(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018841
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/18 20060101AFI20240201BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20240201BHJP
H01L 31/068 20120101ALI20240201BHJP
【FI】
H01L31/04 440
H01L31/04 262
H01L31/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167418
(22)【出願日】2022-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】202210892920.3
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】▲費▼ 志良
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 彦▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 芳燕
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151CB18
5F151DA03
5F151FA14
5F151GA04
5F151GA14
5F251AA02
5F251CB18
5F251DA03
5F251FA14
5F251GA04
5F251GA14
(57)【要約】
【課題】本発明は、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法を開示する。
【解決手段】前記方法は、レーザスポットがシリコンウェハの表面に照射し、選択的エミッタを形成するために用いられ、第1のエッジと中心線との間に、複数のレーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列されることと、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、サブスポット領域が少なくとも1つのスポット行を含み、各サブスポット領域内のレーザスポットの面積が同じであることと、中心線が第1のエッジに向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域内のレーザスポットの面積が徐々に増大することとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエッジと、前記第1のエッジと平行である中心線とを含むシリコンウェハを提供することと、
前記シリコンウェハの表面にテクスチャリングと拡散処理を行うことと、
レーザスポットが前記シリコンウェハの表面に照射し、選択的エミッタを形成するために用いられ、前記第1のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、前記スポット行の延在方向が前記第1のエッジの延在方向と平行であり、M個の前記スポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、前記第2の方向が前記第1の方向と交差することと、
M個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、前記サブスポット領域が少なくとも1つの前記スポット行を含み、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであることと、
前記中心線が前記第1のエッジに向かう方向に沿って、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大することとを含む、ことを特徴とする、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項2】
各前記サブスポット領域が一つの前記スポット行のみを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項3】
各前記サブスポット領域が少なくとも2つの前記スポット行を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項4】
前記シリコンウェハが第2のエッジをさらに含み、前記第2のエッジと前記第1のエッジとが前記第2の方向に沿って対向して設けられ、
前記第2のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが前記第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、P個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列され、Pが正の整数であり且つP>1であり、
P個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるQ個のサブスポット領域を含み、Qが正の整数であり且つ1<Q≦Pであり、前記サブスポット領域が少なくとも1つの前記スポット行を含み、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであり、
前記中心線が前記第2のエッジに向かう方向に、前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大する、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項5】
前記中心線と前記第1のエッジとの間の前記レーザスポットが第1のスポット領域を形成し、前記中心線と前記第2のエッジとの間の前記レーザスポットが第2のスポット領域を形成し、前記第1のスポット領域と前記第2のスポット領域とが前記中心線に対して対称である、ことを特徴とする請求項4に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項6】
前記レーザスポットが円形である、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項7】
レーザの前記シリコンウェハでの彫刻速度、レーザパワー、レーザ周波数および前記レーザ出射時に経過したレンズの焦点距離を調整して、前記レーザスポットの直径を調整する、ことを特徴とする請求項6に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項8】
前記中心線から離れた前記レーザスポットの前記雕刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が29~31Wであり、前記レーザ周波数が230~270KHZであり、前記焦点距離の範囲が30000~38000mmである、ことを特徴とする請求項7に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項9】
