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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019089
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/95 20060101AFI20240201BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240201BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240201BHJP
【FI】
G01N21/95 Z
G01N21/88 J
G06T7/00 350C
G06T7/00 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023121506
(22)【出願日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】17/874,418
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【テーマコード(参考)】
2G051
5L096
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB02
2G051BA01
2G051CA04
2G051CA07
2G051EB05
2G051EC01
5L096BA03
5L096BA06
5L096CA05
5L096DA02
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】製造中にカテーテルが加工される少なくとも2つの施設のうちの第1の施設においてカテーテルの先端を検査するためのジグを提供すること。
【解決手段】このジグは、ハウジング、少なくとも1つのクランプ、ハウジング内に装着された複数のカメラ、ハウジング内に装着された複数の照明器、及びプロセッサを含む。プロセッサは、複数の画像をキャプチャするための複数のカメラ及び複数の照明器を操作し、複数の画像の個々のコピーを、第1の施設とは別の第2の施設に転送する。プロセッサは、第1の施設及び第2の施設から受信した注釈に基づいて、第1の施設及び第2の施設からの検査の報告書を作成するよう、更に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造中にカテーテルが加工される少なくとも2つの施設のうちの第1の施設において、前記カテーテルの先端を検査するためのジグであって、前記ジグが、
検査中に前記カテーテルの先端を収容するように構成されているハウジングと、
前記先端を前記ハウジング内に固定して位置決めするよう構成されている少なくとも1つのクランプと、
前記ハウジング内に装着された複数のカメラであって、前記複数のカメラが、異なる角度から前記先端の画像をキャプチャするよう構成されている、複数のカメラと、
前記ハウジング内に装着された複数の照明器であって、前記複数のカメラが、異なる角度から前記先端を照明するように構成されている、複数の照明器と、
プロセッサであって、
前記ハウジング内に装着された前記カテーテルに基づいて、前記複数のカメラ及び前記複数の照明器を選択的に作動させ、
前記複数の画像の個々のコピーを、前記カテーテルを加工する、前記第1の施設とは別の、第2の施設に転送し、
前記第1の施設から前記カテーテルの欠陥の前記画像上の第1の注釈を受信し、
前記第2の施設から前記カテーテルの欠陥の前記画像の前記個々のコピー上の第2の注釈を受信し、
前記第1の注釈及び前記第2の注釈に基づいて、前記第1の施設及び前記第2の施設からの前記検査の報告書を作成する、
よう構成されている、プロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサが、ユーザとインターフェースするためのユーザインターフェースに連結されており、前記複数の画像を記憶するためのメモリが、前記第1の注釈及び前記第2の注釈を含む、
ジグ。
【請求項2】
前記複数の画像が初期画像を含み、前記プロセッサが前記初期画像から前記カテーテルのタイプを識別するように構成されている、請求項1に記載のジグ。
【請求項3】
前記複数のカメラが、前記ハウジングの異なる壁に装着されている少なくとも2つのカメラを含む、請求項1に記載のジグ。
【請求項4】
前記複数のカメラが、前記複数のカメラのうちの別のカメラのもの以外の波長又は偏光において画像をキャプチャする少なくとも1つのカメラを含む、請求項1に記載のジグ。
【請求項5】
前記複数の照明器が、前記複数の照明器のうちの別の照明器の波長と異なる波長の光を放射する少なくとも1つの照明器を含む、請求項1に記載のジグ。
【請求項6】
人工ニューラルネットワークと、
プロセッサであって、
ヒト対象の管腔内に挿入されるように構成されているカテーテルの、前記カテーテルの生産施設においてキャプチャされた、画像を受信し、
前記カテーテルの第1の欠陥の前記画像上の第1の注釈を受信し、
前記カテーテルを加工する、前記生産施設とは別の、更なる施設において策定された、前記カテーテルの第2の欠陥の前記画像の個々のコピー上の、第2の注釈を受信し、
前記生産施設において生産された更なるカテーテルにおける欠陥を検出するため、前記画像、前記第1の注釈及び前記第2の注釈を使用して前記人工ニューラルネットワークを訓練する、
よう構成されている、プロセッサと、
を備える、装置。
【請求項7】
前記画像をキャプチャするよう構成されている前記生産施設に設置されたジグを備え、前記画像が初期画像を含み、前記ジグが前記初期画像から前記カテーテルのタイプを識別するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記人工ニューラルネットワークを訓練するために使用される前記画像が、前記初期画像に続いて取得された画像を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記生産施設において生産された前記更なるカテーテルが、前記識別されたタイプの前記カテーテルを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ジグが、前記画像をキャプチャする前に、前記カテーテルを受容し、固定して把持するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記画像が、前記カテーテルの先端の画像を含み、前記カテーテルを固定して把持し、前記先端のどの部分も前記先端の前記画像内で不明瞭にならないよう調整されている、前記ジグの少なくとも1つのクランプを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記カテーテルが先端を備え、前記受信された画像が先端画像を含み、前記人工ネットワークを訓練することが、前記更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、前記先端画像、前記先端画像の第1の注釈、及び前記先端画像の個々のコピーの第2の注釈を使用して、前記ネットワークを訓練することを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項13】
