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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019250
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】薬剤払出し装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240201BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20240201BHJP
   B65B 1/08 20060101ALI20240201BHJP
   B65B 1/32 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
B65B1/30 B
B65B1/08
B65B1/32
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201840
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2021063266の分割
【原出願日】2016-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2015159021
(32)【優先日】2015-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】安田 真也
(57)【要約】
【課題】より迅速に、より正確に薬剤を分包することができ、且つ収容可能な薬剤容器の数を減らすことなく装置全体の小型化を図ることができる薬剤払出し装置を開発する。
【解決手段】散薬を収容する薬剤容器30と、複数の薬剤容器を保管する薬剤容器収容部3と、容器移動手段5と、包装装置6を有する。容器移動手段5は、薬剤容器30を保持する容器保持手段と、容器保持手段を移動させる運搬手段と、薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を有し、薬剤容器収容部3に保管されている薬剤容器30を容器移動手段5で取り出し、容器移動手段5の保持手段で薬剤容器を保持して運搬手段で所定の位置に薬剤容器を移動し、容器移動手段の容器保持手段で薬剤容器を保持した状態で前記排出機構によって薬剤容器から散薬を排出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散薬を収容する薬剤容器と、
薬剤容器が載置され、載置された薬剤容器から散薬を排出する排出機構を有する容器載置装置と、
薬剤容器を収容する薬剤容器収容部と、
薬剤容器を保持する保持掌部と、保持掌部を移動させる運搬手段と、薬剤容器の重量を測定する第一重量測定手段とを有し、薬剤容器収容部から容器載置装置に薬剤容器を移動させる容器移動手段と、
第一重量測定手段と異なり、容器載置装置に設けられ、容器載置装置により薬剤容器から排出した散薬の総排出量を直接的に又は間接的に測定する重量測定手段と、を備えた薬剤払出し装置であって、
容器移動手段で薬剤容器収容部から薬剤容器を移動させ、薬剤容器を搬送する間に、第一重量測定手段により1回目の薬剤容器の重量を測定しておき、薬剤容器を容器載置装置に載置し、
排出機構により薬剤容器から散薬を排出し、
重量測定手段により、散薬を排出している薬剤容器の重量変化を検知して、薬剤容器から排出した散薬の総排出量を測定し、
再び、第一重量測定手段により2回目の薬剤容器の重量を測定し、
前記1回目の薬剤容器の重量と前記2回目の薬剤容器の重量との差分と、前記重量測定手段で測定した散薬の総排出量との比較を行うことを特徴とする薬剤払出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤払出し装置に関するものであり、特に散薬を一服用分ずつ包装して払い出す薬剤払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大病院や、大規模の薬局では、散薬分包装置や散薬分包機能を備えた薬剤払出し装置が導入されている。ここで散薬分包装置とは、処方情報に基づいて散薬を一服用分ずつ個別に包装する装置である。散薬分包装置を使用すれば、散薬を一服用分ずつ包装する作業の大半を自動化することができる。
旧来の薬剤払出し装置は、例えば特許文献1に開示された様に散薬を一服用分ずつに分配する散薬分配部と、分配された散薬を個別に包装する包装装置によって構成されている。また散薬分配部は、粉体フィーダと、分配皿と、掻出装置を有している。旧来の薬剤払出し装置では、薬剤師が医師の処方箋を確認し、薬棚から、処方された散薬が入った薬瓶を取り出す。そして天秤等の秤を使用して処方された特定の散薬の総重量を量り出す。そして量り出した散薬を、粉体フィーダのホッパーに投入し、粉体フィーダのトラフを振動させて散薬を分配皿に落下させる。また同時に分配皿を一定の回転速度で連続的に回転させ、分配皿の溝に均等に分散させる。
【0003】
その後に、掻出装置の掻寄板を分配皿の溝内に落とし、分配皿を分配個数に応じた角度だけ回転させ、一服用分の散薬を掻寄板の前面側に集める。そして掻寄板を回転し、掻出板によって散薬を分配皿の外に掻き出して、包装装置側に送り、包装装置で一服用分ずつ包装する。
【0004】
旧来の薬剤払出し装置では、薬剤師が薬棚から所望の散薬が入った薬瓶を取り出し、その薬瓶から所定量の散薬を量り出す作業が必要であったが、本出願人は、この作業を自動化した薬剤払出し装置を開発することに成功した(特許文献2)。
【0005】