前記中心線に近い前記レーザスポットの前記雕刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が28~30Wであり、前記レーザ周波数が270~330KHZであり、前記焦点距離の範囲が28000~35000mmである、ことを特徴とする請求項7に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【請求項10】
前記レーザスポットの直径の範囲が35~130μmである、ことを特徴とする請求項6に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池の技術分野に関し、より具体的には、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の連続減少および環境への悪影響に伴い、太陽エネルギは無汚染かつ再生可能なエネルギとして、その研究および利用が急速に発展している。
【0003】
光起電力産業が継続的に発展し、光起電力モジュールの高効率電池に対するニーズが大きくなり、高効率電池の工業化生産において、選択的エミッタ(selective emitter SE)電池技術が広く適用され、選択的エミッタ電池の構造特徴は、レーザを利用してスクリーン金属グリッド線接触領域で重ドーピングを実現し、スクリーン金属グリッド線非接触領域で軽ドーピングを行うことであり、このような構造は、拡散層の複合を低下させ、光ファイバの短波効果を向上させ、短絡電流、開放電圧等を改善することができる。
【0004】
選択的エミッタ電池の製造プロセスにおいて、レーザスポットとスクリーン金属グリッド線の位置合わせ状況を平衡化する必要が不可避的であり、例えば、レーザスポットが大きいほど、重ドーピングの領域が大きくなり、金属グリッド線とスポットの位置合わせが容易になるが、レーザスポットが大きすぎると、選択的エミッタ電池の開放電圧に影響を与え、選択的エミッタ電池の発電効率を低下させる。レーザスポットが小さいほど、金属グリッド線とレーザスポットの対応精度の要求が高くなる。
【0005】
したがって、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法を続けて提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに鑑みて、本発明は、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法を提供し、前記方法は、
第1のエッジと、前記第1のエッジと平行である中心線とを含むシリコンウェハを提供することと、
前記シリコンウェハの表面にテクスチャリングと拡散処理を行うことと、
レーザスポットが前記シリコンウェハの表面に照射し、選択的エミッタを形成するために用いられ、前記第1のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、前記スポット行の延在方向が前記第1のエッジの延在方向と平行であり、M個の前記スポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、前記第2の方向が前記第1の方向と交差することと、
M個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、前記サブスポット領域が少なくとも1つの前記スポット行を含み、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであることと、
前記中心線が前記第1のエッジに向かう方向に沿って、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大することとを含む。
【0007】
従来技術と比べて、本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法は、少なくとも以下の有益な効果を実現する。
【0008】
本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法において、第1のエッジと中心線との間に、複数のレーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、スポット行の延在方向が第1のエッジの延在方向と平行であり、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、第2の方向が第1の方向と交差し、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、サブスポット領域が少なくとも1つのスポット行を含み、各サブスポット領域内のレーザスポットの面積が同じであり、中心線が第1のエッジに向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域内のレーザスポットの面積が徐々に増大する。金属グリッド線は一般的にスクリーン印刷を使用し、スクリーンのエッジのホットメルト接着剤の接着および耐用年数の増加により、エッジ位置の金属グリッド線の位置ずれを引き起こし、すなわち、エッジに位置する金属グリッド線の位置変化が大きく、中間位置の金属グリッド線の位置変化が小さいため、中間位置のレーザスポットの面積が小さく、エッジ位置のレーザスポットの面積が大きいように設計することにより、シリコンウェハと中間位置の選択的エミッとが接触する接触抵抗を低減させ、フィルファクタを向上させ、電池セルの効率を向上させることができるだけでなく、スクリーンの耐用年数が増加する時、エッジ位置の金属グリッド線とエッジ位置の選択的エミッタとの位置合わせが正確であることを満たすこともできる。
【0009】
当然のことながら、本発明を実施するいずれかの製品は必ずしも以上の全ての技術効果を同時に達成する必要があるとは限らない。
【0010】
以下、本発明の例示的な実施例を詳細に説明することにより、本発明の他の特徴およびその利点は明らかになる。
【0011】
明細書に組み合わせて明細書の一部を構成する図面は本発明の実施例を示し、かつその説明と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による選択的エミッタのレーザスポットパターンである。
【
図2】本発明による別の選択的エミッタのレーザスポットパターンである。
【
図3】本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンである。
【
図4】本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンである。
【
