(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018850
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器
(51)【国際特許分類】
C05F 11/06 20060101AFI20240201BHJP
F23J 15/00 20060101ALI20240201BHJP
C10C 5/00 20060101ALI20240201BHJP
C05G 5/20 20200101ALI20240201BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
C05F11/06
F23J15/00 Z
C10C5/00
C05G5/20
F27D17/00 101G
F27D17/00 104G
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179655
(22)【出願日】2022-11-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】202210899710.7
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522439113
【氏名又は名称】山東華伊生態農業発展有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】方 基塁
(72)【発明者】
【氏名】許 永偉
(72)【発明者】
【氏名】姚 義清
(72)【発明者】
【氏名】孫 福臻
(72)【発明者】
【氏名】陳 海寧
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】王 銘▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
(72)【発明者】
【氏名】于 清峰
【テーマコード(参考)】
3K070
4H061
4K056
【Fターム(参考)】
3K070DA58
4H061AA01
4H061AA03
4H061BB51
4H061CC01
4H061FF01
4H061GG67
4K056AA19
4K056BB01
4K056CA20
4K056DA02
4K056DA33
4K056DB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】木製物から植物栄養液を製造する機器を提供する。
【解決手段】木製物原料は、乾燥気化室内で空気を隔離し、熱供給室によって生成された高温の煙道ガスが熱供給チャネルを介して乾燥気化室に入り、木製物の材料タンクと熱交換し、熱交換後の煙道ガスは排煙チャネルを通って再燃焼室付きの煙突に入る。木製物材料が材料タンク内での加熱によって生成される揮発性ガスは、温度に応じてそれぞれ水蒸気排出口、カップリング液化装置4、または熱供給室に入る。この機器は、温度を正確に制御でき、熱効率が高く、異なる揮発温度によると、植物栄養液を正確に収集して、生産プロセス全体では木製のウッドタールを生成しない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器であって、
熱供給室(1)、乾燥気化室(2)、材料タンク(3)、カップリング液化装置(4)、凝縮装置(5)、マイクロダイナミック浮選装置(6)、再燃焼室付きの煙突(7)、熱供給チャネル(8)、排煙チャネル(9)、揮発性ガスパイプライン(10)、揮発性ガスバルブ(11)、排煙チャネルバルブ(12)及びゲートプレート(13)を含み、
熱供給室(1)と乾燥気化室(2)とは、熱供給チャネル(8)及び排煙チャネル(9)によって接続され、
材料タンク(3)は、乾燥気化室(2)内に位置し、揮発性ガスパイプライン(10)を介してカップリング液化装置(4)、熱供給室(1)又は水蒸気排出口に接続され、
凝縮装置(5)は、カップリング液化装置(4)に連通し、
マイクロダイナミック浮選装置(6)は、カップリング液化装置(4)と凝縮装置(5)の下方に位置し、
揮発性ガスバルブ(11)は、材料タンク(3)の揮発性ガス出口位置に設置され、
排煙チャネルバルブ(12)は、排煙チャネル(9)に設置され、
ゲートプレート(13)は、熱供給室(1)と再燃焼室付きの煙突(7)に接続される
ことを特徴とする木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項2】
熱供給室(1)は、クリーンエネルギーの燃焼によって発生した高温排ガスを熱エネルギーとして乾燥気化室(2)に供給し、
排煙チャネル(9)には、排煙チャネルバルブ(12)が設置され、
排煙チャネルバルブ(12)により排ガスの流量を制御することで乾燥気化室(2)の温度を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項3】
