(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019418
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】使い捨てジェンダーレス無菌性流体継手
(51)【国際特許分類】
A61M 39/18 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
A61M39/18
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204090
(22)【出願日】2023-12-01
(62)【分割の表示】P 2022513370の分割
【原出願日】2020-06-08
(31)【優先権主張番号】62/892,491
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/948,607
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500033612
【氏名又は名称】コルダー プロダクツ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ティー.ガースト
(72)【発明者】
【氏名】クリスタ エー.バングスガード
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ.マレスキー
(72)【発明者】
【氏名】ランドル エス.ウィリアムズ
(57)【要約】
【課題】本発明は薬剤投与のための改善された装置、システム、及び方法に関する。
【解決手段】本明細書に記載されるいくつかの流体継手装置は、流体システムにおいて使用するように構成される。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、それを通る滅菌性流路を作り出すために結合され得る、使い捨て無菌性流体継手装置である。いくつかのそのような無菌性継手は2つの同一の無菌性継手を一緒に結合することができるように、ジェンダーレス継手である。
【選択図】
図73
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌性流体継手であって、
主要本体であって、該主要本体は、長手方向軸と、孔と、前記長手方向軸に沿って前記主要本体を通る流体流路とを規定し、前記主要本体は、
前面と、
該前面に対比して前記主要本体の反対側の端部にある終端と、
位置合わせポストと、
2つの無菌性流体継手が一緒に嵌合されたときに、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された、内部空間を規定する位置合わせガイドと、を有する、主要本体と、
前記孔内に配置された部分と、前記長手方向軸の周りで前記前面から延在する部分と、を有するシール部材と、
可撓性膜であって、前記シール部材の周りで前記前面に取り付けられ、汚染物質が前記流体流路に入るのを阻止する部分を有し、可撓性膜は、前記前面に取り付けられた前記部分に対比して可撓性膜の反対側の端部にある終端部分を含む、可撓性膜と、
を備える、無菌性流体継手。
【請求項2】
前記位置合わせポストは前記長手方向軸に平行に延在する、請求項1に記載の無菌性流体継手。
【請求項3】
前記可撓性膜は、空気が前記可撓性膜を通過することができるように多孔質である、請求項1又は2に記載の無菌性流体継手。
【請求項4】
前記位置合わせポスト及び前記位置合わせガイドのそれぞれは連結特徴部を有し、前記位置合わせポストは係合した位置合わせガイドを係止し、前記位置合わせガイドは係合した位置合わせポストを係止する、請求項1~3の何れか一一項に記載の無菌性流体継手。
【請求項5】
前記位置合わせポストの前記連結特徴部は少なくとも1つの溝を含む、請求項4に記載の無菌性流体継手。
【請求項6】
前記位置合わせガイドの前記連結特徴部は少なくとも1つの可撓性係止部材を有する、請求項4に記載の無菌性流体継手。
【請求項7】
前記主要本体は前記終部を含む終端部材を含み、該終端部材は前記孔内に延在する、請求項1~6の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
【請求項8】
前記終端部材は前記主要本体の他の部分とスナップ係合する、請求項7に記載の無菌性流体継手。
【請求項9】
前記終端部材は前記主要本体の前記他の部分に対して前記長手方向軸の周りに回転可能である、請求項8に記載の無菌性流体継手。
【請求項10】
前記終端部材と前記主要本体の前記他の部分との間に配置されたシールを更に備える、請求項8又は9に記載の無菌性流体継手。
【請求項11】
前記終端部材は前記流体流路の一部を規定する、請求項7~10の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
【請求項12】
前記終端部材は前記孔の中で前記シール部材に当接する、請求項7~11の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
【請求項13】
前記主要本体と開放可能に係合可能な保護カバーを更に備える、請求項1~12の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
【請求項14】
前記保護カバーが前記主要本体と係合している間、前記保護カバーが前記可撓性膜の2つの層を前記シール部材に対して押圧する、請求項13に記載の無菌性流体継手。
【請求項15】
前記保護カバーは前記主要本体と係合している間、前記保護カバーは前記長手方向軸と位置合わせした開口部を規定する、請求項13又は14に記載の無菌性流体継手。
【請求項16】
無菌性流体継手であって、
主要本体であって、該主要本体は、長手方向軸と、孔と、前記長手方向軸に沿って前記主要本体を通る流体流路とを規定し、前記主要本体は、
前面と、
位置合わせポストと、
位置合わせガイドと、を有する、主要本体と、
前記前面から延在する部分を有するシール部材と、
前記シール部材の周りで前記前面に取り付けられた部分を有する可撓性膜と、
を備える、無菌性流体継手。
【請求項17】
2つの無菌性流体継手が嵌合されたときに、前記位置合わせガイドは、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された内部空間を規定する、請求項16に記載の無菌性流体継手。
【請求項18】
前記位置合わせポストの中心線、前記位置合わせガイドの中心線、及び前記長手方向軸は、すべて同じ平面内にある、請求項16又は17に記載の無菌性流体継手。
【請求項19】
前記孔は前記位置合わせポストと前記位置合わせガイドとの間にある、請求項18に記載の無菌性流体継手。
【請求項20】
前記長手方向軸と前記位置合わせポストの中心線との間の距離は、前記長手方向軸と前記位置合わせガイドの中心線との間の距離に等しい、請求項18又は19に記載の無菌性流体継手。
【請求項21】
無菌性流体継手装置であって、
主要本体と、
該主要本体にスライド可能に取り付けられたカバーと、
前記カバーと前記主要本体との間の第1のシールと、
前記主要本体内の第2のシールと、
前記主要本体に摺動自在に結合され、前記第2のシールに当接するように配置されたシールプッシャーと、
前記主要本体に螺合し、前記シールプッシャーに回転自在に結合されたロックリングと、
を備える、無菌性流体継手装置。
【請求項22】
無菌性流体継手装置であって、
長手方向軸を規定する主要本体と、
該主要本体内のシールと、
前記主要本体に移動可能に結合され、前記シールに当接するように配置されるシールプッシャーであって、前記主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合されるシールプッシャーレバーを有する、シールプッシャーと、
前記主要本体の前面に取り外し可能に結合される膜と、を備え、
前記主要本体によって規定される前記スロットは長手方向軸に対して鋭角に延び、前記主要本体に対して前記シールプッシャーを回転させると、前記主要本体に対して長手方向軸に沿って前記シールを押し込むようにする、無菌性流体継手装置。
【請求項23】
無菌性流体継手装置であって、
主要本体と、
該主要本体内に配置され、該主要本体と一体的に形成されたプルタブを有するシールと、を備え、
前記主要本体は、前記シール又は前記プルタブの一部を穿孔するように配置された穿孔要素を含む、無菌性流体継手装置。
【請求項24】
無菌性流体継手装置であって、
少なくとも一部分が卵形の断面形状を有する主要本体と、
前記主要本体に配置されたシールと、
前記主要本体に摺動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で前記主要本体の長手方向軸に沿って摺動可能なインサートと、を備え、
