(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001926
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20231228BHJP
B60Q 1/22 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
B60Q1/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100801
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】清水 洋和
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA28
3K339BA09
3K339BA22
3K339BA23
3K339BA30
3K339CA11
3K339DA01
3K339GB21
3K339JA02
3K339JA10
3K339JA18
3K339JA21
3K339KA04
3K339KA39
3K339MC17
3K339MC68
(57)【要約】
【課題】本来の早期注意喚起機能と、既存の車両用灯具に対する互換性とを確保しながら、運転者の意図に反して点灯することを回避できる車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具(1)は、第1端子(11)と、第2端子(12)と、少なくとも1つの発光素子(21)を含む光源(20)と、第1端子と第2端子との間に印加される第1電圧(V1)に対して所定の遅れ時間を有する第2電圧(V2)を出力する遅延回路(30)と、遅延回路から第2電圧が出力される期間に光源を点灯させる点灯回路(40)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と、
第2端子と、
少なくとも1つの発光素子を含む光源と、
前記第1端子と前記第2端子との間に印加される第1電圧に対して所定の遅延時間を有する第2電圧を出力する遅延回路と、
前記遅延回路から前記第2電圧が出力される期間に前記光源を点灯させる点灯回路と、
を備える、車両用灯具。
【請求項2】
前記遅延時間は、0.5秒から1.0秒である、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記発光素子は、発光ダイオードである、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記遅延回路は、第1コンデンサと、第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、第3抵抗素子と、コンパレータと、を含み、
前記第1コンデンサの一端は前記第1端子に接続され、
前記第1コンデンサの他端は前記コンパレータの負側入力端子に接続され、
前記第1抵抗素子の一端は前記第1コンデンサの前記他端に接続され、
前記第1抵抗素子の他端は前記第2端子に接続され、
前記第2抵抗素子の一端は前記第1コンデンサの前記一端に接続され、
前記第2抵抗素子の他端は前記コンパレータの正側入力端子に接続され、
前記第3抵抗素子の一端は前記第2抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第3抵抗素子の他端は前記第1抵抗素子の前記他端に接続され、
前記コンパレータの出力電圧が前記第2電圧である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記遅延回路は、前記第1電圧に対して前記遅延時間を有する前記第2電圧を出力するとともに、前記第2電圧の立ち上がり時間を延ばす回路である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記遅延回路は、第4抵抗素子と、第5抵抗素子と、PNP型トランジスタと、第2コンデンサと、第3コンデンサと、を含み、
前記第4抵抗素子の一端は前記第1端子に接続され、
前記第4抵抗素子の他端は前記PNP型トランジスタのベース端子に接続され、
前記第5抵抗素子の一端は前記第4抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第5抵抗素子の他端は前記第2端子に接続され、
前記PNP型トランジスタのコレクタ端子は前記第5抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第2コンデンサの一端は前記PNP型トランジスタのエミッタ端子に接続され、
前記第2コンデンサの他端は前記第2端子に接続され、
前記第3コンデンサの一端は前記PNP型トランジスタの前記エミッタ端子に接続され、
前記第3コンデンサの他端は前記第2端子に接続され、
前記PNP型トランジスタの前記エミッタ端子の電圧が前記第2電圧である、
請求項5に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の自動変速機では、PレンジとDレンジとの間にRレンジが配置されている場合が多い。このタイプの自動変速機を搭載する車両において、シフトレバーがPレンジからDレンジに動かされると、シフトレバーがRレンジを通過するときに、運転者の意図に反してバックランプが瞬間的に点灯する。シフトレバーがDレンジからPレンジに動かされる場合も同様である。
