(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018847
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20240201BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q20/10 300
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177209
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2022120137の分割
【原出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】514035947
【氏名又は名称】株式会社TOKIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】黒▲崎▼ 賢一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB34
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】証憑の処理の代行サービスを行うのに役立つプログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法を提供するプログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータ(管理サーバ10)を受付手段12と、送信手段14として機能させる。受付手段12は、クライアント企業の識別情報および取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、送信手段14は、代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末(第1オペレータ端末30)に表示させる旨の表示指示信号をオペレータ端末に送信し、受付手段12は、オペレータ端末によるオペレータ(第1オペレータ)の操作によって取引先企業に関連するサーバから取得された、取引先企業のサーバから取得された証憑データを受け付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、送信手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付ける、プログラム。
【請求項2】
前記代理取得情報は、前記取引先企業に関連する前記サーバにアップロードされた証憑データの取得スケジュールを更に含み、
前記送信手段は、前記代理取得情報のうち前記取得スケジュールを前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記取得スケジュールの日付毎に、前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する、請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記送信手段は、前記取得スケジュールに基づいて、少なくとも前記オペレータ端末が操作される時点の日付に対応する前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する、請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記送信手段は、前記取得スケジュールに基づいて、少なくとも前記オペレータ端末が操作される時点の日付に対応する前記代理取得情報および前記オペレータ端末が操作される時点よりも前の日付であって前記受付手段が未だ証憑データを受け付けていない前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する、請求項3記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを情報取得忘れ通知手段として更に機能させ、
前記情報取得忘れ通知手段は、前記取得スケジュールに基づいて取得されるべき証憑データが取得されていないときに証憑データの情報取得忘れを前記オペレータ端末に通知する、請求項2記載のプログラム。
【請求項7】
各前記クライアント企業または各前記取引先企業について各月日にオペレータの識別情報が割り当てられており、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた前記代理取得情報の前記取得スケジュールに基づいて、該当する前記クライアント企業または前記取引先企業について該当する月日に割り当てられている識別情報のオペレータが前記オペレータ端末にログインした場合にのみ前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させるよう前記オペレータ端末に前記表示指示信号を送信する、請求項2記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを消込手段として更に機能させ、
前記消込手段は、前記オペレータ端末により前記サーバから証憑データが取得されると、前記オペレータ端末に表示されている当該証憑データに対応する前記代理取得情報を表示させないようにするよう前記オペレータ端末に消込指令を送信する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記受付手段は、前記代理取得情報として、前記取引先企業の前記サーバから証憑データを取得する取得画面のURLも受け付け、
前記送信手段は、前記URLを含む前記代理取得情報を前記オペレータ端末に送信し、前記オペレータ端末において前記URLに関連するボタンがクリックされると前記取得画面が前記オペレータ端末に表示されるようになっている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記オペレータ端末において前記取得画面にアクセスするにあたりID情報およびパスワード情報の入力が必要となっており、
前記受付手段は、前記代理取得情報として、前記ID情報および前記パスワード情報も受け付け、
前記送信手段は、前記ID情報および前記パスワード情報を含む前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する、請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを重複チェック手段として更に機能させ、
前記重複チェック手段は、前記取引先企業の前記サーバから取得された証憑データが、既に取得されている証憑データと一致するか否かのチェックを行い、一致している場合は、前記受付手段は前記サーバから取得された証憑データを受け付けない、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを日付読取手段として更に機能させ、
前記日付読取手段は、前記受付手段が受け付けた証憑データから証憑に記載の日付の情報を読み取る、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
プログラムを実行することにより受付手段と、送信手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付ける、コンピュータ。
【請求項14】
