(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019187
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】量子磁束パラメトロンベース構造(例えば、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、シフトレジスタ)、アドレス指定線、及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/05 20060101AFI20240201BHJP
G06F 7/38 20060101ALI20240201BHJP
G06N 10/40 20220101ALI20240201BHJP
H03M 1/66 20060101ALN20240201BHJP
【FI】
G06F3/05 D
G06F7/38 610
G06F7/38 510
G06F7/38 630
G06N10/40
H03M1/66 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023195934
(22)【出願日】2023-11-17
(62)【分割の表示】P 2020519439の分割
【原出願日】2018-10-04
(31)【優先権主張番号】15/726,239
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507209207
【氏名又は名称】ディー-ウェイブ システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブースビー,ケリー,ティー.アール.
(57)【要約】
【課題】 量子プロセッサにおける超伝導デジタル-アナログコンバータの改良技術を提案する。
【解決手段】 より多数の論理デバイス(例えば、量子ビット)を有するスケーラブルプロセッサの動作に有用なアプローチは、例えば、シフトレジスタ、マルチプレクサ(すなわち、MUX)、デマルチプレクサ(すなわち、DEMUX)、及び永久磁気メモリ(すなわち、PMM)などを実装するため、及び/又はXY若しくはXYZアドレス指定方式を使用するため、及び/又はデバイスのアレイにわたって「編組」パターンで延在する制御線を使用するために、QFPを有利に利用する。これらの記載されたアプローチの多くは、そのようなプロセッサへの入力及び/又はプロセッサからの出力を実装するのに特に適している。超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を備える超伝導量子プロセッサが提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数のサブアレイに配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1の2次元アレイであって、各サブアレイが、複数の行、DACの第1の列、DACの及び第2の列を含む、第1の2次元アレイと、
前記第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記第1の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線と、
前記第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記第2の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、
前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線に沿って各DACに近接して配置された第1の制御線と、を備える、システム。
【請求項2】
前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線が、前記DACの第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記複数の行の各行、前記第1の列、及び前記第2の列にわたって延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも、複数のサブアレイに配置された複数のDACを含むDACの第2の2次元アレイであって、各サブアレイが、複数の行、DACの第1の列、及びDACの第2の列を含む、第2の2次元アレイと、
前記第2の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記第2の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように更に結合された前記第1の電力線と、
前記第2の2次元アレイの前記サブアレイの前記第1の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように更に結合された前記第2の電力線と、
前記DACの第2の2次元アレイの前記第1の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第2の2次元アレイの前記第1の対角線に沿って各DACに近接して更に配置された前記第1の制御線と、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線が、前記DACの第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記複数の行の各行、前記第1の列、及び前記第2の列にわたって延在する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記DACの第2の2次元アレイの前記第1の対角線が、前記DACの第2の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記複数の行の各行、前記第1の列、及び前記第2の列にわたって延在する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の2次元アレイの前記第1の対角線が、前記第2の2次元アレイの前記第1の対角線に対して垂直である、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の制御線が、前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線に沿った蛇行経路をたどり、前記第1の制御線が、前記DACの第2の2次元アレイの前記第1の対角線に沿った蛇行経路をたどる、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の制御線が、前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線に沿った蛇行経路をたどり、前記第1の制御線が、前記DACの第1の2次元アレイの第2の対角線に沿った蛇行経路をたどる、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第3の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線、を更に備え、前記第2の制御線が、前記DACの第2の2次元アレイの第2の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第2の2次元アレイの前記第2の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のアレイの第2の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第3の制御線、を更に備え、前記第3の制御線が、前記第2のアレイの第3の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第3の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第3の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線、を更に備え、前記第2の制御線が、前記DACの第1の2次元アレイの第4の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第4の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のアレイの第2の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第3の制御線、を更に備え、前記第3の制御線が、前記第1のアレイの第1の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第1の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
n本の制御線及びP本の電力線が存在し、DACの前記第1及び前記第2のアレイのそれぞれが、P(n-1)2個のDACを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
1つの電力線及び2つの信号線を含むそれぞれのトリプレットを介して前記DACのうちの選択されたものに、通信可能に結合されて信号を供給させる制御回路を更に備え、前記トリプレットが、単一のそれぞれのDACを動作させるために一意に通信可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の電力線が、前記DACの第1の2次元アレイの第3の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように結合されており、前記第3の列が前記第1の列に隣接しておらず、
前記第2の電力線が、前記DACの第1の2次元アレイの第4の列の前記DACに、電流を選択的に供給するように結合されており、前記第4の列が前記第2の列に隣接しておらず、
前記第1の制御線が、前記DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも、前記第1の2次元アレイ内のDACではなく、前記第2の2次元アレイの複数の行及び複数の列に配置されている、複数のDACを含むDACの第2の2次元アレイを、更に備え、
前記第2の電力線が、前記DACの第2の2次元アレイの第3の列の前記DACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、前記第3の列が、前記DACの第2の2次元アレイの前記第1の列に隣接しておらず、
前記第1の電力線が、前記DACの第2の2次元アレイの第4の列の前記DACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、前記第4の列が、前記DACの第2の2次元アレイの前記第2の列に隣接していない、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置された第2の制御線、を更に備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の制御線及び前記第2の制御線が、共通のDACなしで、異なるDACに動作可能に近接して配置されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の制御線及び前記第2の制御線が、DACのうちの同じ少なくとも1つに、前記少なくとも1つのDACを共通にして、動作可能に近接して配置されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
システムにおける動作方法であって、前記システムが、
複数のサブアレイに配置された複数のDACを備えるデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1の2次元アレイであって、各サブアレイが複数の行、DACの第1の列、及びDACの第2の列を含む、第1の2次元アレイと、前記第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記第1の列の前記DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線と、前記第1の2次元アレイの前記複数のサブアレイの各サブアレイの前記第2の列の前記DACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、前記DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第1の対角線に沿って各DACに近接して配置された第1の制御線と、前記DACの第1の2次元アレイの第2の対角線に沿って前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記DACの第1の2次元アレイの前記第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線と、を備え、前記方法が、
第1の期間中に、同時に、
前記第1の電力線を介して、第1のDACに信号を印加することと、
前記第1の制御線を介して、前記第1のDACに信号を印加することと、
前記第2の電力線を介して、前記第1のDACに信号を印加することと、を含む、方法。
【請求項21】
システムであって、
前記第1のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1のアレイと、
前記第1のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線であって、前記第1の列の前記DACが第1の配置に配置されている、第1の電力線と、
前記第1のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合された前記第1の電力線であって、前記第2の列の前記DACが第2の配置に配置されている、前記第1の電力線と、
前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第1の制御線と、
前記第1のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置された第2の制御線と、
前記第1のアレイの第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第3の制御線と、を備える、システム。
【請求項22】
前記第1の配置に配置されたDACの第3の列であって、前記第1のアレイの前記第1の列と前記第2の列との間に挿入されている、第3の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第4の列であって、前記第1のアレイの前記第2の列に隣接している、第4の列と、
前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第3の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第3の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第4の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の配置に配置されたDACの第5の列であって、前記第1のアレイの前記第3の列と前記第2の列との間に挿入されている、第5の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第6の列であって、前記第1のアレイの前記第4の列に隣接している、第6の列と、
前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第3の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第5の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第5の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第6の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2の列と、前記第1の配置に配置されたDACを含む前記第1のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2の配置に配置されたDACを含む前記第1のアレイの列のサブセットに隣接している、第2の追加の列と、
前記第1のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも、前記第1のアレイ内のDACではなく、前記第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置されている、複数のDACを含むDACの第2のアレイを、を更に備え、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、前記第1の列の前記DACが前記第1の配置に配置されており、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、前記第2の列の前記DACが前記第2の配置に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2のアレイの前記第2の列と、前記第1の配置に配置されたDACを含む前記第2のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2の配置に配置されたDACを含む前記第2のアレイの列のサブセットに隣接している、第2の追加の列と、
前記第2のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第2の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
第3のアレイを更に備え、前記第4の制御線が、前記第3のアレイの前記第1の制御線に電気的に結合されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
第3のアレイを更に備え、前記第5の制御線が、前記第3のアレイの前記第3の制御線に電気的に結合されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
少なくとも、前記第1のアレイ内のDACではなく、前記第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置されている、複数のDACを含むDACの第2のアレイを、更に備え、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、
前記第1の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2の列と、前記第2のアレイの前記第1の配置に配置されたDACを含む列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第1の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2のアレイの前記第2の配置に配置されたDACを含む列のサブセットに隣接する、第2の追加の列と、
前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第4の制御線が、前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第5の制御線が、前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
第3のアレイを更に備え、前記第4の制御線が、前記第3のアレイの前記第3の制御線に電気的に結合されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
第3のアレイを更に備え、前記第5の制御線が、前記第3のアレイの前記第2の制御線に電気的に結合されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
合計でn本の制御線及びP本の電力線によって制御される、n(n-1)P個のDACが存在する、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
合計でP本の電力線が存在し、前記第1のアレイが2P個のDACを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項35】
1つの電力線及び2つの信号線を含むそれぞれのトリプレットを介して前記DACのうちの選択されたものに、通信可能に結合されて信号を供給させる制御回路を更に備え、前記トリプレットが単一のそれぞれのDACを動作させるために一意に通信可能に結合されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項36】
システムにおける動作方法であって、前記システムが、
前記第1のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1のアレイと、
前記第1のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線であって、前記第1の列の前記DACが第1の配置に配置されている、第1の電力線と、
前記第1のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合された前記第1の電力線であって、前記第2の列の前記DACが第2の配置に配置されている、前記第1の電力線と、
前記第1の配置に配置されたDACの第3の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線であって、前記第3の列が前記第1のアレイの前記第1の列と前記第2の列との間に挿入されている、第2の電力線と、
前記第2の配置に配置されたDACの第4の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合された前記第2の電力線であって、前記第4の列が前記第1のアレイの前記第2の列に隣接している、前記第2の電力線と、
前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第1の制御線であって、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の各DACに動作可能に近接して配置もされている、第1の制御線と、
前記第1のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置された第2の制御線であって、前記第1のアレイの前記第3の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第3の列の各DACに動作可能に近接して配置もされている、第2の制御線と、を備え、前記方法が、
第1の期間中に、同時に、
前記第1の電力線を介して、第1のDAC及び第2のDACに信号を印加することと、
前記第2の電力線を介して、第3のDAC及び第4のDACに信号を印加することと、
前記第1の制御線を介して、前記第1、前記第2、前記第3、及び前記第4のDACに信号を印加することと、
前記第2の制御線を介して、前記第1、前記第2、前記第3、及び前記第4のDACに信号を印加することと、を含む、方法。
【請求項37】
システムであって、
N本の制御線と、
P本の電力線と、
複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)であって、前記複数のDACの前記DACのそれぞれが、それぞれの材料のループと、前記それぞれのループを中断し、前記材料のループ内で電気的に互いに並列に結合されたジョセフソン接合のそれぞれのペアとを含む、複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)と、
編組構成に配置され、前記複数のDACの前記DACに通信可能に結合された複数の制御線と、を備え、
前記複数のDACにおける前記DACの合計が、信号線のそれぞれのトリプレットによって伝搬される信号を介して制御される前記信号線のそれぞれのトリプレットに通信可能に結合されているN(N-1)P個のDACを含む、システム。
【請求項38】
各DACが、信号線のそれぞれのトリプレットを介して制御され、各トリプレットが、2つの制御線と前記電力線のうちの1つとの一意の組み合わせを含む、請求項37に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
この開示は、一般に、超伝導回路及びスケーラブルコンピューティング、例えば量子コンピューティングで使用されるものなどの超伝導デバイスに関し、特に、量子プロセッサにおける超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)の設計、及び量子プロセッサの量子ビットなどの論理要素のプログラミング又は読み出しに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
量子ビット
量子ビットは、量子コンピュータ用の情報の基本単位として使用することができる。量子ビットは、情報が記憶されている実際の物理デバイスを参照することができ、物理デバイスから抽象化された情報自体の単位を参照することもできる。量子ビットの例には、量子粒子、原子、電子、光子、イオンなどが含まれる。
【0003】
量子ビットは、古典的なデジタルビットの概念を一般化したものである。量子ビットには、「0」及び「1」とラベル付けもされ得る、2つの個別の物理的状態が含まれる。物理的に、これらの2つの個別の状態は、ビット状態をエンコードする量が量子物理学の法則に従って挙動する、磁場、電流、又は電圧の方向又は大きさなど、量子情報ストレージデバイスの2つの異なる識別可能な物理的状態によって表される。これらの状態を記憶する物理量が量子力学的に挙動する場合、デバイスは更に、0と1との重ね合わせに配置され得る。すなわち、量子ビットは、「0」及び「1」の両方の状態で同時に存在できるため、両方の状態で同時に計算を実行できる。一般に、N個の量子ビットは、2N状態の重ね合わせであり得る。
【0004】
標準的な表記法では、量子ビットの基底状態は、|0>及び|1>状態と呼ばれる。量子計算中、量子ビットの状態は、一般的に、基底状態の重ね合わせであり、したがって量子ビットは、|0>基底状態を占有する非ゼロ確率、及び|1>基底状態を占有する同時の非ゼロ確率を有する。数学的に、基底状態の重ね合わせは、|Ψ>で示される量子ビットの全体的状態が、a及びbがそれぞれ確率|a|2及び|b|2に対応する係数である形式|Ψ>=a|0>+b|1>を有することを意味する。係数a及びbはそれぞれ、実数部及び虚数部を有し、量子ビットの位相を特徴付けることができる。量子ビットの量子的性質は、主として、基底状態のコヒーレントな重ね合わせで存在する能力、及び量子ビットの状態が位相を有する能力に由来する。量子ビットがデコヒーレンスのソースから十分に分離されている場合、量子ビットは、基底状態のコヒーレントな重ね合わせとして存在するこの能力を保持することになる。
