IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ミラースキャナ 図1
  • 特開-ミラースキャナ 図2A
  • 特開-ミラースキャナ 図2B
  • 特開-ミラースキャナ 図3
  • 特開-ミラースキャナ 図4
  • 特開-ミラースキャナ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019458
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】ミラースキャナ
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20240201BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G02B26/08 E
G02B26/10 104
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207800
(22)【出願日】2023-12-08
(62)【分割の表示】P 2021558439の分割
【原出願日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2019208439
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢部 友崇
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 新吾
(72)【発明者】
【氏名】大島 清朗
(72)【発明者】
【氏名】北澤 正吾
(57)【要約】
【課題】
装置規模を抑えつつミラーを十分に駆動して光走査を行うことが可能なミラースキャナを提供する。
【解決手段】
光を反射する第1の面を有し、揺動軸廻りに揺動可能なミラーと、ミラーの第1の面とは反対側の面である第2の面に配された永久磁石と、ミラーの第2の面側において永久磁石に対向する位置に配された一対の磁界発生端部と、ミラーの第2の面に沿って伸長する一対の伸長部と、を有するヨークと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射する第1の面を有し、揺動軸廻りに揺動可能なミラーと、
前記ミラーの前記第1の面とは反対側の面である第2の面に配された永久磁石と、
前記ミラーの前記第2の面側において前記永久磁石に対向する位置に配された一対の磁界発生端部と、前記ミラーの前記第2の面に沿って伸長する一対の伸長部と、を有するヨークと、
を有することを特徴とするミラースキャナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラースキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
光を偏向しつつ所定の領域に向けて出射し、当該所定の領域から戻ってきた光を検出することによって、当該所定の領域内に位置する物体に関する種々の情報を得る走査装置が知られている。このような走査装置において、光を偏向する部分として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー等の可動式のミラーが設けられている。可動式のミラーを有する光走査装置として、ヨーク及びヨークに巻き付けられたコイルからなる電磁石を有し、コイルに交番電流を流して磁界を発生させ、永久磁石の磁界との相互作用によってミラーを駆動する光走査装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-69676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のような光走査装置では、ヨークがC字型(又はU字型)の形状を有しており、ヨークの端部である磁界発生端がミラーの光反射面の反対側の面(すなわち、裏面)に設けられた永久磁石と対向するように配置される。このため、磁界発生端を上にしてC字型のヨークを縦に配置した場合の高さに相当するスペースがミラーの裏面側に必要となり、装置全体の規模が大きくなる。