(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019439
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】パターン化されたチューブ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/008 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A61B1/008 511
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207050
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2022072351の分割
【原出願日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】63/180,278
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ネス デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン マリア ジー
(72)【発明者】
【氏名】パテル マユール ケイ
(72)【発明者】
【氏名】シウラ ロナルド
(57)【要約】
【課題】特定の標的解剖学的構造体にアクセスするために外科医がスコープを屈曲または別様に関節運動させることを可能にすること。
【解決手段】スコープまたは同様の医療デバイスとの使用のためのパターン化されたチューブは、少なくとも1つの高可撓性区域を含み得る。少なくとも1つの高可撓性区域は、第1の厚さを有する複数の第1の切り込み、第2の厚さを有する複数の第2の切り込みを含み得る。複数の第2の切り込みのうちの特定のものは、複数の第1の切り込みのうちの特定のものの実質的に反対側に位置し得る。少なくとも1つの高可撓性区域は、複数の曲げモーメント伝達部分をさらに含み得る。曲げモーメント伝達部分のうちの特定のものは、第1の切り込みのうちの特定のものと第2の切り込みのうちの特定のものとの間に位置し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであって、前記パターン化されたチューブは、
前記パターン化されたチューブの近位端と前記パターン化されたチューブの遠位端との間に少なくとも1つの高可撓性区域を備え、前記少なくとも1つの高可撓性区域は、
第1の切り込み厚さを有する複数の第1の切り込みと、
第2の切り込み厚さを有する複数の第2の切り込みであって、前記第2の切り込みのうちの特定のものが、前記第1の切り込みのうちの特定のものから前記パターン化されたチューブを横方向にまたいで実質的に反対側に位置し、スイッチバック部材によって前記第1の切り込みのうちの特定のものから分離される、複数の第2の切り込みと、
1つ以上の曲げモーメント伝達部材であって、前記1つ以上の曲げモーメント伝達部材のうちの特定のものが、前記第1の切り込みのうちの隣接する特定のものの間、およびさらに、前記第2の切り込みのうちの隣接する特定のものの間に位置し、隣接するスイッチバック部材を接続する、1つ以上の曲げモーメント伝達部材とを含む、ことを特徴とするパターン化されたチューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療スコープの関節運動区域に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月27日に提出された米国仮特許出願第63/180,278号に対する優先権の利益を主張し、その内容は、その全体において本願に引用して援用する。
【0003】
高可撓性エンドスコープなどの高可撓性スコープは、診断的および治療的な医療手技、例えば、ヒトもしくは動物の消化器系の内側、または腹部の内側における手技のために使用される。スコープの遠位端などの、スコープの部分は、特定の標的解剖学的構造体にアクセスするために外科医がスコープを屈曲または別様に関節運動させることを可能にするように、高可撓性にされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
エンドスコープおよび他の同様の手術用スコープまたはカテーテルは、様々な外科手技において、例えば、へんとう摘出術、洞手術、もしくは他の同様の手技などの耳鼻咽喉(ENT)手技、消化器系における手技、または腹部の内側における手技において使用され得る。カテーテルは、ステントまたはバルーンを動脈内へ挿入するなどの手技において使用され得る。多くの場合、外科手技の間、スコープの少なくとも一部分は、真っすぐのゼロ度から、15度、30度、45度、90度、200度、またはそれ以上などの角度へと角度付けされる(例えば、屈曲される)ように、関節運動され得ることが望ましい場合がある。スコープまたはカテーテルのシースまたはチューブ(例えば、ハイポチューブもしくは皮下チューブなど、または特定の内径および外径または同様の横寸法を有するなど、他の円筒もしくは非円筒チューブ)は、高可撓性にされて、角度をなして曲がるまたは屈曲することができる、外科グレードのステンレス鋼、合金、または別の同様の材料などの高剛性材料で作製されるか、またはこれから形成され得る。そのような可撓性は、チューブ内に一連の切り込み(例えば、レーザカット)を形成することによって達成され得る。チューブ内の異なるタイプの切り込み(例えば、より細かいもしくはより薄い切り込み、より粗いもしくはより広い切り込み、または同様のもの)が利用され得、各タイプの切り込みは、その特定の特性を有する。例えば、異なるタイプの切り込み(例えば、異なる切り込み幅)は、チューブの高可撓性部分が屈曲され得る度合い、チューブが維持することができるトルクの量、負荷時の圧縮効果、または同様のものに影響を及ぼし得る。
【0005】
これらの問題を解決する1つの方式は、スコープのチューブまたはシースの一部分、つまり高可撓性にされるべきスコープに接続され得る医療デバイスのパターン化されたチューブ偏向可能区域において、粗い切り込みおよび細かい切り込みの組み合わせを使用することである。例において、粗い切り込みおよび細かい切り込みは、大きい角度の関節運動を達成すること、および材料の高弾性材料性質領域内に留まることによって切り込みの負荷時の圧縮効果を低減または最小限にすることを助けるように、交互にされ得る。切り込みの深さ、幅、長さ、および数は、高可撓性または屈曲可能部分の最遠位端の、所望の関節運動の度合い、関節形状、関節運動の開始、関節運動広がり(例えば、スコープの遠位先端が開始位置から終了または最大関節運動位置まで進む経路)などを達成するために様々であり得る。チューブの幹線は、いくつかの領域、セグメント、または区域に分けられ得、各領域が、その領域を高可撓性にするためにいくつかの切り込みを含む。切り込みは、例えば、チューブの領域内に「パターン」をレーザカットすることによって、達成され得る。カットされたチューブは、次いで、任意の鋭いエッジおよび/または切り込みのエッジ上のギザギザを除去するのを助けるように、電解研磨または別様に平滑化され得る。
【0006】
必ずしも縮尺通りに描かれない図面において、同様の数字は、同様の構成要素を異なる視点で説明し得る。異なる接尾文字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、全体的に、限定ではなく例として、本文書で論じられる様々な実施形態を例証する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】交互の細かい切り込みおよび粗い切り込みを含む複数の領域を伴うチューブの幹線の例を示す図である。
【
図2A】切り込みおよび切り込みの間に形成されるスイッチバック部材の詳細図における、平坦にされ拡大されたチューブの図を含む、
図1のチューブの代替図である。
【
図2B】切り込みおよび切り込みの間に形成されるスイッチバック部材の詳細図における、平坦にされ拡大されたチューブの図を含む、
図1のチューブの代替図である。
【
図2C】切り込みおよび切り込みの間に形成されるスイッチバック部材の詳細図における、平坦にされ拡大されたチューブの図を含む、
図1のチューブの代替図である。
【
図2D】切り込みおよび切り込みの間に形成されるスイッチバック部材の詳細図における、平坦にされ拡大されたチューブの図を含む、
図1のチューブの代替図である。
【
図3A】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図3B】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図4A】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図4B】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図5A】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図5B】異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図6】活発な関節運動の間、対向する開いたまたは閉じた切り込みを伴うチューブの例を示す図である。