本出願人が開発し、特許文献2に開示した薬剤払出し装置は、分配皿の周囲に振動台を配置したものである。特許文献2に開示した薬剤払出し装置では、振動台に計量手段としてロードセルが設けられている。
また特許文献2に開示した薬剤払出し装置では、多数の薬剤容器を収容する容器棚と、薬剤容器を棚から取り出して振動台に設置するロボットを有している。
特許文献2に開示した薬剤払出し装置では、ロボットで薬剤容器を容器棚から取り出して振動台に移動させ、薬剤容器を振動させて薬剤容器から直接分配皿に散薬を落下させる。また振動台に取り付けられたロードセルで薬剤容器の重量を監視することにより、散薬の落下量を検知する。
その後の工程は、旧来と同様であり、分配皿を一定の回転速度で連続的に回転させ、分配皿の溝に散薬を均等に分散 (配分)させる。そして掻出装置の掻寄板を分配皿の溝内に落とし、分配皿を分配個数に応じた角度だけ回転させ、一服用分の散薬を掻寄板の前面側に集め、掻出板によって散薬を分配皿の外に掻き出して、包装装置側に送り、包装装置で一服用分ずつ包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-80043号公報
【特許文献2】WO2014-46148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人が開示した薬剤払出し装置によると、薬剤師の作業が大幅に軽減される上に、短時間で正確に薬剤分包を行うことができる。
しかしながら、市場においては、さらなる改良が求められている。具体的には、より迅速に、より正確に薬剤を分包することができ、且つ収容可能な薬剤容器の数を減らすことなく装置全体の小型化を図ることができる薬剤払出し装置を開発することが市場において求められている。
【0008】
また従来技術の薬剤払出し装置は、分配皿を使用するものであるが、分配皿を使用する薬剤払出し装置は、少量かつ小包の小児向けの処方の散薬を分包するには不向きであった。
即ち分配皿の大きさ(径)は一度に包装される最大容量に対応している。具体的には一包装に収容される散薬の量が多く、且つ服用回数が多い場合に対応できる様に分配皿の大きさ(径)が設計される。
そのため逆に小児向けの処方の分包の様に、一包装に収容される散薬の量が少なく、且つ服用回数も少ない場合には、分配皿の溝に散薬を分散(配分)させたとき、薬剤は溝の底に薄く溜まる状態となり、掻出装置で散薬を排出しにくい状態となってしまう。
そのため分配皿を使用する薬剤払出し装置では、分包可能な散薬量に下限があり、少量の散薬を分包することが困難であった。
【0009】
本発明は上記した市場の要求に応えるべく開発されたものであり、上記したいずれかの目的を達成することができる薬剤払出し装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、散薬を収容する薬剤容器と、薬剤容器を載置し、薬剤容器から散薬を排出する容器載置装置と、薬剤容器の重量を測定する第一重量測定手段と、容器載置装置に設けられ、容器載置装置により薬剤容器から排出した散薬の総排出量を直接的に又は間接的に測定する重量測定手段と、を備えた薬剤払出し装置であって、第一重量測定手段により1回目の薬剤容器の重量を測定しておき、薬剤容器を容器載置装置に載置し、容器載置装置により薬剤容器から散薬を排出し、容器載置装置による薬剤容器からの散薬の排出を完了した後、重量測定手段により薬剤容器から排出した散薬の総排出量を測定し、再び、第一重量測定手段により2回目の薬剤容器の重量を測定し、前記1回目の薬剤容器の重量と前記2回目の薬剤容器の重量との差分と、前記重量測定手段で測定した散薬の総排出量との比較を行う薬剤払出し装置である。
好ましい態様は、さらに、薬剤容器を収容する薬剤容器収容部と、当該薬剤容器収容部から容器載置装置に薬剤容器を移動させる容器移動手段とを備え、容器移動手段は、さらに第一重量測定手段を有している薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、さらに分配皿を備え、容器載置装置は、さらに振動台を備え、分配皿の周囲に配置され、振動台を振動させることで、薬剤容器から散薬を分配皿に排出させる薬剤払出し装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、散薬を収容する薬剤容器と、薬剤容器を載置し、薬剤容器から散薬を排出する容器載置装置と、薬剤容器の重量を測定する第一重量測定手段と、容器載置装置に設けられ、容器載置装置により薬剤容器から排出した散薬の総排出量を直接的に又は間接的に測定する重量測定手段と、を有する薬剤払出し装置に使用される散薬の排出方法において、第一重量測定手段で1回目の薬剤容器の重量を測定し、薬剤容器を薬剤容器収容部から容器載置装置に載置し、容器載置装置で薬剤容器から散薬を排出し、容器載置装置による薬剤容器からの散薬の排出を完了した後、重量測定手段で薬剤容器から排出した散薬の総排出量を測定し、再び、第一重量測定手段で、2回目の薬剤容器の重量を測定し、前記1回目の薬剤容器の重量と前記2回目の薬剤容器の重量との差分と、前記重量測定手段で測定した散薬の総排出量との比較を行う散薬の排出方法である。
好ましい態様は、薬剤払出し装置は、さらに、薬剤容器を収容する薬剤容器収容部と、当該薬剤容器収容部から容器載置装置に薬剤容器を移動させる容器移動手段とを備え、容器移動手段は、さらに第一重量測定手段を有している散薬の排出方法である。
