(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018820
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】音声告知システム及び音声告知装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240201BHJP
H04M 3/487 20060101ALI20240201BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240201BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
H04M3/487
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022130289
(22)【出願日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】512065591
【氏名又は名称】株式会社フューチャー・ブレイン
(72)【発明者】
【氏名】萬屋 菊洋
【テーマコード(参考)】
5E555
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA46
5E555AA56
5E555AA71
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC17
5E555BD01
5E555CA17
5E555CA44
5E555CA45
5E555CA46
5E555CA47
5E555CB20
5E555CB44
5E555CB58
5E555CB64
5E555CB69
5E555CB81
5E555CB82
5E555DA23
5E555DD07
5E555DD08
5E555EA05
5E555EA23
5E555FA00
5K201BA06
5K201CB13
5K201CC04
5K201CC08
5K201DC07
5K201EC06
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 リアルタイムに変化する特定の目的に特化された情報をそのような情報を必要とするユーザに対し簡便かつ効果的に提供しうる音声告知システム及び音声告知装置に関する。
【解決手段】 送信側端末装置とユーザの近傍に配置された受信側端末装置とが通信回線及びクラウドサーバを介して通信可能に構成された特定情報の告知システム又は装置において、前記特定情報は、時々刻々変化する情報であって、科目別に細分類化されたカテゴリー毎に、前記送信側端末装置において音声又は文字入力手段により入力され、前記クラウドサーバに格納、蓄積され、前記受信側端末装置と前記クラウドサーバとの通信は、1Mbps以下の通信速度により随時又は間欠的にアクセスが行われ、前記受信側端末装置からの随時又は間欠的アクセスにより前記クラウドサーバに格納、蓄積された前記特定情報が、前記受信側端末装置へダウンロードされ、ダウンロードされた前記特定情報が音声情報として前記ユーザへ伝達されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側端末装置とユーザの近傍に配置された受信側端末装置とが通信回線及びクラウドサーバを介して通信可能に構成された特定情報の告知システム又は装置において、
前記特定情報は、時々刻々変化する情報であって、科目別に細分類化されたカテゴリー毎に、前記送信側端末装置において音声又は文字入力手段により入力され、前記クラウドサーバに格納、蓄積され、
前記受信側端末装置と前記クラウドサーバとの通信は、1Mbps以下の通信速度により随時又は間欠的にアクセスが行われ、
前記受信側端末装置からの随時又は間欠的アクセスにより前記クラウドサーバに格納、蓄積された前記特定情報が、前記受信側端末装置へダウンロードされ、
ダウンロードされた前記特定情報が音声情報として前記ユーザへ伝達されることを特徴とする告知システム又は装置。
【請求項2】
前記特定情報のカテゴリーは、前記ユーザの要望及び利用目的に応じて年齢、性別、趣味・嗜好、病歴・持病、職業、国籍(言語)を含むユーザ固有情報を条件として予め選定されることを特徴とする請求項1記載の告知システム又は装置。
【請求項3】
前記受信側端末装置により選択された前記特定情報のカテゴリーは、前記ユーザのダウンロードアクセス頻度、前記カテゴリーの種類を記憶、学習することにより随時修正又は変更されることを特徴とする請求項2記載の告知システム又は装置。
【請求項4】
前記受信端末装置は、ユーザボタンを具備しており、
前記ユーザボタンは、前記特定情報に応じて所定のユーザ要望をオン・オフ信号により前記クラウドサーバへ発信し得るように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の告知システム又は装置。
【請求項5】
前記受信端末装置は、位置センサ、人感・気象センサ、動きセンサ又はバイタルセンサのいずれかを含むセンサ手段を具備しており、
前記センサ手段によるユーザの利用環境情報が随時、間欠的に前記クラウドサーバへ発信し得るように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の告知システム又は装置。
【請求項6】
前記受信側端末装置による特定情報の選択されたカテゴリー、ダウンロード回数及び前記ユーザボタンの応答回数により前記特定情報の告知効果を計測することを特徴とする請求項4記載の告知システム又は装置。
【請求項7】
前記クラウドサーバ上には前記特定情報の各カテゴリーに関連した関連情報データベースが具備されており、
