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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018745
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】給紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20240201BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65H1/14 310C
G03G15/00 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122275
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 貴史
(72)【発明者】
【氏名】安田 真己
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072BA12
2H072BA20
2H072BB04
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC04
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA16
3F343HD09
3F343HD18
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA15
3F343LC20
3F343LD10
3F343LD24
3F343MB04
3F343MB12
3F343MC06
3F343MC17
(57)【要約】
【課題】給紙されるシートに波打ちが生じても、シートが給紙ローラ以外の部分に接触することを抑制できる給紙装置を提供する。
【解決手段】給紙装置3は、給紙トレイ10と、給紙ローラ32と、給紙ローラ32によるシートSの給紙を可能にする第1位置と、第1位置よりも下方でシートSを積載する第2位置との間で昇降可能なシート積載装置11であって、シートSを支持する第1積載面121を有する第1積載板12と、シートSを支持する第2積載面131を有し、シート積載装置11が第2位置に位置するときに第1積載板12よりも下方に配置される第2積載板13とを有するシート積載装置11とを備え、第1積載板12は、前端における給紙ローラ32と対向する位置に切り欠き部123を有し、シート積載装置11が第1位置に位置した状態で、第2積載面131は切り欠き部123から突出して第1積載面121よりも上方に位置する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを支持する給紙トレイと、
前記給紙トレイに支持されるシートを画像形成部へ向けて給紙する給紙ローラであって、軸方向に延びる第1軸について回転可能な給紙ローラと、
前記給紙ローラによるシートの給紙を可能にする第1位置と、前記第1位置よりも下方でシートを積載する第2位置との間で昇降可能なシート積載装置であって、
シートを支持する第1積載面を有する平板状の第1積載部材と、
シートを支持する第2積載面を有し、前記シート積載装置が第2位置に位置するときに前記第1積載部材よりも下方に配置される平板状の第2積載部材と、を有するシート積載装置と、
を備え、
前記第1積載部材は、シート搬送方向の下流端における前記給紙ローラと対向する位置に切り欠き部を有し、
前記シート積載装置が前記第1位置に位置した状態で、前記第2積載面は前記切り欠き部から突出して、前記第1積載面よりも上方に位置することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記シート積載装置が前記第2位置に位置した状態で、前記第1積載部材は、前記第1積載面が前記第2積載面と同じ高さ、または前記第1積載面が前記第2積載面よりも上方に位置する位置に位置決めされる請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記第1積載部材は、シート搬送方向の下流側端部から下方に延びる第1曲げ部であって、前記シート積載装置が第2位置に位置した状態で前記給紙トレイに当接する第1曲げ部を有する請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記給紙トレイは、シート搬送方向の下流側端部かつ前記軸方向の両端部に位置する凸部であって、前記シート積載装置が第2位置に位置した状態で前記第1曲げ部に当接する凸部を有する請求項3に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記第2積載部材は、前記第2積載面と平行に延びる押圧面であって、前記第1積載部材に対向する押圧面と、前記押圧面のシート搬送方向における下流側端部から上方に延びる第2曲げ部とを有し、
前記第2積載面は、前記第2曲げ部の上端からシート搬送方向に延び、前記押圧面よりも上方に位置する請求項1に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記給紙トレイは、前記切り欠き部よりもシート搬送方向の上流側、かつ前記軸方向の両端部に位置し、前記第1積載部材および前記第2積載部材を支持する回動軸部を有し、
前記第1積載部材および前記第2積載部材は、前記回動軸部について回動可能である請求項1に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記給紙トレイは、前記軸方向に移動可能であって、シートの前記軸方向における端部を規制する一対のサイド規制板を有し、
