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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018729
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】携帯情報機器用スタンド
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20240201BHJP
   F16M 11/24 20060101ALI20240201BHJP
   H04M 1/04 20060101ALI20240201BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20240201BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06F1/16 313A
F16M11/24 D
G06F1/16 312G
H04M1/04 A
H04M1/11 Z
H05K5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122251
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000208684
【氏名又は名称】第一工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】冨田 豊
【テーマコード(参考)】
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AC24
4E360ED02
4E360ED04
4E360ED06
4E360EE13
4E360GA12
4E360GA60
4E360GB26
4E360GB46
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC03
5K023AA07
5K023KK10
5K023PP16
5K023QQ02
(57)【要約】
【課題】折り畳むことができるとともに、携帯情報機器の重みで変形することを防止できる、携帯情報機器用スタンドを提供する。
【解決手段】携帯情報機器用スタンド10は、携帯情報機器14を支持する支持体30と、脚体32と、ストッパー部40とを備える。支持体30は、下側支持体34と上側支持体36とを有する。脚体32、下側支持体34および上側支持体36は、回動接続部38a,38bで回動可能に接続される。ストッパー部40は、脚体32、下側支持体34および上側支持体36のそれぞれの回動を制限する。下側支持体34と脚体32とがなす「脚体接続角度」は、第1支持体当り部88と、第1脚体当り部94または第2脚体当り部96とによって、第1角度または第2角度に保持される。下側支持体34と上側支持体36とがなす「支持体接続角度」は、第2支持体当り部90と第3支持体当り部92とによって、180度に保持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の下側支持体と、
前記下側支持体の上方に前記下側支持体とつながって設けられ、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の上側支持体と、
前記載置面において前記下側支持体および前記上側支持体を後方から支持するワイヤーからなる線状の脚体と、
左右方向へ延びる回動軸部を有し、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部とを前記回動軸部の周りで回動可能に接続する回動接続部と、
前記上側支持体および前記下側支持体の回動を制限するストッパー部とを備え、
前記ストッパー部は、前記回動軸部が挿通される貫通孔を有する板状の本体部と、前記本体部に設けられ、前記下側支持体と前記上側支持体とがなす支持体接続角度が180度のときに前記下側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第1支持体当り部と、前記本体部に設けられ、前記支持体接続角度が180度のときに前記上側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第2支持体当り部とを有する、携帯情報機器用スタンド。
【請求項2】
上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の支持体と、
前記載置面において前記支持体を後方から支持するワイヤーからなる線状の脚体と、
左右方向へ延びる第1回動軸部を有し、前記支持体の一部と前記脚体の上端部とを前記第1回動軸部の周りで回動可能に接続する第1回動接続部と、
前記支持体および前記脚体の回動を制限する第1ストッパー部とを備え、
前記第1ストッパー部は、前記第1回動軸部が挿通される第1貫通孔を有する板状の第1本体部と、前記第1本体部に設けられ、前記支持体と前記脚体とがなす脚体接続角度が第1角度のときに前記支持体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第1支持体当り部と、前記第1本体部に設けられ、前記脚体接続角度が前記第1角度のときに前記脚体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第1脚体当り部とを有する、携帯情報機器用スタンド。
【請求項3】
上方を向いた載置面に載置され、前記支持体の下部を構成する下側支持体と、
前記下側支持体の上方に前記下側支持体とつながって設けられ、前記支持体の上部を構成する上側支持体と、
左右方向へ延びる第2回動軸部を有し、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部とを前記第2回動軸部の周りで回動可能に接続する第2回動接続部と、
前記下側支持体および前記上側支持体の回動を制限する第2ストッパー部とを備え、