コンピュータと、
オペレータ端末と、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより受付手段と、送信手段として機能し、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部を前記オペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付ける、情報処理システム。
【請求項15】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータが、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付ける工程と、
前記コンピュータが、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する工程と、
前記コンピュータが、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付ける工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、請求書等の証憑データを処理する処理システムとして様々なものが知られている。例えば、特許文献1には、請求書の処理効率を向上させることができるデータ処理装置、データ処理方法およびプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クライアント企業の取引先である取引先企業から当該クライアント企業に送付される請求書等の証憑の処理の代行サービスがあると便利である。従来もこのような代行サービスは存在していたが、取引先企業がアップロードするシステムからの証憑の取得等、一部クライアントの作業が残るため十分ではなかった。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、証憑の処理の代行サービスを行うのに役立つプログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、送信手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付けることを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムにおいては、
前記代理取得情報は、前記取引先企業に関連する前記サーバにアップロードされた証憑データの取得スケジュールを更に含み、
前記送信手段は、前記代理取得情報のうち前記取得スケジュールを前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信してもよい。
【0008】
また、前記送信手段は、前記取得スケジュールの日付毎に、前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信してもよい。
【0009】
また、前記送信手段は、前記取得スケジュールに基づいて、少なくとも前記オペレータ端末が操作される時点の日付に対応する前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信してもよい。
【0010】
また、前記送信手段は、前記取得スケジュールに基づいて、少なくとも前記オペレータ端末が操作される時点の日付に対応する前記代理取得情報および前記オペレータ端末が操作される時点よりも前の日付であって前記受付手段が未だ証憑データを受け付けていない前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信してもよい。
【0011】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを情報取得忘れ通知手段として更に機能させ、
前記情報取得忘れ通知手段は、前記取得スケジュールに基づいて取得されるべき証憑データが取得されていないときに証憑データの情報取得忘れを前記オペレータ端末に通知してもよい。
【0012】
また、各前記クライアント企業または各前記取引先企業について各月日にオペレータの識別情報が割り当てられており、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた前記代理取得情報の前記取得スケジュールに基づいて、該当する前記クライアント企業または前記取引先企業について該当する月日に割り当てられている識別情報のオペレータが前記オペレータ端末にログインした場合にのみ前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させるよう前記オペレータ端末に前記表示指示信号を送信してもよい。
【0013】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを消込手段として更に機能させ、
前記消込手段は、前記オペレータ端末により前記サーバから証憑データが取得されると、前記オペレータ端末に表示されている当該証憑データに対応する前記代理取得情報を表示させないようにするよう前記オペレータ端末に消込指令を送信してもよい。
【0014】
また、前記受付手段は、前記代理取得情報として、前記取引先企業の前記サーバから証憑データを取得する取得画面のURLも受け付け、
前記送信手段は、前記URLを含む前記代理取得情報を前記オペレータ端末に送信し、前記オペレータ端末において前記URLに関連するボタンがクリックされると前記取得画面が前記オペレータ端末に表示されるようになっていてもよい。
【0015】
また、前記オペレータ端末において前記取得画面にアクセスするにあたりID情報およびパスワード情報の入力が必要となっており、
前記受付手段は、前記代理取得情報として、前記ID情報および前記パスワード情報も受け付け、
前記送信手段は、前記ID情報および前記パスワード情報を含む前記代理取得情報を前記オペレータ端末に表示させる旨の前記表示指示信号を前記オペレータ端末に送信してもよい。
【0016】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを重複チェック手段として更に機能させ、
前記重複チェック手段は、前記取引先企業の前記サーバから取得された証憑データが、既に取得されている証憑データと一致するか否かのチェックを行い、一致している場合は、前記受付手段は前記サーバから取得された証憑データを受け付けないようになっていてもよい。
【0017】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを日付読取手段として更に機能させ、
前記日付読取手段は、前記受付手段が受け付けた証憑データから証憑に記載の日付の情報を読み取ってもよい。
【0018】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、送信手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付けることを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理システムは、
コンピュータと、
オペレータ端末と、
を備え、
前記コンピュータは、プログラムを実行することにより受付手段と、送信手段として機能し、
前記受付手段は、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、