前記受信側端末装置による特定情報のダウンロードに応じて前記関連情報データベースより付随的にダウンロードされることを特徴とする請求項1記載の告知システム又は装置。
【請求項8】
前記受信側端末装置と前記クラウド間の通信は通信速度が1Mbps以下のLPWA(Low Power Wide Area-network)通信により行われることを特徴とする請求項1記載の告知システム又は装置。
【請求項9】
送信側端末装置とユーザの近傍に配置された受信側端末装置とがクラウドサーバを介して通信可能に構成された音声告知システムにおける特定情報の告知方法であって、
前記特定情報が、前記送信側端末装置において音声又は文字入力され前記クラウドサーバに特定情報として格納、蓄積されるステップと、
前記受信側端末装置より前記クラウドサーバへの通信が、1Mbps以下の通信速度により随時又は間欠的にアクセスが行われるステップと、
前記クラウドサーバに格納、蓄積された前記特定情報が、前記受信側端末装置へダウンロードされるステップと、
ダウンロードされた前記特定情報が音声情報として前記ユーザへ伝達されるステップとを含むことを特徴とする特定情報の告知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リアルタイムに変化する特定の目的に特化された情報をそのような情報を必要とするユーザに対し簡便かつ効果的に提供しうる音声告知システム及び音声告知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
株価取引情報、為替取引情報、災害避難情報、熱中症危険情報、スーパー小売店などの特売情報、地域イベント情報などは、時々刻々リアルタイムに変化しており、このような情報は、必要な人々に迅速かつタイムリーに提供する必要がある。従来、このような情報提供は、主に新聞、テレビ、ラジオなどの既存メディアが活用されているが、インターネット、スマートフォンなどデジタルメディア技術の普及に伴い、より迅速に、リアルタイムで情報提供できる環境が整ってきている。
【0003】
しかしながら、多くのメディアは、広範なユーザや消費者を対象としたマスメディアであるためそのような特定情報を必要とする特定ユーザ、地域限定ユーザ、ターゲットユーザでなく、情報が確実に必要な対象者へ伝達されているか、また告知効果が確実にあるものかどうか不明である。
【0004】
例えば、災害情報や緊急避難情報などは、災害が生じた場合や生じる恐れがある場合、それら特定地域の住民等に確実に伝達する必要があるが、テレビ、ラジオなどの公衆マスメディアでは迅速性や適格性に欠けるため、各自治体では、防災行政無線スピーカー(広報スピーカー)や広報カーにより緊急避難情報などを地域住民などに伝達している。しかし、災害発生時や緊急事態下においては聴取条件が極めて悪く、伝わり難いものである。
【0005】
また、スーパーの特売情報などは、チラシなどの紙媒体により伝達され、多くのユーザは、チラシ広告により特売情報を把握し購入品目を選択している。しかし、このようなチラシ広告では、予めチラシデザイン作業、印刷作業、新聞折込作業などの工程が必要となり、多くの手間と時間を要している。それにもかかわらず、特売日の気象条件などで特売品の価格が変動したり、数量が変動したり,特売品の売り切れが生じたりしている。
【0006】
このような不都合を解消する手段として、インターネットを利用してインターネット広告や告知を希望者や対象者に送信するデジタルメディア告知が行われるようになってきている(特許文献1、特許文献2など)。これらインターネット広告には映像、テキストなどの画像表示に加えて音声による広告、告知などを行い、リアルタイムで伝達するように工夫されたものも存在する。
【0007】
しかしながら、このようなインターネット広告、告知システムや端末装置は、殆どがパソコンやスマートフォンを利用するものであり、通信費や端末装置が高額であるばかりでなく、高齢者などが積極的に利用する環境にはない。そのため、高齢者に限らず万人にとってもより簡便な操作により、的確な告知情報をタイムリーに伝達することが望まれている。また、送信側では、データ情報入力の手間ひまを解消し、時々刻々変化する特定情報をできるだけリアルタイムに、それらの情報を必要とする特定のユーザに対し的確に伝達する告知システムや告知装置が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002-366853号公報
【特許文献2】特開2004-348100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、上述の状況に鑑みて提供されるものであって、以下のような音声告知システム及び装置の提供を目的とする。
(1)特定情報を必要とするユーザに対し、必要な特定情報を的確に伝達するシステム及び装置の提供。
(2)ユーザは、複雑な操作なしに必要な特定情報を随時入手しうるようなシステム及び端末装置の提供。
(3)告知・広宣配信操作の簡易化及び告知・広宣効果の確実な伝達(リーチ)による告知・広宣コストの低減及び効率化。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、この発明に係る告知システム又は装置は、送信側端末装置とユーザの近傍に配置された受信側端末装置とが通信回線及びクラウドサーバを介して通信可能に構成された特定情報の告知システム又は装置において、前記特定情報は時々刻々変化する情報であって、科目別に細分類化されたカテゴリー毎に、前記送信側端末装置において音声又は文字入力手段により入力され、前記クラウドサーバに格納、蓄積され、前記受信側端末装置と前記クラウドサーバとの通信は、1Mbps以下の通信速度により随時又は間欠的にアクセスが行われ、前記受信側端末装置からの随時又は間欠的アクセスにより前記クラウドサーバに格納、蓄積された前記特定情報が、前記受信側端末装置へダウンロードされ、ダウンロードされた前記特定情報が音声情報として前記ユーザへ伝達されることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記特定情報のカテゴリーが、前記ユーザの要望及び利用目的に応じて年齢、性別、趣味・嗜好、病歴・持病、職業、国籍(言語)を含むユーザ固有情報を条件として予め選定されるように構成することも可能である。
