(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019056
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20240201BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20240201BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/64
H01R13/629
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119769
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】10 2022 118 880.9
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ コスマルスキー
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン ファイール
(72)【発明者】
【氏名】フローリン ズパタル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エッケル
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC36
5E021FC38
5E021HB02
5E021HB04
5E021HB11
5E021KA06
5E021KA09
5E021KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気プラグコネクタと相手側プラグコネクタとのコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】電気プラグコネクタ100は、コネクタハウジング101と、相手側プラグコネクタ200へのコネクタハウジング101の組立接続を固定するためのハウジングインタロック要素109とを含み、ハウジングインタロック要素109は、コネクタハウジング101に対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、相手側プラグコネクタ200は、ハウジングインタロック要素109のための受入要素211を含む、コネクタアセンブリに関する。ハウジングインタロック要素109は、ハウジングロック要素109が最終ラッチ位置にあるときのみ、2つの電気コンタクト219a、219bの接触が生じるように構成され配置されているスイッチング要素131を有する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグコネクタ(100)と相手側プラグコネクタ(200)とのコネクタアセンブリ(1)であって、
前記電気プラグコネクタ(100)は、コネクタハウジング(101)と、前記相手側プラグコネクタ(200)への前記コネクタハウジング(101)の組立接続を固定するためのハウジングインタロック要素(109)とを含み、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)に対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、
前記相手側プラグコネクタ(200)は、前記ハウジングインタロック要素(109)のための受入要素(211)を含む、コネクタアセンブリ(1)において、
前記受入要素(211)は、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクト(219a、219b)を含み、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記ハウジングロック要素(109)が前記最終ラッチ位置にあるときのみ、前記2つの電気コンタクト(219a、219b)の接触が生じるように構成され配置されているスイッチング要素(131)を有する
ことを特徴とする、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記受入要素(211)はスイッチを含み、前記スイッチング要素(131)は、前記最終ラッチ位置に移動したときに、前記スイッチを閉じて、前記2つの電気コンタクト(219a、219b)を短絡させるように構成されている、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記スイッチング要素(131)は、前記最終ラッチ位置で前記2つの電気コンタクト(219a、219b)を接触させる導電性要素(131)を含む、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記最終ラッチ位置で、前記相手側プラグコネクタ(200)に対する前記プラグコネクタ(100)の相対移動がブロックされるように、前記ハウジングインタロック要素(109)が、前記受入要素(211)にポジティブに受け入れられ、前記ハウジングインタロック要素(109)の前記ラッチ前位置で、ブロックが解除される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記プラグコネクタ(100)を前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込むことのできる差込方向(x)に沿って構成されているピン状体(107)を有し、前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記差込方向(x)を向く前記ピン状体(107)の第1の端部で前記差込方向(x)に対して横方向に突出する少なくとも1つの突起(135a、135b)を有し、特に、前記スイッチング要素(131)は突起を形成し、前記最終ラッチ位置で、前記差込方向(x)に対して横方向に配置された前記受入要素(211)の凹部(229)に前記突起を受け入れて、前記差込方向(x)に逆らうポジティブロックを行うことができる、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記受入要素(211)および/または前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記ハウジングインタロック要素(109)が前記ラッチ前位置にあるときのみ、前記プラグコネクタ(100)と前記相手側プラグコネクタ(200)との嵌合が可能になるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
請求項3と組み合わせた場合の請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリの電気プラグコネクタであって、
前記プラグコネクタ(100)は、コネクタハウジング(101)と、相手側プラグコネクタ(200)への前記コネクタハウジング(101)の組立接続を固定するためのハウジングロック要素(109)とを備え、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)に対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、前記ハウジングインタロック要素(109)は導電性要素(131)を含む、電気プラグコネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)の差込方向(x)に沿って構成されているピン状体(107)をさらに含み、前記差込方向(x)は、前記プラグコネクタ(100)が前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込まれるように構成されている方向である、請求項7に記載のプラグコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)において、前記差込方向(x)に平行に延びて前記ピン状体(107)を通る回転軸(D1)を中心に、第1の回転位置から第2の回転位置へ回転可能であり、前記第1の回転位置は前記ラッチ前位置に対応し、前記第2の回転位置は前記最終ラッチ位置に対応する、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項10】
