(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019158
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20240201BHJP
【FI】
G06F21/62 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142794
(22)【出願日】2023-09-04
(62)【分割の表示】P 2022120158の分割
【原出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】514035947
【氏名又は名称】株式会社TOKIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】東 優太
(57)【要約】
【課題】送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータ10を受付手段22と、パスワード解除手段24として機能させる。受付手段22は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付ける。パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、パスワード解除手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う、プログラム。
【請求項2】
前記パスワード解除手段は、前記第1メールの送信元のメールアドレスと、前記第2メールの送信元のメールアドレスとが同一の場合においてのみ、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、区切り文字および除外ルールを予め記憶部に記憶させておき、
前記パスワード解除手段は、前記第2メールの本文を、前記記憶部に記憶されている前記区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について前記記憶部に記憶されている前記除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出し、抽出した1または複数の前記パスワード候補の各々により前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であるものを除外すること、およびアスキー文字列ではないものを除外すること、のうち少なくともいずれかのルールを含む、請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記区切り文字は、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち少なくともいずれかを含む、請求項3記載のプログラム。
【請求項6】
前記記憶手段は、パスワードとして抽出された1または複数の前記パスワード候補を予め設定されている所定の期間だけ前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が受け付けたメールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている1または複数の前記パスワード候補により当該メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる、請求項3記載のプログラム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードを解凍パスワードとして前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている前記解凍パスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる、請求項3記載のプログラム。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードに、前記第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けて前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている、前記第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けられている前記解凍パスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる、請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを通知手段として更に機能させ、
前記通知手段は、1または複数の前記パスワード候補の各々により前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができなかった場合は、パスワードが見つからない旨の通知を行う、請求項3乃至8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータを受付手段と、パスワード解除手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う、プログラム。
【請求項11】
プログラムを実行することにより受付手段と、パスワード解除手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う、コンピュータ。
【請求項12】
プログラムを実行することにより受付手段と、パスワード解除手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う、コンピュータ。
【請求項13】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータの制御部が、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付ける工程と、
前記制御部が、前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記制御部が、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う工程と、
を備えた、情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータの制御部が、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付ける工程と、
前記制御部が、前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記制御部が、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスの商習慣において、様々なファイルを添付したメールを相手に送付する際に、ファイルにパスワードをかけてメールを送付する方法が行われている。この際に、パスワードがかけられたファイルが添付されたメールを送付し、その後にパスワードが本文に記載されたメールを続けて送付する方法が一般的に行われている。これにより、誤った送信先に対してパスワードが本文に記載されたメールを送信しなければ、添付ファイルを復号できないため、機密情報の漏洩のリスクを回避することができる。このような電子メール暗号化システムとして例えば特許文献1に開示されるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相手から送付されるメールに添付されるファイルにパスワードがかけられている場合は、パスワードの解除を行うのに手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、パスワード解除手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムにおいては、