前記回動軸部は、前記一対のサイド規制板よりもシート搬送方向の上流側に位置する請求項6に記載の給紙装置。
【請求項8】
駆動源からの駆動力によって昇降する昇降部材をさらに備え、
前記昇降部材は、前記第2積載部材を下方から押圧して上昇させ、
前記第2積載部材は、前記第1積載部材を下方から押圧して上昇させる請求項1に記載の給紙装置。
【請求項9】
前記昇降部材は、上下方向において、前記給紙ローラと重なる位置で前記第2積載部材に当接する請求項8に記載の給紙装置。
【請求項10】
前記第2積載部材は、前記第2積載面と平行に延びる押圧面であって、前記第1積載部材に対向する押圧面を有し、
前記第1積載部材は、前記第1積載面と反対側の面であり、前記押圧面と対向する被押圧面を有し、
前記シート積載装置が前記第2位置に位置した状態において、前記押圧面と前記被押圧面との間には隙間が形成され、
前記シート積載装置が前記第1位置に位置した状態において、前記押圧面と前記被押圧面とは接触している請求項1に記載の給紙装置。
【請求項11】
駆動源からの駆動力によって昇降する昇降部材をさらに備え、
前記シート積載装置が前記第2位置から前記第1位置に上昇する際に、
前記昇降部材が前記第2積載部材を押圧して、前記第2積載面が前記切り欠き部から上方に突出した後に、
前記第2積載部材の前記押圧面が前記第1積載部材の前記被押圧面を押圧して、前記第1積載部材の上昇が開始する請求項10に記載の給紙装置。
【請求項12】
前記第1軸について回転可能な給紙ローラギヤであって、前記給紙ローラよりも前記軸方向における一方側に位置する給紙ローラギヤをさらに備え、
前記切り欠き部は、前記軸方向において、前記給紙ローラギヤよりも前記給紙ローラ側に位置する請求項1に記載の給紙装置。
【請求項13】
前記第1積載部材および前記第2積載部材は、板金にて構成されている請求項1に記載の給紙装置。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から送り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、シートを給紙する給紙ローラと、給紙されるシートを1枚ずつ分離する分離ローラと、給紙ローラと分離ローラとの間の駆動を連結し、給紙ローラおよび分離ローラの軸方向における一方側に隣接して配置されるギヤ列と、を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置においては、給紙されるシートに波打ちが生じると、変形したシートが給紙ローラの一方側に位置するギヤ列のギヤと接触するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-065819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように変形したシートとギヤとが接触すると、シートにかかる荷重が、給紙ローラによる荷重と、シートとギヤとの間の摩擦による荷重とに分散されて、給紙時にシートにかかるニップ荷重が減少して、給紙ミスが発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明においては、給紙されるシートに波打ちが生じた場合でも、シートが給紙ローラ以外の部分に接触することを抑制できる給紙装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する給紙装置および画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、給紙装置は、シートを支持する給紙トレイと、前記給紙トレイに支持されるシートを画像形成部へ向けて給紙する給紙ローラであって、軸方向に延びる第1軸について回転可能な給紙ローラと、前記給紙ローラによるシートの給紙を可能にする第1位置と、前記第1位置よりも下方でシートを積載する第2位置との間で昇降可能なシート積載装置であって、シートを支持する第1積載面を有する平板状の第1積載部材と、シートを支持する第2積載面を有し、前記シート積載装置が第2位置に位置するときに前記第1積載部材よりも下方に配置される平板状の第2積載部材と、を有するシート積載装置と、を備え、前記第1積載部材は、シート搬送方向の下流端における前記給紙ローラと対向する位置に切り欠き部を有し、前記シート積載装置が前記第1位置に位置した状態で、前記第2積載面は前記切り欠き部から突出して、前記第1積載面よりも上方に位置する。
【0009】
これにより、シート積載装置が第1位置に上昇した状態で給紙するときに、シート積載装置の給紙ローラに対向する部分である第2積載面を他の部分よりも上方に位置させることで、給紙ローラ以外の部分にシートが接触することを抑制できる。
【0010】
また、前記シート積載装置が前記第2位置に位置した状態で、前記第1積載部材は、前記第1積載面が前記第2積載面と同じ高さ、または前記第1積載面が前記第2積載面よりも上方に位置する位置に位置決めされる。
【0011】
これにより、シート積載装置が第2位置に位置した状態において、第2積載面が第1積載部材の切り欠き部から上方に突出することがなく、第2積載面がシート積載装置にシートを積載する際の妨げになることを抑制できる。
【0012】
また、前記第1積載部材は、シート搬送方向の下流側端部から下方に延びる第1曲げ部であって、前記シート積載装置が第2位置に位置した状態で前記給紙トレイに当接する第1曲げ部を有する。
【0013】
