(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018981
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】油圧弁装置
(51)【国際特許分類】
F15B 11/02 20060101AFI20240201BHJP
F15B 11/08 20060101ALI20240201BHJP
F15B 11/20 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F15B11/02 Z
F15B11/08 A
F15B11/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101687
(22)【出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】10 2022 207 790.3
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 207 791.1
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 207 778.4
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518097316
【氏名又は名称】ハーヴェー ハイドローリック エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヴェクセル, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ホイザー, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】サバティエ, ジャン-ミッシェル
【テーマコード(参考)】
3H089
【Fターム(参考)】
3H089AA03
3H089AA60
3H089BB27
3H089CC01
3H089CC08
3H089CC12
3H089DA03
3H089DB43
3H089DB75
3H089GG02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1及び第2のスプールダイバータの連結移動のための、より単純で、より安価で、より省空間的な油圧弁装置を提供する。
【解決手段】油圧弁装置10は、パイロット弁デバイス32を具備する油圧パイロット制御デバイス30を有し、パイロット圧が油圧パイロット制御デバイスによって第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28に印加され得る。パイロット弁デバイスの第1の切り換え位置において、第1のスプールダイバータ切り換え位置S11、S21に一緒に切り換えるために、パイロット圧が第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28に同時に印加される。これにより、第1及び第2のスプールダイバータの連結動作ないしは連結移動される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続セクション(12)と、前記接続セクション(12)を経て加圧され得る第1の弁セクション(14)と、前記接続セクション(12)を経て加圧され得る少なくとも1つの第2の弁セクション(16)とを有する油圧弁装置(10)であって、
前記第1の弁セクション(14)は、第1のスプールピストン(22)と、第1のスプールダイバータ(24、74、94)と、前記第1の弁セクション(14)の第1のタイプ(A11、B11)の少なくとも1つのコンシューマポートと、前記第1の弁セクション(14)の第2のタイプ(A31、B31)の少なくとも1つのコンシューマポートとを備え、
前記第2の弁セクション(16)は、第2のスプールピストン(26)と、第2のスプールダイバータ(28、78、98)と、前記第2の弁セクション(16)の第1のタイプ(A14、B14)の少なくとも1つのコンシューマポートと、前記第2の弁セクション(16)の第2のタイプ(A34、B34)の少なくとも1つのコンシューマポートとを備え、
前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)は、各々、少なくとも第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)及び第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)に切り換えられ得、
もって、第1のスプール(24、74、94)及び第2のスプール(28、78、98)が、各々、前記第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)にあるとき、前記第1の弁セクション(14)の前記第1のタイプ(A11、B11)の前記少なくとも1つのコンシューマポートは第1のスプール(22)によって加圧され得、前記第2の弁セクション(16)の前記第1のタイプ(A14、B14)の前記少なくとも1つのコンシューマポートは第2のスプール(26)によって加圧され得るようになっているとともに、
前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)が、各々、前記第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)にあるとき、前記第1の弁セクション(14)の前記第2のタイプ(A31、B31)の前記少なくとも1つのコンシューマポートは前記第1のスプールピストン(22)によって加圧され得、前記第2の弁セクション(16)の前記第2のタイプ(A34、B34)の前記少なくとも1つのコンシューマポートは前記第2のスプールピストン(26)によって加圧され得るようになっている、油圧弁装置(10)において、
前記油圧弁装置(10)がパイロット弁デバイス(32)を具備する油圧パイロット制御デバイス(30)を有し、パイロット圧が前記油圧パイロット制御デバイス(30)によって前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)に印加され得、前記パイロット弁デバイス(32)の第1の切り換え位置において、それぞれの前記第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)に一緒に切り換えるために、パイロット圧が前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)に同時に印加されることを特徴とする、油圧弁装置(10)。
【請求項2】
パイロット圧が、前記第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)への一緒の同時切り換えの場合のために、前記パイロット弁デバイス(32)の第2の切り換え位置において前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)に同時に印加されることを特徴とする、請求項1に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項3】
前記油圧パイロット制御デバイス(30)が、パイロットライン(34)と、帰還ライン(36)と、第1のパイロット分岐路(38)と、第2のパイロット分岐路(40)とを備え、
前記第1のパイロット分岐路(38)におけるパイロット圧が、前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの前記第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)に切り換え、
前記第2のパイロット分岐路(40)におけるパイロット圧が、前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの前記第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)に切り換え、
前記第1の切り換え位置にある前記パイロット弁デバイス(32)が、前記第1のパイロット分岐路(38)にパイロット圧を印加し、前記第2のパイロット分岐路(40)を前記帰還ライン(36)に接続し、前記第2の切り換え位置にある前記パイロット弁デバイス(32)が、前記第2のパイロット分岐路(40)にパイロット圧を印加し、前記第1のパイロット分岐路(38)を前記帰還ライン(36)に接続することを特徴とする、請求項2に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項4】
前記パイロット弁デバイス(32)が、第1のパイロット弁(42)と第2のパイロット弁(44)とを備え、
前記パイロット弁デバイス(32)の前記第1の切り換え位置において、前記第1のパイロット弁(42)が前記第1のパイロット分岐路(38)を前記パイロットライン(34)に接続し、前記第2のパイロット弁(44)が前記第2のパイロット分岐路(40)を前記帰還ライン(36)に接続し、
前記パイロット弁デバイス(32)の前記第2の切り換え位置において、前記第1のパイロット弁(42)が前記第1のパイロット分岐路(38)を前記帰還ライン(36)に接続し、前記第2のパイロット弁(44)が前記第2のパイロット分岐路(40)を前記パイロットライン(34)に接続することを特徴とする、請求項3に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項5】
前記油圧弁装置(10)が、前記第1の弁セクション(14)及び前記第2の弁セクション(16)を加圧するための圧力ライン(46)を備え、閉止弁(48)が前記圧力ライン(46)に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項6】
前記閉止弁(48)が、前記油圧パイロット制御デバイス(30)によって遮断位置から開位置に切り換えられ得ることを特徴とする、請求項5に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項7】
前記閉止弁(48)が、前記油圧パイロット制御デバイス(30)によって遮断位置(SS)から開位置(FS1、FS2)に切り換えられ得、前記油圧弁装置(10)が少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(66)を備え、前記圧力ラインを開放する開位置(FS1、FS2)に切り換えるために、パイロット圧が前記少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(66)を経て前記閉止弁(48)に印加され得、前記油圧パイロット制御デバイス(30)が閉止パイロット弁(64)を備え、前記閉止パイロット弁(64)が、前記閉止弁(48)を前記パイロットライン(66)又は帰還ライン(36)に接続するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項8】
前記油圧パイロット制御デバイス(30)が、前記閉止弁(48)を前記遮断位置から前記開位置に切り換えるための少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)を有し、前記第1のスプールダイバータ(24、74)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、前記第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)にあるときにだけ、又は前記第1のスプールダイバータ(24、74)及び前記第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、前記第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)にあるときにだけ、パイロット圧が前記少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)に印加されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)が、第1のパイロット分岐路(38)を経て及び/又は第2のパイロット分岐路(40)を経て、パイロット圧によって加圧され得ることを特徴とする、請求項8に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50、66)が、圧力緩和ライン(52、68)を経てタンク(R)へと圧力緩和され得、前記圧力緩和ライン(52、68)が、好ましくは、前記油圧パイロット制御デバイス(30)の前記帰還ライン(36)に開口していることを特徴とする、請求項7に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項11】
油圧レジスタ(54、70)が前記圧力緩和ライン(52、68)に設置され、前記油圧レジスタ(54、70)が、好ましくは、ノズルであることを特徴とする、請求項10に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項12】
前記第1の弁セクション(14)が第1のリセットデバイス(56)を備え、前記第1のリセットデバイス(56)が前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)を第3のスプールダイバータ位置(S13)へと付勢し、前記第1の弁セクション(14)が前記第1の弁セクション(14)の第3のタイプ(A21、B21)の少なくとも1つのコンシューマポートを備え、
及び/又は前記第2の弁セクション(16)が第2のリセットデバイス(58)を備え、前記第2のリセットデバイス(58)が前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)を第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)へと付勢し、前記第2の弁セクション(16)が前記第2の弁セクション(16)の第3のタイプ(A24、B24)の少なくとも1つのコンシューマポートを備え、