前記インサートを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることは、前記インサートを前記シールに穿孔させる、無菌性流体継手装置。
【請求項25】
無菌性流体継手装置であって、
シール本体と、
該シール本体内の第1のシールと、
前記シール本体に螺合したツイストカラーと、
前記シール本体に摺動可能に結合され、前記シール本体に対する前記ツイストカラーの回転に応答して前記第1のシールを穿孔するように位置決めされたプランジャと、を備え、
前記プランジャは、該プランジャの先端に取り付けられた第2のシールを有する、無菌性流体継手装置。
【請求項26】
無菌性流体継手装置であって、
長手方向軸を規定する主要本体と、
前記主要本体内のシールと、
前記主要本体に移動可能に結合され、前記シールに当接するように配置されたシールプッシャーであって、摺動可能に2つの半径方向に延びる部分を有するシールプッシャーレバーを有し、該シールプッシャーレバーは前記主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合する、シールプッシャーと、
前記主要本体の前面に取り外し可能に結合され、前記シールを覆う膜と、を備え、
前記主要本体によって規定される前記スロットは前記長手方向軸線に対して鋭角に延び、前記主要本体に対して前記シールプッシャーを回転させると、前記主要本体に対して長手方向軸線に沿って前記シールを押し込むようにする、無菌性流体継手装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、令和1年8月27日に出願された米国仮出願第62/892,491号明細書、及び令和1年12月16日に出願された米国仮出願第62/948,607号明細書の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされる(及び基準により本明細書に組み込まれる)。
【背景技術】
【0002】
本発明は、流体システム及び方法のための流体継手装置に関する。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、使い捨て無菌性流体継手装置に関する。
【0003】
いくつかの生体処理流体システム又は血液処理システムなどのいくつかの流体システムは、流体流路を無菌で接続することができる流体継手を必要とすることがある。一実施例では、流体試料の汚染を防止するように、バイオリアクターシステムから流体試料を受け取ることができるように、1つ以上の試料バッグを接続することが望ましい。そのシナリオにおいて、無菌性継手は、試料バッグをバイオリアクターシステムから流体を受容するように接続するために使用され得る一方で、継手及び環境からの流体の生物学的汚染を実質的に防ぐ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本文書は、流体システム及び方法のためのいくつかの流体継手装置を記載する。いくつかの実施形態では、流体継手装置が使い捨て無菌性流体継手接続装置として実施することができる。本開示の文脈において、用語「流体」は、気体及び液体の両方を含む。
【0005】
特定の実施形態では、本明細書で使用される流体継手装置は、継手の2つの部分(本明細書では「継手半体」及び/又は「コネクタ」とも呼ばれる)が互いに接続された後、結合された部分が結合解除に抵抗するように設計されるため、使い捨ての装置である。例えば、このような使い捨て継手装置は、継手の2つの部分を結合状態に維持するためにロックのように動作する1つ又は複数の機械的構成要素を備えている。したがって、これらの特定の実施形態では本明細書で提供される流体継手装置が構造的に、使い捨て継手装置であるように構成され、したがって、使い捨て継手半体が互いに接続された後、それらは(システム/流路/等の滅菌性又は生物学的完全性を維持するなどして)互いに動作可能に切り離すことはできない。
【0006】
更に、そのような使い捨ての実施形態又は他の実施形態において、流体継手装置は生物学的汚染物質が流路内に移動するのを阻止しながら、互いに接続することができる「無菌」継手装置として構成することができる。このような「無菌性」継手はまた、周囲環境への流体の曝露を制限するのに役立つ。
【0007】
更に、そのような使い捨ての実施形態、又は他の実施形態では、流体継手装置がジェンダーレス継手として構成することができる。すなわち、2つの継手部分は多くの従来の流体継手設計におけるように、雄又は雌の継手半体がないように、正確に同様に設計され得る。
【0008】
一態様では、本開示は無菌性流体継手及び使用方法を対象とする。いくつかの実施形態において、そのような無菌性流体継手は、(i)長手方向軸、孔と、長手方向軸に沿って主要本体を通る流体流路を規定する主要本体と、(ii)孔内に配置された部分と、長手方向軸の周りで前面から延在する部分とを含むシール部材と、(iii)汚染物質が流体流路に入るのを阻止するためにシール部材の周りで前面に取り付けられた部分を含む可撓性膜と、を含むことができ、可撓性膜は、また、前面に取り付けられた部分と比較して、膜の反対端にある終端部分を含む。主要本体は、前面と、前面と比較して主要本体の反対側の端部にある終端部分と、位置合わせポストと、2つの無菌性流体継手が一緒に嵌合されたときに他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された内部空間を規定する位置合わせガイドと、を含むことができる。
【0009】
そのような無菌性流体継手は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。位置合わせポストは、長手方向軸に平行に延在してもよい。膜は、空気が膜を通過できるように多孔質であってもよい。位置合わせポスト及び位置合わせガイドはそれぞれ連結特徴部を含んでもよく、それによって位置合わせポストは係合した位置合わせガイドに係止され、位置合わせガイドは係合した位置合わせポストに係止される。位置合わせポストの連結特徴部は、少なくとも1つの溝を含んでもよい。位置合わせガイドの連結特徴部は、少なくとも1つの可撓性係止部材を含んでもよい。主要本体は、終端を含む終端部材を含むことができる。終端部材は、孔内に延びることができる。終端部材は、主要本体の他の部分とスナップ係合することができる。終端部材は、主要本体の他の部分に関連して、長手方向軸の周りに回転可能であってもよい。無菌性流体継手はまた、終端部材と主要本体の他の部分との間に配置されたシールを含むことができる。終端部材は、流体流路の一部を規定することができる。終端部材は、孔内のシール部材に当接することができる。無菌性流体継手はまた、主要本体と開放可能に係合可能な保護カバーを含んでもよい。保護カバーは、保護カバーが主要本体と係合している間、膜の2つの層をシール部材に押し付けることができる。保護カバーは、保護カバーが主要本体に係合されている間、長手方向軸に位置合わせした開口を規定することができる。
【0010】
他の態様において、本開示は、長手方向軸、孔、長手方向軸に沿って主要本体を通る流体流路を規定する主要本体と、前面から延在する部分を含むシール部材と、シール部材の周りで前面に取り付けられた部分を含む可撓性膜と、備える無菌性流体継手を対象とする。主要本体は、前面と、位置合わせポストと、位置合わせガイドとを含む。
【0011】
そのような無菌性流体継手は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。位置合わせガイドは、無菌性流体継手の2つが一緒に嵌合されたときに、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された内部空間を規定することができる。位置合わせポストの中心線、位置合わせガイドの中心線、及び長手方向軸は、すべて同一平面内であってもよい。孔は、位置合わせポストと位置合わせガイドとの間であってもよい。いくつかの実施態様において、長手方向軸と位置合わせポストの中心線との間の距離は、位置合わせガイドの長手方向軸と中心線との間の距離に等しい。
【0012】
他の態様において、本開示は、主要本体と、主要本体に摺動可能に取り付けられたカバーと、カバーと主要本体との間の第1のシールと、主要本体内の第2のシールと、主要本体に摺動可能に結合され、第2のシールに当接するように配置されたシールプッシャーと、主要本体に螺合され、シールプッシャーに回転可能に結合されたロックリングと、を備える無菌性流体継手装置に関する。
【0013】
他の態様において、本開示は、長手方向軸を規定する主要本体と、主要本体内のシールと、主要本体に移動可能に結合され、シールに当接するように配置されたシールプッシャーと、を備え、シールプッシャーは主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合されたシールプッシャーレバーと、主要本体の前面に取り外し可能に結合された膜とを有する、無菌性流体継手装置に関する。主要本体によって規定されるスロットは、シールプッシャーを主要本体に対して回転させることが、シールを主要本体に対して長手方向軸に沿って押し出すように、長手方向軸に対して鋭角に延びる。