【
図7A】細かいおよび粗い切り込み幹線関節運動の例を示す図である。
【
図7B】細かいおよび粗い切り込み幹線関節運動の例を示す図である。
【
図8】互いに対して回転角をなして配置される特徴部を伴って構築される高可撓性区域を伴うチューブの例を示す図である。
【
図9】シミュレートされた使用において、エンドスコープシャフト関節運動性能に組み込まれる細かいおよび粗い切り込み幹線の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本文書は、数ある中でも、関節運動医療機器を説明する。例えば、本明細書に開示されるのは、エンドスコープなどの医療スコープへの装着のための、チューブのハイブリッドの交互の細かい切り込みおよび粗い切り込み関節運動区域のためのシステムである。本システムは、固体材料(例えば、外科ステンレス鋼または同様のもの)から形成されるチューブを含み、このチューブは、内径および外径を有する。少なくとも1つの偏向可能または他の高可撓性セグメントまたは他の区域が、チューブ内に形成され得る。各セグメントは、第1の厚さまたは幅を有する複数の第1のスリット、切り込み、または他の開口部(例えば、粗い切り込み)、および第2の厚さまたは幅を有する複数の第2のスリット、切り込み、または他の開口部(例えば、細かい切り込み)を含み得る。例において、粗い切り込みのうちの特定のものは、細かい切り込みの特定のものの反対側に(例えば、細かい切り込みの特定のものからチューブをまたいで)、および細かい切り込みのうちの異なる特定のものに隣接して位置し得る。粗い切り込みは、対向する細かい切り込みよりも大きい幅を有し得る。例えば、粗い切り込みは、0.015または0.016インチの幅を有し得、細かい切り込みは、0.003インチの幅を有し得る。粗い切り込みまたは細かい切り込みのいずれかの幅は、関節運動の特定の「屈曲」角度を達成するためにチューブまたはチューブの一部分のために所望される任意の厚さおよび隣接する切り込み間の分離距離で指定され得る。
【0009】
同様に、チューブは、チューブが実装されることになる特定の使用、手技、応用、または同様のものに所望されるだけの数の高可撓性セグメントを有し得る。同様に、各セグメントは、関節運動の方向(例えば、2方向関節運動、4方向関節運動など)、特定の角度の関節運動(例えば、90度、260度、300度など)を達成するように、所望するだけの数の粗い切り込みおよび細かい切り込みを有し得る。粗い切り込みおよび対応する細かい切り込みは、スイッチバック部材(例えば、チューブの幹線の円周、外縁、または同様の表面に適合する、またはこれを画定する、「U字形状」部分または屈曲)が、それぞれの粗い切り込みおよびそれらの対応する細かい切り込みの間などに形成されるように、チューブ内に形成され得る。スイッチバック部材は、チューブの幹線の関節運動の間、対向する切り込みを開かせる、または閉じることができる。
【0010】
例において、切り込みは、ケーブルまたはワイヤまたは「プルワイヤ」などの関節運動部材を使用して、引っ張られて閉じられ得る。例において、1つ以上のプルワイヤが、チューブの一部分の内側(例えば、より広い部分、内径の外縁、または、所望通りのもしくは好適なチューブの任意の他の内側部分)に、(例えば、摺動可能に)装着またはガイドされ得る。プルワイヤ取り付け部は、チューブの内側部分に位置し得る。そのようなプルワイヤ取り付け部は、関連付けられたプルワイヤがそこを通じてチューブの近位端から遠位端まで通ることを可能にし得る。これは、プルワイヤがハンドルまたは他のプルワイヤ操作具により後退されるとき、遠位端の偏向または屈曲を可能にするように、好適には、高可撓性区域に沿ってプルワイヤの位置を維持することができる。何回デバイスが偏向または屈曲されることになるかに、少なくとも部分的に応じて、特定のデバイスに所望されるだけの数のプルワイヤが存在し得る。例えば、2方向偏向可能デバイスの場合は対向する側面に2つのプルワイヤが、4方向偏向可能の場合は4つのプルワイヤが存在し得るなどである。
【0011】
例において、幹線の関節運動の間、粗い切り込みは、幹線が屈曲されると引っ張られて閉じられ得る。例えば、関節運動の間、粗い切り込みは、その中立厚さまたは幅(例えば、0.015インチ)から0.0077インチの幅または厚さまで「引っ張られて閉じられ」得る。曲げモーメントは、幹線内に位置する伝達部材(例えば、中央「ビーム」)を通じて伝達され得る。例えば、曲げモーメントは、隣接する粗い切り込みの間、隣接する細かい切り込みの間、または両方の間で、スイッチバック部材へ伝達され得る。これにより、粗い切り込みが引っ張られて閉じられるとき、細かい切り込みを開かせ得る。逆に、細かい切り込みが引っ張られて閉じられると、スイッチバック部材は、対向する粗い切り込みを開かせ得る(例えば、0.015インチの中立厚さまたは幅から0.019インチの幅または厚さまで)。細かい切り込みは、チューブの幹線がどのように関節運動されているかに応じて、引っ張られてより幅広に開かれ得る(例えば、0.003インチの中立幅から0.0072インチの幅まで)か、より狭くされ得る(例えば、0.003インチの中立幅から0.0020インチの幅まで)。粗い切り込みまたは細かい切り込みの開始または中立幅は、チューブの異なる場所においては変化し得る。同様に、幹線の関節運動の間、付勢されて開かれ得るまたは閉じられ得る切り込みの幅は、変化し得る。中央ビームまたは他の伝達部材の剛性もまた、広がり経路、エンドスコープ先端の中間および最終位置、または同様のものの調節の選択を可能にするように、幹線の特定の隣接する区域において様々であり得る。
【0012】
粗い切り込みと細かい切り込みとの間にスイッチバック部材を形成することは、チューブの高可撓性部分の増大した関節運動能力を提供するのに役立ち得、幹線が塑性変形を引き起こすことなく所与の幹線長さのためのより小さい半径の湾曲(カットされていないステンレス鋼幹線設計に対して)を有することを可能にする。このより小さい半径の湾曲は、スコープの遠位部分による解剖学的構造体の特定の部位(例えば、腎臓の下方の杯)へのアクセスを向上させるのに役立つように、いくつかの応用または手技においてエンドスコープにとって望ましい場合がある。
【0013】
関節運動(屈曲)を可能にするためのパターン化されたチューブは、チューブの長さの少なくとも一部分に沿って少なくとも1つの高可撓性区域を含み得、チューブの長さは、チューブの近位端からチューブの遠位端に及ぶ。高可撓性区域は、第1の切り込み厚さを有する複数の第1の切り込み、および第2の切り込み厚さを有する複数の第2の切り込みを含み得る。第2の切り込みの特定のものは、第1の切り込みの特定のものからチューブを横方向にまたいで実質的に反対側に位置し得る。特定の第2の切り込みは、特定の第1の切り込みと整列状態にあり得るか、または代替的に、特定の第1の切り込みからオフセットされ得る。特定の第1の切り込みおよび第2の切り込みは、スイッチバック部材によって分離され得る。
【0014】
チューブは、第1の切り込みのうちの隣接する特定のもの、および第2の切り込みのうちの隣接する特定のものの間に位置し、隣接するスイッチバック部材を接続する、1つ以上の曲げモーメント伝達部材をさらに含み得る。1つ以上の曲げモーメント伝達部材はそれぞれ、第1の切り込みのうちの特定のものと第2の切り込みのうちの特定のものとの間でチューブ内に形成されるスイッチバック部材へ曲げモーメントを伝達するように構成される、チューブの外周の周りに延びる円周部分を含み得る。スイッチバック部材は、特定の第1の切り込みが広くなるか狭くなるかの一方であること、および対向する特定の第2の切り込みが広くなるか狭くなるかの他方であることを、特定の第1の切り込みおよび対向する特定の第2の切り込みを含むチューブの一部分の関節運動中に引き起こすように構成され得る。異なる言い方をすると、チューブが屈曲または関節運動されると、第1の切り込みと第2の切り込みとの間に位置するスイッチバック部材は、これらの切り込みのうちの一方を開かせ、対向する切り込みを閉じる、またはその逆を引き起こし得る。
【0015】
チューブは、ケーブルまたはワイヤなどの関節運動部材をさらに含み得る。関節運動部材は、高可撓性区域に沿って関節運動部材の位置を維持するように構成される少なくとも1つのガイドによって、チューブの内側管腔内の内側部分に装着され得る。少なくとも1つのガイドにより制約されて、関節運動部材が、ハンドル、プルワイヤ、または他の操作具などを介して、引っ張られるか、後退されるとき、関節運動部材は、高可撓性区域の少なくとも一部分の偏向を可能にするのを助け得る。
【0016】
チューブは、第1の高可撓性区域および第2の高可撓性区域などの複数の高可撓性区域を備え得、例えば、第2の高可撓性区域は第1の高可撓性区域に隣接して位置する。例において、第2の高可撓性区域の少なくとも一部分は、特徴部(例えば、スイッチバック部材、切り込み、または同様のもの)を伴って構築され得、この特徴部は、第1の高可撓性区域内の同様の特徴部に対して回転角をなして配置される。例において、第1の高可撓性区域は、第1の高可撓性区域および第2の高可撓性区域の材料が異なる可撓性を有するよう、第2の高可撓性区域とは異なる材料から形成され得る。
