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特開2024-19130閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム
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  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図1
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図2
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図3
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図4
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図5a
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図5b
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図5c
  • 特開-閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019130
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖方法、可動キャップグリッパ、および試料容器閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240201BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01N35/02 B
B25J15/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023122735
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】22187849.9
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キース マリウス
【テーマコード(参考)】
2G058
3C707
【Fターム(参考)】
2G058CA02
2G058GC03
2G058GC05
3C707AS07
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET03
3C707EV07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試料容器を自動的に確実にキャップおよび/または再キャップすることができる方法および機器を提供する。
【解決手段】側方把持面によって提供される凹部の上に少なくとも部分的に延在するそれぞれの上部押し込み棚部を含む少なくとも2つのグリッパフィンガーを有するキャップグリッパによって閉鎖キャップの上部をその外周において把持するステップと、上部押し込み棚部によって閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むステップと、を含む、方法。および、閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するためのそれぞれの可動キャップグリッパ、ならびにそれぞれの試料容器閉鎖システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖キャップ(8)によって試料容器(9)の開放端部を自動的に閉鎖するための方法であって、
(S01)保持された状態で開放した試料容器(9)を提供するステップと、
(S02)前記試料容器(9)の前記開放端部(91)を閉鎖するように構成された閉鎖キャップ(8)を提供するステップと、
(S03)互いに向かって移動可能な少なくとも2つのグリッパフィンガー(2)を備えるキャップグリッパ(1)によって、前記閉鎖キャップ(8)の上部(81)をその外周において把持するステップであって、各グリッパフィンガー(2)が、前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)の外周と係合するための凹状の側方把持面(41)を有する遠位端部(21)を備え、少なくとも1つのグリッパフィンガー(2)は、前記側方把持面(41)によって提供される凹部(43)の上に少なくとも部分的に延在する上部押し込み棚部(42)を備える、把持するステップと、
(S04)前記閉鎖キャップ(8)を前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に移動させるステップと、
(S05)前記キャップグリッパ(1)によって前記閉鎖キャップ(8)の少なくとも下部(82)を前記試料容器(9)内に挿入するステップと、
(S06)前記閉鎖キャップ(8)が前記試料容器(9)の前記開放端部(91)を液密に閉鎖するまで前記キャップグリッパ(1)を前記試料容器(9)の閉鎖端部に向かって移動させることによって、前記上部押し込み棚部(42)によって前記閉鎖キャップ(8)を前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に押し込むステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)が、少なくともその外周に表面構造(811)を備え、少なくとも1つのグリッパフィンガー(2)の前記側方把持面(41)が、前記上部の前記表面構造(811)に適合する表面構造(411)を備え、前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)を把持する前記ステップ(S03)が、前記移動ステップ(S04)および前記挿入ステップ(S05)の間に、前記キャップグリッパ(1)と前記閉鎖キャップ(8)との間の緊密な把持のために、前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)の前記外周の前記表面構造(811)と前記側方把持面(41)の前記表面構造(411)との間で係合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記閉鎖キャップ(8)を前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に移動させる前記ステップ(S04)が、前記キャップグリッパ(1)によって前記閉鎖キャップ(8)の下端部(821)を、前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に、または前記開放端部(91)内に配置することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記閉鎖キャップ(8)が前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に押し込まれる前に、前記閉鎖キャップ(8)の少なくとも下部(82)を前記試料容器(9)に挿入する前記ステップ(S05)が、各グリッパフィンガー(2)の前記側方把持面(41)を、前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)の前記外周から係合解除するために、前記少なくとも2つのグリッパフィンガー(2)を互いに僅かに離れるように移動させることによって前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)の把持を緩めることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、前記少なくとも2つのグリッパフィンガー(2)を互いから離れるように、かつ挿入された前記閉鎖キャップ(8)から離れるように移動させるステップ(S07)と、前記キャップグリッパ(1)を前記閉鎖された試料容器(9)から離れるように移動させるステップ(S08)と、をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)を把持する前記ステップが、各グリッパフィンガー(2)の前記側方把持面(41)および前記上部押し込み棚部(42)によって前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)の前記外面の少なくとも50%を囲むことを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記グリッパフィンガー(2)の互いに接近する動きおよび互いに離れる動きが、前記キャップグリッパ(1)の長手方向中心軸(CA)上に前記閉鎖キャップ(8)をセンタリングするための、互いに共通の支点を中心とした前記グリッパフィンガー(2)の枢動運動によって実現される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)と前記下部(82)との間に肩部(83)が設けられ、前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)が、前記閉鎖キャップ(8)の前記下部(82)よりも大きい外周を備え、前記閉鎖キャップ(8)を前記試料容器(9)の前記開放端部(91)に押し込む前記ステップ(S06)が、前記閉鎖キャップ(8)の前記肩部(83)と前記試料容器(9)の上縁(911)とが互いに接触するまで、前記キャップグリッパ(1)を前記試料容器(9)の閉鎖端部(92)に向かって移動させることを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記閉鎖キャップ(8)が略平坦な上面(812)を有し、各グリッパフィンガー(2)の前記上部押し込み棚部(42)が平坦な下面を提供し、前記押し込むステップ(S06)の間、前記上部押し込み棚部(42)および前記閉鎖キャップ(8)の前記上面(812)が互いに面接触する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
複数の前記方法ステップが、所定の順序で続けて実行される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
閉鎖キャップ(8)によって試料容器(9)の開放端部(91)を自動的に閉鎖するための可動キャップグリッパ(1)であって、
前記キャップグリッパ(1)が、互いに向かって移動可能な少なくとも2つのグリッパフィンガー(2)を備え、
各グリッパフィンガー(2)が、閉鎖キャップ(8)の上部(81)の外周と係合するための凹状の側方把持面(41)を有する遠位端部(21)を備え、
少なくとも1つのグリッパフィンガー(2)の前記遠位端部(21)が、前記側方把持面(41)によって提供される凹部(43)の上に少なくとも部分的に延在する上部押し込み棚部(42)を備える、可動キャップグリッパ。
【請求項12】
少なくとも1つのグリッパフィンガー(2)の前記側方把持面(41)が、前記キャップグリッパ(1)と前記閉鎖キャップ(8)との間の緊密な把持を可能にするために、前記閉鎖キャップ(8)の外周の表面構造(811)に適合するように構成された表面構造(411)を備え、および/または
各グリッパフィンガー(2)の前記上部押し込み棚部(42)が、前記上部押し込み棚部(42)と前記閉鎖キャップ(8)の前記上部(81)との間の面接触を可能にするための平坦な下面を提供する、請求項11に記載のキャップグリッパ(1)。
【請求項13】
前記グリッパフィンガー(2)が互いに接近するようにかつ互いに離れるように枢動し、前記閉鎖キャップ(8)を前記キャップグリッパ(1)の長手方向中心軸(CA)上にセンタリングするために、前記グリッパフィンガー(2)が、互いに共通の支点を中心にして互いに接続される、請求項11または12に記載のキャップグリッパ(1)。
【請求項14】
各グリッパフィンガー(2)が、略L字形であり、および/または
各グリッパフィンガー(2)が、本体(3)と、その遠位端部(21)にある接触部材(4)とから構成され、前記接触部材(4)が、前記側方把持面(41)および前記上部押し込み棚部(42)を含み、前記接触部材(4)が、前記キャップグリッパ(1)を前記閉鎖キャップ(8)の異なる複数のモデルに適合させるために、取り外し可能に前記本体(3)に接続される、請求項11から13のいずれか一項に記載のキャップグリッパ(1)。
【請求項15】
閉鎖キャップ(8)によって試料容器(9)の開放端部(91)を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖システムであって、閉鎖される前記試料容器(9)のためのホルダと、閉鎖される前記試料容器(9)のための閉鎖キャップ(8)と、請求項11から14のいずれか一項に記載のキャップグリッパ(1)と、を備え、好ましくは、各グリッパフィンガー(2)の前記遠位端部(21)が、前記閉鎖キャップ(8)のモデルに適合され、さらに好ましくは、前記閉鎖キャップ(8)の外周の表面構造(811)と各グリッパフィンガー(2)の前記側方把持面(41)の表面構造(411)とが互いに適合するように構成される、試料容器閉鎖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、生物学的試料の分析などの試料分析の技術分野、さらには生物学的試料の高処理量分析の技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、閉鎖キャップによって試料容器または反応容器の開放端部を自動的に閉鎖するための方法、ならびに閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための機器としてのそれぞれの可動キャップグリッパ、ならびにそのようなキャップグリッパを備える試料容器閉鎖システムに関する。
【0003】
換言すれば、本発明は、とりわけ、分析、分析前または分析後の処理の過程で使用される手順および装置に関し、その間、試料管などの試料容器は、その挿入後に試料容器の内容物を最初に密封またはキャッピングするために、または処理中に試料容器の内容物を再密封または再キャッピングするために、適切な閉鎖キャップによって、「キャップされる」とも呼ばれる閉鎖される必要があり、および/または「再閉鎖される」または「再キャップされる」とも呼ばれる開放後に再び閉鎖される必要がある。具体例として、試料容器は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの化学反応および/または生物学的反応を実行するための熱サイクル構造または熱サイクル装置(サーモサイクラーまたはサーマルサイクラーとも呼ばれる)のための試料容器として使用され得、そのような熱サイクル装置は、通常、1つまたは複数の試料容器または反応容器を受け入れるための試料マウント、ヒートシンクを備えたヒートポンプ、ならびに熱サイクル中のヒートポンプの加熱および冷却を制御するための制御ユニットを少なくとも含む。
