IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三井ハイテックの特許一覧

<>
  • 特開-研削盤 図1
  • 特開-研削盤 図2
  • 特開-研削盤 図3
  • 特開-研削盤 図4
  • 特開-研削盤 図5
  • 特開-研削盤 図6
  • 特開-研削盤 図7
  • 特開-研削盤 図8
  • 特開-研削盤 図9
  • 特開-研削盤 図10
  • 特開-研削盤 図11
  • 特開-研削盤 図12
  • 特開-研削盤 図13
  • 特開-研削盤 図14
  • 特開-研削盤 図15
  • 特開-研削盤 図16
  • 特開-研削盤 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019195
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】研削盤
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/02 20060101AFI20240201BHJP
   B24B 7/02 20060101ALI20240201BHJP
   B23Q 1/58 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B24B41/02
B24B7/02
B23Q1/58 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197510
(22)【出願日】2023-11-21
(62)【分割の表示】P 2019223243の分割
【原出願日】2019-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000144038
【氏名又は名称】株式会社三井ハイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】本田 敏文
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 忠男
(72)【発明者】
【氏名】大庭 敬賢
(72)【発明者】
【氏名】草野 鉄也
(57)【要約】
【課題】振動を抑えつつ、より持続性の高い案内機構を実現した研削盤を提供する。
【解決手段】案内機構のガイド部材に固着されるシート材130上に、このシート材130に設けられた溝部141と、溝部141内に設けられた油供給口142とを備えて、シート材130を介して、被ガイド部材と面接触することで、微細な振動を抑えつつ、溝部141を介して、油供給口142から供給された潤滑油を、より効率的にシート材130に供給し、シート材130の摩耗による劣化を抑制することで、案内機構の性能低下を抑制できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研削対象の工作物を支持するテーブルをレール状のガイド部材に沿って定められた方向に案内する摺動による案内機構を有する研削盤において、
前記ガイド部材に固着されて摺動面をなすフッ素樹脂製のシート材と、
前記シート材上に設けられた溝部と、
前記溝部内に設けられた油供給口と、
を備え、
前記ガイド部材は、短手方向に傾斜を有し、
前記シート材は、前記ガイド部材の傾斜に対応してシート材を固着することでシート材全体が傾斜することを
特徴とする研削盤。
【請求項2】
請求項1に記載の研削盤において、
前記油供給口は、前記シート材における中間の高さ以上の位置に設けられたことを
特徴とする研削盤。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の研削盤において、
前記シート材が、前記ガイド部材の長手方向の全長にわたって設けられ、
前記溝部が、前記シート材の短手方向に、前記シート材を横断する領域を包含しないことを
特徴とする研削盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を研削する研削盤に関し、特に研削盤の摺動面を改良した研削盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、研削盤では、研削対象の工作物を支持するテーブルの案内機構として、高速度での移動を伴う案内に適したボールガイドや中空ローラガイドが用いられていた。また、研削盤をはじめとする工作機械におけるテーブルの案内機構において、フッ素樹脂材を摺動部分に用いたすべりガイドを適用する技術が知られている。
特許文献1には、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とした潤滑油併用のシート状摺動部材について、可及的に製造容易な構造が開示されている。特許文献1の構造では、工作物の支持台を所定の方向に案内する案内面と、この案内面に摺接して案内される被案内面と、これら案内面と被案内面との間に保持する潤滑油とを備えた工作機械の案内構造における案内面または被案内面を形成する摺動部材において、この摺動部材がポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とするシート状基材からなり、このシート状基材の両面を化学処理して接着性を向上させると共に、シート状基材の潤滑油保持面に複数の凸部を設け、これら凸部の頂上部を研磨して複数の摺接用滑面を設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-23180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
