(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018819
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】飲料用演出グラス
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20240201BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240201BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A47G19/22 S
G09F9/00 313
G09F9/00 359
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022130288
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
2H199
3B001
5G435
【Fターム(参考)】
2H199DA06
2H199DA13
2H199DA16
2H199DA41
3B001AA02
3B001CC02
3B001CC35
3B001CC40
5G435AA00
5G435CC11
5G435EE50
5G435FF03
5G435FF13
5G435GG08
5G435GG09
5G435LL00
(57)【要約】
【課題】 本発明は一台の映像表示装置のみを用いて奥行を有する3次元画像をグラス側面に投射する飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の飲料用演出グラスは上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、前記グラス本体に映像表示装置を固定するための固定機構と、前記映像表示装置の画像を制御するための画像制御部と、前記グラス本体の側面に設けた透明部と、前記グラス本体の内部に配置される第一反射鏡と、前記グラス本体の内部に配置される光透過性を有する第二反射鏡とを備え、前記第二反射鏡はその反射面を前記グラス本体の底面側に向けた状態で前記グラス本体内に固定されており、前記画像制御部は前記映像表示面の下部エリアに前記第一画像を表示し、前記画像制御部は前記映像表示面の上部エリアに前記第二画像を表示することを特徴とする飲料用演出グラス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
前記グラス本体の側面に映像表示装置を固定するための固定機構と、
前記グラス本体の側面に設けた第一透明部と、
前記グラス本体の側面に設けた第二透明部と、
前記グラス本体の内部に配置される第一反射鏡と、
前記グラス本体の内部に配置される光透過性を有する第二反射鏡と
を備え、
前記第一反射鏡は前記映像表示装置の映像表示面に対して傾斜した状態で前記グラス本体内に固定されており、
前記第二反射鏡は前記映像表示装置の映像表示面に対して傾斜した状態で前記グラス本体内に固定されており、
前記第二反射鏡は前記第一反射鏡と前記上部開口の間の空間に固定されており、
前記第二反射鏡はその反射面を前記グラス本体の底面側又は前記第一反射鏡側に向けた状態で前記グラス本体内に固定されており、
前記第二透明部は前記第二反射鏡を挟んで前記第一透明部と対向して配置されており、
前記グラス本体内の飲料と前記第一透明部を透過した前記映像表示装置の映像表示面の上部エリアからの投射光は前記第二反射鏡を透過した後に前記第二透明部に至り、
前記グラス本体内の飲料と前記第一透明部を透過した前記映像表示装置の映像表示面の下部エリアからの投射光は前記第一反射鏡により前記第二反射鏡の方向に反射し、
前記第一反射鏡で反射した前記下部エリアからの投射光は前記第二反射鏡にて前記第二透明部に向けて反射し、
ユーザーは前記第二透明部越しに前記上部エリアから投射された像と前記下部エリアから投射された像の合成像を視認することを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記映像表示装置の映像表示面に表示する画像を制御するための画像制御部を備え、
前記下部エリアに第一画像を表示し、
前記上部エリアに第二画像を表示し、
ユーザーは前記第二透明部越しに前記第一画像と前記第二画像の合成像を視認することを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記第一反射鏡又は前記第二反射鏡は前記グラス本体と脱着可能な構成になっており、
前記グラス本体の側面は全て透明であることを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項4】
