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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019526
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】脳癌の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4725 20060101AFI20240202BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240202BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61K31/4725
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K39/395 N
A61K31/337
A61K31/7068
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209972
(22)【出願日】2023-12-13
(62)【分割の表示】P 2022177278の分割
【原出願日】2013-03-25
(31)【優先権主張番号】61/615,082
(32)【優先日】2012-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506125971
【氏名又は名称】アレイ・バイオファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】パトリース エー. リー
(72)【発明者】
【氏名】シャノン エル. ウィンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン コッホ
(57)【要約】
【課題】脳癌の治療のための化合物を提供すること。
【解決手段】脳癌の治療のための化合物が、本明細書に提供される。脳癌の治療のためのこれらの化合物を含む薬学的組成物もまた、本明細書に提供される。本発明の一態様は、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物において、脳癌を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明の分野
脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、本明細書に提供される。
【0002】
技術水準の説明
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(「ARRY-380」とも呼ばれる)は、構造:
【0003】
【化1】
【0004】
を有し、国際公開第2007/059257号(参照によりその全体が組み込まれる)に記載される選択的なErbB2(HER2)阻害剤である。N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンは、過剰増殖性疾患、具体的には、癌、より具体的には、転移性乳癌、結腸直腸癌、および唾液腺癌のヒト臨床試験において試験されてきた(Koch,Kevin.“ARRY-380:A Selective,Oral HER2 Inhibitor for the Treatment of Solid Tumors.”American Association of Cancer Research 102nd Annual Meeting,April 3,2011を参照のこと。また、http://www.arraybiopharma.com/_documents/Publication/PubAttachment462.pdfにおいて見出すこともできる)。
【0005】
ErbB2の増幅または過剰発現は、ある特定の癌の、例えば、乳癌、卵巣癌、胃癌、子宮癌、結腸直腸癌、および非小細胞肺癌等の発症および進行に影響を及ぼすことが示されている。
【0006】
乳癌患者において、脳転移は、ErbB2+乳癌患者における主な死因であり、満たされていない重大な医療ニーズである。ErbB2+乳癌に罹患している患者は、トラスツズマブ療法の後に、脳転移の発症率の著しい増加を有する。全身性疾患に対するより良好な治療により、女性が長生きするため、脳転移の発症率が増加する。
【0007】
したがって、依然として、脳癌の治療の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/059257号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Koch,Kevin.“ARRY-380:A Selective,Oral HER2 Inhibitor for the Treatment of Solid Tumors.”American Association of Cancer Research 102nd Annual Meeting,April 3,2011
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを提供する。
【0011】
別の態様は、哺乳動物において、脳癌を治療する方法を提供し、本方法は、該哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む。
【0012】
別の態様は、脳癌に罹患している患者において、脳癌を治療する方法を提供し、本方法は、該患者に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む。
【0013】
別の態様は、脳癌を治療または予防する方法を、かかる治療を必要とする哺乳動物において、提供し、本方法は、該哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む。
【0014】
別の態様は、脳癌の治療のための薬剤の製造におけるN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジ
ン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの使用を提供する。
【0015】
別の態様は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物を含む。
【0016】
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための化合物N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンであって、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、またはドセタキセルと組み合わせて、1日2回、600mgで錠剤として投与される、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン。
(項目2)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための化合物(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールであって、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、またはドセタキセルと組み合わせて、1日当たり0.1~2000mgで錠剤として投与される、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目3)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目4)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、経口剤形として投与される、項目3に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-
3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目5)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが錠剤中にある、項目3または4に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目6)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、別の治療剤と組み合わせられる、項目3~5のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目7)
前記治療剤が、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される、項目6に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目8)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、脳癌のための以前の治療後に使用される、項目3~7のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転
移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目9)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される、項目8に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目10)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される、項目9に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目11)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、乳癌のための以前の治療後に使用される、項目3~7のいずれか一項に記載されるErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目12)
