(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019146
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電解水モジュール寿命監視方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/461 20230101AFI20240201BHJP
【FI】
C02F1/461 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123515
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】202210906534.5
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523287919
【氏名又は名称】▲じゃん▼州松霖智能家居有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhangzhou Solex Smart Home Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 12 Shunxiang Road, Gunong Farm, Changtai County, Zhangzhou City, Fujian Province, 363900, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】蘇 友鵬
(72)【発明者】
【氏名】盧 偉
(72)【発明者】
【氏名】朱 有湖
(72)【発明者】
【氏名】羅 暁宇
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB07
4D061DB08
4D061EA02
4D061EB37
4D061EB38
4D061GA12
4D061GA14
4D061GA15
4D061GA30
4D061GB30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電解水モジュール寿命監視方法及び監視システムを提供する。
【解決手段】電解水モジュールで発生した電気信号を検出する電気信号検出ステップS101と、前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検出した場合、電解水モジュールの交換を提示する寿命検出ステップS102とを含む。検出された電解水モジュールで発生した電流の大きさに基づいて電解水モジュールの寿命を判断し、前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことが検出された場合、電解水モジュールの交換を提示し、より良い殺菌効果を達成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出する電気信号検出ステップと、
前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検出した場合、電解水モジュールが寿命に達したと判断し、電解水モジュールの交換を提示する寿命検出ステップと、を含むことを特徴とする電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項2】
電解水モジュールの使用時間を検出するステップと、
前記電解水モジュールの使用時間が設定された寿命に達したことを検知した場合、電解水モジュールの交換を提示するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項3】
電解水モジュールで発生した電流は、電解水モジュールの使用時間と線形関係になり、具体的に、
Tuse= aIcur+ b
そのうち、Tuseが使用時間を表し、Icurが電解水モジュールで即時に発生する電流を表し、aが勾配を表し、bが定数項であることを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項4】
線形方程式における定数項bの取得方法において、
電解水モジュールの使用開始後の第1の所定時間内に、電解水モジュールで発生した電流を連続的に採取し、各時刻に対応する電流を記録し、参考値として定数項bに与えることを特徴とする請求項3に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項5】
前記参考値は、第1の所定時間内の各時点に対応する電流の平均値、又は第1の所定時間内の最後の時点に対応する電流を採取することを特徴とする請求項4に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項6】
線形方程式における勾配aの取得方法は、フィッティングであることを特徴とする請求項3に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項7】
電解水モジュールで発生した電流に基づいて、現在の水質を検出するステップをさらに含み、具体的に、
そのうち、Qが現在の水質値を表し、Tlが所定期間を表し、Ilが、所定期間に発生した平均電流を示すことを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項8】