【背景技術】
【0004】
生物学的試料の分析のために、生物学的試料は、通常、例えば採取された試料内の異なる成分の濃度レベルを決定するための検査室分析のために、病院または私的診療において医療従事者によって患者から採取される。したがって、「試料」および「生物学的試料」という用語は、対象分析物を潜在的に含むことがある材料を指し、生物学的試料は、血液、唾液、眼の水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、乳、腹水、粘液、滑液、腹水、羊水、組織、培養細胞などを含む生理学的流体などの生物学的供給源に由来することができ、試料は特定の抗原または核酸を含むと考えられ得る。
【0005】
多くの生物学的、生化学的、診断的または治療的用途では、前述の特定の抗原または核酸などの反応混合物に含まれる生物学的試料中の特定の物質または化合物の量または濃度を正確に決定することができることが不可欠である。この目標を正確に達成することができるようにするために、例えば、リアルタイムPCR、デジタルPCR(dPCR)またはマルチプレックスPCRの形態で広く知られているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの方法が長年にわたって開発されてきており、これは、生物学的試料中の核酸の体外合成を可能にし、DNAセグメントが特異的に複製され得る、すなわち、試料内のDNAまたはRNAの小さなセグメントをコピーまたは増幅する費用対効果の高い方法である。DNAまたはRNAセグメントを増幅するためのこれらの方法の開発は、遺伝子分析、多くの遺伝病の診断、またはウイルス量の検出に多大な利益をもたらした。通常、熱サイクリングとも呼ばれる熱サイクリングは、そのようなDNAまたはRNAセグメントを増幅するための反応容器などの試料容器内に設けられた試料中の反応物の加熱および冷却を提供するために利用され得、ここで、サーモサイクラーは、PCRに基づく診断アッセイの自動手順を達成するために一般的に使用され、PCRが行われている間、液体PCR-試料ならびにそれぞれの反応物は、異なる温度レベルに繰り返し加熱および冷却される前に試料容器に最初に移さなければならない。熱サイクリングの時間中、および例えば分析処理中に熱サイクルされた試料を除去した後、試料容器の内容物は、例えばそれぞれの閉鎖キャップによって、流体密封方式で試料容器の内部に密封されなければならない。
【0006】
近年、本発明者らの分析、分析前または分析後の処理をより迅速に行うだけでなく、より多数の試料を同時に処理する必要があり、その結果、自動処理システムが開発された。例えば、サーモサイクラーによって生物学的試料を熱サイクリングする間に複数の核酸増幅反応を同時に監視する過程で、既知の分析システムは、試料容器内の核酸増幅反応に励起エネルギーを印加するための励起光源と、複数の核酸増幅から放出された光を同時に検出するためのセンサとをさらに得た。しかしながら、様々な試料管およびそれぞれの様々な閉鎖キャップ設計またはモデルのために、試料容器およびそれらの閉鎖の取り扱いはより複雑になり、多くの場合、依然として検査室職員によって行われ、これは面倒で、時間がかかり、費用がかかり、人間の失敗を招きやすい。したがって、高精度および効率を達成しながら、試料処理をより高速に、より安価に、より簡単に実行することが必要とされている。
【0007】
試料処理を改善することができる装置を開発する過程で、キャッピングおよび再キャッピングとも呼ばれる、これらの試料容器の閉鎖および/または再閉鎖に関して、試料容器およびそれぞれの閉鎖キャップの取り扱いを改善するためのいくつかの試みがなされた。例えば、米国特許出願公開第2020/0072858号明細書は、試料容器の自動閉鎖のためのシステムおよび方法を記載しており、閉鎖グリッパは、クランプ用顎部だけでなく、追加の構成要素としてのセンタリングピースも有し、このセンタリングピースは、閉鎖グリッパのセンタリングピースが閉鎖キャップを試料管の開放端部に押し込むことができるように、閉鎖グリッパのセンタリングピースが閉鎖キャップのそれぞれの凹部に挿入されなければならない。同様に、米国特許第9,505,507号明細書は、試料管のキャップを把持するための3つ以上の支持体を有するキャップチャックセットと、さらに、キャップに上方から下向きの力を加えるための追加の構成要素として、キャップを試料容器の開放端部に圧入するための支持部とを備える、自動分析装置のキャップ開閉機構を開示している。しかしながら、これらの解決策は、多数の構造構成要素を有する閉鎖グリッパの複雑な構造をもたらし、とりわけ、そのような機器の製造コストを増加させ、また、その構造構成要素のうちの1つのみが故障した場合に機器全体の破損の損傷のリスクを増加させる。
【0008】
さらに知られている従来技術として、国際公開第2021/216931号は、検体容器用の閉鎖キャップの側壁を把持するためのフィンガーを有するグリッパ装置を開示しており、そのようなグリッパの1つの特定の実施形態の各フィンガーは、閉鎖キャップの外周の把持を改善するための凹状内側接触面と、接触面をフィンガーの傾斜した上部領域から分離する、このように構造化された接触面の上のさらなる凹部とを有する。しかしながら、この実施形態におけるグリッパフィンガーの傾斜した上部領域は、特に、クロージャの外周とグリッパフィンガーの接触面との間の滑りの場合に、クロージャの上面とグリッパ装置のそれぞれの顎部部材の基部との間のいかなる接触も回避するために設けられる。したがって、この開示にかかる下向きの力は、追加の下向きの力を提供するための追加の構造的構成要素なしに、クロージャ上のグリッパフィンガーの横方向の把持力によってのみ加えられる。したがって、国際公開第2021/216931号に提示されている解決策では、グリッパフィンガーとクロージャとの間の既に述べた滑りが発生する可能性があり、その滑りは、クロージャを検体容器の開放端部に安全に挿入することができず、したがって検体容器の処理中に検体の流出および汚染の危険性があるという重大なリスクをもたらす。
【0009】
これらおよび他の問題および欠点のために、上記に提示された従来技術の提案は、今日のユーザのニーズを満たすことができず、したがって、満足のいく解決策を提供しない。したがって、現在の技術分野では、診断アッセイをはるかに高速にし、したがって精度および効率を維持または改善しながら実行するのに安価にするために、試料容器を自動的に確実にキャップおよび/または再キャップすることができる方法および機器を提供することが一般的に必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、それぞれの閉鎖キャップによって試料容器を自動的にキャッピングおよび/または再キャッピングするための把持方法および機器を改善する上述した問題に対処する。本発明の第1の態様によれば、閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための方法であって、開放端部および閉鎖端部を有する試料管などの開放試料容器を保持された状態で提供するステップと、試料容器の開放端部を閉鎖、例えばキャップまたは再キャップするように構成された閉鎖キャップを提供するステップと、互いに向かって移動可能な少なくとも2つのグリッパフィンガーを有するキャップグリッパによって、閉鎖キャップの上部をその外周において把持するステップであって、各グリッパフィンガーが、閉鎖キャップの上部の外周と係合するための凹状の側方把持面を有する遠位端部を含み、少なくとも1つのグリッパフィンガーが、側方把持面によって提供される凹部の上に少なくとも部分的に延在する上部押し込み棚部を含む、把持するステップと、キャップグリッパによって閉鎖キャップの少なくとも下部を試料容器に挿入するステップと、閉鎖キャップが試料容器の開放端部を液密に閉じるまでキャップグリッパを試料容器の閉鎖端部に向かって移動させ、これによって試料容器をキャッピングまたは再キャッピングすることによって、上部押し込み棚部によって閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むステップと、を含む、方法が提供される。その際、把持フィンガーは、閉鎖キャップを保持するキャップグリッパの構成要素であるだけでなく、閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むために閉鎖キャップの上側に下向きの力を加える構成要素でもある。したがって、押し込み機能を生成するための追加の構成要素の提供が回避され得る。