前記導電性要素(131)は、前記ハウジングインタロック要素(109)を通って、前記差込方向(x)に対して横方向に延びる金属ピン(133)を含む、請求項8または9に記載のプラグコネクタ。
【請求項11】
前記導電性要素(131)の少なくとも1つの端部(135a、135b)は、前記ピン状体(107)に関して、前記差込方向(x)に対して横方向に突出する突起(135a、135b)を形成する、請求項8から10のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項12】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記第1の回転位置と前記第2の回転位置との間で前記ハウジングインタロック要素(109)を手動で移動させるための作動要素(111)をさらに含み、特に、前記作動要素(111)は、第1の端部とは反対の第2の端部で前記ピン状体(107)に接続され、前記差込方向(x)とは反対を向く前記コネクタハウジング(101)の外面(113)に配置されている、請求項8から11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記コネクタハウジング(101)は、第1のレバー位置から第2のレバー位置への旋回により組立接続がおこなわれるように構成されているレバー(105)をさらに含む、請求項8から12のいずれか一項に記載のプラグコネクタ。
【請求項14】
前記第1のレバー位置から前記第2のレバー位置への前記レバー(105)の旋回が、前記作動要素(111)が前記第1の回転位置に配置されているときのみ可能であるように、前記作動要素(111)が配置されている、請求項12と組み合わせた場合の請求項13に記載のプラグコネクタ。
【請求項15】
前記作動要素(111)は、前記第2の回転位置で、ポジティブロックにより、前記第2のレバー位置から前記第1のレバー位置への前記レバー(105)の前記旋回をブロックする、請求項12と組み合わせた場合の請求項13または請求項14に記載のプラグコネクタ。
【請求項16】
前記レバー(105)は弾性固定要素(227)を含み、前記弾性固定要素(227)は、前記第2のレバー位置で、前記第2の回転位置のポジティブロックにより、前記ハウジングインタロック要素(109)の前記作動要素(111)を解除可能にロックする、請求項12と組み合わせた場合の請求項13または請求項14もしくは15に記載のプラグコネクタ。
【請求項17】
請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリの相手側プラグコネクタであって、前記相手側プラグコネクタ(200)は、ハウジングインタロック要素(109)のための受入要素(211)を備え、前記受入要素(211)は、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクト(219a、219b)を含む、相手側プラグコネクタ。
【請求項18】
前記受入要素(211)は、前記ハウジングインタロック要素(109)をポジティブに受け入れるために少なくとも部分的に管状であるように差込方向(x)に沿って構成され、前記差込方向(x)は、プラグコネクタ(100)を前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込むことのできる方向である、請求項17に記載の相手側プラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気プラグコネクタと相手側プラグコネクタとを備えるコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラグコネクタと相手側プラグコネクタとから構成される、送電用のコネクタアセンブリが知られており、このコネクタアセンブリでは、コネクタ位置保証(CPA)とも称するハウジングインタロック要素が、プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの接続を保護する。これにより、意図しない切離しを防ぐ。自動車の用途において、例えば、コネクタアセンブリは、高い振動荷重を受けることがあり、ハウジングインタロック要素は、必要な接続信頼性の実現を助けるようになっている。
【0003】
特に、ハウジングインタロック要素を電気プラグコネクタに、組立接続が保護されないラッチ前位置と、組立接続が保護される最終ラッチ位置との間で、可動に配置することが知られている。電気プラグコネクタが供給されることが好ましいラッチ前位置で、ハウジングインタロック要素は、通常、追加のポジティブロックにより、誤った組立接続をブロックする。最終ラッチ位置で、ハウジングインタロック要素は、通常、コネクタアセンブリの意図しない切離しを防ぐ。
【0004】
さらに、特に高電圧用途、例えば、60V超のDC電圧における自動車用途では、インタロックループまたは高電圧インタロックシステム(HVIL)とも称するインタロック回路によって送電を保護することが知られている。インタロック回路は、立ち上がり信号コンタクトによって、電気プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの電気的結合を知らせることができ、相手側プラグコネクタ側の関連するスイッチングシステムのリレーが送電を開始するようになっている。
【0005】
例えば、送電コンタクトに加えて、比較的短い信号コンタクトが、このためにプラグコネクタに配置される。この短い信号コンタクトは、コネクタアセンブリが停止するまで接合されたときのみ、インタロック回路を閉じる。
【0006】
しかしながら、既知の解決策では、コネクタアセンブリがまだ十分にインタロックされず保護されていない場合でも、インタロック回路が既に閉じられ、送電が可能になる。この場合、電気アークが、時期尚早に、または十分に接続されていないコネクタアセンブリにおいて誤って、インタロック回路をオンにするようにスイッチングシステムに知らせるおそれがあるという危険がある。これは、事故または装備品の可用性の低下につながることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、改良された保護コネクタアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、請求項1に記載の、電気プラグコネクタと相手側プラグコネクタとを備えるコネクタアセンブリによって課題が解決される。この文脈では、電気プラグコネクタは、コネクタハウジングと、相手側プラグコネクタへのコネクタハウジングの組立接続を保護するためのハウジングインタロック要素とを有し、ハウジングインタロック要素を、コネクタハウジングに対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で移動させることができ、相手側プラグコネクタは、ハウジングインタロック要素のための受入要素を有する。コネクタアセンブリは、受入要素が、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクトを有し、ハウジングインタロック要素が、ハウジングインタロック要素が最終ラッチ位置にあるときのみ、2つの電気コンタクトの接触が生じるように構成され配置されているスイッチング要素を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、スイッチング要素は、電気インタロック回路機能が機械ハウジングロック機能に接続されるように、ハウジングインタロック要素に組み込まれている。したがって、ハウジングインタロック要素によりロックされてコネクタアセンブリが保護されるまで、送電を開始することはできない。加えて、ハウジングインタロック要素が最終ラッチ位置から離れ、コネクタアセンブリが保護されない状態になると、インタロック回路は開くことができ、送電は中止される。