【0005】
量子ビットを使用して計算を完了するために、量子ビットの状態が測定される(すなわち、読み出される)。典型的に、量子ビットの測定が実行されると、量子ビットの量子的性質が一時的に失われ、基底状態の重ね合わせが|0>基底状態又は|1>基底状態のうちのいずれかに崩壊し、それによって従来のビットとのその類似性を取り戻す。崩壊した後の量子ビットの実際の状態は、読み出し動作の直前の確率|a|2及び|b|2に依存する。
【0006】
量子ビットを使用して計算を完了するために、量子ビットの状態が測定される(すなわち、読み出される)。典型的に、量子ビットの測定が実行されると、量子ビットの量子的性質が一時的に失われ、基底状態の重ね合わせが|0>基底状態又は|1>基底状態のうちのいずれかに崩壊し、それによって従来のビットとのその類似性を取り戻す。崩壊した後の量子ビットの実際の状態は、読み出し動作の直前の確率|a|2及び|b|2に依存する。
【0007】
超伝導量子ビット
量子コンピュータでの使用を検討されている多くの異なるハードウェア及びソフトウェアのアプローチが存在する。1つのハードウェアアプローチでは、アルミニウムやニオブなどの超伝導材料で形成された集積回路を使用する。
【0008】
超伝導量子ビットは、超伝導集積回路内に含めることができる超伝導デバイスの一種である。例えば、典型的な超伝導量子ビットは、スケーラビリティの利点を有し、一般に、例えば、電荷及び位相デバイス、位相又は磁束デバイス、ハイブリッドデバイスなどを含む情報をエンコードするために使用される物理的特性に応じて分類される。電荷デバイスは、デバイスの電荷状態で情報を記憶及び動作し、基本電荷は、クーパーペアと呼ばれる電子のペアで構成される。クーパーペアは2eの電荷を有し、例えば音子相互作用によって一緒にバインドされた2つの電子で構成される。磁束デバイスは、デバイスのいくつかの部分を通過する磁束に関連する変数に情報を記憶する。位相デバイスは、位相デバイスの2つの領域間の超伝導位相の差に関連する変数に情報を記憶する。最近では、電荷、磁束、及び位相の自由度のうちの2つ以上を使用するハイブリッドデバイスが開発されている。
【0009】
磁束量子ビットの例には、1つのジョセフソン接合によって中断された超伝導ループを含むrf-SQUID、又は複合ジョセフソン接合(単一のジョセフソン接合が2つの並列ジョセフソン接合によって置き換えられている)、又は3つのジョセフソン接合によって中断された超伝導ループを含む永続的な電流量子ビット、などが含まれる。量子ビットの例には、ハイブリッド電荷位相量子ビットが含まれる。
【0010】
量子ビットは、対応するローカルバイアスデバイスに関連付けられ得る。ローカルバイアスデバイスは、外部磁束バイアスを量子ビットに提供する超伝導量子ビットに近接した金属ループを含み得る。ローカルバイアスデバイスはまた、複数のジョセフソン接合を含み得る。量子プロセッサ内の各超伝導量子ビットは、対応するローカルバイアスデバイスを有し得るか、又は量子ビットよりも少ないローカルバイアスデバイスがあり得る。いくつかの実施例では、電荷ベースの読み出しデバイス及びローカルバイアスデバイスを使用できる。従来の読み出しデバイスは、トポロジー内のそれぞれの量子ビットに誘導的に接続されたdc-SQUID磁力計を含む。読み出しデバイスは、電圧又は電流を提供し得る。dc-SQUID磁力計は、典型的に、少なくとも1つのジョセフソン接合によって中断された超伝導材料のループによって形成される。
【0011】
量子プロセッサ
コンピュータプロセッサは、アナログプロセッサ、例えば超伝導量子プロセッサなどの量子プロセッサの形態をとり得る。超伝導量子プロセッサは、例えば2つ以上の超伝導量子ビットなど、複数の量子ビット及び関連するローカルバイアスデバイスを含み得る。例示的な量子プロセッサの更なる詳細及び実施形態については、米国特許出願公開第2006-0225165号、米国特許出願第12/013,192号、及び2007年11月8日に出願された「Systems, Devices and Methods for Analog Processing」と題する米国仮特許出願第60/986,554号に記載されている。
【0012】
超伝導量子プロセッサは、量子ビットのそれぞれのペアを選択的に結合するように動作可能な複数の結合デバイスを含み得る。超伝導結合デバイスの例には、磁束によって量子ビットを一緒に結合するrf-SQUID及びdc-SQUIDが含まれる。SQUIDには、1つのジョセフソン接合(rf-SQUID)又は2つのジョセフソン接合(dc-SQUID)によって中断された超伝導ループが含まれる。結合デバイスは、相互接続されたトポロジー内で結合デバイスがどのように利用されているかに応じて、強磁性結合と反強磁性結合との両方が可能であり得る。磁束結合の場合、強磁性結合は、平行磁束がエネルギー的に有利であることを意味し、反強磁性結合は、反平行磁束がエネルギー的に有利であることを意味する。或いは、電荷ベースの結合デバイスを使用することもできる。他の結合デバイスは、例えば、米国特許出願公開第2006-0147154号及び米国特許出願第12/017,995号に見つけることができる。結合デバイスのそれぞれの結合強度は、例えば、量子ビット間に強磁性又は反強磁性結合を提供するために、ゼロと最大値との間で調整されてもよい。
【0013】
実装されている特定のハードウェアに関係なく、単一の量子ビットを管理するには、複数のパラメータを制御する必要がある。従来、この要件では、個々の量子ビットとの外部通信(すなわち、プロセッサアーキテクチャの外部からの通信)が必要であった。しかしながら、全体的な処理能力はシステムの量子ビットの数とともに増加するため、従来のスーパーコンピュータの能力を超える大容量プロセッサは、多数の量子ビットを管理しなければならず、したがって個々の量子ビット上で複数のパラメータにわたって外部制御を使用する従来のアプローチでは、量子ビットパラメータをプログラミングするための複雑なシステムが必要となる。
【0014】
このため、量子プロセッサのスケーラビリティは、量子ビットパラメータ制御システムの複雑さによって制限され、当該技術分野では、スケーラブルな量子ビットパラメータ制御システムを可能にするデバイスが必要とされている。
【0015】
デジタル-アナログコンバータ(DAC)
量子プロセッサは、量子効果を伴う計算を実行するための複数のプログラム可能なデバイスを提供する。プログラム可能なデバイスには、量子ビット、(プログラム可能に量子ビットを結合する)カプラ、及びそれらの構成要素が含まれる。プログラム可能なデバイスは、その動作に影響を与えるために印加される信号を介してプログラムされ、例えば、バイアス信号を磁束量子ビットに印加して、計算中にその磁束に影響を与え得る。
【0016】
そのような信号は、多くの場合、プログラマブルデバイスに印加される前に、変換及び/又はストレージを必要とする。例えば、古典的なコンピュータは、量子プロセッサ用のデジタル信号を生成することができ、それらのデジタル信号は、1つ以上のデジタル-アナログコンバータ(DAC)を介してアナログ形式に変換され得る。変換されたアナログ信号は、プログラム可能なデバイスに印加され得る。別の例として、信号(デジタルでもアナログでもよい)は、量子プロセッサによって計算前又は計算中に一度に受信され、信号が後でプログラマブルデバイスに印加されるまでDACを介して記憶され得る。DACには多くの応用があり、これらの目的のうちの1つ以上(すなわち、変換及び/又はメモリ)に、及び/又は他の目的に使用され得る。これら及び他の目的のためのDACの応用例は、例えば、米国特許第7,876,248号及び第8,098,179号に更に詳細に記載されている。
【0017】
超伝導量子プロセッサは、多くの場合、これら及び他の機能のための複数のDACを含む。そのようなDACは、一般にストレージインダクタ(例えば、超伝導磁気コイル)及びプログラム可能な結合要素を含む、磁束を蓄積する超伝導DAC(Φ-DACと呼ばれることもある)を含む。Φ-DACは、回路(例えば、ストレージインダクタ)の変化の磁束レートを利用して、それらの磁場にエネルギーを蓄積し、それによって実効インダクタンス(磁気インダクタンスと呼ばれることもある)を生成する。
【0018】
Φ-DAC設計は、プロセッサの設計に様々なコストを課し得る。例えば、典型的な設計に対して十分な磁束を保存できる磁気ストレージインダクタは、比較的大きいことが多く(及び、現在の技術を使用するいくつかの製造層を必要とする場合がある)、プロセッサ上の他の構成要素に利用できるスペースが制限され得る。更に、Φ-DACによって生成される磁場は強力であり、大幅なシールドが必要な場合がある。たとえシールドされている場合でも、Φ-DACは、プロセッサ上の他の磁束に敏感なデバイスとのクロストークを引き起こす可能性がある。なおも更に、少なくともいくつかのΦ-DAC設計では、製造のばらつきに特に敏感である。Φ-DAC設計の例については、例えば、Johnsonら、「A scalable control system for a superconducting adiabatic quantum optimization processor」、arXiv:0907.3757、及びBunykら、「Architectural considerations in the design of a superconducting quantum annealing processor」、arXiv:1401.5504に、より詳細に記載されている。
【0019】
このように、これらの欠点の少なくともいくつかを改善する超伝導DACを提供するためのシステム及び方法に対する一般的な要望が存在する。
【0020】
量子磁束パラメトロン
量子磁束パラメトロン(QFP)は、いくつかの点で化合物rf-SQUIDに類似する超伝導ジョセフソン接合デバイスである。特定のポテンシャルエネルギー曲線が、QFPデバイスで生成され得る。このポテンシャルエネルギー曲線は、中央のピーク又は「障壁」の高さが調整可能な「W」に似ている場合があり、中央の障壁のいずれかの側上にある2つのウェルの独立した深さも同様である。「量子」という用語がQFPデバイスの名前に現れるが、デバイスは、一般に、古典的な方法で動作される。要するに、中央の障壁の高さを迅速に上げることは、システムのエネルギー構成を大きく破壊すると古典的に信じられている。このように、ダンピング抵抗器が伝統的にQFP回路に組み込まれてエネルギーを放散するのを助け、システムを安定したエネルギー構成に戻す。これらのダンピング抵抗は、熱ノイズに特に敏感な任意のシステムに悪影響を与え得るプロセスである、過剰なエネルギーを熱の形態で散逸する。したがって、従来のQFP回路は、典型的に、超伝導量子プロセッサの要素など、熱ノイズに敏感なデバイスでの使用には適していない。
【0021】
スケーラビリティ
超伝導プロセッサ(米国特許第8,169,231号に記載されているNDROなど)の非散逸読み出し(NDRO)のデータレートは、プロセッサのサイズに関係なく一定である。その結果、アプローチは、大きなプロセッササイズ、例えば、多数の量子ビットを有する量子プロセッサ、又は多数のデバイスを有する古典的な超伝導プロセッサに対してスケーリングしない。
【0022】
NDRO線と関連ハードウェアを追加することによってデータレートを上げることができるが、このアプローチは多数の量子ビットに対して読み取り可能にスケーリングできない。
【0023】
追加のNDRO線は、冷蔵庫(すなわち、フリッジ)の熱負荷を増加させ、フリッジの基本温度を上昇させる。オンチップで駆動される電力が増加すると、チップの熱負荷が増加する可能性がある。プロセッサのパフォーマンスは低いチップ温度に依存し得るため、プロセッサのパフォーマンスと読み出し速度との間にトレードオフが存在し得る。更に、より多くの線を追加すると、ハードウェアのコストが増加する。
【0024】
超伝導量子プロセッサのパフォーマンスは、入力線の数と帯域幅によって制限され得る。例えば、いくつかの既存の実装では、超伝導量子プロセッサは、それぞれが30MHzの帯域幅を有する約200本の線を介してアクセスすることができる。入力線の数と帯域幅は、少なくとも部分的に、システムが量子プロセッサ上で新しい問題をエンコードできるレートを判定する。
【0025】
線の数及び帯域幅を増加することは、容易にスケーラブルなアプローチではない。より多くの線を追加すると、より大きなサンプルスペースの必要性、及びプロセッサチップの周辺部でのより多くのコンタクトパッドの必要性など、複数の要求がシステム上に発生し得る。線の数を増加すると、プロセッサの熱負荷もまた増加し得る。更に、線の数が増加すると、非熱光子の経路が更に広がる可能性がある。
【0026】
関連技術の前述の例、及びそれに関連する制限は、例示的であり、排他的ではないことが意図されている。関連技術の他の制限は、明細書を読んで図面を検討すると、当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
簡単な概要
アナログプロセッサの動作グラフよりも大きい(及び/又はそれによって少なくとも完全には提供されない)サイズ及び/又は接続性を有する少なくともいくつかの問題を処理できるようにする必要がある。少なくともいくつかの実装では、(例えば、プロセッサが提供するよりも多くの計算デバイス及び/又はより多くの/他のカプラを必要とするために)アナログプロセッサの作業グラフ内に収まらない表現を有する少なくともいくつかの問題グラフの計算を可能にする計算システム及び方法が記載されている。
【0028】
システムは、複数のサブアレイに配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1の2次元アレイであって、各サブアレイが複数の行、DACの第1の列、及びDACの第2の列を含む、第1の2次元アレイと、第1の2次元アレイの複数のサブアレイの各サブアレイの第1の列のDACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線と、第1の2次元アレイの複数のサブアレイの各サブアレイの第2の列のDACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿って各DACに近接して配置された第1の制御線と、を含むものとして要約することができる。
【0029】
DACの第1の2次元アレイの第1の対角線は、DACの第1の2次元アレイの複数のサブアレイにおける各サブアレイの複数の行、第1の列、及び第2の列の各行にわたって延在し得る。システムは、少なくとも複数のサブアレイに配置された複数のDACを含むDACの第2の2次元アレイであって、各サブアレイが複数の行、DACの第1の列、及びDACの第2の列を含む、第2の2次元アレイを更に含み、第1の電力線が、第2の2次元アレイの複数のサブアレイの各サブアレイの第2の列のDACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、第2の電力線が、第2の2次元アレイのサブアレイの第1の列のDACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、第1の制御線が、DACの第2の2次元アレイの第1の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイの第1の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている。DACの第1の2次元アレイの第1の対角線は、DACの第1の2次元アレイの複数のサブアレイにおける各サブアレイの複数の行、第1の列、及び第2の列の各行にわたって延在し得る。DACの第2の2次元アレイの第1の対角線は、DACの第2の2次元アレイの複数のサブアレイにおける各サブアレイの複数の行、第1の列、及び第2の列の各行にわたって延在し得る。第1の2次元アレイの第1の対角線は、第2の2次元アレイの第1の対角線に対して垂直であり得る。第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿った蛇行経路をたどってもよく、第1の制御線は、DACの第2の2次元アレイの第1の対角線に沿った蛇行経路をたどってもよい。第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿った蛇行経路をたどってもよく、第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイの第2の対角線に沿った蛇行経路をたどってもよい。システムは、DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線を更に含んでもよく、第2の制御線は、DACの第2の2次元アレイの第2の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイの第2の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている。システムは、第1のアレイの第2の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第3の制御線を更に含んでもよく、第3の制御線は、第2のアレイの第3の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第3の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている。システムは、DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第3の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線を更に含んでもよく、第2の制御線は、DACの第1の2次元アレイの第4の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第4の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている。システムは、第1のアレイの第2の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第3の制御線を更に含んでもよく、第3の制御線は、第1のアレイの第1の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第1の対角線に沿って各DACに近接して更に配置されている。システムには、n本の制御線及びP本の電力線が存在してもよく、DACの第1及び第2のアレイのそれぞれは、P(n-1)2個のDACを含んでもよい。システムは、1つの電力線及び2つの信号線を含むそれぞれのトリプレットを介してDACのうちの選択されたものに、通信可能に結合されて信号を供給させる制御回路を更に含み、トリプレットが単一のそれぞれのDACを動作させるために一意に通信可能に結合されている。第1の電力線は、DACの第1の2次元アレイの第3の列のDACに電流を選択的に供給するように結合されてもよく、第3の列は第1の列に隣接せず、第2の電力線は、DACの第1の2次元アレイの第4の列のDACに電流を選択的に供給するように結合されてもよく、第4の列は第2の列に隣接せず、第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの各DACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置されてもよい。システムは、第1の2次元アレイのDACではなく、第2の2次元アレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含む、少なくとも第2の2次元DACアレイを更に含んでもよく、第2の電力線が、DACの第2の2次元アレイの第3の列のDACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、第3の列が、DACの第2の2次元アレイの第1の列に隣接しておらず、第1の電力線が、DACの第2の2次元アレイの第4の列のDACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、第4の列が、DACの第2の2次元アレイの第2の列に隣接していない。システムは、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの各DACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置されている第2の制御線を、更に備えてもよい。第1の制御線及び第2の制御線は、DACを共通にせずに、異なるDACに動作可能に近接して配置することができる。第1の制御線及び第2の制御線は、DACのうちの同じ少なくとも1つに、その少なくとも1つのDACを共通にして、動作可能に近接して配置することができる。
【0030】
システムにおける動作方法は、複数のサブアレイに配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1の2次元アレイであって、各サブアレイが、複数の行、第1の列、及びDACの第2列を含む、第1の2次元アレイと、第1の2次元アレイの複数のサブアレイの各サブアレイの第1の列のDACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線と、第1の2次元アレイの複数のサブアレイの各サブアレイの第2の列のDACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第1の対角線に沿って各DACに近接して配置された第1の制御線と、DACの第1の2次元アレイの第2の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第2の対角線に沿って各DACに近接して配置された第2の制御線と、を備えるシステムにおいて、方法が、第1の期間中に、同時に、第1の電力線を介して第1のDACに信号を印加することと、第1の制御線を介して第1のDACに信号を印加することと、第2の制御線を介して第1のDACに信号を印加することと、を含むものとして要約することができる。
【0031】
システムは、第1のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1のアレイと、第1のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線であって、第1の列のDACが第1の配置に配置されており、第1のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合され、第2の列のDACが第2の配置に配置されている、第1の電力線と、第1のアレイの第1の列及び第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されている第1の制御線と、第1のアレイの第1の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されている第2の制御線と、第1のアレイの第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されている第3の制御線と、を含むものとして要約することができる。
【0032】
