(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018884
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023016673
(22)【出願日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0094651
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウォン ギュン
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ヨン デ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジ フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ シン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ウォン シク
【テーマコード(参考)】
5F043
【Fターム(参考)】
5F043AA35
5F043BB23
5F043DD07
5F043DD13
5F043DD30
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE10
5F043EE27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エッチレートの散布を効果的に調節する基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、基板にエッチング液を供給するエッチング液供給段階S100と、上記基板を第1回転速度で回転させて上記基板に供給された上記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるパドル段階S200と、上記エッチング液の液膜厚さを調節するように、上記基板の回転速度を第1回転速度とは異なる回転速度に変化させる厚さ調節段階S300と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にエッチング液を供給するエッチング液供給段階と、
前記基板を第1回転速度で回転させて前記基板に供給された前記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるパドル段階と、
前記エッチング液の液膜厚さを調節するように、前記基板の回転速度を第1回転速度とは異なる回転速度に変化させる厚さ調節段階と、を含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記厚さ調節段階で前記基板の回転速度及び前記基板の温度を制御する、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板を一定温度範囲内で加熱する加熱段階を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記加熱段階は、前記パドル段階または前記厚さ調節段階で行われて、前記エッチング液の供給が中断された状態で前記基板を前記エッチング液の温度より高い温度になるように加熱する段階を含む、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記加熱段階は、前記エッチング液供給段階の前に、前記基板を第1温度範囲内で予備加熱する第1加熱段階及び前記パドル段階及び前記厚さ調節段階で前記エッチング液の供給が中断された状態で、前記基板を前記第1温度範囲より高い第2温度範囲内で2次加熱する第2加熱段階を含む、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記厚さ調節段階で前記加熱段階を行って、前記基板の温度を間欠的に調節する、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記加熱段階において、前記基板の中央部位及び前記基板の中央部位を囲む周縁部位の温度をそれぞれ調節する、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記厚さ調節段階の後に、前記基板を前記第1回転速度よりも大きい第2回転速度で回転させ、前記基板にリンス液を供給して前記基板上のエッチング液の液膜を除去するリンス液供給段階を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記パドル段階は、前記基板を前記第1回転速度で回転させて前記基板に供給された前記エッチング液の液膜をパドル形状に形成するパドル形成段階及び前記エッチング液の液膜を安定化させる安定化段階を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記厚さ調節段階で前記基板を回転中止させるか、または前記第1回転速度以下に回転させる、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板にエッチング液を供給するエッチング液供給段階と、
前記基板を第1回転速度で回転させて前記基板に供給された前記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるパドル段階と、
前記エッチング液の供給が中断された状態で前記基板を加熱する段階を含む加熱段階と、
前記エッチング液の液膜厚さを調節するように、前記基板の回転速度を第1回転速度とは異なる回転速度で変化させ、前記基板の温度を制御する厚さ調節段階と、