現在の水質値が所定の水質値に達したことが検知される場合、電解水モジュールへの通電を停止および/または提示することを特徴とする請求項7に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項9】
前記電解水モジュールで発生した電気信号を検出する前に、前記電解水モジュールが第2の所定時間内に発生した電流が安定しているか否かを検出し、安定していない場合、寿命検出ステップを実行しないステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項10】
第2の所定時間内に電解水モジュールで発生した電流が安定しているか否かを検出するステップは、具体的に、第2の所定時間内の各時刻における電流ばらつきの平均値が所定のばらつき値を超えるか否かを判定し、超える場合、不安定であると判定し、超えていない場合、安定であると判断することを特徴とする請求項9に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項11】
前記電解水モジュールで発生した電気信号を検出する前に、前記電解水モジュールの通水時間が第1の所定時間に達したか否かを判断し、達した場合、寿命検出ステップを実行し、達していない場合、寿命検出ステップを実行しないステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュール寿命監視方法。
【請求項12】
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出する電気信号検出モジュールと、
前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検出した場合、電解水モジュールが寿命に達したと判断し、電解水モジュールの交換を提示する寿命検出モジュールと、を含むことを特徴とする電解水モジュール寿命監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解水モジュールの技術分野に関し、特に、電解水モジュール寿命監視方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電解水モジュールは、水道水を電気分解して一定のpH値と酸化還元性を有する電解水を生成するのに用いられることで、水道水の消毒を実現する。電解作用により、電解水モジュールのカソードで強アルカリ性の水が生成され、アノードで強酸性の水が生成される。
【0003】
電解水モジュールは、出荷時に、一般的に一定の寿命が設定されるため、従来技術では、電解水モジュールの使用時間に応じて交換の要否を判断することが多い。しかし、実際の使用において、水質によっては電解水モジュールの寿命が多少変動するため、電解水モジュールの寿命に水質が多少の影響を与える。このため、電解水モジュールの交換の要否を時間で判断することは、結果の誤判定を招き、電解水モジュールの殺菌効果に影響を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、電解水モジュール寿命監視方法及びシステムを提供することにあり、安定な水質の条件で、電解水モジュールで発生する電気信号を検出することにより、電解水モジュールの使用時間を検出するとともに、電解水モジュールの交換を提示して、より高い殺菌効果を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術的解決策を採用する。
一態様において、電解水モジュール寿命監視方法であって、
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出する電気信号検出ステップと、
前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検出した場合、電解水モジュールが寿命に達したと判断し、電解水モジュールの交換を提示する寿命検出ステップと、を含むことを特徴とする電解水モジュール寿命監視方法。
【0006】
好ましくは、前記電解水モジュール寿命監視方法は、
電解水モジュールの使用時間を検出するステップと、
前記電解水モジュールの使用時間が設定された寿命に達したことを検知した場合、電解水モジュールの交換を提示するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、電解水モジュールで発生した電流は、電解水モジュールの使用時間と線形関係になり、具体的に、
Tuse= aIcur+ b
そのうち、Tuseが使用時間を表し、Icurが電解水モジュールで即時に発生する電流を表し、aが勾配を表し、bが定数項である。
【0008】
好ましくは、線形方程式における定数項bの取得方法において、
電解水モジュールの使用開始後の第1の所定時間内に、電解水モジュールで発生した電流を連続的に採取し、各時刻に対応する電流を記録し、参考値として定数項bに与える。
【0009】
好ましくは、前記参考値は、第1の所定時間内の各時点に対応する電流の平均値、又は第1の所定時間内の最後の時点に対応する電流を採取する。
【0010】
好ましくは、線形方程式における勾配aの取得方法は、フィッティングである。
【0011】
好ましくは、前記電解水モジュール寿命監視方法は、電解水モジュールで発生した電流に基づいて、現在の水質を検出するステップをさらに含み、具体的に、
そのうち、Qが現在の水質値を表し、Tlが所定期間を表し、Ilが、所定期間に発生した平均電流を示す。
【0012】
好ましくは、前記電解水モジュール寿命監視方法は、現在の水質値が所定の水質値に達したことが検知される場合、電解水モジュールへの通電を停止および/または提示する。