システムは、第1の配置に配置されたDACの第3の列であって、第1のアレイの第1の列と第2の列との間に挿入された、第3の列と、第2の配置に配置されたDACの第4の列であって、第1のアレイの第2の列に隣接している、第4の列と、第1のアレイの第3の列及び第4の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、を更に含んでもよく、第1の制御線が、第1のアレイの第3の列及び第4の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第3の列及び第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第2の制御線が、第1のアレイの第3の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第3の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第3の制御線が、第1のアレイの第4の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。システムは、第1の配置に配置されたDACの第5の列であって、第1のアレイの第3の列と第2の列との間に挿入された、第5の列と、第2の配置に配置されたDACの第6の列であって、第1のアレイの第4の列に隣接している、第6の列と、第1のアレイの第5の列及び第6の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第3の電力線と、を更に含んでもよく、第1の制御線が、第1のアレイの第5の列及び第6の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第5の列及び第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第2の制御線が、第1のアレイの第5の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第5の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第3の制御線が、第1のアレイの第6の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。システムは、第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、第2の列と、第1の配置に配置されたDACを含む第1のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、第2の配置に配置されたDACを含む第1のアレイの列のサブセットに隣接する、第2の追加の列と、第1のアレイの第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に含んでもよく、第1の制御線が、第1のアレイの第1の追加の列及び第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第2の制御線が、第1のアレイの第1の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第3の制御線が、第1のアレイの第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。システムは、少なくとも、第1のアレイ内のDACではなく、第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むDACの第2のアレイを更に含んでもよく、第1の電力線が、第2のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、第1の列のDACが、第1の配置に配置されており、第1の電力線が、第2のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように、更に結合されており、第2の列のDACが、第2の配置に配置されており、第2の制御線が、第2のアレイの第2の列の各DACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、第4の制御線が、第2のアレイの第1の列及び第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、第5の制御線が、第2のアレイの第1の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。システムは、第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、第2のアレイの第2の列と、第1の配置に配置されたDACを含む第2のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、第2の配置に配置されたDACを含む第2のアレイの列のサブセットに隣接する、第2の追加の列と、第2のアレイの第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に含んでもよく、第2の制御線が、第2のアレイの第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第4の制御線が、第2のアレイの第1の追加の列及び第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第5の制御線が、第2のアレイの第1の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。システムは、第3のアレイを更に含んでもよく、ここで第4の制御線は、第3のアレイの第1の制御線に電気的に結合されている。システムは、第3のアレイを更に含んでもよく、ここで第5の制御線は、第3のアレイの第3の制御線に電気的に結合されている。システムは、第1のアレイのDACではなく、第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含む、少なくとも第2のDACのアレイを更に含んでもよく、第1の電力線が、第2のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、第1の制御線が、第2のアレイの第1の列及び第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、第4の制御線が、第2のアレイの第1の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、第5の制御線が、第2のアレイの第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイの第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。システムは、第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、第2の列と、第2のアレイの第1の配置に配置されたDACを含む列のサブセットとの間に挿入された第1の追加列と、第1の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、第2のアレイの第2の配置に配置されたDACを含む列のサブセットに隣接する第2の追加の列と、第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に含んでもよく、第1の制御線が、第1の追加の列及び第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第4の制御線が、第1の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、第5の制御線が、第2の追加の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。システムは、第3のアレイを更に含んでもよく、ここで第4の制御線は、第3のアレイの第3の制御線に電気的に結合されている。システムは、第3のアレイを更に含んでもよく、ここで第5の制御線は、第3のアレイの第2の制御線に電気的に結合されている。システムには、合計でn本の制御線及びP本の電力線によって制御されるn(n-1)P個のDACが存在してもよい。システムには、合計でP本の電力線が存在してもよく、第1のアレイは2P個のDACを含む。システムは、1つの電力線及び2つの信号線を含むそれぞれのトリプレットを介してDACのうちの選択されたものに、通信可能に結合されて信号を供給させる制御回路を更に含み、トリプレットが単一のそれぞれのDACを動作させるために一意に通信可能に結合されている。
【0033】
システムにおける動作方法は、第1のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むデジタル―アナログコンバータ(DAC)の第1のアレイと、第1のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線であって、第1の列のDACが第1の配置に配置され、第1のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合され、第2の列のDACが第2の配置に配置された、第1の電力線と、第1の配置に配置されたDACの第3の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線であって、第3の列が第1のアレイの第1の列と第2の列との間に挿入され、第2の配置に配置されたDACの第4の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合され、第4の列が第1のアレイの第2の列に隣接している、第2の電力線と、第1のアレイの第1の列及び第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第1の制御線であって、第1のアレイの第3の列及び第4の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第3の列及び第4の列の各DACに動作可能に近接して配置もされている、第1の制御線と、第1のアレイの第1の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置された第2の制御線であって、第1のアレイの第3の列の各DACと通信可能に結合するように、第1のアレイの第3の列の各DACに動作可能に近接して配置もされている、第2の制御線と、を備えるシステムにおいて、方法が、第1の期間中に、同時に、第1の電力線を介して第1のDAC及び第2のDACに信号を印加することと、第2の電力線を介して第3のDAC及び第4のDACに信号を印加することと、第1の制御線を介して、第1、第2、第3、及び第4のDACに信号を印加することと、第2の制御線を介して、第1、第2、第3、及び第4のDACに信号を印加することと、を含むものとして要約することができる。
【0034】
システムは、N本の制御線と、P本の電力線と、複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)であって、複数のDACの各DACが、それぞれの材料のループと、それぞれのループを中断し、材料のループ内で電気的に互いに並列に結合されたジョセフソン接合のそれぞれのペアとを含む、複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)と、編組構成に配置され、複数のDACのDACに通信可能に結合された複数の制御線と、含み、複数のDACにおけるDACの合計が、信号線のそれぞれのトリプレットによって伝搬される信号を介して制御される信号線のそれぞれのトリプレットに通信可能に結合されたN(N-1)P個のDACを含む、ものとして要約することができる。
【0035】
各DACは、信号線のそれぞれのトリプレットを介して制御することができ、各トリプレットは、2つの制御線と電力線のうちの1つとの一意の組み合わせを含む。
【0036】
図面の幾つかの見方の簡単な説明
特許又は出願ファイルには、カラーで作成された図面が少なくとも1つ含まれている。この特許のコピー、又はカラー図面を有する特許出願公開は、要求に応じ、且つ必要な手数料の支払いにより、特許庁によって提供される。図面では、同一の参照番号は同様の要素又は行為を識別する。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、様々な要素の形状、及び角度は、必ずしも縮尺どおりに描かれておらず、これらの要素のいくつかは、図面の読みやすさを向上させるために任意に拡大及び配置されている場合がある。更に、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する情報を伝えることを必ずしも意図するものではなく、図面における認識を容易にするために単に選択されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、少なくとも1つの例示された実装による、様々な論理デバイスを組み込み、及び/又は本明細書に記載された様々なアドレス指定アプローチを実装することができる、デジタルコンピュータ及び量子コンピュータを含むハイブリッドコンピューティングシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)のセットに通信可能に結合された量子磁束パラメトロン(QFP)ベースのシフトレジスタを示す概略図である。
【
図3】
図3は、少なくとも1つの例示された実装による、複数の中間QFPを介してデジタル-アナログコンバータ(DAC)のセットに通信可能に結合された量子磁束パラメトロン(QFP)ベースのシフトレジスタを示す概略図である。
【
図4】
図4は、少なくとも1つの例示された実装による、
図2又は
図3のQFPベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、少なくとも1つの例示された実装による、
図4の方法の特定の実装であり得る、QFPベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法を示す。
【
図6】
図6は、少なくとも1つの例示された実装による、
図4の方法の一般化であり得る、QFPベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法を示す。
【
図7A】
図7Aは、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)に結合された、ラッチ制御量子磁束パラメトロンデマルチプレクサ(QFP-デマルチプレクサ)回路を示す。
【
図7B】
図7Bは、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)に結合された、ボディ磁束(アドレス)制御量子磁束パラメトロンデマルチプレクサ(QFP-デマルチプレクサ)回路を示す。
【
図8】
図8は、少なくとも1つの例示された実装による、
図7Aのラッチ制御QFP-デマルチプレクサ回路に関連付けられた信号のプロットのグラフである。
【
図9】
図9は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)にアドレス指定する3接合2ループ磁束ポンプを示す。
【
図10】
図10は、少なくとも1つの例示された実装による、
図9の3接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターンに対する最端接合の印加された磁束波形及びジョセフソン位相のプロットを示すグラフである。
【
図11】
図11は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)にアドレス指定する4接合3ループ磁束ポンプ回路の概略図である。
【
図12】
図12は、少なくとも1つの例示された実装による、
図11の4接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターンに対する最端接合の印加された磁束波形及びジョセフソン位相のプロットを示すグラフである。
【
図13】
図13は、少なくとも1つの例示された実装による、複数のアドレス線を介して、それぞれのデジタル-アナログコンバータ(DAC)をアドレス指定する8セットの4接合3ループ磁束ポンプ回路の概略図である。
【
図14】
図14は、少なくとも1つの例示された実装による、
図11の4接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターンに対する最端ジョセフソン接合の印加された磁束波形及びジョセフソン位相のプロットを示すグラフである。
【
図15】
図15は、少なくとも1つの例示された実装による、複数の多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプの動作方法のフロー図である。
【
図16A】
図16Aは、少なくとも1つの例示された実施形態による、複数の多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプの動作方法のフロー図である。
【
図16B】
図16Bは、少なくとも1つの例示された実装による、
図11の4接合2ループ磁束ポンプをリセットするための最端ジョセフソン接合の印加された磁束波形及びジョセフソン位相のプロットを示すグラフである。
【
図17A】
図17Aは、少なくとも1つの例示された実装による、4セットのデジタル-アナログコンバータ(DAC)、各DACを個別にアドレス指定するように配置された複数の信号線、及びそれぞれの信号線のトリプレットを介してDACのうちの選択されたものに信号を供給させるように通信可能に結合された制御回路、の概略図である。
【
図17B】
図17Bは、
図17Aの4セットのデジタル-アナログコンバータ(DAC)及び制御線の概略図であり、DACのセットにわたる編組制御線の方向を表す複数の対角線を更に示している。
【
図18A】
図18Aは、DACのそれぞれの列に電流を供給する電力線、及び2つのアレイを電気的に結合する制御線の配置を示す、デジタル-アナログコンバータ(DAC)の2つのアレイの概略図である。
【
図18B】
図18Bは、DACのそれぞれの列に電流を供給する電力線、及びそれぞれのアレイにフィードバックする制御線の配置を示す、デジタル-アナログコンバータ(DAC)の2つのアレイの概略図である。
【
図18C】
図18Cは、
図18A及び
図18Bのデジタル-アナログコンバータ(DAC)の2つのアレイ及び信号線の概略図であり、編組制御線の方向を表す複数の対角線を更に示している。
【
図19】
図19は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)のカルテット、電力線、及び3つの制御線の概略図である。
【
図20】
図20は、DACの複数の列にわたる3つの制御線の配置を示す、デジタル-アナログコンバータ(DAC)のアレイの概略図である。
【
図21】
図21は、
図20の複数のアレイの概略図であり、複数のアレイにわたる複数の制御線及び3つの電力線の配置を示している。
【
図22】
図22は、少なくとも1つの例示された実装による、DACの2次元のセット(例えば、順序付けられたアレイ)内のDACを個別にアドレス指定するために制御線の編組配置を使用する動作方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
以下の記載では、様々な開示された実装の完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が説明されている。しかしながら、当業者であれば、1つ以上のこれらの特定の詳細なしで、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて、その実装を実施できることを認識するであろう。他の例では、コンピュータシステム、サーバコンピュータに関連する周知の構造、及び/又は通信ネットワークは、実装の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細に示されていないか、又は記載されていない。この明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、「要素」及び「要素(複数)」という用語は、コンピュータシステム、サーバコンピュータ、通信ネットワーク、超伝導回路、及び共振器に関連する全てのそのような構造、システム、及びデバイスを包含するように使用されているが、これらに限定されない。
【0039】
コンテキストが他を必要としない限り、明細書及びそれに続く特許請求の範囲を通じて、「備える」という用語は「含む」と同義であり、包括的又はオープンエンドである(すなわち、追加の非引用の要素又は方法行為を除外しない)。
【0040】
この明細書を通して「1つの実装」又は「実装」への参照は、実装に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通して様々な場所での「1つの実装では」又は「実装では」というフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実装を参照するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実装において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。
【0041】
この明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明らかにそうでないと示されない限り、複数の指示対象を含む。また、「又は(or)」という用語は、文脈から明らかにそうでないと示されない限り、「及び/又は(and/or)」を含む意味で一般に使用されていることに留意されたい。
【0042】
本明細書で提供される見出し及び開示の要約は、便宜上のためだけのものであり、実装の範囲や意味を解釈するものではない。
【0043】
古典的な電気回路では、複雑で精巧な動作は、トランジスタなどの単純なスイッチングデバイスの特定の配置によって実行され得る。そのような配置の例には、シフトレジスタ、メモリアレイ、加算器、フリップフロップなどが含まれる。超伝導エレクトロニクス、特に超伝導量子コンピューティングの進化する分野では、これらの各配置の超伝導アナログを実装する回路を開発することが不可欠である。これらの配置は、単純なスイッチングデバイスを使用して同様に構築することができるが、トランジスタなどの従来のスイッチングデバイスは、超伝導領域では適切ではない。したがって、多くの超伝導システムでは、多くの他の回路と動作を実現できる基本的な超伝導論理デバイスを確立することが重要である。
【0044】
特に興味深い超伝導エレクトロニクスの応用は、量子コンピューティングの分野にある。超伝導回路は、巨視的なスケールで量子効果を利用することができ、いくつかの代替手段よりもはるかに扱いやすい量子計算の実装用のメカニズムを提供する。説明したように、量子計算の基本単位は量子ビットである。超伝導量子ビットは、超伝導磁束量子ビットを含む様々な形態で現れ得る。超伝導磁束量子ビットは、ジョセフソン接合として知られる少なくとも1つのスイッチングデバイスを含む超伝導ループの形態で実現され得る。次いで、量子プロセッサは、そのような超伝導磁束量子ビットをいくつでも含み得る。したがって、そのような量子プロセッサを実装する際に、そのようなデバイスの動作をしっかりと理解するとともに、多数の超伝導磁束量子ビットを製造するための技術が開発され得る。本システム、方法、及び装置は、量子プロセッサにおける超伝導スイッチングデバイスとしての基本的な超伝導磁束量子ビット構造の使用について説明する。例示的な実施形態では、超伝導磁束量子ビットの配置は、超伝導量子プロセッサにおける超伝導磁束ベースのシフトレジスタとして実装され得る。
【0045】
この開示は、超伝導デジタル-アナログコンバータ(DAC)を含む超伝導量子プロセッサに関する。DACは、エネルギーを蓄積するために運動インダクタンスを使用するエネルギーストレージ要素を備える。シングルループ及びマルチループ(又は「カスケード」)DAC設計は、様々な実装で開示されている。蛇行レイアウト及び/又はガルバニック結合の実装を含む、薄膜エネルギーストレージ要素、及び動的インダクタンスを提供するジョセフソン接合ベースのエネルギーストレージ要素の実装が開示されている。
【0046】
用語DACは全体を通して使用されているが、説明されているデバイスは、デジタル信号のアナログ信号への変換に必ずしも制限されない様々な目的に使用することができる(及びいくつかの実装では、そのような変換をまったく伴わない)ことが理解されよう。例えば、上述のように、超伝導DACは、一定期間信号を記憶するために量子プロセッサによって使用されてもよい(例えば、それによってメモリの形態として動作する)。
【0047】
読者の理解を支援するために、超伝導量子プロセッサの例の動作が以下に説明されている。これにより、超伝導DACが動作し得るコンテキストを提供し、そのようなDACの少なくともいくつかの例示的な機能を示す。
【0048】
例示的なハイブリッドコンピューティングシステム
図1は、様々な論理デバイスを組み込み、及び/又は本明細書に記載された様々なアドレス指定アプローチを実装し得る、古典的な、又はデジタルコンピュータ102及び量子コンピュータ104を含む、少なくとも1つの例示的な実装によるハイブリッドコンピューティングシステム100を示す。
【0049】
デジタルコンピュータ102は、1つ以上のデジタルプロセッサ106、例えば1つ以上のシングルコア若しくはマルチコアマイクロプロセッサ、セントラルプロセッサユニット(CPU)、グラフィックプロセッサユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)、を備える。デジタルコンピュータ102は、1つ以上のユーザインターフェース構成要素、例えば1つ以上のディスプレイ108a、ポインタデバイス108b(例えば、コンピュータマウス、トラックボール)、及びキーパッド又はキーボード108c、まとめて108、を含み得る。デジタルコンピュータ102は、1つ以上の非一時的なコンピュータ又はプロセッサ可読媒体、例えば1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、スタティックメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM))110、及び/又は1つ以上のストレージデバイス(例えば、磁気ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、及び/又はフラッシュドライブ)112、を含み得る。デジタルコンピュータ102は、量子コンピュータ104とインターフェースする1つ以上の量子コンピュータ制御サブシステム114を含み得る。プロセッサ106、メモリ110、ストレージ112、及び量子コンピュータ制御サブシステム114は、1つ以上の通信チャネル、例えば1つ以上のバス(例えば、電力バス、通信バス、命令バス、アドレスバス)116を介して通信可能に結合され得る。
【0050】
非一時的コンピュータ又はプロセッサ可読媒体、例えば1つ以上のメモリ110は、1つ以上のプロセッサ106によって実行されるとプロセッサ106に本明細書で説明した様々なアルゴリズムの1つ以上を実行させる、プロセッサ実行可能命令及びデータを記憶する。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、ブートアップ時に動作するようにデジタルコンピュータ102を構成する、基本的な入出力システムの命令セット又は「モジュール」118aを含み得る。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、動作のためにデジタルコンピュータ102を構成する、例えば、様々なファイル管理サービス及びユーザインターフェースサービスを提供する、オペレーティングシステムの命令セット又は「モジュール」118bを含み得る。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、他のコンピュータによる情報及びサービスへのアクセスを提供するサーバとして動作するためのデジタルコンピュータ102を構成する、命令のサーバセット又は「モジュール」118cを含み得る。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、問題を問題グラフに変換し、及び/又は量子コンピュータ104によって生成された潜在的なソリューションを後処理することに関連する様々な計算を実行するようにデジタルコンピュータ102を構成する、計算の命令セット又は「モジュール」118dを含み得る。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、問題グラフからハードウェアグラフに問題をマッピングして実行のための量子コンピュータ104の量子プロセッサ120に埋め込むようにデジタルコンピュータ102を構成する、量子プロセッサの命令セット又は「モジュール」118dを含み得る。プロセッサ実行可能命令及びデータは、例えば、量子コンピュータ104からの問題に対する潜在的なソリューションの読み出しに関連付けられた様々な読み出し機能を実行するようにデジタルコンピュータ102を構成する、読み出しの命令セット又は「モジュール」118fを含み得る。
【0051】
量子コンピュータ104は、通常、複数の量子ビット及び複数のカプラを含み、各カプラが量子ビットのそれぞれの対を結合するように選択的に動作可能である、量子プロセッサ120を備える。量子コンピュータ104は、例えば、様々なインターフェース、すなわち磁束を量子ビットに選択的に結合する誘導性インターフェースを介して、量子ビットのそれぞれを制御するように動作可能に結合された量子ビット制御システム122を含む。量子コンピュータ104は、例えば、様々なインターフェース、すなわち磁束をカプラに選択的に結合してカプラの結合の強度又は「結合強度」を設定する誘導性インターフェースを介して、カプラのそれぞれを制御するように動作可能に結合されたカプラ制御システム124を含む。量子コンピュータ104は、各量子ビットの状態を読み出すように動作可能な様々なインターフェースを制御するように動作可能に結合された読み出し制御システム126を含む。