これにより、第1積載部材の第1曲げ部が給紙トレイに当接することで、第1積載部材を位置決めすることができる。
【0014】
また、前記給紙トレイは、シート搬送方向の下流側端部かつ前記軸方向の両端部に位置する凸部であって、前記シート積載装置が第2位置に位置した状態で前記第1曲げ部に当接する凸部を有する。
【0015】
これにより、第1積載部材の第1曲げ部と給紙トレイの凸部とが当接することで、第1積載部材を位置決めすることができる。
【0016】
また、前記第2積載部材は、前記第2積載面と平行に延びる押圧面であって、前記第1積載部材に対向する押圧面と、前記押圧面のシート搬送方向における下流側端部から上方に延びる第2曲げ部とを有し、前記第2積載面は、前記第2曲げ部の上端からシート搬送方向に延び、前記押圧面よりも上方に位置する。
【0017】
これにより、シート積載装置が第1位置に位置した状態で、第2積載面を容易に切り欠き部から上方に突出させることができる。
【0018】
また、前記給紙トレイは、前記切り欠き部よりもシート搬送方向の上流側、かつ前記軸方向の両端部に位置し、前記第1積載部材および前記第2積載部材を支持する回動軸部を有し、前記第1積載部材および前記第2積載部材は、前記回動軸部について回動可能である。
【0019】
これにより、第1積載部材および第2積載部材を支持する部分が占めるスペース、および第1積載部材および第2積載部材の支持部材の部品点数を削減することができる。
【0020】
また、前記給紙トレイは、前記軸方向に移動可能であって、シートの前記軸方向における端部を規制する一対のサイド規制板を有し、前記回動軸部は、前記一対のサイド規制板よりもシート搬送方向の上流側に位置する。
【0021】
これにより、第1積載部材および第2積載部材を支持する回動軸部は、シート搬送方向において給紙ローラから離れた位置に配置されるため、シート積載装置に積載されるシートの給紙ローラに対する突入角度を小さくすることができ、シートを給紙ローラによって安定して給紙することができる。
【0022】
また、駆動源からの駆動力によって昇降する昇降部材をさらに備え、前記昇降部材は、前記第2積載部材を下方から押圧して上昇させ、前記第2積載部材は、前記第1積載部材を下方から押圧して上昇させる。
【0023】
これにより、第1積載部材と第2積載部材とを昇降部材によって同時に昇降させることができる。
【0024】
また、前記昇降部材は、上下方向において、前記給紙ローラと重なる位置で前記第2積載部材に当接する。
【0025】
これにより、第2積載部材における給紙ローラと対向する部分を確実に上昇させることが可能となり、第2積載面によって支持されるシートに対する、給紙ローラからのニップ荷重を確保することができる。
【0026】
また、前記第2積載部材は、前記第2積載面と平行に延びる押圧面であって、前記第1積載部材に対向する押圧面を有し、前記第1積載部材は、前記第1積載面と反対側の面であり、前記押圧面と対向する被押圧面を有し、前記シート積載装置が前記第2位置に位置した状態において、前記押圧面と前記被押圧面との間には隙間が形成され、前記シート積載装置が前記第1位置に位置した状態において、前記押圧面と前記被押圧面とは接触している。
【0027】
これにより、シートを給紙する際に、第2積載部材と第1積載部材との2枚の部材によって安定してシートを支持することができる。
【0028】
また、駆動源からの駆動力によって昇降する昇降部材をさらに備え、前記シート積載装置が前記第2位置から前記第1位置に上昇する際に、前記昇降部材が前記第2積載部材を押圧して、前記第2積載面が前記切り欠き部から上方に突出した後に、前記第2積載部材の前記押圧面が前記第1積載部材の前記被押圧面を押圧して、前記第1積載部材の上昇が開始する。
【0029】
これにより、シート積載装置が第2位置から第1位置に上昇する過程で、第1積載面に支持されるシートが切り欠き部の中に入り込んで、折れたり損傷したりすることを抑制できる。
【0030】
また、前記第1軸について回転可能な給紙ローラギヤであって、前記給紙ローラよりも前記軸方向における一方側に位置する給紙ローラギヤをさらに備え、前記切り欠き部は、前記軸方向において、前記給紙ローラギヤよりも前記給紙ローラ側に位置する。
【0031】
これにより、シートが給紙ローラギヤと接触することを効果的に抑制できる。
【0032】
また、前記第1積載部材および前記第2積載部材は、板金にて構成されている。
【0033】
これにより、第1積載部材および第2積載部材が撓むことを抑制でき、第1積載部材および第2積載部材によってシートを安定して支持することができる。
【0034】
また、画像形成装置は、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から送り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備える。
【0035】
これにより、給紙装置を備えた画像形成装置において、シート積載装置が第1位置に上昇した状態で給紙するときに、シート積載装置の給紙ローラに対向する部分である第2積載面を他の部分よりも上方に位置させることで、給紙ローラ以外の部分にシートが接触することを抑制できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、給紙されるシートに波打ちが生じた場合でも、シートが給紙ローラ以外の部分に接触することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】(a)は給紙ローラを示す斜視図であり、(b)は給紙ローラを示す正面図である。