【0013】
好ましくは、前記電解水モジュールで発生した電気信号を検出する前に、前記電解水モジュールが第2の所定時間内に発生した電流が安定しているか否かを検出し、安定していない場合、寿命検出ステップを実行しないステップを更に含む。
【0014】
好ましくは、第2の所定時間内に電解水モジュールで発生した電流が安定しているか否かを検出するステップは、具体的に、第2の所定時間内の各時刻における電流ばらつきの平均値が所定のばらつき値を超えるか否かを判定し、超える場合、不安定であると判定し、超えていない場合、安定であると判断する。
【0015】
好ましくは、前記電解水モジュールで発生した電気信号を検出する前に、前記電解水モジュールの通水時間が第1の所定時間に達したか否かを判断し、達した場合、寿命検出ステップを実行し、達していない場合、寿命検出ステップを実行しないステップをさらに含む。
【0016】
別の態様において、電解水モジュール寿命監視システムであって、
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出する電気信号検出モジュールと、
前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検出した場合、電解水モジュールが寿命に達したと判断し、電解水モジュールの交換を提示する寿命検出モジュールとを含む。
【発明の効果】
【0017】
先行技術と比較した本発明の有利な効果は、以下の通りである。
(1)本発明は、検出された電解水モジュールで発生した電気信号(電流又は電圧)の大きさに基づいて、電解水モジュールの寿命を判断し、前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことが検出された場合、より良い殺菌効果を達成するように電解水モジュールの交換を提示する。
(2)本発明は、検出された電解水モジュールで発生した電流の大きさに基づいて、水質の現在の品質を検出し、現在の水質値が所定の水質値に達した場合、水質が不良であると判断し、対応の提示を行うことができる。
(3)本発明は、通水後の第1の所定時間内に発生した電流を検出し、参考値として、電流-使用時間の線形方程式の作成、及びその後に発生した電流との比較に用いられる。また、通水から所定時間を経過した後に寿命検知を開始し、且つ水質が安定になった時点で寿命検知を開始するため、検知結果の正確性を確保することができる。
【0018】
以上の説明は、本発明の技術形態の概略であり、本発明の技術的思想をより明確に理解して、明細書の内容に従って実施するために、且つ本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点を分かりやすくするために、以下に本発明の具体的な実施形態を例として挙げられる。
【0019】
添付の図面と関連して以下の本発明の具体的な実施形態を詳細に説明して、当業者は本発明の上記及び他の目的、利点、及び特徴をより一層理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例に係る電解水モジュール寿命監視方法の概略フローチャートである。
【
図2】本発明の実施例に係る電解水モジュールが発生する電流と電解水モジュールの使用時間との関係図である。
【
図3】本発明の実施例に係る電解水モジュールが発生する電流と水質の関係図である。
【
図4】本発明の実施例に係る電解水モジュール寿命監視方法の具体的な実施フローチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係る電解水モジュール寿命監視システムの構成ブロック図である。
【
図6】本発明の実施例に係る電解水モジュール及び監視システムの接続模式図である。
【
図7】本発明の実施例の電解水モジュールの電流検出回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的形態を明確且つ完全に説明する。記述される実施形態は、本発明の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態を説明するものではなく、本発明の実施形態に基づいて、当業者が創作的な労力を踏まずに実施し得る他の全ての実施形態が、本発明の保護範囲に含まれることは、明らかである。
【0022】
本発明の説明において、「備える」、「含む」という用語、またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的な包含をカバーするように意図され、したがって、一連の要素を含むプロセス、方法、品目、または装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含み、またはそのようなプロセス、方法、品目、または装置に固有する要素も含むことが意図される。これ以上に限定されない限り、「一つの……を含む」という表現によって限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置に、他の同様な要素が存在する状況を除外しない。
【0023】
本発明の説明において、「第1の」、「第2の」という用語は、単に説明の目的のためのものであり、相対的な重要性を明示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0024】
図1に示すように、本発明の電解水モジュール寿命監視方法は、
