(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019364
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法、システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/02 20060101AFI20240202BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240202BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240202BHJP
【FI】
G09B5/02
G09B19/00 H
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122361
(22)【出願日】2022-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】599076848
【氏名又は名称】株式会社エジュテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】下村 光秀
(72)【発明者】
【氏名】松崎 貴徳
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】課題の受講により得られた学習内容を生徒の長期記憶に定着させる。
【解決手段】学習支援装置は、表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェースを含む選択画面を表示し、この選択画面を介して選択された課題を出題し、出題した課題に対する回答に基づいて合否を判定する。学習支援装置は、不合格であると判定した課題を選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を再度選択できるように選択画面の表示の切り替えを行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する選択画面提示部と、
前記選択画面を介して選択された前記課題を出題する出題部と、
前記出題部が出題した前記課題に対する回答に基づいて合否を判定する合否判定部と、
前記合否判定部が不合格であると判定した前記課題を前記選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を前記選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う選択可否切替部を含む
学習支援装置。
【請求項2】
前記選択画面は、前記課題に関連する教材の選択を受け付けるためのUIをさらに含む
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記選択画面は、前記課題の前に受講すべき予備課題の選択を受け付けるためのUIをさらに含み、
前記出題部は、前記選択画面を介して選択された前記予備課題を出題し、
前記選択可否切替部は、前記出題部が前記予備課題を出題してから所定期間が経過した後に、前記予備課題に対応する前記課題を前記選択画面を介して選択可能にする
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項4】
通信回線を介して互いに接続された学習支援装置と端末装置を含むシステムであって、
前記学習支援装置は、
前記端末装置の表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する選択画面提示部と、
前記選択画面を介して前記端末装置により選択された前記課題を出題する出題部と、
前記出題部が出題した前記課題に対する前記端末装置からの回答に基づいて合否を判定する合否判定部と、
前記合否判定部が不合格であると判定した前記課題を前記選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を前記選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う選択可否切替部を含む
システム。
【請求項5】
コンピュータを請求項1に記載の学習支援装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータにより実行される学習支援方法であって、
前記コンピュータが表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する工程と、
前記コンピュータが前記選択画面を介して選択された前記課題を出題する工程と、
前記コンピュータが前記課題に対する回答に基づいて合否を判定する工程と、
前記コンピュータが不合格であると判定した前記課題を前記選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を前記選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う工程を含む
学習支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習塾などの教育機関で利用される学習支援装置や、学習支援装置、システム及びプログラムに関する。具体的に説明すると、本発明は、生徒に対して学習課題を出談するための装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、学習単元ごとに問題やその解答のデータをデータベースに記憶しておき、生徒の学力や学習進捗度に応じて問題集を作成するシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、学習塾においては、対面での授業に加えてオンラインでの家庭学習も導入されており、生徒が所有するPCやタブレット等の端末装置に学習用の課題を配信することにより、対面の授業で指導した内容を家庭学習にて補習する取り組みが行われている。オンライン学習では、一般的に生徒の端末装置に対して学習単元ごとの課題を出題し、その端末装置を介して回答を入力させるとともに、その回答をサーバ装置等で自動的に採点することで、生徒の理解度を講師が把握できるようにしている。