【0014】
他の態様において、本開示は、主要本体と、主要本体内に配置され、それと一体的に形成されたプルタブを有するシールとを含む無菌性流体継手デバイスを対象とする。主要本体は、シール又はプルタブの一部を穿孔するように配置された穿孔要素を含む。
【0015】
他の態様において、本開示は、少なくとも一部が卵形断面形状を有する主要本体と、主要本体内に配置されたシールと、主要本体に摺動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で主要本体の長手方向軸に沿って摺動可能なインサートと、を備える、無菌性流体継手装置を対象とする。インサートを最初の位置から2番目の位置に動かすと、インサートがシールを貫通する。
【0016】
他の態様において、本開示は、シール本体と、シール本体内の第1のシールと、シール本体に螺合したツイストカラーと、シール本体に摺動可能に結合され、シール本体に対するツイストカラーの回転に応答して第1のシールを穿孔するように配置されたプランジャと、を備える、無菌性流体継手装置を対象とする。プランジャは、その先端に取り付けられた第2のシールを有する。
【0017】
他の態様において、本開示は、長手方向軸を規定する主要本体と、主要本体内のシールと、主要本体に移動可能に結合され、シールに当接するように配置されるシールプッシャーと、を備え、シールプッシャーは主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合される2つの半径方向に延在する部分を有するシールプッシャーレバーと、主要本体の前面に取り外し可能に結合され、シールを覆う膜とを有する、無菌性流体継手装置に関する。主要本体によって規定されるスロットは長手方向軸に対して鋭角に延び、シールプッシャーを主要本体に対して回転させると、シールを主要本体に対して長手方向軸に沿って押し出すようにする。
【0018】
本明細書に記載される主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を実現するために実施され得る。第1に、いくつかの実施形態では、流体継手装置が、有利には、流体継手装置の2つの部分を互いに物理的に接続するために実行される動作に関連して、可聴、視覚、及び/又は触覚フィードバックを使用者に提供することができる。
【0019】
第2に、本明細書に提供される流体継手装置のいくつかの実施形態は、金属フリー構造(非金属流体継手装置とも呼ばれる)である。したがって、非金属流体継手装置のそのような実施形態は、ガンマ線滅菌技術を使用して有利に滅菌することができる。また、ある状況では、非金属流体継手装置が金属ばねのような伝統的な金属部品を含む幾つかの流体継手と比較して、増強された耐疲労特性、最小の設置応力、及び増強された耐腐食性を示す。
【0020】
第3に、流体継手装置のいくつかの実施形態は、場合によっては滅菌室又は滅菌ベンチトップ環境の必要性を任意選択で低減又は排除することができる、改善された無菌接続能力を提供する。このように、本明細書に記載される無菌性流体継手装置のこれらの実施形態は、コスト効果の高い操作又は使用を促進することができ、さもなければ、生物学的汚染を防止するために滅菌室内又は滅菌フローフード内で特定の流体カップリングの接続を必要とするいくつかの従来の設定において、さもなければ高費用になるか、法外な費用になるであろう。
【0021】
第4に、本明細書で提供される流体継手装置のいくつかの実施形態は、有利にはジェンダーレスであるように設計される。従って、流体継手装置の使用は単純化され、使用者は流体継手成分の在庫が少なくてもよい。また、流体継手のジェンダーレス態様は、これらの継手のうちの1つを有するものは何か他のものとこれらの継手のうちの1つを他のものと接続することができるので、付加的なシステムの柔軟性を提供する。
【0022】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。更に、本明細書に記載された実施形態の材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定を意図するものではない。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付の図面及び本明細書の説明に記載される。本発明の他の特徴、対象、及び利点は、当該説明及び図面、ならびに請求項から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本明細書で提供されるいくつかの実施形態による、事前に結合された構成で配置された例示的な流体継手を含む例示的な流体システムの模式図である。
【
図2】
図2はいくつかの実施形態による例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図5】
図5は結合されていない構成における
図2の無菌性継手のうちの2つの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図2の無菌性継手のうちの2つの長手方向断面図を結合されていない構成で示す。
【
図7】
図7は予め結合された構成における
図2の2つの無菌性継手の側面図である。
【
図8】
図8はいくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図11】
図11は、予め結合された構成における、
図8の2つの無菌性継手の斜視図である。
【
図12】
図12は、予め結合された構成における、
図8の2つの無菌性継手の側面図である。
【
図13】
図13は、
図12の破断線13-13に沿って切り取った、予め結合された構成における
図8の2つの無菌性継手の長手方向断面図である。
【
図14】
図14はいくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図23】
図23はいくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図42】
図42は、予め結合された構成における
図23の2つの無菌性継手の他の側面図である。
【
図43】
図43は、
図41の破断線A-Aに沿った、予め結合された構成における、
図23の2つの無菌性継手の長手方向断面図である。
【
図44】
図44は、
図42の破断線B-Bに沿った、予め結合された構成における、
図23の2つの無菌性継手の長手方向断面図である。
【
図45】
図45はいくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図51】
図51は、
図45の無菌性継手のプランジャ構成要素及びシールの分解縦断面図である。
【
図57】
図57は、予め結合された構成における、
図45の2つの無菌性継手の第1の側面図である。
【
図59】
図59は、予め結合された構成における、
図45の2つの無菌性継手の長手方向断面図である。
【
図60】
図60は、予め結合された構成における、
図45の2つの無菌性継手の第2の側面図である。
【
図61】
図61は、いくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の側面図である。
【
図73】
図73はいくつかの実施形態による他の例示的な無菌性継手の斜視図である。
【
図82】
図82は、互いに分離された本体部材及び終端部材を示す、
図73の無菌性継手の主要本体の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
同様の参照番号は、全体を通して対応する部分を表す。
本明細書で使用される「滅菌する」という語は、微生物から表面積又は体積を特定の程度まで遊離させる工程を手段する。例示的な実施形態では、様々な構成要素の滅菌性がガンマ線照射、Eビーム、エチレンオキシド(EtO)、及び/又はオートクレーブ技術を含む1つ又は複数の滅菌技術を使用して達成することができる。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「無菌」は、滅菌された表面又は容積を維持する任意のプロセスをいう。
本明細書で使用される「流体」という語は液体、気体、粒状又は粉末固体、2つ以上の流体の混合物又はエマルジョン、液体又は気体内の固体の懸濁液などを含むが、これらに限定されない、流動させることができる任意の物質を手段する。
【0027】
ここで