図5】本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。注意すべきこととしては、特に具体的に説明しない限り、これら実施例において説明される部品およびステップの相対的な配置、数字表現式および数値は本発明の範囲を限定しない。
【0014】
以下、少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は実際に単に例示的なものであり、決して本発明およびその適用または使用に対する限定とされていない。
【0015】
関連分野の当業者に知られている技術、方法および機器について詳細に検討しない可能性があるが、適切な場合に、前記技術、方法および機器は明細書の一部と見なされるべきである。
【0016】
ここで示されて検討される全ての例において、任意の具体的な値は単に例示的なものであり、限定するものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は異なる値を有することができる。
【0017】
注意すべきこととしては、類似する符号およびアルファベットは以下の図面において類似する項目を示すため、ある項目が一つの図面において定義される場合、その後の図面においてそれをさらに検討する必要がない。
【0018】
図1および
図2を参照すると、
図1は本発明による選択的エミッタのレーザスポットパターンであり、
図2は本発明による別の選択的エミッタのレーザスポットパターンであり、本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせを改善する方法の具体的な実施例を説明するために使用され、前記選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法は、
第1のエッジ2と、第1のエッジ2と平行である中心線3とを含むシリコンウェハ1を設けることと、
シリコンウェハ1の表面にテクスチャリングと拡散処理を行うことと、
レーザスポット4がシリコンウェハ1の表面に照射し、選択的エミッタを形成するために用いられ、第1のエッジ2と中心線3との間に、複数のレーザスポット4が第1の方向Xに沿って配列されてスポット行5を形成し、スポット行5の延在方向が第1のエッジ2の延在方向と平行であり、M個のスポット行5が第2の方向Yに沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、第2の方向Yが第1の方向Xと交差することと、
M個のスポット行5が第2の方向Yに沿って配列されるN個のサブスポット領域6を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、サブスポット領域6が少なくとも1つのスポット行5を含み、各サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が同じであることと、
中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大することとを含む。
【0019】
説明すべきこととしては、ここの中心線3はシリコンウェハ1に実際に存在する線ではなく、中心線3は一本の仮想線である。シリコンウェハ1を提供し、シリコンウェハ1は単結晶シリコン、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであってもよく、好ましくは単結晶シリコンを用いる。シリコンウェハ1の表面にテクスチャリングと拡散処理を行い、テクスチャリング前にシリコンウェハ1の表面を洗浄し、シリコンウェハ1の表面の不純物を除去することができ、テクスチャリングの過程においてシリコンウェハ1の表面にピラミッド構造を形成することにより、シリコンウェハ1の表面の反射率を低下させる。テクスチャリング後のシリコンウェハ1に拡散処理を行い、PN接合を形成する。レーザスポット4を用いて拡散後のシリコンウェハ1に重ドーピングを行い、レーザスポット4の面積の大きさは選択的エミッタのサイズを決定する。
【0020】
理解できることとしては、
図1および
図2を参照すると、
図1および
図2において第1のエッジ2と中心線3との間のレーザスポット4のパターンのみを示し、
図1において各サブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含み、
図2において各サブスポット領域6が一つのスポット行5のみを含むことのみを示し、当然のことながら、これに限定されず、
図1および
図2においてサブスポット領域6の数、サブスポット領域6に含まれるスポット行5の数、スポット行5に含まれるレーザスポット4の数、隣接する2つのレーザスポット4の間の間隔、隣接する2つのスポット行5の間のピッチおよび隣接する2つのサブスポット領域6の間のピッチは何れも単に模式的であり、これに限定されず、一部のサブスポット領域6が一つのスポット行5のみを含み、他の一部のサブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含んでもよく、本実施例はこれに限定されず、中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大することを満たすことができればよい。シリコンウェハ1のエッジ位置に近いほど、レーザスポット4の面積が大きくなり、これは、金属グリッド線のずれが大きい場合に、金属グリッド線と選択的エミッタとの位置合わせが正確であることを実現することに役立つ。
【0021】
従来技術と比較して、本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法は、少なくとも以下の利点を有する。
本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法において、第1のエッジ2と中心線3との間に、複数のレーザスポット4が第1の方向Xに沿って配列されてスポット行5を形成し、スポット行5の延在方向が第1のエッジ2の延在方向と平行であり、M個のスポット行5が第2の方向Yに沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、第2の方向Yが第1の方向Xと交差する。M個のスポット行5が第2の方向Yに沿って配列されるN個のサブスポット領域6を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、サブスポット領域6が少なくとも1つのスポット行5を含み、各サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が同じである。中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大する。金属グリッド線は一般的にスクリーン印刷を使用し、スクリーンのエッジのホットメルト接着剤の接着および耐用年数の増加により、エッジ位置の金属グリッド線の位置ずれを引き起こし、すなわち、エッジに位置する金属グリッド線の位置変化が大きく、中間位置の金属グリッド線の位置変化が小さいため、中間位置のレーザスポット4の面積が小さく、エッジ位置のレーザスポット4の面積が大きいように設計することにより、シリコンウェハ1と中間位置の選択的エミッタとが接触する接触抵抗を低減させ、フィルファクタを向上させ、電池セルの効率を向上させることができるだけでなく、スクリーンの耐用年数が増加する時、エッジ位置の金属グリッド線とエッジ位置の選択的エミッタとの位置合わせが正確であることを満たすこともできる。