【0011】
上記のキャップグリッパおよび閉鎖キャップの構成および構造に関するさらなる詳細および説明は、以下にさらに収集され得る。上述した方法ステップは、好ましくは、所定の順序で続けて実行され、試料容器を提供するステップと、閉鎖キャップを提供するステップとは入れ替え可能である。
【0012】
本発明の特定の実施形態によれば、閉鎖キャップの上部は、少なくともその外周に表面構造を備え、少なくとも1つであるが好ましくはそれぞれのグリッパフィンガーは、閉鎖キャップの上部の表面構造と適合する表面構造を備える。それに基づいて、閉鎖キャップの上部を把持するステップは、移動ステップおよび挿入ステップ中にキャップグリッパと閉鎖キャップとの間の緊密な把持を達成するために、閉鎖キャップの上部の外周の表面構造と側方把持面の表面構造との間の係合を含む。閉鎖キャップの上部の外周に設けられたそのような表面構造は、円形の溝またはノッチの形態で実現され得、それぞれのグリッパフィンガーの適合するまたは接合する表面構造は、嵌合する円形の隆起部または凸部、または任意の同様の嵌合/インターロック構造の形態で実現され得る。これにより、把持フィンガーと閉鎖キャップとの間の緊密な把持を確実にすることができ、閉鎖キャップのいかなる滑りなども回避することができる。
【0013】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、閉鎖キャップを試料容器の開放端部に移動させるステップは、キャップグリッパによって閉鎖キャップの下端部を試料容器の開放端部にまたは開放端部内に配置することを含むことができる。これに関して、閉鎖キャップは、通常、閉鎖キャップを把持することができる上部と、試料容器に挿入される下部とからなり、上部は、上端部、すなわち閉鎖キャップの上端部を含み、下部は、下端部、すなわち閉鎖キャップの下端部を含むことが指摘される。したがって、閉鎖キャップの下端部を試料容器の開放端部に、すなわち試料容器の開放端部の上および近くに、または試料容器の開放端部内に既に配置し、閉鎖キャップの下端部を試料容器の開放端部にある程度まで既に導入することを含むことによって、閉鎖キャップを試料容器の開放端部まで移動させるステップは、閉鎖キャップの下端部を試料容器の開放端部に安全に導入することを可能にする。
【0014】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、閉鎖キャップの少なくとも下部を試料容器に挿入するステップは、閉鎖キャップが試料容器の開放端部に押し込まれる前に、追加のステップまたはサブステップを含む。特に、閉鎖キャップの下部を試料容器に挿入するステップは、各グリッパフィンガーの側方把持面を閉鎖キャップの上部の外周から係合解除するために、少なくとも2つのグリッパフィンガーを互いに僅かに離すように移動させることによって閉鎖キャップの上部の把持を緩めるサブステップをさらに含むことができる。したがって、閉鎖キャップの下端部が試料容器の開放端部にまたはその中に既に配置されている状態で、閉鎖キャップの把持を緩めることによって、閉鎖キャップは、試料容器の開放端部に着座し、その後、閉鎖キャップの上端部に下向きの力を及ぼす上部押し込み棚部によって閉鎖キャップの下部が試料容器内に押し込まれる。閉鎖キャップの上部の把持を緩める任意のステップに関して、グリッパフィンガーの互いから外方への周縁移動は、各グリッパフィンガーの閉鎖キャップから外方への移動を伴い、その結果、各グリッパフィンガーの側方把持面は、閉鎖キャップの外周から係合解除するが、グリッパフィンガーは、閉鎖キャップがその位置および向きを実質的に維持し、特に閉鎖キャップの下端部を試料容器の開放端部にまたは開放端部内に維持するのに十分な側方案内を依然として提供することが指摘される。グリッパフィンガーのそのような周縁移動の例として、閉鎖キャップから離れる各グリッパフィンガーの移動の程度は、1μmから1mmの範囲内とすることができる。したがって、上述したように把持を緩めることによって、各フィンガーの上部押し込み棚部は、閉鎖キャップと密着することができ、上部押し込み棚部によって提供される下向きの力を閉鎖キャップの上端部に平面的に伝達することを可能にする。これに関して、本発明のさらなる特定の実施形態によれば、閉鎖キャップは、略平坦な上面または頂面を有することができ、グリッパフィンガーの上部押し込み棚部は、平坦な下面を提供することができる。したがって、押し込みステップ中に、上部押し込み棚部と閉鎖キャップの上部とが互いに面接触することができる。これにより、上部押し込み棚部から閉鎖キャップの上端部への下向きの力の最大限の伝達が達成され得る。
【0015】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも2つのグリッパフィンガーを互いから離れるように、かつ挿入された閉鎖キャップから離れるように移動させるステップと、キャップグリッパを閉鎖された試料容器から離れるように移動させるステップと、をさらに含む。これらの追加のステップは、閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むステップの後であり、別の試料容器に挿入される次の閉鎖キャップを把持/把持する前に、キャップグリッパをその初期位置に移動させることができる。したがって、これらの「最終」方法ステップにより、キャップグリッパは、閉鎖される後続の試料容器の開放端部の次の自動閉鎖を実行するための開始位置にすることができる。
【0016】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、閉鎖キャップの上部を把持するステップは、グリッパフィンガーの側方把持面および上部押し込み棚部によって閉鎖キャップの上部の外面の少なくとも50%、例えば80%から90%を囲むことを含む。これにより、グリッパフィンガーと閉鎖キャップとの間の緊密な把持を確実にすることができ、また、閉鎖キャップが傾くことなく、上部押し込み棚部から閉鎖キャップの上端部への下向きの力の十分な伝達を確実にすることができる。