前記第2ストッパー部は、前記第2回動軸部が挿通される第2貫通孔を有する板状の第2本体部と、前記下側支持体と前記上側支持体とがなす支持体接続角度が180度のときに前記下側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第2支持体当り部と、前記支持体接続角度が180度のときに前記上側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第3支持体当り部とを有する、請求項2に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項4】
前記第1回動接続部および前記第2回動接続部は、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部と前記脚体の上端部とを回動可能に接続する共通接続部として一体的に構成され、
前記第1ストッパー部および前記第2ストッパー部は、前記脚体接続角度および前記支持体接続角度を保持する共通ストッパー部として一体的に構成される、請求項3に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項5】
前記下側支持体、前記上側支持体および前記脚体のそれぞれの左右方向の両側に前記共通接続部が設けられるとともに、左右方向の一方側に前記共通ストッパー部が設けられる、請求項4に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項6】
前記第1回動接続部は、前記脚体接続角度を調整するための角度調整機構を有し、
前記第1ストッパー部は、前記脚体接続角度が前記第1角度よりも小さい第2角度のときに前記脚体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第2脚体当り部を有する、請求項3または4に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項7】
前記脚体の長さは、前記下側支持体の長さよりも長く定められる、請求項6に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項8】
前記第1本体部には、前記第1回動軸部に対して平行方向から前記脚体を受け入れる第2凹部が設けられ、
前記第2脚体当り部は、前記第2凹部の内面で構成される、請求項6に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項9】
前記第1本体部には、前記第1回動軸部に対して平行方向から前記脚体を受け入れる第1凹部が前記第2凹部に並んで設けられ、
前記第1脚体当り部は、前記第1凹部の内面で構成される、請求項8に記載の携帯情報機器用スタンド。
【請求項10】
前記第1回動接続部は、前記第1回動軸部の一方端部に設けられた頭部と、前記第1回動軸部の外周面に設けられた雄ネジと、前記雄ネジに螺合される雌ネジを有する雌ネジ部材とを有し、
前記頭部および前記雌ネジ部材の一方には、使用者の手で掴まれる掴み部が形成され、
前記雄ネジと前記雌ネジとを螺合して前記支持体と前記脚体と前記第1ストッパー部とを締結したときの螺合部分の長さは、前記第2凹部の深さよりも長く定められる、請求項8または9に記載の携帯情報機器用スタンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット端末や携帯電話などの携帯情報機器を机の上面に立てた状態で支持する、携帯情報機器用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯情報機器用スタンドの例が、特許文献1および非特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたタブレットスタンドは、1本の針金を曲げることによって形成されており、針金の両端部はU字状に曲げられている。タブレット端末を机の上面に立てて使用する際には、机の上面に載置されたタブレットスタンドにタブレット端末が前方から立て掛けられる。
【0003】
非特許文献1に開示されたマルチアングルスタンドは、下側支持体、上側支持体および脚体を、左右両側の接続部で互いに締結することによって構成されている。タブレット端末を机の上面に立てて使用する際には、机の上面に載置されたマルチアングルスタンドの下側支持体および上側支持体にタブレット端末が前方から立て掛けられる。このとき、下側支持体と上側支持体との接続角度は180度に定められ、上側支持体の上端部でタブレット端末が後方から受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-049577号公報(図2
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】株式会社ホワイトナッツ,”マルチアングルスタンド”,[online],株式会社リクルート,ポンパレモール,[令和4年6月25日検索],インターネット <URL:https://store.ponparemall.com/whitenuts/goods/multi-angle-stand/>
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたタブレットスタンドでは、1本の針金で形成されているため、折り畳むことができなかった。一方、非特許文献1に開示されたマルチアングルスタンドでは、各構成部材の接続角度を保持することが困難であり、タブレット端末の重みで接続角度が変わるおそれがあった。そして、最悪の場合には、マルチアングルスタンドが倒れて、タブレット端末が落下するおそれがあった。
【発明の概要】
【0007】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、折り畳むことができるとともに、携帯情報機器の重みで変形することを防止できる、携帯情報機器用スタンドを提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯情報機器用スタンドの特徴は、上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の下側支持体と、前記下側支持体の上方に前記下側支持体とつながって設けられ、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の上側支持体と、前記載置面において前記下側支持体および前記上側支持体を後方から支持するワイヤーからなる線状の脚体と、左右方向へ延びる回動軸部を有し、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部とを前記回動軸部の周りで回動可能に接続する回動接続部と、前記上側支持体および前記下側支持体の回動を制限するストッパー部とを備え、前記ストッパー部は、前記回動軸部が挿通される貫通孔を有する板状の本体部と、前記本体部に設けられ、前記下側支持体と前記上側支持体とがなす支持体接続角度が180度のときに前記下側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第1支持体当り部と、前記本体部に設けられ、前記支持体接続角度が180度のときに前記上側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第2支持体当り部とを有することにある。