【0012】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記受信側端末装置により選択された前記特定情報のカテゴリーが、前記ユーザのダウンロードアクセス頻度、前記カテゴリーの種類を記憶、学習することにより随時修正又は変更されるように構成することも可能である。
【0013】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記受信端末装置が、ユーザボタンを具備しており、前記ユーザボタンは、前記特定情報に応じて所定のユーザ要望をオン・オフ信号により前記クラウドサーバへ発信し得るように構成することも可能である。
【0014】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記受信端末装置が、位置センサ、人感・気象センサ、動きセンサ又はバイタルセンサのいずれかを含むセンサ手段を具備しており、前記センサ手段によるユーザの利用環境情報が随時、間欠的に前記クラウドサーバへ発信し得るように構成することも可能である。
【0015】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記受信側端末装置による特定情報の選択されたカテゴリー、ダウンロード回数及び前記ユーザボタンの応答回数により前記特定情報の告知効果を計測するように構成することも可能である。
【0016】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記クラウドサーバ上には前記特定情報の各カテゴリーに関連した関連情報データベースが具備されており、前記受信側端末装置による特定情報のダウンロードに応じて前記関連情報データベースより付随的にダウンロードされるように構成することも可能である。
【0017】
また、この発明に係る告知システム又は装置は、前記受信側端末装置と前記クラウド間の通信は通信速度が1Mbps以下のLPWA(Low Power Wide Area-network)通信により行われるように構成することも可能である。
【0018】
また、この発明に係る告知方法は、送信側端末装置とユーザの近傍に配置された受信側端末装置とがクラウドサーバを介して通信可能に構成された音声告知システムにおける特定情報の告知方法であって、前記特定情報が、前記送信側端末装置において音声又は文字入力され前記クラウドサーバに特定情報として格納、蓄積されるステップと、前記受信側端末装置より前記クラウドサーバへの通信が、1Mbps以下の通信速度により随時又は間欠的にアクセスが行われるステップと、前記クラウドサーバに格納、蓄積された前記特定情報が、前記受信側端末装置へダウンロードされるステップと、ダウンロードされた前記特定情報が音声情報として前記ユーザへ伝達されるステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、リアルタイムに変化する情報が送信者(情報提供者)により都度入力され、かかる情報を必要とするユーザは、常時更新されている情報を随時又は間欠的にダウンロードすることができ、必要な特定情報を常時更新された音声告知情報として受信することができる。
【0020】
また、受信側端末装置からの特定情報のダウンロードは、随時又は間欠的に行われ、音声情報による告知であるため、受信側端末装置とクラウドサーバとの通信回線は1Mbps以下で構成することが可能となり、端末装置及び通信コストを安価に構成することが可能である。
【0021】
また、本発明による受信側端末装置は、受信者(ユーザ)に一方的に音声告知するのみであり、受信者に複雑な操作や設定を要求せずに、受信者の生活環境に合致した情報がリアルタイムに更新された情報として随時入手しうる構成であるため、受信者の操作が簡便であるだけでなく告知伝達効果の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による音声情報告知システムの構成を示す説明図である。
【
図2】本発明による受信側端末装置の構成例を示すブロック説明図である。
【
図3】本発明によるユーザ環境設定テーブルの一例を示す説明図である。
【
図4】本発明による特定情報カテゴリーリストの一例を示す説明図である。
【
図5】本発明による関連情報データベースの一例を示す説明図である。
【
図6】本発明による受信側端末装置に拡張機能を追加した説明図である。
【
図7】本発明によるスタンド型拡張装置に受信側端末装置を装着した図である。
【
図8】本発明による音声告知システムの動作を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る音声告知装置及びシステムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例に記載されているいずれの説明図や図面も本発明の説明用に概略的又は模式図として描かれており、実際の寸法や形状は特に限定するものではない。また、実施例で用いているシステム構成、寸法、材質、形状、その相対配置及び使用例は特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0024】
図1は、本発明による音声告知システムの構成を示す説明図である。また、