前記画像制御部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項5】
前記第一反射鏡と前記第二反射鏡の距離が変更可能なことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【請求項6】
光が透過しない材料から成る板状の遮光板を備え、
前記遮光板により前記第一透明部の一部を覆うことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一台の映像表示装置のみを用いて飲料用グラス側面に奥行を有した3次元映像を投影する飲料用演出グラスに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス本体内部に配置された反射鏡を備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス本体内部に配置されたビームスプリッターを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6488049号
【特許文献2】特許第6528162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1及び上記特許文献2には一台の映像表示装置又は一枚の映像表示面のみを用いて奥行を有する3次元画像をグラス側面に投射する事が出来ないという問題を有する。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、一台の映像表示装置又は一枚の映像表示面のみを用いて奥行を有する3次元画像をグラス側面に投射する事が出来る飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、前記グラス本体の側面に映像表示装置を固定するための固定機構と、前記グラス本体の側面に設けた第一透明部と、前記グラス本体の側面に設けた第二透明部と、前記グラス本体の内部に配置される第一反射鏡と、前記グラス本体の内部に配置される光透過性を有する第二反射鏡とを備え、前記第一反射鏡は前記映像表示装置の映像表示面に対して傾斜した状態で前記グラス本体内に固定されており、前記第二反射鏡は前記映像表示装置の映像表示面に対して傾斜した状態で前記グラス本体内に固定されており、前記第二反射鏡は前記第一反射鏡と前記上部開口の間の空間に固定されており、前記第二反射鏡はその反射面を前記グラス本体の底面側又は前記第一反射鏡側に向けた状態で前記グラス本体内に固定されており、前記第二透明部は前記第二反射鏡を挟んで前記第一透明部と対向して配置されており、前記グラス本体内の飲料と前記第一透明部を透過した前記映像表示装置の映像表示面の上部エリアからの投射光は前記第二反射鏡を透過した後に前記第二透明部に至り、前記グラス本体内の飲料と前記第一透明部を透過した前記映像表示装置の映像表示面の下部エリアからの投射光は前記第一反射鏡により前記第二反射鏡の方向に反射し、前記第一反射鏡で反射した前記下部エリアからの投射光は前記第二反射鏡にて前記第二透明部に向けて反射し、ユーザーは前記第二透明部越しに前記上部エリアから投射された像と前記下部エリアから投射された像の合成像を視認することを特徴とする。
また、前記映像表示装置の映像表示面に表示する画像を制御するための画像制御部を備え、前記画像制御部は前記下部エリアに第一画像を表示し、前記画像制御部は前記上部エリアに第二画像を表示し、ユーザーは前記第二透明部越しに前記第一画像と前記第二画像の合成像を視認することを特徴とする
また、前記第一反射鏡又は前記第二反射鏡は前記グラス本体と脱着可能な構成になっており、前記グラス本体の側面は全て透明であることを特徴とする。
また、前記画像制御部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする。
また、前記第一反射鏡と前記第二反射鏡の距離が変更可能なことを特徴とする。
また、光が透過しない材料から成る板状の遮光板を備え、前記遮光板により前記第一透明部の一部を覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用演出グラス(又は飲料用演出グラスシステム)は、一台の映像表示装置のみ又は一枚の映像表示面のみを用いてその映像表示面の上部エリアの画像と下部エリアの画像の合成像(奥行を有する立体画像)をグラス本体側面のエリアに投射する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図
【
図2】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す断面図