【0005】
ところで、学習した内容を記憶したという状態には、とりあえず覚えたという短期記憶と、きちんと覚えたという長期記憶があり、生徒の記憶に学習内容を定着させるには長期記憶の状態とすることが必要である。オンライン学習は、生徒が課題を繰り返し受講し易いという利点があるものの、この課題を解くことにより得られた学習内容を生徒の長期記憶に定着させることが難しいという問題がある。例えば、オンライン学習にて生徒があるテスト形式の課題を受講してそのテストに不合格になった場合に、間違えた問題を復習してその直後の同じ課題を受講すればそのテストには合格できる可能性が高い。しかし、このような場合、間違えた問題を復習したという記憶は短期記憶にしか定着していないことがあり、ある程度の期間をおいて再度同じ問題あるいはその類題を出題すると、また前回と同じように間違えてしまうというケースも少なくない。
【0006】
そこで、本発明は、課題の受講により得られた学習内容を生徒の長期記憶に効率的に定着させることのできる学習支援装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、従来技術の問題を解決する手段について鋭意検討した結果、ユーザ(生徒)に対して課題の選択画面を提示するとともに、不合格となった課題については所定期間の経過後でないとその課題をその選択画面から選択できないようにすることで、ユーザが短期記憶の獲得で満足してしまうことを避け、課題を受講することにより得られた学習内容を長期記憶に定着させやすくなるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0008】
本発明の第1は、学習支援装置に関する。学習支援装置は、例えばインターネットやイントラネット等の通信回線を介してユーザの端末装置に対して課題等を出題するサーバ装置(クライアントサーバモデル)であってもよいし、ユーザが直接操作するスタンドアロン型のコンピュータ装置であってもよい。学習支援装置は、機能ブロックとして、選択画面提示部、出題部、合否判定部、及び選択可否切替部を含む。なお、これらの機能ブロックは、コンピュータのプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されるものである。選択画面提示部は、表示画面上に、ユーザによる課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する。出題部は、この選択画面を介して選択された課題をユーザに出題する。課題の出題方法としては、表示画面上に課題を構成する複数の問題を表示することが一般的であるが、例えば課題を構成する問題文を読み上げた音声をスピーカ等から出力する方法であってもよいし、また課題を構成する問題文をプリンタ等で印刷する方法であってもよい。合否判定部は、出題部が出題した課題に対する回答に基づいて合否を判定する。合否判定部は、例えば、ユーザの回答を自動的に採点して、その得点が所定の基準値以上である場合には合格、基準値未満であれば不合格と判定する。ただし合否の判定基準はこれに限られず、例えば課題に含まれる所定の問題を正解していない場合には必ず不合格にするなど、合格条件は適宜調整することができる。課題への回答方法としては、表示画面上に表示された問題に対する回答を入力装置(マウスやキーボード等)を介して入力することが一般的であるが、例えば課題が音声出力される場合には、それに対する回答も音声にて入力することとしてもよいし、また課題が紙面上に印刷される場合には、それに対する回答も紙面上に記入し、その記入済みの紙面をスキャン及びOCR(光学的文字認識)により認識することとしてもよい。選択可否切替部は、合否判定部が不合格であると判定した課題を選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う。ここにいう所定期間は特に制限されないが、少なくとも1日以上であることが好ましく、3日以上、5日以上、又は7日以上とすることができる。
【0009】
上記構成のように、ユーザ(生徒)が不合格となった課題については、すぐに再度受講できないようにあえて選択画面からは選択不可とすることで、その課題を次こそは合格できるように慎重に復習することを促すことができる。特に、不合格となった課題については、ユーザが選択画面を介して選択したくても選択できない状況が所定期間を経過するまで継続するため、次こそは合格するという強い動機付けを与えることができる。同時に、ユーザ自身が能動的に復習する課題を管理しなくとも、必要な課題のみが自動で、かつ復習に適した時期に選択画面上に配信されるため、ユーザの手間と負荷を軽減することができる。また、例えば選択画面が学習単元ごとに異なる課題を選択できるようになっている場合、ユーザは早くすべての単元に課題に合格したい(課題をコンプリートしたい)と望むと考えられるが、ある課題が不合格となると所定期間の間はその望みは叶わないこととなる。このようなある種の精神的ストレスをあえてユーザに対して与えることで、生徒が各課題に真剣に取り組むのようになることや、もし不合格となった場合には真剣に復習に取り組むにようになることを期待できる。さらに、復習した直後に再度同じ課題を受講できてしまうと、その復習した内容が記憶に定着しなくなるおそれがあるが、所定期間の間は不合格となった課題を受講できないようにすることで、ユーザが復習した内容を比較的長期に亘って覚え続けていなければならない状況を作り出すことができる。このため、復習した内容がユーザの長期記憶に定着しやすくなる。