【0009】
この構成では、下側支持体と上側支持体とが、回動接続部を介して回動可能に接続されるので、使用者は、下側支持体と上側支持体とを互いに重ね合わせるようにして折り畳むことができる。また、ストッパー部の第1支持体当り部および第2支持体当り部によって、支持体接続角度を180度で保持することが可能であり、携帯情報機器の重みで支持体接続角度が変わることを防止できる。つまり、携帯情報機器の重みで携帯情報機器用スタンドが変形することを防止できる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯情報機器用スタンドの特徴は、上方を向いた載置面に載置され、携帯情報機器を傾斜した状態で後方から支持するワイヤーからなる線状の支持体と、前記載置面において前記支持体を後方から支持するワイヤーからなる線状の脚体と、左右方向へ延びる第1回動軸部を有し、前記支持体の一部と前記脚体の上端部とを前記第1回動軸部の周りで回動可能に接続する第1回動接続部と、前記支持体および前記脚体の回動を制限する第1ストッパー部とを備え、前記第1ストッパー部は、前記第1回動軸部が挿通される第1貫通孔を有する板状の第1本体部と、前記第1本体部に設けられ、前記支持体と前記脚体とがなす脚体接続角度が第1角度のときに前記支持体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第1支持体当り部と、前記第1本体部に設けられ、前記脚体接続角度が前記第1角度のときに前記脚体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第1脚体当り部とを有することにある。
【0011】
この構成では、支持体と脚体とが、第1回動接続部を介して回動可能に接続されるので、使用者は、支持体と脚体とを互いに重ね合わせるようにして折り畳むことができる。また、第1ストッパー部の第1支持体当り部および第1脚体当り部によって、脚体接続角度を第1角度で保持することが可能であり、携帯情報機器の重みで脚体接続角度が変わることを防止できる。つまり、携帯情報機器の重みで携帯情報機器用スタンドが変形することを防止できる。
【0012】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、上方を向いた載置面に載置され、前記支持体の下部を構成する下側支持体と、前記下側支持体の上方に前記下側支持体とつながって設けられ、前記支持体の上部を構成する上側支持体と、左右方向へ延びる第2回動軸部を有し、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部とを前記第2回動軸部の周りで回動可能に接続する第2回動接続部と、前記下側支持体および前記上側支持体の回動を制限する第2ストッパー部とを備え、前記第2ストッパー部は、前記第2回動軸部が挿通される第2貫通孔を有する板状の第2本体部と、前記下側支持体と前記上側支持体とがなす支持体接続角度が180度のときに前記下側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第2支持体当り部と、前記支持体接続角度が180度のときに前記上側支持体が当たることによって前記支持体接続角度が大きくなることを抑制する第3支持体当り部とを有することにある。
【0013】
この構成では、下側支持体と上側支持体とが、第2回動接続部を介して回動可能に接続されるので、使用者は、下側支持体と上側支持体とを互いに重ね合わせるようにして折り畳むことができる。また、第2ストッパー部の第2支持体当り部および第3支持体当り部によって、支持体接続角度を180度で保持することが可能であり、携帯情報機器の重みで支持体接続角度が変わることを防止できる。つまり、携帯情報機器の重みで携帯情報機器用スタンドが変形することを防止できる。
【0014】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記第1回動接続部および前記第2回動接続部は、前記下側支持体の上端部と前記上側支持体の下端部と前記脚体の上端部とを回動可能に接続する共通接続部として一体的に構成され、前記第1ストッパー部および前記第2ストッパー部は、前記脚体接続角度および前記支持体接続角度を保持する共通ストッパー部として一体的に構成されることにある。
【0015】
この構成では、第1回動接続部と第2回動接続部とが一体的に構成されるとともに、第1ストッパー部と第2ストッパー部とが一体的に構成されるので、部品点数を少なくすることができる。
【0016】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記下側支持体、前記上側支持体および前記脚体のそれぞれの左右方向の両側に前記共通接続部が設けられるとともに、左右方向の一方側に前記共通ストッパー部が設けられることにある。
【0017】
この構成では、下側支持体、上側支持体および脚体のそれぞれの左右方向の両側に共通接続部が設けられるので、これらをバランスよく安定して接続できる。また、共通ストッパー部は、1つでよいので、製造コストを低減できるとともに、組み立て作業性を高めることができる。
【0018】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記第1回動接続部は、前記脚体接続角度を調整するための角度調整機構を有し、前記第1ストッパー部は、前記脚体接続角度が前記第1角度よりも小さい第2角度のときに前記脚体が当たることによって前記脚体接続角度が大きくなることを抑制する第2脚体当り部を有することにある。