さらに好ましい態様は、薬剤払出し装置は、さらに分配皿を備え、容器載置装置は、さらに振動台を備え、分配皿の周囲に配置され、振動台を振動させることで、薬剤容器から散薬を分配皿に排出させる散薬の排出方法である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、散薬を収容する薬剤容器と、複数の薬剤容器を保管する薬剤容器収容部と、容器移動手段と、包装装置を有し、薬剤容器収容部内の薬剤容器を容器移動手段で移動させ、薬剤容器から散薬を排出し、包装装置で散薬を一服用分ずつ包装する薬剤払出し装置において、容器移動手段は、薬剤容器を保持する容器保持手段と、容器保持手段を移動させる運搬手段と、薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を有し、薬剤容器収容部に保管されている薬剤容器を容器移動手段で取り出し、容器移動手段の保持手段で薬剤容器を保持して運搬手段で所定の位置に薬剤容器を移動し、容器移動手段の容器保持手段で薬剤容器を保持した状態で前記排出機構によって薬剤容器から散薬を排出することを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0011】
本態様の薬剤払出し装置では、容器移動手段が排出機構を有しており、容器移動手段の容器保持手段で薬剤容器を保持した状態で排出機構によって薬剤容器から散薬を排出することができる。そのため、別途の振動台を無くすことも可能であり、装置の小型化を実現することができる。
【0012】
容器移動手段は計量手段を有し、前記排出機構によって薬剤容器から散薬を一服用単位毎に定量排出することが可能であることが望ましい。
【0013】
本態様によると、分配皿を無くすことが可能となり、装置の小型化を実現することができる。
【0014】
薬剤容器から排出された散薬を一時的に溜置く仮置き容器を有し、仮置き容器に計量手段が設けられており、仮置き容器に一服用分の散薬が溜まると、仮置き容器内の散薬を包装装置に移すことができる構成であってもよい。
【0015】
本態様によると、分配皿を無くすことが可能となり、装置の小型化を実現することができる。また容器移動手段に計量手段を設け、さらに仮置き容器にも計量手段を設けることにより、薬剤の量をより正確に計量することができる。
【0016】
また他の態様は、散薬を収容する薬剤容器と、複数の薬剤容器を保管する薬剤容器収容部と、容器移動手段を有し、薬剤容器収容部内の薬剤容器を容器移動手段で移動させ、薬剤容器から散薬を排出する薬剤払出し装置において、容器移動手段は、薬剤容器を保持する容器保持手段と、容器保持手段を移動させる運搬手段と、前記容器保持手段によって保持された状態の薬剤容器を計量可能な計量手段を有し、薬剤容器収容部に保管されている薬剤容器を容器移動手段で取り出し、容器移動手段の保持手段で薬剤容器を保持して運搬手段で所定の位置に薬剤容器を移動することが可能であり、いずれかの段階で計量手段によって薬剤容器の重量を計量することを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0017】
本態様によると、分配皿を無くすことが可能となり、装置の小型化を実現することができる。また分配皿を有する薬剤払出し装置に本発明を適用することもできる。その場合には、別途の計量手段を省略することができる。また他の別途の計量手段と容器移動手段に設けられた計量手段によって、二重に薬剤の量を検知させ、薬剤の量をより正確に計量することもできる。
【0018】
容器設置台を有し、容器設置台は薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を備え、前記容器移動手段によって薬剤容器を容器設置台に移動させ、排出機構によって薬剤容器から散薬を排出する構成と上記した各構成を組み合わせてもよい。
【0019】
容器設置台を有し、容器設置台は薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を備え、前記容器移動手段によって薬剤容器を容器設置台に移動させ、排出機構によって薬剤容器から散薬を排出させるものであり、容器設置台は計量手段を有し、容器設置台に薬剤容器を設置する前の薬剤容器の重量を容器移動手段の計量手段で測定し、排出機構によって薬剤容器から散薬を排出させつつ容器設置台の計量手段で散薬の排出量を監視し、一服用分の散薬を排出し終えた後、容器移動手段で薬剤容器を容器設置台から取り外して薬剤容器の重量を容器移動手段の計量手段で再度測定し、この一連の動作を繰り返して複数服用分の散薬を一服用単位毎に定量排出する構成を採用することもできる。
【0020】
容器設置台を有し、容器設置台は薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を備え、前記容器移動手段によって薬剤容器を容器設置台に移動させ、排出機構によって薬剤容器から散薬を排出させるものであり、容器設置台は計量手段を有し、容器設置台に薬剤容器を設置する前の薬剤容器の重量を容器移動手段の計量手段で測定し、排出機構によって薬剤容器から散薬を排出させつつ容器設置台の計量手段で散薬の排出量を監視し、一服用分あるいは複数服用分の散薬を排出し終えた後、容器移動手段で薬剤容器を容器設置台から取り外して薬剤容器の重量を容器移動手段の計量手段で再度測定する構成を採用することもできる。
【0021】
容器移動手段は薬剤容器から散薬を排出させる排出機構を備え、容器移動手段の容器保持手段で薬剤容器を保持した状態で排出機構によって薬剤容器から散薬を排出することが可能であってもよい。
【0022】