乳癌のための前記以前の治療が、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される、項目11に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフ
ェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目13)
乳癌のための前記以前の治療が、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、メトトレキサート、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、アドトラスツズマブエムタンシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エベロリムス、アナストロゾール、エキセメスタン、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、エピルビシン、エキセメスタン、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、ゲムシタビン、トラスツズマブ、イキサベピロン、ラパチニブ、タモキシフェン、ペルツズマブ、およびトレミフェン、またはこれらの混合から選択される、項目11に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目14)
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが使用される、項目3~13のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目15)
脳癌の治療で使用するための前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、1日2回、約550~約650mg投与される、項目14に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目16)
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが使用される、項目3~13のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル
-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目17)
前記(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、1日当たり約25~約1800mg投与される、項目16に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目18)
哺乳動物において、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌を治療する方法であって、前記哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む、方法。
(項目19)
脳癌に罹患している患者において、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌を治療する方法であって、前記患者に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む、方法。
(項目20)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療または予防を必要とする哺乳動物において、それを行う方法であって、前記哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む、方法。
(項目21)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、経口剤形として投与される、項目18~20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾー
ル-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが錠剤中にある、項目18~21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記方法が、別の治療剤を含む、項目18~22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記治療剤が、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記方法が、脳癌のための以前の治療後に使用される、項目18~24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される、項目25に記載の方法。
(項目27)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記方法が、乳癌のための以前の治療後に使用される、項目18~24のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
乳癌のための前記以前の治療が、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される、項目28に記載の方法。
(項目30)
乳癌のための前記以前の治療が、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、メトトレキサート、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、アドトラスツズマブエムタンシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エベロリムス、アナストロゾール、エキセメスタン、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、エピルビシン、エキセメスタン、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、ゲムシタビン、トラスツズマブ、イキサベピロン、ラパチニブ、タモキシフェン、ペルツズマブ、およびトレミフェン、またはこれらの混合から選択される、項目28に記載の方法。
(項目31)
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが投与される、項目18~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
1日2回、約550~約650mgのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが投与される、項目31に記載の方法。
(項目33)
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イ
ルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが投与される、項目18~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
1日当たり約25~約1800mgの(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが投与される、項目33に記載の方法。
(項目35)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療のための薬剤の製造における、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの使用。
(項目36)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、経口剤形の形態である、項目35に記載の使用。
(項目37)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、錠剤の形態である、項目35または36に記載の使用。
(項目38)
前記使用が、別の治療剤と組み合わせられる、項目35~37のいずれか一項に記載の使用。
(項目39)
前記治療剤が、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される、項目38に記載の使用。
(項目40)
前記使用が、脳癌のための以前の治療後である、項目35~39のいずれか一項に記載の使用。
(項目41)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される、項目40に記載の使用。
(項目42)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される、項目40に記載の使用。
(項目43)
前記使用が、乳癌のための以前の治療後である、項目35~39のいずれか一項に記載の使用。
(項目44)
乳癌のための前記以前の治療が、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される、項目43に記載の使用。
(項目45)
乳癌のための前記以前の治療が、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、メトトレキサート、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、アドトラスツズマブエムタンシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エベロリムス、アナストロゾール、エキセメスタン、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、エピルビシン、エキセメスタン、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、ゲムシタビン、トラスツズマブ、イキサベピロン、ラパチニブ、タモキシフェン、ペルツズマブ、およびトレミフェン、またはこれらの混合から選択される、項目43に記載の使用。
