(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019150
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】保持治具、及び封止装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65B7/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123731
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】63/393,037
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA05
3E049AB02
3E049DA01
3E049DB01
3E049EA04
3E049EB02
3E049EC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保持対象物のサイズ変更に伴う周長差があっても容器と貫通孔の上端縁部とが接触できる保持治具、封止装置を提供する。
【解決手段】保持対象物を挿通可能な挿通部2と、挿通部の周囲で保持対象物を支持する支持部3とを有し、支持部は、挿通部の周囲に環状に配置された複数の駒部材5を備え、駒部材を下方から支えるベース板6が設けられており、ベース板には、ベース板の厚み方向にベース板を貫通し且つ挿通部の下方で保持対象物を通過可能に形成された貫通孔7が設けられており、複数の駒部材の少なくとも一部は、ベース板の平面視上、貫通孔の内側に向かう方向と貫通孔の外側に向かう方向のうちの少なくとも一つの方向に対して変位可能に配置された可動性駒部材8であり、可動性駒部材の変位に応じて、可動性駒部材に応力を負荷する応力負荷機構9を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持対象物を挿通可能な挿通部と、前記挿通部の周囲で前記保持対象物を支持する支持部とを有し、
前記支持部は、前記挿通部の周囲に環状に配置された複数の駒部材を備え、
前記駒部材を下方から支えるベース板が設けられており、
前記ベース板には、該ベース板の厚み方向に前記ベース板を貫通し且つ前記挿通部の下方で前記保持対象物を通過可能に形成された貫通孔が設けられており、
複数の前記駒部材の少なくとも一部は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かう方向と前記貫通孔の外側に向かう方向のうちの少なくとも一つの方向に対して変位可能に配置された可動性駒部材であり、
前記可動性駒部材の変位に応じて、前記可動性駒部材に応力を負荷する応力負荷機構を有する、
保持治具。
【請求項2】
前記可動性駒部材の変位範囲を規制する範囲規制構造が設けられている、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項3】
前記可動性駒部材の変位方向を規制する方向規制構造が備えられている、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項4】
少なくとも1つの前記駒部材の位置が固定されている、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項5】
前記応力負荷機構は、前記可動性駒部材の変位に応じて、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項6】
前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、且つ、前記可動性駒部材の変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、
前記弾性部材の前記復元力は、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項7】
前記駒部材の上面側の一部を被覆する被覆板が設けられており、
前記被覆板には、該被覆板の厚み方向に前記被覆板を貫通し且つ前記挿通部を露出させる露出孔が設けられている、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項8】
複数の駒部材の上面側には、前記露出孔よりも内側に段差が設けられており、
前記駒部材の上面を、前記段差よりも前記挿通部に近い方の第1部分と、前記段差よりも前記挿通部に対して遠い方の第2部分とに区分した場合に、前記段差は、上下方向の位置で第1部分のほうが第2部分よりも上側に位置するように形成されており、
且つ、前記被覆板の下面の方が上下方向の位置で前記第1部分よりも下側に位置している、
請求項7に記載の保持治具。
【請求項9】
前記可動性駒部材の変位範囲が、前記駒部材のうち前記可動性駒部材に設けられた前記段差と前記露出孔との距離に応じて定められる、
請求項8に記載の保持治具。
【請求項10】
複数の前記駒部材は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かって細くなる形状に形成されている、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項11】
前記保持対象物を前記貫通孔に通じた際に前記保持対象物が複数の前記駒部材に対して前記貫通孔の外側に向かう方向へ押圧力を付与した場合に、前記押圧力に応じて前記駒部材が前記貫通孔の外側に向かう方向へ変位し、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記応力負荷機構が、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように前記駒部材に応力を負荷する、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項12】
前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、前記貫通孔の外側に向かう方向への前記可動性駒部材の前記変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記弾性材料による前記復元力の作用に基づき、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように構成されている、
請求項11に記載の保持治具。
【請求項13】
前記駒部材の少なくとも一部は、該駒部材に対して隣り合う前記駒部材との距離に応じて前記駒部材のならび方向Aに沿った長さを変更する長さ変更機構を有する、
請求項1に記載の保持治具。
【請求項14】
前記駒部材の少なくとも一部は、複数の部分片を有し、
前記長さ変更機構は、隣り合う前記部分片の間隔を変更する、
請求項13に記載の保持治具。
【請求項15】
前記保持対象物は、本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、前記フランジ部が前記駒部材の上面に接触可能である、
請求項1から14のいずれか1項に記載の保持治具。
【請求項16】
押圧体と、請求項1から14のいずれか1つに記載の保持治具と、を備え、
前記保持対象物は、上側に開口を形成した本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、
前記本体部の上側の前記開口と前記フランジ部を覆うように前記容器に蓋を配置した状態で、前記押圧体と前記保持治具の間に前記容器と前記蓋を介在させて、前記容器の前記フランジ部の位置で前記蓋を前記容器に接合する、
封止装置。
【請求項17】
前記保持治具と前記押圧体の少なくとも一方が移動可能に構成されている、