【0017】
例において、チューブの壁の厚さは、チューブの高可撓性区域の異なる領域において異なる量の可撓性を提供するのを助けるために様々であり得る。例えば、高可撓性区域の遠位端へ向かう外径または高可撓性区域の遠位端における外径は、高可撓性区域の近位端へ向かう外径または高可撓性区域の近位端における外径よりも小さくてもよい。この例では、円筒の壁厚は、高可撓性区域の遠位端において、より近位の部分に対してより薄くてもよい。チューブの壁の厚さにおけるそのような変化は、急激(例えば、ある特定の点において「x」センチメートルまたはインチの厚さから0.75xセンチメートルまたはインチへと変化する「ステップ」)であり得るか、または、チューブの壁の厚さが、遠位端に向かって、もしくは高可撓性区域の遠位端近くのある点に向かって、線形または非線形に減少し始める、次第に少なくされる変化を含み得る。
【0018】
遠位端における、または遠位端へ向かうより薄い壁は、切り込みパターンが提供し得るものに加えて、チューブのさらなる可撓性を提供し得る。厚さにおけるこのような変化は、一体成形チューブにおいて実現され得るか、または可撓性における同様の変化は、異なる可撓性および/または溶接もしくは別様に一緒に接続される異なる材料組成の2つ以上のセグメント(例えば、隣接する区域内の)を伴ってチューブを形成することによって達成され得る。
【0019】
図1は、複数の領域を伴うチューブの幹線の例を示す図であり、特定の領域は、交互の細かい切り込みおよび粗い切り込みを含む。
図1は、近位端102および遠位端104を有するパターン化されたチューブ100の例を例証する。パターン化されたチューブ100は、第1の高可撓性セグメント106、第2の高可撓性セグメント108、第3の高可撓性セグメント110、第4の高可撓性セグメント112、第5の高可撓性セグメント114、および第6の高可撓性セグメント116を含む。高可撓性セグメント106~116は、近位端102から遠位端104まで、パターン化されたチューブ100の長さの少なくとも一部分に沿って延び得る。高可撓性セグメント106~116は、パターン化されたチューブ100の長さに沿って実質的に互いと隣接して位置し得る。例えば、第1の高可撓性セグメント106は、第2の高可撓性セグメント108に隣接し得、第2の高可撓性セグメント108は、第3の高可撓性セグメント110に隣接し得るなどである。
【0020】
高可撓性区域106~116は、第1の切り込み厚さを有する複数の(第1の)粗い切り込み118,120,122,124、および126、ならびに第2の切り込み厚さを有する複数の(第2の)細かい切り込み128,130,132,134、および138を含み得る。複数の細かい切り込み128~138のうちの特定の細かい切り込みは、複数の粗い切り込み118~126のうちの特定の粗い切り込みからパターン化されたチューブ100を横方向にまたいで実質的に反対側に整列して位置し得る。例えば、粗い切り込み118および細かい切り込み128は、互いから横方向にまたいで実質的に反対側に位置し得る。同様に、粗い切り込み120は、細かい切り込み130から横方向にまたいで実質的に反対側に位置し得るなどである。代替的に、複数の細かい切り込み128~138のうちの特定の細かい切り込みは、複数の粗い切り込み118~126のうちの特定の粗い切り込みからオフセットされて、パターン化されたチューブ100をまたいで位置し得る。例において、粗い切り込みおよび細かい切り込みのパターンは、円筒の一方の側において、2つの特定の粗い切り込みの間に特定の細かい切り込みが存在するように、パターン化されたチューブ100を形成する円筒の対向する側面に形成され得る。パターン化されたチューブのカットされた円筒は、その円筒幹線と称され得る。例えば、
図1に例証されるように、チューブの一方の側において、第1の切り込み厚さを有する複数の粗い切り込みのうちの特定の粗い切り込みである切り込み118は、第2の切り込み厚さを有する切り込み140に隣接する。第2の切り込み厚さを有する切り込み140は、再び第1の切り込み厚さを有する切り込み120に隣接する。同様に、円柱の反対側において、第1の切り込み厚さを有する切り込み142は、各々が第2の切り込み厚さを有する切り込み128と130との間にある。同様のパターンの切り込みが、高可撓性セグメントの各々において形成され得る。
【0021】
図2A~
図2Eは、切り込みおよび切り込みの間に形成されるスイッチバック部材のより詳細な図を提供するために、円柱が縦方向に概念的にカットされ、「展開され」、平坦にされ拡大されたチューブの概念図を含む、
図1のチューブの代替図である。
図2Aは、
図1のパターン化されたチューブ100を再び示し、
図2Bは、それがもはや3次元円柱形状にないように、概念的に「展開され」、平坦にされたパターン化されたチューブ100の例を例証する。展開されたチューブ200は、第2の高可撓性セグメント108、第2の高可撓性セグメント108内の丸で記された詳細A 201A、第5の高可撓性セグメント114、および第5の高可撓性セグメント114内の丸で記された詳細B 202Aを含む。詳細A 201Aおよび詳細B 202Aは、それぞれ
図2Cおよび
図2Dにおいて16:1スケールに拡大される。
図2C、つまり詳細A 201Aの強調図に例証されるように、粗い切り込み206の例となる幅は、0.15インチであり得、対応する細かい切り込み208の例となる幅は、0.003インチであり得る。スイッチバック部材は、対向する第1の切り込みと第2の切り込みとの間に形成され得る。例えば、第1のスイッチバック部材210は、粗い切り込み206と細かい切り込み208との間に形成され得る。同様に、第2のスイッチバック部材214は、第1のスイッチバック部材210に隣接して形成され得る。
【0022】
展開時、スイッチバック部材は、U形状(例えば、蹄鉄形)に形成され得るが、スイッチバック部材は、別の形状または異なる形状であってもよい。例えば、展開時、特定のスイッチバック部材は、所望の屈曲力、または間にスイッチバック部材が形成されるそれぞれの切り込みの偏向の度合いを達成するように、三角形形状(例えば、「V」形状)、矩形、八角形、または任意の好適な形状であってもよい。例において、パターン化されたチューブ100の1つの部分におけるスイッチバック部材の形状は、パターン化されたチューブ100の別の部分におけるものとは異なり得る。例えば、第1の高可撓性セグメント106において、スイッチバック部材は、U形状(展開時)であり得る一方、第2の高可撓性セグメント108におけるスイッチバック部材は、三角形(展開時)であり得、第3の高可撓性セグメント110におけるスイッチバック部材は、矩形(展開時)であり得る。同様に、パターン化されたチューブ100に沿ったスイッチバック部材のサイズ(例えば、幅、異なる半径のスイッチバック形状など)は、細かい切り込みおよび粗い切り込みの所望の偏向の度合いを満たすのを助けるように、選択され得る、または様々であり得る。
【0023】
上に説明される切り込みパターンは、隣接するスイッチバック部材がオフセットされて、互いの反対側に配向されることをもたらし得る。例えば、第1のスイッチバック部材210の展開時のU形状「屈曲」は、パターン化されたチューブ100が、
図2Bに例証されるように「展開され」、平坦にされるとき、第1のスイッチバック部材210が、上に凹であるように見えることができ、第2のスイッチバック部材214が下に凹であるように見えることができるように、第2のスイッチバック部材214のものとは反対方向(例えば、面、地点、など)に配向され得る。別の例において、スイッチバックセグメント内への切り込みの距離または長さは、その地点における可撓性を制御するように決定または指定され得る。例えば、
図2Dにおける細かい切り込み216の「端」は、スイッチバック部材220の下に凹である部分の「端」まで「y」ユニットであり得る。故に、スイッチバック部材220の可撓性を調節するために、距離「y」は、切り込み216の端がスイッチバック部材220の下に凹である部分の「先端」により近い(結果として切り込み216の「長さ」がより長くなる)ように修正され得る。切り込み216がスイッチバック部材220内へと長くされるほど、スイッチバック部材220において、パターン化されたチューブ100の可撓性の量は大きくなる。
【0024】
曲げモーメント伝達部材212は、第1のスイッチバック部材210および第2のスイッチバック部材214などの隣接するスイッチバック部材を接続するために、隣接する粗い切り込みと隣接する細かい切り込みとの間に位置し得る。曲げモーメント伝達部材212は、例えば、パターン化されたチューブ100の外周の周りに延びる、円周部分を含み得、曲げモーメントを、スイッチバック部材へ、例えば、第1のスイッチバック部材210および/または第2のスイッチバック部材214へ伝達するように構成され得る。
【0025】
例において、特定の粗い切り込みの厚さまたは幅は、パターン化されたチューブ100の長さに沿って変化し得る。例えば、
図2Cに例証されるように、屈曲なしでは、パターン化されたチューブ100の第2の高可撓性セグメント108に位置する粗い切り込み206は、0.015インチの中立厚さまたは幅を有し得、