前記カテーテルの前記先端が複数の状態を有し、前記人工ネットワークを訓練することが、前記複数の状態にある前記更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、前記ネットワークを訓練することを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記複数のうちの第1の状態が、前記先端が前記管腔内にあることに対応して非展開状態にある前記先端を含み、第2の状態が、前記先端が前記ヒト対象の心臓内にあることに対応して展開状態にある前記先端を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記画像、前記第1の注釈及び前記第2の注釈に応答して前記カテーテルの合格/不合格検査判断を策定することと、前記判断を使用して前記人工ニューラルネットワークを訓練して、前記生産施設で生産された前記更なるカテーテルの更なる合格/不合格検査判断を策定することとを含む、請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療機器の検査に関し、詳細には、カテーテルにおける欠陥の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機器は、使用前に、機器に欠陥が確実に存在しないよう確認が行われるべきである。医療機器を検査するためのシステムの一部の例が、以下に記載されている:
Maehringer-Kunzらの米国特許出願第2009/0251535号は、管状プローブの自動照明及び検査のためのデバイスを記載している。このデバイスは、検査すべきプローブを保持するための回転可能な手段、電子カメラ、及び検査すべきプローブを照明するための手段を有すると述べられている。
Stupeckyの米国特許第7,578,165号は、バルーンカテーテルを測定するための測定用デバイス及び方法を記載している。このデバイスは、バルーンカテーテルの外側寸法及びバースト圧を測定することが可能であると述べられている。
Vaillancourtの米国特許第5,234,411号は、穿刺可能な膜であって、これを通して、コネクタの中空ニードルを挿入してバルーンの事前膨張を可能にすることができる、穿刺可能な膜を有する容器アセンブリを記載している。このシステムは、容器アセンブリの密封チャンバ内の流れ指向型カテーテルのバルーン先端部の拡張を観察するために、流れ指向型カテーテルと共に使用するためのものであると述べられている。
Flagleらの米国特許出願第2005/0283178号は、送達システムに含まれる管腔内医療装置の目視検査を容易にすると述べられている送達システムを記載している。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】カテーテルのための検査システムを例示する模式図である。
図2】本システムのジグの概略図である。
図3】人工ニューラルネットワークを訓練するために使用されるデータのコーパスを生成する際に行われる工程を列挙したフローチャートである。
図4】人工ニューラルネットワークの総合的な構成及び操作を例示する略ブロック図である。
図5】人工ニューラルネットワークを訓練するためのアルゴリズムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
概要
医療用カテーテルの生産における段階は、先端が、カテーテル先端部に対して規定されている規格に適合することを確認するための、カテーテル先端部の検査である。規定される規格は、通常、先端の素子の寸法、及び先端の電極のインピーダンスなどの他の特性などの、客観的規格である。手動で行われ得る、かつ/又は自動で行われ得る検査は、通常、規格に対応するパラメータ値のリストを作成し、リストのレビューが、カテーテル先端部が使用に適するか否か、又は適さないか否かを判定する。
【0005】
しかし、本発明者らは、実作業におけるカテーテル先端部の手動検査では、客観的規格に適合していると同時に、カテーテル先端部が、依然として、使用に適さないと見なされ得る状況が、通常、発生することを見出した。例えば、先端の1つの電極は、反射仕上げを有する他の電極と比べると、艶消し仕上げを有するように見えることがある。又は、電極の1つが、引っかき傷を有することがある。更なる例として、バスケット型カテーテルの場合、カテーテルのスパイン部は、非対称に展開することがある。
【0006】
このような状況は、通常、主観的であり、先端の手動検査に応答して認識され、かつ客観的規格に含まれ得ない、先端の主観的欠陥を明らかにする。手動検査は、第1の施設、すなわち、カテーテルが生産される場所で行うことができる。手動検査は、他の施設、例えば、最初の生産後にカテーテルが納入され、このカテーテルを更に加工する施設において行われることもある。手動検査は主観的性質があるため、2つの検査によって識別される欠陥は、例えば、展開されたバルーンカテーテルにおいて非対称と識別される可能性がある他の施設の1つにおける検査に相当しないことがある一方、このような非対称性は、第1の施設において登録されないことがある。
【0007】
本開示は、ローカル検査員及び遠隔検査員にカテーテル先端部の画像を提供することによって、上記の例によって例示される問題に対処する。カテーテルは、ローカルな製造施設又は生産施設において、ジグ内に置かれる。このジグは、照明、例えば、先端を照明する照明器、及び先端を撮像するためのカメラを備えて事前構成されている。照明及びカメラは、先端がすべての面から検査され得るように、ジグの複数の異なる平面に装着される。上記のとおり、先端画像は、異なる施設における検査員に提供され、検査員は、それぞれ、識別された欠陥と共に画像に注釈を付け、検査員が識別した欠陥をリストにする。このように、異なる施設からの検査員が、情報を共有し、遠隔地において追加の検査を行う必要なしに、カテーテルの適合性、すなわちそのカテーテルが正しく機能するかどうかに関する判断に一緒に到達することができる。異なる施設から一緒にされた入力に基づいて、ローカル検査員は、カテーテルが検査に合格/不合格であるかどうかを判断して、一緒にされた入力に基づいて到達した判断を含む報告書を作成することができる。この報告書は、メモリに記憶されてもよく、製造施設の各々と共有されてもよい。