【0010】
本発明に係る学習支援装置において、選択画面は、課題に関連する教材の選択を受け付けるためのUIをさらに含むことが好ましい。課題に関連する教材としては、例えば解説動画や解説テキスト、解説音声が含まれる。このように、同じ選択画面上に、課題を選択するUIとともに、その関連教材を選択するためのUIを設けておくことで、不合格となった課題をその関連教材を利用して復習しやすくなる。
【0011】
本発明に係る学習支援装置において、選択画面は、課題の前に受講すべき予備課題の選択を受け付けるためのUIをさらに含むこととしてもよい。この場合、出題部は、選択画面を介して選択された予備課題を出題する。また、選択可否切替部は、出題部が予備課題を出題してから所定期間が経過した後に、予備課題に対応する課題を選択画面を介して選択可能にする。ここにいう課題(本課題)は、前述した通り、不合格となった場合には、所定期間を経過しないと再度選択することができないというペナルティが付与されたものである。このように、不合格となった場合にペナルティのある課題(すなわちいわゆるテスト形式の本課題)の前に、特にペナルティのない予備課題をユーザに受講させることで、学習効率をさらに高めることができる。また、予備課題の受講後に所定期間を経過してからでないと本課題を受講できないように設定することで、本課題の受講時に、生徒の長期記憶に予備課題の学習内容が定着しているかを確認することができる。
【0012】
本発明の第2の側面は、通信回線を介して互いに接続された学習支援装置と端末装置を含むシステムである。本発明に係るシステムにおいて、学習支援装置は、機能ブロックとして、選択画面提示部、出題部、合否判定部、及び選択可否切替部を含む。選択画面提示部は、端末装置の表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する。出題部は、選択画面を介して端末装置により選択された課題を出題する。合否判定部は、出題部が出題した課題に対する端末装置からの回答に基づいて合否を判定する。選択可否切替部は、合否判定部が不合格であると判定した課題を選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う。
【0013】
本発明の第3の側面は、コンピュータが実行可能なプログラムに関する。本発明に係るプログラムは、汎用的なコンピュータを、前述した第1の側面に係る学習支援装置として機能させるためのプログラムである。本発明に係るプログラムは、コンピュータに予めインストールされたものであってもよいし、インターネット等を介してコンピュータがダウンロード可能なものであってもよいし、またCD-ROM等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されたものであってもよい。
【0014】
本発明の第4の側面は、コンピュータにより実行される学習支援方法に関する。本発明に係る方法では、まず、コンピュータが表示画面上に課題の選択を受け付けるためのユーザーインターフェース(UI)を含む選択画面を表示する。次に、コンピュータが選択画面を介して選択された課題を出題する。次に、コンピュータが課題に対する回答に基づいて合否を判定する。次に、コンピュータが不合格であると判定した課題を選択画面から一時的に選択できなくするとともに、その所定期間の経過後に当該課題を選択画面を介して再度選択できるように切り替えを行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、課題の受講により得られた学習内容を生徒の長期記憶に効率的に定着させることのできる学習支援装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係るシステムの全体構成の例を示している。
【
図2】
図2は、本発明に係るシステムに含まれる学習支援装置と端末装置の機能構成を示したブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る学習支援装置の課題出題フローを示している。
【
図4】
図4は、上記第1の実施形態における課題の選択画面の例を示している。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る学習支援装置の課題出題フローを示している。
【
図7】
図7は、上記第2の実施形態における課題の選択画面の例を示している。
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0018】
図1は、本発明に係るシステム100の全体構成の一例を示している。
図1に示されるように、システム100は、学習支援装置10と複数の端末装置20を含む。本システム100において、学習支援装置10と各端末装置20はインターネット等の通信回線を介して相互に接続されている。この例において、システム100はクライアントサーバ型のシステムであり、学習支援装置10は学習塾などの教育機関により運用されるサーバ装置であり、端末装置20は教育指導を受ける各生徒により所有されるクライアント装置であることを想定している。学習支援装置10は、主に、端末装置20に対して所定の課題を出題するとともに、その課題に対する回答を自動的に採点する機能を持つ。また、各端末装置20は、主に、学習支援装置10から出題された課題に対する回答の入力を生徒から受け付けるとともに、この回答を学習支援装置10に奏する機能を持つ。