前記厚さ調節段階の後に、前記基板を前記第1回転速度よりも大きい第2回転速度で回転させ、前記基板にリンス液を供給して前記基板上の前記エッチング液の液膜を除去するリンス液供給段階と、を含む、基板処理方法。
【請求項12】
前記厚さ調節段階で前記加熱段階を行って、前記基板の温度を間欠的に調節する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記加熱段階において、前記基板の中央部位及び前記基板の中央部位を囲む周縁部位の温度をそれぞれ調節する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記加熱段階は、前記パドル段階及び前記厚さ調節段階で行われる、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項15】
工程チャンバー内で基板を支持及び回転させる支持部と、
前記基板にエッチング液を供給するエッチング液供給部と、
前記基板を第1回転速度で回転させて、前記基板に前記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるように前記支持部を回転駆動する回転駆動部と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記エッチング液供給部、前記回転駆動部及び前記加熱部に連結され、前記エッチング液の液膜厚さを調節するように前記基板の回転速度及び温度を制御する制御部と、を含む、基板処理装置。
【請求項16】
前記エッチング液の液膜厚さを測定する厚さ測定部及び前記基板の温度を測定する温度測定部を含み、
前記制御部は、前記厚さ測定部及び前記温度測定部に連結されて、厚さ測定部及び前記温度測定部で測定されたデータに基づいて、前記回転駆動部及び前記加熱部を制御するように構成された、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記エッチング液供給部は、前記エッチング液を加熱する液加熱部を含み、
前記制御部は、前記液加熱部によって加熱された前記エッチング液を前記基板に供給した後に、前記基板を前記エッチング液の吐出温度以上に加熱するように前記加熱部を制御する、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記加熱部は、前記支持部に配置されて前記基板の下部を加熱する下部加熱部を含む、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記基板を間欠的に加熱するように前記加熱部を制御する、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記加熱部は、前記基板の上部に移動可能に配置され、前記基板の上部を局部的に加熱する上部加熱部を含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体製造工程中に基板上に形成された薄膜をパターニングまたは除去するエッチング工程において、枚葉式で基板に対してエッチング処理を行う場合、基板を回転させながら基板上にエッチング液を供給して、基板上の薄膜とエッチング液との反応によって薄膜を除去し、反応後に生成された副産物及び残りのエッチング液は、基板の回転によって基板から除去されることができる。
【0003】
このようなエッチング工程において基板上の薄膜とエッチング液の反応速度を増加させるために、高温処理されたエッチング液を基板上に供給するか、基板を加熱する方式が適用されることができる。基板を加熱する方式ではエッチング液を供給しながら基板を加熱するため、エッチング液と基板との間に温度差がある場合、均一な加熱及び加熱に必要なエネルギー消耗が大きいことから、加熱効率の低下によってエッチング効率が落ちるという問題点がある。また、エッチング過程において必要に応じて基板上の位置別にエッチング程度に対する要求が異なる場合があるが、現在、このような問題点を解決するのに困難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許番号10-2020-0095818(2020.08.11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、エッチレートの散布を効果的に調節することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によると、基板にエッチング液を供給するエッチング液供給段階と、上記基板を第1回転速度で回転させて上記基板に供給された上記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるパドル段階と、上記エッチング液の液膜厚さを調節するように上記基板の回転速度を第1回転速度とは異なる回転速度に変化させる厚さ調節段階と、を含む基板処理方法を提供する。
【0007】
また、本発明の他の一実施例によると、基板にエッチング液を供給するエッチング液供給段階と、上記基板を第1回転速度で回転させて上記基板に供給された上記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるパドル段階と、上記エッチング液の供給が中断された状態で上記基板を加熱する段階を含む加熱段階と、上記エッチング液の液膜厚さを調節するように上記基板の回転速度を第1回転速度とは異なる回転速度に変化させ、上記基板の温度を制御する厚さ調節段階と、上記厚さ調節段階の後に、上記基板を上記第1回転速度よりも大きい第2回転速度で回転させ、上記基板にリンス液を供給して上記基板上の上記エッチング液の液膜を除去するリンス液供給段階と、を含む基板処理方法をさらに提供する。