前記送信手段は、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部を前記オペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信し、
前記受付手段は、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付けることを特徴とする。
【0020】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータが、クライアント企業の識別情報および前記クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付ける工程と、
前記コンピュータが、前記代理取得情報の少なくとも一部または全部をオペレータ端末に表示させる旨の表示指示信号を前記オペレータ端末に送信する工程と、
前記コンピュータが、前記オペレータ端末によるオペレータの操作によって前記取引先企業に関連するサーバから取得された、前記取引先企業から前記クライアント企業に送付されるべき証憑データを受け付ける工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のプログラム、コンピュータ、情報処理システムおよび情報処理方法によれば、証憑の処理の代行サービスを行うのに役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態による情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムにおいて証憑としての請求書の処理の代行サービスを行う際の各構成要素間での情報の流れを示すチャートである。
【
図3】
図1に示す情報処理システムにおける第1オペレータ端末のモニタに表示される画面を示す図である。
【
図4】
図1に示す情報処理システムにおける第1オペレータ端末のモニタに表示される画面を示す図である。
【
図5】
図1に示す情報処理システムにおいて、各クライアント企業について各月日に割り当てられている第1オペレータの識別情報を示す表である。
【
図6】
図1に示す情報処理システムにおける第1オペレータ端末のモニタに表示される別の画面を示す図である。
【
図7】
図1に示す情報処理システムにおいて証憑としての請求書の処理の代行処理が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図7は、本実施の形態に係る情報処理システム1および当該情報処理システム1による情報処理方法を示す図である。本実施の形態による情報処理システム1は、国税関係書類等の証憑の処理を行うものである。以下の説明では、証憑として情報処理システム1が請求書の処理を行う態様について述べる。
【0024】
本実施の形態による情報処理システム1は、管理サーバ10と、第1オペレータ端末30と、第2オペレータ端末32と、クライアント端末40と、クラウドサービス50とを備えている。本実施の形態による情報処理システム1は、クライアント端末40が設置されているクライアント企業の取引先である取引先企業から、クライアント企業に送付されるべき請求書の処理の代行サービスを行うものである。すなわち、本実施の形態による情報処理システム1によって、取引先企業がクライアント企業に対して行った役務について当該取引先企業が請求書を発行する際に、従来では請求書が取引先企業からクライアント企業に送付されて当該クライアント企業にて請求書の処理(具体的には、請求書データの入力や請求書一覧の作成等)を行うところ、本実施の形態では管理サーバ10の管理を行う管理会社が代行して請求書の処理を行うようになる。管理サーバ10は、インターネット回線を通じて利用できるサーバであり、インターネットでアクセスできる物理サーバ内に仮想的な専用サーバを構築した状態で提供される。管理サーバ10には、インターネット回線等のネットワークを介して第1オペレータ端末30、第2オペレータ端末32、クライアント端末40およびクラウドサービス50にそれぞれ通信可能に接続されている。また、クラウドサービス50には第1オペレータ端末30が通信可能に接続されており、クラウドサービス50にアップロードされた請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)を第1オペレータ端末30によりダウンロード可能となっている。クラウドサービス50は、取引先企業が管理または利用しており請求書データがアップロードされるものである。
【0025】
このような情報処理システム1において、取引先企業が請求書を発行する際にクラウドサービス50に請求書データとして請求書の画像データをアップロードする。その後、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員である第1オペレータは第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から請求書の画像データをダウンロードし、管理サーバ10に登録する。また、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員である第2オペレータは、管理サーバ10に登録された請求書の画像データに基づいて、請求書の情報として請求日、明細、金額、支払期限日等の情報を第2オペレータ端末32により入力する。クラウドサービス50から取得された請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)および入力された請求書の情報は、管理サーバ10からクライアント企業のクライアント端末40に送信される。このことにより、クライアント企業の経理担当者は、クライアント端末40に表示される請求書データおよび入力情報に基づいて、取引先企業への請求金額の支払い処理(例えば、銀行振込処理)を行うことができるようになる。なお、上記の説明ではクラウドサービス50から請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)のダウンロードを行うオペレータ端末およびこの請求書データに基づいて請求書の情報の入力を行うオペレータ端末が別々のものである態様について述べたが、クラウドサービス50から請求書データのダウンロードを行うオペレータ端末およびこの請求書データに基づいて請求書の情報の入力を行うオペレータ端末が同じものであってもよい。
【0026】
このような情報処理システム1の各構成要素について以下に説明する。
【0027】
第1オペレータ端末30および第2オペレータ端末32は、それぞれ、管理サーバ10の管理を行う管理会社のオフィス等に設置されているパーソナルコンピュータ等を含み、この管理会社の社員である第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作したり第2オペレータが第2オペレータ端末32を操作したりすることにより管理サーバ10に対して情報の送受信を行うようになっている。具体的には、第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作することによりクラウドサービス50から請求書データのダウンロードを行ってダウンロードされた請求書データを管理サーバ10に登録することができるようになっている。また、第2オペレータが第2オペレータ端末32を操作することにより請求書の請求日、明細、金額、支払期限日等の情報を入力することができるようになっている。