請求項16に記載の封止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持治具、及び封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器等を保持対象物としてこれを蓋で封止する封止装置が知られている。封止装置では、特許文献1に示すように、保持対象物を保持治具の貫通孔に挿通させ、保持対象物のうち保持治具の上面に位置する部分を覆うように蓋を配置し、蓋の上側から押圧体を蓋と保持対象物に押し当てて、蓋と保持対象物を接合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に開示されている封止装置では、保持治具のサイズは保持対象物にあわせて搭載されているため、封止しようとする保持対象物のサイズが、複数種類存在している場合、サイズにあわせた保持治具を個別に準備することが要請される。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、保持対象物のサイズ変更に伴う周長差があっても容器と貫通孔の上端縁部とが接触できる保持治具、封止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次に示す(1)から(17)を要旨とする。
(1)保持対象物を挿通可能な挿通部と、前記挿通部の周囲で前記保持対象物を保持する支持部とを有し、前記支持部は、前記挿通部の周囲に環状に配置された複数の駒部材を備え、前記駒部材を下方から支えるベース板が設けられており、前記ベース板には、該ベース板の厚み方向に前記ベース板を貫通し且つ前記挿通部の下方で前記保持対象物を通過可能に形成された貫通孔が設けられており、複数の前記駒部材の少なくとも一部は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かう方向と前記貫通孔の外側に向かう方向のうちの少なくとも一つの方向に対して変位可能に配置された可動性駒部材であり、前記可動性駒部材の変位に応じて、前記可動性駒部材に応力を負荷する応力負荷機構を有する、保持治具。
(2)前記可動性駒部材の変位範囲を規制する範囲規制構造が設けられている、上記(1)に記載の保持治具。
(3)前記可動性駒部材の変位方向を規制する方向規制構造が備えられている、上記(1)又は(2)に記載の保持治具。
(4)少なくとも1つの前記駒部材の位置が固定されている、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の保持治具。
(5)前記応力負荷機構は、前記可動性駒部材の変位に応じて、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の保持治具。
(6)前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、且つ、前記可動性駒部材の変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、前記弾性部材の前記復元力は、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の保持治具。
(7)前記駒部材の上面側の一部を被覆する被覆板が設けられており、前記被覆板には、該被覆板の厚み方向に前記被覆板を貫通し且つ前記挿通部を露出させる露出孔が設けられている、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の保持治具。
(8)複数の駒部材の上面側には、前記露出孔よりも内側に段差が設けられており、前記駒部材の上面を、前記段差よりも前記挿通部に近い方の第1部分と、前記段差よりも前記挿通部に対して遠い方の第2部分とに区分した場合に、前記段差は、上下方向の位置で第1部分のほうが第2部分よりも上側に位置するように形成されており、且つ、前記被覆板の下面の方が上下方向の位置で前記第1部分よりも下側に位置している、上記(7)に記載の保持治具。
(9)前記可動性駒部材の変位範囲が、前記駒部材のうち前記可動性駒部材に設けられた前記段差と前記露出孔との距離に応じて定められる、上記(8)に記載の保持治具。
(10)複数の前記駒部材は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かって細くなる形状に形成されている、上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の保持治具。
(11)前記保持対象物を前記貫通孔に通じた際に前記保持対象物が複数の前記駒部材に対して前記貫通孔の外側に向かう方向へ押圧力を付与した場合に、前記押圧力に応じて前記駒部材が前記貫通孔の外側に向かう方向へ変位し、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記応力負荷機構が、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように前記駒部材に応力を負荷する、上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の保持治具。
(12)前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、前記貫通孔の外側に向かう方向への前記可動性駒部材の前記変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記弾性材料による前記復元力の作用に基づき、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように構成されている、上記(11)に記載の保持治具。
(13)前記駒部材の少なくとも一部は、該駒部材に対して隣り合う前記駒部材との距離に応じて前記駒部材のならび方向Aに沿った長さを変更する長さ変更機構を有する、上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の保持治具。
(14)前記駒部材の少なくとも一部は、複数の部分片を有し、前記長さ変更機構は、隣り合う前記部分片の間隔を変更する、上記(13)に記載の保持治具。
(15)前記保持対象物は、本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、前記フランジ部が前記駒部材の上面に接触可能である、上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の保持治具。
(16)押圧体と、上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の保持治具と、を備え、記保持対象物は、上側に開口を形成した本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、前記本体部の上側の前記開口と前記フランジ部を覆うように前記容器に蓋を配置した状態で、前記押圧体と前記保持治具の間に前記容器と前記蓋を介在させて、前記容器の前記フランジ部の位置で前記蓋を前記容器に接合する、封止装置。
(17)前記保持治具と前記押圧体の少なくとも一方が移動可能に構成されている、上記(16)に記載の封止装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ベース板の面上で駒部材が変位することができる。したがって、例えば、上端を開口した本体部の上縁部(上端部)にフランジ部を有する容器を保持対象物とした場合において保持対象物としてサイズ(周長;容器の本体部の外周面の長さ)の異なる複数種類の容器(周長差のある複数種類の容器)に対しても、同じ保持治具で容器と駒部材が接触でき、駒部材の上面で容器を支持することができる。
【0008】
本発明の保持治具を用いた封止装置によれば、容器のサイズの違いがあっても保持治具で容器をしっかりと保持することができ、フランジ部を保持治具の貫通孔の上端縁部に接触させた状態を形成することができる。このため容器のフランジ部と容器の本体部の開口を覆うように蓋を配置した状態で、押圧体と保持治具で容器と蓋を挟むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2Aは、第1実施形態にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図2Bは、