(項目46)
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが使用される、項目35~45のいずれか一項に記載の使用。
(項目47)
1日2回、約550~約650mgのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが使用される、項目46に記載の使用。
(項目48)
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが使用される、項目35~45のいずれか一項に記載の使用。
(項目49)
1日当たり約25~約1800mgの(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが使用される、項目48に記載の使用。
(項目50)
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目51)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが経口剤形として投与される、項目50に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル
)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目52)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが錠剤中にある、項目50または51に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目53)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、別の治療剤と組み合わせられる、項目50~52のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目54)
前記治療剤が、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される、項目54に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目55)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、脳癌のための以前の治療後に使用される、項目50~54のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目56)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される、項目55に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目57)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される、項目55に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフ
ェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目58)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、乳癌のための以前の治療後に使用される、項目50~54のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目59)
乳癌のための前記以前の治療が、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される、項目58に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目60)
乳癌のための前記以前の治療が、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、メトトレキサート、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、アドトラスツズマブエムタンシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エベロリムス、アナストロゾール、エキセメスタン、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、エピルビシン、エキセメスタン、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、ゲムシタビン、トラスツズマブ、イキサベピロン、ラパチニブ、タモキシフェン、ペルツズマブ、およびトレミフェン、またはこれらの混合から選択される、項目58に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目61)
脳癌の治療で使用するための前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、1日2回、約550~約650mg投与される、項目50~60のいずれか一項に記載のErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール。
(項目62)
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、哺乳動物におけるErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌を治療する方法であって、前記哺乳動物に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、方法。
(項目63)
脳癌に罹患している患者において、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌を治療する方法であって、前記患者に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、方法。
(項目64)
ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療または予防を必要とする哺乳動物において、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、それを行う方法であって、前記哺乳動物に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、方法。
(項目65)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが経口剤形として投与される、項目62~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが錠剤中にある、項目62~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記方法が、別の治療剤を含む、項目62~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記治療剤が、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記方法が、脳癌のための以前の治療後に使用される、項目62~68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
脳癌の前記以前の治療が、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される、項目69に記載の方法。
(項目71)
脳癌のための前記以前の治療が、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される、項目69に記載の方法。
(項目72)
前記方法が、乳癌のための以前の治療後に使用される、項目62~68のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
乳癌のための前記以前の治療が、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放
射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される、項目72に記載の方法。
(項目74)
乳癌のための前記以前の治療が、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、メトトレキサート、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、アドトラスツズマブエムタンシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、エベロリムス、アナストロゾール、エキセメスタン、カペシタビン、シクロホスファミド、ドセタキセル、エピルビシン、エキセメスタン、トレミフェン、フルベストラント、レトロゾール、ゲムシタビン、トラスツズマブ、イキサベピロン、ラパチニブ、タモキシフェン、ペルツズマブ、およびトレミフェン、またはこれらの混合から選択される、項目72に記載の方法。
(項目75)
1日2回、約550~約650mgのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが投与される、項目62~74のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】マウスにおける、頭蓋内に移植されたNCI-N87細胞の成長の結果を示す。
図2】マウスにおける、頭蓋内に移植されたNCI-N87細胞の異種移植片の成長研究の結果を示す。
図3】マウスにおける、頭蓋内に移植されたNCI-N87細胞の異種移植片の成長研究の結果を示す。
図4】マウスにおける、脳内薬物動態学的研究の血漿の結果を示す。
図5】マウスにおける、脳内薬物動態学的研究の脳内の結果を示す。
図6】マウスにおける、頭蓋内に移植されたBT474細胞の異種移植片の成長研究の結果を示す。
