10に立て掛けた状態を示す斜視図である。
【0060】
図1に示す使用状態では、携帯情報機器14が縦長となるように携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられているが、図8(A)に示すように、携帯情報機器14は、横長となるように携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられてもよい。また、図8(B)に示すように、上側支持体36の上下方向長さが短くされて、携帯電話のような小型の携帯情報機器14が携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられてもよい。
【0061】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図4(B)に示す前柵部46の左右方向中央部が下方へ向けて凹んだ凹状に形成されるので、前柵部46の左右方向両端部の高さを高くした場合でも、前柵部46の左右方向中央部の高さを携帯情報機器14のボタン14aに重ならない程度に低くすることができる。したがって、携帯情報機器14の前方への位置ずれを効果的に抑制できるとともに、携帯情報機器14の操作性を向上できる。
【0062】
図4(B)に示す前柵部46の高さが、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に低くなっているので、携帯情報機器14の幅が前柵部46の長さよりも狭い場合(図8(B))でも、携帯情報機器14の位置ずれを抑制する効果と、携帯情報機器14の操作性を高める効果とを両立させることができる。
【0063】
図4(B)に示す前柵部46は、左右方向中央部の上端が携帯情報機器14の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に位置するように形成されているので、ボタン14aと前柵部46とが前後方向で重なることを回避でき、ボタン14aの操作性を高めることができる。
【0064】
図3に示す上支持部58によって、携帯情報機器14を安定して支持できる。また、図4(A)に示すように、上支持部58の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成されるので、携帯情報機器14と上支持部58との接触面積を小さくでき、表示画面14b(図1)を後方へ向けた状態で携帯情報機器14を支持する場合でも、表示画面14bに線状の汚れや傷が付くことを防止できる。
【0065】
図8(B)に示すように、上支持部58は、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に後方へ向かうように形成されるので、携帯情報機器14の幅が上支持部58の長さよりも狭い場合でも、携帯情報機器14を2つの点で安定して支持できる。
【0066】
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、下側支持体34と上側支持体36とが分離されているが、これらは1本のワイヤーで連続して一体的に形成されてもよい。また、上記実施形態では、支持体30と脚体32とが分離されているが、これらは1本のワイヤーで連続して一体的に形成されてもよい。さらに、上側支持体36の第2凹部60は省略されてもよい。
【0067】
図9は、他の実施形態に係る携帯情報機器用スタンド84の構成を示す図であり、図9(A)は、図5(A)に示す矢視図に対応する図、図9(B)は、図5(B)に示す矢視図に対応する図である。
【0068】
上記実施形態では、前柵部46の全体がV字状の第1凹部52となっているが、前柵部46の全体がU字状の第1凹部52となっていてもよい。また、図9(A),(B)に示す携帯情報機器用スタンド84のように、前柵部46の左右方向中央部だけがV字状(またはU字状)の第1凹部52となっていてもよい。
【0069】
上記実施形態では、上支持部58の全体がV字状の第2凹部60となっているが、上支持部58の全体がU字状の第2凹部60となっていてもよい。また、図9(A),(B)に示す携帯情報機器用スタンド84のように、上支持部58の左右方向中央部だけがV字状(またはU字状)の第2凹部60となっていてもよい。さらに、図示しないが、上支持部58の複数の部分がV字状またはU字状の第2凹部60となっていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10,84…携帯情報機器用スタンド、14…携帯情報機器、14a…ボタン、14b…表示画面、30…支持体、32…脚体、34…下側支持体、36…上側支持体、38…左接続部、40…右接続部、42…第1左支持部、44…第1右支持部、46…前柵部、48…左つなぎ部、50…右つなぎ部、52…第1凹部、54…第2左支持部、56…第2右支持部、58…上支持部、60…第2凹部、62…左脚部、64…右脚部、66…連結部、82…スペーサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9