IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニトリホールディングスの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018743
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】突っ張り支柱および壁面収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/14 20060101AFI20240201BHJP
   A47B 47/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A47B96/14 B
A47B96/14 D
A47B47/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122273
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 元昭
(72)【発明者】
【氏名】植村 茂弘
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA06
3B054BB03
3B054BC04
3B054BC06
3B054CA02
3B054CA11
(57)【要約】
【課題】突っ張り支柱に外力が加わった際、突っ張り支柱が天井から外れることはなく、突っ張り支柱をコンパクトに設置する。
【解決手段】突っ張り支柱1は主支柱11と、当接具13とを備えている。当接具13は平面視でL字状の当接面53を含み、当接面53は正方形部分53aと、延長部分53b1,53b2とを有する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井まで延びる突っ張り支柱において、
主支柱と、
前記主支柱の上部に取り付けられ、前記天井に当接する当接具とを備え、
前記当接具は前記天井に当接するとともに、平面視でL字状の当接面を含み、前記当接面は正方形部分と、前記正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分とを有する、突っ張り支柱。
【請求項2】
前記主支柱は平面視で前記正方形部分内に位置する、請求項1記載の突っ張り支柱。
【請求項3】
前記当接具は前記主支柱の上部に、前記主支柱に摺動自在に取り付けられた摺動管を介して取り付けられる、請求項1または2記載の突っ張り支柱。
【請求項4】
前記突っ張り支柱は、床面まで延び、
前記主支柱の下部に、前記床面に当接する追加当接具が設けられ、
前記追加当接具は前記床面に当接するとともに、平面視でL字状の追加当接面を含み、
前記追加当接面は追加正方形部分と、前記追加正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分とを有する、請求項1または2記載の突っ張り支柱。
【請求項5】
前記突っ張り支柱は、家具上面まで延び、
前記主支柱の下部に、前記家具上面に当接する追加当接具が設けられ、
前記追加当接具は前記家具上面に当接するとともに、平面視でL字状の追加当接面を含み、
前記追加当接面は追加正方形部分と、前記追加正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分とを有する、請求項1または2記載の突っ張り支柱。
【請求項6】
天井と床面との間に延びる突っ張り支柱であって、主支柱と、前記主支柱の上部に取り付けられ、前記天井に当接する当接具とを備え、前記当接具は前記天井に当接するとともに、平面視でL字状の当接面を含み、前記当接面は正方形部分と、前記正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分とを有する、突っ張り支柱を少なくとも一対設け、
前記一対の突っ張り支柱間に棚板または吊り棒が掛け渡されている、壁面収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は突っ張り支柱および壁面収納装置に係り、とりわけ堅固で転倒しにくい突っ張り支柱および壁面収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より突っ張り支柱として、主支柱と、主支柱の上部に取り付けられ、天井に当接する当接具とを備えたものが知られている。
【0003】
突っ張り支柱の当接具は平面視で細長形状をもつ当接面を有する。
【0004】
しかしながら突っ張り支柱の当接面の方向によっては、突っ張り支柱に加わる外力によって突っ張り支柱が天井から外れることがある。また突っ張り支柱の当接面の方向によっては、突っ張り支柱をコンパクトに設置するすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3019015号
【特許文献2】特許第4578138号
【特許文献3】登録実用新案第3069587号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、突っ張り支柱をコンパクトに設置することができ、かつ突っ張り支柱が天井から外れにくい突っ張り支柱および壁面収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、天井まで延びる突っ張り支柱において、主支柱と、前記主支柱の上部に取り付けられ、前記天井に当接する当接具とを備え、前記当接具は前記天井に当接するとともに、平面視でL字状の当接面を含み、前記当接面は正方形部分と、前記正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分とを有する、突っ張り支柱である。
【0008】
本開示は、前記主支柱は平面視で前記正方形部分内に位置する、突っ張り支柱である。
【0009】
本開示は、前記当接具は前記主支柱の上部に、前記主支柱に摺動自在に取り付けられた摺動管を介して取り付けられる、突っ張り支柱である。
【0010】
本開示は、前記突っ張り支柱は床面まで延び、前記主支柱の下部に、前記床面に当接する追加当接具が設けられ、前記追加当接具は前記床面に当接するとともに、平面視でL字状の追加当接面を含み、前記追加当接面は追加正方形部分と、前記追加正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分とを有する、突っ張り支柱である。
【0011】
本開示は、前記突っ張り支柱は家具上面まで延び、前記主支柱の下部に、前記家具上面に当接する追加当接具が設けられ、前記追加当接具は前記家具上面に当接するとともに、平面視でL字状の追加当接面を含み、前記追加当接面は追加正方形部分と、前記追加正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分とを有する、突っ張り支柱である。
【0012】
本開示は、天井と床面との間に延びる突っ張り支柱であって、主支柱と、前記主支柱の上部に取り付けられ、前記天井に当接する当接具とを備え、前記当接具は前記天井に当接するとともに、平面視でL字状の当接面を含み、前記当接面は正方形部分と、前記正方形部分の隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分とを有する、突っ張り支柱を少なくとも一対設け、前記一対の突っ張り支柱間に棚板または吊り棒が掛け渡されている、壁面収納装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、突っ張り支柱外力が加わった際に、突っ張り支柱は天井から外れにくく、かつコンパクトに設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは第1の実施の形態による壁面収納装置の正面側を示す斜視図。
図1B図1Bは壁面収納装置の他の使用例を示す斜視図。
図2図2は一対の主支柱を示す正面図。
図3図3は壁面収納装置の側面図。
図4図4は下部梯子状側板を示す図。
図5図5は上部梯子状側板と主支柱を示す図。
図6図6は上部梯子状側板と下部梯子状側板の連結構造を示す図。
図7図7は壁面収納装置の背面側を示す図。
図8図8は壁面収納装置の他の組み立て方法を示す図。
図9図9は第2の実施の形態による壁面収納装置の正面側を示す斜視図。
図10図10は壁面収納装置の背面側を示す図。
図11A図11Aは当接具を示す斜視図。
図11B図11Bは当接具を示す平面図。
図11C図11Cは当接具を示す下方からみた斜視図。
図11D図11Dは当接具の比較例を示す平面図。
図12A図12Aは当接具を示す側面図。
図12B図12Bは当接具を示す他の側面図。
図12C図12Cは当接具を示す他の側面図。
図12D図12Dは当接具を示す他の側面図。
図12E図12Eは当接具を示す底面図。
図13A図13Aは追加当接具を示す上方からみた斜視図。
図13B図13Bは追加当接具を示す下方からみた斜視図。
図14A図14Aは壁面収納体の設置状態を示す図。
