IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019105
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】表示パネルおよびこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240201BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240201BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240201BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
H10K59/10
H10K59/122
H10K59/124
H10K77/10
H10K59/12
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122123
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0094663
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ペク, スンハン
(72)【発明者】
【氏名】ハ, ヨンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ヨンギン
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ウィヒョン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD12
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE03
3K107FF15
3K107GG12
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA05
5C094DA13
5C094FB01
5C094FB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガラス基板の加工および多様な形状のホールが形成されながらも剛性が維持される表示パネルおよびこれを含む表示装置を提供する。
【解決手段】実施例は、表示領域および透光領域を含むガラス基板、前記表示領域上に配置される回路部、および前記回路部上に配置される素子部を含み、前記ガラス基板は前記透光領域と対応する位置に配置された第1開口部を含み、前記ガラス基板上に配置されて前記第1開口部を囲む第1エッチング防止層を含む表示パネルおよびこれを含む表示装置を開示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域および透光領域を含むガラス基板、
前記表示領域上に配置される回路部、および
前記回路部上に配置される素子部を含み、
前記ガラス基板は前記透光領域と対応する位置に配置された第1開口部を含み、
前記ガラス基板上に配置されて前記第1開口部を囲む第1エッチング防止層を含む、表示パネル。
【請求項2】
前記第1エッチング防止層は前記第1開口部の内側に突出する突出部を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1エッチング防止層は有機物を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1開口部の内側面の傾斜角度と前記突出部の側面の傾斜角度は異なる、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1エッチング防止層は前記ガラス基板上に配置される第1サブ層、前記第1サブ層上に配置される第2サブ層を含み、
前記第1サブ層は無機物を含み、
前記第2サブ層は有機物を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1エッチング防止層は前記第1サブ層と前記第2サブ層間に配置される第3サブ層を含み、
前記第3サブ層は金属を含む、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第2サブ層は前記第1サブ層より前記第1開口部の内側にさらに突出する、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記ガラス基板は縁に形成された第2傾斜面を含み、
前記第2傾斜面の角度は前記第1開口部の内側面の傾斜角度と同一である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記ガラス基板の背面、前記第1開口部の内側面および前記突出部の下面に形成されるコーティング層を含む、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1サブ層は挿入溝を含み、
前記第2サブ層は前記挿入溝に配置される第1突出部を含む、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第2サブ層は前記第1開口部の内側に突出する第2突出部を含み、
前記第2突出部は前記ガラス基板の上面より高く配置される、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記表示領域は、
バッファ層、
前記バッファ層上に配置される半導体層、
前記半導体層上に配置されるゲート絶縁膜、
前記ゲート絶縁膜上に配置されるゲート電極、
前記ゲート電極上に配置される第1絶縁膜、
前記第1絶縁膜上に配置されるソース電極およびドレイン電極、
前記ソース電極およびドレイン電極上に配置される平坦化層、
前記平坦化層上に配置されるバンク層を含み、
前記第2サブ層は前記平坦化層またはバンク層が前記透光領域に延びて形成された、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第1サブ層は前記バッファ層が前記透光領域に延びて形成された、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第2傾斜面上に配置される第2エッチング防止層を含み、
前記第1エッチング防止層と前記第2エッチング防止層の層の構造は同一である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項15】
表示領域および透光領域を含むガラス基板、
前記表示領域上に配置される回路部、および
前記回路部上に配置される素子部を含み、
前記ガラス基板は前記透光領域に対応する位置に配置された第1開口部および側面に形成された第2傾斜面を含み、
前記第1開口部の内側面の傾斜角度と前記第2傾斜面の傾斜角度は同一である、表示パネル。
【請求項16】
前記第1開口部上に配置される第1エッチング防止層および前記第2傾斜面上に配置される第2エッチング防止層を含む、請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第1エッチング防止層と前記第2エッチング防止層の層の構造は同一である、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第1エッチング防止層は前記第1開口部の内側に突出する突出部を含む、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項19】
表示領域および透光領域を含むガラス基板、
前記表示領域上に配置される回路部、
前記回路部上に配置される素子部、および
前記透光領域の下方に配置される電子デバイスを含み、
前記ガラス基板は前記透光領域に対応する位置に配置された第1開口部を含み、
前記ガラス基板上に配置されて前記第1開口部を囲む第1エッチング防止層を含む表示装置。
【請求項20】
前記ガラス基板は縁に形成された第2傾斜面を含み、