前記パスワード解除手段は、前記第1メールの送信元のメールアドレスと、前記第2メールの送信元のメールアドレスとが同一の場合においてのみ、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行ってもよい。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを記憶手段として更に機能させ、
前記記憶手段は、区切り文字および除外ルールを予め記憶部に記憶させておき、
前記パスワード解除手段は、前記第2メールの本文を、前記記憶部に記憶されている前記区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について前記記憶部に記憶されている前記除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出し、抽出した1または複数の前記パスワード候補の各々により前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みてもよい。
【0009】
また、前記除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であるものを除外すること、およびアスキー文字列ではないものを除外すること、のうち少なくともいずれかのルールを含んでもよい。
【0010】
また、前記区切り文字は、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち少なくともいずれかを含んでもよい。
【0011】
また、前記記憶手段は、パスワードとして抽出された1または複数の前記パスワード候補を予め設定されている所定の期間だけ前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が受け付けたメールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている1または複数の前記パスワード候補により当該メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みてもよい。
【0012】
また、前記記憶手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードを解凍パスワードとして前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている前記解凍パスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みてもよい。
【0013】
また、前記記憶手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードに、前記第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けて前記記憶部に記憶させ、
前記パスワード解除手段は、前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、前記記憶部に記憶されている、前記第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けられている前記解凍パスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みてもよい。
【0014】
また、本発明のプログラムは、
前記コンピュータを通知手段として更に機能させ、
前記通知手段は、1または複数の前記パスワード候補の各々により前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができなかった場合は、パスワードが見つからない旨の通知を行ってもよい。
【0015】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、パスワード解除手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、パスワード解除手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、パスワード解除手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、
前記パスワード解除手段は、前記受付手段が前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータの制御部が、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付ける工程と、
前記制御部が、前記第1メールおよび前記第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、前記制御部が、前記第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータの制御部が、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付ける工程と、
前記制御部が、前記第1メールを受け付けたときに、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部に記憶されている場合には、前記制御部が、前記第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている前記記憶部に記憶されているパスワードにより前記第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法によれば、送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態によるコンピュータの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示すコンピュータにおいて第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の別の実施の形態によるサーバの構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図3は、本実施の形態に係るコンピュータ10および当該コンピュータ10による情報処理方法を示す図である。
【0023】
本実施の形態によるコンピュータ10は、制御部20と、表示部30と、操作部32と、記憶部34と、通信部36とを備えている。このようなコンピュータ10の各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0024】
制御部20は、例えばCPU(中央演算処理装置)等であり、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段22、パスワード解除手段24、記憶手段26、通知手段28として機能する。受付手段22は、外部装置(例えば、外部のコンピュータ50)から様々な情報を受け付ける。本実施の形態では、受付手段22は外部のコンピュータ50からパスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付ける。パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。記憶手段26は、区切り文字および除外ルールを予め記憶部34に記憶させるようになっている。区切り文字および除外ルールの詳細については後述する。通知手段28は、1または複数のパスワード候補(後述)の各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができなかった場合は、パスワードが見つからない旨の通知を行うようになっている。これらの受付手段22、パスワード解除手段24、記憶手段26、通知手段28の機能の詳細については後述する。
【0025】
表示部30は、例えばモニタ等から構成され、制御部20から表示指示信号が送られることにより様々な情報を表示するようになっている。操作部32は例えばキーボードやマウス等から構成され、操作者は操作部32により様々な情報を制御部20に入力することができるようになっている。また、本実施の形態では、表示部30および操作部32が一体化されたものとしてタッチパネル等が用いられるようになっていてもよい。記憶部34は例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成され、様々な情報が記憶部34に記憶されるようになっている。