また他の態様は、散薬を収容する薬剤容器と、薬剤容器から散薬を排出させる排出装置と、包装装置を有する薬剤払出し装置において、排出装置には排出側計量手段を備え、薬剤容器から排出された散薬を一時的に溜置く仮置き容器を有し、仮置き容器には受入れ側計量手段があり、排出装置によって薬剤容器から薬剤を排出して仮置き容器に仮置きし、仮置き容器に一服用分の散薬が溜まると、仮置き容器内の散薬を包装装置に移すことを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0023】
本態様によると、分配皿を無くすことが可能となり、装置の小型化を実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の薬剤払出し装置は、従来のものに比べて、迅速性、正確性、小型化の少なくともいずれかの向上を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態の薬剤払出し装置の概念図である。
図2図1の薬剤払出し装置の移動装置の斜視図である。
図3図1の薬剤払出し装置の薬剤容器の斜視図(a)および断面図(b)である。
図4図1の薬剤払出し装置の要部の概念図であり、(a)は薬剤容器から包装装置のホッパーに薬剤を排出している状態を示し、(b)はホッパーを開いて包装装置の包装紙に薬剤を投入している状態を示す。
図5】本発明の他の実施形態の要部の概念図であり、(a)は薬剤容器から仮置きカップに薬剤を排出している状態を示し、(b)は仮置きカップを傾斜させて包装装置の包装紙に薬剤を投入している状態を示す。
図6】本発明のさらに他の実施形態の要部の概念図であり、薬剤容器から包装装置の包装紙に直接薬剤を投入している状態を示す。
図7】本発明のさらに他の実施形態の要部の概念図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置の要部の概念図であり、(a)は薬剤容器から包装装置のホッパーに薬剤を排出している状態を示し、(b)はホッパーを開いて包装装置の包装紙に薬剤を投入している状態を示す。
図9】本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置の要部の概念図であり、(a)は薬剤容器から仮置きカップに薬剤を排出している状態を示し、(b)は仮置きカップを傾斜させて包装装置の包装紙に薬剤を投入している状態を示す。
図10】本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置の要部の概念図である。
図11図10の薬剤払出し装置で採用する容器載置装置の斜視図である。
図12図11の容器載置装置の断面斜視図である。
図13図11の容器載置装置の断面図である。
図14】本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置の要部の概念図であり、(a)は容器移動手段で薬剤容器を移動させている最中の状態を示し、(b)は容器載置装置に薬剤容器を設置して散薬を排出している際の状態を示し、(c)は、容器移動手段で薬剤容器を保持して薬剤容器の重量を再計量している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、筐体2によって囲まれており、その内部に複数の薬剤容器30を保管する薬剤容器収容部3と、容器移動手段5と、包装装置6を有している。薬剤容器収容部3に保管された薬剤容器30には、それぞれ所望の散薬が収納されている。
本実施形態では、筐体2は大きく上下二段に分かれており、上段側に薬剤容器収容部3と、容器移動手段5があり、下段側に包装装置6がある。
【0027】
薬剤容器収容部3には、略水平方向に回転する縦型のドラム部材7があり、ドラム部材7の外周面に複数の容器設置部13が設けられている。
ドラム部材7の容器設置部13には、所望の薬剤容器30が装着されている。そして後記する容器移動手段5のロボット10を薬剤容器30に近接させ、ロボット10によって薬剤容器30を着脱させる。
【0028】
容器移動手段5は、図2の様に、昇降機構8及びロボット10によって構成されている。なお本実施形態では、昇降機構8及びロボット10によって運搬手段が構成され、ロボット10のハンド部18で容器保持手段が構成されている。
昇降機構8は、垂直方向に設けられた直線ガイドであり、直線レール11と、昇降台12によって構成されている。直線レール11には図示しないラックが形成されており、昇降台12には図示しないモータとピニオン歯車が設けられている。
昇降台12は、図示しないモータを動作することによって上下方向に移動する。
【0029】
ロボット10は、2本のアーム部材15,16と、ハンド部18とを有するものである。
即ち第一アーム部材15は、図示しない垂直軸を介して昇降台12に取り付けられており、昇降台12に取り付けられたモータを駆動することにより、昇降台12を中心として水平方向に回動する。
第二アーム部材16は、図示しない垂直軸を介して第一アーム部材15の先端に取り付けられており、第一アーム部材15の先端に取り付けられたモータを駆動することにより、第一アーム部材15の先端を中心として水平方向に回動する。
【0030】
本実施形態では、ハンド部18は、薬剤容器30を保持すると共に姿勢を変更する機能と、薬剤容器を保持して振動させる振動機能(排出機構)と、薬剤容器の重量を測定する重量測定機能(計量手段)を備えている。
ハンド部18は図4の様に容器保持掌部21がある。また容器保持掌部21には電磁石24が装着されている。
ハンド部18は、図示しない垂直軸を介して第二アーム部材16の先端に取り付けられており、モータを駆動することにより、第二アーム部材16の先端を中心として水平方向に回動する。
従って、容器保持掌部21は平行姿勢をとることも、垂直姿勢をとることもできる。また電磁石22によって薬剤容器30を保持することができる。