前記第2傾斜面の角度は前記第1開口部の傾斜角度と同一である、請求項19に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は表示パネルおよびこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界発光表示装置は発光層の材料によって無機発光表示装置と有機発光表示装置に大別される。アクティブマトリックスタイプ(active matrix type)の有機発光表示装置は自ら発光する有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:以下、「OLED」という)を含み、応答速度が速くて発光効率、輝度および視野角が大きい長所がある。有機発光表示装置はOLED(Organic Light Emitting Diode、OLED」という)がピクセルそれぞれに形成される。有機発光表示装置は応答速度が速くて発光効率、輝度、視野角などが優秀なだけでなく、ブラック諧調を完全なブラックで表現できるため、明暗比(contrast ratio)と色再現率が優秀である。
【0003】
最近、有機発光表示装置はフレキシブル(flexible)素材であるプラスチック基板上に具現されているが、多様なイシューによってガラス基板上に具現されてもよい。
【0004】
しかし、ガラス基板上に具現される場合、ノッチまたはラウンドを加工したりパネルの内部にホールを形成する場合、剛性が低下し、多様な形状の加工が難しい問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例はガラス基板の加工および多様な形状のホールが形成されながらも剛性が維持される表示パネルおよびこれを含む表示装置を提供する。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一特徴に係る表示パネルは、表示領域および透光領域を含むガラス基板、前記表示領域上に配置される回路部、および前記回路部上に配置される素子部を含み、前記ガラス基板は前記透光領域と対応する位置に配置された第1開口部を含み、前記ガラス基板上に配置されて前記第1開口部を囲む第1エッチング防止層を含む。
【0008】
本発明の他の特徴に係る表示パネルは、表示領域および透光領域を含むガラス基板、前記表示領域上に配置される回路部、および前記回路部上に配置される素子部を含み、前記ガラス基板は前記透光領域に対応する位置に配置された第1開口部および側面に形成された第2傾斜面を含み、前記第1開口部の内側面の傾斜角度と前記第2傾斜面の傾斜角度は同一である。
【発明の効果】
【0009】
実施例によると、マザーガラス基板のカッティング時にパネルに多様な形状のホールを同時に形成できる長所がある。
【0010】
また、ガラス基板をエッチング時にパネルの内部にエッチング液が浸透することを防止することができる。
【0011】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例に係る表示装置の概念図である。
図2図1のI-I’方向断面図である。
図3図2のA部分拡大図である。
図4図2のB部分拡大図である。
図5a図3の変形例である。
図5b図4の変形例である。
図6】基板の透光領域と縁領域を囲んでいるエッチング防止層を示す図面である。
図7a】多様な形状の基板の開口部を示す図面である。
図7b】多様な形状の基板の開口部を示す図面である。
図7c】多様な形状の基板の開口部を示す図面である。
図7d】多様な形状の基板の開口部を示す図面である。
図8】表示領域の断面を示す図面である。
図9】本発明の第1実施例に係る表示パネルを示す図面である。
図10】透光領域を形成する前の表示パネルを示す図面である。
図11a】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図11b】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図11c】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図11d】コーティング層が第1開口部に全体的に充填された形態を示す図面である。
図12a】多様な構造のエッチング防止層を示す図面である。
図12b】多様な構造のエッチング防止層を示す図面である。
図13】本発明の第2実施例に係る表示パネルを示す図面である。
図14a】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図14b】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図14c】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図15】本発明の第3実施例に係る表示パネルを示す図面である。
図16】透光領域を形成する前の表示パネルを示す図面である。
図17a】ダミー領域にエッチング防止層を形成する過程を示す図面である。
図17b】ダミー領域にエッチング防止層を形成する過程を示す図面である。
図17c】ダミー領域にエッチング防止層を形成する過程を示す図面である。
図18a】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図18b】表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
図19図18aの変形例である。
図20】本発明の他の実施例に係る表示装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0014】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので、本発明が図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。また、本発明の説明において、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0015】
本明細書上で言及された「含む」、「有する」、「からなる」等が使われる場合、「~のみ」が使われない以上、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0016】
構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むと解釈する。
【0017】
位置関係に対する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~そばに」などで二つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない以上、二つの部分間に一つ以上の他の部分が位置することもある。
【0018】
実施例の説明において、第1、第2等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0019】
明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
【0020】
多様な実施例の特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施可能であってもよく、関連関係で共に実施可能であってもよい。
【0021】
以下、添付された図面を参照して本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例に係る表示装置の概念図である。図2は、図1のI-I’方向断面図である。図3は、図2のA部分拡大図である。図4は、 図2のB部分拡大図である。
【0023】
図1および図2を参照すると、表示装置1は映像を出力する表示領域DAと光が入射する透光領域TAを含むことができる。透光領域TAは表示パネルの下部に配置されたセンサ40に光を入射させるためのホール構造であり得るが必ずしもこれに限定しない。