図14B図14Bは壁面収納体の比較例の設置状態を示す図。
図15A図15Aは当接具の設置状態を示す正面図。
図15B図15Bは当接具の設置状態を示す平面図。
図15C図15Cは当接具の設置状態を示す側面図。
図16図16は第2の実施の形態による突っ張り支柱を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本開示の第1の実施の形態について説明する。
【0016】
図1A乃至図8および図11A乃至図15Bは本開示の第1の実施の形態を示す図である。
【0017】
ここで図1Aは壁面収納装置の正面側を示す斜視図、図1Bは壁面収納装置の他の使用例を示す斜視図、図2は一対の主支柱を示す正面図、図3は壁面収納装置の側面図、図4は下部梯子状側板を示す図、図5は上部梯子状側板と主支柱を示す図、図6は上部梯子状側板と下部梯子状側板の連結構造を示す図、図7は壁面収納装置の背面側を示す斜視図、図8は壁面収納装置の他の組み立て方法を示す図である。また図11A乃至図15Bは当接具および追加当接具の詳細を示す図である。
【0018】
まず図1A乃至図7により、本開示による突っ張り支柱が組み込まれた壁面収納装置について述べる。
【0019】
図1A乃至図7に示すように、壁面収納装置10は床面Fから天井Cまで延びる壁面Wに沿って配置され、書籍あるいは置物等を載置するために用いられる。
【0020】
このような壁面収納装置10は図1Aに示すように、壁面Wに沿って設けられたL字形状の一対の管状主支柱(以下、L字状主支柱ともいう)11,11と、各主支柱11,11に取り付けられ、互いに平行に配置された一対の梯子状側板20,20とを備えている。この場合、各梯子状側板20,20は、対応する主支柱11,11から正面手前側へ向かって延びている(図1A参照)。
【0021】
また、各梯子状側板20は互いに分割可能な上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとを有し、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bは後述する連結ボルト(連結具)40により連結されている。
【0022】
また梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは一対の側板支柱21a,22aと、一対の側板支柱21a,22a間に掛け渡された複数の段部23aとを有する。
【0023】
このうち側板支柱21aは主支柱11に取り付けられており、本実施の形態においては、主支柱11に溶接されている。
【0024】
さらに梯子状側板20の下部梯子状側板20Bは一対の側板支柱21b,22bと、一対の側板支柱21b,22b間に掛け渡された複数の段部23bとを有する。
【0025】
このうち側板支柱21bは主支柱11に取り付けられており、本実施の形態においては主支柱11に連結ボルト24により取り外し自在に取り付けられている。
【0026】
また一対の梯子状側板20,20の対応する段部23a,23b間には、書籍または置物等を載置する複数の棚板25が掛け渡されている。この場合、各棚板25には、その正面側からみた一対の側方端部にフック25aが設けられている。そして各棚板25はこれらフック25aを介して当該段部23a,23bに掛け渡され、かつ取り付けられている。
【0027】
次に一対の主支柱11,11について図2および図3により述べる。各主支柱11,11はその側面視において、側部11aと底部11bとを有するL字状をなしており、このうち底部11bの下面には壁面収納装置10の高さ位置を調整するアジャスター11cが設けられている(図3参照)。また各主支柱11,11は4角筒状体からなり、ステンレス製、鋼製、またはアルミニウム製となっている。
【0028】
また、各梯子状側板20,20は、L字状の主支柱11の底部11b上に載置されて支持され、梯子状側板20,20のうち下部梯子状側板20B,20Bは図1および図4に示すように、底部11bに連結ボルト32により固定されている。この場合、連結ボルト32は最下段の段部23bの挿入孔32aに挿入されて、底部11bに締め付けられる。
【0029】
また各梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは、上述のように側板支柱21aを主支柱11に溶接することにより主支柱11に固定され、下部梯子状側板20Bは側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に取り付けることにより主支柱11に固定されている(図1参照)。なお、本実施の形態において、下部梯子状側板20Bは側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に取り付けることにより主支柱11に固定されている例を示したが、これに限らず、例えば、主支柱11に開いた穴に下部梯子状側板20B側に設けられた爪部を引っ掛けることにより、側板支柱21bを主支柱11に取り付けてもよい。
【0030】
また一対の主支柱11,11は、主支柱11,11の後方に設けられた後方筋交い30により互いに連結され、この後方筋交い30は連結ボルト31により各主支柱11,11に取り付けられている。
【0031】
また図1Aに示すように、各主支柱11,11の上部内側に内管(摺動管ともいう)12,12が摺動自在に設けられ、この内管12,12の上端には天井Cに当接する当接具13が設けられている。また各主支柱11には、内管12を所定位置に固定する固定具14が設けられ、内管12の当接具13が天井Cに当接した位置でこの固定具14により内管12を固定することができる。
【0032】
このような構成からなる壁面収納装置10において、各主支柱11,11と、主支柱11,11の上部に主支柱11,11に対して摺動自在に設けられた摺動管12,12と、摺動管12,12の上端に設けられた天井Cに当接する当接具13とにより、本開示による突っ張り支柱1が構成されている(図1Aおよび図1B参照)。
【0033】
次に突っ張り支柱1の当接具13について図11A乃至図12Eにより述べる。上述のように当接具13は天井Cに当接して突っ張り支柱1に加わる外力を天井Cに伝え、突っ張り支柱1を支えるものである。
【0034】
図11A乃至図11Cに示すように、当接具13は当接具本体51と、当接具本体51に設けられ、天井Cに当接する当接面53とを有する。
【0035】
本実施の形態において、当接具本体51と、当接面53は、いずれも平面視でL字状をもつ。また当接具13の当接具本体51はポリプロピレン製(PP製)となっており、取り付けネジ55を介して上記した摺動管12に取り付けられている。さらに当接面53はシリコン製となっている。
【0036】
シリコン製の当接面53とポリプロピレン製(PP製)の当接具本体51はいずれも平面視でL字状をなすが、当接面53は当接具本体51よりわずかに小さい形状をもつ。当接具を示す平面視上で、当接面53の外周に例えば1.5~2mm幅をもって当接具本体51がわずかに帯状に表われている(図11Aおよび図11B参照)。
【0037】
図11A乃至図11Cに示すように、当接具13の当接面53は正方形部分53aと、正方形部分53aの隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分53b1,53b2とを有し、当接面53は全体としてL字状をなす。この場合、当接具13の正方形部分53aは正方形状をなし、各延長部分53b1,53b2は長方形状をなす。なお、各延長部分53b1,53b2は正方形状を有していてもよい。
【0038】
また当接具13の向きに応じて、当接具13の延長部分53b1,53b2は取り付けネジ55に対して横方向へ突出している(図12A乃至図12D参照)。
【0039】
また、当接具13に設けられた取り付けネジ55は、当接面53の正方形部分53aの中心に配置され、このことにより取り付けネジ55に連結された摺動管12も当接面53の正方形部分53aの中心に位置する(図12E参照)。この場合、必ずしも取り付けネジ55は正方形部分53aの中心に位置する必要はなく、例えば取り付けネジ55を正方形部分53aの外側角部53a1と、内側角部53a2とを結ぶ対角線L3上に設けてもよく、あるいは正方形部分53a内のいずれかの位置に設けてもよい。取り付けネジ55を正方形部分53aの中心、あるいは正方形部分53aの外側角部53a1と、内側角部53a2とを結ぶ対角線L3上、あるいは正方形部分53a内のいずれかの位置に設けることによって、主支柱11に加わる力を確実に当接具13側へ伝えることができる。
【0040】
本実施の形態によれば、当接具13の当接面53は正方形部分53aと一対の延長部分53b1,53b2とを有し、平面視でL字状をなす。そしてこの正方形部分53aの中心に取り付けネジ55および摺動管12が配置されている。このため突っ張り支柱1に加わる外力を確実に天井Cに伝えて当接具13により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0041】