【0031】
本実施形態では、容器保持掌部21とハンド部18の本体部分23との間に加振手段22a,22bと第一重量測定手段(計量手段)25が配置されている。
加振手段22a,22bは、圧電素子である。重量測定手段25は計量手段であり、具体的にはロードセルである。加振手段22a,22bと重量測定手段25との間には、防振部材38が配されており、加振手段22a,22bの振動は直接的には重量測定手段25に伝わらない。
本実施形態では、加振手段22a,22bで薬剤容器30を振動させることによって薬剤容器30内の薬剤を排出する。本実施形態では、加振手段22a,22bによって排出機構が構成されており、容器移動手段5は排出機能を備えている。
また本実施形態では、第一重量測定手段25によって計量手段が構成されており、容器移動手段5は計量手段を備えている。
【0032】
包装装置6は、公知のそれと同様に、薬剤を一服用分ずつ包装する機械であり、公知の様に、分包紙供給装置32と、製袋装置33によって構成されている。また包装装置6に薬剤を投入する散薬投入ホッパー31が設けられている。散薬投入ホッパー31は、主ホッパー26と補助ホッパー27によって構成されている。
分包紙供給装置32は、シート状の分包紙28を分包部に供給する部位である。
製袋装置33は、シート状の分包紙28を折り曲げ、その中に散薬を導入した後、シートの辺を融着して袋状に成形する部位である。本実施形態で採用する分包紙供給装置32及び製袋装置33は、いずれも公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0033】
散薬投入ホッパー31の主ホッパー26は、薬剤容器30から落下される散薬を受ける装置である。主ホッパー26は、仮置き容器としての機能を果たす。
一方、補助ホッパー27は、主ホッパー26と包装装置6とを繋ぐものであり、包装装置6側に散薬を導入するものである。
主ホッパー26は、ロート状をしている。即ち主ホッパー26は、開口面積が大きな導入側開口と、開口面積が小さい排出側開口を有している。排出側開口は、主ホッパー26の下端にあり、開閉板35が設けられている。開閉板35は、動力によって開閉可能であり、排出側開口を開閉することができる。
本実施形態では、主ホッパー26に第二重量測定手段36が設けられている。第二重量測定手段36は計量手段であり、具体的にはロードセルである。
【0034】
補助ホッパー27は、単なる漏斗状の部材であり、上部が主ホッパー26の排出側開口の近傍にあり、下部は包装装置6に至っており、折り曲げられたシート状の分包紙28に散薬を導入するものである。
【0035】
次に薬剤容器30について図3を参照しつつ説明する。
薬剤容器30は、密閉型の容器であり、容器本体40と、蓋部材43とによって構成されている。
容器本体40は樹脂で作られた縦長の容器である。
また容器本体40には運搬用鉄板部41が設けられている。本実施形態では、運搬用鉄板部41は、二つの小運搬用鉄板部41a,41bに分かれている。運搬用鉄板部41は、フェライト等の磁性体成分を含む鋼板で作られている。
【0036】
蓋部材43は、蓋本体部45と、可動蓋部48を有している。可動蓋部48に摘まみ部50があり、当該摘まみ部50を押圧することにより可動蓋部48が開く。そして可動蓋部48は開かれた状態が維持される。
蓋部材43は、図3の様に容器本体40に装着されて薬剤排出部47を構成する。
【0037】
次に、本実施形態の薬剤払出し装置1の機能について説明する。本実施形態の薬剤払出し装置1は、薬剤を一服用分づつ薬剤容器30から排出して下流側の包装装置6に送り、一服用分づつ包装するものである。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、薬剤容器収容部3に保管された薬剤容器30に、予め所望の散薬が収納されている。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、処方箋に応じて薬剤を選び出す動作と、薬剤容器30から一服用分づつ薬剤を取り出す動作と、包装装置6で薬剤を包装する動作を自動的に行うことができる。
【0038】
本実施形態の薬剤払出し装置1は、処方箋に応じて自動的に薬剤容器30を選び出す。具体的には、薬剤容器収容部3のドラム部材7を回転し、所望の薬剤容器30を容器移動手段5に近づける。そして容器移動手段5のハンド部18で、薬剤容器30を保持し、アーム等を動作させて当該薬剤容器30を散薬投入ホッパー31の真上に移動させる。また薬剤容器30の姿勢を水平に保つ。また図示しない装置によって可動蓋部48の摘まみ部50を押圧し、可動蓋部48を開く。
【0039】
そして容器移動手段5のハンド部18で薬剤容器30を保持したままの状態で、加振手段22a,22bを起動し、容器保持掌部21を振動させる。その結果、薬剤容器30の散薬が、ゆっくりと移動し、薬剤容器30から排出されて散薬投入ホッパー31の主ホッパー26に落下する。なおこのとき主ホッパー26の開閉板35は閉じられており、落下した薬剤は主ホッパー26に溜まる。
また振動開始と前後して、容器移動手段5の第一重量測定手段25によって薬剤容器30の重量が測定される。その間、薬剤容器30の重量が、監視され、散薬の総落下量が所望の重量となったところで、容器保持掌部21の振動を停止する。
即ち第一重量測定手段25によって、薬剤を排出する以前の薬剤容器30の重量たる原重量Gを測定し、薬剤容器30から散薬を少量ずつ排出する際に前記第一重量測定手段25によって薬剤容器30の重量を監視する。そして薬剤容器30の現在の重量たる現重量gが、原重量Gから目標排出量を引いた値に一致した際あるいは略一致した際に薬剤容器30からの散薬の排出を停止させる。