図3】給紙トレイを示す斜視図である。
図4】給紙トレイを示す平面図である。
図5】給紙トレイを示す側面図である。
図6】シート積載装置が第1位置に位置する状態の給紙トレイを示す側面断面図である。
図7】シート積載装置が第2位置に位置する状態の給紙トレイを示す側面断面図である。
図8】(a)は第1積載板を示す平面図であり、(b)は第1積載板を示す斜視図である。
図9】(a)は第2積載板を示す平面図であり、(b)は第2積載板を示す斜視図である。
図10】第1積載板の第1曲げ部および給紙トレイの凸部を示す側面断面図である。
図11】第2位置に位置する状態のシート積載装置であって、第2積載板の押圧面と第1積載板の被押圧面との間に隙間が形成されている様子を示す側面断面図である。
図12】シート積載装置が第2位置に位置する状態から、第2積載板が昇降板により押圧されて上昇し、第2積載板の第2積載面が第1積載板の切り欠き部から上方へ突出する様子を示す側面断面図である。
図13】第1位置に位置する状態のシート積載装置であって、第2積載板の押圧面と第1積載板の被押圧面とが接触している様子を示す側面断面図である。
図14】シート積載装置が第2位置に位置する状態の給紙トレイを示す正面断面図である。
図15】シート積載装置が第1位置に位置する状態の給紙トレイを示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0039】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る給紙装置を備えた画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0040】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0041】
画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを給紙する給紙部30を有する給紙装置3と、給紙装置3から送り出されたシートSに画像を形成する画像形成部5と、モータ90とを備えている。モータ90は、駆動源の一例である。
【0042】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙装置3および画像形成部5を収容している。装置本体2の上面には上開口部2Aが開口しており、装置本体2は上開口部2Aを開閉可能なトップカバー23を有している。装置本体2の前面には前開口部2Bが開口しており、装置本体2は前開口部2Bを開閉可能なMPトレイ24を有している。
【0043】
トップカバー23は、後端部の回動軸23aを中心として回動可能に構成されており、回動軸23aを中心として回動することにより、上開口部2Aを閉鎖する閉位置(図1に示す位置)と、上開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。装置本体2のトップカバー23には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ23bが形成されている。
【0044】
MPトレイ24は、回動軸24aを中心として回動することにより、前開口部2Bを閉鎖する閉位置(図1において2点鎖線で示す位置)と、前開口部2Bを開放する開位置(図1において実線で示す位置)との間を移動可能である。MPトレイ24は、開位置にあるときに複数枚重ねられたシートSを支持可能である。
【0045】
給紙装置3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSを給紙部30によって画像形成部5へ向けて給紙するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0046】
給紙装置3は、給紙トレイ10に設けられ、シートSを積載するシート積載装置11であって、給紙トレイ10の回動軸部106を中心として回動することにより昇降可能なシート積載装置11と、シート積載装置11を昇降させるための昇降板145を含む昇降機構14とを備えている。昇降板145は、平板状の板金にて構成されている。
【0047】
昇降板145は、モータ90からの駆動力によって回動支点145aを中心として回動することにより昇降可能である。昇降板145は、回動支点145aを中心として回動することにより、シート積載装置11を昇降させることが可能である。昇降板145は、昇降部材の一例である。
【0048】
給紙部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aとを備えている。給紙部30と画像形成部5との間には、搬送ローラ34aと、レジストローラ35aとが配置されている。給紙ローラ32、分離ローラ33、分離パッド33a、搬送ローラ34a、およびレジストローラ35aは、モータ90により駆動される。装置本体2内には、給紙トレイ10から、給紙部30、搬送ローラ34a、レジストローラ35a、および画像形成部5を経由して排紙トレイ23bへ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0049】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10に支持されるシートSを画像形成部5へ向けて給紙するローラである。分離ローラ33は、給紙ローラ32により給紙されるシートSを1枚ずつ分離するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0050】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ34aおよび搬送ローラ34aに対向配置されるコロ34bと、レジストローラ35aおよびレジストローラ35aに対向配置されるレジストコロ35bとにより、画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ35aは、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0051】