【
図3】第一透明部の一部を覆う遮光版を備えた飲料用演出グラスを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用演出グラスの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1に示すように、飲料用演出グラス1は上部開口11を有する有底の筒状体であるグラス本体10と、グラス本体10の中心(より厳密には第二反射鏡31)を挟んで互いに対向するようにグラス本体10の側面に設けた第一透明部12と第一透明部13、映像表示装置80をグラス本体10の側面に固定する固定機構15と、映像表示装置80の映像表示面81に表示する画像を制御するための画像制御部100と、グラス本体10の内部に配置される第一反射鏡30と、グラス本体10の内部に配置される光透過性を有する第二反射鏡31とから概略構成される。
グラス本体10は上部開口11を有する有底の筒状体である。グラス本体10の形状の例としては、
図1のような水平方向に湾曲した通常のコップ型の形状、取っ手を備えるビールジョッキ型が挙げられる。グラス本体10の材質としてはガラスや樹脂等が挙げられる。グラス本体10内部には飲料Lが充填される。グラス本体側面は全て透明でも良い。
固定機構15は映像表示装置80をグラス本体10に固定するための固定機構であり、
図1や
図2の例では固定機構15としてグラス本体10に設けられた格納部を用いている。固定機構15は映像表示装置80をグラス本体10に固定さえ出来ればどのような種類の固定機構を用いても良く、固定機構15はネジ機構や吸盤機構等を用いても良い。
第一透明部12は映像表示装置80の映像表示面81に表示された画像をグラス本体10内部へ透過させるためにグラス本体10の側面(より厳密にはグラス本体10側面の映像表示装置80又は固定機構15に面する側)に設けられた透明なエリアである。第一透明部12の素材としては透明なガラスやアクリル等の透明な樹脂が挙げられる。
画像制御部100は映像表示装置80の映像表示面81に表示する画像を制御するために用いられ、画像制御部100は映像表示装置80の映像表示面81の下部エリア82に第一画像91を表示し、映像表示面81の上部エリア83に第二画像92を表示する。画像制御部100は専用ICやASIC等の形態でグラス本体10の底面や映像表示装置80の筐体内部に埋め込まれていても良い。また、コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムとして映像表示装置80の筐体の内部又は外部のコンピュータに実装されていても良い。極端な話、画像制御部100は遠隔地のサーバーコンピュータ内にクラウドソフトウェアやASPとして実装されていても構わない。画像制御部100はその内部に第一画像91と第二画像92及び上部エリア83と下部エリア82の映像表示面81内の座標データを保存するコンピュータメモリを備えても良い。
第一反射鏡30はグラス本体10の内部に配置され、
図1のように映像表示面81の下部エリア82からの投射光(又は下部エリア82に表示されている第一画像91)をグラス本体10の上部開口11の方向(より厳密には第二反射鏡31の方向)に向けて反射するために用いられる。
第二反射鏡31は第一反射鏡30にて反射された映像表示面81の下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)を第二透明部13方向に向けて反射すると同時に映像表示面81の上部エリア83からの投射光(又は第二画像92)をグラス本体10側面の第二透明部13方向に透過させるために光透過性を有した反射鏡(つまりビームスプリッターやハーフミラー等)であり、グラス本体10の内部に配置される。第二反射鏡31は第一反射鏡30と上部開口11の間の空間に固定される。なお、第一反射鏡30にて反射された下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)をグラス側面(第二透明部13)へ反射する都合上、第二反射鏡31はその反射面をグラス本体10の底面側または第一反射鏡30側に向けた状態でグラス本体10内に配置または固定されてなければならない。
第二透明部13はユーザーUが第一反射鏡30と第二反射鏡31を反射した下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)と上部エリア83からの投射光(第二画像92)の合成像90を視認するためにグラス本体10の側面に設けられた透明なエリアである。第一透明部12の素材としては透明なガラスやアクリル等の透明な樹脂が挙げられる。第二透明部13は第二反射鏡31を挟んで第一透明部12と(互いに)対向して配置されているため、