【0010】
この場合、ハウジングインタロックの状態を、インタロック回路の状態、すなわち開であるか閉であるかによって検出することもできる。これにより、コネクタアセンブリの組立て時に、機械ハウジングインタロックの状態をチェックするステップを省くことができる。したがって、コネクタアセンブリの組立てをより迅速かつ容易にすることができる。さらに、ハウジングインタロック要素の最終ラッチ位置のみで見ることができる、通常はデータマトリクスコードの形のラベルの付与および確認を省くことができる。これにより、部品の設計、したがってコネクタアセンブリの製造が簡単になる。
【0011】
一実施形態において、受入要素はスイッチを含むことができ、スイッチング要素は、最終ラッチ位置に移動したときにスイッチを閉じて、2つの電気コンタクトを短絡させるように構成されていてよい。したがって、スイッチング要素は、電気コンタクトを短絡させるための導電性要素を必要とせず、ハウジングインタロック要素は、特に簡単に構成される。一実施形態において、スイッチング要素は、最終ラッチ位置で2つの電気コンタクトを接触させる導電性要素を含んでもよい。本実施形態において、ハウジングインタロック要素の導電性要素を介して、インタロック回路を閉じることができる。したがって、インタロック回路のインテロゲーションのさらに高い安全性を実現することができる。
【0012】
一実施形態において、最終ラッチ位置で、相手側プラグコネクタに対するプラグコネクタの相対移動がブロックされるように、ハウジングインタロック要素を、受入要素にポジティブに受け入れることができ、ハウジングインタロック要素のラッチ前位置で、ブロックを解除することができる。本実施形態において、プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの相対移動を、ハウジングインタロック要素の最終ラッチ位置でブロックすることができるため、コネクタアセンブリのインタロックが向上する。
【0013】
一実施形態において、ハウジングインタロック要素は、プラグコネクタを相手側プラグコネクタに差し込むことのできる差込方向に沿って構成されているピン状体を有することができ、ハウジングインタロック要素は、差込方向を向くピン状体の第1の端部で差込方向に対して横方向に突出する少なくとも1つの突起を有し、特に、導電性要素は突起を形成し、最終ラッチ位置で、差込方向に対して横方向に配置された受入要素のキャビティに突起を受け入れて、差込方向に逆らうポジティブロックを行うことができる。プラグコネクタのポジティブロックにより、コネクタ配置接続は、追加の機械力を吸収することができる。その結果、コネクタアセンブリを、より大きい振動荷重に耐えることができるようにすることができる。
【0014】
一実施形態において、受入要素および/またはハウジングインタロック要素を、ハウジングインタロック要素がラッチ前位置にあるときのみ、プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの嵌合が可能になるように構成することができる。したがって、ハウジングインタロック要素がインタロック回路を不注意でまたは意図せず閉じている状態にあるときのみ、コネクタアセンブリの結合を防ぐ。
【0015】
本発明の課題は、前述した実施形態のうちの1つによるプラグアセンブリの電気プラグコネクタによっても解決される。プラグコネクタは、コネクタハウジングと、相手側コネクタへのコネクタハウジングの組立接続を保護するためのハウジングインタロック要素とを有し、ハウジングインタロック要素は、コネクタハウジングに対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、ハウジングインタロック要素は導電性要素を有する。このように構成されているプラグコネクタにより、前述したコネクタアセンブリの利点を実現することができる。
【0016】
本発明によるプラグコネクタを、それぞれが好ましく、希望に応じて互いに組み合わせることのできる、以下のさらなる発展および構成によってさらに改良することができる。
【0017】
一構成において、ハウジングインタロック要素は、コネクタハウジングの差込方向に沿って構成されているピン状体をさらに含むことができ、差込方向は、プラグコネクタを相手側コネクタに差し込むことのできる方向である。したがって、ロック要素のピン状体を相手側プラグコネクタに、プラグコネクタの送電コンタクトと共に、送電コンタクトに平行に差込移動で挿入することができ、望ましくない外部の影響から保護することができる。
【0018】
さらなる構成において、ハウジングインタロック要素は、コネクタハウジングにおいて、差込方向に平行に延びてピン状体を通る回転軸を中心に、第1の回転位置から第2の回転位置へ回転可能であってよく、第1の回転位置はラッチ前位置に対応し、第2の回転位置は最終ラッチ位置に対応する。このようにして、ラッチ前位置から最終ラッチ位置への移動を、空間の節約となる回転移動によって実現することができる。
【0019】
さらなる構成において、導電性要素は、ハウジングインタロック要素を通って、差込方向に対して横方向に延びる金属ピンを含むことができる。
【0020】
このような発展した導電性要素は、ピン状体の回転に基づいて所望の位置になる、インタロック回路を閉じるためのコンタクトブリッジとして適切であってよい。特に、この導電性要素は、追加のポジティブ接続および摩擦接続による接続中の力の吸収を増加させ、さらにコネクタアセンブリを安定させることができる。したがって、コネクタアセンブリは、振動応力に対する耐性がより高く、高電圧送電中にフレッチング腐食が発生する危険性を低下させる。
【0021】
さらなる構成において、導電性要素の少なくとも1つの端部が、ピン状体に関して、差込方向に対して横方向に突出する突起を形成することができる。
【0022】
このように突出する導電性要素により、プラグコネクタのポジティブロックを可能にすることができ、追加の機械力を吸収することができる。加えて、インタロック回路の電気コンタクトを、相手側コネクタのより深くに、特に送電コンタクトから離して配置することができる。したがって、インタロック回路と電流回路との間の電磁遮断が増加する。
【0023】
さらなる構成において、ハウジングインタロック要素は、第1の回転位置と第2の回転位置との間でハウジングインタロック要素を手動で移動させるための作動要素をさらに含むことができ、特に、作動要素は、第1の端部とは反対の第2の端部でピン状体に接続され、差込方向とは反対を向くコネクタハウジングの外面に配置されている。この構成において、差込方向とは反対を向く面には、より容易にアクセスできるため、組立作業者によるハウジングインタロック要素の手動の作動を容易にすることができる。
【0024】
さらなる構成において、コネクタハウジングは、第1のレバー位置から第2のレバー位置への旋回により組立接続を組み立てるように構成されているレバーをさらに含むことができる。レバーにより、プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの組立てを補助し、容易にすることができる。
