(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019040
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】表示装置のためのバックライト制御
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20240201BHJP
【FI】
H05B47/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023117345
(22)【出願日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】17/877,659
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】降旗 弘史
(72)【発明者】
【氏名】青垣 多俊
(72)【発明者】
【氏名】能勢 崇
(72)【発明者】
【氏名】織尾 正雄
(72)【発明者】
【氏名】皆木 朋夫
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明生
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA03
3K273QA23
3K273SA03
3K273SA21
3K273SA36
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA29
3K273TA78
3K273TA79
3K273UA02
3K273UA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表示装置における直下型バックライトの制御回路を提供する。
【解決手段】表示装置が、表示パネル200と、バックライトモジュール400と、バックライト制御回路部312とを備えている。バックライトモジュール400は、複数の光源を備えており、表示パネル200を照明するように構成されている。バックライト制御回路部312は、複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を、表示パネル200の第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて制御するように構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
複数の光源を備え、前記表示パネルを照明するように構成されたバックライトモジュールと、
前記複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を、前記表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて制御するように構成されたバックライト制御回路部と、
を備える
表示装置。
【請求項2】
前記第1重み付け平均が、
前記第1の組の画素のうちの第1画素に割り当てられる第1重みと、
前記第1の組の画素のうちの第2画素に割り当てられる第2重みと、
に少なくとも部分的に基づいており、
前記第1画素と前記第1光源との間の距離が、前記第2画素と前記第1光源との間の距離よりも大きく、
前記第1重みが前記第2重みよりも小さい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1重み付け平均が、前記第1光源と前記第1の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して前記第1の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の組の画素に割り当てられる前記重みが、前記第1光源と前記第1の組の画素のうちの対応する画素との間の前記距離の減少と共に増加する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の組の画素に割り当てられる重みが、前記第1光源の光強度分布に少なくとも部分的に基づいている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記バックライト制御回路部が、更に、前記表示パネルの第2の組の画素の輝度値に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光源のうちの第2光源の第2輝度を制御するように構成され、
前記表示パネルの少なくとも一の画素が、前記第1の組及び前記第2の組の両方に属している
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2光源の前記第2輝度を制御することが、前記第2の組の画素の前記輝度値の第2重み付け平均に少なくとも部分的に基づいている、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1重み付け平均が、前記第1光源と前記第1の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して前記第1の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいており、
前記第2重み付け平均が、前記第2光源と前記第2の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して前記第2の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいている
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
更に、前記表示パネルに表示される画像に対応する画像データに第1フィルタを適用して前記第1の組の画素の前記輝度値の前記第1重み付け平均を算出するように構成された画像分析回路部を備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1フィルタが、前記第1光源の光強度分布に少なくとも部分的に基づいている、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記画像分析回路部が、更に、前記画像データに第2フィルタを適用して第2の組の画素の前記輝度値の第2重み付け平均を算出するように構成され、
前記第2フィルタが、第2光源の光強度分布に少なくとも部分的に基づいており、
前記バックライト制御回路部が、更に、前記第2重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光源のうちの第2光源の第2輝度を制御するように構成されている、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
複数の光源を備えるバックライトモジュールによって照明される表示パネルを画像データに少なくとも部分的に基づいて駆動するように構成された駆動回路部と、
前記表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御するように構成されたバックライト制御回路部と、
を備える
表示ドライバ。
【請求項13】
前記第1重み付け平均が、