図1に示した例において学習支援装置10は、いわゆるクラウドサーバとして機能するものであり、一台のサーバ型コンピュータにより構成される場合に限られず、複数台のサーバ型コンピュータによりその機能を分散することによって構成されたものであってもよい。また、端末装置20については、その種類は特に制限はなく、例えば
図1に示されるように、スマートフォンや、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型とラップトップ型の両方を含む)のいずれであってもよい。
【0019】
図2は、本システム100に含まれる学習支援装置10と端末装置20のそれぞれの機能ブロックを示している。
図2に示されるように、学習支援装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、及びデータベース14を含む。学習支援装置10の制御部11は、所定の演算処理を実行するとともに、その他の要素12~14の全体的な制御を行う。制御部11は、公知のプロセッサで構成されており、このプロセッサには、例えばCPU(Central Processing Unit)と、RAM又はDRAMといった揮発性メモリからなるメインメモリが含まれる。また、学習支援装置10の記憶部12は、HDD及びSDDといった不揮発性メモリからなるストレージであり、この記憶部12には、学習支援装置10用のプログラムが格納されている。制御部11は、所定のプログラムを記憶部12から読み出してメインメモリに展開し、当該プログラムに従った処理を実行する。また、制御部11は、各プログラムに従って各プロセスの実行に必要となる記憶領域をメインメモリに確保する。
【0020】
また、
図2に示されるように、学習支援装置10用のプログラムは、制御部11(プロセッサ)を、選択画面提示部11a、出題部11b、合否判定部11c、選択可否切替部11d、アラート部11eとして動作させるためのコードが含まれる。各機能部11a~11eの具体的な動作については、
図3や
図6のフロー図を参考にして後述するため、ここでは概要の説明に留めるが、選択画面提示部11aは、主に端末装置20に対して課題の選択を受け付けるためのUIを含む選択画面を表示する。また、出題部11bは、端末装置20により選択された課題に対応する問題を出題する。合否判定部11cは、端末装置20に入力された各問題に対する回答を自動的に採点して、課題の合否を判定する。選択可否切替部11dは、上記の選択画面において各課題を選択できる状態と選択できない状態とを所定条件に基づいて切り替える。アラート部11eは、端末装置20が所定期間の間、課題を受講していないときに、その端末装置20に対してアラートを通知する。
【0021】
学習支援装置10の通信部13は、インターネットを介して端末装置20と通信するための要素である。通信部13の通信方式は有線と無線のどちらであってもよい。例えば、通信部13は、有線にて光回線や電話回線を通じてインターネットに接続可能なものであってもよいし、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN方式でインターネットに接続可能なものであってもよい。
【0022】
学習支援装置10のデータベース14は、課題に含まれる問題やその解答、生徒の個人情報、生後の学習履歴など、学習支援サービスに必要な種々の情報が記憶されている。例えば、一つの課題は複数の問題から構成されるものであり、データベース14には、学習単元ごとに、難易度でレベル分けされて、問題文やそれに対応する解答が関連付けて記憶されていてもよい。また、生徒の個人情報には、氏名、学校名、偏差値、志望校、通知表の評定などの情報が含まれる。また、生徒の学習履歴には、対面授業の出欠情報、オンライン学習の受講履歴(受講課題や受講日を含む)、オンライン学習の各課題での獲得点数や合否結果などの情報が含まれる。また、データベースには、学習単元ごとに解説動画や解説テキストなどの学習教材やそれに関連する情報を記憶しておくことができる。なお、データベース14に登録される情報はここに挙げたものに限定されず、課題に関連する情報や生徒に関連する情報、学習教材に関する情報を必要に応じてデータベース14に適宜登録しておくことができる。
【0023】
一方で、
図2に示されるように、端末装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、及び入力部25を含む。端末装置20の制御部21は、所定の演算処理を実行するとともに、その他の要素22~25の全体的な制御を行う。制御部21は、公知のプロセッサで構成されており、このプロセッサには、例えばCPU(Central Processing Unit)と、RAM又はDRAMといった揮発性メモリからなるメインメモリが含まれる。また、端末装置20の記憶部22は、HDD及びSDDといった不揮発性メモリからなるストレージであり、この記憶部22には、端末装置20用のプログラムが格納されている。制御部21は、所定のプログラムを記憶部22から読み出してメインメモリに展開し、当該プログラムに従った処理を実行する。また、制御部21は、各プログラムに従って各プロセスの実行に必要となる記憶領域をメインメモリに確保する。なお、端末装置20用のプログラムは、本システム専用のアプリケーションプログラムであってもよいし、Webブラウザプログラムであってもよい。前者の場合、端末装置20にはアプリケーションプログラムを事前にインストールする必要がある。後者の場合、端末装置20には汎用的なブラウザプログラムがインストールされていれば十分であり、学習支援装置10はWebサイトを通じて端末装置20にサービスを提供する。