【0022】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き
図2を参照すると、各サブスポット領域6が一つのスポット行5のみを含む。
【0023】
理解できることとしては、各サブスポット領域6が一つのスポット行5のみを含み、各サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が同じであり、中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大し、すなわち、中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、各スポット行5のレーザスポット4の面積が徐々に増大する。レーザスポット4の面積徐変はさらに金属グリッド線が徐々にずれる状況に適応することができ、金属グリッド線と選択的エミッタとの位置合わせの正確性を保証し、シリコンウェハ1と中間位置の選択的エミッタとが接触する接触抵抗を低減させ、フィルファクタを向上させ、電池セルの効率を向上させることを保証することもできる。
【0024】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き
図1を参照すると、各サブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含む。
【0025】
理解できることとしては、各サブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含み、各サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が同じであり、中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大し、すなわち、中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、領域に分けでレーザスポット4のサイズ設計を行うことにより、エッジ位置の金属グリッド線のみがずれる状況により適応し、シリコンウェハ1と中間位置の選択的エミッタとが接触する接触抵抗が最小であることを保証することができ、これにより電池セルの効率を向上させる。
【0026】
いくつかの好ましい実施例において、
図3、
図4および
図5を参照すると、
図3は本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンであり、
図4は本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンであり、
図5は本発明による更なる別の選択的エミッタのレーザスポットパターンであり、シリコンウェハ1は第2のエッジ7をさらに含み、第2のエッジ7と第1のエッジ2とが第2の方向Yに沿って対向して設けられる。
【0027】
第2のエッジ7と中心線3との間に、複数のレーザスポット4が第1の方向Xに沿って配列されてスポット行5を形成し、P個のスポット行5が第2の方向Yに沿って配列され、Pが正の整数であり且つP>1である。
【0028】
P個のスポット行5がQ個の第2の方向Yに沿って配列されるサブスポット領域6を含み、Qが正の整数であり且つ1<Q≦Pであり、サブスポット領域6が少なくとも1つのスポット行5を含み、各サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が同じである。
【0029】
中心線3が第2のエッジ7に向かう方向に沿って、サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大する。
【0030】
理解できることとしては、
図3は、第2のエッジ7と中心線3との間に各サブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含むことのみを示し、
図4および
図5は、第2のエッジ7と中心線3との間に各サブスポットが一つのスポット行5のみを含むことのみを示し、すなわち、第1のエッジ2と中心線3との間のレーザスポット4のパターンが第2のエッジ7と中心線3との間のレーザスポット4のパターンと異なる。当然なことながら、これに限定されず、第2のエッジ7と中心線3との間に一部のサブスポット領域6が1つのスポット行5のみを含み、他の一部のサブスポット領域6が少なくとも2つのスポット行5を含んでもよいが、本実施例では具体的な限定をしない。中心線3が第1のエッジ2に向かう方向に沿って、サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大し、且つ中心線3が第2のエッジ7に向かう方向に沿って、サブスポット領域6内のレーザスポット4の面積が徐々に増大する。第1のエッジ2と第2のエッジ7との金属グリッド線がい何れもずれる場合、第1のエッジ2と第2のエッジ7との金属グリッド線は何れも選択的エミッタと正確に接触することができ、シリコンウェハ1の中心と選択的エミッタは小さい接触抵抗を保持する。
【0031】
いくつかの好ましい実施例において、
図3および
図4を引き続き参照すると、中心線3と第1のエッジ2との間のレーザスポット4が第1のスポット領域8を形成し、中心線3と第2のエッジ7との間のレーザスポット4が第2のスポット領域9を形成し、第1のスポット領域8と第2のスポット領域9とが中心線3に対して対称である。
【0032】
理解できることとしては、シリコンウェハ1自体が中心線3に対して対称であるため、第1のスポット領域8と第2のスポット領域9とが中心線3に対して対称に設けられることは、より合理的であり、位置合わせ効果がより良く、電池セルの効率がより高い。
【0033】
いくつかの好ましい実施例において、
図1~
図5を引き続き参照すると、レーザスポット4が円形である。
【0034】
理解できることとしては、レーザスポット4のシリコンウェハ1での正投影が円形であり、レーザスポット4の直径を変更することによりレーザスポット4の面積を変更することを実現することができる。
【0035】
好ましくは、レーザスポット4は矩形、正多角形等であってもよく、レーザスポット4が長方形である場合、レーザスポット4の長さおよび幅を同時に増大させてレーザスポット4の面積を増大させることができ、レーザスポット4の長さおよび幅は線形関係を有する。
【0036】
いくつかの好ましい実施例において、レーザのシリコンウェハ1での彫刻速度、レーザパワー、レーザ周波数およびレーザ出射時に経過したレンズの焦点距離を調整することにより、レーザスポット4の直径を調整する。