図2は、受信側端末装置の構成例を示す説明図である。ユーザ1は、その近傍に受信側端末装置2を有している。このユーザ1は、各家庭又は個人別に端末装置2を有しており、以下に詳述する特定情報の取得を希望している複数の対象者である。このユーザ1が有する受信側端末装置2は、通信手段3及び音声処理手段4などを具備しており、かかる通信手段3により外部ネットワーク回線5を介してクラウドサーバ6へ接続されている。この受信端末装置2は、通信手段3に応じて可搬型又は据置き型のいずれのタイプでも可能である。また、送信者7の送信側端末装置8は、ネットワーク回線5を介してクラウドサーバ6へ接続されており、特定情報をユーザ1へ伝達するようにネットワークが構成されている。
【0025】
ここで、特定情報とは、時々刻々と情報が変化するような情報であって、利用者(ユーザ)がリアルタイムに更新された更新情報の取得を希望する目的別情報である。具体的カテゴリーとしては、特売安売り情報、地域イベント情報、緊急(避難、災害)情報、株価・為替情報、スポーツ結果情報、ニュース情報などのように常に最新の情報として更新される情報を想定している。このような情報は、できるだけリアルタイムで更新された情報が告知される必要があり、また、提供者側は、このような特定情報を取得希望しているターゲットに的確に伝達することを希望している。
【0026】
例えば、スーパーマーケット、デパート、食料品店などを例に取ると、新聞折込広告などで特売セールを告知している場合がほとんどであるが、このような紙媒体によるチラシ告知では、デザイン作業、印刷作業、新聞折込作業などの前工程を必要とし、ユーザ1に情報が届くまでに多くの手間と時間を要すると共に、特売日の気象条件などで特売品の価格が変動したり、数量が変動したり,特売品の売り切れが生じたりしている。また、広く公衆を対象としているために告知効果としては効率が良いものとは言い難い。更に、多くの小売店などでは、時々刻々に特売日当日の販売価格が変動し、特売価格を随時変更し、調整することも行われている。
【0027】
このように時々刻々と変動する情報であって、最新情報が求められる特定情報は、多岐に亘っており、本発明では、これら特定情報を目的別にカテゴリーとしてクラウドサーバ6内に分類して格納する。送信者7は、特定情報のカテゴリー別提供者であり、特定情報の提供権限を有するプロバイダである。また、ユーザ1は、特定情報のカテゴリー別情報の取得を希望する者である。上述の特売安売りのカテゴリーの場合、送信者7は、スーパーマーケット、デパート、生鮮食料品店などが該当し、ユーザ1は、一般家庭の購買者である。
【0028】
クラウドサーバ6内には、ユーザ環境設定テーブル9、特定情報・カテゴリーリスト10、関連情報データベース11などが格納されている。
図3は、ユーザ環境設定テーブル9の一例を示す説明図である。ユーザ環境設定テーブル9は、ユーザ1の生活環境である年齢、性別、地域、趣味・嗜好、病歴・持病、職業などユーザ個人の固有情報をシステム利用環境41として予め設定し、サーバ6内に記憶するもので、本システムの利用希望者の特性に合わせてインプットされる。また、このユーザ環境設定テーブル9にはユーザ識別情報、パスワード、年代、地域、分類、国籍(言語)などのユーザ付随情報42が必要に応じて設定され、これらユーザ個人の固有情報を条件として特定情報カテゴリーの絞り込みや選定、適正化が行われる。
【0029】
このシステム利用環境41や付随情報42により特定情報及びそのカテゴリーが絞られるが、最終的には利用者の選択により特定されるように構成することもできる。なお、この特定情報・カテゴリーリスト10は、受信側端末装置2をユーザ1へ提供する時点で予め送信者(提供者)側で環境設定し、決定することも可能であるし、ユーザ1により受信側端末装置2より選択することも可能である。また、このユーザシステム利用環境41やユーザ付随情報42は、本システムの利用状況を把握し、記憶学習する記憶・学習手段43を備えており、ユーザ1の利用環境の変化、利用状況、利用傾向の数などをユーザ1の情報ダウンロードアクセス頻度、選択された前記カテゴリーの種類により学習し、特定情報・カテゴリーの優先順位やユーザ適正により適合した特定情報を選定するようプログラムする。
【0030】
ユーザ特性をユーザ1の利用環境として予め設定し、その設定に基づき特定情報・カテゴリーを決定するには、デモグラフィックデータ、サイコグラフィックデータと称されるオーディエンスデータを参照して行われるが、最終的には、ユーザアンケートやユーザ選択により決定される。このことは、ユーザ1は、希望する分野に合致した情報が入手可能となり、提供者(送信側)としては、確実に告知対象者に対し的確な情報を提供することが可能となる。
【0031】
図4は、特定情報・カテゴリーリスト10の一例を示す説明図である。前述の通り特定情報は、時々刻々と変化する情報であり、そのカテゴリーとしては、特売安売り情報、地域イベント情報、緊急(避難、災害)情報、株価・為替情報、スポーツ結果情報、ニュース情報、職場・学校からの連絡情報などを想定しているが、カテゴリー別に
図4に示すように第1分類、第2分類、第3分類などに細分化してリスト化されている。このカテゴリーの細分化は、目的や必要性に応じて如何様にも細分化しうる。
【0032】
例えば、第1分類「1特売情報」においては、第2分類を「a食料品」、「b日用品」、「c酒類」などに分類し、さらに第3分類において「a食料品」を「01鮮魚」、「02野菜」、「03果実」などと細分化することができる。他の第1分類である「2株価・為替情報」、「3健康見守情報」、「4地域情報」などにおいても同様に第2分類以降の細分化したカテゴリーリストが作成される。
【0033】