例えば図11Aおよび図11A乃至図11Cに示すように当接具13を天井Cに当接させた場合、突っ張り支柱1に加わるL方向、およびL方向に直交するL1方向のいずれの外力も同様に天井Cに伝えて当接具13により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0042】
他方、図11Dに示すように、当接具13が細長状(短冊状)をなす比較例の場合、突っ張り支柱1に加わるL方向の外力を天井Cに伝えて突っ張り支柱1を支持することはできるが、L方向に直交するL1方向の外力は天井Cに十分に伝えることはできず、当接具13が天井Cから外れることも考えられる。
【0043】
以上のように、本実施の形態によれば、外力の方向によらず、突っ張り支柱1に加わる外力を天井Cに伝えて、当接具13により突っ張り支柱を確実に支持することができる。
【0044】
また上述のように各主支柱11,11の底部11bには、高さ位置を調整するアジャスター11cが設けられているが、各アジャスター11cと底面Fとの間には、上述した主支柱11の上部に取り付けられた当接具13と同様の構成の追加当接具63が配置されている(図13Aおよび図13B参照)。
【0045】
図13Aおよび図13Bに示すように、追加当接具63は追加当接具本体71と、追加当接具本体71に設けられ、床面Fに当接する追加当接面73とを有する。
【0046】
本実施の形態において、追加当接具本体71と、追加当接面73は、いずれも平面視でL字状をもつ。また追加当接具63の追加当接具本体71はポリプロピレン製(PP製)となっており、取り付けネジ75を介して上記したアジャスター11cに取り付けられている。さらに追加当接面73はシリコン製となっている。
【0047】
シリコン製の追加当接面73とポリプロピレン製(PP製)の追加当接具本体71はいずれも平面視でL字状をなすが、追加当接面73は追加当接具本体71よりわずかに小さい形状をもち、追加当接面73の外周に例えば1.5~2mm幅をもって追加当接具本体71がわずかに帯状に表われている(図13B参照)。
【0048】
図13Aおよび図13Bに示すように、追加当接具63の追加当接面73は追加正方形部分73aと、追加正方形部分73aの隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分73b1,73b2とを有し、追加当接面73は全体としてL字状をなす。この場合、追加当接具63の追加正方形部分73aは正方形状をなし、各追加延長部分73b1,73b2は長方形状をなす。なお、各追加延長部分73b1,73b2は正方形状を有していてもよい。
【0049】
また当接具13の向きに応じて、追加当接具63の追加延長部分73b1,73b2は取り付けネジ75に対して横方向へ突出している(図13Aおよび図13B参照)。
【0050】
また、追加当接具63に設けられた取り付けネジ75は、追加当接面73の追加正方形部分73aの中心に配置され、このことにより取り付けネジ75に連結されたアジャスター11cも追加当接面73の追加正方形部分73aの中心に位置する(図13A参照)。この場合、必ずしも取り付けネジ75は追加正方形部分73aの中心に位置する必要はなく、例えば取り付けネジ75を追加正方形部分73aの外側角部73a1と、内側角部73a2とを結ぶ対角線L4上に設けてもよく、あるいは追加正方形部分73a内のいずれかの位置に設けてもよい。取り付けネジ75を追加正方形部分73aの中心、あるいは追加正方形部分73aの外側角部73a1と、内側角部73a2とを結ぶ対角線L4上、あるいは正方形部分73a内のいずれかの位置に設けることによって、主支柱11に加わる力を確実に追加当接具63側へ伝えることができる。
【0051】
本実施の形態によれば、追加当接具63の追加当接面73は追加正方形部分73aと一対の追加延長部分73b1,73b2とを有し、平面視でL字状をなす。そしてこの追加正方形部分73aの中心に取り付けネジ75およびアジャスター11cが配置されている。このため突っ張り支柱1に加わる外力を床面Fに伝えて追加当接具63により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0052】
例えば図13Aに示すように追加当接具63を床面Fに当接させた場合、突っ張り支柱1に加わるL方向、およびL方向に直交するL1方向のいずれの外力も同様に床面Fに伝えて当接具13により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0053】
他方、追加当接具63が細長状(短冊状)をなす比較例の場合、突っ張り支柱1に加わるL方向の外力を床面Fに伝えて突っ張り支柱1を支持することはできるが、L方向に直交するL1方向の外力は床面Fに十分に伝えることはできない(図11D参照)。
【0054】
以上のように、本実施の形態によれば、突っ張り支柱1に加わる外力を追加当接具63により確実に床面Fに伝えて、追加当接具63により突っ張り支柱を支持することができる。
【0055】
次に図4乃至図6により梯子状側板20の上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとの連結構造について説明する。
【0056】
図1Aおよび図4乃至図6に示すように梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは一対の側板支柱21a,22aと、一対の側板支柱21a,22a間に掛け渡された複数の段部23aとを有し、下部梯子状側板20Bは一対の側板支柱21b,22bと、一対の側板支柱21b,22b間に掛け渡された複数の段部23bとを有する。このうち上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aは、側板支柱22a側に近接する部分が水平方向に沿って平坦状に形成されて上部平坦部41を形成する(図5および図6参照)。また図4および図6に示すように、下部梯子状側板20Bの最上部には側板支柱22bから水平方向に、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aと同一方向に延びる水平連結棒42が設けられている。
【0057】
この水平連結棒42は、他の段部23bのように側板支柱22bから側板支柱21a側へ延びることはなく、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41まで延びて終了している。そして下部梯子状側板20Bの水平連結棒42には、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41に対応する位置に水平方向に沿って平坦状に形成された下部平坦部42aが設けられている。
【0058】
図6に示すように、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41と、下部梯子状側板20Bの下部平坦部42aとの間に連結ボルト(連結具)40が締め付けられ、このようにして上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとが互いに連結される。
【0059】
次にこのような構成からなる壁面収納装置10の組み立て方法について説明する。
【0060】
まず、上述した一対の主支柱11,11を準備し、これらの主支柱11,11を壁面Wに沿って設置する。
【0061】
この場合、予め各主支柱11,11の上部には当接具13が取り付けられた内管12が挿着されている。また各主支柱11,11には予め上部梯子状側板20Aが、上部梯子状側板20Aの側板支柱21aを主支柱11に溶接することにより固着されている。また主支柱11,11は底部11bのアジャスター11cと、アジャスター11cの下部に設けられた追加当接具63とにより底面F上に載置される。
【0062】
次に各主支柱11,11の底部11b上に下部梯子状側板20Bを載置し、下部梯子状側板20Bの側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に固定する。このとき、下部梯子状側板20Bの最下段の段部23bは主支柱11の底部11b上にあり、下部梯子状側板20Bの最下段の段部23bと主支柱11の底部11bとを連結ボルト32により固定する。
【0063】
次に、一対の主支柱11,11の後方に後方筋交い30を設け、この後方筋交い30を主支柱11,11の後面に連結ボルト31により固定する。このようにして後方筋交い30により、各主支柱11,11を堅固に固定することができる。
【0064】
その後、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41と下部梯子状側板20Bの下部平坦部42aとを連結ボルト40で連結する。このことにより上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bを堅固に固定することができる。