【0008】
画像、ローカルの注釈付き画像、遠隔注釈付き画像、注釈のローカルリスト、注釈の遠隔リストを作成し、判断を下すプロセスが、ジグ内に配置されている、すべて同じタイプの他のカテーテルに対して繰り返される。これによって、検査されているカテーテル先端部のタイプについて、データのサブコーパス(原画像、ローカル注釈付き画像、遠隔注釈付き画像、注釈のローカルリスト、注釈の遠隔リスト、判断)が生成される。
【0009】
一部の例となる実施形態では、データのサブコーパスは、サブコーパスを構築するために使用されるカテーテル先端部のタイプにおける主観的タイプの欠陥を認識するよう、人工ニューラルネットワークを訓練するために使用される。一旦、訓練されると、ネットワークは、ジグ内の試験中のカテーテルの原画像から、通常、カテーテル先端部の手動検査によってしか発見されないと思われる主観的タイプの欠陥を自動的に識別するために使用される。
【0010】
場合により、ジグは、カテーテル先端部のさまざまなタイプを撮像するよう構成されてもよい。異なるタイプごとに、ジグの照明及びカメラは、手動により、又は自動的に調整されて、先端の最適画像を提供することができる。データのサブコーパスは、異なるタイプごとにアセンブリすることができ、ネットワークは、実質的に上記の異なるサブコーパスを使用して、さまざまなタイプの各々ごとに、主観的タイプの欠陥を自動的に識別するよう訓練されてもよい。複数のデータサブコーパスは、データのコーパスを形成し、このコーパスを用いてネットワークを訓練することによって、ネットワークは、すべての異なるタイプに対して主観的タイプの欠陥を自動的に識別することができることが理解されよう。
【0011】
生産施設における操作では、本発明の一部の例では、ジグは、異なるタイプのカテーテル先端部を自動的に識別し、それに応じて照明及びカメラを調整するように構成されてもよい。先端のタイプが一旦、識別されると、訓練済みネットワークを使用して、先端の主観的タイプの欠陥を自動的に識別することができる。
【0012】
上記の説明は、訓練済みネットワークが、先端の画像からカテーテル先端部の主観的タイプの欠陥を自動的に識別するためにどのように使用され得るかを要約しているが、このネットワークはまた、画像から先端内の客観的欠陥を識別するように訓練されてもよいことが理解されよう。このような客観的欠陥は、例えば、焦点カテーテルの半径及び/若しくは長さ、並びに/又は焦点カテーテル若しくは他のカテーテルにおける電極の位置及び幅などの、先端又はその素子の規定寸法からの逸脱を含む。
【0013】
したがって、訓練済みネットワークは、カテーテル先端部における主観的及び客観的欠陥の両方を識別するため、並びにカテーテルが検査に合格すべきか又は不合格にすべきかに関する助言を作成し、その助言をユーザに報告するために使用され得ることが理解されよう。作成された助言は、画像、画像上の注釈、受信された場合にはさまざまな検査員からの注記、及び作成済みの助言を含むことができる。注釈が付与される前の画像は、本明細書では原画像と呼ばれる。
【0014】
システム概要
以下の説明において、図面中の同様の要素は、同様の数字により識別され、同様の要素は、必要に応じて識別用の数字に文字を添えることにより、区別される。
【0015】
図1は、カテーテル24に関する検査システム20を例示する模式図である。システム20は、カテーテルが生産されるローカル施設28において、及びカテーテル又はカテーテル24に類似する別のカテーテルが更に加工されることになる1つ以上の遠隔施設32A、32Bにおいて作動される。本明細書において、ローカル施設24とは、ジグ36が置かれている施設を指し、遠隔施設32A、32Bはまた、一般には、遠隔施設32とも称され、これらの施設は、ローカル施設から物理的に分離されており、通常、追加の製造工程、アセンブリ及び/又は検査操作を提供することによって、カテーテルを加工することが理解されよう。ローカル施設28は、本明細書において、生産施設28とも呼ばれる。例として、図1は、2つの概ね同様の遠隔施設32A、32Bを例示するが、本発明の例では、1つ以上の遠隔施設があってもよい。
【0016】
ローカル施設28は、図2に関して、以下に一層詳細に記載されるジグ36を備えており、このジグは、カテーテル24を受容するように構成されており、かつ受容されたカテーテルの先端44の画像40を作成するようにも構成されている。本明細書において、「原」画像40とも称される、作成された画像40は、ローカル検査員48によってローカル施設において検査される。検査から、ローカル検査員は、画像内に明らかな欠陥を示す画像に注釈を付け、一式の注釈付き画像52を作成する。ローカル検査員はまた、ローカル施設注釈リスト56において、欠陥の対応するリストを作成する。
【0017】
上記のとおり、カテーテル24は、遠隔施設32において更に加工され、その結果、原画像40のコピーもまた、原画像のコピー42A、42B(概して、原画像(raw mage)コピー42と称される)として遠隔施設に送信される。遠隔施設32A、32Bにおいて、一般的に検査員60と呼ばれる個々の遠隔検査員60A、60Bが、原画像コピーを検査する。ローカル施設に関しては、遠隔施設において、遠隔検査員60A、60Bが、画像内に明らかな欠陥を示す原画像のコピーに注釈を付け、一式の遠隔注釈付き画像64A、64Bをそれぞれ作成する。遠隔検査員はまた、遠隔施設注釈リスト68A、68Bとして、欠陥のそれぞれの対応するリストを作成する。
【0018】
ローカル検査員48及び遠隔検査員60A、60Bの両方の検査に基づいて、カテーテルを顧客又は別の遠隔施設に輸送する前に、カテーテルが検査に合格したかどうかを判定する結論に達することができる。結論は、通常、カテーテルが目的にかなうか、すなわち正しく機能するかどうかの合格/不合格検査判断70を行うために、原画像、ローカル及び遠隔注釈付き画像、並びに対応するリストを吟味するため、グラフィックユーザインターフェース38を使用して、ローカル検査員48によって到達される。判断は、通常、キャプチャされた画像、画像上の注釈、注記、及び合格/不合格の助言又は判断を場合により含む報告書を作成することを含む。
【0019】