前記第1の組の画素のうちの第1画素に割り当てられる第1重みと、
前記第1の組の画素のうちの第2画素に割り当てられる第2重みと、
に少なくとも部分的に基づいており、
前記第1画素と前記第1光源との間の距離が、前記第2画素と前記第1光源との間の距離よりも大きく、
前記第1重みが前記第2重みよりも小さい、
請求項12に記載の表示ドライバ。
【請求項14】
前記第1重み付け平均が、前記第1光源と前記第1の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して前記第1の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいている、
請求項12に記載の表示ドライバ。
【請求項15】
前記第1の組の画素に割り当てられる前記重みが、前記第1光源と前記第1の組の画素のうちの対応する画素との間の前記距離の減少と共に増加する
請求項14に記載の表示ドライバ。
【請求項16】
前記バックライト制御回路部が、更に、前記表示パネルの第2の組の画素の輝度値に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光源のうちの第2光源の第2輝度を制御するように構成され、
前記表示パネルの少なくとも一の画素が、前記第1の組及び前記第2の組の両方に属している
請求項12に記載の表示ドライバ。
【請求項17】
前記第2光源の前記第2輝度を制御することが、前記第2の組の画素の前記輝度値の第2重み付け平均に少なくとも部分的に基づいている、
請求項16に記載の表示ドライバ。
【請求項18】
複数の光源を備えるバックライトで表示パネルを照明することと、
前記表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御することと、
を含む
方法。
【請求項19】
前記第1重み付け平均が、前記第1光源と前記第1の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して前記第1の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の組の画素に割り当てられる前記重みが、前記第1光源と前記第1の組の画素のうちの対応する画素との間の前記距離の減少と共に増加する
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、全体として、表示装置のためのバックライト制御に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性液晶ディスプレイ(LCD)パネルのような光透過性ディスプレイパネルを備えた表示装置には、該光透過性ディスプレイパネルを照明するバックライトが組み込まれている。近年のバックライト技術の1つが、直下型バックライトである。直下型バックライトに対応した表示装置は、表示パネルの対応する領域又はエリアを照明するように構成された光源(例えば、発光ダイオード(LED)等)のアレイを備えていることがある。直下型バックライトは、ローカルディミングを容易化し、表示画像に明るい部分又は暗い部分を提供して画質を向上させ得る。
【発明の概要】
【0003】
本概要は、発明を実施するための形態において下記に更に説明する概念の選択を簡潔な形態で紹介するために提供されている。本概要は、請求された主題の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、請求された主題の技術的範囲を限定することも意図していない。
【0004】
全体として、一の態様において、一以上の実施形態が、表示パネルと、バックライトモジュールと、バックライト制御回路部とを備える表示装置に関している。バックライトモジュールは、表示パネルを照明するように構成されている。バックライトモジュールは、複数の光源を備えている。バックライト制御回路部は、表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御するように構成されている。
【0005】
全体として、一の態様において、一以上の実施形態が、駆動回路部とバックライト制御回路部とを備える表示ドライバに関している。駆動回路部は、画像データに少なくとも部分的に基づいて、複数の光源を備えるバックライトモジュールによって照明される表示パネルを駆動するように構成されている。バックライト制御回路部は、表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御するように構成されている。
【0006】
全体として、一の態様において、一以上の実施形態が、バックライトモジュールを制御するための方法に関している。該方法は、複数の光源を備えるバックライトで表示パネルを照明することを含む。該方法は、更に、表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御することを含む。
【0007】
実施形態の他の態様は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上記された特徴が詳細に理解可能なように、上記に簡潔に要約されている本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照してなされることがある。実施形態のうちのいくつかは添付図面に図示されている。しかしながら、添付図面は、例示的な実施形態を図示しているにすぎず、本開示は他の同様に有効な実施形態を認めているのであるから、発明の範囲を限定していると考えるべきでないことに留意すべきである。
【0009】
【
図1】
図1は、画質の劣化を生じさせ得る不所望なバックライト制御の例を図示している。
【
図2】
図2は、画質の劣化を生じさせ得る不所望なバックライト制御の例を図示している。
【0010】
【
図3】
図3は、一以上の実施形態による、表示装置の構成例を図示している。
【0011】
【
図4】
図4は、一以上の実施形態による、
図3に図示された表示装置の例示的な側面図を図示している。
【0012】
【
図5】
図5は、一以上の実施形態による、表示ドライバの構成例を図示している。
【0013】
【
図6】
図6は、一以上の実施形態による、画素に割り当てられる重みの例を図示する3次元グラフである。
【0014】
【
図7】
図7は、一以上の実施形態による、
図6に図示されているライン上に配列された画素に割り当てられる重みの例を図示するグラフである。
【0015】
【
図8A】
図8Aは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を図示している。
【0016】
【
図8B】
図8Bは、一以上の実施形態による、光源の配置例を図示している。
【0017】
【
図9A】
図9Aは、一以上の実施形態による、画素に割り当てられる重みの例を図示する3次元グラフである。
【0018】
【
図9B】
図9Bは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を図示している。
【0019】
【
図9C】
図9Cは、一以上の実施形態による、画素に割り当てられる重みの例を図示する3次元グラフである。
【0020】
【
図9D】
