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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019009
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】OLED用途のための白金二核錯体
(51)【国際特許分類】
   C07F 15/00 20060101AFI20240201BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20240201BHJP
   H10K 50/12 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 85/30 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 71/13 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 50/17 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 50/18 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 50/135 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 101/10 20230101ALN20240201BHJP
【FI】
C07F15/00 F CSP
C09K11/06 660
H10K50/12
H10K85/30
H10K71/16
H10K71/13
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/17
H10K50/18
H10K50/135
H10K101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】52
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110631
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】63/393,021
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505134165
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・ホンコン
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF HONG KONG
(71)【出願人】
【識別番号】523256122
【氏名又は名称】ホンコン・クアンタム・エーアイ・ラブ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Hong Kong Quantum AI Lab Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ロ,カー-ウァイ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ガン
【テーマコード(参考)】
3K107
4H050
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC04
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD58
3K107DD64
3K107DD67
3K107DD68
3K107DD69
3K107DD71
3K107DD74
3K107FF19
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB92
(57)【要約】      (修正有)
【課題】OLED用途のために、向上した作動安定性を有し、なおかつ高い量子収率のエミッタ錯体となる白金(II)二核錯体を提供する。
【解決手段】例えば、下式のように合成した白金(II)二核錯体が示される。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式Ia:
【化1】
式Ia
[式中、
当該化合物は、全体として、中性、負または正の電荷を有し、
破線の直線は、結合が存在すること、または結合が存在しないことを示し、
AおよびA’は、独立して、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、またはそれらが縮合した組み合わせであり;好ましくは、AおよびA’は、独立して、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせであり、
およびX5’は、独立して、炭素または窒素であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、水素原子に結合しておらず、好ましくは、XおよびX5’は、炭素であり、
、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニルであるか、あるいは、RとR、R5’とR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせを形成するか、あるいは、好ましくは、R、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリールであり、
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、炭素、窒素、置換されていないアリールまたは置換されていないアリールであり、存在する場合、独立して、原子価に応じて、1、2、3、4、5個の水素原子に結合しているか、水素原子に結合しておらず、
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(例えば、ジベンゾフラン-4-イル、ジベンゾフラン-3-イル、ジベンゾチオペン-4-イル、ジベンゾチオペン-3-イルなど)であるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせを形成するか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせを形成し、
およびL1’は、独立して、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されていないエーテル、置換されたエーテル、置換されていないポリエーテル、置換されたポリエーテル、置換されたアミノ、置換されていないアミノ、置換されたアミド、置換されていないアミド、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、またはそれらが縮合した組み合わせである]
の構造を有する化合物。
【請求項2】
およびL1’は、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびL1’は、独立して、置換されたC-C10アルキル、置換されていないC-C10アルキル、置換されたC-C10アルキルまたは置換されていないC-C10アルキル、好ましくは、前記置換されたアルキル、前記置換されたC-C10アルキル、前記置換されたC-C10アルキルは、1以上のアルキル置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、1以上のエーテル結合、1以上のアミン基(例えば、置換されたアミンまたは置換されていないアミン)、1以上の置換されたアリール基、1以上の置換されたヘテロアリール基、1以上の置換されたC-C20シクロアルキル基、1以上の置換されたC-C20ヘテロシクリル基、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリールであるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせを形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
以下の式IIaまたは式IIb:
【化2】
式IIa
または
【化3】
式IIb
[式中、
破線の直線は、結合が存在していること、または結合が存在していないことを示し、
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、または置換されていないC-C20シクロアルキニルであるか、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する]
の構造を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていない アルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
以下の式IIIaまたは式IIIb:
【化4】
式IIIa
または
【化5】
式IIIb
[式中、
破線の直線は、結合が存在しているか、または結合が存在していないことを示し、
、A、A5’およびA6’は、独立して、水素、重水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルであるか、あるいは、好ましくは、水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、重水素、置換されたアリール、または置換されていないアリールである]
の構造を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
、A、A5’およびA6’は、水素または重水素である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
、A、A5’およびA6’は、
(i)置換されていないアルキル(例えば、置換されていないC-C10アルキル、置換されていないC-Cアルキル、または置換されていないC-Cアルキル)または置換されたアルキル(例えば、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-Cアルキル、または置換されたC-Cアルキル)、または
(ii)水素、置換されたアリール、または置換されていないアリール
である(ただし、AとAの少なくとも1つ、またはA5’とA6’の少なくとも1つは、置換されたアリールまたは置換されていないアリールである)、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
式IIaまたは式IIIaにおいて、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
式IIaまたは式IIIaにおいて、1以上のX、X、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
式IIaまたは式IIIaにおいて、XおよびX2’は、窒素であり、X、X、X、X1’、X3’およびX4’は、炭素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項または請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式IIaまたは式IIIaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)であるか、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する、請求項5~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
式IIaまたは式IIIaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリールまたはハロゲン(例えば、フッ素)である、請求項5~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
式IIaまたは式IIIaにおいて、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する、請求項5~13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
式IIaまたは式IIIaにおいて、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、
【化6】
または
【化7】
[式中、
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルである]
を形成する、請求項5~13のいずれか1項または請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり、例えば酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
は、酸素であり;R10~R14は、水素である、請求項16または請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
式IIbまたは式IIIbにおいて、1以上のX、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’およびX3’は、硫黄、酸素または窒素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
式IIbまたは式IIIbにおいて、X、XおよびXの1つ、ならびにX1’、X2’およびX3’の1つは、硫黄であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項または請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式IIbまたは式IIIbにおいて、X、XおよびXの1つ、ならびにX1’、X2’およびX3’の1つは、酸素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項5~9のいずれか1項または請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
式IIbまたは式IIIbにおいて、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲンであるか、あるいは、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する、請求項5~9のいずれか1項または請求項19~21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
式IIbまたは式IIIbにおいて、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、存在しないか、水素、またはそれらの組み合わせである、請求項5~9のいずれか1項または請求項19~22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
式IIbまたは式IIIbにおいて、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせを形成する、請求項5~9のいずれか1項または請求項19~22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
式IIbまたは式IIIbにおいて、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、
【化8】
または
【化9】
[式中、
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルである]
を形成する、請求項5~9のいずれか1項、請求項19~22のいずれか1項、または請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
は、NR14、炭素、硫黄または酸素、例えば、硫黄であり、R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、または置換されていないアルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項27】
は、硫黄であり;R10~R14は、水素である、請求項25または請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
式Ia、式IIaまたは式IIbにおいて、前記化合物が、以下の式IVaまたは式IVb:
【化10】
式IVa
または
【化11】
式IVb
[式中、
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない]
の構造を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
式IVaにおいて、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、炭素であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
式IVaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲンである、請求項28または請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
式IVaにおいて、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールであるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する、請求項28~30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
式IVaにおいて、R1aとR2a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R3a’とR4a’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する、請求項28~31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
式Ia、式IIaまたは式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、窒素であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項1~6のいずれか1項または請求項28に記載の化合物。
【請求項34】
式IVaについて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリール(例えば、フェニル)である、請求項33または請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項33~35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの2つは、窒素であり、他の2つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の2つは、窒素であり、他の2つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項33~35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
式Ia、式IIaまたは式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、酸素、窒素または硫黄であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、酸素、窒素または硫黄であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、酸素、窒素または硫黄であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項1~6のいずれか1項または請求項28に記載の化合物。
【請求項39】
式IVaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールである、請求項38または請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、窒素であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項38~40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、XおよびXの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、X1’、X2’、X3’およびX4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、請求項38~41のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
以下の構造:
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
を有する、請求項1~42のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
請求項1~43のいずれか1項に記載の化合物を含む、有機電子部品。
【請求項45】
前記有機電子部品が、有機発光ダイオード(OLED)または電気化学発光セル(LEEC)である、請求項44に記載の有機電子部品。