図2AのA-A線縦断面図である。
【
図3】
図3Aは、第1実施形態にかかる保持治具で保持対象物を保持した状態を説明するためのす平面図である。
図3Bは、
図3AのB-B線縦断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の変形例2にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の変形例3にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7Aは、第1実施形態の変形例4にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図7Bは、
図7AのC-C線縦断面図である。
【
図8】
図8Aは、第1実施形態の変形例5にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図8Bは、
図8AのD-D線縦断面図である。
【
図9】
図9Aは、第1実施形態の変形例6にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図9Bは、
図9AのE-E線縦断面図である。
【
図11】
図11Aは、第1実施形態の変形例8にかかる保持治具の一実施例を模式的に示す平面図である。
図11Bは、
図11AのG-G線縦断面図である。
図11Cは、変形例8において駒部材に段差を設けた場合の一実施例を示す断面図であり、且つ
図11AのG-G線縦断面に対応する断面の状態を説明するための図である。
【
図15】
図15Aは、第2実施形態にかかる保持治具で保持対象物を保持した状態を説明するためのす平面図である。
図15Bは、
図15AのK-K線縦断面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態にかかる封止装置を模式的に示す図である。
【
図18】
図18は、第3実施形態にかかる封止装置の利用状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる一実施例等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は1.第1の実施形態(保持治具)、2.第2の実施形態(保持治具)、3.第3の実施形態(封止装置)の順序で行う。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、説明される実施形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して前後、左右、上下等の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。
図1、
図2の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(前側が+X方向、後ろ側が-X方向)、Y軸方向を左右方向(右側が+Y方向、左側が-Y方向)とし、これに基づき説明を行う。これは、
図3から
図18についても同様である。
【0012】
図1等の各図に示す各層の大きさや厚みの相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。これらの方向に関する定めや大小比率については、
図2から
図18の各図についても同様である。
【0013】
[1 第1の実施形態]
[1-1 保持治具1の構成]
第1の実施形態にかかる保持治具1は、保持対象物Mを保持することが可能に構成される。保持対象物Mは、特に限定されるものではないが、容器101が好ましい。保持対象物Mが、容器101である場合、上側を開口させた本体部102を有し且つ本体部102の上端(上縁部)側に外方向に向かって延びるフランジ部103を有する容器101を例示することができる。容器101では、フランジ部103の内側で本体部102の開口部104が形成される。
【0014】
保持治具1は、保持対象物Mを挿通する挿通部2と、挿通部2の外側で保持対象物Mを支持する支持部3とを有する。保持治具1は、保持対象物Mを保持する保持構造4を有する。保持構造4は、支持部3と挿通部2を含む構造となっており、保持対象物Mを挿通部2に挿通した状態且つ保持対象物Mの所定の部分を支持部3で支持した状態とする構造である。
【0015】
(支持部3)
支持部3は、保持対象物Mを支持する部分として特定される。例えば、
図1、
図2A、
図2Bに示す例では、後述するように駒部材5を環状に配置した構造部分に対して保持対象物Mが支持されるため、支持部3は、駒部材5を環状に配置した環状の構造部分として特定される。支持部3は、挿通部2の外側に形成される。
【0016】
(挿通部2)
挿通部2は、その周囲に支持部3を形成した空間部106分であって保持対象物Mを通過させる空間部106分として定められる。
図1に示す例では、駒部材5を環状に配置した環状の構造部分の内側の空間として特定される。挿通部2は、保持対象物Mを支持部3で支持した場合において支持部3の内側で保持対象物Mが通過する空間部106分として特定される。
【0017】
(ベース板6)
保持治具1においては、駒部材5を下方から支えるベース板6が設けられている。ベース板6には、貫通孔7が設けられている。
図1の例では、貫通孔7は、ベース板6の厚み方向にベース板6を貫通し且つ挿通部2の下方で保持対象物Mを通過可能に形成されている。ベース板6の材質は特に限定されないが、金属、プラスチック、木、ガラス、セラミック等特に限定されないが、強度に優れた観点からは、ベース板6は金属製であることが好ましい。
図1、
図2A、
図2Bの例では、ベース板6の外観輪郭の形状は、舌片状となっているが、これは一例であり、矩形状や円形状等、他の形状であってもよい。また、ベース板6は、貫通孔7が設けられている例を用いて説明しているが、ベース板6の形状はこれに限定されない。例えば、ベース板6としては、外側から内側に向けて切り込み状に形成され、保持対象物Mが通過可能に形成されていてもよいし、これ以外の構造であってもよい。また、本明細書における「貫通孔7の内側に向かう方向」は、挿通部2の内側に向かう方向を例示したものであり、「貫通孔7の外側に向かう方向」は、挿通部2の外側に向かう方向を例示したものである。
【0018】
(駒部材5)
保持治具1において、複数の駒部材5は、環状に配置されている。ここに、環状に配置されているとは、ベース板6の厚み方向を視線方向とした場合に、貫通孔7の中央位置CTを基準位置とした場合に、基準位置の周囲を取り巻くように配置されている状態を示す。環状に配置されている場合には、基準位置から離れる方向(ベース板6の厚み方向を法線とする面に沿って基準位置から外側に広がる方向)を視線方向とした場合に、隣り合う複数の駒部材5がオーバーラップしている場合、少なくとも一部の隣り合う複数の駒部材5が分離している場合や、少なくとも一部の隣り合う複数の駒部材5が接している場合が含まれるものとする。
【0019】
(駒部材5の形状とレイアウト)
駒部材5の形状は、特に限定されるものではないが、
図2Aの例では、複数の駒部材5は、ベース板6の平面視上、貫通孔7の内側に向かって細くなる形状(先細り形状)に形成されている。
図2Aに示す、駒部材5の形状は、保持治具1の平面視上(支持板の厚み方向を視線方向とした場合と同じであるとする)、扇形(大きな扇形)から同心の扇形(小さな扇形)を除いた形状に形成されている。この例では、駒部材5は、挿通部2に近い方の側面(内側面12)と、挿通部2から遠い方の側面(外側面13)と、隣り合う駒部材5に向かい合う側面(横側面14)とを有しており、内側面12を凹状湾曲面状(
図2Aの例では、円弧面状)、外側面13を凸状湾曲面状(
図2Aの例では、円弧面状)、横側面14を平坦面状に形成されている。
【0020】
図2Aの例では、複数の駒部材5は、おおむね同形状に形成されており、複数の駒部材5のレイアウトは、全体として円状に配置されたレイアウトとなっている。ただしこれは一例であり、例えば、複数の駒部材5のレイアウトが長方形等、非円形状に近い形状でもよい。
