IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テイ・エス テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-乗員保護装置 図1
  • 特開-乗員保護装置 図2
  • 特開-乗員保護装置 図3
  • 特開-乗員保護装置 図4
  • 特開-乗員保護装置 図5A
  • 特開-乗員保護装置 図5B
  • 特開-乗員保護装置 図5C
  • 特開-乗員保護装置 図5D
  • 特開-乗員保護装置 図6
  • 特開-乗員保護装置 図7
  • 特開-乗員保護装置 図8
  • 特開-乗員保護装置 図9
  • 特開-乗員保護装置 図10
  • 特開-乗員保護装置 図11
  • 特開-乗員保護装置 図12
  • 特開-乗員保護装置 図13
  • 特開-乗員保護装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019283
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】乗員保護装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/427 20060101AFI20240201BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20240201BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20240201BHJP
   B60R 21/0136 20060101ALI20240201BHJP
   B60R 21/207 20060101ALI20240201BHJP
   B60R 21/21 20110101ALI20240201BHJP
【FI】
B60N2/427
B60N2/64
B60N2/68
B60R21/0136
B60R21/207
B60R21/21
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023204430
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2018198966の分割
【原出願日】2018-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】田邉 仁一
(72)【発明者】
【氏名】野中 達樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昌二
(57)【要約】
【課題】サイドエアバッグの展開スペースを十分に確保することができるとともに小型化を図ることのできる乗物用シートを提供する。
【解決手段】乗物用シート100は、乗物用シート100に設けられ、ドアDRと乗物用シート100との間で膨張展開するサイドエアバッグを有するサイドエアバッグモジュール7と、着座した乗員からの荷重を受ける受圧部と、受圧部を支持するフレーム222と、ドアDRに対し外側から衝撃が作用することによりサイドエアバッグモジュール7が作動してサイドエアバッグが膨張展開するとき、サイドエアバッグに乗員が接触する前に乗員がドアDRから離間する方向に押動されるように受圧部を移動させる姿勢変更機構と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の側壁の内側空間に配置された乗物用シートと、
前記側壁または前記乗物用シートに設けられ、前記側壁と前記乗物用シートとの間で膨張展開するサイドエアバッグを有するサイドエアバッグ装置と、を備え、
前記乗物用シートは、
フレームおよびパッドを有するシートバックと、
前記フレームに支持され、着座した乗員からの荷重を受ける受圧部と、
前記側壁に対し外側から衝撃が作用することにより前記サイドエアバッグ装置が作動して前記サイドエアバッグが膨張展開するサイドエアバッグ作動時に、前記サイドエアバッグに乗員が接触する前に乗員が前記側壁から離間する方向に押動されるように前記受圧部を移動させる移動手段と、を有し、
前記受圧部は、前記シートバックの前記パッドを介して乗員の背部を支持する受圧板を含み、
前記移動手段は、前記フレームのシート幅方向端部に取り付けられた駆動源と、前記サイドエアバッグ作動時に、前記駆動源の動力によって前記受圧板を移動させるリンク機構と、を含み、
前記移動手段および前記受圧板は、前記サイドエアバッグ装置と前記シートバックのシート幅方向に並んで配置されることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乗員保護装置において、
前記受圧板は、前記乗物用シートのシート幅方向にわたって延設され、
前記受圧板のシート幅方向の一端部が、前記乗物の前後方向に移動可能に設けられ、
前記移動手段は、前記受圧板の左右方向端部を前方に移動させたときに、前記リンク機構の前端が前記サイドエアバッグ装置の作動前の前端よりも前方に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の乗員保護装置において、
前記移動手段は、駆動前の前記リンク機構の前端が、前記サイドエアバッグ装置の作動前の前端よりも後方に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
前記移動手段は、前記サイドエアバッグ作動時に、前記駆動源の動力によって前記受圧板のシート幅方向一端部のみを移動させることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
前記移動手段は、前記サイドエアバッグ作動時に、前記駆動源の動力によって前記受圧板のシート幅方向の少なくとも一端部における複数箇所を移動させることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
前記移動手段は、後端が前記サイドエアバッグ装置の後端よりも前方に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
駆動前の前記移動手段は、前記サイドエアバッグ装置の作動前の前後端の間に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
前記移動手段の前記駆動源は、アクチュエータユニットを含み、
前記アクチュエータユニットは、前記フレームに支持されることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項9】
請求項8に記載の乗員保護装置において、
前記アクチュエータユニットは、前記サイドエアバッグ装置の前後端の間の略中央部に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の乗員保護装置において、
前記乗物用シートは、シートクッションと、前記シートバックと、前記シートバックの上部に設けられ、乗員の頭部を支持するヘッドレストとを有し、
前記シートクッションは、シートクッションフレームにシートクッションパッドを取り付け、さらにその外側に、表皮材を被せることで構成され、
前記シートクッションパッドは、前記シートクッションフレームにより支持され、
前記乗物用シートの下方のフロアには、前後方向に沿ってスライドレールが延設されており、
前記シートクッションフレームは、前記スライドレールにスライド可能に係合され、