水蒸気排出口と、再燃焼室付きの煙突(7)に設置された排ガス排出口と、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項4】
乾燥気化室(2)には、揮発性ガス排出口と、熱供給チャネル(8)と連通する吸気口と、排煙チャネル(9)と連通する排出口とが設置され、
材料タンク(3)は、揮発性ガス排出口に接続されるように乾燥気化室(2)内に収容される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項5】
乾燥気化室(2)内には、1つ以上の材料タンク(3)が設置され、
高温排ガスは、乾燥気化室(2)に入り込んだ後に材料タンク(3)と間接熱交換を行うことにより、材料タンク(3)内の木製物を乾燥して揮発性ガスに気化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項6】
機器全体の外側は、断熱密閉材料によって被覆され、
熱供給室(1)の内壁には、断熱材料で構成され、
熱供給チャネル(8)と排煙チャネル(9)は、断熱材料で構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項7】
熱供給室(1)、乾燥気化室(2)、熱供給チャネル(8)、排煙チャネル(9)、揮発性ガス出口、再燃焼室付きの煙突(7)のいずれにも、温度センサが設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項8】
カップリング液化装置(4)と凝縮装置(5)は、特定の温度における木製物から発生した揮発性ガスを液化させ、
マイクロダイナミック浮選装置(6)は、植物栄養液を精製する
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項9】
カップリング液化装置(4)内には、揮発性ガスと混合するためのカルシウムカリウムイオン溶液を吐出するノズルが設置され、
凝縮装置(5)内には、ミスト除去器が設置され、
マイクロダイナミック浮選装置(6)内には、植物栄養液を精製する多段分離装置が設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【請求項10】
ゲートプレート(13)は、熱供給室(1)と乾燥気化室(2)の温度が低下されるように、熱供給室(1)の煙道ガスが再燃焼室付きの煙突(7)に直接入り込むことを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスエネルギーの技術分野、特に木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器に関する。
【背景技術】
【0002】
天然植物抽出液として、植物栄養液は、バイオマスが加熱されて揮発して発生された木酢液をカップリングすることにより調製されており、殺菌、抗菌機能を有し、土壌改善、植物栄養などの場合にも広く用いられている。
【0003】
現在、バイオマス処理の分野では、ほとんど焼成炉を使用してバイオマス炭のみを発生し、揮発性ガスは、大気に直接排出されるため、汚染が深刻で無駄になる。一部のバイオマス炭製造プロジェクトについては、木酢液を抽出することもできるが、植物栄養液を直接調製することはできない。
【0004】
また、例えば、CN102911683Bには、反応釜及び多段反応室によって段階的に加熱して冷却する木製原料の炭化システム及び炭化プロセスが開示されている。
【0005】
しかしながら、CN102911683Bに記載の木製原料の炭化システム及び炭化プロセスでは、木酢液とウッドタールを複数の段階で徐々に分離するため、プロセスが複雑であり、木酢液の回収効率が低く、製造コストが高く、副生成物であるウッドタールが別途他の機器で処理される必要がある。機器敷地面積が広く、パイプラインが複雑で、自動化を実現することができず、取り付けとメンテナンスにはすべて、大量の労力や物的資源が必要であり、全体的なコストが高く、エネルギー消費量が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器であって、熱供給室、乾燥気化室、材料タンク、カップリング液化装置、凝縮装置、マイクロダイナミック浮選装置、再燃焼室付きの煙突、熱供給チャネル、排煙チャネル、揮発性ガスパイプライン、揮発性ガスバルブ、排煙チャネルバルブ及びゲートプレートを含み、熱供給室と乾燥気化室とは、熱供給チャネル及び排煙チャネルによって接続され、材料タンクは、乾燥気化室内に位置し、揮発性ガスパイプラインを介してカップリング液化装置、熱供給室又は水蒸気排出口に接続され、凝縮装置は、カップリング液化装置に連通し、マイクロダイナミック浮選装置は、カップリング液化装置と凝縮装置の下方に位置し、揮発性ガスバルブは、材料タンクの揮発性ガス出口位置に設置され、排煙チャネルバルブは、排煙チャネルに設置され、ゲートプレートは、熱供給室と再燃焼室付きの煙突に接続される機器が提供される。