【0052】
本明細書では、そのようなに実装するための様々なそれぞれのシステム、構成要素、構造、及びアルゴリズムについて説明する。説明されるシステム、構成要素、構造、及びアルゴリズムの多くは個別に実装されてもよく、一部が互いに組み合わせられて実装されてもよい。
【0053】
量子磁束パラメトロン(QFP)ベースのシフトレジスタ
既存のシステムは、X-Y-Zアドレス指定方式に依存してDACをアドレス指定し、Zは便宜上電力と称され(C2サイズプロセッサの全てのDACステージは直列に接続されている)、X信号及びY信号は便宜上アドレス(ADDR)及びトリガ(TRIG)と称される。C2ブロックの電源を入れ、ADDRをアサートし、TRIGを数回トグルすることにより、対応する数のパルスが一意に選択された1つのDACステージに書き込まれる。このアドレス指定方式は、数千の量子ビットレベル(例えば、8,000又は16,000)を処理できる。例えば100,000量子ビット以上の次の複雑さレベルに進むには、数行だけを使用してDACに長いビットストリームを書き込みことによって、データをPMMに直列にロードする方法を使用することができる。SFQベースのシフトレジスタはオンチップで消費する電力が多すぎるため、QFPベースの方式を使用することが好ましいであろう。
【0054】
少なくとも1つの既存のアプローチでは、ADDR及びTRIGのそれぞれは、Φ
0の約1/4(ここで、Φ
0は超伝導磁束量子である)を提供し、選択されたDACステージでは(ここで、ADDR及びTRIGは磁束の方向で一致し、DACステージがパワーアップされる)、切り替わるとΦ
0合計信号の約1/2が見え、対応するDACストレージインダクタに別の単一の磁束量子(SFQ)が挿入される。原則として、これらの信号のうちの1つ(例えばADDR)は、専用の室温線からではなく、QFPステージによって磁気的に、又はDACステージの半分に結合されたQFPシフトレジスタに磁気的に接続されている場合にはガルバニックに、供給され得る。2つの可能な配置が、
図2及び3に示されている。特に、
図2は、QFP-SRステージに磁気的に結合されたDACを示し、一方、
図3は、磁束増幅器として機能し、追加の接合/ボディフットプリントを使ってDACにより多くの信号を提供する、DACにガルバニックに結合された追加のQFPを示す。全てのDACが(POWER線を介して)直列に接続されているため、QFPシフトレジスタ(QFP-SR)がステージ間にガルバニック接続を有する場合には、可能な磁束オフセットが存在する際にマージンを向上できることが望ましく、DACとQFP-SRとの間のどこかに(効率がより悪い)磁気接続であるはずである。
【0055】
図2は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)202a、202b(2つのみ示す、まとめて202)のセットに通信可能に結合されている量子磁束パラメトロン(QFP)ベースのシフトレジスタ200を示す。
【0056】
QFPベースのシフトレジスタは、複数のQFPベースのシフトレジスタ要素204a、204b、204c(3つのみコールアウトされている、まとめて204)、及びDACのセット202のDAC202a、202bに誘導的又はガルバニックのいずれかで結合するインダクタラダー回路206を含む。
【0057】
QFPそれぞれのベースのシフトレジスタ要素204は、それぞれが、材料のループ208、それぞれの材料のループ208を中断する一対のジョセフソン接合210a、210b(2つがコールアウトされている、まとめて210)、及びそれぞれのインターフェース212、例えば誘導性インターフェースを含む、それぞれのQFPである。材料のループ208は、臨界温度で超伝導を起こすものであり得る。インターフェース212は、アドレス線214(1つのみコールアウトされている)からの信号(例えば、磁束)を通信可能に結合するように配置され得る。QFPベースのシフトレジスタ200は、DACのセット202のDAC202aごとに、少なくとも3つのQFPレジスタ要素204a、204b、204cを含むことが好ましい。
【0058】
インダクタラダー回路206は、一対のレール216a、216bと、「ラング」としてレール216a、216bを横切って結合された互いに平行な複数のインダクタ218(1つのみコールアウトされている)とを有する、材料の導電経路216を含む。インダクタラダー回路206はまた、DAC202aの相補的インターフェース222(1つのみコールアウトされている)を介して信号(例えば、磁束)をそれぞれのDAC202a、202bに通信可能に結合するように配置された複数のインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)220(1つのみコールアウトされている)を含む。材料の導電経路216は、臨界温度で超伝導を起こす経路であり得る。
【0059】
DAC202のセットのDAC202a、202bのそれぞれは、それぞれの材料のループ224(1つのみコールアウトされている)、及びそれぞれの材料のループを中断するジョセフソン接合226a、226bのそれぞれのペア(1つのペアのみコールアウトされている)を含み、ジョセフソン接合226a、226bは、電力線232を有する材料のループ224の電気接続225aと225bとの間に電気的に並列に結合されている。DACのセット202のDAC202a、202bのそれぞれは、それらに信号を結合するための、例えば誘導性インターフェースなどの複数のインターフェース222、228、230を含む。DACのセット200のDAC202a、202bのそれぞれは、磁束量子の変数を記憶するために、3つの信号のトリプレットによって、連続した回数、独立してアドレス指定可能である。3つの信号のトリプレットは、QFPベースのシフトレジスタ200のQFPベースのシフトレジスタ要素204を介して受信される第1の信号、電力線232を介して受信される第2の信号、及びトリガ線234を介して受信される第3の信号を含む。
【0060】
制御回路236は、電力線232、トリガ線234、及びアドレス線214に信号を印加するように通信可能に結合されている。制御回路236は、電力線232、トリガ線234、及びアドレス線214に信号を印加して、DAC202a、202bのうちの選択されたものに情報(例えば、複数の磁束量子)をロードする。
【0061】
DACの第1のセット202及び第1のシフトレジスタ200として示されているが、DACの追加のセット及び追加の関連するシフトレジスタを使用することができる。
【0062】
図3は、少なくとも1つの例示された実装による、複数の中間QFP340a、340b(2つのみ示す、まとめて340)を介してDAC202a、202bのセット(2つのみ示す、まとめて202)に通信可能に結合された、QFPベースのシフトレジスタ200を示す。
【0063】
図3に示されている構造の多くは、
図2に示されているものと類似又は全く同一であり、したがって同じ参照番号で称されている。簡潔に、したがって明確にするために、
図3と
図2との重要な違いのみを直下で説明する。
【0064】
中間QFP340a、340bは、DACの第1のセット202のそれぞれのDAC202a、202bにガルバニックに結合するQFP磁束増幅器として動作する。QFP340a、340bのそれぞれは、それぞれの材料のループ342(1つのみコールアウトされている)、及びそれぞれのループ342を中断するジョセフソン接合344a、344bのそれぞれのペア(1つのペアのみコールアウトされている)を含む。QFP340a、340bのそれぞれは、それに信号を通信可能に結合するためのそれぞれのインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)346(1つのみコールアウトされている)を含む。それぞれの材料のループ342は、臨界温度において超伝導を起こし得る。QFP340a、340bのそれぞれは、DAC202a、220bのうちのそれぞれ1つと、インダクタラダー回路206を介してQFPベースのシフトレジスタ200のQFPベースのシフトレジスタ要素204a、204b、204cとの間に通信的に(例えば、ガルバニックに、又は誘導的に)結合される。
【0065】
図4は、少なくとも1つの例示された実装による、QFPベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法400を示す。方法400は、例えば、
図2のQFPベースのシフトレジスタ200又は
図3のQFPベースのシフトレジスタ300と共に使用され得る。
【0066】
方法400は、例えば、電力の印加、問題の提出、要求、又は例えばコールルーチン若しくはプログラムによる呼び出しに応じて、402において開始する。
【0067】
404において、制御回路は、DACの第1のセットの全てのDACをリセットする。全てのDACをリセットするために、制御回路は、トリガ線への、又はトリガ線を介して信号の印加を繰り返し生じさせて、ストレージインダクタの全ての磁束を解放してもよい。
【0068】
406において、制御回路は、磁束の量子が追加されるそれぞれのDACステージに結合された第1の数のQFPベースのシフトレジスタに、第1の方向(例えば、時計回り)に永久電流を印加させる。408において、制御回路は、磁束の量子がロードされないそれぞれのDACステージに結合された第2の数のQFPベースのシフトレジスタに、反対方向(例えば、反時計回り)に永久電流を印加させる。
【0069】
410において、制御回路は、電力線へ信号を印加させる。412において、第1の時間回数の間、制御回路は、トリガ線へ信号を印加させ、ここで第1の時間回数は追加される磁束の量子の総数に少なくとも比例している。典型的に、第1の時間回数は、ロードされる磁束の量子の総数に等しい。したがって、トリガ線TRIGは、選択されたQFPステージの時計回りの電流に加えられ、選択されていないステージの反時計回りの電流から差し引かれる極性でパルスされてもよく、合計回数は書き込まれるパルス数に等しく、それによってストレージインダクタのSFQ量子の数を増加させる。414において、制御回路が、第1の時間回数の間、信号がトリガ線にまだ印加されていないと判定した場合、方法400は412に戻る。
【0070】
414において、制御回路が、第1の時間回数の間、信号がトリガ線に印加されたと判定すると、方法400は、コールされるか再度呼び出されるまで、416において終了する。或いは、方法400は、継続的に動作することができる。
【0071】
図5は、少なくとも1つの例示された実装による、QFP-ベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法500を示す。方法500は、方法400(
図4)の特定の実装であり得る。方法500は、例えば、
図2のQFP-ベースのシフトレジスタ200又は
図3のQFP-ベースのシフトレジスタ300と共に使用され得る。
【0072】
方法500は、例えば、電力の印加、問題の提出、要求、又は例えばコールルーチン若しくはプログラムによる呼び出しに応じて、502において開始する。
【0073】
504において、制御回路は、DACにロードされる磁束の複数の量子に基づいて、全てのDACをソートする。506において、制御回路は、全てのDACをリセットさせる。全てのDACをリセットするために、制御回路は、トリガ線への、又はトリガ線を介して信号の印加を繰り返し生じさせてもよい。
【0074】
508において、制御回路は、磁束の少なくとも1つの量子がロードされるそれぞれのDACステージに結合される複数のQFPベースのシフトレジスタに、第1の方向(例えば、時計回り)に永久電流を印加させる。510において、制御回路は、磁束の1つ未満の量子がロードされるそれぞれのDACに結合される複数のQFPベースのシフトレジスタステージに、反対方向(例えば、反時計回り)に永久電流を印加させる。512において、制御回路は、電力線へ又は電力線を介して信号を印加させる。514において、制御回路は、トリガ線へ又はトリガ線を介して信号を印加させる。
【0075】
516において、制御回路はその後、少なくとも2つの磁束の量子がロードされるそれぞれのDACに結合された複数のQFPベースのシフトレジスタに、第1の方向に永久電流を印加させる。518において、制御回路は、2つ未満の磁束の量子がロードされるそれぞれのDACに結合された第2の数のQFPベースのシフトレジスタに、反対方向に永久電流を印加させる。520において、制御回路は、電力線へ信号を印加させる。522において、制御回路はその後、トリガ線へ又はトリガ線を介して信号を印加させる。
【0076】
方法500は、例えばコールされるか再度呼び出されるまで、524において終了する。
【0077】
図6は、少なくとも1つの例示された実装による、QFPベースのシフトレジスタを使用する回路の動作方法600を示す。方法600は、方法400(
図4)の一般化であり得る。方法600は、例えば、
図2のQFPベースのシフトレジスタ200又は
図3のQFPベースのシフトレジスタ300と共に使用され得る。
【0078】
プログラミング(例えば、数万量子ビット、1量子ビットあたり8個のDAC、1量子ビットあたり16個のDACステージのプログラミング)時間を節約するために、DACステージは最初に、それぞれのステージに追加されるパルス数(最大で、例えば約20個の単一磁束量子(MAXSFQ)まで)によって、ソートすることができる。したがって、同じ目標パルス数を有する多くのステージが存在する可能性がある。例えば、あるステージでは1パルスが必要な場合があり、あるステージでは2パルスが必要な場合があり、ある他のステージでは3パルスが必要な場合があるなど、20パルスを必要とするあるステージまで。最初に、少なくとも1つのパルスを必要とするステージが選択され、TRIGが1回パルスされる。新しいパターンでは、SFQが1つだけ必要なステージが選択解除され、TRIGが2回パルスされる。特に、他の全てのステージでは、3つ以上のSFQが必要である。これは、20個のSFQを必要とするステージのみが残り、その後これらが選択されて満たされるまで続く。最悪ケースのシナリオのこのプロセスでは、QFP-SR全体が新しい「シリアルプログラム」をプロセッサ上に書き込むために、最大MAXSFQの再プログラミングサイクルが必要である。このプロセスでは、QFP-SRをより短いセクションに分割することにより、更に高速化でき、わずかに多くの線が室温になる。
【0079】
QFP-SRはまた、データを量子ビットに近づけてそれらのDACをプログラムするための別の構造を使用するのではなく、NDROを用いた量子ビット読み出しに使用できる。信頼性のために、単一の長いシフトレジスタの代わりに、シフトレジスタステージのグリッド又はアレイを使用してもよい。このように、QFP-SRを通って全てのポイントに到達する可能性のある複数の経路が存在し、QFP-SRは、障害が発生したデバイスのいくらかの割合を許容できる。
【0080】
方法600は、例えば、電力の印加、問題の提出、要求、又は例えばコールルーチン若しくはプログラムによる呼び出しに応じて、602において開始する。
【0081】
604において、制御回路は、DACにロードされる磁束の複数の量子に基づいて、全てのDACステージをソートする。606において、制御回路は、全てのDACをリセットさせる。全てのDACをリセットするために、制御回路は、トリガ線への、又はトリガ線を介して信号の印加を繰り返し生じさせてもよい。
【0082】
整数iが、1に等しいiから、プログラムされる磁束nの量子の最大数に倍加される場合、制御回路は、608において少なくともi個の量子の磁束がロードされるそれぞれのDACステージに結合される複数のQFPベースのシフトレジスタに、第1の方向(例えば、時計回り)に永久電流を印加させる。610において、制御回路がi<nと判定した場合、方法600の制御は608に戻る。610において、制御回路がi=nと判定した場合、方法600の制御は612に進む。
【0083】
制御回路はまた、612においてi量子未満の磁束がロードされるそれぞれのDACに結合された複数のQFPベースのシフトレジスタに、反対方向(例えば、反時計回り)に永続電流を印加させる。614において、制御回路がi<nと判定した場合、方法600の制御は612に戻る。614において、制御回路がi=nと判定した場合、方法600の制御は616に進む。
【0084】
616において、制御回路は、電力線へ又は電力線を介して信号を印加させる。618において、制御回路は、トリガ線へ又はトリガ線を介して信号を印加させる。磁束nの量子の最大数は、例えば、18~22であり得る。
【0085】
方法600は、例えばコールされるか再度呼び出されるまで、620において終了する。
【0086】
量子磁束パラメトロン(QFP)デジタル-アナログコンバータ(DAC)
全てのパラメータで4ビット制御を達成するために、以前の量子プロセッサ設計と比較して励起状態の熱占有をいくらか低減させて、永久磁石メモリ(PMM)の信頼性を向上させ、全体的なエネルギースケールをより高めることが望ましい場合がある。大規模な統合スケールでは、パフォーマンスは、4ビット制御、熱占有、及び(エネルギースケールを低減してプロセッサの実行時間を補償及びスローダウンさせることによって熱占有を増加させる)量子ビットIpの非線形性によって制限され得る。
【0087】
本明細書では、量子ビットのパフォーマンスを改善し(例えば、長さの縮小により、量子ビットIpの非線形性が改善されてデバイスの高速化につながる)、キャリブレーションを高速化し(例えば、読み出し又はPMMからのチップ上の電力損失がない)、及び制御精度を改善する(例えば、より高いmax-SFQ-DAC)ための、アーキテクチャに対する様々な重要な変更が説明されている。説明されるプラットフォームでは、高帯域幅の線を使用することによって、並列化されたプログラミングを介して、並びに入力/出力(I/O)線が解放されるときの、及び/又はI/O線が追加されるときの読み出しを介して、動作を高速化するための基礎を提供する。
【0088】
そのようなアプローチは、はるかに高速なプログラミング、キャリブレーション、読み出し、より高い制御精度、及びより大きなプロセッサをもたらし得る。更に、チップ上の電力消費が減少すると、内部エネルギー分割が例えば100mKを超えるフリースピンでは、状態を切り替えるために利用できる熱エネルギーをもはや有しなくなるため、低周波数磁束ノイズが低減され、換言すると、1/fコーナはより低い周波数に移動する必要がある。これにより、量子プロセッサチップ上のより短い量子ビットと組み合わせて、製造ノイズを大幅に低減する必要なしに、より高い制御精度を可能にし得る。
【0089】
上述の性能改善は、より低い温度及びより短い量子ビットによって得られ得るが、本明細書で説明されている手法を使用する理由は更に存在する。問題解決とキャリブレーション時間との両方が、改善のための主要な領域である。キャリブレーション及び問題解決の時間は、異なる方法、すなわち、1)dc SQUID読み出し時間、2)並行して読み取ることができるdc SQUIDの数、3)dc SQUID読み取り後のクールダウン時間、4)PMMプログラミング後のクールダウン時間、及び5)チップ上の平衡温度、に依存する。
【0090】
DACロックインスタイル測定は、量子磁束パラメトロン-DAC(QFP-DAC)キャリブレーション及びオフセット磁束測定に使用することができ、フルキャリブレーションのざっと3分の1である。キャリブレーションのこの3分の1に対して、上記の第4と第5の項目が以前の量子プロセッサアーキテクチャ上の時間を支配する。改善されたPMMは、この問題に対処し得る。
【0091】
キャリブレーションの残りの部分は、読み出し及び読み出し後の冷却によって時間制限される。本明細書で説明される少なくとも1つのアプローチは、読み出し制限後の冷却を解決し、読み出し時間を短縮することもできる。
【0092】
本明細書で説明される設計では、並列キャリブレーション及び並列読み出しを容易にすることができ、1000量子ビット以上を有する量子プロセッサが有限の時間でキャリブレーションされ動作可能となることを可能にする。
【0093】
全ての中程度の積分スケールにおける問題解決の時間は、量子ビット長(セットエネルギースケール)、温度(上記の項目5、必要な繰り返しを介して)に依存し、より小さいスケールにおいて、読み出し時間、及びいくつかのパラメトリックレンジPMMプログラミング時間に依存することになる。
【0094】
QFP-デマルチプレクサ及びDACの様々な実施形態が本明細書に記載されており、これらは既存のSFQ-DACと同様に実行するが、有利には電力を消費せず、したがって電流サイクル時間のいくつかの重要な部分を取り除く。このQFP-DAC/デマルチプレクサは、実際にはロード時間を改善せず、事実上、同じI/O線に対して少し遅くなる。I/O線及び並列ローディングに対する改善は、これを高速化する1つの方法である。QFP-DAC/デマルチプレクサの最終的なパラメトリック設計は、製造能力によって大きく左右される。
【0095】
新しい読み出し方式も説明されており、これにより、量子ビットを並列に読み取ることが可能になり、並びに、既存の設計よりもはるかに高いレートで(例えば、約100倍高速に)量子ビットを読み出すことができる。この読み出し方式の設計パラメータが設定されている。
【0096】
想定される要件に対処するために、DACが状態をすばやく反転させる必要があるDAC上でロックイン測定を実行することができ、現在必要とされる測定間の数十msの冷却の必要性を取り除き、測定が入力/出力(I/O)帯域幅又は読み出し時間によって制限されるこのセクションでは、非散逸的なPMM方式が提案される。
【0097】
図7Aに示される回路は、QFPデマルチプレクサツリーで使用するための、QFPからDACに対して必要とされる複数の磁束量子を生成する。
図7Aは、LATCH1及び
【数1】
によってアドレス指定されたデマルチプレクサツリーの最後のブランチの一部を示す。OFFSET信号は、QFPの「オフ」方向になるように選択され、QFP間に結合された磁束よりも大きい。この小さな回路での動作は次のとおりである。OFFSETを0に設定し、LATCH1を印加し、オフセットを大きな値に設定し、
【数2】
を印加する。LATCH信号が印加されると、信号はΦ0/2からΦ0に移動し、印加されない場合は、信号がΦ0/2に留まることを意味する。これは、追加の共有LATCH「オフセット」線で、デマルチプレクサツリーのレベルごとに1つの線のみで(LATCH「オフセット」が時間に依存することを除いて)容易に達成できる。
【0098】
次いで、LATCH2がTIPにおいて入力なしでアサートされる。原則として、最後の2つのQFPステージを組み合わせることができる。ここで、QFP-DACの左側の部分のうちの1つのみが、その中に正(負)の磁束量子を有し、残りは負(正)の磁束量子を有している。入力バイアス電流は、全てのDAC接合によって共有される電流バイアスに印加される。一度に1つのDACのみが切り替わることになるため、これを行うことができる。最後に、チッピングパルスが印加され、選択されたDACの信号に加えられ、全ての他の信号から差し引かれる。選択されたDACの臨界電流が一時的に超過するため、QFP DACループからDACへの磁束量子をシャッフルすることができる。他は行わない。LATCH2/TIPサイクルを繰り返して、デマルチプレクサツリーを再実行することなく、所望の数の磁束量子をDACにロードすることができる。
【0099】
量子磁束パラメトロンQFP-DACはチップに電力を必要としないため、全ての接合の電流Icはほぼ自由に増加させることができるが、DACの接合サイズが制限されるようになるため、ある時点でデマルチプレクサ/DACの成長を制限するための新しい3層が必要になり得る。これにより、DACのインダクタンスを低減し、DACのフットプリントを縮小し、量子ビット長を縮小することが可能になる。そうして有利にも、より良い量子ビット及びより高速なプロセッサにつながり得る。特に、より小さいDACを実装するために、別の金属層又は3層が必要になる場合がある。本明細書で説明された改善されたリセットアプローチは、DACステップサイズの低減及び精度の向上を同時に容易にし得る。
【0100】
量子磁束パラメトロンデジタル-アナログコンバータ(QFP DAC)は、有利にも、非常に小さな信号(QFP信号)をマルチ磁束量子DACに使用することを容易にする。それにより、例えば、大きな断熱量子プロセッサ、又は準直流磁場が使用される任意の量子プロセッサにおいて有利に使用することができる。そのように、高帯域幅の線で使用すれば、例えば、数百MHzのレートで更新されたDACを用いて有限サイズのツリー内で、複数GHzの更新レートで実行することができる。
【0101】
図7Aは、少なくとも1つの例示された実装による、QFPデジタル-アナログコンバータ(QFP-DAC)702a、702bに結合された、ラッチ制御量子磁束パラメトロンデマルチプレクサ(QFPデマルチプレクサ)回路700aを示す。特に、
図7Aは、QFPデマルチプレクサツリーの最後のステージを示す。
【0102】
ラッチ制御QFPデマルチプレクサ回路700aは、複数のQFP704(1つを示す)を含み、各QFP704に対して、量子磁束パラメトロンラッチ(QFPラッチ)706a、706bの複数の(例えば2つの)セット又はシーケンス(QFPラッチが1つのみの
図7Aに示す各シーケンス)を含む。QFPラッチ706a、706bの各セット又はシーケンスは、QFP704と、QFP-DAC702a、702bのそれぞれのペアの第1のQFP-DAC702a及び第2のQFP-DAC702bのうちのそれぞれの1つとの間で磁束を通信可能に結合するように選択的に動作可能である。電流バイアス線710は、QFP-DAC702の対のQFP-DAC702a、702bの少なくとも両方に、有利にはバイアス抵抗なしに、電流バイアスを印加するように配置される。
【0103】
QFP-DAC702は、電流バイアスによって接続された非対称のDC SQUID(
図7Aの右側に示す)を含む。電流バイアスを取り除き、CJJへの磁気バイアスを使用することは可能であり得る。それがなければ、電流バイアスはバイアス抵抗を必要とせず、有利には熱を生じないが、全てのQFP-DAC702を直列にバイアスする必要がある。特に、バイアス線710は、異なるツリーにアドレス指定するためにも使用することができる。
【0104】