【0021】
図2Aでは、駒部材5の位置は、貫通孔7の内側に向かう方向に駒部材5が変位した状態(内側変位状態)での位置となっている。内側変位状態では、隣り合う駒部材5の横側面14が接している。駒部材5が先細り形状となっていることで、内側変位状態における位置からさらに内側への可動性駒部材8の変位が規制される。
【0022】
(可動性駒部材8)
複数の前記駒部材5の少なくとも一部は、可動性駒部材8である。可動性駒部材8は、ベース板6の平面視上、前記貫通孔7の内側に向かう方向と前記貫通孔7の外側に向かう方向のうちの少なくとも一つの方向に対して変位可能に配置された(非固定状態の)駒部材5である。
図2Aの例では、複数の駒部材5は、いずれも可動性駒部材8となっている。また、この例では、可動性駒部材8は、貫通孔7の内側に向かう方向と貫通孔7の外側に向かう方向のうちのいずれの方向に対して変位可能である。
【0023】
可動性駒部材8は、ベース板6の面方向に変位可能となっている。なお、ベース板6の面方向に変位可能とは、面方向に沿って可動性駒部材8が動くことができるだけでなく、面方向に対してやや異なる方向に可動性駒部材8が動く場合を含む概念であるものとする。
【0024】
(応力負荷機構9)
保持治具1は、応力負荷機構9を有する。応力負荷機構9は、可動性駒部材8の変位に応じて、前記可動性駒部材8に応力を負荷する。例えば、応力負荷機構9は、弾性部材10で構成されている。
図2の例では弾性部材10が、環状に形成されており、環状に配置された複数の駒部材5を取り巻くように配置されている。弾性部材10の伸縮方向は、駒部材5の溝11に沿った方向となっている。駒部材5の外側面13には、外側面13に沿って延びる溝11が形成されており、この溝11の位置は、複数の駒部材5のいずれについてもおおむね一致している。複数の溝11部材のそれぞれの溝11の内部を通るように弾性部材10が配置される。保持治具1は、保持対象物Mを配置されない自然状態で、弾性部材10の復元力の作用で可動性駒部材8(
図2Aでは、全ての駒部材5)が貫通孔7の内側に向かって変位した状態(内側変位状態)となっている。
【0025】
なお、本明細書では、可動性駒部材8が貫通孔7の外側に向かって変位した状態については外側変位状態と称呼し、可動性駒部材8が貫通孔7の内側に向かって変位した状態については内側変位状態と称呼する。
【0026】
(弾性部材10)
弾性部材10は、特に限定されず、ゴム、ばね等を例示することができるが、復元力におおまかな方向性を指定することが容易で、駒部材5に対して特定の方向に応力を付加する状態を形成しやすい観点からは、ばねであることが好ましい。弾性部材10の材質は特に限定されないが、強度の観点からは、金属であることが好ましい。
【0027】
(応力負荷機構9による可動性駒部材8の変位制御)
応力負荷機構9により、可動性駒部材8の変位(第1実施形態では全ての駒部材5の変位)が次に示すように制御されてよい。保持対象物Mを貫通孔7に通じた際に、保持対象物Mは挿通部2も通過している。保持対象物Mのサイズ(平面視上のサイズ)が内側変位状態における挿通部2を超える場合、保持対象物Mが複数の前記駒部材5に対して貫通孔7の外側に向かう方向へ押圧力を付与し、
図3A、
図3Bで破線を用いて示したように、駒部材5が貫通孔7の外側方向に変位する。このとき、弾性部材10は伸長し(回復力を生じ)、貫通孔7の外側に向かう方向への可動性駒部材8の変位(変位の大きさ等の条件)に応じて弾性部材10から駒部材5に対して復元力が負荷される。
図3A、
図3Bの場合では、弾性部材10が駒部材5の外側面13から支持部3を締め付ける。そして、保持対象物Mが容器101であり容器101に上記したようなフランジ部103が存在する場合には、フランジ部103を駒部材5の上面側に掛け止めした状態が形成され、保持対象物Mが保持治具1の駒部材5で支持された状態(支持部3で支持された状態)が形成される。
【0028】
保持対象物Mが支持部3から取り除かれると、保持対象物Mが保持治具1の駒部材5で支持された状態が解消される。このとき、押圧力が除かれた場合が形成され、押圧力と復元力(応力)のバランスが崩れる。すなわち押圧力が除かれた場合に、応力負荷機構9は、駒部材5に負荷している応力(復元力)の作用に基づき、駒部材5を前記貫通孔7の内側に向かう方向へ変位させる。
【0029】
[1-2 作用及び効果]
第1の実施形態によれば、駒部材5の変位に伴い挿通部2の大きさが変わり、支持部3の大きさを変更することができる。保持対象物Mとしてサイズの異なる複数種類の容器101に対しても、同じ保持治具1で容器101と駒部材5の上面とが接触でき、支持部3で容器101を支持することができる。
【0030】
また、第1の実施形態の保持治具1によれば、駒部材5の変位に伴い挿通部2と支持部3の大きさを変動できることで、容器101の本体部102の大きさや形状自体に変動がある(ブレがある)場合に対応することができる。
【0031】
次に第1の実施形態の変形例について述べる。なお、以下に述べる変形例は、矛盾しない限り、相互に組み合わせられてもよい。
【0032】
[1-3 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる保持治具1においては、
図4A、
図4B、
図4C及び
図4Dに示すように、駒部材5の形状は、駒部材5の上面から下面(底面)に向かった方向を視線方向とした場合に、
図2A等に示すような「扇形から扇形を除いた形状」とは異なる形状を備えてもよい。この実施形態を、第1の実施形態の変形例1と称呼する。
図4A、
図4B、
図4C及び
図4Dは、第1の実施形態の変形例1にかかる保持治具110の一実施例に用いられる駒部材5の一例を示す斜面図である。
【0033】
図4A、
図4B、
図4Cでは、駒部材5は、内側面12と外側面13、及び横側面14を有し、内側面12は、それぞれ凸弧面状、又は平面状に形成されている。
【0034】
図4Dでは、駒部材5は、横側面14が内側面12と繋がり、内側面12が凸状に湾曲した面を形成している。
【0035】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる保持治具1においては、
図2Aの例では複数の駒部材5は、同一の形状及び大きさであったが、複数の駒部材5の形状及び大きさは、同一でなくてもよい。例えば、
図5に示すように、駒部材5から2つの駒部材5(第1駒部材5aと第2駒部材5b)の組み合わせを選択した場合に、2つの前記駒部材5の大きさが異なるように組み合わせを選択できるように、複数種類の駒部材5が用いられてもよい。
【0036】
(変形例3)
第1実施形態の変形例2にかかる保持治具1においては、
図5に示す駒部材5の配置の例では所定の2か所に配置された駒部材5の形状及び大きさが、他の駒部材5とは異なっている場合について例示された。複数種類の駒部材5が用いられている場合、駒部材5の配置は第1実施形態の変形例2にて示した例に限定されない。例えば、
図6に示すように、所定の位置に配置された駒部材5を基準(選択駒部材5c)として、駒部材5のならび方向Aに沿って基準とした選択駒部材5cから離れた駒部材5ほど駒部材5の大きさが小さくなり、駒部材5の大きさが所定の大きさまで小さくなった場合に、さらに所定の大きさまで小さくなった駒部材5から、さらに選択駒部材5cから離れる方向に駒部材5の大きさがおおむね等しくなってよい。なお、ならび方向A(並び方向)は、駒部材5の中心と、その駒部材5に隣り合う駒部材5の中心とを結んで形成される線を想定した場合に、その線の延びる向きを示す。
【0037】
(変形例4)
第1実施形態にかかる保持治具1においては、応力負荷機構9が弾性部材10を備えている場合、
図7A、
図7Bに示すように、応力負荷機構9は、駒部材5のそれぞれに対して個別に応力を負荷するように、複数個の弾性部材10を備えてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例4と称呼する。
図7A、