前記シートバックは、前記フレームに前記パッドを取り付け、さらにその外側に、表皮材を被せることで構成され、
前記パッドは、前記フレームにより支持され、
前記フレームは、下部が前記シートクッションフレームの後方にリクライニング機構を介して回動可能に連結され、
前記シートバックが前記シートクッションに対して前後方向に回動可能に設けられることを特徴とする乗員保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドエアバッグの作動により乗員を保護する乗員保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体床部に対して車幅方向内側へ変位可能に連結されたシート本体と、シート本体のシートバックにおける車幅方向外側の側部に配設され、乗員と車体側部との間にサイドエアバッグを膨張展開させるサイドエアバッグ装置と、を備えた自動車用シート装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の自動車用シート装置では、サイドエアバッグの展開スペースを確保するために、車両の側面衝突を検知または予知した場合に、シート本体を車幅方向内側へ変位させる駆動装置およびサイドエアバッグ装置を作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-216209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、シート本体全体を車幅方向内側へ変位させるので、シート本体全体を駆動するための駆動力を発生させる駆動装置、および駆動装置で発生させた駆動力をシート本体全体に伝達する機構が大きくなり、駆動装置を含むシート全体が大型化するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である乗員保護装置は、乗物の側壁の内側空間に配置された乗物用シートと、側壁または乗物用シートに設けられ、側壁と乗物用シートとの間で膨張展開するサイドエアバッグを有するサイドエアバッグ装置と、を備える。乗物用シートは、フレームおよびパッドを有するシートバックと、フレームに支持され、着座した乗員からの荷重を受ける受圧部と、受圧部を支持するフレームと、側壁に対し外側から衝撃が作用することによりサイドエアバッグ装置が作動してサイドエアバッグが膨張展開するサイドエアバッグ作動時に、サイドエアバッグに乗員が接触する前に乗員が側壁から離間する方向に押動されるように受圧部を移動させる移動手段と、を有する。受圧部は、シートバックのパッドを介して乗員の背部を支持する受圧板を含み、移動手段は、フレームのシート幅方向端部に取り付けられた駆動源と、サイドエアバッグ作動時に、駆動源の動力によって受圧板を移動させるリンク機構と、を含み、移動手段および受圧板は、サイドエアバッグ装置とシートバックのシート幅方向に並んで配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート全体を大型化することなくサイドエアバッグの十分な展開スペースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用シートが搭載された車両の構成を示す平面図。
図2】車両用シートの斜視図。
図3】車両用シートに内蔵されるシートフレームの斜視図。
図4図3のシートフレームに設けられる姿勢変更機構の斜視図。
図5A図2のV-V線に沿うシートバックの断面図であり、受圧板が初期位置。
図5B図2のV-V線に沿うシートバックの断面図であり、受圧板が第1前進位置にある状態を示す図。
図5C図2のV-V線に沿うシートバックの断面図であり、受圧板が第2前進位置にある状態を示す図。
図5D図2のV-V線に沿うシートバックの断面図であり、受圧板が第3前進位置にある状態を示す図。
図6図2のVI-VI線に沿うシートバックの断面図。
図7】シートバックパッドの外観斜視図。
図8】本実施形態に係る車両制御装置の概略構成を示すブロック図。
図9図8のコントローラで実行される処理の一例を示すフローチャート。
図10】本実施形態の第6変形例に係る車両用シートの構成を模式的に示す平面図であり、受圧部の移動前と移動後の状態を示す図。
図11】本実施形態の第7変形例に係る車両用シートの構成を模式的に示す正面図。
図12】本実施形態の第8変形例に係る車両用シートのシートバックパッドの要部構成を模式的に示す断面図。
図13】本実施形態の第9変形例に係る車両用シートの構成を模式的に示す正面図であり、衝突前と衝突後の状態を示す図。
図14】本実施形態の第10変形例に係る車両用シートのシートバックの要部の構成を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図9を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る乗員保護装置は、乗物用シートに着座した乗員を保護するものであり、種々の乗物用シートに対し適用することができるが、以下では、車両用シートに適用する例を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用シートSが搭載された車両Cの構成を示す平面図である。図1では、図示のように車両Cの前後方向、左右方向および上下方向を定義する。前後方向は車両Cの長さ方向に相当し、上下方向は車両Cの高さ方向に相当し、左右方向は車幅方向に相当する。
【0011】
図1に示すように、車両Cは、運転者によって操作されるステアリングホイールSWと、ステアリングホイールSWに面して配置された運転席シート101と、運転席シート101の側方に配置された助手席シート102と、運転席シート101と助手席シート102の後方に配置された後席シート103と、車体に対して開閉可能なドアDRとを備える。乗員は、ドアDRを開くことで、車両Cの乗降口から車両Cに乗り降りする。
【0012】
運転席シート101と助手席シート102とは、互いに独立して左右に分かれて設けられ、これらをそれぞれ車両用シート100と呼ぶ。なお、図1では、ステアリングホイールSWが車両Cの右側に配置されているが、左側に配置することもできる。運転席シート101と助手席シート102とは左右対称に構成される。以下の説明では、運転席シート101により車両用シート100を代表する。
【0013】
図2は、車両用シート100(運転席シート101)の斜視図(斜め前方から見た図)である。図中の前後方向、左右方向および上下方向は、図1の前後方向、左右方向および上下方向に一致する。換言すると、前後方向のうち前方は、乗車姿勢の乗員が向く方向であり、左右方向はシート幅方向であり、上下方向はシート高さ方向である。
【0014】
図2に示すように、車両用シート100は、乗員の臀部を支持するシートクッション1と、乗員の背部を支持するシートバック2と、シートバック2の上部に設けられ、乗員の頭部を支持するヘッドレスト3とを備える。シートクッション1は、前後方向および左右方向に延在し、全体が略矩形状を呈する。シートバック2は、上下方向および左右方向に延在し、全体が略矩形状を呈する。シートバック2は、シートクッション1の後端部に前
後方向に傾動可能に支持される。
【0015】