【請求項46】
前記化合物が、発光層に含まれている、請求項44または請求項45に記載の有機電子部品。
【請求項47】
アノードと、
カソードと、
正孔輸送領域と、
電子輸送領域と
をさらに含んで成り、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層および/または正孔輸送層を含み、さらに、必要に応じて、電子遮断層を含み、
前記電子輸送領域は、電子輸送層および/または電子注入層を含み、さらに、必要に応じて、正孔遮断層を含み、
前記発光層は、前記アノードと、前記カソードとの間に配置されており、
前記正孔輸送領域は、前記アノードと、前記発光層との間に配置されており、
前記電子輸送領域は、前記カソードと、前記発光層との間に配置されている、
請求項44~46のいずれか1項に記載の有機電子部品。
【請求項48】
前記発光層は、真空蒸着、スピン・コーティングまたはインク・プリンティング(例えば、インク・ジェット・プリンティングまたはロール・ツー・ロール・プリンティング)によって形成される、請求項46または請求項47に記載の有機電子部品。
【請求項49】
請求項1~43のいずれか1項に記載の化合物を含んで成る発光層。
【請求項50】
ピュア有機エミッタをさらに含んで成り、前記化合物が、
(i)前記ピュア有機エミッタにエネルギーを移動させるためのセンシタイザとして作用するか、
(ii)前記ピュア有機エミッタよりも高い一重項状態を有する、
請求項49に記載の発光層。
【請求項51】
請求項49または請求項50に記載の発光層を含むOLED。
【請求項52】
前記デバイスが、ステーショナリー・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット、モバイル・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット、イルミネーション・ユニット、キーボード、クロース、オーナメント、ガーメント・アクセサリー、ウェアラブル・デバイス、メディカル・モニタリング・デバイス、ウォール・ペーパー、タブレット・コンピュータ、ラップトップ、アドバタイズメント・パネル、パネル・ディスプレイ・ユニット、ハウスホールド・アプライアンスまたはオフィス・アプライアンスから選択される、請求項51に記載のOLEDを含んで成るデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、米国特許出願第63/393,021号(出願日:2022年7月28日)の利益および優先権を主張する(本開示において、その全体が参考として組み込まれる)。
【0002】
(発明の分野)
本開示の発明は、概して、エミッタ白金(II)二核錯体(dinuclear platinum (II) emitter complex)、特に、青色のエミッタ白金(II)二核錯体(dinuclear platinum (II) blue emitter complex)(シクロメタレーティング・トリデンテート・リガンド(又はシクロメタル化三座リガンド(cyclometalating tridentate ligand)を含む)の分野、および、その有機エレクトロニクス(又はオーガニック・エレクトロニクス(organic electronics))、例えば、有機発光デバイス(又はオーガニック・ライト・エミッティング・デバイス(organic light-emitting device))(OLED)における使用(または用途)の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
遷移金属錯体は、分子プローブ(又はモレキュラー・プローブ)、触媒(又はキャタリスト)および発光材料(又はルミネセント・マテリアル)として、商業的および学術的な設定(又はセッティング)において、顕著な関心を集めている。発光材料として、遷移金属錯体は、純粋な有機系の材料の潜在的な代替品として、ますます開発されている。遷移金属錯体は、純粋な有機系の材料と比較して、向上した発光効率(又はルミネセンス・エフィシエンシー)およびデバイス(又は機器又は装置)の安定性(又はデバイス・スタビリティー)の潜在的な可能性(又はポテンシャル)を有するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作動(又は操作又は運転又はオペレーション)において安定であり、なおかつ高効率(又はハイ・エフィシエンシー)の青色のエミッタ(又はブルー・エミッタ)についての研究が継続しているが、克服できないものとなっている。従って、新しいエミッタの開発は、OLED産業(又はOLEDインダストリ)において、価値が高い目標(又はターゲット)のままである。この分野における積極的な努力は、新たなリン光性(又は蓄光性又はフォスフォレセント(phosphorescent))の金属錯体の研究および開発に向けられている。最近では、熱活性化遅延蛍光(thermally activated delayed fluorescent)(TADF)の化合物が開発されている。このような化合物は、デバイス(又は機器又は装置)の作動(又は操作又は運転又はオペレーション)の高い効率(又はエフィシエンシー)を達成する際のその本質的な利点(又はアドバンテージ)に起因するものである。これまで、このような努力によって生じたものは、これらのクラスのエミッタ錯体の限定的な成功である。このようなクラスでは、例えば、エミッタの低い量子効率(又はクァンタム・エフィシエンシー)、短い作動寿命(又はオペレーション寿命又はオペレーショナル・ライフタイム)および長い放射寿命(又はラディエイティブ・ライフタイム)に関する問題が残ったままである。従って、デバイス(又は機器又は装置)の性能(又はパフォーマンス)および作動安定性(又はオペレーショナル・スタビリティー)/金属系OLEDの寿命(又はライフタイム)は、実用的な用途において、向上させなければならない。
【0005】
従って、OLED用途(又はOLED応用又はOLEDアプリケーション)のために、向上した作動安定性(又はオペレーショナル・スタビリティー)を有し、なおかつ高効率のエミッタ錯体を開発する必要性が残っている。また、エミッタの放射寿命を調整(又は調節)することによって、より高い実用的なレベルにまで、このようなエミッタを含むデバイス(又は機器又は装置)の操作寿命(又はオペレーション寿命又はオペレーショナル・ライフタイム)を長くする必要性もある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、白金(II)およびシクロメタレーティング・トリデンテート・リガンド(又はシクロメタル化三座リガンド(cyclometalating tridentate ligand))を含む新たな発光性の遷移金属二核錯体を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、白金(II)およびシクロメタレーティング・トリデンテート・リガンド(又はシクロメタル化三座リガンド(cyclometalating tridentate ligand))を含むフッ素を含まない(又はフッ素フリーの)新たな発光性の遷移金属二核錯体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
エミッタ白金二核錯体(dinuclear platinum emitter complex)は、白金(II)原子を含むものであり、トリデンテート N-ヘテロサイクリック カルベン シクロメタレーティング CCNリガンド(又は三座のN-ヘテロ環式のカルベンのシクロメタル化CCNリガンド(tridentate N-heterocyclic carbene cyclometalating CCN ligand))によって複合体化されている。このようなリガンドは、フェニル環、イミダゾリル N-ヘテロ環式カルベン環、ピラゾール環を含む。例えば、エミッタ白金(II)二核錯体は、以下のような式IIaまたは式IIbの構造を有していてよい。
【化1】
式IIa
または
【化2】
式IIb
【0009】
式中
化合物は、全体として、中性、負または正の電荷(又はチャージ)を有する。
【0010】
破線の直線は、結合が存在していること、または結合が存在していないことを示す。
【0011】
好ましくは、XおよびX5’は、炭素である。
【0012】
好ましくは、X、X,X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0013】
好ましくは、R、R、R5’およびR6’は、独立して、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリールであるか、、あるいは、RとR、R5’とR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0014】
好ましくは、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、炭素、窒素、置換されていないアリールまたは置換されたものであり、存在する場合、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1、2、3、4、5個の水素原子に結合しているか、水素原子に結合していない。
【0015】
好ましくは、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)(例えば、ジベンゾフラン-4-イル、ジベンゾフラン-3-イル、ジベンゾチオペン-4-イル、ジベンゾチオペン-3-イルなど)であるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0016】
好ましくは、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)であるか、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0017】
そして/または、好ましくは、LおよびL1’は、独立して、置換されたC-C10アルキルまたは置換されていないC-C10アルキルである。好ましくは、ここで、置換されたC-C10アルキルは、1以上のアルキル置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、1以上のエーテル結合、1以上のアミン基(例えば、置換されたアミンまたは置換されていないアミン)、1以上の置換されたアリール基、1以上の置換されたヘテロアリール基、1以上の置換されたC-C20シクロアルキル基、1以上の置換されたC-C20ヘテロシクリル基、またはそれらの組み合わせを含む。LおよびL1’は、少なくとも2価(又はジバレント(divalent))であることを理解するべきである。
【0018】
いくつかの形態において、化合物は、以下の構造のいずれか1つを有してよい。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0019】
本開示に記載のエミッタ白金二核錯体(dinuclear platinum emitter complex)は、リン光性(又は蓄光性又はフォスフォレセント(phosphorescent))および/またはエレクトロルミネセンス性(又はEL発光性又はエレクトロルミネセント(electroluminescent))である。エミッタ白金二核錯体は、室温、低温、またはその両方において、発光性であってよい(又は発光することができる)。エミッタ白金二核錯体は、固体、液体、ガラス、フィルムまたは溶液の状態であってよい。エミッタ白金二核錯体は、(i)電流の通過、または(ii)電界(又は電場)に応答して発光することができる(又は光を発することができる)。いくつかの形態において、エミッタ白金二核錯体は、濃度に依存することなく、発光することができる(又は光を発することができる)。エミッタ白金二核錯体のリン光性(又は蓄光性又はフォスフォレセント)および/またはエレクトロルミネセンス性(又はEL発光性又はエレクトロルミネセント)の特性は、典型的には、約380nm~約550nm(その両端の値を含む)の波長の範囲内にある。いくつかの形態において、エミッタ白金二核錯体は、好ましくは、約400nm~約550nm(その両端の値を含む)、またはそれ以下の任意の範囲内(又はサブレンジ)の波長の範囲内にある青色(又はブルー)から濃青色(又はディープ・ブルー)の光を発する。エミッタ白金二核錯体の発光の特性は、置換基の選択によって調節(又は変更)することができる。エミッタ白金二核錯体は、可視スペクトルの青色の波長範囲で排他的または圧倒的に発光することができる。また、その範囲内に1または2の発光の極大(又は最大)を含むことができる。
【0020】
好ましくは、本開示に記載のエミッタ白金(II)二核錯体は、光安定性、熱安定性および/または室温、低温またはそれらの組み合わせで発光性である。従って、このような錯体は、OLEDに含ませることができる(又は組み込むことができる)。このようなOLEDは、ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(visual display units)、モバイル・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(又は移動式ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)(mobile visual display units)、イルミネーション・ユニット(又は照明ユニット)(illumination units)、キーボード(keyboards)、クロース(又は衣類)(clothes)、オーナメント(又は装飾品)(ornaments)、ガーメント・アクセサリー(又は衣服アクセサリ)(garment accessories)、ウェアラブル・デバイス(wearable devices)、メディカル・モニタリング・デバイス(又は医療モニタリング機器)(medical monitoring devices)、ウォール・ペーパー(又は壁紙)(wall papers)、タブレット・コンピュータ(tablet computers)、ラップトップ(laptops)、アドバタイズメント・パネル(又は広告パネル)(advertisement panels)、パネル・ディスプレイ・ユニット(panel display units)、ハウスホールド・アプライアンス(又はハウスホールド器具)(household appliances)またはオフィス・アプライアンス(又はオフィス器具)(office appliances)などの市販の用途(又はコマーシャル・アプリケーション(commercial applications))において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、線グラフ(又はライン・グラフ)であり、Pt-1を用いて作製したOLEDに関するエレクトロルミネセンス性を示すデータである。ドーピング濃度は、4重量/重量%~16重量/重量%(例えば、4重量/重量%、8重量/重量%、16重量/重量%)である。デバイスの構造は、以下の通りである。ITO/HAT-CN(5nm)/TAPC(40nm)/TcTa(7nm)/CzSi(3nm)/Pt-1:CzSi(10nm)/TSPO1(30nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
図1B図1Bは、線グラフ(又はライン・グラフ)であり、Pt-1を用いて作製したOLEDに関するエレクトロルミネセンス性を示すデータである。ドーピング濃度は、4重量/重量%~16重量/重量%(例えば、4重量/重量%、8重量/重量%、16重量/重量%)である。デバイスの構造は、以下の通りである。ITO/HAT-CN(5nm)/TAPC(40nm)/TcTa(7nm)/CzSi(3nm)/Pt-1:CzSi(10nm)/TSPO1(30nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
図1C図1Cは、線グラフ(又はライン・グラフ)であり、Pt-1を用いて作製したOLEDに関するエレクトロルミネセンス性を示すデータである。ドーピング濃度は、4重量/重量%~16重量/重量%(例えば、4重量/重量%、8重量/重量%、16重量/重量%)である。デバイスの構造は、以下の通りである。ITO/HAT-CN(5nm)/TAPC(40nm)/TcTa(7nm)/CzSi(3nm)/Pt-1:CzSi(10nm)/TSPO1(30nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
図1D図1Dは、線グラフ(又はライン・グラフ)であり、Pt-1を用いて作製したOLEDに関するエレクトロルミネセンス性を示すデータである。ドーピング濃度は、4重量/重量%~16重量/重量%(例えば、4重量/重量%、8重量/重量%、16重量/重量%)である。デバイスの構造は、以下の通りである。ITO/HAT-CN(5nm)/TAPC(40nm)/TcTa(7nm)/CzSi(3nm)/Pt-1:CzSi(10nm)/TSPO1(30nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)
図2図2は、マルチレイヤー・アーキテクチャ(又は多層構造)を有する有機発光ダイオード(OLED)デバイス100の非限定的な例を示す。当該デバイスは、以下の(i)~(vi)を含む。(i) カソード110(第1層120と第2層130を含む);(ii) 電子輸送層140(又はエレクトロン輸送層又はエレクトロン・トランスポート層又はエレクトロン・トランスポーティング層140);(iii)任意のキャリア閉じ込め層150(又はキャリア・コンフィネメント層150);(vi) 発光層160:(v) 正孔輸送層170(又はホール輸送層又はホール・トランスポート層170);および(vi) アノード180
図3図3は、線グラフ(又はライン・グラフ)であり、Pt-1およびPt-2の発光スペクトルを示す(PMMAフィルム中)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(発明の詳細な説明)
I.定義(又は規定)
「置換された(又は置換されている)(substituted)」とは、本開示で使用する通り、本開示で記載される化合物または官能基における全ての可能な置換(又は置換基)を意味する。広義の意味では、このような可能な置換(又は置換基)として、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式または複素環式、芳香族および非芳香族の置換(又は置換基)が挙げられる。例示的な置換(又は置換基)として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:ハロゲン、ヒドロキシル基、または任意の他の有機基(又は有機グループ又はオーガニック・グルーピング)であって、任意の数の炭素原子、好ましくは1~14個の炭素原子を含み、必要に応じて、1以上のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄または窒素)を含み、直鎖、分枝鎖または環状構造のフォーマット(又は形式)である基(又はグループ又はグルーピング)。代表的な置換基として、以下のものが挙げられる:置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたフェニルまたは置換されていないフェニル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、フェノキシ、アロキシ(aroxy)、シリル、チオール、アルキルチオ、置換されたアルキルチオ、フェニルチオ、アリールチオ、シアノ、イソシアノ、ニトロ、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、オキソ、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスホニル、アミノ酸。
このような置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたフェニルまたは置換されていないフェニル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、フェノキシ、アロキシ、シリル、チオール、アルキルチオ、置換されたアルキルチオ、フェニルチオ、アリールチオ、シアノ、イソシアノ、ニトロ、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、オキソ、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスホニルおよびアミノ酸は、さらに置換されてよい。
【0023】
複素原子(又はヘテロ原子)(例えば、窒素)は、水素置換基を有してよく、かつ/または本開示で説明する有機化合物の任意の可能な置換基(ただし、複素原子の原子価(又は結合価)を満たすものである)を有してよい。「置換」または「置換された(又は置換されている)」は、暗黙の了解を含むことが理解される。ただし、このような置換(又は置換基)は、置換される原子および置換(又は置換基)の可能な原子価(又は結合価)に従うものである。また、このような置換(又は置換基)によって、安定な化合物(すなわち、トランスフォーメーション(又は変形)(例えば、転位、環化、脱離などによるトランスフォーメーション(又は変形))を自発的に受けない化合物)がもたらされることが理解される。
【0024】