従って、光走査装置の配置場所が限定されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、装置規模を抑えつつミラーを十分に駆動して光走査を行うことが可能なミラースキャナを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、光を反射する第1の面を有し、揺動軸廻りに揺動可能なミラーと、前記ミラーの前記第1の面とは反対側の面である第2の面に配された永久磁石と、前記ミラーの前記第2の面側において前記永久磁石に対向する位置に配された一対の磁界発生端部と、前記ミラーの前記第2の面に沿って伸長する一対の伸長部と、を有するヨークと、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例のミラースキャナ全体の構成を示す図である。
図2A】ミラー本体部とヨークとの配置関係を示す図である。
図2B】ヨーク及びヨークを挟持する治具を示す図である。
図3】比較例のミラースキャナの構成を示す図である。
図4】比較例のミラー本体部とヨークとの配置関係を示す図である。
図5】駆動電流とミラーの振角との関係を本実施例及び比較例の各々について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0009】
図1は、本実施例に係るミラースキャナ100の全体構成を示す斜視図である。ミラースキャナ100は、可動式のミラーを周期的に揺動することで光の偏向動作を行う光走査装置である。
【0010】
ミラースキャナ100は、光偏向を行うミラー本体部(以下、単に本体部と称する)10と、磁界発生源であるヨーク20及び駆動回路30と、を有する。本実施例のミラースキャナ100は、ヨーク20及び駆動回路30によって発生した磁界を本体部10に印加することにより、本体部10を動作させる磁気駆動型のMEMS装置である。
【0011】
本体部10は、支持部としての板状の支持板11と、支持板11から揺動軸AXに沿って伸びる一対のトーションバー12と、支持板11及びトーションバー12によって揺動可能に支持されたミラー13と、を含む。トーションバー12の各々は、一端が支持板11に固定され他端がミラー13に固定されている。トーションバーが揺動軸廻りにねじれることで、ミラー13が支持板11に対して揺動する。
【0012】
例えば、支持板11、トーションバー12及びミラー13は、半導体材料で形成されている。支持板11、トーションバー12及びミラー13からなる本体部10は、例えば半導体ウェハを加工することで一体的に形成することができる。
【0013】
ミラー13は、平板状の部材であり、所定の光に対して反射性を有する光反射面13Sを有する。光反射面13Sは、例えば、ミラー13を形成する板状の材料の表面に金属を蒸着することで形成されてもよい。ミラー13の光反射面13Sと反対側の面の中央部には、永久磁石14が配置されている。以下の説明では、ミラー13の光反射面13Sを第1の面、光反射面13Sとは反対側の面を第2の面とも称する。
【0014】
本実施例のミラースキャナ100では、ヨーク20及び駆動回路30により発生した磁界が永久磁石14に作用することにより、ミラー13が基準位置を中心として揺動する。例えば、ミラー13は、光反射面13Sが支持板11の板面と平行になる位置を基準位置として揺動する。すなわち、ミラー13は、基準位置を0度位置として、揺動軸廻りに正方向及び負方向の回動方向に回動する。
【0015】
ミラー13の揺動に応じて、基準位置から見た光反射面13Sの角度(すなわち、振り角)が変化する。具体的には、トーションバー12が揺動軸AX廻りにねじれるように永久磁石14に磁界が印加されると、ミラー13は、支持板11に支持されつつ揺動軸AX廻りに揺動する。そして、図示せぬ光源から出射された光がミラー13の光反射面13Sによって反射され、ミラー13の揺動によって反射方向が変化することにより、光走査が行われる。なお、本実施例では揺動軸が1つであるため走査方向は一次元的に変化するが、例えば線状に並んだ複数の光源(例えば、マルチエミッタ)からの出射光をミラー13で反射させることにより、2次元的な走査を行うことが可能である。
【0016】
ヨーク20は、軟磁性体材料から構成されている。ヨーク20は、互いに略平行に同じ方向に沿って伸長する一対のコア部であるコア部21A及び21Bと、コア部21A及び21Bを連結する連結部22と、を含む。すなわち、本実施例において、ヨーク20はC字型(U字型)の形状を有する。
【0017】