研削盤におけるテーブルの案内機構にボールガイドや中空ローラガイドを用いる場合、ボールガイドや中空ローラガイドはガイド部材や案内対象物と点接触をしている。そのため、ボール間の隙間や中空ローラ間の隙間が原因で、テーブルの移動の際にテーブルに微細な振動が生じていた。そして、生じた振動が原因で研削対象の工作物の表面に研削ムラが生じるという課題を有していた。
一方、ボールガイドや中空ローラガイドを用いない低負荷用の案内機構の例として、研削盤におけるテーブルの案内機構にすべりガイドを用いて、摺動部材としてフッ素樹脂材を適用することも従来から提案されていた。しかしながら、この場合、摩耗によりフッ素樹脂材の劣化が生じてしまい、結果として、摺動抵抗の増加等の案内機構の性能低下が生じるという課題を有していた。
本発明は、前記課題を解消するためになされたもので、振動を抑えつつ、案内機構の性能の低下がより生じにくい研削盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の開示に係る研削盤は、研削対象の工作物を支持するテーブルをレール状のガイド部材に沿って定められた方向に案内する摺動による案内機構を有する研削盤において、前記ガイド部材に固着されて摺動面をなすフッ素樹脂製のシート材と、前記シート材上に設けられた溝部と、前記溝部内に配置された油供給口と、を備え、前記ガイド部材は、短手方向に傾斜を有し、前記シート材は、前記ガイド部材の傾斜に対応してシート材を固着することでシート材全体が傾斜するものである。
このように本発明の開示によれば、ガイド部材に固着されたシート材が案内対象物と面接触する。これにより、案内対象物と点接触するボールガイドや中空ローラガイドを用いる場合に比べて、案内機構における隙間が生じにくく、隙間に起因する微細な振動を抑えられる。
また、溝部を介して、油供給口から供給された潤滑油を、より効率的にシート材に供給し、シート材の摩耗による劣化を抑制することで、案内機構の性能低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1の実施形態に係る研削盤の側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る研削盤における摺動状況の説明図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る研削盤におけるガイド部材が固定されたサドルの斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る研削盤におけるシート材の説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の断面形状の第1例の説明図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の断面形状の第2例の説明図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の断面形状の第3例の説明図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る研削盤におけるシート材の説明図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る研削盤における油供給口の位置の説明図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の形状の第1例の説明図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の形状の第2例の説明図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の形状の第3例の説明図である。
図13】本発明の他の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の形状の第4例の説明図である。
図14】本発明の他の実施形態に係る研削盤におけるシート材の溝部の形状の第5例の説明図である。
図15】本発明の他の実施形態に係る研削盤における摺動機構の第1例の説明図である。
図16】本発明の他の実施形態に係る研削盤における摺動機構の第2例の説明図である。
図17】本発明の研削盤の実施例及び比較例による研削結果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明を実施するための形態の一例について図1~7を用いて説明する。
【0008】
[研削盤の詳細]
図1は、本実施形態の研削盤100の一例の側面図である。
研削盤100は、水平を保って配置された本体ベース101、図1における左右方向(X方向)に移動可能に配備されたサドル102、サドル102上で図1における手前奥行き方向(図2のY方向)に往復運動可能に設けられたテーブル103を備える。