「アルキル」は、本開示で使用する通り、飽和の脂肪族基の基(又はラジカル)を意味し、直鎖のアルキル基、分枝鎖のアルキルおよびシクロアルキル(脂環式)が挙げられる。いくつかの形態において、直鎖または分枝鎖のアルキルは、その骨格(又はバックボーン)において、30以下、20以下、15以下または10以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖ではC-C30、分枝鎖ではC-C30)。アルキルとして、以下のものが挙げられる:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど。同様にして、シクロアルキルは、少なくとも3個の炭素原子から構成される非芳香族の炭素系の環(例えば、非芳香族の単環式の環または非芳香族の多環式の環であって、その環構造に3~30個の炭素原子、3~20個の炭素原子または3~10個の炭素原子を含むもの、その環構造に5,6,7個の炭素を有するもの)である。多環式の環系を含むシクロアルキルは、2以上の非芳香族の環を有していてよい。この環において、2以上の炭素が隣接する2つの環で共通している(すなわち、「縮合シクロアルキル環(又はフューズド・シクロアルキル・リング(fused cycloalkyl rings))」。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
「置換されたアルキル」とは、アルキル部位であって、その炭化水素骨格(又はヒドロカーボン・バックボーン)の1以上の炭素にある水素と置換する1以上の置換基を有するものを意味する。このような置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アリール、アルコキシル、アラルキル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、オキソ、スルフヒドリル、チオール、アルキルチオ、シリル、スルフィニル、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族の部位、-NRR’[式中、RおよびR’は、独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、窒素原子は、必要に応じて、四級化されてよい];-SR[式中、Rは、ホスホニル、スルフィニル、シリル、水素、アルキルまたはアリールである];-CN;-NO;-COOH;カルボキシレート;-COR、-COORまたは-CON(R)[式中、Rは、水素、アルキルまたはアリールである];イミノ、シリル、エーテル、ハロアルキル(例えば、-CF、-CH-CF、-CCl);-CN;-NCOCOCHCH;-NCOCOCHCH;および-NCS;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
当業者によって、炭化水素鎖において置換された部位は、適切な場合、それ自体が置換されてよいことが理解される。例えば、置換されたアルキルの置換基として、以下のものを挙げることができる:ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、チオール、アミノ、アラルキル、アジド、イミノ、アミド、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含む)、オキソ、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートを含む)、およびシリル基、およびエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート、およびエステルを含む)、ハロアルキル、-CNなど。シクロアルキルは、同様にして、置換されてよい。
【0027】
炭素の数が他に特定して記載されていない場合、「低級アルキル」とは、本開示で使用する通り、アルキル基であって、上記で定義(又は規定)した通りであるが、その骨格構造において、1~10個の炭素、より好ましくは1~6個の炭素原子を有するものを意味する。同様にして、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。
【0028】
「ヘテロアルキル」とは、本開示で使用する通り、直鎖もしくは分枝鎖または環状の炭素を含有するアルキル基、またはそれらの組み合わせであって、その炭素骨格において、複素原子(又はヘテロ原子)を少なくとも1つ含む基を意味する。適切な複素原子(又はヘテロ原子)として、O、N、Si、PおよびSが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、窒素原子、リン原子および硫黄原子は、必要に応じて、酸化されてよい。窒素複素原子は、必要に応じて、四級化されてよい。例えば、用語「ヘテロシクロアルキル基」は、シクロアルキル基(上記で定義(又は規定)した通りである)であって、その環の炭素原子の少なくとも1つは、複素原子(又はヘテロ原子)(例えば、窒素、酸素、硫黄またはリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない)で置換されている。
【0029】
用語「アルケニル」は、本開示で使用する通り、2~24個の炭素原子を有する炭化水素基であって、その構造式が、炭素-炭素の二重結合を少なくとも1つ含むものである。アルケニル基として、直鎖のアルケニル基、分枝鎖のアルケニルおよびシクロアルケニルが挙げられる。シクロアルケニルは、非芳香族の炭素系の環であって、少なくとも3個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合とから構成されるものである。例えば、非芳香族の単環式または非芳香族の多環式の環は、その環構造において、3~30個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合とを含むか、3~20個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合とを含むか、3~10個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合とを含み、その環構造において、5、6または7個の炭素と、少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合とを含む。多環式の環系を含むシクロアルケニルは、2以上の非芳香族の環を有することができる。この環において、2以上の炭素が、隣接する2つの環で共通していて(すなわち、「縮合シクロアルケニル環(又はフューズド・シクロアルケニル・リング(fused cycloalkenyl ring))」)、なおかつ少なくとも1つの炭素-炭素の二重結合を含む。非対称の構造(例えば、(AB)C=C(C’D))は、EおよびZの異性体(又はアイソマー)の両方を含むことが意図されている。これは、その中に構造式が仮定されていてよい。構造式において、非対称のアルケンが存在する。あるいは、これは、結合記号(C)によって、はっきりと示されていてよい。
用語「アルケニル」は、本明細書、実施例および特許請求の範囲を通して使用する通り、「置換されていないアルケニル」および「置換されたアルケニル」の両方を含むことが意図されている。後者(「置換アルケニル」)は、アルケニル部位であって、その炭化水素骨格(又はハイドロカーボン・バックボーン)の1以上の炭素にある水素を置換する1以上の置換基を有しているものを意味する。また、用語「アルケニル」は、「ヘテロアルケニル」も含む。
【0030】
用語「置換されたアルケニル」は、アルケニル部位であって、その炭化水素骨格(又はハイドロカーボン・バックボーン)の1以上の炭素にある1以上の水素原子を置換する1以上の置換基を有しているものを意味する。このような置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、オキソ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
「ヘテロアルケニル」は、本開示で使用する通り、直鎖または分枝鎖、または環状の炭素を含むアルケニル基、またはそれらの組み合わせであって、少なくとも1つの複素原子(又はヘテロ原子)を含むものを意味する。適切な複素原子(又はヘテロ原子)として、O、N、Si、PおよびSが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、窒素原子、リン原子および硫黄原子は、必要に応じて、酸化されてよい。窒素の複素原子(又はヘテロ原子)は、必要に応じて、四級化されてよい。例えば、用語「ヘテロシクロアルケニル基」は、シクロアルケニル基であって、その環の少なくとも1つの炭素原子は、複素原子(又はヘテロ原子)(例えば、窒素、酸素、硫黄またはリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない)で置換されている基である。
【0032】
用語「アルキニル基」は、本開示で使用する通り、2~24個の炭素原子の炭化水素基であって、構造式が、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合を含む基である。アルキニル基は、直鎖のアルキニル基、分枝鎖のアルキニルおよびシクロアルキニルを含む。シクロアルキニルは、非芳香族の炭素系の環であって、その環構造において、少なくとも3個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合とから構成される。例えば、非芳香族の単環式の環または非芳香族の多環式の環であり、その環構造において、3~30個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合とから構成されるか、3~20個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合とから構成されるか、3~10個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合とから構成され、その環構造において、5、6または7個の炭素と、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合とを有する。多環式の環系を含むシクロアルキニルは、2以上の非芳香族の環を有することができる。ここで、2以上の炭素が隣接する2つの環で共通しており(すなわち、「縮合シクロアルキニル環(又はフューズド・シクロアルキニル・リング(fused cycloalkynyl ring))」であり)、なおかつ、少なくとも1つの炭素-炭素の三重結合を含む。例えば、以下の非対称の構造
【化11】
は、EおよびZの異性体(アイソマー)の両方を含むことが意図されている。これは、そのなかに構造式が仮定されていてよい。構造式において、非対称のアルキンが存在する。あるいは、これは、結合記号(C)によって、はっきりと示されていてよい。用語「アルキニル」は、本明細書、実施例および特許請求の範囲を通して使用される通り、「置換されていないアルキニル」および「置換されたアルキニル」の両方を含むことが意図されている。後者(又は「置換されたアルキニル」)は、アルキニル部位であって、その炭化水素骨格(又はハイドロカーボン・バックボーン)の1以上の炭素における水素を置換する1以上の置換基を有するものを意味する。また、用語「アルキニル」は、「ヘテロアルキニル」を含む。
【0033】
用語「置換されたアルキニル」とは、アルキニル部位であって、その炭化水素骨格(又はハイドロカーボン・バックボーン)の1以上の炭素における1以上の水素原子を置換する1以上の置換基を有するものを意味する。このような置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
「ヘテロアルキニル」は、本開示で使用する通り、直鎖または分枝鎖、または環状の炭素を含むアルキニル基、またはそれらの組み合わせであって、少なくとも1つの複素原子(又はヘテロ原子)を含む基を意味する。適切な複素原子(又はヘテロ原子)として、O、N、Si、PおよびSが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、窒素原子、リン原子および硫黄原子は、必要に応じて、酸化されてよい。窒素の複素原子(又はヘテロ原子)は、必要に応じて、四級化されてよい。例えば、用語「ヘテロシクロアルキニル基」は、シクロアルキニル基であって、この環の少なくとも1つの炭素原子は、複素原子(又はヘテロ原子)(例えば、窒素、酸素、硫黄またはリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない)で置換されている。
【0035】
「アリール」は、本開示で使用する通り、C~C26のメンバー(又は員)の芳香族の環系または縮合芳香族の環系を意味する。芳香族基の例は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、コランニュレン、コロネンなどである。
【0036】
用語「置換されたアリール」とは、アリール基であって、1以上の芳香環にある1以上の水素原子が1以上の置換基で置換された基を意味する。置換基として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル(例えば、ケトン、アルデヒド、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(または四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、イミノ、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホキシド、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル(例えば、-CF、-CH-CF、-CCl)、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせ。
【0037】
「ヘテロサイクル(又はヘテロ環又は複素環)」および「ヘテロシクリル」は、互いに交換可能に使用されるものであり、環状の基であって、3~30個の環原子、3~20個の環原子、3~10個の環原子、または5~6個の環原子を含む非芳香族の単環式または多環式の環の環炭素または窒素原子によって結合した基を意味する。ここで、各環は、炭素原子と、1~4個の複素原子(又はヘテロ原子)とを含み、複素原子は、それぞれ、酸素(パーオキシドではない)、硫黄およびN(Y)からなる群から選択されるものである。ここで、Yは、存在しないか、あるいは、H、O、C~C10のアルキル、フェニルまたはベンジルである。必要に応じて、1~3個の二重結合を含んでもよい。必要に応じて、1以上の置換基で置換されてよい。ヘテロシクリルは、定義(又は規定)によって、ヘテロアリールとは区別されている。ヘテロシクリルは、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニルなどであってよい。例えば、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、ピラニル、2H-ピロリル、4H-キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、6H-1,2,5-チアジアジニルが挙げられる。ヘテロ環基(又は複素環基又はヘテロサイクリック基)は、必要に応じて、アルキルおよびアリールについて上記で定義(又は規定)したような1以上の置換基で置換されてよい。
【0038】
用語「ヘテロアリール」とは、C~C26のメンバー(又は員)の芳香族または縮合芳香族の環系であって、1以上の芳香族の環構造の1以上の炭素原子が複素原子(又はヘテロ原子)で置換されているものを意味する。適切な複素原子(又はヘテロ原子)として、酸素、硫黄および窒素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが挙げられる。ヘテロアリール環の例として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニルおよびキサンテニル。「置換されたヘテロアリール」について以下にて定義(又は規定)するように1以上の環が置換されてよい。
【0039】
用語「置換されたヘテロアリール」は、ヘテロアリール基であって、1以上の複素芳香族環(又はヘテロ芳香族環)にある1以上の水素原子が1以上の置換基で置換された基を意味する。置換基として、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル(例えば、ケトン、アルデヒド、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(または四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、イミノ、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホキシド、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル(例えば、-CF、-CH-CF、-CCl)、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
用語「ポリアリール」は、化学的な部位であって、2以上の縮合したアリール基を含むものを意味する。2以上の縮合したヘテロアリール基が含まれる場合、かかる化学的な部位は、「ポリヘテロアリール」と呼ぶことができる。
【0041】
用語「置換されたポリアリール」は、ポリアリールであって、1以上のアリールが、1以上の置換基で置換されているものを意味する。置換基として、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(または四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホキシド、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリヘテロアリールが含まれる場合、かかる化学的部位は、「置換されたポリヘテロアリール」と呼ぶことができる。
【0042】
用語「環式環(又はサイクリック環又はサイクリック・リング)」または「環式基(又はサイクリック基又はサイクリック・グループ」は、置換された単環式の環または置換されていない単環式の環あるいは置換された多環式の環または置換されていない多環式の環を意味する(例えば、単環系または縮合環系から形成されたもの)。例えば、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニルまたは置換されていないシクロアルキニル、あるいは置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルが挙げられ、これらは、3~30個の炭素原子を有するものである(ただし、幾何学的な拘束が可能である場合)。置換されたシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニルおよび置換されたヘテロシクリルは、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびヘテロシクリルにおいて置換されたものである(上記で定義(又は規定)される通りである)。
【0043】
用語「アラルキル」は、本開示で使用される通り、アリール基またはヘテロアリール基であって、芳香族の基(例えば、アリール、ヘテロアリール、ポリアリールまたはポリヘテロアリール)に結合したアルキル基、アルキニル基またはアルケニル基(上記で定義(又は規定)される通りである)を有する基である。アラルキル基の例は、ベンジル基である。
【0044】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」、「アロキシ(aroxy)」または「アリールオキシ」は、概して、式:ORによって示される化合物を意味する。式中のRとして、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクロアルケニルまたは置換されていないヘテロシクロアルケニル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル、置換されたヘテロアルキルまたは置換されていないヘテロアルキル、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアルキルヘテロアリールまたは置換されていないアルキルヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミドおよびアミノが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例示的なアルコキシル基として、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ」の基は、1~6個の炭素原子を含むアルコキシ基である。「エーテル」は、上記で定義(又は規定)した通り、酸素によって共有結合した2つの官能基である。従って、アルキルの置換基は、アルキルにエーテルを与えるものであり、アルコキシルであるか、またはアルコキシルに似ているものであり、例えば、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニル、-O-アラルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-O-ポリアリール、-O-ポリヘテロアリール、-O-ヘテロシクリルなどの1つによって表すことができる。
【0045】
用語「置換されたアルコキシ」とは、アルコキシ基であって、そのアルコキシ骨格(又はアルコキシ・バックボーン)の1以上の炭素にある1以上の水素原子を置換する1以上の置換基を有する基を意味する。このような置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、オキソ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