第1コイル部23Aは、ヨーク20のコア部21Aに巻き付けられた鋼線によって形成されている。また、第2コイル部23Bは、コア部21Bに巻き付けられた鋼線によって形成されている。なお、本実施例においては、第1コイル部23A及び第2コイル部23Bは、一本の共通の鋼線を用いて構成されている。すなわち、第1コイル部23Aと第2コイル部23Bに同時に電流が流れるように構成されている。なお、第1コイル部23Aと第2コイル部23Bとがそれぞれ別個の鋼線を用いて構成され、それぞれに流れる電流が個別に制御可能であってもよい。
【0018】
また、ヨーク20は、一対の磁界発生端部である磁界発生端24A及び24Bを有する。磁界発生端24Aは、コア部21Aの連結部23との接続部分とは反対側の端部付近に設けられ、コア部21Aの伸長方向に対して垂直な方向に突出する凸形状を有する。同様に、磁界発生端24Bは、コア部21Bの連結部23との接続部分とは反対側の端部付近に設けられ、コア部21Bの伸長方向に対して垂直な方向に突出する凸形状を有する。
【0019】
換言すれば、磁界発生端24A及び24Bは、コア部21A及び21Bの伸長方向に沿った直線の各々を含む平面(すなわち、コア部21A、コア部21B及び連結部22の表面によって構成される1の平面)から垂直な方向に突出した形状を有する。例えば、磁界発生端24A及び24Bは、図1に示すように、例えば三角柱の形状に加工された金属材料がコア部21A及びコア部21Bの各々の端部付近に付加されることにより形成されている。
【0020】
駆動回路30は、第1コイル部23A及び第2コイル部23Bに駆動電流を印加する回路である。例えば、駆動回路30は、ミラー13を共振駆動するための交流電流を駆動電流として第1コイル部23A及び第2コイル部23Bに印加する。これにより、ヨーク20が電磁石として機能し、磁界発生端24A及び磁界発生端24Bから交流磁界が発生する。
【0021】
本実施例のミラースキャナ100では、ミラー13の第2の面(すなわち、光反射面13Sとは反対側の面)側において、ヨーク20のコア部21A及び21Bが支持板11の板面及び基準位置におけるミラー13の第2の面に沿って伸長するように配置される。例えば、ヨーク20は、コア部21A及び21Bの伸長方向が支持板11の板面及び基準位置におけるミラー13の第2の面と略平行になるように配置される。また、ヨーク20は、ミラー13の第2の面側において、磁界発生端24A及び24Bが永久磁石14と対向する位置となるように配置される。
【0022】
図2Aは、本体部10とヨーク20との配置関係を示す図である。なお、ここでは駆動回路30の図示を省略している。
【0023】
なお、ヨーク20は、図2Bに示すような治具25によって基台26上に固定され、図2Aに示す位置に配置される。治具25は、ヨーク20の連結部22をコア部21A及び21Bの伸長方向に垂直な方向(すなわち、支持板11の板面に垂直な方向)に挟持することにより、ヨーク20を基台26上に固定する。治具25は、例えばアルミニウム等の熱伝導率が高く且つ非磁性体の材料から構成されている。治具25は、ヨーク20を固定する機能の他、ミラースキャナ100の駆動によりヨーク20に生じた熱を熱伝導により放熱する機能も有する。
【0024】
図2Aに示すように、本実施例のミラースキャナ100では、本体部10の主たる面(すなわち、支持板11の板面及び基準位置におけるミラー13の第2の面)に沿ってヨーク20が伸長するように(すなわち、コア部21A及び21Bが基準位置におけるミラー13の第2の面に沿って伸長するように)ヨーク20が配置される。このため、本体部10の主たる面に垂直な方向におけるミラースキャナ100の幅が小さい。換言すると、本実施例のミラースキャナ100は、ヨーク20の載置面を基準とした高さ方向の長さが小さい。
【0025】
図3は、本実施例のミラースキャナ100とはヨークの形状及び配置が異なる比較例のミラースキャナ200の構成を示す図である。比較例のミラースキャナ200は、本体部10、ヨーク40及び駆動回路30から構成されている。
【0026】
ヨーク40は、コア部41と、コア部41の両端から互いに平行に伸長する伸長部42A及び42Bと、からなるC字型の形状を有する。コア部41には、コイル43が巻き付けられている。
【0027】