また、研削盤100は、サドル102の上面に固定され、テーブル103の案内(ガイド)に用いられる2つのガイド部材104(ガイド部材104A、104B)を備える。また、研削盤100は、テーブル103の底面に固定され、ガイド部材104A、104Bに沿った摺動に用いられる2つの被ガイド部材105(被ガイド部材105A、105B)を備える。
【0009】
この他、研削盤100は、公知の平面研削盤と同様に、本体ベース101上に固定されたコラムを備える。コラムは、駆動部、駆動部を介して回転駆動する研削主軸頭、研削主軸頭を装着自在とした保持枠を備える。また、研削主軸頭には、研削砥石106が装着されている。
こうした研削盤100においては、サドル102を駆動させてワークWを研削砥石106の方向に移動させ、テーブル103を往復摺動させることで、ワークWに対する研削砥石106を用いた研削加工が行われる。
【0010】
[案内機構の詳細]
テーブル103を摺動により案内する案内機構について説明する。以下では、テーブル103を案内する案内機構を、テーブル103の案内機構とする。テーブル103の案内機構は、サドル102に固定されたガイド部材104A、104B、及び、テーブル103に固定された被ガイド部材105A、105Bを備える。
図2に、テーブル103が摺動される状況の一例を示す。また、図3に、ガイド部材104A、104Bが固定されたサドル102の斜視図を示す。
【0011】
ガイド部材104Aは、レール状の部材であり、テーブル103の所定の方向(Y方向)以外の動きを拘束する役割を果たす。ガイド部材104Aには、V字形状の断面形状の溝が長手方向に連続させて設けられる。V字形状とは、互いに向かい合う、傾斜を有する2つの線分により先細り状の凹部(くぼみ)が形成されている形状である。また、ガイド部材104Bは、上部が平面状のレール状の部材であり、テーブル103及びワークWの荷重を負担する役割を果たす。ガイド部材104A、104Bは、互いの長手方向が平行となるようにサドル102の上面に固定されている。
【0012】
被ガイド部材105Aは、断面が逆V字形状のレール状の部材であり、下部に断面が逆V字形状の凸条部分を有し、この凸条部分が、ガイド部材104Aの断面がV字形状の溝に面接触する。逆V字形状とは、互いに向かい合う、傾斜を有する2つの線分により先細り状の凸部が形成されている形状である。また、被ガイド部材105Bは、下部が平面状のレール状の部材であり、ガイド部材104Bと面接触する。被ガイド部材105A、105Bは、互いの長手方向が平行となるようにテーブル103の底面に固定されている。
【0013】
図3に示すように、ガイド部材104(104A、104B)には、フッ素樹脂製のシート材130(130A、130B、130C)が固着されている。ガイド部材104(104A、104B)は、固着されているシート材130(130A、130B、130C)の表面で、対応する被ガイド部材105(105A、105B)と面接触する。ガイド部材104(104A、104B)に固着されたシート材130(130A、130B、130C)の表面は、テーブル103の案内に用いられる摺動面である。
【0014】
ガイド部材104Aにおいて、2つのシート材130(130A、130B)それぞれは、ガイド部材104Aの短手方向に傾斜のある表面に固着されている。また、ガイド部材104Bにおいて、1つのシート材130(130C)は、ガイド部材104Bの上面に固着されている。
図2に示すように、テーブル103は、被ガイド部材105A、105Bを介して、ガイド部材104A、104Bに沿って、Y方向に案内される。
【0015】
シート材130について説明する。本実施形態では、シート材130は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(四フッ化エチレン樹脂、PTFE)を主成分としたシート状のフッ素樹脂材である。図4を用いて、シート材130の表面について説明する。図4に、シート材130の一部の平面図を示す。
シート材130は、表面上に溝部141を備える。本実施形態では、溝部141は、図4に示すように、シート材130の表面の短手方向のいずれの端部にも達しておらず、シート材130の表面の短手方向の一方の端部の近傍のいずれかの位置から、他方の端部の近傍のいずれかの位置まで設けられる。ここで、シート材130Aの表面における短手方向の端部の近傍とは、この端部からの短手方向の距離が予め定められた閾値(例えば、シート材130の短手方向の幅の3%、5%、10%等)以下となるシート材130の表面の領域である。
【0016】
溝部141は、シート材130の表面で短手方向のいずれの端部にも達していないことで、溝部の加工において、樹脂材であるシート材における特に強度の低い端部を避けて加工でき、意図しない欠けなどの加工ミスの発生を抑制できる。また、溝部141は、短手方向の端部に達しておらず、側方に開放されていないため、潤滑油が、溝部を通じて、短手方向の端部から漏れ出ることを防止できる。
また、溝部141は、シート材130の表面において、短手方向の一方の端部の近傍から他方の端部の近傍までの短手方向の広がりを有することとなる。これにより、研削盤100は、対応する被ガイド部材105の摺動に応じて、シート材130の表面の短手方向のより広範囲で潤滑油を接触領域143に供給できることとなる。
【0017】