図3は、車両用シート100の内部のシートフレームの構成を示す斜視図である。図3に示すように、シートフレーム200は、シートクッション1に対応するフレームであるシートクッションフレーム210と、シートバック2に対応するフレームであるシートバックフレーム220とを有する。シートクッションフレーム210とシートバックフレーム220とは、それぞれシートクッション1およびシートバック2の外形形状に沿って形成される。
【0016】
図2,3に示すように、シートクッション1は、シートクッションフレーム210に、ウレタンフォームなどのクッション材からなるシートクッションパッド10を取り付け、さらにその外側に、合成皮革や布地などからなる表皮材11を被せることで構成される。シートクッションパッド10は、シートクッションフレーム210により支持され、乗員の臀部からの荷重を受ける受圧部として機能する。車両用シート100の下方のフロア(車体床部)には、前後方向に沿ってスライドレール4が延設される。シートクッションフレーム210は、スライドレール4にスライド可能に係合され、これによりシートクッション1が車体に対しスライドレール4に沿って前後方向に移動可能である。
【0017】
シートバック2は、シートバックフレーム220に、クッション材からなるシートバックパッド20を取り付け、さらにその外側に、合成皮革や布地などからなる表皮材21を被せることで構成される。シートバックパッド20は、シートバックフレーム220により支持され、乗員の背部からの荷重を受ける受圧部として機能する。より詳しくは、シートバックパッド20は、左右方向の中央部22とその左右両側の側部23とを有し、中央部22により後方への荷重を受け、側部23により側方への荷重を受ける。図3に示すように、シートバックフレーム220は、その下部がシートクッションフレーム210の後部にリクライニング機構211を介して回動可能に連結され、これによりシートバック2がシートクッション1に対し前後方向に回動可能に設けられる。
【0018】
シートバックフレーム220は、左右方向に延在し、シートバックフレーム220の上部を構成する上部フレーム221と、上下方向に立設され、シートバックフレーム220の左右側部を構成する左右一対のサイドフレーム222と、左右方向に延在し、シートバックフレーム220の下部を構成する下部フレーム223とを有する。上部フレーム221、左右一対のサイドフレーム222および下部フレーム223は、溶接などによって一体に結合され、シートバックフレーム220は全体が枠状に形成される。
【0019】
より詳しくは、シートバックフレーム220の上部には、金属製のパイプ材を略U字形状に屈曲して形成され、左右方向に延在する横パイプ部224と、横パイプ部224の左右両端部から下方に延在する左右一対の縦パイプ部225とを有するパイプ材が設けられ、横パイプ部224により上部フレーム221が構成される。横パイプ部224には、ヘッドレスト3を取り付けるためのサポートブラケット226が固設される。
【0020】
左右一対の縦パイプ部225の下部は、左右一対のサイドフレーム本体部227の上部にそれぞれ接合される。サイドフレーム本体部227は、金属板をプレス加工するなどして形成された板状部材であり、上下方向および左右方向に延在する。縦パイプ部225とサイドフレーム本体部227とが、サイドフレーム222を構成する。サイドフレーム本体部227の下部には、上部よりも前側に張り出す張出部227aが設けられる。張出部227aを設けることにより、図2に示すシートバックパッド20の側部23に土手部27(図6)を容易に形成することができる。
【0021】
枠状のシートバックフレーム220の内側には、受圧板5と、受圧板5の向きを左右方
向に変更する左右一対の姿勢変更機構6とが配置される。受圧板5は、上下方向および左右方向に延在する弾性変形可能な板状の部材であり、樹脂などで構成される。受圧板5は、乗員の背部からの荷重を受ける受圧部として機能する。受圧板5は、シートバックフレーム220の内側の上下方向および左右方向の中央に配置され、左右一対の姿勢変更機構6は、左右一対のサイドフレーム222の近傍かつサイドフレーム222の左右方向内側にそれぞれ配置される。
【0022】
より詳しくは、受圧板5は、その前方に配置されたシートバックパッド20(図2)を介して乗員の背部を支持する背部支持部51と、背部支持部51の上部の左右両端部から左右方向外側かつ前方に向けて斜めに延在し、乗員の上半身を側方から支持する側方支持部52とを有する。背部支持部51は、図2に示すシートバックパッド20の中央部22の後方に位置し、側方支持部52は、シートバックパッド20の側部23の後方に位置する。
【0023】
受圧板5の後方には、それぞれ左右方向に延在する上部連結ワイヤ55と下部連結ワイヤ56とが配置される。上部連結ワイヤ55の左右両端部は、左右の姿勢変更機構6にそれぞれ係合し、下部連結ワイヤ56の左右両端部は、サイドフレーム本体部227の左右内側に設けられたワイヤ取付部228に係合される。すなわち、上部連結ワイヤ55と下部連結ワイヤ56とは、それぞれ左右のサイドフレーム222の間に架け渡されるように配置される。受圧板5は、上部連結ワイヤ55および下部連結ワイヤ56に係合し、上部連結ワイヤ55および下部連結ワイヤ56を介して左右のサイドフレーム222に支持される。
【0024】
姿勢変更機構6は、受圧板5の左右両側にそれぞれ配置される。姿勢変更機構6により受圧板5が左右方向に傾動され、シートバック2の左右方向の向きが変更される。図4は、右側の姿勢変更機構6の全体構成を示す斜視図である。なお、図示は省略するが、左側の姿勢変更機構6は、右側の姿勢変更機構6に対し左右対称に構成される。
【0025】
図4に示すように、姿勢変更機構6は、アクチュエータユニット60を有する。アクチュエータユニット60は、アクチュエータ61と、アクチュエータ61の上部に配置されたギヤボックス62とを有する。アクチュエータ61およびギヤボックス62の筐体はそれぞれ略直方体形状を呈し、アクチュエータ61とギヤボックス62とは互いに同軸上に配置される。ギヤボックス62の出力軸63は、ギヤボックス62の筐体の上端面から上方に突出する。アクチュエータ61は、例えば正転および逆転が可能なステッピングモータにより構成される。アクチュエータ61の動力は、ギヤボックス62に入力され、ギヤボックス62で所定の減速比で減速され、出力軸63に伝達される。アクチュエータユニット60は、保持ブラケット64によりサイドフレーム222に支持される。
【0026】
保持ブラケット64は、ギヤボックス62の上端面に固定された上部保持ブラケット641と、アクチュエータ61とギヤボックス62との境界部に固定された下部保持ブラケット642とを有する。保持ブラケット641,642の右端面には、それぞれ取付面641a,642aが形成され、保持ブラケット641,642は、取付面641a,642aを介してボルトなどにより右側のサイドフレーム222の左右内側面に取り付けられる。
【0027】
上部保持ブラケット641の上方には、第1リンク部材65が配置される。第1リンク部材65は、上部保持ブラケット641の上面に面して水平方向に延在する板状部材である。第1リンク部材65の基端部は、出力軸63に固定され、先端部は、出力軸63を中心に前後方向に揺動可能である。第1リンク部材65の上方には、第2リンク部材66が配置される。第2リンク部材66は、第1リンク部材65の上面に面して水平方向に延在
する板状部材である。第2リンク部材66の基端部は、第1リンク部材65の先端部にピン67を介して回動可能に連結される。第2リンク部材66の先端部には、上部連結ワイヤ55の右端部が回動可能に係合する連結孔66aが形成される。