図1のようにユーザーUは第二透明部13越しに(或いは第二透明部13を介して)下部エリア82からの投射された像(又は第一画像91)と上部エリア83からの投射された像(又は第二画像92)の合成像90を視認することが可能である。
【0010】
以下に、第一反射鏡30について補足説明する。
第一反射鏡30はグラス本体10の内部に配置され、映像表示面81の下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)をグラス本体10の第二反射鏡31の方向(上部開口11の方向)に向けて反射するために用いられる。なお、
図1の第一画像91から伸びる破線矢印は第一画像91の光路P1のイメージを説明のため図示した物である。
図1や
図2の光路P1のように映像表示面81の下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)は第一透明部12とグラス本体10内の飲料Lを透過した後に第一反射鏡30により上部開口11(又は第二反射鏡31)の方向に反射し、その後、その下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)は第二反射鏡31(より厳密には第二反射鏡31の下面側)で反射した後に第二透明部13(グラス本体10側面)に至る。
第一反射鏡30は第一画像91を第二反射鏡31方向に反射するために
図2のように映像表示面81(又は第一透明部12)に対して傾斜した状態でグラス本体10内部に固定される。なお、入射角と反射角が等しいという光学の基本法則により映像表示面81と第一反射鏡30とのなす角a1が45度の時、第一画像91は縦方向に(潰れて)歪まないで正確な形状を維持したまま第二反射鏡31(又は上部開口11)方向に投影される。そのため画質の観点からは映像表示面81(又は第一透明部12)と第一反射鏡30とのなす角a1は約45度が望ましい。
第一反射鏡30の例としてはステンレスやアルミ等を用いた通常の鏡又は金属鏡が考えられるが、ビームスプリッターやハーフミラー等の半透明の鏡を用いても良い。
なお、当たり前の話であるが、第一反射鏡30はその反射面を第二反射鏡31方向(又は上部開口11方向)に向けた状態でグラス本体10内に固定されている。
【0011】
以下に、第二反射鏡31について補足説明する。
第二反射鏡31は第一反射鏡30と上部開口11の間の空間に固定又は配置され、
図1のように映像表示装置80の映像表示面81の上部エリア83からの投射光(又は第二画像92)を第二透明部13方向に透過させると同時に、第一反射鏡30にて反射した下部エリア82からの投射光(又は第一画像91)を第二透明部13方向に向けて反射するために用いられる。なお、
図1の第二画像92から伸びる破線矢印は第二画像92の光路P2のイメージを説明のため図示した物である。
図1や
図2の光路P2のように映像表示面81の上部エリア83からの投射光(又は第二画像92)は第一透明部12とグラス本体10内の飲料Lとを透過した後に第二反射鏡31を透過して第二透明部13に至る。
なお、本発明における飲料用演出グラス1では、第二反射鏡31は第一反射鏡30方向から投射される光(第一画像91)を第二透明部13方向に向けて反射するために、必ず、第二反射鏡31はその反射面をグラス本体10の底面側又は第一反射鏡30側に向けた状態でグラス本体10内に配置または固定されてなければならない。
第二反射鏡31は第一画像91を第二透明部13方向に反射するために
図2のように映像表示面81(又は第一透明部12)に対して傾斜した状態でグラス本体10内部に固定される(より厳密には第二反射鏡31は反射面を下面に向けた状態で且つ映像表示面81に対して傾斜した状態でグラス本体10の内部に固定される)。なお、入射角と反射角が等しいという光学の基本法則により映像表示面81と第二反射鏡31とのなす角a2が45度の時、第二画像92は縦方向に(潰れて)歪まないで正確な形状を維持したまま第二透明部13方向に投影される。そのため画質の観点からは映像表示面81(又は第一透明部12)と第二反射鏡31とのなす角a2は約45度が望ましい。第二反射鏡31は第一画像91を透過させる必要があるため光透過性を有する必要が有る。第二反射鏡31の例としてはハーフミラーや適度に光を通す偏向ミラー等が考えられる。また、0.1mmオーダー程度の網目の入ったメッシュ状の金属のシートを第二反射鏡31として用いても構わない。
第二反射鏡31は第一反射鏡30と上部開口11の間の空間に固定されており且つ光透過性を有しているため、ユーザーUは