給紙装置3は、MPトレイ24に支持されたシートSを画像形成部5に搬送する供給機構36を備えている。供給機構36は、供給ローラ361と、分離ローラ362と、分離パッド363と、供給ローラ361および分離ローラ362を回転可能に支持するホルダ364とを備える。MPトレイ24に支持されたシートSは、供給ローラ361、分離ローラ362および分離パッド363により1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。搬送経路Pに送り出されたシートSは、レジストローラ35aにより画像形成部5に向けて搬送される。
【0052】
画像形成部5は給紙装置3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54とを備えている。感光ドラム51は、トナー像が形成されるドラムの一例である。
【0053】
プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51のドラム軸線が左右方向に沿った姿勢で装置本体2に装着されている。現像ローラ52は、感光ドラム51に当接する当接位置と、感光ドラム51から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。
【0054】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー23に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー23から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー23が閉じた状態において感光ドラム51の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにより構成されている。
【0055】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43によりベルト装置40が構成されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。転写ローラ44は、ドラムに対向して配置される転写部材の一例である。
【0056】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0057】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0058】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0059】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0060】
トナー像が転写されたシートSは定着装置60に搬送される。定着装置60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着装置60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0061】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着装置60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ23bに排出される。
【0062】
[給紙ローラ]
図2に示すように、給紙装置3は、左右方向に延びる第1軸321を備えており、給紙ローラ32は第1軸321について回転可能に構成されている。左右方向は、軸方向の一例である。給紙装置3は、第1軸321について回転可能な給紙ローラギヤ322を備えている。給紙ローラギヤ322は、給紙ローラ32よりも左側に位置している。左側は、軸方向における一方側の一例である。
【0063】
給紙ローラギヤ322にはモータ90からの駆動力が入力され、給紙ローラギヤ322にモータ90からの駆動力が入力されることによって、給紙ローラギヤ322、第1軸321、および給紙ローラ32が一体的に回転する。給紙ローラギヤ322は、給紙ローラ32よりも小径に形成されている。
【0064】
[給紙トレイ]
図3図5に示すように、給紙トレイ10は、底壁101と、左壁102と、右壁103と、前壁104と、後壁105と、回動軸部106と、サイド規制板107とを備えている。
【0065】
給紙トレイ10は、底壁101、左壁102、右壁103、前壁104、および後壁105に囲まれた空間内にシートSを積載可能である。給紙トレイ10に積載されたシートSは、給紙ローラ32により前後方向に沿って給紙される。具体的には、シートSは給紙ローラ32によって前方へ給紙される。
【0066】
サイド規制板107は左右に一対設けられており、底壁101に左右方向へ移動可能に支持されている。サイド規制板107は、給紙トレイ10に積載されるシートSのサイズに応じて左右方向へ移動することで、シートSの左右方向における端部を規制可能である。