【0028】
クライアント端末40は、クライアント企業に設置されているパーソナルコンピュータ等を含み、このクライアント企業の社員が操作するようになっている。
【0029】
クラウドサービス50は、インターネット回線を通じて利用できるものであり、クライアント企業の取引先である取引先企業の従業員が取引先端末(図示せず)を用いてクラウドサービス50に請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)をアップロードすることができるようになっている。ウェブサイトにアップロードされた請求書の画像データは第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50からダウンロード可能となっている。
【0030】
管理サーバ10は、所定のプログラムを実行することにより受付手段12、送信手段14、消込手段16、情報取得忘れ通知手段18、重複チェック手段20および日付読取手段22として機能する。受付手段12は、外部装置(例えば、第1オペレータ端末30、第2オペレータ端末32、クライアント端末40、クラウドサービス50等)から様々な情報を受け付けるようになっている。送信手段14は、外部装置に対して様々な情報を送信するようになっている。消込手段16は、第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)が取得されると、第1オペレータ端末30に表示されている当該請求書データに対応する代理取得情報(後述)を表示させないようにするよう第1オペレータ端末30に消込指令を送信するようになっている。情報取得忘れ通知手段18は、取得スケジュール(後述)に基づいて取得されるべき請求書データ(請求書の画像データ)が取得されていないときに請求書データの情報取得忘れを第1オペレータ端末30に通知するようになっている。重複チェック手段20は、取引先企業のクラウドサービス50から取得された請求書データが、既に取得されている請求書データと一致するか否かのチェックを行い、一致している場合は、受付手段12はクラウドサービス50から取得された請求書データを受け付けないようになっている。日付読取手段22は、受付手段12が受け付けた請求書データから例えばOCR機能により請求書の発行日等の日付の情報を読み取る。ここで、請求書の発行日等の日付とは、請求書の発行日の日付だけではなく、請求書に記載される違う日付であってもよい。これらの受付手段12、送信手段14、消込手段16、情報取得忘れ通知手段18、重複チェック手段20および日付読取手段22の各機能の詳細については後述する。また、管理サーバ10はメモリ24を有しており、メモリ24には様々な情報が記憶されるようになっている。
【0031】
管理サーバ10により実行される所定のプログラムは、管理サーバ10のメモリ24に記憶されている。なお、所定のプログラムは、外部装置から管理サーバ10に都度送信されることにより当該管理サーバ10によって実行されるようになっていてもよい。
【0032】
次に、本実施の形態の情報処理システム1による処理の流れについて
図2乃至
図7に示すチャート等や第1オペレータ端末30のモニタの画面等を用いて説明する。
【0033】
クライアント企業の取引先である取引先企業の従業員は、所定の月日に取引先端末を用いてクラウドサービス50に請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)をアップロードする。アップロードされた請求書データには、アップロードされた日付およびダウンロード期限の日付等が任意で紐付けられている。例えば、毎月決まった日に請求書データがクラウドサービス50にアップロードされる。請求書データがクラウドサービス50にアップロードされると、取引先端末やクラウドサービス50からクライアント端末40に請求書データがアップロードされたという情報が例えばメール等により伝達されるが、管理サーバ10には伝達されない。
【0034】
所定の月日に請求書データがクラウドサービス50にアップロードされることが決まっている場合には、クライアント企業の社員は前もって予め管理サーバ10の管理を行う管理会社に代理取得情報を伝えておく。具体的には、例えば、クライアント企業の社員は前もってクライアント端末40により代理取得情報を管理サーバ10に登録したり管理会社のメールアドレスに送信したりする。また、代理取得情報が記載された書類をクライアント企業の社員が管理会社の社員に送り、管理会社の社員がオペレータ端末30、32により代理取得情報を入力してもよい。代理取得情報には、クライアント企業の識別情報(具体的には、例えばクライアント企業の名前)と、クライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報(具体的には、例えば取引先企業の名前)と、取引先企業からクライアント企業に送付されるべき請求書データについてクラウドサービス50からダウンロードする取得スケジュールとを含む。クライアント端末40から管理サーバ10に代理取得情報が送信されると、管理サーバ10の受付手段12はクライアント端末40から代理取得情報を受け付ける(
図7のステップSt1)。受付手段12により受け付けた代理取得情報は管理サーバ10のメモリ24に記憶される。このようにして、クラウドサービス50にアップロードされた請求書データを、管理サーバ10の管理を行う管理会社によりダウンロードする月日の情報がクライアント企業毎および取引先企業毎に管理サーバ10のメモリ24に記憶されるようになる。
【0035】
管理サーバ10の送信手段14は、例えば毎日の営業時間の開始前の時刻に、当該管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員(第1オペレータ)が操作する第1オペレータ端末30のモニタに代理取得情報を取得スケジュールの日付毎に表示させる旨の表示指示信号を各第1オペレータ端末30に送信する(
図7のステップSt2)。各第1オペレータ端末30が管理サーバ10から表示指示信号を受け付けると、各第1オペレータ端末30のモニタには代理取得情報が表示される。具体的には、各第1オペレータ端末30のモニタには
図3に示すようなスケジュール表示画面100が表示される。
【0036】
より詳細には、
図3に示すように、各第1オペレータ端末30のモニタには、請求書データ取込スケジュールとして現在の日付101、過去の未取得データ102、今後のデータ取得予定104がそれぞれ表示される。モニタに表示される過去の未取得データ102および今後のデータ取得予定104は、それぞれ請求書データを取得すべき日付106、クライアント企業の識別情報(具体的には、クライアント企業の名前108)および請求書の発行元である取引先企業の識別情報(具体的には、取引先企業の名前110)を含む。このようなスケジュール表示画面100がモニタに表示されているときに、第1オペレータがあるクライアント企業の名前108または取引先企業の名前110の項目をマウス等でクリックすると、第1オペレータ端末30のモニタに表示される画面が
図4に示すタスク表示画面120に切り替わる。具体的には、モニタには請求書データ取込スケジュールとしてクリックされた項目の請求書データについての取得予定日122、クライアント企業の名前124および請求書の発行元である取引先企業の名前126が表示される。また、モニタには請求書データ取得ボタン128が表示される。
【0037】
