(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018905
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、物品供給装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240201BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040210
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2022119258の分割
【原出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】516231165
【氏名又は名称】株式会社ネクイノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
(72)【発明者】
【氏名】松永 治久
(72)【発明者】
【氏名】宮田 延昌
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】物品供給システムの利用を促進する技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様の情報処理装置は、ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得する手段と、第2識別情報が、ユーザアカウントを識別する第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認する手段と、第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認する手段と、対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、排出機構から物品を排出する手段とを具備する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得する手段と、
前記第2識別情報が、ユーザアカウントを識別する第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認する手段と、
前記第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認する手段と、
前記対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、排出機構から物品を排出する手段と
を具備する、情報処理装置。
【請求項2】
前記媒体は、無線通信および情報記録が可能な集積回路である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
広告を表示装置に表示させる手段をさらに具備し、
前記媒体は、前記広告による収入を原資の少なくとも一部として調達され、無料でユーザに配布される、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象アカウントに応じて広告を選択する手段と、
前記広告を表示装置に表示させる手段と
をさらに具備する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置と、前記排出機構と、表示装置とを具備し、
前記排出機構が、便器を備えた個室のうち前記便器を使用する時のユーザから見て背面または側面の壁に設置され、
前記表示装置が、前記個室のうち前記便器を使用する時のユーザから見て正面の壁に設置される、
物品供給装置。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得する手段と、
特定のユーザアカウントである対象アカウントを識別する第1識別情報に前記第2識別情報を関連付けるための情報をサーバへ送信する手段、
前記対象アカウントに対する物品の供給の履歴を管理する手段、
前記物品の供給の履歴が所定の条件を満たした場合に、前記対象アカウントに対する物品の供給を許可しないと決定する手段、
前記対象アカウントに対する前記物品の供給の可否を前記サーバに通知する手段、
として機能させる、プログラム。
【請求項7】
前記対象アカウントに対する前記物品の供給が許可されていない場合に、特定の行動を促す手段、
前記特定の行動の遂行結果に応じて、前記物品の供給の許可を決定する手段、
としてさらに機能させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記対象アカウントに対する前記物品の供給が許可されている状態で、ユーザからの指示に応じて、前記物品の排出を物品供給装置に要求する手段、
としてさらに機能させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され媒体に記録された第2識別情報が、前記第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認し、第1確認結果を得る手段、
前記第2識別情報が前記第1識別情報のいずれかと関連付けられている場合に、当該第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認し、第2確認結果を得る手段、
前記第1確認結果、または前記第2確認結果の少なくとも1つを物品供給装置へ送信する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記対象アカウントによって使用される特定のユーザ端末からの情報に基づいて、前記対象アカウントに対応する第1識別情報に関連付けられる、1以上の媒体に記録された識別情報を管理する手段、
前記特定のユーザ端末からの情報に基づいて、前記対象アカウントに対する前記物品の供給の可否を管理する手段、
としてさらに機能させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
前記物品供給装置からの情報に基づいて、前記対象アカウントに対する前記物品の供給履歴情報を生成する手段、
前記供給履歴情報を前記対象アカウントによって使用される特定のユーザ端末へ送信する手段、
としてさらに機能させる、請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認する手段は、当該対象アカウントについて未報告の前記供給履歴情報が残存する場合に、当該対象アカウントに対する前記物品の供給の許可を決定しない、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
コンピュータが、ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得するステップと、
前記第2識別情報が、ユーザアカウントを識別する第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認するステップと、
前記第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認するステップと、
前記対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、排出機構から物品を排出するステップと
を実行する、方法。
【請求項14】
物品供給装置と、サーバとを具備し、
前記物品供給装置は、
物品を収納し、当該物品を排出可能に構成された排出機構と、
ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得する手段と、
前記第2識別情報が、ユーザアカウントを識別する第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認する手段と、
前記第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する前記物品の供給の可否を確認する手段と、
前記対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、前記排出機構から物品を排出する手段とを具備し、
前記サーバは、
前記物品供給装置によって取得された第2識別情報が、前記第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認し、第1確認結果を得る手段と、
前記第2識別情報が前記第1識別情報のいずれかと関連付けられている場合に、当該第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応する前記対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認し、第2確認結果を得る手段と、
