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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019482
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】車両の吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/12 20060101AFI20240201BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F02M35/12 N
F02M35/10 101K
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208542
(22)【出願日】2023-12-11
(62)【分割の表示】P 2021172629の分割
【原出願日】2021-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】大石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 直紀
(57)【要約】
【課題】本体ケースの蓋ケースに接続された吸気ホースにレゾネータを接続した吸気装置において、消音効果とレゾネータ支持強度が高い技術を開示する。
【解決手段】エアクリーナ6の蓋ケース7にL形の吸気ホース8が接続されており、吸気ホース8の外角部に第1レゾネータ10が接続されている。吸気ホース8のうちコーナー部よりも下流側の部位は曲がり変形し得る蛇腹部8dになっている。第1レゾネータ10は、ピン34,35でブラケットに連結されている。第1レゾネータ10には、吸気ホース8の長手方向に離れた第1継手筒29と第2継手筒30とが形成されて、これらは吸気ホース8に設けたボス部31,32に嵌まっている。第1継手筒29は吸気ホース8と連通して、第2継手筒30は吸気ホースと連通していない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上向きに開口した本体ケースに蓋ケースが上から開閉自在に装着されたエアクリーナと、前記エアクリーナの蓋ケースに接続されて平面視L形に曲がった吸気ホースと、前記吸気ホースにおける外角部の外側に配置されて前記吸気ホースに接続されたレゾネータと、を備え、
前記吸気ホースのうち前記レゾネータとの接続部よりも下流側に、前記エアクリーナにおける蓋ケースの開閉を許容するための曲がり変形許容部が形成されている一方、前記レゾネータは、前記吸気ホースとの連結部を挟んで前記吸気ホースと反対側の部位において支持部材にて支持されている構成であって、
前記レゾネータと吸気ホースとの接続部は、前記吸気ホースの長手方向に分離した第1の接続部と第2の接続部とを備えていて、これら両接続部は、前記吸気ホースに設けたボス部と前記レゾネータに設けた継手部とを嵌め合わせた構造であり、前記第1の接続部は前記吸気ホースに連通して前記第2の接続部は前記吸気ホースに連通していない、
車両の吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、車両の吸気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関にはエアクリーナがセットで使用されており、このエアクリーナは、一般に、上向きに開口した本体ケースと、この本体ケースを上から塞ぐ蓋ケース(カバー、キャップ)と、本体ケースと蓋ケースとで挟み固定されたフィルターエレメントとを備えている。蓋ケースの開閉の態様は、その一側縁を支点にして回動する方式(例えば特許文献1,2)と、全体として本体ケースから離脱する方式とがある。
【0003】
他方、吸気騒音を低減するために吸気系にレゾネータを設けることも広く行われており、特許文献3には、吸気ホースにレゾネータを接続することが開示されている。特許文献3では、レゾネータは吸気ホースに単に接続しただけの片持ち方式であり、車両の構成部材等で支持はされていない。
【0004】
そして、いずれの特許文献においても吸気ホースの一部を蛇腹部に形成しており、蛇腹部を変形させることにより、吸気ホースを接続したままで蓋ケースを開閉できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-123751号公報
【特許文献2】特開2011-7133号公報