【0008】
さらに、本発明のまた他の一実施例によると、工程チャンバー内で基板を支持及び回転させる支持部と、上記基板にエッチング液を供給するエッチング液供給部と、上記基板を第1回転速度で回転させて上記基板に上記エッチング液の液膜をパドル形状に形成させるように上記支持部を回転駆動する回転駆動部と、上記基板を加熱する加熱部と、上記エッチング液供給部、上記回転駆動部及び上記加熱部に連結されて、上記エッチング液の液膜厚さを調節するように上記基板の回転速度及び温度を制御する制御部と、を含む基板処理装置をさらに提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例による基板処理方法及び基板処理装置によると、エッチング液を供給して基板上にパドル形状にエッチング液の液膜を形成させることでエッチング液の消耗量を効果的に減らすことができ、基板上にパドル形状の液膜が形成された状態で基板の回転速度を適切に調節して基板上のエッチング液の液膜厚さを調節することができるため、基板の全般に対してエッチングが均一になるようにすることができ、また、一実施例で基板の中央部位や周縁部位またはエッジ部位のエッチングが不均一になるようにすることもできるため、基板に対するエッチングをより精密に調節することができ、さらに、エッチレートの散布を効果的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を示した例示図である。
【
図2】エッチング液としてリン酸(H
3PO
4)を用いた場合、温度別に基板上のリン酸の液膜厚さによるエッチレートを示したグラフである。
【
図3】エッチング液としてリン酸を用いた場合、回転速度別に位置による基板上の液膜厚さの変化を示したグラフである。
【
図4】基板の回転速度による基板上のエッチング液の液膜厚さ及びエッチング程度を示したグラフである。
【
図5】一実施例による基板処理方法に対するフローチャートである。
【
図6】一実施例による基板処理方法に対するフローチャートである。
【
図7】一実施例による基板処理方法に対するフローチャートである。
【
図8】一実施例による基板処理方法に対するフローチャートである。
【
図9】本発明の他の一実施例による基板処理装置を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように好ましい実施例を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施例を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。なお、類似した機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同一符号を付与する。なお、本明細書において、「上部」、「上面」、「下部」、「下面」、「中央」、「周縁」などの用語は該当構成要素の「上部」、「上面」、「下部」、「下面」、「中央」、「周縁」などを基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって変わることができる。
【0012】
なお、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含まれる。さらに、ある構成要素を「含む」とは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0013】
本発明による基板処理装置は、基板を処理するための装置であり、エッチング工程、フォト工程、洗浄工程など様々な工程に用いることができる。一例として、本発明の基板処理装置はエッチング工程に用いられることができ、具体的には、エッチング液をエッチング液供給部を用いて基板に供給して基板を処理することができ、また、フォト工程、洗浄工程などの他の基板処理工程にも用いられることができる。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【0015】
実施例1
図1は、本発明の実施例1による基板処理装置を示した例示図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の基板処理装置100は、半導体製造工程中のエッチング工程に用いられることができ、シリコンウエハなどの基板W上に形成された薄膜Fを除去するために用いられることができる。例えば、上記基板W上にはシリコン窒化物を含む薄膜Fが形成されることができ、基板処理装置100は、例えば、リン酸(H
3PO
4)などのエッチング液Eを基板F上に供給し、上記薄膜Fと上記エッチング液Eとの間のエッチング反応を用いて薄膜Fを除去することができる。
【0017】
本発明の一実施例による基板処理装置100は、支持部200、エッチング液供給部300、回転駆動部400、加熱部500及び制御部600を含むことができる。
【0018】
基板処理装置100は、薄膜Fの除去のためのエッチング工程が行われる工程チャンバー110を含むことができ、このような工程チャンバー110内には、上記支持部200、エッチング液供給部300、及び回転駆動部400が配置されることができる。
【0019】
支持部200は、工程チャンバー110内で基板Wを支持及び回転させることができる。
【0020】
支持部200は、大略円形板状の支持ヘッド210及び支持ヘッド210上に配置されて、基板Wのエッジ部位を支持するための支持ピン220を含むことができる。したがって、基板Wは、支持部200の支持ピン220に支持された状態で回転駆動部400の駆動によって回転されることができる。
【0021】