前記第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び/又は前記第2のスプールダイバータ(28、78、98)が、各々、第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)にあるとき、前記第1の弁セクション(14)の前記第3のタイプ(A21、B21)の前記少なくとも1つのコンシューマポートが前記第1のスプールピストン(22)によって加圧され得、及び/又は前記第2の弁セクション(16)の前記第3のタイプ(A24、B24)の前記少なくとも1つのコンシューマポートが前記第2のスプールピストン(26)によって加圧され得ることを特徴とする、請求項1に記載の油圧弁装置(10)。
【請求項13】
請求項1に記載の油圧弁装置(10)を具備する可搬式油圧システムであって、前記可搬式油圧システムが、好ましくは、少なくとも油圧コンシューマの第1のグループ(G1)と油圧コンシューマの第2のグループ(G2)とを有し、油圧コンシューマの前記第1のグループ(G1)が、特に、前記第1の弁セクション(14)の前記第1のタイプ(A11、B11)の前記少なくとも1つのコンシューマポート及び前記第2の弁セクション(16)の前記第1のタイプ(A14、B14)の前記少なくとも1つのコンシューマポートに接続されており、油圧コンシューマの前記第2のグループ(G2)が、特に、前記第1の弁セクション(14)の前記第2のタイプ(A31、B31)の前記少なくとも1つのコンシューマポート及び前記第2の弁セクション(16)の前記第2のタイプ(A34、B34)の前記少なくとも1つのコンシューマポートに接続されている、可搬式油圧システム。
【請求項14】
請求項13に記載の可搬式油圧システムを有する商用車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧弁装置(hydraulic valve assembly)に関する。詳細には、本発明は、接続セクションと、接続セクションを経て加圧され得る第1の弁セクションと、接続セクションを経て加圧され得る少なくとも1つの第2の弁セクションとを有する油圧弁装置に関する。更には、本発明は、本発明による油圧弁装置を具備する可搬式油圧システム及び可搬式油圧システムを具備する商用車(commercial vehicle)に関する。
【背景技術】
【0002】
このような弁装置は、従来技術から知られており、例えば、独国特許出願公開第102016123503号から知られている。独国特許出願公開第102016123503号において示された弁装置は、接続セクションと、第1及び第2の弁セクションとを有する。第1の弁セクション及び第2の弁セクションは、それぞれの弁セクションに接続された油圧コンシューマ(油圧消費体)が制御され得るように、接続セクションを経て加圧され得る。この目的のために、第1の弁セクションは、第1の比例スプールと、第1のスプールダイバータ(spool diverter)と、第1の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートと、第1の弁セクションの第2のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートとを有する。同様に、第2の弁セクションは、第2の比例スプールと、第2のスプールシャントと、第2の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートと、第2の弁セクションの第2のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートとを有する。
【0003】
第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータは、各々、少なくとも第1のスプールダイバータ切り換え位置及び第2のスプールダイバータ切り換え位置に切り換え可能である。第1及び第2のスプールダイバータが、各々、第1のスプールダイバータ切り換え位置にあるとき、第1の弁セクション及び第2の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートは、それぞれのスプールピストンによって加圧され得、故に、対応するコンシューマが制御され得る。第1及び第2のスプールダイバータが、各々、第2のスプールダイバータ切り換え位置にあるとき、第1の弁セクション及び第2の弁セクションの第2のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートは、それぞれのスプールピストンによって加圧され得、故に、対応するコンシューマが制御され得る。
【0004】
換言すれば、油圧コンシューマの第1のグループが、第1の弁セクション及び第2の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートに接続されており、油圧コンシューマの第2のグループが、第1の弁セクション及び第2の弁セクションの少なくとも1つのコンシューマポートに接続されている。可搬式油圧システム、例えば、森林クレーン又はトラック搭載コンクリートポンプの例を使用して説明すると、マスト又はブームを制御するための油圧シリンダは第1のグループに組み合わされ、その一方で、支持体を制御するための油圧シリンダは第2のグループに組み合わされる。
【0005】
安全のための理由だけでなく、誤った制御が回避されること、すなわち、上記の例においては、支持体が常にマストとは別に制御されることは必ず必要である。特に、マストは、支持体が完全に伸長されて、森林クレーンの安全な支持が保証されたときにだけ制御可能であるべきである。そうでないと、マストによってピックアップされた負荷が、森林クレーンを不安定にしてしまい、最悪の場合には転倒させてしまうことがある。
【0006】
したがって、独国特許出願公開第102016123503号は、第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータが一緒に移動すること、特に結合によって一緒に移動することを提案している。このことは、第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータが、常に一緒に、第1のスプールダイバータ切り換え位置又は第2のスプールダイバータ切り換え位置のうちのどちらかにあることを保証する。換言すれば、どの時点においても、油圧コンシューマの第1のグループ(例えば、支持体を移動させるための油圧シリンダ)又は油圧コンシューマの第2のグループ(例えば、マストを移動させるための油圧シリンダ)のうちのどちらかだけが制御され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それでもなお、独国特許出願公開第102016123503号は、第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータのこの連結移動を機械的結合によってどのようにして実現するかということしか示していない。したがって、第1及び第2のスプールダイバータの連結移動のための、より単純で、より安価で、より省空間的な解決策を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決策は、請求項1に記載の油圧弁装置によって達成される。好ましい更なる実施形態は、従属請求項において記載される。
【0009】
本発明による油圧弁装置は、特に、油圧弁装置がパイロット弁デバイスを具備する油圧パイロット制御デバイスを有するという事実によって、従来技術において知られた油圧弁装置から区別される。第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータは、油圧パイロット制御デバイスによってパイロット圧によって加圧され得る。パイロット弁デバイスの第1の切り換え位置において、それぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置に一緒に切り換えるために、パイロット圧が第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータに同時に印加され得る。パイロット弁デバイスの第2の切り換え位置において、それぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置に一緒に切り換えるために、パイロット圧が第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータに同時に印加されることが好ましい。
【0010】
換言すれば、本発明によると、同一のパイロット圧が第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータに印加され、故に第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータが対応するスプールダイバータ切り換え位置に完全に同時に更に切り換えられるように、パイロット圧は、パイロット弁デバイスによって、第1及び第2のスプールダイバータの対応する端面に印加される。第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータは同一の設計であることが好ましい。このことは、第1及び第2のスプールダイバータを一緒に移動させるための、特に単純で、コスト効果が高く、省空間的な解決策をもたらす。
【0011】
油圧パイロット制御デバイスは、パイロット制御ラインと、帰還ラインと、第1のパイロット分岐路と、第2のパイロット分岐路とを備えることが好ましい。第1のパイロット分岐路におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータを一緒にそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置に切り換える。第2のパイロット分岐路におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータを一緒にそれぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置に切り換える。パイロット弁デバイスは、好ましくは、第1の切り換え位置において、第1のパイロット分岐路にパイロット圧を印加し、第2のパイロット分岐路を帰還ラインに接続するように構成される。更には、パイロット弁デバイスは、好ましくは、第2の切り換え位置において、第2のパイロット分岐路にパイロット圧を印加し、第1のパイロット分岐路を帰還ラインに接続するように構成される。故に、パイロット弁デバイスの切り換え位置に基づいて、第1のパイロット分岐路又は第2のパイロット分岐路のうちのどちらかが、パイロット圧によって加圧され得、以ってパイロット圧によって加圧されていないパイロット分岐路は、帰還ラインを経てタンクへと圧力緩和される。このことは、油圧パイロット制御デバイスの特に単純な設計をもたらす。パイロット弁デバイスは、好ましくは、第1のパイロット弁と第2のパイロット弁とを備える。パイロット弁デバイスの第1の切り換え位置において、第1のパイロット弁は第1のパイロット分岐路をパイロットラインに接続し、第2のパイロット弁は第2のパイロット分岐路を帰還ラインに接続する。パイロット弁デバイスの第2の切り換え位置において、第1のパイロット弁は第1のパイロット分岐路を帰還ラインに接続し、第2のパイロット弁は第2のパイロット分岐路をパイロットラインに接続する。故に、第1のパイロット弁及び第2のパイロット弁は、各々、3/2方向弁として設計される。しかしながら、パイロット弁デバイスが単一の4/2方向弁を備えることも考えられる。
【0012】
油圧弁装置が、第1の弁セクション及び第2の弁セクションを加圧するための圧力ラインを備えることが好ましく、閉止弁が圧力ラインに設置されている。ここで、閉止弁は、冗長的な安全弁として働き、スプールダイバータの故障の際に圧力ラインが閉止される。故障は、例えば、スプールダイバータが汚染された油圧流体のせいで動かないとしたら、この汚染された油圧流体からもたらされ得る。
【0013】
閉止弁が、油圧パイロット制御デバイスによって遮断位置から開位置に切り換えられ得ると特に好ましい。閉止弁は、油圧パイロット制御デバイスによって遮断位置から開位置に切り換えられ得ることが好ましく、油圧弁装置は少なくとも1つの閉止弁パイロットラインを有し、圧力ラインを開放する開放切り換え位置に切り換えるために、パイロット圧が少なくとも1つの閉止弁パイロットラインを経て閉止弁に印加され得、油圧パイロット制御デバイスは閉止パイロット弁を備え、閉止パイロット弁は、閉止弁をパイロットライン又は帰還ラインに接続するように構成される。閉止パイロット弁は第1のパイロット分岐路及び第2のパイロット分岐路に接続されていないことが好ましい。換言すれば、閉止パイロット弁は、スプールダイバータを切り換えることを意図されるものではなく、閉止弁を作動させることだけを意図される。
【0014】
特に、閉止弁は、例えば対応する付勢デバイスによって、遮断位置へと前負荷がかけられるように構成されている。この文脈において、油圧パイロット制御デバイスが、閉止弁を遮断位置から開位置に切り換えるための少なくとも1つの閉止弁パイロットラインを有すると好ましい。第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータが、各々、第1のスプールダイバータ切り換え位置にあるときにだけ、又は第1のスプールダイバータ及び第2のスプールダイバータが、各々、第2のスプールダイバータ切り換え位置にあるときにだけ、パイロット圧が少なくとも1つの閉止弁パイロットラインに印加され得ることが好ましい。換言すれば、全てのスプールダイバータが同一のスプールダイバータ切り換え位置にあるときだけ、パイロット圧が閉止弁パイロットラインに存在する。もしもスプールダイバータのうちの1つが所望のスプールダイバータ切り換え位置に切り換わらず、故に制御エラーが存在するとき、パイロット圧は閉止弁に印加されない。閉止弁は遮断位置にあるままであり、コンシューマポートは加圧され得ない。このことは、油圧コンシューマのグループが誤って作動されないことを保証し、故に、危険な状況を防止する。
【0015】