以下に更に記載されるとおり、いくつかの例となる実施形態では、原画像、ローカル及び遠隔注釈付き画像、ローカル及び遠隔注釈リスト、並びに機能性に関する合格/不合格判断は、プロセッサ76によって制御される人工ニューラルネットワーク(ANN)72を訓練するために使用されるデータコーパスを形成する。プロセッサ76は、システム20の他の要素、例えばジグ36を制御するように構成されており、プロセッサ及びANN72のどちらも、通常、必ずではないが、ローカル施設に設置されている。プロセッサ76は、ジグ36を操作するためのユーザインターフェース及びメモリ容量を含む、ワークステーションであってもよい。
【0020】
図2は、ジグ36の概略図である。例として、ジグ36は、長方形の平行六面体形状のハウジング100内に構築されると仮定され、ジグは、バルーンカテーテルであるカテーテル24上で使用されるものとして例示されている。しかし、本発明の例では、ハウジング100は任意の好都合な形状であってもよいこと、及びジグ36はバルーンカテーテル以外のカテーテルに使用されてもよいことが理解されよう。
【0021】
ジグ36は、少なくとも1つのクランプ104を備えており、本明細書において、例として、先端がジグ内で撮像されている間、カテーテル24の先端44を把持するよう構成されているクランプ104を備えると仮定されている。ジグ36には、必ずではないが、通常、ジグ36の壁に、1つ以上のカメラ108及び1つ以上の照明器112が装着されている。複数のカメラ108及び照明器112は、先端44がすべての面から検査され得るように、異なる角度から先端44の画像をキャプチャすることを実現する。任意の所与のタイプのカテーテル24、例えば焦点カテーテル、バスケット型カテーテル又はバルーンカテーテルの場合、クランプ104、カメラ108及び照明器112は、最初にジグ調整器によって手動により調整されてもよく、かつ/又はカテーテルの識別に基づいて自動的に調整されてもよい。一例では、及び以下に仮定されるとおり、ジグ調整器は、本明細書において調整器48とも称される、ローカル検査員48である。調整器48による手動調整は、カメラ及び照明器が作動しているときに作成される一式のカテーテルの原画像40が、細部及び品質においてジグ調整器にとって許容可能なカテーテル及びその先端の画像を提供するように行われる。各原画像40は二次元であってもよいが、一式の原画像は、カテーテル及びその先端が完全に撮像されるように、すなわち、カテーテル及びその先端の完全な三次元ビューが一式の二次元画像から誘導され得るように選択される。
【0022】
上記で言及したクランプ調整は、とりわけ、先端44のどの部分も一式の原画像において不明瞭にならないことを確実にし、先端並びにカメラ108及び照明器112に対するクランプ104の位置及び向きが、それに応じて調整器48によって、又はプロセッサ76によって発生した命令に基づいて設定される。
【0023】
調整器48又はプロセッサ76は、各カメラ108のパラメータを設定する、及び/又はその操作パラメータ、例えば、その視野、その焦点位置、カメラ内で画像を作成する放射線の波長及び/又は偏光に基づいてカメラ108を選択する。波長は、通常、可視及び近可視スペクトルの部分を含み、一部の例では、カメラが画像を取得する際に、波長及び/又は偏光の1つ以上のフィルターがカメラに使用されてもよい。一部の例では、任意の所与のカメラ108は、異なる個々の時間に複数の画像を作成するように構成されてもよく、カメラのパラメータは、画像ごとに異なって設定される。
【0024】
調整器48又はプロセッサ76はまた、その操作パラメータ、例えば、その位置及び向き、その放射線が伝送される立体角、その輝度、並びに照明器によって放出される放射線の波長及び又は偏光に基づいて、各照明器112のパラメータを設定する、及び又は照明器112を選択する。カメラに関して、所与の照明器112に対して1つ以上のフィルターが使用されてもよい。
【0025】
一部の例では、所与のカテーテル24の先端44は、通常、展開されたとき又は展開されていないときに、1つ超の状態を有することがある。例えば、例示されているバルーンカテーテルは、カテーテル先端部が患者に挿入される際に、先端44が折り畳まれた非展開状態で使用することができ、先端44が患者の心臓の心室内にある場合、先端44が膨張した展開状態に形を変えることができる。膨張状態は、バルーン内部とジグ36との間に差圧を適用することによって行われてもよい。別の例として、バスケット型カテーテルは、バスケット先端が患者内に挿入される際に、バスケット先端が折り畳まれた非展開状態で使用することができ、先端が患者の心臓内にあるとき、バスケット先端が拡張された展開状態に形を変えることができる。(対照的に、焦点カテーテル、すなわち焦点先端を有するカテーテルは、通常、展開状態又は非展開状態の両方において、1つの状態を有する)。
【0026】
一部の例となる実施形態では、複数の状態を有する先端44を有する所与のカテーテルの場合、クランプ104、カメラ108及び照明器112は、状態ごとに調整され、その結果、各状態にある先端44の画像は、細部及び品質において、ジグ調整器にとって許容可能である。場合により、複数の状態の各々に対する調整は、順次、有効にされる。
【0027】
場合により、クランプ104、カメラ108及び照明器112の上で言及した調整設定は、リニアアクチュエータ及び/又は回転アクチュエータなどの個々のアクチュエータを使用して行われる。更に又は代替的に、カメラ108及び/又は照明器の調整設定は、カメラ108の露光時間及び照明器112の電源オン状態の時間を含む、カメラ108及び/又は照明器112を作動させるための電気パラメータの設定値を含んでもよい。所与の先端44の状態ごとに、アクチュエータが手動で一旦、調整されると、アクチュエータの各々に対する設定及び電気パラメータの値がプロセッサ76に提供されてもよく、プロセッサ76は、カテーテル24に類似したカテーテルの他の先端44に対してジグ36を作動させる設定を使用してもよい。
【0028】
本発明の一部の例では、プロセッサ76は、1つ以上のカメラ108によって取得された初期画像を使用して、どのカテーテル24及びどの先端44がジグ36内に導入されたかを識別することができる。一部の例では、クランプ104が作動される前に初期画像が取得され、その結果、先端44は、クランプによって把持されることなくジグ36内に配置される。一旦、識別されると、プロセッサ76は、クランプ、カメラ108及び照明器112を起動することができ、その結果、先端44が固定してクランプされた後、初期画像に続く画像40が、自動的に取得され得る。代替として、調整器48は、カテーテル24及び先端44がどれであるかをプロセッサ76に提供することができ、次に、プロセッサ76は、上記のとおり、先にプロセッサに提供された設定にしたがって、クランプ、カメラ及び照明を起動することができる。