エッチング液供給部300は、基板W上の薄膜Fをエッチングするために、噴射ノズル310を介して基板Wにエッチング液Eを供給することができる。したがって、基板W上の薄膜Fは、基板Wに供給されたエッチング液Eとの化学的な反応によって除去されることができる。
【0022】
このようなエッチング液Eは、基板W上に供給される前に加熱処理を行って一定温度で加熱されることができる。このために、エッチング液供給部300は、エッチング液Eを加熱する液加熱部320を含むことができる。
【0023】
回転駆動部400は、支持部200を回転駆動する駆動手段として、支持部200を回転駆動することで基板Wを第1回転速度で回転させて基板Wにエッチング液Eの液膜をパドル形状に形成させることができる。ここで、第1回転速度について特に限定してはいないが、基板を低速で回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜がパドル形状に形成され得る速度であればよい。
【0024】
このような回転駆動部400は、支持ヘッド210の下部に配置され、支持部200の支持ヘッド210に回転力の提供のためのモータを含む駆動ユニット410及び駆動ユニット410と支持ヘッド210に連結される駆動軸420を含むことができる。
【0025】
加熱部500は、基板を加熱して基板に供給されたエッチング液Eと基板W上の薄膜Fとの反応温度範囲に到達するように構成することができる。
【0026】
さらに、エッチング液Eと基板W上の薄膜Fとの間の化学反応は、エッチング液Eの温度によって反応速度が変化されることができ、基板W上の薄膜Fのエッチレートを増加させるために、エッチング液Eを加熱することができる。具体的には、エッチング液供給部300の液加熱部320を介してエッチング液Eを一定温度に加熱することができ、一例として、エッチング液Eがリン酸である場合、150℃~160℃程度に加熱することができる。また、エッチング液Eが基板Wに供給された後、一定温度範囲を維持した状態で反応が行われるように加熱部500を介して基板Wを加熱することができる。このような加熱部500は、支持部200に配置されて基板Wの下部を加熱する下部加熱部510を含むことができる。下部加熱部510は、エッチング液Eが基板Wに供給される前に、先に基板Wをエッチング液Eの吐出温度以下に1次予備加熱することができる。具体的には、エッチング液供給部300の液加熱部320を介して加熱されたエッチング液Eが基板Wに供給される前に、加熱されたエッチング液Eの温度より低いか、または同様にして基板Wを1次予備加熱することができる。これによって、エッチング液Eが基板Wに供給されるときの基板Wとの温度差を減らすことができ、エネルギー損失を効果的に減らすことができる。さらに、エッチング液Eが基板Wに供給されて基板Wが第1回転速度で回転されてエッチング液Eの液膜がパドル形状に形成された後、エッチング液Eの供給が中断された状態で下部加熱部510を介して基板Wをエッチング液Eの吐出温度以上に2次加熱することができる。具体的には、下部加熱部510を介して基板Wを加熱されたエッチング液Eの吐出温度以上(例えば、160℃以上、具体的な一例として210℃±10℃)に2次加熱してエッチング液Eと基板W上の薄膜Fとの間のエッチング反応の開始及びエッチレートの向上を実現することができる。
【0027】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、様々な方式で実現することができる。一例として、エッチング液が基板に供給される前に予熱なしに、基板に供給されたエッチング液の液膜がパドル形状に形成される過程または形成された後に加熱部を介して基板を加熱することもできる。これは、既存のエッチング液の連続吐出する過程で基板を加熱する方式によるエッチング液のクーリング効果によって基板の温度維持に多くのエネルギーが必要であり、温度維持に困難がある既存の問題点を解決することができるため、エッチング液の消耗量及び加熱に対する省エネ効果を実現することができる。
【0028】
上記下部加熱部510は、加熱ランプ511、一例として赤外線ランプを含むことができる。このような下部加熱部510から出力されたレーザビームは、支持ヘッド210の上面を透過して基板Wに照射されることで基板Wを加熱させることができる。
【0029】
さらに、基板の温度に対する精密な制御のために、上記加熱部500は、基板Wの上部に配置される上部加熱部520をさらに含むことができる。このような上部加熱部520は、レーザ照射ユニットであることができ、基板Wの中心部位の上部に配置されることができ、基板Wの中央部位に対応する円形のビームパターンを有する第1レーザビームと、上記基板Wの中央部位を囲む周縁部位(またはエッジ部位)に対応する円形リング状のビームパターンを有する第2レーザビームを提供することができる。一例として、第1レーザビームと上記第2レーザビームのパワー調節を実現することができる。具体的には、エッチング液Eの供給によって、エッチング液E及び上記基板Wの温度が基板Wの中央部位及び周縁部位(またはエッジ部位)で変化されることができ、上記中央部位及び周縁部位の温度差は、上部加熱部520における第1レーザビームと第2レーザビームのパワー調節によって減少されることができ、さらに、下部加熱部510及び上部加熱部520を介して基板の位置別に、さらに精密に温度調節を実現することができる。
【0030】
一方、上部加熱部は、これに限定されるものではなく、スポット状に加熱可能なスポットヒータであることもできる。
【0031】