少なくとも1つの閉止弁パイロットラインが、第1のパイロット分岐路を経て及び/又は第2のパイロット分岐路を経て、パイロット圧によって加圧され得ることが好ましい。こうして、閉止弁のパイロット制御のための更なる弁を必要とすることなく、閉止弁はパイロット弁デバイスによって遮断位置から開位置に切り換えられ得る。
【0016】
少なくとも1つの閉止弁パイロットラインが、圧力緩和ラインを経てタンクへと圧力緩和され得ることが好ましく、圧力緩和ラインは、好ましくは、油圧パイロット制御デバイスの帰還ラインに開口している。このようにして、閉止弁が遮断位置に切り換わるように、閉止弁パイロットラインにおける可能な(パイロット)圧が確実に圧力緩和され得る。この文脈において、油圧レジスタが圧力緩和ラインに設置されていると特に好ましく、油圧レジスタは、好ましくは、ノズルである。このことは、不可避的に、油圧レジスタによる閉止弁パイロットラインの圧力緩和をもたらし、残余の圧力が閉止弁パイロットラインに残り得ない。このことは、閉止弁が閉止位置に確実に切り換わることを保証する。
【0017】
第1の弁セクションが第1のリセットデバイスを備えることが好ましく、第1のリセットデバイスが第1のスプールダイバータを第3のスプールダイバータ切り換え位置へと付勢し、第1の弁セクションが第1の弁セクションの第3のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートを備える。第2の弁セクションが第2のリセットデバイスを備えることが好ましく、第2のリセットデバイスが第2のスプールダイバータを第3のスプールダイバータ切り換え位置へと付勢し、第2の弁セクションが第2の弁セクションの第3のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートを備える。第1のスプールダイバータ及び/又は第2のスプールダイバータが、各々、第3のスプールダイバータ切り換え位置にあるとき、第1の弁セクションの第3のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートが第1のスプールピストンによって加圧され得、及び/又は第2の弁セクションの第3のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートが第2のスプールピストンによって加圧され得る。こうして、油圧コンシューマの第3のグループは、油圧パイロット制御デバイスにパイロット圧が印加されていないときに常に制御され得る。この文脈において、第1のパイロット分岐路又は第2のパイロット分岐路を経てパイロット圧が送られることなく閉止弁を開位置に切り換えるために、パイロット圧が閉止弁に直接的に送られることが考えられる。
【0018】
更には、課題の解決策は請求項13に記載の可搬式油圧システム及びこのような可搬式油圧システムを具備する請求項14に記載の商用車によって成功する。本発明による可搬式油圧システムは、上述された油圧弁装置を備える。更に、可搬式油圧システムは、好ましくは、少なくとも油圧コンシューマの第1のグループと油圧コンシューマの第2のグループとを備える。油圧コンシューマの第1のグループは、特に、第1の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポート及び第2の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートに接続されており、油圧コンシューマの第2のグループは、特に、第1の弁セクションの第1のタイプの少なくとも1つのコンシューマポート及び第2の弁セクションの第2のタイプの少なくとも1つのコンシューマポートに接続されている。
【0019】
以下において、本発明が、図面において示される例示的な実施形態を参照して、より詳細に説明される。本明細書において、図面は概略的には以下のようである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態に従った本発明による油圧弁装置の油圧回路図である。
【
図2】
図1において図示された油圧弁装置の変形例である。
【
図3】
図1において図示された8/3スプールダイバータの詳細な図である。
【
図4】第2の実施形態に従った本発明による油圧弁装置の油圧回路図である。
【
図5】
図4において図示された8/3スプールダイバータの詳細な図である。
【
図6】第3の実施形態に従った本発明による油圧弁装置の油圧回路図である。
【
図7】
図6において図示された8/3スプールダイバータの詳細な図である。
【
図8】第4の実施形態に従った本発明による油圧弁装置の油圧回路図である。
【
図9】本発明による油圧弁装置を備える可搬式油圧システムを具備する商用車の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、第1の実施形態による本発明による油圧弁装置10の油圧回路図を示す。油圧弁装置10は、接続セクション12と、中間セクション60と、端板62と、第1の弁セクション14と、第2の弁セクション16とを備える。以下においてより詳細に説明されるように、第1の弁セクション14及び第2の弁セクション16は、接続セクション12を経て圧力ライン46によって加圧され得る。この目的のために、圧力ライン46を経て圧力が適切に分配され得るように、知られた方法によって接続セクション12のポートPに圧力源が接続される。したがって、接続セクション12は供給調整器を備える。供給調整器は圧力補償器であってもよい。図示されるように、中間セクション60は接続セクション12と第1の弁セクション14との間に設置されている。更には、油圧弁装置10はタンクライン88を備える。
【0022】
第1の弁セクション14は、第1の比例スプールピストン22と第1のスプールダイバータ24とを有する。第1のスプールピストン22は、圧力ライン46を経た比例的な加圧又はタンクライン88を経た比例的な圧力緩和を可能とするように、知られた方法によってニュートラル位置NS1から第1のスプールピストン切り換え位置SK11及び第2のスプールピストン切り換え位置SK12に比例的に偏向され得る。
【0023】
また、
図3において特に図示されるように、第1のスプールダイバータ24は、8/3スプールダイバータ又は8/3方向弁としてそれぞれ構成される。加えて、第1の弁セクション14は、油圧コンシューマ(油圧消費体)を接続するための全部で6つのコンシューマポートA11(第1のコンシューマポート)、B11(第2のコンシューマポート)、A21(第3のコンシューマポート)、B21(第4のコンシューマポート)、A31(第5のコンシューマポート)及びB31(第6のコンシューマポート)を備え、これらは、第1のスプールピストン22の比例的な変位によって、圧力ライン46を経て加圧され得、又はタンクライン88を経てタンクRへと圧力緩和され得る。第1のコンシューマポートA11及び第2のコンシューマポートB11は第1の弁セクション14の第1のタイプのコンシューマポートとも称される。第5のコンシューマポートA31及び第6のコンシューマポートB31は第1の弁セクション14の第2のタイプのコンシューマポートとも称される。第3のコンシューマポートA21及び第4のコンシューマポートB21は第1の弁セクション14の第3のタイプのコンシューマポートとも称される。第1のスプールダイバータ24は、全部で3つの切り換え位置S11、S12及びS13、すなわち、第1の切り換え位置S11、第2の切り換え位置S12及び第3の切り換え位置S13に切り換えられ得る。第1のリセットデバイス56は、第1のスプールダイバータ24を第3の切り換え位置S13にニュートラル位置として維持する。第1のスプールダイバータ24が第1の切り換え位置S11にあるとき、第1のコンシューマポートA11及び第2のコンシューマポートB11は、スプールピストン22によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得、更なるコンシューマポートA21、B21、A31及びB31は遮断される。第1のスプールダイバータ24の第3の切り換え位置S13において、第3のコンシューマポートA21及び第4のコンシューマポートB21は、スプールピストン22によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得、更なるコンシューマポートA11、B11、A31及びB31は遮断される。第1のスプールダイバータ24の第2の切り換え位置S12において、第5のコンシューマポートA31及び第6のコンシューマポートB31は、スプールピストン22によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得、更なるコンシューマポートA11、B11、A21及びB21は遮断される。
【0024】
第2の弁セクション16は第1の弁セクション14と同じように構築され、第2の比例スプールピストン26と第2のスプールダイバータ28とを有し、第2のスプールダイバータ28も8/3スプールダイバータ又は8/3方向弁としてそれぞれ構成される(
図3を参照)。第2のスプールピストン26は、圧力ライン46を経た比例的な加圧又はタンクライン88を経た比例的な圧力緩和を可能とするように、知られた方法によってニュートラル位置NS2から第1のスプールピストン切り換え位置SK21及び第2のスプールピストン切り換え位置SK22に比例的に偏向され得る。
【0025】
第2の弁セクション16も、油圧コンシューマを接続するための全部で6つのコンシューマポートA14(第1のコンシューマポート)、B14(第2のコンシューマポート)、A24(第3のコンシューマポート)、B24(第4のコンシューマポート)、A34(第5のコンシューマポート)及びB34(第6のコンシューマポート)を有し、これらは、第2のスプールピストン26の比例的な変位によって、圧力ライン46を経て加圧され得、又はタンクライン88を経てタンクRへ向けて圧力緩和され得る。第1のコンシューマポートA14及び第2のコンシューマポートB14は第2の弁セクション16の第1のタイプのコンシューマポートとも称される。第5のコンシューマポートA34及び第6のコンシューマポートB34は第2の弁セクション16の第2のタイプのコンシューマポートとも称される。第3のコンシューマポートA24及び第4のコンシューマポートB24は第2の弁セクション16の第3のタイプのコンシューマポートとも称される。加えて、第2のスプールダイバータ28も、全部で3つの切り換え位置S21、S22及びS23、すなわち、第1の切り換え位置S21、第2の切り換え位置S22及び第3の切り換え位置S23に切り換えられ得る。第2のスプールダイバータ28は、第2のリセットデバイス58によって、第3の切り換え位置S23にニュートラル位置として維持される。第2のスプールダイバータ28が第1の切り換え位置S21にあるとき、第1のコンシューマポートA14及び第2のコンシューマポートB14は、第2のスプールピストン26によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得、他のコンシューマポートA24、B24、A34及びB34は遮断される。第2のスプールダイバータ28が第3の切り換え位置S23にあるとき、第3のコンシューマポートA24及び第4のコンシューマポートB24は、第2のスプールピストン26によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得る。第3の切り換え位置S23において、更なるコンシューマポートA14、B14、A34及びB34は遮断される。第2のスプールダイバータ28が第2の切り換え位置S22にあるとき、第5のコンシューマポートA34及び第6のコンシューマポートB34は、第2のスプールピストン26によって、加圧され得又はタンクRへと圧力緩和され得、他のコンシューマポートA14、B14、A24及びB24は遮断される。
【0026】
図1において図示されるように、第1のスプールピストン22は、第1のスプールダイバータ24によって現在制御されている第1の弁セクション14のコンシューマポート(
図1においては、第3のコンシューマポートA21及び第4のコンシューマポートB21)が、第1のスプールピストン22のニュートラル位置NS1においてタンクRへと圧力緩和されるように構成されている。第2のスプールピストン28はこれとは異なって構成され、第2のスプールピストン28によって現在制御されている第2の弁セクション16のコンシューマポート(
図1においては、第3のコンシューマポートA24及び第4のコンシューマポートB24)を遮断する。第1のスプールピストン22の3つの切り換え位置NS1、SK11及びSK12と組み合わされた8/3方向弁としての第1のスプールダイバータ24の構成のおかげで、負荷圧力から独立した負荷圧力回路の量の制御を可能とする8/9方向弁、特に、比例弁の手法での第1の弁セクション14の全体的な機能がある。同様に、第2のスプールピストン26の3つの切り換え位置NS2、SK21及びSK22と組み合わされた8/3方向弁としての第2のスプールダイバータ28の構成が、負荷圧力回路における負荷圧力から独立した流量制御を可能とする特に比例的な8/9方向弁の手法での第2の弁セクション16の全体的な機能をもたらす。
【0027】
第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28を一緒に及び同時に切り換えるために、油圧パイロット制御デバイス30が中間セクション60に設置されている。油圧パイロット制御デバイス30は、パイロットライン34と帰還ライン36とを有する。印加されるべきパイロット圧は、パイロットライン34を経て接続セクション12の直接的な下流にタップ(tap)される。油圧パイロット制御デバイス30はパイロット弁デバイス32を更に備え、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28を一緒にそれぞれの第3の切り換え位置S13、S23からそれぞれの第1の切り換え位置S11、S21又はそれぞれの第2の切り換え位置S12、S22に切り換えるために、パイロット弁デバイス32によってパイロット圧が第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28に同時に印加され得る。この目的のために、パイロット弁デバイス32は、第1の切り換え位置、第2の切り換え位置又は第3の切り換え位置に切り換えられ得る。パイロット弁デバイス32の第1の切り換え位置において、油圧パイロットデバイス30の第1のパイロット分岐路38がパイロットライン34に接続され、パイロット弁デバイス32の第2の切り換え位置において、油圧パイロットデバイス30の第2のパイロット分岐路40がパイロットライン34に接続される。それ故、パイロット弁デバイス32の第2の切り換え位置において、第1のパイロット分岐路38が帰還ライン36に接続され、パイロット弁デバイス32の第1の切り換え位置において、第2のパイロット分岐路40が帰還ライン36に接続される。