【0028】
第2リンク部材66の基端部の上面には、トーションばね68が設けられる。トーションばね68の一端部は第1リンク部材65に係合し、他端部は第2リンク部材66に係合する。トーションばね68により、第1リンク部材65に対し第2リンク部材66が上方から見て時計回りに付勢される。
【0029】
図5A図5Dは、姿勢変更機構6による動作の一例を示す図であり、それぞれ図2のV-V線に沿って切断したシートバック2の断面図に相当する。すなわち、図5Aは、受圧板5が初期位置にある状態を、図5Bは、第1前進位置にある状態を、図5Cは、第2前進位置にある状態を、図5Dは、第3前進位置にある状態を、それぞれ示す。なお、図5A図5Dにおいて、シートバックパッド20の表面の表皮材21の図示は省略する。
【0030】
図中の直線LN0は、受圧板5の左右方向中心を通って前後方向に延在する基準線であり、直線LN1は、受圧板5の左右方向中心を通って受圧板5に対し直交する方向線である。基準線LN0と方向線LN1とのなす角(傾斜角θ)により受圧板5の方向(背部支持部51の面する方向)が表される。すなわち、傾斜角θが0°のときは、受圧板5は前方を向き、左方への傾斜角θが大きくなるほど、受圧板5の左方への向きが大きくなる。
【0031】
車両に物体が衝突する前の通常状態においては、図5Aに示すように、受圧板5が初期位置にある。このとき、方向線LN1は基準線LN0と一致し、傾斜角θは0°である。したがって、シートバック2の前面、より詳しくは、シートバックパッド20の中央部22の前面22aは前方を向き、車両用シートSに着座した乗員は、前方を向いた姿勢となる。
【0032】
この状態で、車両の右側のドアDRに物体(例えば、他車両)が衝突すると、後述するコントローラ90(図8)からの指令により、右側の姿勢変更機構6のアクチュエータ61(ステッピングモータ)が正転駆動される。なお、左側の姿勢変更機構6のアクチュエータ61は停止したままである。
【0033】
これにより、右側の姿勢変更機構6の第1リンク部材65の先端部が前方に移動するとともに、第2リンク部材66が前方に移動しながら回動し、ステッピングモータの回転量の増加に伴い受圧板5の右端部が徐々に前方に移動する。その結果、受圧板5は、図5Aの初期位置から、図5Bの第1前進位置、図5Cの第2前進位置および図5Dの第3前進位置に順次移動する。このため、右方への傾斜角θが徐々に大きくなり、受圧板5は、全体として衝突側(右側)とは反対方向となる左側を向くようになる。
【0034】
このように受圧板5の右端部が前方に移動すると、受圧板5の右端部によってシートバックパッド20の右端部が前方に押し出される。このため、シートバック2は、車両Cの衝突側の端部である右端部が、車両の衝突側とは反対側の端部である左端部に対して前方に移動し、シートバックパッド20の前面22aは全体として左斜め前方を向くようになる。これにより、車両用シート100に着座する乗員は、衝突側のドアDRから離間する方向である左斜め前方に向かって押動される。
【0035】
本実施形態に係る乗員保護装置は、車両用シート100と、車両Cの側面に物体が衝突したときに膨張展開するサイドエアバッグモジュール7(サイドエアバッグ装置)を有する。図1,5Aに示すように、サイドエアバッグモジュール7は、車両CのドアDRと、左右のサイドフレーム222のうちのドアDR側のサイドフレーム222との間に設けら
れる。すなわち、サイドエアバッグモジュール7は、車両用シート100のドアDR側の側端部に設けられる。サイドエアバッグモジュール7を、車両用シート100ではなくドアDRに設けることもできる。
【0036】
図6は、図2のVI-VI線に沿って切断したシートバック2の右端部の断面図であり、図7は、シートバックパッド20(図2)の斜視図である。シートバックパッド20は、乗員を弾性的に支持可能な部材であり、図7に示すように、発泡樹脂の発泡成形体201の裏面に、不織布等で形成された平坦な面状部材202を接着して構成される。
【0037】
図6,7に示すように、シートバックパッド20の左右側端部には、シートバックパッド20の左右側面を構成する側面パッド部24Bが形成され、左右の側面パッド部2BAの間に、シートバックパッド20の中央部22と側部23とにより、シートバックパッド20の前面を構成する前面パッド部24Aが形成される。なお、前面パッド部24Aおよび側面パッド部24Bは、連続した一体形状としてもよいし、別体として構成してもよい。
【0038】
シートバックパッド20の中央部22は、乗員の上体背面を支持する背面支持部26を構成し、側部23は、乗員の上体側部を支持する土手部27を構成する。土手部27は、車両用シート100の左右方向の両側において前方に膨出し、車両用シート100に着座する乗員を左右から保持する。すなわち、土手部27は、背面支持部26よりも、前方に突出し、乗員の荷重を受ける受圧部として機能する。図6に示すように、シートバックパッド20の後面の面状部材202は、土手部27の後面に沿って前方かつ左右方向外側に向けて傾斜する前方傾斜部202aと、前方傾斜部202aの前端部から左右方向外側に延在する側方延出部202bとを有する。
【0039】
図7に示すように、側面パッド部24Bは、車両用シート100の側面を構成する側部241と、側部241の後端から左右方向内側に向かって延在する背部242とを有する。図6,7に示すように、側部241には、サイドエアバッグモジュール7の外形に沿って、側部241を左右方向に貫通する略直方体状の貫通孔25aが開口され、貫通孔により略直方体状の空間25が形成される。
【0040】
図6に示すように、空間25内には、前後方向に延在する右側のサイドフレーム222が配置されるとともに、サイドエアバッグモジュール7が収容される。サイドフレーム222の前端部222aは、左斜め後方を向かうように円弧状に屈曲され、後端部222bは、左方に屈曲される。サイドフレーム222の前端部222aには、面状部材202の前方傾斜部202aと側方延出部202bとの屈曲形状の境界部分が当接する。
【0041】
空間25には、左側にサイドフレーム222が配置され、サイドフレーム222の右側にサイドエアバッグモジュール7が配置される。サイドフレーム222の右面には、サイドエアバッグモジュール7が取り付けられる。サイドエアバッグモジュール7は、例えばモジュールケースを有しないケースレスサイドエアバッグモジュールとして構成される。なお、サイドエアバッグモジュール7を、モジュールケースを備えた構成としてもよい。
【0042】
サイドエアバッグモジュール7は、空間25の後端部に配置されたインフレータ71と、インフレータ71の前方に折り畳んで配置されたサイドエアバッグ72と、サイドフレーム222とインフレータ71との間に配置され、インフレータ71を保持するリテーナ73と、サイドエアバッグ72を包むラップ材74とを有する。インフレータ71には、側面パッド部24Bの背部242が当接する。インフレータ71は、ボルトとナットとを含む固定部材75により、リテーナ73を介してサイドフレーム222に固定される。なお、インフレータ6aの取り付け方法は、上記方法に限定されない。
【0043】
インフレータ71は、サイドエアバッグ72に接続され、サイドエアバッグ72は、インフレータ71から噴出されるガスによって車両用シート100の前方に膨出展開可能である。サイドエアバッグ72は、布袋等からなるラップ材74によって折り畳まれた状態で保持される。ラップ材74は、サイドエアバッグ6bが展開する際に、容易に破裂させることができる。