【0026】
本実施の形態では、記憶部34には区切り文字および除外ルールが予め記憶されるようになっており、パスワード解除手段24は、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について記憶部34に記憶されている除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出するようになっている。ここで、除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数(例えば、2文字)以下であるものを除外すること、およびアスキー文字列ではないものを除外すること、のうち少なくともいずれかのルールを含む。アスキー文字列とは、半角の英字(a~z、A~Z)、アラビア数字(0~9)、記号、空白文字、制御文字等を含むものである。なお、アクセント記号などの付いた文字、ギリシャ文字、キリル文字などラテン文字以外のアルファベット、漢字、仮名、ハングル、タイ文字など非欧米圏の文字、いわゆる全角英数字、全角記号、ローマ数字、顔文字などはアスキー文字列に含まれない。また、区切り文字は、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち少なくともいずれかを含む。
【0027】
また、記憶手段26は、パスワードとして抽出された1または複数のパスワード候補を予め設定されている所定の期間だけ記憶部34に記憶させるようになっている。また、記憶部34には、第1メールの送信元のメールアドレスおよびこのメールアドレスに紐付けられたパスワードが記憶される場合もある。
【0028】
通信部36は例えば通信インターフェースであり、制御部20は通信部36を介して外部装置(例えば、外部のコンピュータ50)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0029】
次に、このようなコンピュータ10による情報処理方法について
図2および
図3を用いて説明する。
図2は、
図1に示すコンピュータ10において第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われるときの動作を示すフローチャートであり、
図3は、第2メールの文面の一例を示す図である。以下に示す動作は、記憶部34に記憶されているプログラムを制御部20が実行することにより、各手段22、24、26、28によって行われるものである。本実施の形態の情報処理方法によれば、外部のコンピュータ50からコンピュータ10にパスワード付きファイルが添付された第1メールおよびパスワードが本文に記載された第2メールがそれぞれ送信されたときに、コンピュータ10において第1メールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除が自動的に行われる。このような情報処理方法の詳細について以下に説明する。
【0030】
まず、外部のコンピュータ50からコンピュータ10にパスワード付きファイルが添付された第1メールが送信されると、受付手段22は第1メールを受け付ける(STEP1)。このときに、外部のコンピュータ50からコンピュータ10にパスワードが本文に記載された第2メールも第1メールと前後して送信されるが、第1メールの送信元のメールアドレスに対応するパスワードが記憶部34に記憶されている場合には(STEP2の「YES」)、パスワード解除手段24は第2メールの本文に記載されたパスワードを用いなくても記憶部34に記憶されているパスワードを用いて第1メールに添付されたパスワード付きファイルの解凍を試みることができる。このことについては後述する。
【0031】
受付手段22は第1メールを受け付けたときに(STEP1)、第1メールの送信元のメールアドレスに対応するパスワードが記憶部34に記憶されていない場合は(STEP2の「NO」)、受付手段22は外部のコンピュータ50からパスワードが本文に記載された第2メールを受け付ける(STEP3)。その後、パスワード解除手段24は、第2メールの本文から1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出する(STEP4)。
【0032】
具体的には、パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間(例えば、15分)よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第1メールの送信元のメールアドレスと、第2メールの送信元のメールアドレスとが同一の場合においてのみ、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。この際に、受付手段22が第1メールを先に受け付け、第2メールを後に受け付けてもよいし、受付手段22が第2メールを先に受け付け、第1メールを後に受け付けてもよい。
【0033】
より詳細に説明すると、パスワード解除手段24は、まず第2メールの本文を、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割する。記憶部34に記憶されている区切り文字は、例えばhtmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち少なくともいずれかを含む。以下の説明では記憶部34に記憶されている区切り文字がhtmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンの全部を含んでいるものとして説明する。例えば、第2メールの文面が
図3に示すものであったときに、第2メールの本文がパスワード解除手段24により以下の(a)~(i)の文字列に分割される。
(a)============================================
(b)添付ファイルパスワードのお知らせ
(c)============================================
(d)件名「請求書のご送付」のメールに添付されているZIPファイルは、下記のパスワードで暗号化しております。
(e)[パスワード]
(f)9^nz749#j~y.
(g)お手数をおかけ致しますが、上記パスワードよりファイルの暗号化解除をお願い致します。
(h)※不明点がございましたら、送信元までお問い合わせください。
(i)※本メールはパスワードが記述されているため、ご返信はお控えください。
【0034】
次に、パスワード解除手段24は、分割された複数の文字列(a)~(i)について記憶部34に記憶されている除外ルールに沿って一部を除外する。記憶部34に記憶されている除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であるものを除外すること、およびアスキー文字列ではないものを除外すること、のうち少なくともいずれかのルールを含むものである。以下の説明では記憶部34に記憶されている除外ルールが文字列の文字数が予め設定されている所定の数(例えば、2文字)以下であるものを除外すること、およびアスキー文字列ではないものを除外することの両方を含むものとして説明する。
【0035】
上述した文字列(a)~(i)のうち、文字列の文字数が予め設定されている所定の数(例えば、2文字)以下であるもの、およびアスキー文字列ではないものを除外すると、文字列(a)(c)(f)が残る。すなわち、文字列(b)(d)(e)(g)(h)(i)はアスキー文字列ではないためパスワード候補から除外される。そして、記憶手段26は、パスワードとして抽出された1または複数のパスワード候補を予め設定されている所定の期間(例えば、24時間)だけ記憶部34に記憶させる。
【0036】