前記第1確認結果、または前記第2確認結果の少なくとも1つを前記物品供給装置へ送信する手段とを具備する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、物品供給装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、外出先で急に入用になった衛生用品の提供を受けられるようにする技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、利用者を識別する利用者情報を端末装置から取得した場合に、当該情報に基づいて吸収性物品を提供するかを判定し、判定結果に応じて吸収性物品を排出させることについて開示されている。
【0004】
特許文献2には、ユーザからユーザデバイスを介して衛生用品の提供を求める要求があった場合に、当該要求が妥当であれば衛生用品を排出することについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-099636号公報
【特許文献2】特許7075553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、利用者が、端末装置の代わりに、利用者情報が予め記録された媒体(紙、ICチップ等)を利用可能であることも記載されている。
【0007】
特許文献2には、ユーザが、ユーザデバイスの代わりに、ユーザ情報が予め記録された媒体(NFC対応型カード、RFIDタグ等)を利用可能であることも記載されている。
【0008】
要するに、特許文献1および特許文献2のいずれに記載の技術でも、ユーザは、スマートフォンなどのユーザ端末の代わりに情報が記録された媒体を用いることで、物品の提供を受けられる。しかしながら、かかる媒体は、ユーザに固有の情報を記録してから当該ユーザに個別に配布するか、または配布後にかかる固有の情報を記録(つまり、情報の書き換え)する必要がある。一般に、情報の書き換え可能な媒体は高価であるし、ユーザに固有の情報を記録してから当該ユーザに個別に配布する場合にも時間および金銭の両面でコストがかかる。すなわち、従来の媒体ではコストが普及の障害となるおそれがある。
【0009】
本開示の目的は、物品供給システムの利用を促進する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様の情報処理装置は、ユーザアカウントを識別する第1識別情報とは独立して決定され、媒体に記録された第2識別情報を取得する手段と、第2識別情報が、ユーザアカウントを識別する第1識別情報のいずれかと関連付けられているか否かを確認する手段と、第2識別情報に関連付けられた第1識別情報に対応するユーザアカウントである対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認する手段と、対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、排出機構から物品を排出する手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の物品供給システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態の物品供給装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態のユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態の供給履歴データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態のID連携データベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態のステータスデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】本実施形態のID連携処理のフローチャートである。
【
図11】本実施形態の第1供給処理のフローチャートである。
【
図12】本実施形態の同期処理のフローチャートである。
【
図13】本実施形態の第2供給処理のフローチャートである。
【
図14】本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
【
図15】本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
【
図16】本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(1)物品供給システムの構成
物品供給システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の物品供給システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、物品供給システム1は、物品供給装置10と、サーバ30、ユーザ端末50とを備える。
物品供給装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。また、サーバ30及びユーザ端末50は、ネットワークNWを介して接続される。
【0015】
物品供給装置10は、サーバ30からの制御に応じて、ユーザに物品を供給する。物品は、典型的には生理用品(例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー、タンポン等)、またはその他の衛生用品(例えば、使い捨ておむつ、尿取りパッド、失禁パッド、マスク等)であるが、これに限らず様々な物を含み得る。
物品供給装置10は、例えば個室トイレ(つまり、便器が備え付けられた個室)、授乳室、等に設置され得る。
【0016】
サーバ30は、物品供給装置10またはユーザ端末50から送信されたリクエストに応じたレスポンスを行う。サーバ30は、情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。
【0017】
ユーザ端末50は、サーバ30にリクエストを送信する。ユーザ端末50は、情報処理装置の一例である。ユーザ端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。ユーザ端末50のユーザは、所定のサービス(例えば、アプリケーション、またはSaaS(Software as a Service))のアカウントを作成することができ、アカウントの作成後に物品供給装置10から物品の供給を受けることができる。
【0018】
(1-1)物品供給装置の構成
物品供給装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態の物品供給装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、物品供給装置10は、コントローラ20と、ディスプレイ21と、タグリーダ22と、排出機構23とを備える。コントローラ20は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。コントローラ20は、ディスプレイ21、タグリーダ22、および排出機構23に接続される。
【0020】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0021】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム(例えば、物品供給装置10の制御プログラム)
【0022】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
・ディスプレイ21に表示するための画像データ(例えば広告データ)
【0023】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、物品供給装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0024】
入出力インタフェース13は、物品供給装置10に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示、センシング信号)を取得し、かつ、物品供給装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像信号、制御信号)を出力するように構成される。
【0025】
入力デバイスは、例えば、タグリーダ22、各種センサ、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