【0044】
土手部27の右端部における表皮材21には、上下方向に破断部28が形成される。破断部28は、サイドエアバッグ72が膨張展開する際に押し広げられて破断する。破断部28には、力布29が共縫いされている。力布29は、伸縮性の小さい布状素材により構成され、サイドエアバッグ72の膨張による引張力を破断部28に伝達する。このように空間25は、サイドエアバッグモジュール7の収容スペースとしてだけでなく、表皮材21の破断部28から力布29をサイドフレーム222側へ引き込む通路としても用いられる。
【0045】
次に、姿勢変更機構6とサイドエアバッグモジュール7の動作を制御する車両制御装置の構成について説明する。図8は、車両Cに搭載された車両制御装置9の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、車両制御装置9は、コントローラ90を中心として構成される。コントローラ90には、CAN(Controller Area Network)等の車載ネ
ットワークを介して、外部検出センサ91と、車速センサ92と、加速度センサ93と、アクチュエータ61と、インフレータ71とが接続される。
【0046】
外部検出センサ91は、車両Cの周辺情報である外部状況を検出する。外部検出センサ91としては、車両Cの全方位の照射光に対する散乱光を測定して車両Cから周辺の障害物までの距離を測定するライダ、電磁波を照射し反射波を検出することで車両Cの周辺の他車両や障害物等を検出するレーダ、車両Cに搭載され、CCDやCMOS等の撮像素子を有して車両Cの周辺(前方、後方および側方)を撮像するカメラなどが含まれる。
【0047】
車速センサ92は、車両Cの車速を検出する。加速度センサ93は、車両の加減速や、旋回、衝突等によって発生する加速度を検出する。加速度センサ93は、例えば、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両の左右方向(車幅方向)の横加速度を検出する横加速度センサと、車両の上下方向の加速度を検出する上下加速度センサと、を含む。
【0048】
コントローラ90は電子制御回路(ECU)であり、動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)
等の記憶部および入出力インタフェース(I/Oインタフェース)、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ90は、記憶部に予め記憶されているプログラムを読み出して所定の処理を実行する。
【0049】
コントローラ90は、機能的構成として、衝突予測部90Aと、座席制御部90Bと、エアバッグ制御部90Cとを有する。なお、図8では、便宜上、単一のコントローラ(ECU)を示すが、単一のECUではなく、複数のECUで各部の機能を担わせるようにしてもよい。すなわち、コントローラ90を、CAN等の車載ネットワークを介して通信可能な複数のマイクロコンピュータで構成することもできる。
【0050】
衝突予測部90Aは、外部検出センサ91から入力された信号に基づいて車両(自車両)Cの周囲の物体を検出するとともに、検出した物体の特徴からその物体の種類(歩行者
、車両等)を判別する。衝突予測部90Aは、検出した物体を監視し、監視対象物体毎に
自車両Cとの衝突確率αを演算する。さらに、監視対象物体が自車両と衝突する場合に、
衝突する際の速度(衝突速度v)を推定する。衝突速度vは自車両Cに対する物体の相対速度であり、衝突予測部90Aは、外部検出センサ91と車速センサ92とからの信号に基づいて衝突速度vを演算する。衝突予測部90Aは、自車両Cとの衝突確率αが予め定められた所定値α1以上の監視対象物体を検知すると、自車両Cと監視対象物体が衝突すると予測し、衝突予測信号を出力する。衝突予測信号には、自車両Cと衝突予測物体との衝突形態(前面衝突/左右側面衝突/後突)および衝突速度を表す情報も含まれる。
【0051】
座席制御部90Bは、衝突予測部90Aから衝突予測信号が出力されると、アクチュエータ61に制御信号を出力して受圧板5を動かし、シートバック2の向きを衝突側とは反対の方向に向けるシート姿勢制御を実行する。例えば、座席制御部90Bは、衝突形態が右側側面衝突である場合、車両用シート100の右側の姿勢変更機構6におけるアクチュエータ61に制御信号を出力し、アクチュエータ61(ステッピングモータ)を正転させることにより、受圧板5を初期位置(図5A)から前進位置(図5B図5C図5D)に順次移動させるシート姿勢制御を実行する。
【0052】
座席制御部90Bは、シート姿勢制御を実行するときに、衝突予測信号に含まれる衝突速度(推定値)vに応じてアクチュエータ61の作動量を変更するように構成される。例えば、衝突速度vが大きいほど、アクチュエータ61の駆動量(ステッピングモータの正転量)を大きくするように構成される。具体的には、衝突速度vが、第1閾値v1未満の場合、座席制御部90Bは、アクチュエータ61の駆動量を小に設定し、受圧板5を図5Aの初期位置から図5Bの第1前進位置まで移動させる。
【0053】
衝突速度vが、第1閾値v1以上、かつ、第1閾値v1よりも大きい第2閾値v2未満の場合、座席制御部90Bは、アクチュエータ61の駆動量を中に設定し、受圧板5を図5Aの初期位置から図5Cの第2前進位置まで移動させる。衝突速度vが、第2閾値v2以上の場合、座席制御部90Bは、アクチュエータ61の駆動量を大に設定し、受圧板5を図5Aの初期位置から図5Dの第3前進位置まで移動させる。なお、第1閾値v1および第2閾値v2は、予めコントローラ90の記憶部に記憶される。
【0054】
エアバッグ制御部90Cは、衝突予測部90Aにより予測された衝突形態が右側側面衝突であり、かつ、加速度センサ93によって検出された加速度Aが予め定められた閾値A1以上となると、インフレータ71に制御信号を出力し、サイドエアバッグ72を展開させる。インフレータ71に制御信号を出力する代わりに、インフレータ71を制御する機器に制御信号を出力し、インフレータ71の作動によりサイドエアバッグ72を展開させてもよい。エアバッグ制御部90Cは、衝突予測部90Aから衝突予測信号が出力されると、上記の加速度の閾値A1を変更する。閾値A1は、側面衝突を検出するための閾値であり、衝突予測信号に含まれる衝突速度vが速いとき、エアバッグ制御部90Cは、閾値A1を低い値に変更する。
【0055】
図9は、予め記憶されたプログラムに従いコントローラ90のCPUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えばエンジンキースイッチのオンにより開始され、所定周期で繰り返される。
【0056】
まず、ステップS1で、外部検出センサ91と車速センサ92と加速度センサ93とからの信号を読み込む。次いでステップS2で、外部検出センサ91から入力された信号に基づいて車両Cの周囲の物体を検出するとともに、検出した物体が車両Cの側面(例えば右側面)へ衝突する衝突確率αを演算する。次いでステップS3で、衝突確率αが所定値α1以上であるか否かを判定する。ステップS3で肯定されると、衝突予測信号を出力してステップS4に進。ステップS3で否定されると、衝突予測信号を出力することなく、処理を終了する。
【0057】