図7】マウスにおける、皮下に移植されたNCI-N87細胞の異種移植片の成長研究の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、参照がある特定の実施形態に対して詳細に行われる。列挙された実施形態が記載されるが、それらは、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないことが理解されよう。反対に、本発明は、すべての代替物、変更物、および同等物を網羅することが意図され、これらは特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る。当業者は、本発明の実施に使用され得る、本明細書に記載されているものと類似または同等の多くの方法および物質を認識するであろう。定義された用語、用語の用法、説明される技術等が含まれるが、これらに限定されない、組み込まれる文献および類似の資料のうちの1つ以上が、本出願と異なる、または矛盾する場合、本出願が優先される。
【0019】
定義
「約」という用語は、およそ、あたり、ほぼ、またはぐらいを意味するために本明細書に使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用される場合、記載された数値の境界を上回って、および下回って延長させることによって、範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更するために本明細書に使用される。
【0020】
「非晶質」という用語は、非結晶状態である固体状態の固体を意味する。非晶質固体は、一般に、結晶様の短距離の分子配列を有するが、結晶質固体物に見られるような長距離
秩序の分子パッキングはない。固体の固体形態は、偏光顕微鏡法、粉末x線回折法、示差走査熱量測定法、または当業者に知られている他の標準技術によって測定され得る。
【0021】
「非晶質固体分散体」という語句は、薬物物質および分散ポリマーを含む固体を意味する。本明細書に論じられる非晶質固体分散体は、薬物物質の構成成分および分散ポリマーとして、非晶質N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを含み、この非晶質固体分散体は、実質的に非晶質の固体形態で薬物物質の構成成分を含有する。ある特定の実施形態において、実質的に非晶質の固体形態は、少なくとも80%の非晶質の薬物物質の構成成分を意味する。ある特定の実施形態において、実質的に非晶質の固体形態は、少なくとも85%の薬物物質の構成成分を意味する。ある特定の実施形態において、実質的に非晶質の固体形態は、少なくとも90%の非晶質の薬物物質の構成成分を意味する。ある特定の実施形態において、実質的に非晶質の固体形態は、少なくとも95%の非晶質の薬物物質の構成成分を意味する。
【0022】
「分散ポリマー」という語句は、固体分散体が形成され得るように、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが全体にわたって分散することができるポリマーを意味する。分散ポリマーは、好ましくは、中性または塩基性である。分散ポリマーは、2つ以上のポリマーの混合物を含有し得る。分散ポリマーの例としては、ビニルポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリジンビニルアセテートコポリマー(「PVP-VA」)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリジン(「PVP」)、アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)等)、ポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロキサマーとも称される)、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタム、およびポリ酢酸ビニルから構成されるグラフトコポリマー(Soluplus(登録商標)等)、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(「HPMCA」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、およびヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(「HPMCAS」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(「HPMCP」)、カルボキシメチルエチルセルロース(「CMEC」)、セルロースアセテートフタレート(「CAP」)、セルロースアセテートサクシネート(「CAS」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(「HPMCAP」)、セルロースアセテートトリメリテート(「CAT」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(「HPMCAT」)、およびカルボキシメチルセルロースアセテートブチラート(「CMCAB」)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
「薬物物質の構成成分」という用語は、固体分散体のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジ
アミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの構成成分を意味する。
【0024】
「哺乳動物」という用語は、本明細書に記載される疾患を有する、または疾患を発症する危険性のある温血動物を意味し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
「薬学的に許容される」という語句は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分および/またはそれを用いて治療されるべき哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合することを示す。
【0026】
「固体分散体」という語句は、少なくとも2つの構成成分を含む固体状態にある系を意味し、1つの構成成分が、他の構成成分の全体にわたって分散される。本明細書に論じられる固体分散体は、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの1つの構成成分、別の構成成分、特に、分散ポリマーの全体にわたって分散される、薬物物質の構成成分を含む。
【0027】
「噴霧乾燥」という語句は、液体混合物を散らばらせて小さな液滴とすること(噴霧化)と、液滴からの溶媒の蒸発用の強力な駆動力があるスプレー乾燥器中で溶媒を混合物から急速に除去することと、を含むプロセスを意味する。噴霧乾燥という語句は、通常かつ広範に使用される。噴霧乾燥プロセスおよび噴霧乾燥装置は、一般に、Perry,Robert H.,and Don W.Green(eds.).Perry’s Chemical Engineers’ Handbook.New York:McGraw-Hill,2007(8th edition)に記載されている。
【0028】
「治療上有効量」または「有効量」という語句は、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与されるとき、本明細書に記載される(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状を軽減、改善、もしくは排除する、または(iii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状の発症を予防もしくは遅延するのに十分な、本明細書に記載される化合物の量を意味する。そのような量に対応するであろう化合物の量は、特定の化合物、疾患の状態およびその重篤度、治療を必要とする哺乳動物の個性(例えば、体重)等の要因によって異なるが、いずれにしても当業者によって日常的に決定することができる。
【0029】
「治療する」または「治療」という用語は、治療、予防、一時緩和、または予防的な手段を指す。有益または所望の臨床結果としては、検出可能であるかまたは検出不能であるかに関わらず、症状の緩和、疾患の程度の減退、疾患の安定化された(すなわち、悪化していない)状態、疾患の進行の遅延または緩徐、疾患の状態の改善または一時緩和、および寛解(部分的または全体的)が挙げられるが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けない場合の予測生存率と比較して延長された生存率を意味することもできる。治療を必要とする者には、既に状態もしくは障害を有している者、ならびに状態もしくは障害を有する傾向がある者、または状態もしくは障害が予防されるべき者が含まれる。
【0030】
脳癌の治療
脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、本明細書に提供される。
【0031】
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール(「AR00440993」とも称される)は、構造:
【0032】
【化2】
【0033】
を有し、ARRY-380の活性代謝産物であることが見出されている。(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールは、ARRY-380またはラパチニブのいずれかよりも高い脳透過性を有する(実施例1を参照のこと)。この活性代謝産物は、ARRY-380の経口投与後、脳内の薬物の持続レベルを維持するのに役立ち、これは活性亢進に貢献し得る。
【0034】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが提供される。
【0035】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが提供される。
【0036】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物が提供される。