【0024】
表示パネルは基板10上に配置された回路部13と、回路部13上に配置された素子部(発光部)15を含むことができる。素子部15上には偏光板19が配置され、偏光板19上にはカバーガラス20が配置され得る。また、素子部15と偏光板19の間にはタッチ部18が配置され得る。
【0025】
実施例によると、基板10はガラス材質を含むことができる。すなわち、実施例に係る基板は所定の強度を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、基板10はポリイミドのようなフレキシブルな材質を含んでもよい。
【0026】
回路部13はデータライン、ゲートライン、電源ラインなどの配線に連結されたピクセル回路、ゲートラインに連結されたゲート駆動部などを含むことができる。
【0027】
回路部13はTFT(Thin Film Transistor)で具現されたトランジスタとキャパシタなどの回路素子を含むことができる。回路部13の配線と回路素子は複数の絶縁層と、絶縁層を挟んで分離された二以上の金属層、そして半導体物質を含むアクティブ層で具現され得る。
【0028】
素子部15はOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、クワンタム(Quantum Dot)ディスプレイ、マイクロLED(Micro Light Emitting Diode)ディスプレイなどの素子構造を有することができる。以下では、例示的に有機化合物層を含むOLED構造で説明する。
【0029】
有機化合物層は正孔注入層(Hole Injection layer、HIL)、正孔輸送層(Hole transport layer、HTL)、発光層(Emission layer、EML)、電子輸送層(Electron transport layer、ETL)および電子注入層(Electron Injection layer、EIL)を含むことができるがこれに限定されない。
【0030】
OLEDのアノードとカソードに電圧が印加されると、正孔輸送層HTLを通過した正孔と電子輸送層ETLを通過した電子が発光層EMLに移動されて励起子を形成して発光層EMLから可視光が放出され得る。
【0031】
素子部15は、画素上に配置され、赤色、緑色および青色の波長を選択的に透過させるカラーフィルタアレイをさらに含むことができる。
【0032】
素子部15は保護膜によって覆われ得、保護膜は封止部17により覆われ得る。保護膜と封止部17は有機膜と無機膜が交互に積層された構造であり得る。無機膜は水分や酸素の浸透を遮断することができる。有機膜は無機膜の表面を平坦化することができる。したがって、有機膜と無機膜が多重で積層されると、単一層に比べて水分や酸素の移動経路が長くなって素子部15に影響を与える水分/酸素の浸透が効果的に遮断され得る。
【0033】
素子部15上には偏光板19が配置され得る。偏光板19は表示装置の野外視認性を改善することができる。偏光板19は表示パネルの表面から反射する光を減らし、回路部13の金属から反射する光を遮断してピクセルの明るさを向上させることができる。偏光板19は線偏光板19と位相遅延フィルムが接合された偏光板または円偏光板で具現され得る。
【0034】
透光領域TAは表示領域DAの間に形成され得る。第1非表示領域NDA1は透光領域TAを囲むように配置され得る。第1非表示領域NDA1は複数のダム(Dam)構造を具備することによって、透光領域TAから流入され得る水分乃至酸素から表示領域DAの発光素子を保護することができる。
【0035】
透光領域TAはカメラのような撮像ユニットに光を注入するための貫通ホール構造を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、透光領域TAは密度が少ないピクセルが配置されてもよい。
【0036】
基板10は透光領域TAで配置された第1開口部11を含むことができる。第1開口部11はカバーガラス20に近づくほど幅が狭くなるテーパー状を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第1開口部11はカバーガラス20に近づくほど幅が広くなる逆テーパー状を有してもよく、厚さ方向に幅が一定であってもよい。第1開口部11のテーパー状はエッチング液の種類およびエッチング方法によって多様に変形され得る。
【0037】
図2を参照すると、基板10の第1開口部11上には第1エッチング防止層ES1が配置され得る。また、基板10の縁には第2エッチング防止層ES2が配置され得る。第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は基板10のエッチング時にエッチング液がパネルの内部に浸透することを防止することができる。
【0038】
第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2はエッチング液に強い有機物質を含むことができる。例示的にエッチング防止層はポリエステル系高分子、シリコン系高分子、アクリル系高分子、ポリオレフィン系高分子およびこれらの共重合体からなる群から選択された一つを含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、エッチング防止層はエッチング液に強い多様な材質を含むことができる。
【0039】
第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は回路部13、素子部15、封止部17、タッチ部18を構成する層のうち少なくとも一つの層から延びて形成され得る。すなわち、第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は回路部13、素子部15、封止部17、タッチ部18から延びたダミー層であり得る。このような構成によると、別途の工程を追加せずともエッチング防止層を形成することができる。
【0040】
実施例によると、第1エッチング防止層ES1は第1開口部11の内側に突出する突出部P1を含むことができる。突出部P1は第1開口部11の上面より内側に突出した部分と定義することができる。このような突出部P1はエッチング防止層をレーザー切削する過程で形成され得る。
【0041】
基板10の背面にはコーティング層30が形成され得る。コーティング層30は例えば、ポリエステル系高分子、アクリル系高分子を含む有機物質で形成され得る。
【0042】
コーティング層30の一部は第1開口部11の内側面に形成され得る。この時、コーティング層30の一部は第1エッチング防止層ES1の突出部P1の下面まで配置され得る。すなわち、第1エッチング防止層ES1の突出部P1は第1開口部11内に形成されたコーティング層30の上面に配置され得る。
【0043】
第1開口部11の第1傾斜面11aと第1エッチング防止層の突出部P1の側面S11は傾斜が異なり得る。例示的に突出部P1の側面S11の傾斜角度は第1傾斜面11aの傾斜角度θ1より大きくてもよい。第1開口部11はエッチング液によってエッチングされてテーパー状を有する反面、第1エッチング防止層ES1はレーザーによって切削されて相対的に垂直な断面が形成されるためである。突出部P1の下部に配置されたコーティング層30の端部31の側面S21は突出部P1の側面S11と同一の傾斜角度を有することができる。
【0044】
しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第1開口部11がカバーガラス20に近づくほど幅が大きくなる逆テーパー状を有する場合、第1傾斜面11aが第1エッチング防止層ES1の側面の傾斜よりさらに大きくてもよい。
【0045】
図2および図4を参照すると、表示パネルの縁には第2非表示領域NDA2が配置され得る。第2非表示領域NDA2はマザーガラス基板から複数個のパネルを分離時に必要なマージン部分であり得る。
【0046】