【0003】
特許文献1には、シフトレバーがRレンジに留まる時間が所定時間以下であり、且つブレーキペダルが踏み込まれた状態にあるという条件が成立する場合に、バックランプへの通電を禁止するバックランプ点灯回路が開示されている。
【0004】
一般的に、自動変速機は、ブレーキペダルが踏み込まれた状態になければ、シフトレバーの操作を受け付けない。従って、特許文献1の技術によれば、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合に、上記の条件が成立してバックランプへの通電が禁止されるため、運転者の意図に反してバックランプが瞬間的に点灯することを回避できる。
【0005】
また、特許文献1のバックランプ点灯回路は、シフトレバーがRレンジに留まる時間が所定時間よりも長く、且つブレーキペダルが踏み込まれていない状態にあるという条件が成立する場合に、バックランプへの通電を許可する。
【0006】
従って、特許文献1の技術によれば、ブレーキペダルが踏み込まれた状態で、シフトレバーがPレンジ(或いはDレンジ)からRレンジに動かされた後に、シフトレバーがRレンジに留まる時間が所定時間を越えたとしても、ブレーキペダルが開放されるまで、バックランプは点灯しない。言い換えれば、運転者によって意図的にシフトレバーがRレンジにセットされたとしても、ブレーキペダルが開放されなければ、バックランプは点灯しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
シフトレバーがRレンジにセットされた状態でブレーキペダルが開放されると、クリープ現象によって車両は即座に後退し始める。そのため、歩行者及び他の車両に対して早期に後退の意思を表示して注意を喚起するというバックランプ本来の機能を考慮すると、運転者によって意図的にシフトレバーがRレンジにセットされた場合には、ブレーキペダルの状態に関係なく、バックランプを点灯させるべきである。
【0009】
しかしながら、上記のように、特許文献1の技術では、運転者によって意図的にシフトレバーがRレンジにセットされたとしても、ブレーキペダルが開放されなければ、バックランプが点灯しないため、バックランプ本来の早期注意喚起機能を十分に発揮させることができない。
【0010】
また、近年では、車両に標準装備されたバックランプ用白熱電球バルブと交換できるバックランプ用LED(Light-Emitting Diode)バルブが市販化されている。バックランプ用LEDバルブは、既存の車両用灯具であるバックランプ用白熱電球バルブに対する互換性を持たせるために、バックランプ用白熱電球バルブと同タイプの口金端子を備える。
【0011】
例えば、特許文献1のバックランプ点灯回路を、バックランプ用LEDバルブに内蔵された回路基板に設ける場合、車両側に配置されたブレーキスイッチの信号をバックランプ用LEDバルブに取り込むために、バックランプ用LEDバルブの口金端子に新たな端子を追加する必要がある。この場合、車両側にも、ブレーキスイッチの信号を車両の外部に出力するための端子を新たに設ける必要がある。従って、特許文献1の技術をバックランプ用LEDバルブに適用しようとすると、既存のバックランプ用白熱電球バルブに対する互換性をバックランプ用LEDバルブに持たせることが困難となる。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みて提案されたものであり、本来の早期注意喚起機能と、既存の車両用灯具に対する互換性とを確保しながら、運転者の意図に反して点灯することを回避できる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 第1端子と、
第2端子と、
少なくとも1つの発光素子を含む光源と、
前記第1端子と前記第2端子との間に印加される第1電圧に対して所定の遅延時間を有する第2電圧を出力する遅延回路と、
前記遅延回路から前記第2電圧が出力される期間に前記光源を点灯させる点灯回路と、
を備える、車両用灯具。
〔2〕 前記遅延時間は、0.5秒から1.0秒である、前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記発光素子は、発光ダイオードである、前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記遅延回路は、第1コンデンサと、第1抵抗素子と、第2抵抗素子と、第3抵抗素子と、コンパレータと、を含み、
前記第1コンデンサの一端は前記第1端子に接続され、
前記第1コンデンサの他端は前記コンパレータの負側入力端子に接続され、
前記第1抵抗素子の一端は前記第1コンデンサの前記他端に接続され、
前記第1抵抗素子の他端は前記第2端子に接続され、
前記第2抵抗素子の一端は前記第1コンデンサの前記一端に接続され、
前記第2抵抗素子の他端は前記コンパレータの正側入力端子に接続され、
前記第3抵抗素子の一端は前記第2抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第3抵抗素子の他端は前記第1抵抗素子の前記他端に接続され、
前記コンパレータの出力電圧が前記第2電圧である、
前記〔1〕から〔3〕のいずれか一つに記載の車両用灯具。