本実施形態では、溝部141は、シート材130の短手方向一方の端部の近傍の位置から、他方の端部の近傍の位置まで設けられることとした。ただし、他の例として、溝部141は、シート材130の短手方向の一方の端部の近傍の位置と、他方の端部の近傍の位置と、を含んでいれば、始端又は終端の位置が、シート材130の短手方向端部の近傍の位置と異なるように設けられてもよい。また、溝部141は、潤滑油の漏れ出にくい使用状態、潤滑油の漏れが許容される使用状態等であれば、シート材130の短手方向の端部の少なくとも1つに達するように設けられてもよい。
【0018】
また、溝部141内には、潤滑油の供給に用いられる油供給口142が設けられている。シート材130の表面上には、溝部141と油供給口142との組が、1つ以上の定められた個数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ等)存在する。以下では、シート材130の表面のうち、溝部141以外の領域を、対応する被ガイド部材105と面接触する接触領域143とする。
【0019】
溝部141は、シート材130における領域であって、短手方向にシート材130を横断する如何なる領域も包含しないように、設けられている。ここで、シート材130の短手方向の横断とは、シート材130における短手方向の一方の端部の何れかの位置を始端とする所定の領域が、短手方向に延びて他方の端部に達し、短手方向の一端から他端まで一連に通じることである。
すなわち、シート材130における領域であって、シート材130の短手方向に、シート材130を横断する如何なる領域も、溝部141で占められておらず、接触領域143を含むこととなる。そのため、シート材130は、長手方向に切れ目なく、接触領域143で対応する被ガイド部材105を支持することができる。
仮に、ガイド部材104における長手方向に、被ガイド部材105を接触領域143で支持していない部分が生じると、ボールガイドにおけるボール間の部分や中空ローラガイドにおけるローラ間の部分と同様に、その部分で微細な振動が生じる。その結果、研削対象の物体の研削ムラが生じうる。本実施形態のシート材130は、長手方向の如何なる位置においても、対応する被ガイド部材105を接触領域143で支持することで、振動を抑制し、研削ムラを防止できる。
なお、シート材130の溝部は、シート材130をその短手方向に横断しない、すなわち、シート材130の短手方向の一端から他端まで一連に通じていないものであれば、例えば、後述する図14に示すように、溝部の一部区間が短手方向に平行となるように設けられていてもかまわない。
【0020】
油供給口142から供給された潤滑油は、溝部141を経由して、対応する被ガイド部材105の摺動に応じて接触領域143に拡散する。そして、対応する被ガイド部材105とシート材130の接触領域143との摩擦が低減される。これにより、研削盤100は、シート材130の接触領域143を、より摩耗しにくくすることができ、シート材130の劣化を抑制できる。結果として、研削盤100は、テーブル103の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0021】
本実施形態では、溝部141は、図4に示すように、平面視における形状が、シート材130の長手方向に対して斜め向きとなる直線形状になるように設けられている。溝部141は、シート材130の長手方向に対する傾き角θ(図4参照)が定められた閾値(例えば、10°、15°、30°等)以下の鋭角となるように設けられている。溝部141のシート材130の長手方向に対する傾き角θが小さいほど、溝部141がシート材130の長手方向により広範囲に存在することとなる。そのため、研削盤100は、傾き角θが定められた閾値以下とすることで、対応する被ガイド部材105の摺動に応じてより広範囲で潤滑油を接触領域143に供給できることとなる。
ただし、他の例として、溝部141は、シート材130の長手方向に対する傾き角θが設定された閾値より大きくなるように設けられることとしてもよい。
【0022】
図5~7を用いて、溝部141の断面形状について説明する。溝部141は、断面形状が溝底側から溝開口側に向かって拡開状となるように設けられている。これにより、研削盤100は、対応する被ガイド部材105の摺動に応じて、溝部141内の潤滑油を、接触領域143により効率的に供給できる。結果として、研削盤100は、シート材130の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル103の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0023】
本実施形態では、溝部141は、図5に示すようなV字形状の断面となるように設けられている。すなわち、本実施形態では、シート材130には、V字形状の断面の溝部141が設けられている。ただし、他の例として、シート材130には、溝底側から溝開口側に対して拡開状となる形状である他の形状の断面の溝部が設けられることとしてもよい。例えば、シート材130には、図6に示すような円弧形状の断面となる溝部144が設けられることとしてもよい。この場合には、溝部144内に油供給口142が設けられる。
【0024】