特定情報及びそのカテゴリーは、基本的にユーザ1の要望及び利用目的により選定されるが、ユーザ1の要望及び利用目的に応じて、生活環境である年齢、性別、地域、趣味・嗜好、病歴・持病、職業、国籍(言語)などユーザ個人の固有情報を条件として設定する方が望ましい。サーバ2内では、このユーザ個人の固有情報を選定条件として使用するようにプログラムされており、ユーザ1が選択しなかったカテゴリーや利用目的以外の特定情報であってもおすすめ情報又は関連有用情報として提供したり、又は特定の個人情報に該当する場合の情報提供の制限などに利用することができる。
【0034】
また、このような特定情報・カテゴリーリスト10の分類や細分化においては、他の必要となる在庫管理、発注仕入管理、売上・利益管理、売上傾向、トレンド把握、告知効果などの管理情報データベース40と連携、共有出来るようにすることが望ましい。種々の管理、経営情報などと連携することで、より適切な告知が可能となるだけでなく在庫適正化、品切れ不足対応、重点売上商品推進などとの情報共有が可能となる。
【0035】
図5は、クラウドサーバ6内に格納される関連情報データベース11の一例を示す説明図である。この関連情報データベース11は、特定情報・カテゴリー10に関連する付加価値情報であり、特定情報を提供するのに併せ提供することでユーザ1にとって有益と思われる情報である。このような関連情報は予めクラウド内にデータベースとして蓄積し、時々刻々と変化する特定情報の提供に併せ関連情報としてプログラムし、提供されるものである。
図5の関連情報データベース11に示すように、「1特売情報」では、特売品に関連するレシピ、調理方法など、「2株価・為替情報」では固有銘柄・株主優待、分野別株価動向、トレンドなど、「3健康見守情報」では対処方法、通院・服薬スケジュールなど、「4地域情報」では、イベント内容詳細、出演者情報、緊急(災害、避難)避難・誘導情報など、が想定される。
【0036】
この関連情報データベース11は、特定情報に対する付加価値情報であり、特定情報の変化に対して対応する関連情報を適切に選択するようにプログラムされる。つまり、特定情報は時々刻々変化する情報であり、関連情報は基本的に時々刻々の変化を要することなく、それら特定情報の変化に応じて最適な付加価値情報であるようにプログラムされる。特定情報のカテゴリーとして「特売情報」の場合、都度変化する特売品を使用したレシピや調理法などは、予めいくつかのパターンを用意し、変化する特売品に応じたプログラムされたレシピや調理法、又は使用方法などを関連情報として選択して紹介する。また、「株価・為替情報」の場合は、リアルタイムに変動する株価や為替レートが所定の価格を上回ったり、下回ったりした際のアラートを関連情報として提供したり、所定株式の配当時期、決算時期、業績などを関連情報データベース11より選択して提供する。このように特定情報に関連した付加価値情報として関連情報を同時に提供する構成とすることにより、ユーザ1は、これらの特定情報と併せて関連情報データベース11をリマインダー、アラートなど注意喚起や意思決定の材料として利用することもできる。
【0037】
次に、
図2の受信側端末装置2の詳細について説明する。この受信側端末装置2は、上述の通り通信手段3により外部ネットワーク回線5に接続され、クラウドサーバ6にアクセス可能なように構成されている。この受信側端末装置2は、ユーザ1の近くに配置され音声出力により特定情報及び関連情報などを告知伝達する。この端末装置2は、随時又は間欠的にクラウドサーバ6に蓄積された特定情報をダウンロードし、音声情報として出力する。また、この端末装置2は、ユーザ1の生活環境に応じて、家庭内に設置する据置型でも外出時に携帯する可搬型のいずれでも良い。
【0038】
本発明における通信手段3の通信は、有線・無線、電話回線又は無線LANなどのインターネット回線などいずれの通信回線でも可能であるが、できるだけ端末装置2及び通信コストを低減させるため、音声データに限定し、クラウドサーバ6に蓄積された特定情報を常時ダウンロードするのでなく随時、間欠的に端末装置2からクラウドサーバ6へアクセスし、限定されたパケット数の特定情報をダウンロードする構成とする。従って、通信回線における通信速度は、1Mbps以下で十分である。
【0039】
一般的に通信速度が高速となると端末装置の消費電流が上昇し、通信費がコスト高となったり消費電力が多くバッテリー消耗が多くなったりする。また、通信速度が低速回線となると通信距離が短い通信回線が多用されている。本発明の通信回線では、通信速度を1Mbps以下と設定することで、音声データを限定されたパケット数とし、データダウンロード間隔を常時ダウンロードでなく間欠的又は随時ダウンロードとする。この間欠的ダウンロードは、ユーザ設定により、受信側端末装置2からのダウンロード回数を数分毎、数時間毎、1日数回などと設定される。この間欠的ダウンロードに加えて、受信側端末2からはユーザ1が必要となる時点で端末装置2のユーザボタン23などで随時クラウドサーバ6にアクセスし、蓄積された特定情報をダウンロードすることもできる。
【0040】
このような1Mbps以下の通信速度で、低消費電力の通信方式としては、LPWA(Low Power Wide Area-network)及びPAN(Personal Area Network)と称されるいくつかの方式が適用できるが、通信距離の長いLPWA方式の方が望ましい。現在商用化されているLPWA通信方式の多くは、50~80mAの低消費電力で数Kmの通信距離を確保している。現時点で高速インターネット通信や5G通信などに比べ10分の1以下となる。そのため、極めて安価の通信コストで利用出来るだけでなく、バッテリーによる可搬型端末装置でも長時間稼働が可能である。
【0041】
さらに、告知は基本音声のみであり、映像その他のデータ出力を伴わないことにより出力インターフェースは、ディスプレイ装置や映像処理手段などを必要とせず、スピーカ(音声出力)のみのインターフェースである。また、受信側端末装置2からクラウド5への情報ダウンロードは、ユーザ端末からのオン・オフ信号のみの制御により間欠的におこなわれるため受信側端末装置2は、安価に製造することができると共に低額の通信コストにより極めて安い音声告知システムを構築することが可能となる。