ステップS4では、外部検出センサ91と車速センサ92とからの信号に基づいて衝突速度vを演算する。次いで、ステップS5で、衝突予測信号に応じてアクチュエータ61に制御信号を出力する。この場合、衝突速度vと閾値v1,v2との大小の比較を行い、所定の目標駆動量だけアクチュエータ61を駆動する。これにより、シートバック2が車幅方向内側に向けられる。
【0058】
次いで、ステップS6で、衝突予測信号に応じて閾値A1を設定するとともに、加速度センサ93により検出された加速度Aが閾値A1以上であるか否かを判定する。ステップS6が肯定されるとステップS7に進み、否定されると処理を終了する。ステップS7では、インフレータ71に制御信号を出力し、サイドエアバッグ72を展開させる。なお、アクチュエータ61が所定量駆動された後、あるいはシートバック2が所定位置まで移動した後に、ステップS7の処理を行うようにしてもよい。
【0059】
本実施形態の動作をまとめると以下のようになる。自車両Cが停車中または走行中であるとき、自車両Cの右側面に向かって他車両等の物体が接近し、その物体の衝突確率αが所定値α1以上になると、衝突予測信号を出力してアクチュエータ61を駆動する(ステップS5)。このとき、推定される衝突速度vが大きいほど、アクチュエータ61(ステッピングモータ)の駆動量は大きくなる。アクチュエータ61が駆動すると、その駆動量に応じて受圧板5の右端部が前方に移動する(図5A~5D)。
【0060】
これにより受圧板5は全体として左斜め前方に傾動し、左右の土手部27のうち右側の土手部27が前方に押し出される。このため、乗員(運転者)は、受圧部(シートバックパッド20、受圧板5および土手部27等)によって、背部の右側部分および右肩部分が左斜め前方に向かって押圧されることにより、正面を向く姿勢からやや左を向く姿勢へと移行する。その結果、乗員とドアDRとの間に、サイドエアバッグ72を膨張展開するのに十分なスペースを確保することができる。その後、加速度センサ93で検出された横加速度Aが閾値A1以上になると、すなわち側面衝突が検知されると、インフレータ71によってサイドエアバッグ72が膨張展開される(ステップS7)。
【0061】
このように、本実施形態では、車両Cに物体が衝突することが予測されると、受圧部(シートバックパッド20、受圧板5および土手部27等)によって乗員がドアDR(衝突が予測されるドアDR)から離間する方向に押動される。そして、車両Cに物体が衝突したことが検知されると、サイドエアバッグ72が膨張展開する。したがって、車両Cが物体と衝突する際、膨張展開するサイドエアバッグ72に乗員が接触する前に、乗員がドアDRから離間する方向に押動されるため、ドアDRが物体の衝突により内側に凹むように変形した場合であっても、乗員とドアDRとの間に、サイドエアバッグ72が膨張展開するのに十分なスペースを確保することができる。これにより、膨張展開するサイドエアバッグ72によって乗員を効果的に保護することができる。
【0062】
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態に係る乗員保護装置は、車両のドアDの内側空間に配置された車両用シート100と、車両用シート100に設けられ、ドアDRと車両用シート100との間で膨張展開するサイドエアバッグ72を有するサイドエアバッグモジュール7とを備える(図1)。車両用シート100は、着座した乗員からの荷重を受けるシートバックパッド20、受圧板5および土手部27等の受圧部と、受圧部を支持するシートフレーム200と、ドアDRに対し外側から衝撃が作用することによりサイドエアバッグモジュール7が作動してサイドエアバッグ72が膨張展開するサイドエアバッグ作動時、サイドエアバッグ72に乗員が接触する前に乗員がドアDRから離間する方向に押動されるように受圧部を移動させるコントローラ90と姿勢変更機構6(アクチュエータ61)などを有する(図
2,3,8)。
【0063】
この構成により、サイドエアバッグ72の展開スペースを十分に確保することができる。また、衝突が検知(予測)されるとき、車両用シート100全体ではなく、車両用シート100の一部である受圧部を動かすので、アクチュエータ61が大型化することを防止できる。したがって、サイドエアバッグ72の展開スペースを十分に確保しつつ、車両用シート100の小型化を図ることができる。
【0064】
(2)受圧部は、車両用シート100のシート幅方向にわたって延設される受圧板5により構成される(図3)。受圧板5のシート幅方向の端部、例えば運転席シート101に設けられる受圧板5の右端部が、車両Cの前方に移動可能に構成される(図5A~5D)。これにより、受圧板5の左右方向端部を前方に移動させるだけの簡易な構成により、車両Cへの衝突が予測されたときに、乗員を車幅方向内側に向けて姿勢変化させることができる。
【0065】
(3)姿勢変更機構6は、シートフレーム200のシート幅方向端部、すなわちサイドフレーム222に取り付けられたアクチュエータ61(アクチュエータユニット60)を有する(図3)。コントローラ90は、車両Cへの物体の衝突を予測するサイドエアバッグ作動時に、アクチュエータ61の動力によって受圧板5の左右方向端部を前方に移動させる(図5A~5D)。このようにアクチュエータ61の動力を用いることにより、受圧板5を所望の方向に容易に移動させることができ、サイドエアバッグ72が膨張展開するための十分なスペースを、サイドエアバッグ72が乗員に接触する前の最適なタイミングで確保できる。
【0066】
(4)コントローラ90は、サイドエアバッグ作動時に、アクチュエータ61の動力によって車両用シート100(例えば運転席シート101)の受圧板5の右端部のみを前方に移動させる(図5A~5D)。このため、アクチュエータ61を大型化する必要がなく、アクチュエータ61を有する車両用シート全体をコンパクトに構成することができる。
【0067】
(5)車両用シート100は、シートバック2を有する(図2)。受圧部は、シートバック2のシートバックパッド20を介して乗員の背部を支持する受圧板5であり、さらにシートバック2のシート幅方向の両側において突出する土手部27である(図2,6)。このため、サイドシートバック作動時に、通常運転時に乗員の荷重を受ける受圧部の移動によって乗員を押動するので、通常運転時に乗員の荷重を受けない専用部材によって乗員を押動する構成に比べ、乗員の違和感を軽減することができる。
【0068】
(6)コントローラ90は、推定される衝突速度vが大きくなるにしたがって、受圧板5およびシートバック2の移動量が大きくなるようにアクチュエータ61を制御する。これにより、衝突速度vが大きいほど乗員の移動量を大きくすることができるので、より適切にサイドエアバッグ72の展開スペースを確保することができる。すなわち、本実施形態によれば、衝突速度vが速い場合であってもサイドエアバッグ72を十分に膨張展開することができ、乗員を適切に保護することができる。
【0069】
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。<第1変形例>
上記実施形態では、車両Cの側壁(ドアDR)に物体が衝突してサイドエアバッグ装置としてのサイドエアバッグモジュール7が作動するサイドエアバッグ作動時に、コントローラ90が、姿勢変更機構6のアクチュエータ61を駆動して受圧板5を移動することでシートバック2の向きを変更するようにした。しかしながら、サイドエアバッグ作動時以外においても、アクチュエータ61を駆動してシートバック2の向きを変更するようにて
もよい。例えば、通常運転において車両Cが旋回走行する際に、アクチュエータ61を駆動してシートバック2の向きを変更してもよい。