【0026】
センサは、例えば、排出機構23の収納部における物品の残量を検出するための残量センサ、物品供給装置10の周囲における人の存在を検出するための人感センサ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0027】
残量センサは、排出機構23の収納部に配置され、少なくとも当該収納部における物品の有無を検出する。残量センサは、物品の残数量を検出可能に構成されてもよい。一例として、残量センサは、赤外線センサである。
【0028】
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、排出機構23、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0029】
通信インタフェース14は、物品供給装置10と外部装置(例えばサーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0030】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、表示装置の一例である。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、または電子ペーパーである。
【0031】
コントローラ20は、ディスプレイ21に広告を表示することができる。広告は常時表示されてもよいし、人感センサにより人が検知されている間に限って表示されてもよい。後述する媒体または物品の少なくとも1つは、広告による収入を原資の少なくとも一部として調達(購入、または製造)され、無料でユーザに配布されてもよい。なお、残量センサによって収納部に物品が存在しないことが検知された場合に、コントローラ20は、物品の在庫切れを伝える画面をディスプレイ21に表示してもよい。
【0032】
タグリーダ22は、典型的にはRFID(Radio Frequency Identification)リーダである。ただし、タグリーダ22は、RFIDリーダに加えて、またはRFIDリーダの代わりに、媒体に記録された識別情報を取得可能な任意のハードウェアを備えることができる。例えば、タグリーダ22は、何らかの近距離無線通信方式に従って媒体から送信される無線信号を受信可能な通信装置を備えていてもよいし、何らかのアルゴリズムによって符号化されたコード(例えばQRコード(登録商標))を読み取り(つまり復号)可能なコードリーダを備えていてもよい。
【0033】
排出機構23は、物品を収納する収納部(トレイ)と、物品を取り出すための取り出し口と、物品を収納部から取り出し口に移送する移送手段とを備える。移送手段は、例えばモーターの駆動力によって動作するように構成される。この場合に、モーターは、コントローラ20からの制御信号に応じて駆動する。つまり、コントローラ20は、モーターを駆動させることで、物品を取り出し口まで移送させ、ユーザに提供することができる。
【0034】
ディスプレイ21およびタグリーダ22は、便器を備えた個室のうち当該便器を使用する(例えば便器に腰掛ける)時のユーザから見て正面の壁に設置されてよい。他方、排出機構23は、例えば便器を備えた個室のうち当該便器を使用する時のユーザから見て背面または側面の壁(例えば便器のタンクの上方)に設置されてよい。これにより、ユーザは、便器に腰掛けた状態で首を動かすことなく広告または案内の視聴または後述する媒体70をかざす動作を取ることができ、かつ肉厚になりがちな収容部を備える排出機構23が視界に入りにくくなるので個室内に物品供給装置10が設置されていることによる圧迫感を覚えにくい。
【0035】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。
図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0037】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0038】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0039】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0040】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0041】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
【0042】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0043】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えば、物品供給装置10またはユーザ端末50)との間の通信を制御するように構成される。
【0044】
(1-3)ユーザ端末の構成
ユーザ端末の構成について説明する。
図4は、本実施形態のユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【0045】
図4に示すように、ユーザ端末50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。ユーザ端末50は、ディスプレイ61に接続される。
【0046】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0047】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または健康管理アプリケーション)のプログラム
【0048】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
・ディスプレイ61に表示するための画像データ(例えば広告データ)
【0049】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、ユーザ端末50の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ52は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0050】
入出力インタフェース53は、ユーザ端末50に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、ユーザ端末50に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
【0051】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ61、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0052】
通信インタフェース54は、ユーザ端末50と外部装置(例えばサーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0053】
ディスプレイ61は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ61は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0054】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。
図5は、本実施形態の一態様の説明図である。
図6は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0055】
ユーザ端末50のユーザは、当該ユーザ端末50を用いて物品の供給を受けること(第1受取方式)と、当該ユーザのアカウントと連携済みの任意の媒体を用いて物品の供給を受けること(第2受取方式)とのいずれも選択可能である。
【0056】
第1受取方式について説明する。
図5に示すように、ユーザU10は、ユーザ端末50に対して物品の供給を受けるための操作を行う。ユーザ端末50(具体的には、ユーザ端末50によって実行されるアプリケーション)は、ユーザアカウントに対する物品の供給の可否を管理している。ユーザ端末50は、ユーザアカウントに対する物品の供給の可否ステータスを確認し、物品の供給が許可されている場合に、サーバ30へ物品の排出要求を送信する。排出要求は、例えば、ユーザアカウントを特定可能な情報と、物品の排出が要求されている物品供給装置10を特定可能な情報とを含む。物品供給装置10を特定可能な情報は、例えば、当該物品供給装置10に付随するコードを読み取ることで取得され得る。かかるコードは、ディスプレイ21に表示されてもよいし、物品供給装置10の筐体に形成(例えば印刷)されてもよいし、物品供給装置10の筐体に貼付されたラベル等に形成されてもよい。