【0025】
さらなる構成において、レバーは、第1のレバー位置から第2のレバー位置へのレバーの移動、特に回転が、差込方向への押圧力を発生させるように、相手側コネクタに係合することができる。このようにして、レバーは、プラグコネクタと相手側プラグコネクタとの機械的結合を補助することができる。
【0026】
さらなる構成において、第1のレバー位置から第2のレバー位置へのレバーの旋回が、作動要素が第1の回転位置に配置されているときのみ可能であるように、作動要素を配置することができる。これにより、レバーが完全に押されているときに、電気回路が意図せず閉じることがないことが保証される場合にのみ、コネクタアセンブリの完全な機械的結合が可能であることを保証する。さらに、組立作業者は、レバー位置により、簡単な方法で誤った組立てを視覚的に認識することができる。
【0027】
さらなる構成において、作動要素は、第2の回転位置で、特にポジティブ接続により、第2のレバー位置から第1のレバー位置へのレバーの旋回をブロックすることができる。したがって、同時にインタロック回路を開きながら、ハウジングインタロック要素を最終ラッチ位置からラッチ前位置へ戻すことなく、コネクタアセンブリを切り離すことはできない。
【0028】
さらなる構成において、レバーは弾性固定要素を有することができ、弾性固定要素は、第2のレバー位置で、第2の回転位置のポジティブ接続により、ハウジングインタロック要素の作動要素を解除可能にブロックする。したがって、ハウジングインタロック要素が最終ラッチ位置からラッチ前位置へ意図せずまたは誤って戻ることがブロックされ、コネクタアセンブリは完全に保護される。同時に、組立作業者は、道具なしで、固定要素を弾性復元力に逆らって手動で移動させることによって、接続を再び分離させることができる。
【0029】
本発明は、前述した実施形態のうちの1つによるコネクタアセンブリの相手側コネクタをさらに含み、相手側コネクタは、ハウジングインタロック要素のための受入要素を有し、受入要素は、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクトを有する。このように形成された相手側コネクタは、前述したコネクタアセンブリの利点を実現するのに適している。
【0030】
相手側プラグコネクタの一構成において、受入要素は、ピン状体の差込方向に沿ってポジティブに受け入れるように構成され、差込方向は、プラグコネクタを相手側プラグコネクタに差し込むことのできる方向である。ハウジングインタロック要素の対応するピン状体の形状嵌合受入れにより、プラグコネクタの追加の機械力を吸収することができ、より良好に振動荷重に対抗することができる。
【0031】
以下で、図面を参照しながら、好ましい構成により、本発明をより詳細に説明する。図示の好ましいさらなる発展または構成は、互いに独立しており、用途の必要に応じて互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】プラグコネクタと相手側プラグコネクタとが差し込まれていない状態にある、本発明の好ましい構成によるコネクタアセンブリを示す図である。
【
図1B】結合され保護された最終状態にある、
図1Aのコネクタアセンブリを示す図である。
【
図1C】ハウジングインタロック要素の受入要素の詳細図と共に、コネクタアセンブリの相手側コネクタのみを示す図である。
【
図2A】
図1Bの断面軸Aに沿った、最終状態のコネクタアセンブリの第1の断面図である。
【
図2B】
図1Bの断面軸Bに沿った、最終状態のコネクタアセンブリの第2の断面図である。
【
図3A】差し込まれ、結合されていない状態のコネクタアセンブリを示す図である。
【
図3B】
図3Aの状態における受入要素211の詳細図である。
【
図4A】差し込まれ、結合された状態のコネクタアセンブリを示す図である。
【
図4B】
図4Aの状態における受入要素211の詳細図である。
【
図5A】差し込まれ、結合され、保護された状態のコネクタアセンブリを示す図である。
【
図5B】
図5Aの状態における受入要素211の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図中の同一の参照数字は、本発明の同一の要素を指す。図面は、本発明を例示するものに過ぎず、寸法または比率に関して限定するものと解釈されるべきではない。
【0034】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の好ましい構成による、電気プラグコネクタ100と相手側プラグコネクタ200とを備えるコネクタアセンブリ1を示す。コネクタアセンブリ1は、60V超の電圧用の自動車用送電コネクタである。
【0035】
プラグコネクタ100は、コネクタハウジング101、後部ハウジングカバー103、レバー105、およびコネクタ位置保証(CPA)とも称するハウジングインタロック要素109を含む。ハウジングインタロック要素109の略平面状の作動要素111が、差込方向xとは反対方向を向くプラグコネクタ100の外面113に配置され、差込方向xに平行に延びる第1の回転軸D1を中心に回転可能になっている。この作動要素111は、ハウジングインタロック要素109を手動で作動させるために使用される。
【0036】
ハウジングカバー103は、差込領域から離れる方を向く、プラグコネクタ100のコネクタハウジング101の第1の領域117にある開口部115を覆う。コネクタハウジング101の第1の領域117は、差込方向xに直交する本体方向yに沿って構成されている。開口部115は、絶縁された電流導体119a、119bの少なくとも2本のケーブルを受け入れるためのものである。ハウジングカバー103は、受け入れたケーブル119a、119bを囲み、好ましくは、開口部115を防水して覆う。電流伝達コンタクト(
図1A、
図1Bでは見えない)がコネクタハウジング101内に配置され、開口部115を通して受け入れられるケーブル119a、119bの電流導体の端部が、この電流伝達コンタクトに導電的に取り付けられ、例えば圧着されている。
【0037】
第1の領域117は、ハウジング101の第2の領域121に対して略垂直に配置されている。本実施形態において、プラグコネクタ100は、直角の、いわゆる90°出口コネクタ(90° exit connector)である。本実施形態において、第1の領域117および第2の領域121の両方が矩形断面を有する。第2の領域121は、送電コンタクトのコンタクト端子を保持し、コネクタアセンブリ1を結合するように相手側プラグコネクタ200に差し込むのに適している。しかしながら、コネクタ形状の他の構成も可能である。
【0038】
レバー105は、2つのレバーアーム123a、123bと、操作するのに適した、特に平坦に構成されているクロスビーム125とを含む。クロスビーム125は凹部137を有する。レバーアーム123a、123bは、少なくとも部分的に本体方向yを向く第1の端部で、クロスビーム125に接続されている。少なくとも部分的に本体方向yとは反対を向く第2の端部で、レバーアーム123a、123bは、それぞれの旋回ピン127を中心に回転可能に配置されている。旋回ピン127は、差込方向xに対して横方向にコネクタハウジング101を通って延びる第2の回転軸D2に沿って配置されている。
【0039】
旋回ピン127を中心に配置された係合ラグ129も、レバーアーム123a、123bの第2の端部において外方を向くように構成されている。係合ラグ129(
図1Bでは見えない)は、相手側プラグコネクタ200の対応するレバーハンドル切欠き225に係合するように適切に配置されている。レバー105が旋回ピン127を中心に回転すると、係合ラグ129が対応するレバーハンドル切欠き225に係合することにより、差込方向xに押圧力を発生させ、コネクタアセンブリの結合を促すことができる。