【0037】
理解できることとしては、レーザスポット4のサイズを変更することは、レーザを出射する機器におけるレンズ間の相対位置を変更することにより実現することができ、雕刻速度、レーザパワー、レーザ周波数およびレーザ出射時に経過したレンズの焦点距離により協調して調整することもでき、ここで、調整レーザ出射時に経過したレンズの焦点距離を調整することは、レーザ出射時に経過したレンズの位置を移動して焦点の位置を変更することにより実現することができる。
【0038】
いくつかの好ましい実施例において、中心線3から離れたレーザスポット4の彫刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、レーザパワーの範囲が29~31Wであり、レーザ周波数が230~270KHZであり、焦点距離の範囲が30000~38000mmである。
【0039】
理解できることとしては、上記パラメータを設定することにより、レーザスポット4の直径を大きくすることができ、すなわち、上記パラメータを採用して第1のエッジ2、および/または第2のエッジ7に近い位置にレーザスポット4を形成することができる。
【0040】
いくつかの好ましい実施例において、中心線3に近いレーザスポット4の彫刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、レーザパワーの範囲が28~30Wであり、レーザ周波数が270~330KHZであり、焦点距離の範囲が28000~35000mmである。
【0041】
理解できることとしては、上記パラメータを設定することにより、形成されるレーザスポット4の直径が小さく、すなわち、上記パラメータを採用して中心線3に近い位置にレーザスポット4を形成することができる。
【0042】
いくつかの好ましい実施例において、レーザスポット4の直径の範囲が35~130μmである。
【0043】
理解できることとしては、レーザスポット4の直径は中心線3が第1のエッジ2、および/または、第2のエッジ7に向かう方向に沿って次第に大きくなり、すなわち、中心線3に近い位置のレーザスポット4の直径が35μmであり、第1のエッジ2、および/または第2のエッジ7に近い位置のレーザスポット4の直径が130μmである。
【0044】
好ましくは、中心線3に近い位置のレーザスポット4の直径の範囲が50~60μmであり、第1のエッジ2、および/または、第2のエッジ7に近い位置のレーザスポット4の直径の範囲が85~100μmである。
【0045】
上記実施例から分かるように、本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法は、少なくとも以下の格別な効果を有する。
【0046】
本発明による選択的エミッタと金属印刷との位置合わせの改善方法において、第1のエッジと中心線との間に、複数のレーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、スポット行の延在方向が第1のエッジの延在方向と平行であり、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、第2の方向が第1の方向と交差し、M個のスポット行が第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、サブスポット領域が少なくとも1つのスポット行を含み、各サブスポット領域内のレーザスポットの面積が同じである。中心線が第1のエッジに向かう方向に沿って、異なるサブスポット領域内のレーザスポットの面積が徐々に増大する。金属グリッド線は一般的にスクリーン印刷を使用し、スクリーンのエッジのホットメルト接着剤の接着および耐用年数の増加により、エッジ位置の金属グリッド線の位置ずれを引き起こし、すなわち、エッジに位置する金属グリッド線の位置変化が大きく、中間位置の金属グリッド線の位置変化が小さいため、中間位置のレーザスポット面積が小さく、エッジ位置のレーザスポットの面積が大きいように設計することにより、シリコンウェハと中間位置の選択的エミッタとが接触する接触抵抗を低減させ、フィルファクタを向上させ、電池セルの効率を向上させることができるだけでなく、スクリーンの耐用年数が増加する時、エッジ位置の金属グリッド線とエッジ位置の選択的エミッタとの位置合わせが正確であることを満たすこともできる。
【0047】
例により本発明のいくつかの特定の実施例を詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例は単に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。当業者であれば理解されるように、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、以上の実施例を修正することができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0048】
1 シリコンウェハ
2 第1のエッジ
3 中心線
4 レーザスポット
5 スポット行
6 サブスポット領域
7 第2のエッジ
8 第1のスポット領域
9 第2のスポット領域
X 第1の方向
Y 第2の方向
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエッジと、前記第1のエッジと平行である中心線とを含むシリコンウェハを提供することと、
前記シリコンウェハの表面にテクスチャリングと拡散処理を行うことと、
レーザが前記シリコンウェハの表面に照射して前記シリコンウェハの表面にレーザスポットを形成し、選択的エミッタを形成するために用いられ、前記第1のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、前記スポット行の延在方向が前記第1のエッジの延在方向と平行であり、M個の前記スポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、前記第2の方向が前記第1の方向と交差することと、
M個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであることと、
前記中心線が前記第1のエッジに向かう方向に沿って、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大することとを含み、
前記シリコンウェハが第2のエッジをさらに含み、前記第2のエッジと前記第1のエッジとが前記第2の方向に沿って対向して設けられ、
前記第2のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが前記第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、P個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列され、Pが正の整数であり且つP>1であり、