【0070】
この場合、例えばステアリングホイールSWの操舵角を検出する舵角センサを設け、舵角センサからの信号に基づいて車両Cの旋回方向を検出するとともに、車両Cが左に旋回するとき、コントローラ90は、右側の姿勢変更機構6のアクチュエータ61(ステッピングモータ)を正転させ、受圧板5の右端部を前方に移動させればよい。これにより、受圧板5が全体として旋回方向(左方)を向くようになる。この構成によれば、車両Cを旋回させる際に、運転者の肩付近を後ろから支えたり、腕を前に押し出したりして、運転者の運転操作をサポートすることができるので、運転者を良好にサポートすることができる。なお、シートバック2の向きを元に戻すときには、コントローラ90は、右側の姿勢変更機構6のアクチュエータ61(ステッピングモータ)を逆転させればよい。
【0071】
コントローラ90は、衝突予測信号が入力されたときには、上記のように車両Cを旋回させるときよりも高速で、アクチュエータ61を駆動することが好ましい。これにより、物体が車両Cに衝突する際には、旋回時よりも速く乗員の姿勢を変更し、サイドエアバッグ72の十分な展開スペースを確保することができる。
【0072】
<第2変形例>
上記実施形態では、運転席シート101の受圧部(シートバックパッド20、受圧板5および土手部27等)の右端部(ドアDR側端部)が前方に動く際、サイドエアバッグモジュール7の位置は変わらない例について説明したが、受圧部とともにサイドエアバッグモジュール7が動くようにしてもよい。但し、上記実施形態のように、受圧部の右端部(ドアDR側端部)が前方に動く際、サイドエアバッグモジュール7の位置を変えないように構成することで、サイドエアバッグ72を安定して膨張展開させることができる。
【0073】
<第3変形例>
上記実施形態では、サイドシートバック作動時に、受圧部(シートバックパッド20、受圧板5および土手部27等)の右端部(ドアDR側端部)を前方に移動させるようにしたが、受圧部の移動の形態はこれに限らない。すなわち、受圧部は、左右端部の少なくとも一方が、前後方向、左右方向および上下方向の少なくともいずれかに動くように構成されるのであれば、いかに移動させてもよい。例えば、受圧部の左端部(ドアDR側とは反対側の端部)を後方に移動させてもよい。これにより、上述したのと同様、運転席の乗員は、正面を向く姿勢からやや左を向く姿勢へと姿勢変化することになる。その結果、乗員とドアDRとの間に、サイドエアバッグ72を膨張展開するのに十分なスペースを確保することができる。
【0074】
<第4変形例>
上記実施形態では、車両用シート100の左右両端部に駆動源としてのアクチュエータ61をそれぞれ一つ設けるようにしたが、駆動源の配置はこれに限らない。例えば車両用シート100のドアDR側の端部にのみ駆動源を設けるようにしてもよい。これにより、ドアDR側とは反対側の端部の駆動源を省略することができるため、車両用シート100の部品点数が減少し、車両用シート100を軽量化することができるとともに、消費電力を抑えることができる。なお、上記第3変形例のように、ドアDR側とは反対側の端部を後方に移動させる場合、ドアDR側とは反対側にのみ駆動源を設け、ドアDR側の駆動源を省略することもできる。
【0075】
<第5変形例>
上記実施形態では、シートバック2の左右両端部に、それぞれ姿勢変更機構6の駆動源として単一のアクチュエータ61を設けたが、車両用シート100のドアDR側の端部ま
たはドアDR側とは反対側の端部に、駆動源としてのアクチュエータを複数設けてもよい。複数の駆動源により、受圧部の左右一方の端部の複数箇所を動かすことができる。例えば、乗員の肩部および腰部を押動して姿勢を変更させることができる。これにより、サイドエアバッグ72の展開スペースをさらに拡大することができる。駆動源によって、受圧部の左右端部の少なくとも一方の複数箇所を動かす構成とすることにより、シートバック2の向きを細かく調整することができる。
【0076】
<第6変形例>
上記実施形態では、ステッピングモータなどのアクチュエータ61によって受圧部を移動させるようにしたが、駆動源はこれに限定されない。図10は、駆動源の他の例としてエアセル(空気袋)を用いる場合の車両用シート100(例えば運転席シート101)の平面図であり、受圧部の移動前と移動後の状態を示す。図10の左側に示すように、エアセル76は、通常状態では収縮状態で土手部27の内側に格納される。車両Cに物体が衝突することが予測されると、コントローラ90からの指令によりコンプレッサ(不図示)を制御して、コンプレッサからエアセル76に空気を送出する。これにより、図10の右側に示すように、エアセル76が膨張し、その膨張力によって土手部27を前方やドアDRとは反対側となる左方に変形させることができ、乗員をドアDRから離間させることができる。
【0077】
<第7変形例>
上記実施形態では、サイドエアバッグ72の膨張展開するスペースを確保するために、移動手段としてのアクチュエータ61の駆動によりシートバック2を動かすようにしたが、シートクッション1を動かすようにしてもよい。図11は、その一例を示す車両用シート100(運転席シート101)の正面図である。図11に示すように、シートクッションフレーム210(図11において不図示)には、電動モータと、電動モータの回転運動をロッド77aの直線運動に変換する運動変換機構としてのボールねじ機構またはラックアンドピニオン機構と、を有するアクチュエータ77が取り付けられる。アクチュエータ77は、受圧部としてのシートクッションパッド10の右端部(ドアDR側の端部)を上方に押圧可能に設けられる。
【0078】
車両Cに物体が衝突することが予測されると、コントローラ90が、移動手段としてのアクチュエータ77を駆動して、ロッド77aを鉛直上方に伸長させ、シートクッションパッド10の右端部を上方に押動する。これにより、乗員の姿勢をシート幅方向内側に向けて変更することができ、サイドエアバッグ72の十分な展開スペースを確保することができる。なお、シートクッションパッド10の右端部を上方に動かすことに代えて、シートクッションパッド10の左端部を下方に動かすようにしてもよいし、シートクッションパッド10の右端部を上方に動かすとともにシートクッションパッド10の左端部を下方に動かすようにしてもよい。
【0079】
<第8変形例>
上記実施形態では、受圧部としての土手部27を前後方向に移動させるようにしたが、左右方向に移動させるようにしてもよい。図12は、その一例を示す車両用シート100(運転席シート101)のシートバック2の要部断面図である。図12に示すように、シートバック2の右端部には、左右方向に延在する棒状の突出部78が設けられる。突出部78の左端部は、受圧板440の右端部に固定され、突出部78の右端部は、シートバックパッド20の側部23を貫通してシートバック2の右面から右方に突出する。この構成により、車両Cの右側のドアDRに物体が衝突し、ドアDRが内側に凹むように変形した場合に、変形するドアDRからの衝撃力Fによって突出部78が左方、すなわち車両Cの左右方向内側に向かって押動される。その結果、運転席シート101の右側の土手部27が左方に押圧される。
【0080】