〔5〕 前記遅延回路は、前記第1電圧に対して前記遅延時間を有する前記第2電圧を出力するとともに、前記第2電圧の立ち上がり時間を延ばす回路である、
前記〔1〕から〔3〕のいずれか一つに記載の車両用灯具。
〔6〕 前記遅延回路は、第4抵抗素子と、第5抵抗素子と、PNP型トランジスタと、第2コンデンサと、第3コンデンサと、を含み、
前記第4抵抗素子の一端は前記第1端子に接続され、
前記第4抵抗素子の他端は前記PNP型トランジスタのベース端子に接続され、
前記第5抵抗素子の一端は前記第4抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第5抵抗素子の他端は前記第2端子に接続され、
前記PNP型トランジスタのコレクタ端子は前記第5抵抗素子の前記他端に接続され、
前記第2コンデンサの一端は前記PNP型トランジスタのエミッタ端子に接続され、
前記第2コンデンサの他端は前記第2端子に接続され、
前記第3コンデンサの一端は前記PNP型トランジスタの前記エミッタ端子に接続され、
前記第3コンデンサの他端は前記第2端子に接続され、
前記PNP型トランジスタの前記エミッタ端子の電圧が前記第2電圧である、
前記〔5〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本来の早期注意喚起機能と、既存の車両用灯具に対する互換性とを確保しながら、運転者の意図に反して点灯することを回避できる車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるバックランプ用LEDバルブの等価回路図である。
【
図2】第1実施形態におけるバックランプ用LEDバルブの等価回路の動作を示すタイミングチャートである。
【
図3】本発明の第2実施形態におけるバックランプ用LEDバルブの等価回路図である。
【
図4】第2実施形態におけるバックランプ用LEDバルブの等価回路の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
以下では、本発明の車両用灯具として、自動変速機を搭載する車両に標準装備されたバックランプ用白熱電球バルブと交換できるバックランプ用LEDバルブを例示しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるバックランプ用LEDバルブ1の等価回路図である。
図1に示すように、バックランプ用LEDバルブ1は、口金端子10と、光源20と、遅延回路30と、点灯回路40と、を備える。
【0018】
口金端子10は、バックランプ用LEDバルブ1を車両に装着させる機能と、車両からRレンジ信号を受信する機能とを有する外部接続端子である。車両は、自動変速機のシフトレバーがRレンジに留まっている時間に、所定の電圧値を有する電圧をRレンジ信号として出力する。口金端子10は、正側端子11(第1端子)と、負側端子12(第2端子)と、を含む。なお、口金端子10は、バックランプ用白熱電球バルブの口金端子と同タイプの口金端子である。
【0019】
正側端子11と負側端子12との間に印加される電圧がRレンジ信号である。正側端子11は、Rレンジ信号の正側電位が入力される端子である。負側端子12は、Rレンジ信号の負側電位が入力される端子である。一例として、負側端子12に入力されるRレンジ信号の負側電位は、グランド電位(0V)である。負側端子12は、バックランプ用LEDバルブ1内におけるグランドに接続されている。以下では、正側端子11と負側端子12との間に印加される電圧を第1電圧V1と呼称する。
【0020】
光源20は、少なくとも1つの発光素子21を含む。一例として、光源20は、6つの発光素子21を含む。各発光素子21は、発光ダイオード(LED)である。光源20は、直列接続された3つの発光素子21を含む第1発光回路22と、同じく直列接続された3つの発光素子21を含む第2発光回路23とから構成される。第1発光回路22は、第2発光回路23と並列接続されている。
【0021】
遅延回路30は、正側端子11と負側端子12との間に印加される第1電圧V1に対して所定の遅延時間Tdを有する第2電圧V2を出力する。遅延回路30は、第1コンデンサ31と、第1抵抗素子32と、第2抵抗素子33と、第3抵抗素子34と、コンパレータ35と、を含む。
【0022】
第1コンデンサ31の一端は、正側端子11に接続されている。なお、本実施形態において、第1コンデンサ31の一端は、後述の点灯回路40に含まれる第1ダイオード41を介して、間接的に正側端子11に接続されている。具体的には、第1コンデンサ31の一端は、第1ダイオード41のカソード端子に接続されている。なお、第1ダイオード41を設ける必要がない場合には、第1コンデンサ31の一端は、正側端子11に直接的に接続されてもよい。第1コンデンサ31の他端は、コンパレータ35の負側入力端子に接続されている。コンパレータ35の負側入力端子は、反転入力端子と呼ばれることもある。
【0023】
第1抵抗素子32の一端は、第1コンデンサ31の他端に接続されている。すなわち、第1抵抗素子32の一端は、コンパレータ35の負側入力端子にも接続されている。第1抵抗素子32の他端は、グランドに接続されている。すなわち、第1抵抗素子32の他端は、グランドを介して、負側端子12に間接的に接続されている。なお、第1抵抗素子32の他端は、負側端子12に直接的に接続されていてもよい。