図9Dは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を図示している。
【0021】
【
図10】
図10は、一以上の実施形態による、画素に割り当てられる重みの例を図示する3次元グラフである。
【0022】
【
図11A】
図11Aは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を図示している。
【0023】
【0024】
【
図12】
図12は、一以上の実施形態による、バックライトモジュールの光源を制御するための方法の例を示すフローチャートを図示している。
【0025】
理解を容易にするために、可能であれば、図面に共通の同一の要素を指し示すために同一の参照符号が用いられている。一の実施形態に開示された要素は、特に記載しなくとも他の実施形態に有益に使用され得ることが予期されている。同一の要素を互いに区別するために、参照符号に添字が付されることがある。本明細書で参照する図面は、特に言及がない限り、寸法通りに描かれていると理解されるべきではない。また、提示及び説明の明確性のために、図面は、しばしば、詳細又は構成部品が省略されて簡単化される。図面及び議論は、以下に議論する原理を説明するために役立つものであり、類似の符号は類似の要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
下記の発明を実施するための形態は、本質的に、単に例示的なものであり、開示された技術又は及び開示された技術の適用及び使用法を限定する意図はない。更に、上述の技術分野、背景、又は、下記の発明の詳細な説明において提示されている明示的な又は暗示的な理論によって拘束される意図もない。
【0027】
以下の実施形態の詳細な説明において、開示された技術のより深い理解を提供するために、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、開示された技術がこれらの特定の詳細がなくても実施できることは当業者には明らかであろう。場合によっては、説明が不必要に複雑になるのを避けるために、よく知られている機能については詳細に説明していない。
【0028】
出願全体を通じ、序数(例えば、第1、第2、第3、等)が、要素(即ち、出願中の任意の名詞)の形容詞として使用されることがある。序数の使用は、例えば「前」、「後」、「単一の」及び他の類似の用語の使用によって明記して開示されない限り、如何なる要素の特定の順序付けを暗喩し、又は生成するためのものではなく、如何なる要素も単一の要素のみであると限定するためのものでもない。むしろ、序数の使用は、要素を区別するためのものである。例えば、第1要素は第2要素と別のものであり、第1要素は、1つより多い要素を包含し得るものであるし、要素の順序付けにおいて第2要素の後に続く(又は先行する)こともある。
【0029】
本開示は、表示パネル(例えば、LCDパネルまたは他の光透過性表示パネル)を照明するために複数の光源(例えば、LED)を使用する表示装置のバックライト制御のための装置および方法を提供する。直下型照明の実装では、表示パネルの対応する領域又はエリアを照明するために、光源のアレイが表示パネルの背後に配置されることがある。各光源の輝度は、ローカルディミングを達成するために個別に制御されることがあり、これにより、表示画像のより明るい部分とより暗い部分を提供して、画像のコントラストを高めることができる。
【0030】
しかしながら、光源の輝度の不適切な制御は、表示画像にフリッカ、アーティファクト、又は他の望ましくない影響を引き起こす可能性がある。
図1及び
図2は、画質劣化を引き起こす可能性がある望ましくないバックライト制御の例を示している。
図1に示す例では、表示パネル100が、光源(例えば、LED)でそれぞれに照明される正方形の領域に区分される。
図1では、連続する3つの正方形の領域104、106及び108が、領域104、106及び108の背後に配置された連続する3つの光源114、116及び118によってそれぞれ照明される。各光源は、各光源が配置されている背後の領域だけでなく、近くの領域も部分的に照明するように構成され得ることに留意されたい。光源114、116及び118は、領域104、106及び108内の画素の最大輝度値に基づいて、それぞれ領域104、106及び108を照明するように構成され得る。しかしながら、この手法は、表示画像の輝度においてフリッカ又は不所望な変化を生じさせることがある。
【0031】
図1は、(
図1において白い四角で示す)最低輝度の背景画像において、(
図1において黒丸で示す)最大輝度の物体102が領域106内から領域104内に移動する動画を表示した場合の、表示画像の全体の輝度の変化の例を示している。
図1の一番上の表示パネル及びグラフは時刻t
1におけるものであり、中央の表示パネル及びグラフは時刻t
1に続く時刻t
2におけるものであり、一番下の表示パネル及びグラフは時刻t
2に続く時刻t
3におけるものである。
【0032】
この例では、物体102の全体が領域106内に位置するときには(例えば、時間t1)光源116のみが発光し、物体102の全体が領域104内に位置するとき(例えば、時間t3)には、光源114のみが発光する。物体102が領域104と領域106との間の境界を横切っている間(例えば、時刻t2)、光源114及び116の両方が発光し、したがって、表示画像の全体の輝度が増加することがある。全体の輝度の増加は、ユーザーにはフリッカとして観察される場合がある。
【0033】
図2に戻り、全体の輝度の変化は、光源114及び116の光強度分布に依存し得る。本明細書において言及される場合、光源の光強度分布とは、光源から発せられる光の強度の分布である。
図2に図示されているように、光源114及び116の光強度分布がより広い場合、物体102が領域104と領域106との間の境界を横切る際に、光源114及び116の光強度分布がより狭い場合よりも総輝度の大きな増加を引き起こし得る。
【0034】
従って、フリッカ、アーティファクト又は他の望ましくない影響を軽減するには、バックライト制御が各光源の光強度分布に基づくことが望ましい。以下では、フリッカ、アーティファクト又は他の望ましくない影響を軽減するための改善されたバックライト制御を達成する様々な実施形態を説明する。開示された実施形態には、各光源の光強度分布に基づいてバックライト制御を提供するものがある。
【0035】
図3は、一以上の実施形態による、表示装置1000の構成例を示す。図示された実施形態では、表示装置1000が表示パネル200を備えており、表示パネル200に所望の画像を表示するように構成されている。表示パネル200は、LCDパネル等の光透過型表示パネルであってもよい。
図3において、x軸は表示パネル200の水平方向に定義され、y軸は表示パネル200の垂直方向に定義される。
【0036】
表示装置1000は、表示ドライバ300、バックライトモジュール400及びバックライトドライバ500を更に含む。表示ドライバ300は、表示パネル200を駆動して表示パネル200に所望の画像を表示するように構成されている。バックライトモジュール400は、表示パネル200を照明するように構成されている。バックライトモジュール400は、
図3において仮想線で示されている複数の光源410を含む。