基板10は縁に形成された第2傾斜面12aを含むことができる。第2傾斜面12aは第1開口部11に形成された第1傾斜面11aと同じ角度および同一の深さを有することができる。第1開口部11と第2傾斜面12aはエッチング液によって同時に形成されるので、傾斜角度およびエッチング深さが同一であり得る。
【0047】
実施例によると、エッチング液を利用してマザーガラス基板をエッチングして複数個の表示パネルに分離する過程で各表示パネルの基板に第1開口部11を同時に形成することができる。したがって、剛性を低下させず、別途の追加装備なしに開口部を形成することができる。また、マスクパターンを変更して多様な形状の開口部を形成することができる。
【0048】
第2非表示領域NDA2に配置された第2エッチング防止層ES2は、複数個の表示パネルを分離するためにマザーガラス基板エッチング時にエッチング液がパネルの内部に浸透することを防止することができる。
【0049】
第2エッチング防止層ES2は回路部13、素子部15、封止部17、タッチ部18のうち少なくとも一つの層から延長され得る。または第2エッチング防止層は回路部13、素子部15、封止部17、タッチ部18のうち少なくとも一つの層を形成する過程で同時に形成されてもよい。このような構成によると、別途の工程を追加せずとも第2エッチング防止層ES2を形成することができる。
【0050】
実施例によると、第2エッチング防止層ES2は第2傾斜面12aの外側に突出する突出部P2を含むことができる。このような突出部P2によって、第2エッチング防止層ES2をレーザー切削する時に表示パネルが損傷することを防止することができる。
【0051】
コーティング層30は第2傾斜面12aに形成され得る。この時、コーティング層30の一部は突出部P2の下面まで延長され得る。
【0052】
基板10の第2傾斜面12aと第2エッチング防止層ES2の突出部P2の側面S12は傾斜が異なり得る。例示的に突出部P2の側面S12の傾斜角度は第2傾斜面12aの傾斜角度より大きくてもよい。第2傾斜面12aはエッチング液によってエッチングされてテーパー状を有する反面、第2エッチング防止層ES2はレーザー切削によって側面S12が形成されるためである。突出部P2の下部に配置されたコーティング層30の端部31の側面S22は突出部P2の側面S12と同一の傾斜角度を有することができる。
【0053】
しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第2傾斜面12aが逆テーパー状を有する場合、第2傾斜面12aが第2エッチング防止層ES2の傾斜よりさらに大きくてもよい。
【0054】
図5aを参照すると、第1エッチング防止層ES1は第1サブ層~第3サブ層ES11、ES12、ES13を含むことができる。第1サブ層ES11は無機膜であり得、第3サブ層ES13は有機膜であり得る。有機膜はガラス基板10との接着力が相対的に弱いため、無機膜によって基板10と有機膜の接着力を向上させることができる。
【0055】
また、第2サブ層ES12は金属層であり得る。第2サブ層ES12は第1サブ層ES11に比べて相対的にエッチング液に対する耐化学性が大きいモリブデン(Mo)等を含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第2サブ層ES12は必要に応じて省略されてもよい。
【0056】
コーティング層30は第1開口部11に全体的に充填されてもよい。したがって、第1エッチング防止層ES1をレーザーで切削時、第1開口部11に形成されたコーティング層30も同一の断面を有するように切削され得る。したがって、第1エッチング防止層ES1の断面と第1開口部11に形成されたコーティング層30は断面が平行であり得る。
【0057】
図5bを参照すると、第2エッチング防止層ES2は第1サブ層ES21および第2サブ層ES22を含むことができる。第1サブ層ES21は無機膜であり得、第2サブ層ES22は有機膜であり得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第2エッチング防止層は図5aのような構造を有してもよい。
【0058】
第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は層の構造が同一であってもよく、異なってもよい。例示的に表示領域DAの一部の層を第1非表示領域NDA1に延長することは可能である反面、第2非表示領域NDA2に延長することは難しい場合もある。この場合、第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は層の構造が変わり得る。
【0059】
また、第1エッチング防止層ES1は表示領域DAで連続的に延びて形成される反面、第2エッチング防止層ES2は表示領域DAと断絶された形態であり得る。またはこれとは反対に、第2エッチング防止層ES2は表示領域DAで延びて形成される反面、第1エッチング防止層ES1は表示領域DAと断絶された形態である場合もある。
【0060】
図6は、エッチング防止層が透光領域を囲んでいる形状を示す図面である。図7a~図7dは、多様な形状の透光領域を示す図面である。
【0061】
図6を参照すると、第1エッチング防止層ES1は第1開口部11の周辺を全体的に囲むように配置され得る。また、第2エッチング防止層ES2は表示パネルの外周面を全体的に囲むように配置され得る。
【0062】
実施例によると、第1エッチング防止層ES1が第1開口部11の周辺を全体的に囲むように配置され、第2エッチング防止層ES2が表示パネルの外周面を全体的に囲むように配置されるので、マザーガラス基板の切削と同時に基板の内側に貫通ホールを形成する場合、エッチング液がパネルの内部に浸透することを防止することができる。
【0063】
図7a~図7dを参照すると、湿式エッチングを利用してガラス基板10に多様な形状の開口部11を形成することができる。したがって、既存のスクライビング、ブレーキング、グラインディング技術に比べて、基板の剛性をそのまま維持しながらも多様な開口を形成することが可能となる長所がある。また、基板10の側面にノッチまたはラウンディングを形成するために、基板10の側面を加工するとともに開口部11を形成できる長所がある。
【0064】
図8は、表示領域の断面を示す図面である。
【0065】
図8を参照すると、表示領域DAは基板10、マルチバッファ層102、アクティブバッファ層103を具備することができ、アクティブバッファ層103上に第1トランジスタ120が配置され得る。
【0066】
第1トランジスタ120を構成する第1半導体層123と第1半導体層123上に第1ゲート電極122と絶縁のための下部ゲート絶縁膜104が配置され得る。第1ゲート電極122上に第1下部層間絶縁膜105と第2下部層間絶縁膜106が順次配置され得、上部バッファ層107が配置され得る。
【0067】
マルチバッファ層102は基板10に浸透した水分または酸素が拡散することを遅延させることができ、窒化シリコン(SiNx)および酸化シリコン(SiOx)が少なくとも1回交互に積層されて形成され得る。
【0068】
アクティブバッファ層103は第1半導体層123を保護し、基板10から流入する多様な種類の欠陥を遮断する機能を遂行することができる。このアクティブバッファ層103はa-Si、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)等で形成され得る。
【0069】
第1トランジスタ120の第1半導体層123は多結晶半導体層からなり得、第1半導体層123はチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を具備することができる。
【0070】
多結晶半導体層は非晶質半導体層および酸化物半導体層より移動度が高いため、エネルギー消費電力が低く信頼性が優秀である。このような長所により、駆動トランジスタに多結晶半導体層が使われ得る。
【0071】
第1ゲート電極122は下部ゲート絶縁膜104上に配置され得、第1半導体層123と重なるように配置され得る。