【0024】
第2抵抗素子33の一端は、第1コンデンサ31の一端に接続されている。第2抵抗素子33の他端は、コンパレータ35の正側入力端子に接続されている。コンパレータ35の正側入力端子は、非反転入力端子と呼ばれることもある。第3抵抗素子34の一端は、第2抵抗素子33の他端に接続されている。すなわち、第3抵抗素子34の一端は、コンパレータ35の正側入力端子にも接続されている。第3抵抗素子34の他端は、第1抵抗素子32の他端に接続されている。
【0025】
コンパレータ35は、オペアンプ型コンパレータである。コンパレータ35の負側入力端子は、第1コンデンサ31の他端と、第1抵抗素子32の一端とに接続されている。コンパレータ35の正側入力端子は、第2抵抗素子33の他端と、第3抵抗素子34の一端とに接続されている。コンパレータ35の正側電源端子は、第1コンデンサ31の一端と、第2抵抗素子33の一端とに接続されている。コンパレータ35の負側電源端子は、第1抵抗素子32の他端と、第3抵抗素子34の他端とに接続されている。
【0026】
コンパレータ35の出力端子は、後述の点灯回路40に含まれる定電流ドライバ46のDIM端子に接続されている。コンパレータ35の出力電圧、すなわちコンパレータ35の出力端子の電圧が、第1電圧V1に対して所定の遅延時間Tdを有する第2電圧V2である。以下では、コンパレータ35の正側入力端子に入力される電圧を、正側入力電圧Vin+と呼称し、コンパレータ35の負側入力端子に入力される電圧を、負側入力電圧Vin-と呼称する。コンパレータ35は、負側入力電圧Vin-が、正側入力電圧Vin+より低い場合に、ハイレベル電圧を第2電圧V2として出力する。
【0027】
点灯回路40は、遅延回路30から第2電圧V2が出力される期間に光源20を点灯させる。点灯回路40は、第1ダイオード41と、電流検出用抵抗素子42と、インダクタンス素子43と、第2ダイオード44と、バイパスコンデンサ45と、定電流ドライバ46と、を含む。
【0028】
第1ダイオード41のアノード端子は、正側端子11に接続されている。第1ダイオード41のカソード端子は、電流検出用抵抗素子42の一端に接続されている。また、上記のように、第1ダイオード41のカソード端子は、遅延回路30に含まれる第1コンデンサ31の一端にも接続されている。
【0029】
電流検出用抵抗素子42の他端は、光源20の第1発光回路22に含まれる発光素子21のうち、最も高電位側に位置する発光素子21のアノード端子に接続されている。同様に、電流検出用抵抗素子42の他端は、光源20の第2発光回路23に含まれる発光素子21のうち、最も高電位側に位置する発光素子21のアノード端子に接続されている。
【0030】
インダクタンス素子43の一端は、光源20の第1発光回路22に含まれる発光素子21のうち、最も低電位側に位置する発光素子21のカソード端子に接続されている。同様に、インダクタンス素子43の一端は、光源20の第2発光回路23に含まれる発光素子21のうち、最も低電位側に位置する発光素子21のカソード端子に接続されている。インダクタンス素子43の他端は、第2ダイオード44のアノード端子に接続されている。
【0031】
第2ダイオード44のカソード端子は、第1ダイオード41のカソード端子と、電流検出用抵抗素子42の一端とに接続されている。同様に、バイパスコンデンサ45の一端は、第1ダイオード41のカソード端子と、電流検出用抵抗素子42の一端とに接続されている。バイパスコンデンサ45の他端は、負側端子12に接続されている。
【0032】
定電流ドライバ46は、光源20に定電流を供給するドライバIC(Integrated Circuit)である。定電流ドライバ46は、VIN端子と、CSN端子と、SW端子と、GND端子と、DIM端子と、の5つの端子を有する。
【0033】
定電流ドライバ46のVIN端子は、電流検出用抵抗素子42の一端に接続されている。定電流ドライバ46のCSN端子は、電流検出用抵抗素子42の他端に接続されている。定電流ドライバ46のSW端子は、インダクタンス素子43の他端に接続されている。定電流ドライバ46のGND端子は、負側端子12に接続されている。定電流ドライバ46のDIM端子は、遅延回路30に含まれるコンパレータ35の出力端子に接続されている。
【0034】
図示は省略するが、定電流ドライバ46は、Nチャネル型MOSFETを出力トランジスタとして内蔵している。SW端子は、定電流ドライバ46の内部において、Nチャネル型MOSFETのドレイン端子に接続されている。GND端子は、定電流ドライバ46の内部において、Nチャネル型MOSFETのソース端子に接続されている。
【0035】
正側端子11と負側端子12との間に第1電圧V1が印加された状態で、Nチャネル型MOSFETがオン状態に切り換えられた場合、正側端子11、第1ダイオード41、電流検出用抵抗素子42、光源20(第1発光回路22及び第2発光回路23)、インダクタンス素子43、SW端子、Nチャネル型MOSFET、GND端子、および負側端子12の順で電流が流れ、各発光素子21が点灯する。
【0036】
定電流ドライバ46は、VIN端子とCSN端子との間に印加される電圧、すなわち電流検出用抵抗素子42の端子間電圧を検出する。電流検出用抵抗素子42の端子間電圧は、光源20に流れる電流に比例する。つまり、定電流ドライバ46は、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧を、光源20に流れる電流の値として検出する。