図2Dに例証されるように、第5の高可撓性セグメント114に位置する粗い切り込み218は、0.016インチの中立厚さまたは幅を有し得る。これは、隣接するスイッチバック部材の間の曲げモーメント伝達部材のサイズ、ならびにスイッチバック部材の幅が、パターン化されたチューブ100に沿った異なる部分において様々であることを結果としてもたらし得る。例えば、
図2Cにおいて、スイッチバック部材214の一方の「側」の幅は、0.010インチである一方、
図2Dにおいて、スイッチバック部材222の一方の「側」の幅は、0.009インチである。
【0026】
例において、展開されたチューブ200の拡大部分200Dを例証する
図2Dに例証されるように、粗い切り込みは、チューブの長さに沿って幅が変化し得る。例えば、粗い切り込みは、近位端から遠位端への方向において遭遇されるとき、より広いまたは厚い場合がある。拡大部分200Dにおいて例証されるように、粗い切り込み232は、粗い切り込み230よりも広く、粗い切り込み230は、粗い切り込み228よりも広いなどである。対向する細かい切り込みは、粗い切り込みと同様の手順または様式で、より広くされ得るか、または細かい切り込みは、高可撓性セグメントの長さおよび/もしくはチューブの長さに沿って同じ幅を維持し得るということも理解されたい。故に、そのような例において、高可撓性区域の部分が遠位であるほど、粗い切り込みの「間隙」または開口部の幅はより大きくなり、故に、より多くの関節運動が達成され得る。異なる言い方をすると、高可撓性区域の遠位部分は、高可撓性区域の近位端よりも多く、またはこれよりも大きい角度まで偏向し得る。これは、遠位部分がより鋭く屈曲することを可能にし得、スコープが、腎臓の下方の杯などの解剖学的構造体のより到達するのが困難な部位に接触することを可能にする。
【0027】
切り込みの幅が高可撓性区域の近位端から遠位端まで、様々である、または変化される、そのような例において、変化は、漸進的(例えば、近位端における第1の切り込みから遠位端における「第nの」切り込みまでの間隙サイズにおける線形変化、または非線形(例えば、指数関数的))変化、またはより漸進的な変化であり得る。別の例において、変化は、均一の第1の間隙サイズから、より大きい第2の間隙サイズへ突然に切り替えることなど、急であり得る。粗い切り込みおよび/または細かい切り込みの間隙サイズは、遠位部分における切り込みのうちの1つ以上の間隙サイズが近位部分における切り込みのうちの1つ以上の間隙サイズよりも広いなど、任意のパターンで変化し得る。
【0028】
例において、特定の粗い切り込みまたは特定の細かい切り込みの少なくとも1つの部分は、特定のスイッチバック部材を収容するために先細にされ得る。例えば、拡大部分200Dに示されるように、粗い切り込み224,226,228,230、および232は、切り込み224における先細部分234、または切り込み226における先細部分236など、先細部分を含み得る。先細の量は、先細が含まれる切り込みの幅に依存し得る。
【0029】
図3A~
図5Bは、異なる角度の関節運動を達成するために、異なる数の切り込み、異なる切り込み幅、および異なる数のワイヤガイドを含む様々な数の高可撓性区域を伴うチューブの例を例証する。
図3A、
図4A、および
図5Aは、それぞれのチューブの上から見た図を示す一方、
図3B、
図4B、
図5Bは、各チューブの側面図を示す。
図3A~
図5Bは、異なる長さおよび数の切り込みの高可撓性区域、高可撓性区域間の異なる間隔、ならびに異なる配置および数のワイヤガイド位置での、チューブの異なる代表的な実施形態を例証する。
図3Aは、2.672インチの合計長さ、ならびに5つの高可撓性区域302A,304A,306A,308A、および310Aを伴うチューブ300Aの例を例証する。第1の高可撓性区域302は、合計15個の粗い切り込みおよび/または細かい切り込み(上に説明されるような)を含み得、0.392インチに及ぶ。第1の高可撓性区域302において、細かい切り込みの幅は、0.003インチから0.025インチまで変化し得る。切り込み間の距離(および故に、切り込み間の「ビーム」の幅)は、0.011インチであり得る。
【0030】
第2の高可撓性区域304Aは、長さが0.382インチであり得、17個の切り込みを含み得る。さらに、スイッチバック部材のサイズ(例えば、チューブ300Aを上から見たときの幅)は、0.0344インチであり得る。第2の高可撓性区域304Aは、合計17個の切り込みを含み、0.384インチの長さに及び得る。第3の高可撓性区域306Aは、合計18個の切り込みを含み、0.408インチの長さに及び得る。第3の高可撓性区域306Aにおいて、細かい切り込みの間の距離(および故に、切り込みの間の中央ビームの幅)は、0.009インチから0.021インチの範囲に及び得る。第4の高可撓性区域308Aは、18個の切り込みを含み、チューブ300Aの0.408インチに及び得る。チューブ300Aの第5の高可撓性区域310Aは、14個の切り込みを含み、0.364インチの長さに及び得る。第1の高可撓性区域302内の切り込みの寸法と同様に、第5の高可撓性区域310において、切り込み幅は、0.003インチから0.025インチまで変化し得、ビーム幅(または切り込み間の距離)は、0.011インチであり得る。
【0031】
図3Aおよび
図3Bに例証されるように、高可撓性区域302A~310A、および302B~310Bに隣接して、関節運動部材ワイヤガイド位置312A~322Aおよび312B~322Bが存在し得る。ワイヤガイド位置312~322は、プルワイヤなどの関節運動部材がチューブ300A,300Bの内側に位置付けられることを可能にするように、小穴、ループ、リング、または同様のものがチューブ300A,300Bの内側に位置することを可能にするように、高可撓性区域302~310を分離するチューブ300A,300Bの「より厚い」部分(例えば、より少ない切り込みを有するか、切り込みを有さないチューブ300A,300Bの一部分)であり得る。ワイヤガイド位置312A~322Aおよび312B~322Bは、関節運動部材が引っ張られるとき、高可撓性区域312A~322Aおよび302B~310Bが、チューブ300A,300Bの遠位端を関節運動部材が引っ張られている方向に屈曲または偏向させることができるように、チューブ300A,300Bの内径に沿って関節運動部材を適所に保つことができる。
図3Bに例証されるように、チューブ300Bの遠位端に向かって位置するワイヤガイド位置322Bは、チューブ300Bの端から0.140インチなど、チューブ300Bの先端からある距離に位置し得る。
図3Aおよび
図3Bに例証される寸法は、263度の関節運動角を可能にし得る(例えば、チューブ300A,300Bの遠位端において)。そのような例において、屈曲または関節運動は、合計53個の切り込みからなり、チューブ300Aの1.344インチに及ぶ、真ん中の3つの区域、つまり第2の高可撓性区域304A、第3の高可撓性区域306A、および第5の高可撓性区域308Aにおいて開始し得る。
【0032】
図4Aおよび
図4Bに例証されるように、チューブ400A,400Bの長さ(3.00インチ)は、
図3Aおよび
図3Bに例証される例よりも長くてもよい。さらに、チューブ400A,400Bは、6つの高可撓性区域402A~412Aおよび402B~412Bを含み得る。第1の高可撓性区域402Aおよび第2の高可撓性区域404Aは各々、16個の切り込みを含み、0.360インチの長さであり得る。第3の高可撓性区域406Aもまた、16個の切り込みを含み得るが、0.384インチの長さであり得る。第4の高可撓性区域408A、第5の高可撓性区域410A、および第6の高可撓性区域412Aはすべて、14個の切り込みを含み、0.364インチの長さであり得る。そのような構成は、本質的に、チューブ300Aを、2つの主要部分、つまり49個の切り込みを含み、1.248インチに及ぶ、第1の高可撓性区域402A、第2の高可撓性区域404A、および第3の高可撓性区域406Aを含む部分、ならびに42個の切り込みを含み、1.260インチに及ぶ、第4の高可撓性区域408A、第5の高可撓性区域410A、および第6の高可撓性区域412Aを含む第2の部分へと「分ける」または分離することができる。
図4Aに示されるように、切り込み幅は、第2の高可撓性区域404A内の細かい切り込みの間の0.021インチ、および第5の高可撓性区域410A内の細かい切り込みの間の0.025などから変化し得る。同様に、切り込みの間のビーム幅は、第2の高可撓性区域404A内の0.009インチおよび第5の高可撓性区域410A内の0.011インチなど、変化し得る。
【0033】
また
図4Aに例証されるように、スイッチバック部材のサイズ(
図3Aに関して上で論じられるような)は、チューブ400Aの長さに沿って(例えば、異なる高可撓性区域内で)変化し得る。例えば、第1の高可撓性区域402Aにおいて、スイッチバック部材のサイズは、0.0315インチであり得る。第2の高可撓性区域404Aにおいて、スイッチバック部材のサイズは、0.0344インチであり得、第3の高可撓性区域406Aにおいては0.072インチ、第4の高可撓性区域408Aにおいては0.0315インチ、第5の高可撓性区域410Aにおいては0.0344インチ、および第6の高可撓性区域412Aにおいては0.0372インチであり得る。各セクションにおける切り込みの幅は、均一であり得るか、上で論じられるように様々であり得る。チューブ400A,400Bは、7つのワイヤガイド位置414A~426Aおよび414B~426Bを含み得、最も遠位のワイヤガイド位置426A,426Bが、チューブ400A,400Bの先端から0.138インチ離れて位置する。