また、基板処理装置100は、エッチング液Eを回収するために、基板Wを囲むように構成されるボウル部Bを含むことができる。一例として、エッチング工程が行われた後、基板W上に反応過程で形成された反応副産物及び残りのエッチング液Eを除去するために、回転駆動部400は基板Wを第1回転速度より大きく設定された高速で回転させることができ、これによって反応副産物と残りのエッチング液Eが遠心力によって基板Wから除去されることができる。基板Wから除去された反応副産物と残りのエッチング液Eは、ボウル部Bによって回収されることができ、ボウル部Bに連結された配管(図示せず)を介して基板処理装置の外部に排出されることができる。
【0032】
制御部600は、エッチング液供給部300、回転駆動部400及び加熱部500に連結されることができる。制御部600は、エッチング液供給部300を制御して基板Wに一定量のエッチング液Eを供給するようにすることができ、またエッチング液供給部300の液加熱部320に連結されて液加熱部320の作動を制御することができる。また、制御部600は、基板Wの回転速度及び温度を調節するように回転駆動部400及び加熱部500を制御してエッチング液Eの液膜厚さを調節することができる。
【0033】
制御部600は、上記液加熱部320によって加熱された上記エッチング液Eを上記基板Wに供給した後、上記基板Wをエッチング液Eの吐出温度以上に加熱するように上記加熱部500を制御することができるが、これに限定されるものではなく、エッチング液の供給前に基板を加熱するか、エッチング液を供給する過程で加熱部を稼動して基板を加熱することもできる。
【0034】
また、上記制御部600は、上記基板Wを間欠的に加熱するように上記加熱部500を制御することができるため、エッチング液Eの連続吐出に対するエッチング液Eの消耗を最小限に抑えることができる。
【0035】
したがって、本発明の制御部600は、具体的なエッチング条件など必要に応じて基板Wの回転速度を制御してエッチング液Eの液膜厚さを調節することができ、さらに基板の温度を制御してエッチング程度を調節することで、液膜厚さを調節することができる。
【0036】
エッチング液Eの液膜厚さの調節を正確にするために、本発明の基板処理装置100は、厚さ測定部700及び温度測定部800を含むことができる。厚さ測定部700は、エッチング液Eの液膜厚さを測定することができ、温度測定部800は、基板Wの温度を測定することができる。上記制御部600は、上記厚さ測定部700及び上記温度測定部800に連結されて厚さ測定部700で測定されたデータ及び上記温度測定部800で測定されたデータに基づいて、上記回転駆動部400及び上記加熱部500を制御して基板の回転速度及び温度を調節することができる。
【0037】
厚さ測定部700は、基板W上の薄膜Fと上記エッチング液Eとの間の反応を用いて薄膜Fがエッチングされる間、上記エッチング液Eの液膜厚さを測定して基板W上のエッチング液Eの液膜厚さの変化を検出することができる。
【0038】
一例として、厚さ測定部700は、基板Wの上部に配置されることができ、図示されてはいないが、基板W上に光を照射する発光部と液膜によって屈折された後、基板Wから反射される光を受光するための受光部を含むことができる。
【0039】
制御部600は、厚さ測定部700で検出された基板W上のエッチング液Eの液膜厚さの変化に応じて回転駆動部400を制御して基板の回転速度を調節することで、基板上の液膜厚さを必要に応じて正確に調節することができる。制御部600は、基板上のエッチング液Eの液膜厚さを調節する過程で基板Wを回転中止させるか、または上記第1回転速度以下に回転させることができる。
【0040】
上記温度測定部800は、上記基板Wの上部に配置されて基板Wの温度を検出する熱画像カメラであることができる。さらに、制御部600は、熱画像カメラによって獲得されるイメージを介して基板Wの中央部位及び中央部位を囲む周縁部位の温度を検出することができる。
【0041】
一方、
図2は、例えばエッチング液Eとしてリン酸(H
3PO
4)を用いた場合、温度別に基板上のリン酸の液膜厚さに応じたエッチレート(Etching rate、ER)を示したグラフである。図面を参照すると、同じ温度でリン酸の液膜厚さが厚いほどエッチング程度が多くなり、さらにエッチング液Eの温度が高いほどエッチング程度が多くなることが確認できる。
【0042】
さらに、
図3は、エッチング液としてリン酸を用いた場合には、回転速度別に位置による基板上の液膜厚さの変化を示したグラフである。図面を参照すると、遠心力によって基板の回転速度が高いほどエッジの厚さが比較的に厚く、中央部が比較的に薄いことが確認できる。
【0043】
また、
図4は、基板の回転速度に応じた基板上のエッチング液の液膜厚さ及び基板の回転速度に応じたエッチング程度(etching amount、E/A)を示したグラフである。図面を参照すると、基板Wの回転速度がそれぞれ4rpm、5rpm及び6rpmである場合、基板W上のエッチング液Eの液膜厚さ及びエッチング程度に対するグラフから分かるように、基板Wの回転速度の調節により基板Wの各位置におけるエッチング程度を調節することができる。
【0044】
結果的に、基板の回転速度及び温度を適切に調節することで、基板の全般に対してエッチングが均一になるようにすることができ、また、一実施例として基板Wの中央部位や周縁部位またはエッジ部位のエッチングが不均一になるようにすることもできるため、基板に対するエッチングをより精密に調節することができる。
【0045】