本実施形態では、総落下量が、一服用分となったところで容器保持掌部21の振動を停止する。
【0040】
また本実施形態では、主ホッパー26にも重量測定手段(第二重量測定手段36)が設けられている。本実施形態では、第二重量測定手段36によって薬剤の排出量が監視されている。
本実施形態では、薬剤容器30から散薬の排出を停止させた段階で、薬剤の排出量が第二重量測定手段36によって確認され、薬剤の排出量が患者の一服用分に相当することが確認されたことを条件として、主ホッパー26の開閉板35が開かれ、薬剤が、補助ホッパー27を経由して包装装置6側に導入される。そして包装装置6によって薬剤が包装される。
【0041】
その後に、加振手段22a,22bの振動を再開して、容器保持掌部21を再度振動させ、前記した一連の工程を繰り返し、薬剤容器30から一服用分の散薬を主ホッパー26に投入し、開閉板35が開いて包装装置6側に導入し、包装装置6によって一服用分の薬剤を包装する。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、容器移動手段5に設けられた排出機構によって薬剤容器30から散薬を一服用単位毎に定量排出し、包装装置6によって一服用分ずつの薬剤を包装する。そして所望の服用数の薬剤包装ができあがると、図示しない装置によって可動蓋部48の摘まみ部50を戻し、可動蓋部48が閉じられる。そして容器移動手段5を動作し、薬剤容器30を薬剤容器収容部3のドラム部材7に戻す。
【0042】
本実施形態の薬剤払出し装置1は、容器移動手段5の排出装置に排出側計量手段として第一重量測定手段25があり、さらに薬剤容器30から排出された散薬を一時的に溜置く仮置き容器として主ホッパー26がある。また仮置き容器として機能する主ホッパー26には受入れ側計量手段として第二重量測定手段36がある。そして排出装置によって薬剤容器30から薬剤を排出して仮置き容器に仮置きし、仮置き容器たる主ホッパー26に一服用分の散薬が溜まると、主ホッパー26内の散薬が包装装置6に移される。本実施形態の薬剤払出し装置1では、薬剤が2回計量されるので、包装に内蔵される散薬の量が正確である。
【0043】
さらに本実施形態の薬剤払出し装置1では、第一重量測定手段25または第二重量測定手段26の一方が、何らかの原因で故障した場合には、その事実を検知することが可能である。
即ち第一重量測定手段25と第二重量測定手段26の検出重量は同一であるはずであるから、両者の検出重量が異なる場合は、第一重量測定手段25または第二重量測定手段26の一方が故障したと考えられる。
また本実施形態の薬剤払出し装置1は、分配皿を必要としないので、装置の小型化を図ることができる。
【0044】
以上説明した実施形態では、散薬投入ホッパー31が主ホッパー26と補助ホッパー27に分かれていたが、図5に示す薬剤払出し装置51の様に、薬剤容器30から排出される薬剤を一時的に溜置く仮置き容器52を設け、仮置き容器52に重量測定手段(第二重量測定手段37を設けてもよい。
図5に示す薬剤払出し装置51で採用する溜置く仮置き容器52はカップ状であって有底である。薬剤払出し装置51では、溜置く仮置き容器52の開口を上にして、薬剤容器30から排出される薬剤を受ける。そして溜置く仮置き容器52を傾斜または反転して、天地逆に姿勢変更し、散薬投入ホッパー55に散薬を投入する。
他の構成は、先の実施形態と同一である。
【0045】
本実施形態の薬剤払出し装置51においても、薬剤が2回計量されるので、計量が正確である。また本実施形態の薬剤払出し装置51においても配皿を必要としないので、装置の小型化を図ることができる。
【0046】
より単純な構成として、図6に示す構造の薬剤払出し装置56が考えられる。
図6に示す薬剤払出し装置56は、第二重量測定手段を持たない。そして薬剤容器30から直接散薬投入ホッパー55に散薬を投入する。
即ち容器移動手段5のハンド部18で薬剤容器30を保持したままの状態で加振手段22a,22bを起動し、容器保持掌部21を振動させて、直接的に散薬を散薬投入ホッパー55に落下させる。
そして薬剤容器30の重量が、第一重量測定手段25によって監視され、散薬の総落下量が所望の重量となったところで、容器保持掌部21の振動を停止する。
他の構成は、先の実施形態と同一である。
【0047】
また図7に示す薬剤払出し装置60の様に、容器移動手段5の排出機能によって、薬剤容器30から分配皿61に散薬を投入してもよい。
薬剤払出し装置60は、従来と同様に分配皿61と掻出装置62を有している。
分配皿61は、公知のそれと同一であり、皿状の部材である。分配皿61は、上面側に薬剤投入溝63が設けられている。薬剤投入溝63は、「R溝」とも称され、断面形状が円弧状である。
【0048】
掻出装置62は、掻出用アーム65と、掻出機構66を有している。掻出用アーム65を昇降させて、掻出機構66を上下動させることができる。
本実施形態の薬剤払出し装置60では、容器移動手段5のハンド部18で、薬剤容器30を保持し、アーム等を動作させて薬剤容器30を分配皿61の薬剤投入溝63の真上に移動させる。
【0049】
そして容器移動手段5のハンド部18で薬剤容器30を保持したままの状態で、容器移動手段5の加振手段22a,22bを起動し、容器保持掌部21を振動させ、薬剤を分配皿61の薬剤投入溝63に落下する。
また振動開始と前後して分配皿61を回転させる。そして振動開始と前後して、薬剤容器30の重量が測定される。その間、薬剤容器30の重量が、第一重量測定手段25で監視され、散薬の総落下量が所望の重量となったところで、容器保持掌部21の振動を停止する。ここで本実施形態では、総落下量は複数服用分の合計量である。薬剤容器30の現在の重量たる現重量gが、原重量Gから複数服用分の合計量を引いた値に一致した際あるいは略一致した際に薬剤容器30からの散薬の排出を停止させる。