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出する電気信号検出段階S101と、
前記電気信号が第1の所定電気信号に到達したこと、又は前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検知した場合、電解水モジュールの交換を提示する寿命検知ステップS102と、を含んでいる。
【0025】
以下、電解水モジュールで発生する電流を検知することを例として説明する。
【0026】
具体的に、本発明の方法の実行主体は、MCUコントローラ又は上記ステップを実行することができる他のコントローラを含む。
【0027】
具体的には、MCUコントローラのI/Oインターフェースを介して、電解水モジュールで発生する電流を収集し、MCUコントローラに予め設定された第1の所定電流と使用時間に基づいて判断を行うことで、電解水モジュールの即時交換を提示し、電解水モジュールの殺菌効果が低下するか、又は不十分になった場合でも使用し続け、殺菌効果が達成できなくなることを防止する。電流による寿命検知方法は2つあり、1つは経験的に第1の所定電流を設定し、前記電流が第1の所定電流に達したことが検知される場合、電解水モジュールの交換を提示する方法である。また、電流と使用時間の線形モデルから使用時間を予測し、前記電流に対応する使用時間が電解水モジュールの予め設定された使用時間に達したことが検出される場合、電解水モジュールの交換を提示することもできる。
【0028】
いずれか一方の方法で先に提示条件が成立した場合、電解水モジュールの交換を提示することで、より高い殺菌効果を達成する。第1の所定電流は、いくつかの電解水モジュールが故障するまでの電解電流を測定し、いくつかの電極電流を平均することによって決定することができる。
【0029】
第1の所定電流について、各時間の電解電流/電解電圧を記録し、2つの隣接する時間の電解電流/電解電圧の差を記録し、差が所定の電流/電圧よりも大きいかどうかを判断し、大きい場合、電解モジュールが故障していると判断し、電解水モジュールの交換を提示することをさらに含む。あるいは、差から電解電流/電解電圧の変化率を算出し、予め設定した電流/電圧の変化率より大きいか否かを判断することで、電解電流/電解電圧が大きく変化したか否かを判断し、大きく変化した場合、電解モジュールが故障したと判断して、電解水モジュールの交換を提示する。
【0030】
本発明は、上記電流による寿命検知の他に、使用時間の統計による寿命計算も含む。前記した電解水モジュール寿命監視方法は、具体的に、
電解水モジュールの使用時間を検出するステップと、
前記使用時間が設定された寿命に達したことが検知された場合に、電解水モジュールの交換を提示するステップと、をさらに含む。
【0031】
電流による寿命検知方法と使用時間による寿命検知方法とを組み合わせ、2つの方法のいずれかが先に提示条件に達した場合、電解水モジュールの交換を提示することで、より良い殺菌効果を達成する。また、両方法の使用は、一方が検出不良となった場合に、他方で検出を保証するという余分な効果をもたらす。
【0032】
なお、上記の所定使用時間は、電解水モジュールの出荷時に設定された寿命時間と等しく設定してもよいし、実際の需要に応じて設定してもよく、本実施例は制限されない。
【0033】
本実施例では、
図2に示すように、電解水モジュールが生成する電流は、電解水モジュールの使用時間と線形関係になり、具体的に、一次関数であり、方程式は以下の通りである。
T
use= aI
cur+ b
【0034】
そのうち、Tuseが使用時間を表し、Icurが電解水モジュールで即時に生成される電流を表し、aが勾配を表し、bが定数項である。
【0035】
具体的には、大量の実験測定により、電解水モジュールが発生する電流と電解水モジュールの使用時間が線形関係であると判断するとともに、フィッティングアルゴリズムにより、勾配aをフィッティングすることができる。
図2から、勾配aは正であることがわかる。
【0036】
一つの実施例において、線形方程式における定数項bの取得方法は、以下のとおりである。
【0037】
電解水モジュールの使用開始後の第1の所定時間内に、電解水モジュールで発生した電流を連続的に採取し、各時刻に対応する電流を記録し、参考値として定数項bに与える。
【0038】
具体的には、前記参考値は、第1の所定時間内の各時点に対応する電流の平均値、又は第1の所定時間内の最後の時点に対応する電流を取る。もちろん、第1の所定時間内の他の電流値、又は電流値に対して他の組み合わせ処理を行ったものを参考値としてもよく、具体的に、実際の必要に応じて設定すればよく、本実施例には限定されない。
【0039】
本実施例では、電解水モジュールで発生した電流に基づいて現在の水質を検出するステップをさらに含み、具体的に、
そのうち、Qは現在の水質値を表し、T1は、所定期間を表し、I1は所定期間に発生する電流を表す。
【0040】
一定の期間内の電流検出により現在の水質を判定することで、検出される水質の正確性を保証することができる。水に溶解したガスは、主に酸素および二酸化炭素であり、溶解イオンは、主にカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、硫酸塩、重炭酸塩、炭酸塩などのイオンである。実験から、水質が良い場合に、水に溶解したイオン濃度が相対的に平衡になるとともに、検出される電流が1Aに近づくことは判明した。水質が悪い場合に、水に溶解したイオン濃度が相対的にアンバランスになるとともに、検出される電流が大きくなる。
【0041】
