(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018805
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】スプリット鋼管切除装置
(51)【国際特許分類】
B23D 21/00 20060101AFI20240201BHJP
B23C 3/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B23D21/00 510E
B23D21/00 510D
B23C3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122359
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000161998
【氏名又は名称】京葉瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000191397
【氏名又は名称】新和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083183
【弁理士】
【氏名又は名称】西 良久
(72)【発明者】
【氏名】和田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】菊池 光洋
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏輝
【テーマコード(参考)】
3C022
【Fターム(参考)】
3C022AA03
3C022AA08
3C022AA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地中に埋設された古いガス鋼管等を、埋設状態のまま切断し残存したスプリット鋼管を、ポリエチレン管の本管から分岐管を取り出すために部分的に切除する装置に関する。
【解決手段】開閉可能なヒンジ部を外面に突出するように有してスプリット鋼管に外嵌される2分割された円筒体であって、該円筒体の軸線方向に沿って左右離間した位置に形成された一対のガイドレール部と、各ガイドレール部に沿って円筒体に穿設される長孔と、該長孔にそれぞれ設けられて先端が該長孔から円筒体の中央に向かって貫挿されると共に前記長孔の長さ方向に沿って摺動可能に配置され、前記長孔の所望位置でネジ止めされてスプリット鋼管の切り裂き部の幅方向と長さ方向の左右の両端を切り裂き部の内側から拘束する前後一対の拘束杆とからなることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なヒンジ部を外面に突出するように有してスプリット鋼管に外嵌される2分割された円筒体であって、
該円筒体の軸線方向に沿って左右離間した位置に形成されたに一対のガイドレール部と、
各ガイドレール部に沿って円筒体に穿設される長孔と、
該長孔にそれぞれ設けられて先端が該長孔から円筒体の中央に向かって貫挿されると共に前記長孔の長さ方向に沿って摺動可能に配置され、前記長孔の所望位置でネジ止めされてスプリット鋼管の切り裂き部の幅方向と長さ方向の左右の両端を切り裂き部の内側から拘束する前後一対の拘束杆とからなるスプリット鋼管固定工具と、
該スプリット鋼管固定工具のガイドレール部に沿って取り付けられて、円筒体の軸線を中心に回転する管周走行ユニットと、
該管周走行ユニットに取り付けられて、円筒体から外方へ伸びるスプリット鋼管を切断する切削ユニットとからなることを特徴とするスプリット鋼管切除装置。
【請求項2】
スプリット鋼管固定工具は、円筒体の軸線に沿って左右の端面にフランジを有し、
前記各フランジと該フランジに近接したヒンジ部と拘束杆の突出部分とにより所定幅のガイドレール部とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプリット鋼管切除装置。
【請求項3】
スプリット鋼管固定工具が,
開閉可能なヒンジ部を外面に突出するように有してスプリット鋼管に外嵌される円筒体であって、該円筒体の軸線に沿って左右の端面にフランジを有し、
該フランジと同心状で所定の間隔を隔てて円筒体に穿設される左右一対の長孔と、
該長孔毎にそれぞれ設けられて先端が該長孔から円筒体の中央に向かって貫挿されると共に前記長孔の長さ方向に沿って摺動可能に配置され、前記長孔の所望位置でネジ止めされる拘束杆とからなると共に、