【0072】
上部バッファ層107の上に第2トランジスタ130が配置され得、第2トランジスタ130に対応する領域の下部に遮光層136が配置され得る。
【0073】
第2トランジスタ130に対応する領域の第1下部層間絶縁膜105上に遮光層136が配置され、第2トランジスタ130の第2半導体層133が遮光層136と重なるように第2下部層間絶縁膜106と上部バッファ層107上に配置され得る。
【0074】
第2半導体層133の上部に第2ゲート電極132と第2半導体層133を絶縁させるための上部ゲート絶縁層137が配置され得る。
【0075】
上部層間絶縁膜108は第2ゲート電極132上に配置され得る。第1ゲート電極122と第2ゲート電極132はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、および銅(Cu)のうちいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層であり得るが、これに限定されない。
【0076】
第1および第2下部層間絶縁膜105、106は上部層間絶縁膜108に比べて水素粒子含有量が高い無機膜で形成され得る。例えば、第1および第2下部層間絶縁膜105、106はNHガスを利用した蒸着工程で形成される窒化シリコン(SiNx)からなり、上部層間絶縁膜108は酸化シリコン(SiOx)で形成され得る。第1および第2下部層間絶縁膜105、106に含まれた水素粒子は、水素化工程時に多結晶半導体層に拡散して多結晶半導体層内の空隙を水素で満たすことができる。これに伴い、多結晶半導体層は安定化をなすことができるため、第1トランジスタ120の特性の低下を防止することができる。
【0077】
第1トランジスタ120の第1半導体層123の活性化および水素化工程以後に第2トランジスタ130の第2半導体層133が形成され得、この時、第2半導体層133は酸化物半導体で形成され得る。第2半導体層133は第1半導体層123の活性化および水素化工程の高温の雰囲気に露出しないので、第2半導体層133の損傷を防止することができるため信頼性が向上し得る。
【0078】
上部層間絶縁膜108が配置された後、第1トランジスタのソースおよびドレイン領域に対応するように第1ソースコンタクトホール125Sと第1ドレインコンタクトホール125Dが形成され、第2トランジスタ130のソースおよびドレイン領域に対応するように第2ソースコンタクトホール135Sと第2ドレインコンタクトホール135dがそれぞれ形成され得る。
【0079】
第1ソースコンタクトホール125Sと第1ドレインコンタクトホール125Dは上部層間絶縁膜108から下部ゲート絶縁膜104まで連続的にホールが形成され得、第2トランジスタ130にも第2ソースコンタクトホール135Sと第2ドレインコンタクトホール135Dを形成することができる。
【0080】
第1トランジスタ120に対応する第1ソース電極121、第1ドレイン電極124と第2トランジスタ130に対応する第2ソース電極131、第2ドレイン電極134を同時に形成でき、これを通じて第1トランジスタ120と第2トランジスタ130それぞれのソースおよびドレイン電極を形成する工程回数を減らすことができる。
【0081】
第1ソースおよびドレイン電極121、124と第2ソースおよびドレイン電極131、134はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のうちいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層であり得るが、これに限定されない。
【0082】
第1ソースおよびドレイン電極121、124と第2ソースおよびドレイン電極131、134は3層構造からなり得、例えば、第1ソース電極121は第1層121a、第2層121b、第3層121cで構成され得、他のソースおよびドレイン電極も同じ構造であり得る。
【0083】
第1トランジスタ120と第2トランジスタ130の間にストレージキャパシタ140が配置され得る。ストレージキャパシタ140は第1下部層間絶縁膜105を挟んでストレージ下部電極141とストレージ上部電極142が重なることによって形成され得る。
【0084】
ストレージ下部電極141は下部ゲート絶縁膜104上に位置し、第1ゲート電極122と同一層に同一材質で形成され得る。ストレージ上部電極142はストレージ供給ライン143を通じてピクセル回路と電気的に連結され得る。ストレージ上部電極142は遮光層136と同一層に同一材質で形成され得る。このようなストレージ上部電極142は第2下部層間絶縁膜106、上部バッファ層107、上部ゲート絶縁層137、および上部層間絶縁膜108を貫通するストレージコンタクトホール144を通じて露出してストレージ供給ライン143と接続される。
【0085】
ストレージ上部電極142は遮光層136と離隔しているが、互いに連結された一体型で形成されてもよい。ストレージ供給ライン143は第1ソースおよびドレイン電極121、124~第2ソースおよびドレイン電極131、134と同一平面上に同一材質で形成され得、これによってストレージ供給ライン143は第1ソースおよびドレイン電極121、124~第2ソースおよびドレイン電極131、134と同一のマスク工程で同時に形成可能である。
【0086】
第1ソースおよびドレイン電極121、124、第2ソースおよびドレイン電極131、134、ストレージ供給ライン143が形成された基板10上にSiNxまたはSiOxのような無機絶縁物質が全面蒸着されることによって、保護膜109が形成され得る。
【0087】
保護膜109の上部には第1平坦化層110が形成され得る。具体的には、保護膜109上にアクリル系樹脂のような有機絶縁物質が全面塗布されることによって第1平坦化層110が配置され得る。
【0088】
保護膜109と第1平坦化層110を配置し、フォトリソグラフィ工程を通じて第1トランジスタ120の第1ソース電極121または第1ドレイン電極124を露出するコンタクトホールを形成することができる。第1ドレイン電極124を露出するコンタクトホール領域にMo、Ti、Cu、AlNd、AlおよびCrまたはこれらの合金からなる物質で連結電極145を配置することができる。
【0089】
連結電極145上に第2平坦化層111が配置され得、第2平坦化層111に連結電極145を露出させるコンタクトホールを形成して第1トランジスタ120と連結される発光素子150を配置することができる。
【0090】
発光素子150は第1トランジスタ120の第1ドレイン電極124と接続されたアノード電極151と、アノード電極151上に形成される少なくとも一つの発光スタック152と、発光スタック152上に形成されたカソード電極153を具備することができる。
【0091】
発光スタック152は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含むことができ、複数の発光層が重なったタンデム(Tandem)構造では、発光層と発光層の間に電荷生成層が追加で配置され得る。発光層の場合、サブ画素ごとに異なる色を発光する場合があり得る。
【0092】
アノード電極151は第2平坦化層111を貫通するコンタクトホールを通じて露出した連結電極145と接続され得る。アノード電極151は透明導電膜および反射効率が高い不透明導電膜を含む多層構造で形成され得る。透明導電膜としては、インジウム-ティン-オキサイド(ITO)またはインジウム-ジンク-オキサイド(IZO)のような仕事関数値が比較的大きい材質からなり、不透明導電膜としては、Al、Ag、Cu、Pb、Mo、Tiまたはこれらの合金を含む単層または多層構造で形成され得る。
【0093】
例えば、アノード電極151は透明導電膜、不透明導電膜および透明導電膜が順次積層された構造で形成されたり、透明導電膜および不透明導電膜が順次積層された構造で形成され得る。
【0094】