【0040】
図1Aにおいて、コネクタアセンブリ1は、まだ差し込まれていない状態にある。プラグコネクタ100は、差込方向xにおいて相手側プラグコネクタ200に近付いているだけで、まだ結合されていない。作動要素111は、ハウジングインタロック要素109のラッチ前位置に対応する第1の回転位置にある。第1の回転位置で、作動要素111は第1の角度α1で配置される(
図1B参照)。角度α1は、本体方向yに対して10°~40°であることが好ましい。レバー105は、第1のレバー位置または開レバー位置にある。第1のレバー位置で、プラグコネクタ100と相手側プラグコネクタ200との結合を開始することができる。この位置で、レバーアーム123a、123bは、差込方向xに略平行に位置合わせされる。
特に、レバーアーム123a、123bは、コネクタアセンブリ1の結合をブロックすることなく、係合ラグ129がレバーハンドル切欠き225を通過できるように構成されている。
【0041】
図1Aは、表面113に配置された止め要素139をさらに示す。止め要素139は、作動要素111が回転軸D1の回転の反対方向に角度α1を越えて回転することをブロックする。
【0042】
図1Bは、結合され固定された最終状態にある、
図1Aのコネクタアセンブリを示す。プラグコネクタ100は、相手側プラグコネクタ200に完全に差し込まれている。コネクタハウジング101は、相手側コネクタハウジング201にポジティブに(押し込み式に、嵌め合い式に、positively)取り付けられている。レバー105は、第2のレバー位置または閉レバー位置にある。第2のレバー位置で、レバーアーム123a、123bは、本体方向yに略平行に位置合わせされる。ハウジングインタロック要素109の作動要素111は、回転軸D1を中心に旋回されており、ハウジングインタロック要素109の最終ラッチ位置に対応する第2の回転位置にある。
【0043】
第2の回転位置で、作動要素111は、本体方向yに対して第2の角度α2で配置される。第2の角度α2は、D2を中心とする回転の反対方向に第1の角度α1と同じ大きさを有することが好ましい。
図1Bは、第2の回転位置で、作動要素111がクロスビーム125の移動をポジティブにブロックすることを示す。
図1Bは、プラグコネクタ100がラッチ要素141、支持要素143、および固定要素145も含むことをさらに示す。ラッチ要素141および支持要素143は、プラグコネクタ100の外面113に配置されている。固定要素145は、レバー105のクロスビーム125の中央に配置され、クロスビーム125の表面から突出している。
特に、固定要素145は、クロスビーム125に対して弾性的に取り付けられて、例えば差込方向xに沿って手動で移動させることができるようになっている。
図1Bに示す最終ラッチ位置で、作動要素111は、固定要素145によってポジティブにロックされる。
【0044】
ラッチ要素141は、作動要素111を、y-z面においてD2を中心とする回転に沿ってポジティブに保持し、差込方向xに逆らう曲がりをブロックする。支持要素143は、第1の回転位置で、y-z面において作動要素111の一端部を支持し、差込方向xへの作動要素111の曲がりを防ぐ。
【0045】
図1Cは、相手側プラグコネクタ200を示す。矩形のベース201が、相手側コネクタハウジング203と送電用の2つのコンタクト端子205a、205bとを担持し、コンタクト端子205a、205bはそれぞれの支持体207a、207bによって取り囲まれている。相手側プラグコネクタ200をデバイスに固定するために、ねじ209が4つのそれぞれの角部に配置されている。相手側コネクタハウジング203のレバーハンドル切欠き225は、レバー105の係合ラグ129を受け入れるように構成されている。
【0046】
受入要素211は、x-y面において相手側コネクタハウジング203内に配置され、ここでは、例えば、2つのコンタクト端子205a、205b間に配置されている。受入要素211は、ハウジングインタロック要素109を受け入れて挿入するための開口部215を有するガイド体213を備える。ガイド体213は、差込方向xに沿って管状に構成され、差込方向xに沿って延びる2つの切欠き217a、217bを備える。切欠き217a、217bは、ハウジングインタロック要素109を案内するための溝、特に、
図2A、
図2Bを参照して後述するように、導電性要素131として形成されたスイッチング要素の突出端部135a、135bを案内するための溝である。
【0047】
図1Cの詳細図において、受入要素211が、ベース201の高さにおいて差込方向xに垂直なx-z面に沿った断面で示されている。インタロックループまたは高電圧インタロックシステム(HVIL)とも称するインタロック回路の2つの電気コンタクト219a、219bが、受入要素211の開口部215に配置されている。閉じたインタロック回路により、立ち上がり信号コンタクトは、電気プラグコネクタ100と相手側プラグコネクタ200との正しい電気的結合を知らせることができ、相手側プラグコネクタ側の関連するスイッチングシステムのリレーが、ケーブル119a、119bを介して送電を開始するようになっている。
図1Cに示すように、2つのコンタクト219a、219bは、開口部215においてx-y面で互いに対向して配置されて、端部が開口部215内に突出するようになっている。
【0048】
さらに、
図1Cの詳細図は、切欠き217a、217bの境界と、ベース201におけるガイド体213の境界とを断面で示す。ガイド体213の切欠き217a、217bは、本実施形態では本体方向yに対して45°ずれた軸において、互いに対向して開口部215の周りに配置されている。
図2A、
図2Bに見られるように、ガイド体213の厚み部221により、回転キャビティ229の形成が可能になり、これは、移動のための空間と、後述する導電性要素131の端部135a、135bのための、差込方向xに逆らう形状嵌合とを作り出す。厚み部221は、断面において、切欠き217a、217bを、本体方向yに沿って配置された電気コンタクト219a、219bに接続する空間を作り出す。
【0049】
図2Aおよび
図2Bは、
図1Bに対応する最終ラッチ状態のコネクタアセンブリ1の断面図である。
図2Aは、
図1Bの断面軸Aに沿った断面図における装置1の第2の領域を示す。
図2Bは、
図1Bの断面軸Bに沿った断面図における装置を示す。
【0050】
図2Aおよび
図2Bは、
図1Aおよび
図1Bを参照して前述したように、プラグコネクタ100のハウジング101、レバー105、およびハウジングインタロック要素109を示す。相手側プラグコネクタ200は、ベース201、相手側コネクタハウジング203、電流伝達コンタクトの支持体207a、207b、および受入要素211を含む。相手側プラグコネクタ200をデバイスに固定するためのねじ209が、さらに示されている。
【0051】
特に、
図2Aおよび
図2Bは、作動要素111に加えて、ピン状体107と導電性要素131とを含むハウジングインタロック要素109の構造を示す。
【0052】
差込方向xとは反対の第1の端部において、ピン状体107は、ハウジング101の外側に配置され、特に一体に構成されている作動要素111にしっかりと接続されている。ピン状体107は、差込方向xに平行に延びる回転軸D2に沿って延びている。本実施形態において、ピン状体107は、軸D2を中心に円対称に構成されている。代替構成において、ピン状体107は、例えば、ピン状体107の表面に形成された追加のポジティブロック要素により、円対称ではない。
【0053】