これにより、突出部78が土手部27を左方向に変位させ、乗員が右側のドアDRから離間する方向(左方向)に押動される。このため、乗員とドアDRとの間に、サイドエアバッグ72を膨張展開させるための十分なスペースを確保することができる。このように、ドアDRの変形を利用して車両用シート100の土手部27を変位させることで、電動モータ等を含む駆動源(例えば、上記実施形態のアクチュエータ61)を用いることなく、乗員をドアDRから離間させることができる。したがって、車両用シート100の重量およびコストの低減を図ることができる。なお、通常運転時に、受圧板5に接触しないように突出部を構成してもよく、ドアDRに物体が衝突した際に、ドアDRが突出部を介して受圧板5を押圧できるのであれば、突出部の構成はいなかるものでもよい。
【0081】
<第9変形例>
上記実施形態では、シートクッション1の後端部にシートバック2を前後方向に傾動可能に設けたが、シートバック2を左右方向にスライド可能に設けてもよい。図13は、その一例を示す車両用シート100(運転席シート101)の正面図であり、車両用シート100にドアDRからの衝撃が作用する前(衝突前)と後(衝突後)の状態をそれぞれ示す。図13に示すように、シートクッションフレーム210(図13において不図示)とシートバックフレーム220(図13において不図示)との連結部には、シートクッションフレーム210に対しシートバックフレーム220を左右方向にスライド移動可能なスライド移動機構15が設けられる。
【0082】
スライド移動機構15は、シートクッションフレーム210に左右方向に延設されるレール151と、シートバックフレーム220に固定され、レール151に係合する一対の係合部152(ハッチングで模式的に示す)とを有する。スライド移動機構460は、所定値以上の荷重が右方から作用した場合にロック状態が解除されるロック部を有する。ロック部は、例えば、係合部152とレール151とを貫通する軸部材によって構成することができる。この軸部材は、所定の荷重が作用すると破壊され、これによりロックが解除される。シートバックフレーム220には、突出部79が固定される。突出部79は、シートバックフレーム220からドアDRに向かって右方に延在するように設けられる。図12の突出部78を、突出部79として用いることもできる。
【0083】
この構成によれば、車両の右側のドアDRに物体が衝突し、ドアDRが内側に凹むように変形した場合に、図13の右側に示すように、突出部79がドアDRからの衝撃力Fによって左方に押圧される。これにより、スライド移動機構15のロック部が解除され、シートバック2(シートバックフレーム220)がレール151上を左方に移動する。その結果、乗員を右側のドアDRから離間する方向に移動させることができ、乗員とドアDRとの間にサイドエアバッグ72を膨張展開するのに十分なスペースを確保することができる。このように、ドアDRの変形を利用して車両用シート100の受圧部(受圧板5、土手部27およびシートバックパッド20)をスライド移動させることができるので、電動モータ等を含む駆動源(例えば、上記実施形態のアクチュエータ61)が不要となる。これにより、車両用シート100の重量およびコストの低減を図ることができる。
【0084】
<第10変形例>
上記実施形態では、サイドエアバッグモジュール7をサイドフレーム222の左右方向外側に設けるようにしたが、左右方向内側に設けるようにしてもよい。図14は、その一例を示すシートバック2の要部断面図である。図14に示すように、サイドエアバッグモジュール7は、サイドフレーム222の左右方向内側にボルト、ナット等の締結部材(不図示)により取り付けられる。
【0085】
サイドエアバッグモジュール7は、略直方体形状のサイドエアバッグ収容部7aに収容
される。サイドエアバッグ収容部7aの左右方向内側の前端部に位置する角部には上下方向に破断部7bが形成される。破断部7bは、サイドエアバッグ収容部7aに収容されたサイドエアバッグモジュール7のサイドエアバッグ72が膨出する際に破断し、展開するサイドエアバッグ72の出口となる箇所である。シートバックパッド20の土手部27には、サイドエアバッグ収容部7aの破断部7bに対向する位置に、破断部28が設けられる。破断部28は、シートバックパッド20の後面から前面にわたって形成される。破断部28は、上下方向に沿って延在し、サイドエアバッグ72が膨張展開する際に破断される。
【0086】
この構成によれば、受圧部としての土手部27が、サイドエアバッグ72が膨張展開する際に破断部28が破断することにより、内側土手部27aと外側土手部27bとに分離する。このため、サイドエアバッグ72が膨張展開する過程において、受圧部としての内側土手部27aがサイドエアバッグ72に押圧されることによって左斜め前方に動かされ、内側土手部27aによって乗員が左方を向くように押圧される。つまり、本変形例によれば、サイドエアバッグ72が膨張展開する力を利用して、サイドエアバッグ72に乗員が接触する前に、受圧部(内側土手部27a)を介して乗員をドアDRから離間する方向に押圧することができる。このような構成によれば、電動モータ等を含む駆動源(例えば、上記実施形態のアクチュエータ61)が不要となる。これにより、車両用シート100の重量およびコストの低減を図ることができる。
【0087】
上記実施形態では、アクチュエータ61の駆動により受圧部を車両左右方向内側に向けて押動し、上記第8、第9変形例では、アクチュエータ61を用いることなくドアDRの変形により受圧部を車両左右方向内側に向けて押動し、さらに上記第10変形例では、サイドエアバッグ72の押圧力により受圧部を車両左右方向内側に向けて押動するようにしたが、移動手段の構成は上述したものに限らない。すなわち、ドアDR等の側壁に対し外側から衝撃が作用することによりサイドエアバッグ装置(サイドエアバッグモジュール7)が作動してサイドエアバッグが膨張展開するサイドエアバッグ作動時に、サイドエアバッグに乗員が接触する前に乗員が側壁から離間する方向に押動されるように受圧部を移動させるのであれば、移動手段の構成はいかなるものでもよい。
【0088】
上記実施形態では、車両用シート100の左右方向端部にサイドエアバッグモジュール7を設けるようにしたが、ドアDRなどの側壁に設けるようにしてもよく、ドアDR以外の側壁に設けるようにしてもよい。すなわち、側壁と乗物用シートとの間で膨張展開するのであれば、サイドエアバッグ装置は、側壁および乗物用シートのいずれに設けられてもよい。上記実施形態では、シートバックパッド20、受圧板5および土手部27を受圧部として用いたが、着座した乗員からの荷重を受ける受圧部の構成は上述したものに限らず、受圧部を支持するフレームの構成も上述したものに限らない。
【0089】
上記の実施形態では、車両用シートを乗物用シートの一例として説明したが、本発明は、飛行機用シート、船舶用シート等、サイドエアバッグを設けることが有効な他の乗物用シートに対しても同様に適用可能である。
【0090】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0091】
5・・・受圧板(受圧部)、6・・・姿勢変更機構、7・・・サイドエアバッグモジュール、10・・・シートクッションパッド(受圧部)、20・・・シートバックパッド(
受圧部)、27・・・土手部(受圧部)、27a・・・内側土手部(受圧部)、27b・・・外側土手部(受圧部)、61・・・アクチュエータ(駆動源)、72・・・サイドエアバッグ、78,79・・・突出部、90・・・コントローラ、100・・・車両用シート、220・・・シートバックフレーム、C・・・車両、DR・・・ドア
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14