【0057】
サーバ30は、ユーザ端末50から排出要求を受信すると、コントローラ20へ排出命令を送信する。コントローラ20は、サーバ30から排出命令を受信すると、排出機構23に排出命令(一例としてモータの制御信号)を送信する。排出機構23は、コントローラ20から排出命令を受信すると、物品G11を排出する。これにより、ユーザU10は、物品G11の供給を受けることができる。
【0058】
第2受取方式について説明する。
図6に示すように、ユーザU10は、タグリーダ22に対して媒体70をかざす。ここで、媒体70は、例えばICタグであるがこれに限られない。媒体70は、少なくともタグIDを記録可能であり、好ましくは当該タグIDを送信可能に構成される。媒体70は、例えばタグリーダ22からの電力を使用してタグIDを送信するパッシブタグに限られず、バッテリからの電力を使用してタグIDを送信するアクティブタグまたはセミアクティブタグであってもよい。媒体70は、タグIDを送信する機能を備えない代わりに、タグIDが符号化されたコードを印刷され、または当該コードを表示可能に構成されてもよい。
【0059】
タグIDは、ユーザアカウントを識別する情報(後述するアカウントID)とは独立して決定されている。このため、媒体70は、様々な物体に埋め込んだ状態で、不特定多数の希望者に対して無償で配布されてもよいし、希望者からの申込みに応じて例えば店頭、アプリ、またはWebサイト経由で無償または有償で引き渡されてもよい。物体は、以下のいずれであってもよい。
・カード(例えば、社員証、学生証、会員カード、身分証明証、クレジットカード、キャッシュカード、等)
・ファッション小物(例えば、ポーチ、財布、バッグ、定期入れ、等)
・ユーザ端末50または他のデバイスのアクセサリ(ストラップ、保護ケース)
・ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートリング、等)
・媒体70(アクティブタグまたはセミアクティブタグ)をバッテリとともに収容する筐体
【0060】
タグリーダ22は、媒体70からタグIDを取得し、当該タグIDをコントローラ20へ送信する。コントローラ20は、媒体70をかざしたユーザに対応するユーザアカウントに対する物品の供給の可否の確認要求をサーバ30へ送信する。確認要求は、タグIDに加えて、当該要求の送信元である物品供給装置10を特定可能な情報を含むことができる。
【0061】
サーバ30は、物品供給装置10から確認要求を受信すると、例えば後述するID連携データベースを参照し、タグIDがいずれかのユーザアカウントを識別するアカウントIDに関連付けられているか否かを判定する。タグIDがいずれかのアカウントIDに関連付けられている場合に、サーバ30は、例えば後述するステータスデータベースを参照し、当該アカウントIDに対応するユーザアカウントに対する物品の提供の可否ステータスを特定する。サーバ30は、可否ステータスの確認結果を含む確認応答(或いは、排出命令でもよい)をコントローラ20へ送信する。
【0062】
コントローラ20は、サーバ30から、物品の提供の許可を示す確認結果を含む確認応答を受信した場合に、排出機構23に排出命令(一例としてモータの制御信号)を送信する。排出機構23は、コントローラ20から排出命令を受信すると、物品G11を排出する。これにより、ユーザU10は、物品G11の供給を受けることができる。
【0063】
このように、本実施形態の物品供給システム1によれば、媒体70に記録されるタグIDは事後的にアカウントIDと連携されるので、媒体70は情報の書き換え機能が不要であり、かつ媒体70に記録されるタグIDは特に制限されないので低コストに調達することができる。また、ユーザはID連携を行えばいかなる媒体70も使用可能となるので、各媒体70は任意のユーザに使用させることができる。また、各ユーザは、媒体70を埋め込んだファッション小物、アクセサリ等を他人に譲渡することもできるし、ユーザ1人あたりが保有可能な媒体70の数も技術的には制限されない。故に、本実施形態の物品供給システム1によれば、物品の供給を受けるために用いられる媒体70の普及を促進し、ひいては当該物品供給システム1の利用を促進することができる。
【0064】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。
【0065】
(3-1)供給履歴データベース
本実施形態の供給履歴データベースについて説明する。
図7は、本実施形態の供給履歴データベースのデータ構造を示す図である。
【0066】
供給履歴データベースは、記憶装置51に記憶される。供給履歴データベースには、供給履歴情報を表すレコードが格納される。供給履歴情報は、ユーザ端末50を使用するユーザアカウントに対して物品供給システム1が物品を供給した事象(以下、「供給イベント」という)に関する情報である。
【0067】
図7に示すように、供給履歴データベースは、「日時」フィールドと、「場所」フィールドと、「トリガ」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0068】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、対応する供給イベントが発生した日時、つまり、物品供給システム1が物品を供給した日時に関する情報である。
【0069】
「場所」フィールドには、場所情報が格納される。場所情報は、対応する供給イベントが発生した場所、つまりユーザに物品を供給した物品供給装置10の設置場所に関する情報である。場所情報は、例えば物品供給装置10を識別する情報(例えば供給装置ID)に基づいて特定され得る。
【0070】
「トリガ」フィールドには、トリガ情報が格納される。トリガ情報は、対応する供給イベントの発生のトリガ、つまりユーザが何を用いて物品の供給を受けたか、に関する情報である。例えばトリガ情報として以下の値が設定され得る。
・第1受取方式を選択したことを示す値
・第2受取方式を選択したことを示す値
・第2受取方式を選択したこと、およびユーザが用いた媒体70を特定可能な値(例えばタグIDに対応する値)
【0071】
ユーザ端末50は、ユーザからの要求に応じて、供給履歴データベースの内容に基づく画面をディスプレイ21に表示してもよい。また、ユーザ端末50は、物品が生理用品である場合に、供給履歴データベースの内容に基づいてユーザの生理日を特定し、特定結果に基づいて対象アカウントに対応するユーザの健康状態に関する情報を更新してもよい。
【0072】
(3-2)ID連携データベース
本実施形態のID連携データベースについて説明する。
図8は、本実施形態のID連携データベースのデータ構造を示す図である。
【0073】
ID連携データベースは、記憶装置31に記憶される。ID連携データベースには、ID連携情報を表すレコードが格納される。ID連携情報は、各媒体70と、当該媒体70の持ち主となるユーザアカウントとの関連付けに関する情報である
【0074】
図8に示すように、ID連携データベースは、「タグID」フィールドと、「アカウントID」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0075】
「タグID」フィールドには、タグIDが格納される。タグIDは、媒体70を識別する情報である。タグIDは、アカウントIDとは独立して決定されている。
【0076】
「アカウントID」フィールドには、アカウントIDが格納される。アカウントIDは、ユーザアカウントを識別する情報である。例えば
図8のタグID#T001およびタグID#T003のように、複数の異なるタグIDが同一のアカウントIDに関連付けられることは許容される。
【0077】
(3-3)ステータスデータベース
本実施形態のステータスデータベースについて説明する。
図9は、本実施形態のステータスデータベースのデータ構造を示す図である。
【0078】
ステータスデータベースは、記憶装置31に記憶される。ステータスデータベースには、ステータス情報を表すレコードが格納される。ステータス情報は、ユーザアカウントのステータスに関する情報である。
【0079】
図9に示すように、ステータスデータベースは、「アカウントID」フィールドと、「提供可否」フィールドと、「報告状況」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0080】
「アカウントID」フィールドには、アカウントIDが格納される。
【0081】
「提供可否」フィールドには、提供可否情報が格納される。提供可否情報は、ユーザアカウントに対する物品の提供の可否ステータスに関する情報である。提供可否情報は、ユーザ端末50からの情報に基づいて更新される。