そして、第1オペレータがタスク表示画面120において請求書データ取得ボタン128をマウス等でクリックすると、第1オペレータ端末30には請求書データの取得画面が表示され、この取得画面によりクラウドサービス50からアップロードされた請求書データ(請求書の画像データ)をダウンロードすることができるようになる。より詳細には、クライアント端末40から管理サーバ10には代理取得情報として取引先企業のクラウドサービス50から請求書データを取得する取得画面のURLも送信される。このことにより、管理サーバ10の受付手段12は、代理取得情報として取引先企業のクラウドサービス50から請求書データを取得する取得画面のURLも受け付ける。
【0038】
また、送信手段14は、取得画面のURLを含む代理取得情報を第1オペレータ端末30に送信する。そして、第1オペレータ端末30においてこのURLに関連する請求書データ取得ボタン128がクリックされると当該URLに基づいて請求書データの取得画面が第1オペレータ端末30に表示される。このような技術的事項によれば、第1オペレータは請求書データ取得ボタン128を押すだけで第1オペレータ端末30の表示画面を請求書データの取得画面に切り替えることができるため、第1オペレータにとっての利便性を向上させることができる。
【0039】
なお、第1オペレータ端末30のモニタに表示されるタスク表示画面120において請求書データ取得ボタン128がマウス等でクリックされたときに、ID情報およびパスワード情報の入力画面が表示されてもよい。この場合は、第1オペレータはクライアント企業の社員から伝達されたID情報およびパスワード情報を第1オペレータ端末30によって入力することにより、この入力画面から請求書データの取得画面に遷移し、第1オペレータはクラウドサービス50にアップロードされている請求書データを取得可能となる。ID情報およびパスワード情報の詳細については後述する。
【0040】
第1オペレータが第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)をダウンロードすると(
図7のステップSt3)、ダウンロードされた請求書データが第1オペレータ端末30から管理サーバ10に送信される。このようにして、管理サーバ10の受付手段12が請求書データを受け付けると、受け付けられた請求書データはメモリ24に記憶される。また、第1オペレータが第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から請求書データをダウンロードした後、この請求書データに関するクライアント企業の名前および取引先企業の名前も第1オペレータ端末30により入力する。このことにより、入力されたクライアント企業の名前および取引先企業の名前の情報が請求書データに紐付けられた状態で第1オペレータ端末30から管理サーバ10に送信され、メモリ24に記憶される。なお、請求書データに関するクライアント企業の名前および取引先企業の名前が第1オペレータ端末30により入力されなくても、請求書データから取得された情報を利用して自動で入力されたクライアント企業の名前および取引先企業の名前の情報が請求書データに紐付けられた状態でメモリ24に記憶されてもよい。
【0041】
また、第1オペレータ端末30から管理サーバ10に送信された請求書データは管理サーバ10の送信手段14により第2オペレータ端末32に送信され、第2オペレータ端末32のモニタに表示される。その後、第2オペレータは、第2オペレータ端末32により、モニタに表示される請求書データ(具体的には、請求書の画像データ)に基づいて請求書の情報として請求日、明細、金額、支払期限日等の情報を入力する。入力された請求書の情報は第2オペレータ端末32から管理サーバ10に送られ、当該管理サーバ10のメモリ24に記憶される(ステップSt4)。また、管理サーバ10から、クライアント企業のクライアント端末40に、第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50からダウンロードされた請求書データおよびこの請求書についての第2オペレータ端末32による入力情報(具体的には、請求日、明細、金額、支払期限日等の情報)が送信される(ステップSt5)。このことにより、クライアント企業の経理担当者は、クライアント端末40に表示される請求書データおよび入力情報に基づいて、取引先企業への請求金額の支払い処理(例えば、銀行振込処理)を行うことができるようになる。
【0042】
また、第1オペレータが第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から請求書データをダウンロードすると、消込手段16は、第1オペレータ端末30に表示されている請求書データに対応する代理取得情報を表示させないようにするよう第1オペレータ端末30に消込指示を送信する。このことにより、クラウドサービス50からダウンロードされた請求書データに関する代理取得情報(具体的には、クライアント企業の名前、取引先企業の名前および請求書データの取得スケジュール)は第1オペレータ端末30のモニタに表示されなくなる。
【0043】
また、管理サーバ10のメモリ24に記憶されている取得スケジュールに基づいて、クラウドサービス50にアップロードされている請求書データが取得スケジュールに基づく所定の日を過ぎても取得されていない場合には、情報取得忘れ通知手段18は請求書データの情報取得忘れを各第1オペレータ端末30に通知する。このことにより、第1オペレータが本来であれば請求書データを所定の日に取得していなければならないのに取得し忘れていた場合でも、請求書データの情報取得忘れが各第1オペレータ端末30に通知されるので、第1オペレータは請求書データを第1オペレータ端末30により取得するようになる。
【0044】
また、重複チェック手段20は、取引先企業のクラウドサービス50から取得された請求書データが、既に取得されている請求書データと一致するか否かのチェックを行う。ここで、両者のデータが一致している場合には、受付手段12はクラウドサービス50から取得された請求書データを受け付けない。このことにより、同じ請求書データが二重でメモリ24に記憶されてしまうことを防止することができる。
【0045】
また、各第1オペレータ端末30が管理サーバ10から表示指示信号を受け付け、各第1オペレータ端末30のモニタに代理取得情報が表示される際に、モニタには過去の未取得データ102および今後のデータ取得予定104の両方が表示されることに限定されることはない。各第1オペレータ端末30のモニタに代理取得情報が表示される際に、過去の未取得データ102および今後のデータ取得予定104のうちいずれか一方のみがモニタに表示されてもよい。また、送信手段14は、メモリ24に記憶されている取得スケジュールに基づいて、少なくとも第1オペレータ端末30が操作される時点の日付に対応する代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信してもよい。この場合は、第1オペレータ端末30が操作される時点の日付にクラウドサービス50からダウンロードされるべき請求書データに関する代理取得情報のみが第1オペレータ端末30のモニタに表示されるようになる。
【0046】
また、管理サーバ10の管理を行う管理会社において、各クライアント企業について各月日に第1オペレータの識別情報が割り当てられていてもよい。具体的には、何月何日に各クライアント企業に対応する取引先企業のクラウドサービス50からどの第1オペレータが請求書データをダウンロードするかという第1オペレータの割り当てが行われていてもよい。この場合には、