【0024】
端末装置20が例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯情報端末である場合、端末装置20の通信部23としては、学習支援装置10と無線通信するための通信機器を備えればよい。例えば、通信部23は、インターネットを介して学習支援装置10と通信を行うために、例えば、3G(W-CDMA)、4G(LTE/LTE-Advanced)、5Gといった公知の移動通信規格や、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN方式で無線通信するための通信モジュールを採用すればよい。また、端末装置20が例えばデスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータである場合、通信部23は、有線や無線にて光回線や電話回線を通じてインターネットに接続可能なものであってもよい。
【0025】
端末装置20の表示部24は、画像を表示するための要素である。本発明に係るシステム100においては、主に、学習支援装置10から端末装置20に提供される課題の選択画面や、課題を構成する問題文、課題に関連する教材(動画やテキスト等)が、この端末装置20の表示部24に表示される。表示部24としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった公知のものを利用できる。
【0026】
端末装置20の入力部25は、生徒(ユーザ)が端末装置20(特に制御部21)に対して所定の情報を入力するための要素である。入力部25としては、タッチパネル、マウス、キーボード、トラックパッド、スタイラスペン、ペンタブレッドなどの公知のものを利用できる。また、タッチパネルを表示画面(ディスプレイ)に重ね合わせることでタッチパネルディスプレイを構成することも可能である。
【0027】
続いて、
図3から
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る学習支援装置10の課題出題フローについて説明する。
図3は、学習支援装置10が生徒の端末装置20に対して課題を配信してから、その生徒が課題に合格するまでのプロセスを示している。また、
図4は、学習支援装置10が端末装置20に提供する課題の選択画面の一例を示している。また、
図5は、学習支援装置10が端末装置20に出題する課題の一例を示している。
【0028】
まず、学習支援装置10の選択画面提示部11aは、端末装置20に対して、
図4に示すような課題の選択画面を提示している。この選択画面は、端末装置20の表示部24に表示されることになる。
図4に示されるように、この選択画面は、例えば生徒の学年に応じて単元ごとに適切な課題を選択できるようにレイアウトされている。この選択画面の例では、「大きな数」という大単元について、第1の小単元(大きな数の読み方、書き方)、第2の小単元(大きな数のけたのしくみ)、第3の小単元(大きな数の数直線)、第4の小単元(大きな数のかけ算)が用意されている。そして、小単元ごとに、一つずつ課題が設けられている。この選択画面では、UI画像(ユーザインターフェース画像)として、第1から第4の小単元のそれぞれについて、その課題の受講を開始するためのボタン(課題1と記載されたボタン)が設けられている。生徒が端末装置20を操作して表示部24の表示画面上に表示されているこの課題受講開始ボタンをクリックする(タッチパネルをタップすることを含む、以下同じ。)と、学習支援装置10から端末装置20に対してその課題の問題集等が送信されることになる。また、第1から第4の小単元のそれぞれについて、その課題受講開始ボタンの隣に、その課題に関連する解説動画を再生するためのボタンや、その課題に関連するテキスト(電子文書)を閲覧するためのボタンも設けられている。生徒が端末装置20を操作して表示部24の表示画面上に表示されているこの解説動画再生ボタンやテキスト閲覧ボタンをクリックすると、学習支援装置10から端末装置20に対してその動画やテキストが送信されることになる。
【0029】
ここで、
図3に示されているように、まず、学習支援装置10は選択画面上において課題の受講を可能にする(ステップS1-1)。すなわち、
図4に示すような選択画面を学習支援装置10が端末装置20に提示することで、生徒が第1から第4の小単元の課題を受講できるようにしてもよい。また、当初の選択画面においては各課題の受講開始ボタンがクリックできない状態となっており、生徒が各課題を受講できるようになったタイミングで、各課題の受講開始ボタンがアクティブ化されて、この受講開始ボタンをクリックできる状態に遷移することとしてもよい。なお、課題が受講できるようになる前であっても、生徒はこの選択画面を通じて解説動画を再生したりテキストを閲覧できることとしてもよい。
【0030】
課題が受講可能な状態となった後に、生徒が端末装置20を操作して選択画面の課題受講開始ボタンをクリックすると、学習支援装置10の出題部11bは、端末装置20に対して、生徒によりクリックされた課題を出題する。各課題は、テスト形式であり、一般的に複数の問題から構成される(ただし、一つの課題を一つの問題で構成することも可能である)。
図5は、学習支援装置10から端末装置20に出題された課題の一例を示している。
図5に示されるように、課題を構成する各問題には、問題文とテキスト入力ボックスを設けておき、このボックスに生徒が端末装置20の入力部25を介して回答を入力する記述形式であってもよい。なお、図示は省略するが、課題を構成する各問題は、複数の選択肢の中から正答を思われるものを選択する択一形式であってもよい。
【0031】