【0017】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、互いに接近かつ互いに離れるグリッパフィンガーの移動は、互いに共通の支点を中心とするグリッパフィンガーの枢動運動によって実現され、キャップグリッパの長手方向中心軸上に閉鎖キャップをセンタリングする。さらに詳細には、キャップグリッパの各フィンガーは、閉鎖キャップと係合するための遠位端部と、それとは反対側に配置された近位端部とを備え、フィンガーの近位端部は、例えば共通の軸または支点を中心に回転可能に互いに固定され、これにより、グリッパフィンガーの遠位端部は、共通の枢動点を中心に互いに対して枢動され得る。したがって、キャップグリッパと共通の軸上の閉鎖キャップのセンタリングが達成され得、その結果、閉鎖キャップの長手方向軸は、キャップグリッパの長手方向軸と同軸に自動的に配置され得る。これにより、試料容器に対する閉鎖キャップの位置決め、およびキャップグリッパによる閉鎖キャップへの力の伝達が改善され得る。
【0018】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、閉鎖キャップの上部と下部との間に肩部が設けられ、閉鎖キャップの上部は、閉鎖キャップの下部よりも大きい外周を含む。ここで、閉鎖キャップの上側部分のより大きい外周は、試料容器の開放端部の内周と同一またはより大きくすることができる。したがって、閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むステップは、閉鎖キャップの肩部と試料容器の上縁とが互いに接触するまで、キャップグリッパを試料容器の閉鎖端部に向かって移動させることを含む。これは、閉鎖キャップの下部が、閉鎖キャップによって試料容器を液密に密封するために試料容器の開放端部に十分に挿入され、閉鎖キャップの肩部と試料容器の上縁との間の接触が、さらに液密シールを提供することをもたらす。
【0019】
本発明の別の態様によれば、閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための可動キャップグリッパが本発明によって提供され、キャップグリッパは、互いに向かって移動可能な少なくとも2つのグリッパフィンガーを備え、各グリッパフィンガーは、閉鎖キャップの上部の外周と係合するための凹状の側方把持面を有する遠位端部を備え、少なくとも1つのグリッパフィンガーの遠位端部は、側方把持面によって提供される凹部の上に少なくとも部分的に延在する上部押し込み棚部を備える。そのような構造では、把持フィンガーは、閉鎖キャップを保持するキャップグリッパの構成要素であるだけでなく、閉鎖キャップを試料容器の開放端部に押し込むために閉鎖キャップの上側に下向きの力を加える構成要素でもある。したがって、押し込み機能を達成するための追加の構成要素の提供が回避され得る。さらに、本発明のキャップグリッパはまた、グリッパフィンガーによって閉鎖キャップの上部をしっかりと把持し、グリッパフィンガーの遠位端部と閉鎖キャップの上部の外周との間の摩擦力によって閉鎖キャップを試料容器から引き出すことによって、試料容器から閉鎖キャップを取り外すために使用され得る。これに関して、グリッパフィンガーを、そのようなデキャッピングにより適した異なる種類のフィンガーによって交換することが有用であり得る。
【0020】
本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも1つのグリッパフィンガーの側方把持面は、キャップグリッパと閉鎖キャップとの間の緊密な把持を可能にするために、閉鎖キャップの外周の表面構造に適合するように構成された表面構造を含む。少なくとも1つのグリッパフィンガーまたは各グリッパフィンガーのそのような適合するまたは接合する表面構造は、係合されるべき閉鎖キャップの上部の外周に設けられたそれぞれの表面構造に適合するように構成された、嵌合する円形の隆起部または凸部、または任意の同様の嵌合/インターロック構造の形態で実現され得、閉鎖キャップの上部の外周のこの構造は、円形の溝またはノッチなどの形態で実現され得る。これにより、把持フィンガーと閉鎖キャップとの間の緊密な把持を確実にすることができ、閉鎖キャップのいかなる滑りなども回避することができる。追加的または代替的に、グリッパフィンガーの上部押し込み棚部は、上部押し込み棚部と閉鎖キャップの上部との間の表面接触を可能にするために平坦な下面を提供し、その結果、上部押し込み棚部から閉鎖キャップの上端部まで下向きの力が最大限に伝達される。
【0021】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、グリッパフィンガーは、グリッパフィンガーを互いに向かっておよび互いに離れるように枢動させるために、互いに共通の支点を中心にして互いに接続される。さらに詳細には、キャップグリッパの各フィンガーは、閉鎖キャップと係合するための遠位端部と、それとは反対側に配置された近位端部とを備え、フィンガーの近位端部は、例えば共通の軸または支点を中心に回転可能に互いに固定され、これにより、グリッパフィンガーの遠位端部は、共通の枢動点を中心に互いに対して枢動され得る。したがって、キャップグリッパと共通の軸上の閉鎖キャップのセンタリングが達成され得、その結果、閉鎖キャップの長手方向軸は、キャップグリッパの長手方向軸と同軸に自動的に配置され得る。これにより、試料容器に対する閉鎖キャップの位置決め、およびキャップグリッパによる閉鎖キャップへの力の伝達が改善され得る。
【0022】
本発明のさらなる特定の実施形態によれば、各グリッパフィンガーは、略L字形を備え、L字形の長い側面は、回転可能に固定されるように設けられたグリッパフィンガーの近位端部を提供し、L字形の短い側面は、さらに上記で定義されたようにグリッパフィンガーの遠位端部を提供する。代替的または追加的に、各グリッパフィンガーは、本体と、その遠位端部にある接触部材とからなり、すなわち、L字形状の短い側面は、本体の一部と、さらに、その遠位端部にある接触部材とからなり得て、接触部材は、側方把持面および上部押し込み棚部を含み、接触部材は、取り外し可能な方法で本体部分に接続される。したがって、キャップグリッパは、閉鎖キャップの異なるモデルまたは構造設計に適合され得、例えば、グリッパフィンガーの側方把持面の表面構造は、所望の試料容器に挿入される閉鎖キャップの外周のそれぞれの表面構造に沿って選択され得る。また、異なるサイズまたは形状の試料容器は、異なるサイズまたは形状の閉鎖キャップを必要とするため、キャップグリッパと選択された閉鎖キャップとの間の十分に緊密な係合を達成するために、グリッパフィンガーの側方把持面の異なる形状またはサイズの凹部が選択され得る。ここで、必要なスイッチの発生頻度に応じて、グリッパフィンガーの接触部材の切り替えが手動または自動で取り扱われ得ることが指摘されている。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、閉鎖キャップを有する試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための試料容器閉鎖システムが本発明によって提供される。そのようなシステムは、閉鎖される試料容器のためのホルダと、閉鎖される試料容器のための閉鎖キャップであって、既に上記で定義された構造を示すことができる閉鎖キャップと、既に上記で定義されたキャップグリッパとを備える。代替的または追加的に、各グリッパフィンガーの遠位端部は、閉鎖キャップの選択されたモデルに適合され、閉鎖キャップの外周の表面構造および各グリッパフィンガーの側方把持面の表面構造は、既にさらに詳細に説明したように、互いに適合するように構成され得る。
【0024】