また、ヨーク40は、伸長部42A及び42Bのコア部41との接続部分とは反対側の端部から連続して伸長する磁界発生端44A及び44Bを有する。磁界発生端44A及び44Bは、本実施例のミラースキャナ100の磁界発生端24A及び24B(図1を参照)とは異なり、伸長部42A及び42Bの伸長方向に沿った直線の各々を含む平面に垂直な方向には突出しておらず、当該平面内においてC字型の先端をなす方向に突出している。
【0028】
ヨーク40は、ミラー13の第2の面側において磁界発生端44A及び44Bが永久磁石14と対向するように配置される。そのため、例えば比較例のミラースキャナ200を水平に載置する場合、ヨーク40はコア部41を底面として、伸長部42A及び42Bの伸長方向が垂直方向(すなわち、高さ方向)となるように配置される。
【0029】
図4は、比較例のミラースキャナ200における本体部10とヨーク40との配置関係を示す図である。なお、ここでは駆動回路30の図示を省略している。
【0030】
比較例のミラースキャナ200では、ヨーク20は、支持板11の板面及び基準位置におけるミラー13の第2の面と伸長部42A及び42Bとが垂直になるように配置される。また、磁界発生端44A及び44Bは、それぞれ伸長部42A及び42Bの端部から連続して伸長している。このため、支持板11の板面に垂直な方向におけるミラースキャナ100の幅(すなわち、ヨーク20の本体部10に対向する面とは反対側の面を底面とした場合の、本体部10及びヨーク20を合算した高さ)が大きい。
【0031】
これに対し、本実施例のミラースキャナ100では、磁界発生端24A及び24Bは、コア部21A及び21Bの伸長方向に沿った直線の各々を含む平面から突出した形状を有する。このため、図2Aに示すように、ヨーク20が本体部10の主たる面に沿って伸長するように(例えば、コア部21A及び21Bの伸長方向が本体部10の主たる面と略平行になるように)ヨーク20を配置することが可能である。
【0032】
従って、本実施例のミラースキャナ100では、比較例のミラースキャナ200と比べて、本体部10の主たる面に垂直な方向におけるミラースキャナ100の幅(すなわち、ヨーク20の載置面を基準とした高さ方向の長さ)を短くすることができる。これにより、ミラースキャナ100全体としての装置規模を小さく抑えることが可能となる。
【0033】
また、比較例のミラースキャナ200では、コイル43が永久磁石14の直下に位置することになる。このため、永久磁石14の動作がコイル43の影響を直接受けないようにするため、磁界発生端44A及び44Bをある程度以上の高さにして永久磁石14とコイル43との距離を離す必要がある。これに対し、本実施例のミラースキャナ100では、第1コイル部23A及び第2コイル部23Bが永久磁石14の直下からはずれた位置に配置されるため、磁界発生端24A及び24Bの高さを低く抑えることが可能となる。
【0034】
また、本実施例のミラースキャナ100では、一対のコア部であるコア部21A及び21Bにコイルが巻き付けられる。そして、コア部21A及び21Bは、支持板11の板面及び基準位置におけるミラー13の第2の面に沿って伸長する(例えば、略平行となる)ように配置される。かかる構成によれば、コア部21A及びコア部21Bの長さがミラースキャナ100の高さに影響しないため、ミラースキャナ100の高さを増大させることなく、コイルを巻く部分であるコア部21A、21Bの長さを延長してコイルの巻き数を多くすることが可能となる。
【0035】
また、本実施例のミラースキャナ100は、比較例のミラースキャナ200と比べて高さが低いにも関わらず、コア部に巻き付けられるコイルの巻き数を多くすることが可能である。例えば、ミラースキャナ100及びミラースキャナ200の幅が同じ、すなわちコア部41とコア部21A、21Bの各々との長さが同じである場合、コア部に巻くことができるコイル線は約2倍となる。すなわち、高さを抑えつつかつ幅方向の大きさ(すなわち、コア部21A及び21Bの伸長方向の長さ)を変えることなくコイルの巻き数を増大させ、より小さい駆動電流でミラー13を揺動させることができる。
【0036】
図5は、駆動回路30が印加する駆動電流と、ミラー13の揺動における振角(すなわち、基準位置を中心とした揺動角の最大値)との関係を示すグラフである。横軸は駆動電流の電流値(mA)の実効値、縦軸はミラーの振角を示している。なお、ここでは本実施例のミラースキャナ100を実線、比較例のミラースキャナ200を破線で示している。