【0029】
図3は、異なる施設において、複数の検査員によって実行された検査を要約した報告書を作成するため、ジグ36によって実行される工程を列挙したフローチャート152である。一部の例となる実施形態では、ジグ36によって収集及び記憶されたデータは、人工ニューラルネットワーク72を訓練するためのデータのコーパスの生成に使用される。データコーパスは、通常、カテーテル24の複数の異なる先端44のためのものであり、したがって、フローチャートの工程は、異なる先端44ごとに進められる。すなわち、異なる先端ごとに、データの個々のサブコーパスが生成される。フローチャートの工程の記載は、システム20、すなわち1つのローカル施設及び2つの遠隔施設に関するものであると仮定され、当業者は、2つとは異なる数の遠隔施設に関する記載を修正することができよう。
【0030】
初期設定工程150において、検査のためのカテーテルが、ジグ36によって識別される。場合により、ローカル検査員48は、本明細書において標的先端とも称される、検査される先端44を含むカテーテル24を選択し、その選択をジグ36のユーザインターフェースを介してジグ36に通信する。ジグの設定工程154では、カメラ108及び照明器112は、先端の画像をキャプチャするように構成されている。場合により、選択されたカテーテルに使用される構成は、ジグ36のメモリに記憶される。場合により、ローカル検査員は、先端44をジグ36に導入し、ジグ36の要素、すなわち、クランプ104、カメラ108及び照明器112を調整する。場合により、カメラ108によって取得された先端の画像は、上記のとおり、先端44の検査を提供する。必要に応じて、ジグ36の要素は、画像がカテーテル先端部の各状態について取得されるように調整される。画像を作成するために使用される設定は、フローチャートの残りの工程においてプロセッサ76によって使用されるために記憶される。
【0031】
第1の作動工程162において、ジグ内のカテーテルの適切な設置が検証されてもよい。場合により、ローカル検査員48は、工程150及び154において、ジグ36が設定されるカテーテルタイプの先端44を挿入する。ジグ44が先端44を、一旦、識別すると、プロセッサ76は、先端44に関して記憶された設定にしたがって、クランプ104、カメラ108及び照明器112を調節する。
【0032】
撮像工程166において、プロセッサ76は、カメラ108及び照明器112を作動させ、先端44の原画像40を作成及び取得する。
【0033】
画像提供工程170において、原画像40がローカル検査員48に提供され、原画像42A、42Bのコピーもまた、施設32A、32Bにおける遠隔検査員60A、60Bに提供される。通常、原画像及びそれらのコピーは、電子的に提供されるが、一部の場合、原画像の少なくとも一部は、「ハードコピー」として、すなわち紙で提供されてもよい。次に、ローカル検査員は、原画像40に注釈を付け、ローカル施設検査員注釈付き画像52及びローカル施設検査員注釈リスト56として作成された注釈をリストにする。注釈が付けられた原画像は、本明細書において、注釈付き画像と呼ばれる。本明細書において言及される原画像とは、注釈付け前の画像のことである。同様に、遠隔検査員は、原画像のコピー42A、42Bにそれぞれ注釈を付け、遠隔施設検査員注釈付き画像62A、62B及び遠隔施設検査員注釈リスト68A、68Bとして作成された注釈をリストにする。
【0034】
データ照合工程174において、プロセッサ76は、原画像及び注釈付き画像、並びに注釈のそれぞれのリストを、試験されているカテーテルに関する一式のデータとして受信して記憶する。
【0035】
検査工程176において、プロセッサ76は、ユーザインターフェース38に、検査されているカテーテルに関する一式のデータ、すなわち、原画像、注釈付き画像及び注釈リストを提供する。ローカル検査員48は、ユーザインターフェース上にデータを表示して、カテーテルが目的に合っているかどうか、すなわち、カテーテルが正しく機能するかどうかを判断することができる。プロセッサ76は、カテーテルの合格/不合格判断70を記憶し、検査されているカテーテルにそれを合格/不合格検査通知として適用する。
【0036】
報告工程178において、ジグ36は、キャプチャされた原画像、注釈及び合格/不合格判断のうちの1つ以上を含む報告書を作成する。報告書は、プロセッサ76につなげたメモリに記憶されてもよく、場合により、クラウド上で遠隔サイトと共有されてもよい。
【0037】
作動工程は、初期工程150において識別されたものと同じタイプの他のカテーテルに対して、矢印158によって例示されるように繰り返されてもよく、各繰り返しは、一式のデータ及び判断を提供し、複数の組及び判断は、試験されているカテーテルに関するデータのサブコーパスを形成する。
【0038】
図3のフローチャートの工程は、通常、他のカテーテルタイプに対して繰り返され、各カテーテルタイプは、データの個々のサブコーパスを生成する。複数のサブコーパスが、人工ニューラルネットワーク(ANN)72を訓練するために使用されるデータのコーパスを形成する。
【0039】
図4は、ANN72の全構成及び操作を例示する略ブロック図である。ここで提示されている構成及び操作は例であり、当業者は、ANN72と同様に機能する他の構成及び操作を有するネットワークを認識していることが理解されよう。すべてのこのようなネットワークは、本発明の範囲内に含まれると想定される。
【0040】
例示されている図において、ANN72は、選択されたカテーテル24の選択された先端44に関して訓練する場合、フローチャート152の工程174において記憶されたデータの関連サブコーパスを、入力信号200として受信するように構成されている。すなわち、入力信号200は、原画像40、ローカル施設検査員注釈付き画像52、ローカル施設検査員注釈リスト56、遠隔施設検査員注釈付き画像64、遠隔施設検査員注釈リスト68、及び合格/不合格検査判断70を含む。ネットワークの出力信号240を、以下に更に記載する。
【0041】
ANN72は、人工ニューロンの層から形成されており、これ以降では、層の各々は、整流化線形ユニット(ReLU)ニューロンを備えると仮定される。しかし、ANN72の層は、ReLUニューロン、tanhニューロン及び/又はシグモイドニューロンの誘導などの他のニューロンから構成されてもよく、当業者は、他のこのようなニューロンを有する層に対して本開示を必要な変更を加え、適合させることができるであろう。
【0042】
ANN72は第1の入力層204を有し、その後に多数の隠れ層208が続き、隠れ層の後に出力層210が続く。これらの層を、以下において一層詳細に記載する。
【0043】