【0037】
ある特定の実施形態において、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、脳癌の治療で使用するための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリ
ン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが提供される。
【0038】
脳癌には、退形成性星状細胞腫、退形成性混合型神経膠腫、退形成性乏突起星細胞腫、退形成性乏突起膠腫、胚細胞腫、多形性膠芽腫、神経膠肉腫、低悪性度星状細胞腫、低悪性度混合型乏突起星細胞腫、低悪性度乏突起膠腫、中枢神経系リンパ腫、髄芽腫、髄膜腫、毛様細胞性星状細胞腫、聴神経腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、視神経膠腫、上衣下腫、転移性脳腫瘍(metastaic brain tumor)、下垂体部腫瘍、原始神経外胚葉性、および神経鞘腫が含まれる。
【0039】
ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2駆動型である局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2によって駆動される局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2の過剰発現および増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2の過剰発現によって引き起こされる局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2の増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2陽性である局所的または転移性脳癌である。
【0040】
脳癌には、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経鞘腫瘍が含まれる。また、脳癌には、退形成性星状細胞腫、退形成性混合型神経膠腫、退形成性乏突起星細胞腫、退形成性乏突起膠腫、胚細胞腫、多形性膠芽腫、神経膠肉腫、低悪性度星状細胞腫、低悪性度混合型乏突起星細胞腫、低悪性度乏突起膠腫、中枢神経系リンパ腫、髄芽腫、髄膜腫(特に、WHOグレードIIおよびIII)、および毛様細胞性星状細胞腫も含まれる。また、脳癌には、聴神経腫、毛様細胞性星状細胞腫(WHOグレードI)、低悪性度星状細胞腫(WHOグレードII)、退形成性星状細胞腫(WHOグレードIII)、多形性膠芽腫(WHOグレードIV)、脊索腫、中枢神経系リンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合型神経膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起膠腫、下垂体部腫瘍、原始神経外胚葉性、および神経鞘腫も含まれる。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2陽性である。ある特定の実施形態において、脳癌は、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる。
【0041】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが、1日当たり約0.1~約2000mg投与される。総用量は、一度にすべて投与する必要はない。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約25~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約100~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1100~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1100~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1200~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200mgからである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200mgである。
【0042】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンは、1日2回、約400~約800mg投与される。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約400~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約550~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、550~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600mgである。
【0043】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールが、1日当たり約0.1~約2000mg投与される。総用量は、一度にすべて投与する必要はない。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約25~約1800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約25~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約100~約1800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約100~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1100~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1100~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1200~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1200mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200mgである。
【0044】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のための(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールは、1日2回、約100~約1000mg投与される。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約750mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約200~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約400~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約400~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約550~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、550~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600mgである。
【0045】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよび(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの混合物は、1日当たり約0.1~約2000mg投与される。総用量は、一度にすべて投与する必要はない。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約25~約1800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約25~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約100~約1800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約100~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約800~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり800~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1100~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1100~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1200~約1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200~1300mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり約1200mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日当たり1200mgである。