【0065】
次に主支柱11の上部に設けられている内管12を上方へ延ばし、内管12の当接具13を天井Cに当接させ、この位置で内管12を固定具14により主支柱11に固定する。このことにより主支柱11を底面Fと天井Cとの間で挟持することができ、主支柱11を堅固に固定することができる。
【0066】
その後、一対の主支柱11,11に固定された梯子状側板20のうち所望の段部23a,23b間に棚板25を掛け渡す。この場合、棚板25はフック25aを介して段部23a,23bに引っ掛けられる。
【0067】
このようにして壁面収納装置10が得られる。この壁面収納装置10のうち梯子状側板20および棚板25は、全体またはその一部がステンレス製、鋼製またはアルミニウム製となっている。また上述のように各主支柱11,11もステンレス製、鋼製またはアルミニウム製となっている。
【0068】
次に各摺動管12上部に取り付けられた当接具13および各主支柱下部に取り付けられた追加当接具63の作用効果について、以下述べる。
【0069】
図1Aに示すように、各摺動管12上部に取り付けられた当接具13は、当接具本体51と、当接面53とを有し、当接具13は正方形部分53aと、一方の延長部分53b1とが壁面Wに対して直交する方向へ延びるよう配置されている。
【0070】
そして当接具13の正方形部分53aと、他方の延長部分53b2とが壁面Wに対して平行する方向Lに沿って延びている。
【0071】
一般に壁面収納装置10を棚板25が壁面Wに平行する方向Lに沿って延びるよう配置した場合、地震等で建物が壁面Wに沿って揺れると、壁面収納装置10に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が加わる。上記のように当接具13は正方形部分53aと、他方の延長部分53b2とが壁面Wに対して平行に延びるよう配置されているため、当接面53は壁面Wに平行な方向Lに沿って比較的長く延びることになる。このことによって壁面収納装置10に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が働いても、当接面53のうち壁面Wに平行な方向Lに延びる正方形部分53aと他方の延長部分53b2とにより、この外力を効果的に天井Cに伝えることができる。
【0072】
また壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合でも、当接面53のうち壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる正方形部分53aと一方の延長部分53b1とにより、この外力を効果的に天井Cに伝えることができる。すなわち、壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる正方形部分53aと一方の延長部分53b1とが天井Cと確実に係合する。
【0073】
このため壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、この外力を天井Cに確実に伝えることができ、かつ天井Cから当接具13が外れてしまうことはない。
【0074】
同様に追加当接具63は、追加当接具本体71と、追加当接面73とを有し、追加当接具63は追加正方形部分73aと、一方の追加延長部分73b1とが壁面Wに対して直交する方向Lへ延びるよう配置されている。そして追加当接具63の追加正方形部分73aと、他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに対して平行する方向Lに沿って延びている。
【0075】
一般に壁面収納装置10を棚板25が壁面Wに平行に延びるよう配置した場合、地震等で建物が壁面Wに沿って揺れると、壁面収納装置10に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が加わる。上記のように追加当接具63は追加正方形部分73aと、他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに対して平行に延びるよう配置されているため、壁面Wに平行な方向Lに沿って比較的長く追加当接面73が延びることになる。このことによって壁面収納装置10に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が働いても、追加当接面73のうち壁面Wに平行な方向Lに延びる追加正方形部分73aと他方の追加延長部分73b2とにより、この外力を効果的に床面Fに伝えることができる。
【0076】
また壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合でも、追加当接面73のうち壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる追加正方形部分73aと一方の追加延長部分73b1とにより、この外力を効果的に床面Fに伝えることができる。また壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる追加正方形部分73aと一方の追加延長部分73b1とが床面Fと確実に係合する。
【0077】
このため壁面収納装置10に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、この外力を床面Fに確実に伝えることができ、かつ床面Fから追加当接具63が外れてしまうことはない。
【0078】
次に壁面収納装置10の設置構造について図14A乃至図15Cにより説明する。上述のように壁面収納装置10の平面視でL字状をもつ当接具13は、正方形部分53aと一方の延長部分53b1とが壁面Wに対して直交する方向L1に沿って延びるよう配置され、正方形部分53aと他方の延長部分53b2とが壁面Wに平行な方向Lに沿って延びるよう配置されている。
【0079】
また平面視でL字状をもつ追加当接具63も、追加正方形部分73aと一方の追加延長部分73b1とが壁面Wに対して直交する方向L1に沿って延びるよう配置され、追加正方形部分73aと他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに平行な方向Lに沿って延びるよう配置されている。
【0080】
このため、図14A図15A乃至図15Cに示すように、一対の壁面収納装置10を互いに近接して配置した場合でも、当接具13あるいは追加当接具63が互いに干渉することはなく、一対の壁面収納装置10を可能な限り接近させて配置することができる(図14A図15A乃至図15C参照)。
【0081】
また本実施の形態によれば、当接具13の正方形部分53aと他方の延長部分53b2とが壁面Wに平行な方向Lに沿って延び、追加当接具63の追加正方形部分73aと他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに平行な方向Lに沿って延びている。このため図14Aに示すように、左側の壁面収納装置10において、左側の当接具13を壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1に当接させることにより、主支柱11をコーナー部W1近傍に配置することができる。このため壁面収納装置10を配置するにあたり、壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1にデッドスペースが生じてしまうことはない。
【0082】
また本実施の形態によれば、図14Aに示すように、左側の壁面収納装置10において、左側奥の追加当接具63を壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1に配置することができる。このため壁面収納装置10を配置するにあたり、壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1にデッドスペースが生じてしまうことはない。
【0083】
これに対して当接具13が平面視でL字状ではなく、壁面Wに平行な方向Lに対して細長状(短冊状)に延びる長方形の当接面を有する比較例の場合(図14B参照)、一対の壁面収納装置10を互いに近接して配置すると、互いの当接具13が干渉するため、一対の壁面収納装置10を一定間隔をおいて配置する必要がある。
【0084】
また図14Bに示す比較例の場合、当接具13が壁面Wに平行な方向Lに対して細長状に延びるため、壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1に当接具13を配置した場合、主支柱11はコーナー部W1から離れてしまい、壁面Wと壁面Wとの間のコーナー部W1にデッドスペースが生じてしまう。
【0085】