図3は16個の光源410を示しているが、当業者であれば、バックライトモジュール400が16個より多い又は少ない光源410を含む場合があることを理解するであろう。一の実装では、各光源410が、LED又は他の指向性光源を備えることがある。図示の実施形態では、光源410がアレイ又はマトリクス状に配置されている。他の実施形態では、光源410が不規則な又は規則的なパターンで配置されてもよい。
図4に示されるように、光源410は、表示パネル200の背後に配置され、表示パネル200の対応する部分を照明するように構成される。1つの光源410によって照明される表示パネル200の部分が、別の光源410によって照明される表示パネル200の部分と部分的に重なり得ることに留意されたい。
図4は4つの光源410を示しているが、当業者であれば、バックライトモジュール400が4つより多い光源410を含む場合があることを理解するであろう。バックライトモジュール400は、バックライトドライバ500に結合されている。バックライトドライバ500は、表示ドライバ300の制御の下、各光源410が表示ドライバ300によって指定された輝度で発光するように、バックライトモジュール400の光源410を駆動するように構成されている。
【0037】
図5は、一以上の実施形態による、表示ドライバ300の構成例を示す。図示の実施形態では、表示ドライバ300が、画像メモリ302、画像処理回路部304、駆動回路部306、画像分析回路部308、メモリ310、バックライト制御回路部312及びメモリ314を備えている。一の実装では、メモリ310及び/又は314がランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよい。異なる種類のメモリがメモリ310及び/又は314に使用されてもよい。
【0038】
画像メモリ302は、外部ソース(図示されない)から画像データを受信し、受信した画像データを記憶するように構成されている。外部ソースの例としては、アプリケーションプロセッサ、ホスト、中央処理装置(CPU)、又は、画像データを表示ドライバ300に提供するように構成された他のプロセッサが挙げられる。画像データは、表示パネル200に表示されるべき画像に対応している。画像データは、表示パネル200に設けられている各画素の画素データを含んでいる。一の実装では、各画素の画素データが、各原色(例えば、赤(R)、緑(G)、青(B))の階調レベルを含んでいることがある。一の実装では、表示パネル200の各画素が、それぞれ赤色、緑色、青色を表示するように構成されたR、G及びBサブ画素を含んでいる場合があり、各画素の画素データがR、G、Bサブ画素の輝度を指定するR、G及びB階調レベルを含んでいる場合がある。
【0039】
画像処理回路部304は、画像メモリ302から取得された画像データに画像処理を適用して、処理済み画像データを生成するように構成されている。画像処理回路部304によって実行される画像処理には、色調整、デムラ補正、デバーン補正、画像スケーリング、ガンマ変換、又は他の画像処理が含まれ得る。
【0040】
駆動回路部306は、画像処理回路部304から処理後画像データを受け取り、処理後画像データに少なくとも部分的に基づいて表示パネル200に設けされた各画素を駆動するように構成されている。一の実装では、表示パネル200の各画素がR、G及びBサブ画素を含み、処理後画像データが各画素のR、G及びBサブ画素の輝度レベルを指定してもよい。駆動回路部306は、処理後画像データに少なくとも部分的に基づいて各画素のR、G及びBサブ画素をプログラムして、処理後画像データによって指定されるようにR、G及びBサブ画素の輝度レベルを制御するように構成されてもよい。
【0041】
画像分析回路部308及びバックライト制御回路部312は、共同で、画像データに少なくとも部分的に基づいてバックライト制御信号を生成してバックライトドライバ500に提供し、バックライトモジュール400の各光源410(
図3及び
図4に図示されている)の輝度を制御するように構成されている。1以上の実施形態では、画像分析回路部308が、画像データに基づいて各光源410について重み付け平均画像レベル(APL)を算出するように構成され、バックライト制御回路部312は、各光源410について算出された重み付けAPLに少なくとも部分的に基づいて各光源410の輝度を制御するように構成されている。以下では、各光源410についての重み付けAPLの算出と、重み付けAPLに基づく各光源410の輝度制御について詳細に説明する。
【0042】
一以上の実施形態では、ある光源410についての重み付けAPLは、該光源410について表示パネル200の画素から選択される一組の画素の輝度値の重み付け平均として定義される。対象の光源410について重み付けAPLを算出するために選択される一組の画素は、表示パネル200の画素の全てではないが該光源410の近くに位置する一部の画素を含んでいることがある。該一組の画素の選択は、光源410に依存する場合がある。一の実装では、第1の組の画素が、光源410のうちの第1の光源についての重み付けAPLの算出のために選択されることがあり、第2の組の画素が、光源410のうちの第2の光源についての重み付けAPLの算出のために選択されることがある。光源410のうちの第1の光源に対する重み付けAPLは、第1の組の画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出されることがあり、光源410のうちの第2の光源に対する重み付けAPLは、第2の組の画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出されることがある。一以上の画素が、第1の組の画素及び第2の組の画素の両方に属することがあり得ることに留意されたい。これは、例えば、光源410のうちの第1の光源が光源410のうちの第2の光源に隣接または近接して配置されている場合に生じ得る。2つの光源410についての重み付けAPLの算出のために、隣接する2つの光源410の間に位置する一又は複数の画素の輝度値を共通に使用することにより、表示パネル200に表示される動画において物体が2つの光源410の間を移動する際における2つの光源410の輝度の急激な変化を抑制し得る。
【0043】
画像分析回路部308は、画像データに含まれる各画素の画素データに基づいて、各画素の輝度値を決定または算出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、各画素の画素データがR、G及びB階調レベルを含んでいることがあり、画像分析回路部308がR、G及びB階調レベルに基づいて各画素の輝度値を決定するように構成されることがある。一の実装では、画像分析回路部308が、各画素の輝度値をHSV色空間で定義された「明度」(value)として決定するように構成されてもよい。ここで、「HSV」は、「色相」、「彩度」、および「明度」を表す。この場合、画像分析回路部308は、各画素の輝度値を、各画素のR、G及びB階調レベルの最大の値として決定するように構成されてもよい。あるいは、画像分析回路部308が、異なる方法で各画素の輝度値を決定するように構成されてもよい。例えば、各画素の輝度値の決定は、1つの輝度成分Yと2つの色差成分U(青色投影)及びV(赤色投影)を定義するYUV色空間に基づいていてもよい。このような実施形態では、画像分析回路部308が、各画素のR、G及びB階調レベルに基づいて、YUV色空間で定義される輝度Yとして各画素の輝度値を算出するように構成されてもよい。