【0037】
本実施例のミラースキャナ100では、比較例のミラースキャナ200と比べて半分以下の電流値の駆動電流で同じ振れ角を得ることができる。例えば、比較例のミラースキャナ200では、75°の振角を得るために実効値100mA以上の駆動電流を必要とするが、本実施例のミラースキャナ100によれば実効値50mA未満の駆動電流で75°の振角が得られる。
【0038】
このように、本実施例のミラースキャナ100では、比較例と比べて少ない電力で同等の力を得ることができる。従って、本実施例のミラースキャナ100によれば、消費電力を低減しつつ従来と同等の光走査を行うことが可能となる。
【0039】
なお、比較例のミラースキャナ200でコイルの巻き数を増やしたい場合、図3に示す伸長部42A及び42Bにコイルを巻き付けることが考えられる。しかし、伸長部42A及び42Bは、支持板11の板面及びミラー13の第2の面に垂直な方向に伸長しており、コイルの巻き数に応じた長さが必要であるため、支持板11の板面に垂直な方向の長さ(すなわち、ミラースキャナ200の高さ)が大きくなってしまう。従って、比較例のミラースキャナ200では、ミラースキャナ200の高さを抑えつつコイルの巻き数を増やすことができない。
【0040】
以上のように、本実施例のミラースキャナ100によれば、装置全体の高さを低く抑えることが可能である。また、装置の高さを増大させることなく、コイルの巻き数を増やすことが可能である。従って、本実施例のミラースキャナ100を用いることにより、装置規模及び電力消費を抑えつつミラーを十分に駆動して光走査を行うことが可能となる。
【0041】
また、ヨークの温度が上昇するとコイルの導線の抵抗値が上昇し、消費電力が増大する。このため、消費電力の低減にはヨークの放熱が有用である。本実施例のミラースキャナ100では、図2Bに示すように、ヨーク20は、治具25によって基台26上に固定される。治具25は、例えばアルミニウム等の熱伝導率が高い材料から構成されており、連結部22全体を挟持するように固定するため、ヨーク20との接触面の面積が大きい。従って、ヨーク20の放熱を効率よく行うことができる。
【0042】
また、上記のようにミラースキャナ100の高さを低く抑えることが可能であるため、配置場所の制約が少ない。従って、例えば車載用の光走査装置として用いる場合、自動車のバンパーやダッシュボード等のスペースにミラースキャナ100を配置することが可能である。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、1つの揺動軸AX廻りにミラー13を揺動させる例について説明した。しかし、これとは異なり、2つの揺動軸廻りにミラー13を揺動させるように構成してもよい。例えば、ミラーを互いに直交する2つの揺動軸廻りに揺動可能に構成し、上記実施例のヨーク20と同様の構成を有する2つのヨークを、各々の一対のコア部が支持板の板面に沿って伸長し且つ磁界発生端が永久磁石に対向するように配置することにより、2つの揺動軸廻りにミラー13を揺動させることが可能となる。
【0044】
また、上記実施例では、一対のコア部であるコア部21A及び21Bが互いに略平行に同じ方向に沿って伸長している場合について説明した。しかし、これに限られず、コア部21A及び21Bは、各々の伸長方向が互いに180度未満の角度をなすように構成されていてもよい。また、コア部21A及び21Bの長さは互いに異なっていてもよい。
【0045】
また、上記実施例では、コア部21Aに第1コイル部23Aが巻き付けられ、コア部21Bに第2コイル部23Bが巻き付けられている場合について説明した。しかし、コア部21A及び21Bのいずれか一方にのみコイルが巻き付けられていてもよい。また、連結部22にコイルが巻き付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
100 ミラースキャナ
10 本体部
11 支持板
12 トーションバー
13 ミラー
13S 光反射面
14 永久磁石
20 ヨーク
21A コア部
21B コア部
22 連結部
23A 第1コイル部
23B 第2コイル部
24A 磁界発生端
24B 磁界発生端
30 駆動回路
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5