【0019】
この構成では、脚体接続角度を第1角度および第2角度のいずれかに定めることができる。
【0020】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記脚体の長さは、前記下側支持体の長さよりも長く定められることにある。
【0021】
この構成では、脚体の長さは、下側支持体の長さよりも長いので、脚体と下側支持体とを重ね合わせたときには、脚体の下端部が下側支持体の下端部よりも外側に配置される。したがって、使用者が携帯情報機器用スタンドを持ち運ぶ際には、脚体の下端部を把持できる。また、下側支持体が机の上面に置かれ、脚体が机の上面よりも低い面(例えば、天板の周囲に設けられた溝の底面)に置かれた場合でも、携帯情報機器を適切な角度で支持できる。
【0022】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記第1本体部には、前記第1回動軸部に対して平行方向から前記脚体を受け入れる第2凹部が設けられ、前記第2脚体当り部は、前記第2凹部の内面で構成されることにある。
【0023】
この構成では、板状の第1本体部に第2凹部を設けるだけで、第2脚体当り部を簡単に形成できる。
【0024】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記第1本体部には、前記第1回動軸部に対して平行方向から前記脚体を受け入れる第1凹部が前記第2凹部に並んで設けられ、前記第1脚体当り部は、前記第1凹部の内面で構成されることにある。
【0025】
この構成では、板状の第1本体部に第1凹部を設けるだけで、第1脚体当り部を簡単に形成できる。
【0026】
本発明に係る携帯情報機器用スタンドの他の特徴は、前記第1回動接続部は、前記第1回動軸部の一方端部に設けられた頭部と、前記第1回動軸部の外周面に設けられた雄ネジと、前記雄ネジに螺合される雌ネジを有する雌ネジ部材とを有し、前記頭部および前記雌ネジ部材の一方には、使用者の手で掴まれる掴み部が形成され、前記雄ネジと前記雌ネジとを螺合して前記支持体と前記脚体と前記第1ストッパー部とを締結したときの螺合部分の長さは、前記第2凹部の深さよりも長く定められることにある。
【0027】
この構成では、螺合部分の長さが第2凹部の深さよりも長く定められるので、螺合を緩めることによって、脚体を第2凹部の外側まで移動させることが可能であり、脚体接続角度を変更する際には、脚体を回動させやすい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの使用状態を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す右側面図である。
図4】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図5】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成を示す図であり、(A)は図3におけるV(A)矢視図、(B)は図3におけるV(B)矢視図である。
図6】(A)は回動接続部の構成を示す正面図、(B)はストッパー部の構成を示す斜視図である。
図7】下側支持体に対する脚体の接続態様を示す斜視図であり、(A)は脚体接続角度を第1角度に定めた状態を示す斜視図、(B)は脚体接続角度を第2角度に定めた状態を示す斜視図、(C)は脚体接続角度を0度に定めた状態を示す斜視図である。
図8】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドを高低差のある2つの載置面に載置した状態を示す右側面図である。
図9】実施形態に係る携帯情報機器用スタンドを畳んだ状態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は右側面図である。
図10】(A)は、他のストッパー部の構成を示す斜視図、(B)は、さらに他のストッパー部の構成を示す斜視図である。
図11】(A)は単独の第1ストッパー部の構成を示す斜視図、(B)は単独の第2ストッパー部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る携帯情報機器用スタンドの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「前・後・左・右・上・下」の各方向は、図面において矢印で示す各方向と一致する。
【0030】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの構成)
図1は、実施形態に係る携帯情報機器用スタンド10の使用状態を示す斜視図である。図1に示すように、携帯情報機器用スタンド10は、机12の上面などの上方を向いた載置面Qに載置されて、携帯情報機器14を支持する器具である。
【0031】
図1に示す机12は、学校の教室で使用されるものであり、平面視で四角形の天板16を有する本体部18と、本体部18から下方へ延びて設けられた4本の脚部20と、天板16の上面を覆うカバー22とを有している。カバー22は、天板16を覆う平面視で四角形の板状のカバー本体24と、カバー本体24の後端部に左右方向に延びて形成された溝状の拡張部26とを有している。図8に示すように、拡張部26の上面(底面)26aの高さは、カバー本体24の上面24aの高さよりも低く定められている。カバー本体24の上面24aおよび拡張部26の上面(底面)26aは、いずれも載置面Qである。
【0032】
図1に示す携帯情報機器14は、タブレット端末であり、携帯情報機器14の下部の幅方向中央部には、携帯情報機器14を操作するためのボタン14aが設けられている。より詳細には、携帯情報機器14の表面は、表示画面14bで構成されており、携帯情報機器14の使用時には、携帯情報機器14の下部の幅方向中央部にボタン14aが表示される。
【0033】
なお、携帯情報機器用スタンド10が載置される載置面Qは、机12の上面に限定されるものではなく、例えば、台所、洗面所および浴室などに設けられた台の上面であってもよい。また、携帯情報機器14は、タブレット端末に限定されるものではなく、例えば、携帯電話などであってもよい。さらに、携帯情報機器14のボタン14aは、物理的に操作できるボタンであってもよい。