導電性要素131は、例えばポジティブ接続によって、差込方向xを向くピン状体107の第2の端部に配置されている。導電性要素131は、2つの端部135a、135bを持つ金属ピン133を有する。端部135a、135bは、ピン状体107に関して、差込方向xに対して横方向に突出し、突起として構成されている。金属ピン133は、ハウジングインタロック要素109のピン状体107の中央を貫通している。相手側プラグコネクタ200の電気コンタクト219a、219bは、ベース201を通って差込方向xに沿って延びている。特に、電気コンタクト219a、219bは、開口部215を形成する受入要素211の内面に沿って、端部135a、135bの高さまで延びている。
図2Aで、ハウジングインタロック要素109は最終ラッチ状態にあり、端部135a、135bは、相手側プラグコネクタ201の電気コンタクト219a、219bの端部に導電的に接触している。
【0054】
ピン状体107を貫通するピン133の代わりに、ピン状体107の外側で延び、180°の角度部にわたって延びるリング部などの、異なる形状の電気要素を使用することができる。
【0055】
コネクタハウジング101は、ハウジングインタロック要素109のピン状体107が受入要素211に挿入されるように、相手側コネクタハウジング203に嵌合されている。同時に、コンタクト端子205a、205bの支持体207a、207b(
図1c参照)は、送電コンタクト(図示せず)のそれぞれのスリーブ147a、147bを受け入れ、これらのスリーブ147a、147bは、プラグコネクタ100のケーブル119aおよび119bに関連付けられている。
【0056】
図2Aおよび
図2Bに、コネクタアセンブリ1が最終ラッチ状態で示されている。レバー105は、第2のレバー位置で閉じている。第2のレバー位置で、レバー105は、本体方向yに平行な外側ハウジング面113に当接する。ハウジングインタロック要素109は、導電性要素131がx-y面に平行に位置合わせされる第2の回転位置にある。特に、導電性要素131の端部135a、135bは、受入要素211のガイド体213の回転キャビティ229に配置される。
【0057】
図2Aおよび
図2Bの断面軸Sに沿った断面図は、ハウジングインタロック要素109の受入れおよび接触領域を拡大して詳細に示す。前述したように、最終ラッチ状態で、端部135a、135bは、受入要素211のインタロック回路の電気コンタクト219a、219bの端部に当接することが見て取れる。したがって、電気的接触が生じ、それにより、インタロック回路を閉じる。
【0058】
端部135a、135bは、ピン状体107から本体方向yに、差込方向xに対して横方向に突出する。したがって、端部135a、135bは、プラグコネクタ100の嵌合時に切欠き217a、217bに挿入され、ピン状体107がガイド体213に挿入されたときに、受入要素211におけるハウジングインタロック要素109の回転方向を維持するように構成されている。
図2Aから見て取れるように、突出端部135a、135bは、受入要素211のガイド体213において、差込方向xに対して横方向に延びる回転キャビティ229に受け入れられるように構成されている。したがって、以下で説明するように、受入要素211にあるハウジングインタロック要素109が第1の回転位置から回転するときに、差込方向xに逆らうプラグコネクタ100のポジティブロックが得られる。
【0059】
図3A~
図5Bを参照しながら、電気プラグコネクタ100が相手側プラグコネクタ200に完全に結合されて、
図2Aおよび
図2Bに示す最終ラッチ状態を最終的に実現する方法について説明する。
【0060】
【0061】
図3Aで、レバー105は第1のレバー位置にあり、ハウジングインタロック要素109はラッチ前位置にある。コネクタハウジング101は、相手側コネクタハウジング203に部分的に差し込まれている。しかしながら、コネクタアセンブリ1は、まだ電気的に結合されていない状態にある。レバー105は、係合ラグ129が相手側コネクタハウジング203のレバーハンドル切欠き225にまだ挿入されていない、第1の開レバー位置にある。
【0062】
このハウジングインタロック要素109の位置でのみ、プラグコネクタ100を相手側プラグコネクタ200に押し込むことができる。ハウジングインタロック要素109がラッチ前位置にあるときのみ、コンタクトアーム135a、135bは、本体方向yに対して回転軸D2を中心とする角度位置にあり、その位置で、コンタクトアーム135a、135bを、受入要素211のガイド体213のそれぞれの切欠き217a、217bに受け入れることができる。
【0063】
図3Bは、コンタクトアーム135a、135bが切欠き217a、217bに位置する受入要素211のy-z面を示す図である。コンタクトアーム135a、135bは、切欠き217a、217bに位置するとき、差込方向xに沿ってブロックされず、ピン状体107が受入要素211に挿入されるときのように、切欠き217a、217bに沿って摺動することができる。本実施形態において、切欠き217a、217bは、回転軸D2を中心に45°の角度α3だけ本体方向yに対してずれて、ガイド体213に配置されている。したがって、ガイド体213がコンタクトアーム135a、135bを差込方向にブロックすることなく、ハウジングインタロック要素109を受入要素211に挿入することができる。
【0064】
図4Aでは、コネクタアセンブリ1が完全に結合されているが、まだ保護されていない中間状態にある。レバー105は、例えばクロスビーム125を手動で作動させることによって、
図3Aの第1のレバー位置から第2のレバー位置に移動している。これは、ハウジングインタロック要素109の作動要素111が第1の回転位置にあるため可能である。そのときのみ、クロスビーム125の凹部137により、クロスビーム125が作動要素111によってブロックされることなく、レバー105を完全に第2のレバー位置にすることができる。
【0065】
係合ラグ129によって加えることのできるてこ力により、プラグコネクタ100と相手側プラグコネクタ200とは、レバー105の回転によって完全に結合された。プラグコネクタ100のばね要素のラグを相手側プラグコネクタ200の対応する凹部に係合させることによって、結合の意図しない切離しを防ぐ。この位置で、送電コンタクトの結合も行われる。
【0066】
図4Bは、
図4Aと同様に、コンタクトアーム135a、135bが、ラッチ前状態において、受入要素211のコンタクト219a、219bにまだ係合していないことを示す。しかしながら、レバー105が閉じたことに基づいてコネクタアセンブリが完全に結合されているため、コンタクトアーム135aおよび135bは既にコンタクト219a、219bと同じ高さにあり、ハウジングインタロック要素109のピン状体107は受入要素211に完全に挿入されるようになっている。この状態で、インタロック回路はまだ閉じておらず、インタロック回路の送電はまだ開始されていない。
【0067】
この状態で、コンタクトアーム135a、135bは受入要素211に位置し、ガイド体213の厚み部221において、受入要素211の前述の回転キャビティ229に沿った円で移動することができるようになっている。回転キャビティ229によって作り出される移動空間は、切欠き217a、217bとコンタクト219a、219bとの間の45°のずれを埋める。したがって、ハウジングインタロック要素109のコンタクトアーム135a、135bの回転移動は、受入要素211の切欠き217a、217bにおいてブロックされなくなる。
【0068】
図5Aで、コネクタアセンブリ1は、レバー105が第2のレバー位置にあり、ハウジングインタロック要素109が最終ラッチ位置にある、結合され保護された終了状態にある。このために、コネクタ100の差込みと第2のレバー位置へのレバー105の回転に続いて、ハウジングインタロック要素109は最終ラッチ位置に移動された。このために、作動要素111は、回転軸D1を中心とする円で第1の回転位置から第2の回転位置へ手動で移動された。このプロセスで、作動要素111は、レバー105のクロスビーム125上に部分的に押され、レバー105が第2のレバー位置にポジティブにロックされるようになっている。