換言すれば、本発明のキャップグリッパは、例えばいわゆるフレックスキャップとすることができる閉鎖キャップの上部と接合する特徴を含み、これにより、輸送および再キャップ中に閉鎖キャップを定位置に保持するために過剰な側方/側面の力が必要とされず、キャップグリッパの構造設計は、キャッピングまたは再キャッピング中に下向きの押圧力を強調する。したがって、本発明のキャップグリッパのグリッパフィンガーは、キャッピングまたは再キャッピング中の損傷を回避するために閉鎖キャップと相互作用するように開発された。したがって、既知の従来技術と比較して、そのような損傷回避は、グリッパフィンガーの少なくとも1つまたはそれぞれに統合され、より単純な構造が適用された。特に、試料容器が密封され得るようになる前に、グリッパフィンガーが必ずしも最初にキャップを解放する必要がないため、より簡単なワークフローが実装され得る。また、グリッパフィンガーがキャッピングまたは再キャッピング機能を実行するために必要な追加の部品または別個の可動部品はない。
【0025】
通常、生物学的試料を自動的に処理するために最先端の検査室において一般的に使用される分析、分析前または分析後処理システムなどの自動処理システムは、上述したようなキャップグリッパなどの上述した方法を実行するための機器、または上述したような試料容器閉鎖システム全体を備えることができる。ここで、検査室の「検査室機器」または「機器」という用語は、1つまたは複数の生物学的試料に対して1つまたは複数の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置構成要素を包含し、分析機器、分析前機器、および分析後機器も包含する。これにより、「処理ステップ」という表現は、PCR遂行の特定のステップを実行するなど、物理的に実行される処理ステップを指す。上記の方法ステップは、そのような自動処理システムの制御ユニットによって制御され得、制御ユニットは、上述した装置およびその構成要素の任意の種類の作動または監視を制御することもでき、本明細書で使用される「制御ユニット」という用語は、CPUなどの任意の物理的または仮想的処理装置を包含し、ワークフローおよびワークフローステップが実行されるように、機器全体、または1つまたは複数の検査室機器を含むワークステーション全体を制御することもできる。制御ユニットは、例えば、異なる種類のアプリケーションソフトウェアを搭載し、自動処理システムまたはその特定の機器または装置に、分析前、分析後および分析ワークフロー/ワークフローステップを実行するように指示し得る。制御ユニットは、特定の試料または試料容器によってどのステップを実行する必要があるかに関する情報をデータ管理ユニットから受信し得る。さらに、制御ユニットは、データ管理ユニットと一体であることがあり、サーバコンピュータに含まれることがあり、および/または、1つの機器の一部であり得るか、または自動処理システムの複数の機器にわたって分散されることがある。制御ユニットは、例えば、操作を実行するための命令を備えたコンピュータ可読プログラムを実行するプログラム可能論理コントローラとして具体化されてもよい。ここでは、ユーザによるかかる命令を受信するために、ユーザインターフェースがさらに提供され得、本明細書で使用される「ユーザインターフェース」という用語は、オペレータからのコマンドを入力として受信し、またフィードバックを提供し、そこに情報を伝えるためのグラフィカルユーザインターフェースを含むがこれらに限定されない、オペレータと機械との間の相互作用のための任意の適切なアプリケーションソフトウェアおよび/またはハードウェアを包含する。また、システム/装置は、様々な種類のユーザ/オペレータにサービスを提供するためにいくつかのユーザインターフェースを公開する場合がある。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形を含む。同様に、「備える(comprise)」、「含む(contain)」、「包含する(encompass)」という語は、排他的ではなく包括的に、すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味で解釈される。同様に、「または」という単語は、文脈が明確に別のことを示さない限り、「および」を含むことを意図している。「複数(plurality)」、「複数(multiple)」または「多数(multitude)」という用語は、整数倍の2つ以上、すなわち2または>2を指し、「単一(single)」または「唯一(sole)」という用語は1つ、すなわち=1を指す。さらにまた、「少なくとも1つ」という用語は、1つまたは複数、すなわち、1または>1としても理解されるべきであり、これも整数倍である。したがって、単数形または複数形を使用する語はまた、それぞれ複数形および単数形も含む。さらに、「本明細書で(herein)」、「上方(above)」、「以前に(previously)」、および「下方(below)」という語、ならびに同様の意味の語は、本特許出願において使用される場合、本特許出願の特定の部分ではなく、本特許出願全体を指すものとする。
【0027】
さらに、特定の用語は便宜上使用されており、本発明を限定することを意図するものではない。「右(right)」、「左(left)」、「上(up)」、「下(down)」、「下方(under)」、「上方(above)」という用語は、図における方向を指す。用語は、明示的に言及された用語と、それらの派生語および同様の意味を有する用語を含む。また、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「基部(base)」、「上方(above)」、「上方(upper)」、「上(top)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」などの空間的に相対的な用語も、図に示すように、別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を説明するために使用され得る。これらの空間的に相対的な用語は、図に示されている位置と向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる位置と向きを包含することを意図している。例えば、図中の装置が上下逆さまにされる場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」として説明されている要素は、他の要素または特徴の「上」または「上方」になる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上と下の位置と方向の双方を包含することができる。装置は、他の方法で方向付けられ(90度回転または他の方向に)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子がそれに応じて解釈され得る。同様に、様々な軸に沿う、および様々な軸の周りの動きの説明は、様々な空間装置の位置と方向を含む。
【0028】