図7Bに示す例では応力負荷機構9は、弾性部材10を複数個備えており、それぞれの弾性部材10がそれぞれの駒部材5に応力を負荷するように構成されている。
図7A、
図7Bは、第1の実施形態の変形例4にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。なお、ここにいう駒部材5のそれぞれに対して個別に応力を負荷する場合は、弾性部材10が直接的に応力を負荷する対象となる駒部材5(対象駒部材5)に対してのみ応力を負荷する場合に限定されず、弾性部材10からの応力の影響が対象駒部材5を介して他の駒部材5におよぼされる場合を含むものとする。
【0038】
(応力負荷機構9)
図7A、
図7Bに示す保持治具1の例では、応力負荷機構9は、複数の弾性部材10と、受け材15とを有する。
【0039】
(受け材15)
受け材15は、駒部材5の外側に壁面部16を形成している。受け材15は、ベース板6の上に配置されてよい。受け材15は弾性部材10の伸縮方向に離れた弾性部材10の2つの端部のうちの一方端に直接もしくは間接的に接しており(あるいは一方端を固定しており)、弾性部材10の伸縮に伴う復元力の作用を受ける部材である。
【0040】
(弾性部材10)
弾性部材10は、駒部材5(特に、可動性駒部材8)と受け材15の壁面部16との間に配置される。弾性部材10は、第1の実施形態で説明したようにバネ等を用いられてよい。
図7A、
図7Bの例では、可動性駒部材8が貫通孔7の外側に向かう方向へ変位した場合に、弾性部材10に復元力が生じる。
【0041】
(範囲規制構造17)
なお、第1の実施形態の変形例4にかかる保持治具1においては、受け材15は、範囲規制構造17として機能させることができる。範囲規制構造17は、可動性駒部材8の変位範囲を規制する構造を示すものとする。
図7A、
図7Bに示す保持治具1においては、可動性駒部材8は、受け材15に形成された壁面部16で囲まれた部分の内側で変位し、受け材15の壁面部16よりも外側に変位することを規制されている。
【0042】
(変形例5)
第1実施形態の変形例3にかかる保持治具1に示すように、応力負荷機構9が弾性部材10と受け材15とを備えている場合、弾性部材10は、ゴム等の反発材18であってもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例5と称呼する。第1の実施形態の変形例5にかかる保持治具1においては、
図8A、
図8Bの例に示すように、受け材15と駒部材5の外側面13との間に反発材18が敷き詰められてもよい。
図8A、
図8Bは、第1の実施形態の変形例5にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。
図8A、
図8Bの例では、可動性駒部材8が貫通孔7の外側に向かう方向へ変位する場合に、可動性駒部材8のならび方向Aに反発材18の内面側の部分を伸長させる力が付与されたことに伴う復元力を生じさせることが可能となる。また、貫通孔7の外側に向かって反発材18を圧縮する力が付与されたことに伴う復元力が生じさせることが可能となる。
【0043】
(変形例6)
第1の実施形態にかかる保持治具1では、応力負荷機構9は、
図9A、
図9Bに例示するように、弾性部材10と駒部材5との間に中継材19を備えてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例6と称呼する。
図9A、
図9Bは、第1の実施形態の変形例6にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。第1の実施形態にかかる変形例6において、弾性部材10は、第1の実施形態で上記に説明した通りであるので説明を省略する。
【0044】
(中継材19)
中継材19は、弾性部材10の復元力を可動性駒部材8に伝達可能に構成されていれば、その構造を特に限定されるものではないが、弾性部材10の復元力を複数の可動性駒部材8の組み合わせに伝達できるように構成されていることが、弾性部材10の部品点数の削減の観点からは好ましい。例えば、
図9A、
図9Bの例では、1つの弾性部材10の復元力が中継材19を介して互いに隣り合う可動性駒部材8に負荷することができるように、中継材19が配置されている。中継材19の形状は、楔形状に形成されているが、これは一例であり、円形状でもよいし矩形状でも、多角形状でもよい。
【0045】
(変形例7)
第1の実施形態にかかる保持治具1では、
図10A、
図10Bに示すように、方向規制構造20が設けられてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例7と称呼する。
図10A、
図10Bは、第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。
【0046】
(方向規制構造20)
方向規制構造20は、可動性駒部材8の変位方向を規制する構造を示す。保持治具1においては、複数の駒部材5(第1の実施形態においては、いずれも可動性駒部材8)の少なくとも一部について、方向規制構造20が設けられてよい。
図10A、
図10Bでは、4つの可動性駒部材8に対して方向規制構造20が設けられている。
【0047】
方向規制構造20は、可動性駒部材8の変位方向を規制することができれば特に構成を限定されるものではないが、
図10A、
図10Bの例では、ボス21(柱状体)と、そのボス21を受ける受け孔22との組み合わせで構成されている。
【0048】
(ボス21)
図10A、
図10Bの例では、ボス21は、ベース板6の上に配置されており、ベース板6の面から上方に延び出ている。ボス21の長さは、特に限定されず、駒部材5の上面よりも上方まで延び出るような長さであってもよい。
【0049】
(受け孔22)
受け孔22は、
図10A、
図10Bの例では、可動性駒部材8に形成されている。可動性駒部材8の変位は、おおむね受け孔22の形成範囲に沿う。例えば、受け孔22が長孔(所定の方向に長い孔)で形成されている場合であって、受け孔22の長手方向が、貫通孔7の内側から外側に向かう方向である場合、可動性駒部材8の変位は、おおむね貫通孔7の内側から外側に向かう方向となる。
【0050】
(範囲規制構造17)
なお、第1の実施形態の変形例7にかかる保持治具1においては、方向規制構造20は、範囲規制構造17としての機能を兼ねることができる。範囲規制構造17は、第1の実施形態の変形例4で説明したように、可動性駒部材8の変位範囲を規制する構造である。方向規制構造20を構成するボス21について、可動性駒部材8の変位に伴い、ボス21は、受け孔22に対して相対的に、受け孔22の形成部分の内部で移動することができる。受け孔22に対して相対的なボス21の移動範囲が定められるため、受け孔22の変位範囲が定められる。
図10A、
図10Bでは、長孔が可動性駒部材8に形成されているため、受け孔22の変位範囲に対応した範囲にて可動性駒部材8の変位範囲が規制される。
【0051】
(変形例8)
第1の実施形態にかかる保持治具1では、
図11A、
図11Bに示すように、被覆板23が設けられてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例8と称呼する。
図11A、
図11Bは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。
【0052】
(被覆板23)
被覆板23は、駒部材5の上面側の少なくとも一部を被覆する。被覆板23には、露出孔24が設けられている。露出孔24は、被覆板23の厚み方向に被覆板23を貫通し且つ挿通部2を露出させる。保持治具1には、被覆板23が設けられていることで、可動性駒部材8の変位時に、可動性駒部材8に意図しない浮き上がり状態や傾斜状態が生じることを抑制することができる。ここにいう可動性駒部材8における浮き上がり状態とは、ベース板6から可動性駒部材8が上方向に浮き上がった状態を示す。また、ここにいう可動性駒部材8における傾斜状態とは、可動性駒部材8の側面付近の一部で浮きを生じることで可動性駒部材8の上面に傾きが生じた状態を示す。
【0053】
(段差25)