【0042】
通信手段3には、SIM(Subscriber Identity Module)20カードが装着され、SIMカード20に割り当てられた識別コードアドレスによりユーザ1が特定されている。通信手段3をLPWAのいずれかの方式で構成した場合、通信距離は、10Km以上確保され、近くの回線基地局よりネットワーク回線5へ接続することができる。LPWAは、主として電話回線基地局を利用しているが、近くに高速LANなどのインターネット通信が利用出来る環境であれば、LPWA通信より高速LANネットワーク回線を介して使用することも可能である。
【0043】
通信手段3を介してクラウドサーバ6内の特定情報は随時又は間欠的に端末装置2へダウンロードされCPU(Central Processor Unit)22によりデータ制御又はデータ再生処理されて、音声処理手段4により音声信号としてスピーカ21より出力する。クラウドサーバ6に格納された音声データ信号は通常圧縮されて格納されており、音声処理手段4では、CPU22と協働して圧縮された信号を圧縮プログラムに従って元信号へ伸長させたり、必要に応じて誤り訂正、信号補完、音量増幅などの処理を行う。
【0044】
また、受信側端末装置2には、ユーザボタン23が備えられている。このユーザボタン(ユーザ信号発信手段)23は、ユーザ1側からの信号発信手段であり、通常はユーザ1がこのボタン23を押すことにより、クラウドサーバ6へダウンロード信号が発信され、通常は特定情報がダウンロードされる。特定情報のダウンロードは、このユーザボタン23が押圧された時点で実行されるようにしても良いし、また、環境設定において予め設定した間隔(数分毎、数時間毎など)で随時又は間欠的にユーザボタン23の押圧に関係なく自動的に実行されるようにしても良い。
【0045】
また、受信側端末装置2の環境設定時においてもこのユーザボタン23を用いる事ができる。受信側端末装置2は、
図3に示すようなユーザ環境設定テーブル9の設定条件に応じて前もって環境設定されており、ユーザ1が希望する特定情報がダウンロードされるように設定されており、ユーザ1が設定環境を変更することは通常生じない。しかし、特定情報カテゴリーの変更を行う場合などにこのユーザボタン23を利用することもできる。例えば、ユーザボタン23の長押しにより環境設定プログラムが起動し、端末装置2に対し、音声信号による特定情報カテゴリーの変更、追加、削除などを音声による問い合わせが行われ、ユーザ1は、音声問い合わせに順次応答してYes/No信号をユーザボタン23より発信することで特定情報カテゴリーの変更を行うように設定しても良い。
【0046】
また、このユーザボタン23は、ユーザ1が選択した特定情報カテゴリーによってユーザ1の緊急・異常事態連絡や要望発信するのに緊急連絡ボタンとして用いることも可能である。具体的には、特定情報カテゴリーとして「健康、見守り情報」を選択したユーザ1のみに対しては、ユーザボタン23を長押したり、複数回押圧した場合、ユーザ1に緊急事態や異常事態が発生した可能性があるものとしてクラウドサーバー6内で判断するようにプログラム設定し、見守り者(介護担当者、病院担当者、関係者など)へクラウドサーバ6から送信者7側又は予め登録された見守り者の登録先へ当該ユーザ1の緊急・異常事態可能性ありとして通達され、見守り者は電話、訪問などにより安否確認することなどが考えられる。
【0047】
また、他の例としては、特定情報カテゴリーとして「特売情報」を選択したユーザ1に対しては、特売商品や関連情報であるレシピなどの音声情報に対してユーザボタン23が長押しされたり、複数回押圧された場合、当該特売商品やレシピ関連商品につき予約されたものとして当該商品などが予約確保されるように機能設定させることも可能である。本発明の受信側端末装置2のユーザ1はそれぞれの通信回線によりSIMカード20により識別され、特定されているため、送信側(特売情報提供者)は、本システムにより特売品の予約確保に利用することができる。
【0048】
このようなユーザボタン23は、その利用目的により複数設けて、目的別にユーザ1のフィードバックを得るようにしても良いし、クリック回数などで区別するように設定することも出来る。また、このようなユーザボタン23の押圧によるユーザ1からのフィードバックは、クラウド6内において常時回数をカウントされており、どのユーザ1がどの様な対象情報に対し反応したかがデモグラフィックデータとして告知効果などの測定にも利用しうる。
【0049】
これらの通信手段3、音声処理手段4及びユーザボタン(ユーザ信号発生手段)23などは、CPU22により制御、処理されており、このCPU22は、図示されていないが演算手段、RAM・ROMなどの記憶手段、タイマーなどを有しており、制御プログラムなどはROM内に格納されている。この種のCPU22は、音声データの処理がほとんどであるために処理速度を高度なものを用いる必要はなく、市販のMPU(Micro Processor Unit)など低価格部材で構成することが可能となる。
【0050】
図6は、
図2に示す受信側端末装置2に拡張機能を追加した説明図である。
図6において、受信側端末装置2は、拡張機能としてセンサ手段24やプリンター手段30を備えて、特定情報に関連した種々の拡張機能を利用することが出来る。これらのセンサ手段24としては、位置情報(GPS)センサ25、温度・湿度センサ26、動きセンサ27、バイタルセンサ28などが考えられる。
【0051】