様々な態様および例示的な実施形態の図および説明の繰り返しを回避するために、多くの特徴が多くの態様および実施形態に共通であることを理解されたい。本開示の特定の実施形態の説明は、網羅的であること、または本開示を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態およびその例は、例示の目的で本明細書に記載されているが、関連技術分野の当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な同等の変更が可能である。前述の実施形態の特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わせたり、要素の代わりに使用したりすることができる。さらにまた、本開示の特定の実施形態に関連する利点は、これらの実施形態の文脈で説明されてきたが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、全ての実施形態が添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲内に含まれるようにそのような利点を示す必要はない。適用可能であれば、装置またはシステムクレームからの技術的特徴は、クレームに記載された方法または使用の過程で使用され得、またはその逆も可能である。説明または図からの態様の省略は、その態様がその態様を組み込んだ実施形態から欠落していることを意味するものではない。代わりに、明確にするため、および冗長な説明を回避するために、態様が省略されている場合がある。この文脈では、この説明の残りの部分に以下が適用される:図面を明確にするために、図に説明の直接関連部分で説明されていない参照符号を含む場合は、前または後の説明セクションを参照されたい。さらに、わかりやすくするために、図面のセクションにおいて部品の全ての特徴に参照符号が付されていない場合は、同じ図面の他のセクションを参照されたい。2つ以上の図における同様の番号は、同じ要素または類似の要素を表している。
【0029】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図している。したがって、以下に論じられる特定の変更は、本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではない。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な均等物、変形、および変更を行うことができることは当業者にとって明らかであり、したがって、そのような均等の実施形態が本明細書に含まれることが理解されるべきである。本発明のさらなる態様および利点は、図に示される特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】試料容器の開放端部に閉鎖キャップを導入する過程における、本発明の実施形態にかかるキャップグリッパの斜視概略図である。
図2】閉鎖キャップがしっかりと保持された状態の、図1に示す実施形態にかかるキャップグリッパの側面概略図である。
図3】閉鎖キャップを解放した状態の、図1および図2に示す実施形態にかかるキャップグリッパの側面概略図である。
図4】閉鎖キャップを解放した状態の、図1から図3に示す実施形態にかかるキャップグリッパの概略斜視図である。
図5a図1から図4に示す実施形態にかかるキャップグリッパのグリッパフィンガーの概略の斜視図である。
図5b図1から図4に示す実施形態にかかるキャップグリッパのグリッパフィンガーの概略の下から見た図である。
図5c図1から図4に示す実施形態にかかるキャップグリッパのグリッパフィンガーの概略の図5bの線A-Aに沿った断面図である。
図6】本発明の実施形態にかかる、キャップグリッパを使用して閉鎖キャップによって試料容器の開放端部を自動的に閉鎖するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、閉鎖キャップ8によって試料容器9の開放端部91を自動的に閉鎖するための自由に移動可能なキャップグリッパ1を斜視図で示しており、キャップグリッパ1は、2つの対向するグリッパフィンガー2の間で閉鎖キャップ8を把持し、グリッパフィンガー2は、回転移動可能にキャップグリッパ本体11に接続されている。閉鎖キャップ8は、図9の試料容器9の開放端部91をしっかりと閉鎖すると考えられ、開放端部91は、試料容器9の閉鎖端部92または底端部92に対向している。この実施形態では、試料容器9は、その底部に一方の閉鎖端部、すなわち閉鎖底端部92を有し、他方の端部に開放端部91を有する略円筒形状の試料管9によって実現され、開放端部91は、円形開口部を備える。図1に示すように、試料管9はまた、試料管9の内容物を識別するために検査室においてしばしば使用されるように、印刷されたラベルまたは電子タグを備えることができる。グリッパフィンガー2は、本体11によって提供される互いに共通の支点を中心にグリッパフィンガー2が枢動され得るように、キャップグリッパ本体11に枢動可能に接続されている。これにより、すなわち、互いに接近かつ互いに離れるグリッパフィンガー2の平行な枢動運動を達成することによって、グリッパフィンガー2は、例えば、両側から閉鎖キャップ8に同一の把持力を加え、また、閉鎖キャップ8をキャップグリッパ1の長手方向中心軸CA上にセンタリングすることが可能になる(図2も参照)。ここで、キャップグリッパ本体11の構造は、本発明の焦点ではなく、自動検査室装置の通常の構造組成に沿って変化し得るため、これ以上詳細には説明しない。
【0032】
図1から図4のいずれか1つから収集され得るように、各グリッパフィンガーは、グリッパフィンガー本体3と接触部材4とからなり、接触部材4は、閉鎖キャップ8と直接接触することが想定されるが、各グリッパフィンガー2の本体3は、各グリッパフィンガー2の一般的な枢動運動を接触部材4に伝達する。ここで、各グリッパフィンガー本体3およびその接触部材4は、対向するグリッパフィンガー本体3およびその接触部材4と同一の寸法を有し、各グリッパフィンガー2、すなわちそのグリッパフィンガー本体3およびそれぞれの接触部材4は、L字形構造を形成し、図1および図2に示すようにグリッパフィンガー2の閉位置において、対向する接触部材4は、それらの遠位端部21の端面が互いに平行で、かつキャップグリッパ1の中心軸CAに平行になるように配置される。また、閉位置では、対向するグリッパフィンガー本体3も互いに平行かつキャップグリッパ1の中心軸CAに平行に配置され、対向する接触部材4は、キャップグリッパ1の中心軸CAに対して垂直に配置される。
【0033】
図3および図4から収集され得るように、閉鎖キャップ8は、上部81と、上部81の下方に配置された下部82と、上部81と下部82との間に配置された肩部83とを備え、閉鎖キャップ8の上部81は、閉鎖キャップ8の下部82よりも大きい外周を呈し、これによって肩部83を確立する。閉鎖される試料容器9の開放端部91に挿入されると、閉鎖キャップ8の肩部83は、試料容器9の上縁部911が閉鎖キャップ8の肩部83の底面と接触するまで、試料容器9の開放端部91に押し込まれる。
【0034】
本実施形態のキャップグリッパ1のグリッパフィンガー2の例示的な接触部材4が図5aから図5cに示されており、図5aは、例示的な接触部材4の斜視側面図であり、図5bは、接触部材4の下方からの図であり、図5cは、図5bに示す線A-Aに沿って切断した接触部材4の側方からの断面図である。各接触部材4は、グリッパフィンガー2の遠位端部21を構成し、接触部材4の遠位端部の凹部43の内周に側方把持面41などの異なる領域を含み、凹部43は、閉鎖キャップ8の上部81の一部を収容することを意味する。凹部43は、側方把持面41だけでなく、上部押し込み棚部42によっても制限される。側方把持面41は、閉鎖キャップ8の上部81の外周に当接/接触するために使用される。上部押し込み棚部42は、閉鎖キャップ8の平坦な上面または上側側面と当接/接触するために使用される。2つの対向する接触部材4が閉鎖キャップ8の上部81を挟むため、把持力は、互いに向かって導かれて、2つの対向する側面から閉鎖キャップ8の上部81の外周に加えられる。さらに、各接触部材4の上部押し込み棚部42によって、押圧力または推力を各上部押し込み棚部42によって閉鎖キャップ8の上側に加えることができ、これによって、閉鎖キャップ8を試料容器9の開放端部91に押し込むときにキャップグリッパ1が十分な押圧力を達成することを可能にする。