【0037】
定電流ドライバ46は、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧に基づいて、Nチャネル型MOSFETの状態を制御する。具体的には、定電流ドライバ46は、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧が第1閾値Vth1より低い場合、Nチャネル型MOSFETをオン状態に制御する。また、定電流ドライバ46は、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧が第2閾値Vth2より高い場合、Nチャネル型MOSFETをオフ状態に制御する。第2閾値Vth2は、第1閾値Vth1よりも高い値に設定されている。
【0038】
例えば、正側端子11と負側端子12との間に第1電圧V1が印加された直後では、光源20に電流が流れておらず、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧は第1閾値Vth1より低いため、Nチャネル型MOSFETはオン状態に切り換えられる。Nチャネル型MOSFETがオン状態に切り換えられると、上記の経路で電流が流れ始めるため、電流値は徐々に上昇する。
【0039】
そして、電流値の上昇に起因して、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧が第2閾値Vth2より高くなると、Nチャネル型MOSFETはオフ状態に切り換えられる。Nチャネル型MOSFETがオフ状態に切り換えられると、電流値は徐々に減少する。そして、電流値の減少に起因して、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧が第1閾値Vth1より低くなると、Nチャネル型MOSFTは再びオン状態に切り換えられる。
【0040】
定電流ドライバ46は、上記のように、電流検出用抵抗素子42の端子間電圧に基づいて、Nチャネル型MOSFETの状態を制御することにより、光源20に定電流を供給する。例えば、定電流ドライバ46によって光源20に供給される電流の平均値Idは、下記(1)式で表される。下記(1)式において、Rsは、電流検出用抵抗素子42の抵抗値である。
Id=(Vth1+Vth2)/(2・Rs) …(1)
【0041】
また、定電流ドライバ46は、DIM端子に下限値以上の電圧が入力された期間だけ、Nチャネル型MOSFETをオン状態に制御する機能を有する。すなわち、DIM端子に下限値以上の電圧が入力された期間だけ光源20に電流が流れ、各発光素子21が点灯する。さらに、DIM端子に下限値から上限値までの範囲に含まれる電圧値を有する電圧が入力される場合、光源20に流れる電流の電流値は、DIM端子の電圧値に比例して増減するが、DIM端子に上限値を越える電圧値を有する電圧が入力される場合、光源20に流れる電流の電流値は一定値(最大値)に保持される。一例として、下限値は、0.5Vであり、上限値は、2.5Vである。
【0042】
定電流ドライバ46のDIM端子は、遅延回路30に含まれるコンパレータ35の出力端子に接続されている。従って、定電流ドライバ46は、DIM端子に下限値以上の第2電圧V2が入力された期間だけ、Nチャネル型MOSFETをオン状態に制御する。すなわち、DIM端子に下限値以上の第2電圧V2が入力された期間だけ光源20に電流が流れ、各発光素子21が点灯する。このように、定電流ドライバ46を含む点灯回路40は、遅延回路30から第2電圧V2が出力される期間に光源20を点灯させる回路である。
【0043】
以上が、バックランプ用LEDバルブ1の等価回路の構成に関する説明である。以下では、
図2を参照しながら、バックランプ用LEDバルブ1の等価回路の動作について説明する。
【0044】
図2は、バックランプ用LEDバルブ1の等価回路の動作を示すタイミングチャートである。
図2は、正側端子11と負側端子12との間に印加される第1電圧V1と、コンパレータ35の負側入力端子に入力される負側入力電圧Vin-と、コンパレータ35の正側入力端子に入力される正側入力電圧Vin+と、コンパレータ35の出力電圧である第2電圧V2と、光源20の発光輝度Lとの時間的な対応関係を示す。
【0045】
図2に示すように、時刻t1において、シフトレバーがRレンジに侵入したと想定する。この場合、時刻t1において、正側端子11と負側端子12との間に第1電圧V1(Rレンジ信号)が印加される。一例として、第1電圧V1の電圧値は、2.5Vである。時刻t1において第1電圧V1が印加されると、コンパレータ35の正側入力端子には、下式(2)で表される正側入力電圧Vin+が入力される。なお、下式(2)において、R2は、第2抵抗素子33の抵抗値であり、R3は、第3抵抗素子34の抵抗値である。下式(2)から理解されるように、時刻t1以降、コンパレータ35の正側入力端子には、第1電圧V1よりも低い電圧値を有する正側入力電圧Vin+が入力される。
Vin+=V1・R3/(R2+R3) …(2)
【0046】