具体的には、前記電解水モジュールの寿命監視方法は、現在の水質値が所定の水質値に達したことが検知される場合、電解水モジュールへの通電を停止および/または提示するステップをさらに含む。検出された電解水モジュールで発生される電流の大きさに基づき、現在の水質を検知し、現在の水質値が所定の水質値に達した場合に、水質が不良であることが判明し、その旨を提示することができる。ユーザは、提示内容に基づき水質不良の原因を検査し、或いは一旦通水を停止し、或いは電解水モジュールの通電を停止することができる。水質の良否に応じて電解水モジュールの通電と遮断とを制御し、水質が良好になった後に通電を行うことにより、電解水モジュールの有効寿命を延長することができる。
【0042】
さらに、電解水モジュールが発生される電流を検知する前に、第2の所定時間内に、電解水モジュールで発生された電流が安定しているか否かを検知するステップをさらに含み、安定していない場合、寿命検知ステップを実行しない。
【0043】
第2の所定時間内に電解水モジュールで発生された電流が安定しているか否かを検出することは、具体的には、第2の所定時間内の各時刻における電流のばらつきの平均値が所定のばらつき値を超えるか否かを判定し、超える場合、不安定であると判定し、超えていない場合、安定であると判断する。
【0044】
水質は電流にも相応の影響を与えるため、本発明において、水質が安定になった時点で寿命検査を開始することにより、検査結果の正確性を確保することができる。
【0045】
さらに、電解水モジュールで発生する電流を検知する前に、前記電解水モジュールの通水時間が第1の所定時間に達したか否かを判断し、達した場合、寿命検知ステップを実行し、達していない場合、寿命検知ステップを実行しないステップをさらに含む。
【0046】
通水したばかりの時(初回使用時)に、前記電解水モジュールに一定の不安定性が存在する可能性があり、通水から第1の所定時間の後に寿命検知を開始し、検知結果の正確性を保証できる。また、第1の所定時間内の電流を参考値とし、その後に発生する電流と比較可能であり、且つ一次方程式の定数項bとする。
【0047】
以上を踏まえ、一つの実施例において、本発明の電解水モジュール寿命監視方法の詳細なフローチャートは、
図4に示され、具体的には、
電解水モジュールを始動するステップと、
ユーザが水を注ぐステップと、
通水時間が第1の所定時間よりも大きいかどうかを判断し、大きい場合、後続の電解水モジュール寿命検知ステップ(電解水モジュールの電流を検知する)を実行し、そうではない場合、電解水モジュール寿命検知を行わず、電流値を記録して参考値とするか、または何の操作も行わないステップと、
電解水モジュールの電流を検出するステップと、
電解水モジュールの電流が安定しているか否かを判断し、安定している場合、後続の電解水モジュール寿命検知ステップを実行し(その後に電流値を記録して参考値としてもよい)、安定していない場合、電解水モジュール寿命検知を行わないステップと、
電解水モジュール寿命検出を開始するステップと、
前記電流が第1の所定電流よりも大きいこと、または前記電流に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間よりも大きいことを判断し、いずれか一方の条件を満たす場合、電解水モジュールの交換をユーザに提示するステップと、を含んでいる。
【0048】
図5に示すように、電解水モジュール寿命監視システムは、
電解水モジュールで発生し、且つ電流または電圧を含む電気信号を検出するための電気信号検出モジュール501と、
前記電気信号が第1の所定電気信号に達したこと、または前記電気信号に対応する使用時間が電解水モジュールの所定使用時間に達したことを検知した場合、電解水モジュールの交換を提示するための寿命検知モジュール502と、を含む。
【0049】
具体的に、前記電気信号検出モジュール501及び寿命検出モジュール502は、MCU制御回路又は他の制御回路によって実現されることができる。
【0050】
図6は、本発明の実施例に係る電解水モジュール及び監視システムの接続模式図を示す。そのうち、電解水モジュールの正極は電源の正極に接続され、電解水モジュールの負極はMCU制御回路に接続される。図中の各記号は以下のように表される。記号1は電解水モジュールであり、記号2は電解水モジュールの正極であり、記号3は電解水モジュールの負極であり、記号4はMCU制御回路であり、記号5は電源の正極であり、記号6は電源の負極であり、記号7は電解水モジュールの入水口であり、記号8は電解水モジュールの出水口である。
【0051】
具体的には、
図7に示すように、MCU制御回路は、MCUコントローラと、電圧変換回路とを有する。MCUコントローラは、収集したELE_Level_1の電流を電解水モジュールが発生する電流とする。
【0052】
測定電解電流と測定電解電圧の関係は、I=(V23*R34)/(R32+R34)である。そのうち、V23は前記電解水モジュールで発生する電圧信号と理解することができ、Iは前記電解水モジュールで発生する電流信号と理解することができる。
【0053】
また、1つの電解水モジュール寿命研究システムの具体的な同一の電解水モジュール寿命監視方法を実現する他の機能は、本実施例で重複説明を省略する。以上は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の技術的思想及びその改良思想に基づき、本発明の技術的範囲内において、均等な置換又は変更を加えることができ、これらも本発明の保護範囲に含まれるべきである。