【特許文献3】特開2009-203901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、吸気系にレゾネータを設けるに当たって、吸気系の上流部を構成する吸気ホースにレゾネータを接続することは消音機能を高める上で好適であるが、消音機能を高くするためにはレゾネータにある程度の容量が必要である。そして、レゾネータの容量が大きくなると、特許文献3のような片持ち方式では接続部に大きな負荷が作用して、接続部が破断しやすくなる問題がある。
【0007】
従って、消音機能を確実化するためにレゾネータにある程度の容量を持たせると、グロメットなどの支持手段を介して何らかの部材で支持する必要があるが、レゾネータはエアクリーナの蓋ケースと一緒に動くため、フィルターエレメントの交換に際してレゾネータを一々支持部材から取り外すのは非常に厄介である。
【0008】
また、特許文献3は、レゾネータは連通部の1箇所のみで吸気ホースに接続されているが、1箇所のみの接続であると、レゾネータの容量が大きくなると安定性が低下して取り付け強度の低下が懸念される。
【0009】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の吸気装置は、
「上向きに開口した本体ケースに蓋ケースが上から開閉自在に装着されたエアクリーナと、前記エアクリーナの蓋ケースに接続されて平面視L形に曲がった吸気ホースと、前記吸気ホースにおける外角部の外側に配置されて前記吸気ホースに接続されたレゾネータと、を備え、
前記吸気ホースのうち前記レゾネータとの接続部よりも下流側に、前記エアクリーナにおける蓋ケースの開閉を許容するための曲がり変形許容部が形成されている一方、前記レゾネータは、前記吸気ホースとの連結部を挟んで前記吸気ホースと反対側の部位において支持部材にて支持されている」
という基本構成である。
【0011】
そして、本願発明は、上記基本構成において、
「前記レゾネータと吸気ホースとの接続部は、前記吸気ホースの長手方向(すなわち、吸気ホースの延び方向)に分離した第1の接続部と第2の接続部とを備えていて、これら両接続部は、前記吸気ホースに設けたボス部と前記レゾネータに設けた継手部とを嵌め合わせた構造であり、前記第1の接続部は前記吸気ホースに連通して前記第2の接続部は前記吸気ホースに連通していない」
という特徴を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明では、吸気ホースの曲がり変形許容部が弾性変形することにより、エアクリーナの蓋ケースの開閉を許容できるが、実施形態の支持構造を採用すると、レゾネータは回動するため、フィルターエレメントの交換に際してレゾネータを支持部材から取り外す必要は無く、しかも、蓋ケースの開き動に伴ってレゾネータが回動しても、少なくとも支点部の箇所では支持部材との連結状態は保持されているため、フィルターエレメントの交換を終えて蓋ケースを閉じると、レゾネータは自動的に元の状態に戻り回動して、複数の箇所での連結状態が維持される。
【0013】
従って、実施形態では、レゾネータによる消音効果を向上させつつ、フィルターエレメントの交換を迅速かつ容易に行うことができる。
【0014】
そして、本願発明では、レゾネータは2箇所において吸気ホースに接続されているため、安定性と吸気ホースに対する取り付け強度を格段に向上できる。本願発明において、上流側の連通部を吸気ホースと連通させると、高い消音効果を得ることができて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の大まかな平面視である。
図2】(A)はエアクリーナの平面図、(B)はエアクリーナの正面図である。
図3】(A)はエアクリーナの右側面図、(B)はエアクリーナの左側面図である。
図4】(A)は吸気ホースの一部にレゾネータを接続した状態での平面図、(B)は吸気ホースの一部の平面図、(C)はレゾネータの一部破断正面図である。
図5】(A)はレゾネータの底面図、(B)はレゾネータの一部破断背面図である。
図6】作用を示す一部破断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、方向を特定するための前後・左右の文言を使用するが、この方向は、運転者から見た方向として定義している。図1に方向を明示している。正面視は、運転者と対向した方向から見た状態である。
【0017】
(1).概要