以上のように本実施の形態によれば、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとからなる梯子状側板20は、L字状主支柱11のうち底部11b上に載置して設けられる。従って主支柱11により梯子状側板20を安定して保持することができ、梯子状側板20が主支柱11から落下したり外れたりすることはない。また、梯子状側板20を主支柱11の側部11aおよび底部11bに固定することにより、梯子状側板20を主支柱11に堅固に固定することができる。これにより、意匠性は高いが、強度が弱い細材からなるスタイリッシュな梯子状側板20についても、梯子状側板20の最上部や最下部にトラス構造や筋交い構造等の補強構造を設けなくても、梯子状側板20が変形することはない。このため、梯子状側板20の最上部や最下部にトラス構造や筋交い構造等の補強構造を設ける場合に比べて、例えば、補強構造を設けることによるデッドスペースをなくすことができ、梯子状側板20の最上部および最下部を有効に利用することができる。
【0086】
また主支柱11に設けられた内管12を上方まで延ばし、当接具13を天井Cに当接させて、この位置で内管12を固定具14により主支柱11に固定する。このことにより主支柱11を底面Fと天井Cとの間で挟持することができ、壁面Wに沿って主支柱11を堅固に固定することができる。
【0087】
また、梯子状側板20は、互いに分割可能な上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとを有し、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bは上部平坦部41と下部平坦部42aとの間に連結ボルト40を締め付けることにより連結される。また下部梯子状側板20Bは主支柱11から取り外し可能となっている。このため後述のように下部梯子状側板20Bのみ主支柱11から取り外すことができる。
【0088】
さらに下部梯子状側板20Bの水平連結棒42は、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aのように一対の側板支柱21a,22a間に延びておらず、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41において終了する。このため上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aは側板支柱22aから水平方向に延びて上部平坦部41を形成して更に側板支柱21aまで延びることになる。従って、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aが下部梯子状側板20Bの段部23bと重なって延びる場合に比べて、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aが一本のみ単独で延びることになり、意匠性が維持向上される。
【0089】
なお、図1Aに示す実施の形態において、一対の梯子状側板20,20の各々の段部23a,23b間に書籍又は置物等を載置する棚板25を、そのフック25aを段部23a,23bに引っ掛けることにより掛け渡した例を示したが、これに限らず、図1Bに示すように各々の段部23a,23b間にフック26aを有する吊り棒26を掛け渡し、この吊り棒26に所望の物品、例えば帽子、マフラー等の衣類、カレンダー等を吊り下げてもよい。
【0090】
次に図8により壁面収納装置10の他の組み立て方法について述べる。
【0091】
図8に示す壁面収納装置10の組み立て方法は、図1Aに示す壁面収納装置10から一対の下部梯子状側板20Bを取り外したものであり、他の構成は図1に示す壁面収納装置10と同様である。
【0092】
図8において、図1に示す壁面収納装置10の構成と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。図1において、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41と下部梯子状側板20Bの下部平坦部42aとの間に設けられている連結ボルト40を取り外し、下部梯子状側板20Bの最下段の段部23bと主支柱11の底部との間に設けられている連結ボルト32を取り外す。
【0093】
次に一対の主支柱11から下部梯子状側板20B,20Bを取り外す。
【0094】
その後、上部梯子状側板20A,20Aの図8に示す手前側部分(手前端から4分の1から2分の1の範囲の位置)と、主支柱11のうち側部11aと底部11bの角部11dの上方位置(下部梯子状側板20Bに対応する側部11aの中間位置)との間に、側方筋交い45を設ける。このことにより上部梯子状側板20Aにかかる重力を、側方筋交い45を介して主支柱11により効果的に支えることができる。図8において、側方筋交い45はその上端を、上部梯子状側板20A,20Aの最下段の段部23bに設けられた上部平坦部41に連結ボルト40によって取り付けることにより、上部梯子状側板20A,20Aに固定される。また側板筋交い45の下端にはプレス加工により形成された平坦状の下部取付具45bが側方筋交い45と一体に設けられ、この平坦状の下部取付具45bは取付ボルト45Bにより主支柱11の側部11aに固定される。
【0095】
本組み立て方法によれば、一対の主支柱11から下部梯子状側板20B,20Bを取り外すことにより、下部梯子状側板20B,20Bおよび対応する棚板25も取り外すことができる。このことにより下部梯子状側板20B,20Bおよび対応する棚板25の領域を空けることができ、この空いた領域にTV装置等を収納してこの領域を効果的に利用することができる。
【0096】
<第2の実施の形態>
次に図9および図10により本開示の第2の実施の形態について説明する。
【0097】
図9および図10に示す第2の実施の形態は、一対の主支柱11,11を設ける代わりに3本の主支柱11,11,11を設けたものであり、他の構成は図1A乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0098】
図9および図10に示すように、壁面収納装置10は床面Fから天井Cまで延びる壁面Wに沿って配置され、書籍あるいは置物等を載置するために用いられる。
【0099】
このような壁面収納装置10は図9および図10に示すように、壁面Wに沿って設けられた3本のL字状に形成された管状主支柱11,11,11と、各主支柱11,11,11に取り付けられ、互いに平行に配置された3台の梯子状側板20,20,20とを備えている。この場合、各梯子状側板20,20,20は、対応する主支柱11,11,11から正面手前側へ向かって延びている(図9参照)。
【0100】
また、各梯子状側板20は互いに分割可能な上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとを有し、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bは後述する連結ボルト(連結具)40により連結されている。
【0101】
また梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは一対の側板支柱21a,22aと、一対の側板支柱21a,22a間に掛け渡された複数の段部23aとを有する。
【0102】
このうち側板支柱21aは主支柱11に取り付けられており、本実施の形態においては、主支柱11に溶接されている。
【0103】
さらに梯子状側板20の下部梯子状側板20Bは一対の側板支柱21b,22bと、一対の側板支柱21b,22b間に掛け渡された複数の段部23bとを有する。
【0104】
このうち側板支柱21bは主支柱11に取り付けられており、本実施の形態においては主支柱11に連結ボルト24により取り外し自在に取り付けられている。
【0105】
また隣り合う一対の梯子状側板20,20の対応する段部23a,23b間には、複数の棚板25が掛け渡されている。この場合、各棚板25には、その正面側からみた一対の側方端部にフック25aが設けられている。そして各棚板25はこれらフック25aを介して当該段部23a,23bに掛け渡され、かつ取り付けられている(図9参照)。
【0106】
次に3本の主支柱11,11,11について述べる。各主支柱11,11,11はその側面視において、側部11aと底部11bとを有するL字状をなしており、このうち底部11bの下面には床面Fに当接して壁面収納装置10の高さ位置を調整するアジャスター11cが設けられている(図9参照)。また各主支柱は4角筒状体からなり、ステンレス製、鋼製またはアルミニウム製となっている。
【0107】
そして各梯子状側板20,20,20は、L字状の主支柱11の底部11b上に載置されて支持され、梯子状側板20,20,20は底部11bに連結ボルト32により固定されている。この場合、連結ボルト32は最下段の段部23bの挿入孔32aに挿入されて、底部11bに締め付けられる。
【0108】