【0008】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、熱供給室は、クリーンエネルギーの燃焼によって発生した高温排ガスを熱エネルギーとして乾燥気化室に供給し、排煙チャネルには、排煙チャネルバルブが設置され、排煙チャネルバルブにより排ガスの流量を制御することで乾燥気化室の温度を制御する。
【0009】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、水蒸気排出口と、再燃焼室付きの煙突に設置された排ガス排出口と、をさらに含む。
【0010】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、乾燥気化室には、揮発性ガス排出口と、熱供給チャネルと連通する吸気口と、排煙チャネルと連通する排出口とが設置され、材料タンクは、揮発性ガス排出口に接続されるように乾燥気化室内に収容される。
【0011】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、乾燥気化室内には、1つ以上の材料タンクが設置され、高温排ガスは、乾燥気化室に入り込んだ後に材料タンクと間接熱交換を行うことにより、材料タンク内の木製物を乾燥して揮発性ガスに気化させる。
【0012】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、機器全体の外側は、断熱密閉材料によって被覆され、熱供給室の内壁には、断熱材料で構成され、熱供給チャネルと排煙チャネルは、断熱材料で構成される。
【0013】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、熱供給室、乾燥気化室、熱供給チャネル、排煙チャネル、揮発性ガス出口、再燃焼室付きの煙突のいずれにも、温度センサが設置される。
【0014】
本発明の木製物から植カップリング液化装置と凝縮装置は、特定の温度における木製物から発生した揮発性ガスを液化させ、マイクロダイナミック浮選装置は、植物栄養液を精製する。
【0015】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、カップリング液化装置内には、揮発性ガスと混合するためのカルシウムカリウムイオン溶液を吐出するノズルが設置され、凝縮装置内には、ミスト除去器が設置され、マイクロダイナミック浮選装置内には、植物栄養液を精製する多段分離装置が設置される
【0016】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、ゲートプレートは、熱供給室と乾燥気化室の温度が低下されるように、熱供給室の煙道ガスが再燃焼室付きの煙突に直接入り込むことを制御する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、熱供給、乾燥気化、植物栄養液の収集、可燃性ガスをスキッド機器内に回収して再利用し、自動化制御を温度センサ、バルブ、ゲートプレートなどによって実現し、高品質の断熱材料を使用することで熱エネルギー利用率を向上させることができる。この機器は、一体化程度が高く、簡単に取り付けるだけで使用することができ、メンテナンスが便利であり、生産能力を向上させるとき、複数セットの機器を並行して使用することができ、非常に柔軟であり、機器全体は、省エネルギーで環境保護であり、特定の温度で揮発した木酢液のみを収集することで植物栄養液を製造し、ウッドタールを発生させず、熱供給室、乾燥気化室、材料タンク、カップリング液化装置、再燃焼室付きの煙突、熱供給チャネル、排煙チャネル、揮発性ガスパイプライン、揮発性ガスバルブ、排煙チャネルバルブ等を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係る木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面及び実施例を参照しながら、本発明の発明を実施するための形態をさらに詳しく説明する。以下の実施例は本発明を説明するために使用されるが、本発明の範囲を制限するためには使用されていない。
【0020】
図1に示すように、本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器は、熱供給室1、乾燥気化室2、材料タンク3、カップリング液化装置4、凝縮装置5、マイクロダイナミック浮選装置6、再燃焼室付きの煙突7、熱供給チャネル8、排煙チャネル9、揮発性ガスパイプライン10、揮発性ガスバルブ11、排煙チャネルバルブ12、ゲートプレート13及び制御部(図示しない)を含む。熱供給室1と乾燥気化室2とは、熱供給チャネル8及び排煙チャネル9によって接続される。材料タンク3は、乾燥気化室2内に位置し、揮発性ガスパイプライン10を介してカップリング液化装置4、熱供給室1又は水蒸気排出口に接続される。凝縮装置5は、カップリング液化装置4に連通する。マイクロダイナミック浮選装置6は、カップリング液化装置4と凝縮装置5の下方に位置する。揮発性ガスバルブ11は、材料タンク3の揮発性ガス出口位置に設置される。排煙チャネルバルブ12は、排煙チャネル9に設置される。ゲートプレート13は、熱供給室1と再燃焼室付きの煙突7に接続される。