第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具1においては、
図11Cに示すように駒部材5に段差25を設けられてもよい。
図11Cは、駒部材5に段差25を設けた場合の保持治具1の一実施例を示す断面図であり、且つ
図11AのG-G線縦断面に対応する断面の状態を説明するための図である。
【0054】
段差25は、複数の駒部材5のうち少なくとも一部の上面側に設けられてよい。
図11Cの例では、段差25は、複数の駒部材5のいずれの上面側に対しても設けられている。また、段差25は、保持治具1の平面視上、被覆板23の露出孔24よりも内側に設けられていることが好適である。
【0055】
段差25は、内側面12の上端と外側面13の上端との間の所定の位置で駒部材5の上面を横切るように形成されている。駒部材5の上面を、前記段差25よりも前記挿通部2に近い方(内側面12に近い方)の第1部分26と、前記段差25よりも前記挿通部2に対して遠い方(外側面13に近い方)の第2部分27とに区分した場合に、段差25は、上下方向の位置で第1部分26のほうが第2部分27よりも上側に位置するように(挿通部2に向かって駒部材5の上面の位置が高くなるように)形成されている。
【0056】
また、
図11Cでは、被覆板23の下面の方が上下方向の位置で前記第1部分26よりも下側に位置している。
【0057】
(範囲規制構造17)
図11Cに示すような保持治具1においては、段差25と被覆板23の露出孔24の組み合わせが、範囲規制構造17としての機能を兼ねることができる。範囲規制構造17は、第1の実施形態の変形例4で説明したように、可動性駒部材8の変位範囲を規制する構造である。
図11Cに示すような保持治具1においては、被覆板23の下面の方が上下方向の位置で前記第1部分26よりも下側に位置している。可動性駒部材8が外側方向に変位すると、段差25の位置は、被覆板23の露出孔24に近づき、下段差25が被覆板23の露出孔24に接触する位置で、可動性駒部材8による外側方向への変位が規制される。
図11Cでは、段差25と被覆板23の組み合わせにより、可動性駒部材8の変位範囲が露出孔24の範囲内に規制される。具体的な可動性駒部材8の変位範囲は、駒部材5のうち可動性駒部材8に設けられた段差25と露出孔24との距離に応じて定められる。
【0058】
(変形例9)
第1の実施形態にかかる保持治具1では、
図12A、
図12Bに示すように、長さ変更機構28が設けられてもよい。このような形態を、第1の実施形態の変形例9と称呼する。
図12A、
図12Bは、第1の実施形態の変形例8にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。
【0059】
(長さ変更機構28)
長さ変更機構28は、駒部材5の平面視上、駒部材5ならび方向Aに沿った駒部材5の長さを変更する。ここに駒部材5のならび方向Aは、駒部材5の中心と、その駒部材5に隣り合う駒部材5の中心とを結んで形成される線を想定した場合に、その線の延びる向きを示すものとする。
【0060】
長さ変更機構28は、駒部材5に対して隣り合う駒部材5との距離に応じて駒部材5のならび方向Aに沿った長さを変更する。
図12A、
図12Bの例では、長さ変更機構28は、後述する部分片29に設けられた穴部30に弾性部材10を設けた構造を有する。
【0061】
(部分片29)
図12A、
図12Bの例では、駒部材5の少なくとも一部は、複数の部分片29を有している。長さ変更機構28を設けられた駒部材5が複数の部分片29を有している。部分片29は、駒部材5を構成する部分を示す。
図12A,
図12Bの例では、駒部材5が、2つの部分片29を備えている。
【0062】
(長さ変更機構28に設けられた弾性部材10)
長さ変更機構28を設けられた駒部材5では、それぞれの部分片29に互いに向かい合うように穴部30が形成され、穴部30に弾性部材10が設けられている。この弾性部材10は、長さ変更機構28を構成する。弾性部材10は、穴部30の奥面に繋がっている。長さ変更機構28を設けられた駒部材5が内側変位状態となっている場合、弾性部材10は収縮状態となっており、駒部材5が外側方向に変位するにつれて、部分片29の間隔を広げるように弾性部材10の復元力が作用する。そして、隣り合う部分片29の間隔が変更されることで、駒部材5のならび方向Aに沿った駒部材5の長さが変更される。
【0063】
図12A,
図12Bの例では、長さ変更機構28は、駒部材5を貫通孔7の内側に向かう方向へ変位させる際に、部分片29に弾性部材10の復元力が負荷される。なお、応力負荷機能は、駒部材5を貫通孔7の外側に向かう方向へ変位させる際(保持対象物Mを挿通部2に通じて支持部3で支持した際)に、駒部材5には、保持対象物Mから押圧力が負荷され、弾性部材10から復元力が負荷される。駒部材5を貫通孔7の外側に向かう方向へ変位させる際においては、長さ変更機構28の弾性部材10は、部分片29に負荷された復元力の作用で隣り合う部分片29の間隔が広げられる。保持対象物Mが取り除かれると、弾性部材10からの復元力の作用で駒部材5が貫通孔7の内側に向かう方向へ変位する。これに伴い、部分片29には弾性部材10の復元力が負荷される(弾性部材10が収縮する)。
【0064】
図12A、
図12Bの例では、駒部材5の少なくとも一部が、複数の部分片29を備え、長さ変更機構28を備えていることで、駒部材5を貫通孔7の外側に向かう方向へ変位させる際(保持対象物Mを挿通部2に通じて支持部3で支持した際)に、隣り合う駒部材5の間隔を減じることができる。この効果は、駒部材5が3つ以上の部分片29を備え且つ長さ変更機構28を備えている場合に、より高めることができる。
【0065】
(部分片29の数の他例)
図12A、
図12Bの例では、駒部材5の少なくとも一部は、2つの部分片29を備えているが、
図13A、
図13Bに示すように、駒部材5の少なくとも一部が、3つ以上の部分片29を備えてもよい。
図13A、
図13Bでは、可動性駒部材8がいずれも3つの部分片29を備える場合が例示される。
【0066】
[2 第2の実施形態]
[2-1.構成]
第2の実施形態にかかる保持治具1は、
図14A、
図14Bに示すように、複数の駒部材5を有し、且つ、複数の駒部材5のうちの少なくとも1つの駒部材5が固定されている。この実施形態を第2実施形態と称呼する。また、固定された駒部材5を固定化駒部材33と称呼する。第2実施形態にかかる保持治具1は、固定化駒部材33を有する構成を除いて、第1実施形態と同様の構成を備える。第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。また、以下の第2の実施形態の説明では、1つの駒部材5が固定化駒部材33である場合を一つの例として取り上げて説明を続ける。
【0067】
(固定化駒部材33)
固定化駒部材33は、内側変位状態に対応した位置で固定されていることが好適である。内側変位状態は、第1の実施形態で示したことと同様である。
【0068】
(応力負荷機構9による可動性駒部材8の変位制御)
応力負荷機構9により、可動性駒部材8の変位(第2実施形態では全ての固定化駒部材33を除いた駒部材5の変位)が次に示すように制御されてよい。保持対象物Mを貫通孔7に通じた際に、保持対象物Mは挿通部2も通過している。保持対象物Mのサイズ(平面視上のサイズ)が内側変位状態における挿通部2を超える場合、保持対象物Mが複数の前記駒部材5に対して貫通孔7の外側に向かう方向へ押圧力を付与し、
図15A、
図15Bで破線を用いて示したように、駒部材5が貫通孔7の外側方向に変位する。固定化駒部材33は、変位することが規制されており、固定化駒部材33に近い位置に配置された駒部材5(可動性駒部材8)の変位の大きさは、固定化駒部材33に遠い位置に配置された駒部材5(可動性駒部材8)の変位の大きさよりも小さい。
【0069】