また各梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは、上述のように側板支柱21aを主支柱11に溶接することにより主支柱11に固定され、下部梯子状側板20Bは側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に取り付けることにより主支柱11に固定されている。なお、本実施の形態において、下部梯子状側板20Bは側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に取り付けることにより主支柱11に固定されている例を示したが、これに限らず、例えば、主支柱11に開いた穴に下部梯子状側板20B側に設けられた爪部を引っ掛けることにより、側板支柱21bを主支柱11に取り付けてもよい。
【0109】
また隣り合う一対の主支柱11,11は、主支柱11,11の後方に設けられた後方筋交い30により互いに連結され、この後方筋交い30は連結ボルト31により各主支柱11,11に取り付けられている。
【0110】
また図9に示すように、各主支柱11,11,11の上部に内管12,12,12が摺動自在に設けられ、この内管12,12,12の上端には天井Cに当接する当接具13,13Aが設けられている。また各主支柱11には、内管12を所定位置に固定する固定具14が設けられ、内管12の当接具13,13Aが天井Cに当接した位置でこの固定具14により内管12を固定することができる。
【0111】
また図9および図10に示すように、3本の主支柱11,11,11のうち、両端の主支柱11,11の上部に設けられた当接具13,13は、図1A乃至図7図11A乃至図12Dおよび図14A乃至図15Bに示す第1の実施の形態における当接具13と同様の構造をもち、かつ第1の実施の形態における当接具13と同様の向きに配置されている。
【0112】
すなわち、両端の主支柱11,11の上部に設けられた当接具13,13は、平面視でL字状をなし、平面視でL字状の当接具本体51と、平面視でL字状の当接面53とを有する。
【0113】
他方、中央の主支柱11の上部に設けられた当接具13Aは、細長状(短冊状)をなし、当接具13Aは壁面Wに平行な方向(L方向)に沿って延びて配置されている。
【0114】
また両端の主支柱11,11の下部にはアジャスター11cが設けられ、アジャスター11cと床面Fとの間には、第1の実施の形態における追加当接具63と同様の構造をもつ追加当接具63が設けられ、この追加当接具63は、第1の実施の形態における追加当接具63と同様の向きに配置されている(図13Aおよび図13B参照)。
【0115】
すなわち両端の主支柱11,11のアジャスター11cに取り付けられた追加当接具63は、平面視でL字状をなし、平面視でL字状の追加当接具本体71と、平面視でL字状をなす追加当接面73とを有する。
【0116】
他方、中央の主支柱11の下部にはアジャスター11cを介して追加当接具63Aが設けられ、この追加当接具63Aは細長状(短冊状)をなし、追加当接具63Aは壁面に平行な方向(L方向)に沿って延びている。
【0117】
ところで、図9および図10に示す第2の実施の形態において、梯子状側板20の上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとの連結構造は、図1A図4乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0118】
すなわち図1Aおよび図4乃至図6に示すように、梯子状側板20の上部梯子状側板20Aは一対の側板支柱21a,22aと、一対の側板支柱21a,22a間に掛け渡された複数の段部23aとを有し、下部梯子状側板20Bは一対の側板支柱21b,22bと、一対の側板支柱21b,22b間に掛け渡された複数の段部23bとを有する。このうち上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aは、側板支柱22a側に近接する部分が水平方向に沿って平坦状に形成されて上部平坦部41を形成する。また下部梯子状側板20Bの最上部には側板支柱22bから水平方向に、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aと同一方向に延びる水平連結棒42が設けられている。
【0119】
この水平連結棒42は、他の段部23bのように側板支柱22bから側板支柱21a側へ延びることはなく、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41まで延びて終了している。そして下部梯子状側板20Bの水平連結棒42には、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41に対応する位置に水平方向に沿って平坦状に形成された下部平坦部42aが設けられている。
【0120】
図6に示すように、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41と、下部梯子状側板20Bの下部平坦部42aとの間に連結ボルト(連結具)40が締め付けられ、このようにして上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとが互いに連結される。
【0121】
次にこのような構成からなる壁面収納装置の組み立て方法について説明する。
【0122】
まず、上述した3本の主支柱11,11,11を準備し、これらの主支柱11,11,11を壁面Wに沿って設置する。
【0123】
この場合、予め各主支柱11,11,11の上部には当接具13が取り付けられた内管12が挿着されている。また各主支柱11,11,11には予め上部梯子状側板20Aが、上部梯子状側板20Aの側板支柱21aを主支柱11に溶接することにより固着されている。また主支柱11,11,11は底部11bのアジャスター11cと、アジャスター11cの下部に設けられた追加当接具63とにより底面F上に載置される。
【0124】
次に各主支柱11,11,11の底部11b上に下部梯子状側板20Bを載置し、下部梯子状側板20Bの側板支柱21bを連結ボルト24により主支柱11に固定する。このとき、下部梯子状側板20Bの最下段の段部23bは主支柱11の底部11b上にあり、下部梯子状側板20Bの最下段の段部23bと主支柱11の底部11bとを連結ボルト32により固定する。
【0125】
次に、隣り合う一対の主支柱11,11の後方に後方筋交い30を設け、この後方筋交い30を主支柱11,11の後面に連結ボルト31により固定する。このようにして後方筋交い30により、各主支柱11,11を堅固に固定することができる。
【0126】
その後各々の上部梯子状側板20Aの上部平坦部41と下部梯子状側板20Bの下部平坦部42aとを連結ボルト40で連結する。このことにより上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bを堅固に固定することができる。
【0127】
次に主支柱11の上部に設けられている内管12を上方へ延ばし、内管12の当接具13を天井Cに当接させ、この位置で内管12を固定具14により主支柱11に固定する。このことにより主支柱11を底面Fと天井Cとの間で挟持することができ、主支柱11を堅固に固定することができる。
【0128】
その後、隣り合う一対の主支柱11,11の梯子状側板20のうち所望の段部23a,23b間に棚板25を掛け渡す。この場合、棚板25はフック25aを介して段部23a,23bに引っ掛けられる。
【0129】
このようにして壁面収納装置10が得られる。この壁面収納装置10のうち梯子状側板20および棚板25は、全体またはその一部がステンレス製、鋼製またはアルミニウム製となっている。また上述のように主支柱11,11,11もステンレス製、鋼製またはアルミニウム製となっている。
【0130】
以上のように本実施の形態によれば、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとからなる梯子状側板20は、L字状主支柱11のうち底部11b上に載置して設けられる。従って主支柱11により梯子状側板20を安定して保持することができ、梯子状側板20が主支柱11から落下したり外れたりすることはない。また、梯子状側板20を主支柱11の側部11aおよび底部11bに固定することにより、梯子状側板20を主支柱11に堅固に固定することができる。これにより、意匠性は高いが、強度が弱い細材からなるスタイリッシュな梯子状側板20についても、梯子状側板20の最上部や最下部にトラス構造や筋交い構造等の補強構造を設けなくても、梯子状側板20が変形することはない。このため、梯子状側板20の最上部や最下部にトラス構造や筋交い構造等の補強構造を設ける場合に比べて、例えば、補強構造を設けることによるデッドスペースをなくすことができ、梯子状側板20の最上部および最下部を有効に利用することができる。
【0131】
また主支柱11に設けられた内管12を上方まで延ばし、当接具13を天井Cに当接させて、この位置で内管12を固定具14により主支柱11に固定する。このことにより主支柱11を底面Fと天井Cとの間で挟持することができ、壁面Wに沿って主支柱11を堅固に固定することができる。