ANN200の開示された例では、入力層204は、入力200におけるデータ要素の数に対応する数のニューロンを有する。任意の所与の入力200のデータ要素は、原画像40及び注釈付き画像52、64の画素を含み、通常、注釈付き画像のデータ要素は、欠陥の画素しか含まない。入力のデータ要素はまた、リスト56、68にリストされた欠陥のインジケータを含む。通常、欠陥のリストは、欠陥インジケータとして働く英数字インデックスと特定の欠陥の記述との間に1対1の対応が存在するようにインデックス付けされる。
【0044】
隠れ層208は、複数の平行な一式の層として形成され、各組は、通常、少なくとも1つの畳み込み層及び/又は1つ全結合層を含む。ANN72は、2つの全結合層212、214を有すると例示されており、層212が入力層204に続き、層212は出力層210に先行する。1つの畳み込み層216が、図4に示されている。ANN72が、2つの全結合層及び1つの畳み込み層を有するものと図示されているものは、真に例示的なものであること、及び実際には、ANN72は、層212と実質的に同様の複数の全結合層、及び/又は層216と実質的に同様の複数の畳み込み層を有することができることが理解されよう。
【0045】
示されている例では、少なくとも1つのフィルター又はカーネルからなる畳み込み層216は、入力層204又は別のこれまでの隠れ層から誘導された値全体を走査することによって、層の畳み込みを実行するように構成されている。各カーネルはフィルターであり、示されている例は、第1のカーネル220及び第2のカーネル224を備える層216を図示する。同様に、例示は、畳み込み層が2つのカーネルを有することを示しているが、通常、2つより多くのカーネルが存在する。
【0046】
層216内などの畳み込み層内のカーネルは、通常、その畳み込み演算によって、分析されているデータの特徴をフィルターリング又は分離するように構成されている。カーネルは、提示された一式のデータに沿って事前設定されたストライドで段階的にスライドし、各工程の後にカーネルによる「対象範囲の」データの項目の畳み込みを形成することによって作動する。通常、カーネルによるこれらの要素の畳み込みが正しいことを保証するために、畳み込み層の最初の要素及び最後の要素にパディング要素が追加される。
【0047】
畳み込み層216の後には、通常、層216の出力を受信するように構成されているプーリング層228が続く。プーリング層228は、次に、畳み込み層216のカーネルの各々によって生成されたデータを削減するように構成されている、層につなげられた少なくとも1つのフィルターを備える。例として、プーリング層228は、2つのフィルター232、236を有すると仮定される。プーリング層のフィルターは、畳み込みを実行せず、むしろ、例えばフィルターリングされたデータの最大値を採用することによって、層216からのデータを削減するように構成されており、この場合、プーリング層228が、最大プーリング層となる。
【0048】
上記のとおり、ANN72の図示は例示的なものであり、通常、層216と同様の複数の畳み込み層が存在し、各畳み込み層の後に個々のプーリング層が続く。
【0049】
図示されている開示された例では、出力層210の前に全結合層214があり、層のサイズは、通常、ANN72によって出力されるデータのサイズに対応するように選択される。ANN72は、そのデータ出力信号240が機械注釈付き画像244、機械注釈リスト248、及び機械合格/不合格判断252を含むように訓練される。機械注釈付き画像244は、概して、一式の画素を含む、ローカル及び遠隔注釈画像に類似し、各組は、検査されているカテーテル先端部内の欠陥を例示し、一式の画素は、ANN72によって選択される。機械注釈リスト248は、一般に、リスト56、68と同様であり、通常、ANN72によって選択され、画像244内の一式の画素と1対1の対応を有する英数字インデックスを含む。機械合格/不合格判断252は、概して、合格/不合格検査判断70と同様であり、通常、検査されているカテーテルの合格又は不合格に対応するインデックスを含む。
【0050】
図5は、ANN72を訓練するためのアルゴリズムのフローチャート300である。訓練は反復プロセスであり、ネットワークニューロンの重み、畳み込み層のフィルターの数及びサイズ及び重み、並びに異なる層の数及びタイプなどのネットワークのパラメータが、ネットワークの出力を最適化するように調整される。訓練は、プロセッサ76を使用して実行されると仮定されるが、任意の他の好適なプロセッサが使用されてもよい。
【0051】
最初の工程304において、通常、図3のアルゴリズムを用いて生成されたデータのサブコーパスが、入力層204に入力される。サブコーパス内に存在し得る多数の信号のために、信号の入力は、通常、バッチプロセスとして行われる。
【0052】
評価工程308では、プロセッサは、ネットワークによって計算され出力された注釈付き画像、注釈リスト及び合格/不合格判断を記録し、費用計算工程312において、プロセッサは、信号の入力バッチの既知の注釈付き画像、リスト及び判断を使用して、既知の注釈付き画像、リスト及び判断をネットワークによって出力された注釈付き画像、リスト及び判断に関連付ける費用を計算する。
【0053】
工程312は、二次費用関数又は交差エントロピー費用関数など、当技術分野で公知の任意の費用関数を使用することができる。
【0054】
判断工程316では、プロセッサは、工程312において計算された費用が許容可能になるよう、十分に低いかどうかを判定する。費用が高すぎる場合、すなわち、費用が許容可能ではなく、その結果、判断が否定を返す場合、プロセッサは、調整工程320において、任意の好適な最適化アルゴリズム、例えば、アダムオプティマイザなどの勾配降下アルゴリズムを使用してネットワークのパラメータを変更する。
【0055】
上記のとおり、及び矢印324によって例示されるとおり、訓練プロセスは反復プロセスであり、したがってプロセッサは、工程324から最初の工程304に戻る。
【0056】
判断工程316が肯定を返す場合、すなわち、工程312において計算された費用が十分に低い場合、保存工程328において、プロセッサは、計算されたネットワークパラメータを保存し、これらをANN72において使用する。
【0057】
フローチャート300の上の記載は、所与のカテーテルタイプに対応するデータのサブコーパスに対してANN72がどのように訓練され得るかを例示する。フローチャートの工程は、ANN72を訓練してローカル施設で生産されたすべてのカテーテルタイプの欠陥を検出するよう、ローカル施設28において生産されたすべてのカテーテルタイプに対応するすべてのサブコーパスに対して繰り返され得る。
【実施例0058】
実施例1.