図1を参照すると、例示的なシステム10が示されている。システム10は、処理装置20の第1のピースと、処理装置30の第2のピースとを含む。例示的な実施形態では、処理装置20及び30が生体材料を含むバイオリアクターである。他の実施形態では、処理装置20及び30が例えば、バイオリアクター及び培地バッグ、サンプルバッグ、又は他のレセプタクルのような、それらの間の滅菌接続を必要とする他の装置であり得る。
【0028】
処理装置20は、第1の無菌性継手装置100aを含む無菌性継手装置50によって終端される、そこから延びる流体経路22を含む。同様に、処理装置30は、無菌性継手装置50の第2の無菌性継手装置100bによって終端される、そこから延びる流体経路32を含む。無菌性継手装置50は、本明細書に記載される複数の異なる無菌性継手の代表例である。
【0029】
例示的な実施形態では、無菌性継手装置100a及び100bが実質的に類似しているか、又はジェンダーレスである(例えば、終端におけるおそらく差異を除いて同一である)。しかしながら、各無菌性継手装置100a、100bは、必要に応じて、他のものとは異なる特徴を備えることができることに留意されたい。
【0030】
例示的な実施形態では、流体経路22及び32ならびに無菌性継手装置100a及び100a内の流体含有環境が無菌である。いくつかの実施形態では、無菌性継手装置50が以下に更に記載されるように、非結合構成、1つ以上の事前結合構成、及び結合構成に配置され得る。予め結合された構成では継手装置は互いに機械的に結合されるが、流体流路はそこを通って開いていない。
【0031】
継手装置100a及び100aは流体経路22及び32内の流体含有環境の滅菌性の喪失を防止しながら、非継手状態から継手状態に再構成され得る(例えば、流体経路22及び32を継手するために)ように設計及び構成される。したがって、無菌性継手装置50を使用すると、流体は、生物汚染されることなく、(継手装置100a及び100aを介して)装置20と30との間で移送することができる。
【0032】
図2-7は、第1の例示的な無菌性継手200を示す。
図7に示されるように、2つの無菌性継手200は滅菌性流路を通る滅菌継手装置300を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0033】
無菌性継手200は、継手部分210及びカバー240を含む。継手部分210及びカバー240は、(図示された実施形態では溝部内のタング配置によって)互いに摺動可能に継手される。戻り止め機構は、カバー240を継手部分210に取り外し可能に係止することができる。2つの無菌性継手200が、予め継手された状態又は継手された状態で一緒に嵌合されると、カバー240は以下で更に説明されるように、それらのそれぞれの継手部分210から継手解除されるようになる。
【0034】
カバー240と継手部分210との間にはカバーシール216(
図4)が介在している。カバー240及びカバーシール216は、カバー240が継手部分210に継手されている間、無菌性継手200の内部流路の汚染を防止する。
【0035】
継手部分210は、主要本体212と、ロックリング220と、シールプッシャー230と、一次シール236とを含む。ロックリング220は、シールプッシャー230に回転自在に継手されている。ロックリング220及びシールプッシャー230のアセンブリは、主要本体212に螺合する。従って、主要本体212に対してロックリング220を回転させると、ロックリング220と主要本体212との間のねじ山のピッチに従って、ロックリング220及びシールプッシャー230が主要本体212に対して長手方向に移動する。シールプッシャー230は、一次シール236と接触している。
【0036】
無菌性継手200が(
図2-
図6に示すように)非継手構成にある間、一次シール236は、カバー240に面する主要本体212の前面から後退する。ロックリング220の回転は一次シール236を主要本体212の前面に向かって押し、それを通過させることができるように、シールプッシャー230を平行移動させるのであろう。
【0037】
特に
図5及び
図6を参照すると、2つの無菌性継手200は、それらを予め継手された構成にスライドさせる準備として、使用者によって互いに物理的に位置合わせすることができる。主要本体212及びカバー240は使用者が2つの無菌性継手200を適切に位置合わせするのを助けるために、位置合わせリブ及び対応する位置合わせ凹部を含むことができる。位置合わせリブが対応する位置合わせ凹部内に位置決めされると、使用者は、継手部分210を(それらの長手軸に対して横方向に)互いに係合するようにスライドさせることができる。このプロセスでは、カバー240が継手部分210との係合から離れるようにスライドさせられ、脱落する。
【0038】
継手部分210が一緒にスライドされた後、2つの無菌性継手200の継手部分210は、
図7に示されるように一緒に嵌合される。戻り止め機構は、2つの主要本体212を互いに取り外し可能に係止することができる。継手部分210が一緒に摺動することにより、無菌性継手200が事前結合構成になる。この構成では、一次シール236は互いに接触していない。
【0039】
図7に示すように、2つの無菌性継手200が予め結合された構成にある状態で、各継手部分210のロックリング220を回転させることができ、その結果、一次シール236は互いに向かって移動し、互いに対して圧縮されるようになる。この時点で、2つの無菌性継手200は結合構成にある。戻り止め機構は、結合構成でロックリング220を係止することができる。
【0040】
図8-13は、第2の例示的な無菌性継手400を示す。
図11-13に示すように、2つの無菌性継手400はそれらを通る滅菌性流路を有する無菌性継手装置500を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0041】
無菌性継手400は、主要本体410と、シールプッシャー420と、シール430と、膜440とを含む。シールプッシャー420は、主要本体410に回転自在に結合される。シール430は主要本体410の内部にあり、シールプッシャー420によって当接される。膜440は、シール430を完全に覆い、主要本体410の内部を周囲環境からシールするために、主要本体410の前面に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、膜440が主要本体420に超音波溶接されるか、ヒートシールされるか、又は接着される。
【0042】
非結合及び事前結合構成では、シール430は主要本体410内に完全にある。すなわち、シール430の前面は、主要本体410の前面及び膜440から後退している。
【0043】
主要本体420は、位置合わせポスト及び位置合わせガイドを含む。位置合わせガイドは位置合わせポストに対応するように成形された開放空間を規定し、その結果、嵌合結合からの位置合わせポストは、その中に摺動可能に受容され得る。
【0044】
特に
図11-13を参照すると、使用者は、2つの無菌性継手400を、それらの位置合わせポスト及び位置合わせガイドを位置合わせし、それらを図示のように互いに係合するように長手方向に押すことによって、一緒に結合することができる。これは、事前結合構成である。いくつかの実施形態では、係止機構が2つの無菌性継手400を一緒に拘束することができる。
【0045】
次に、シールプッシャー420から延びるシールプッシャーレバー422は、それぞれの主要本体410に対して枢動され得る。枢動している間、シールプッシャーレバー422は、主要本体410によって規定されたスロット412内を移動する。スロット412は、主要本体410の長手方向軸線に対して鋭角に延びている。したがって、シールプッシャー420が枢動すると、それらもまた、長手方向軸に沿って移動し、それに応じてシール430を押し込む。完全に回転すると(例えば、80°-100°の範囲で)、シールプッシャーレバー422は、位置合わせポスト内に規定されたスロット内に受け入れられる。いくつかの実施形態では、シールプッシャーレバー422が位置合わせポスト内に規定されたスロットに係止される。
【0046】
シールプッシャーレバー422が回転すると、シール430は、シール430の間に残っている2つの膜440を圧縮し、又は挟む。実際に、膜440の4つの層は、膜440の各々がそれ自体の上に折り重ねられるので、2つのシール430の間に配置される。
【0047】
シール430がそれらの間の膜440の4つの層を圧縮している間、膜440は
図13の矢方向Pによって示されるように、横方向に引っ張られる。膜440の折り目により、膜440が引っ張られると、膜440は主要本体410の面から効果的に転がり落ち、シール430は次に、互いに当接するようになる。これにより、無菌性継手装置500の結合された構成が作り出される。
【0048】
図14-22は、第3の例示的な無菌性継手600を示す。図に20-22に示すように。2つの無菌性継手600はそれらを通る滅菌性流路を有する無菌性継手装置700を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0049】