図1のように第二透明部13越しに上部エリア83からの投射された像(又は第二画像92と下部エリア82からの投射された像(又は第一画像91或いは第一画像91)との合成像90を視認する事が可能である。別の言い方をすれば、本発明における飲料用演出グラス1では上部エリア83からの透過像と下部エリア82からの反射像の合成像90をユーザーUは第二透明部13越しに視認出来る。
【0012】
本発明の飲料用演出グラス1で第一反射鏡30と第二反射鏡31の距離dを意図的に長くすることにより第二画像92と第一画像91の物理的な投射光路の長さの差を長くすることが可能なため、距離dを変更することにより第二透明部13に投影される合成像90の立体感(つまり第二画像92と第一画像91間のユーザーUから見える視覚的な奥行)を変更する事が出来る。そのため距離dを変更可能にした飲料用演出グラス1を用いることでユーザーUは合成像90の立体感または奥行を調整することが可能になる。
なお、第一反射鏡30と第二反射鏡31を映像表示面81に対して傾斜させた状態でグラス本体10内部に固定する方法はネジやフック機構や熱溶着固定方法が考えられる。
また、第一反射鏡30又は第二反射鏡31を着脱可能にすることにより合成像90内の第一画像91の表示と非表示のON-OFFを切り替え可能にしても良い。
【0013】
図3のように光が透過しない材料(又は素材)から成る板状の遮光板50(又は遮光シート)を以って第一透明部12の一部だけを覆うことにより合成像90内の第二画像92と第一画像91の一部分を第二透明部13に投影されないようにしても良い(つまり遮光板50で第一透明部12の一部だけを覆うことにより第二透明部13に投影される合成像90内の第一画像91又は第二画像92の一部又は全部を非表示にしても良い)。なお、遮光板50(又は遮光シート)は
図3のように映像表示装置80(映像表示面81)と第一透明部12の間に配置するか或い、第一透明部12にシールや接着剤などで貼り付ける事によりグラス本体第一透明部12の一部を覆うようにすると良い。
なお、遮光板50の表面の色を変更することにより合成像90内の第二画像92と第一画像91の一部をその色でマスキングすることも可能である。例えば遮光板50の表面の色を赤色にした場合、合成像90内の第二画像92と第一画像91の一部を赤色でマスキングすることが出来る。
また、遮光板50のサイズには特に制限が無い。
また、遮光板50の第一透明部12の貼り付け位置にも特に制限は無い。
また、遮光板50は軽量化の観点から板状又はシート状の形状が望ましい。
【0014】
本発明の飲料用演出グラス1は第二透明部13に投影される合成像90の縦方向の縮尺を映像表示面81と第一反射鏡30とのなす角a1又は映像表示面81と第二反射鏡31とのなす角a2を調整することにより変更できる。例えば、
図2において、なす角a1を45度よりも小さくすることによりユーザーUが(第二透明部13越しに見える)合成像90の第一画像91部分の縦方向の長さを圧縮又は短くすることが出来る。
なお、グラスのデザイン制約上(例えばグラス本体10の径が小さいため等)なす角a1を45度よりも小さくせざるを得ない場合で且つ合成像90の第一画像91部分の縦方向の長さを圧縮又は短くしたくない場合は、画像制御部100側で意図的に第一画像91を縦方向に伸張した状態で表示することによりなす角a1を45度に傾斜させた場合と同じく合成像90内の第一画像91を縦方向の歪み(伸長)が無くすことが出来る(つまり、画像制御部100側で意図的に第一画像91や第二画像92を伸張又は圧縮することにより、なす角a1やなす角a2が45度から大きく乖離した場合の合成像90の縦方向の伸張歪みをキャンセルすることが可能である)。
また、なす角a1を45度よりも小さくすることにより合成像90に合成される第一画像91の一部しか第二透明部13に反射されないようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、一台の映像表示装置のみ又は一枚の映像表示面のみを用いてユーザーに近い側の画像とユーザーに遠い側の画像から構成される奥行を有する3次元立体画像をグラス側面に投射する事が出来る。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0016】
U ユーザー
L 飲料(液体)
P1 光路
P2 光路
a1 なす角(第一反射鏡と映像表示面とのなす角)
a2 なす角(第二反射鏡と映像表示面とのなす角)
d 距離(第一反射鏡と第二反射鏡の距離)
1 飲料用演出グラス
10 グラス本体
11 上部開口
12 第一透明部
13 第二透明部
15 固定機構
30 第一反射鏡
31 第二反射鏡
50 遮光板(遮光シート)
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 下部エリア
83 上部エリア
90 合成像
91 第一画像
92 第二画像
100 画像制御部