【0046】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよび(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの混合物は、1日2回、約100~約1000mg投与される。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約750mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約100~約600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約200~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約400~約800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~800mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約400~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、400~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約550~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、550~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600~約650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600~650mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、約600mgである。ある特定の実施形態において、投与は、1日2回、600mgである。
【0047】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、経口剤形として投与される。
【0048】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、固体分散体の剤形で提供される。ある特定の実施形態において、脳癌の治療のためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、固体分散体の経口剤形で提供される。
【0049】
固体分散体は、一般に、薬物物質および分散ポリマーを好適な溶媒中に溶解して、供給溶液を形成することによって調製され、次いで、この供給溶液を噴霧乾燥させて、固体分散体を形成する(および溶媒を除去する)ことができる。噴霧乾燥は、公知のプロセスである。噴霧乾燥は、一般に、薬物物質の構成成分および分散ポリマーを好適な溶媒中に溶解して、供給溶液を調製することによって行われる。供給溶液は、噴霧器を通って乾燥チャンバに送り出すことができる。供給溶液は、二流体超音波ノズル、圧力ノズル、回転ノズル、および二流体非超音波ノズル等の当技術分野で既知の従来の手段によって噴霧することができる。次いで、溶媒を乾燥チャンバ中で除去して、固体分散体を形成する。典型的な乾燥チャンバは、強制空気、窒素、窒素濃縮空気、またはアルゴン等の熱ガスを使用して粒子を乾燥させる。乾燥チャンバのサイズを調節して、粒子特性またはスループットを達成してもよい。
【0050】
固体分散体は、好ましくは、従来の噴霧乾燥技術によって調製されるが、溶融押出、フリーズドライ、回転蒸発、ドラム乾燥、または他の溶媒除去プロセス等の当技術分野で既知の他の技術を使用してもよい。
【0051】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、HPMCAS、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、HPMCAS、およびHPMCから選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、HPMCASグレードM、HPMC、およびこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、HPMCASグレードM、およびHPMCから選択される。
【0052】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCAS、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCASから選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、およびHPMCASグレードM、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態に
おいて、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、およびHPMCASグレードMから選択される。
【0053】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCから選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、CAP、およびHPMCから選択される。
【0054】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、およびCAP、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、およびCAPから選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、およびCAP、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H-55、およびCAPから選択される。
【0055】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VAである。
【0056】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマーである。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、Eudragit(登録商標)である。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、Eudragit(登録商標)L100である。
【0057】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、HPMCPである。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、HPMCP H-55である。
【0058】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、CAPである。
【0059】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、HPMCASである。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、HPMCASグレードMである。
【0060】
ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、好ましくは、中性または塩基性である。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP-VAおよびHPMCから選択される。ある特定の実施形態において、分散ポリマーは、HPMCである。
【0061】
好適な溶媒は、薬物物質の構成成分および分散ポリマーが両方とも、適切な溶解度(1mg/mL超の溶解度)を有する溶媒または溶媒の混合液である。固体分散体の各構成成分(すなわち、薬物物質の構成成分および分散ポリマー)が所望の溶解度を得るために異なる溶媒を必要とする場合、溶媒の混合液が、使用され得る。この溶媒は、150℃以下の沸点を有する揮発性物質であり得る。加えて、この溶媒は、比較的低い毒性を有さなければならず、薬物規制調和国際会議(「ICH」)のガイドラインにおいて許容されるレベルまで分散体から除去しなければならない。このレベルまでの溶媒の除去は、トレイ乾燥等のその後の処理ステップを必要とし得る。好適な溶媒の例としては、アルコール、例えばメタノール(「MeOH」)、エタノール(「EtOH」)、n-プロパノール、イ
ソプロパノール(「IPA」)、およびブタノール、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン(「MEK」)、およびメチルイソブチルケトン、エステル、例えば酢酸エチル(「EA」)および酢酸プロピル、ならびに様々な他の溶媒、例えばテトラヒドロフラン(「THF」)、アセトニトリル(「ACN」)、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1-トリクロロエタンが挙げられるが、これらに限定されない。ジメチルアセテートまたはジメチルスルホキシド(「DMSO」)等の低揮発性溶媒が使用され得る。分散ポリマーおよび薬物物質が噴霧乾燥プロセスを実現可能にするために十分に可溶である限り、溶媒と水との混合物も使用され得る。一般に、難水溶性薬物の疎水性により、非水性溶媒が使用され得、この溶媒が約10重量%未満の水を含むことを意味する。
【0062】
ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、MeOHおよびTHF、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、MeOH:THFが約1:3の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、MeOH:THFが1:3の溶媒系である。
【0063】
ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、MeOH、THF、および水、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、MeOH、THF、および水から選択される。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が約80:10:10の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が80:10:10の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が約82:8:10の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が82:8:10の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が約82.2:8.2:9.6の溶媒系である。ある特定の実施形態において、好適な溶媒は、THF:MeOH:水が82.2:8.2:9.6の溶媒系である。
【0064】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約0.1重量%~約70重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して0.1重量%~70重量%の範囲である。
【0065】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約1重量%~約60重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して1重量%~60重量%の範囲である。
【0066】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約5重量%~約60重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して5重量%~60重量%の範囲である。
【0067】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約55重量%~約65重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して55重量%~65重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約60重量%である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して60重量%である。
【0068】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約25重量%~約35重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固
体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して25重量%~35重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約30重量%である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して30重量%である。
【0069】
ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約45重量%~約55重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して45重量%~55重量%の範囲である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して約50重量%である。ある特定の実施形態において、固体分散体中の薬物物質の構成成分の量は、分散ポリマーに対して50重量%である。
【0070】
ある特定の実施形態において、固体分散体は、非晶質固体分散体である。ある特定の実施形態において、固体分散体は、経口投与される。ある特定の実施形態において、固体分散体は、錠剤中にある。ある特定の実施形態において、非晶質固体分散体は、錠剤中にある。
【0071】
ある特定の実施形態において、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の投与は、経口投与である。ある特定の実施形態において、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の投与は、錠剤の形態で投与される。
【0072】
ある特定の実施形態において、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物による脳癌の治療は、別の治療剤と組み合わせられる。かかる治療剤は、適切には、意図する目的に対して有効である量で、組み合わせて存在する。これらの化合物は、単一の薬学的組成物で一緒に、または別々に投与されてもよく、別々に投与される場合には、同時に、または任意の順序で逐次的に行われ得る。かかる逐次的な投与は、時間的に接近していても、時間的に離れていてもよい。
【0073】
ある特定の実施形態において、治療剤は、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、およびタキサンから選択される。ある特定の実施形態において、治療剤は、トラスツズマブ、カペシタビン、ベバシズマブ、パクリタキセル、およびドセタキセルから選択される。ある特定の実施形態において、治療剤は、トラスツズマブである。ある特定の実施形態において、治療剤は、カペシタビンである。ある特定の実施形態において、治療剤は、ベバシズマブである。ある特定の実施形態において、治療剤は、パクリタキセルである。ある特定の実施形態において、治療剤は、ドセタキセルである。
【0074】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、癌のための以前の治療後に使用される。
【0075】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、脳癌のための以前の治療後に使用される。ある特定の実施形態において、脳癌のための以前の治療は、外科手術、放射線療法、および化学療法、またはこれらの混合から選択される。ある特定の実施形態において、脳癌のための以前の治療は、外科手術、従来の外部放射線療法、三次元原体放射線療法、強度変調放射線療法、定位的放射線手術、分画定位的放射線療法、陽子放射線療法、内部もしくは移植放射線療法、テモゾロマイド、ベバシズマブ、カルムスチン、ロムスチン、プロカルバジン、ビンクリスチン、腫瘍治療電場療法、エベロリムス、プロカルバジン、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、およびメトトレキサート、またはこれらの混合から選択される。
【0076】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療で使用するためのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物は、乳癌のための以前の治療後に使用される。ある特定の実施形態において、乳癌のための以前の治療は、外科手術、外科手術前のセンチネルリンパ節生検、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、および標的療法から選択される。ある特定の実施形態において、乳癌のための以前の治療は、腫瘍摘出手術、乳腺部分切除、乳腺分節切除、全乳房切除、非定型的乳房切除術、外部放射線、内部放射線、アドトラスツズマブエムタンシン、アナストロゾール、ベバシズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダーベポエチンアルファ、ダウノルビシン、デノスマブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エリブリン、エベロリムス、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルベストラント、ゲムシタビン、ゴセレリン、イキサベピロン、ラパチニブ、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、メゲストロール、メトトレキサート、ミトキサントロン、ムタマイシン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、パミドロネート、ペグフィルグラスチム、ペルツズマブ、ラロキシフェン、タモキシフェン、チオテパ、トレミフェン、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トリプトレリン、ビンクリスチン、ビノレルビン、およびゾレドロン酸、またはこれらの混合から選択される。ある特定の実施形態において、乳癌のための以前の治療は、ベバシズマブ、カペシタビン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エリブリン、エベロリムス、フルオロウラシル、ゲムシタビン、イキサベピロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ムタマイシン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化小粒子製剤、タモキシフェン、トラスツズマブ、トラスツズマブ
エムタンシン、ビンクリスチン、およびビノレルビン、またはこれらの混合物から選択される。
【0077】
別の実施形態において、哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む、哺乳動物において、脳癌を治療する方法が提供される。
【0078】
別の実施形態において、脳癌に罹患している患者に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む、かかる患者において、脳癌を治療する方法が提供される。
【0079】
別の実施形態において、脳癌の治療または予防を必要とする哺乳動物において、それを行う方法であって、本方法は、かかる哺乳動物に、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを投与することを含む。
【0080】
別の実施形態において、哺乳動物に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、かかる哺乳動物において、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、脳癌を治療する方法が提供される。