学習支援装置10の制御部11は、課題が受講可能となった後、生徒が端末装置20を介してその課題を実施したか否かを判断する(ステップS1-2)。ここで、学習支援装置10のアラート部11eは、生徒が課題を実施していない場合であって、その課題が受講可能になってから所定期間が経過していると判断した場合(ステップS1-3)には、その生徒の端末装置20に対してアラートを通知する(ステップS1-4)。アラートの通知方法は特に制限されないが、学習支援装置10のアラート部11eは、端末装置20の専用アプリケーションプログラムに対してプッシュ通知を送信することとしてもよいし、生徒指定のメールアドレスに対してメールを送信することとしてもよい。また、アラートの通知条件となる所定期間は、例えば各課題が受講可能になってから少なくとも1日以上であることが好ましく、3日以上、5日以上、又は7日以上とすることとしてもよい。
【0032】
一方で、学習支援装置10の合否判定部11cは、生徒が課題を実施した場合(ステップS1-2)には、端末装置20に入力された課題に対する回答を自動的に採点し、所定の合格基準に基づいて、生徒がその課題に合格したか否かを判断する(ステップS1-5)。すなわち、学習支援装置10のデータベース14には、課題を構成する各問題の解答情報が記憶されている。また、端末装置20には、例えば
図5に例示したような記述形式にて、各問題に対する生徒の回答が入力され、その回答情報が端末装置20から学習支援装置10へと送信されている。このため、学習支援装置10の合否判定部11cは、データベース14に記憶されている解答と、端末装置20から受信した回答情報とを照合することで、その生徒の解答が正答か誤答かを自動的に判断できる。そして正答には得点を付与することで、課題全体の得点を集計する。合否判定部11cは、この集計された得点が所定の基準値以上であれば課題に合格したものと判断し、所定の基準値未満であれば課題に不合格であったと判断する。生徒が課題に合格したと合否判定部11cが判断した場合には、ここでのプロセスは終了となる。なお、
図4(b)に示すように、学習支援装置10の選択画面提示部11aは、生徒が合格した課題については選択画面上にチェックマーク(合格マーク等)を付与することで、合格したことを選択画面上に表示することとしてもよい。
【0033】
一方で、生徒が課題に不合格であったと合否判定部11cが判断した場合(ステップS1-5)には、学習支援装置10の選択可否切替部11dは、その不合格となった課題を受講できなくなるように、選択画面上の表示を切り替える(ステップS1-6)。具体例を挙げて説明すると、
図4(b)に示した例において、生徒は、第1の小単元(大きな数の読み方、書き方)と第2の小単元(大きな数のけたのしくみ)の課題は合格したものの、第3の小単元(大きな数の数直線)と第4の小単元(大きな数のかけ算)の課題は不合格となっている。前述したように、合格した第1及び第2の小単元の課題についてはチェックマークが付与されて、選択画面上において各課題に合格したことが一目でわかるようになっている。また、これらの合格した第1及び第2の小単元の課題については、受講開始ボタンを選択画面上で引き続き選択できるようになっており、復習のために繰り返し受講が可能となっている。一方で、不合格となった第3及び第4の小単元の課題については、選択画面上には受講開始ボタンは引き続き表示されているものの、この選択画面上ではグレーアウト(非アクティブ化)されており、この選択画面上から受講開始ボタンを選択できないようになっている。このように、選択可否切替部11dは、不合格となった課題については、選択画面上において受講開始ボタンを選択不可とすることで、生徒がこれらの課題を受講できないようにする。特に不合格なった課題についても選択画面上では受講開始ボタンの表示を継続しつつ、それを選択できないようにすることで、生徒は不合格となった課題を一目で把握することができる。
【0034】
また、
図4(b)に示されているように、不合格となった第3及び第4の小単元の課題について受講開始ボタンが選択できなくなった後も、この受講開始ボタンと同じ選択画面上において、これらの課題に関連する解説動画再生ボタンやテキスト閲覧ボタンは引き続き選択することが可能である。このため、生徒は不合格なった課題に関連する解説動画を再生したり解説テキストを閲覧したりすることで、その課題の復習を行うことができる。
【0035】
次に、
図3に示されるように、学習支援装置10の選択可否切替部11dは、不合格となった課題が受講できなくなってから所定期間が経過した後に(ステップS1-7)、この課題を受講できるように選択画面上の表示を切り替える(ステップS1-1)。不合格となった課題が受講不可となってから再度受講可能になるまでの所定期間は、少なくとも1日以上であればよく、3日以上又は5日以上であることが好ましく、7日以上であることが特に好ましい。すなわち、
図4(b)に示した例では、前述の通り、不合格となった第3及び第4の小単元の課題について選択画面上において受講開始ボタンが選択できなくなっているが、この状態は一時的なものであり、所定期間経過後に、不合格となった第3及び第4の小単元の課題の受講開始ボタンは再度選択可能な状態に復帰する。これにより、生徒は一旦不合格となった課題に再度挑戦することができる。
【0036】
なお、上記の復帰処理によりステップS1-1に再度戻ることから、各課題が受講可能になってから所定期間の間生徒がこの課題を実施しないと、アラートが通知されるようになっている(ステップS1-2~S1-4)。また、一旦不合格となった課題に再度不合格となった場合は、選択画面はその課題を受講できない状態へと遷移することになる(ステップS1-5~S1-7)。このように、生徒が課題に合格するまで、課題の受講を促すアラート通知処理や、選択画面上において課題を一時的に選択できない状態とする処理は繰り返される。