【0050】
その後に分配皿61の回転を停止する。そして掻出用アーム65を揺動させ、先端側を降下させて掻出機構66を下げ、掻出機構66を分配皿61の薬剤投入溝63内に入れる。
そして分配皿61を分配個数に応じた角度だけ回転させて、掻寄板67にかき寄せる。その後、掻寄板67を回転し、掻出板68で薬剤をすくい上げて分配皿61から薬剤を排出し、散薬投入ホッパー77に投入する。薬剤は、散薬投入ホッパー77を落下して包装装置6に運ばれ、包装装置6で包装される。
この動作を順次繰り返し、分配皿61内の薬剤を全て排出し、それぞれ包装装置6で薬剤が包装される。
【0051】
以上説明した実施形態では、いずれも容器移動手段5に重量測定手段(第一重量測定手段25)を設けたが、他の位置の重量測定手段の検出値に基づいて加振手段22a,22bを動作させてもよい。
【0052】
図8に示す、薬剤払出し装置70は、図4に示す薬剤払出し装置1を変形したものであり、容器移動手段5に重量測定手段(第一重量測定手段25)が無い。他の構成は、図4に示す薬剤払出し装置1と同一である。
薬剤払出し装置70においても、容器移動手段5のハンド部18で、薬剤容器30を保持し、アーム等を動作させて当該薬剤容器30を散薬投入ホッパー31の真上に移動させる。そして容器移動手段5のハンド部18で薬剤容器30を保持したままの状態で、加振手段22a,22bを起動し、容器保持掌部21を振動させ、薬剤を薬剤容器30から散薬投入ホッパー31の主ホッパー26に落下する。
また振動開始と前後して、主ホッパー26側の第二重量測定手段36によって薬剤容器30の重量が測定される。
即ち主ホッパー26側の第二重量測定手段36によって、主ホッパー26に溜まった薬剤の重量を測定する。そして主ホッパー26に溜まった薬剤の重量が、原重量Gから目標排出量を引いた値に一致した際あるいは略一致した際に薬剤容器30からの散薬の排出を停止させる。より具体的には、患者の一服用分に達したところで加振手段22a,22bを停止し、薬剤容器30からの散薬の排出を停止させる。
【0053】
図9に示す薬剤払出し装置71は、図5に示す薬剤払出し装置51を変形したものであり、容器移動手段5に重量測定手段(第一重量測定手段25)が無い。他の構成は、薬剤払出し装置51と同一である。
【0054】
また本発明は、本出願人が開発し、特許文献2に開示した薬剤払出し装置にも応用することができる。
即ち図10に示す薬剤払出し装置75の様に分配皿61の周囲に容器載置装置(容器設置台)80を配置したものであってもよい。容器載置装置80は、振動台72を備えている。
容器載置装置80は、薬剤容器30を設置する容器設置台として機能する。容器載置装置80には振動台72があり、薬剤容器30から散薬を排出させる排出機構を備えている。容器載置装置80は、図11,12,13の様に、振動台72と、薬剤容器30の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段76とを有している。また図示しない落下確認センサーが設けられている。
【0055】
振動台72には、振動台72に薬剤容器30を一時的に固定する容器保持手段が設けられている。容器保持手段は、具体的には磁石76a,76bである。振動台72の両端には、加振手段78が傾斜姿勢で取り付けられている。加振手段78は、具体的には圧電素子である。落下確認センサーは、例えば光電センサーであり、薬剤容器30から薬剤が排出されているか否かを確認するためのセンサーである。
本実施形態では、容器載置装置80に薬剤容器30が載置され、振動台72を振動させて薬剤容器30から薬剤を排出させることができる。またその時の薬剤容器30の重量変化が、重量測定手段76によって検知される。
【0056】
薬剤払出し装置71で採用する容器移動手段83は、図10の様に第一重量測定手段25を有している。なお薬剤払出し装置71で採用する容器移動手段83には図10の様に加振手段は無く、容器保持掌部21と第一重量測定手段25がある。
本実施形態の薬剤払出し装置71についても、処方箋に応じて自動的に薬剤容器30を選び出す。そして容器移動手段83のハンド部18で、薬剤容器30を保持し、アーム等を動作させて薬剤容器30を容器載置装置80に載置する。
また容器移動手段83で薬剤容器30を搬送する間に、容器移動手段83の第一重量測定手段25で、薬剤容器30の重量を測定しておき、配分動作終了後に、再びハンド部で保持した薬剤容器30の重量との差と、重量測定手段76で測定された総排出量を比較して二重チェックを行う事で、秤量値の信頼性を担保でき、さらに、それぞれの重量測定手段の調整不良や、故障を検知する事が可能となる。
【0057】
本実施形態の薬剤払出し装置71では、薬剤容器30を容器載置装置80に載置した状態で、容器載置装置80に内蔵された振動台72を振動させる。その結果、薬剤容器30の散薬が、ゆっくりと移動し、薬剤容器30から排出されて分配皿61に落下する。
また振動開始と前後して分配皿61を回転させる。また振動開始と前後して、薬剤容器30の重量が容器載置装置80の重量測定手段76で測定される。その間、薬剤容器30の重量が監視され、散薬の総排出量が所望の重量となったところで、振動台72の振動を停止する。
その後の工程は、従来と同一であり、分配皿61の回転を停止し、掻出機構66を薬剤投入溝63内に入れ、分配皿61を分配個数に応じた角度だけ回転させて、掻寄板67にかき寄せる。その後、掻寄板67を回転し、掻出板68で薬剤をすくい上げて分配皿61から薬剤を排出し、散薬投入ホッパー77に投入する。薬剤は、散薬投入ホッパー77を落下して包装装置6に運ばれ、包装装置6で包装される。