【0034】
図2は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す斜視図である。図3は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す右側面図である。図4は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は正面図である。図5は、携帯情報機器用スタンド10の構成を示す図であり、図5(A)は、図3におけるV(A)矢視図、図5(B)は、図3におけるV(B)矢視図である。
【0035】
図2に示すように、携帯情報機器用スタンド10は、載置面Q(図1)に載置されて、携帯情報機器14(図1)が傾斜した状態で前方から立て掛けられる支持体30と、載置面Q(図1)において支持体30を後方から支持する脚体32とを備えている。支持体30は、下側支持体34と、上側支持体36と、左側の回動接続部38aと、右側の回動接続部38bと、ストッパー部40とを備えている。以下では、下側支持体34、上側支持体36、脚体32、回動接続部38a,38bおよびストッパー部40の各構成について説明する。
【0036】
図2に示すように、下側支持体34は、第1左支持部42、第1右支持部44、前柵部46、左つなぎ部48および右つなぎ部50を有している。
【0037】
第1左支持部42および第1右支持部44は、携帯情報機器14(図1)の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図2に示すように、第1左支持部42の上端部には、左側の回動接続部38aを構成する回動軸部68が右方から挿通される環状の第1左環状部42aが形成されている。第1右支持部44の上端部には、右側の回動接続部38bを構成する回動軸部74が左方から挿通される環状の第1右環状部44aが形成されている。
【0038】
前柵部46は、携帯情報機器14(図1)の下端部に前方から対向するように左右方向へ延びて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図4(B)に示すように、前柵部46の左右方向中央部は、下方へ向けて凹んだ凹状に形成されている。この凹んだ部分を「第1凹部」と称するとき、本実施形態では、前柵部46の全体が第1凹部52となっている。つまり、本実施形態では、前柵部46が、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に下方へ向かうように形成されており、前柵部46の全体が正面視でV字状の第1凹部52となっている。
【0039】
図4(B)に示すように、第1凹部52の最下部の上端、すなわち前柵部46の左右方向中央部の上端は、携帯情報機器14(図1)の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に配置されている。言い換えると、前柵部46は、左右方向中央部の上端が携帯情報機器14(図1)の下部に設けられたボタン14aの下端よりも下方に位置するように形成されている。したがって、ボタン14aと前柵部46とは、前後方向で重ならない。
【0040】
図2に示す左つなぎ部48は、第1左支持部42の下端部と前柵部46の左端部とをつなぐ部分であり、横片部48aと縦片部48bとを有するL字状に形成されている。図2に示す右つなぎ部50は、第1右支持部44の下端部と前柵部46の右端部とをつなぐ部分であり、横片部50aと縦片部50bとを有するL字状に形成されている。横片部48a,50aの長さは、携帯情報機器14(図1)の下端部を受けるために、携帯情報機器14の厚さよりも長く定められている。縦片部48b,50bの長さは、携帯情報機器14の下端部の前方への位置ずれを効果的に抑制するために、前柵部46の左右方向中央部の高さよりも十分に長く定められている。
【0041】
図2に示すように、左側の縦片部48bと第1左支持部42との間隔は、上方へ向かうにつれて徐々に広くなるように定められている。また、図2および図3に示すように、右側の縦片部50bと第1右支持部44との間隔は、上方へ向かうにつれて徐々に広くなるように定められている。したがって、使用者は、携帯情報機器14(図1)の下端部を横片部48a,50aに載置する作業を容易に行うことができる。
【0042】
図2に示す第1左支持部42、左つなぎ部48、前柵部46、右つなぎ部50および第1右支持部44は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第1左環状部42aおよび第1右環状部44aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0043】
図2に示すように、上側支持体36は、第2左支持部54、第2右支持部56および上支持部58を有している。
【0044】
図2に示す第2左支持部54および第2右支持部56は、携帯情報機器14(図1)の傾斜方向へ延びて左右方向へ互いに間隔を隔てて形成されたワイヤーからなる線状の部分である。図2に示すように、第2左支持部54の下端部には、左側の回動接続部38aを構成する回動軸部68が右方から挿通される環状の第2左環状部54aが形成されている。第2右支持部56の下端部には、右側の回動接続部38bを構成する回動軸部74が左方から挿通される環状の第2右環状部56aが形成されている。
【0045】
図2に示す上支持部58は、第2左支持部54および第2右支持部56のそれぞれの上端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の部分であり、立て掛けられた携帯情報機器14(図1)に後方から対向するように左右方向へ延びて形成されている。図4(A)に示すように、上支持部58の少なくとも一部は、後方へ向けて凹んだ凹状に形成されている。この凹んだ部分を「第2凹部」と称するとき、本実施形態では、上支持部58の全体が第2凹部60となっている。つまり、本実施形態では、上支持部58が、左右方向両端部から左右方向中央部に向かうにつれて徐々に後方へ向かうように形成されており、上支持部58の全体が平面視でV字状の第2凹部60となっている。