【0028】
これらの切り換え位置を実現するために、この実施形態におけるパイロット弁デバイス32は第1のパイロット弁42と第2のパイロット弁44とを有し、これらは第1のパイロット分岐路38及び第2のパイロット分岐路40を選択的にパイロットライン34又は帰還ライン36のどちらかに接続する。第1のパイロット弁42及び第2のパイロット弁44は、各々、ソレノイド動作式3/2方向弁として構成されている。第1のパイロット弁42及び第2のパイロット弁42が付勢されていない状態において第1のパイロット分岐路38及び第2のパイロット分岐路40が帰還ライン36に接続され、故に、圧力緩和されるように、第1のパイロット弁42及び第2のパイロット弁44は、各々、対応する付勢デバイスによって付勢される。パイロット弁デバイス32を第1の切り換え位置に切り換えるために、第1のパイロット弁42は、パイロットライン34が第1のパイロット分岐路38に接続されるように、付勢される。第2のパイロット弁44は付勢されないままである。それに応じて、第2のパイロット弁44は、パイロット弁デバイス32を第2の切り換え位置に切り換えるために付勢される。パイロット弁デバイス32の第2の切り換え位置において、第1のパイロット弁42は付勢されない。
【0029】
更には、油圧弁装置10は閉止弁48を備え、本実施形態において、閉止弁48は中間セクション60の一部である。閉止弁48は圧力ライン46において接続セクション12と第1のスプールピストン22との間に設置され、圧力ライン46が遮断されるように、対応するばねデバイスによって遮断位置SSへと付勢される。換言すれば、閉止弁48が切り換えられない限り、第1の弁セクション14及び第2の弁セクション16には圧力が供給され得ない。この実施形態において、閉止弁48はパイロット制御式6/3方向弁として構成されている。
【0030】
閉止弁48を第1の開放切り換え位置FS1に切り換えて圧力ライン46を開放するために、油圧パイロット制御デバイス30は第1の閉止弁パイロットライン50を備える。図示されるように、第1の閉止弁パイロットライン50は第1のパイロット分岐路38又は第2のパイロット分岐路40を経て加圧される。この目的のために、第1のパイロット分岐路38は、端板62において方向変更され、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28がそれぞれ第1の切り換え位置S11、S21にあるという条件において、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28によって第1の閉止弁パイロットライン50に接続される。もしも2つのスプールダイバータ弁24、28のうちの1つが第1の切り換え位置S11、S21になかったならば、第1のパイロット分岐路38と閉止弁パイロットライン50との間の接続は遮断される。それに応じて、第2のパイロット分岐路40も端板62において方向変更され、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28の各々が第3の切り換え位置S13、S23にあるという条件において、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28によって第1の閉止弁パイロットライン50に接続される。スプールダイバータ24、28のうちのどちらかが第3の切り換え位置S13、S23にないとき、第2のパイロット分岐路40と閉止弁パイロットライン50との間の接続は遮断される。故に、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28が実際に所望された切り換え位置にあるときにだけ、圧力ライン46は閉止弁48によって開放される。
【0031】
例えば、もしも第1のスプールダイバータ24を第1の切り換え位置S11に切り換えるためにパイロット弁デバイス32が第1の切り換え位置に切り換えられ、第2のスプールダイバータ28も第1の切り換え位置S21に切り換えられたとしたら、スプールダイバータ24、28の両方も第1の切り換え位置S11、S21に切り換えられたときにだけ閉止弁48は切り換えられる。もしもスプールダイバータ弁24、28のうちの1つが適切に切り換わらなかったとしたら、第1のパイロット分岐路38は第1の閉止弁パイロットライン50に接続されない。閉止弁48は、圧力ライン46を遮断する付勢された遮断位置SSにあるままである。結果として、第1の弁セクション14及び第2の弁セクション16は、スプールダイバータ24、28が正しく切り換えられたときにだけ圧力ライン46を経て圧力を供給され得る。
【0032】
第2の弁セクション16が第1のスプールダイバータ24の第3の切り換え位置S13及び第2のスプールダイバータ28の第3の切り換え位置S23にある状態で第1の弁セクション14の対応する油圧接続A21、B21、A24及びB24の加圧又は減圧も可能とするために、油圧弁装置10は第2の閉止弁パイロットライン66を有し、閉止弁48も、圧力ライン46を開放する第2の開放切り換え位置FS2に切り換えられるために、第2の閉止弁パイロットライン66を経てパイロット圧によって加圧され得る。この目的のために、パイロット弁デバイス32は第3の切り換え位置に切り換えられる。第2の閉止弁パイロットライン66は、パイロット弁デバイス32の閉止パイロット弁の形態の第3のパイロット弁64によってパイロットライン34又は帰還ライン36に接続される。この例示的な実施形態において、第3のパイロット弁64は、ソレノイド動作式3/2方向弁として構成され、第3のパイロット弁64が付勢されていない状態において第2の閉止弁パイロットライン66が帰還ライン36に接続されるように、対応する付勢デバイスによって付勢される。もしも第3のパイロット弁64だけが付勢され、結果として、パイロット弁デバイス32が第3の切り換え位置に切り換えられたとしたら、パイロットライン34は第2の閉止弁パイロットライン66に接続される。
図1において図示されるように、第2の閉止弁パイロットライン66は端板62において方向変更され、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28によって閉止弁48にルーティングされる。2つのスプールダイバータ弁24、28のうちの少なくとも1つが第3の切り換え位置S13、S23にないとき、第2の閉止弁パイロットライン66は遮断され、パイロット圧は閉止弁48に送られ得ない。結果として、閉止弁48は第2の開放切り換え位置FS2に切り換えられず、圧力ライン46は遮断されたままである。したがって、第1の弁セクション14及び第2の弁セクション16への圧力供給は中断される。
【0033】
第1の閉止弁パイロットライン50にトラップされた圧力のせいで閉止弁48が切り換え不能にならないことを保証するために、第1の閉止弁パイロットライン50は、第1の圧力緩和ライン52を経てタンクR又は帰還ラインRへと圧力緩和される。
図1において図示されるように、第1の閉止弁パイロットライン50は、第1の圧力緩和ライン52を経て油圧パイロットデバイス30の帰還ライン36に接続されている。この実施形態において、第1の圧力緩和ライン52は、第1のスプールダイバータ24と閉止弁48との間で第1の閉止弁パイロットライン50から分岐している。閉止弁48を安全に切り換えるために第1の閉止弁パイロットライン50に十分な圧力が存在することを保証するために、第1の油圧レジスタ54が第1の圧力緩和ライン52に設置されている。この実施形態において、第1の油圧レジスタ54は、ノズルとして構成される。それに応じて、第2の閉止弁パイロットライン66も、第2の圧力緩和ライン68を経てタンクR又は帰還ラインRへと圧力緩和される。第2の圧力緩和ライン68は、第1のスプールダイバータ24と閉止弁48との間で第2の閉止弁パイロットライン66から分岐し、帰還ライン36に開口している。閉止弁48を第2の開放切り換え位置FS2に切り換えるための十分な圧力が第2の閉止弁パイロットライン66に存在することを保証するために、第2の油圧レジスタ70が第2の圧力緩和ライン68に設置されている。ここでは、第2の油圧レジスタ70もノズルとして構成される。第1の油圧レジスタ54及び第2の油圧レジスタ70を経て、第1の閉止弁パイロットライン50又は第2の閉止弁パイロットライン66にトラップされている可能性のある残余の圧力は、ゆっくりと圧力緩和され、閉止弁48は、第1の開放切り換え位置FS1又は第2の開放切り換え位置FS2から、圧力ライン46を遮断する遮断位置SSに確実に切り換わる。こうして、閉止弁48及びパイロット圧の対応する信号は、誤制御を確実に除外し得る。
【0034】
図2は、油圧回路図として、
図1において図示された油圧弁装置10の変形例を図示する。
図2において図示された変形例は、
図1において図示された第1の実施形態とは、第3の弁セクション18及び第4の弁セクション20も第2の弁セクション16と端板62との間に設けられている点が異なり、第3の弁セクション18及び第4の弁セクション20を経て、コンシューマポートA13、B13、A23、B23、A33、B33及びA26、B26が加圧され得る。第3の弁セクション18及び第4の弁セクション20は、基本的に、第1の弁セクション14及び第2の弁セクション16と同じように構築される。結果として、第3の弁セクション18及び第4の弁セクション20のスプールダイバータも、油圧パイロット制御デバイス30によって第2の切り換え位置から第1の切り換え位置又は第3の切り換え位置に、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプール弁28と一緒に切り換えられる。それ故、パイロット圧は、第1の閉止弁パイロットライン50又は第2の閉止弁パイロットライン66を経て閉止弁48に印加され、第1から第4の弁セクション14、16、18及び20の全てのスプールダイバータが同一の切り換え位置にあるときにだけ、圧力ライン46を遮断する遮断位置から第1の開放切り換え位置又は第2の開放切り換え位置に切り換えられる。
【0035】
図2において図示されるように、全てのスプールダイバータが同一の設計のものであることが絶対に必要なわけではない。
図2において図示された変形例において、第4の弁セクション20のスプールダイバータは、第4の弁セクション20のスプールダイバータが第2の切り換え位置にあるときに、第4の弁セクション20の2つのコンシューマポートA26及びB26だけが加圧され得るように構成されている。この文脈において、本発明の趣旨において、弁セクションの全ての組み合わせが一般的に可能であることが留意されるべきである。例えば、弁セクションが、スプールダイバータの第1の切り換え位置又は第2の切り換え位置において加圧され得るコンシューマポートを2つだけ有する変形例も考えられる。
【0036】
更には、
図2における第1のスプールピストン22は、第1のスプールダイバータ24によって制御されたコンシューマポートが、第1のスプールピストン22のニュートラル位置NS1において遮断されるように構成されている。更に、第2のスプールピストン26は、第2のスプールダイバータ28によって現在制御されているコンシューマポートが、第2のスプールピストン26のニュートラル位置NS2においてタンクRへと圧力緩和されるように構成されている。
【0037】
図4は、第2の実施形態に従った本発明による油圧弁装置10の油圧回路図を図示する。第2の実施形態による油圧弁装置10は、
図1~
図3において図示された第1の実施形態による油圧弁装置とは、加圧されていないコンシューマポートが遮断されないが、第1の弁セクション14の第1のスプールダイバータ74及び第2の弁セクション16の第2のスプールダイバータ78によって帰還ラインRへと圧力緩和される点が異なる。明確さのために、以下においては、第1の実施形態による油圧弁装置10と第2の実施形態による油圧弁装置10との間の差異だけが説明される。
【0038】
換言すれば、第1のスプールダイバータ74及び第2のスプールダイバータ78が第2の切り換え位置S12、S22にあるとき、第1の弁セクション14の第3及び第4のコンシューマポートA21、B21並びに第2の弁セクション16の第3及び第4のコンシューマポートA24、B24は、それぞれ加圧され得、又は帰還ラインRへと圧力緩和され得る。第1の弁セクション14の第1、第2、第5及び第6のコンシューマポートA11、B11、A31及びB31並びに第2の弁セクション16の第1、第2、第5及び第6のコンシューマポートA14、B14、A34及びB34は遮断されないが、第1のスプールダイバータ74及び第2のスプールダイバータ78によってそれぞれ帰還ラインRへと圧力緩和される。
【0039】
この目的のために、第1の弁セクション12は第1の主帰還ライン72を備え、第1のスプールピストン22によって加圧され得ないコンシューマポートは、第1の主帰還ライン72を経て集合的に帰還ラインRへ向けて圧力緩和される。
図5において特に図示されるように、第1のスプールダイバータ74は、この目的のための第1の集合チャネル80を、3つの切り換え位置S11、S12及びS13の各々のために有し、第1の集合チャネル80は、第1のスプールピストン22に接続されていないコンシューマポートを第1の主帰還ライン72に接続する。第1の集合チャネル80は、接続されたコンシューマポートが、第1の絞り82によって絞られ、第1の主帰還ライン72を経て圧力緩和されるように構成されている。
【0040】