無菌性継手600は、主要本体610と、シール/プルタブ620とを含む。主要本体610は、穿孔部材612(
図21)を含む。シール/プルタブ620は、互いに取り付けられたシール部材622及びプルタブ624を含む。いくつかの実施形態では、シール/プルタブ620が一体部材である。いくつかの実施形態では、シール/プルタブ620が一体成形されたシリコーン部材である。
【0050】
特に
図20-22を参照すると、使用者は、2つの無菌性継手600を、それらの位置合わせポスト及び位置合わせガイドを配列させ、それらを図示のように互いに係合するように長手方向に押すことによって、一緒に結合することができる。これは、事前結合構成である。いくつかの実施形態では、係止機構が2つの無菌性継手600を一緒に拘束することができる。
【0051】
2つの無菌性継手600を互いに向かって更に圧縮すると、穿孔部材612がシール/プルタブ620を穿孔及び/又は剪断する。その後、プルタブ624を矢方向Pに引っ張ることができ、プルタブ624はシール部材622が残っている間に、無菌性継手装置700から取り外され、互いに当接する。
【0052】
図23-44は、第4の例示的な無菌性継手800を示す。
図39-44に示すように、2つの無菌性継手800はそれらを通る滅菌性流路を有する無菌性継手装置900を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0053】
無菌性継手800は、主要本体810と、インサート820と、シール830とを含む。シール830は、主要本体810内に固定的に結合される。インサート820は、主要本体810及びシール830に対して移動可能に結合される。
【0054】
主要本体810は、卵形断面形状を有する。使用者が卵形断面形状の長手軸に沿って主要本体810を圧縮すると、インサート820は、主要本体810の長手軸に沿って平行移動可能である。いくつかの実施形態では、インサート820を主要本体810内に押し込むだけで、主要本体810がたわみ、インサート820が主要本体810内により遠くに移動できるようになる。インサート820は主要本体810に対して2つの戻り止め位置、すなわち、(i)図示されるような第1の位置と、(ii)2つの無菌性継手800の結合構成を作り出す第2の位置とを有する。
【0055】
インサート820が主要本体810内に更に移動すると、インサート820の先端がシール830に接触し、シール830を貫通する。シール830は、貫通しない場合よりも容易に貫通することができるように穿孔することができる。
【0056】
特に
図39-33を参照すると、使用者は、それらの位置合わせポスト及び位置合わせガイドを位置合わせし、それらを図示のように互いに係合するように長手方向に押し付けることによって、2つの無菌性継手800を互いに結合することができる。これは、事前結合構成である。いくつかの実施形態では、係止機構が2つの無菌性継手800を一緒に拘束することができる。
【0057】
2つの無菌性継手800が一緒に結合されている間、使用者は、インサート820を主要本体810内に(それらの第2の位置に)前進させることができる。そうすることで、シール830は穿孔される。シール830が穿孔されると、対向するシール830の一部が変位して互いに接触し、それらの間に流体シールを形成する。インサート820の先端は互いに間隔を置いて配置され、シール830は互いに接触して、無菌性継手装置900を通る密封された滅菌性流路を確立する。これが結合構成である。
【0058】
図45-60は、第5の例示的な無菌性継手1000を示す。
図56-60に示すように、2つの無菌性継手1000はそれらを通る滅菌性流路を有する無菌性継手装置1100を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0059】
無菌性継手1000は、ツイストカラー1010と、シール本体1020と、プランジャ1030と、シール1040とを含む。シール1040は、シール本体1020内に固定的に結合される。ツイストカラー1010は、シール本体1020に螺合する。ツイストカラー1010がシール本体1020に対して回転されると、ツイストカラー1010は、プランジャ1030をシール1040に向かって駆動する。
【0060】
特に
図56-60を参照すると、使用者は、2つの無菌性継手1000を、それらの位置合わせポスト及び位置合わせガイドを位置合わせし、それらを図示のように互いに係合するように長手方向に押すことによって、一緒に結合することができる。これは、事前結合構成である。いくつかの実施形態では、係止機構が2つの無菌性継手1000を一緒に拘束することができる。
【0061】
次に、使用者は、ツイストカラー1010をそれぞれのシール本体1020に対して回転させることができる。回転はプランジャ1030をシール1040に向かって駆動し、プランジャ1030の先端は、シール1040を貫通する。いくつかの実施形態では、シール1040がプランジャ1030の穿孔を容易にするための穿孔(例えば、
図54のプラス記号「+」パターン)を含む。プランジャ1030は、先端シール1032(
図51)を含む。プランジャ1030がシール1040を貫通すると、先端シール1032は、互いに当接して、滅菌性流路を有する無菌性継手装置1100を形成することができる。
【0062】
図61-68は、他の例示的な無菌性継手1200を示す。
図69-72に示すように、2つの無菌性継手1200はそれらを通る滅菌性流路を有する無菌性継手装置1300を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0063】
図61-63に示すように、保護カバー1202は、無菌性継手1200の主要本体1210に取り外し可能に取り付けることができる。保護カバー1202は、輸送及び取扱い中に膜1240(見えない)を保護する役割を果たすことができる。保護カバー1202はまた、保護カバー1202によって規定される開放端スロット1203を通って延びるシールプッシャーレバー1222の回転位置を維持する。更に、保護カバー1202の存在は、無菌性継手1200の手動による取り扱いを容易にすることを助けることができる。
【0064】
図示の実施形態では、保護カバー1202が保護カバー1202の両側にある第1のグリップ部分1204aと第2のグリップ部分1204bとを含む。無菌性継手1200から保護カバー1202を取り外すために、使用者はグリップ部分1204a-bを互いに向かって手動で挟み込んで保護カバー1202の反対側の端部を開放し、次いで、無菌性継手1200から保護カバー1202を長手方向に引き離すことができる。
【0065】
保護カバー1202が取り外されると、
図64-68に示すように、無菌性継手1200が完全に見える。
【0066】
無菌性継手1200は、主要本体1210と、半径方向に延在するシールプッシャーレバー1222を有するシールプッシャー1220と、シール1230と、膜1240とを含む。シールプッシャー1220は、主要本体1210に回転自在に結合される。シールプッシャーレバー1222は、第1の半径方向延在部材1223aと、第2の半径方向延在部材1223bとを含む。
【0067】
シール1230は主要本体1210の内部にあり、シールプッシャー1220によって当接される。膜1240はシール1230を完全に覆い、周囲環境から主要本体1210の内部をシールするために、主要本体1210の前面に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、膜1240が主要本体1220に超音波溶接されるか、ヒートシールされるか、又は接着される。
【0068】
いくつかの実施形態では無菌性継手1200が非継手及び事前結合構成にある間、シール1230は完全に主要本体1210内にある。すなわち、シール1230の前面は、主要本体1210の前面及び膜1240から後退している。あるいはいくつかの実施形態ではシール1230が主要本体1210の前面からわずかに突出し、一方、無菌性継手1200は結合されていない構成及び予め結合された構成にある。
【0069】
主要本体1210は、位置合わせポスト1212及び位置合わせガイド1216を含む。位置合わせガイド1216は位置合わせポスト1212に対応する様式で成形される開放空間を規定し、その結果、嵌合する無菌性継手1200からの位置合わせポスト1212は、その中に摺動可能に受容され得る。位置合わせポスト1212は、切り欠き1213及び横方向溝1214を規定する。位置合わせポスト1212の自由端は、係止部材1215を含む。位置合わせガイド1216は
図66に示されるように、位置合わせガイド1216によって規定される開放空間内に半径方向に延在する係止部材1217を含む。