【0021】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、熱供給室1は、バイオマスガスや天然ガスなどのクリーンエネルギーの燃焼によって発生した高温排ガスを熱エネルギーとして乾燥気化室2に供給する。乾燥気化室2における排ガスチャネルには、バルブが設置されておらず、排煙チャネル9には、排煙チャネルバルブ12が設置され、排煙チャネルバルブ12により排ガスの流量を制御することで乾燥気化室2の温度を制御する。
【0022】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器は、水蒸気排出口と、再燃焼室付きの煙突7に設置された排ガス排出口と、をさらに含む。
【0023】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、乾燥気化室2の側面には、揮発性ガス排出口と、熱供給チャネル8と連通する吸気口と、排煙チャネル9と連通する排出口とが設置される。吸気口は、乾燥気化室2の底部に形成される。揮発性ガス排出口は、乾燥気化室2の側面の最先端に位置する。材料タンク3は、揮発性ガス排出口に自動的に接続されるように乾燥気化室2内に収容される。なお、熱供給チャネル8は、一端が乾燥気化室2の吸気口と連通するとともに他端が熱供給室1と連通する。排煙チャネル9は、一端が乾燥気化室2の排出口と連通するとともに他端が熱供給室1と連通する。
【0024】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、乾燥気化室2内には、1つ以上の材料タンク3が設置される。高温排ガスは、乾燥気化室2に入り込んだ後に材料タンク3と間接熱交換を行うことにより、材料タンク3内の木製物を乾燥して揮発性ガスに気化させる。そして、材料タンク3にて発生した揮発性ガスは、揮発性ガスパイプライン10を通じてカップリング液体装置4に供給される。なお、材料タンク3は、例えば、フォークリフト、トレイなどの任意の補助輸送装置により乾燥気化室に搬送される。
【0025】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、機器全体の外側は、断熱密閉材料によって被覆される。熱供給室1の内壁には、耐高温断熱レンガ及びケイ酸アルミニウムを含む断熱材料で構成される。熱供給チャネル8と排煙チャネル9は、耐火レンガとケイ酸アルミニウムを含む断熱材料で構成される。
【0026】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、熱供給室1、乾燥気化室2、熱供給チャネル8、排煙チャネル9、揮発性ガス出口、再燃焼室付きの煙突7のいずれにも、温度センサが設置される。そして、制御部は、温度センサから出力された検出値に基づいて、各バルブ及びゲートプレート13の開度を制御する。
【0027】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、カップリング液化装置4と凝縮装置5は、特定の温度における木製物から発生した揮発性ガス(具体的には、揮発性ガスパイプライン10を通じて供給される揮発性ガス)を液化させる。
【0028】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、カップリング液化装置4内には、揮発性ガスと混合するためのカルシウムカリウムイオン溶液を吐出する一組又は複数組のノズルが設置される。凝縮装置5内には、ミスト除去器が設置される。
【0029】
具体的には、カップリング液化装置4のノズルは、カルシウムカリウムイオン溶液を吐出することで、材料タンク3から揮発性ガスパイプライン10を通じて供給される揮発性ガスと混合させて混合ガスを生成する。そして、カップリング液化装置4は、生成した混合ガスを、木酢液を含む混合液体に液体化させる。そして、凝縮装置5のミスト除去器は、混合液体に含まれるミストを除去する。
【0030】
マイクロダイナミック浮選装置6は、混合液体から植物栄養液を精製する。マイクロダイナミック浮選装置6内には、混合液体に含まれる木酢液からウッドタール等の不純物を分離して植物栄養液を精製する多段分離装置が設置される。
【0031】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、ゲートプレート13は、熱供給室1と乾燥気化室2の温度が低下されるように、熱供給室1の煙道ガスが再燃焼室付きの煙突7に直接入り込むことを制御する。
【0032】
本発明の木製物から植物栄養液を製造するスキッドマウントタイプの機器では、上記のすべての部品の取り付け方法、接続方法、または設置方法はすべて、一般的な機械的方法であり、そして、すべての部品の具体的な構造、モデル、および係数指標はすべてその付属する技術であり、その有益な効果を達成できる限り、実施できるので、さらに説明しない。