上述したように、本発明の一実施例によると、基板W上の薄膜Fに対するエッチング工程は、エッチング液Eの使用量を減少させるためにパドル方式で行われることができる。具体的には、エッチング液供給部300は、基板Wの中央部位上に一定量のエッチング液Eを供給することができ、回転駆動部400は、エッチング液Eが基板Wの上面上で全体的に拡散して、所定厚さの液膜を形成するように基板Wを第1回転速度で回転させることができる。すなわち、基板W上に供給されたエッチング液Eは、遠心力によって基板Wの中央部位からエッジ部位に拡散することができ、エッチング液Eが基板Wのエッジ部位まで十分に拡散した後、エッチング液Eの表面張力によって液膜が所定厚さのパドル形状に形成されることができる。基板上にこのようなエッチング液Eの液膜が形成された後の薄膜Fに対するエッチング工程は、エッチング液Eによって一定時間行われることができる。制御部600は、上記液加熱部320によって加熱された上記エッチング液Eを上記基板Wに供給された後、基板Wをエッチング液Eの吐出温度以上に加熱するように上記加熱部500を制御することができる。基板上の薄膜とエッチング液Eの液膜との間の化学反応が進行される過程で、制御部600は、厚さ測定部700によって検出された基板W上のエッチング液Eの液膜厚さの変化に対するデータ及び温度測定部800によって検出された基板Wの温度に対するデータに基づいて、リアルタイムで基板W上に位置別にエッチング液Eの液膜厚さを調節することができるため、エッチレートの散布を効果的に調節することができる。
【0046】
例えば、基板Wの中央部位でのエッチング程度が周縁部位(またはエッジ部位)でのエッチング程度に比べて多く進行された場合、制御部600は、基板Wの回転速度をより大きく制御するか、基板Wの中央部位の温度を下げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を高めるように制御することができる。また、基板Wの回転速度をさらに大きく制御すると同時に、基板Wの中央部位の温度を下げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を高めるように制御することができるため、基板Wに対する均一なエッチング効果を実現することができる。
【0047】
また、基板Wの中央部位でのエッチング程度が周縁部位(またはエッジ部位)でのエッチング程度に比べて少なく行われた場合、制御部600は基板Wの回転速度をさらに小さく制御するか、基板Wの中央部位の温度を上げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を下げるように制御することができる。また、基板Wの回転速度をさらに小さく制御すると同時に、基板Wの中央部位の温度を上げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を下げるように制御することができるため、基板Wに対する均一なエッチング効果を実現することができる。
【0048】
さらに、基板Wに対する均一なエッチング効果を実現することができること以外に、必要に応じて基板Wの温度及び基板Wのエッチング液Eの液膜厚さの変化に基づいて、基板Wの回転速度及び基板の温度を制御することで、基板Wの指定された部位のエッチング程度を調節することができるため、エッチレートの散布を効果的に調節することができる。
【0049】
図5~
図8は、
図1に示した基板処理装置を用いる基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図1及び
図5~
図8を参照して、本発明の一実施例による基板処理装置の基板処理方法について具体的に説明する。
【0051】
図面を参照すると、本発明の一実施例による上記基板処理装置を適用した基板処理方法は、エッチング液供給段階(S100)、パドル段階(S200)及び厚さ調節段階(S300)を含むことができる。
【0052】
エッチング液供給段階(S100)では、基板Wにエッチング液Eを供給する。
【0053】
エッチング液供給段階(S100)では、基板Wを回転する状態でエッチング液供給部300の液加熱部320を介して加熱したエッチング液Eを基板Wに供給することができる。
【0054】
パドル段階(S200)において、基板Wを第1回転速度で回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜をパドル形状に形成させる。パドル段階(S200)において、制御部600は、回転駆動部400を制御してエッチング液供給段階(S100)における基板Wの回転速度で減速された第1回転速度、例えば15rpmまたは15rpm未満で基板Wを回転させることができる。ここで説明すべきことは、エッチング液供給段階(S100)における基板Wの回転速度は、パドル段階(S200)における基板Wの第1回転速度よりも高いことができ、一例として10~20rpm程度高いことができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際の状況に応じてエッチング液供給段階(S100)における基板Wの回転速度を適切に制御することができる。一方、第1回転速度について特に限定してはいないが、基板Wを低速で回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜がパドル形状に形成され得る速度であれば、いずれも可能である。一例として、基板Wを第1回転速度として15rpmで回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜をパドル形状に形成させることができる。
【0055】
具体的には、