【0070】
特に
図69-72を参照すると、 使用者は無菌性継手1200の第1のものの位置合わせポスト1212を無菌性継手1200の第2のものの位置合わせガイド1216と位置合わせすることによって(及び無菌性継手1210の第1のものの位置合わせガイド1216を無菌性継手1200の第2のものの位置合わせポスト1212と位置合わせすることによって)、2つの無菌性継手1200を一緒に結合し、次いで、示されるように、それらを互いに長手方向に押して係合させて、無菌性継手装置1300を形成することができる。2つの無菌性継手1200が互いに完全に押し付けられると、係止部材1217が切り欠き1213に係合して、2つの無菌性継手400を長手方向に一緒に分離する。これは、第1の事前結合構成である。
【0071】
次に、シールプッシャー1220から延びるシールプッシャーレバー1222は、それぞれの主要本体1210に対して枢動され得る。枢動している間、シールプッシャーレバー1222は、主要本体1210によって規定されるスロット1211内を移動する。スロット1211は、主要本体1210の長手方向軸に対して鋭角で延びる。従って、シールプッシャー1220が枢動すると、それらも長手軸に沿って移動し、それに応じてシール1230を嵌合した無菌性継手1200に向かって押し込む。完全に回転したとき(例えば、80°-100°の範囲)、シールプッシャーレバー1222は、位置合わせポスト1212によって受容される。特に、第1の半径方向延在部材1223aは横方向溝1214内に受け入れられ、第2の半径方向延在部材1223bは係止部材1215によって係合され、シール1230が互いに(その間の膜1240とともに)押し付けられる向きで、シールプッシャー1220を係止する。これは、第2の事前結合構成である。
【0072】
シールプッシャーレバー1222が回転すると、シール1230は、シール1230の間に残っている2つの膜1240を圧縮し、又は挟む。実際に、膜1240の4つの層は、膜1240の各々がそれ自体の上に折り重ねられるので、2つのシール1230の間に配置される。
【0073】
シール1230がそれらの間の膜1240の4つの層を圧縮している間に、膜1240は、無菌性継手1200から横方向に引き離され得る。膜1240の折り目のために、膜1240が引っ張られると、膜1240は主要本体1210の面から効果的に転がり落ち、次いで、シール1230は、互いに当接するようになる。これにより、無菌性継手装置1300の結合された構成が作り出される。
【0074】
図73-89は、他の例示的な無菌性継手1400を示す。無菌性継手1400は、ジェンダーレス継手である。すなわち、
図86-89に示すように。2つの無菌性継手1400は、それらを通る滅菌性流路(無菌性継手1400の長手方向軸に沿った滅菌性流路1501、
図89)を有する無菌性継手装置1500を作り出すために、一緒に嵌合され得る。
【0075】
図73-76に示すように、保護カバー1402は、無菌性継手1400の主要本体1410に取り外し可能に取り付けることができる。保護カバー1402は、輸送及び取扱い中に膜1440を保護する役割を果たすことができる。保護カバー1402はまた、膜1440(すなわち、
図76に示されるような膜1440の2つの層)に当接し、ここで、膜1440は、主要本体1410の前面に隣接する。したがって、保護カバー1402は、シール1430の周りの主要本体1410の前面への膜1440の取り付けを支持又は強化するのに役立つ。この補強は例えば、滅菌中に、無菌性継手1440が、膜1440と主要本体1410との間の付着に応力を加える傾向があり得る熱及び/又は圧力変化に曝され得るため、有益であり得る。保護カバー1402は、主要本体1410の長手方向軸及び流体流路と整合する開口1406を規定する。更に、保護カバー1402の存在は、無菌性継手1400の手動操作を容易にするのを助けることができる。
【0076】
図示の実施形態では、保護カバー1402が保護カバー1402の両側にある第1のグリップ部分1404a及び第2のグリップ部分1404bを含む。保護カバー1402を主要本体1410から取り外すために、使用者はグリップ部分1404a-bを互いに向かって手動で挟み込んで保護カバー1402の反対側の端部を開放し、次いで、保護カバー1402を主要本体1410から長手方向に引き離すことができる。保護カバー1402が除去されると、
図77-81に示すように、主要本体1410及び膜1440が完全に見える。
【0077】
図77-81は、主要本体1410及び膜1440の様々な図を示す。膜1440は、主要本体1410に取り外し可能に取り付けられる。膜1440はシール1430(
図76)を完全に覆い、主要本体1410の内部を周囲環境からシールするために、主要本体1410の前面に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、膜1440が主要本体1420に超音波溶接されるか、ヒートシールされるか、接着されるか、又は他の方法で取り外し可能に取り付けられる。
【0078】
膜1440は、薄い可撓性部材である。膜1440はポリエーテルスルホン(PES)、Tyvek(登録商標)などの非織ポリエチレン、PES及びポリエステル積層体、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、金属箔など、及びこれらの組み合わせなどの原料から作製することができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、膜1440は疎水性であり、通気性である。特定の実施形態では、膜1440の細孔サイズが0.2ミクロンより大きい微生物が濾過されるようなものである。
【0079】
膜1440は、折り目1442と終端部分1444とを含む。以下に更に記載されるように、2つの無菌性継手1400が予め結合された構成で一緒に嵌合される場合、次いで、膜1440は、結合された2つの無菌性継手1400を通る開放流路を作り出すために手動で除去される(これは結合構成と呼ばれる)。
【0080】
2つの無菌性継手1400が予め結合された構成で一緒に嵌合される場合、2つの可撓性膜1440の終端部分1444は、互いに当接するように手動で操作され得る。次いで、膜1440は、膜1440の終端部分1444を引っ張ることによって、予め結合された無菌性継手1400から除去され得る。すなわち、使用者は2つの膜1440の終端部分1444を手で把持し(例えば、両方の終端部分1444を同時に把持し)、同時に、2つの無菌性継手1400の長手方向軸から離れるように膜1440を横方向に引っ張ることができる。膜1440を2つの無菌性継手1400の長手方向軸線から離れるように横方向に引っ張ると、折り目1442は、ローリングによって引っ張りの横方向に進行する。折り目1442がこのように回転すると、膜1440は、2つの無菌性継手1400の前面から取り外される。膜1440が前面から取り外されると、シール1430は最終的に互いに接触し、2つの無菌性継手1400を通る滅菌性流路が形成される。
【0081】
図82に示すように、主要本体1410は、任意選択で、ツーピース構造とすることができる。すなわち、図示の実施形態では、主要本体1410が本体1450及び終端部材1460を含む。シール1462(
図76)を本体1450と終端部材1460との間に配置して、流体密構造を提供することができる。
【0082】
図示の実施形態では、終端部材1460が本体1450と係合するように便利にスナップ留めされる。すなわち、本体1450は本体1450と終端部材1460とを共に長手方向に拘束するために、各々が終端部材1460の円周方向溝部1461に係合する2つの係止部材1451a及び1451bを含む。このスナップイン配置は種々のタイプの終端部材1460(例えば、図示のようなタケノコ接続、ねじ込み接続、エルボーフィッティング、ティーフィッティング、圧縮フィッティング等)を有する無菌性継手1400を配置する場合に、効率を向上させる。図示の実施形態では、終端部材1460が本体1450に対してその長手方向軸の周りで回転可能である。換言すれば、終端部材1460は、本体1450に対して旋回することができる。いくつかの実施形態では、終端部材1460が旋回を防止するように構成される(例えば、終端部材1460と本体1450との間の接続部に平坦又はキー溝を使用することによって)。
【0083】
図83-85は、例示的なシール1430を示す。このシール1430(ここでは単離して示されているが)は、シール1430の先端が本体1450の前面からわずかに突出するように(膜1440によって覆われている間に)、本体1450(
図76)によって規定された中央孔内に配置されている。いくつかの実施形態では、シール1430の他端及び終端部材1460の端が本体1450の孔内で互いに当接する(
図76)。
【0084】