図4Aおよび
図4Bに例証される寸法は、292度の関節運動角を可能にし得る(例えば、チューブ400A,400Bの遠位端において)。
【0034】
図5Aおよび
図5Bは、3.118インチに及ぶチューブ500A,500Bの代表的な幹線を例証する。チューブ500A,500Bは、
図3および
図4に例証されるように、偏向可能または高可撓性区域を有する代わりに、スイッチバック部材が形成される長さ全体に沿って高可撓性である幹線を有する。チューブ500A,500Bの異なる部分は、500A,500Bの異なる部分におけるスイッチバック部材のサイズ、切り込み幅(および故に、中央ビーム幅)を変化させることによって、異なる量の可撓性を有するように作製され得る。
図5Aに例証されるように、チューブ500Aは、チューブ500Aの長さの2.772インチに及ぶ隣接するスイッチバック部材が存在するようなパターンで切り込みを有し得る。例において、チューブ500Aの第1の部分506は、10個の切り込みを含み、531インチに及び得、チューブ500Aの第2の部分508は、11個の切り込みを含み、0.678インチに及び得る。第2の部分508において、スイッチバック部材のエッジは、0.047インチであり得、隣接するスイッチバック部材を接合する中央ビームの幅は、0.024インチであり得、スイッチバック部材を形成する切り込みの切り込み幅は、0.012インチであり得る。
【0035】
より遠位では、チューブ500Aは、8つの切り込みを含み、0.536インチに及ぶ第3の部分510、および8つの切り込みを含み、0.536インチに及ぶ第4の部分512を含み得る。第4の部分512において、スイッチバック部材のエッジは、0.064インチであり得、隣接するスイッチバック部材を接合する中央ビームの幅は、0.032インチであり得、スイッチバック部材を形成する切り込みの切り込み幅は、0.012インチであり得る。スイッチバック部材のエッジの寸法、中央ビームの幅、および切り込み幅は、チューブ500A,500Bの所望の偏向の度合いを達成するために、必要に応じて、均一または様々であり得る。
【0036】
図5Bは、側面図を示すように回転された
図5Aのチューブを例証する。
図5Bに例証されるように、チューブ500Bは、関節運動部材またはワイヤガイド位置514,516,518、および520を含み得る。
【0037】
図3A~
図5Bの例に例証されるように、チューブは、所望の通りに、または必要に応じて、任意の数の高可撓性部分もしくは区域、任意のサイズのスイッチバック部材、任意の切り込み幅、または任意の数のワイヤガイド位置を有し得る。例えば、チューブ、5つ、6つ、または7つのワイヤガイド位置を含み得、0.003インチ、0.0025インチ、0.0032インチの切り込み幅を有し得、チューブの近位部分、遠位部分、または中央区域の各々において異なる量の切り込みおよび異なるビーム幅を伴う切り込み領域を有し得る。例えば、チューブは、0.011インチのビーム幅を伴う近位部分において14個の切り込み、17または18個の切り込みおよび0.009インチのビーム幅を伴う1つ以上のち中央区域部分、ならびに15個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う遠位部分を有し得る。
【0038】
例において、チューブは、14または15個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う近位部分、ならびに17または18個の切り込みおよび0.009インチのビーム幅を伴う遠位部分を有し得る。例において、チューブは、14個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う近位部分、ならびに16または17個の切り込みおよび0.009インチのビーム幅を伴う遠位部分を有し得る。例において、別のチューブは、12個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う近位部分、13または14個の切り込みおよび0.009インチのビーム幅を伴う中央区域、ならびに12個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う遠位部分を有し得る。例において、チューブは、14個の切り込みおよび0.011インチのビーム幅を伴う近位部分、ならびに16個の切り込みおよび0.009インチのビーム幅を伴う遠位部分を有し得る。チューブは、所望の通り、複数の近位、中央区域、および遠位部分を伴って形成され得、切り込み幅、ビーム幅、スイッチバック部材形状および/または寸法、ならびにワイヤガイド位置は、上で論じられる様々な例において説明されるもののいずれか、またはその任意の組み合わせであり得る。
【0039】
図6は、活発な関節運動の間、開いた切り込みおよび対向する閉じた切り込みを伴うチューブの例を示す図である。
図6は、上で論じられるものなどの交互の粗い切り込みおよび細かい切り込みパターンを伴うチューブ600の例を例証する。
図6に例証されるように、ワイヤまたはケーブルなどの関節運動部材602は、関節運動部材602が引っ張られる、または別様に係合されるとき、粗い切り込み604が、0.0077インチの幅へ、中立切り込み厚さと比較したときより狭い幅へ、引っ張られるか、または関節運動され、また粗い切り込み604に隣接する細かい切り込み608が、その中立厚さよりも狭い幅であり得る0.0020インチの幅へ引っ張られるように、チューブ600の内側部分に沿って位置し得る。チューブ600円筒の反対側では、粗い切り込み604に対向する細かい切り込み606は、屈曲がない場合のその中立開始厚さと比較してより広い厚さ(例えば、0.0072インチ)へと屈曲または関節運動され得る。同様に、細かい切り込み606に隣接する粗い切り込み610は、屈曲がない場合のその中立または開始厚さと比較してより広い厚さ(例えば、0.0191インチ)へと関節運動され得る。
【0040】
関節運動部材602を引っ張ることまたは操作することは、
図6に例証されるものなど、チューブ600の異なる部分を異なる角度に屈曲させ得る。例えば、チューブ600の部分が小さいほど、より小さい角度(例えば、3.93度、3.83度など)で屈曲し、チューブ600のより大きい部分が9.37度などのより大きい角度で屈曲することを引き起こし得る。
【0041】
一般的に、粗い切り込みの中立切り込み幅が広いほど、チューブが偏向または屈曲されるときより多くの材料が移動されている。これは、「より急な」屈曲を結果としてもたらし、細かい切り込みが拡張する(広がる)ことを可能にして、いくらかの「曲がりやすさ」をもたらし、粗い切り込みが屈曲動作中に互いに向かって縮小することを可能にする。本明細書に説明されるチューブは、下方の杯を含む、腎臓の杯などの解剖学的構造体の標的部分に到達するように設計され得、そのような解剖学的構造体にスコープが到達するためにはチューブの急な強引な回旋を伴い得る。したがって、上で論じられるように、異なるチューブは、関節運動または高可撓性区域が、180度よりも大きい角度(例えば、250度、270度、300度、またはそれ以上)で屈曲することができるように、異なるサイズの切り込み幅、異なる数の切り込み、または同様のものなど、異なる寸法で設計され得る。
【0042】
図7Aおよび
図7Bは、細かい/粗い切り込み幹線関節運動の例を例証する。
図7Aおよび
図7Bに例証されるように、上に説明されるものなどの交互の粗い切り込み/細かい切り込みパターンを伴う関節運動幹線700(例えば、偏向可能な幹線、関節運動チューブなど)は、スコープ、ハンドル、または同様のものなどの非関節運動固形体またはより剛性の高い部材702に装着され得る。関節運動幹線700は、関節運動幹線700の先端704が、直線位置(180度の角度)から、
図7Aに例証されるような270度よりも大きい角度へ、
図7Bに例証されるような300度を上回る角度へ、屈曲され得るような方式で、屈曲され得る。
【0043】
図8は、互いに対して回転角をなして配置される特徴部を伴って構築される高可撓性区域を伴うチューブの例を例証する。
図8は、複数の高可撓性区域802~812を伴う、
図1に例証されるものに類似したパターン化されたチューブ800を例証する。
図8は、パターン化されたチューブ800の「上から見た」図を再び示す。
図8に例証される例において、第2の高可撓性区域804の少なくとも一部分は、第1の高可撓性区域802に対して回転角をなして配置される特徴部を伴って構築され得る。例えば、第2の高可撓性区域804内のスイッチバック部材のうちの1つ以上は、第1の高可撓性区域802内のスイッチバック部材に対して回転角(例えば、90度、180度、または同様のもの)をなして配置され得る。そのような例において、第2の高可撓性区域804内のスイッチバック部材は、それらが、第1の高可撓性区域802内のスイッチバック部材を上から見たときに、パターン化されたチューブ800円柱の片側にあるように位置し得る。