本実施形態は、ハイブリッド車用の吸気装置に適用しており、図1の平面図において、エンジンルーム1における主要要素のレイアウトを表示している。図1において符号2はエンジンを示しており、エンジン2は、クランク軸線が車幅方向に長い横置き姿勢で配置されている。エンジン2の右端部はチェーンカバー3で構成されており、上面はヘッドカバー4で構成されている。符号4aは、オイル注入口のキャップを示している。
【0018】
エンジン2の左端面にはモータを備えたパワーユニット(図示せず)が固定されており、パワーユニットの後ろに、バッテリー等を備えたパワーコントロールユニット(PCU)5が配置されている。パワーコントロールユニット5は、実線で示す位置から点線で示す位置まで配置範囲が設定されている。従って、実線で示す位置と点線で閉め位置とが重なったエリアには他の部材を配置できない状態になっている。
【0019】
本実施形態のエンジン2は、排気側面を前に向けて吸気側面を後ろに向けて配置されており、従って、吸気マニホールド(図示せず)はエンジンの後ろに配置されている。そして、エンジン2の左側方でパワーコントロールユニット5の前方にエアクリーナ6を配置し、エアクリーナ6の蓋ケース7に吸気ホース8の始端を接続している。吸気ホース8の終端は吸気ダクト9の始端に接続されており、吸気ダクト9の終端はスロットルボデー(図示せず)に接続されている。
【0020】
吸気ホース8は略L形に曲がっており、吸気ホース8の外角部に第1レゾネータ10を接続し、吸気ダクト9に第2レゾネータ11を接続している。第1レゾネータ10は請求項に記載したレゾネータに該当するものであり、触媒ケース(図示せず)の上方に配置されている。他方、第2レゾネータ11はエンジン2の後部上方に配置されて、エンジン2に設けたブラケット(図示せず)によって複数箇所が支持されている。
【0021】
エアクリーナ6は、上向きに開口した本体ケース(ダーティ室)13を有しており、これに蓋ケース7が上から被さっている。また、本体ケース13は、蓋ケース7の左側方にはみ出した部位を有しており、このはみ出し部に、大気取り込みダクト14の終端が上方から着脱自在に接続されている。大気取り込みダクト14の始端は蓋ケース7の上を通って手前右方向に延びており、前端に大気取り込み口15を設けている。
【0022】
大気取り込み口15は下向きに開口しており、ラジエータサポート(図示せず)とその上方に配置されたフロントフレーム16との間に配置している。従って、フロントフレーム16の下方にラジエータサポートが配置されて、その下方にラジエータが配置されている。図1において、車体(フロントグリル)の前面を符号17で示している。
【0023】
(2).エアクリーナ及びレゾネータ
エアクリーナ6の形態は、図2,3に表示している。図2(B)に示すように、本体ケース13は正面視で下向きに膨れた形態である一方、蓋ケース7は、正面視では四角形に近い形態で側面視では山形の形態を成している。図3(C)に明示するように、蓋ケース7の下端には横向きT形のフランジ19を形成しており、フランジ19と本体ケース13の上端縁とで、フィルターエレメント20のフレーム21を挟み固定している。
【0024】
蓋ケース7のうち前側縁と右側縁とは、蓋ケース7に設けた下向きのピン(図示せず)を本体ケース13に設けたグロメットに差し込む構造の第1連結部23(図2参照)によって本体ケース13に固定されて、蓋ケース7の後ろ側縁と左側縁とは、図3(C)に示すように、C形のクリップ24を使用した第2連結部25によって固定されている。クリップ24の下端は、本体ケース13における第2連結部を構成する補強リブに設けた支軸25aに嵌合しており、上端の顎部は、蓋ケース7におけるフランジ19の起立壁に引っ掛かり係合している。蓋ケース7の右側部に、吸気ホース8が接続される出口筒26を右側方に向けて突設している。
【0025】
3個のクリップ24を蓋ケース7のフランジ19から離脱させて蓋ケース7を持ち上げると、第1連結部23の箇所での連結も解除されて、フィルターエレメント20を交換できる。なお、蓋ケース7を取り外すに際しては、大気取り込みダクト14は本体ケース13から取り外すことになる。
【0026】
吸気ホース8の始端部は、エアクリーナ6における蓋ケース7の出口筒26に外側から嵌合する第1接続部8aに形成されて、吸気ホース8の終端部は、吸気ダクト9の始端部に外側から嵌合する第2接続部8bに形成されており、両接続部8a,8bは、ホースバンド(図示せず)によって出口筒26及び吸気ダクト9に固定されている。
【0027】
吸気ホース8は合成樹脂製であり、コーナー部8cとその上流側の部位は、基本的には弾性変形しない剛体部になっている一方、コーナー部8cと第2接続部8bとの間の部位は、曲がり変形許容部の一例としての蛇腹部8dになっている。