用語「エーテル」は、本開示で使用する通り、式:AOAで表されるものである。式中のAおよびAは、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、アルコキシ、アミドまたはアミノであってよい(上記で説明した通りである)。
【0047】
用語「ポリエーテル」は、本開示で使用する通り、以下の式で表されるものである。
【化12】
式中のAは、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、ホスホニウム、ホスファニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、アルコキシ、アミドまたはアミノであってよい(上記で説明した通りである)。
gは、1~30の正の整数であってよい。
【0048】
用語「フェノキシ」は、当該分野で認識されている通り、式:-ORの化合物を意味し、式中のRは、Cである(すなわち、-O-C)。当業者は、フェノキシがアロキシ類の一種であることを認識している。
【0049】
用語「置換されたフェノキシ」は、上記で定義(又は規定)した通り、フェノキシ基であって、そのフェニル環の1以上の炭素にある1以上の水素原子を置換する1以上の置換基を有する基を意味する。
このような置換基として、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
用語「アロキシ(aroxy)」および「アリールオキシ」は、本開示において、互いに交換可能に使用される通り、-O-アリールまたは-O-ヘテロアリールで表されるものである。アリールおよびヘテロアリールは、本開示において定義(又は規定)される通りである。
【0051】
用語「置換されたアロキシ(aroxy)」および「置換されたアリールオキシ」は、本開示において、互いに交換可能に使用される通り、-O-アリールまたは-O-ヘテロアリールで表されるものであり、そのアリールおよびヘテロアリール(本開示で定義(又は規定)される通りである)にある1以上の環原子にある1以上の水素原子を置換する1以上の置換基を有するものである。
このような置換基として、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
用語「アミノ」は、本開示で使用する通り、以下の基を含むものである。
【化13】
(第1級アミノ)、
【化14】
(第2級アミノ)、
【化15】
(第3級アミノ)、および
【化16】
(第四級アミノ)
【0053】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
式中、Eから独立して、R、RxiおよびRxiiは、それぞれ、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲の整数である。
また、用語「第四級アミノ(又は四級アミノ)」は、窒素、R、RxiおよびRxii(これらが結合するN+と一緒になって)がヘテロシクリルまたはヘテロアリール(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する基を含むものである。当業者は、上記に列挙したE基は、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0054】
用語「アミド(amide)」または「アミド(amido)」は、互いに交換可能に使用されるものであり、「置換されていないアミド」および「置換されたアミド」の両方を意味し、以下の一般式によって表されるものである。
【化17】
または
【化18】
【0055】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、あるいは置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
式中、Eから独立して、RおよびR’は、それぞれ、独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、RおよびR’は、それらが結合するN原子と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または、1~8の範囲の整数である。
いくつかの形態において、Eが酸素である場合、カルバメートを形成する。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0056】
「カルボニル」は、本開示で使用する通り、当該分野で認識されていて、以下の一般式で示され得るような部位を含むものである。
【化19】
または
【化20】
【0057】
式中、Xは、結合であるか、あるいは、酸素または硫黄を表す。
Rは、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミド、アミノ、または-(CH-R’’、または薬学的に許容可能な塩を表す。
E’’は、存在しない。あるいは、E’’は、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
R’は、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミド、アミノ、または-(CH-R’’を表す。
R’’は、ヒドロキシル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙したE’’基が2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
Xが酸素であり、なおかつRが上記で定義(又は規定)したものである場合、この部位は、カルボキシル基とも呼ばれる。
Xが酸素であり、なおかつRが水素である場合、この式は「カルボン酸」を表す。
Xが酸素であり、なおかつR’が水素である場合、この式は「ホルメート(又はフォルメート(formate))」を表す。
Xが酸素であり、なおかつRまたはR’が水素でない場合、この式は「エステル」を表す。
概して、上記の式の酸素原子が硫黄原子で置換されている場合、この式は「チオカルボニル基」を表す。
Xが硫黄であり、なおかつRまたはR’が水素でない場合、この式は「チオエステル」を表す。
Xが硫黄であり、なおかつRが水素である場合、この式は「チオカルボン酸」を表す。
Xが硫黄であり、なおかつR’が水素である場合、この式は「チオホルメート」を表す。
Xが結合であり、なおかつRが水素でない場合、上記の式は「ケトン」を表す。
Xが結合であり、なおかつRが水素である場合、上記の式は「アルデヒド」を表す。
【0058】
用語「ホスファニル」は、以下の式によって表されるものである。
【化21】
【0059】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
式中、Eから独立して、RviおよびRviiは、それぞれ、独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、RviとRviiは、それらが結合するP原子(又はリン原子)と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0060】
用語「ホスホニウム」は、以下の式によって表されるものである。
【化22】
【0061】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
式中、Eから独立して、Rvi、RviiおよびRviiiは、それぞれ独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、Rvi、RviiおよびRviiiは、それらが結合するP原子と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0062】
用語「ホスホニル」は、以下の式によって表されるものである。
【化23】
【0063】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、酸素、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、または置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)である。
式中、Eから独立して、RviおよびRviiは、独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’である。
あるいは、RviとRviiは、それらが結合するP原子(又はリン原子)と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0064】
用語「ホスホリル」は、ホスホニルであって、Eが存在しないか、酸素、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)(これらは上記で定義(又は規定)した通りである)であり、Eから独立して、RviおよびRviiは、独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)(これらは上記で定義(又は規定)した通りである)であるものとして定義(又は規定)されるものである。Eが酸素である場合、ホスホリルは、別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することはできない。例えば、酸素-酸素結合、または他の不安定な結合を形成するように別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することはできない。このことは、当業者に理解される通りである。E、RviおよびRviiが置換される場合、置換基として、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0065】
用語「スルフィニル」は、以下の式によって表されるものである。
【化24】
【0066】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリールである。
式中、Eから独立して、Rは、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、シリル、チオール、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、EとRは、それらが結合するS原子(又は硫黄原子)と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0067】
用語「スルホニル」は、以下の式によって表されるものである。
【化25】
【0068】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリールである。
式中、Eから独立して、Rは、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、EとRは、それらが結合するS原子(又は酸素原子)と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0069】
用語「スルホン酸」は、スルホニル(上記で定義(又は規定)した通りである)であって、Rが、ヒドロキシルであり、Eが、存在しないか、あるいはEが、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、あるいは置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリールであるものを意味する。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0070】
用語「スルフェート」は、スルホニル(上記で定義(又は規定)した通りである)であって、Eが、存在しないか、酸素、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)(これらは、上記で定義(又は規定)した通りである)であって、Rが、独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)(これらは、上記で定義(又は規定)した通りである)であるものを意味する。Eが酸素である場合、スルフェートは、別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することができない(例えば、酸素-酸素の結合、または、他の不安定な結合を形成するように別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することができない)。このことについて当業者は理解する。
かかる置換基は、上記で説明される任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0071】
用語「スルホネート」は、スルホニル(上記で定義(又は規定)した通りである)であって、Eが、酸素、アルコキシ、アロキシ(aroxy)、置換されたアルコキシもしくは置換されたアロキシ(aroxy)(これらは、上記で定義(又は規定)した通りである)であり、Rが、独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアミノまたは置換されていないアミノ、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、-(CH-R’’’であるものを意味する。
R’’’は、ヒドロキシ基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、アリール、シクロアルキル環、シクロアルケニル環、ヘテロサイクル(又はヘテロ環又は複素環)、アミド、アミノまたはポリサイクル(又は多環)を表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
Eが酸素である場合、スルホネートは、別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することはできない(例えば、酸素-酸素の結合、または他の不安定な結合を形成するように別の化学種(又はケミカル・スピーシーズ)に結合することはできない)。このことについて当業者は理解する。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0072】
用語「スルファモイル」は、スルホンアミドまたは以下の式によって表されるスルホンアミドを意味する。
【化26】
【0073】
式中、Eは、存在しない。あるいは、Eは、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリルである。
式中、Eから独立して、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、ヒドロキシル、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミド、アミノ、または-(CH-R’’’を表す。
あるいは、RとR’は、それらが結合するN原子(又は窒素原子)と一緒になって、複素環(又はヘテロ環又はヘテロサイクル)(その環構造において、3~14個の原子を有するもの)を形成(又は完成)する。
R’’’は、ヒドロキシル基、置換されたカルボニル基または置換されていないカルボニル基、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたシクロアルキルまたは置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニルまたは置換されていないシクロアルケニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、アルコキシ、ホスホニウム、ホスファニル、アミドまたはアミノを表す。
mは、ゼロ(0)であるか、または1~8の範囲内の整数である。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
当業者は、上記で列挙されたE基が、2価(又はジバレント(divalent))(例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、エテン-1,2-ジイル、1,4-フェニレン、シクロヘキサン-1,2-ジイル)であることを理解する。
【0074】
用語「シリル基」は、本開示で使用する通り、式:-SiRR’R’’によって表されるものである。式中、R、R’およびR’’は、独立して、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、ホスホニウム、ホスファニル、ホスホニル、スルフィニル、チオール、アミド、アミノ、アルコキシまたはオキソ(これらは、上記で説明した通りである)であってよい。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0075】
用語「チオール」は、互いに交換可能に使用されるものであり、-SRで表されるものである。式中、Rは、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキル、置換されたアルケニルまたは置換されていないアルケニル、置換されたアルキニルまたは置換されていないアルキニル、置換されたヘテロシクリルまたは置換されていないヘテロシクリル、置換されたアリールまたは置換されていないアリール、置換されたヘテロアリールまたは置換されていないヘテロアリール、置換されたアラルキルまたは置換されていないアラルキル(例えば、置換されたアルキルアリールまたは置換されていないアルキルアリール、置換されたアリールアルキルまたは置換されていないアリールアルキルなど)、置換されたポリアリールまたは置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリールまたは置換されていないポリヘテロアリール、置換されたカルボニルまたは置換されていないカルボニル、ホスホニウム、ホスファニル、アミド、アミノ、アルコキシ、オキソ、ホスホニル、スルフィニルまたはシリル(これらは、上記で説明した通りである)であってよい。
かかる置換基は、上記で説明した任意の置換基であってよい。例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、シリル、エーテル、エステル、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(例えば、四級化されたアミノ)、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、ハロアルキル、-CN、アリール、ヘテロアリール、ポリアリール、ポリヘテロアリール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
開示の化合物および置換基は、独立して、上記に列挙した2以上の基を有してよい。例えば、化合物または置換基が直鎖のアルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうちの1つは、ヒドロキシル基、アルコキシ基などで置換されてよい。選択する基に応じて、第1の基が第2の基に含まれてよい。あるいは、第1の基は、第2の基にぶら下がってよい(又はペンダント基であってよい)(すなわち、第2の基に結合してよい)。例えば、用語「エステル基を含むアルキル基」に関して、エステル基は、アルキル基の骨格(又はバックボーン)に含まれていてよい。あるいは、エステルは、アルキル基の骨格(又はバックボーン)に結合してよい。選択される基(単数または複数)の性質によって、第1の基が第2の基に含まれるか、第1の基が第2の基に結合されるかを決定する。
【0077】
化合物および置換基は、独立して、「置換された(又は置換されている)」の定義(又は規定)において上記で説明した置換基で置換されてよい。
【0078】
数値の範囲は、個々にそれぞれ可能な数を開示するものである。そして、このような範囲は、その中に含まれる任意のサブレンジおよびサブレンジの任意の組み合わをを合理的に包含することができるものである。例えば、所定の範囲がC~Cの範囲の炭素である場合、この範囲は、C、C、C、C、C、C、Cも開示し、そして、これらの数の間で任意のサブレンジ(例えば、C~C)を開示し、これらの値の間で可能な範囲の任意の可能な組み合わせを開示する。さらに別の例として、所定の温度範囲が、約25℃~約30℃であってもよい場合、この範囲は、約25、26、27、28、29および30℃から独立して選択され得る温度も開示し、そして、これらの数の間で任意の範囲(例えば、26~28℃)を開示し、これらの値の間で可能な範囲の任意の可能な組み合わせを開示する。
【0079】
用語「約」の使用は、用語「約」によって修飾される記載値の上下の値が含まれることが意図されている。用語「約」は、おおよそ、+/-10%の範囲内であってよい。用語「約」を数値の範囲の前部で使用する場合(すなわち、約1~5)または一連の数値の前部で使用する場合(すなわち、約1、2、3、4など)、数値の範囲の両端を修飾することおよび/または一連して記載された数値のそれぞれを修飾することが意図されている(ただし、他に特定して記載されていない場合)。
【0080】
開示の化合物および置換基は、独立して、上記で列挙した2以上の基を有してよい。例えば、化合物または置換基が直鎖のアルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうちの1つが、ヒドロキシル基、アルコキシ基などで置換されてよい。選択する基に応じて、第1の基が第2の基に含まれてよい。あるいは、第1の基は、第2の基にぶら下がってよい(又はペンダント基であってよい)(すなわち、第2の基に結合してよい)。例えば、用語「エステル基を含むアルキル基」に関して、エステル基は、アルキル基の骨格(又はバックボーン)に含まれていてよい。あるいは、エステルは、アルキル基の骨格(又はバックボーン)に結合してよい。選択される基(単数または複数)の性質によって、第1の基が第2の基に含まれるか、第1の基が第2の基に結合されるかを決定する。