図5に示すような、日付毎およびクライアント企業毎に割り当てられている第1オペレータの識別情報のテーブルがメモリ24に記憶される。また、送信手段14は、受付手段12が受け付けた代理取得情報の取得スケジュール(すなわち、メモリ24に記憶されている代理取得情報の取得スケジュール)に基づいて、該当するクライアント企業について該当する月日に割り当てられている識別情報の第1オペレータが第1オペレータ端末30にログインした場合にのみ、代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させるよう第1オペレータ端末30に表示指示信号を送信する。このことにより、請求書データのダウンロードについて担当が割り当てられていない第1オペレータの第1オペレータ端末30のモニタには代理取得情報が表示されないので、第1オペレータは自分が担当する請求書データのクラウドサービス50からのダウンロードのみを確実に行うことができるようになる。
【0047】
また、日付読取手段22は、第1オペレータ端末30から受付手段12が受け付けた請求書データから例えばOCR機能により請求書の発行日等の日付の情報を読み取るようになっている。このことにより、管理サーバ10において、第2オペレータ端末32によって第2オペレータにより入力された請求書の発行日等の日付と、日付読取手段22により読み取られた請求書の発行日等の日付とを照合し、両者が一致しない場合には第2オペレータ端末32に対して入力された請求書の発行日等の日付が誤っていることを通知することができるようになる。あるいは、第2オペレータによる第2オペレータ端末32を用いた請求書の発行日等の日付の入力を省略することができるようになる。
【0048】
また、各第1オペレータ端末30が管理サーバ10から表示指示信号を受け付け、各第1オペレータ端末30のモニタに代理取得情報が表示される際に、第1オペレータ端末30のモニタには
図3に示すようなスケジュール表示画面100が表示されることに限定されることはない。各第1オペレータ端末30が管理サーバ10から表示指示信号を受け付けたときに、第1オペレータ端末30のモニタには
図6に示すようなカレンダー形式のスケジュール表示画面140が表示されてもよい。
【0049】
具体的に説明すると、
図6に示すように、各第1オペレータ端末30のモニタには、請求書データ取込スケジュールとして現在の日付101および現在の月のカレンダー142が表示される。そして、カレンダー142の各日付の欄にはクライアント企業の名前144が表示される。このようなスケジュール表示画面140がモニタに表示されているときに第1オペレータがスケジュール表示画面140のある日付のクライアント企業の名前144の項目をマウス等でクリックすると、第1オペレータ端末30のモニタに表示される画面が
図4に示すタスク表示画面120に切り替わる。そして、第1オペレータがタスク表示画面120において請求書データ取得ボタン128をマウス等でクリックすると、第1オペレータ端末30には請求書データの取得画面が表示され、この取得画面によりクラウドサービス50からアップロードされた請求書データ(請求書の画像データ)をダウンロードすることができるようになる。
【0050】
また、クライアント企業の社員はクライアント端末40により代理取得情報を管理サーバ10に送信する際に、取引先企業の了解があれば、あるいは取引先企業によるサービス規約において認められる場合は、代理取得情報として、クラウドサービス50から請求書データをダウンロードするための請求書データの取得画面にアクセスするのに必要なID情報およびパスワード情報も送信してもよい。この場合には、管理サーバ10の受付手段12は代理取得情報としてID情報およびパスワード情報もクライアント端末40から受け付ける。受け付けられたID情報およびパスワード情報はクライアント企業の識別情報に紐付けられてメモリ24に記憶される。そして、送信手段14は、ID情報およびパスワード情報を含む代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する。このことにより、第1オペレータは、第1オペレータ端末30のモニタに表示されるID情報およびパスワード情報の入力画面において、当該モニタに表示されているID情報およびパスワード情報をそのまま入力することにより、この入力画面から請求書データの取得画面に遷移し、第1オペレータはクラウドサービス50にアップロードされている請求書データを取得可能となる。また、第1オペレータが
図4に示すようなタスク表示画面120において請求書データ取得ボタン128をマウス等でクリックすると、モニタに表示される入力画面において管理サーバ10から送信されたID情報およびパスワード情報が自動入力されるようになっていてもよい。この場合には、第1オペレータは第1オペレータ端末30のモニタに表示される入力画面においてID情報およびパスワード情報の入力を省略することができる。
【0051】
以上のような構成からなる本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法によれば、プログラムを実行することにより管理サーバ10(コンピュータ)は受付手段12と、送信手段14として機能し、受付手段12は、クライアント企業の識別情報(例えば、クライアント企業の名前)およびクライアント企業の取引先である取引先企業の識別情報(例えば、取引先企業の名前)のうち少なくとも何れか一つを含む代理取得情報を受け付け、送信手段14は、代理取得情報の少なくとも一部または全部を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信し、受付手段12は、第1オペレータ端末30による第1オペレータの操作によって取引先企業のクラウドサービス50(サーバ)から取得された証憑データ(具体的には、例えば請求書データ)を受け付ける。このような情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法によれば、証憑(具体的には、例えば請求書)の処理の代行サービスを行うのに役立つことができる。
【0052】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、代理取得情報は、取引先企業に関連するサーバにアップロードされた、取引先企業からクライアント企業に送付されるべき証憑データの取得スケジュールを更に含み、送信手段14は、代理取得情報のうち取得スケジュールを第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する。このことにより、証憑の処理の代行サービスを行うにあたり、取引先企業に関連するクラウドサービス50から証憑データを取得し忘れてしまうことを防止することができる。より詳細に説明すると、従来では、クライアント企業の取引先である取引先企業から当該クライアント企業に送付される証憑の処理の代行サービスを行うにあたり、取引先企業に関連するクラウドサービス50に証憑データがアップロードされたときに、当該クラウドサービス50や取引先企業からクライアント企業には証憑データがアップロードされた旨のメッセージが通知されるが、代行サービスを行う会社には当該メッセージが通知されない。このため、従来では、取引先企業に関連するクラウドサービス50から代行サービスを行う会社が証憑データを取得し忘れてしまうおそれがあるという問題があった。これに対し、本実施の形態では、クライアント企業の識別情報と、取引先企業の識別情報と、証憑データの取得スケジュールとを含む代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させることにより、証憑の処理の代行サービスを行うにあたり、取引先企業に関連するクラウドサービス50から証憑データを取得し忘れてしまうことを防止することができる。