前記各フランジと該フランジに近接したヒンジ部と長孔から外方へ突出する拘束杆とにより形成された所定幅のガイドレール部とが形成されており、
前記円筒体の軸線の長手方向の左右両端であって、各端部で前記軸線を中心とした周方向の前後に設けた4つの拘束杆でスプリット鋼管の切り裂き部の幅方向と長さ方向の左右の両端を切り裂き部の内側から拘束してなることを特徴とする請求項1または2に記載のスプリット鋼管切除装置。
【請求項4】
円筒部に沿って左右両端が切除されたスプリット鋼管は、プーラー装置で本管から引き剥がすことを特徴とする請求項1に記載のスプリット鋼管切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された古いガス鋼管等を、埋設状態のまま断面C状に切断した状態で残存したスプリット鋼管を、ポリエチレン管の本管(PE管)から分岐管を取り出すために部分的に切除する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特開平10-230409号の縦割り管の切断工具では、円筒状体の中央に周方向に延びる切欠部を備え、この切欠部を切断部に向けて縦割り管をクランプするための分割式のガイドと、このガイドの外周に沿って回転される本体にガイドの切欠部から内部に進入して縦割り管の切断部を切断する切断刃を設けた工具本体とからなることを特徴とする縦割り管の切断工具が提案されている。
しかし、切欠部を備えたガイドと、前記切欠部から内部に進入して切断部を切断する切断刃を備えた工具本体とでは切欠部の範囲内で切断刃による切断が行われるにすぎず、スプリット鋼管中の一定範囲の全周を切断することができない欠点がある。
また、スプリット鋼管の切り裂き端部が波状に切り裂かれている場合には、位置決め用突起では、正確にスプリット鋼管を位置決めすることができない。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、パイプスプリッター工法により更新され施工されたポリエチレン管から分岐する際に、スプリットされた外側の鋼管を切断して除去する装置およびその作業手順に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
開閉可能なヒンジ部を外面に突出するように有してスプリット鋼管に外嵌される2分割された円筒体であって、
該円筒体の軸線方向に沿って左右離間した位置に形成されたに一対のガイドレール部と、
各ガイドレール部に沿って円筒体に穿設される長孔と、
該長孔にそれぞれ設けられて先端が該長孔から円筒体の中央に向かって貫挿されると共に前記長孔の長さ方向に沿って摺動可能に配置され、前記長孔の所望位置でネジ止めされてスプリット鋼管の切り裂き部の幅方向と長さ方向の左右の両端を切り裂き部の内側から拘束する前後一対の拘束杆とからなるスプリット鋼管固定工具と、
該スプリット鋼管固定工具のガイドレール部に沿って取り付けられて、円筒体の軸線を中心に回転する管周走行ユニットと、
該管周走行ユニットに取り付けられて、円筒体から外方へ伸びるスプリット鋼管を切断する切削ユニットとからなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
スプリット鋼管固定工具は、円筒体の軸線に沿って左右の端面にフランジを有し、
前記各フランジと該フランジに近接したヒンジ部と拘束杆の突出部分とにより所定幅のガイドレール部とが形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、
スプリット鋼管固定工具が,
開閉可能なヒンジ部を外面に突出するように有してスプリット鋼管に外嵌される円筒体であって、該円筒体の軸線に沿って左右の端面にフランジを有し、
該フランジと同心状で所定の間隔を隔てて円筒体に穿設される左右一対の長孔と、
該長孔毎にそれぞれ設けられて先端が該長孔から円筒体の中央に向かって貫挿されると共に前記長孔の長さ方向に沿って摺動可能に配置され、前記長孔の所望位置でネジ止めされる拘束杆とからなると共に、
前記各フランジと該フランジに近接したヒンジ部と長孔から外方へ突出する拘束杆とにより形成された所定幅のガイドレール部とが形成されており、