また、シート材130には、溝底側から溝開口側に対して拡開状となる形状と異なる形状の断面となる溝部が設けられていることとしてもよい。例えば、シート材130には、図7に示すような長方形状の断面となる溝部145が設けられていることとしてもよい。この場合には、溝部145内に油供給口142が設けられる。また、シート材130には、断面形状の異なる複数の溝部が設けられることとしてもよい。この場合には、複数の溝部それぞれの内部に油供給口142が設けられる。
【0025】
また、本実施形態では、油供給口142は、図4に示すように、シート材130の短手方向の中間の位置に設けられている。ただし、他の例として、油供給口142は、シート材130の短手方向の中間の位置と異なる位置に設けられていることとしてもよい。
【0026】
[溝部の加工方法]
本実施形態では、溝部141は、シート材130表面を切削して設けられている。ただし、溝部141は、他の方法で設けられていることとしてもよい。例えば、以下のような方法で溝部141が設けられることとしてもよい。
シート材130は、金属等に比べ変形しやすいフッ素樹脂材であり、表面に対する押圧により、押圧部分に押圧に応じた変形を加えることができる。そこで、ガイド部材104に固着されたシート材130の表面に対して溝部141に対応する形状の治具を押圧する方法により、溝部141を設ける加工を行ってもよい。この方法を用いることで、作業者は、単に治具をシート材130に押圧するだけでよいため、切削、キサゲ等の表面加工の技能についての熟練を要せず、また加工時間も短くなり、より容易且つ短時間に溝部141を設けられる。また、この方法は、既にガイド部材104に固着されたシート材130に対しても溝部141を設けることができるため、シート材130の製造段階において溝部141を設けるためのみの加工設備を用いることなく、溝部141を設けることができる。
【0027】
[まとめ]
以上、本実施形態の研削盤100は、ガイド部材104の摺動面をなすシート材130と、シート材130に設けられた溝部141と、溝部141内に設けられた油供給口142と、を備える。シート材130は、被ガイド部材150と面接触することで、案内対象物と点接触するボールガイドや中空ローラガイドを用いる場合に比べて、案内機構における隙間が生じにくく、隙間に起因する微細な振動を抑えられる。また、研削盤100は、溝部141を介して、油供給口142から供給された潤滑油を、より効率的にシート材130の接触領域143に供給できる。これにより、研削盤100は、シート材130の摩耗による劣化を抑制し、結果として、シート材130を用いたテーブル103の案内機構の性能低下を抑制できる。
また、溝部141は、シート材130における領域であって、短手方向にシート材130を横断する如何なる領域も包含しないように、設けられている。このため、研削盤100は、シート材130における長手方向に切れ目なく、接触領域143で対応する被ガイド部材105を支持することができ、振動の発生をより抑制できる。
【0028】
また、本実施形態の研削盤100を用いたワークWの研削の際には、ワークWを支持するテーブル103がシート材130上で案内される。研削盤100は、テーブル103がシート材130上で案内される際に、油供給口142から溝部141に潤滑油を供給し、溝部141から接触領域143に対して潤滑油が供給しつつ、ワークWの研削を行う。これにより、研削盤100は、テーブル103の振動を抑え、ワークWに対する研削ムラが生じにくいようにしつつ、且つ、テーブル103の案内機構の性能低下をより抑制しつつ、ワークWを研削できる。
【0029】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る研削盤200は、摺動面をなすシート材それぞれの接触領域に凹部(くぼみ)が設けられるものである。本実施形態の研削盤200における、研削盤100の要素101~106、130、141~143と同様の要素については、要素201~206、230、241~243と記載する。
本実施形態の研削盤200は、シート材230の接触領域243に凹部を備えることを除いて、実施形態1の研削盤100と同様である。
【0030】
図8を用いて、本実施形態のシート材230について説明する。本実施形態のシート材230は、溝部241と異なる接触領域243上に1つ以上の凹部280が設けられている。
油供給口242から溝部241に供給された潤滑油は、対応する被ガイド部材205の摺動に応じて溝部241から接触領域243に供給される。そして、接触領域243に供給された潤滑油の一部は、凹部280に溜まる。これにより、凹部280で、周囲の領域よりも厚い油膜が形成される。この油膜は、シート材230と対応する被ガイド部材205との間の摩擦をより低減する。結果として、研削盤200は、シート材230の摩耗による劣化をより抑制することで、案内機構の性能低下をより抑制できる。また、凹部280は、自身に溜まった潤滑油を、テーブル203の摺動に応じて周囲の接触領域243に供給できる。
【0031】
本実施形態では、凹部280は、図8に示すように、平面視において円形状のくぼみであるとした。ただし、他の例として、凹部280は、他の形状のくぼみであるとしてもよい。例えば、凹部280は、平面視において矩形状のくぼみであってもよい。また、凹部280は、平面視において三角形状のくぼみであってもよい。また、凹部280は、平面視において楕円形状のくぼみであってもよい。
【0032】