【0082】
「報告状況」フィールドには、報告状況情報が格納される。報告状況情報は、ユーザ端末50に報告されていない物品供給履歴情報の有無に関する情報である。
【0083】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0084】
(4-1)ID連携処理
本実施形態のID連携処理について説明する。
図10は、本実施形態のID連携処理のフローチャートである。
【0085】
本実施形態のID連携処理は、媒体70を入手したユーザが、ユーザ端末50上で実行される所定のアプリケーションにおいて、ID連携を開始するための操作を行うことで開始し得る。
【0086】
図10に示すように、ユーザ端末50は、タグIDの取得(S150)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、媒体70に記録されたタグIDを取得する。
【0087】
タグIDの取得(S150)の第1例として、ユーザ端末50は、媒体70から送信されるタグIDを受信する。
【0088】
タグIDの取得(S150)の第2例として、ユーザ端末50は、媒体70、または媒体70に付随する物(例えば、媒体70の包装、媒体70が埋め込まれた物体、媒体70のマニュアル、またはこれらのいずれかに貼付されるラベル)に形成(例えば印刷)されたコード(例えばタグIDの符号化結果)を撮影し、読み取る(復号する)ことで、タグIDを取得する。
【0089】
タグIDの取得(S150)の第3例として、ユーザ端末50は、ユーザによって指定されたシンボル列(数字列、文字列、記号列、またはそれらの組み合わせ)を、タグIDとして取得する。この場合に、タグIDに相当するシンボル列は、媒体70、または媒体70に付随する物に形成され得る。
【0090】
ステップS150の後に、ユーザ端末50は、連携要求(S151)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、連携要求を生成し、当該連携要求をサーバ30へ送信する。連携要求は、ステップS150において取得したタグIDと、ユーザ端末50を使用するユーザに対応するユーザアカウントを特定可能な情報(例えばアカウントID)とを含むことができる。
【0091】
ステップS151の後に、サーバ30は、連携情報の追加(S130)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS151においてユーザ端末50から送信された連携要求を受信する。サーバ30は、連携要求に基づいて、タグIDおよびアカウントIDを特定する。サーバ30は、特定したタグIDおよびアカウントIDを含む新規レコードをID連携データベース(
図8)に追加する。
サーバ30は、タグIDとアカウントIDとの連携が正常に完了したか否かを示す連携応答をユーザ端末50へ送信してもよい。また、ユーザ端末50は、連携応答に応じた画面をディスプレイ61に表示し得る。
【0092】
ステップS130の後に、本実施形態のID連携処理は終了する。
【0093】
(4-2)第1供給処理
本実施形態の第1供給処理について説明する。
図11は、本実施形態の第1供給処理のフローチャートである。
【0094】
本実施形態の第1供給処理は、第1受取方式を選択したユーザに物品を供給する処理である。
図11に示すように、ユーザ端末50は、ユーザ指示の取得(S250)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、ユーザから物品の受取を開始するための指示を受け付ける。一例として、ユーザは、ユーザ端末50上で実行されるアプリケーションにおいて特定のオブジェクト(例えばボタン)を選択する。
【0095】
ステップS250の後に、ユーザ端末50は、ステータスの判定(S251)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、供給履歴データベース(
図7)を参照し、ユーザアカウントに対する物品の供給の可否ステータスを判定する。
【0096】
ステータスの判定(S251)の第1例として、ユーザ端末50は、最新の物品供給が実施されて(つまり最新の供給イベントの発生)からの経過時間が第1閾値を超える場合に、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可する。第1閾値は、例えば2時間であるがこれに限られない。
【0097】
ステータスの判定(S251)の第2例として、ユーザ端末50は、過去の所定期間において実施された物品の供給数(つまり供給イベントの発生数)が第2閾値以下である場合に、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可する。所定期間は、例えば1ヶ月間であるがこれに限られない。第2閾値は、例えば7個であるがこれに限られない。
【0098】
ステータスの判定(S251)の第3例として、ユーザ端末50は、最新の物品供給が実施されてからの経過時間が第1閾値を超え、かつ過去の所定期間において実施された物品の供給数が第2閾値以下である場合に、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可する。
【0099】
ステータスの判定(S251)の第4例として、ユーザ端末50は、上記第1例~第3例のいずれかによる判定処理、または他のアルゴリズムによる判定処理の結果、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可しない場合に、ユーザに特定の行動を促す。特定の行動は、例えば広告の視聴、アンケートへの回答、課金(ポイントの支払を含む)、所定のオブジェクト(一例として、サービス利用規約への同意ボタン)の操作、またはそれらの組み合わせ、であってよい。ユーザ端末50は、ユーザが特定の行動を遂行したことを条件に、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可する。
【0100】
なお、ユーザ端末50は、ユーザアカウントを特定するために、ユーザにログインを促し、ログイン後にステータスの判定(S251)を実行してもよい。
【0101】
ステップS251においてユーザアカウントに対する物品の供給が許可された場合に、ユーザ端末50は、排出要求(S252)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、排出要求を生成し、サーバ30へ送信する。排出要求は、ユーザアカウントを特定可能な情報(例えばアカウントID)と、物品の排出が要求されている物品供給装置10(以下、「対象供給装置」という)を特定可能な情報(例えば供給装置ID)とを含むことができる。供給装置IDは、コード(例えば供給装置IDの符号化結果)を撮影し、読み取る(復号)ことで取得されてもよいし、ユーザによって指定されたシンボル列が供給装置IDとして取得されてもよい。コード、または供給装置IDに相当するシンボル列は、対象供給装置の筐体、または当該筐体に貼付されるラベルに形成され得る。
【0102】
さらに、排出要求には、ユーザ端末50の位置情報が含められてもよい。この位置情報の示す位置と、物品の排出が要求される物品供給装置10の設置場所とを比較することで、排出要求の妥当性を判定することができる。サーバ30は、排出要求が妥当でない場合に、当該要求を拒否してもよい。
【0103】
なお、ステップS251においてユーザアカウントに対する物品の供給が許可されなかった場合に、ユーザ端末50は、エラー処理を行い、本実施形態の第1供給処理を終了し得る。エラー処理では、ユーザ端末50は、物品を供給できないことを伝える画面をディスプレイ61に表示してもよい。
【0104】
ステップS252の後に、サーバ30は、排出命令(S230)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS252においてユーザ端末50から送信された排出要求を受信する。サーバ30は、排出要求に基づいて、対象供給装置を特定する。サーバ30は、対象供給装置へ排出命令を送信する。図示しないが、対象共有装置は、排出命令を受信すると、物品を排出する。
【0105】
なお、サーバ30は、排出命令を送信する前に、以下の処理を行ってよい。
具体的には、サーバ30は、排出要求に基づいて、排出要求の送信元であるユーザ端末50を使用しているユーザアカウントを特定する。サーバ30は、ステータスデータベース(