アノード電極151はバンク154により設けられた発光領域だけでなく、第1および第2トランジスタ120、130とストレージキャパシタ140が配置された画素回路領域と重なるように第2平坦化層111上に配置されることによって発光面積が増加し得る。
【0095】
発光スタック152はアノード電極151上に正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層の順でまたは逆順で積層されて形成され得る。その他にも発光スタック152は電荷生成層をさらに具備および挟んで対向する第1および第2発光スタックを具備してもよい。
【0096】
バンク154はアノード電極151を露出させるように形成され得る。このようなバンク154はフォトアクリルのような有機物質で形成され得、半透明な材質であり得るがこれに限定されず、サブ画素間の光干渉を防止するために不透明材質で形成されてもよい。
【0097】
カソード電極153は発光スタック152を挟んでアノード電極151と対向するように発光スタック152の上部面に形成され得る。カソード電極153は前面発光型有機発光表示装置に適用される場合、インジウム-ティン-オキサイド(ITO)、インジウム-ジンク-オキサイド(IZO)またはマグネシウム-銀(Mg-Ag)を薄く形成して透明導電膜で形成され得る。
【0098】
カソード電極153上に発光素子150を保護するための封止部17を形成することができる。発光素子150は発光スタック152の有機物特性上外部の水分乃至酸素と反応して黒点(dark-spot)乃至ピクセル収縮現象(pixel shrinkage)が発生し得るため、これを防止するためにカソード電極153上に配置され得る。
【0099】
封止部17は第1無機絶縁膜171、異物補償層172、および第2無機絶縁膜173で構成され得る。
【0100】
封止部17を形成した上部にタッチ部18が配置され得る。タッチ部18は第1タッチ平坦化層181、タッチ電極182、および第2タッチ平坦化層183を含むことができる。第1タッチ平坦化層181と第2タッチ平坦化層183は、タッチ電極182が配置される地点の段差をなくし、電気的によく絶縁されるようにするために配置され得る。
【0101】
実施例によると、低温多結晶シリコンからなる第1トランジスタ120と酸化物半導体からなる第2トランジスタ130を互いに異なる層に配置することによって、ディスプレイ装置100に互いに異なる駆動特性を有する薄膜トランジスタTFTが配置され得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、同じ駆動特性を有する薄膜トランジスタのみを使ってもよい。
【0102】
図9は、本発明の第1実施例に係る表示パネルを示す図面である。図10は、透光領域を形成する前の表示パネルを示す図面である。図11a~図11cは、表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
【0103】
図9を参照すると、第1非表示領域NDA1は透光領域TAを囲むように配置され得る。また、第1非表示領域NDA1は複数個のダム部と防止部が交互に配置されるベゼル領域NDA11およびベゼル領域NDA11と透光領域TAの間に配置されるダミー領域NDA12を含むことができる。
【0104】
ベゼル領域NDA11は表示領域DAで延びた複数個の層を利用してダム部と防止部を形成することができる。
【0105】
例示的に第1防止部210は第1構造物211、第2構造物212、第3構造物213を含み、第2防止部220は第5構造物221および第6構造物222を含むことができる。しかし、ダム部と防止部の構造物の個数は多様に変形され得る。
【0106】
第1ダム301、第1防止部210および第2防止部220は透光領域TAを囲む閉ループ(closed loop)の形状で配置され得る。このような構成によると、透光領域TAを通じて表示領域DAに水分が浸透することを防止することができる。
【0107】
ダミー領域NDA12はレーザー切削時、マージンのために形成された領域であり得る。ダミー領域NDA12がないと、レーザー切削時、ベゼル領域NDA11が損傷して水分の浸透に弱くなり得る。ダミー領域NDA12はレーザー切削が容易であるように基板10上に最小限の層のみを配置させることができる。
【0108】
実施例でエッチング防止層はダミー領域NDA12に配置された有機膜、無機膜、金属層と定義することができる。すなわち、表示領域DAと非表示領域NDAに形成された有機膜、無機膜、金属層がダミー領域NDA12にも形成されてエッチング防止層として機能することができる。したがって、同一の層であるが配置された領域により図面符号が異なり得る。
【0109】
本発明でエッチング防止層は複数個のサブ層を含むことができる。複数個のサブ層のエッチング防止性能は異なり得る。例示的に無機物で形成されたサブ層は時間の経過につれてエッチング液によってエッチングされ得る反面、有機物または金属で形成されたサブ層は無機物で形成されたサブ層に比べて相対的にエッチング防止性能が優秀であり得る。
【0110】
本実施例で第1サブ層ES11は封止部の第1無機絶縁膜171と第2無機絶縁膜173が延びて形成され得、第2サブ層ES12はタッチ部の第1タッチ平坦化層181と第2タッチ平坦化層183が延びて形成され得る。しかし、これは例示的なものに過ぎず、表示領域DAの多様な無機膜と絶縁膜がエッチング防止層として使われ得る。
【0111】
透光領域TAは基板10の第1開口部11により定義される第1透光領域D1、第1サブ層ES11により定義される第2透光領域D2、および第2サブ層ES12により定義される第3透光領域D3を含むことができる。
【0112】
基板10の第1開口部11により形成された第1透光領域D1では上部方向に次第に幅が狭くなるように形成され、第3透光領域D3では第1透光領域D1の最小幅より狭く形成され得る。また、第2透光領域D2は第3透光領域D3の幅より広い幅を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、コーティング層30が第1開口部11に全体的に充填される場合、第1透光領域~第3透光領域D1、D2、D3の幅は同一であってもよい(図5a参照)。
【0113】
実施例によると、基板10はエッチング液を利用してエッチングする反面、第1エッチング防止層ES1はレーザーを利用して切削するので、透光領域TAの幅が厚さ方向に異なり得る。また、第1開口部11の上部に露出した第1エッチング防止層ES1をレーザーで切削するので、第1エッチング防止層ES1の一部は第1開口部11の内側に残存して突出部P1を形成することができる。
【0114】
図10を参照すると、透光領域TAが形成される領域にはダミーダム構造OB1が形成され得る。したがって、基板10の下部では透光領域TAのダミーダム構造OB1を除去するために背面をエッチングし、上部ではレーザーを通じてダミーダム構造OB1を囲む第1エッチング防止層を切削してダミーダム構造OB1を除去することによって透光領域TAを形成することができる。この時、基板10の背面をエッチングする位置S1とレーザーで第1エッチング防止層を切削する位置S1は同一であり得る。
【0115】
図11aを参照すると、ダミー領域NDA12の基板10上には第1サブ層ES11と第2サブ層ES12を含む第1エッチング防止層ES1が配置され得る。また、基板10の縁である第2非表示領域NDA2には第1サブ層ES21と第2サブ層ES22を含む第2エッチング防止層ES2が配置され得る。第1エッチング防止層ES1の構造と第2エッチング防止層ES2の構造は同一であり得るが必ずしもこれに限定されず、互いに異なってもよい。
【0116】
図11bを参照すると、ダミー領域NDA12で基板10の背面をエッチング液に露出させると、マスクにカバーされない部分はエッチング液によってエッチングされ得る。基板10がエッチングされるとエッチング液が第1サブ層ES11に接触することになり、時間が経過するにつれて第1サブ層ES11がエッチングされ得る。第2非表示領域NDA2も同様に第1サブ層ES21がエッチングされ得る。