図示の実施形態では、シール1430が中央長手方向孔1431を規定する。シール1430の外径は、第1の円筒先端部1432と、第2の円筒先端部1435と、先端部1432と1435との間の腰部とを含む。腰部の外径は、円筒先端部1432及び1435の外径よりも小さく、円筒部分1433及び切頭円錐台部分1434を備える。孔1431は、2つの円筒状先端部と、(その先端部が切り取られた)卵形のセグメントである中央部(円筒状先端部の間)とを備える。いくつかの実施態様において、シール1430外径の腰部は、(円筒部分1433及び切頭円錐台部分1434を有するのではなく)円弧状である。このような場合、外径の円弧の中心は、内部中央部の円弧の中心とは逆方向に位置する。いくつかの当該実施形態において、外径の円弧の円弧半径及び内部中央部の円弧は不均等である。いくつかの当該実施形態において、外径の円弧の円弧半径と内部中央部の円弧とが等しい。
【0085】
図86-89は、滅菌性流路1501が貫通する無菌性継手装置1500を形成するように互いに結合された2つの無菌性継手1400を示す。これらの図は、膜1440の除去後に一緒に結合された2つの無菌性継手1400を示す(
図76-81)。いくつかの実施形態では無菌性継手装置1500を生成するための事象シーケンスは、(i)2つの無菌性継手1400から保護カバー1402を除去し、(ii)膜1440の一部が無菌性継手1400の2つのシール1430の間で圧縮されるように、無菌性継手1400を一緒にスナップ留めし(これは事前に継手された構成である)、(iii)無菌性継手1400の2つのシール1430が露出され、互いに押圧されるように、主要本体1410から横方向に膜1440を手動で引っ張る(これは作動可能で、継手構成である)(例えば、
図89参照)、ことである。
【0086】
各無菌性継手1400は位置合わせポスト1412及び位置合わせガイド1416を含む(例えば、
図77及び78を参照のこと)。位置合わせガイド1416は、他の無菌性継手1400の位置合わせポスト1412を摺動可能に受容するように構成された内部空間を規定する。2つの無菌性継手1400が一緒に結合されて無菌性継手装置1500を作り出すとき(事前結合構成及び結合構成の両方/いずれかにおいて)、無菌性継手1400のうちの第1のものの位置合わせポスト1412は無菌性継手1400のうちの第2のものの位置合わせガイド1416内に係合され、無菌性継手1400のうちの第2のものの位置合わせポスト1412は無菌性継手1400のうちの第1のものの位置合わせガイド1416内に係合される。
【0087】
各位置合わせガイド1416は1つ以上の可撓性係止部材1417を含む(例えば、
図77及び78を参照のこと)。各位置合わせポスト1412は、嵌合する継手1400の係止部材1417をそれぞれ受け入れる1つ又は切り欠き1413を含む。図示の実施形態では各位置合わせガイド1416が2つの可撓性係止部材1417を含み、各位置合わせポスト1412は2つの切り欠き1413を含む。
【0088】
図示の実施形態では位置合わせポスト1412、位置合わせガイド1416、及び主要本体1410の中央流体流路の中心線はすべて同じ平面内にある。主要本体1410の中央流体流路は、位置合わせポスト1412と位置合わせガイド1416との間にある。
【0089】
図86-89に示す無菌性継手装置1500を作り出すために、使用者は、位置合わせポスト1412を2つの無菌性継手1400の位置合わせガイド1416と係合させる。係止部材1417は、切り欠き1413にはめ込まれる。これは、事前結合構成である。膜1440は依然として取り付けられており、シール1430の先端の間で圧縮されている。次に、使用者は、主要本体1410の前面から膜1440を剥ぎ取る。次いで、シール1430の面端部は互いに接触する。これは、動作可能な結合構成である。シール1430間のさらなる圧縮は必要ではない。結合プロセスは2つの無菌性継手1400を互いに係合させ、次いで膜1440を除去することを単に含むだけであり、本明細書は多くの具体的な実施の詳細を含むが、これらは任意の発明の範囲又は特許請求され得るものに対する制限として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施の形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。更に、特徴は本明細書では一定の組合せで動作するものとして説明されてもよく、そのようなものとして最初に特許請求されてもよいが、特許請求される組合せからの1つ又は複数の特徴は場合によってはその組合せから削除されてもよく、特許請求される組合せはサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0090】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、又は連続的な順序で実行されること、又は示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、本明細書で説明される実施形態における様々なシステムモジュール及び構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素及びシステムは一般に、単一の製品に一緒に統合され得るか、又は複数の製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。
【0091】
主題の特定の実施形態を説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は異なる順序で実行することができ、依然として望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されるプロセスは所望の結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序、又は連続する順序を必要としない。いくつかの実装形態では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
主題の特定の実施形態を説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は異なる順序で実行することができ、依然として望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されるプロセスは所望の結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序、又は連続する順序を必要としない。いくつかの実装形態では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。
なお、本発明の態様(構成)としては以下のようなものがある。
[態様1]
無菌性流体継手であって、
主要本体であって、該主要本体は、長手方向軸と、孔と、前記長手方向軸に沿って前記主要本体を通る流体流路とを規定し、前記主要本体は、
前面と、
該前面に対比して前記主要本体の反対側の端部にある終端と、
位置合わせポストと、
2つの無菌性流体継手が一緒に嵌合されたときに、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された、内部空間を規定する位置合わせガイドと、を有する、主要本体と、
前記孔内に配置された部分と、前記長手方向軸の周りで前記前面から延在する部分と、を有するシール部材と、
可撓性膜であって、前記シール部材の周りで前記前面に取り付けられ、汚染物質が前記流体流路に入るのを阻止する部分を有し、可撓性膜は、前記前面に取り付けられた前記部分に対比して可撓性膜の反対側の端部にある終端部分を含む、可撓性膜と、
を備える、無菌性流体継手。
[態様2]
前記位置合わせポストは前記長手方向軸に平行に延在する、態様1に記載の無菌性流体継手。
[態様3]
前記可撓性膜は、空気が前記可撓性膜を通過することができるように多孔質である、態様1又は2に記載の無菌性流体継手。
[態様4]
前記位置合わせポスト及び前記位置合わせガイドのそれぞれは連結特徴部を有し、前記位置合わせポストは係合した位置合わせガイドを係止し、前記位置合わせガイドは係合した位置合わせポストを係止する、態様1~3の何れか一一項に記載の無菌性流体継手。
[態様5]
前記位置合わせポストの前記連結特徴部は少なくとも1つの溝を含む、態様4に記載の無菌性流体継手。
[態様6]
前記位置合わせガイドの前記連結特徴部は少なくとも1つの可撓性係止部材を有する、態様4に記載の無菌性流体継手。
[態様7]
前記主要本体は前記終部を含む終端部材を含み、該終端部材は前記孔内に延在する、態様1~6の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
[態様8]
前記終端部材は前記主要本体の他の部分とスナップ係合する、態様7に記載の無菌性流体継手。