QFP704は、ツリー構造のブランチ間で、ツリー構造の入力又はノードとして機能することができる。QFP704は、材料の第1のループ712a、材料の第1のループ712aを中断する材料の第2のループ712b、及び材料の第2のループ712bを中断する一対のジョセフソン接合714a、714bを含む。第2のループ712bは、信号、例えばLATCH0と称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)716を含む。材料の第1のループ712aは、第1のセット又はシーケンスのそれぞれの第1のQFPラッチ706a、706bのインターフェース720a、720b、及びQFPラッチ706a、706bの第2のセット又はシーケンス(各セット又はシーケンスには1つのみ示す)に、信号(例えば、磁束)を通信可能に結合するように配置された1対のインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)718a、718bを含む。QFP704の第1の材料のループ712a、及び第2の材料のループ712bは、例えば、臨界温度以下で超伝導性である材料であり得る。
【0105】
QFPラッチ706a、706bの第1及び第2のセット又はシーケンスの第1のQFPラッチ706a、706bはそれぞれ、第1の材料のループ722a(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、第1の材料のループ722aを中断する第2の材料のループ722b(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、第2の材料のループ722bを中断するジョセフソン接合724a、724bのペア(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、を含む。第1のループは、信号、例えばOFFSETと称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)725を含む。第2のループ722bは、信号、例えばLATCH1又は
【数3】
と称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)726を含む。反対(例えば、第1のQFPラッチ706a、706bの第1のループ722a内の矢印によって示されるように、時計回り及び反時計回り)の電流フローは、反対の信号LATCH1又は
【数4】
を、第1のQFPラッチ706a、706bの第2のループ722bのインターフェース726に印加することによって、第1のループ722aにおいて確立され得る。第1の材料のループ722aは、信号(例えば、磁束)を、QFPラッチ706a、706b、又はQFP-DAC702a、702bのセット又はシーケンスのそれぞれの第2のQFPラッチのいずれかのインターフェース730(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)に通信可能に結合するように配置された更なるインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)728(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)を含む。第1のQFPラッチ706a、706bの第1及び第2の材料のループ722a、722bは、例えば、臨界温度以下で超伝導性である材料であり得る。
【0106】
QFP-DAC702a、702bはそれぞれ、第1の材料738aのループ(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、第1の材料のループ738aを中断する第2の材料のループ738b(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、第2の材料のループ738bを中断する1対のジョセフソン接合740a、740b(
図7Aでは1対のみコールアウトされている)と、を含む。第1のループ738aは、例えば、QFP-DAC702a、702bに記憶された信号を読み出すための、複数のインターフェース(例えば、3つの誘導性インターフェース)742を含む。第2のループ738bは、信号、例えば、QFP-DAC702a、702bの値をリセットするように動作可能なRESETと称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)744を含む。QFPラッチ706a、706bのセット又はシーケンスは、QFP704を介して受信された信号を、QFP-DAC702a、702bにデマルチプレクスするように動作可能であり、最終的にQFP-DAC702a、702bから読み出すことができる。QFP-DACの第1及び第2の材料のループ702a、702bは、例えば、臨界温度以下で超伝導性である材料であり得る。
【0107】
QFP-DACはそれぞれ、第1の材料のループ738aを中断する第3の材料のループ738c(
図7Aでは1つのみコールアウトされている)と、第3の材料のループ738cを中断するジョセフソン接合のペア746a、746b(
図7Aでは1つのペアのみコールアウトされている)と、を含む。第1のループ738aは、信号、例えばTIPと称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)736aを含む。第3のループ738cは、信号、例えばLATCH2と称される信号を受信するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)736bを含む。QFPラッチ706a、706bの第1のループ722aに反対の電流フローを確立することにより、反対(例えば、QFP-DAC702a、702bの第1のループ738aの矢印で示される、時計回り及び反時計回り)の電流フローを確立することができる。QFP-DAC702a、702bの第1、第2、及び第3の材料のループ738a、738b、738cは、例えば、臨界温度以下で超伝導性である材料であり得る。
【0108】
図7Bは、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)に結合された、ボディ磁束(アドレス)制御量子磁束パラメトロンデマルチプレクサ(QFP-デマルチプレクサ)回路700bを示す。特に、
図7Bは、QFPデマルチプレクサツリーの最後のステージを示す。
【0109】
図7Bに示されている構造の多くは、
図7Aに示されているものと類似又は全く同一であり、したがって同じ参照番号で示されている。簡潔に、したがって明確にするために、
図7Bと
図7Aとの重要な違いのみを直下で説明する。
【0110】
図7Aの実装とは対照的に、
図7Bの実装では、同じLATCH1信号を第1のQFPラッチ706a、706bの両方に印加し、同じOFFSET信号を第1のQFPラッチ706a、706bの両方に印加する代わりに、ADDR1及び
【数5】
と称される反対のアドレス信号を、アドレス線を介して第1のQFPラッチ706a、706bに印加することによって、電流フローの方向を制御する。
【0111】
デマルチプレクサはブロードキャストモードでも機能し、また、OFFSET線を使用してツリーの中央から開始して信号を生成することもできることに留意されたい。正及び負のパルスをロードすることができる。リセットは、SFQ-DACと同じ方法で達成される。任意選択的に、QFP-DACのジョセフソン接合をオーバーバイアスし、次いでバイアス電流を変動させることによって、全てのQFP-DACをアンロードできるとともに、QFP-DACのジョセフソン接合が抑制され、準安定磁束量子の脱出を可能にする。バイアス電流が十分に変動すると、既知の状態になり得る。
【0112】
QFPデマルチプレクサは、ダイレクトアドレス指定を使用することによって約5ビットだけ縮小することができる(
図7Bを参照)。例えば、5つのアドレス線をQFPボディに対数的に合計することができる。これは、ツリーの物理的に大きな部分(例えば、第1のいくつかのアドレス)を処理するために有利に使用できる。
【0113】
いくつかの実装では、QFP-DACは制御されていないMFQモードで実行され、チッピング中にDAC接合及び過電流バイアスを非シャントすることによって負荷速度を増加させる。これは、例えば、読み出しチェーンの非線形増幅器として使用されるQFP-DACに有用であり得る。
【0114】
LATCH及び
【数6】
ペアの実装は、グローバルLATCHOFFSET線(
図7Bには表示なし)及びツリーレベルごとの単一LATCHを介して最適に行われる。
【0115】
LATCHアドレス指定されたデマルチプレクサは、マルチプレクサとして実行でき、読み出しに使用できる。
【0116】
更に、真に線が制限されている場合、QFP DACの複合ジョセフソン接合(CJJ)を意図的に非対称化でき、LATCHアドレス指定された実装のグローバルオフセット線の省略を可能にする(
図7A)。しかしながら、「オフセット」のオンとオフをそれ以上切り替えることができないため、マージンが減少する結果となる。
【0117】
設計されたように、QFPデマルチプレクサ回路は、同等のSFQデマルチプレクサ回路の3分の1~2分の1の負荷帯域幅を有し得る。
【0118】
新しいリセット手法は、
図7A及び/又は
図7BのQFPデマルチプレクサ回路の一部として実装できる。特に、その手法は、各ループと並列に4つのシャントされた接合を利用でき、等しくバイアスされて他の方法で実現され得るよりも改善されたリセットを提供できる。これは、実質的に、接合とメインループとの両方が抑制されたDC SQUIDと考えることができる。接合の抑制により、非対称の問題及びベータ限定の変調が取り除かれる。非対称性が存在する場合、通常のシャントリセットよりもいくらか優れているようである。QFP-DACを用いると、MAX-SFQはいかなるペナルティなしに大幅に過剰設計でき得るため、リセット接合サイズを縮小し、その方法でより信頼性の高いリセットを獲得できる。このリセットの利点は、シャントされた2つの接合リセットが2つの接合の非対称性に依存する最終状態を有しながら、ループ内の重要な非対称性に対してすらゼロ磁束量子にリセットされることである。
【0119】
高速ロックインスタイル測定に十分に短い電力パルスを使用することにより、永久磁気メモリで使用される典型的な冷却時間を、例えば数十ミリ秒から数十マイクロ秒に低減することが容易になり得る。
【0120】
図8は、
図7Aのラッチ制御QFPデマルチプレクサ回路に関連付けられた信号のプロット800を示す。
【0121】
特に、プロット800は、デマルチプレクサなしのQFP-DACのWRSPICEシミュレーションであり、デマルチプレクサは磁束入力としてシミュレートされる。
【0122】
プロット800は、3つのパルスがQFP-DACにロードされるときの、プロット800の底部近くの位相802及び電流804の値を示す。プロット800はまた、偽のデマルチプレクサ入力信号806、ラッチ信号808、及びチッピングパルス810、並びにバイアス電流812の値を示す。プロット800はまた、QFP接合フェーズ814の値を示す。QFP-DACを可逆的に実行するためにチップ線を介して正しい入力信号が印加されなかったため、リセットはQFP-DAC上でノイズが多く、したがってQFP-DACの負荷は断熱性ではないことに留意されたい。入力信号(偽の最終デマルチプレクサステージ)が反転すると、磁束はループにポンプされない。
【0123】
ガルバニック選択なしの多相磁束DACアドレス指定に有用な多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプ
既存のアーキテクチャでは、X-Y-Zアドレス指定方式を使用してプログラミングするDACを選択する。POWER線と称されることもあるこれらの線のうちの1つは、DAC SQUIDループにガルバニックに接続されている。しかしながら、POWER線からDACへのガルバニック接続は、例えば、ジョセフソンDAC、又は高動的インダクタンス材料から構成されたDACを使用すれば別の方法ででき得るものなどの、ガルバニックに共有されるインダクタンスなど、いくつかの代替的なDAC内結合方式を扱いにくくする。
【0124】
ADDRESS及びTRIGGERと称される他の2つの線は、DACの選択に対するアクションが劣化しており、すなわち、バイアスの合計がしきい値を超えると、そのDACの選択が有効化される(POWERに依存する)ことを意味している。動作点において、POWER信号は、ADDRESS及びTRIGGER線から直交していない。このように3つの相対的に非直交のバイアスを使用する動作マージンは、ある意味では、X-Yアドレス指定を使用することに対して低減され、したがってこのアプローチでは、より高い次元のアドレス指定方式にうまくスケーリングできず、利用可能な動作マージンが、1/(アドレス指定次元の数)のようなものに低減される。
【0125】
これらの問題は両方とも、以下に説明するアドレス指定方式によってある程度改善される。すなわち、(1)アドレス指定回路によるDACへのガルバニック接続は不要であり、(2)磁束ポンプの制御信号は相対的により直交している。
【0126】
図9は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)902にアドレス指定する3接合2ループ磁束ポンプ回路900を示す。
【0127】
図示された3接合2ループ磁束ポンプ回路900は、2つのループ904a、904b(まとめて904)を含む。ループ904のそれぞれは、ループ904の連続的に隣接する1つによって共有される共有部分906a、906b(まとめて906)を有する。3接合2ループ磁束ポンプ回路900は、3つのジョセフソン接合908a、908b、908cを含む。ループ904の連続的に隣接する1つによって共有されるループ904の共有部分906のそれぞれは、ジョセフソン接合908a、908b、908cのそれぞれの1つによって中断される。3接合2ループ磁束ポンプ900の各ループ904は、それぞれのストレージインダクタンス910a、910bを有する。
【0128】
2つのインターフェース912a、912bは、ループ904のそれぞれのストレージインダクタンス910a、910bに対して配置され、磁束Φxa,Φxbをそれらと選択的に通信可能に結合する。各ループ904は、少なくとも臨界温度で超伝導を起こす材料で構成されてもよい。
【0129】
DAC902は、第1の多接合SQUID磁束ポンプ回路900のループ904bの最端の1つに結合される。DACのループは、第1の多接合SQUID磁束ポンプ回路900の最端ループ904bによって共有される共有部分906bを含むループ914を含む。DAC902は、ストレージインダクタンス916を含む。DAC902のストレージインダクタンス916は、磁気インダクタンス、動的インダクタンス、ジョセフソンインダクタンスのうちの少なくとも1つ、又は磁気インダクタンス、動的インダクタンス、及びジョセフソンインダクタンスのうちの2つ以上の組み合わせである。DAC902は、少なくとも臨界温度で超伝導を起こす材料のループで構成されてもよい。
【0130】
図9は、最も基本的な具体化を示しており、ここで、2ループ、3接合磁束ポンプが単一の超伝導ストレージインダクタに接続されている。インダクタ及び磁束ポンプ接合部のサイズによって、DACの最大有効容量が判定される。
図10は、
図9の3接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターン、印加される磁束波形1002及び1004を示している。
図9の接合部908cのジョセフソン位相1006もまた示されており、ループ内の磁束量子の総数の2π倍である。
【0131】
図10に示されるプログラミング動作の1つのモードは、印加された磁束Φ
xaを使用して908a/908bループに磁束を出し入れし得る方法を示しており、印加された磁束Φ
xbは、908b/908cループに対してそうするように使用できる。クロックΦ
xaの位相がΦ
xbに対してπ/2だけ進んで一緒に動作する場合、磁束は、プログラミング信号のサイクルごとに1つのΦ
0だけ、ポンプを介してDAC内に押し出される。Φ
xaがΦ
xb対してπ/2だけ遅れている場合、磁束はループからポンプアウトされるか、又は負の磁束がポンプインされる。
図10の3つのクロックパルスバーストは、NΦ
0がループにポンプインされ、2NΦ
0がポンプアウトされ、NΦ
0がポンプイン戻しされていることを示す。
【0132】
図11は、少なくとも1つの例示された実装による、デジタル-アナログコンバータ(DAC)902にアドレス指定する4接合3ループ磁束ポンプ回路1100を示す。
【0133】
4接合3ループ磁束ポンプ回路1100は、3接合3ループ磁束ポンプ900(
図9)に類似しているが、それにループを追加している。
図9、及び
図12に付随する説明で使用されているのと同じ参照番号を使用して、類似又は全く同一の構造も識別される。簡潔に、したがって明確にするために、
図11と
図9との重要な違いのみを直下で説明する。
【0134】
図示されるように、4接合2ループ磁束ポンプは、第3のループ904c、第4のジョセフソン接合908d、及び第3のループ904c内の第3のストレージインダクタンス901cを追加する。第3のインターフェース912cは、第3のストレージインダクタンス910cに対して配置されて、それらと磁束Φxcとを選択的に通信可能に結合する。前述したように、各ループ904は、少なくとも臨界温度で超伝導を起こす材料で構成されてもよい。
【0135】
図12は、少なくとも1つの例示された実装による、
図11の4接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターンに対する、最端接合908dの印加された磁束波形1202~1206及びジョセフソン位相1208のプロット1200aを示す。
【0136】
2ループ及び3つのジョセフソン接合、並びに3ループ及び4つのジョセフソン接合で示されているが、本明細書の教示は、更に多くのループ及びジョセフソン接合に拡張可能である。ループの数を増加すると、バイアスを印加することなくポンプ内に磁束を蓄積することを可能にすることができ、いくつかのクロックがアクティブであれば、磁束をループに入れるには十分である。
【0137】
ガルバニック選択線(例えば、少なくともいくつかの既存の実装ではPOWER線)を回避することの利点の1つは、ソース側の他のガルバニック接続を懸念することなく、連続するDACストレージループをガルバニックに接続できるようにすることであるが、他方、他の望ましくない電流リターンパスがもたらされ得る。これは、ジョセフソンDAC若しくはλが大きい薄膜TiN、NbN、NbTiN、又は粒状アルミニウムを用いるなどの、動的インダクタンスベースのストレージ要素を有するマルチステージDACに対して特にメリットがある。この場合では、少なくともいくつかの既存のアーキテクチャで行われているように、連結式ワッシャに磁気的にそれぞれを結合させるのではなく、関節式ストレージループで共有インダクタンスを使用することによって、分周比の設計を簡素化できる。
【0138】
複数のフェーズでは、例えば
図13に示すように、X-Y-Zアドレス指定方式が可能である。
図13は、少なくとも1つの図示された実装による、いくつかのアドレス線1352を介して、それぞれのデジタル-アナログコンバータ(DAC)902a、902b、902c、902d、902e、902f、902g、902h(まとめて902)をアドレス指定している、8セットの4接合3ループ磁束ポンプ回路1100a、1100b、1100c、1100d、1100e、1100f、1100g、1100h(まとめて1100)を示す。
【0139】
4接合3ループ磁束ポンプ回路1100は、例えば、4接合3ループ磁束ポンプ回路1100(
図11)と同一であってもよい。DAC902は、例えば、DAC902(
図11)と同一であってもよい。
図11、及び
図14に付随する説明で使用されているのと同じ参照番号を使用して、類似又は全く同一の構造も識別される。簡潔としたがって明確さのために、構造の説明は繰り返さず、4接合3ループ磁束ポンプ回路のセット又はアレイのアドレス指定に使用されるX-Y-Zアドレス指定方式にフォーカスする。
【0140】
特に、8つのDAC902は、(2+2+2)クロック線によって動作する8つの三相磁束ポンプ1100でアドレス指定される。デバイスのセットの中で、特定のフェーズは、N本の線のうちの1つ(
図13では2つは実線対破線で示されている)によって動作される。選択を可能にするため、各フェーズの線は、どのDACがアドレス指定されるかを完全に指定する。各フェーズにおいて選択が行われ、各色の実線又は破線間で選択される。
【0141】
制御線の第1のセットは、多接合SQUID磁束ポンプ回路の第1のサブセット、例えば、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100a~1100dの第1の列をアドレス指定するための制御線の第1のサブセットと、多接合SQUID磁束ポンプ回路の第2のサブセット、例えば、多接合SQUID磁束ポンプ回路の第2の列1100e~1100hをアドレス指定するための制御線の第2のサブセットと、を含み得る。
【0142】
例えば、制御線の第1のサブセットは、第1のサブセットの各多接合SQUID磁束ポンプ回路1100a~1100dの第1のループのそれぞれのインターフェースに結合された第1の制御線1352a、第1のサブセットの各多接合SQUID磁束ポンプ回路1100a~1100dの第2のループのそれぞれのインターフェースに結合された第2の制御線1352b、及び第1のサブセットの多接合SQUID磁束ポンプ回路1100a~1100dの第3のループのそれぞれのインターフェースに結合された第3の制御線1352c、を含み得る。
【0143】
例えば、制御線の第2のサブセットは、第2のサブセットの各多接合SQUID磁束ポンプ回路1100e~1100hの第1のループのそれぞれのインターフェースに結合された第1の制御線1352d、第2のサブセットの各多接合SQUID磁束ポンプ回路1100e~1100hの第2のループのそれぞれのインターフェースに結合された第2の制御線1352e、及び第3のサブセットの多接合SQUID磁束ポンプ回路1100e~1100hの第3のループのそれぞれのインターフェースに結合された第3の制御線1352f、を含み得る。
【0144】
制御線の第1のセット1352a~1352f(まとめて1352)は、Nctrl本の制御線を含むことができ、ここで、Nctrl=2×Nであり、多接合SQUID磁束ポンプの総数Nfpが存在し、Nfpは2(N+1)に等しい。
【0145】
制御回路1360は、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100のループに、直流(DC)バイアスなしで通信可能に結合され、磁束信号の多相無線周波数(RF)クロッキングを実装するように動作可能である。
【0146】
磁束信号の多相無線周波数(RF)クロッキングは、第1の多接合SQUID磁束ポンプのループを通して、DAC902に磁束を順次押し出す。磁束信号の多相無線周波数(RF)クロッキングは、DAC902から多接合SQUID磁束ポンプ回路1100のループを通して、磁束を順次押し出す。磁束信号の多相無線周波数(RF)クロッキングの位相の総数は、DAC902への多接合SQUID磁束ポンプ回路1100のループの総数Nに等しい。
【0147】
例えば、制御回路1360は、磁束信号を、第1のN個のインターフェースを介して、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100の連続するループに順次印加することができ、ここで、各インターフェースに印加されたそれぞれの磁束信号は、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100のループの線形連続に沿って直後に続くループに印加されるそれぞれの磁束信号に対してπ/2だけ進んでいる。
【0148】
また、例えば、制御回路1360は、磁束信号を、第1のN個のインターフェースを介して、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100の連続するループに順次印加することができ、ここで、各インターフェースに印加されたそれぞれの磁束信号は、多接合SQUID磁束ポンプ回路1100のループの線形連続に沿って直後に続くループに印加されるそれぞれの磁束信号に対してπ/2だけ遅れている。
【0149】
一般に、n相クロッキング方式では、不完全なパターン(例えば、1つ以上の相上でクロック信号が欠落しているパターン)は、ポンプを介した磁束量子の送信を妨害する。少なくともいくつかのパラメータ値、及びクロックのいくつかの組み合わせに対して、この干渉は完全ではなく、部分的なクロッキングはパルスを送信し得る。しかしながら、ブロッキングパルスは、例えば通常のX-Y-Z選択挙動をもたらすために、それ以外の静止線で有利に使用され得る。これは、
図14のプロット1400に示されている。
【0150】
図14は、少なくとも1つの例示された実装による、
図11の4接合2ループ磁束ポンプのプログラミング/デプログラミングパターンに対する、最端接合908dの印加された磁束波形及びジョセフソン位相のプロット1400を示す。
【0151】
特に、プロット1400は、3つのクロック信号1402、1404、及び1406、並びに磁束ポンプ内の最後のジョセフソン接合908dの1つの位相1408を示し、X―Y―Z選択能力を実証する。特に、最後のシーケンスは、第3のクロックフェーズで反対の大きさのブロッキングパルスを使用している。
【0152】
シーケンスは、磁束ポンプの出力接合での付随する位相進みと、位相進みをもたらさない3つの部分的(2/3)選択による、DACの1つの成功したアドレス指定を示している。第3の部分的な選択は困難なケースであり、DACのアドレス指定を防ぐためにブロッキングパルス(反対の大きさのクロックパルス)を必要とする。ブロッキングパルスの要件は、X-Y-Zアドレス指定方式を制限しないが、並列DACロード方式の計算に追加の制約を適用し得る。
【0153】
図9~
図14及びそれに付随する説明により、少なくとも多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプは、N個のループであって、ここでNは2以上の整数であり、各ループが少なくとも臨界温度で超伝導を起こす材料を含み、各ループが連続的に隣接するループによって共有される部分を有する、ループと、M個のジョセフソン接合であって、ここでMはNよりも大きく、各ループの各部分が少なくとも1つのジョセフソン接合によって中断された、連続的に隣接するループによって共有され、各ループがそれぞれのストレージインダクタンスを有する、ジョセフソン接合と、それらと磁束を選択的に通信可能に結合するそれぞれのループに対して配置された第1のN個のインターフェースと、を備え得ることが明らかになる。多接合SQUID磁束ポンプのループは、ループの線形アレイを形成する。数Nは整数であり、例えば、2~4(端値を含む)であり得る。数Mは、合計N+1に等しい。
【0154】