【0117】
図11cを参照すると、基板10の背面にコーティング層30を形成することができる。この時、コーティング層30はダミー領域NDA12に形成された第1開口部11の内側および第2非表示領域NDA2に配置された第2開口部12の内側に全体的に形成され得る。以後、レーザーL1を照射して第1エッチング防止層ES1および第2エッチング防止層ES2を切削することができる。したがって、マザーガラス基板から複数個のパネル単位で分離するとともに、各表示パネルに透光領域TAを形成することができる。
【0118】
この時、無機物である第1サブ層ES11はレーザー照射位置からすでに除去されたので、レーザー切削時、無機膜にクラックが伝播する現象を改善することができる。
【0119】
図11dを参照すると、コーティング層30は第1開口部11と第2開口部12の内部に全体的に形成されてもよい。したがって、第1開口部11と第2開口部12を切った断面は「一」字状に平坦であり得る。したがって、透光領域TAの幅は厚さ方向に一定であり得る。
【0120】
図12aを参照すると、無機膜で形成された第1サブ層ES11の形状は無機膜の厚さまたはエッチング時間により多様であり得る。例示的に第1サブ層ES11の下部層171aがエッチングされる幅は第1サブ層ES11の上部層172aがエッチングされる幅より大きくてもよい。また、第1サブ層ES11の上部層172aの一部はエッチングされなくてもよい。
【0121】
図12bを参照すると、エッチング防止層は無機膜と有機膜以外に金属膜で構成されたサブ層を含んでもよい。
【0122】
例示的に第1サブ層ES11は無機物で構成され、第2サブ層ES12は金属で構成され、第3サブ層ES13は有機物で構成され得る。各サブ層は表示領域DAに複数個の層を形成する時に共に形成され得る。
【0123】
例示的に第1サブ層ES11は表示領域DAにバッファ層、ゲート絶縁膜、平坦化層のような無機膜形成時に同時に形成することができる。第2サブ層ES12はゲート電極、アノード電極などの多様な金属層形成時に同時に形成することができる。また、第3サブ層ES13はソース/ドレイン電極を覆う平坦化層、バンク、スペーサ、封止部17のような有機膜形成時に同時に形成することができる。
【0124】
図13は、本発明の第2実施例に係る表示パネルを示す図面である。図14a~図14cは、表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。
【0125】
図13を参照すると、本実施例で第1エッチング防止層ES1の第1サブ層ES11はアクティブバッファ層のような無機膜が延びて形成され得、第2サブ層ES12は第1、第2平坦化層またはバンク層のような有機膜が延びて形成され得、第3サブ層ES13は封止部の第1、第2無機絶縁膜が延びて形成され得、第4サブ層ES14はタッチ部の第1、第2タッチ平坦化層のような有機膜が延びて形成され得る。
【0126】
このような構成によると、第1無機膜/第1有機膜/第2無機膜/第2有機膜の積層構造を有してエッチング防止効果がさらに優秀となり得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第1エッチング防止層ES1は無機膜/有機膜構造のみ有してもよい。
【0127】
図14aを参照すると、ダミー領域NDA12の基板10上には第1サブ層ES11、第2サブ層ES12、第3サブ層ES13、および第4サブ層ES14が順に積層され得る。前述した通り、第1サブ層ES11は有機膜であり、第2サブ層ES12は無機膜であり、第3サブ層ES13は有機膜であり、第4サブ層ES14は無機膜であり得る。第2非表示領域NDA2に配置された第2エッチング防止層ES2も同一の層の構造を有することができる。マスクにカバーされない部分はエッチング液によってエッチングされ得る。基板10がエッチングされると第1サブ層ES11がエッチング液に接触することになり、時間が経過するにつれて第1サブ層ES11がエッチングされ得る。
【0128】
図14cを参照すると、基板10の背面にコーティング層30を形成することができる。この時、コーティング層30は基板10に形成された第1開口部11の内側にも形成され得る。以後、レーザーを照射してエッチング防止層を切削することができる。このような構成によると、エッチング防止層の切断面は相対的に垂直な反面、基板10の第1開口部11はテーパー状を有する特徴がある。また、第2サブ層ES12、第3サブ層ES13および第4サブ層ES14が相対的に第1開口部11の内側に突出し得る。
【0129】
図15は、本発明の第3実施例に係る表示パネルを示す図面である。図16は、透光領域を形成する前の表示パネルを示す図面である。図17a~図17cは、ダミー領域にエッチング防止層を形成する過程を示す図面である。図18aおよび図18bは、表示パネルに透光領域を形成するために基板をエッチングする過程を示す図面である。図19は、図18aの変形例である。
【0130】
図15を参照すると、第1非表示領域NDA1は透光領域TAを囲むように配置され得る。また、第1非表示領域NDA1は複数個のダム部と防止部が交互に配置されるベゼル領域NDA11およびベゼル領域NDA11と透光領域TAの間に配置されるダミー領域NDA12を含むことができる。
【0131】
ベゼル領域NDA11は表示領域DAで延びた複数個の有機膜と無機膜をパターニングしてダム部と防止部を形成することができる。
【0132】
例示的に第1防止部210は第1構造物211、第2構造物212、第3構造物213を含み、第2防止部220は第5構造物221および第6構造物222を含むことができる。
【0133】
第1ダム301、第1防止部210および第2防止部220は透光領域TAを囲む閉ループ(closed loop)の形状で配置され得る。このような構成によると、透光領域TAを通じて表示領域DAに水分が浸透することを防止することができる。
【0134】
本実施例で第1サブ層ES11は封止部の第1無機絶縁膜と第2無機絶縁膜が延びて形成され得、第2サブ層ES12はタッチ部の第1タッチ平坦化層と第2タッチ平坦化層が延びて形成され得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第1サブ層ES11は封止部の第1無機絶縁膜と第2無機絶縁膜のうちいずれか一つの層のみで形成され得る。また、第2サブ層ES12はタッチ部の第1タッチ平坦化層と第2タッチ平坦化層のうちいずれか一つの層のみで形成され得る。
【0135】
第1サブ層ES11はダミー領域NDA12の一部の領域にのみ形成され得る。すなわち、第1サブ層ES11は透光領域TAから所定間隔で離隔配置され得る。これに反し、第2サブ層ES12は透光領域TAまで延長され得る。すなわち、第1サブ層ES11と透光領域TAの間の離隔距離d11は第2サブ層ES12と透光領域TAの間の離隔距離より長くてもよい。
【0136】
第2サブ層ES12は第1サブ層ES11の終端から基板10に向かって突出する第1突出部P11および第1突出部P11から基板10の第1開口部11に向かって突出する第2突出部P12を含むことができる。
【0137】
この時、第2突出部P12の高さは基板10の上面より高く形成され得る。第2突出部P12と基板10の上面の間の垂直方向の離隔距離d12は第1サブ層ES11の厚さと同一であり得る。
【0138】
第2突出部P12の下部面にはコーティング層30が形成され得る。コーティング層30は基板10の第1開口部11と第2突出部P12の下部面に一定の厚さで形成され得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、コーティング層30は第1開口部11に全体的に充填されてもよい。
【0139】
図16を参照すると、第1サブ層ES11はダミー領域NDA12で挿入溝H1が形成されて切断された部分を含む反面、第2サブ層ES12はベゼル領域NDA11から透光領域TAまで連続的に形成され得る。したがって、第2サブ層ES12は挿入溝H1に対応する第1突出部P11が形成され得る。第1突出部P11は透光領域TAのダミーダム構造OB1を囲むように閉ループ状に形成することができる。