【0037】
続いて、
図6及び
図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る学習支援装置10の課題出題フローについて説明する。
図6は、学習支援装置10が生徒の端末装置20に対して課題を配信してから、その生徒が課題に合格するまでのプロセスを示している。また、
図7は、学習支援装置10が端末装置20に提供する課題の選択画面の一例を示している。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行い、第1の実施形態と同様の点については説明を省略する。
【0038】
図7に示されるように、第2の実施形態では、第1の小単元(大きな数の読み方、書き方)、第2の小単元(大きな数のけたのしくみ)、第3の小単元(大きな数の数直線)、第4の小単元(大きな数のかけ算)のそれぞれについて、課題が2つずつ設定されている。この点において、第2の実施形態は、各小単元に課題が1つのみ設定されている第1の実施形態とは異なる。第2の実施形態では、生徒が各小単元に設定された1つ目の課題を実施すると、その課題の実施から所定期間を経過した後に、2つ目の課題が受講できるようになる。ここでは1つ目の課題を「予備課題」と称し、2つ目の課題を「本課題」と称する。本実施形態において、予備課題はテスト形式ではなく合格基準は特に設けられていないことから、何度も繰り返し受講することが可能である。これに対して、本課題は、前述した第1の実施形態の課題と同様に、テスト形式であり、不合格となった場合は一時的に受講できない状態となり、所定期間経過後に再度受講できるように設定されている。
【0039】
具体的に説明すると、まず、学習支援装置10は選択画面上において予備課題(図面において「課題1」と記載されているもの)の受講を可能にする(ステップS2-1)。すなわち、
図7に示すような選択画面を学習支援装置10が端末装置20に提示することで、生徒が第1から第4の小単元の予備課題を受講できるようにしてもよい。また、当初の選択画面においては各課題の受講開始ボタンがクリックできない状態となっており、生徒が各課題を受講できるようになったタイミングで、各課題の受講開始ボタンがアクティブ化されて、この受講開始ボタンをクリックできる状態に遷移することとしてもよい。
【0040】
予備課題が受講可能な状態となった後に、生徒が端末装置20を操作して選択画面の課題受講開始ボタンをクリックすると、学習支援装置10の出題部11bは、端末装置20に対して、生徒によりクリックされた課題を出題する。各予備課題は、テスト形式であってもよいし、講義形式であってもよい。つまり、テスト形式の予備課題は、一般的に複数の問題から構成されているが、一つの課題を一つの問題で構成することも可能である。テスト形式の予備課題は、第1の実施形態で説明した課題と同様に、
図5に示すような記述形式であってもよいし、複数の選択肢の中から正答を思われるものを選択する択一形式であってもよい。一方、講義形式の予備課題では、例えば所定の講義動画が再生されることとしてもよい。なお、前述したように、本実施形態では、予備課題を受講することが本課題を受講可能とするための条件となっている。このため、予備課題がテスト形式である場合、生徒がこのテストに合格しなくても、予備課題を受講してから所定の経過後に本課題を受講することは可能となる。
【0041】
学習支援装置10の制御部11は、予備課題が受講可能となった後、生徒が端末装置20を介してその課題を実施したか否かを判断する(ステップS2-2)。ここで、学習支援装置10のアラート部11eは、生徒が予備課題を実施していない場合であって、その予備課題が受講可能になってから所定期間が経過していると判断した場合(ステップS2-3)には、その生徒の端末装置20に対してアラートを通知する(ステップS2-4)。アラートの通知方法は、第1の実施形態で説明したアラート通知と同様に、端末装置20の専用アプリケーションプログラムに対するプッシュ通知であってもよいし、生徒指定のメールアドレスに対するメールの送信であってもよい。また、アラートの通知条件となる所定期間は、例えば各予備課題が受講可能になってから少なくとも1日以上であることが好ましく、3日以上、5日以上、又は7日以上とすることとしてもよい。
【0042】
次に、学習支援装置10の選択可否切替部11dは、生徒が予備課題を実施してから所定期間経過した後に(ステップS2-5)、本課題題(図面において「課題1」と記載されているもの)を受講できるように選択画面上の表示を切り替える(ステップS2-6)。予備課題を実施してから本課題が受講可能となるまでの所定期間は、少なくとも1日以上であればよく、3日以上又は5日以上であることが好ましく、7日以上であることが特に好ましい。具体的に説明すると、
図7(a)に示した選択画面の例では、第1の小単元(大きな数の読み方、書き方)と第2の小単元(大きな数のけたのしくみ)については、予備課題(課題1)の実施を終えてから所定期間が経過しており、選択画面上において本課題(課題2)を受講するための受講開始ボタンがアクティブ化されている。生徒は選択画面上の受講開始ボタンをクリックすることで、この本課題を受講することができる。一方で、第3の小単元(大きな数の数直線)と第4の小単元(大きな数のかけ算)については、まだ本課題が受講可能となっていない。つまり、第3の小単元については予備課題の実施は終えていることから、予備課題の受講開始ボタンにチェックマークが付与されているものの、予備課題の実施を終えてから所定期間を経過していないことから、選択画面上において本課題を受講するための受講開始ボタンは未だアクティブ化されておらずにグレーアウトされたままとなっている。第4の小単元については未だ予備課題が実施されていないことから、選択画面上において本課題を受講するための受講開始ボタンは未だアクティブ化されておらずにグレーアウトされたままとなっている。