例えば、「特売情報」のカテゴリーにおいて位置情報(GPS)センサ25を具備した場合、ユーザ1が属する地域限定の特売品などに特化して当該地域のユーザ1に提供したり、また移動中の場合は移動先における地域情報を提供するなどより地域特化した情報提供が可能となる。同様に「健康・見守情報」や「地域情報」カテゴリーにおいては、災害時や異常事態発生時などユーザ1の所在する地域限定の避難場所を関連情報として提供したり、ユーザ1の移動地域で高温注意報や熱中症注意喚起などを行うのに適切な情報を提供し、告知するように設定することで地域住民などに対し必要な緊急情報を提供することが可能となる。
【0052】
また、特定情報として「健康・見守情報」のカテゴリーを選択するユーザ1の端末装置においては、温度・湿度センサ26を備えることが望ましい。この気温・湿度センサ26で検知した気象情報は、間欠的又は定時的にクラウドサーバ6へ送られ、クラウド側でプログラムされた基準値を超えるような場合、当該ユーザ1に対し高温又は低温注意報、熱中症警戒警報などを発声させ、ユーザ1である見守り対象者に対し注意を喚起する。このような温度・湿度センサ26をユーザ1の近傍で独自に検知し、注意報や警戒警報を直接ユーザ1へ届けることはラジオ・テレビなどの大衆向けの注意情報と異なり、当該ユーザ1に適切で且つより重大な意識付を行わせる情報として活用できる。
【0053】
さらに、高齢者や身障者などのユーザ1が受信側端末装置2を車椅子などに設置して外出したり、移動したりする場合、受信端末装置2にセンサ手段24として衝突検知、転倒検知などの動きセンサ27を付加しておけば、転倒検知や衝突検知機能を行うように構成することもでき、外出時に種々の見守り情報をユーザ1が音声により取得することに加えて、車椅子の転倒などの緊急事態を外部通達することも可能となる。このような動きセンサ27により信号が検知された場合は、何らかの事故やユーザ1に異常事態が生じたことが想定されるため、クラウドサーバ6に対し緊急事態発生としてユーザボタン23が緊急連絡ボタンとして機能する際と同様、強制的に転倒又は衝突検知信号がクラウドサーバ6側へ送信され、見守り者(介護担当者、病院担当者、関係者など)へ当該ユーザ1の緊急・異常事態可能性ありとして通達される。
【0054】
また、近年高齢者などの独居者が増加し居住者の安否を見守りことが課題となってきている。そのような状況に対応するためにセンサ手段24の拡張として必要なバイタルセンサ28を備えることも可能である。これに適したバイタルセンサ28としては超音波型バイタルセンサや身体接触型バイタルセンサなどによる心拍、呼吸、体動検知、又は体温検知センサなどを用いることができる。
【0055】
上述したセンサ手段24により取得した各種データは、常時データをアップロードする必要はなく、随時又は間欠的に、必要に応じてアップロードするように設定すれば良いものである。いずれのデータ取得においても1Mbpsの通信速度内で処理しうる程度のデータである。
【0056】
次に、受信側端末装置2に拡張手段としてプリンタ手段30と接続することで、より機能性の高い装置を構成することができる。プリンタ手段30としては、電子ペーパー用プリンタで構成することができる。端末装置2との通信方式は通信データ量が少ないため有線又は無線のいずれでも構わない。プリンタ30の出力情報は、「特売情報」では特売商品リストであったり、「株価・為替情報」では買付・売却推奨銘柄などの商品リストなどが考えられる。
【0057】
図7は、プリンタ手段30を内蔵したクレードルと称されるスタンド型拡張装置31に受信側端末装置2を装着した図である。「特売情報」が受信側端末2より音声告知されている間にユーザボタン23を押すことで、プリンタ手段30が作動し、音声告知に関連する特売リスト32が出力される。この特売商品リスト32には、ユーザー識別コード(ID)、告知時刻、特売商品の価格を含む詳細、販売店名などが記載されており、ユーザ1は、この電子ペーパーなどで構成される特売リスト32により内容(価格など)を確認し、購入したい商品をチェックし、店舗へ持参することで特売商品を確保する。
【0058】
店舗(情報提供者)側では、この音声告知により特売リスト(電子ペーパー)32持参による購買内容を分析することで、音声告知の告知効果、購入商品の傾向、購入層などのデモグラフィックデータを確認しうる。前述の通り受信側端末装置2のユーザボタン23の設定により特定情報に対するユーザ1のフィードバック効果はある程度可能であるが、電子ペーパープリンタ30の機能を付加することにより実際の購買行動に結びついたより正確なフィードバック告知効果を得ることが可能となる。
【0059】
また、このような電子ペーパープリンタ30に代えて、磁気カード、バーコード、QR(Quick Response)コード、RFID(Radio Frequency Identifier)コードなどに対応したリーダー・ライターを用いたり、追加的に備えたりすることもできる。このようなリーダー・ライターは、多くのポイントカード、交通系・銀行系キャッシュカード、電子マネーなどに採用されているため、ポイント制度や金額決済制度と共用することで、より利便性の高いシステムとなる。
【0060】
図8は、本発明による音声告知システムの動作を示すフローチャートの一例である。特定情報の送信者(プロバイダー)7は、告知対象となる受信者のユーザ環境を設定し、クラウドサーバ6内のユーザ環境設定テーブル9(
図3)に必要事項を入力する(Step1:以下S01と記載する)。この環境設定は、送信者7側の顧客リストや希望ユーザにより記入され、サーバ内に入力され、記憶される。ユーザ環境設定に入力された条件、又はユーザ1の希望に従い告知される特定情報及びそのカテゴリーリスト(
図4)が選定される(S02)。この特定情報・カテゴリーの選定においては、入力されたユーザ環境に最も適合していると思われるものが選択されると同時に最終的にはユーザ1により追加、修正、決定されるものである。
【0061】