シート材230は、フッ素樹脂材であり、表面に対する押圧により、押圧部分に押圧に応じた変形を加えることができる。そこで、本実施形態では、凹部280は、ガイド部材204の摺動面をなすシート材230の表面を、凹部280の形状に対応する治具(例えば、金属製の球状治具等)を押圧して加工する方法で、設けられる。この方法を用いることで、作業者は、単に治具をシート材230に押圧するだけでよいため、表面加工の技能の熟練を要さず、また加工時間も短くなり、より容易且つ短時間に凹部280を設けることができる。また、この方法は、既にガイド部材204に固着されたシート材230に対して凹部280を設けるため、シート材230の製造段階において凹部280を設けるためのみの加工設備を要さずに、凹部280を設けることができる。
【0033】
以上、本実施形態の構成により、研削盤200は、テーブル203の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0034】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る研削盤300は、油供給口の位置が実施形態1と異なるものである。本実施形態の研削盤300における、研削盤100の要素101~106、130、141~143と同様の要素については、要素301~306、330、341~343と記載する。
本実施形態の研削盤300は、油供給口342の位置を除いて、実施形態1の研削盤100と同様であるとする。ただし、本実施形態の研削盤300は、油供給口342の位置を除いて、実施形態2の研削盤200と同様であるとしてもよい。
【0035】
本実施形態のシート材330A、330Bは、図3に示すシート材130A、130Bと同様に、ガイド部材の短手方向に傾斜のある表面に沿って、短手方向に傾斜を有する。このように、シート材330が傾斜を有する場合、油供給口342から供給される潤滑油は、重力に従い下方向により移動しやすい。そこで、本実施形態では、短手方向に傾斜を有するシート材330の溝部341内の中間よりも高い位置に、油供給口342が設けられることとする。これにより、油供給口342から供給される潤滑油は、より効率よく、溝部341に対して潤滑油を行き渡ることとなる。そして、被ガイド部材305の摺動に応じて、溝部341から接触領域343に対して、より効率よく潤滑油が供給されることとなる。結果として、シート材330の劣化がより抑制され、テーブル103の案内機構の性能低下がより抑制される。
【0036】
シート材330Aの溝部341に設けられる油供給口342の位置について、図9を用いて説明する。図9に示すシート材330Aの長手方向に平行な破線は、シート材330Aにおける高さ方向の位置の中間を示す。油供給口342は、この破線よりも高い位置のうち、油供給口342を設けることが可能な最も高い位置に設けられている。ただし、他の例として、油供給口342は、この破線よりも高い位置であれば、油供給口142を設けることが可能な最も高い位置と異なる位置に設けられていることとしてもよい。
【0037】
以上、本実施形態の構成により、研削盤300は、傾斜のある摺動面をなすシート材330について、油供給口342を介して、より効率よく溝部341に潤滑油を行き渡らせることができる。そして、研削盤300は、シート材330の接触領域343により効率よく潤滑油を供給できる。結果として、研削盤300は、シート材330の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル303の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0038】
(本発明の第4の実施形態)
本実施形態に係る研削盤400は、案内機構の摺動面をなすシート材を、PTFEに潤滑性充填材と、耐摩耗性充填材と、が配合されたものとする構成を有するものである。本実施形態の研削盤400における、研削盤100の要素101~106、130、141~143と同様の要素については、要素401~406、430、441~443と記載する。
本実施形態の研削盤400は、シート材430の組成を除いて、実施形態1の研削盤100と同様であるとする。ただし、本実施形態の研削盤400は、シート材430の組成を除いて、実施形態2の研削盤200、又は、実施形態3の研削盤300と同様であるとしてもよい。
【0039】
本実施形態のシート材430は、シート状のフッ素樹脂材であって、潤滑性充填材と、耐摩耗性充填材と、が配合されている。より具体的には、シート材430は、PTFEを50wt%~85wt%配合し、ポリエーテルスルホンを5wt%~50wt%配合すると共に、PTFEに充填される潤滑性充填材として、カーボン、グラファイト、二硫化モリブデンの何れか一種又は複数種を2wt%~15wt%配合し、PTFEに充填される耐摩耗性充填材として、チタン酸カリウム、ウォレストナイト、ゾノトライト、アラミド繊維の何れか一種を5wt%~30wt%配合したシート状のフッ素樹脂材である。
このように、潤滑性充填材と、耐摩耗性充填材と、が配合されたシート材430を用いることで、シート材430と被ガイド部材405との間の摩耗を更に低減できる。
【0040】