【0132】
また、梯子状側板20は、互いに分割可能な上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bとを有し、上部梯子状側板20Aと下部梯子状側板20Bは上部平坦部41と下部平坦部42aとの間に連結ボルト40を締め付けることにより連結される。また下部梯子状側板20Bは主支柱11から取り外し可能となっている。このため下部梯子状側板20Bのみ主支柱11から取り外すことができる。
【0133】
さらに下部梯子状側板20Bの水平連結棒42は、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aのように一対の側板支柱21a,22a間に延びておらず、上部梯子状側板20Aの上部平坦部41において終了する。このため上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aは側板支柱22aから水平方向に延びて上部平坦部41を形成して更に側板支柱21aまで延びることになる。従って、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aが下部梯子状側板20Bの段部23bと重なって延びる場合に比べて、上部梯子状側板20Aの最下段の段部23aが一本のみ単独で延びることになり、意匠性が低下することはない。
【0134】
<第3の実施の形態>
次に図16により本開示の第3の実施の形態について説明する。
【0135】
図16に示す第3の実施の形態において、床面F上に設置されたタンス80と天井Cとの間に例えば2本の突っ張り支柱1が設置され、この突っ張り支柱1により地震等により建物が揺れた場合でも、タンス80の転倒を防止することができる。各突っ張り支柱1は、好ましくはタンス80天面の両側であって、壁面W寄りに設けられている。このように突っ張り支柱1をタンス80天面の両側であって、壁面W寄りに設けることによって、突っ張り支柱1および当接具13はタンス80の奥側に位置することになる。このため、タンス80等の背の高い家具上に突っ張り支柱1を配置した場合、生活空間の中で生活者の目線から見た場合、突っ張り支柱1およびその当接具13が見えにくくなるため、家具の外観が損なわれることはない。
【0136】
図16において、突っ張り支柱1は円筒状の主支柱81と、主支柱81内に摺動自在に設けられた摺動管82とを有し、主支柱81には、主支柱81に対して摺動管82を所定位置に固定する固定具83が取り付けられている。
【0137】
また各突っ張り支柱1の摺動管82の上部には、天井Cに当接する当接具13が設けられ、主支柱81の下部にはタンス80の天面に当接する追加当接具63が設けられている。
【0138】
本実施の形態において、当接具13および追加当接具63は、いずれも図11A乃至図12Dに示す当接具13、および図13Aおよび図13Bに示す追加当接具63と同様の構造をもつ。
【0139】
すなわち、図16に示す当接具13は当接具本体51と、当接具本体51に設けられ、天井Cに当接する当接面53とを有する(図11A乃至図12E参照)。
【0140】
本実施の形態において、当接具本体51と、当接面53は、いずれも平面視でL字状をもつ。また当接具13の当接具本体51はポリプロピレン製(PP製)となっており、取り付けネジ55を介して上記した摺動管12に取り付けられている。さらに当接面53はシリコン製となっている。
【0141】
シリコン製の当接面53とポリプロピレン製(PP製)の当接具本体51はいずれも平面視でL字状をなすが、当接面53は当接具本体51よりわずかに小さい形状をもち、当接具を示す平面図上で、当接面53の外周に例えば1.5~2mm幅をもって当接具本体51がわずかに帯状に表われている(図11Aおよび図11B参照)。
【0142】
当接具13の当接面53は正方形部分53aと、正方形部分53aの隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の延長部分53b1,53b2とを有し、当接面53は全体としてL字状をなす。この場合、当接具13の正方形部分53aは正方形状をなし、各延長部分53b1,53b2は長方形状をなす。なお、各延長部分53b1,53b2は正方形状を有していてもよい。
【0143】
また、当接具13に設けられた取り付けネジ55は、当接面53の正方形部分53aの中心に配置され、このことにより取り付けネジ55に連結された摺動管12も当接面53の正方形部分53aの中心に位置する(図12E参照)。この場合、必ずしも取り付けネジ55は正方形部分53aの中心に位置する必要はなく、例えば取り付けネジ55を正方形部分53aの外側角部53a1と、内側角部53a2とを結ぶ対角線L3上に設けてもよく、あるいは正方形部分53a内のいずれかの位置に設けてもよい。取り付けネジ55を正方形部分53aの中心、あるいは正方形部分53aの外側角部53a1と、内側角部53a2とを結ぶ対角線L3上、あるいは正方形部分53a内のいずれかの位置に設けることによって、主支柱11に加わる力を確実に当接具13側へ伝えることができる。
【0144】
本実施の形態によれば、当接具13の当接面53は正方形部分53aと一対の延長部分53b1,53b2とを有し、平面視でL字状をなす。そしてこの正方形部分53aの中心に取り付けネジ55および摺動管12が配置されている。このため突っ張り支柱1に加わる外力を天井Cに伝えて当接具13により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0145】
また追加当接具63は追加当接具本体71と、追加当接具本体71に設けられ、タンス80天面に当接する追加当接面73とを有する(図13Aおよび図13B参照)。
【0146】
本実施の形態において、追加当接具本体71と、追加当接面73は、いずれも平面視でL字状をもつ。また追加当接具63の追加当接具本体71はポリプロピレン製(PP製)となっており、取り付けネジ75を介して上記した主支柱81に取り付けられている。さらに追加当接面73はシリコン製となっている。
【0147】
図13Aおよび図13Bに示すように、追加当接具63の追加当接面73は追加正方形部分73aと、追加正方形部分73aの隣り合う2辺から互いに90°離れた方向に延びる一対の追加延長部分73b1,73b2とを有し、追加当接面73は全体としてL字状をなす。この場合、追加当接具63の追加正方形部分73aは正方形状をなし、各追加延長部分73b1,73b2は長方形状をなす。なお、各追加延長部分73b1,73b2は正方形状を有していてもよい。
【0148】
また、追加当接具63に設けられた取り付けネジ75は、追加当接面73の追加正方形部分73aの中心に配置され、このことにより取り付けネジ75に連結された主支柱81も追加当接面73の追加正方形部分73aの中心に位置する(図13A参照)。なお、各追加延長部分73b1,73b2は正方形状を有していてもよい。この場合、必ずしも取り付けネジ75は追加正方形部分73aの中心に位置する必要はなく、例えば取り付けネジ75を追加正方形部分73aの外側角部73a1と、内側角部73a2とを結ぶ対角線L4上に設けてもよく、あるいは追加正方形部分73a内のいずれかの位置に設けてもよい。取り付けネジ75を追加正方形部分73aの中心、あるいは追加正方形部分73aの外側角部73a1と、内側角部73a2とを結ぶ対角線L4上、あるいは正方形部分73a内のいずれかの位置に設けることによって、主支柱11に加わる力を確実に追加当接具63側へ伝えることができる。
【0149】
本実施の形態によれば、追加当接具63の追加当接面73は追加正方形部分73aと一対の追加延長部分73b1,73b2とを有し、平面視でL字状をなす。そしてこの追加正方形部分73aの中心に取り付けネジ75および主支柱81が配置されている。このため突っ張り支柱1に加わる外力をタンス80天面に伝えて追加当接具63により突っ張り支柱1を確実に支持することができる。
【0150】
次に図16により、各摺動管82上部に取り付けられた当接具13および各主支柱81下部に取り付けられた追加当接具63の作用効果について、以下述べる。
【0151】
図16に示すように、各摺動管82上部に取り付けられた当接具13は、当接具本体51と、当接面53とを有し、当接具13は正方形部分53aと、一方の延長部分53b1とが壁面Wに対して直交する方向L1へ延びるよう配置されている。
【0152】
そして当接具13の正方形部分53aと、他方の延長部分53b2とが壁面Wに対して平行して延びている。
【0153】
一般にタンス80を壁面Wに平行に配置した場合、地震等で建物が壁面Wに沿って揺れると、タンス80に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が加わる。上記のように当接具13は正方形部分53aと、他方の延長部分53b2とが壁面Wに対して平行に延びているため、壁面Wに平行な方向Lに沿って比較的長く当接面53が延びることになる。このことによってタンス80に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が働いても、当接面53のうち壁面Wに平行な方向Lに延びる正方形部分53aと他方の延長部分53b2とにより、この外力を効果的に天井Cに伝えることができる。