前記円筒体の軸線の長手方向の左右両端であって、各端部で前記軸線を中心とした周方向の前後に設けた4つの拘束杆でスプリット鋼管の切り裂き部の幅方向と長さ方向の左右の両端を切り裂き部の内側から拘束してなることを特徴とする。
請求項4の発明では、
円筒部に沿って左右両端が切除されたスプリット鋼管は、プーラー装置で本管から引き剥がすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、ポリエチレンの本管から分岐取り出し工事を行う際に、スプリット鋼管を分岐部分に対応する個所を切除する際に、スプリット鋼管固定工具を用いることで、スプリット鋼管固定工具の円筒体に管周走行ユニットを取り付け、前記円筒体から外方へ伸びるスプリット鋼管を円筒体の前後で切断することで、容易に切除作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】スプリット鋼管の切り裂き部を拘束して位置決めした状態の説明図である。
【
図5】スプリット鋼管固定に一例を示す工具管周走行ユニットを取り付けた状態の側面図である。
【
図6】工具管周走行ユニットに切削ユニットの一例を装着した状態の説明図である。
【
図7】プーラーでスプリット鋼管の一部を?離する一例を示す説明図である。
【
図8】本管の分岐部分を覆うスプリット鋼管を切除した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下にこの発明のスプリット鋼管切除装置の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例0010】
スプリット鋼管切除装置100は、スプリット鋼管固定工具1と、管周走行ユニット20と切削ユニット30とからなり、スプリット鋼管固定工具1の円筒部に沿って左右両端が切除されたスプリット鋼管は、プーラー装置40でPE管からなる本管P2から引き剥がすことができる。
【0011】
スプリット鋼管固定工具1は、
図1から
図3に示すように、開閉可能なヒンジ部2を外面に突出するように有してスプリット鋼管P1に外嵌可能な2分割された円筒体3からなっている。
該円筒体3の外周で軸線方向に沿って左右離間した位置に一対の凹状のガイドレール部4が形成されている。
該ガイドレール部4は、連続する凹溝であってもよいが、後述のように実質的に略同一幅の凹部が円筒体3に沿って部分的に形成されて、チエンなどの突部を掛止めることができるものであればよい。
【0012】
本実施例では、円筒体3は、一対の断面半円弧形状の構成体3A,3Bを組み合わせてスプリット鋼管P1を隙間を隔てて外嵌しうる大きさの径の円筒形状となっている。
また、円筒体3の軸線方向の左右両側には各構成体3A,3Bに略半円弧状のフランジ構成片F、Fが設けられており、円筒体3に形成した際に円筒体3の開口の外方に延びる円形のフランジF’となるように形成されている。
【0013】
また、各構成体3A、3Bはそれぞれに設けたヒンジ片部2によって分離、連結可能になっている。
図示例では、該ヒンジ片部2Aは円筒体3の外方に装着されており、前記構成体3A、3Bを対向して重ね合わせた際に、構成体3A、3B間のいずれか一方(図示例では3A)の外面に固定される枢着部2aと、枢着部2aに基端が枢着されたロック片2bと、前記構成体3Aと対向する構成体3Bに設けられて、前記枢着部2aに対峙し、前記ロック片2bの先端側を掛止める受部2cとからなっており、左右のフランジF’に沿ってそれぞれ設けられている。
【0014】
また、円筒体3には、どちらか一方の構成体(図示例では枢着部2aが形成された構成体3A側に、フランジ構成片Fに沿って平行に延びると共に所望間隔(一例で約10度から20度の長さを隔てて一対の長孔5(一例で各20~30度に延びる長さ)が、それぞれ軸線方向の左右のフランジF’に沿って穿設されている。
図示例では、一対の長孔5,5は同一の構成体3Aに配置したが、長孔5,5は別々の構成体3A、3Bにそれぞれ設けてもよい。
【0015】
この長孔5には、長孔5から円筒体3の略中央方向に向かって略放射状に貫挿されると共に、前記長孔5の長さ方向に沿って摺動可能に配置される拘束杆6が貫挿されている。
従って、図示例では、拘束杆6は、軸線方向の一側側で前後に2つ、軸線方向の他側側で前後に2つ、合計で4つ配置されている(
図1参照)。
また、前記拘束杆6は、ナット部6aが長孔5から外方に突出しており、ねじ部6bが円筒体3の内部に侵入している(