【0067】
回動軸部106は左右に一対設けられており、左方の回動軸部106は底壁101の左端部に位置し、右方の回動軸部106は底壁101の右端部に位置している。また、回動軸部106は、サイド規制板107よりも後側に位置している。後側は、シート搬送方向の上流側の一例である。
【0068】
[昇降機構]
昇降機構14は、入力ギヤ141と、第1伝達ギヤ142と、第2伝達ギヤ143と、駆動ギヤ144と、昇降板145とを備えている。入力ギヤ141、第1伝達ギヤ142、第2伝達ギヤ143、および駆動ギヤ144は、給紙トレイ10の左壁102に支持されている。
【0069】
入力ギヤ141には、モータ90からの駆動力が入力される。第1伝達ギヤ142は入力ギヤ141と噛み合っている。第2伝達ギヤ143は、第1伝達ギヤ142と同軸かつ一体的に回転可能に設けられている。駆動ギヤ144は第2伝達ギヤ143と噛み合っている。昇降板145は左右方向に延びる板状部材であり、昇降板145の左端部は駆動ギヤ144と接続されている。
【0070】
入力ギヤ141に入力されたモータ90からの駆動力は、第1伝達ギヤ142および第2伝達ギヤ143を介して駆動ギヤ144に伝達される。駆動力が伝達された駆動ギヤ144は昇降板145を駆動し、駆動ギヤ144により駆動された昇降板145は回動支点145aを中心として回動する。
【0071】
[シート積載装置]
図6に示すように、シート積載装置11は、昇降板145が回動支点145aを中心として上方へ回動することにより、給紙ローラ32によるシートSの給紙を可能にする第1位置に上昇する。一方、図7に示すように、シート積載装置11は、昇降板145が回動支点145aを中心として下方へ回動することにより、第1位置よりも下方でシートSを積載する第2位置に下降する。このように、シート積載装置11は、昇降板145によって第1位置と第2位置との間で昇降される。
【0072】
シート積載装置11は、第1積載板12と、第2積載板13とを有している。第1積載板12は第1積載部材の一例であり、第2積載板13は第2積載部材の一例である。
【0073】
図3図6図8に示すように、第1積載板12は、平板状の板金にて構成されており、シートSを支持する第1積載面121と、給紙トレイ10の回動軸部106に回動可能に支持される回動支持部122とを有している。
【0074】
回動支持部122は左右に一対設けられており、第1積載面121の後端部における左右端部にそれぞれ位置している。第1積載板12は、回動支持部122が回動軸部106に支持されることで、回動軸部106について回動可能に給紙トレイ10に装着されている。
【0075】
第1積載面121の前端における左右中央部には、前端から後方へ向かって矩形状に切り欠かれる切り欠き部123が形成されている。前端は、シート搬送方向の下流端の一例である。切り欠き部123は、上下方向において、給紙ローラ32と対向する位置に形成されている。但し、切り欠き部123は上下方向に給紙ローラと対向する位置に形成されていれば、第1積載面121の前端を切り欠くことによって形成されていなくてもよい。切り欠き部123は、第1積載面121の給紙ローラ32と対向する部分をくり抜いて形成されてもよい。給紙トレイ10の回動軸部106は、切り欠き部123よりも後側に位置している。
【0076】
第1積載面121の回動支持部122よりも前方には、貫通孔124が形成されている。貫通孔124は左右に一対設けられている。給紙トレイ10においては、サイド規制板107が貫通孔124を通じて、第1積載面121の下方から上方へ向けて突出している。
【0077】
第1積載板12は、第1積載面121の前端から下方に延びる第1曲げ部125を有している。第1曲げ部125は、第1積載板12の前側端部において、左右に一対設けられている。前側端部は、シート搬送方向の下流側端部の一例である。第1積載板12は、第1積載面121と反対側の面である被押圧面126を有している。第1積載面121は上方に面しており、被押圧面126は下方に面している。
【0078】
図4図6図7図9に示すように、第2積載板13は、平板状の板金にて構成されており、第2積載面131と、押圧面132と、第2曲げ部133と、回動支持部134とを有している。
【0079】
第2積載面131はシートSを支持する面であり、第2積載板13の前端部に位置している。押圧面132は、第2積載面131と平行に延びる面であって、第2積載面131の後方に位置している。第2積載面131および押圧面132は、上方に面している。
【0080】
第2曲げ部133は、押圧面132の前端部から上方に延びている。第2曲げ部133の上端は、第2積載面131の後端に接続されている。第2積載面131は、第2曲げ部133の上端から前後方向に沿って延びている。具体的には、第2積載面131は、第2曲げ部133の上端から前方へ延びている。つまり、第2積載面131は押圧面132よりも上方に位置しており、第2曲げ部133は押圧面132の前端と第2積載面131の後端とを接続している。
【0081】
回動支持部134は左右に一対設けられており、押圧面132の後端部における左右端部にそれぞれ位置している。回動支持部134は、給紙トレイ10の回動軸部106に回動可能に支持されている。第2積載板13は、回動支持部134が回動軸部106に支持されることで、回動軸部106について回動可能に給紙トレイ10に装着されている。第2積載板13は、第2積載面131と反対側の面である当接面135を有している。当接面135は、下方に面している。第2積載板13の第2積載面131における前端部には、コルク等の摩擦部材136が取り付けられている。シート積載装置11が第1位置に位置するときには、摩擦部材136は、上下方向において給紙ローラ123と重なる位置に位置している。