そして、パスワード解除手段24は、抽出された1または複数のパスワード候補の各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる(STEP5)。上記の例では、パスワード解除手段24は文字列(a)(c)(f)により順次第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる。そして、文字列(f)により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができた場合は(STEP6の「YES」)、パスワード付きファイルの解凍が行われた旨のメッセージが表示部30に任意で表示されるとともに、操作者は操作部32により第1メールに添付されたファイルを開くことができるようになる。また、この場合、記憶手段26は、パスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワード(すなわち、上記の文字列(f))に、第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けて記憶部34に記憶させる(STEP7)。このことにより、第1メールの送信元のメールアドレスから送信されるメールに添付されるパスワード付きファイルのパスワードが同じである場合には、パスワード解除手段24は、次回以降は記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みることができる。一方、もしパスワード解除手段24により抽出されたパスワード候補の各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができなかった場合は(STEP6の「NO」)、通知手段28はパスワードが見つからない旨の通知を行う(STEP8)。具体的には、通知手段28は表示部30に表示指令信号を送ることにより、パスワードが見つからない旨のメッセージを表示部30に表示させる。
【0037】
また、受付手段22は第1メールを受け付けたときに(STEP1)、第1メールの送信元のメールアドレスに対応するパスワードが記憶部34に記憶されている場合は(STEP2の「YES」)、パスワード解除手段24は、記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる(STEP9)。そして、記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができた場合は(STEP10の「YES」)、パスワード付きファイルの解凍が行われた旨のメッセージが表示部30に任意で表示されるとともに、操作者は操作部32により第1メールに添付されたファイルを開くことができるようになる。一方、第1メールの送信元のメールアドレスから送信されるメールに添付されるパスワード付きファイルのパスワードが毎回異なる場合は、記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができないため(STEP10の「NO」)、上述したSTEP3~STEP8に示す動作が行われる。
【0038】
以上のような構成からなる本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法によれば、コンピュータ10がプログラムを実行することにより、受付手段22は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。このことにより、コンピュータ10に送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、パスワード解除手段24は、第1メールの送信元のメールアドレスと、第2メールの送信元のメールアドレスとが同一の場合においてのみ、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。なお、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。他の態様として、パスワード解除手段24は、第1メールの送信元のメールアドレスと、第2メールの送信元のメールアドレスとが異なっている場合でも、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行ってもよい。
【0040】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータ10を記憶手段26として更に機能させ、記憶手段26は、区切り文字および除外ルールを予め記憶部34に記憶させておき、パスワード解除手段24は、第2メールの本文を、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について記憶部34に記憶されている除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出し、抽出した1または複数のパスワード候補の各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる。ここで、除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であること、およびアスキー文字列であること、のうち少なくともいずれかのルールを含む。なお、上記の説明では、除外ルールが、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であること、およびアスキー文字列であることの両方を含む場合について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。除外ルールが、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であることのみであってもよい。また、除外ルールが、アスキー文字列であることのみであってもよい。
【0041】
また、区切り文字は、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち少なくともいずれかを含むものであってもよい。なお、上記の説明では、区切り文字がhtmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンの全てを含む場合について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。区切り文字が、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンのうち何れか一つのみ、あるいは二つ以上であるが全部を含まなくてもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、記憶手段26は、パスワードとして抽出された1または複数のパスワード候補を予め設定されている所定の期間(例えば、24時間)だけ記憶部34に記憶させる。この場合は、パスワード解除手段24は、受付手段12が受け付けたメールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている1または複数のパスワード候補により当該メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる。このことにより、外部のコンピュータ50からコンピュータ10に第1メールおよび第2メールが送られることによりパスワード解除手段24によって第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われた後、例えば数時間後に例えば同じ送信元からパスワード付きファイルが添付された別のメールが送られた場合に、第2メールの本文から抽出され記憶部34に記憶されたパスワードによりこの別のメールに添付されているパスワード付きファイルの解凍をパスワード解除手段24により行うことができる。