図3参照)。
【0016】
そのため、拘束杆6は、その先端が、スプリット鋼管P1の切り裂き部Sの近接する端部に接触して、該衝合位置でナット部6aを緊締して拘束杆6の位置を固定する。
同様に、前記切り裂き部Sに対向する個所の円筒体3に、幅方向に2つのネジ孔が穿設され、位置決めボルト7を所望位置に螺進退可能に取り付けており、円筒体3内のスプリット鋼管P1を拘束杆6の反対方向からその鋼管P1の頂を動かないように位置決めする位置決めボルト7が設けられている。
上記位置決めボルト7は、それぞれの拘束杆6に対応して4つ設けてもよい。
このようにして、スプリット鋼管P1の切り裂き部で、円筒体3の長さ方向の両端近傍位置で4本の拘束杆6および位置決めボルト7とによって切り裂き部の個所を拘束することができる。
【0017】
そして、本実施例では、フランジ(フランジ構成片)Fを一面とし、ヒンジ片部2と、拘束杆6のナット部6aが円筒体3の外面に突出しており、ガイドレール部4を形成して、スプリット鋼管固定工具1に後述の管周走行ユニット20により捲回される一対のチェン21を左右にずれないように位置決めしている。
【0018】
上記のように構成されたスプリット鋼管固定工具1に対して、ガイドレール部4に沿って取り付けられて、円筒体3の軸線を中心に回転する管周走行ユニット20は、鋼管P1を切断する公知構成を用いることができる。
【0019】
例えば、特開2015-435の管体切断装置では、
図6に示すように、管体を切断する構造が開示されており、切断する管体に管体切断装置を用いているが、本発明では、管体に代えてスプリット鋼管固定工具1の円筒体3にチエン21を介して管体切断装置となる管周走行ユニット20を装着し、円筒体3から外方へ延びるスプリット鋼管P1を切断する構成に適用することができる。
【0020】
即ち、この管周走行ユニット20では、管体の軸心を中心にした周方向に外嵌し、管体の外周壁を挟圧して固定される環状枠体としての円筒体3に設けられて管体の外周面と同心円形状に形成されたガイドレール部4に摺動自在に掛止められる構造からなっており、ガイドレール部4に沿って円筒体3の外周壁上を周回する回転装置と、該回転装置に着脱自在に連結されて、管体(スプリット鋼管)P1の外周壁を切断する切削具を有する切削ユニット30と、該切削ユニット30に設けられて、前記切削具を管体の外周壁に離間した位置から外周壁に穿孔する位置まで移動させる深度調整手段とを備え、前記回転装置が、円筒体3の外周壁に捲回されるチエン21と、該チエン21に噛合するスプロケットと、該スプロケットを回転駆動させる回転軸と、該回転軸をチエン緊張方向に移動させる昇降軸とを備え、チエン21を緊張させた状態で、チエン21に沿って回転装置を管体の外周壁に沿って周回させた構造となっている。
また、特開2017-87343の外管切断装置でもほぼ同様である。
【0021】
前述のように管体を円筒体3とし、円筒体3に設けられたガイドレール部4にチエン21を捲回して用いることで切削ユニット30で円筒体3から左右の外方へ延びるスプリット鋼管P1の前後に一対の切断を行うことができる。
【0022】
また、このようにして円筒部3に沿って左右両端が切除されたスプリット鋼管P1は、プーラー装置40で本管P2から引き剥がすことができる(
図7参照)。
プーラー装置40は、例えば特開2015-178137の非開削工法による既設管の拡径方法およびそれに使用する拡開工具などが用いられる。
上記拡開工具は、中央に設けられ外周にねじを有する支軸部と、該支軸部と交差して伸びると共に中央で支軸部に螺合して支軸部に沿って昇降可能な昇降アームと、該昇降アームに枢着されると共に先端に既設管の割れ目の開口に沿った対向する縁部に掛止められる爪部を有する作動アームとからなっている。
上記拡開力を強めるために公知の2本爪の油圧プーラーの構造を用いることが好ましい。
【0023】
[スプリット鋼管切除方法(作業手順)]
(1)鋼管切断
スプリット鋼管固定工具1の配置
スプリットされた外側の鋼管P1に、対象口径に合うスプリット鋼管固定工具1を切断位置に合わせてのせる。その際に、切断位置は工具1端面から約5cm工具1内面に取り付けられている4本の拘束杆6が円筒体3の下側になるように配置する。
(2)スプリット鋼管固定工具1の固定
工具1側面の2本の拘束杆6を締めて、スプリット鋼管固定工具1を固定する。