【0053】
なお、第1オペレータ端末30に表示される代理取得情報は、クライアント企業の識別情報、取引先企業の識別情報および証憑データの取得スケジュールに限定されることはない。他の態様として、第1オペレータ端末30に表示される代理取得情報は、クライアント企業の識別情報および証憑データの取得スケジュールであってもよい。また、別の態様として、第1オペレータ端末30に表示される代理取得情報は、取引先企業の識別情報および証憑データの取得スケジュールであってもよい。また、更に別の態様として、第1オペレータ端末30に表示される代理取得情報は、クライアント企業の識別情報および取引先企業の識別情報のうち何れか一方のみまたは両方であり、証憑データの取得スケジュールが第1オペレータ端末30に表示されないようになっていてもよい。
【0054】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、送信手段14は、取得スケジュールの日付毎に、代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する。このことにより、第1オペレータ端末30には取得スケジュールの日付毎に代理取得情報が表示されるため、第1オペレータは第1オペレータ端末30に表示される代理取得情報を見て取得スケジュールの日付に応じてクラウドサービス50から証憑データを取得することができるようになる。
【0055】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、送信手段14は、取得スケジュールに基づいて、少なくとも第1オペレータ端末30が操作される時点の日付に対応する代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する。この場合には、第1オペレータ端末30には当該第1オペレータ端末30が操作される時点の日付に対応する代理取得情報が表示されるため、第1オペレータは第1オペレータ端末30が操作される日の代理取得情報に基づいてクラウドサービス50から証憑データを取得することができるようになる。
【0056】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、送信手段14は、取得スケジュールに基づいて、少なくとも第1オペレータ端末30が操作される時点の日付に対応する代理取得情報および第1オペレータ端末30が操作される時点よりも前の日付であって受付手段12が未だ証憑データを受け付けていない代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する。この場合には、第1オペレータ端末30が操作される時点よりも前の日付であって受付手段12が未だ証憑データを受け付けていない代理取得情報も第1オペレータ端末30に表示されるため、第1オペレータは過去の取得し忘れの証憑データに気づくことができる。
【0057】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、プログラムは管理サーバ10(コンピュータ)を情報取得忘れ通知手段18として更に機能させ、情報取得忘れ通知手段18は、取得スケジュールに基づいて取得されるべき証憑データが取得されていないときに証憑データの情報取得忘れを第1オペレータ端末30に通知する。このことにより、第1オペレータは過去の取得し忘れの証憑データに気づくことができる。
【0058】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、各クライアント企業について各月日に第1オペレータの識別情報が割り当てられており、送信手段14は、受付手段12が受け付けた代理取得情報の取得スケジュールに基づいて、該当するクライアント企業について該当する月日に割り当てられている識別情報の第1オペレータが第1オペレータ端末30にログインした場合にのみ代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させるよう第1オペレータ端末30に表示指示信号を送信する。この場合には、証憑データのダウンロードについて担当が割り当てられていない第1オペレータの第1オペレータ端末30には代理取得情報が表示されないので、第1オペレータは自分が担当する証憑データのクラウドサービス50からのダウンロードのみを確実に行うことができるようになる。言い換えると、第1オペレータは自分の担当ではない証憑データをクラウドサービス50から誤って取得してしまうことを防止することができる。
【0059】
なお、各クライアント企業について各月日に第1オペレータの識別情報が割り当てられるのではなく、各取引先企業について各月日に第1オペレータの識別情報が割り当てられていてもよい。この場合は、送信手段14は、受付手段12が受け付けた代理取得情報の取得スケジュールに基づいて、該当する取引先企業について該当する月日に割り当てられている識別情報の第1オペレータが第1オペレータ端末30にログインした場合にのみ代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させるよう第1オペレータ端末30に表示指示信号を送信する。
【0060】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、プログラムは管理サーバ10(コンピュータ)を消込手段16として更に機能させ、消込手段16は、第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50(サーバ)から証憑データが取得されると、第1オペレータ端末30に表示されている当該証憑データに対応する代理取得情報を表示させないようにするよう第1オペレータ端末30に消込指令を送信する。このことにより、クラウドサービス50から証憑データが二重に取得されてしまうことを防止することができる。