【0069】
作動要素111がクロスビーム125上を摺動すると、作動要素111は、クロスビーム125の表面から突出する弾性固定要素145も、その静止位置から変位させている。作動要素111が弾性固定要素145を第2の回転位置にすると、固定要素145は静止位置に跳ね返り、作動要素111の戻りをブロックする。このようにして、ハウジングインタロック要素109は、最終ラッチ位置にポジティブに固定され、コネクタアセンブリ1はロックされる。
【0070】
図5Bは、コンタクトアーム135a、135bとコンタクト219a、219bとの電気的接触を示す。インタロック回路は、金属ピン133を介して閉じられ、送電が開始される。したがって、送電は、レバー105が、コネクタアセンブリ1の結合が完了する第2のレバー位置になるまで、開始されない。加えて、この位置で、ピン状体107から突出する金属コンタクトアーム135a、135bは、回転キャビティ229にある。回転キャビティ229における突出する金属コンタクトアーム135a、135bのポジティブ接続は、受入要素211に対するハウジングインタロック要素109の、差込方向xに逆らう相対移動をブロックする。したがって、ロックされたコネクタアセンブリは、大きい機械的荷重を受けることができ、振動から保護される。
このようにして、コネクタアセンブリの使用中の電気的または機械的事故の危険性を低下させることもできる。
【0071】
コネクタアセンブリ1を解除するためには、ハウジングインタロック要素109を、最初に最終ラッチ状態の第2の回転位置からラッチ前状態の第1の回転位置に回転させて戻す必要がある。第1の回転位置で、ピン状体107から突出するコンタクトアーム135a、135bは、回転キャビティ229には位置しなくなるが、切欠き217a、217bに位置し、したがって、差込方向xに逆らう金属コンタクトアーム135a、135bのブロックが解除される。そのときのみ、レバー105も作動要素111によってブロックされなくなり、レバー105を作動させてコネクタアセンブリ1を解除することができる。
【0072】
このようにして、レバー105を作動させることができ、コネクタアセンブリ1をロック解除することができるようになる前に、インタロック回路が開き、送電が中断されることが同時にかつ追加的に保証される。
【0073】
本発明の本実施形態において、コネクタアセンブリ1を組み立てるときに、インタロック回路を最終ラッチ状態でのみ閉じることができるため、ハウジングインタロック109の状態をチェックするさらなるステップは使われなくなる。したがって、コネクタアセンブリの組立てがより迅速かつ容易になり、通常のデータマトリクスコードを完全に省くことができる。
【0074】
前述の実施形態において、本発明によるコネクタアセンブリのスイッチング要素は、突出する端部135a、135bを有する金属ピン133を含む導電性要素131として構成されている。代替実施形態において、スイッチング要素は、ピン状体107の表面に形成された突起である。突起は、差込方向xを向くピン状体107の端部に位置し、差込方向xに対して横方向に突出している。ピン状体107における突起の位置および幾何形状は、前述の実施形態の端部135aまたは端部135bの位置および幾何形状に対応し得ることが好ましい。
【0075】
この代替実施形態において、受入要素211はスイッチを含み、相手側プラグコネクタ200の電気コンタクトは、スイッチにより短絡されるように配置されている。スイッチは、回転キャビティ229の高さに位置することが好ましい。したがって、ハウジングインタロック要素がラッチ前位置からラッチ終了位置へ移動すると、すなわち、ピン状体が軸D1を中心に回転すると、突起によりスイッチが入り、相手側プラグコネクタの電気コンタクトを短絡させることができる。最終ラッチ位置からラッチ前位置へ戻る移動中、突起は初期位置に戻る。したがって、前述の実施形態からわかるように、相手側プラグコネクタの電気コンタクトの短絡が解除され、インタロック回路が開く。
【0076】
この代替実施形態において、根本的な問題を解決することもでき、本発明の利点を実現することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 コネクタアセンブリ
100 電気プラグコネクタ
101 コネクタハウジング
103 後部ハウジングカバー
105 レバー
107 ピン状体
109 ハウジングインタロック要素
111 作動要素
113 コネクタハウジングの外面
115 第1の領域の開口部
117 コネクタハウジングの第1の領域
119a、119b ケーブル
121 コネクタハウジングの第2の領域
123a、123b レバーアーム
125 クロスビーム
127 旋回ピン
129 係合ラグ
131 導電性要素
133 金属ピン
135a、135b 突起として形成された金属ピンの端部
137 クロスビームの凹部
139 止め要素
141 ラッチ要素
143 支持要素
145 固定要素
147a、147b 送電コンタクトのスリーブ
200 相手側プラグコネクタ
201 ベース
203 相手側コネクタハウジング
205a、205b コンタクト端子
207a、207b 電流伝達コンタクトの支持体
209 ねじ
211 受入要素
213 受入要素のガイド体
215 受入要素の開口部
217a、217b 受入要素の切欠き
219a、219b インタロック回路の2つの電気コンタクト
221 ガイド体の厚み部
225 レバーハンドル切欠き
227 弾性固定要素
229 回転キャビティ
X 差込方向
Y 本体方向
D1 第1の回転軸
D2 第2の回転軸
A、B、S 断面軸
α1 第1の回転位置における作動要素の角度
α2 第2の回転位置における作動要素の角度
α3 ガイド体における切欠きの配置の角度
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグコネクタ(100)と相手側プラグコネクタ(200)とのコネクタアセンブリ(1)であって、
前記電気プラグコネクタ(100)は、コネクタハウジング(101)と、前記相手側プラグコネクタ(200)への前記コネクタハウジング(101)の組立接続を固定するためのハウジングインタロック要素(109)とを含み、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)に対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、
前記相手側プラグコネクタ(200)は、前記ハウジングインタロック要素(109)のための受入要素(211)を含む、コネクタアセンブリ(1)において、
前記受入要素(211)は、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクト(219a、219b)を含み、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記ハウジングインタロック要素(109)が前記最終ラッチ位置にあるときのみ、前記2つの電気コンタクト(219a、219b)の接触が生じるように構成され配置されているスイッチング要素(131)を有する