第2の実施形態にかかる保持治具1は、保持対象物Mを配置した後、保持対象物Mが支持部3から取り除かれると、保持対象物Mが保持治具1の駒部材5で支持された状態が解消される。このとき、保持対象物Mから駒部材5への押圧力が除かれた場合が形成され、押圧力と復元力(応力)のバランスが崩れる。すなわち押圧力が除かれた場合に、応力負荷機構9は、駒部材5に負荷している応力(復元力)の作用に基づき、駒部材5を前記貫通孔7の内側に向かう方向へ変位させる。
【0070】
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態によれば、保持対象物Mのサイズの相違にかかわらず、保持対象物Mのうち固定化駒部材33に対応する部分の位置(保持治具1に対する相対的な位置)を同じ位置にすることができる。
【0071】
次に第2の実施形態の変形例について述べる。なお、第1の実施形態に述べる各変形例は、矛盾しない限り、第2の実施形態に組み合わせられてもよい。
【0072】
[2-3 変形例]
(変形例1)
第2の実施形態にかかる保持治具1においては、
図16A、
図16Bに示すように、第1の実施形態の変形例8に示すような被覆板23と段差25が設けられてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例1と称呼する。
図16A、
図16Bは、第2の実施形態の変形例1にかかる保持治具1の一実施例を示す平面図、断面図である。
【0073】
第2の実施形態の変形例1にかかる保持治具1では、移動性駒部材5の位置が固定化駒部材33に近い位置であるか、固定化駒部材33に対して遠い位置であるかに応じて、段差25を設ける位置が異なっていてもよい。また、被覆部伊賀23形成される露出孔24の大きさや形状についても、移動性駒部材5の変位の大きさに応じて露出孔24の大きさや形状が定められてよい。
図16A、
図16Bの例では、露出孔24の形状がやや楕円形に形成されている。
【0074】
(方向規制構造20)
また、
図16A、
図16Bに示される保持治具1には、第1の実施形態の変形例7に示すような方向規制構造20が設けられている。方向規制構造20は、ボス21と受け孔22を有する。ただし、
図16A、
図16Bに示される保持治具1では、ベース材31にはボス21を取り付ける取付部32が形成されており、取付部32にボス21が差し入れられた状態でベース板6に固定されている。取付部32は、取り付け孔や、取り付け孔の一部がそぎ落とされた横断面C字状の構造部を例示することができる。
【0075】
(範囲規制構造17)
図16A、
図16Bに示すような保持治具1においては、第1の実施形態の変形例7に示すように、方向規制構造20が範囲規制構造17としての機能を兼ねることができる。範囲規制構造17は、第1の実施形態の変形例4で説明したように、可動性駒部材8の変位範囲を規制する構造である。
図16A、
図16Bに示すような方向規制構造20で構成される範囲規制構造17を、第1の範囲規制構造17aと称呼する。
【0076】
また、
図16A、
図16Bに示すような保持治具1においては、第1の実施形態の変形例8に示すように、段差25と被覆板23の露出孔24との組み合わせが、範囲規制構造17としての機能を兼ねることができる。
図16A、
図16Bに示すような段差25と被覆板23の露出孔24との組み合わせで構成される範囲規制構造17を、第2の範囲規制構造17bと称呼する。
図16A、
図16Bに示すような保持治具1においては、第1の範囲規制構造17aと第2の範囲規制構造17bにより、より精密に駒部材5の移動を制御することができる。
【0077】
(変形例2)
第2の実施形態にかかる保持治具1においては、応力負荷機構9は、固定化駒部材33に近い位置に配置された駒部材5に負荷される弾性部材10からの復元力と、固定化駒部材33に遠い位置に配置された駒部材5に負荷される弾性部材10からの復元力とが異なっていてもよい(図示しない)。このような形態を、第2の実施形態の変形例2と称呼する。
【0078】
固定化駒部材33に近い位置に配置された駒部材5の概念には、固定化駒部材33に近い所定の位置の1つの駒部材5の他、固定化駒部材33に近い所定の領域内に配置された複数の駒部材5が含まれるものとする。固定化駒部材33に遠い位置に配置された駒部材5の概念には、固定化駒部材33に遠い所定の位置の1つの駒部材5の他、固定化駒部材33に遠い所定の領域内に配置された複数の駒部材5が含まれるものとする。
【0079】
次に、第3の実施形態について述べる。第3の実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態で説明した保持治具1を用いた封止装置41である。
【0080】
[2 第3の実施形態]
[2-1 封止装置41の構成]
第3の実施形態にかかる封止装置41は、
図17に示すように、押圧体42と、保持治具1と、を備える。保持治具1は、第1の実施形態又は第2の実施形態で示したものが用いられる。なお、第2の実施形態で説明した保持治具1が適用される場合、固定化駒部材33が封止装置41の手前側又は奥側に位置するように、保持治具1が封止装置41に配置されていることが好適である。
図17は、第3の実施形態にかかる封止装置41の一実施例を示す側面図である。なお、
図17では、説明の便宜上、駒部材5やベース板6等の記載を省略する。
【0081】
封止装置41は、押圧体42と保持治具1を支持する支持構造体44と、押圧体42を支持構造体44に繋ぐ第1支持体46と、保持治具1を支持構造体44に繋ぐ第2支持体47を有する、支持構造体44は、押圧体42を上下させる上下運動機構45(
図17において押圧体42を矢印F方向に移動させる運動機構)が設けられている(図示しない)。上下運動機構45は、第1支持体46の位置を上下させる運動機構を例示することができる。押圧体42は、保持治具1に向けて、保持治具1に対して上側(+F方向側)に近づいた所定位置(上側位置)まで移動する。下側位置と上側位置は、保持対象物Mの内容等に応じて予め定められてよい。
【0082】
図17の例に示す押圧体42は、保持治具1の直上に位置できる。押圧体42は、加熱機構を設けられていていることが好適である。この場合、押圧体42は、加熱体としての機能を兼ね備え、封止装置41は、ヒートシール装置として機能する。押圧体42は、押圧面43を有しており、押圧面43が保持治具1に向かい合う。そして保持対象物Mは、押圧面43と保持治具1との間で押圧力を受ける。押圧面43の形状は特に限定されない。
図17の例では、押圧面43は平面状に形成されている。ただし、これは一例であり、押圧体42の形状や押圧面43の形状を限定するものではない。
【0083】
なお、
図17の例では、押圧体42が上下運動する場合について例示したが、封止装置41においては、保持治具1を上下運動させてもよく、また、押圧体42と保持治具1の両方を上下運動させてもよい。
【0084】
(封止機能)
封止装置41は、次に示すように封止機能を実現することができる。なお、保持対象物Mが、本体部102と本体部102の上縁部に外方向に延びるフランジ部103とを有する容器101である場合を例として、封止機能の説明を続ける。なお、容器101は、
図18に示すように、本体部102の形状が上端から下端に向かって先細りした形状であり、容器101の本体部102が上端側に開口部104を形成し、本体部102と底部105で囲まれた空間部106を形成したものである場合を例とする。
【0085】
容器101の本体部102が保持治具1に配置される。本体部102が保持治具1の挿通部2を通る際、容器101の本体部102の外周面102aが保持治具1の支持部3に接触しても、本体部102の外周面102aの大きさにあわせて駒部材5が外側方向に変位して支持部3の大きさを大きくすることができる。容器101のフランジ部103と支持部3が接触したこと(フランジ部103が駒部材5の上面に接触したこと)を契機として、容器101は保持治具1に支持された状態となる。
【0086】
容器101においては本体部102の上面の開口部104(及び空間部106)と前記フランジ部103を覆うように容器101に蓋111が配置される。蓋111は、紙製の蓋でもよいし、プラスチック製の蓋でもよい。また、容器101の上に蓋111が配置されるタイミングは特に限定されない。容器101を封止装置41に配置した時点でもよいし、押圧体42が下方向に移動されているタイミングでもよい。ただし、保持治具1が押圧体42から押圧力を受ける前のタイミングで、本体部102の上側の開口とフランジ部103を覆うように容器101に蓋111が配置される。