また、時刻t1において第1電圧V1が印加されると、コンパレータ35の負側入力端子に入力される負側入力電圧Vin-の電圧値は、第1コンデンサ31の放電により、第1電圧V1の電圧値である2.5Vから徐々に減少する。負側入力電圧Vin-が減少する速度は、第1コンデンサ31の容量値C1と、第1抵抗素子32の抵抗値R1との積である時定数τに依存する。
【0047】
時刻t1以降、負側入力電圧Vin-が正側入力電圧Vin+より高ければ、コンパレータ35の出力電圧である第2電圧V2は、ローレベル(0V)に維持される。また、第2電圧V2がローレベルに維持されている期間において、定電流ドライバ46のDIM端子には、下限値(0.5V)未満の第2電圧V2が入力されるため、定電流ドライバ46に内蔵されたNチャネル型MOSFETは、オフ状態に維持される。従って、時刻t1以降、第2電圧V2がローレベルに維持されている期間において、光源20に電流は流れないため、光源20の発光輝度Lは0(cd/m2)に維持される。
【0048】
そして、時刻t2において、負側入力電圧Vin-が正側入力電圧Vin+を下回ると、第2電圧V2は、ハイレベル(2.5V)に変化する。このように、遅延回路30は、第1電圧V1に対して所定の遅延時間Tdを有する第2電圧V2を出力する。
図2において、時刻t1から時刻t2までの時間が遅延時間Tdである。遅延時間Tdは、第1コンデンサ31の容量値C1と、第1抵抗素子32の抵抗値R1と、第2抵抗素子33の抵抗値R2と、第3抵抗素子34の抵抗値R3とによって任意の時間に設定できる。一例として、遅延時間Tdは、0.5秒から1.0秒に設定される。
【0049】
時刻t2において第2電圧V2がハイレベルに変化すると、定電流ドライバ46のDIM端子には、下限値以上の第2電圧V2が入力されるため、定電流ドライバ46に内蔵されたNチャネル型MOSFETは、オン状態に切り換えられる。従って、時刻t2以降、光源20に電流が流れるため、光源20に含まれる各発光素子21が点灯する。また、時刻t2以降、定電流ドライバ46のDIM端子には、上限値(2.5V)以上の第2電圧V2が入力される。その結果、時刻t2以降、光源20には最大の電流が流れるため、光源20の発光輝度Lは最大輝度Lmax(cd/m2)に維持される。
【0050】
そして、時刻t3において、シフトレバーがRレンジから離脱したと想定する。この場合、時刻t3において第1電圧V1はローレベルに変化するため、コンパレータ35の出力電圧である第2電圧V2もローレベルに変化する。つまり、時刻t3において、定電流ドライバ46のDIM端子には、下限値未満の第2電圧V2が入力されるため、定電流ドライバ46に内蔵されたNチャネル型MOSFETは、オフ状態に切り換えられる。従って、時刻t3以降、光源20に電流は流れないため、光源20の発光輝度Lは0(cd/m2)に維持される。
【0051】
上記の動作説明から理解されるように、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合に、シフトレバーがRレンジに留まる時間(
図2における時刻t1から時刻t3までの時間)が遅延時間Tdよりも短ければ、光源20は点灯しない。従って、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1によれば、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合に、シフトレバーがRレンジを通過しても、運転者の意図に反してバックランプ(光源20)が瞬間的に点灯することを回避できる。
【0052】
本願発明者が、運転者によって意図的にシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合において、シフトレバーがRレンジに留まる時間の平均値を調査した結果、シフトレバーがRレンジに留まる時間の平均値は、0.5秒から1.0秒の範囲内に収まることが判明した。そのため、上記のように、遅延時間Tdを0.5秒から1.0秒の範囲内で設定することにより、運転者によって意図的にシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされた場合でも、バックランプ(光源20)の点灯が回避される可能性を高めることができる。
【0053】
また、上記の動作説明から理解されるように、例えば運転者によって意図的にシフトレバーがRレンジにセットされた場合、シフトレバーがRレンジに留まる時間が遅延時間Tdを越えると、ブレーキペダルの状態に関係なく、光源20は点灯する。すなわち、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1によれば、運転者によって意図的にシフトレバーがRレンジにセットされた場合に、ブレーキペダルの状態に関係なく、バックランプ(光源20)が点灯するため、バックランプ本来の早期注意喚起機能を確保することができる。
【0054】
一般的に、運転者は、車両を後退させる前に、シフトレバーをRレンジにセットした状態でブレーキペダルを踏み続けながら、車両後方の安全確認を行う。しかしながら、特許文献1の技術では、運転者が車両後方の安全確認を行う際に、バックランプが点灯していないため、特に夜間における安全確認が困難である。一方、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1によれば、シフトレバーがRレンジにセットされた場合に、ブレーキペダルの状態に関係なく、バックランプ(光源20)が点灯するため、運転者は夜間における車両後方の安全確認を容易に行うことができる。