【0046】
図2に示す第2左支持部54、上支持部58および第2右支持部56は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第2左環状部54aおよび第2右環状部56aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0047】
図2に示すように、脚体32は、左脚部62、右脚部64および連結部66を有している。
【0048】
図2に示す左脚部62は、第1左支持部42の後方において、第1左支持部42の上端部と載置面Q(図1)との間に配置されるワイヤーからなる線状の部分である。図2に示す右脚部64は、第1右支持部44の後方において、第1右支持部44の上端部と載置面Q(図1)との間に配置されるワイヤーからなる線状の部分である。左脚部62の長さは、第1左支持部42および第2左支持部54の長さよりも長く定められており、右脚部64の長さは、第1右支持部44および第2右支持部56の長さよりも長く定められている。つまり、脚体32の長さは、下側支持体34および上側支持体36の長さよりも長く定められている。
【0049】
図2に示す連結部66は、左脚部62および右脚部64のそれぞれの下端部どうしを連結するワイヤーからなる線状の部分である。図2に示すように、左脚部62の上端部には、左側の回動接続部38aを構成する回動軸部68が右方から挿通される環状の第3左環状部62aが形成されており、右脚部64の上端部には、右側の回動接続部38bを構成する回動軸部74が左方から挿通される環状の第3右環状部64aが形成されている。
【0050】
図2に示す左脚部62、連結部66および右脚部64は、1本の金属製のワイヤーを曲げることによって連続して形成されている。本実施形態で使用されるワイヤーは、直径4mmのSWRM(軟鋼線材 JIS G 3505)であり、その表面には、三価白色クロメートが施されている。また、ワイヤーのうち第3左環状部62aおよび第3右環状部64aを除いた部分には、白色のポリ塩化ビニルによる表面コーティングが施されている。
【0051】
図6(A)は右側の回動接続部38bの構成を示す正面図、図6(B)はストッパー部の構成を示す斜視図である。図7は、下側支持体34に対する脚体32の接続態様を示す斜視図であり、図7(A)は脚体接続角度を第1角度に定めた状態を示す斜視図、図7(B)は脚体接続角度を第2角度に定めた状態を示す斜視図、図7(C)は脚体接続角度を0度に定めた状態を示す斜視図である。
【0052】
図2に示す左側の回動接続部38aは、左右方向へ延びる回動軸部68と、回動軸部68の一方端部に設けられた頭部70と、回動軸部68の外周面に設けられた雄ネジ(図示省略)と、雄ネジに螺合される雌ネジ(図示省略)を有する雌ネジ部材72とを有している。雌ネジ部材72は、使用者の手で掴み易い大きさの円形に形成されており、雌ネジ部材72の外周部には、手の滑りを抑制するための凹凸が設けられている。そして、回動軸部68が、第3左環状部62a、第2左環状部54aおよび第1左環状部42aにこの順で挿通されるとともに、回動軸部68の雄ネジ(図示省略)が、雌ネジ部材72の雌ネジ(図示省略)に螺合されている。
【0053】
下側支持体34の上端部と脚体32の上端部とを回動軸部68の周りで回動可能に接続する構成を「第1回動接続部」と称し、下側支持体34の上端部と上側支持体36の下端部とを回動軸部68の周りで回動可能に接続する構成を「第2回動接続部」と称するとき、本実施形態の「第1回動接続部」および「第2回動接続部」は、下側支持体34の上端部と上側支持体36の下端部と脚体32の上端部とを回動可能に接続する共通の回動接続部38a(共通接続部)として一体的に構成されている。
【0054】
図6(A)に示すように、右側の回動接続部38bは、左右方向へ延びる回動軸部74と、回動軸部74の一方端部に設けられた頭部76と、回動軸部74の外周面に設けられた雄ネジ78と、雄ネジ78に螺合される雌ネジ80を有する雌ネジ部材82とを有している。雌ネジ部材82は、使用者の手で掴み易い大きさの円形に形成されており、雌ネジ部材82の外周部には、手の滑りを抑制するための凹凸が設けられている。
【0055】
図6(B)に示すように、ストッパー部40は、回動軸部74(図6(A))が挿通される貫通孔84を有する板状の本体部86と、本体部86に対して一体的に設けられた第1支持体当り部88、第2支持体当り部90、第3支持体当り部92、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96とを有している。なお、第1支持体当り部88および第2支持体当り部90は、機能的に区別するための名称であり、物理的には同じ部分である。
【0056】
以下の説明では、図2に示す下側支持体34と脚体32とがなす角度を「脚体接続角度」と称し、図2に示す下側支持体34と上側支持体36とがなす角度を「支持体接続角度」と称する。
【0057】
図6(B)に示すように、第1支持体当り部88は、下側支持体34が当たることによって、脚体接続角度が大きくなることを抑制する部分である。第1支持体当り部88は、本体部86(第1本体部)から垂直に突出する板状に形成されている。
【0058】
第1脚体当り部94は、脚体接続角度が第1角度(本実施形態では65度)のときに脚体32が当たることによって脚体接続角度が大きくなることを抑制する部分である。第2脚体当り部96は、脚体接続角度が第2角度(本実施形態では50度)のときに脚体32が当たることによって脚体接続角度が大きくなることを抑制する部分である。本体部86(第1本体部)には、第1支持体当り部88とは反対側に突出する板状部98が設けられており、板状部98の端縁には、回動軸部74に対して平行方向から脚体32を受け入れる第1凹部98aおよび第2凹部98bが並んで設けられている。第1脚体当り部94および第2脚体当り部96は、第1凹部98aおよび第2凹部98bのそれぞれの内面で構成されている。
【0059】
第1支持体当り部88、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96で下側支持体34および脚体32の回動が制限されることによって、脚体接続角度が第1角度または第2角度で保持される。つまり、本実施形態では、本体部86(第1本体部)、第1支持体当り部88、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96によって、下側支持体34(支持体30)および脚体32の回動を制限する「第1ストッパー部」が構成される。