【0087】
封止装置41においては、本体部102の上側の開口とフランジ部103を覆うように容器101に蓋が配置された状態で、押圧体42と保持治具1の間で、容器101のフランジ部103の位置にて、蓋111と容器101とが押圧される。このとき、蓋111と容器101とが加熱されることが好適である(蓋111と容器101とがヒートシールされることが好適である)。こうして蓋111と容器101が接合される。
【0088】
以上、本発明に係る保持治具及び封止装置について詳細に説明したが、上記したのは本発明に係る保持治具及び封止装置を例示したに過ぎないものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してもよい。また、上記した例は、それぞれを独立して適用してもよいし、上記した例を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0089】
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次に示す[E1]から[E17]の構成を採用されてよい。
[E1]持対象物を挿通可能な挿通部と、前記挿通部の周囲で前記保持対象物を保持する支持部とを有し、前記支持部は、前記挿通部の周囲に環状に配置された複数の駒部材を備え、前記駒部材を下方から支えるベース板が設けられており、前記ベース板には、該ベース板の厚み方向に前記ベース板を貫通し且つ前記挿通部の下方で前記保持対象物を通過可能に形成された貫通孔が設けられており、複数の前記駒部材の少なくとも一部は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かう方向と前記貫通孔の外側に向かう方向のうちの少なくとも一つの方向に対して変位可能に配置された可動性駒部材であり、前記可動性駒部材の変位に応じて、前記可動性駒部材に応力を負荷する応力負荷機構を有する、保持治具。
[E2]前記可動性駒部材の変位範囲を規制する範囲規制構造が設けられている、上記[E1]に記載の保持治具。
[E3]前記可動性駒部材の変位方向を規制する方向規制構造が備えられている、上記[E1]又は[E2]に記載の保持治具。
[E4]少なくとも1つの前記駒部材の位置が固定されている、上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E5]前記応力負荷機構は、前記可動性駒部材の変位に応じて、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、上記[E1]から[E4]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E6]前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、且つ、前記可動性駒部材の変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、前記弾性部材の前記復元力は、前記ベース板面に沿って前記変位を解消する方向に応力を負荷する、上記[E1]から[E5]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E7]前記駒部材の上面側の一部を被覆する被覆板が設けられており、前記被覆板には、該被覆板の厚み方向に前記被覆板を貫通し且つ前記挿通部を露出させる露出孔が設けられている、上記[E1]から[E6]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E8]複数の駒部材の上面側には、前記露出孔よりも内側に段差が設けられており、前記駒部材の上面を、前記段差よりも前記挿通部に近い方の第1部分と、前記段差よりも前記挿通部に対して遠い方の第2部分とに区分した場合に、前記段差は、上下方向の位置で第1部分のほうが第2部分よりも上側に位置するように形成されており、且つ、前記被覆板の下面の方が上下方向の位置で前記第1部分よりも下側に位置している、上記[E7]に記載の保持治具。
[E9]前記可動性駒部材の変位範囲が、前記駒部材のうち前記可動性駒部材に設けられた前記段差と前記露出孔との距離に応じて定められる、上記[E8]に記載の保持治具。
[E10]複数の前記駒部材は、前記ベース板の平面視上、前記貫通孔の内側に向かって細くなる形状に形成されている、上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E11]前記保持対象物を前記貫通孔に通じた際に前記保持対象物が複数の前記駒部材に対して前記貫通孔の外側に向かう方向へ押圧力を付与した場合に、前記押圧力に応じて前記駒部材が前記貫通孔の外側に向かう方向へ変位し、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記応力負荷機構が、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように前記駒部材に応力を負荷する、上記[E1]から[E10]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E12]前記応力負荷機構は、弾性部材を備え、前記貫通孔の外側に向かう方向への前記可動性駒部材の前記変位に応じて前記弾性部材に復元力を生じ、且つ、前記押圧力が除かれた場合に、前記弾性材料による前記復元力の作用に基づき、前記駒部材を前記貫通孔の内側に向かう方向へ変位させるように構成されている、上記[E11]に記載の保持治具。
[E13]前記駒部材の少なくとも一部は、該駒部材に対して隣り合う前記駒部材との距離に応じて前記駒部材のならび方向Aに沿った長さを変更する長さ変更機構を有する、上記[E1]から[E12]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E14]前記駒部材の少なくとも一部は、複数の部分片を有し、前記長さ変更機構は、隣り合う前記部分片の間隔を変更する、上記[E13]に記載の保持治具。
[E15]前記保持対象物は、本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、前記フランジ部が前記駒部材の上面に接触可能である、上記[E1]から[E14]のいずれか1つに記載の保持治具。
[E16]押圧体と、上記[E1]から[E14]のいずれか1つに記載の保持治具と、を備え、記保持対象物は、上側に開口を形成した本体部と前記本体部の上端に外方向に延びるフランジ部とを有する容器であり、前記本体部の上側の前記開口と前記フランジ部を覆うように前記容器に蓋を配置した状態で、前記押圧体と前記保持治具の間に前記容器と前記蓋を介在させて、前記容器の前記フランジ部の位置で前記蓋を前記容器に接合する、封止装置。
[E17]前記保持治具と前記押圧体の少なくとも一方が移動可能に構成されている、上記[E16]に記載の封止装置。
【符号の説明】
【0090】
1 保持治具
2 挿通部
3 支持部
4 保持構造
5 駒部材
6 ベース板
7 貫通孔
8 可動性駒部材
9 応力負荷機構
10 弾性部材
11 溝
12 内側面
13 外側面
14 横側面
15 受け材
16 壁面部
17 範囲規制構造
17a 第1の範囲規制構造
17b 第2の範囲規制構造
18 反発材
19 中継材
20 方向規制構造
21 ボス
22 受け材
23 被覆板
24 露出孔
25 段差
26 第1部分
27 第2部分
28 長さ変更機構
29 部分片
30 穴部
31 ベース板
32 取付部
33 固定化駒部材
41 封止装置
42 押圧体
43 押圧面
44 支持構造体
45 上下運動機構
46 第1支持体
47 第2支持体
101 容器
102 本体部
103 フランジ部
104 開口部
105 底部
106 空間部
M 保持対象物