【0044】
画像分析回路部308は、各光源410について選択される画素の組に割り当てられる重みに基づいて、各光源410について重み付けAPLを算出するように構成されている。一の実装では、光源#i(すなわち、対象の光源410)について算出される重み付けAPLは、以下の式(1)に従って算出され得る。
【数1】
ここで、Q
iは光源#iについて算出された重み付けAPLであり、Σは光源#iに対して選択される一組の画素についての和を示し、V
kは光源#iについて選択される一組の画素のうちの画素kの輝度値であり、w
kは画素kに割り当てられる重みである。上で説明したように、いくつかの実装では、HSV色空間で定義された画素kの明度を式(1)のV
kとして使用してもよい。各光源410について選択される各画素に割り当てられる重みが、事前に定義されていてもよく、画像分析回路部308が、各光源410について選択される画素に割り当てられた、事前に定義された重みを格納するように構成されてもよい。
【0045】
様々な実施形態において、各光源410について選択される一組の画素に割り当てられる重みは、各光源410と該一組の画素のうちの対応する画素との間の各距離に依存していてもよい。一以上の実施形態では、各光源410について選択される一組の画素に割り当てられる重みが、各光源410と該一組の画素の対応する画素との間の各距離の減少と共に増加してもよい。いくつかの実施形態では、対象となる光源410について選択される一組の画素の第1画素に第1重みが割り当てられ、該一組の画素の第2画素に第2重みが割り当てられる。ここで、第1画素と対象の光源410のとの間の距離は、第2画素と対象の光源410との間の距離よりも大きい。このような実施形態では、第1画素に割り当てられる第1重みが、第2画素に割り当てられる第2重みよりも小さい。
【0046】
更に、各光源410について一組の画素に割り当てられる重みは、各光源410の光強度分布に基づいて定義され得る。いくつかの実施形態では、対象の光源410について選択される画素に割り当てられる重みが、各画素の位置における、対象の光源410から発せられる光の各光束密度に基づいていてもよい。一の実装では、対象の光源410について選択される各画素に割り当てられる重みが、各画素の位置における光束密度の増加とともに増加する。
【0047】
いくつかの実施形態では、画像分析回路部308が、各光源410について定義された光強度分布フィルタ320を備えていてもよい。ある光源410について定義された光強度分布フィルタ320は、該光源410について画像データから重み付けAPLを算出するために使用されるフィルタである。ある光源410について定義される光強度分布フィルタ320は、表示パネル200の各画素に対して定義されたフィルタ係数を含んでもいてもよい。ある光源410について定義される光強度分布フィルタ320のフィルタ係数は、該光源410の光強度分布に基づいて決定されてもよい。画像分析回路部308は、光源410についての重み付けAPLを、対応する光強度分布フィルタ320を画像データに適用することによって算出するように構成されてもよい。一の実装では、対応する光源410についての重み付けAPLの算出のために選択される一組の画素に対する光強度分布フィルタ320のフィルタ係数が、該一組の画素に割り当てられる重みであってもよく、その一方で、他の画素についての光強度分布フィルタ320のフィルタ係数が、ゼロであってもよい。いくつかの実施形態では、光強度分布フィルタ320のフィルタ係数がメモリ310に記憶されてもよく、画像分析回路部308が光強度分布フィルタ320のフィルタ係数をメモリ310から取得するように構成されてもよい。メモリ310は、各光源410について重み付けAPLを算出するためのワークメモリとしても使用され得る。
【0048】
このようにして各光源410について算出された重み付けAPLは、バックライト制御回路部312に提供される。いくつかの実施形態では、算出された重み付けAPLが、画像処理回路部304に更に提供されてもよい。画像処理回路部304は、重み付けAPLに基づいて画像処理(例えば、ガンマ変換)を適用するように構成されてもよい。
【0049】
バックライト制御回路部312は、画像分析回路部308から受け取った重み付けAPLに少なくとも部分的に基づいて、各光源410の輝度を制御するように構成されている。より具体的には、バックライト制御回路部312は、各光源410について算出された重み付けAPLに基づいて、それぞれの光源410の輝度を指定又は決定するように構成される。バックライト制御回路部312は、各光源410の指定又は決定された輝度をメモリ314に格納するように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、バックライト制御回路部312が、各光源410について算出された対応する重み付けAPLの増加と共に各光源410について指定される輝度が増加するように、各光源410についての輝度を指定するように構成される。バックライト制御回路部312は、更に、バックライト制御信号を使用して各光源410の指定された輝度をバックライトドライバ500に通知するように構成されている。バックライトドライバ500は、バックライト制御回路部312によって指定された輝度で各光源410を駆動するように構成されている。理解を容易にするために、以下では、各光源410の輝度を0%から100%までの百分率で測定することがある。実際の実装では、異なる定義の値を使用して各光源410の輝度を指定し得ることに留意されたい。
【0050】
図6は、一以上の実施形態による、座標(x
i,y
i)に位置する光源#i(例えば、
図3及び
図4に示される光源410のうちの1つ)についての重み付けAPLの算出のために選択される画素に割り当てられる重みの例を示す3次元グラフである。
図3に図示されているように、x軸が表示パネル200の水平方向に定義され、y軸が表示パネル200の垂直方向に定義されていることに留意されたい。光源#iについての重みは、
図5に図示されている、対応する光強度分布フィルタ320に記述されてもよい。
【0051】
図6に示される実施形態では、光源#iについての重み付けAPLは、x座標がx
i-Δxとx
i+Δxの間であり、y座標がy
i-Δyとy
i+Δyの間である領域#iに位置する画素の輝度値の重み付け平均である。領域#iに位置する画素には非ゼロの重みが割り当てられる一方で、他の画素(即ち、領域#iの外に位置する画素)に割り当てられる重みはゼロである。いくつかの実施形態では、ΔxがΔyに等しく、領域#iが正方形である。他の実施形態では、ΔxとΔyとが互いに異なっていてもよい。図示の実施形態では、(x
i,y
i)に位置する画素に割り当てられる重みはw
iであり、w
iは、典型的には1.0である。一以上の実施形態では、領域#i内の画素に割り当てられる非ゼロの重みが、画素と座標(x
i,y
i)との間の各距離、すなわち、画素と光源#iとの間の各距離が減少すると共に増加する。図示の実施形態では、領域#i内の画素に割り当てられる重みは、座標(x
i,y
i,w
i)を頂点とする四角錐の側面の座標として定義され得る。
【0052】
図7は、一以上の実施形態による、