ヒト対象の管腔に挿入されるように構成されているカテーテル(24)の、カテーテルの生産施設(28)においてキャプチャされた画像(40)を受信することと、
カテーテルの第1の欠陥の画像上で第1の注釈(52)を受信することと、
カテーテルを加工する生産設備とは別の更なる設備(32A)において、カテーテルの第2の欠陥の画像の個々のコピー(42A)上に第2の注釈(64A)を策定することと、
生産施設において生産された更なるカテーテルにおける欠陥を検出するため、画像、第1の注釈及び第2の注釈を使用して、人工ニューラルネットワーク(72)を訓練することと、
を含む、方法。
実施例2.画像をキャプチャするよう構成されているジグ(36)を生産施設において提供することを含む、実施例1による方法。
実施例3.画像が初期画像を含み、ジグが初期画像からカテーテルのタイプを識別するように構成されている、実施例2による方法。
実施例4.人工ニューラルネットワークを訓練するために使用される画像が、初期画像に続いて取得された画像を含む、実施例3による方法。
実施例5.生産施設において生産された更なるカテーテルが、識別されたタイプのカテーテルを有する、実施例3による方法。
実施例6.ジグが、画像をキャプチャする前に、カテーテルを受容し、固定して把持するように構成されている、実施例2による方法。
実施例7.画像が、カテーテルの先端(44)の画像を含み、先端のいずれの部分も先端の画像内で不明瞭にならないよう、ジグの少なくとも1つのクランプ(104)を調節して、カテーテルを固定して把持することを更に含む、実施例6による方法。
実施例8.カテーテルが先端(44)を備え、受信された画像が先端画像を含み、人工ネットワークを訓練することが、更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、先端画像、先端画像の第1の注釈及び先端画像の個々のコピーの第2の注釈を使用してネットワークを訓練することを含む、実施例1による方法。
実施例9.カテーテルの先端が複数の状態を有し、人工ネットワークを訓練することが、複数の状態における更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、ネットワークを訓練することを含む、実施例8による方法。
実施例10.複数のうちの第1の状態が、先端が管腔内にあることに対応して、非展開状態にある先端を含み、第2の状態が、先端がヒト対象の心臓内にあることに対応する展開状態にある先端を含む、実施例9による方法。
実施例11.画像、第1の注釈及び第2の注釈に応答してカテーテルの合格/不合格検査判断(70)を策定することと、この判断を使用して人工ニューラルネットワークを訓練し、生産施設で生産された更なるカテーテルの更なる合格/不合格検査判断を策定することとを含む、実施例1による方法。
実施例12.
人工ニューラルネットワーク(72)と、
プロセッサ(76)であって、
ヒト対象の管腔内に挿入されるように構成されているカテーテル(24)の、カテーテルの生産施設(28)においてキャプチャされた、画像(40)を受信し、
カテーテルの第1の欠陥の画像上の第1の注釈(52)を受信し、
カテーテルを加工する、生産施設とは別の、更なる施設(32A)において策定された、カテーテルの第2の欠陥の画像の個々のコピー(42A)上の、第2の注釈(64A)を受信し、
生産施設において生産された更なるカテーテルにおける欠陥を検出するため、画像、第1の注釈及び第2の注釈を使用している、人工ニューラルネットワークを訓練する、よう構成されている、プロセッサと、
を備える、装置。
実施例13.画像をキャプチャするよう構成されている生産施設に置かれたジグ(36)を備える、実施例12による装置。
実施例14.画像が初期画像を含み、ジグが初期画像からカテーテルのタイプを識別するように構成されている、実施例13による装置。
実施例15.人工ニューラルネットワークを訓練するために使用される画像が、初期画像に続いて取得された画像を含む、実施例14による装置。
実施例16.生産施設において生産された更なるカテーテルが、識別されたタイプのカテーテルを有する、実施例14による装置。
実施例17.ジグが、画像をキャプチャする前に、カテーテルを受容し、固定して把持するように構成されている、実施例13による装置。
実施例18.画像が、カテーテルの先端(44)の画像を含み、カテーテルを固定して把持し、先端のどの部分も先端の画像内で不明瞭にならないよう調整されている、ジグの少なくとも1つのクランプ(104)を備える、実施例17による装置。
実施例19.カテーテルが先端(44)を備え、受信された画像が先端画像を含み、人工ネットワークを訓練することが、更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、先端画像、先端画像の第1の注釈、及び先端画像の個々のコピーの第2の注釈を使用して、ネットワークを訓練することを含む、実施例12による装置。
実施例20.カテーテルの先端が複数の状態を有し、人工ネットワークを訓練することが、複数の状態の更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、ネットワークを訓練することを含む、実施例19による装置。
実施例21.複数のうちの第1の状態が、先端が管腔内にあることに対応して非展開状態にある先端を含み、第2の状態が、先端がヒト対象の心臓内にあることに対応して展開状態にある先端を含む、実施例20による装置。
実施例22.画像、第1の注釈及び第2の注釈に応答してカテーテルの合格/不合格検査判断(70)を策定することと、この判断を使用して人工ニューラルネットワークを訓練し、生産施設で生産された更なるカテーテルの更なる合格/不合格検査判断を策定することとを含む、実施例12による装置。
実施例23.製造中にカテーテル(24)が加工される少なくとも2つの施設(52、64)のうちの第1の施設(52)において、カテーテル(24)の先端(44)を検査するためのジグ(36)であって、ジグ(36)が、検査中にカテーテル(24)の先端(44)を収容するように構成されているハウジング(100)と、先端(44)をハウジング(100)内に固定して位置決めするよう構成されている少なくとも1つのクランプ(104)と、ハウジング(100)内に装着された複数のカメラ(108)であって、当該複数のカメラ(108)が、異なる角度から先端(44)の画像(40)をキャプチャするよう構成されている、複数のカメラ(108)と、ハウジング内に装着された複数の照明器(112)であって、当該複数の照明器(112)が、異なる角度から先端(44)を照明するように構成されている、複数の照明器(112)と、プロセッサ(76)であって、ハウジング(100)内に装着されたカテーテル(24)に基づいて複数のカメラ(108)及び複数の照明器(112)を選択的に作動させ、複数の画像(40)の個々のコピーを、カテーテル(24)を加工する、第1の施設(56)とは別の第2の施設(68)に転送し、第1の施設(56)からカテーテル(24)の欠陥の画像上の第1の注釈を受信し、第2の施設(68)からカテーテル(24)の欠陥の画像の個々のコピー上の第2の注釈を受信し、第1の注釈及び第2の注釈に基づいて、第1の施設(56)及び第2の施設(68)からの検査の報告書を作成する、よう構成されている、プロセッサ(76)と、を備えており、プロセッサ(76)が、ユーザとインターフェースするためのユーザインターフェースに連結されており、複数の画像を記憶するためのメモリが、第1の注釈及び第2の注釈(40、52、56)を含む、ジグ(36)。