【0061】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、受付手段12は、代理取得情報として、取引先企業のクラウドサービス50から証憑データを取得する取得画面のURLも受け付け、送信手段14は、URLを含む代理取得情報を第1オペレータ端末30に送信し、第1オペレータ端末30においてURLに関連する請求書データ取得ボタン128がクリックされると取得画面が第1オペレータ端末30に表示されるようになっている。この場合には、第1オペレータは第1オペレータ端末30においてモニタに表示されるURLに関連する請求書データ取得ボタン128をクリックするだけで取得画面が第1オペレータ端末30に表示されるため、第1オペレータにとっての利便性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、第1オペレータ端末30において取得画面にアクセスするにあたりID情報およびパスワード情報の入力が必要となっており、受付手段12は、代理取得情報として、ID情報およびパスワード情報も受け付け、送信手段14は、ID情報およびパスワード情報を含む代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信するようになっていてもよい。この場合は、取得画面にアクセスするにあたり必要なID情報およびパスワード情報も第1オペレータ端末30に送信されるため、第1オペレータにとっての利便性をより向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、プログラムは管理サーバ10(コンピュータ)を重複チェック手段20として更に機能させ、重複チェック手段20は、取引先企業のクラウドサービス50(サーバ)から取得された証憑データが、既に取得されている証憑データと一致するか否かのチェックを行い、一致している場合は、受付手段12はクラウドサービス50から取得された証憑データを受け付けないようになっている。このことにより、クラウドサービス50から証憑データが二重に取得されてしまうことを防止することができる。
【0064】
また、本実施の形態の情報処理システム1、管理サーバ10、プログラムおよび情報処理方法においては、プログラムは管理サーバ10(コンピュータ)を日付読取手段22として更に機能させ、日付読取手段22は、受付手段12が受け付けた証憑データから証憑の発行日等の日付の情報を読み取る。この場合には、管理サーバ10において、第2オペレータ端末32によって第2オペレータにより入力された証憑の発行日等の日付と、日付読取手段22により読み取られた証憑の発行日等の日付とを照合し、両者が一致しない場合には第2オペレータ端末32に対して入力された証憑の発行日等の日付が誤っていることを通知することができるようになる。あるいは、第2オペレータによる第2オペレータ端末32を用いた証憑の発行日等の日付の入力を省略することができるようになる。
【0065】
なお、本実施の形態による情報処理システム1や情報処理方法等は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0066】
本実施の形態の情報処理システム1や情報処理方法等により処理される証憑は請求書に限定されることはない。情報処理システム1や情報処理方法等により処理される証憑として、請求書以外の国税関係書類等の書類が用いられてもよい。
【0067】
また、管理サーバ10において、受付手段12が受け付けた請求書の画像データからOCR機能により請求書の発行日等の日付の情報だけではなく請求書の他の情報(例えば、請求書の明細、金額、支払期限日等)が読み取られてもよい。この場合は、管理サーバ10において、第2オペレータ端末32によって第2オペレータにより入力された請求書の情報と、OCR機能により読み取られた請求書の情報とを照合し、両者が一致しない場合には第2オペレータ端末32に対して入力された請求書の情報が誤っていることを通知することができるようになる。あるいは、第2オペレータによる第2オペレータ端末32を用いた請求書の情報の入力を省略することができるようになる。
【0068】
また、第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から取得される請求書データは請求書の画像データに限定されることはない。例えば、第1オペレータ端末30によりクラウドサービス50から取得される請求書データとして、請求書の画像データではなく、請求書の請求日、明細、金額および支払期限日等のうち少なくとも何れか一つのテキスト情報が用いられてもよい。
【0069】
また、送信手段14が代理取得情報を第1オペレータ端末30に表示させる旨の表示指示信号を第1オペレータ端末30に送信する際に、送信手段14は第1オペレータ端末30を操作する第1オペレータのメールアドレスに代理取得情報が記載されたメールを送信してもよい。この場合には、第1オペレータは第1オペレータ端末30でメールソフトにより管理サーバ10から受信したメールを開くことにより代理取得情報が第1オペレータ端末30のモニタに表示されるようになる。
【0070】
また、第1オペレータ端末30がクラウドサービス50から請求書データを取得し、取得された請求書データが第1オペレータ端末30から管理サーバ10に送信されるのではなく、第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作することによって、管理サーバ10がクラウドサービス50から請求書データを直接取得するようになっていてもよい。また、クライアント企業の社員がクライアント端末40を操作することによって、管理サーバ10がクラウドサービス50から請求書データを直接取得するようになっていてもよい。この場合は、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員である第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作しなくても、管理サーバ10がクラウドサービス50から請求書データを取得することができるようになる。
【0071】
また、管理サーバ10がクラウドサービス50から請求書データを直接取得するにあたり、第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作するのではなく、メモリ24に記憶されている所定のプログラムに基づいてスクレイピングによりクラウドサービス50から請求書データが取得されてもよい。この場合、例えば取引先企業のクラウドサービス50から請求書データを取得する取得画面に対して管理サーバ10から所定の期間毎にアクセスがなされ、請求書データがクラウドサービス50にアップロードされると管理サーバ10により自動的にダウンロードされるようになる。しかしながら、この場合、請求書データを取得する取得画面のURLが変更されたりソースコードが変わったりすると、クラウドサービス50にアップロードされた請求書データを管理サーバ10により自動的にダウンロードすることができなくなる。この場合は、第1オペレータが手動で第1オペレータ端末30により請求書データを取得する取得画面にアクセスする必要がある。
【0072】
また、クライアント企業の社員がクライアント端末40を操作することによって、管理サーバ10がスクレイピングによりクラウドサービス50から請求書データを自動で取得する際の設定を行うことができるようになっていてもよい。この場合は、管理サーバ10の管理を行う管理会社の社員である第1オペレータが第1オペレータ端末30を操作しなくても、管理サーバ10によるスクレイピングの設定を行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
10 管理サーバ
12 受付手段
14 送信手段
16 消込手段
18 通知手段
20 重複チェック手段
22 日付読取手段
24 メモリ
30 第1オペレータ端末
32 第2オペレータ端末
40 クライアント端末
50 クラウドサービス
100 スケジュール表示画面
101 現在の日付
102 過去の未取得データ
104 今後のデータ取得予定
106 請求書データを取得すべき日付
108 クライアント企業の名前
110 取引先企業の名前
120 タスク表示画面
122 請求書データの取得予定日
124 クライアント企業の名前
126 取引先企業の名前
128 請求書データ取得ボタン
140 スケジュール表示画面
142 カレンダー
144 クライアント企業の名前