DACは、多接合SQUID磁束ポンプの最端ループに結合され、DACは、材料のループ及びストレージインダクタンスを含む。DACのループには、多接合SQUID磁束ポンプの最端ループによって共有される部分が含まれる。インターフェースはそれぞれ、多接合SQUID磁束ポンプのそれぞれのループのストレージインダクタンスに近接して配置されたそれぞれの誘導性インターフェースであり得る。
【0155】
図15は、少なくとも1つの例示された実装形態による、複数の多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプの動作方法1500を示す。
【0156】
この方法は、1502において、例えば、電源の印加、問題の提出、又はコールルーチン若しくはプログラムによる呼び出しで開始する。
【0157】
1504において、制御回路は、それぞれの第1のインターフェースを介して、磁束信号を多接合SQUID磁束ポンプの第1のループに印加させる。次いで、1506において、制御回路は、それぞれの第2のインターフェースを介して、磁束信号が多接合SQUID磁束ポンプの第2のループに順次印加させ、ここで第2のループに印加される磁束信号は、第1のループに印加される磁束信号と位相がずれている。
【0158】
任意選択的に、磁束ポンプが第3のループを含む場合、制御回路は、1508においてそれぞれの第3のインターフェースを介して、第1の多接合SQUID磁束ポンプの少なくとも第3のループに磁束信号を順次印加させる。第3のループに印加される磁束信号は、第2のループに印加される磁束信号と位相がずれている。
【0159】
任意選択的に、磁束ポンプが第4のループを含む場合、制御回路は、1510においてそれぞれの第4のインターフェースを介して、第1の多接合SQUID磁束ポンプの少なくとも第4のループに磁束信号を順次印加させる。第4のループに印加される磁束信号は、第3のループに印加される磁束信号と位相がずれている。
【0160】
例えば、制御回路は、多接合SQUID磁束ポンプのループの線形連続に沿って直後に続くループに印加されたそれぞれの磁束信号に対してπ/2だけ位相がずれている、それぞれの磁束信号を、それぞれの第1、第2、及び第3のインターフェースの各々に印加することができる。
【0161】
磁束信号を多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び任意選択的な追加(例えば、第3)のループに印加することは、多接合SQUID磁束ポンプのループを通して、デジタル-アナログコンバータ(DAC)に磁束を順次押し出す磁束信号を印加することを含み得る。例えば、制御回路は、磁束信号を、多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び第3のループに印加することができ、それぞれの第1、第2、及び第3のインターフェースの各々に印加されるそれぞれの磁束信号は、多接合SQUID磁束ポンプのループの線形連続に沿って直後に続くループに印加されたそれぞれの磁束信号に対して、π/2だけ進んでいる。
【0162】
或いは、磁束信号を多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び任意選択的な追加(例えば、第3)のループに印加することは、多接合SQUID磁束ポンプのループを通して、デジタル-アナログコンバータ(DAC)から磁束を順次押し出す磁束信号を印加することを含み得る。例えば、制御回路は、磁束信号を、多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び第3のループに印加することができ、それぞれの第1、第2、及び第3のインターフェースの各々に印加されるそれぞれの磁束信号は、多接合SQUID磁束ポンプのループの線形連続に沿って直後に続くループに印加されたそれぞれの磁束信号に対して、π/2だけ遅れている。
【0163】
第1の多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び第3のループに磁束信号を印加することは、第1、第2、及び第3の制御線を介して第1の符号及び第1の大きさの磁束信号を印加することと、磁束信号を、第1の多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、第3のループに順次印加しながら、第4の制御線を介して第2の符号及び第1の大きさの磁束信号を、第2の多接合SQUID磁束ポンプのループのうちの少なくとも1つに印加することと、を含んでもよく、ここで第2の符号は第1の符号の反対である。
【0164】
方法1500は、例えば再度呼び出されるまで、1512において終了する。
【0165】
図16は、少なくとも1つの例示された実施形態による、複数の多接合超伝導量子インターフェースデバイス(SQUID)磁束ポンプの動作方法1600を示す。
【0166】
この方法は、1602において、例えば、電源の印加、問題の提出、又はコールルーチン若しくはプログラムによる呼び出しで開始する。
【0167】
制御回路は、1604において、それぞれの第1のインターフェースを介して、多接合SQUID磁束ポンプの第1のループに、第1の符号及び第1の大きさの磁束信号を同時に印加させ、1606において、それぞれの第2のインターフェースを介して、多接合SQUID磁束ポンプの全ての他のループに、第1の符号及び第1の大きさの磁束信号を印加させ、ここで、全てのループに印加される磁束信号は互いに同相である。
【0168】
他の全てのループに第1の符号及び第1の大きさの磁束信号を印加することは、それぞれ第1、第2、及び第3の制御線を介して、第1の多接合SQUID磁束ポンプの第1、第2、及び少なくとも第3のループに、第1の符号及び第1の大きさの磁束信号を印加することを含み得る。
【0169】
方法1600は、例えば再度呼び出されるまで、1608において終了する。
【0170】
磁束DACをリセットすることは、
図16Bのプロット1600bに示すように、1つの単純なリセット方式として実装するのが難しい挙動であり、全てのクロックフェーズ1610、1612、及び1614を同時に(フェーズ内で)アクティブにして、DACをデプログラムすることを伴う(1616を参照)。
図16Bに示されるように、最初のクロックシーケンス1618はDACループをプログラムし、第2の後続のシーケンス1620はそれをアンロードする。第2のシーケンスの本質的な違いは、プログラミングシーケンスの交互パルスとは対照的に、パルスが同時に発生することである。同時に発生するので、磁束に対する優先方向は存在せず、したがってどちらの方向のパルスもアンロードする。したがって、DACは最初に、前述のクロックシーケンスでプログラムされる。次いで、DACは、クロックを同時に実行することによって空にされる。
【0171】
同等の設計容量のDACに対して機能し得る代替的な方式は、DACをオーバーフィルしてDACを容量に到達させ、次いで既知の量だけDACをデプログラムすることである。たとえ様々なDACの設計容量が互いに異なる場合でも、このアプローチをなおも適用でき、単に、いくつかのDACのプログラミングの開始点はミッドスケールではなく、例えば、+10Φ0であり得る。実際には、全てのDACを容量いっぱいにでき、次いでデプログラムせず、容量いっぱいになることを出発点として扱うことができる。しかしながら、このアプローチは、不利なことに、所与のプロセッサ状態を達成するために磁束ポンプが送信しなければならないΦ0の総数を増加させる可能性があり得る。
【0172】
容量を基準点として使用しても、容量が2つのレベル間のちょうど境界にあるDACの問題が回避されないため、後続のリセット時に2つの可能な状態のいずれかで確率的に終了する。この挙動は、名目上のリセット時にちょうどエッジ上であったDACに対して、カスタマイズされたDACごとのリセット回復を実行することによって処理できる。DACを容量にプログラムするために使用される磁束ポンプ(又は他のリセット方式)の場合、これは、リセット回復シーケンスでカスタマイズされたレベルで個別の磁束ポンプを動作させることによって、同様に処理できる。
【0173】
マルチコアプロセッサに対する拡張X-Y-Zアドレス指定
上述のX-Y-Zアドレス指定方式は、複数のコアを有するプロセッサ、例えば量子プロセッサの場合に拡張され得る。特に、2つ以上のプロセッサコアを直列に追加すると、同じ信号線の一部(特定のデバイスを駆動するためのIO線など)の使用が可能になる。
【0174】
信号線は、サンプルホルダ、キャリアPCB、又はマルチチップモジュール上で直列に接続でき、個々のコアは、組み立てる前に個別にテスト及びキャリブレーションできる。
【0175】
そのようなマルチコアプロセッサの例示的な実装では、各コアが量子ビットのセルの配置であるNコアを有し得る。Nは2以上であり得る。量子ビットのセルは、Q個の量子ビット、例えば8個の量子ビットを有してもよく、コアは、C個のセル、例えば24個のセルを有してもよい。
【0176】
セルごとに8量子ビットの実装では、量子ビットごとに9個のDACが存在するため、セルには5つのトリガ線及び15本のアドレス線並びに1つの共通の電力線がある。電力線はタイルのアレイを選択し、アドレス線及びトリガ線は異なるセルのアレイ間で共有されてもよい。コアあたり8個の量子ビットの24個のセル及びN個のコアを用いた実装を考慮すると、9×8×(24×24)*N=41,472N個のアドレス指定されるDACが存在する。例えば、16コアの場合、661,248個のDACが存在する。ここでは、16コアでの実装について例示のみを目的として説明するが、当業者であれば、より少ない又はより多い数のコアも可能であることを理解するであろう。
【0177】
X-Y-Zアドレス指定では、行数の立方根の上限の3倍、又は上記の例では264個が必要である。レイアウトをより規則的にするために、ユーザの電力線が各プロセッサコアの4分の1のセル(上記の例では、各線が6×24=144セルを選択する64本の電力線)を選択することができる。144セルのグループ内の各DACをアドレス指定するには、24×5=120トリガ線及び6×15=90アドレス線が必要である。したがって、上記の例では、全てのDACのX-Y-Zプログラミングのための合計の線数は、64+120+90=274本である。
【0178】
12個の水平量子ビットと12個の垂直量子ビットとを含むセルあたり24個の量子ビットを有する別の実装では、タイルに配置された16個のユニットセルに29本のアドレス線と32つの電力線とがあるように、量子ビットあたり7個のDACと、量子ビットが接続されているカプラごとに1つのDACが存在し得る。そのような配置では、最大15個のDACが各量子ビットを制御できる。電力線はDACの列を選択し、アドレス線はDACの異なる列とユニットセルの異なるアレイとの間で共有されてもよい。コアあたり24個の量子ビットの16個のユニットセル及びN個のコアを用いた実装を考慮すると、15×24×16*N=5760N個のアドレス指定されるDACが存在する。例えば、16コアの場合、92,160個のDACが存在する。
【0179】
別のアプローチでは、電力線がDACの列を選択し、アドレス線がDACの列とユニットセルの異なるアレイとの間で共有されてもよい。DACの列は、DACのグリッド又はアレイを形成するようにタイル状に並べられたDACの垂直セグメントとして画定でき、それによって、680個の量子ビットを含むコアには、57本のアドレス線及び28本の電力線がある。コアあたり680個の量子ビット及びN個のコアを用いた実装を考慮すると、15×680*N=10200N個のアドレス指定されるDACが存在する。例えば、16コアの場合、163,200個のDACが存在する。16コアの実装は例示の目的でのみ与えられており、当業者であれば、より少ない又はより多い数のコアも可能であることを理解するであろう。
【0180】
編組制御線
図17Aは、4セットのデジタル-アナログコンバータ(DAC)1700a、1700b、1700c、1700d(まとめて1700)、DAC1704(i、j)のそれぞれを個別にアドレス指定するように配置された複数の信号線1702a~1702c(まとめて1702、明確にするために
図17Aでは3つのみコールアウトされている)を示す(ここで、iは1~nの整数、jは1~nの整数であり、図を明確にするために
図17では6つのみ、まとめて1704とコールアウトされている)。制御回路1708は、通信可能に結合されて、少なくとも1つの例示された実施形態に従って、それぞれの対の信号線1702及び4つの電力線(図示せず)のうちの1つを介して、信号をDAC1704の選択されたものに供給させる。
【0181】
図示された実装では、DAC1700a~1700dの各セットのDAC1704は、複数の行(例えば、図面シートにわたって水平に延在する)、及び複数の列(例えば、図面シートにわたって垂直に延在する)を有する、それぞれの2次元アレイに配置される。DAC1700a~1700dの各セット又はアレイは、参照の便宜上、「電力線」と称され得る4つの信号線(図示せず)のうちのそれぞれ1つを介して制御又は選択される。同様に、DAC1700a~1700dの各セット又はアレイは、電源ドメインと称されてもよく、電源ドメイン内の各DACは、同じ電力線によって制御又は選択される。DACの各セット又はアレイ1700a~1700dのDAC1704は、DAC1710の合計36個のカルテット、及び電源メインごとに合計144個のDAC1704(例えば、DACのセット又はアレイ1700a~1700d)に対して、DAC1710a、1710b(2つのみコールアウトされており、1つはセット又はアレイ1700a、1つはセット又はアレイ1700b、まとめて1710)の6×6グリッド又はカルテットのアレイ(すなわち、4個のDAC)に配置又は配列され得る。概して、順序付けられたアレイとして示されているが、本明細書で説明される技術及び構造の多くは、順序付けされていないアレイ若しくはDACのセット及び/又は他のデバイスと共に使用することができる。
【0182】
「電力線」に加えて、電力線と組み合わせて、4つの電力ドメイン1700a~1700dの144個のDAC1704のそれぞれを一意にアドレス指定する他の信号線1702が存在する。これらの追加の信号線1702は、参照の便宜上、「制御線」と呼ばれ得る。以下に図示及び説明するように、これらの制御線1702は、所与の数のDAC1704をアドレス指定するための信号線1702の総数が相対的に少ない、非常に効率的なアドレス指定方式を実現するために、それぞれのセット若しくはアレイ又は電源ドメイン1700a~1700dにわたる編組パターン又は構成で配置されている。例えば、N信号本の信号線1702は、信号線1702及び1つの電力線のそれぞれのペアに通信可能に結合されており、制御回路1708を介して供給されるときに、信号線1702及び1つの電力線のそれぞれのペアによって伝搬される信号を介して制御される、4(N信号-1)2個のDAC1704をアドレス指定することができる。このように、制御回路1708は、一対の信号線1702、及び4つの電力線のうちの1つを介して、全てのDAC1704を一意にアドレス指定することができる。
【0183】
N信号個の信号線1702は、制御線1702のセット及び電力線のセット(図示せず)を含むことができ、各トリプレットは、2つの制御線1702及び1つの電力線の一意の組み合わせから構成される。信号線1702及び電力線はそれぞれ、少なくとも臨界温度で超伝導を起こす材料で構成することができる。
【0184】
上述したように、DAC1704は複数の2次元アレイに配列され、各2次元アレイは、それぞれ複数のDAC1704、複数の信号線1702、及び信号線の第1のサブセットを含み、信号線の第1のサブセットの各信号線は、それぞれの2次元アレイのDACに通信可能に結合されている。信号線の第1のサブセットの各信号線は、電力線と称されてもよく、それぞれの2次元アレイ又は電力ドメイン1700a~1700dのDACの全てに通信可能に結合されている。各信号線1702は、制御線1702と称されてもよく、2つ以上の2次元アレイ1700a~1700dのそれぞれのDAC1704のサブセットに通信可能に結合されている。例えば、信号線の第2のサブセットの各信号線1702は、2次元アレイ1700a~1700dの全てのDACのサブセットに通信可能に結合されている。
【0185】
図示されるように、第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの各DACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して(例えば、伝送磁束に十分に近く)配置されている。図示されるように、第2の制御線は、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの各DACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの少なくとも3つの行及び少なくとも3つの列のそれぞれの少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置されている。第1の制御線及び第2の制御線は、DACを共通にせずに、異なるDACに動作可能に近接して配置することができる。或いは、第1の制御線及び第2の制御線は、DACのうちの同じ少なくとも1つに、その少なくとも1つのDACを共通にして、動作可能に近接して配置することができる。
【0186】
図17Bは、4セットのデジタル-アナログコンバータ(DAC)1700a、1700b、1700c、1700d(まとめて1700)、並びに制御線1702、例えば、
図17Aの1702a、1702b、及び1702c(混乱を避けるために
図17Bでは具体的にコールアウトされていない)であり、編組制御線1702の方向を表す複数の対角線を示している。このアプローチでは、N
信号本の制御線で、4(N
信号-1)2個のDACを有利に制御することができる。
【0187】
制御線1702の編組については、第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aに沿って各DACに近接して配置されている。第1の制御線はまた、DACの第2の2次元アレイ1700bの第1の対角線1770bに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイ1702bの第1の対角線1770bに沿って各DACに近接して配置されている。同様に、第1の制御線はまた、第3の2次元アレイ1700cの第1の対角線1770cに沿って各DACに近接して配置することができ、DACの第4の2次元アレイ1700dの第1の対角線1770dは、DACの第3及び第4の2次元アレイ1700c、1700dの第1の対角線1770c、1770dに沿ってそれぞれのDACとそれぞれ通信可能に結合することができる。
【0188】
DACの第1の2次元アレイ1700aのDACが複数の行及び列に配列される場合、DACの第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aは、例えば、DACの第1の2次元アレイ1700aの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。DACの第2の2次元アレイ1700bのDACが複数の行及び列に配列される場合、DACの第2の2次元アレイ1700bの第1の対角線1770bは、例えば、DACの第2の2次元アレイの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。同様に、DACの第3及び第4の2次元アレイ1700c、1700dのそれぞれの第1の対角線1770c、1770dは、例えば、DACの第3及び第4の2次元アレイ1700c、1700dの全ての行及び全ての列にわたってそれぞれ延在してもよい。
【0189】
いくつかの実装形態では、第2の2次元アレイ1702bの第1の対角線1770bは、第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aに対して垂直であり、第3の2次元アレイ1700cの第1の対角線1770cは、第2の2次元アレイ1700bの第1の対角線1770bに対して垂直である。いくつかの実装形態では、第4の2次元アレイ1700dの第1の対角線1770dは、第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aに対して垂直であり、第4の2次元アレイ1700dの第1の対角線1770dは、第3の2次元アレイ1700cの第1の対角線1770cに対して垂直である。
【0190】
特に、第1の制御線は、DACの第1の2次元アレイ1700aの第1の対角線1770aに沿って蛇行経路をたどることができる。第1の制御線は、DACの第2の2次元アレイ1700bの第1の対角線1770bに沿って蛇行経路をたどることができる。第1の制御線は、DACの第3の2次元アレイ1700cの第1の対角線1770cに沿って蛇行経路をたどることができる。第1の制御線は、DACの第4の2次元アレイ1700dの第1の対角線1770dに沿って蛇行経路をたどることができる。同様に、追加の制御線は、DACの第1、第2、又は他の2次元アレイ1700a~1700dのそれぞれの対角線に沿って蛇行経路をたどることができる。
【0191】
制御線の編組については、第2の制御線は、DACの第1の2次元アレイ1700aの第2の対角線1772aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイの第2の対角線1772aに沿って各DACに近接して配置されている。第2の制御線はまた、DACの第2の2次元アレイ1700bの第2の対角線1772bに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイ1700bの第2の対角線1772bに沿って各DACに近接して配置されている。同様に、第2の制御線はまた、DACの第3及び第4の2次元アレイ1700c、1700dの第2の対角線1772c、1772dに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第3及び第4の2次元アレイ1700c、1700dの第2の対角線1772c、1772dに沿って各DACに近接して配置され得る。
【0192】
DACの第1の2次元アレイのDACが複数の行及び複数の列に配列される場合、DACの第1の2次元アレイ1700aの第2の対角線1772aは、例えば、DAC1700aの第1の2次元アレイの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。或いは、DACの第1の2次元アレイ1700aの第2の対角線1772aは、例えば、DACの第1の2次元アレイ1700aの行のサブセット(すなわち、全てより少ない)及び/又は列のサブセット(すなわち、全てより少ない)にわたって延在してもよい。このように、任意の所与の制御線は、DACの2次元アレイ1700a~1700dの部分的にわたって第1の対角線に沿って延在することができ、次いで方向を切り替え、DACの残りの2次元アレイ1700a~1700dにわたって第2の対角線に沿って延在することができる。第2の対角線は、第1の対角線から非ゼロの角度で、例えば直角又は90°で延在することができる。いくつかの実装では、例えばDACのアレイが十分に大きい場合、所与の制御線は、1、2、3、又はそれ以上の対角線に沿って延在してもよく、各連続する対角線は先行及び後続の対角線に対して非ゼロの角度で延在してもよい。連続する角度は、全て同じにでき、又は1つ以上の角度を大きさ及び/又は方向で互いに異ならせることもできる。例えば、非ゼロの角度は、例えば、90°、60°、45°又は30°の角度を含み得る。また、例えば、角度の方向は、先行又は後続の対角線に対して時計回り又は反時計回りとすることができる。したがって、制御線のいくつかは、DAC1700a~1700dの1つ以上のセット又はアレイにわたって蛇行したジグザグ経路をとることができる。
【0193】
制御線の編組については、第3の制御線は、DACの第1の2次元アレイ1700aの第3及び第4の対角線1774a、1776aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第3の対角線1774a及び第4の対角線1776aに沿って各DACに近接して配置されている。第4の対角線は、第3の対角線に対して非ゼロの角度(例えば、垂直、直角、90°)で延在する。例えば、DAC1700aの第1の2次元アレイのDACが複数の行及び列に配列される場合、DACの第1の2次元アレイ1700aの第3の対角線1774aは、DACの第1の2次元アレイ1700aの第1の数の行及び第1の数の列にわたって延在してもよく、DAC1700aの第1の2次元アレイの第4の対角線1776aは、DACの第1の2次元アレイ1700aの第2の数の行及び第2の数の列にわたって延在してもよい。いくつかの実装形態では、第1の数の行と第2の数の行との組み合わせは、DAC1700aの第1の2次元アレイの全ての行を含み、第1の数の列と第2の数の列との組み合わせは、DAC1700aの第1の2次元アレイの全ての列を含む。
【0194】
第3の制御線はまた、DACの第2の2次元アレイの第3及び第4の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイ1700bの第3の対角線(図示せず)及び第4の対角線(図示せず)に沿って各DACに近接して配置することができ、ここで、DACの第2の2次元アレイの第4の対角線は、DACの第2の2次元アレイの第3の対角線に対して非ゼロの角度(例えば、垂直、直角)で延在する。第3の制御線は更に、DACの第3の2次元アレイ1700cの第3及び第4の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第3の次元アレイ1700cの第3の対角線及び第4の対角線に沿って各DACに近接して配置することができ、ここでも、DACの第3の2次元アレイ1700cの第4の対角線は、DACの第3の2次元アレイ1700cの第3の対角線に対して非ゼロの角度で延在する。第3の制御線はなおも更に、DACの第4の2次元アレイ1700dの第3及び第4の対角線に沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第4の次元アレイ1700dの第3の対角線及び第4の対角線に沿って各DACに近接して配置することができ、ここでも、DACの第4の2次元アレイの第4の対角線は、DACの第4の2次元アレイ1700dの第3の対角線に対して非ゼロの角度で延在する。
【0195】
列あたりのDACSの数が偶数又は奇数である場合、このアイデアの実装には小さな違いがある。
図18は、任意の多数の線にスケーリングされる編組交差のペア用の繰り返し可能なタイルを示している。
【0196】
図18Aは、デジタル-アナログコンバータ(DAC)の2つのアレイ1800a、1800b(まとめて及び個別に1800)、各DAC1804(i、j)(図を明確にするために