【0028】
図1,4,5から理解できるように、第1レゾネータ10は、左右長手でおおむね角形の箱に近い形状であり、側面視では、図5(B)に示すように、前から後ろに向けて高くなるように傾斜している。そして、第1レゾネータ10の左端に、吸気ホース8のコーナー部8cに連通した第1継手筒29と、吸気ホース8と連通しない第2継手筒30とを設け、これら継手筒29,30を、吸気ホース8に設けた中空の第1ボス部31及び第2ボス部32に挿通して、ホースバンド33(図4(A)参照)で固定している。
【0029】
第1継手筒29は手前(上流側)に位置して、第2継手筒30は後ろ(下流側)に位置している。第1レゾネータ10はブロー成型によって作られているが、第2継手筒30と吸気ホース8とを非連通状態にする手段としては、第2継手筒30を閉じた状態に成型してもよいし、プラグで塞いでもよい。
【0030】
図4,5に示すように、第1レゾネータ10は、左右に分かれた配置された第1ピン34と第2ピン35の箇所において、フロントフレーム16又は他の車体フレームに設けたブラケット36,37に支持されている。図1及び図4(A)は平面図であるのでピン34,35は隠れていて見えないが、ピン34,35の位置の把握の便宜のために、ピン34,35の配置位置を黒丸で表示している。
【0031】
ピン34,35は、第1レゾネータ10とは別部材として製造されて、第1レゾネータ10に強制嵌合や溶着等の手段で固定されている。このため、ピン34,35の上端には、第1レゾネータ10に固定(溶着)される略四角形のフランジ34a,35b(図5(A)参照)を設けて、このフランジ34a,35bが、第1レゾネータ10に形成された受け座10aの凹所に嵌合している。なお、ピン34,35を第1レゾネータ10に一体成型することは可能である。
【0032】
ブラケット36,37は請求項に記載した支持部材の一例であり、ブラケット36,37にゴム等の軟質材からなる中空のグロメット38が抜け不能に装着されて、グロメット38にピン34,35が上から差し込まれている。従って、第1レゾネータ10は、ピン34,35でずれ不能に保持された状態で、グロメット38によって緩衝された状態で支持されている。
【0033】
第1ピン34は、第1レゾネータ10のうち吸気ホース8から遠くに位置した前コーナー部の近くに位置し、第2ピン35は、吸気ホース8に近い前コーナー部の近傍に位置している。また、高さについては、第1ピン34が高くて第2ピン35が低くなるように設定している(両ピン34,35は同じ高さでもよいし、逆の高さ関係でもよい。)。
【0034】
両ピン34,35は、下向きに開口した筒状で下端部には拡径した膨大部39を形成している。また、図5(B)に示すように、下端面は斜めにカットされている。そして、第1ピン34は第2ピン35よりも大径に設定されて、第1ピン34の全長は第2ピン35の全長よりも長くなっている。具体的には、第1ピン34の外形は9mm、第2ピン35の外形は8.5mm程度に設定している。長さについては、第1ピン34の全長は24mm弱、第2ピン35の全長は19mm強に設定している。もとより、これらの寸法は一例であり、寸法は第1レゾネータ10の大きさ等に応じて任意に設定できる。
【0035】
(3).まとめ
吸気ダクト9は剛体構造であり、また、吸気ホース8の上流側部位も剛体構造であるので、フィルターエレメント20の交換に際しては、蛇腹部8dを曲がり変形させることにより、エアクリーナ6の蓋ケース7を本体ケース13から取り外して持ち上げることができる。
【0036】
そして、第1レゾネータ10は吸気ホース8の剛体部に接続されているので、蓋ケース7を持ち上げると、第1レゾネータ10も吸気ホース8と一緒に持ち上げられる作用を受けるが、蛇腹部8dは第2接続部8bを支点にして上向きに曲がり変形するため、第1レゾネータ10は、第1ピン34を支点にして回動する。すなわち、図1及び図4に示すように、第1レゾネータ10は、当該第1レゾネータ10の第1ピン34と吸気ホース8の第2接続部8bとを結ぶ回動中心線40を支点にして起こし回動させられる。
【0037】
従って、図6に示すように、第1ピン34には持ち上げ力は殆ど作用せずにグロメット38に嵌入した状態で姿勢が変化するだけである一方、第2ピン35は第1レゾネータ10の起こし回動によってグロメット38から抜け出る。すなわち、第2ピン35がグロメット38から離脱することにより、第1レゾネータ10の起こし回動と蓋ケース7の持ち上げとが許容されている。
【0038】