図9)を参照し、特定したユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報の有無を確認する。サーバ30は、未報告の供給履歴情報が残存する場合に、当該供給履歴情報を、排出要求の送信元であるユーザ端末50へ送信する。ユーザ端末50は、受信した供給履歴情報に基づいて、供給履歴データベース(
図7)を更新し、ステータスの判定(S251)を再実行する。ステップS251においてユーザアカウントに対する物品の供給が許可された場合に、ユーザ端末50は、排出要求(S252)を再実行する。
これにより、本実施形態の第1供給処理の開始時点でユーザ端末50の供給履歴データベースが最新の状態でなかった場合にも、ステータスを正しく判定して物品の供給制御を行うことができる。
【0106】
ステップS230の後に、サーバ30は、排出応答(S231)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS230において送信した排出命令に対応する排出結果を含む排出報告を対象供給装置から受信する。
物品が正常に供給された場合に、サーバ30は供給履歴情報を生成し、当該供給履歴情報を含む排出応答をユーザ端末50へ送信する。この供給履歴情報には、供給が実施された日時に関する日時情報と、対象供給装置の設置場所に関する場所情報と、第1受取方式を選択したことを示すトリガ情報とが含められてよい。サーバ30は、例えばユーザ端末50から排出応答の受領確認がなされたことに応じて、対応する供給履歴情報を報告済みとして扱う。
【0107】
他方、物品が何らかの理由(例えば、物品の在庫切れ、または対象供給装置の故障)により正常に供給されなかった場合に、サーバ30は、例えば以下の情報を含む排出応答をユーザ端末50へ送信してもよい。
・物品が供給されなかった理由に関する情報
・付近に設置されている別の物品供給装置10に関する情報
ユーザ端末50は、排出応答に含まれる情報に基づく画面をディスプレイ61に表示してよい。
【0108】
ステップS231の後に、ユーザ端末50は、供給履歴情報の追加(S253)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、ステップS231においてサーバ30から送信された排出応答を受信する。このとき、ユーザ端末50は、サーバ30に対して受領確認を行ってよい。ユーザ端末50は、排出応答に含まれる供給履歴情報を、供給履歴データベース(
図7)に追加する。供給履歴データベースの更新後、ユーザ端末50は、ステップS251と同様にユーザアカウントに対する物品の供給の可否ステータスを判定する。
供給履歴情報の追加(S253)が実行されたことを条件に、ユーザアカウントに対して特典が付与されてもよい。これにより、ユーザに物品供給システム1の利用を動機付けることができる。特典は、例えば、何らかのサービスの提供を受けるために、または何らかの他の財との交換に利用可能なポイントであってもよい。
【0109】
可否ステータスに対する新たな判定結果が、ステップS251における判定結果と異なる場合に、ユーザ端末50は、ステータスの通知(S254)を行う。
具体的には、ユーザ端末50は、ユーザアカウントおよび新たな判定結果を特定可能な情報をサーバ30へ送信する。
【0110】
ステップS254の後に、サーバ30は、ステータスの更新(S232)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS254においてユーザ端末50から送信された情報を受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて、ステータスデータベース(
図9)のうち対応するレコードの提供可否情報を更新する。
【0111】
(4-3)同期処理
本実施形態の同期処理について説明する。
図12は、本実施形態の同期処理のフローチャートである。
【0112】
本実施形態の同期処理は、例えばユーザ端末50がサーバ30にアクセスした時に自動的に、またはユーザ端末50が同期を開始するためのユーザ指示を受け付けたことに応じて開始し得る。同期処理を行うことで、供給履歴データベース(
図7)に未報告であった供給履歴情報が追加され、最新の判定結果に基づくステータス情報がステータスデータベース(
図9)に記録される。
【0113】
図12に示すように、サーバ30は、未報告情報の送信(S330)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステータスデータベース(
図9)を参照し、同期処理中のユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報が残存するか否かを判定する。サーバ30は、未報告の供給履歴情報が残存する場合に、当該供給履歴情報をユーザアカウントによって使用されているユーザ端末50へ送信する。
【0114】
他方、サーバ30は、未報告の供給履歴情報が存在しない場合に、未報告の供給履歴情報が存在しないことを伝える情報を、ユーザアカウントによって使用されているユーザ端末50へ送信してもよい。
【0115】
ステップS330の後に、ユーザ端末50は、供給履歴情報の追加(S350)を実行する。
具体的には、ユーザ端末50は、ステップS330においてサーバ30から送信された供給履歴情報を受信する。このとき、ユーザ端末50は、サーバ30に対して受領確認を行ってよい。ユーザ端末50は、受信した供給履歴情報を、供給履歴データベース(
図7)に追加する。供給履歴データベースの更新後、ユーザ端末50は、
図11のステップS251と同様にユーザアカウントに対する物品の供給の可否ステータスを判定する。
供給履歴情報の追加(S350)が実行されたことを条件に、ユーザアカウントに対して特典が付与されてもよい。これにより、ユーザに物品供給システム1の利用を動機付けることができる。特に、供給履歴情報の追加(S350)の実行に対して特典を付与することで、同期処理の実行頻度の向上が期待できる。特典は、例えば、何らかのサービスの提供を受けるために、または何らかの他の財との交換に利用可能なポイントであってもよい。
【0116】
可否ステータスに対する新たな判定結果が、前回行われた同様の判定結果と異なる場合に、ユーザ端末50は、ステータスの通知(S351)を行う。
具体的には、ユーザ端末50は、ユーザアカウントおよび新たな判定結果を特定可能な情報をサーバ30へ送信する。なお、前回の判定結果は、サーバ30が管理するステータスデータベースにおける提供可否情報に基づいて特定されてよい。この場合に、サーバ30は、ステップS330においてサーバ30が提供可否情報をさらに送信し得る。
【0117】
ステップS351の後に、サーバ30は、ステータスの更新(331)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS351においてユーザ端末50から送信された情報を受信する。サーバ30は、受信した情報に基づいて、ステータスデータベース(
図9)のうち対応するレコードの提供可否情報を更新する。
【0118】
(4-4)第2供給処理
本実施形態の第2供給処理について説明する。
図13は、本実施形態の第2供給処理のフローチャートである。
図14は、本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
図15は、本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
図16は、本実施形態の第2供給処理において表示される画面例を示す図である。
【0119】
本実施形態の第2供給処理は、第2受取方式を選択したユーザに物品を供給する処理である。
図13に示すように、物品供給装置10は、タグIDの取得(S410)を実行する。
具体的には、コントローラ20は、ユーザがかざした媒体70に記録されたタグIDを取得する。コントローラ20は、入力デバイス(例えばタッチパネル)に対して所定の操作がなされたこと、または人感センサが人間の存在を検知したことに応じて、タグリーダ22を起動してもよい。ただし、残量センサによって収納部に物品が存在しないことが検知された場合に、コントローラ20は、物品の在庫切れを伝える画面をディスプレイ21に表示し、タグリーダ22を起動しないようにしてもよい。
【0120】
タグIDの取得(S410)の第1例として、タグリーダ22は、ユーザがかざした媒体70から送信されるタグIDを受信する。
【0121】
タグIDの取得(S410)の第2例として、タグリーダ22は、ユーザがかざした媒体70、または媒体70に付随する物(例えば、媒体70の包装、媒体70が埋め込まれた物体、媒体70のマニュアル、またはこれらのいずれかに貼付されるラベル)に形成(例えば印刷)されたコード(例えばタグIDの符号化結果)を撮影し、読み取る(復号する)ことで、タグIDを取得する。
【0122】