それに応じて、第2の弁セクション16は第2の主帰還ライン76を備え、第2のスプールピストン26によって加圧され得ないコンシューマポートは、第2の主帰還ライン76を経て集合的に帰還ラインRへ向けて圧力緩和される。この目的のために、第2のスプールダイバータ78は、第2の集合チャネル84を、3つの切り換え位置S21、S22及びS23の各々のために有し、第2の集合チャネル84は、第2のスプールピストン26に接続されていないコンシューマポートを第2の主帰還ライン76に接続し、故に、これはタンクへと圧力緩和される。第2の集合チャネル84は、接続されたコンシューマポートが、第2の絞り86によって絞られ、第2の帰還集合チャネル76を経て帰還ラインRへと圧力緩和されるように構成されている。
【0041】
図5において図示されるように、第1の絞り82及び第2の絞り86は、接続されたコンシューマポートの各々のための油圧レジスタによって実現され得る。もちろん、代替的に、接続されたコンシューマポートの各々のために中央絞りが実装されてもよい。
【0042】
図6及び
図7において、油圧弁装置10の第3の実施形態が図示される。この実施形態は、第1の実施形態による油圧弁装置とは、パイロット圧がパイロット弁デバイス32によって閉止弁48に直接的に送られ、第1及び第2のパイロット分岐路38、40が端板62において方向変更されないが、そこで終わっている点が異なる。それに応じて、第2の閉止弁パイロットライン66も端板62において方向変更されないが、中間セクション60において閉止弁48に直接的に接続されている。
【0043】
加えて、第1のスプールダイバータ94は第1の位置センサ92を有し、第2のスプールダイバータ98は第2の位置センサ96を有する。第1の位置センサ92及び第2の位置センサ96は、第1のスプールダイバータ94及び第2のスプールダイバータ98の対応する位置信号を(図示されていない)上位レベルのコントローラに送信する。こうして、第1のスプールダイバータ94及び第2のスプールダイバータ98が、各々、同一の切り換え位置にあるかどうかが判定され得、誤制御が確実に除外され得る。
【0044】
第1のパイロット分岐路38及び第2のパイロット分岐路40は、選択弁90によって第1の閉止弁パイロットライン50に接続される。第1のスプール分岐路94及び第2のスプール分岐路98を一緒に第1の切り換え位置S11、S21に切り換えるためにパイロット弁デバイス32が第1の切り換え位置に切り換えられたとき、第1のパイロット弁42が付勢される。第2のパイロット弁44は付勢されないままであり、したがって、第2のパイロット分岐路40は帰還ライン36に接続される。それに応じて、第3のパイロット弁64も付勢されないままであり、したがって、第2の閉止弁パイロットライン66は帰還ライン36に接続される。これはパイロット弁デバイス32の第1の切り換え位置に対応する。結果として、第1のパイロット分岐路38がパイロットライン34に接続され、第1のスプールダイバータ94及び第2のスプールダイバータ98は、一緒に、第1のリセットデバイス56及び第2のリセットデバイス58に逆らって第3の切り換え位置S13、S23から第1の切り換え位置S11、S21に移動する。同時に、パイロットライン34からのパイロット圧は、選択弁90及び第1の閉止弁パイロットライン50を経て閉止弁48に送られ、閉止弁48は遮断位置SSから第1の開放切り換え位置FS1に切り換えられ、圧力ライン46を開放する。第2の閉止弁パイロットライン66に存在する任意の残余の圧力は帰還ライン36を経てタンクRへと直接的に圧力緩和され得る。
【0045】
第1のスプールダイバータ94及び第2のスプールダイバータ98が一緒に第2の切り換え位置S12、S22に切り換えられるべきとき、第2のパイロット弁44が付勢され、第1のパイロット弁42及び第3のパイロット弁64は付勢されないままである。これは、パイロット弁デバイス32の第2の切り換え位置に対応する。結果として、第2のパイロット分岐路40は選択弁90によって第1の閉止弁パイロットライン50に接続される。第1のパイロット分岐路38及び第2の閉止弁パイロットライン66は帰還ライン36に接続され、したがって、任意の残余の圧力はタンクRへと直接的に圧力緩和される。閉止弁48は第1の開放切り換え位置FS1に切り換えられ、圧力ライン46は開放される。
【0046】
第1のスプールダイバータ94及び第2のスプールダイバータ98を一緒に第3の切り換え位置S13、S23に切り換えるために、第3のパイロット弁64が付勢される。第1のパイロット弁42及び第2のパイロット弁44は付勢されないままである。これは、パイロット弁デバイス32の第3の切り換え位置に対応する。故に、第1のパイロット分岐路38及び第2のパイロット分岐路40は帰還ライン36に接続される。故に、第1のスプール弁分岐路94及び第2のスプール弁分岐路98にはパイロット圧が存在しないので、これらは第1のリセットデバイス56及び第2のリセットデバイス58によって、それぞれ、第3の切り換え位置S13、S23に切り換えられる。同時に、パイロットライン34からのパイロット圧は、第3のパイロット弁64及び第2の閉止弁パイロットライン66によって閉止弁48に送られる。故に、閉止弁48は第2の開放切り換え位置FS2に切り換わり、圧力ライン46を開放する。
【0047】
図8は、第4の実施形態による油圧弁装置10を図示する。第4の実施形態による油圧弁装置10は、
図1において図示された油圧弁装置とは、閉止弁48の構成及び作動が異なっている。この実施形態において、閉止弁48は3つの切り換え位置を具備する比例弁であり、閉止弁は付勢デバイスによって遮断位置SSへと付勢されている。更に、閉止弁48は、比例的に測定する変位トランスデューサ89を備える。
【0048】
この実施形態において、パイロット弁デバイス32は、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28をそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置S11、S21に切り換えるためのパイロット圧が、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28をそれぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置S12、S22に切り換えるためのパイロット圧とは異なるように構成されている。故に、スプールダイバータ切り換え位置に応じて、第1の開放切り換え位置FS1に切り換わるために、異なるパイロット圧が第1の閉止弁パイロットライン50を経て閉止弁48に印加される。換言すれば、第1の開放切り換え位置FS1に切り換わるための閉止弁48のストロークは、それぞれの弁セクション14、16の第1のコンシューマポートA11、B11、A14及びB14又は第3のコンシューマポートA31、B21、A34及びB34が第1のスプールピストン24及び第2のスプールピストン28によって制御されているかどうかに依存する。閉止弁48の比例的ストロークは変位トランスデューサ89によって判定され得、故に第1の開放切り換え位置FS1内で優勢なスプールダイバータ切り換え位置を見分けることも可能である。
【0049】
例えば、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28をそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置S11、S21に切り換えるために、15バールの圧力がパイロット弁デバイス32によって第1のパイロット分岐路38に印加され得ることが考えられる。それに応じて、第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28をそれぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置S12、S22に切り換えるために、例えば、18バールの圧力がパイロット弁デバイス32によって第2のパイロット分岐路40に印加され得る。異なるパイロット圧に関係なく第1のスプールダイバータ24及び第2のスプールダイバータ28が確実に切り換わるように、第1のリセットデバイス56及び第2のリセットデバイス58は、対応して異なるパイロット圧に適合されている。第1のパイロット弁42及び第2のパイロット弁44は、それぞれのパイロット分岐路38、40に異なるパイロット圧を印加するように比例弁として構成されることも可能である。
【0050】
どちらの場合においても、閉止弁48は第1の開放切り換え位置FS1に切り換わるが、各々の場合においてストロークが異なり、これは変位トランスデューサ89によって検知される。閉止弁48は、好ましくは、閉止弁48を経て流れる量が第1の開放切り換え位置FS1におけるストロークとは無関係であるが、どちらの場合においても、少なくとも、対応して接続された油圧コンシューマを制御するために要する最大量に対応するように構成される。
【0051】
図9において、商用車200が概略的に図示され、商用車200は、可搬式油圧システム100と、マストと、支持体とを有する。可搬式油圧システム100は、ポンプPと、タンクRと、上述された油圧弁装置10と、知られた方法で油圧弁装置10に接続された複数の油圧コンシューマとを備える。この例示的な実施形態において、油圧弁装置は全部で5つの弁セクションを備える。この例示的な実施形態において、油圧コンシューマは3つのグループに組み分けされる。第1のグループG1において、例えば、左側の支持体の油圧コンシューマが一緒に組み分けされ、第2のグループG2において、例えば、右側の支持体の油圧コンシューマが一緒に組み分けされ、第3のグループG3において、例えば、マストの油圧コンシューマが一緒に組み分けされる。油圧コンシューマの第1のグループG1は、それぞれの弁セクションの第1及び第2のコンシューマポートに接続されている。油圧コンシューマの第3のグループG3は、それぞれの弁セクションの第3及び第4のコンシューマポートに接続されており、油圧コンシューマの第2のグループG2は、それぞれの弁セクションの第5及び第6のコンシューマポートに接続されている。
【0052】
第1のグループG1を制御するために、5つの弁セクションのスプールダイバータが第1の切り換え位置S11、S21、...に一緒に切り換えられる。他のグループG2及びG3は遮断される。それに応じて、油圧コンシューマの第2のグループG2を制御するために、5つの弁セクションのスプールダイバータが第2の切り換え位置S12、S22、...に一緒に切り換えられる。第1のグループG1及び第3のグループG3は遮断される。油圧コンシューマの第3のグループG3を制御するために、5つの弁セクションのスプールダイバータが第3の切り換え位置S13、S23、...に一緒に切り換えられる。第1のグループG1及び第2のグループG2は遮断される。第1の開放切り換え位置FS1又は第2の開放切り換え位置FS2における閉止弁48の結果的な位置に基づいて、(第1のグループG1及び第2のグループG2における)支持体又は(第3のグループG3における)マストが現在制御されているかどうかが確実に導出され得る。
【0053】
もちろん、本発明によると、可搬式油圧システム100の要件に応じて、任意の数の弁セクションが使用されてもよい。また、実施形態は互いに組み合わされてもよい。例えば、油圧弁装置10が、第1の弁セクション14において第1の実施形態に従った第1のスプールピストン24を有し、第2の弁セクション16において第2の実施形態に従ったスプールピストン74を有することが考えられる。最後に、本明細書において使用される「第1の」、「第2の」又は「第3の」などの用語は、特定の順番を指定するものではなく、もっぱら、要素及び特徴を分け、区別する役割を果たすことも指摘されるべきである。
【0054】
例示的な実施形態
既に説明されたように、本明細書において説明された技術は、様々な方法で実現され得る。この点に関して、前述の開示は、以下の例示的な実施態様において述べられるシステム、方法、並びにそれらの組み合わせ及び副次的組み合わせを含むが、これらに限定されないことが意図される。好ましい実施形態は以下のパラグラフにおいて説明される。
【0055】
A1 接続セクション(12)と、接続セクション(12)を経て加圧され得る第1の弁セクション(14)と、接続セクション(12)を経て加圧され得る少なくとも1つの第2の弁セクション(16)とを有する油圧弁装置(10)であり、第1の弁セクション(14)は、第1のスプールピストン(22)と、第1のスプールダイバータ(24、74、94)と、第1の弁セクション(14)の第1のタイプ(A11、B11)の少なくとも1つのコンシューマポートと、第1の弁セクション(14)の第2のタイプ(A31、B31)の少なくとも1つのコンシューマポートとを備え、第2の弁セクション(16)は、第2のスプールピストン(26)と、第2のスプールダイバータ(28、78、98)と、第2の弁セクション(16)の第1のタイプ(A14、B14)の少なくとも1つのコンシューマポートと、第2の弁セクション(16)の第2のタイプ(A34、B34)の少なくとも1つのコンシューマポートとを備え、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)は、各々、少なくとも第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)及び第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)に切り換えられ得、故に、第1のスプール(24、74、94)及び第2のスプール(28、78、98)が、各々、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)にあるとき、第1の弁セクション(14)の第1のタイプ(A11、B11)の少なくとも1つのコンシューマポートは第1のスプール(22)によって加圧され得、第2の弁セクション(16)の第1のタイプ(A14、B14)の少なくとも1つのコンシューマポートは第2のスプール(26)によって加圧され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)が、各々、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)にあるとき、第1の弁セクション(14)の第2のタイプ(A31、B31)の少なくとも1つのコンシューマポートは第1のスプールピストン(22)によって加圧され得、第2の弁セクション(26)の第2のタイプ(A34、B34)の少なくとも1つのコンシューマポートは第2のスプールピストン(26)によって加圧され得る、油圧弁装置(10)であって、油圧弁装置(10)がパイロット弁デバイス(32)を具備する油圧パイロット制御デバイス(30)を有し、パイロット圧が油圧パイロット制御デバイス(30)によって第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)に印加され得、パイロット弁デバイス(32)の第1の切り換え位置において、それぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)に一緒に切り換えるために、パイロット圧が第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)に同時に印加される、油圧弁装置(10)。