[態様9]
前記終端部材は前記主要本体の前記他の部分に対して前記長手方向軸の周りに回転可能である、態様8に記載の無菌性流体継手。
[態様10]
前記終端部材と前記主要本体の前記他の部分との間に配置されたシールを更に備える、態様8又は9に記載の無菌性流体継手。
[態様11]
前記終端部材は前記流体流路の一部を規定する、態様7~10の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
[態様12]
前記終端部材は前記孔の中で前記シール部材に当接する、態様7~11の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
[態様13]
前記主要本体と開放可能に係合可能な保護カバーを更に備える、態様1~12の何れか一項に記載の無菌性流体継手。
[態様14]
前記保護カバーが前記主要本体と係合している間、前記保護カバーが前記可撓性膜の2つの層を前記シール部材に対して押圧する、態様13に記載の無菌性流体継手。
[態様15]
前記保護カバーは前記主要本体と係合している間、前記保護カバーは前記長手方向軸と位置合わせした開口部を規定する、態様13又は14に記載の無菌性流体継手。
[態様16]
無菌性流体継手であって、
主要本体であって、該主要本体は、長手方向軸と、孔と、前記長手方向軸に沿って前記主要本体を通る流体流路とを規定し、前記主要本体は、
前面と、
位置合わせポストと、
位置合わせガイドと、を有する、主要本体と、
前記前面から延在する部分を有するシール部材と、
前記シール部材の周りで前記前面に取り付けられた部分を有する可撓性膜と、
を備える、無菌性流体継手。
[態様17]
2つの無菌性流体継手が嵌合されたときに、前記位置合わせガイドは、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された内部空間を規定する、態様16に記載の無菌性流体継手。
[態様18]
前記位置合わせポストの中心線、前記位置合わせガイドの中心線、及び前記長手方向軸は、すべて同じ平面内にある、態様16又は17に記載の無菌性流体継手。
[態様19]
前記孔は前記位置合わせポストと前記位置合わせガイドとの間にある、態様18に記載の無菌性流体継手。
[態様20]
前記長手方向軸と前記位置合わせポストの中心線との間の距離は、前記長手方向軸と前記位置合わせガイドの中心線との間の距離に等しい、態様18又は19に記載の無菌性流体継手。
[態様21]
無菌性流体継手装置であって、
主要本体と、
該主要本体にスライド可能に取り付けられたカバーと、
前記カバーと前記主要本体との間の第1のシールと、
前記主要本体内の第2のシールと、
前記主要本体に摺動自在に結合され、前記第2のシールに当接するように配置されたシールプッシャーと、
前記主要本体に螺合し、前記シールプッシャーに回転自在に結合されたロックリングと、
を備える、無菌性流体継手装置。
[態様22]
無菌性流体継手装置であって、
長手方向軸を規定する主要本体と、
該主要本体内のシールと、
前記主要本体に移動可能に結合され、前記シールに当接するように配置されるシールプッシャーであって、前記主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合されるシールプッシャーレバーを有する、シールプッシャーと、
前記主要本体の前面に取り外し可能に結合される膜と、を備え、
前記主要本体によって規定される前記スロットは長手方向軸に対して鋭角に延び、前記主要本体に対して前記シールプッシャーを回転させると、前記主要本体に対して長手方向軸に沿って前記シールを押し込むようにする、無菌性流体継手装置。
[態様23]
無菌性流体継手装置であって、
主要本体と、
該主要本体内に配置され、該主要本体と一体的に形成されたプルタブを有するシールと、を備え、
前記主要本体は、前記シール又は前記プルタブの一部を穿孔するように配置された穿孔要素を含む、無菌性流体継手装置。
[態様24]
無菌性流体継手装置であって、
少なくとも一部分が卵形の断面形状を有する主要本体と、
前記主要本体に配置されたシールと、
前記主要本体に摺動可能に結合され、第1の位置と第2の位置との間で前記主要本体の長手方向軸に沿って摺動可能なインサートと、を備え、
前記インサートを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることは、前記インサートを前記シールに穿孔させる、無菌性流体継手装置。
[態様25]
無菌性流体継手装置であって、
シール本体と、
該シール本体内の第1のシールと、
前記シール本体に螺合したツイストカラーと、
前記シール本体に摺動可能に結合され、前記シール本体に対する前記ツイストカラーの回転に応答して前記第1のシールを穿孔するように位置決めされたプランジャと、を備え、
前記プランジャは、該プランジャの先端に取り付けられた第2のシールを有する、無菌性流体継手装置。
[態様26]
無菌性流体継手装置であって、
長手方向軸を規定する主要本体と、
前記主要本体内のシールと、
前記主要本体に移動可能に結合され、前記シールに当接するように配置されたシールプッシャーであって、摺動可能に2つの半径方向に延びる部分を有するシールプッシャーレバーを有し、該シールプッシャーレバーは前記主要本体によって規定されるスロット内で摺動可能に結合する、シールプッシャーと、
前記主要本体の前面に取り外し可能に結合され、前記シールを覆う膜と、を備え、
前記主要本体によって規定される前記スロットは前記長手方向軸線に対して鋭角に延び、前記主要本体に対して前記シールプッシャーを回転させると、前記主要本体に対して長手方向軸線に沿って前記シールを押し込むようにする、無菌性流体継手装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌性流体継手であって、
主要本体であって、該主要本体は、長手方向軸と、孔とを規定し、前記主要本体は、
前面と、
該前面に対比して前記主要本体の反対側の端部にある終端と、
位置合わせポストと、
2つの無菌性流体継手が一緒に嵌合されたときに、他の無菌性流体継手の位置合わせポストを摺動可能に受け入れるように構成された、内部空間を規定する位置合わせガイドと、を有する、主要本体と、
第1の端部と第2の端部との間で前記長手方向軸に沿う幅を含むシール部材であって、前記孔内に配置された部分と、前記長手方向軸の周りで前記前面から延在する部分と、を有するシール部材と、
可撓性膜であって、前記シール部材の周りで前記前面に取り付けられ、汚染物質が前記流体流路に入るのを阻止する部分を有し、可撓性膜は、前記前面に取り付けられた前記部分に対比して可撓性膜の反対側の端部にある終端部分を含む、可撓性膜と、
を備え、
前記流体流路は前記無菌性流体継手を通って規定され、
前記流体流路の一部分は前記可撓性膜の幅の全体に沿って前記可撓性膜によって規定され、
前記位置合わせポスト及び前記位置合わせガイドのそれぞれは連結特徴部を有し、前記位置合わせポストは係合した位置合わせガイドを係止し、前記位置合わせガイドは係合した位置合わせポストを係止し、
前記位置合わせガイドの前記連結特徴部は少なくとも1つの可撓性係止部材を有する、
無菌性流体継手。
【請求項2】
前記位置合わせポストは前記長手方向軸に平行に延在する、請求項1に記載の無菌性流体継手。
【請求項3】
前記可撓性膜は、空気が前記可撓性膜を通過することができるように多孔質である、請求項1又は2に記載の無菌性流体継手。
【請求項4】
前記位置合わせポストの前記連結特徴部は少なくとも1つの溝を含む、請求項1に記載の無菌性流体継手。
【請求項5】
前記主要本体は前記終端を含む終端部材を含み、該終端部材は前記孔内に延在する、請求項1に記載の無菌性流体継手。
【請求項6】
前記終端部材は前記主要本体の他の部分とスナップ係合する、請求項5に記載の無菌性流体継手。
【請求項7】
前記終端部材は前記主要本体の前記他の部分に対して前記長手方向軸の周りに回転可能である、請求項6に記載の無菌性流体継手。
【請求項8】
前記終端部材と前記主要本体の前記他の部分との間に配置されたシールを更に備える、請求項6に記載の無菌性流体継手。
【請求項9】
前記終端部材は前記流体流路の一部を規定する、請求項5に記載の無菌性流体継手。
【請求項10】
前記終端部材は前記孔の中で前記シール部材に当接する、請求項5に記載の無菌性流体継手。
【請求項11】
前記主要本体と開放可能に係合可能な保護カバーを更に備える、請求項1に記載の無菌性流体継手。
【請求項12】
前記保護カバーが前記主要本体と係合している間、前記保護カバーが前記可撓性膜の2つの層を前記シール部材に対して押圧する、請求項11に記載の無菌性流体継手。
【請求項13】
前記保護カバーは前記主要本体と係合している間、前記保護カバーは前記長手方向軸と位置合わせした開口部を規定する、請求項11に記載の無菌性流体継手。
【外国語明細書】