【0035】
改善された把持機能を達成するために、グリッパフィンガー2の接触部材4の少なくとも一方または双方の側方把持面41には、例えば、並置された複数の側方滑り止めセレーションなどの波形構造の円形溝またはノッチの形態の表面構造411が設けられ、グリッパフィンガー2の遠位端部21の側方把持面41の表面構造411は、閉鎖キャップ8の上部81の外周のそれぞれの表面構造811と適合し、適合するまたは接合する表面構造811は、嵌合する円形の隆起部または凸部、または任意の同様の嵌合/インターロック構造の形態で実現され得る。したがって、キャップグリッパ1と閉鎖キャップ8との間のより確実な、すなわちより緊密な把持のために、接触部材4と閉鎖キャップ8との間の保持が拡大され得る。さらにまた、各グリッパフィンガー2の上部押し込み棚部42は、上部押し込み棚部42の底面と閉鎖キャップ8の上部81の上面812との間の十分な面接触を可能にするために、例えば図5aから図5cから収集され得るように、平坦な下面または底面を提供する。したがって、上述したような押圧力は、閉鎖キャップ8を試料容器9の開放端部91に導入するときに、接触部材4によってグリッパフィンガー2から閉鎖キャップ8に改善された方法で伝達され得る。これに関して、閉鎖キャップ8をしっかりと把持するときの双方の接触部材4は、例えば図1および図2から収集され得るように、閉鎖キャップ8の上部81全体を囲む必要がないことが指摘される。ここで、閉鎖キャップ8が、側方把持面41およびグリッパフィンガー2の上部押し込み棚部42によって、閉鎖キャップ8の上部81の外面の半分よりも多く、すなわち>50%を取り囲んでいれば十分であり得る。すなわち、閉鎖キャップ8の上部81の外面の半分よりも多くが、接触部材4の凹部43に収容される。本実施形態では、具体例として、閉鎖キャップ8は、側方把持面41およびグリッパフィンガー2の上部押し込み棚部42によって、閉鎖キャップ8の上部81の外面の80~90%を囲むことができ、すなわち、閉鎖キャップ8の上部81の外面の80~90%が接触部材4の凹部43に収容され得る。これにより、グリッパフィンガー2と閉鎖キャップ8との間の緊密な把持を確実にすることができ、閉鎖キャップ8が中心軸CAに長手方向で整列した状態から離れるように傾斜することなく、上部押し込み棚部42から閉鎖キャップ8の上面811への下向きの力の十分な伝達を確実にすることができる。さらに、図4および図5aから図5cからも収集され得るように、各接触部材4は、例えばねじ結合によって、それぞれのグリッパフィンガー2のそれぞれの本体3に着脱可能に取り付けられ、それぞれのねじを受け入れるための1つまたは複数の取り付け孔44が、各接触部材4の近位部分に設けられ、各接触部材4をそれぞれの本体3に簡単に取り付けることを可能にするためのセンタリングノッチ45が設けられている。
【0036】
図6には、閉鎖キャップ9によって試料容器9の開放端部91を自動的に閉鎖する方法が示されている。そこから収集され得るように、本方法は、後続の順序で最大8つの方法ステップS01からS08を含み、ステップS07およびS08は、以下に説明するように、単に任意である。さらに詳細には、本方法は、開放端部91および閉鎖端部92を有する開放試料管9を設けるステップS01を含み、すなわち、試料管9は、固定保持装置内に保持され得、または移動可能な態様で試料容器グリッパによって保持され得る。さらに、本方法は、閉鎖キャップ8を提供するステップS02を含む。次に、本方法は、2つのグリッパフィンガー2を有するキャップグリッパ1によって、閉鎖キャップ8の上部81をその外周においてその表面構造811で把持するステップS03を含む。さらに、本方法は、閉鎖キャップ8を試料容器9の開放端部91まで移動させるステップS04を含み、試料容器9が可動試料容器グリッパによって保持されている場合には、試料容器9が閉鎖キャップ8の近傍に移動され得る。さらに、本方法は、閉鎖キャップ8の少なくとも下部82を試料容器9に挿入するステップS05を含み、これは、閉鎖キャップ8の下部82が、少なくとも部分的に、試料容器9の開放端部91に導入されることを意味する。次に、本方法は、閉鎖キャップ8が試料容器9の開放端部91を液密に閉鎖するまでキャップグリッパ1を試料容器9の閉鎖端部92に向かって移動させ、これによって試料容器9をキャッピングまたは再キャッピングすることによって、上部押し込み棚部42によって閉鎖キャップ8を試料容器9の開放端部91に押し込むステップS06を含む。後者を考慮すると、キャップグリッパ1を試料容器9に向かって移動させることができるだけでなく、移動可能な試料容器グリッパを設ける場合には、試料容器9をキャップグリッパ1に向かって移動させることもできるように、試料容器9自体のための移動機構を設けることも合理的であり得る。これは、試料容器9の閉鎖が、キャップグリッパ1の移動、試料容器9の移動、または試料容器9とキャップグリッパ1の両方の互いに向かう組み合わせ移動のいずれかによって達成され得ることをもたらすことができる。さらに、本方法は、任意のステップS07およびS08、すなわち、少なくとも2つのグリッパフィンガー2を互いから離れるように、かつ挿入された閉鎖キャップ8から離れるように移動させるステップS07と、キャップグリッパ1を閉鎖された試料容器9から離れるように移動させるステップS08とをさらに含む。これらの任意のステップは、閉鎖キャップ8を試料容器9の開放端部91に押し込むステップS06の後に行われ、自動化された方法の例として、別の試料容器9に挿入される次の閉鎖キャップ8を把持する/掴む前に、キャップグリッパ1を初期位置に戻すことができる。したがって、これらの任意の方法ステップにより、キャップグリッパ1は、次の自動試料容器閉鎖プロセスを実行するためのその次の開始位置にもたらされる。
【0037】
上述した方法ステップS01からS06、ならびに任意にS07およびS08は、所定の順序で続けて実行され得、試料容器9および閉鎖キャップ8を提供するステップS01およびS02は、入れ替え可能に使用され得る。
【0038】
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、この説明は、例示のみを目的としていることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0039】
1 キャップグリッパ
11 キャップグリッパの本体
2 グリッパフィンガー
21 グリッパフィンガーの遠位端部
3 グリッパフィンガーの本体
4 グリッパフィンガーの接触部材
41 その遠位端部におけるグリッパフィンガーの側方把持面
411 グリッパフィンガーの側方把持面の表面構造
42 グリッパフィンガーのその遠位端部における上部押し込み棚部
43 凹部
44 ねじ取付孔
45 センタリングノッチ
8 閉鎖キャップ
81 閉鎖キャップの上部
811 閉鎖キャップの上部の表面構造
812 閉鎖キャップの上面
82 閉鎖キャップの下部
821 閉鎖キャップの下端部
83 閉鎖キャップの肩部
9 試料容器/管
91 試料容器/管の開放端部
911 試料容器/管の上縁
92 試料容器/管の閉鎖端部
CA キャップグリッパの中心軸
S01 方法ステップ
S02 方法ステップ
S03 方法ステップ
S04 方法ステップ
S05 方法ステップ
S06 方法ステップ
S07 方法ステップ
S08 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
【外国語明細書】