【0055】
さらに、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1によれば、車両側に配置されたブレーキスイッチの信号をバックランプ用LEDバルブ1に取り込む必要がないため、バックランプ用LEDバルブ1の口金端子10に新たな端子を追加する必要はない。すなわち、第1実施形態によれば、既存のバックランプ用白熱電球バルブに対する互換性をバックランプ用LEDバルブ1に持たせることが可能である。
【0056】
以上のように、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1によれば、本来の早期注意喚起機能と、既存のバックランプ用白熱電球バルブに対する互換性とを確保しながら、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合でもあっても、運転者の意図に反して瞬間的にバックランプ(光源20)が点灯することを回避できる。
【0057】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態におけるバックランプ用LEDバルブ2の等価回路図である。
図3に示すように、第2実施形態のバックランプ用LEDバルブ2は、口金端子10と、光源20と、点灯回路40と、を備える点で、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1と同じである。バックランプ用LEDバルブ2は、遅延回路30の替わりに、遅延回路50を備える点で、バックランプ用LEDバルブ1と相違する。以下では、バックランプ用LEDバルブ2とバックランプ用LEDバルブ1との相違点について説明する。
【0058】
遅延回路50は、正側端子11と負側端子12との間に印加される第1電圧V1に対して所定の遅延時間Tdを有する第2電圧V2を出力するとともに、第2電圧V2の立ち上がり時間Trを延ばす回路である。遅延回路50は、第4抵抗素子51と、第5抵抗素子52と、PNP型トランジスタ53と、第2コンデンサ54と、第3コンデンサ55と、を含む。
【0059】
第4抵抗素子51の一端は、正側端子11に接続されている。なお、第4抵抗素子51の一端は、点灯回路40に含まれる第1ダイオード41を介して、間接的に正側端子11に接続されている。具体的には、第4抵抗素子51の一端は、第1ダイオード41のカソード端子に接続されている。なお、第1ダイオード41を設ける必要がない場合には、第4抵抗素子51の一端は、正側端子11に直接的に接続されてもよい。第4抵抗素子51の他端は、PNP型トランジスタ53のベース端子に接続されている。
【0060】
第5抵抗素子52の一端は、第4抵抗素子51の他端に接続されている。つまり、第5抵抗素子52の一端も、PNP型トランジスタ53のベース端子に接続されている。第5抵抗素子52の他端は、グランドに接続されている。すなわち、第5抵抗素子52の他端は、グランドを介して、負側端子12に間接的に接続されている。なお、第5抵抗素子52の他端は、負側端子12に直接的に接続されていてもよい。
【0061】
PNP型トランジスタ53のコレクタ端子は、第5抵抗素子52の他端に接続されている。PNP型トランジスタのエミッタ端子は、点灯回路40に含まれる定電流ドライバ46のDIM端子に接続されている。PNP型トランジスタ53のエミッタ端子の電圧が第2電圧V2である。
【0062】
第2コンデンサ54の一端は、PNP型トランジスタ53のエミッタ端子と、点灯回路40に含まれる定電流ドライバ46のDIM端子とに接続されている。同様に、第3コンデンサ55の一端は、PNP型トランジスタ53のエミッタ端子と、定電流ドライバ46のDIM端子とに接続されている。第2コンデンサ54の他端と、第3コンデンサ55の他端とのそれぞれは、負側端子12に接続されている。
【0063】
以上が、バックランプ用LEDバルブ2の等価回路の構成に関する説明である。以下では、
図4を参照しながら、バックランプ用LEDバルブ2の等価回路の動作について説明する。
【0064】
図4は、バックランプ用LEDバルブ2の等価回路の動作を示すタイミングチャートである。
図4は、正側端子11と負側端子12との間に印加される第1電圧V1と、遅延回路50から出力される第2電圧V2と、光源20の発光輝度Lとの時間的な対応関係を示す。
【0065】
図4に示すように、時刻t10において、シフトレバーがRレンジに侵入したと想定する。この場合、時刻t10において、正側端子11と負側端子12との間に第1電圧V1(Rレンジ信号)が印加される。一例として、第1電圧V1の電圧値は、2.5Vである。
【0066】
時刻t10以降、遅延回路50から出力される第2電圧V2は、一定時間ローレベル(0V)に維持される。また、第2電圧V2がローレベルに維持されている期間において、定電流ドライバ46のDIM端子には、下限値(0.5V)未満の第2電圧V2が入力されるため、定電流ドライバ46に内蔵されたNチャネル型MOSFETは、オフ状態に維持される。従って、時刻t10以降、第2電圧V2がローレベルに維持されている期間において、光源20に電流は流れないため、光源20の発光輝度Lは0(cd/m2)に維持される。