ことを特徴とする、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記受入要素(211)はスイッチを含み、前記スイッチング要素(131)は、前記最終ラッチ位置に移動したときに、前記スイッチを閉じて、前記2つの電気コンタクト(219a、219b)を短絡させるように構成されている、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記スイッチング要素(131)は、前記最終ラッチ位置で前記2つの電気コンタクト(219a、219b)を接触させる導電性要素(131)を含む、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記最終ラッチ位置で、前記相手側プラグコネクタ(200)に対する前記プラグコネクタ(100)の相対移動がブロックされるように、前記ハウジングインタロック要素(109)が、前記受入要素(211)にポジティブに受け入れられ、前記ハウジングインタロック要素(109)の前記ラッチ前位置で、ブロックが解除される、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記プラグコネクタ(100)を前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込むことのできる差込方向(x)に沿って構成されているピン状体(107)を有し、前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記差込方向(x)を向く前記ピン状体(107)の第1の端部で前記差込方向(x)に対して横方向に突出する少なくとも1つの突起(135a、135b)を有し、特に、前記スイッチング要素(131)は突起を形成し、前記最終ラッチ位置で、前記差込方向(x)に対して横方向に配置された前記受入要素(211)の凹部(229)に前記突起を受け入れて、前記差込方向(x)に逆らうポジティブロックを行うことができる、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記受入要素(211)および/または前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記ハウジングインタロック要素(109)が前記ラッチ前位置にあるときのみ、前記プラグコネクタ(100)と前記相手側プラグコネクタ(200)との嵌合が可能になるように構成されている、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
請求項3と組み合わせた場合の請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリの電気プラグコネクタであって、
前記プラグコネクタ(100)は、コネクタハウジング(101)と、相手側プラグコネクタ(200)への前記コネクタハウジング(101)の組立接続を固定するためのハウジングインタロック要素(109)とを備え、
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)に対してラッチ前位置と最終ラッチ位置との間で可動であり、前記ハウジングインタロック要素(109)は導電性要素(131)を含む、電気プラグコネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)の差込方向(x)に沿って構成されているピン状体(107)をさらに含み、前記差込方向(x)は、前記プラグコネクタ(100)が前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込まれるように構成されている方向である、請求項7に記載のプラグコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記コネクタハウジング(101)において、前記差込方向(x)に平行に延びて前記ピン状体(107)を通る回転軸(D1)を中心に、第1の回転位置から第2の回転位置へ回転可能であり、前記第1の回転位置は前記ラッチ前位置に対応し、前記第2の回転位置は前記最終ラッチ位置に対応する、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項10】
前記導電性要素(131)は、前記ハウジングインタロック要素(109)を通って、前記差込方向(x)に対して横方向に延びる金属ピン(133)を含む、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項11】
前記導電性要素(131)の少なくとも1つの端部(135a、135b)は、前記ピン状体(107)に関して、前記差込方向(x)に対して横方向に突出する突起(135a、135b)を形成する、請求項8に記載のプラグコネクタ。
【請求項12】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記第1の回転位置と前記第2の回転位置との間で前記ハウジングインタロック要素(109)を手動で移動させるための作動要素(111)をさらに含み、特に、前記作動要素(111)は、第1の端部とは反対の第2の端部で前記ピン状体(107)に接続され、前記差込方向(x)とは反対を向く前記コネクタハウジング(101)の外面(113)に配置されている、請求項9に記載のプラグコネクタ。
【請求項13】
前記コネクタハウジング(101)は、第1のレバー位置から第2のレバー位置への旋回により組立接続がおこなわれるように構成されているレバー(105)をさらに含む、請求項9に記載のプラグコネクタ。
【請求項14】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記第1の回転位置と前記第2の回転位置との間で前記ハウジングインタロック要素(109)を手動で移動させるための作動要素(111)をさらに含み、
前記第1のレバー位置から前記第2のレバー位置への前記レバー(105)の旋回が、前記作動要素(111)が前記第1の回転位置に配置されているときのみ可能であるように、前記作動要素(111)が配置されている、請求項13に記載のプラグコネクタ。
【請求項15】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記第1の回転位置と前記第2の回転位置との間で前記ハウジングインタロック要素(109)を手動で移動させるための作動要素(111)をさらに含み、
前記作動要素(111)は、前記第2の回転位置で、ポジティブロックにより、前記第2のレバー位置から前記第1のレバー位置への前記レバー(105)の前記旋回をブロックする、請求項13に記載のプラグコネクタ。
【請求項16】
前記ハウジングインタロック要素(109)は、前記第1の回転位置と前記第2の回転位置との間で前記ハウジングインタロック要素(109)を手動で移動させるための作動要素(111)をさらに含み、
前記レバー(105)は弾性固定要素(145)を含み、前記弾性固定要素(227)は、前記第2のレバー位置で、前記第2の回転位置のポジティブロックにより、前記ハウジングインタロック要素(109)の前記作動要素(111)を解除可能にロックする、請求項13に記載のプラグコネクタ。
【請求項17】
請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリの相手側プラグコネクタであって、前記相手側プラグコネクタ(200)は、ハウジングインタロック要素(109)のための受入要素(211)を備え、前記受入要素(211)は、電気インタロック回路のための2つの電気コンタクト(219a、219b)を含む、相手側プラグコネクタ。
【請求項18】
前記受入要素(211)は、前記ハウジングインタロック要素(109)をポジティブに受け入れるために少なくとも部分的に管状であるように差込方向(x)に沿って構成され、前記差込方向(x)は、プラグコネクタ(100)を前記相手側プラグコネクタ(200)に差し込むことのできる方向である、請求項17に記載の相手側プラグコネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【外国語明細書】