この動作を順次繰り返し、分配皿61内の薬剤を全て排出し、それぞれ包装装置6で包装される。
【0058】
また図14に示す薬剤払出し装置81の様な構成も考えられる。
薬剤払出し装置81は、分配皿を持たず、容器載置装置(容器設置台)80に載置された薬剤容器30から直接包装装置6に薬剤を投入する。
容器載置装置80は、前記したものと同一であり、振動台72を備えている。容器載置装置80は、薬剤容器30の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段76を有している。
【0059】
薬剤払出し装置81で採用する容器移動手段83は、図14の様に第一重量測定手段25を有している。即ち薬剤払出し装置81で採用する容器移動手段83は、容器保持掌部21と第一重量測定手段(計量手段)25を有している。容器移動手段83には加振手段は無い。
本実施形態の薬剤払出し装置81についても、図14(a)の様に、処方箋に応じて自動的に薬剤容器30を選び出す。そして容器移動手段83のハンド部18で、薬剤容器30を保持し、アーム等を動作させて薬剤容器30を容器載置装置80に載置する。
【0060】
また容器移動手段83で薬剤容器30を搬送する間に、容器移動手段83の第一重量測定手段25で、薬剤容器30の重量を測定しておく。
本実施形態の薬剤払出し装置81では、薬剤容器30を容器載置装置80に載置した状態で、容器載置装置80に内蔵された振動台72を振動させる。その結果、薬剤容器30の散薬が、ゆっくりと移動し、薬剤容器30から排出されて包装装置6の散薬投入ホッパー77に落下する(図14b)。
【0061】
そしてその間、薬剤容器30の重量が容器載置装置80の重量測定手段76で監視され、散薬の排出量が一服用分となったところで、振動台72の振動を停止する。
包装装置6の散薬投入ホッパー77に既に投入された一服用分の散薬は、包装装置6で包装される。
これと平行して、容器移動手段83で薬剤容器30を保持し、容器移動手段83を駆動して図14(c)の様に薬剤容器30を一旦容器載置装置(容器設置台)80から外す。そして容器移動手段83の第一重量測定手段25で、薬剤容器30の重量を再度測定する。
再測定した際の薬剤容器30の重量は先の測定値に対して一服用分だけ少ないはずであるが、両者の差が一服用分の散薬の重量に比べて一定以上相違する場合は、所定のエラー表示を行う。
再測定した際の薬剤容器30の重量と、容器載置装置80の重量測定手段76の検出重量とを比較してもよい。この場合は、両者の重量は同一であるはずであるが、両者の差が一定以上である場合は、所定のエラー表示を行う。
【0062】
異常が無い場合は、容器移動手段83を駆動して薬剤容器30を再度容器載置装置80に載置する。そして前述した一連の動作を繰り返し、一服用分の散薬が包装された薬剤包装を所定数排出させる。
【0063】
以上説明した実施形態では、振動によって薬剤容器30から薬剤を排出させたが、スクリューや羽根等によって薬剤容器から薬剤を排出させる構成を採用することもできる。この場合は、薬剤容器にスクリュー等を内蔵させ、容器移動手段5,83側から薬剤容器内のスクリュー等に動力を伝達することとなる。
【0064】
上記した各実施形態では、容器移動手段5はロボットであったが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、X-Yテーブルや、X-Y-Zテーブル等の物品を平面移動させたり立体的に移動させるものであってもよい。
また容器移動手段は、コンベア等を応用したものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1,51,56,60,70,71,81 薬剤払出し装置
3 薬剤容器収容部
5,83 容器移動手段
6 包装装置
10 ロボット
18 ハンド部
22a,22b,78 加振手段
25 重量測定手段
26 主ホッパー
27 補助ホッパー
30 薬剤容器
31 散薬投入ホッパー
36,37 第二重量測定手段
52 仮置き容器
55 散薬投入ホッパ-
61 分配皿
72 振動台
76 重量測定手段
80 容器載置装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散薬を収容する薬剤容器と、
薬剤容器が載置され、載置された薬剤容器から散薬を排出する排出機構を有する容器載置装置と、
薬剤容器を収容する薬剤容器収容部と、
薬剤容器を保持する保持掌部と、保持掌部を移動させる運搬手段と、薬剤容器の重量を測定する第一重量測定手段とを有し、薬剤容器収容部から容器載置装置に薬剤容器を移動させる容器移動手段と、
第一重量測定手段は、薬剤容器を保持する電磁石が装着され、
第一重量測定手段と異なり、容器載置装置に設けられ、容器載置装置により薬剤容器から排出した散薬の総排出量を直接的に又は間接的に測定する重量測定手段と、を備えた薬剤払出し装置であって、
容器移動手段で薬剤容器収容部から薬剤容器を移動させ、薬剤容器を搬送する間に、第一重量測定手段により1回目の薬剤容器の重量を測定しておき、薬剤容器を容器載置装置に載置し、
排出機構により薬剤容器から散薬を排出し、
重量測定手段により、散薬を排出している薬剤容器の重量変化を検知して、薬剤容器から排出した散薬の総排出量を測定し、
再び、第一重量測定手段により2回目の薬剤容器の重量を測定し、
前記1回目の薬剤容器の重量と前記2回目の薬剤容器の重量との差分と、前記重量測定手段で測定した散薬の総排出量との比較を行うことを特徴とする薬剤払出し装置。