図6に示す線602上に配列された画素に割り当てられる重みの例を示すグラフである。ここで、線602は、
図6に示すように、x軸方向(表示パネル200の水平方向に対応する)に延び、表示パネル200上の光源#iの位置の投影604を通過する。ライン602上の全ての画素のy座標がy
iであることに留意されたい。トレンドライン606は、ライン602上に配列された画素に割り当てられる重みを示している。線602上に配列された画素に割り当てられる重みは、光源#iのx座標であるx座標x
iに向かって増加する。したがって、直線602上に配列された各画素に割り当てられる重みは、光源#iと各画素との距離の減少と共に増加する。
図7では、ライン602上に配列された画素に割り当てられる重みがx座標x
i(即ち、光源#iの位置)に向かって線形的に増加していることを示しているが、重みがx座標x
iに向かって非線形的に増加してもよい。
【0053】
図8Aは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を図示している。図示の輝度制御の例は、
図8Aの左列に示すように、(
図8Aでは黒丸で示す)最大輝度の物体800が、最低輝度の背景画像(
図8Aでは白で示す)において、表示パネル(例えば、
図3及び
図4に示される表示パネル200)の正方形の領域802、804及び806を横切る直線軌道800aに沿って移動する動画が表示される場合についてである。
図8Aの一番上の表示パネル及びグラフは時刻t
11におけるものであり、上から2番目の表示パネル及びグラフは時刻t
11の後の時刻t
12におけるものであり、下から2番目の表示パネル及びグラフは時刻t
12の後の時刻t
13におけるものであり、一番下の表示パネル及びグラフは時刻t
13の後の時刻t
14におけるものである。
【0054】
図8Bは、一以上の実施形態による、
図8Aに図示されている領域802、804及び806に対する光源812、814及び816(これらは、
図3及び
図4に図示される光源410の一実施形態であり得る)の配置の例を示す。図示された実施形態では、光源812、814及び816が、表示パネル上への光源812、814及び816の投影が、領域802、804及び806の中心に位置するように、表示パネルの領域802、804、および806の背後に配置される。光源812は、領域802及び領域802の周囲のエリアを照明するように構成され、光源814は、領域804及び領域804の周囲のエリアを照明するように構成され、光源816は、領域806及び領域 806の周囲のエリアを照明するように構成されている。物体800の軌道800aは、表示パネル上への光源812、814及び816の投影を通過するように決定されている。
【0055】
図8Aに戻り、
図8Aの中央の列は、一以上の実施形態による、光源814及び816についての重み付けAPLの算出のために軌道800aに沿って配列された画素に割り当てられる重みの例を図示している。光源814及び816についての重み付けAPLの算出に使用される重みは、それぞれ光源814及び816のための光強度分布フィルタの形式で格納されてもよい。
【0056】
トレンドライン824は、光源814についての重み付けAPLの算出のために、軌道800aに沿って配列された画素に割り当てられた重みを示している。図示の実施形態では、光源814の重み付けAPLを算出するために軌道800aに沿って配列された画素に割り当てられる重みが光源814に向かって増加し、光源814に最も近い画素に割り当てられる重みが最大の重み1.0となる。光源814についての重み付けAPLは、軌道800aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源814の輝度は、光源814について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0057】
同様に、トレンドライン826は、光源816についての重み付けAPLの算出のために、軌道800aに沿って配列された画素に割り当てられる重みを示している。光源816の重み付けAPLの算出のために軌道800aに沿って配列された画素に割り当てられる重みは光源816に向かって増加し、光源816に最も近い画素に割り当てられる重みは最大の重み1.0となる。光源816についての重み付けAPLは、軌道800aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源816の輝度は、光源816について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0058】
一実施形態において、それぞれの画素に割り当てられる重みが、総輝度の変化によって潜在的に引き起こされる表示画像のフリッカを低減するように決定されている。図示の実施形態では、光源814及び816についての重み付けAPLの算出のために各画素に割り当てられた重みの合計が、軌道800aに沿って配列された画素に渡って一定に保たれる。軌道800aに沿って配列されたピクセルには、光源814及び816についての重み付けAPLの算出に使用される画素が含まれることに留意されたい。図示の実施形態では、各画素に割り当てられる重みの合計が、1.0に一定に保たれる。
【0059】
例えば、中央の列の一番上のグラフに示すように、領域806内の位置800bの画素(
図8Aにおいて星印で示す)は、光源814についての重み付けAPLの算出では0.2の重みが割り当てられ、一方、光源816についての重み付けAPLの算出では0.8の重みが割り当てられる。更に、上から2番目のグラフに示すように、領域804と領域806の境界の位置800cの画素は、光源814及び816についての重み付けAPLの算出の両方で、0.5の重みが割り当てられる。更に、下から2番目のグラフに示すように、領域804内の位置800dの画素は、光源814についての重み付けAPLの算出では0.66の重みが割り当てられ、光源816についての重み付けAPLの算出では0.34の重みが割り当てられる。最後に、一番下のグラフに示すように、領域804内の光源814に最も近い位置800eの画素は、光源814についての重み付けAPLの算出では1.0の重みが割り当てられ、一方、光源816ついての重み付けAPLの算出では0の重みが割り当てられる。
【0060】
図示されているような各画素への重みの割り当てによれば、全体の輝度の変化が効果的に抑えられ、フリッカーの発生が緩和又は排除される。図示の例では、
図8Aの右列の一番上の図に示すように、時刻t
21において物体800が位置800bに位置すると、光源814が輝度20%で発光し、光源816が輝度80%で発光する。上から2番目の図に示すように、時刻t
22において物体800が位置800cに位置すると、光源814及び816の両方が輝度50%で発光する。下から2番目の図に示すように、時刻t
23において物体800が位置800dに位置すると、光源814が輝度66%で発光し、光源816が輝度34%で発光する。一番下の図に示すように、時刻t
24において物体800が位置800eに位置すると、光源814が輝度100%で発光し、光源816が輝度0%で発光する。このように、光源814、816の合計輝度は、100%に一定に保たれる。
【0061】
図9Aは、一以上の実施形態による、座標(x