【0060】
図6(B)に示すように、第2支持体当り部90は、支持体接続角度が180度のときに下側支持体34が当たることによって支持体接続角度が大きくなることを抑制する部分である。第3支持体当り部92は、支持体接続角度が180度のときに上側支持体36が当たることによって支持体接続角度が大きくなることを抑制する部分である。第2支持体当り部90および第3支持体当り部92は、本体部86(第2本体部)から互いに反対側に垂直に突出する板状に形成されている。
【0061】
第2支持体当り部90および第3支持体当り部92で下側支持体34および上側支持体36の回動が制限されることによって、支持体接続角度が180度で保持される。つまり、本実施形態では、本体部86(第2本体部)、第2支持体当り部90および第3支持体当り部92によって、下側支持体34および上側支持体36の回動を制限する「第2ストッパー部」が構成される。
【0062】
このように、本実施形態の「第1ストッパー部」および「第2ストッパー部」は、共通の本体部86を有するストッパー部40として一体的に構成されている。そして、図6(A)に示す回動軸部74が、第3右環状部64a、第2右環状部56a、ストッパー部40の貫通孔84(図6(B))および第1右環状部44aにこの順で挿通されるとともに、回動軸部74の雄ネジ78が、雌ネジ部材82の雌ネジ80に螺合されている。
【0063】
下側支持体34の上端部と脚体32の上端部とを回動軸部74の周りで回動可能に接続する構成を「第1回動接続部」と称し、下側支持体34の上端部と上側支持体36の下端部とを回動軸部74の周りで回動可能に接続する構成を「第2回動接続部」と称するとき、本実施形態の「第1回動接続部」および「第2回動接続部」は、下側支持体34の上端部と上側支持体36の下端部と脚体32の上端部とを回動可能に接続する共通の回動接続部38b(共通接続部)として一体的に構成されている。
【0064】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの使用方法)
図7は、下側支持体34に対する脚体32の接続態様を示す斜視図であり、図7(A)は脚体接続角度を第1角度に定めた状態を示す斜視図、図7(B)は脚体接続角度を第2角度に定めた状態を示す斜視図、図7(C)は脚体接続角度を0度に定めた状態を示す斜視図である。図8は、携帯情報機器用スタンド10を高低差のある2つの載置面Qに載置した状態を示す右側面図である。図9は、携帯情報機器用スタンド10を畳んだ状態を示す図であり、図9(A)は斜視図、図9(B)は右側面図である。
【0065】
図1に示す机12の載置面Qにおいて、携帯情報機器14を立てた状態で支持するとき、まず、使用者は、携帯情報機器用スタンド10をカバー本体24の上面24aに載置する。図7(A)に示すように、このとき、下側支持体34と上側支持体36とがなす支持体接続角度は、ストッパー部40によって180度で保持され、下側支持体34と脚体32とがなす脚体接続角度は、ストッパー部40によって第1角度(本実施形態では65度)で保持される。
【0066】
続いて、使用者は、図1中の二点鎖線で示すように、携帯情報機器14の下端部をつなぎ部48,50の横片部48a,50aに載置するとともに、携帯情報機器14の後面を上支持部58に接触させる。図2に示す下側支持体34、上側支持体36および脚体32の接続角度は、ストッパー部40で保持されるので、携帯情報機器用スタンド10は携帯情報機器14の重みで変形されない。
【0067】
カバー本体24の上面24aに教科書やノートを置くとき、使用者は、携帯情報機器用スタンド10を机12の後部に配置する。図8に示すように、この場合、携帯情報機器用スタンド10の下側支持体34(支持体30)がカバー本体24の上面24aに置かれるとともに、脚体32がカバー本体24の上面24aよりも低い拡張部26の上面(底面)26aに置かれてもよい。この場合でも、脚体32の長さは、下側支持体34の長さよりも長く定められているので、携帯情報機器14を適切な角度で支持できる。
【0068】
脚体32が置かれる載置面Qの高さが、支持体30が置かれる載置面Qの高さよりも低い場合に、脚体接続角度が第1角度(本実施形態では65度)のままであれば、携帯情報機器14の傾斜角度が変わってしまう。そこで、図7(B)に示すように、使用者は、回動接続部38a,38bを操作して、脚体接続角度を第1角度よりも小さい第2角度(本実施形態では50度)に変更することによって、携帯情報機器14の傾斜角度を一定に保持する。
【0069】
携帯情報機器用スタンド10を使用しないときには、図7(C)に示すように、使用者は、回動接続部38a,38bの螺合を緩めて、少なくとも脚体32および下側支持体34を互いに重ね合わせる。図9(A),(B)に示すように、この状態において、脚体32の連結部66は、少なくとも下側支持体34の前柵部46よりも外側に配置されるので、使用者は、連結部66を把持して携帯情報機器用スタンド10を持ち運ぶことができる。
【0070】
(実施形態に係る携帯情報機器用スタンドの効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、使用者は、図2に示す回動接続部38a,38bを緩めることによって、支持体30と脚体32とを互いに重ね合わせることができるとともに、下側支持体34と上側支持体36とを互いに重ね合わせることができる。つまり、携帯情報機器用スタンド10を小さく折り畳むことができる。
【0071】
また、使用者は、回動接続部38a,38bを強く締め付けることによって、脚体接続角度を第1角度または第2角度で保持できるとともに、支持体接続角度を180度で保持できる。したがって、携帯情報機器14の重みで携帯情報機器用スタンド10が変形することを防止できる。
【0072】
下側支持体34および脚体32の回動を制限する「第1ストッパー部」と、下側支持体34および上側支持体36の回動を制限する「第2ストッパー部」とが、共通のストッパー部40として一体化されているので、部品点数を少なくすることができる。
【0073】