特定情報の送信側では、特定情報・カテゴリーに基づく特定情報(特売情報、地域イベント情報、緊急・避難・災害情報、株価・為替情報、スポーツ結果情報、ニュース情報など)が常時入力され、クラウドサーバ6へアップロードされている(S03)。このような特定情報の入力はストリーミングライブ配信のように音声を常時アップロードしたり、また文字入力により入力しても良い。音声又は文字入力情報によりクラウドサーバ6内にアップロードされた情報は、サーバ6内で特定情報のカテゴリー別に記憶される。サーバ6内の特定情報データは、所定の情報単位で送信側の指示により書き換えが行われ、常に最新情報がサーバ6内の特定情報データベースにカテゴリー別に格納される。
【0062】
ユーザ1の近くに設置された受信側端末装置2は、随時又は間欠的にクラウドサーバ6へアクセスし、特定情報のダウンロードが指示される。このアクセス間隔は、数分間隔、毎時間、1日数回、又は曜日指定などユーザ1の特定情報取得目的や用途にしたがって予め設定される。また、特定情報の取得目的によっては、特定情報送信側が新規に情報を更新した際は必ずその更新情報をダウンロードするように設定しても良い。クラウドサーバ6内では常時受信側端末2からのダウンロード指示の有無が判断されている(S04)。受信端末装置2からクラウドサーバ6へ間欠的にアクセスが行われ、ダウンロード指示信号がサーバ2により受領されると、ダウンロード指示有りとしてサーバ6内の特定情報カテゴリーに格納された特定情報が端末装置2へダウンロードされ、音声告知情報として配信される(S05)。ダウンロード指示信号が無い場合、特定情報のダウンロードは行われない。
【0063】
さらに、サーバ6内では音声告知が行われている間ユーザボタン23からのクリック信号の有無を判断している(S06)。ユーザボタン23からのクリック信号がない場合は何もおこなわれないが、クリック信号を検知した場合、そのクリック信号が「見守り情報」を選択したユーザ1からの信号であるかどうかを判断する(S07)。特定情報・カテゴリーとして「健康・見守り情報」を選択したユーザ1においてユーザボタン23が長押しされたような信号を受信した場合、何らかの異常又は緊急事態が生じたものと判断される。本システムからは、送信側や見守り者(介護担当者、病院担当者、関係者)などの登録先へ緊急・異常事態可能性ありとして緊急通達される(S08)。
【0064】
一方、「見守り情報」カテゴリーを選択していないユーザ1で前述のようなプリンタ手段30を備えたユーザ1において、音声告知が行われている間に端末装置のユーザボタン23が押圧されると、ユーザクリック信号がクラウドサーバ6へ送信され、音声告知が行われている特定情報に関連した情報(例えば、「特売リスト」32など)がプリンタ文字情報としてプリンタ手段30へ送信される(S09)。
【0065】
このように特定情報の配信を希望する利用者(ユーザ)は、この様な端末を手元に備えておくだけで常時リアルタイムに特定情報を音声告知により入手することができる。音声告知のメリットとしては、常に聞き流しておいたり、他の作業をしながら「ながら聞き」したり、また同じコンテンツを何度も繰り返し聞いたりしても違和感が無いこと、また広告効果としては映像広告に比べイメージが広がるメッセージ伝達が出来ることなどが挙げられている。また、この様な音声告知は、制作コスト、伝達コストが映像コンテンツと比べ時間的にも費用的にもはるかに安くできる特徴を有している。
【0066】
本発明による受信側端末装置の基本的構成は、スピーカなどの音声処理手段、SIMカードを含む通信手段とMPUなどの制御手段でありコスト的にも極めて安価に構築できる。また、端末側への情報ダウンロードは、間欠的で、基本的に音声データのみの配信であり、通信速度も1Mbps以下という低速通信網を利用するため通信コストも低コストで行うことが出来る。そのためこの端末装置を特定情報送信側で用意して、特定情報の取得を希望するユーザに広く配布することで、特定情報を必要とするユーザをターゲットとして確実に特定情報を届けることが可能となり、告知効果に優れたシステム及び装置を提供することが可能となるものである。
【0067】
さらに、本発明による音声告知システムは、低価格でシステム構築出来ることや受信側端末装置が音声のストリーミング(聞き流し)が中心とした単機能機器であるためパソコン、スマートフォンなどと比べ複雑な操作や設定を要することなく高齢者、身障者、児童、外国籍など幅広くに利用出来ることなどのメリットを生かして、例示した特定情報の提供に限らず職場、学校、公的機関などから従業員、学生の保護者、地域住民などへ個別ターゲットとして情報告知を行う手段として汎用性の高いシステムを構築できる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明による音声告知システム及び装置では、リアルタイムに更新された最新情報を情報取得希望者に的確に、かつ簡易なシステムでコスト安く構築できるため、時々刻々と変化する株価取引情報、為替取引情報、災害避難情報、熱中症危険情報、スーパー小売店などの特売情報、地域イベント情報など種々の産業用、行政用、個人生活用などに広く利用することができ、産業上の利用可能性が広がる。
【符号の説明】
【0069】
1 ユーザ
2 受信側端末装置
3 通信手段
4 音声処理手段
5 通信ネットワーク回線
6 クラウドサーバ
7 送信者(プロバイダ)
8 送信側端末装置
9 ユーザ環境設定テーブル
10 特定情報・カテゴリーリスト
11 関連情報データベース
20 SIM(カード)
21 スピーカ
22 CPU(MPU)
23 ユーザボタン
24 センサ手段
25 GPS(位置情報)センサ
26 温度・湿度センサ
27 動きセンサ
28 バイタルセンサ
30 プリンタ手段
32 電子ペーパー(特売リスト)
40 管理情報データベース
43 記憶・学習手段