i,y
i)に位置する光源#i(例えば、
図3及び
図4に示す光源410のうちの1つ)についての重み付けAPLの算出のために選択される画素への重みの割り当ての別の例を示す三次元グラフである。ある光源についての重み付けAPLの算出のために画素に割り当てられる重みは、該光源の光強度分布に基づいてもよい。
図9Aは、
図6の場合と比較して、光源#iの光強度分布が広くなっている場合を示している。
図9Aに示す例では、画素に割り当てられた重みが、0.0から0.6まで第1の勾配で増加し、0.6から1.0まで第1の勾配よりも小さい第2の勾配で増加する。
図9Bの上図に示すように、最大輝度値の物体が隣接する2つの光源の中間に位置する場合、2つの光源は60%の輝度で発光する場合がある。
【0062】
図9Cは、一以上の実施形態による、座標(x
i,y
i)に位置する光源#i(例えば、
図3及び
図4に示す光源410のうちの1つ)についての重み付けAPLの算出のために選択される画素への重みの割り当ての更に別の例を示す三次元グラフである。
図9Cは、
図9Aの場合と比較して、光源#iの光強度分布が広くなっている場合を示している。
図9Cに示す例では、画素に割り当てられる重みは、0.0から0.8まで第1の勾配で増加し、0.8から1.0まで第1の勾配よりも小さい第2の勾配で増加する。
図9Dの上図に示すように、隣接する2つの光源の中間に最大輝度値の物体が位置する場合、2つの光源は80%の輝度で発光することがある。
【0063】
図10は、一以上の実施形態による、座標(x
j,y
j)に位置する光源#j(例えば、
図3及び
図4に示す光源410のうちの1つ)についての重み付けAPLの算出のために選択される画素に割り当てられる重みのさらに別の例を示す三次元グラフである。
図10は、
図9Cの場合と比較して、光源#jの光強度分布が広い場合を示している。光源#jのための重みは、
図5に図示されている、対応する光強度分布フィルタ320に記述されることがある。
【0064】
図10に示す実施形態では、光源#jについての重み付けAPLが、x座標がx
j-Δxbとx
j+Δxbとの間であり、y座標がy
j-Δybとy
j+Δybとの間の領域である領域#jに位置する画素の輝度値の重み付け平均である。領域#j内に位置する画素には非零の重みが割り当てられ、それ以外の画素(即ち、領域#jの外に位置する画素)に割り当てられる重みは0である。図示の実施形態では、x座標がx
j-Δxaとx
j+Δxaとの間であり、y座標がy
j-Δyaとy
j+Δyaとの間である画素に割り当てられる重みがw
j、典型的には1.0である。ここで、Δxa<Δxb、Δya<Δybである。一以上の実施形態において、x座標がx
j-Δxaとx
j+Δxaとの間であり、y座標がy
j-Δyaとy
j+Δyaとの間である領域の外である領域#jの画素に割り当てられる重みは、画素と座標(xj,yj)との間の各距離、すなわち、画素と光源#jとの間の各距離が減少するにつれて増加する。図示の実施形態では、領域#j内の画素に割り当てられた重みが、四角錐台の頂面及び4つの側面の座標として定義され得る。
【0065】
図11Aは、一以上の実施形態による、光源の輝度制御の例を示す。図示の輝度制御の例は、
図11Aの左欄に示すように、表示パネル(例えば、
図3及び
図4に示す表示パネル200)の正方形の領域832、834、836、838を横切る直線状の軌道830aに沿って、最大輝度の物体830(
図11Aでは黒色の実線の円で示す)が最低輝度の背景画像(
図11Aでは白色で示す)中を移動する動画が表示される場合のものである。
図11Aの一番上の表示パネルとグラフは時刻t
21におけるものであり、上から2番目の表示パネルとグラフは時刻t
21の後の時刻t
22におけるものであり、下から2番目の表示パネルとグラフは時刻t
22の後の時刻t
23におけるものであり、一番下の表示パネルとグラフは時刻t
23の後の時刻t
24におけるものである。
【0066】
図11Bは、一以上の実施形態による、
図11Aに示される領域832、834、836及び838に関する光源842、844、846及び848(これは、
図3及び
図4に示される光源410の一実施形態である場合がある)の配置の例を図示している。図示の実施形態では、光源842、844、846及び848が、光源842、844、846及び848の表示パネルへの投影がそれぞれ領域832、834、836及び838の中心に位置するように、表示パネルの領域832、834、836及び838の背後に配置される。光源842は、領域832と領域832の周辺のエリアを照明するように構成され、光源844は、領域834と領域834の周辺のエリアを照明するように構成され、光源846は、領域836と領域836の周辺のエリアを照明するように構成され、光源848は、領域838と領域838の周辺のエリアを照明するように構成される。物体830の軌道830aは、表示パネル上の光源842、844、846及び848の投影を通過するように決定されている。
【0067】
図11Aに戻ると、
図11Aの中央の列は、一以上の実施形態による、光源842、844、846及び848についての重み付けAPLの算出のために、軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みの例を示す。光源842、844、846及び848についての重み付けAPLの算出に使用される重みは、それぞれ、光源842、844、846及び848のための光強度分布フィルタの形態で格納され得る。
【0068】
図11Aにおいて、トレンドライン852は、光源842についての重み付けAPLの算出のために、軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みを示す。図示された実施形態では、光源842の重み付けAPLの算出のために領域832において軌道830aに沿って位置する画素に割り当てられる重みが最大重みの1.0であり、領域834において軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みが領域832に向かって増加する。光源842についての重み付けAPLは、軌道830aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源842の輝度は、光源842について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0069】
トレンドライン854は、光源844についての重み付けAPLの算出のために軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みを示す。図示の実施形態では、光源844の重み付けAPLの算出のために領域834において軌道830aに沿って位置する画素に割り当てられる重みが最大重みの1.0であり、軌道830aに沿って領域832及び836に配列された画素に割り当てられる重みが領域834に向かって増加する。光源844についての重み付けAPLは、軌道830aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源844の輝度は、光源844について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0070】