【0044】
そのようなパターンは、パターン化されたチューブ800の長さを通じて繰り返し得る。例えば、第3の高可撓性区域806および第5の高可撓性区域810は、第1の高可撓性区域802と同じ配向を有し得る一方、第4の高可撓性区域808および第6の高可撓性区域812は、第2の高可撓性区域804と同じ配向を有し得る。そのような例において、各々の隣接する区域は、互いに対して回転されるか、または互いからオフセットされる特徴部を有することになる。
【0045】
これは、パターン化されたチューブ800がレーザカットつる巻きばねのように動作することを可能にし、またパターン化されたチューブ800が2つの別個の平面(例えば、互いに直行して配向される平面)において偏向されることを可能にし得る。同じ90度線内のそれらの区域(例えば、第1の高可撓性区域802、第3の高可撓性区域806、および第5の高可撓性区域810)は、第1の平面において屈曲または偏向され得、他の区域(第2の高可撓性区域804、第4の高可撓性区域808、および第6の高可撓性区域812)は、第2の平面において屈曲し得る。追加的に、または代替的に、同じ高可撓性区域内の隣接するスイッチバック部材は、各高可撓性区域の一部分が別個の平面において偏向され得るように、互いに対して回転され得る。
【0046】
図9は、シミュレートされた使用において、エンドスコープシャフト関節運動性能に組み込まれる細かい/粗い切り込み幹線の例を例証する。
図9に例証されるように、本明細書に説明されるものなどの交互の切り込みのパターンを採用する幹線を伴うエンドスコープ900は、解剖学的構造体902のモデル部分における使用について例証される。解剖学的構造体902のモデル部分は、腎臓の杯など、ヒトの解剖学的構造体の一部分を表し得、腎臓結石アブレーションなどの医療手技中、その中にエンドスコープ900が挿入され得る。
図9の例において、解剖学的構造体902のモデル部分は、結石、腫瘍、または同様のものが中に形成し得る腔904を含む。エンドスコープ900の先端は、結石アブレーションなどの手技が、エンドスコープ900の先端からレーザ放射を発することによって腔904内で実施され得るように、解剖学的構造体902のモデル部分の長方形形状の区域によって表される一片の組織の周りで操作または屈曲することができる。
【0047】
追加の記載および実施例
実施例1は、医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであり、このパターン化されたチューブは、パターン化されたチューブの近位端とパターン化されたチューブの遠位端との間の少なくとも1つの高可撓性区域を備え、少なくとも1つの高可撓性区域は、第1の切り込み厚さを有する複数の第1の切り込み、第2の切り込み厚さを有する複数の第2の切り込みであって、第2の切り込みのうちの特定のものは、第1の切り込みの特定のものからパターン化されたチューブを横方向にまたいで実質的に反対側に位置し、スイッチバック部材によってそこから分離される、第2の切り込み、および1つ以上の曲げモーメント伝達部材を含み、1つ以上の曲げモーメント伝達部材のうちの特定のものは、第1の切り込みの隣接する特定のものの間、およびさらに、第2の切り込みの隣接する特定のものの間に位置し、隣接するスイッチバック部材を接続する。
【0048】
実施例2において、実施例1の主題は、1つ以上の曲げモーメント伝達部材がそれぞれ、パターン化されたチューブの外周の周りに延びる円周部分を含み、第1の切り込みのうちの特定のものと第2の切り込みのうちの特定のものとの間のパターン化されたチューブ内に形成されるスイッチバック部材へ曲げモーメントを伝達するように構成される、ことを任意選択的に含む。
【0049】
実施例3において、実施例2の主題は、スイッチバック部材が、特定の第1の切り込みが広くなるか狭くなるかの一方であること、および対向する特定の第2の切り込みが広くなるか狭くなるかの他方であることを、特定の第1の切り込みおよび対向する特定の第2の切り込みを含むパターン化されたチューブの一部分の関節運動中に引き起こすように構成される、ことを任意選択的に含む。
【0050】
実施例4において、実施例3の主題は、パターン化されたチューブの内側部分に装着される関節運動部材を任意選択的に含む。
【0051】
実施例5において、実施例4の主題は、関節運動部材が、高可撓性区域に沿って関節運動部材の位置を維持するように、および関節運動部材が操作具によって後退されるとき高可撓性区域の少なくとも一部分の偏向を可能にするように構成される少なくとも1つのガイドによって、パターン化されたチューブの内側部分に装着される、ことを任意選択的に含む。
【0052】
実施例6において、実施例4~5のうちの任意の1つ以上の主題は、関節運動部材がケーブルまたはワイヤを含む、ことを任意選択的に含む。
【0053】
実施例7において、実施例1~6のうちの任意の1つ以上の主題は、複数の第1の切り込みの中立厚さおよび複数の第2の切り込みの中立厚さが、少なくとも1つの高可撓性区域の少なくとも一部分に沿って様々である、ことを任意選択的に含む。
【0054】
実施例8において、実施例7の主題は、中立状態において、高可撓性区域の遠位端における特定の第1の切り込みが、高可撓性区域の近位端における特定の第1の切り込みよりも広い、ことを任意選択的に含む。
【0055】
実施例9において、実施例7~8のうちのいずれか1つ以上の主題は、中立状態において、高可撓性区域の遠位端における特定の第2の切り込みが、高可撓性区域の近位端における特定の第2の切り込みよりも広い、ことを任意選択的に含む。
【0056】
実施例10において、実施例1~9のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1の高可撓性区域と、第1の高可撓性区域に隣接して位置する第2の高可撓性区域とを任意選択的に含む。
【0057】
実施例11において、実施例10の主題は、第2の高可撓性区域の少なくとも一部分が、第1の高可撓性区域内の少なくとも1つの切り込みに対して回転角をなして配置される少なくとも1つの切り込みを伴って構築される、ことを任意選択的に含む。
【0058】
実施例12において、実施例10~11のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1の高可撓性区域が、第2の高可撓性区域とは異なる材料から形成される、ことを任意選択的に含む。
【0059】
実施例13において、実施例12の主題は、第1の高可撓性区域の材料および第2の高可撓性区域の材料が、異なる可撓性を有する、ことを任意選択的に含む。
【0060】
実施例14において、実施例1~13のうちのいずれか1つ以上の主題は、パターン化されたチューブの遠位端におけるパターン化されたチューブの外径が、パターン化されたチューブの近位端における外径よりも小さい、ことを任意選択的に含む。
【0061】
実施例15において、実施例1~14のうちのいずれか1つ以上の主題は、特定の第1の切り込みの少なくとも一部分または特定の第2の切り込みの少なくとも1つのうちの少なくとも1つが、それらの少なくとも一部分の中に位置する特定のスイッチバック部材を収容するように先細になっている、ことを任意選択的に含む。
【0062】
実施例16は、医療スコープの関節運動を可能にするためのパターン化されたチューブであり、このチューブは、第1の高可撓性区域と、第1の高可撓性区域に隣接して位置する第2の高可撓性区域とを備え、第1の高可撓性区域および第2の高可撓性区域は、第1の切り込み厚さを有する複数の第1の切り込み、第2の切り込み厚さを有する複数の第2の切り込みであって、第2の切り込みのうちの特定のものは、第1の切り込みの特定のものからチューブを横方向にまたいで実質的に反対側に位置し、スイッチバック部材によって第1の切り込みの特定のものから分離される、第2の切り込み、および1つ以上の曲げモーメント伝達部材を含み、1つ以上の曲げモーメント伝達部材のうちの特定のものは、第1の切り込みの隣接する特定のものの間、およびさらに、第2の切り込みの隣接する特定のものの間に位置し、隣接するスイッチバック部材を接続する。
【0063】
実施例17において、実施例16の主題は、複数の第1の切り込みの中立厚さおよび複数の第2の切り込みの中立厚さが、第1の高可撓性区域または第2の高可撓性区域のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分に沿って様々である、ことを任意選択的に含む。
【0064】
実施例18において、実施例17の主題は、中立状態において、第1の高可撓性区域の遠位端における特定の第1の切り込みは、第1の高可撓性区域の近位端における特定の第1の切り込みよりも広い、または第1の高可撓性区域の遠位端における特定の第2の切り込みは、第1の高可撓性区域の近位端における特定の第2の切り込みよりも広い、のうちの少なくとも一方である、ことを任意選択的に含む。
【0065】