【0033】
上記は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、当業者にとって、本発明の技術原理から逸脱されていないという前提の下で、いくつかの改善と変換も行うことができることを指摘する必要があり、これらの改善と変換も、本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 熱供給室
2 乾燥気化室
3 材料タンク
4 カップリング液化装置
5 凝縮装置
6 マイクロダイナミック浮選装置
7 再燃焼室付きの煙突
8 熱供給チャネル
9 排煙チャネル
10 揮発性ガスパイプライン
11 揮発性ガスバルブ
12 排煙チャネルバルブ
13 ゲートプレート
【手続補正書】
【提出日】2023-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製物から植物栄養液を製造する機器であって、
熱供給室(1)、乾燥気化室(2)、材料タンク(3)、液化装置(4)、凝縮装置(5)、多段分離装置、再燃焼室付きの煙突(7)、熱供給チャネル(8)、排煙チャネル(9)、揮発性ガスパイプライン(10)、揮発性ガスバルブ(11)、排煙チャネルバルブ(12)及びゲートプレート(13)を含み、
熱供給室(1)と乾燥気化室(2)とは、熱供給チャネル(8)及び排煙チャネル(9)によって接続され、
材料タンク(3)は、搬入出可能に乾燥気化室(2)内に収容され、前記乾燥気化室(2)の壁部を貫通した揮発性ガスパイプライン(10)を介して液化装置(4)に接続され、
凝縮装置(5)は、液化装置(4)に連通し、
揮発性ガスバルブ(11)は、材料タンク(3)の揮発性ガス出口位置に設置され、
排煙チャネルバルブ(12)は、排煙チャネル(9)に設置され、
ゲートプレート(13)は、熱供給室(1)と再燃焼室付きの煙突(7)に接続され、
前記再燃焼室付きの煙突(7)、前記熱供給室(1)及び前記乾燥気化室(2)が第1水平方向に沿って配列されることにより、第1構造物が構成され、
前記第1水平方向に沿って配列された前記液化装置(4)及び前記凝縮装置(5)と、前記液化装置(4)及び前記凝縮装置(5)の下方に位置し植物栄養液を精製する前記多段分離装置とにより第2構造物が構成され、
前記第1構造物と前記第2構造物とは、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に沿って並列に設けられている、
ことを特徴とする木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項2】
熱供給室(1)は、クリーンエネルギーの燃焼によって発生した高温排ガスを熱エネルギーとして乾燥気化室(2)に供給し、
排煙チャネルバルブ(12)により排ガスの流量を制御することで乾燥気化室(2)の温度を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項3】
水蒸気排出口と、再燃焼室付きの煙突(7)に設置された排ガス排出口と、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項4】
乾燥気化室(2)には、揮発性ガス排出口と、熱供給チャネル(8)と連通する吸気口と、排煙チャネル(9)と連通する排出口とが設置され、
材料タンク(3)は、揮発性ガス排出口に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項5】
高温排ガスは、乾燥気化室(2)に入り込んだ後に材料タンク(3)と間接熱交換を行うことにより、材料タンク(3)内の木製物を乾燥して揮発性ガスに気化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項6】
機器全体の外側は、断熱密閉材料によって被覆され、
熱供給室(1)の内壁には、断熱材料で構成され、
熱供給チャネル(8)と排煙チャネル(9)は、断熱材料で構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項7】
熱供給室(1)、乾燥気化室(2)、熱供給チャネル(8)、排煙チャネル(9)、揮発性ガス出口、再燃焼室付きの煙突(7)のいずれにも、温度センサが設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項8】
液化装置(4)と凝縮装置(5)は、特定の温度における木製物から発生した揮発性ガスを液化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。
【請求項9】
液化装置(4)内には、揮発性ガスと混合するためのカルシウムカリウムイオン溶液を吐出するノズルが設置され、
凝縮装置(5)内には、ミスト除去器が設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の木製物から植物栄養液を製造する機器。