下側支持体34の上端部と脚体32の上端部とを回動軸部68,74の周りで回動可能に接続する「第1回動接続部」と、下側支持体34の上端部と上側支持体36の下端部とを回動軸部68,74の周りで回動可能に接続する「第2回動接続部」とが、共通の回動接続部38a,38bとして一体化されているので、部品点数を少なくすることができる。
【0074】
下側支持体34、上側支持体36および脚体32のそれぞれの左右方向の両側に回動接続部38a,38bが設けられるので、これらをバランスよく安定して接続できる。また、これらの左右方向の一方側にだけストッパー部40が設けられるので、製造コストを低減できるとともに、組み立て作業性を高めることができる。
【0075】
回動接続部38a,38bは、脚体接続角度を調整するための角度調整機構有し、ストッパー部40は、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96を有するので、脚体接続角度を第1角度および第2角度のいずれかに定めることができる。
【0076】
図6(B)に示すストッパー部40の板状の本体部86には、回動軸部74(図2)に対して平行方向から脚体32を受け入れる第2凹部98bが設けられ、第2脚体当り部96は、第2凹部98bの内面で構成されるので、第2脚体当り部96を簡単に形成できる。また、本体部86には、回動軸部74に対して平行方向から脚体32を受け入れる第1凹部98aが第2凹部98bに並んで設けられ、第1脚体当り部94は、第1凹部98aの内面で構成されるので、第1脚体当り部94を簡単に形成できる。
【0077】
図6(A)に示す回動接続部38bで下側支持体34と脚体32とストッパー部40とを締結した状態において、雄ネジ78と雌ネジ80との螺合の長さは、第1凹部98aおよび第2凹部98bの深さよりも長く定められるので、螺合を緩めることによって、脚体32を第1凹部98aおよび第2凹部98bの外側まで移動させることができる。したがって、脚体接続角度を変更する際には、脚体32を回動させやすい。
【0078】
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、下側支持体34と上側支持体36とが分離されているが、これらは1本のワイヤーで連続して一体的に形成されてもよい。この場合、脚体32の上端部は、支持体30の上下方向中央部に回動接続部38a,38bを介して接続されてもよい。また、上記実施形態では、下側支持体34と脚体32とが分離されているが、これらは1本のワイヤーで連続して一体的に形成されてもよい。さらに、下側支持体34の第1凹部52および上側支持体36の第2凹部60は省略されてもよい。
【0079】
図1に示す使用状態では、携帯情報機器14が縦長となるように携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられているが、携帯情報機器14は、横長となるように携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられてもよい。また、上側支持体36の上下方向長さが短くされて、携帯電話のような小型の携帯情報機器14が携帯情報機器用スタンド10に立て掛けられてもよい。
【0080】
上記実施形態では、図6(A)に示す回動接続部38bの雌ネジ部材82が、使用者の手で掴み易い大きさに形成されるとともに、その外周部に凹凸が設けられているが、回動接続部38bの頭部76が、使用者の手で掴み易い大きさに形成されるとともに、その外周部に凹凸が設けられてもよい。この場合、雌ネジ部材82と頭部76とは逆に配置されてもよい。
【0081】
図10(A)は、他のストッパー部100の構成を示す斜視図、図10(B)は、他のストッパー部102の構成を示す斜視図である。
【0082】
上記実施形態では、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96が、第1凹部98aおよび第2凹部98bのそれぞれの内面で構成されているが、これらの構成は、適宜変更されてもよい。例えば、図10(A)に示すストッパー部100のように、第1脚体当り部94は、板状に形成されてもよい。また、例えば、図10(B)に示すストッパー部102のように、第1脚体当り部94および第2脚体当り部96の両方が板状に形成されてもよい。
【0083】
図11(A)は単独の第1ストッパー部104の構成を示す斜視図、図11(B)は単独の第2ストッパー部106の構成を示す斜視図である。
【0084】
上記実施形態では、「第1ストッパー部」および「第2ストッパー部」が、共通のストッパー部40として一体的に構成されているが、これらは、互いに独立して構成されてもよい。例えば、図11(A)に示すように、下側支持体34および脚体32の回動を制限する単独の第1ストッパー部104が、右側の回動接続部38bに装着されてもよい。また、図11(B)に示すように、下側支持体34および上側支持体36の回動を制限する単独の第2ストッパー部106が、左側の回動接続部38aに装着されてもよい。さらに、左側の回動接続部38aに上記の第1ストッパー部104が装着されるとともに、右側の回動接続部38bに上記の第2ストッパー部106が装着されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…携帯情報機器用スタンド、14a…ボタン、14…携帯情報機器、14b…表示画面、30…支持体、32…脚体、34…下側支持体、36…上側支持体、38a,38b…回動接続部、40,100,102…ストッパー部、42…第1左支持部、44…第1右支持部、46…前柵部、48…左つなぎ部、50…右つなぎ部、52…第1凹部、54…第2左支持部、56…第2右支持部、58…上支持部、60…第2凹部、62…左脚部、64…右脚部、66…連結部、68,74…回動軸部、70,76…頭部、72,82…雌ネジ部材、78…雄ネジ、80…雌ネジ、84…貫通孔、86…本体部、88…第1支持体当り部、90…第2支持体当り部、92…第3支持体当り部、94…第1脚体当り部、96…第2脚体当り部、98a…第1凹部、98b…第2凹部、98…板状部、104…第1ストッパー部、106…第2ストッパー部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11