実施例19において、実施例17~18のうちのいずれか1つ以上の主題は、中立状態において、第2の高可撓性区域の遠位端における特定の第1の切り込みは、第2の高可撓性区域の近位端における特定の第1の切り込みよりも広い、または第2の高可撓性区域の遠位端における特定の第2の切り込みは、第2の高可撓性区域の近位端における特定の第2の切り込みよりも広い、のうちの少なくとも一方である、ことを任意選択的に含む。
【0066】
実施例20は、医療デバイスシャフトのパターン化された偏向可能部分であり、この偏向可能部分は、第1の高可撓性区域と、第1の高可撓性区域に隣接して位置する第2の高可撓性区域と、関節運動部材であって、高可撓性区域に沿って関節運動部材の位置を維持するように、および関節運動部材が操作具によって後退されるとき高可撓性区域の少なくとも一部分の偏向を可能にするように構成される少なくとも1つのガイドによって、偏向可能部分の内側部分に装着される、関節運動部材とを備え、第1の高可撓性区域および第2の高可撓性区域は、第1の切り込み厚さを有する複数の第1の切り込み、第2の切り込み厚さを有する複数の第2の切り込みであって、第2の切り込みのうちの特定のものは、第1の切り込みの特定のものから偏向可能部分を横方向にまたいで実質的に反対側に位置し、スイッチバック部材によってそこから分離される、第2の切り込み、および1つ以上の曲げモーメント伝達部材を含み、1つ以上の曲げモーメント伝達部材のうちの特定のものは、第1の切り込みの隣接する特定のものの間、およびさらに、第2の切り込みの隣接する特定のものの間に位置し、隣接するスイッチバック部材を接続する。
【0067】
実施例21において、実施例20の主題は、中立状態において、第1の高可撓性区域の遠位端における特定の第1の切り込みが、第1の高可撓性区域の近位端における特定の第1の切り込みよりも広い、第1の高可撓性区域の遠位端における特定の第2の切り込みが、第1の高可撓性区域の近位端における特定の第2の切り込みよりも広い、第2の高可撓性区域の遠位端における特定の第1の切り込みが、第2の高可撓性区域の近位端における特定の第1の切り込みよりも広い、または、第2の高可撓性区域における遠位端における特定の第2の切り込みが、第2の高可撓性区域の近位端における特定の第2の切り込みよりも広い、のうちの少なくとも1つである、ことを任意選択的に含む。
【0068】
実施例22において、実施例20~21のうちのいずれか1つ以上の主題は、第2の高可撓性区域の少なくとも一部分が、第1の高可撓性区域内の少なくとも1つの切り込みに対して回転角をなして配置される少なくとも1つの切り込みを伴って構築され、第1の高可撓性区域が、第2の高可撓性区域とは異なる材料から形成される、ことを任意選択的に含む。
【0069】
本文書内で言及されるすべての刊行物、特許、および特許文書は、個々に引用して援用するかのように、その全体を本願に引用して援用する。本文書と引用して援用するそれらの文書との間に矛盾した使用があった場合、援用された引用における使用は、本文書を補足するものと見なされるべきであり、共存不可能な矛盾の場合、本文書における使用が支配する。
【0070】
本文書において、用語「a(1つの)」または「an(1つの)」は、任意の他の場合、または「少なくとも1つ」または「1つ以上」の使用とは独立して、特許文書において一般的であるように、1つ、または2つ以上を含むために使用される。本文書において、用語「または」は、非排他的を指すため、または、別途記載のない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、使用される。添付のクレームにおいて、用語「including(含む)」および「in which」は、それぞれの用語「comprising(備える)」および「wherein」の平易な英語等価物として使用される。また、以下のクレームにおいて、用語「including(含む)」および「comprising(備える)」は、オープンエンドであり、すなわち、クレーム内のそのような用語の前に列挙されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、そのクレームの範囲内に入ると依然として見なされる。さらには、以下のクレームにおいて、用語「第1」、「第2」、および「第3」などは、単にラベルとして使用されるにすぎず、それらの対象物に数字的要件を課すことは意図されない。
【0071】
上の説明は、例証的であることが意図され、限定的であることは意図されない。例えば、上に説明された例(またはその1つ以上の態様)は、互いと組み合わされて使用され得る。他の実施形態は、例えば、上記説明を再考する際に当業者などによって使用され得る。要約は、読者が本技術的開示の本質を素早く確認することを可能にするものであり、要約がクレームの範囲または意味を解釈または限定するために使用されることがないという理解の下、提出される。また、上の発明を実施するための形態において、様々な特徴は、本開示を簡素化するために一緒にまとめられ得る。これは、特許請求されない開示された特徴が任意のクレームに必須であるという意図として解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴を満たさずにあってもよい。故に、以下のクレームは、これをもって、各クレームが別個の実施形態として自立した状態で、発明を実施するための形態に組み込まれる。実施形態の範囲は、添付のクレームを参照して、そのようなクレームが受ける等価物の全範囲と一緒に、決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであって、前記パターン化されたチューブは、
前記パターン化されたチューブの近位端と前記パターン化されたチューブの遠位端との間に位置する可撓性幹線を備え、前記可撓性幹線が、
長さ方向に沿って互いに間隔をあけて配置された一連の交互に横方向に並ぶ切り込みを備え、
前記一連の切り込みのうちの隣り合う切り込みが、両切り込みの間に位置する曲げモーメント伝達部材によって分離され、
前記曲げモーメント伝達部材の第1端部が、第1の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第1のスイッチバック部材に接続され、
前記曲げモーメント伝達部材の第2端部が、前記第1の切り込みに近接する第2の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第2のスイッチバック部材に接続される、パターン化されたチューブ。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の可撓度が、1つ以上の特定のスイッチバック部材のサイズ、前記曲げモーメント伝達部材の幅、または前記一連の切り込みのうち特定の切り込みの幅、の少なくともいずれかのばらつきにもとづき、前記パターン化されたチューブの長さに沿って異なる、パターン化されたチューブ。
【請求項3】
請求項2に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の第1の部分が前記可撓性幹線の第2の部分とは異なる可撓度を有する、パターン化されたチューブ。
【請求項4】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定のスイッチバック部材とサイズの異なる1つ以上の特定のスイッチバック部材を含む、パターン化されたチューブ。
【請求項5】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みとは中立厚さの異なる1つ以上の特定の切り込みを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項6】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が広い、パターン化されたチューブ。
【請求項7】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が狭い、パターン化されたチューブ。
【請求項8】
請求項1に記載のパターン化されたチューブであって、
前記パターン化されたチューブの内側部分に装着される関節運動部材をさらに備える、パターン化されたチューブ。
【請求項9】
請求項8に記載のパターン化されたチューブであって、前記関節運動部材が少なくとも1つのガイドによって前記パターン化されたチューブの前記内側部分に装着され、前記少なくとも1つのガイドが前記可撓性幹線に沿って前記関節運動部材の位置を維持し、かつ前記関節運動部材が操作具によって後退するとき前記可撓性幹線の偏向を可能にするように構成され、前記関節運動部材がケーブルまたはワイヤを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項10】
医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであって、前記パターン化されたチューブが、
前記パターン化されたチューブの内側部分に装着される関節運動部材と、
前記パターン化されたチューブの近位端と前記パターン化されたチューブの遠位端との間に位置する可撓性幹線であって、可撓度が前記パターン化されたチューブの長さに沿って変わる可撓性幹線と、
を備え、前記可撓性幹線が、