【0056】
A2 パイロット圧が、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)への一緒の同時切り換えの場合のために、パイロット弁デバイス(32)の第2の切り換え位置において第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)に同時に印加される、パラグラフA1に記載の油圧弁装置(10)。
【0057】
A3 油圧パイロット制御デバイス(30)が、パイロットライン(34)と、帰還ライン(36)と、第1のパイロット分岐路(38)と、第2のパイロット分岐路(40)とを備え、第1のパイロット分岐路(38)におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)に切り換え、第2のパイロット分岐路(40)におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)に切り換え、第1の切り換え位置にあるパイロット弁デバイス(32)が、第1のパイロット分岐路(38)にパイロット圧を印加し、第2のパイロット分岐路(40)を帰還ライン(36)に接続し、第2の切り換え位置にあるパイロット弁デバイス(32)が、第2のパイロット分岐路(40)にパイロット圧を印加し、第1のパイロット分岐路(38)を帰還ライン(36)に接続する、パラグラフA2に記載の油圧弁装置(10)。
【0058】
A4 パイロット弁デバイス(32)が、第1のパイロット弁(42)と第2のパイロット弁(44)とを備え、パイロット弁デバイス(32)の第1の切り換え位置において、第1のパイロット弁(42)が第1のパイロット分岐路(38)をパイロットライン(34)に接続し、第2のパイロット弁(44)が第2のパイロット分岐路(40)を帰還ライン(36)に接続し、パイロット弁デバイス(32)の第2の切り換え位置において、第1のパイロット弁(42)が第1のパイロット分岐路(38)を帰還ライン(36)に接続し、第2のパイロット弁(42)が第2のパイロット分岐路(40)をパイロットライン(34)に接続する、パラグラフA4に記載の油圧弁装置(10)。
【0059】
A5 油圧弁装置(10)が、第1の弁セクション(14)及び第2の弁セクション(16)を加圧するための圧力ライン(46)を備え、閉止弁(48)が圧力ライン(46)に設置されている、先行するパラグラフA1~A4のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0060】
A6 閉止弁(48)が、油圧パイロット制御デバイス(30)によって遮断位置から開位置に切り換えられ得る、パラグラフA5に記載の油圧弁装置(10)。
【0061】
A7 閉止弁(48)が、油圧パイロット制御デバイス(30)によって遮断位置(SS)から開位置(FS1、FS2)に切り換えられ得、油圧弁装置(10)が少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(66)を備え、圧力ラインを開放する開位置(FS1、FS2)に切り換えるために、パイロット圧が少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(66)を経て閉止弁(48)に印加され得、油圧パイロット制御デバイス(30)が閉止パイロット弁(64)を備え、閉止パイロット弁(64)が、閉止弁(48)をパイロットライン(66)又は帰還ライン(36)に接続するように構成されている、パラグラフA6に記載の油圧弁装置(10)。
【0062】
A8 油圧パイロット制御デバイス(30)が、閉止弁(48)を遮断位置から開位置に切り換えるための少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)を有し、第1のスプールダイバータ(24、74)及び第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)にあるときにだけ、又は第1のスプールダイバータ(24、74)及び第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)にあるときにだけ、パイロット圧が少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)に印加される、パラグラフA6又はA7に記載の油圧弁装置(10)。
【0063】
A9 少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)が、第1のパイロット分岐路(38)を経て及び/又は第2のパイロット分岐路(40)を経て、パイロット圧によって加圧され得る、パラグラフA8に記載の油圧弁装置(10)。
【0064】
A10 少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50、66)が、圧力緩和ライン(52、68)を経てタンク(R)へと圧力緩和され得、圧力緩和ライン(52、68)が、好ましくは、油圧パイロット制御デバイス(30)の帰還ライン(36)に開口している、パラグラフA7~A9のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0065】
A11 油圧レジスタ(54、70)が圧力緩和ライン(52、68)に設置され、油圧レジスタ(54、70)が、好ましくは、ノズルである、パラグラフA10に記載の油圧弁装置(10)。
【0066】
A12 第1の弁セクション(14)が第1のリセットデバイス(56)を備え、第1のリセットデバイス(56)が第1のスプールダイバータ(24、74、94)を第3のスプールダイバータ位置(S13)へと付勢し、第1の弁セクション(14)が第1の弁セクション(14)の第3のタイプ(A21、B21)の少なくとも1つのコンシューマポートを備え、及び/又は第2の弁セクション(16)が第2のリセットデバイス(58)を備え、第2のリセットデバイス(58)が第2のスプールダイバータ(28、78、98)を第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)へと付勢し、第2の弁セクション(16)が第2の弁セクション(16)の第3のタイプ(A24、B24)の少なくとも1つのコンシューマポートを備え、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び/又は第2のスプールダイバータ(28、78、98)が、各々、第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)にあるとき、第1の弁セクション(14)の第3のタイプ(A21、B21)の少なくとも1つのコンシューマポートが第1のスプールピストン(22)によって加圧され得、及び/又は第2の弁セクション(16)の第3のタイプ(A24、B24)の少なくとも1つのコンシューマポートが第2のスプールピストン(26)によって加圧され得る、先行するパラグラフA1~A11のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0067】
A13 前述の請求項の1つに記載の油圧弁装置(10)を具備する可搬式油圧システムであって、可搬式油圧システムが、好ましくは、少なくとも油圧コンシューマの第1のグループ(G1)と油圧コンシューマの第2のグループ(G2)とを有し、油圧コンシューマの第1のグループ(G1)が、特に、第1の弁セクション(14)の第1のタイプ(A11、B11)の少なくとも1つのコンシューマポート及び第2の弁セクション(16)の第1のタイプ(A14、B14)の少なくとも1つのコンシューマポートに接続されており、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が、特に、第1の弁セクション(14)の第2のタイプ(A31、B31)の少なくとも1つのコンシューマポート及び第2の弁セクション(16)の第2のタイプ(A34、B34)の少なくとも1つのコンシューマポートに接続されている、可搬式油圧システム。
【0068】
A14 パラグラフA13に記載の可搬式油圧システムを有する商用車。
【0069】
B1 接続セクション(12)と、第1の弁セクション(14)と、圧力ライン(46)とを有する油圧弁装置(10)であって、第1の弁セクション(14)が圧力ライン(46)を経て接続セクション(12)によって加圧され得、第1の弁セクション(14)が、第1のスプールピストン(22)と、第1のスプールダイバータ(24、74、94)と、第1の弁セクション(14)の少なくとも1つの第1のコンシューマポート(A11、B11)と、第1の弁セクション(14)の少なくとも1つの第2のコンシューマポート(A21、B21)とを備え、油圧コンシューマの第1のグループ(G1.1)が第1の弁セクション(14)の少なくとも1つの第1のコンシューマポート(A11、B11)を経て制御され得、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が第1の弁セクションの少なくとも1つの第2のコンシューマポート(A21、B21)を経て作動され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が少なくとも第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)及び第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)に切り換えられ得、故に、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)にあるときに、油圧コンシューマの第1のグループ(G1.1)が第1のスプールピストン(22)によって制御され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)にあるときに、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が第1のスプール(22)によって制御され得、閉止弁(48)が圧力ライン(46)に設置され、閉止弁(48)が遮断位置(SS)において圧力ライン(46)を遮断し、閉止弁(48)が遮断位置(SS)から第1の開放切り換え位置(FS1)及び第2の開放切り換え位置(FS2)に切り換えられ得、第1の開放切り換え位置(FS1)及び第2の開放切り換え位置(FS2)において圧力ライン(46)が開放され、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)にあるとき、閉止弁(48)が第1の開放切り換え位置(FS1)に切り換わり、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)にあるとき、閉止弁(48)が第2の開放切り換え位置(FS2)に切り換わる、油圧弁装置(10)。
【0070】
B2 閉止弁(48)が遮断位置(SS)へと付勢されている、パラグラフB1に記載の油圧弁装置(10)。
【0071】
B3 第1の弁セクション(14)が第1のリセットデバイス(56)を備え、第1のリセットデバイス(56)が第1のスプールダイバータ(24、74、94)を第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)へと付勢する、パラグラフB1又はB2に記載の油圧弁装置(10)。
【0072】
B4 閉止弁(48)が、圧力ライン(46)において接続セクション(12)と第1のスプールピストン(22)との間に設置されている、先行するパラグラフB1~B3のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0073】
B5 油圧弁装置(10)が、接続セクション(12)と第1の弁セクション(14)との間に設置された中間セクション(60)を備え、閉止弁(48)が中間セクション(60)に設置されている、パラグラフB4に記載の油圧弁装置(10)。
【0074】