本実施形態では、シート材430は、上記のように、PTFEに潤滑性充填材と耐摩耗性充填材とを配合させたフッ素樹脂材であるとした。ただし、他の例として、シート材430は、PTFEに、他の潤滑性充填材と、他の耐摩耗性充填材と、を配合させたフッ素樹脂材であってもよい。また、シート材430は、潤滑性充填材と、耐摩耗性充填材と、の何れか1つのみを配合させたフッ素樹脂材であってもよい。
【0041】
本実施形態の構成により、研削盤400は、シート材430の摩耗をより低減でき、テーブル403の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0042】
<その他の実施形態>
本実施形態の研削盤500における、研削盤100の要素101~106、130、141~143と同様の要素については、要素501~506、530、541~543と記載する。
【0043】
実施形態1~4では、摺動面をなすシート材には、平面視における形状がシート材の長手方向に対して斜め向きの直線形状である溝部が設けられることとした。ただし、摺動面をなすシート材には、平面視における形状が他の形状となる溝部が設けられてもよい。
例えば、シート材530には、図10に示すように、平面視における形状がV字形状となる溝部544が設けられてもよい。この場合には、溝部544内に油供給口542が設けられる。
【0044】
溝部544は、対応する被ガイド部材505が溝部544上を、このV字形状の尖端が示す方向(図10における下向きの方向)に摺動する際に、より効率的に接触領域543に対して潤滑油を供給できる。結果として、溝部544は、シート材530の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル503の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0045】
また、シート材530が、溝部544を複数備える場合、各溝部544は、以下のように設けられてもよい。すなわち、一部の溝部544が、図10と同様の形状に設けられ、他の溝部541が、平面視における形状が図10と逆向きのV字形状に設けられることとしてもよい。このように設けられた溝部544の一例を、図11に示す。この場合、図10と同様の形状に設けられた溝部544は、対応する被ガイド部材505が溝部544上を、このV字形状の尖端が示す方向(図11における下向きの方向)に摺動する際に、より効率的に接触領域543に対して潤滑油を供給できる。結果として、溝部544は、シート材530の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル503の案内機構の性能低下をより抑制できる。また、図10と逆向きのV字形状に設けられた溝部544は、対応する被ガイド部材505が溝部544上を、このV字形状の尖端が示す方向(図11における上向きの方向)に摺動する際に、より効率的に接触領域543に対して潤滑油を供給できる。結果として、溝部544は、シート材530の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル503の案内機構の性能低下をより抑制できる。
【0046】
また、シート材530には、平面視における形状が、図12に示すように、互いに逆向きの2つのV字形状を組み合わせたX字形状となる溝部545が設けられてもよい。この場合、溝部545内に油供給口542が設けられる。
溝部545は、対応する被ガイド部材505が溝部545上を、何れの摺動方向に摺動する場合にも、より効率的に接触領域543に対して潤滑油を供給できる。結果として、溝部545は、シート材530の摩耗による劣化をより抑制することで、テーブル503の案内機構の性能低下をより抑制できる。
また、シート材530には、平面視における形状が、図13に示すように、波型形状となる溝部546が設けられてもよい。この場合には、溝部546内に油供給口542が設けられる。
【0047】
また、シート材530には、平面視における形状が、図14に示すように、方形波又は矩形波形状となる溝部547が設けられてもよい。この場合には、溝部547内に油供給口542が設けられる。また、図14の例では、溝部547には、2つの油供給口542が設けられる。このように、1つの溝部547に複数の油供給口542が設けられることで、長い溝部全体に潤滑油を行き渡らせやすくすることができ、1つの溝部547から、シート材上の接触領域543を網羅するよう、潤滑油を供給できる。
また、シート材530には、平面視における形状が異なる複数の溝部が設けられることとしてもよい。
【0048】
実施形態1~4では、テーブル503の案内機構の各ガイド部材504の摺動面は、ガイド部材504に固着されたフッ素樹脂材のシート材530からなるとした。ただし、他の例として、一部のガイド部材504の摺動面のみが、シート材530からなることとしてもよい。
例えば、実施形態1と同様にサドル502にガイド部材504Aとガイド部材504Bとが固定されている場合、ガイド部材504Aとガイド部材504Bとの何れか1つのみに摺動面をなすシート材530が固着されていることとしてもよい。
【0049】
実施形態1~4及びその他の実施形態では、研削盤500(100、200、300、400)におけるテーブル503(103、203、303、403)の案内機構は、サドル502(102、202、302、402)に固定された2つのガイド部材504(104、204、304、404)と、テーブル503(103、203、303、403)に固定された2つの被ガイド部材505(105、205、305、405)と、を備える構成であるとした。