長さ方向に沿って互いに間隔をあけて配置された一連の交互に横方向に並ぶ切り込みを備え、
前記一連の切り込みのうちの隣り合う切り込みが、両切り込みの間に位置する曲げモーメント伝達部材によって分離され、
前記曲げモーメント伝達部材の第1端部が、第1の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第1のスイッチバック部材に接続され、
前記曲げモーメント伝達部材の第2端部が、前記第1の切り込みに近接する第2の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第2のスイッチバック部材に接続される、パターン化されたチューブ。
【請求項11】
請求項10に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の第1の部分が前記可撓性幹線の第2の部分とは異なる可撓度を有し、
前記関節運動部材が少なくとも1つのガイドによって前記パターン化されたチューブの前記内側部分に装着され、前記少なくとも1つのガイドが前記可撓性幹線に沿って前記関節運動部材の位置を維持し、かつ前記関節運動部材が操作具によって後退するとき前記可撓性幹線の偏向を可能にするように構成され、前記関節運動部材がケーブルまたはワイヤを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項12】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定のスイッチバック部材とサイズの異なる1つ以上の特定のスイッチバック部材を含む、パターン化されたチューブ。
【請求項13】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みとは中立厚さの異なる1つ以上の特定の切り込みを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項14】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が広い、パターン化されたチューブ。
【請求項15】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が狭い、パターン化されたチューブ。
【請求項16】
請求項1に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓度が、1つ以上の特定のスイッチバック部材のサイズ、前記曲げモーメント伝達部材の幅、または前記一連の切り込みのうち特定の切り込みの幅、の少なくともいずれかのばらつきにもとづき異なる、パターン化されたチューブ。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであって、前記パターン化されたチューブは、
前記パターン化されたチューブの近位端と前記パターン化されたチューブの遠位端との間に位置する可撓性幹線を備え、前記可撓性幹線が、
長さ方向に沿って互いに間隔をあけて配置された一連の交互に横方向に並ぶ切り込みを備え、
前記一連の切り込みのうちの隣り合う切り込みが、両切り込みの間に位置する曲げモーメント伝達部材によって分離され、
前記曲げモーメント伝達部材の第1端部が、第1の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第1のスイッチバック部材に接続され、
前記曲げモーメント伝達部材の第2端部が、前記第1の切り込みに近接する第2の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第2のスイッチバック部材に接続される、パターン化されたチューブ。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の可撓度が、1つ以上の特定のスイッチバック部材のサイズ、前記曲げモーメント伝達部材の幅、または前記一連の切り込みのうち特定の切り込みの幅、の少なくともいずれかのばらつきにもとづき、前記パターン化されたチューブの長さに沿って異なる、パターン化されたチューブ。
【請求項3】
請求項2に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の第1の部分が前記可撓性幹線の第2の部分とは異なる可撓度を有する、パターン化されたチューブ。
【請求項4】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定のスイッチバック部材とサイズの異なる1つ以上の特定のスイッチバック部材を含む、パターン化されたチューブ。
【請求項5】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みとは中立厚さの異なる1つ以上の特定の切り込みを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項6】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が広い、パターン化されたチューブ。
【請求項7】
請求項3に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が狭い、パターン化されたチューブ。
【請求項8】
請求項1に記載のパターン化されたチューブであって、
前記パターン化されたチューブの内側部分に装着される関節運動部材をさらに備える、パターン化されたチューブ。
【請求項9】
請求項8に記載のパターン化されたチューブであって、前記関節運動部材が少なくとも1つのガイドによって前記パターン化されたチューブの前記内側部分に装着され、前記少なくとも1つのガイドが前記可撓性幹線に沿って前記関節運動部材の位置を維持し、かつ前記関節運動部材が操作具によって後退するとき前記可撓性幹線の偏向を可能にするように構成され、前記関節運動部材がケーブルまたはワイヤを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項10】
医療スコープの関節運動を可能にするパターン化されたチューブであって、前記パターン化されたチューブが、
前記パターン化されたチューブの内側部分に装着される関節運動部材と、
前記パターン化されたチューブの近位端と前記パターン化されたチューブの遠位端との間に位置する可撓性幹線であって、可撓度が前記パターン化されたチューブの長さに沿って変わる可撓性幹線と、
を備え、前記可撓性幹線が、
長さ方向に沿って互いに間隔をあけて配置された一連の交互に横方向に並ぶ切り込みを備え、
前記一連の切り込みのうちの隣り合う切り込みが、両切り込みの間に位置する曲げモーメント伝達部材によって分離され、
前記曲げモーメント伝達部材の第1端部が、第1の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第1のスイッチバック部材に接続され、
前記曲げモーメント伝達部材の第2端部が、前記第1の切り込みに近接する第2の切り込みの閉じた端部の周囲に延びる第2のスイッチバック部材に接続される、パターン化されたチューブ。
【請求項11】
請求項10に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の第1の部分が前記可撓性幹線の第2の部分とは異なる可撓度を有し、
前記関節運動部材が少なくとも1つのガイドによって前記パターン化されたチューブの前記内側部分に装着され、前記少なくとも1つのガイドが前記可撓性幹線に沿って前記関節運動部材の位置を維持し、かつ前記関節運動部材が操作具によって後退するとき前記可撓性幹線の偏向を可能にするように構成され、前記関節運動部材がケーブルまたはワイヤを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項12】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定のスイッチバック部材とサイズの異なる1つ以上の特定のスイッチバック部材を含む、パターン化されたチューブ。
【請求項13】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓性幹線の前記第1の部分が、前記可撓性幹線の前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みとは中立厚さの異なる1つ以上の特定の切り込みを含む、パターン化されたチューブ。
【請求項14】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が広い、パターン化されたチューブ。
【請求項15】
請求項11に記載のパターン化されたチューブであって、
中立状態において、前記第1の部分の1つ以上の特定の切り込みが、前記第2の部分の1つ以上の特定の切り込みより幅が狭い、パターン化されたチューブ。
【請求項16】
請求項10に記載のパターン化されたチューブであって、
前記可撓度が、1つ以上の特定のスイッチバック部材のサイズ、前記曲げモーメント伝達部材の幅、または前記一連の切り込みのうち特定の切り込みの幅、の少なくともいずれかのばらつきにもとづき異なる、パターン化されたチューブ。