図6を参照すると、パドル段階(S200)は、パドル形成段階(S210)及び安定化段階(S220)を含むことができる。パドル形成段階(S210)で基板Wを第1回転速度で回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜をパドル形状に形成する。安定化段階(S220)でエッチング液Eの液膜を安定化させる。一例として、パドル形成段階(S210)において、基板Wを第1回転速度として15rpmまたは15rpm未満に回転させて基板Wに供給されたエッチング液Eの液膜をパドル形状に形成した後、安定化段階(S220)で第1回転速度と同じ速度または10rpmなど15rpm未満の回転速度でエッチング液Eの液膜を安定化させることができる。
【0056】
厚さ調節段階(S300)において、基板W上にパドル形状の液膜が形成された状態でエッチング液Eの液膜厚さを調節するように基板Wの回転速度を第1回転速度と異なる回転速度で変化させる。
【0057】
また、厚さ調節段階(S300)において、エッチング液Eの液膜厚さを調節するように基板の回転速度を制御する過程で基板の温度を制御することができる。
【0058】
具体的には、厚さ調節段階(S300)において、制御部600は、回転駆動部400及び加熱部500を介して基板Wの回転速度及び温度を共に制御してエッチング液Eの液膜厚さを調節することができる。具体的には、厚さ調節段階(S300)において、基板Wに対して位置別に上記エッチング液Eの液膜厚さを調節することができる。
【0059】
厚さ調節段階(S300)で基板Wを回転中止させるか、上記第1回転速度以下に回転させることができる。
【0060】
基板Wの温度を制御するために、さらに、
図7を参照すると、本発明の基板処理装置を適用した基板処理方法は、上記基板Wを一定温度範囲内で加熱する加熱段階(S400)を含むことができる。
【0061】
加熱段階(S400)は、パドル段階(S200)及び厚さ調節段階(S300)で行われて、エッチング液Eの供給が中断された状態で基板Wをエッチング液Eの温度より高い温度になるように加熱する段階を含むことができる。
【0062】
また、
図8を参照すると、第1加熱段階(S410)及び第2加熱段階(S420)を含むことができる。第1加熱段階(S410)において、エッチング液供給段階(S100)の前に、基板Wを第1温度範囲内で予備加熱することができる。ここで、第1温度範囲について特に限定してはいないが、一例として、第1温度範囲は、基板Wを加熱したエッチング液Eの吐出温度以下であることができる。具体的には、エッチング液供給部300の液加熱部320を介して加熱されたエッチング液Eが基板Wに供給されるエッチング液供給段階(S100)の前に第1加熱段階(S410)を行って供給しようとするエッチング液Eの吐出温度より低いか、または同様にして基板Wを1次予備加熱することができる。これにより、エッチング液Eが基板Wに供給されるときに、基板Wとの温度差を減らすことができるため、エネルギー損失を効果的に減らすことができる。
【0063】
第2加熱段階(S420)では、パドル段階(S200)及び厚さ調節段階(S300)でエッチング液Eの供給が中断された状態で基板Wを上記第1温度範囲より高い第2温度範囲内で2次加熱することができる。具体的には、加熱部500を介して基板Wをエッチング液Eの吐出温度以上に2次加熱することができる。具体的には、下部加熱部510及び/または上部加熱部520を介して基板Wをエッチング液Eの吐出温度以上(例えば、160℃以上、具体的な一例として210℃±10℃)に2次加熱してエッチング液Eと基板W上の薄膜Fとの間のエッチング反応の開始及びエッチレートの向上を実現することができる。
【0064】
また、上記加熱段階(S400)において、上記基板Wの中央部位及び上記基板Wの中央部位を囲む周縁部位の温度をそれぞれ調節することができる。
【0065】
一方、上記厚さ調節段階(S300)において、加熱段階(S400)を行って上記基板Wの温度を間欠的に調節することができる。具体的には、予め設定された第1時間の間に加熱部500をオンに作動して基板を加熱した後、予め設定された第2時間の間に加熱部500をオフに作動中止させることで周期的にオンオフ作動を行って、基板Wの温度が一定範囲内で維持されるようにすることができると同時に、基板Wの温度維持に比較的少ないエネルギーが消耗されることで、経済的且つ省エネの効果を実現することができる。
【0066】
上記厚さ調節段階(S300)において、基板Wの中央部位でのエッチング程度が周縁部位(またはエッジ部位)でのエッチング程度に比べて多く進行された場合、制御部600は、基板Wの回転速度をさらに大きく制御するか、基板Wの中央部位の温度を下げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を上げるように制御することができる。また、基板Wの回転速度をより大きく制御すると同時に、基板Wの中央部位の温度を下げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を上げるように制御することができるため、基板Wに対する均一なエッチング効果を実現することができる。
【0067】
また、上記厚さ調節段階(S300)において、基板Wの中央部位でのエッチング程度が周縁部位(またはエッジ部位)でのエッチング程度に比べて少なく進行された場合、制御部600は基板Wの回転速度をさらに小さく制御するか、基板Wの中央部位の温度を上げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を下げるように制御することができる。また、基板Wの回転速度をさらに小さく制御すると同時に、基板Wの中央部位の温度を上げるか、基板Wの周縁部位(またはエッジ部位)の温度を下げるように制御することができるため、基板Wに対する均一なエッチング効果を実現することができる。
【0068】