【0043】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、記憶手段26は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードを解凍パスワードとして記憶部34に記憶させ、パスワード解除手段24は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている解凍パスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みる。この場合は、記憶部34に記憶されている解凍パスワードを用いることにより、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍をより確実に行うことができるようになる。なお、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードが記憶部34に解凍パスワードとして記憶される期間が予め設定されていてもよい。例えば、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードが記憶部34に解凍パスワードとして記憶される期間が1ヶ月であると予め設定されている場合には、このパスワードが記憶部34に記憶されてから1ヶ月が経過すると記憶部34から当該パスワードは消去される。
【0044】
また、記憶手段26は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードに、第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けて記憶部34に記憶させ、パスワード解除手段24は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている、第1メールの送信元のメールアドレスを紐付けられている解凍パスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みるようになっている。この場合には、記憶部34に記憶されている解凍パスワードに第1メールの送信元のメールアドレスが紐付けられていることにより、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を更に確実に行うことができるようになる。
【0045】
なお、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。例えば、記憶手段26は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードに、第1メールの送信先のメールアドレス(すなわち、コンピュータ10の操作者のメールアドレス)を紐付けて記憶部34に記憶させ、パスワード解除手段24は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている、第1メールの送信先のメールアドレスに紐付けられている解凍パスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みるようになっていてもよい。この場合も、記憶部34に記憶されている解凍パスワードに第1メールの送信先のメールアドレスが紐付けられていることにより、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を更に確実に行うことができる。また、更に別の態様として、記憶部34に記憶される解凍パスワードに第1メールの送信元のメールアドレスが紐付けられていなくてもよい。この場合も、パスワード解除手段24は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている複数の解凍パスワードの各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みることにより、パスワード付きファイルの解凍を行うことができるようになる。
【0046】
また、記憶手段26は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができたパスワードに、第1メールの送信元のメールアドレスおよび第1メールの送信先のメールアドレス(すなわち、コンピュータ10の操作者のメールアドレス)の両方を紐付けて記憶部34に記憶させ、パスワード解除手段24は、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う際に、記憶部34に記憶されている、第1メールの送信元のメールアドレスおよび第1メールの送信先のメールアドレスの両方に紐付けられている解凍パスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みるようになっていてもよい。この場合も、記憶部34に記憶されている解凍パスワードに第1メールの送信元のメールアドレスおよび第1メールの送信先のメールアドレスが紐付けられていることにより、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を更に確実に行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、プログラムはコンピュータ10を通知手段28として更に機能させ、通知手段28は、1または複数のパスワード候補の各々により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができなかった場合は、パスワードが見つからない旨の通知を行う。この場合は、コンピュータ10の操作者は通知手段28から通知を受けることにより操作部32によって手動で第2メールの文面に記載されているパスワードに基づいて第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みることができるようになる。
【0048】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法によれば、コンピュータ10がプログラムを実行することにより、受付手段22は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールを受け付けたときに、第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部34に記憶されている場合には、第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。このことにより、コンピュータ10に送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0049】
なお、本実施の形態によるプログラム、コンピュータ10および情報処理方法等は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0050】
例えば外部のコンピュータ50からコンピュータ10にパスワードが本文に記載された第2メールが送信される前に、コンピュータ10の操作者は操作部32により予めパスワードを記憶部34に登録することができるようになっていてもよい。具体的には、コンピュータ10の操作者が前もって外部のコンピュータ50を操作する操作者からパスワードの情報を聞いておくことにより、第2メールを受け取らなくても第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができるようになる。
【0051】
また、パスワード解除手段24は、第2メールの本文を、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について記憶部34に記憶されている除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出することに限定されることはない。他の態様として、例えば、パスワード解除手段24は、第2メールの本文を、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列をそれぞれパスワード候補としてもよい。
【0052】
また、除外ルールは、文字列の文字数が予め設定されている所定の数以下であるものを除外することや、アスキー文字列ではないものを除外することに限定されることはない。除外ルールとして他のルールが用いられてもよい。また、区切り文字は、htmlタグ、改行、スペースおよびセミコロンに限定されることはない。区切り文字として他の文字が用いられもよい。
【0053】