タグIDの取得(S410)の第3例として、入力デバイス(例えばタッチパネル)は、ユーザによって指定されたシンボル列(数字列、文字列、記号列、またはそれらの組み合わせ)を、タグIDとして取得する。この場合に、タグIDに相当するシンボル列は、媒体70、または媒体70に付随する物に形成され得る。
【0123】
ステップS410の後に、物品供給装置10は、確認要求(S411)を実行する。
具体的には、コントローラ20は、ステップS410において取得したタグIDを含む確認要求を生成し、当該確認要求をサーバ30へ送信する。
【0124】
ステップS411の後に、サーバ30は、タグIDの有効性の確認(S430)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS411において物品供給装置10から送信された確認要求を受信する。サーバ30は、受信した確認要求に含まれるタグIDの有効性を確認する。一例として、サーバ30は、ID連携データベース(
図8)を参照し、タグIDに関連付けられているアカウントIDを特定する。
【0125】
ステップS430の後に、サーバ30は、ステータスの確認(S431)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステータスデータベース(
図9)を参照し、ステップS430において特定したアカウントIDに対応するユーザアカウントに対する物品の供給の可否ステータスを確認する。加えて、サーバ30は、ステータスデータベースを参照し、かかるユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報が存在するか否かを確認する。
【0126】
ステップS431の後に、サーバ30は、確認応答(S432)を生成する。
具体的には、サーバ30は、ステップS430およびステップS431の少なくとも1つにおける確認結果に基づく確認応答を生成する。サーバ30は、確認応答をステップS411における確認要求の送信元である物品供給装置10へ送信する。確認応答は、例えば以下のいずれかが確認されたことを伝える情報を含むことができる。
・タグIDに関連付けられているアカウントIDが存在しないこと
・ユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報が存在すること
・ユーザアカウントに対する物品の供給が許可されていること
・ユーザアカウントに対する物品の供給が許可されていないこと
【0127】
ステップS432においてユーザアカウントに対する物品の供給が許可されていることを伝える情報を含む確認応答が得られた場合に、物品供給装置10は、物品の排出(S412)を実行する。
具体的には、コントローラ20は、排出機構23から物品を排出させる。
【0128】
ステップS412の後に、物品供給装置10は、排出報告(S413)を実行する。
具体的には、コントローラ20は、排出ログ情報を生成し、サーバ30へ送信する。排出ログ情報は、例えば以下の情報を含むことができる。
・物品が正常に供給されたか否かを示す情報
・物品が供給された日時に関する情報
・物品が供給されなかった理由を示す情報
【0129】
ステップS413の後、サーバ30は、供給履歴情報の生成(S433)を実行する。
具体的には、サーバ30は、ステップS413において物品供給装置10から送信された排出ログ情報を受信する。排出ログ情報が物品が正常に供給されたことを示す情報を含む場合に、サーバ30は、供給履歴情報を生成するとともに、ステップS430において特定したユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報が存在することを示す報告状況情報をステータスデータベース(
図9)に登録する。この供給履歴情報は、排出ログ情報に含まれる日時に関する情報に基づく日時情報と、排出ログ情報の送信元である物品供給装置10の設置場所に関する場所情報と、第2受取方式を選択したこと(およびステップS411における確認要求に含まれていたタグID)を示すトリガ情報とが含められてよい。
【0130】
他方、サーバ30は、排出ログ情報が物品が正常に供給されなかったことを示す情報を含む場合に、当該排出ログ情報に含まれる情報要素の一部または全部を図示しないデータベースに記録し、または排出ログ情報の送信元である物品供給装置10の異常を知らせるアラートを出力してもよい。
【0131】
ステップS432においてユーザアカウントに対する物品の供給が許可されていることを伝える情報を含む確認応答が得られなかった場合に、物品供給装置10は、エラー処理(S414)を実行する。
具体的には、コントローラ20は、ステップS432における確認応答に基づく画面をディスプレイ21に表示する。
【0132】
エラー処理(S414)の第1例として、タグIDに関連付けられているアカウントIDが存在しないことを伝える情報を含む確認応答が得られた場合に、コントローラ20は例えば
図14の画面をディスプレイ21に表示する。
【0133】
図14の画面は、ID連携処理(
図10)の実行を促すメッセージM20を含む。
図14の画面は、ID連携を円滑に行うための案内情報(オブジェクト)H20a,H20bを含む。ユーザは、案内情報H20aを選択することで、所定のアプリケーションをダウンロードする方法を解説するWebページ、または動画をディスプレイ21に表示させることができる。また、ユーザは、案内情報H20bを選択することで、ID連携処理のやり方を解説するWebページ、または動画をディスプレイ21に表示させることができる。
【0134】
エラー処理(S414)の第2例として、ユーザアカウントについて未報告の供給履歴情報が存在することを伝える情報を含む確認応答が得られた場合に、コントローラ20は例えば
図15の画面をディスプレイ21に表示する。
【0135】
図15の画面は、同期処理(
図12)の実行を促すメッセージM21を含む。
図15の画面は、同期処理を円滑に行うための案内情報(オブジェクト)H21を含む。ユーザは、案内情報H21を選択することで、同期処理のやり方を解説するWebページ、または動画をディスプレイ21に表示させることができる。
図15の画面は、同期処理後に、第2供給処理を途中からやり直すためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトB21を含む。ユーザがオブジェクトB21を選択すると、ユーザ端末50は確認要求(S411)を再実行し、最新のステータスデータベース(
図9)に基づく確認応答を得ることができる。
【0136】
エラー処理(S414)の第3例として、ユーザアカウントに対する物品の供給が許可されていないことを伝える情報を含む確認応答が得られた場合に、コントローラ20は例えば
図16の画面をディスプレイ21に表示する。
【0137】
図16の画面は、所定のアプリケーションの起動を促すメッセージM22を含む。ユーザ端末50は、所定のアプリケーションが起動されると、ユーザに特定の行動を促す。ユーザ端末50は、ユーザが特定の行動を遂行したことを条件に、ユーザアカウントに対する物品の供給を許可する。
【0138】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態のコントローラ20は、アカウントIDとは独立して決定され媒体70に記録されたタグIDを取得する。コントローラ20は、取得したタグIDがアカウントIDのいずれかと関連付けられているか否かを確認し、当該タグIDに関連付けられたアカウントIDに対応する対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認する。コントローラ20は、対象アカウントに対する物品の供給が許可されていることが確認された場合に、排出機構23から物品を排出する。これにより、媒体70に記録されるタグIDは事後的にアカウントIDと連携できるので、媒体70は情報の書き換え機能が不要であり、かつ媒体70に記録されるタグIDは特に制限されないので低コストに調達することができる。また、ユーザはID連携を行えばいかなる媒体70も使用可能となるので、各媒体70は任意のユーザに使用させることができる。また、各ユーザは、媒体70を埋め込んだファッション小物、アクセサリ等を他人に譲渡することもできるし、ユーザ1人あたりが保有可能な媒体70の数も技術的には制限されない。故に、物品の供給を受けるために用いられる媒体70の普及を促進し、ひいては当該物品供給システム1の利用を促進することができる。
【0139】
媒体70は、無線通信および情報記録が可能な集積回路であってよい。これにより、ユーザに複雑な操作を要求することなく、コントローラ20にタグIDを取得させることができる。
【0140】