【0140】
図17a~図17cを参照すると、図17aのようにダミー領域の基板10上に第1サブ層ES11を形成した後、図17bのように第1サブ層ES11の一部を除去して挿入溝H1を形成することができる。以後、図17cのように第1サブ層ES11上に第2サブ層ES12を形成すれば第2サブ層ES12の一部が挿入溝H1に挿入され得る。したがって、第2サブ層ES12は挿入溝H1に挿入されて基板10と接触する第1突出部P11が形成され得る。
【0141】
図18aを参照すると、第1サブ層ES11はダミーダム構造OB1を囲むように配置され、第2サブ層ES12は第1サブ層ES11を囲むように配置され得る。
【0142】
基板10の背面にはダミーダム構造OB1を除去するために第1開口部11を形成することができる。第1開口部11はダミーダム構造OB1を囲むように形成され得る。例示的に基板10の背面には第1開口部11が形成される領域を除いた残りの領域にマスクを形成した後、エッチング液に接触させることができる。
【0143】
第2サブ層ES12は基板10の背面に第1開口部11が形成されて無機膜である第1サブ層ES11がエッチング液に露出し得る。
【0144】
図18bを参照すると、所定時間経過後に第1サブ層ES11はエッチング液によってエッチングされ得る。これに反し、有機膜である第2サブ層ES12は時間が経過してもエッチング液によってエッチングされないことができる。したがって、透光領域TAには第1サブ層ES11で囲まれたダミーダム構造OB1が除去され得る。
【0145】
以後、基板10の第1開口部11の内側面と第2サブ層ES12の内部面にコーティング層30を形成することができる。コーティング層30は第1開口部11の内部に全体的に充填されてもよい。
【0146】
以後、レーザーL1を利用して第2サブ層ES12を切断することによって透光領域TAを形成することができる。
【0147】
図19を参照すると、エッチング防止層は有機膜、無機膜、金属膜からなる複数個の層が積層されて形成され得る。例示的に第1サブ層ES11は無機膜からなり得、第2サブ層ES12は有機膜からなり得、第3サブ層ES13は無機膜からなり得、第4サブ層ES14は有機膜からなり得る。
【0148】
また、第1サブ層ES11は無機膜からなり得、第2サブ層ES12は金属膜からなり得、第3サブ層ES13と第4サブ層ES14は有機膜からなり得る。
【0149】
図20は、本発明の他の実施例に係る表示装置の概念図である。
【0150】
図20を参照すると、実施例に係る表示装置は表示パネルの前面が表示領域DAで構成され得る。したがって、フルスクリーンディスプレイ(Full-screen display)が可能となり得る。表示装置は表示パネル自体であってもよく、表示パネルと駆動部を含む概念であってもよい。
【0151】
表示領域DAは第1表示領域DAと第2表示領域CAを含むことができる。第1表示領域DAと第2表示領域CAはすべて映像を出力するが解像度が異なり得る。例示的に第2表示領域CAに配置された複数個の第2ピクセルの解像度は第1表示領域DAに配置された複数個の第1ピクセルの解像度より低くてもよい。第2表示領域CAに配置された複数個の第2ピクセルの解像度が低くなるだけ第2表示領域CAに配置されたセンサ40に相対的に多くの光量を注入することができる。
【0152】
しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第2表示領域CAが十分な光透過率を有するか適切な補償アルゴリズムが具現され得るのであれば、第1表示領域DAの解像度と第2表示領域CAの解像度は同一であってもよい。
【0153】
第2表示領域CAはセンサ40が配置された領域であり得る。第2表示領域CAは各種センサと重なる領域であるので、映像の大部分を出力する第1表示領域DAより面積が小さくてもよい。
【0154】
センサ40はイメージセンサ、近接センサ、照度センサ、ジェスチャーセンサ、モーションセンサ、指紋認識センサおよび生体センサのうち少なくとも一つを含むことができる。例示的に第1センサは照度センサまたは赤外線センサであり得、第2センサはイメージまたは動画を撮影するカメラであり得るが必ずしもこれに限定しない。
【0155】
第1表示領域DAのピクセルアレイはPPIが高い複数のピクセルグループが配置されたピクセル領域を含むことができる。第2表示領域CAのピクセルアレイは透光領域によって離隔されて相対的にPPIが低い複数のピクセルグループが配置されたピクセル領域を含むことができる。第2表示領域CAで外部光は光透過率が高い透光領域を通じて表示パネルを透過して表示パネルの下のセンサに受光され得る。
【0156】
基板10は第2表示領域CAに配置された第1開口部11を含むことができる。第1開口部11はカバーガラス20で近づくほど幅が狭くなるテーパー状を有することができる。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第1開口部11はカバーガラス20で近づくほど幅が広くなってもよく、厚さ方向に幅が一定であってもよい。第1開口部11のテーパー状は使われるエッチング液の種類およびエッチング方法によって多様に変形され得る。
【0157】
基板10の第1開口部11上には第1エッチング防止層ES1が配置され得る。また、基板10の縁り上には第2エッチング防止層ES2が配置され得る。第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は基板10のエッチング時にエッチング液がパネルの内部に浸透することを防止することができる。
【0158】
第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2はエッチング液に強い有機物質を含むことができる。例示的にエッチング防止層はポリエステル系高分子、シリコン系高分子、アクリル系高分子、ポリオレフィン系高分子およびこれらの共重合体からなる群から選択された一つを含むことができる。
【0159】
第1エッチング防止層ES1と第2エッチング防止層ES2は回路部13、素子部15、封止部17、タッチ部18を構成する層のうち少なくとも一つの層から延びて形成され得る。このような構成によると、別途の工程を追加せずともエッチング防止層を形成することができる。
【0160】
基板10の背面にはコーティング層30が形成され得る。コーティング層30は例えば、ポリエステル系高分子、アクリル系高分子を含む有機物質で形成され得る。
【0161】
表示パネルの縁には第2非表示領域NDA2が配置され得る。第2非表示領域NDA2はマザーガラス基板から複数個のパネルを分離時に必要なマージン部分であり得る。
【0162】
基板10は縁に形成された第2傾斜面12aを含むことができる。第2傾斜面12aは第1開口部11に形成された第1傾斜面11aと同じ角度および同一の深さを有することができる。第1開口部11と第2傾斜面12aはエッチング液によって同時に形成されるので傾斜角度およびエッチング深さが同一であり得る。
【0163】
実施例によると、エッチング液を利用してマザーガラス基板をエッチングして複数個の表示パネルに分離する過程で各表示パネルの基板10に第1開口部11を形成することができる。したがって、剛性を低下させず、別途の追加装備なしに開口部を形成して透光効率を改善することができる。
【符号の説明】
【0164】
10:基板
【0165】
11:第1開口部
【0166】
12:回路層
【0167】
15:素子層
【0168】
TA:透光領域
【0169】
ES1:第1エッチング防止層
【0170】
ES2:第2エッチング防止層
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図14c
図15
図16
図17a
図17b
図17c
図18a
図18b
図19
図20