【0067】
そして、時刻t10から一定時間が経過した後の時刻t20において、遅延回路50から出力される第2電圧V2は、ハイレベル電圧(2.5V)に向かって徐々に上昇し始める。そして、第2電圧V2は、時刻t30においてハイレベル電圧(2.5V)に到達すると、時刻t30以降はハイレベル電圧に維持される。
【0068】
このように、第2実施形態では、遅延回路50によって、第1電圧V1に対して所定の遅延時間Tdを有する第2電圧V2が出力されるとともに、第2電圧V2の立ち上がり時間Trが延長される。
図4において、時刻t10から時刻t20までの時間が遅延時間Tdであり、時刻t20から時刻t30までの時間が第2電圧V2の立ち上がり時間Trである。第2電圧V2の立ち上がり時間Trは、第2コンデンサ54の容量値C2と、第3コンデンサ55の容量値C3とによって任意の時間に設定できる。
【0069】
時刻t20から時刻t30までの期間において、第2電圧V2が、ローレベル電圧(0V)からハイレベル電圧(2.5V)に向かって徐々に上昇すると、第2電圧V2が下限値(0.5V)を越えた時点で、定電流ドライバ46に内蔵されたNチャネル型MOSFETがオン状態に切り換えられて、光源20に電流が流れ始める。そして、第2電圧V2が下限値(0.5V)からハイレベル電圧(2.5V)に向かって徐々に上昇するに従って、光源20に流れる電流の電流値も、第2電圧V2に比例して増加する。その結果、時刻t20から時刻t30までの期間において、第2電圧V2の上昇に従って、光源20の発光輝度Lも徐々に上昇する。
【0070】
そして、時刻t30に第2電圧V2がハイレベル電圧(2.5V)に到達すると、DIM端子に上限値(2.5)に相当する電圧が入力されるため、光源20に流れる電流の電流値は最大値に保持される。その結果、時刻t30以降、光源20には最大の電流が流れるため、光源20の発光輝度Lは最大輝度Lmax(cd/m2)に維持される。
【0071】
上記の動作説明から理解されるように、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合に、シフトレバーがRレンジに留まる時間が遅延時間Tdよりも短ければ、第1実施形態と同様に光源20は点灯しない。従って、第2実施形態のバックランプ用LEDバルブ2によれば、第1実施形態のバックランプ用LEDバルブ1と同様に、本来の早期注意喚起機能と、既存のバックランプ用白熱電球バルブに対する互換性とを確保しながら、運転者の意図に反して瞬間的にバックランプ(光源20)が点灯することを回避できる。
【0072】
さらに、第2実施形態では、シフトレバーがRレンジに留まる時間が遅延時間Tdを越えたとしても、定電流ドライバ46のDIM端子に入力される第2電圧V2が徐々に上昇するため、光源20の発光輝度Lも徐々に上昇する。従って、第2実施形態のバックランプ用LEDバルブ2によれば、例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに動かされる場合に、シフトレバーがRレンジに留まる時間が遅延時間Tdを多少越えたとしても、歩行者及び他の車両に対して、運転者の意図に反する意思表示を行うことを極力回避することができる。
【0073】
〔変形例〕
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0074】
(1)例えば、上記第1実施形態では、第1コンデンサ31と、第1抵抗素子32と、第2抵抗素子33と、第3抵抗素子34と、コンパレータ35と、を含む遅延回路30を例示したが、本発明の遅延回路はこの回路構成に限定されない。本発明の遅延回路は、少なくとも、第1端子と第2端子との間に印加される第1電圧に対して所定の遅延時間を有する第2電圧を出力する機能を有する回路であればよい。
【0075】
(2)例えば、上記第2実施形態では、第4抵抗素子51と、第5抵抗素子52と、PNP型トランジスタ53と、第2コンデンサ54と、第3コンデンサ55と、を含む遅延回路50を例示したが、本発明の遅延回路はこの回路構成に限定されない。本発明の遅延回路は、第1端子と第2端子との間に印加される第1電圧に対して所定の遅延時間を有する第2電圧を出力するとともに、第2電圧の立ち上がり時間を延ばす機能を有する回路であればよい。
【0076】
(3)上記実施形態では、発光素子21が発光ダイオードである形態を例示したが、本発明はこれに限定されず、本発明の車両用灯具が備える発光素子は、レーザーダイオードなどの他の発光素子であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1、2…バックランプ用LEDバルブ(車両用灯具)、10…口金端子、11…正側端子(第1端子)、12…負側端子(第2端子)、20…光源、21…発光素子、30…遅延回路、31…第1コンデンサ、32…第1抵抗素子、33…第2抵抗素子、34…第3抵抗素子、35…コンパレータ、40…点灯回路、41…第1ダイオード、42…電流検出用抵抗素子、43…インダクタンス素子、44…第2ダイオード、45…バイパスコンデンサ、46…定電流ドライバ、50…遅延回路、51…第4抵抗素子、52…第5抵抗素子、53…PNP型トランジスタ、54…第2コンデンサ、55…第3コンデンサ