【0081】
化合物および置換基は、独立して、「置換された(又は置換されている)」の定義(又は規定)において上記で説明した置換基で置換されてよい。
【0082】
II.コンポジション(又は組成物又は組成)
トリデンテートCCNリガンド(又は三座のCCNリガンド(tridentate CCN ligand))を用いたカルベンのシクロメタル化されたエミッタ白金(II)二核錯体(dinuclear cyclometalated platinum(II) carbene emitters complexes)の1つのクラスを説明する。本開示の化合物は、シングル・ステップ(又は一工程)のメタレーション(又はメタル化)によって生成(又は形成又は製造)することができる。好ましくは、約0.07まで低下した低いCIE-yの値を有する。理論に拘束されることは望まないが、一座(又はモノデンテート(monodentate))および二座(又はバイデンテート(bidentate))のリガンドに対して、増加した座数(又はデンティシティ(denticity))は、エミッタの分解(又はデグラデーション)を抑制(又は防止)することによって、デバイスの安定性(又はデバイス・スタビリティー)を増加させると考えられる。
【0083】
本開示の化合物は、以下の式Iaの構造を有する。
【化27】
式Ia
【0084】
式中
化合物は、全体として、中性、負または正の電荷(又はチャージ)を有する。
【0085】
破線の直線は、結合が存在すること、または結合が存在しないことを示す。
【0086】
AおよびA’は、独立して、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)であり;好ましくは、AおよびA’は、独立して、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)である。
【0087】
およびX5’は、独立して、炭素または窒素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。好ましくは、XおよびX5’は、炭素である。
【0088】
、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ、置換されたアロキシ、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニルであるか、あるいは、RとR、R5’とR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。好ましくは、R、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリールである。
【0089】
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、炭素、窒素、置換されていないアリールまたは置換されたアリールであり、存在する場合、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1、2、3、4、5個の水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0090】
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)(例えば、ジベンゾフラン-4-イル、ジベンゾフラン-3-イル、ジベンゾチオペン-4-イル、ジベンゾチオペン-3-イルなど)であるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成するか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0091】
およびL1’は、独立して、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されていないエーテル、置換されたエーテル、置換されていないポリエーテル、置換されたポリエーテル、置換されたアミノ、置換されていないアミノ、置換されたアミド、置換されていないアミド、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)である。
いくつかの形態において、LおよびL1’は、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキルである。
いくつかの形態において、LおよびL1’は、独立して、置換されたC-C10アルキルまたは置換されていないC-C10アルキルである。
いくつかの形態において、LおよびL1’は、独立して、置換されたC-C10アルキルまたは置換されていないC-C10アルキルである。
およびL1’のいくつかの形態において、置換されたアルキル、置換されたC-C10アルキルまたは置換されたC-C10アルキルは、1以上のアルキル置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、1以上のエーテル結合、1以上のアミン基(例えば、置換されたアミンまたは置換されていないアミン)、1以上の置換されたアリール基、1以上の置換されたヘテロアリール基、1以上の置換されたC-C20シクロアルキル基、1以上の置換されたC-C20のヘテロシクリル基、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの形態において、化合物は、フッ素を含んでいない(又はフッ素フリー)である。すなわち、フッ素原子に共有結合していない。
およびL1’は、少なくとも2価(又はジバレント(divalent))であることを理解するべきである。
理論に束縛されることは望まないないが、フッ素を含有するエミッタ錯体(又はフッ素含有エミッタ錯体)は、熱的な安定性および電気化学的な安定性に乏しいものである。
例えば、サブリメーション・プロセス(又は昇華工程(sublimation process))の間において、フッ素の開裂が発生する。
このことは、エレクトロルミネセンス性のデバイス(又はエレクトロルミネセント・デバイス)において、フッ素を含有するエミッタ(又はフッ素含有エミッタ)の安定性(又はスタビリティー)が減少し得ること、すなわち、デバイスの寿命(又はライフタイム)が短くなり得ることを意味する。
【0092】
いくつかの形態において、化合物は、式Iaについて、上記で説明した通りである。ただし、化合物は、以下の式IIaまたは式IIbの構造を有する。
【0093】
【化28】
式IIa
または
【化29】
式IIb
【0094】
式中
破線の直線は、結合が存在することを示すか、または結合が存在しないことを示す。
(i)A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’
(ii)R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’
(iii)LおよびL1’、ならびに
(iv)X、X5’、R、R、R5’およびR6’
は、式Iaについて上記で説明した通りである。
【0095】
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0096】
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、重水素、水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、または置換されていないC-C20シクロアルキニルである。あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)である。あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0097】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IIbについて上記で説明した通りである。ただし、化合物は、式IIIaまたは式IIIbの構造を有する。
【0098】
【化30】
式IIIa
または
【化31】
式IIIb
【0099】
式中
破線の直線は、結合が存在することを示すか、または結合が存在しないことを示す。
【0100】
、A、A5’およびA6’は、独立して、水素、重水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルであるか;あるいは、好ましくは、水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、重水素、置換されたアリール、または置換されていないアリールである。
いくつかの形態において、A、A、A5’およびA6’は、水素または重水素である。いくつかの形態において、A、A、A5’およびA6’は、置換されていないアルキル(例えば、置換されていないC-C10アルキル、置換されていないC-Cアルキル、または置換されていないC-Cアルキル)または置換されたアルキル(例えば、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-Cアルキル、または置換されたC-Cアルキル)である。
いくつかの形態において、A、A、A5’およびA6’は、水素、置換されたアリール、または置換されていないアリールである。ただし、AおよびAの少なくとも1つ、またはA5’およびA6’の少なくとも1つは、置換されたアリールまたは置換されていないアリールである。
【0101】
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0102】
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のX、X、X、X、ならびに1以上のX1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、XおよびX2’は、窒素であり、X、X、X、X1’、X3’およびX4’は、炭素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0103】
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)である。あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0104】
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である。
【0105】
いくつかの形態において、化合物は、式IIaまたは式IIIaについて、上記で説明した通りである。ただし、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
いくつかの形態において、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、以下を形成する。
【化32】
または
【化33】
【0106】
式中
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であってよい。R10~R14は、独立して、存在していなくてもよく、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルであってよい。
いくつかの形態において、Qは、NR14、炭素、または硫黄、または酸素、例えば、酸素であってよい。R10~R14は、独立して、存在していなくてもよく、水素、置換されたアルキル、または置換されていないアルキルであってよい。
いくつかの形態において、Qは、酸素であってよい。R10~R14は、水素であってよい。
【0107】
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のX、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’およびX3’は、硫黄、酸素または窒素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のX、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’およびX3’は、硫黄であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、X、XおよびXの1つ、X1’、X2’およびX3’の1つは、硫黄であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0108】
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のX、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’およびX3’は、酸素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、X、XおよびXの1つ、ならびにX1’、X2’およびX3’の1つは、酸素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0109】
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲンである。あるいは、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0110】
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲンである。
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、存在しないか、水素、またはそれらの組み合わせである。
【0111】
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
いくつかの形態において、化合物は、式IIbまたは式IIIbについて、上記で説明した通りである。ただし、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、以下を形成する。
【化34】
または
【化35】
【0112】
式中
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であってよい。R10~R14は、独立して、存在していなくてもよく、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルであってよい。
いくつかの形態において、Qは、NR14、炭素、または硫黄、または酸素、例えば、硫黄であってよい。R10~R14は、独立して、存在していなくてもよく、水素、置換されたアルキル、または置換されていないアルキルであってよい。
いくつかの形態において、Qは、硫黄であってよい。R10~R14は、水素であってよい。
【0113】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IIbについて、上記で説明した通りである。ただし、化合物は、以下の式IVaまたはIVbの構造を有する。
【化36】
式IVa
または
【化37】
式IVb
【0114】
式中
破線の直線は、結合が存在することを示すか、または結合が存在しないことを示す。
(i) R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’
(ii) LおよびL1’、ならびに
(iii)X、X5’、R、R、R5’およびR6’
は、式Iaについて、上記で説明した通りである。
【0115】
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0116】
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0117】
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、または置換されていないC-C20シクロアルキニルである。あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)である。あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)である。
【0118】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲンである。
いくつかの形態において、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールである。あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する。
いくつかの形態において、R1aとR2a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R3a’とR4a’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する。
【0119】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のA、A、AおよびAは、酸素、窒素または硫黄であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、酸素、窒素または硫黄である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である。
いくつかの形態において、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリール(例えば、フェニル)である。
【0120】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のA、A、AおよびAは、窒素である。1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、A、A、AおよびAの2つは、窒素であり、他の2つは、炭素である。A1’、A2’、A3’およびA4’の2つは、窒素であり、他の2つは、炭素である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0121】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のA、A、AおよびAは、酸素、窒素または硫黄であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素または硫黄である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、酸素、窒素または硫黄である。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である。いくつかの形態において、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールである。
【0122】
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、1以上のA、A、AおよびAは、窒素である。1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素である。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
いくつかの形態において、化合物は、式Ia、式IIaまたは式IVaについて、上記で説明した通りである。ただし、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。X、X、XおよびXの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。X1’、X2’、X3’およびX4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素である。X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価(valency))に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0123】
いくつかの形態において、化合物は、以下から選択される構造を有する。
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【0124】
III.製造方法およびそのための試薬
A.エミッタ白金(II)二核錯体
本開示で説明するエミッタ白金(II)二核錯体およびリガンドは、有機化学合成の分野で知られている方法を用いて合成することができる。例えば、リガンドは、商業上の化学製造業者から購入することができる。あるいは、文献に記載の手順および/または文献から適合させた手順に従って調製することができる。適切な合成の条件、試薬、反応ワークアップ条件、精製技術(必要な場合)の選択は、合成の当業者に知られている。リガンドおよびエミッタ白金(II)二核錯体の例示の非限定的な合成は、以下の実施例で検討する。
【0125】
B.リガンド
上記で説明した化合物のリガンドを調製するための合成方法は、文献から知られているか、または文献から適合させてよい。いくつかの場合において、本開示で説明されて以下の実施例で使用するピラゾールおよびトリアゾールのリガンドは、商業上の化学製造業者から容易に入手することができる。NHCリガンドおよび架橋リガンド(又はブリッジ・リガンド又はブリッジング・リガンド)の例示の合成は、以下の実施例において説明する。