【0154】
またタンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合でも、当接面53のうち壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる正方形部分53aと一方の延長部分53b1とにより、この外力を効果的に天井Cに伝えることができる。すなわち、タンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる正方形部分53aと一方の延長部分53b1とが天井Cと確実に係合する。
【0155】
このためタンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、この外力を天井Cに確実に伝えることができ、かつ天井Cから当接具13が外れてしまうことはない。
【0156】
同様に追加当接具63は、追加当接具本体71と、追加当接面73とを有し、追加当接具63は追加正方形部分73aと、一方の追加延長部分73b1とが壁面Wに対して直交する方向へ延びるよう配置されている。
【0157】
そして追加当接具63の追加正方形部分73aと、他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに対して平行して延びている。
【0158】
一般にタンス80を壁面Wに平行に延びるよう配置した場合、地震等で建物が壁面Wに沿って揺れると、タンス80に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が加わる。上記のように追加当接具63は追加正方形部分73aと、他方の追加延長部分73b2とが壁面Wに対して平行に延びているため、壁面Wに平行な方向Lに沿って比較的長く追加当接面73が延びることになる。このことによってタンス80に対して壁面Wと平行な方向Lの外力が働いても、追加当接面73のうち壁面Wに平行な方向Lに延びる追加正方形部分73aと他方の追加延長部分73b2とにより、この外力を効果的にタンス80天面に伝えることができる。
【0159】
またタンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合でも、追加当接面73のうち壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる追加正方形部分73aと一方の追加延長部分73b1とにより、この外力を効果的にタンス80天面に伝えることができる。すなわち、タンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、壁面Wに直交する方向L1に沿って延びる追加正方形部分73aと一方の追加延長部分73b1とがタンス80天面と確実に係合する。
【0160】
このためタンス80に対して壁面Wと直交する方向L1に沿って外力が加わった場合に、この外力をタンス80天面に確実に伝えることができ、かつタンス80天面から追加当接具63が外れてしまうことはない。
【実施例0161】
次に本実施の形態における具体的実施例について説明する。
本実施例では、図14Aに示す本実施の形態によるL字状の当接面をもつ壁面収納装置10と、図14Bに示す比較例による壁面Wに沿って伸びる細長状(短冊状)の当接面をもつ壁面収納装置10を準備し、これら各々に対して荷重を加えた場合の壁面収納装置の挙動を示す。
<実施例1と比較例1>
実施例1において、図14Aに示す実施例1による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。
実施例1において、150Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
比較例1において、図14Bに示す比較例1による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。
比較例1において、140Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
以上のことから、実施例1において、壁面収納装置10に対して壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えた場合、比較例1に比べてその挙動が安定することがわかった。
【0162】
<実施例2と比較例2>
実施例2において、図14Aに示す実施例2による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。また、壁面収納装置10は5段の棚板25を有し、各棚板25に10kgのおもりを載せ、おもりの合計重量を50kgとした。
実施例2において、270Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
比較例2において、図14Bに示す比較例2による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。また、壁面収納装置10は5段の棚板25を有し、各棚板25に10kgのおもりを載せ、おもりの合計重量を50kgとした。
比較例2において、245Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
以上のことから、実施例2において、壁面収納装置10に対して壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えた場合、比較例2に比べてその挙動が安定することがわかった。
【0163】
<実施例3と比較例3>
実施例3において、図14Aに示す実施例3による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。また、壁面収納装置10は5段の棚板25を有し、各棚板25に20kgのおもりを載せ、おもりの合計重量を100kgとした。
実施例3において、380Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の上方部においてずれが生じた。
比較例3において、図14Bに示す比較例3による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。また、壁面収納装置10は5段の棚板25を有し、各棚板25に20kgのおもりを載せ、おもりの合計重量を100kgとした。
比較例3において、320Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の上方部においてずれが生じた。
以上のことから、実施例3において、壁面収納装置10に対して壁面Wに直交する方向L1に沿って荷重を加えた場合、比較例3に比べてその挙動が安定することがわかった。
【0164】
<実施例4と比較例4>
実施例4において、図14Aに示す実施例4による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに平行する方向Lに沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。
実施例4において、100Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
比較例4において、図14Bに示す比較例4による全高2250mmの壁面収納装置10を準備し、この壁面収納装置10に対して負荷高さ1660mmの位置で壁面Wに平行する方向Lに沿って荷重を加えるとともに、この荷重を徐々に大きくした。
比較例4において、100Nの荷重を加えた際、壁面収納装置10の下方部においてずれが生じた。
以上のことから、実施例4において、壁面収納装置10に対して壁面Wに平行する方向Lに沿って荷重を加えた場合、比較例4と同様の挙動を示すことがわかった。
【符号の説明】
【0165】
1 突っ張り支柱
10 壁面収納装置
11 主支柱
12 内管
13 当接具
13A 当接具
14 固定具
20 梯子状側板
20A 上部梯子状側板
20B 下部梯子状側板
21a 側板支柱
21b 側板支柱
22a 側板支柱
22b 側板支柱
23a 段部
23b 段部
24 連結ボルト
25 棚板
25a フック
26 吊り棒
26a フック
32 連結ボルト
40 連結ボルト
30 後方筋交い
31 連結ボルト
40 連結ボルト
45 側方筋交い
51 当接具本体
53 当接面
53a 正方形部分
53b1 延長部分
53b2 延長部分
63 追加当接具
71 追加当接具本体
73 追加当接面
73a 追加正方形部分
73b1 追加延長部分
73b2 追加延長部分
80 タンス
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16