図18Aでは3つのみコールアウトされており、まとめて及び個別に1804)を個別にアドレス指定するように配置された複数の信号線1802a~1802c(まとめて及び個別に1802、明確にするために
図18Aでは3つのみコールアウトされている)を示している。制御回路は、少なくとも1つの図示された実装による、制御線1802のそれぞれの対並びに少なくとも第1の電力線1806a及び第2の電力線1806bを介して、DAC1804のうちの選択されたものに通信可能に結合されて信号を供給させる。
【0197】
図示された実装では、DACの各アレイ1800のDAC1804は、複数のそれぞれのサブアレイ1810a、1810b(まとめて及び個別に1810、明確にするために
図18Aでは2つのみコールアウトされている)に配置され、各サブアレイ1810は、複数の行(例えば、図面シートにわたって水平に延在する)、及び2つの列(例えば、図面シートを上下に垂直に延在する)を有する。DACの各アレイ1800内のDAC、及びDACの各サブアレイ1810内のDACは、少なくとも2つの電力線1806a、1806bのうちの1つを介して制御又は選択することができる。少なくとも2つの電力線1806のうちの1つは、アレイの複数の隣接しない列の各DACを制御又は選択することができる。例えば、サブアレイの列内の各DACは、少なくとも2つの電力線1806のうちの1つによって制御又は選択され得る。非隣接の列には、それらの間に少なくとも1つの列が挿入される。
【0198】
1つのアプローチでは、電力線は、第1のアレイ1800aのDAC1804を第2のアレイ1800bのDAC1804とは異なるように制御又は選択するように構成(例えば、レイアウト、配置)されてもよい。例えば、第1のアレイ1800aでは、サブアレイ1810の第1の列の各DACは、第1の電力線1806aによって制御又は選択されてもよく、サブアレイ1810の第2の列の各DACは、第2の電力線1806bによって制御又は選択されてもよい。第2のアレイ1800bでは、サブアレイ1810の第1の列の各DACは、第2の電力線1806bによって制御又は選択されてもよく、サブアレイ1810の第2の列の各DACは、第1の電力線1806aによって制御又は選択されてもよい。他の実装形態では、電力線は、第2のアレイ1800bのDAC1804と同様に、第1のアレイ1800aのDAC1804を制御又は選択するように構成(例えば、レイアウト、配置)されてもよい。例えば、第1のアレイ1800a及び第2のアレイ1800bでは、サブアレイ1810の第1の列の各DACは、第1の電力線1806aによって制御されてもよく、サブアレイ1810の第2の列の各DACは、第2の電力線1806bによって制御されてもよい。2つの電力線1806で示されているが、本出願で説明される技術及び構造は、サブアレイ1810内の3つ以上の電力線1806及び3つ以上の列と共に使用することができる。
【0199】
DACのカルテット(すなわち、4つのDAC)の3×3グリッド又はアレイにおける各アレイのDAC1804の配置は、単なる例示である。例えば、各アレイ1800のDAC1804は、アレイ1800内の合計で144個のDACに対して、DAC1804のカルテットの6×6グリッド又はアレイに配置され得る。DAC1804のカルテットの6×6アレイでは、各アレイ1800は、6個のサブアレイ1810を含むことができ、各サブアレイ1810は、DAC1804の12つの行及び2つの列を含むことができる。
図18Aには2つのアレイ1800が示されているが、当業者であれば、任意の数のアレイをプロセッサ又はコアに実装し得ることを認識するであろう。例えば、144個のDACの16個のアレイは、合計で2304個のDACに対して、プロセッサ又はコア内に4x4グリッドに配置され得る。概して、順序付けられたアレイとして示されているが、本出願で説明される技術及び構造の多くは、順序付けされていないアレイ若しくはDACのセット及び/又は他のデバイスと共に使用することができる。
【0200】
制御線1802a~1802c(まとめて及び個別に1802、明確にするために
図18Aでは3つのみコールアウトされている)は、電力線1806a及び1806b(まとめて及び個別に1806)と組み合わせて、各アレイ1800内のDAC1804のそれぞれ1つを一意にアドレス指定する。図示されるように、制御線1802は、アレイ1800内で編組構成に配置される。制御線1802の編組構成は、制御線1802が互いにより合わされているか、又はパターンに織り込まれている、例えば、反復パターンに織り込まれており、アレイ1800内の2つ以上のDAC1804を通信可能に結合するように動作可能である。
【0201】
アレイの境界において、第1のアレイ1800aの制御線は、
図18Aに示されるように、ストレートスルー配置で第2のアレイ1800bの制御線1802と電気的に結合し得る。ストレートスルー配置は、プロセッサ又はコアのエッジ又は境界にないアレイ1800を接続するのに適し得る。例えば、それぞれが第1のアレイ1800aの制御線を第2のアレイ1800bの制御線に電気的に結合する、制御線1802a~1802cを参照されたい。
【0202】
或いは、アレイ(第1のアレイ1800a及び第2のアレイ1800bなど)の境界において、第1のアレイ1800aの制御線1802は、例えば
図18Bに示される配置で、編組境界配置で第1のアレイ1800a内で継続するか、又は第1のアレイ1800aにフィードバックするように配置されてもよい。編組境界配置(
図18Bに示す例など)は、第1のアレイから出ている制御線1802を第1のアレイにフィードバックし、出ている制御線1802を第1のアレイ1800aの別の制御線1802に電気的に結合する。編組境界配置は、プロセッサ又はコアのエッジ又は境界など、別のアレイ1800bに電気的に結合されていないアレイ1800のエッジに適している。電気的に結合された制御線1802は、ガルバニック接続又は誘導結合を介して結合され得る。
【0203】
複数の制御線1802及び電力線1806は、所与の数のDAC1804をアドレス指定するために、信号線の総数が相対的に少ない効率的なアドレス指定方式を実現する。図示された例では、n本の制御線1802及びP本の電力線1806は、P(n-1)2個のDAC1804をアドレス指定することができる。各DACは、それぞれの対の制御線1802及び1つの電力線1806に通信可能に結合され得る。各DACは、制御回路を介して供給される信号を介して制御することができ、それぞれのペアの制御線1802及び電力線1806によって伝搬され得る。制御回路は、一対の制御線1802及び少なくとも2つの電力線1806のうちの1つを介して、各DAC1804を一意にアドレス指定することができる。すなわち、DAC1804を制御する信号線の各トリプレットは、2つの制御線1802と1つの電力線1806との一意の組み合わせを含む。
【0204】
DAC1804は、複数の2次元アレイ(2つのアレイ1800a及び1800bが
図18Aに示されている)に配置され、各アレイは、複数のサブアレイ1810に配置されたそれぞれの複数のDAC1804を含む。複数の制御線1802の各制御線は、それぞれの2次元アレイ(例えば、アレイ1800a及び1800bのうちの1つ)のDAC1804に通信可能に結合される。複数の電力線1806の各電力線は、それぞれのサブアレイのDACの1つの列に通信可能に結合される。すなわち、各電力線1806は、それぞれの2次元アレイ1800のDACの列の総数の半分に通信可能に結合され、電力が通信可能に結合される列は隣接していない。隣接していない列には、それらの間に少なくとも1つの列が挿入される。各制御線は、2つ以上の2次元アレイ1800のそれぞれのDAC1804のサブセットに通信可能に結合され得る。
【0205】
図18Aに示すように、
図18Aの第1の制御線1802a及び第2の制御線1802bは、
図17Aに示す第1の制御線及び第2の制御線と同様に、少なくとも1つのDACに動作可能に近接して配置されている。
【0206】
図18A及び
図18Bでは、第1の電力線1806aは、DACの第1の2次元アレイ1800aの少なくとも2つの隣接していない列のDACに電流を選択的に供給するように結合されている。第1の電力線1806aは、DACの第2の2次元アレイ1800bの少なくとも2つの隣接しない列のDACに、電流を選択的に供給するように更に結合される。
【0207】
第2の電力線1806bは、第1の電力線1806aに結合されていないDACの第1の2次元アレイ1800aの少なくとも2つの隣接していない列のDACに電流を選択的に供給するように結合されている。第2の電力線1806bは、第1の電力線1806aに結合されていないDACの第2の2次元アレイ1800bの少なくとも2つの隣接していない列のDACに電流を選択的に供給するように更に結合されている。
【0208】
各構成要素のインターフェース、例えば誘導性インターフェースが磁束を介して通信可能に結合できる場合、制御線1802は、DAC1804に近接して、又は動作可能に近接して配置され、それによって信号を制御線1802からそれぞれのDAC1804に伝送することができる。「近接」及び「動作可能に近接」という用語は、この明細書及び特許請求の範囲にわたって互換的に使用されており、2つの構成要素が通信可能に結合され、制御線が磁束を介してDACに信号を伝送できるように、制御線がDACの近くに配置されていることに留意されたい。
【0209】
図18Cは、
図18Aのデジタル-アナログコンバータ(DAC)1800a及び1800b(まとめて及び個別に1800)の2つのアレイ、及び制御線1802a~1802c(まとめて及び個別に1802であり、明確にするために
図18Cでは特にコールアウトされていない)を示し、編組制御線1802の方向を表す複数の対角線を示している。このアプローチでは、nが制御線1802の数でありPが電力線1806の数であるときに、P(n-1)
2個のDACを有利に制御でき、又は、電力ドメインの数が4で信号線の数が制御線の数と等しい特殊なケースでは、4(N-1)
2個のDACを制御することができる。
【0210】
図18Aに示すように、アレイの境界において、第1のアレイ1800aの制御線1802は、例えば、ストレートスルー構成又は別の適切な構成で、第2のアレイ1800aの制御線1802と電気的に結合し得る。
図18Aに示される構成では、
図18Aに示される第1のアレイ1800a及び第2のアレイ1800bの制御線1802は、
図17Bに示される第1のアレイ1700a及び第4のアレイ1700dの制御線1702と同様に配置されている。
図18A及び18Cを一緒に参照すると、第1の制御線1802aは、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って各DACに近接して配置されている。第1の制御線1802aはまた、DACの第2の2次元アレイ1800bの第1の対角線1880bに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2の2次元アレイ1800bの第1の対角線1880bに沿って各DACに近接して配置されている。
【0211】
対角線に沿ってDACに近接して配置された制御線は、対角線の方向に蛇行経路をたどる。例えば、第1の対角線1880は、第1の2次元アレイ1800aの右上、下方、及び左に向けられる。
図18Cにおいて円で囲まれているDAC1804(2,4)、1804(1,4)、1804(1,5)(まとめて及び個別に1804、明確にするため
図18Cでは3つのみコールアウトされている)は、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って配置されており、第1の制御線1802aは、円で囲まれたDACのそれぞれに近接して配置されている。任意の制御線1802がたどる蛇行経路は、制御線を複数のDAC1804の近くで又は近接させて、例えば誘導性インターフェースを介して制御線を近接するDACのそれぞれに通信可能に結合する、曲がりくねった、又はジグザグの波状経路であり得る。各編組制御線1802の蛇行経路は、それぞれの対角線の一般的な方向をたどる。
【0212】
DACの第1の2次元アレイ1800aのDACが複数の行及び列に配列される場合、DACの第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aは、例えば、DACの第1の2次元アレイ1800aの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。DACの第2の2次元アレイ1800bのDACが複数の行及び列に配列される場合、DACの第2の2次元アレイ1800bの第1の対角線1880bは、例えば、DACの第2の2次元アレイ1800bの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。いくつかの実装形態では、第2の2次元アレイ1800bの第1の対角線1880bは、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに垂直である。いくつかの実装形態では、第1及び第2の2次元アレイの第1の対角線のうちの少なくとも1つは、それぞれの2次元アレイ1800の行及び列のサブセットにわたって延在する。
【0213】
図18Aに示される構成では、第1の制御線1802aは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って蛇行経路をたどることができる。第1の制御線1802aはまた、DACの第2の2次元アレイ1800bの第1の対角線1880bに沿って蛇行経路をたどることができる。
【0214】
第2の制御線1802bは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第3の対角線1884aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第3の対角線1884aに沿って各DACに近接して配置されている。第2の制御線は1802bまた、DACの第2の2次元アレイ1800bの第2の対角線1882bに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイ1800bの第2の対角線1882bに沿って各DACに近接して配置されている。
【0215】
第3の制御線1802cは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿って各DACに近接して配置されている。第3の制御線1802cはまた、DACの第2の2次元アレイ1800bの第3の対角線1884bに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第2の2次元アレイ1800bの第3の対角線1884bに沿って各DACに近接して配置されている。
【0216】
第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882a、第3の対角線1884a、及び第4の対角線1886aは、例えば、第1のアレイの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。或いは、第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882a、第3の対角線1884a、及び第4の対角線1886aは、第1のアレイの行のサブセット及び/又は列のサブセットにわたって延在してもよい。同様に、第2の2次元アレイ1800bの第2の対角線1882b及び第3の対角線1884bは、例えば、第2のアレイ1800bの全ての行及び全ての列にわたって延在してもよい。或いは、第2の2次元アレイ1800bの第2の対角線1882b及び第3の対角線1884bは、第2のアレイ1800bの行のサブセット及び/又は列のサブセットにわたって延在してもよい。
【0217】
図18Bに示すように、アレイの境界において、第1のアレイ1800aの制御線1802は、編組境界構成で第1のアレイ1800a内で連続するように配置されてもよい。編組境界アプローチでは、
図18Bに示される第1のアレイ1800a及び第2のアレイ1800bの制御線1802は、
図17Bに示される第1のアレイ1700a及び第2のアレイ1700bの制御線1702と同様に配置されている。
図18B及び18Cを一緒に参照すると、第1の制御線1802aは、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って各DACに近接して配置されている。第1の制御線1802aはまた、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿って各DACに近接して配置されている。各構成要素のインターフェース、例えば誘導性インターフェースが磁束を介して通信可能に結合でき、それによって信号を制御線からそれぞれのDACに伝送できる場合、制御線はDACに近接している。
【0218】
図18Bに示される編組境界アプローチでは、第1の制御線1802aは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って蛇行経路をたどることができる。第1の制御線1802aはまた、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿って蛇行経路をたどることができる。第2の制御線1802bは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第3の対角線1884aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第3の対角線1884aに沿って各DACに近接して配置されている。第2の制御線1802bはまた、DACの第1の2次元アレイ1800aの第4の対角線1886aに沿ってそれぞれのDACSと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第4の対角線1886aに沿って各DACに近接して配置されている。第3の制御線1802cは、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿ってそれぞれのDACと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第2の対角線1882aに沿って各DACに近接して配置されている。第3の制御線1802cはまた、DACの第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿ってそれぞれのDACSと通信可能に結合するように、DACの第1の2次元アレイ1800aの第1の対角線1880aに沿って各DACに近接して配置されている。
【0219】
図18Aに示される構成又は
図18Bに示される構成のいずれかにおいて、追加の制御線1802は、第1又は第2の2次元アレイ1800a、1800bのそれぞれの対角線に沿って蛇行経路をたどることができる。図示された実装における制御線1802の編組は、
図17A及び
図17Bに示される制御線の編組と同様である。例えば、
図18Aの第1の制御線1802a及び第3の制御線1802cは、
図17A及び
図17Bの第1の2次元アレイにおける第1の制御線及び第2の制御線と同様のパターンで織り込まれる。同様に、
図18Aの第2の制御線1802bは、
図17A及び
図17Bの第2の2次元アレイの第2の制御線と同様のパターンで、2つの制御線(
図18Aではコールアウトされていない)と織り込まれる。
図18A、
図18B、及び
図18Cの電力線1806は、各電力線1806がDACのアレイではなくDACのそれぞれの列に電流を選択的に供給するように結合されるという点で、
図17A及び
図17Bの電力線とは異なる。
図18A及び18Bに示される構成では、(図面シートに対して)左右の側面境界において電気的に結合されていないものとして示されている制御線1802は、
図18Aのストレートスルー配置によって追加のアレイに電気的に結合することができ、又は
図18Bの編組境界配置によってそれぞれのアレイに連続又はフィードバックするように配置することができる。
【0220】
図19は、より大きなサイズのアレイを形成するように繰り返し可能にタイル及びスケーリングができる編組交差のペアのアレイを示している。
【0221】
図19は、少なくとも1つの例示された実装による、DAC1900のアレイ、及び3つの制御線1902a、1902b、1902cを示している。DACのアレイ1900、3つの制御線1902a、1902b、1902c(まとめて1902)は、
図17A、
図17B、
図18A、
図18B、及び
図18Cの対応する構造と、類似又は全く同一でさえあり得る。
図19は、アレイ1900の各DACを個別にアドレス指定するための制御線1902の物理的配置をより良く示している。
【0222】
アレイ1900は、第1のDAC1904a、a、第2のDAC1904a、b、第3のDAC1904b、b、及び第4のDAC1904b、aを含む。各DACには、材料のループ、材料のループを中断する1対のジョセフソン接合、及び1対のインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)が含まれる。
【0223】
第1の制御線1902aは、アレイ1900の第1のDAC1904a、a、第4のDAC1904b、a、第3のDAC1904b、b、及び第2のDAC1904a、bに動作可能に近接して通過する。第1の制御線1902aは、第1、第4、第3、及び第2のDAC、1904a、a、1904b、a、1904b、b、1904a、bの相補的インターフェースに動作可能に近接するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)を含み、それらの間に信号(例えば、磁束)を提供する。
【0224】
第2の制御線1902bは、アレイ1900の第4のDAC1904b、a、及び第1のDAC1904a、aに動作可能に近接して通過する。第2の制御線1902bは、第4及び第1のDAC1904b、a、1904a、aの相補的インターフェースに動作可能に近接するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)を含み、それらの間に信号(例えば、磁束)を提供する。
【0225】
第3の制御線1902cは、アレイ1900の第3のDAC1904b、b、及び第2のDAC1904a、bに動作可能に近接して通過する。第3の制御線1902cは、第3及び第2のDAC1904b、b、1904a、bの相補的インターフェースに動作可能に近接するインターフェース(例えば、誘導性インターフェース)を含んで、それらの間に信号(例えば、磁束)を提供する。
【0226】
図19のアレイ1900は基本的なユニットタイルであり、DACのカルテットであるアレイの最も単純な実装例を示している。アレイ1900は、2つの行と2つの列に配置された複数のDACを含むカルテットを形成する。アレイ1900の第1の列は、第1のDAC1904a、a、及び第4のDAC1904b、aを含み得る。アレイ1900の第2の列は、第2のDAC1904a、b、及び第3のDAC1904b、bを含み得る。アレイ1900の各DAC1904は、1つの電力線(図示せず)と2つの制御線1902との一意の組み合わせを介して制御されてもよい。複数の電力線(図示せず)うちの少なくとも1つを結合して、アレイ1900の第1の列及び第2の列の各DACに電流を選択的に供給することができる。アレイ1900の各DAC1904と通信可能に結合する2つの制御線1902は、第1の1902a、第2の1902b、又は第3の制御線1902cのグループから選択され得る。図示された実装では、第1の制御線1902aは、第1の列及び第2の列のそれぞれのDACに通信可能に結合するように、第1の列及び第2の列の各DAC1904に動作可能に近接して配置されている。例えば、第1の制御線1902aは、第1のDAC1904a、a、第4のDAC1904b、a、第3のDAC1904b、b、及び第2のDAC1904a、bに動作可能に近接して配置されている。第2の制御線1902bは、第1の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1の列の各DAC、例えば、第1のDAC1904a、a、及び第4のDAC1904b、aに動作可能に近接して配置されている。第3の制御線1902cは、第2の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2の列の各DAC、例えば、第1のDAC1904a、b、及び第4のDAC1904b、aに動作可能に近接して配置されている。
【0227】
他の実装では、
図19に示す基本ユニットタイルの第1の列及び第2の列、又は最も単純な実装形態を、繰り返しパターンで個別に並べて、追加の列及び追加の電力線を含めることができる。アレイの第1の列のような(すなわち、
図19の第1のDAC1904a、a、及び第4のDAC1904b、aに類似した、又はそれに類似した配置で配置されたDACを含む)DACの第1の追加の列は、第2の列と、アレイの第1の列のような列のサブセットとの間に挿入される。アレイの第2の列のような(すなわち、
図19の第2のDAC1904a、b、及び第3のDAC1904b、bに類似した、又はそれに類似した配置で配置されたDACを含む)DACの第2の追加の列は、アレイの第2の列のような列のサブセットに隣接している。追加の電力線は、第1の追加の列及び第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合されている。図示された実装では、任意の数(整数)の第1の追加の列、第2の追加の列、及び対応する数の追加の電力線を含むように拡張することができる。第1の制御線は、アレイの各列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの各列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第2の制御線は、アレイの第1の列及び第1の追加の列のような列のサブセットのそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第1の列及び第1の追加の列のような列のサブセットの各DACに動作可能に近接して配置されている。第3の制御線は、アレイの第2の列及び第2の追加の列のような列のサブセットのそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第2の列及び第2の追加の列のような列のサブセットの各DACに動作可能に近接して配置されている。
【0228】