フィルターエレメント20を交換してから蓋ケース7を閉じると、第1レゾネータ10も回動軸心線40を支点にして倒れ回動するが、第1ピン34はグロメット38に嵌合していて第1レゾネータ10の回動支点が正確に規定されているため、第2ピン35は芯ずれすることなくグロメット38に正確に嵌入する。このように、消音効果が高い第1レゾネータ10を設けつつ、第1レゾネータ10が存在しないのと同様の状態でフィルターエレメント20を交換できる。従って、フィルターエレメント20の交換の容易性を損なうことなく、消音性能を格段に向上できる。
【0039】
また、蓋ケース7は第1レゾネータ10の剛体部を介して第1レゾネータ10と一体に繋がっているが、第1レゾネータ10の第1ピン34がグロメット38に嵌合した状態が保持されていることにより、蓋ケース7も回動軸心線40を支点にして正確に回動するため、蓋ケース7を戻し回動させるに際して、横ずれすることなく本体ケース13に正確に嵌合できる。従って、分離方式の蓋ケース7でありながら、閉蓋時の蓋ケース7の位置決めを正確に行える利点もある。
【0040】
実施形態のように、第2ピン35を第1ピン34よりも小径でかつ短くすると、グロメット38に対する第2ピン35の嵌脱性能を向上できるため、第1レゾネータ10のスムースな回動を助長できて好適である。
【0041】
更に、第2ピン35がグロメット38に嵌入した状態を保持しつつ、第1レゾネータ10を所定の姿勢まで起こし回動させることも可能ではあるが、この場合は、第2ピン35は相当に長くて小径にせねばならず、すると、倒し回動させた状態においてグロメット38で第2ピン35を保持する構造が複雑化するおそれがあるが、実施形態のように、第2ピン35を短くかつ小径に設定してグロメット38に嵌脱させる方式を採用すると、蓋ケース7を閉じた状態で第2ピン35をグロメット38でしっかりと抱持できるため、支持強度及び姿勢安定性に優れている。
【0042】
また、第1レゾネータ10は2つの継手筒29,30で吸気ホース8に接続されているため、支持安定性が格段に向上する。更に、蓋ケース7の開閉に際して第2ピン35がグロメット38に嵌脱すると、第1レゾネータ10にはねじり力が作用するが、本実施形態のように第1レゾネータ10を2か所で吸気ホース8に接続すると、第1レゾネータ10は捩じり力が作用しても姿勢は変化しないため、グロメット38に対する第2ピン35の嵌脱を正確に行うことができる。
【0043】
また、吸気ホース8と連通した第1継手筒29を上流側に配置すると、高い消音効果を得ることができて好適であった。
【0044】
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、レゾネータは角形には限らず、球状やラグビーボール状等の様々な形態を採用できる。また、エアクリーナの蓋ケースは、その一側部を支点にして回動させる方式であってもよい。曲がり変形許容部は、蛇腹部でなく薄肉化した構造でもよい。また、吸気ホースのうち曲がり変形許容部を別部材で構成することも可能である。
【0045】
また、レゾネータの連結部を3箇所以上設けることも可能である。例えば、第1ピンが1か所で第2ピンが2箇所の3点支持構造や、第1ピンが2か所で第1ピンが1箇所の3点支持構造などを採用可能である。実施形態では、吸気ホースの終端が接続された吸気ダクトがスロットルボデーに接続されているが、吸気ダクトは過給機に接続されていてもよい。蛇腹部のような曲がり変形許容部と吸気ダクトとを一体に形成することも可能である。
【0046】
レゾネータと支持部材との連結構造としては、支持部材にピン状等の係合突起を突設する一方、レゾネータに係合穴(係合凹所)を形成するといったことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願発明は、車両用の吸気装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 エンジンルーム
2 エンジン
4 ヘッドカバー
5 パワーコントロールユニット
6 エアクリーナ
7 蓋ケース
8 吸気ホース
9 吸気ダクト
10 第1レゾネータ(請求項のレゾネータ)
13 本体ケース
14 大気取り込みダクト
16 フロントフレーム
23 グロメット方式の第1連結部
25 クリップ方式の第2連結部
29,30 継手筒
31,32 ボス部
34 第1ピン
35 第2ピン
36,37 支持部材の一例としてのブラケット
38 グロメット
40 回動中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6