【0126】
C.有機発光デバイス
また、上記で説明する1以上のエミッタ白金(II)二核錯体を含む有機発光デバイス(例えば、OLED)を製造する方法についても説明する。いくつかの形態において、OLEDの調製は、真空蒸着(又は減圧蒸着又はバキューム・デポジション)または溶液処理(又は溶液プロセス又はソリューション・プロセシング)の技術(例えば、スピン・コーティング(又はスピン・コート)およびインク・プリンティング(又はインク・プリント又はインク印刷)(例えば、インク・ジェット・プリンティング(又はインク・ジェット・プリント又はインク・ジェット印刷)またはロール・ツー・ロール・プリンティング(又はロール・ツー・ロール・プリント又はロール・ツー・ロール印刷))によるものであってよい。本開示で説明する1以上のエミッタ白金(II)二核錯体を含むOLEDを製造する例示の非限定的な方法は、実施例で説明する。
【0127】
非特異的なトリデンテート・リガンド(又は三座のリガンド(tridentate ligand))は、概して、当該分野で知られている。その一方で、トリデンテート・リガンド(又は三座のリガンド(tridentate ligand))から形成(又は生成)される金属錯体は、典型的には、最も一般的には、単核(又はモノニュークリア)である。二核(又はジニュークリア)の金属錯体を得ること、特に単核錯体を形成(又は生成)するために使用される方法から二核の金属錯体を得ることは、簡単なことではない。さらに、バイデンテート(又は二座(bidentate))からトリデンテート(又は三座(tridentate))にリガンドの座数(又はデンティシティ(denticity))を変化させることは、金属錯体に構造的な歪み(又はディストーション)を誘発し得る。従って、知られていない光物理学的な特性をもたらす。さらに、トリデンテート・リガンド(又は三座のリガンド(tridentate ligand))を合成する方法を開発しなければならない。
【0128】
IV.使用方法
好ましくは、本開示で説明するエミッタ白金(II)二核錯体は、室温、低温、またはそれらの組み合わせにおいて、光安定性、熱安定性および/または発光性(又は照射性)である。従って、錯体は、有機電子部品(又は有機電子成分又はオーガニック・エレクトロニック・コンポーネント)に組み込むことができる。有機電子部品として、OLEDまたは電気化学発光セル(又はライト・エミッティング・エレクトロケミカル・セル(light-emitting electrochemical cell))(LEEC)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このようなOLEDは、市販の用途(又はコマーシャル・アプリケーション)において使用することができる。例えば、スマートフォン、テレビジョン、モニタ、デジタルカメラ、タブレット・コンピュータ、室温で通常に操作する照明器具(又はライティング・フィクスチャー(lighting fixtures))、フィクスト・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(又は固定式ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)(fixed visual display unit)、モバイル・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(又は移動式ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)(mobile visual display unit)、イルミネーション・ユニット(又は照明ユニット)(illumination unit)、キーボード(keyboard)、クロース(又は衣類)(clothes)、オーナメント(又は装飾品)(ornaments)、ガーメント・アクセサリー(又は衣服アクセサリ)(garment accessory)、ウェアラブル・デバイス(wearable devices)、メディカル・モニタリング・デバイス(又は医療モニタリング機器)(medical monitoring devices)、ウォール・ペーパー(又は壁紙)(wall paper)、タブレットPC(tablet PC)、ラップトップ(laptop)、アドバタイズメント・パネル(又は広告パネル)(advertisement panel)、パネル・ディスプレイ・ユニット(panel display unit)、ハウスホールド・アプライアンス(又はハウスホールド器具)(household appliances)およびオフィス・アプライアンス(又はオフィス器具)(office appliances)が挙げられる。
【0129】
有機電子部品のいくつかの形態において、化合物は、発光層にある(又は含まれている)。
いくつかの形態において、化合物は、発光層にあって(又は含まれていて)、ピュア有機エミッタ(又は純粋な有機エミッタ又はピュア・オーガニック・エミッタ)をさらに含んで成る。
かかる形態において、化合物は、ピュア有機エミッタにエネルギーを移動(又は輸送又はトランスファ)させるためのセンシタイザ(又は増感剤)として作用することができる。
かかる形態において、化合物は、ピュア有機エミッタよりも高い一重項状態(higher-lyig singlet state)を有することができる。
用語「ピュア有機エミッタ」(又は純粋な有機エミッタ又はピュア・オーガニック・エミッタ(pure organic emitter))は、この出願を通して使用する通り、周期表の主族元素(又はメイン・グループ・エレメント)から独占的(又は排他的)に形成される発光有機分子を意味する。そうすることで、このような発光有機分子は、主族金属(又はメイン・グループ・メタル)に対して共有結合または配位結合を含まないようになる。
とりわけ、この用語は、発光有機分子を含む組成物の純度のレベルを規定(定義)または特定することを意図するものではない。
いくつかの形態において、有機電子部品は、アノードと、カソードと、正孔輸送領域(又は孔輸送領域又は孔トランスポート領域又はホール・トランスポート領域)と、電子輸送領域(又はエレクトロン・トランスポート領域)とを含んで成る。
いくつかの形態において、正孔輸送領域は、正孔注入層(又は孔注入層又は孔インジェクション層又はホール・インジェクション層)および/または正孔輸送層(又は孔輸送層又は孔トランスポート層又はホール・トランスポート層)を含み、さらに、必要に応じて、電子遮断層(又は電子ブロック層又はエレクトロン・ブロッキング層)を含む。
いくつかの形態において、電子輸送領域は、電子輸送層(又はエレクトロン・トランスポート層)および/または電子注入層(又はエレクトロン・インジェクション層)を含み、さらに、必要に応じて、正孔遮断層(又は孔遮断層又は正孔ブロック層又は孔ブロック層又はホール・ブロッキング層)を含む。
いくつかの形態において、発光層は、アノードと、カソードとの間に配置されている。
いくつかの形態において、正孔輸送領域は、アノードと、発光層との間に配置されている。
いくつかの形態において、電子輸送領域は、カソードと、発光層との間に配置されている。
【0130】
1以上のエミッタ白金(II)二核錯体(上記で説明した通りである)を含むOLEDを調製するための方法は、有機エレクトロニクス(又はオーガニック・エレクトロニクス)の分野で周知である。OLEDを製造するためのこのような方法は、真空蒸着(又は減圧蒸着又はバキューム・デポジション)、または溶液プロセス(又はソリューション・プロセシング)の技術(例えば、スピン・コーティング(又はスピン・コート)およびインク・ジェット・プリンティング(又はインク・ジェット・プリント又はインク・ジェット印刷))を含んでよい。
適切な材料(アノード、カソード、正孔輸送層、電子輸送層など)の選択、製造パラメータ(例えば、堆積(又はデポジション)の条件または溶液の選択(これらは、本開示で説明するエミッタ白金(II)二核錯体を含むOLEDを製造するために必要なものである)は、当該分野において知られている。
【0131】
1つの非限定的な例において、有機発光デバイスは、規則的な構造(又は秩序構造またはオーダード・ストラクチャ)を有することができる。このような規則的な構造は、少なくとも、アノード、正孔輸送層、発光層、電子輸送層およびカソードを含んで成る。ここで、発光層は、エミッタ白金(II)二核錯体(上記で説明した通りである)を含む。
図2によると、有機発光デバイス(OLED)100は、以下の(i)~(vi)を含むことができる。
(i) カソード110(好ましくは、アルミニウム層120およびリチウム層130を含む);
(ii) 必要に応じて、電子輸送層140;
(iii)必要に応じて、キャリア閉じ込め層150;
(iv) 発光層160(本開示で説明するエミッタ白金(II)二核錯体を含む);
(v) 必要に応じて、正孔輸送層170;および
(vi) アノード180(例えば、酸化インジウムスズでコーティングされたガラス)
また、ガラス以外の可撓性の基板(又は気体)(又はフレキシブル基板又はフレキシブル基体)(例えば、プラスチックの基板)も当該分野で知られている。
上記は、作製することができるOLEDデバイスの非限定的な例示である。
様々な他のOLEDの構築(又はアーキテクチャ)が可能であることが理解される。
【0132】
発光層(又はライト・エミット層又はライト・エミッティング層)は、ドーパントとしてエミッタ白金(II)二核錯体をホスト化合物(又は宿主化合物)にドープ(又はドーピング)することによって形成することができる。発光化合物(又はルミネセント化合物)は、発光層において、約3重量/重量%(wt/wt%)~約20重量/重量%(wt/wt%)、例えば約4重量/重量%~約16重量/重量%、例えば約4重量/重量%、約8重量/重量%、約16重量/重量%の割合組成(又は%組成又は%コンポジション又はパーセント・コンポジション)を有する。いくつかの形態において、発光層は、約5nm~約120nm、約5nm~約60nm、例えば、約10nm~約60nmの厚みを有する。
【0133】
いくつかの形態において、発光層(又はライト・エミット層又はライト・エミッティング層)は、ホスト化合物(又は宿主化合物)を含んで成る。ホスト化合物は、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(mCP)、4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)-トリフェニルアミン(TCTA)、3-(4-ビフェニル)-4-フェニル-5-tert-ブチルフェニル-1,2,ブチルフェニル-1,2,4-トリアゾール(TAZ)、p-ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)、9-(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ビス(トリフェニルシリル)-9H-カルバゾール(CzSi)、ビス-4-(N-カルバゾリル)フェニル)フェニルホスフィンオキシド(BCPO)、ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキシド(TSPO1)、2,8-ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]フラン(PPF)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド(DPEPO)、3,3’-ジ(9H-カルバゾール-9-yl)-1,1’-ビフェニル(mCBP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、およびそれらの適切な組み合わせから選択されるが、これらに限定されるものではない。例えば、いくつかの形態において、2つのホスト、例えば、CzSi:TSPO1、BCPO:TSPO1、BCPO:CzSiを適切な相対的な比で使用してよい。それぞれ2つのホストの例示的な相対的なモル比は、約0.5:1~2:1の範囲であってよい。
【0134】
いくつかの形態において、正孔輸送層(又は孔輸送層又はホール輸送層又は孔トランスポート層又はホール・トランスポート層又はホール・トランスポーティング層)は、有機化合物を含む。有機化合物として、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、4,4’-ビス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)、4,4’,4’’-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、およびジ-[4-(N,N-ジトリル-アミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。さらに、ポリマーおよびコポリマーの正孔輸送材料を使用することができる。ポリマーの正孔輸送材料として、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンが挙げられる。コポリマーとして、PEDOT:PSSが挙げられる。いくつかの形態において、正孔輸送層は、約10nm~70nm、例えば40nmの厚みを有する。
【0135】
いくつかの形態において、電子輸送層(又は電子トランスポート層又はエレクトロン・トランスポート層又はエレクトロン・トランスポーティング層)は、有機化合物を含む。有機化合物として、1,3,5-トリス(フェニル-2-ベンズイミダゾリル)-ベンゼン(TPBI)、1,3,5-トリ[(3-ピリジル)-フェニ-3-イル]ベンゼン(TmPyPB)、バソクプロイン(BCP)、バトフェナントロリン(BPhen)およびビス(2-メチル-8-キノリノレート)-4-(フェニルフェノレート)-アルミニウム(BAlq)、1,3,5-トリ[(3-ピリジル)-フェニ-3-イル]ベンゼン(TmPyPB)、1,3-ビス[3,5-ジ(ピリジン-3-イル)-フェニル]ベンゼン(BmPyPhB)および1,3,5-トリス(6-(3-(ピリジン-3-イル)フェニル)ピリジン-2-イル)ベンゼン(Tm3PyP26PyB)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの形態において、電子輸送層は、約10nm~60nm、例えば40nmの厚みを有する。
【0136】
いくつかの形態において、発光デバイスは、キャリア閉じ込め層(又はキャリア・コンフィネメント層)を含むことができる。キャリア閉じ込め層は、正孔輸送層と発光層との間、あるいは発光層と電子輸送層との間に挿入される層である。好ましくは、キャリア閉じ込め層は、発光デバイスの性能(又はパフォーマンス)を改善する(又は向上させる)。いくつかの形態において、キャリア閉じ込め層は、有機化合物を含む。有機化合物として、CBP、TCTA、3TPYMB、BmPyPhBおよびTm3PyP26PyBを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの形態において、キャリア閉じ込め層は、約5nm~約50nm、例えば、約10nm~約50nmの厚みを有する。
【0137】
好ましくは、発光デバイスのアノードは、酸化インジウムスズがコーティングされたガラスを含む。好ましくは、発光デバイスのカソードは、フッ化リチウム、アルミニウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの形態において、フッ化リチウムは、約0.05nm~5nm、例えば1nmの厚みを有する層を形成する。いくつかの形態において、アルミニウムは、約50nm~約250nm、約50nm~約200nm、例えば約150nmの厚みを有する層を形成する。
【0138】
エミッタ白金(II)二核錯体を含んで成るOLEDは、最大で35cd/Aの最大の電流効率(又はカレント・エフィシエンシー(current efficiency))(CE)を実証することができる。いくつかの形態において、CEとして、約5cd/A、7.5cd/A、10cd/A、15cd/A、20cd/A、25cd/A、30cd/Aまたは35cd/Aの値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのCE値は、最大で30cd/Aであってよい。いくつかの形態において、1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのCEとして、約2cd/A、2.5cd/A、5cd/A、10cd/A、15cd/A、20cd/A、25cd/Aまたは30cd/Aの値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。
【0139】
エミッタ白金(II)二核錯体を含んで成るOLEDは、最大で30ルーメン/ワット(lm/W)の最大の電力効率(又はパワー・エフィシエンシー(power efficiency))(PE)を実証することができる。いくつかの形態において、PEとして、約5 lm/W、10 lm/W、15 lm/W、20 lm/W、25 lm/W、または30 lm/Wの値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのPEの値は、最大で25 lm/Wであってよい。いくつかの形態において、1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのPEとして、約5 lm/W、5.5 lm/W、6 lm/W、6.5 lm/W、10 lm/W、15 lm/W、20 lm/W、25 lm/Wの値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。
【0140】
エミッタ白金(II)二核錯体を含んで成るOLEDは、最大で約30%の最大の外部量子効率(又はエクスターナル・クァンタム・エフィシエンシー(external quantum efficiency))(EQE)を実証することができる。いくつかの形態において、EQEとして、約10~30%の値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのEQEの値は、最大で20%または25%であってよい。いくつかの形態において、1000cd/mの輝度(又はルミナンス)でのPEとして、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、または約1%~約5%の値を挙げることができるが、これらの値に限定されるものではない。
【0141】
本開示の組成物および方法は、数字を付した以下の項(又はパラグラフ)によって、さらに理解することができる。
【0142】
1.
以下の式Iaの構造を有する化合物。
【化45】
式Ia
【0143】
式中
当該化合物は、全体として、中性、負または正の電荷を有する。
【0144】
破線の直線は、結合が存在すること、または結合が存在しないことを示す。
【0145】
AおよびA’は、独立して、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)であり;好ましくは、AおよびA’は、独立して、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)である。
【0146】
およびX5’は、独立して、炭素または窒素であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、水素原子に結合しておらず、好ましくは、XおよびX5’は、炭素である。
【0147】
、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニルであるか、あるいは、RとR、R5’とR6’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成するか、あるいは、好ましくは、R、R、R5’およびR6’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリールである。
【0148】
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、炭素、窒素、置換されていないアリールまたは置換されていないアリールであり、存在する場合、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1、2、3、4、5個の水素原子に結合しているか、水素原子に結合していない。
【0149】
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)(例えば、ジベンゾフラン-4-イル、ジベンゾフラン-3-イル、ジベンゾチオペン-4-イル、ジベンゾチオペン-3-イルなど)であるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成するか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成している。
【0150】
およびL1’は、独立して、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されていないエーテル、置換されたエーテル、置換されていないポリエーテル、置換されたポリエーテル、置換されたアミノ、置換されていないアミノ、置換されたアミド、置換されていないアミド、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、置換されていないC-C20シクロアルキニル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)である。
【0151】
2.