コントローラ20は、広告をディスプレイ21に表示させてよく、媒体70は、この広告による収入を原資の少なくとも一部として調達され、無料でユーザに配布されてもよい。これにより、ユーザは気軽に媒体を試用できるため、媒体70の普及を促進することができる。なお、無料でユーザに配布される媒体70について、アカウントIDに同時に連携可能な上限数が定められてよい。これにより、特定のユーザが、大量の媒体70を持ち去り、他のユーザの入手に支障をきたす事態を防止することができる。
【0141】
排出機構23は、便器を備えた個室のうち便器を使用する時のユーザから見て背面または側面の壁に設置されてよく、ディスプレイ21は、この個室のうち便器を使用する時のユーザから見て正面の壁に設置されてよい。これにより、ユーザは、便器に腰掛けた状態で首を動かすことなく広告または案内を視聴することができ、かつ肉厚になりがちな収容部を備える排出機構23が視界に入りにくくなるので個室内に物品供給装置10が設置されていることによる圧迫感を覚えにくい。
【0142】
また、本実施形態のユーザ端末50は、アカウントIDとは独立して決定され媒体70に記録されたタグIDを取得し、対象アカウントを識別するアカウントIDに当該タグIDを関連付けるための情報をサーバへ送信する。ユーザ端末50は、対象アカウントに対する物品の供給の履歴を管理し、当該履歴が所定の条件を満たした場合に当該対象アカウントに対する物品の供給を許可しないと決定し、対象アカウントに対する物品の供給の可否をサーバ30に通知する。これにより、ユーザが様々な媒体70を用いて物品の供給を受けたとしても、ユーザアカウント毎に適切な供給管理を行うことができる。すなわち、ユーザは短時間で必要限度を超えるの数量の物品の供給を受けられないので、物品の在庫切れが生じにくくなる。つまり、物品供給システム1のアベイラビリティを向上し、利用を促進することができる。
【0143】
ユーザ端末50は、対象アカウントに対する物品の供給が許可されていない場合に、特定の行動を促し、当該行動の遂行結果に応じて物品の供給の許可を決定してもよい。これにより、物品の供給が許可されていないユーザであっても、特定の行動を遂行することで、物品の供給を受けることができる。
【0144】
ユーザ端末50は、対象アカウントに対する物品の供給が許可されている状態で、ユーザからの指示に応じて物品の排出を物品供給装置10に要求してもよい。これにより、ユーザは、ユーザ端末50を用いて物品の供給を受けることができる。
【0145】
また、本実施形態のサーバ30は、アカウントIDとは独立して決定され媒体70に記録されたタグIDが、アカウントIDのいずれかと関連付けられているか否かを確認し、第1確認結果を得る。また、サーバ30は、媒体70から取得されたタグIDがアカウントIDのいずれかと関連付けられている場合に、当該タグIDに関連付けられたアカウントIDに対応する対象アカウントに対する物品の供給の可否を確認し、第2確認結果を得る。サーバ30は、第1確認結果または第2確認結果の少なくとも1つを物品供給装置10へ送信する。これにより、ユーザが様々な媒体70を用いて物品の供給を受けたとしても、ユーザアカウント毎に適切な供給管理を行うことができる。すなわち、ユーザは短時間で必要限度を超えるの数量の物品の供給を受けられないので、物品の在庫切れが生じにくくなる。つまり、物品供給システム1のアベイラビリティを向上し、利用を促進することができる。
【0146】
サーバ30は、対象アカウントによって使用される特定のユーザ端末50からの情報に基づいて、対象アカウントに対応するアカウントIDに関連付けられる、1以上の媒体70に記録されたタグIDを管理してもよい。サーバ30は、特定のユーザ端末50からの情報に基づいて、対象アカウントに対する物品の供給の可否を管理してもよい。これにより、ユーザがユーザ端末50を携行していなかったとしても、ユーザは(ID連携済みの)媒体70を用いて物品の供給を受けることができ、かつユーザアカウント毎に適切な供給管理を行うことができる。
【0147】
サーバ30は、物品供給装置10からの情報に基づいて、対象アカウントに対する物品の供給履歴情報を生成し、当該供給履歴情報を対象アカウントによって使用される特定のユーザ端末50へ送信してもよい。これにより、ユーザが媒体70を用いて物品の供給を受けたとしても、対応する供給履歴情報がユーザ端末50に漏れなく伝わり、ユーザアカウント毎に適切な供給管理を行うことができる。
【0148】
サーバ30は、対象アカウントについて未報告の供給履歴情報が残存する場合に、当該対象アカウントに対する物品の供給の許可を決定しなくてもよい。これにより、未報告の供給履歴情報を考慮されていないために物品の供給が誤って許可されているに過ぎない場合にユーザに物品が供給される事態を防ぐことができる。
【0149】
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、コントローラ20と接続されてもよい。ディスプレイ21は、コントローラ20と一体化されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末50と接続されてもよい。ディスプレイ61は、ユーザ端末50と一体化されてもよい。
【0150】
上記説明では、各処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。また、上記の情報処理の各ステップは、物品供給装置10、サーバ30、およびユーザ端末50の何れでも実行可能である。例えば、いずれかの装置によって行われるとして説明された処理が別の装置によって行われたり、複数の装置のやり取りによって行われるとして説明された処理が単一の装置によって行われたりしてもよい。
例えば、物品供給装置10は、ID連携データベース(
図8)またはステータスデータベース(
図9)の少なくとも1つの複製を記憶装置11に保存し、複製されたデータベースを参照して、タグIDの有効性の確認(S430)またはステータスの確認(S431)の少なくとも1つを、サーバ30に都度問い合わせることなく実行してもよい。
【0151】
上記説明では、ディスプレイ21に広告を表示する例を述べた。ディスプレイ21に表示される広告は、ユーザアカウントに応じて選択されてもよい。例えば、ステップS230において送信される排出命令、またはステップS432において送信される確認応答に、広告を選択するために用いるアカウントID(つまり、物品の供給を要求しているユーザ)、またはディスプレイ21に表示すべき広告を特定可能な情報が含められてよい。これにより、ユーザ毎に適した(例えば広告効果の高い)広告を表示することができる。
【0152】
ディスプレイ21に広告を表示することは必須ではない。例えば、企業の構成員向けの福利厚生として、または施設利用者向けのサービスとして、ユーザに対する物品の供給が行われてよい。この場合に、企業または施設(例えば商業施設)の運営者からの収入により、媒体70または物品の少なくとも1つの調達費用の少なくとも一部が賄われてよい。また、広告を表示する必要がない場合に、ディスプレイ21を備えないように物品供給装置10を構成することも可能である。
【0153】
物品供給装置10がネットワーク接続することは必須ではない。例えば、ユーザ端末50が、物品供給装置10とサーバ30との間の種々のデータ(例えば、広告データ、残量センサの検知結果、各種データベースに関するデータ、など)のやり取りを媒介してもよい。この場合に、ユーザ端末50が媒介したデータの種別、サイズ、またはそれらの組み合わせに応じて、ユーザアカウントに対して報酬を与えてもよい。
【0154】
上記説明では、物品供給装置10が供給する物品が一種類である例を示した。しかしながら、物品供給装置10は複数種類の物品を供給可能に構成されてもよい。この場合に、供給履歴情報およびステータス情報は、物品の種類毎に管理されてよい。
【0155】
実施形態の物品供給システムを、クライアント/サーバ型のシステムによって実装する例を示した。しかしながら、実施形態の物品供給システムは、スタンドアロン型のコンピュータ、またはピア・ツー・ピア型のシステムによって実装することもできる。
【0156】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 :物品供給システム
10 :物品供給装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :コントローラ
21 :ディスプレイ
22 :タグリーダ
23 :排出機構
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :ユーザ端末
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
61 :ディスプレイ
70 :媒体