【0082】
図3図4図6図7に示すように、第1積載板12と第2積載板13とは、第1積載板12の第1積載面121が第2積載板13の押圧面132よりも上方に位置するように、上下に積層されている。第1積載板12と第2積載板13とが積層された状態では、第1積載板12の切り欠き部123と第2積載板13の第2積載面131とは、上下方向において重なる位置に配置されている。また、第1積載板12と第2積載板13とが積層された状態では、第1積載板12の被押圧面126と、第2積載板13の押圧面132とは対向している。
【0083】
図7に示すように、シート積載装置11が第2位置に位置するときには、第1積載板12および第2積載板13は、下方に回動して給紙トレイ10の底壁101と略平行となる姿勢にある。また、シート積載装置11が第2位置に位置するときには、第2積載板13は、第1積載板12よりも下方に配置されている。昇降板145は、第2積載板13の下方に位置しており、第2積載板13の当接面135に当接可能な当接部145bを有している。
【0084】
図4図10に示すように、給紙トレイ10は、底壁101の前端部かつ左右両端部に位置し、底壁101から上方に突出する凸部101aを有している。第1積載板12の第1曲げ部125と、給紙トレイ10の凸部101aとは、シート積載装置11が第2位置に位置した状態で当接しており、第1曲げ部125と凸部101aとが当接することで、第1積載板12の上下位置が位置決めされている。
【0085】
このように、給紙トレイ10に凸部101aを設けることで、第1積載板12の第1曲げ部125と給紙トレイ10の凸部101aとを当接させて、第1積載板12の上下位置を位置決めすることが可能となっている。
【0086】
図4図11に示すように、シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、第1積載板12は、第1積載面121が第2積載面131と同じ高さ、または第1積載面121が第2積載面131よりも上方に位置する位置に位置決めされている。シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、主に第1積載面121によってシートSが支持される。なお、図11においては、第1積載面121と第2積載面131とは同じ高さに位置している。
【0087】
このように、シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、第1積載板12は、シートSを支持する第1積載面121が第2積載面131と同じ高さ、または、第2積載面131よりも上方に位置する高さとなるように位置決めされる。これにより、シート積載装置11が第2位置に位置した状態において、第2積載面131が第1積載板12の切り欠き部123から上方に突出することがなく、第2積載面131がシート積載装置11にシートSを積載する際の妨げになることを抑制できる。
【0088】
シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、第2積載板13の押圧面132は、第1積載板12の第1積載面121および被押圧面126よりも下方に配置されている。また、シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、第2積載板13の押圧面132と第1積載板12の被押圧面126との間には隙間が形成されている。
【0089】
さらに、シート積載装置11が第2位置に位置した状態では、第2積載板13の当接面135と昇降板145の当接部145bとの間に隙間が形成されている。なお、図11においては、当接面135と当接部145bとの間に隙間が形成されているが、シート積載装置11が第2位置に位置した状態においては、当接部145bが当接面135に接触していてもよい。
【0090】
第2位置に位置するシート積載装置11を第1位置に上昇させる場合は、昇降板145をモータ90からの駆動力によって回動支点145aを中心として上方へ回動させる。昇降板145が上方へ回動すると、昇降板145の当接部145bが第2積載板13の当接面135に当接して、昇降板145が第2積載板13を下方から押圧して上昇させる。
【0091】
図12に示すように、第2積載板13が昇降板145により押圧されて上昇すると、第2積載板13の第2積載面131が第1積載板12の切り欠き部123から上方へ突出して、第1積載面121よりも上方に位置する。第2積載面131が切り欠き部123から上方へ突出した後に、昇降板145によって第2積載板13がさらに上昇すると、第2積載板13の押圧面132が第1積載板12の被押圧面126を下方から押圧して、第1積載板12が上昇を開始する。
【0092】
第2積載面131が切り欠き部123から上方へ突出した後に、第1積載板12が上昇を開始することで、シート積載装置11が第2位置から第1位置に上昇する過程で、第1積載面121に支持されるシートSが切り欠き部123の中に入り込んで、折れたり損傷したりすることを抑制可能となっている。
【0093】
このように、シート積載装置11を第2位置から第1位置に上昇させるときには、昇降板145は第2積載板13を下方から押圧して上昇させ、第2積載板13は第1積載板12を下方から押圧して上昇させる。第2積載板13および第1積載板12は、昇降板145によってシート積載装置11が第1位置に位置するまで上昇される。
【0094】