およびL1’は、独立して、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキルである、第1項に記載の化合物。
【0152】
3.
およびL1’は、独立して、置換されたC-C10アルキル、置換されていないC-C10アルキル、置換されたC-C10アルキルまたは置換されていないC-C10アルキル、好ましくは、前記置換されたアルキル、前記置換されたC-C10アルキル、前記置換されたC-C10アルキルは、1以上のアルキル置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、1以上のエーテル結合、1以上のアミン基(例えば、置換されたアミンまたは置換されていないアミン)、1以上の置換されたアリール基、1以上の置換されたヘテロアリール基、1以上の置換されたC-C20シクロアルキル基、1以上の置換されたC-C20ヘテロシクリル基、またはそれらの組み合わせを含む、第1項または第2項に記載の化合物。
【0153】
4.
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリールまたは置換されていないアリールであるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、それらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第1項~第3項のいずれか1項に記載の化合物。
【0154】
5.
以下の式IIaまたは式IIbの構造を有する、第1項~第4項のいずれか1項に記載の化合物。
【化46】
式IIa
または
【化47】
式IIb
【0155】
式中
破線の直線は、結合が存在していること、または結合が存在していないことを示す。
【0156】
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0157】
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、ヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ-、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないアルキルチオ、置換されたアルキルチオ、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないカルボキシル、置換されたカルボキシル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20シクロアルキル、置換されていないC-C20シクロアルキル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、置換されたC-C20シクロアルケニル、置換されていないC-C20シクロアルケニル、置換されたC-C20シクロアルキニル、または置換されていないC-C20シクロアルキニルであるか、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されていないシクロアルキル、置換されたシクロアルケニル、置換されていないシクロアルケニル、置換されたシクロアルキニル、置換されていないシクロアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたポリアリール、置換されていないポリアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する。
【0158】
6.
、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていない アルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第5項に記載の化合物。
【0159】
7.
以下の式IIIaまたは式IIIbの構造を有する、第1項~第6項のいずれか1項に記載の化合物。
【化48】
式IIIa
または
【化49】
式IIIb
【0160】
式中
破線の直線は、結合が存在しているか、または結合が存在していないことを示す。
【0161】
、A、A5’およびA6’は、独立して、水素、重水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルであるか、あるいは、好ましくは、水素、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、重水素、置換されたアリール、または置換されていないアリールである。
【0162】
8.
、A、A5’およびA6’は、水素または重水素である、第7項に記載の化合物。
【0163】
9.
、A、A5’およびA6’は、
(i)置換されていないアルキル(例えば、置換されていないC-C10アルキル、置換されていないC-Cアルキル、または置換されていないC-Cアルキル)または置換されたアルキル(例えば、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-Cアルキル、または置換されたC-Cアルキル)、または
(ii)水素、置換されたアリール、または置換されていないアリール
である(ただし、AとAの少なくとも1つ、またはA5’とA6’の少なくとも1つは、置換されたアリールまたは置換されていないアリールである)、第7項に記載の化合物。
【0164】
10.
式IIaまたは式IIIaにおいて、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項に記載の化合物。
【0165】
11.
式IIaまたは式IIIaにおいて、1以上のX、X、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項に記載の化合物。
【0166】
12.
式IIaまたは式IIIaにおいて、XおよびX2’は、窒素であり、X、X、X、X1’、X3’およびX4’は、炭素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項または第11項に記載の化合物。
【0167】
13.
式IIaまたは式IIIaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、ハロゲン(例えば、フッ素)であるか、あるいは、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第5項~第12項のいずれか1項に記載の化合物。
【0168】
14.
式IIaまたは式IIIaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリールまたはハロゲン(例えば、フッ素)である、第5項~第12項のいずれか1項に記載の化合物。
【0169】
15.
式IIaまたは式IIIaにおいて、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第5項~第13項のいずれか1項に記載の化合物。
【0170】
16.
式IIaまたは式IIIaにおいて、RとR、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、R3’とR4’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、
【化50】
または
【化51】
を形成する、第5項~第13項のいずれか1項または第15項に記載の化合物。
【0171】
式中
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルである。
【0172】
17.
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり、例えば、酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキルまたは置換されていないアルキルである、第16項に記載の化合物。
【0173】
18.
は、酸素であり;R10~R14は、水素である、第16項または第17項に記載の化合物。
【0174】
19.
式IIbまたは式IIIbにおいて、1以上のX、XおよびX、ならびに1以上のX1’、X2’およびX3’は、硫黄、酸素または窒素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項に記載の化合物。
【0175】
20.
式IIbまたは式IIIbにおいて、X、XおよびXの1つ、ならびにX1’、X2’およびX3’の1つは、硫黄であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項または第19項に記載の化合物。
【0176】
21.
式IIbまたは式IIIbにおいて、X、XおよびXの1つ、ならびにX1’、X2’およびX3’の1つは、酸素であり、X、X、X、X1’、X2’およびX3’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第5項~第9項のいずれか1項または第19項に記載の化合物。
【0177】
22.
式IIbまたは式IIIbにおいて、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲンであるか、あるいは、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第5項~第9項のいずれか1項または第19項~第21項のいずれか1項に記載の化合物。
【0178】
23.
式IIbまたは式IIIbにおいて、R、R、R、R1’、R2’およびR3’は、存在しないか、水素、またはそれらの組み合わせである、第5項~第9項のいずれか1項または第19項~第22項のいずれか1項に記載の化合物。
【0179】
24.
式IIbまたは式IIIbにおいて、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、置換されていないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないヘテロアリール、置換されたC-C20ヘテロシクリル、置換されていないC-C20ヘテロシクリル、またはそれらが縮合した組み合わせ(又はそれらの組み合わせであって縮合したもの)を形成する、第5項~第9項のいずれか1項または第19項~第22項のいずれか1項に記載の化合物。
【0180】
25.
式IIbまたは式IIIbにおいて、RとR、RとR、R1’とR2’、R2’とR3’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、
【化52】
または
【化53】
を形成する、第5項~第9項のいずれか1項、第19項~第22項のいずれか1項、または第23項に記載の化合物。
【0181】
式中
は、NR14、炭素、または硫黄、または酸素であり;R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアルケニル、置換されていないアルケニル、置換されたアルキニル、置換されていないアルキニル、置換されたアリール、置換されていないアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アミド、エーテル、チオール、シアノ、ニトロ、置換されていないアルコキシ、置換されたアルコキシ、置換されていないアロキシ(aroxy)、置換されたアロキシ(aroxy)、置換されていないヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、置換されていないポリヘテロアリール、置換されたポリヘテロアリール、置換されていないカルボニル、置換されたカルボニル、置換されていないエステル、置換されたエステル、置換されたC-C20ヘテロシクリル、または置換されていないC-C20ヘテロシクリルである。
【0182】
26.
は、NR14、炭素、硫黄または酸素、例えば、硫黄であり、R10~R14は、独立して、存在しないか、水素、置換されたアルキル、または置換されていないアルキルである、第27項に記載の化合物。
【0183】
27.
は、硫黄であり;R10~R14は、水素である、第25項または第26項に記載の化合物。
【0184】
28.
式Ia、式IIaまたは式IIbにおいて、前記化合物が、以下の式IVaまたは式IVbの構造を有する、第1項~第6項のいずれか1項に記載の化合物。
【化54】
式IVa
または
【化55】
式IVb
【0185】
式中
、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0186】
、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、存在する場合、独立して、炭素、窒素、酸素または硫黄であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない。
【0187】
29.
式IVaにおいて、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第28項に記載の化合物。
【0188】
30.
式IVaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲンである、第28項または第29項に記載の化合物。
【0189】
31.
式IVaにおいて、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールであるか、あるいは、R1aとR2a、R2aとR3a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R2a’とR3a’、R3a’とR4a’、またはそれらを組み合わせたものは、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する、第28項~第30項のいずれか1項に記載の化合物。
【0190】
32.
式IVaにおいて、R1aとR2a、R3aとR4a、R1a’とR2a’、R3a’とR4a’は、それらが結合する原子と一緒になって、置換されたアリール、または置換されていないアリールを形成する、第28項~第31項のいずれか1項に記載の化合物。
【0191】
33.
式Ia、式IIaまたは式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、窒素であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、炭素であり、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第1項~第6項のいずれか1項または第28項に記載の化合物。
【0192】
34.
式IVaについて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール(例えば、メシチル(2,4,6-トリメチルフェニル)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル)、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である、第33項に記載の化合物。
【0193】
35.
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリール(例えば、フェニル)である、第33項または第34項に記載の化合物。
【0194】
36.
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第33項~第35項のいずれか1項に記載の化合物。
【0195】
37.
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの2つは、窒素であり、他の2つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の2つは、窒素であり、他の2つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第33項~第35項のいずれか1項に記載の化合物。
【0196】
38.
式Ia、式IIaまたは式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、酸素、窒素または硫黄であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、酸素、窒素または硫黄であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、酸素、窒素または硫黄であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第1項~第6項のいずれか1項または第28項に記載の化合物。
【0197】
39.
式IVaにおいて、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、置換されていないアリール、またはハロゲン(例えば、フッ素)である、第38項に記載の化合物。
【0198】
40.
1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’およびR4a’は、独立して、存在しないか、水素、重水素、置換されたアルキル、置換されていないアルキル、置換されたアリール、または置換されていないアリールである、第38項または第39項に記載の化合物。
【0199】
41.
式IVaにおいて、1以上のA、A、AおよびAは、窒素であり、1以上のA1’、A2’、A3’およびA4’は、窒素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、1以上のX、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、窒素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第38項~第40項のいずれか1項に記載の化合物。
【0200】
42.
式IVaにおいて、A、A、AおよびAの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A1’、A2’、A3’およびA4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、A、A、A、A、A1’、A2’、A3’およびA4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合しておらず、X、X、XおよびXの1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、X1’、X2’、X3’およびX4’の1つは、窒素であり、他の3つは、炭素であり、X、X、X、X、X1’、X2’、X3’およびX4’は、独立して、原子価(又は結合価)に応じて、1つの水素原子に結合しているか、または水素原子に結合していない、第38項~第41項のいずれか1項に記載の化合物。
【0201】
43.
以下の構造を有する、第1項~第42項のいずれか1項に記載の化合物。
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【0202】
44.
第1項~第43項のいずれか1項に記載の化合物を含む、有機電子部品。
【0203】
45.
前記有機電子部品が、有機発光ダイオード(又はオーガニック・ライト・エミッティング・ダイオード(organic light-emitting diode))(OLED)または電気化学発光セル(又はライト・エミッティング・エレクトロケミカル・セル(light-emitting electrochemical cell))(LEEC)である、第44項に記載の有機電子部品。
【0204】
46.
前記化合物が、発光層に含まれている、第44項または第45項に記載の有機電子部品。
【0205】
47.
アノードと、
カソードと、
正孔輸送領域(又は孔輸送領域又は孔トランスポート領域又はホール・トランスポート領域)と、
電子輸送領域(又はエレクトロン・トランスポート領域)と
をさらに含んで成り、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層(又は孔注入層又は孔インジェクション層又はホール・インジェクション層)および/または正孔輸送層(又は孔輸送層又は孔トランスポート層又はホール・トランスポート層)を含み、さらに、必要に応じて、電子遮断層(又は電子ブロック層又はエレクトロン・ブロッキング層)を含み、
前記電子輸送領域は、電子輸送層(又はエレクトロン・トランスポート層)および/または電子注入層(又はエレクトロン・インジェクション層)を含み、さらに、必要に応じて、正孔遮断層(又は孔遮断層又は正孔ブロック層又は孔ブロッキング層又はホール・ブロッキング層)を含み、
前記発光層は、前記アノードと、前記カソードとの間に配置されており、
前記正孔輸送領域は、前記アノードと、前記発光層との間に配置されており、
前記電子輸送領域は、前記カソードと、前記発光層との間に配置されている、
第44項~第46項のいずれか1項に記載の有機電子部品。
【0206】
48.
前記発光層は、真空蒸着(又は減圧蒸着又はバキューム・デポジション)、スピン・コーティング(又はスピン・コート)またはインク・プリンティング(又はインク・プリント又はインク印刷)(例えば、インク・ジェット・プリンティング(又はインク・ジェット・プリント又はインク・ジェット印刷)またはロール・ツー・ロール・プリンティング(又はロール・ツー・ロール・プリント又はロール・ツー・ロール印刷))によって形成(又は生成又は作製)される、第46項または第47項に記載の有機電子部品。
【0207】
49.
第1項~第43項のいずれか1項に記載の化合物を含んで成る発光層。
【0208】
50.
ピュア有機エミッタ(又はピュア・オーガニック・エミッタ)をさらに含んで成り、前記化合物が、
(i)前記ピュア有機エミッタにエネルギーを移動(又は輸送又はトランスファ)させるためのセンシタイザ(又は増感剤)として作用するか、
(ii)前記ピュア有機エミッタよりも高い一重項状態を有する、
第49項に記載の発光層。
【0209】
51.