さらに、基板に対する均一なエッチング効果を実現することができること以外に、必要に応じて基板の温度及び基板のエッチング液の液膜厚さの変化に基づいて、基板の回転速度及び基板の温度を制御することにより基板の指定された部位のエッチング程度を調節することができるため、エッチレートの散布を効果的に調節することができる。
【0069】
さらに、
図7及び
図8を参照すると、本発明の基板処理装置を適用した基板処理方法は、リンス液供給段階(S500)をさらに含むことができる。
【0070】
具体的には、上記厚さ調節段階(S300)の後に、リンス液供給段階(S500)で基板Wを第1回転速度より大きい第2回転速度で回転させ、基板Wにリンス液を供給して基板W上のエッチング液Eの液膜を除去することができる。一例として、エッチング工程が行われた後、基板W上に反応過程で形成された反応副産物及び残りのエッチング液を除去するために、リンス液供給段階(S500)において制御部600は回転駆動部400を制御して基板Wを第1回転速度より大きく設定された高速である第2回転速度、例えば、100rpm以上に回転させながらリンス液を基板に供給することにより基板W上のエッチング液Eの液膜と薄膜との間の化学反応によって発生した反応副産物と残りのエッチング液Eの液膜を遠心力によって基板Wから除去させることができ、基板Wを洗浄することができる。図面には示されていないが、リンス液はリンス液供給部を介して基板に供給されることができる。
【0071】
実施例2
図9は、本発明の実施例2による基板処理装置を示した例示図である。
【0072】
図9を参照して、本発明の実施例2による基板処理装置100Aを説明する。
【0073】
図面を参照すると、本発明の実施例2による基板処理装置100Aにおいて、加熱部500の上部加熱部520が工程チャンバー110内で移動可能に配置される構成を除いた構成は、実施例1の構成と同様に適用されることができるため、重複を避けるために同一構成に対する詳細な説明は省略する。
【0074】
具体的には、基板処理装置100Aの加熱部500は、基板Wの上部に移動可能に配置され、基板Wの上部を局部的に加熱する上部加熱部520を含むことができる。
【0075】
具体的には、上部加熱部520は、基板Wの上部で加熱部支持部900を介して工程チャンバー110の底面に移動可能に配置されることができる。具体的には、加熱部支持部900は、支持フレーム910及び支持フレーム910に配置され、上部加熱部520が連結されて上部加熱部520を昇降させる昇降部材920を含むことができる。
【0076】
このような上部加熱部520は、スポットヒータであることができる。ここで、スポットヒータを構成する上部加熱部520から照射されるスポットの大きさは、基板上の一部分の領域の大きさに該当されることができる。すなわち、上部加熱部520が垂直方向に移動可能に配置され、上部加熱部520から基板上に一部分に照射されるスポットのサイズを調節して基板の局部的な温度を調節することができる。また、このような上部加熱部520は図示されてはいないが、選択的に基板の位置別に温度を調節することができるように、水平方向に移動可能に配置されることもでき、さらに水平方向に回転可能に配置されることもできる。
【0077】
結果的に、本発明の基板処理装置及び基板処理方法によると、エッチング液を供給して基板上にパドル形状にエッチング液の液膜を形成させることで、エッチング液の消耗量を効果的に減らすことができ、基板の回転速度及び温度を適切に調節して基板上のエッチング液の液膜厚さを調節することができるため、基板の全般に対してエッチングが均一になるようにすることができ、また、一実施例で基板の中央部位や周縁部位またはエッジ部位のエッチングが不均一になるようにすることもできるため、基板に対するエッチングをより精密に調節することができ、さらにエッチレートの散布を効果的に制御することができる。
【0078】
本発明による基板処理装置は、エッチング工程に適用した例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フォト工程、洗浄工程など様々な工程にも用いられることができる。また、エッチング液としてリン酸を用いた例を挙げたが、本発明はこれにのみ限定されるものではなく、必要に応じて様々な薬液をエッチング液として用いられることができ、一例としてフッ化水素などを含む薬液をエッチング液として用いられることもできる。
【0079】
また、以上の実施例において、加熱部として紫外線ランプなどを用いているが、これに限定されるものではなく、他の例としてヒータなど様々な加熱手段を用いることもできる。さらに、加熱部の配置構造について、上記実施例だけでなく、必要に応じて基板の位置別に対応される複数個の加熱部材を配置して基板に対する精密な加熱を行うこともできる。
【0080】
また、上記実施例において温度測定部として熱画像カメラを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持部に配置されるか、適正な位置に配置されて基板の温度を感知する温度感知センサなど様々な方式で基板の温度を測定することができる。
【0081】
以上、本発明は限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0082】
100、100A 基板処理装置 110 工程チャンバー
200 支持部 210 支持ヘッド
220 支持ピン 300 エッチング液供給部
310 噴射ノズル 320 液加熱部
400 回転駆動部 410 駆動ユニット
420 駆動軸 500 加熱部
510 下部加熱部 511 加熱ランプ
520 上部加熱部 600 制御部
700 厚さ測定部 800 温度測定部
900 加熱部支持部 910 支持フレーム
920 昇降部材 B ボウル部
E エッチング液 F 薄膜
W 基板