B6 油圧弁装置(10)が、圧力ライン(46)を経て接続セクション(12)によって加圧され得る少なくとも1つの第2の弁セクション(16)を備え、第2の弁セクション(16)が、第2のスプールピストン(26)と、第2のスプールダイバータ(28、78、98)と、第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第1のコンシューマポート(A14、B14)と、第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第2のコンシューマポート(A24、B24)とを有し、油圧コンシューマの第1のグループ(G1.1)が第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第1のコンシューマポート(A14、B14)を経て制御され得、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第2のコンシューマポート(A24、B24)を経て制御され得、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第1のスプールダイバータ切り換え位置(S21)及び第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)に切り換えられ得、故に、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第1のスプールダイバータ切り換え位置(S21)にあるときに、油圧コンシューマの第1のグループ(G1.1)が第2のスプールピストン(26)によって制御され得、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)にあるときに、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が第2のスプールピストン(22)によって制御され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)がそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)又はそれぞれの第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12、S22)に一緒に及び同時に切り換わり、第2の弁セクション(16)が、好ましくは、第2のリセットデバイス(58)を備え、第2のリセットデバイス(58)が、第2のスプールダイバータ(28、78、98)を第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)へと付勢する、先行するパラグラフB1~B5のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0075】
B7 第1の弁セクション(14)が、第1の弁セクション(14)の少なくとも1つの第3のコンシューマポート(A31、B31)を備え、油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)が第1の弁セクション(14)の少なくとも1つの第3のコンシューマポート(A31、B31)を経て制御され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13)に切り換えられ得、故に、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13)にあるときに、油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)が第1のスプールピストン(22)によって制御され得る、先行するパラグラフB1~B6のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0076】
B8 第2の弁セクション(16)が、第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第3のコンシューマポート(A34、B34)を有し、油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)が第2の弁セクション(16)の少なくとも1つの第3のコンシューマポート(A34、B34)を経て制御され得、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)に切り換えられ得、故に、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)にあるときに、油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)が第2のスプールピストン(24)によって制御され得、第1のスプールダイバータ(24、74、94)が、第2のスプールダイバータ(28、78、98)とそれぞれの第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)に一緒に及び同時に切り換えられ得る、パラグラフ7に記載の油圧弁装置(10)。
【0077】
B9 第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)が第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)にあるときに、閉止弁(48)が第1の開放切り換え位置(FS1)に切り換わる、パラグラフ8に記載の油圧弁装置。
【0078】
B10 油圧弁装置(10)が油圧パイロット制御デバイス(30)を備え、油圧パイロット制御デバイス(30)が、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)及び/又は第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)への共通の及び同時の切り換えのために、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び/又は第2のスプールダイバータ(28、78、94)にパイロット圧を印加するように構成されており、遮断位置(SS)から第1の開放切り換え位置(FS1)又は第2の開放切り換え位置(FS2)に切り換えるために、パイロット圧が油圧パイロット制御デバイス(30)によって閉止弁(48)に印加され得る、先行するパラグラフB1~B9のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0079】
B11 油圧パイロット制御デバイス(30)が、閉止弁(48)を遮断位置(SS)から第1の開放切り換え位置(FS1)に切り換えるための少なくとも1つの第1の閉止弁パイロットライン(50)を有し、第1のスプールダイバータ(24、74)及び第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)にあるときにだけ、又は第1のスプールダイバータ(24、74)及び第2のスプールダイバータ(28、78)が、各々、第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)にあるときにだけ、パイロット圧が少なくとも1つの閉止弁パイロットライン(50)に印加される、パラグラフB10に記載の油圧弁装置(10)。
【0080】
B12 油圧パイロットデバイス(30)が、パイロット弁デバイス(32)と、パイロットライン(34)と、帰還ライン(36)と、第1のパイロット分岐路(38)と、第2のパイロット分岐路(40)とを備え、第1のパイロット分岐路(38)におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11、S21)に切り換え、第2のパイロット分岐路(40)におけるパイロット圧が、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)を一緒にそれぞれの第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13、S23)に切り換え、第1の切り換え位置にあるパイロット弁デバイス(32)が、第1のパイロット分岐路(38)にパイロット圧を印加し、第2のパイロット分岐路(40)を帰還ライン(36)に接続し、第2の切り換え位置にあるパイロット弁デバイス(32)が、第2のパイロット分岐路(40)にパイロット圧を印加し、第1のパイロット分岐路(38)を帰還ライン(36)に接続する、パラグラフB11に記載の油圧弁装置(10)。
【0081】
B13 少なくとも1つの第1の閉止弁パイロットライン(50)が、第1のパイロット分岐路(38)を経て及び/又は第2のパイロット分岐路(40)を経て、パイロット圧によって加圧され得る、パラグラフB12に記載の油圧弁装置(10)。
【0082】
B14 少なくとも1つの第1の閉止弁パイロットライン(50)が、第1の圧力緩和ライン(52)を経てタンク(T)へと圧力緩和され得、第1の圧力緩和ライン(52)が、好ましくは、油圧パイロットデバイス(30)の帰還ライン(36)に開口しており、第1の油圧レジスタ(54)が、好ましくは、第1の圧力緩和ライン(52)に設置され、第1の油圧レジスタ(54)が、好ましくは、ノズルである、パラグラフB11又はB12又はB13のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0083】
B15 油圧弁装置(10)が、閉止弁(48)を遮断位置(SS)から第2の開放切り換え位置(FS2)に切り換えるための第2の閉止弁パイロットライン(66)を有し、パイロット弁デバイス(32)の第3の切り換え位置において、パイロット圧が第2の閉止弁パイロットライン(66)に印加され、第2の閉止弁パイロットライン(66)が、好ましくは、第2の圧力緩和ライン(68)を経てタンク(T)へと圧力緩和され得、第2の圧力緩和ライン(68)が、好ましくは、油圧パイロットデバイス(30)の帰還ライン(36)に開口しており、第2の油圧レジスタ(70)が、好ましくは、第2の圧力緩和ライン(68)に設置され、第2の油圧レジスタ(70)が、好ましくは、ノズルである、パラグラフB12又はB13又はB14に記載の油圧弁装置(10)。
【0084】
B16 前述のパラグラフB1~B15のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)を備える可搬式油圧システムであって、可搬式油圧システムが、好ましくは、少なくとも油圧コンシューマの第1のグループ(G1)と油圧コンシューマの第2のグループ(G2)とを備え、油圧コンシューマの第1のグループ(G1)が、特に、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11、B11)及び第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14、B14)に接続されており、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が、特に、第1の弁セクション(14)の第2のコンシューマポート(A21、B21)及び第2の弁セクション(16)の第2のコンシューマポート(A24、B24)に接続されている、可搬式油圧システム。
【0085】
B17 パラグラフB16に記載の可搬式油圧システムを有する商用車。
【0086】
C1 接続セクション(12)と、第1の弁セクション(14)と、圧力ライン(46)と、タンクライン(88)とを具備する油圧弁装置(10)であり、第1の弁セクション(14)が、圧力ライン(46)を経て接続セクション(12)によって加圧され得、タンクライン(88)を経て圧力緩和され得る、油圧弁装置(10)であって、
第1の弁セクション(14)が、第1のスプール(22)、特に比例的な第1のスプールと、第1のスプールダイバータ(24、74、94)と、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)、第2のコンシューマポート(B11)、第3のコンシューマポート(A21)、第4のコンシューマポート(B21)、第5のコンシューマポート(A31)、及び第6のコンシューマポート(B31)とを備え、
第1のスプールピストン(22)が、ニュートラル位置(NS1)から第1のスプールピストン切り換え位置(SK11)及び第2のスプールピストン切り換え位置(SK12)に切り換えられ得、
第1のスプールダイバータ(24、74、94)が、少なくとも第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)及び第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13)に切り換えられ得、
第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)においては、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)及び第2のコンシューマポート(B11)が、第1のスプールピストン(22)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK11)においては、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)が圧力ライン(46)に接続され、第1の弁セクション(14)の第2のコンシューマポート(B11)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK12)においては、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)がタンクライン(88)に接続され、第1の弁セクション(14)の第2のコンシューマポート(B11)が圧力ライン(46)に接続されるように、制御され得、
第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13)においては、第1の弁セクション(14)の第3のコンシューマポート(A21)及び第4のコンシューマポート(B21)が、第1のスプールピストン(22)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK11)においては、第1の弁セクション(14)の第3のコンシューマポート(A21)が圧力ライン(46)に接続され、第1の弁セクション(14)の第4のコンシューマポート(B21)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK12)においては、第1の弁セクション(14)の第3のコンシューマポート(A21)がタンクライン(88)に接続され、第1の弁セクション(14)の第4のコンシューマポート(B21)が圧力ライン(46)に接続されるように、作動され得、
第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)においては、第1の弁セクション(14)の第5のコンシューマポート(A31)及び第6のコンシューマポート(B31)が、第1のスプールピストン(22)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK11)においては、第1の弁セクション(14)の第5のコンシューマポート(A31)が圧力ライン(46)に接続され、第1の弁セクション(14)の第6のコンシューマポート(B31)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK12)においては、第1の弁セクション(14)の第5のコンシューマポート(A31)がタンクライン(88)に接続され、第1の弁セクション(14)の第6のコンシューマポート(B31)が圧力ライン(46)に接続されるように、作動され得る、油圧弁装置(10)。