【0024】
(3)スプリット鋼管固定工具1の位置調整(下側)
スプリット鋼管固定工具1の内面に取り付けられている4本の拘束杆6を円周方向に引き、鋼管P1のスプリット切断面である切り裂く部Sに密着させながら下側の拘束杆6のナット部6aを固定する。
そして、4本の拘束杆6のすべてが鋼管P1の切り裂き部Sの断面に密着するように固定する。
【0025】
(4)スプリット鋼管固定工具1の位置調整
スプリット鋼管固定工具1の上面に取り付けられている4本の位置決めボルト7のナットを締めて、工具1がスプリット鋼管P1と平行に、且つ該鋼管P1と工具1の離隔が全周でほぼ一定となるように調整する。
(5)スプリット鋼管P1とスプリット鋼管固定工具1の離隔が全周でほぼ一定になっていることの位置を確認する。
【0026】
(6)管周走行ユニットの装着
スプリット鋼管固定工具1のガイドレール部4に管周走行ユニット20のガイドを差し込み、ユニット20を上にのせる。
管周走行ユニット20は動いてしまうので、ユニット上部のハンドルを回してロックする。
【0027】
(7)管周走行ユニットのチェーン連結
管周走行ユニット20の2本のチェン21をスプリット鋼管固定工具1の外側に這わせて連結する。
(8)管周走行ユニットの固定
管周走行ユニット20上部の四角キーにハンドルを取り付け、ハンドルを回して締め込み2本のチェン21を固定する。
(9)管周走行ユニット20の動作確認
管周走行ユニット20の側面の四角キーにハンドルを付け替え、ハンドルを回してユニット20が、円筒体3の外周に沿って1周することを確認する。
【0028】
(10)切削ユニットの移動(開始位置に移動)
切削ユニット30を管周走行ユニット20の側面側に装着し、管周走行ユニット20の固定レバーにて固定する。
切削ユニット30の油圧ユニットに油圧ホースを接続する(図示省略)。
【0029】
(11)切削ユニットの移動(開始位置に移動)
管周走行ユニット20をスプリット鋼管P1の切断面Sまで移動する。
切削ユニット30の上部のエンドミル深さ調整ハンドルを回してエンドミルを鋼管切断開始位置に当てる。
【0030】
(12)鋼管切断(1個所目)
前記油圧ユニットのスイッチをONにする。
管周走行ユニット20の側面の四角キーのハンドルを回して、鋼管P1を切断する。
エンドミル深さをハンドルで調整しながら切断する。
(13)鋼管切断(2個所目)
1個所目の鋼管P1の切断が完了したら油圧ユニットのスイッチをOFFにする。
スプリット鋼管固定工具(1)を2個所目の切断位置に合わせて同様の手順で2個所目を切断する。
(14) 切断完了
二個所目の切断が完了したら油圧ユニットのスイッチをOFFにして、取り付けの際と逆の手順にて切削ユニット30、管周走行ユニット20、スプリット鋼管固定工具1をそれぞれ取り外す。
【0031】
(15)切断されたスプリット鋼管の除去には、一例として、油圧プーラー装置を用いることができる。
油圧プーラー装置40は、油圧プーラー本体41と図示省略の油圧ポンプの油圧ホース42にて接続する。
(16)油圧プーラー装置の設置
油圧プーラー本体41の2本のアームの爪を鋼管P1のスプリットの切断面(切り裂き部)Sに引っかけて、油圧シリンダーを鋼管P1の中心に合わせる。
付属のラチェットレンチを使用して押し込み装置を押し下げて油圧プーラー本体41を鋼管P1に固定する。
(17)鋼管の切り裂き部の拡径
【0032】
油圧ポンプのバーを上下に動かすことで、油圧シリンダーが伸びて、鋼管P1が徐々に横に開く。
鋼管P1のスプリット切断面Sの幅が、インサーションされているPE管P2の外径以上となっていることを確認する。
(19)鋼管P1の除去
油圧プーラー本体41ごと鋼管P1の切除部分Sを上に引き上げ、鋼管P1をPE管P2から除去する。
これにより、
図8に示すように、PE管P2に分岐管を取り付けることができる。
上記実施例で拘束杆は、上部がネジとなりナットで緊締できる構成からなり、下部はネジでなく棒状や、筒状であることが好ましいが、全体がネジであってもよい。
これは切り裂き端部が平面状でなく波打っている面である場合に、拘束しやすいからである。
また、位置決めボルトは、全体がボルト・ナットの構造となっているが、拘束杆と同様の構造であってもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。