トレンドライン856は、光源846についての重み付けAPLの算出のために軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みを示す。図示された実施形態では、光源846の重み付けAPLの算出のために領域836において軌道830aに沿って位置する画素に割り当てられる重みが最大重みの1.0であり、軌道830aに沿って領域834及び838に配列された画素に割り当てられる重みが領域836に向かって増加する。光源846の重み付けAPLは、軌道830aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源846の輝度は、光源846について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0071】
トレンドライン858は、光源848についての重み付けAPLの算出のために、軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みを示す。図示の実施形態では、光源848の重み付けAPLの算出のために領域838において軌道830aに沿って位置する画素に割り当てられる重みが最大重みの1.0であり、領域836において軌道830aに沿って配列された画素に割り当てられる重みが領域838に向かって増加する。光源848についての重み付けAPLは、軌道830aに沿って配列された画素の輝度値の重み付け平均に基づいて算出され、光源848の輝度は、光源848について算出された重み付けAPLに基づいて制御される。
【0072】
一実施形態では、それぞれの画素に割り当てられる重みが、総輝度の変化によって潜在的に引き起こされる表示画像のフリッカを低減するように決定されている。図示の実施形態では、光源842、844、846及び848についての重み付けAPLの算出のために各画素に割り当てられる重みの合計は、軌道830aに沿って配列された画素に渡って一定に保たれる。図示の実施形態では、各画素に割り当てられた重みの合計は2.0に一定に保たれている。例えば、中央の列の一番上のグラフに示すように、領域836の右側部分の位置830bにある画素には、光源846についての重み付けAPLの算出のために1.0の重みが割り当てられ、光源844についての重み付けAPLの算出のために0.2の重みが割り当てられ、光源848についての重み付けAPLの算出のために0.8の重みが割り当てられている。上から2番目のグラフに示すように、領域836において光源846に最も近い位置830cにある画素には、光源846についての重み付けAPLの算出のために1.0の重みが割り当てられ、光源844及び848についての重み付けAPLの算出のために0.5の重みが割り当てられている。さらに、下から2番目のグラフに示すように、領域834と領域836の境界の位置830dにある画素は、光源844と846の重み付けAPLの算出の両方のために1.0の重みが割り当てられている。最後に、最も下のグラフに示すように、領域834内の光源844に最も近い位置830eにある画素には、光源844についての重み付けAPLの算出のために1.0の重みが割り当てられ、光源842及び846についての重み付けAPLの算出のために0.5の重みが割り当てられる。
【0073】
図示されている各画素への重みの割り当てによれば、全体の輝度の変化が効果的に抑えられ、フリッカーの発生が緩和または排除される。図示の例では、
図11Aの右列の一番上の図に示すように、時刻t
21において物体830が位置830bに位置するとき、光源844が輝度20%で発光し、光源846が輝度100%で発光し、光源848が輝度80%で発光する。上から2番目の図に示すように、物体830が時刻t
22において位置830cに位置するとき、光源844が輝度50%で発光し、光源846が輝度100%で発光し、光源848が輝度50%で発光する。下から2番目の図に示すように、時刻t
23において物体830が位置830dに位置するとき、光源844及び846が輝度100%で発光する。一番下の図に示すように、時刻t
24において物体830が位置830eに位置するとき、光源842が輝度50%で発光し、光源844が輝度100%で発光し、光源846が輝度50%で発光する。このように、光源842、844、846及び848の総輝度は200%に一定に保たれる。
【0074】
光源842、844、846及び848の総輝度が、各画素に割り当てられた重みの合計で制御されることがある。
図11Aに示す実施形態では、各画素に割り当てられる重みの合計が2.0まで増加され、各画素に割り当てられる重みの合計が1.0である
図8Aに示す実施形態と比較して総輝度を増加させることができる。
【0075】
図12は、一以上の実施形態による、バックライトモジュールの光源を制御するための例示的な方法1200を示すフローチャートを図示している。フローチャートにおいて様々なステップが順次に示され、説明されているが、当業者であれば、ステップの一部または全部が異なる順序で実行されてもよく、組み合わされてもよく、省略されてもよく、ステップの一部または全部が並行して実行されてもよいことを理解するであろう。追加のステップを更に実行してもよい。従って、本開示の範囲は、
図12に示されたステップの特定の配置に限定されるものと考えられるべきではない。
【0076】
該方法は、ステップ1202において、複数の光源(例えば、
図3及び
図4に示す光源410)を備えるバックライトモジュール(例えば、
図3及び
図4に示すバックライトモジュール400)で表示パネル(例えば、
図3及び
図4に示す表示パネル200)を照明することを含む。光源の例としては、LEDや他の指向性光源が挙げられる。
【0077】
該方法は、ステップ1204において、表示パネルの第1の組の画素の輝度値の第1重み付け平均に少なくとも部分的に基づいて、複数の光源のうちの第1光源の第1輝度を制御することを更に含む。第1重み付け平均は、第1光源と第1の組の画素の対応する画素との間の各距離に依存して第1の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づいていてもよい。一の実装では、第1の組の画素に割り当てられる重みが、(例えば、
図6、
図9Aおよび
図9Cに示すように)第1光源と第1の組の画素の対応する画素との間の各距離の減少と共に増加することがある。
【0078】
該方法は、ステップ1206において、表示パネルの第2の組の画素の輝度値に少なくとも部分的に基づいて、複数の光源のうちの第2光源の第2輝度を制御することを更に含む。一以上の実施形態において、表示パネルの少なくとも1つの画素が、第1の組と第2の組の両方に属している。第2光源の第2輝度の制御は、第2の組の画素の輝度値の第2重み付け平均に少なくとも部分的に基づいてもよい。第2重み付け平均は、第2光源と第2の組の画素の対応する画素との間の各距離に応じて第2の組の画素にそれぞれに割り当てられる重みに少なくとも部分的に基づく。
【0079】
多くの実施形態を説明してきたが、本開示の利益を有する当業者であれば、技術的範囲を逸脱しない他の実施形態が考案され得ることを理解するであろう。従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【外国語明細書】