ただし、他の例として、テーブル503の案内機構は、この構成と異なる構成であるとしてもよい。例えば、テーブル503の案内機構は、摺動に用いられるガイド部材として、サドル502に固定された1つのガイド部材504を備えることとしてもよい。その場合、テーブル503は、テーブル503の底面に固定された1つの被ガイド部材505を介して、1つのガイド部材504にシート材530からなる摺動面で接触して、この1つのガイド部材504に沿って摺動される。
【0050】
また、テーブル503の案内機構は、テーブル503の摺動に用いられるガイド部材として、サドル502に固定された3つ以上のガイド部材504を備えることとしてもよい。その場合、テーブル503は、例えば、底面に固定された3つの被ガイド部材505を介して、サドル502に固定された3つ以上のガイド部材にそれぞれシート材530からなる摺動面で接触して、この3つ以上のガイド部材504に沿って摺動される。
【0051】
また、テーブル503の案内機構は、実施形態1のガイド部材104Aと同様のガイド部材504Aの代わりに、図15に示す断面形状が逆V字形状のガイド部材504Cを備えることとしてもよい。
その場合、テーブル503は、例えば、ガイド部材504Cに対応する被ガイド部材505として、図15に示すように、断面形状がV字形状の被ガイド部材505Cを備える。ガイド部材504Cの摺動面は、ガイド部材504Cにおいて山形を形成する2つの表面上に固着されたシート材530D、Eからなる。シート材530D、Eそれぞれには、溝部541が設けられ、溝部541内に油供給口542が設けられる。
【0052】
また、テーブル503の案内機構は、実施形態1と同様の2つのガイド部材、2つの被ガイド部材の代わりに、図16に示すガイド部材504D、504E、被ガイド部材505Dを備えることとしてもよい。
ガイド部材504D、504Eは、それぞれ、摺動方向に垂直な方向にL字形状の断面を有し、上面が水平な平面状の部材であり、サドル502の上面に固定されている。また、被ガイド部材505Dは、ガイド部材504D、及び、504Eと摺動面で接触する部材であり、テーブル503の底面に固定されている。この場合、ガイド部材504D、504Eそれぞれの上面に摺動面が形成される。すなわち、ガイド部材504D、504Eそれぞれの上面に摺動面をなすシート材530F、Gが固着されている。
【0053】
シート材530F、Gそれぞれには、溝部541が設けられ、溝部541内に油供給口542が設けられる。図16の例では、ガイド部材504Eは、被ガイド部材505Dの短手方向の動きを拘束しており、ガイド部材504Eの長手方向のみにテーブル503が動くよう限定する役割を果たす。また、ガイド部材504Dは、被ガイド部材505Dの短手方向の動きを完全には拘束しておらず、主にテーブル503及びワークWの荷重を負担する役割を果たす。
【0054】
以上、本発明の実施形態の一例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態を任意に組み合わせる等してもよい。
【実施例0055】
発明者らは、前記第1の実施形態で説明した本発明の研削盤100を用いて、スチール材の表面に対して、研削加工を行った。そして、発明者らは、研削加工後のスチール材の表面に対して油砥石を用いて、仕上げ磨きを行った。
また、比較例として、発明者らは、工作物を支持するテーブルの案内機構にボールガイドを用いた研削盤、及び、中空ローラガイドを用いた研削盤それぞれを用いて、同様に研削加工と加工後の磨き作業を行った。
【0056】
図17に結果を示す。図17(a)に、本発明の研削盤100を用いた場合の、仕上げ磨き後のスチール材の表面を示す。図17(b)に、テーブルの案内機構にボールガイドを用いた研削盤を用いた場合の、仕上げ磨き後のスチール材の表面を示す。図17(c)に、テーブルの案内機構にボールガイドを用いた研削盤を用いた場合の、仕上げ磨き後のスチール材の表面を示す。
図17(a)を見ると、表面が滑らかであり、研削ムラが生じていないことがわかる。対して、図17(b)、(c)を見ると、研削ムラにより生じた網目状の模様が生じていることがわかる。以上から、本発明の研削盤100は、振動の発生を抑制できていることが検証された。
【符号の説明】
【0057】
100 研削盤
101 本体ベース
102 サドル
103 テーブル
104 ガイド部材
105 被ガイド部材
106 砥石
130 シート材
141 溝部
142 油供給口
143 接触領域
144 溝部
145 溝部
200 研削盤
203 テーブル
204 ガイド部材
205 被ガイド部材
230 シート材
241 溝部
242 油供給口
243 接触領域
280 凹部
300 研削盤
330 シート材
341 溝部
342 油供給口
343 接触領域
400 研削盤
403 テーブル
405 被ガイド部材
430 シート材
500 研削盤
503 テーブル
504 ガイド部材
505 被ガイド部材
530 シート材
541 溝部
542 油供給口
543 接触領域
544 溝部
545 溝部
546 溝部
547 溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17