【0043】
本課題が受講可能な状態となった後に、生徒が端末装置20を操作して選択画面の本課題受講開始ボタンをクリックすると、学習支援装置10の出題部11bは、端末装置20に対して、生徒によりクリックされた本課題を出題する。各本課題は、第1の実施形態で説明した課題と同様に、テスト形式であり、例えば
図5に示すような記述形式であってもよいし、これとは別の択一形式であってもよい。
【0044】
学習支援装置10の制御部11は、本課題が受講可能となった後、生徒が端末装置20を介してその本課題を実施したか否かを判断する(ステップS2-7)。ここで、学習支援装置10のアラート部11eは、生徒が本課題を実施していない場合であって、その本課題が受講可能になってから所定期間(例えば7日)が経過していると判断した場合(ステップS2-8)には、その生徒の端末装置20に対してアラートを通知する(ステップS2-9)。
【0045】
一方で、学習支援装置10の合否判定部11cは、生徒が本課題を実施した場合(ステップS2-7)には、端末装置20に入力された課題に対する回答を自動的に採点し、所定の合格基準に基づいて、生徒がその本課題に合格したか否かを判断する(ステップS2-10)。生徒が本課題に合格したと合否判定部11cが判断した場合には、ここでのプロセスは終了となる。なお、
図7(b)に示すように、学習支援装置10の選択画面提示部11aは、生徒が合格した本課題については選択画面上にチェックマークを付与することで、合格したことを選択画面上に表示することとしてもよい。
【0046】
一方で、生徒が本課題に不合格であったと合否判定部11cが判断した場合(ステップS2-10)には、学習支援装置10の選択可否切替部11dは、その不合格となった本課題を受講できなくなるように、選択画面上の表示を切り替える(ステップS2-11)。具体例を挙げて説明すると、
図7(b)に示した例において、生徒は、第1の小単元(大きな数の読み方、書き方)の本課題は合格したものの、第2の小単元(大きな数のけたのしくみ)の本課題は不合格となっている。前述したように、合格した第1の小単元の本課題についてはチェックマークが付与されて、選択画面上において本課題に合格したことが一目でわかるようになっている。また、合格した第1の小単元の本課題については、受講開始ボタンを選択画面上で引き続き選択できるようになっており、復習のために繰り返し受講が可能となっている。一方で、不合格となった第2の小単元の本課題については、選択画面上には受講開始ボタンは引き続き表示されているものの、この選択画面上ではグレーアウト(非アクティブ化)されており、この選択画面上から受講開始ボタンを選択できないようになっている。このように、選択可否切替部11dは、不合格となった本課題については、選択画面上において受講開始ボタンを選択不可とすることで、生徒がこの本課題を受講できないようにする。特に不合格なった本課題についても選択画面上では受講開始ボタンの表示を継続しつつ、それを選択できないようにすることで、生徒は不合格となった本課題を一目で把握することができる。
【0047】
また、
図7(b)に示されているように、不合格となった第2の小単元の本課題について受講開始ボタンが選択できなくなった後も、この受講開始ボタンと同じ選択画面上において、この本課題に関連する解説動画再生ボタンやテキスト閲覧ボタンは引き続き選択することが可能である。このため、生徒は不合格なった本課題に関連する解説動画を再生したり解説テキストを閲覧したりすることで、その本課題の復習を行うことができる。
【0048】
次に、
図6に示されるように、学習支援装置10の選択可否切替部11dは、不合格となった本課題が受講できなくなってから所定期間(例えば7日)が経過した後に(ステップS2-12)、この本課題を受講できるように選択画面上の表示を切り替える(ステップS2-6)。つまり、
図7(b)に示した例では、前述の通り、不合格となった第2の小単元の本課題について選択画面上において受講開始ボタンが選択できなくなっているが、この状態は一時的なものであり、所定期間経過後に、不合格となった第2の小単元の本課題の受講開始ボタンは再度選択可能な状態に復帰する。これにより、生徒は一旦不合格となった本課題に再度挑戦することができる。
【0049】
なお、上記の復帰処理によりステップS2-6に再度戻ることから、各本課題が受講可能になってから所定期間の間生徒がこの本課題を実施しないと、アラートが通知されるようになっている(ステップS2-7~S2-9)。また、一旦不合格となった本課題に再度不合格となった場合は、選択画面はその本課題を受講できない状態へと遷移することになる(ステップS2-10~S2-12)。このように、生徒が本課題に合格するまで、本課題の受講を促すアラート通知処理や、選択画面上において本課題を一時的に選択できない状態とする処理は繰り返される。
【0050】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、学習塾などの教育機関で利用される学習支援装置や学習支援方法等に関する。従って、本発明は教育業において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10…学習支援装置 11…制御部
11a…選択画面提示部 11b…出題部
11c…合否判定部 11d…選択可否切替部
11e…アラート部 12…記憶部
13…通信部 14…データベース
20…端末装置 21…制御部
22…記憶部 23…通信部
24…表示部 25…入力部
100…システム