第49項または第50項に記載の発光層を含むOLED。
【0210】
52.
前記デバイスが、ステーショナリー・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(又は固定式ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)(stationary visual display units)、モバイル・ビジュアル・ディスプレイ・ユニット(又は移動式ビジュアル・ディスプレイ・ユニット)(mobile visual display units)、イルミネーション・ユニット(又は照明ユニット)(illumination units)、キーボード(keyboards)、クロース(又は衣類)(clothes)、オーナメント(又は装飾品)(ornaments)、ガーメント・アクセサリー(又は衣服アクセサリ)(garment accessories)、ウェアラブル・デバイス(wearable devices)、メディカル・モニタリング・デバイス(又は医療モニタリング機器)(medical monitoring devices)、ウォール・ペーパー(又は壁紙)(wall papers)、タブレット・コンピュータ(tablet computers)、ラップトップ(laptops)、アドバタイズメント・パネル(又は広告パネル)(advertisement panels)、パネル・ディスプレイ・ユニット(panel display units)、ハウスホールド・アプライアンス(又はハウスホールド器具)(household appliances)またはオフィス・アプライアンス(又はオフィス器具)(office appliances)から選択される、第51項に記載のOLEDを含んで成るデバイス。
【実施例0211】
(実施例)
実施例1:化合物の合成およびキャラクタリゼーション(又は特徴付け)
新しい白金(II)二核錯体(例えば、フッ素を含まない錯体(又はフッ素フリー錯体)は、強い濃い青色(又はディープ・ブルー)のリン光(又は蓄光又はフォスフォレセンス(phosphorescence))を示す。優れたエミッション量子収率(又はエミッション・クァンタム・イールド(emission quantum yield))は、最大で0.74である(薄膜、室温)。発光(又はエミッション)は、シクロメタル化NHCリガンド(又はシクロメタレーションするNHCリガンド又はシクロメタレーティングNHCリガンド)における置換基(単数又は複数)によってさらに調節(又は調整)することができる。この新しいPt(II)エミッタの最も顕著な特徴は、そのディープ・ブルー・エミッション(又は濃い青色の発光)(発光極大447nm)と、非常に短い放射寿命(又はラディエイティブ・ライフタイム(radiative lifetime))(約2μsまで)である。蒸着によるディープ・ブルーOLEDの予備的な結果は、12.1%のEQEと、7.53cd/AのCEとを示す。このとき、CIE(x,y)は、0.16,0.07である。出願人の最善(又はベスト)の知識によると、これは、金属錯体に基づくデバイスの数少ない例の1つであり、全米テレビジョンシステム委員会(又はナショナル・テレビジョン・システム・コミッティ(National Television System Committee))(NTSC)による純粋な青色の座標の規定(又は定義)である(0.14,0.08)を満たすことができたものである。
【0212】
材料および方法
合成に使用する化学薬品は、市販の供給元(例えば、Dieckmann, Tiv Scientific, J & K Scientific, BLDpharm, Bidepharm, Strem Chemicals)から購入した。これらの化学薬品は、さらに処理することなく、直接的に使用した。合成に使用する溶媒は、Duksan, RCI Labscan, Scharlauから購入した。これらの溶媒は、さらに処理することなく直接的に使用した。
【0213】
キャラクタリゼーション(又は特徴付け)
Hおよび13CのNMRスペクトルは、DPX-400またはDPX-500 Bruker FT-NMRスペクトロメータで記録した。プロトン(H)または炭素(C)のシグナルの化学シフトをキャリブレーション(又は較正)した(対応する溶媒の残存シグナルによる)。高解像度(又はハイレゾリューション)のマススペクトルをBruker Impact IIマススペクトロメータで測定した。
【0214】
OLEDの製造プロセス(又は製造方法又は製造工程)
アノード基板として、酸化インジウムスズ(Indium-Tin-Oxide)(ITO)でコーティングしたガラス(シート抵抗10Ω/sq)を用いた。膜蒸着(又はフィルム・デポジション)の前、パターンニングを施したITO基板を洗剤(又はデタージェント)で洗浄し、脱イオン水、アセトンおよびイソプロパノールで濯ぎ(又はリンスし)、次いで、オーブン中で乾燥させた(クリーンルーム、1時間)。次いで、紫外・オゾン・チャンバで5分間にわたって、スライドを処理した。Kurt J. Lesker SPECTROS 減圧蒸着システム(10-7mbarのベース・プレッシャー)でOLEDを作製した。バキューム・チャンバにおいて、有機材料を0.5Ås-1の割合(又は速度又はレート)で順序通りに熱蒸着させた。発光層(又はエミッシブ・レイヤー(emissive layer))(EML)におけるドーピング・プロセスは、共析技術(又はコデポジション・テクノロジー(co-deposition technology))を用いて実現させた。その後、LiF(1.2nm)およびAl(100nm)をそれぞれ0.02nm s-1および0.2nm s-1の割合(又は速度又はレート)で熱蒸着させた。膜厚(又はフィルム厚)を系中(又はインサイチュ)で決定(又は測定)した(較正(又はキャリブレーション)された振動石英結晶センサ(又は振動クウォーツ・クリスタル・センサ)を用いた)。
【0215】
OLEDのキャラクタリゼーション(又は特徴付け)
Keithley 2400 ソース・メーター(source-meter)および絶対外部量子効率測定システム(又はアブソリュート・エクスターナル・クァンタム・エフィシエンシー・メジャーメント・システム(absolute external quantum efficiency measurement system))(C9920-12, Hamamatsu Photonics)を用いて、エレクトロルミネセンス性(electroluminescent)(EL)のデバイスについて、電流密度-明るさ-電圧の特性、ELスペクトル、EQEを得た。Kurt J. Lesker SPECTROS ALD システムにおいて、原子層堆積(アトミック・レイヤー・デポジション(atomic layer deposition))(ALD)によって堆積させた200nm厚のAlの薄膜で全てのデバイスをカプセル化し、その後、測定した。
【0216】
(i)リガンドの合成
スキーム1は、トリデンテート(又は三座(tridentate))のNHCリガンド(L1およびL2)の合成を示す。
【化64】
【0217】
9-ブロモノナン-2,4-ジオン(Chenら、Chem. Commun., 2011, 47, 9519-9521)の合成
20mLの乾燥THF中、0℃でアセチルアセトン(1当量)をNaH(1.15当量)に添加した。反応混合物を30分間にわたって撹拌した。その後、n-BuLi(1.2当量)を添加した。反応混合物を30分以上にわたって撹拌した。ジブロモアルカン(1.5当量、n=4(L1/L2))を添加し、0℃で2時間、室温で2時間にわたって撹拌した。水を添加し、反応混合物を約2のpHまで酸性化した。水相をCHClで抽出した。合わせた有機画分をMgSOで乾燥させて、濾過して、減圧下で濃縮させた。さらに精製することなく、クルードの生成物を次の工程で使用した。
【化65】
【0218】
1-フェニルイミダゾール(L1のため)または3-フェニル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(Pinterら、Organometallics 2016, 35, 673-680))(L2のため)(0.66当量)と、9-ブロモノナン-2,4-ジオン(Chenら、Chem. Commun., 2011, 47, 9519-9521)(1.00当量))とをアセトン(1mmolのイミダゾールに対して1mL)中で100℃で48時間にわたって撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をさらに精製することなく次の工程に使用した。ヒドラジン水和物(1.1当量)およびEtOH(1mmolのイミダゾールに対して2mL)を添加し、反応混合物を一晩還流させた。減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラム(アセトン/EtOH)を用いて残渣を精製した。
【0219】
L1
全収率(オーバーオール・イールド):54%
1H NMR (500 MHz, DMSO): δ 11.99 (s, 1H), 9.80 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.76 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.64 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 5.73 (s, 1H), 4.21 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.41 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.93 - 1.84 (m, 2H), 1.62 - 1.53 (m, 2H), 1.33 - 1.27 (m, 2H).
HRMS(ESI)(C1823[M]:計算値295.1923、実測値295.1916
L2
全収率(オーバーオール・イールド):22%
1H NMR (500 MHz, DMSO): δ 10.44 (s, 1H), 8.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.90 - 7.85 (m, 1H), 7.75 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.68 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.94 (s, 1H), 4.58 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.06 - 2.00 (m, 2H), 1.70 - 1.62 (m, 2H), 1.56 - 1.53 (m, 2H), 1.50 - 1.42 (m, 2H).
【0220】
(ii)白金(II)エミッタの合成
スキーム2は、エミッタ白金(II)二核錯体の合成を示す。
【化66】
【化67】
【0221】
L1またはL2(1当量)、Pt(COD)Cl(1.04当量)およびNaOAc(3当量)を1,4-ジオキサン(0.1mmolのイミダゾリウム塩あたり1mL)中で160℃で3日間にわたって撹拌した。反応混合物に水を添加し、水相をDCMで抽出した。有機相をMgSOで乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラム(溶出液としてDCM/ヘキサンを用いる)を用いてクルードの生成物を精製した。
【0222】
Pt-1
収率:17%
1H NMR (500 MHz, DMSO): δ 7.89 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.21 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.96 - 6.87 (m, 4H), 6.74 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 6.00 (s, 2H), 3.65 - 3.57 (m, 2H), 3.47 - 3.40 (m, 2H), 2.97 - 2.90 (m, 2H), 2.63 - 2.58 (m, 2H), 2.16 (s, 6H), 2.02 - 1.92 (m, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.74 - 1.59 (m, 4H), 1.57 - 1.48 (m, 2H), 1.30 - 1.24 (m, 2H).
HRMS(ESI)(C3641Pt[M+H]):計算値975.2750、実測値975.2724
【0223】
Pt-2
収率:2%
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2): δ 8.36 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.20 - 7.11 (m, 2H), 7.06 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.89 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H), 4.33 - 4.23 (m, 1H), 3.91 - 3.83 (m, 1H), 3.16 (t, J = 13.7 Hz, 1H), 2.79 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.11 - 2.02 (m, 1H), 1.96 - 1.80 (m, J = 39.1 Hz, 3H), 1.65 - 1.58 (m, 2H).
HRMS(ESI)(C424310Pt[M+H]):計算値1077.2968、実測値1077.2950
【0224】
結果
インスタント・ワーク(instant work)の結果を以下に示す。
ホスト化合物における二核錯体の光物理学的な特徴付け(又はキャラクタリゼーション)
Pt(II)二核錯体(Pt-1およびPt-2)は、447~480nmの強い濃い青色(又はディープ・ブルー)から青色(又はブルー)の光ルミネセンス(又はフォトルミネセンス(photoluminescence))を示す。このとき、発光量子収率(又はエミッション・クァンタム・イールド)は、0.74~0.82である(PMMAフィルム、室温)。発光寿命(又はエミッション・ライフタイム)は、短く、1.3~2.0μsであり、それにより、大きな放射速度乗数(又はラディエイティブ・レート・コンスタント)(3.7×10-1~6.3×10-1)をもたらすか、短い放射寿命(又はラディエイティブ・ライフタイム)(1.6~2.7μs)をもたらす。吸光および発光のデータ、およびそれに関連する光物理学的なデータを以下の表1に示す。
【0225】
【表1】
【0226】
Pt-1を用いて作製した減圧蒸着によるデバイスは、様々なドーピング濃度において、濃い青色(又はディープ・ブルー)のエレクトロルミネセンス(electroluminescence))を示した。このとき、CIE(x,y)は、(0.15~0.16,0.07~0.08)であった。4重量/重量%のPt-1でドーピングしたデバイスの最大のEQEは12.14%であり、最大のCEは7.53cd/Aであった。適切な青色指数(又はブルー指数又はブルー・インデックス)は108であった。
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
ワーク(又は研究)は、以下の(i)および(ii)について進行中である。
(i)
減圧蒸着による製造技術において簡便に適用するために錯体の熱安定性をさらに向上させること
(ii)
構造と特性との関係をさらに明確にすることであって、それにより、ブルーOLEDのアプリケーション(又は用途)をもたらす光物理学的な帰属を高めることを導くことができること(例えば、エミッション帯域幅(又はエミッション・バンド幅)、色純度(又はカラー・ピュアリティ))。
【0230】
他に定義(又は規定)されていない場合、本開示で使用する技術的および科学的な用語は、すべて、本開示の発明が属する分野の当業者に共通に理解するものと同じ意味を有する。本開示に記載の刊行物およびその中に記載されているものは、参考として具体的に組み込まれている。さらに、他に示されていない場合、「重量%(wt%)」との表現の使用は、「重量/重量%(wt/wt%)」を意味する。
【0231】
本開示で説明する発明の具体的な実施形態についての多くの均等物(又は等価物)(慣用的な実験にすぎないもの)を使用することは当業者に認識されるか、または確認することができるものである。このような均等物(又は等価物)は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
【外国語明細書】