P個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるQ個のサブスポット領域を含み、Qが正の整数であり且つ1<Q≦Pであり、前記サブスポット領域が少なくとも1つの前記スポット行を含み、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであり、
前記中心線が前記第2のエッジに向かう方向に、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大し、
前記第1のエッジと前記中心線との間の各前記サブスポット領域及び前記第2のエッジと前記中心線との間の各前記サブスポット領域が、少なくとも2つの前記スポット行を含み、
前記第1のエッジと前記中心線との間の前記レーザスポットからなるパターンが、前記第2のエッジと前記中心線との間の前記レーザスポットからなるパターンと異なる、ことを特徴とする、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項2】
前記レーザスポットが円形である、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項3】
レーザの前記シリコンウェハでの彫刻速度、レーザパワー、レーザ周波数および前記レーザ出射時に経過したレンズの焦点距離を調整して、前記レーザスポットの直径を調整する、ことを特徴とする請求項2に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項4】
前記中心線から離れた前記レーザスポットの前記雕刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が29~31Wであり、前記レーザ周波数が230~270KHZであり、前記焦点距離の範囲が30000~38000mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項5】
前記中心線に近い前記レーザスポットの前記雕刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が28~30Wであり、前記レーザ周波数が270~330KHZであり、前記焦点距離の範囲が28000~35000mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項6】
前記レーザスポットの直径の範囲が35~130μmである、ことを特徴とする請求項2に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエッジと、前記第1のエッジと平行である中心線とを含むシリコンウェハを提供することと、
前記シリコンウェハの表面にテクスチャリングと拡散処理を行うことと、
レーザが前記シリコンウェハの表面に照射して前記シリコンウェハの表面にレーザスポットを形成し、選択的エミッタを形成するために用いられ、前記第1のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、前記スポット行の延在方向が前記第1のエッジの延在方向と平行であり、M個の前記スポット行が第2の方向に沿って配列され、Mが正の整数でありかつM>1であり、前記第2の方向が前記第1の方向と交差することと、
M個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるN個のサブスポット領域を含み、Nが正の整数でありかつ1<N≦Mであり、各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであることと、
前記中心線が前記第1のエッジに向かう方向に沿って、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大することとを含み、
前記シリコンウェハが第2のエッジをさらに含み、前記第2のエッジと前記第1のエッジとが前記第2の方向に沿って対向して設けられ、
前記第2のエッジと前記中心線との間に、複数の前記レーザスポットが前記第1の方向に沿って配列されてスポット行を形成し、前記第2のエッジと前記中心線との間に形成されたP個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列され、Pが正の整数であり且つP>1であり、
P個の前記スポット行が前記第2の方向に沿って配列されるQ個のサブスポット領域を含み、Qが正の整数であり且つ1<Q≦Pであり、Q個の前記サブスポット領域における各前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が同じであり、
前記中心線が前記第2のエッジに向かう方向に、異なる前記サブスポット領域内の前記レーザスポットの面積が徐々に増大し、
前記第1のエッジと前記中心線との間の各前記サブスポット領域及び前記第2のエッジと前記中心線との間の各前記サブスポット領域が、少なくとも2つの前記スポット行を含み、
前記第1のエッジと前記中心線との間の前記レーザスポットからなるパターンが、前記第2のエッジと前記中心線との間の前記レーザスポットからなるパターンと異なる、ことを特徴とする、選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項2】
前記レーザスポットが円形である、ことを特徴とする請求項1に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項3】
前記レーザの前記シリコンウェハでの彫刻速度、レーザパワー、レーザ周波数および前記レーザの出射時に経過したレンズの焦点距離を調整して、前記レーザスポットの直径を調整する、ことを特徴とする請求項2に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項4】
前記中心線から離れた前記レーザスポットの前記彫刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が29~31Wであり、前記レーザ周波数が230~270KHZであり、前記焦点距離の範囲が30000~38000mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項5】
前記中心線に近い前記レーザスポットの前記彫刻速度の範囲が20000~24000mm/sであり、前記レーザパワーの範囲が28~30Wであり、前記レーザ周波数が270~330KHZであり、前記焦点距離の範囲が28000~35000mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。
【請求項6】
前記レーザスポットの直径の範囲が35~130μmである、ことを特徴とする請求項2に記載の選択的エミッタと金属印刷との位置合わせ方法。