実施例24.画像が初期画像を含み、プロセッサが初期画像からカテーテルのタイプを識別するように構成されている、実施例23による装置。
実施例25.複数のカメラ(108)が、ハウジング(100)の異なる壁に装着されている少なくとも2つのカメラを含む、実施例23によるジグ。
実施例26.複数のカメラ(108)が、複数のカメラ(108)のうちの別のカメラのもの以外の波長又は偏光において画像をキャプチャする少なくとも1つのカメラを含む、実施例23によるジグ(36)。
実施例27.複数の照明器が、複数の照明器のうちの別の照明器の波長と異なる波長の光を放射する少なくとも1つの照明器を含む、実施例23によるジグ(36)。
【0059】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で特に図示及び記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本開示の範囲は、本明細書の上に記載されているさまざまな特徴の組合せ及び部分的組合せの両方、並びに前述の記載を一読すると当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含むものである。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) 製造中にカテーテルが加工される少なくとも2つの施設のうちの第1の施設において、前記カテーテルの先端を検査するためのジグであって、前記ジグが、
検査中に前記カテーテルの先端を収容するように構成されているハウジングと、
前記先端を前記ハウジング内に固定して位置決めするよう構成されている少なくとも1つのクランプと、
前記ハウジング内に装着された複数のカメラであって、前記複数のカメラが、異なる角度から前記先端の画像をキャプチャするよう構成されている、複数のカメラと、
前記ハウジング内に装着された複数の照明器であって、前記複数のカメラが、異なる角度から前記先端を照明するように構成されている、複数の照明器と、
プロセッサであって、
前記ハウジング内に装着された前記カテーテルに基づいて、前記複数のカメラ及び前記複数の照明器を選択的に作動させ、
前記複数の画像の個々のコピーを、前記カテーテルを加工する、前記第1の施設とは別の、第2の施設に転送し、
前記第1の施設から前記カテーテルの欠陥の前記画像上の第1の注釈を受信し、
前記第2の施設から前記カテーテルの欠陥の前記画像の前記個々のコピー上の第2の注釈を受信し、
前記第1の注釈及び前記第2の注釈に基づいて、前記第1の施設及び前記第2の施設からの前記検査の報告書を作成する、
よう構成されている、プロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサが、ユーザとインターフェースするためのユーザインターフェースに連結されており、前記複数の画像を記憶するためのメモリが、前記第1の注釈及び前記第2の注釈を含む、
ジグ。
(2) 前記複数の画像が初期画像を含み、前記プロセッサが前記初期画像から前記カテーテルのタイプを識別するように構成されている、実施態様1に記載のジグ。
(3) 前記複数のカメラが、前記ハウジングの異なる壁に装着されている少なくとも2つのカメラを含む、実施態様1に記載のジグ。
(4) 前記複数のカメラが、前記複数のカメラのうちの別のカメラのもの以外の波長又は偏光において画像をキャプチャする少なくとも1つのカメラを含む、実施態様1に記載のジグ。
(5) 前記複数の照明器が、前記複数の照明器のうちの別の照明器の波長と異なる波長の光を放射する少なくとも1つの照明器を含む、実施態様1に記載のジグ。
【0061】
(6) 人工ニューラルネットワークと、
プロセッサであって、
ヒト対象の管腔内に挿入されるように構成されているカテーテルの、前記カテーテルの生産施設においてキャプチャされた、画像を受信し、
前記カテーテルの第1の欠陥の前記画像上の第1の注釈を受信し、
前記カテーテルを加工する、前記生産施設とは別の、更なる施設において策定された、前記カテーテルの第2の欠陥の前記画像の個々のコピー上の、第2の注釈を受信し、
前記生産施設において生産された更なるカテーテルにおける欠陥を検出するため、前記画像、前記第1の注釈及び前記第2の注釈を使用して前記人工ニューラルネットワークを訓練する、
よう構成されている、プロセッサと、
を備える、装置。
(7) 前記画像をキャプチャするよう構成されている前記生産施設に設置されたジグを備え、前記画像が初期画像を含み、前記ジグが前記初期画像から前記カテーテルのタイプを識別するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記人工ニューラルネットワークを訓練するために使用される前記画像が、前記初期画像に続いて取得された画像を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記生産施設において生産された前記更なるカテーテルが、前記識別されたタイプの前記カテーテルを有する、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記ジグが、前記画像をキャプチャする前に、前記カテーテルを受容し、固定して把持するように構成されている、実施態様7に記載の装置。
【0062】
(11) 前記画像が、前記カテーテルの先端の画像を含み、前記カテーテルを固定して把持し、前記先端のどの部分も前記先端の前記画像内で不明瞭にならないよう調整されている、前記ジグの少なくとも1つのクランプを備える、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記カテーテルが先端を備え、前記受信された画像が先端画像を含み、前記人工ネットワークを訓練することが、前記更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、前記先端画像、前記先端画像の第1の注釈、及び前記先端画像の個々のコピーの第2の注釈を使用して、前記ネットワークを訓練することを含む、実施態様6に記載の装置。
(13) 前記カテーテルの前記先端が複数の状態を有し、前記人工ネットワークを訓練することが、前記複数の状態にある前記更なるカテーテルの先端における欠陥を検出するため、前記ネットワークを訓練することを含む、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記複数のうちの第1の状態が、前記先端が前記管腔内にあることに対応して非展開状態にある前記先端を含み、第2の状態が、前記先端が前記ヒト対象の心臓内にあることに対応して展開状態にある前記先端を含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記画像、前記第1の注釈及び前記第2の注釈に応答して前記カテーテルの合格/不合格検査判断を策定することと、前記判断を使用して前記人工ニューラルネットワークを訓練して、前記生産施設で生産された前記更なるカテーテルの更なる合格/不合格検査判断を策定することとを含む、実施態様6に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】