また、記憶手段26は、区切り文字、除外ルール、抽出された1または複数のパスワード候補、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができた解凍パスワード等をコンピュータ10の記憶部34に記憶させるものに限定されることはない。記憶手段26として、これらの情報をコンピュータ10とは別に設けられた外部サーバやクラウド等の記憶部に記憶させるようになっていてもよい。この場合、受付手段22が第1メールを受け付けたときに、コンピュータ10の制御部20は外部サーバやクラウド等の記憶部に対して当該記憶部に記憶されている情報を求める指令を送信する。このことにより、外部サーバやクラウドから区切り文字、除外ルール、抽出された1または複数のパスワード候補、解凍パスワード等の情報がコンピュータ10の制御部20に送信されることにより受付手段22はこれらの情報を受け付けてパスワード解除手段24が第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を試みるようになる。
【0054】
また、本発明の別の実施の形態として、
図4に示すシステムが用いられてもよい。
図4に示すシステムでは、外部のコンピュータ50からサーバ60に第1メールおよび第2メールが送信されると、サーバ60により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われ、解凍されたファイルが記憶手段26により記憶部34に記憶される。そして、サーバ60の管理を行う事業会社の各従業員は、自分が操作するコンピュータ70によって記憶部34に記憶されている解凍されたファイルを取得することができるようになっている。このような
図4に示すシステムの構成について説明する。
【0055】
図4に示すシステムでは、各コンピュータ70はサーバ60に通信可能に接続されている。また、各コンピュータ70は、サーバ60の管理を行う事業会社の従業員により操作されるようになっている。
【0056】
サーバ60は、制御部20と、記憶部34と、通信部36とを備えている。具体的には、サーバ60の制御部20、記憶部34、通信部36は
図1に示すコンピュータ10の制御部20、記憶部34、通信部36と略同一の構成となっている。制御部20は、例えばCPU(中央演算処理装置)等であり、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段22、パスワード解除手段24、記憶手段26、通知手段28として機能する。サーバ60の制御部20における受付手段22、パスワード解除手段24、記憶手段26、通知手段28は、
図1に示すコンピュータ10の制御部20における受付手段22、パスワード解除手段24、記憶手段26、通知手段28と略同一の機能を果たすようになっている。
図4に示すサーバ60でも、記憶部34には区切り文字および除外ルールが予め記憶されるようになっており、パスワード解除手段24は、記憶部34に記憶されている区切り文字に基づいて複数の文字列に分割し、分割された複数の文字列について記憶部34に記憶されている除外ルールに沿って一部を除外し、残った1または複数のパスワード候補をパスワードとして抽出するようになっている。また、記憶手段26は、パスワードとして抽出された1または複数のパスワード候補を予め設定されている所定の期間だけ記憶部34に記憶させるようになっている。また、記憶手段26は、解凍されたファイルを記憶部34に記憶させるようになっている。また、記憶部34には、第1メールの送信元のメールアドレスおよびこのメールアドレスに紐付けられたパスワードが記憶される場合もある。
【0057】
サーバ60の通信部36は例えば通信インターフェースであり、制御部20は通信部36を介して外部のコンピュータ50および各コンピュータ70に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0058】
このようなサーバ60も本発明に係るコンピュータの一種である。
【0059】
このようなサーバ60による情報処理方法は、
図1に示すコンピュータ10による情報処理方法と略同一であるが、パスワード解除手段24により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われると、解凍されたファイルが記憶手段26により記憶部34に記憶される。そして、各従業員は、自分が操作するコンピュータ70によってサーバ60にアクセスし、サーバ60の記憶部34に記憶されている解凍されたファイルを取得する指示をコンピュータ70からサーバ60に送ると、記憶部34に記憶されている解凍されたファイルがサーバ60からコンピュータ70に送信される。このことにより、各従業員はコンピュータ70にて解凍されたファイルを取得してこのコンピュータ70でファイルを開くことができるようになる。
図4に示すシステムによれば、サーバ60がプログラムを実行することにより、受付手段22は、パスワード付きファイルが添付された第1メールと、パスワードが本文に記載された第2メールとを受け付け、パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールおよび第2メールを予め設定されている所定の期間よりも短いタイミングの差で受け付けたときに、第2メールの本文からパスワードを抽出し、抽出したパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。このことにより、サーバ60に送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0060】
また、
図4に示すシステムによれば、サーバ60がプログラムを実行することにより、受付手段22は、パスワード付きファイルが添付された第1メールを受け付け、パスワード解除手段24は、受付手段22が第1メールを受け付けたときに、第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられてパスワードが記憶部34に記憶されている場合には、第1メールの送信元のメールアドレスに紐付けられている記憶部34に記憶されているパスワードにより第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行う。このことにより、サーバ60に送付されたメールに添付されるファイルにかけられているパスワードの解除を容易に行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0061】
また、
図4に示すシステムでも、記憶手段26は、区切り文字、除外ルール、抽出された1または複数のパスワード候補、第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍を行うことができた解凍パスワード、解凍されたファイル等をサーバ60の記憶部34に記憶させるものに限定されることはない。記憶手段26として、これらの情報をサーバ60とは別に設けられた外部サーバやクラウド等の記憶部に記憶させるようになっていてもよい。
【0062】
また、
図4に示すシステムにおいて、パスワード解除手段24により第1メールに添付されているパスワード付きファイルの解凍が行われたときに、解凍されたファイルに加えて第1メールの本文の情報や第2メールの本文の情報が記憶手段26により記憶部34に記憶されてもよい。この場合は、各従業員がコンピュータ70によってサーバ60にアクセスし、サーバ60の記憶部34に記憶されている解凍されたファイルを取得する指示をコンピュータ70からサーバ60に送ったときに、記憶部34に記憶されている解凍されたファイルに加えて第1メールの本文の情報や第2メールの本文の情報がサーバ60からコンピュータ70に送信される。このことにより、各従業員はコンピュータ70にて第1メールの本文や第2メールの本文も確認することができるようになる。
【符号の説明】
【0063】
10 コンピュータ
12 受付手段
20 制御部
22 受付手段
24 パスワード解除手段
26 記憶手段
28 通知手段
30 表示部
32 操作部
34 記憶部
36 通信部
50 コンピュータ
60 サーバ
70 コンピュータ