図19のアレイの第1の列及び第2の列をタイリングする1つの例示的な実装は、DACの第3の列及び第4の列を含む。DACの第3の列は、第1の列と同様である。DACの第3の列は、アレイの第1の列の第1のDAC1904a、a及び第4のDAC1904b、aと同様であるDACを含み得る。アレイはまた、第2の列のようなDACの第4の列を含み得る。DACの第4の列は、アレイの第2の列の第2のDAC1904a、b及び第3のDAC1904b、bと同様のDACを含み得る。第3の列は、第1の列と第2の列との間に挿入される。第4の列は第2の列に隣接している。第1、第2、第3、第4の列の順序は、アレイの左側から右側に順序通りでないことに留意されたい。アレイの左側から開始して右側に進む列の順序は、第1の列、第3の列、第2の列、第4の列である。第1の電力線は、アレイの第1及び第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合することができ、第2の列は、第3及び第4の列の間に挿入される。第2の電力線は、アレイの第3及び第4の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合することができ、第3の列は、第1及び第2の列の間に挿入される。このように、各電力線は、アレイの交互の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合することができる。第1の制御線は、アレイの第1、第2、第3、及び第4の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第1、第2、第3、及び第4の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第2の制御線は、アレイの第1の列及び第3の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第1の列及び第3の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第3の制御線は、アレイの第2の列及び第4の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第2の列及び第4の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。
【0229】
図20に示される例示的な実装では、アレイ2000は、
図19の第1の列2006a及び第2の列2006bをタイリングすることから形成されるDAC2004の6つの列2006a~2006fを含む。6つの列の順序は、(図面シートに対して)アレイ2000の左側から右側に順序通りではないことに留意されたい。アレイ2000の左側から開始して右側に進む列の順序は、第1、第3、第5、第2、第4、第6の列、2006a、2006c、2000e、2006b、2006d、2006fである。第5の列2006e及び第3の列2006cは、アレイ2000の第1の列2006aと同様であり、
図19の第1のDAC1904a、a、及び第4のDAC1904b、aと同様のDACを含み得る。第5の列2006eは、アレイ2000の第3の列2006cと第2の列2006bとの間に挿入される。第1、第3、及び第5の列は、アレイ2000の第1の列2006aのような列のサブセットを形成する。第6の列2006f及び第4の列2006dは、アレイ2000の第2の列2006bと同様であり、
図19の第2のDAC1904a、b、及び第3のDAC1904b、bと同様のDACを含み得る。第6の列2006fは、第4の列2006dに隣接している。第2、第4、及び第6の列は、アレイ2000の第2の列2006bのような列のサブセットを形成する。
図21の実装では、アレイ2000は、第1、第2、及び第3の電力線(図示せず)を含み得る。第1の電力線は、第1の列2006a及び第2の列2006bの各DACに、電流を選択的に供給するように結合される。第2の電力線は、第3の列2006c及び第4の列2006dの各DACに、電流を選択的に供給するように結合される。第3の電力線は、第5の列2006e及び第6の列2006fの各DACに、電流を選択的に供給するように結合される。このように、各電力線は、第1の列2006aのような列のサブセットの1つの列、及び第2の列2006bのような列のサブセットの別の列に電流を供給する。
【0230】
第1の制御線2002aは、アレイ2000の第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の列2006a~2006fのそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイ2000の第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の列2006a~2006fの各DACに動作可能に近接して配置される。第2の制御線2002bは、アレイの第1、第3、及び第5の列、2006a、2006c、2006eのそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第1、第3、及び第5の列、2006a、2006c、2006eの各DACに動作可能に近接して配置されている。第3の制御線2002cは、アレイの第2、第4、及び第6の列、2006b、2006d、2006fのそれぞれのDACと通信可能に結合するように、アレイの第2、第4、及び第6の列、2006b、2006d、2006fの各DACに動作可能に近接して配置されている。
【0231】
図21は、
図20のアレイと同様に、デジタル-アナログコンバータ(DAC)2100a、2100b、2100cの6つのアレイ(明確にするために
図21では3つのみコールアウトされており、まとめて及び個別に2100)を示す。
図21はまた、DAC2104i、j(ここで、iは1~nの整数であり、jは1~nの整数であり、明確にするために
図21では3つのみコールアウトされており、まとめて2104)のそれぞれにアドレス指定するように配置された複数の制御線2102a~2102c(明確にするために
図21では3つのみコールアウトされており、まとめて2102)を示す。制御回路は、少なくとも1つの例示された実装による、制御線2102のそれぞれのペア及び少なくとも3つの電力線2106a~2106c(まとめて2106)を介して、DAC2104のうちの選択されたものに通信可能に結合されて信号を供給させる。
【0232】
図示された実装では、DAC2104の各アレイ2100内のDAC2104は、
図20のアレイのように、6つの列に配置される。各アレイ2100の場合、6つの列の順序は、(図面シートに対して)アレイの左側から右側に順序通りではないことに留意されたい。各アレイの左側から開始して右側に進む列の順序は、第1、第3、第5、第2、第4、及び第6の列である。各アレイは、
図19の第1のDAC1904a、a、及び第4のDAC1904b、aと同様のDAC2104を含む
図19の第1の列と同様の列のサブセットを含む。第1の列と同様の列のサブセットには、第1、第3、第5の列が含まれる(すなわち、第3の列が挿入され、第1及び第5の列に隣接している)。各アレイはまた、
図19の第2のDAC1904a、b、及び第3のDAC1904b、bと同様のDAC2104を含む
図19の第2の列と同様の列のサブセットを含む。第2の列のような列のサブセットには、第2、第4、及び第6の列が含まれる(すなわち、第4の列が挿入され、第2と第6の列に隣接している)。DACの各アレイ2100は、3つの電力線2106によって制御又は選択される。各電力線は、各アレイ2100内のそれぞれの列のペアに電流を選択的に供給する。例えば、第1の電力線2106aは、各アレイ2100の第1及び第2の列に電流を選択的に供給し、第2の電力線2106bは、各アレイ2100の第3及び第4の列に電流を選択的に供給し、第3の電力線2106cは、各アレイ2100の第5及び第6の列に電流を選択的に供給する。
【0233】
制御線2102は、電力線と組み合わせて使用されて、各アレイ2100の各DACを一意にアドレス指定する。図示されるように、これらの制御線は、それぞれのペアの制御線2102及び電力線2106によって伝搬される信号を介して各DACが制御される効率的なアドレス指定方式を実現するために、それぞれのアレイのそれぞれにわたって織り込まれる。例えば、n本の制御線2102及びP本の電力線2106は、約n(n-1)P個のDAC2104をアドレス指定することができる。図示された実装における各アレイは、2P個のDACを含み得るが、アレイにおける行の数がより多くなり得るため、アレイは、例えば3P個又は4P個のDACを含み得る。
【0234】
図21に示すように、DACは6個のアレイ2100に配置され、各アレイは、それぞれの複数のDAC2104、複数の制御線2102、及び複数の電力線2106を含む。第1のアレイ2100aは、第1のアレイ2100aの各列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第1のアレイ2100aの各列の各DACに動作可能に近接して配置されている第1の制御線2102aを含み得る。第1のアレイ1200aは、第1、第3、及び第5の列の各DACに動作可能に近接して配置されている第2の制御線2102bを含み得る。第1のアレイ2100aはまた、第2、第4、及び第6の列の各DACに動作可能に近接して配置されている第3の制御線2102cを含み得る。
【0235】
1つの実装では、第2の制御線2102bは、第2のアレイ2100bの第2、第4、及び第6の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイ2100bの第2、第4、及び第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。第1のアレイ2100aの第1の制御線2102aと同様の第4の制御線(コールアウトされていない)は、第2のアレイ2100bの各列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイ2100bの各列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第4の制御線は、第1のアレイ2100aのような第3のアレイの第1の制御線2102aに電気的に結合されてもよい。第1のアレイ2100aの第2の制御線2102bと同様の第5の制御線(コールアウトされていない)は、第2のアレイ2100bの第1、第3、及び第5の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第2のアレイ2100bの第1、第3、及び第5の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第5の制御線は、第1のアレイ2100aのような第3のアレイの第3の制御線に電気的に結合されてもよい。
【0236】
別の実装では、第1の制御線2102aは、第3のアレイ2100cの各列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第3のアレイ2100cの各列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている。第1のアレイ2100aの第2の制御線と同様の第4の制御線(コールアウトされていない)は、第3のアレイ2100cの第1、第3、及び第5の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第3のアレイ2100cの第1、第3、及び第5の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第4の制御線は、第1のアレイ2100aのような第4のアレイの第3の制御線に電気的に結合されてもよい。第1のアレイ2100aの第3の制御線と同様の第5の制御線(コールアウトされていない)は、第3のアレイ2100cの第2、第4、及び第6の列のそれぞれのDACと通信可能に結合するように、第3のアレイ2100cの第2、第4、及び第6の列の各DACに動作可能に近接して配置されている。第5の制御線は、第1のアレイ2100aのような第4のアレイの第2の制御線に電気的に結合されてもよい。
【0237】
この明細書及び添付の特許請求の範囲を通して、「2次元アレイ」及び「アレイ」が参照されているが、これらは互換的に使用される2つの用語である。一般に、上記の実装におけるアレイは2次元であり、関連する構成要素(例えば、制御線、DAC、ジョセフソン接合)は超伝導集積回路製造プロセスで容易に製造できることが好ましい。いくつかの実装は概略図であるため、アレイで表される線構成は、プロセッサ又はコア上に実装された実際のレイアウトと外観が異なる場合がある。上記の実装では、概して、順序付けられたアレイとして示されているが、本明細書で説明される技術及び構造の多くは、順序付けされていないアレイ若しくはDACのセット及び/又は他のデバイスと共に使用することができる。
【0238】
上述の方法、プロセス、又は技術は、1つ以上の非一時的プロセッサ可読媒体に記憶された一連のプロセッサ可読命令によって実装することができる。上述の方法、プロセス、又は技術方法のいくつかの例は、断熱量子コンピュータ若しくは量子アニーラなどの専用デバイスによって部分的に実行され、そうでなければ、断熱量子コンピュータ若しくは量子アニーラ、例えば少なくとも1つのデジタルプロセッサを含むコンピュータの動作を制御する。上述の方法、プロセス、又は技術は、様々な行為を含み得るが、当業者であれば、代替的な例において、特定の行為が省略され得、及び/又は追加的な行為が追加され得ることを理解するであろう。当業者であれば、例示された行為の順序が例示的な目的のためだけに示されており、代替的な例において変更され得ることを理解するであろう。上述の方法、プロセス、又は技術の例示的な行為又は動作のいくつかは、反復的に実行される。上述の方法、プロセス、又は技術のいくつかの行為は、各反復の間、複数の反復後、又は全ての反復の終了時に実行され得る。
【0239】
要約に記載されているものを含む、例示された実装の上記の説明は、網羅的であること、又は実装を開示された正確な形態に限定することを意図していない。本明細書では例示の目的で特定の実装及び例を説明しているが、当業者には認識されるように、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な同等の変更を行うことができる。本明細書で提供される様々な実装の教示は、量子計算の他の方法に適用することができ、必ずしも、一般的に上述された量子計算の例示的な方法ではない。
【0240】
上述した様々な実装を組み合わせて、更なる実装を提供することができる。この明細書において参照され、及び/又は出願データシートにリストされ、並びにD-Wave Systems Incに一般に割り当てられている、全ての米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、及び外国特許出願は、参照によりその全体が本書に組み込まれており、そこには、国際特許出願第PCT/US2017/030857号、米国特許出願第62/405,027号、米国特許出願第62/331,287号、及び米国特許出願第15/726,239号を含むが、これらに限定はされない。
【0241】
上記の詳細な説明に照らして、これら及び他の変更を実装に行うことができる。一般に、以下のクレームにおいて、使用される用語は、クレームを明細書及びクレームで開示された特定の実装に限定するように解釈されるべきではなく、全ての可能な実装をそのようなクレームの権利対象となる同等の全範囲を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
前記第1のアレイの複数の行及び複数の列に配置された複数のDACを含むデジタル-アナログコンバータ(DAC)の第1のアレイと、
前記第1のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第1の電力線であって、前記第1の列の前記DACが第1の配置に配置されている、第1の電力線と、
前記第1のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合された前記第1の電力線であって、前記第2の列の前記DACが第2の配置に配置されている、前記第1の電力線と、
前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第1の制御線と、
前記第1のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第1の列の各DACに動作可能に近接して配置された第2の制御線と、
前記第1のアレイの第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置された第3の制御線と、を備える、システム。
【請求項2】
前記第1の配置に配置されたDACの第3の列であって、前記第1のアレイの前記第1の列と前記第2の列との間に挿入されている、第3の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第4の列であって、前記第1のアレイの前記第2の列に隣接している、第4の列と、
前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された第2の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第3の列及び前記第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第3の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの第3の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第4の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第4の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の配置に配置されたDACの第5の列であって、前記第1のアレイの前記第3の列と前記第2の列との間に挿入されている、第5の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第6の列であって、前記第1のアレイの前記第4の列に隣接している、第6の列と、
前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合された第3の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第5の列及び前記第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第5の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第5の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第6の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1のアレイの前記第6の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2の列と、前記第1の配置に配置されたDACを含む前記第1のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2の配置に配置されたDACを含む前記第1のアレイの列のサブセットに隣接している、第2の追加の列と、
前記第1のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第1のアレイの前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第3の制御線が、前記第1のアレイの前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも、前記第1のアレイ内のDACではなく、前記第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置されている、複数のDACを含むDACの第2のアレイを、を更に備え、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第1の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、前記第1の列の前記DACが前記第1の配置に配置されており、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように更に結合されており、前記第2の列の前記DACが前記第2の配置に配置されており、
前記第2の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2のアレイの前記第2の列と、前記第1の配置に配置されたDACを含む前記第2のアレイの列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第2の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2の配置に配置されたDACを含む前記第2のアレイの列のサブセットに隣接している、第2の追加の列と、
前記第2のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第2の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第3のアレイを更に備え、前記第4の制御線が、前記第3のアレイの前記第1の制御線に電気的に結合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第3のアレイを更に備え、前記第5の制御線が、前記第3のアレイの前記第3の制御線に電気的に結合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも、前記第1のアレイ内のDACではなく、前記第2のアレイの複数の行及び複数の列に配置されている、複数のDACを含むDACの第2のアレイを、更に備え、
前記第1の電力線が、前記第2のアレイの第1の列及び第2の列の各DACに電流を選択的に供給するように結合されており、
前記第1の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列及び前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第4の制御線が、前記第2のアレイの前記第1の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第1の列の各DACに動作可能に近接して配置されており、
第5の制御線が、前記第2のアレイの前記第2の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2のアレイの前記第2の列の各DACに動作可能に近接して配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の配置に配置されたDACの第1の追加の列であって、前記第2の列と、前記第2のアレイの前記第1の配置に配置されたDACを含む列のサブセットとの間に挿入された、第1の追加の列と、
前記第1の配置に配置されたDACの第2の追加の列であって、前記第2のアレイの前記第2の配置に配置されたDACを含む列のサブセットに隣接する、第2の追加の列と、
前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに、電流を選択的に供給するように結合された追加の電力線と、を更に備え、
前記第1の制御線が、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列及び前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第4の制御線が、前記第1の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第1の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されており、
前記第5の制御線が、前記第2の追加の列の前記それぞれのDACと通信可能に結合するように、前記第2の追加の列の各DACに動作可能に近接して更に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第3のアレイを更に備え、前記第4の制御線が、前記第3のアレイの前記第3の制御線に電気的に結合されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
第3のアレイを更に備え、前記第5の制御線が、前記第3のアレイの前記第2の制御線に電気的に結合されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
合計でn本の制御線及びP本の電力線によって制御される、n(n-1)P個のDACが存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
合計でP本の電力線が存在し、前記第1のアレイが2P個のDACを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
1つの電力線及び2つの信号線を含むそれぞれのトリプレットを介して前記DACのうちの選択されたものに、通信可能に結合されて信号を供給させる制御回路を更に備え、前記トリプレットが単一のそれぞれのDACを動作させるために一意に通信可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
システムであって、
N本の制御線と、
P本の電力線と、
複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)であって、前記複数のDACの前記DACのそれぞれが、それぞれの材料のループと、前記それぞれのループを中断し、前記材料のループ内で電気的に互いに並列に結合されたジョセフソン接合のそれぞれのペアとを含む、複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)と、
編組構成に配置され、前記複数のDACの前記DACに通信可能に結合された複数の制御線と、を備え、
前記複数のDACにおける前記DACの合計が、信号線のそれぞれのトリプレットによって伝搬される信号を介して制御される前記信号線のそれぞれのトリプレットに通信可能に結合されているN(N-1)P個のDACを含む、システム。
【請求項17】
各DACが、信号線のそれぞれのトリプレットを介して制御され、各トリプレットが、2つの制御線と前記電力線のうちの1つとの一意の組み合わせを含む、請求項16に記載のシステム。
【外国語明細書】