【0087】
C2 第1の弁セクション(14)が、タンクライン(88)に接続された第1の主帰還ライン(72)を備え、第1のスプールダイバータ(74)が第1の集合チャネル(80)を備え、第1のスプールダイバータ(74)の第1のスプールダイバータ切り換え位置(S11)において、第1の弁セクション(14)の第3のコンシューマポート(A21)、第4のコンシューマポート(B21)、第5のコンシューマポート(A31)及び第6のコンシューマポート(B31)が第1の集合チャネル(80)を経て第1の主帰還ライン(72)に接続され、第1のスプールダイバータ(74)の第2のスプールダイバータ切り換え位置(S12)において、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)、第2のコンシューマポート(B11)、第5のコンシューマポート(A31)及び第6のコンシューマポート(B31)が第1の集合チャネル(80)を経て第1の主帰還ライン(72)に接続され、第1のスプールダイバータ(74)の第3のスプールダイバータ切り換え位置(S13)において、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)、第2のコンシューマポート(A21)、第3のコンシューマポート(A21)及び第4のコンシューマポート(B21)が第1の集合チャネル(80)を経て第1の主帰還ライン(72)に接続される、パラグラフC1に記載の油圧弁装置(10)。
【0088】
C3 第1の集合チャネル(80)が第1の絞り(82)を備える、パラグラフC2に記載の油圧弁装置(10)。
【0089】
C4 油圧弁装置(10)が、圧力ライン(46)を経て接続セクション(12)によって加圧され得る少なくとも1つの第2の弁セクション(16)を備え、第2の弁セクション(16)が、タンクライン(88)を経て圧力緩和可能であり、特に比例的な第2のスプールピストン(26)と、第2のスプールダイバータ(28、78、98)と、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)、第2のコンシューマポート(B14)、第3のコンシューマポート(A24)、第4のコンシューマポート(B24)、第5のコンシューマポート(A34)、及び第6のコンシューマポート(B34)とを備え、第2のスプールピストン(26)が、ニュートラル位置(NS2)から第1のスプールピストン切り換え位置(SK21)及び第2のスプールピストン切り換え位置(SK22)に切り換えられ得、第2のスプールダイバータ(28、78、98)が、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S21)、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)及び第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)に切り換えられ得、第1のスプールダイバータ切り換え位置(S21)においては、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)及び第2のコンシューマポート(B14)が、第2のスプールピストン(26)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK21)においては、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)が圧力ライン(46)に接続され、第2の弁セクション(16)の第2のコンシューマポート(B14)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK22)においては、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)がタンクライン(88)に接続され、第2の弁セクション(16)の第2のコンシューマポート(B14)が圧力ライン(46)に接続されるように、制御可能であり、第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)においては、第2の弁セクション(16)の第3のコンシューマポート(A24)及び第4のコンシューマポート(B24)が、第2のスプールピストン(26)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK21)においては、第2の弁セクション(16)の第3のコンシューマポート(A24)が圧力ライン(46)に接続され、第2の弁セクション(16)の第4のコンシューマポート(B24)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK22)においては、第2の弁セクション(16)の第3のコンシューマポート(A24)がタンクライン(88)に接続され、第2の弁セクション(16)の第4のコンシューマポート(B24)が圧力ライン(46)に接続されるように、制御可能であり、第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)においては、第2の弁セクション(16)の第5のコンシューマポート(A34)及び第6のコンシューマポート(B34)が、第2のスプールピストン(26)によって、第1のスプールピストン切り換え位置(SK21)においては、第2の弁セクション(16)の第5のコンシューマポート(A34)が圧力ライン(46)に接続され、第2の弁セクション(16)の第6のコンシューマポート(B34)がタンクライン(88)に接続され、第2のスプールピストン切り換え位置(SK22)においては、第2の弁セクション(16)の第5のコンシューマポート(A34)がタンクライン(88)に接続され、第2の弁セクション(16)の第6のコンシューマポート(B36)が圧力ライン(46)に接続されるように、制御可能である、先行するパラグラフC1~C3のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0090】
C5 第2の弁セクション(16)が、タンクライン(88)に接続された第2の主帰還ライン(76)を備え、第2のスプールダイバータ(78)が第2の集合チャネル(84)を含み、第2のスプールダイバータ(78)の第1のスプールダイバータ切り換え位置(S21)において、第2の弁セクション(16)の第3のコンシューマポート(A24)、第4のコンシューマポート(B24)、第5のコンシューマポート(A34)及び第6のコンシューマポート(B34)が第2の集合チャネル(84)を経て第2の主帰還ライン(72)に接続され、第2のスプールダイバータ(78)の第3のスプールダイバータ切り換え位置(S23)において、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)、第2のコンシューマポート(B14)、第5のコンシューマポート(A34)及び第6のコンシューマポート(B34)が第2の集合チャネル(84)を経て第2の主帰還ライン(76)に接続され、第2のスプールダイバータ(78)の第2のスプールダイバータ切り換え位置(S22)において、第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)、第2のコンシューマポート(A24)、第3のコンシューマポート(A24)及び第4のコンシューマポート(B24)が第2の集合チャネル(84)を経て第2の主帰還ライン(76)に接続される、パラグラフC4に記載の油圧弁装置(10)。
【0091】
C6 第2の集合チャネル(84)が第2の絞り(86)を備える、パラグラフC5に記載の油圧弁装置(10)。
【0092】
C7 油圧弁装置が、第1のスプールダイバータ(24、74、94)及び第2のスプールダイバータ(28、78、98)の連結及び同時的切り換えのための油圧パイロット制御デバイス(30)を備える、先行するパラグラフC4~C6のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0093】
C8 第1のスプールピストン(22)のニュートラル位置(NS1)において、第1のスプールダイバータ(24、74、94)によって制御されたコンシューマポート(A11、B11、A21、B21、A31、B31)が遮断され、又はタンクライン(88)へと圧力緩和され、及び/又は第2のスプールピストン(26)のニュートラル位置(NS2)において、第2のスプールダイバータ(28、78、98)によって制御されたコンシューマポート(A14、B14、A24、B24、A34、B34)が遮断され、又はタンクライン(88)へと圧力緩和される、先行するパラグラフC1~C7のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)。
【0094】
C9 先行するパラグラフC1~C8のいずれか1つに記載の油圧弁装置(10)を有する可搬式油圧システムであって、可搬式油圧システムが、好ましくは、少なくとも油圧コンシューマの第1のグループ(G1.1)と油圧コンシューマの第2のグループ(G2)とを有し、油圧コンシューマの第1のグループ(G1)が、特に、第1の弁セクション(14)の第1のコンシューマポート(A11)及び第2のコンシューマポート(B11)並びに第2の弁セクション(16)の第1のコンシューマポート(A14)及び第2のコンシューマポート(B14)に接続されており、油圧コンシューマの第2のグループ(G2)が、特に、第1の弁セクション(14)の第3のコンシューマポート(A21)及び第4のコンシューマポート(B21)並びに第2の弁セクション(16)の第3のコンシューマポート(A24)及び第4のコンシューマポート(B24)に接続されている、可搬式油圧システム。
【0095】
C10 可搬式油圧システムが、好ましくは、少なくとも1つの油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)を有し、油圧コンシューマの第3のグループ(G1.2)が、特に、第1の弁セクション(14)の第5のコンシューマポート(A31)及び第6のコンシューマポート(B31)並びに第2の弁セクション(16)の第5のコンシューマポート(A34)及び第6のコンシューマポート(B34)に接続されている、パラグラフC9に記載の可搬式油圧システム。
【0096】
C11 パラグラフC9又はC10に記載の可搬式油圧システムを有する商用車。
【符号の説明】
【0097】
10 油圧弁装置
12 接続セクション
14 第1の弁セクション
16 第2の弁セクション
18 第3の弁セクション
20 第4の弁セクション
22 第1のスプールピストン
24 第1のスプールダイバータ
26 第2のスプールピストン
28 第2のスプールダイバータ
30 油圧パイロット制御デバイス
32 パイロット弁デバイス
34 パイロットライン
36 帰還ライン
38 第1のパイロット分岐路
40 第2のパイロット分岐路
42 第1のパイロット弁
44 第2のパイロット弁
46 圧力ライン
48 閉止弁
50 第1の閉止弁パイロットライン
52 第1の圧力緩和ライン
54 第1の油圧レジスタ/ノズル
56 第1のリセットデバイス
58 第2のリセットデバイス
60 中間セクション
62 端板
64 第3のパイロット弁/閉止パイロット弁
66 第2の閉止弁パイロットライン
68 第2の圧力緩和ライン
70 第2の油圧レジスタ/ノズル
72 第1の主帰還ライン
74 第1のスプールダイバータ
76 第2の主帰還ライン
78 第2のスプールダイバータ
80 第1のスプールダイバータの集合チャネル
82 第1のスプールダイバータの第1の絞り
84 第2のスプールダイバータの集合チャネル
86 第2のスプールダイバータの第2の絞り
88 タンクライン
89 変位トランスデューサ
90 選択弁
92 第1の位置センサ
94 第1のスプールダイバータ
96 第2の位置センサ
98 第2のスプールダイバータ
100 可搬式油圧システム
200 商用車
A11 第1の弁セクションの(第1の)コンシューマポート
A14 第2の弁セクションの(第1の)コンシューマポート
A21 第1の弁セクションの(第3の)コンシューマポート
A24 第2の弁セクションの(第3の)コンシューマポート
A31 第1の弁セクションの(第5の)コンシューマポート
A34 第2の弁セクションの(第5の)コンシューマポート
B11 第1の弁セクションの(第2の)コンシューマポート
B14 第2の弁セクションの(第2の)コンシューマポート
B21 第1の弁セクションの(第4の)コンシューマポート
B24 第2の弁セクションの(第4の)コンシューマポート
B31 第1の弁セクションの(第6の)コンシューマポート
B34 第2の弁セクションの(第6の)コンシューマポート
FS1 第1の開放切り換え位置
FS2 第2の開放切り換え位置
G1 油圧コンシューマの第1のグループ
G2 油圧コンシューマの第2のグループ
G3 油圧コンシューマの第3のグループ
NS1 第1のスプールピストンのニュートラル位置
NS2 第2のスプールピストンのニュートラル位置
P 圧力接続/ポンプ
R タンク
S11 第1のスプールダイバータの第1のスプールダイバータ切り換え位置
S12 第1のスプールダイバータの第2のスプールダイバータ切り換え位置
S13 第1のスプールダイバータの第3のスプールダイバータ切り換え位置
S21 第2のスプールダイバータの第1のスプールダイバータ切り換え位置
S22 第2のスプールダイバータの第2のスプールダイバータ切り換え位置
S23 第2のスプールダイバータの第3のスプールダイバータ切り換え位置
SK11 第1のスプールピストンの第1のスプールピストン切り換え位置
SK12 第1のスプールピストンの第2のスプールピストン切り換え位置
SK21 第2のスプールの第1のスプールピストン切り換え位置
SK22 第2のスプールピストンの第2のスプールピストン切り換え位置
SS 遮断位置
【外国語明細書】