図13に示すように、昇降板145により第2積載板13および第1積載板12が上昇されてシート積載装置11が第1位置に位置した状態においては、第2積載板13の押圧面132と第1積載板12の被押圧面126とは接触している。
【0095】
また、シート積載装置11が第1位置に位置した状態では、第2積載板13の第2積載面131は、第1積載板12の切り欠き部123から上方へ突出して第1積載面121よりも上方に位置している。この場合、第2積載面131は押圧面132よりも上方に位置しているため、シート積載装置11が第1位置に位置した状態で、第2積載面131を容易に切り欠き部123から上方に突出させることが可能となっている。
【0096】
シート積載装置11が第1位置に位置した状態では、第1積載面121と、第1積載面121よりも上方に位置する第2積載面131によってシートSが支持される。この場合、第1積載板12の切り欠き部123から上方へ突出する第2積載面131は、給紙ローラ32と上下方向において対向している。
【0097】
図14に示すように、シート積載装置11が第2位置に位置した状態の給紙トレイ10にシートSが積載されている場合、シートSが波打ちして、シートSに他の部分よりも上方に突出した突出部Saが存在することがある。
【0098】
このような場合、特に突出部Saが給紙ローラギヤ322の下方に位置していた場合には、シート積載装置11が給紙可能な第1位置に上昇した際に突出部Saがそのままの状態で存在していると、突出部Saが給紙ローラギヤ322と接触して、シートSにかかる給紙ローラ32からのニップ荷重が減少して給紙ミスが発生するおそれがある。
【0099】
しかし、給紙装置3においては、図15に示すように、シート積載装置11が第1位置に上昇した状態で給紙するときに、第1積載面121と、第1積載面121よりも上方に位置する第2積載面131によってシートSが支持され、シートSの給紙ローラ32に対向する部分が第2積載面131によって他の部分よりも持ち上げられることとなる。
【0100】
従って、シートSの第2積載面131によって持ち上げられた部分に対する突出部Saの突出量を小さく抑えることができ、給紙されるシートSの突出部Saが給紙ローラギヤ322等の給紙ローラ32以外の部分と接触することを抑制できる。これにより、給紙ローラ32によるシートSに対するニップ荷重を確保することができ、給紙ミスの発生を抑制することができる。
【0101】
この場合、左右方向において、第1積載板12の切り欠き部123は、給紙ローラギヤ322よりも右方、つまり給紙ローラギヤ322よりも給紙ローラ32側に位置しているため、シートSの給紙ローラギヤ322に隣接する部分を第2積載面131によって持ち上げることができ、突出部Saの突出量を効果的に小さく抑えることが可能となっている。これにより、シートSの突出部Saが給紙ローラギヤ322と接触することを効果的に抑制できる。
【0102】
また、昇降板145により第2積載板13および第1積載板12を上昇させる場合、昇降板145は、上下方向において給紙ローラ32と重なる位置で第2積載板13に当接している。これにより、第2積載板13における給紙ローラ32と対向する部分を確実に上昇させることが可能となり、第2積載面131によって支持されるシートSに対する、給紙ローラ32からのニップ荷重を確保することができる。
【0103】
また、シート積載装置11が第1位置に上昇した状態において、第2積載板13の押圧面132と第1積載板12の被押圧面126とは接触しているため、シートSを給紙する際に、第2積載板13と第1積載板12との2枚の部材によって安定してシートSを支持することが可能である。
【0104】
また、第1積載板12および第2積載板13は板金にて構成されているため、第1積載板12および第2積載板13が撓むことを抑制でき、第1積載板12および第2積載板13によってシートSを安定して支持することができる。
【0105】
また、第1積載板12および第2積載板13を支持する回動軸部106は、サイド規制板107よりも後方に位置しており、シート搬送方向となる前後方向において給紙ローラ32から離れた位置に配置されている。これにより、シート積載装置11に積載されるシートSの給紙ローラ32に対する突入角度を小さくすることができ、シートSを給紙ローラ32によって安定して給紙することが可能となっている。
【0106】
また、給紙装置3においては、回動軸部106によって第1積載板12と第2積載板13との両方を支持しているため、第1積載板12および第2積載板13を支持する部分が占めるスペース、および第1積載板12および第2積載板13の支持部材の部品点数を削減することが可能である。
【0107】
また、給紙装置3においては、昇降板145は第2積載板13を下方から押圧して上昇させ、第2積載板13は第1積載板12を下方から押圧して上昇させるため、第1積載板12と第2積載板13とを昇降板145によって同時に昇降させることが可能となっている。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
3 給紙装置
5 画像形成部
10 給紙トレイ
11 シート積載装置
12 第1積載板
13 第2積載板
32 給紙ローラ
101 底壁
101a 凸部
106 回動軸部
107 サイド規制板
121 第1積載面
123 切り欠き部
125 第1曲げ部
126 被押圧面
131 第2積載面
132 押圧面
133 第2曲げ部
145 昇降板
321 第1軸
322 給紙ローラギヤ
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15