【0081】
別の実施形態において、脳癌に罹患している患者に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、かかる患者において、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、脳癌を治療する方法が提供される。
【0082】
別の実施形態において、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールを用いて、ErbB2の過剰発現または増幅によって引き起こされる局所的または転移性脳癌の治療または予防を必要とする哺乳動物において、それを行う方法であって、かかる哺乳動物に、有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7
-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを投与することを含む、方法が提供される。
【0083】
ある特定の実施形態において、有効量は、治療上有効量である。
【0084】
別の実施形態は、脳癌の治療のための薬剤の製造におけるN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンまたは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの使用を提供する。
【0085】
好適な担体および賦形剤は、当業者には公知であり、例えば、Ansel,Howard C.,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2004、Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The
Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams & Wilkins,2000、およびRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical
Press,2005において詳細に説明されている。
【0086】
薬学的組成物はまた、薬物(すなわち、本明細書に記載される化合物またはその薬学的組成物)の美しい外観を提供するため、または薬学的生成物(すなわち、薬剤)の製造を補助するために、1つ以上の更なる構成成分、例えば、緩衝液、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤、および他の既知の添加剤を含んでもよい(上記Ansel、Gennaro、およびRoweを参照のこと)。薬学的組成物の構成成分は、薬学的に許容されなければならない。
【0087】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約1~約70重量%の固体分散体、
(b)約0.1~約20重量%の崩壊剤、
(c)約0.1~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約10重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約10重量%の潤滑剤、および
(f)約0.1~約25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾー
ル-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の1~70重量%の固体分散体、
(b)0.1~20重量%の崩壊剤、
(c)0.1~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~10重量%の流動促進剤、
(e)0.1~10重量%の潤滑剤、および
(f)0.1~25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
【0088】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約25~約60重量%の固体分散体、
(b)約5~約15重量%の崩壊剤、
(c)約15~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約3重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約3重量%の潤滑剤、および
(f)約10~約25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の25~60重量%の固体分散体、
(b)5~15重量%の崩壊剤、
(c)15~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~3重量%の流動促進剤、
(e)0.1~3重量%の潤滑剤、および
(f)10~25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
【0089】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約40~約60重量%の固体分散体、
(b)約5~約15重量%の崩壊剤、
(c)約15~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約3重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約3重量%の潤滑剤、および
(f)約10~約25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の40~60重量%の固体分散体、
(b)5~15重量%の崩壊剤、
(c)15~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~3重量%の流動促進剤、
(e)0.1~3重量%の潤滑剤、および
(f)10~25重量%の結合剤/希釈剤、を含む。
【0090】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約1~約70重量%の固体分散体、
(b)約0.1~約20重量%の崩壊剤、
(c)約0.1~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約10重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約10重量%の潤滑剤、および
(f)約0.1~約25重量%の充填剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の1~70重量%の固体分散体、
(b)0.1~20重量%の崩壊剤、
(c)0.1~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~10重量%の流動促進剤、
(e)0.1~10重量%の潤滑剤、および
(f)0.1~25重量%の充填剤、を含む。
【0091】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサ
ゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約25~約60重量%の固体分散体、
(b)約1~約10重量%の崩壊剤、
(c)約15~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約3重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約3重量%の潤滑剤、および
(f)約10~約25重量%の充填剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の25~60重量%の固体分散体、
(b)1~10重量%の崩壊剤、
(c)15~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~3重量%の流動促進剤、
(e)0.1~3重量%の潤滑剤、および
(f)10~25重量%の充填剤、を含む。
【0092】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約40~約60重量%の固体分散体、
(b)約1~約10重量%の崩壊剤、
(c)約15~約25重量%のオスモゲン、
(d)約0.1~約3重量%の流動促進剤、
(e)約0.1~約3重量%の潤滑剤、および
(f)約10~約25重量%の充填剤、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の40~60重量%の固体分散体、
(b)1~10重量%の崩壊剤、
(c)15~25重量%のオスモゲン、
(d)0.1~3重量%の流動促進剤、
(e)0.1~3重量%の潤滑剤、および
(f)10~25重量%の充填剤、を含む。
【0093】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、N4-(4-([
1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンの固体分散体を含む。
【0094】
ある特定の実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの固体分散体を含む。
【0095】
ある特定の実施形態において、オスモゲンは、NaClおよびKCl、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0096】
ある特定の実施形態において、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0097】
ある特定の実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
【0098】
ある特定の実施形態において、結合剤/希釈剤は、微結晶性セルロースである。ある特定の実施形態において、結合剤/希釈剤は、結合剤および希釈剤の両方として作用する。
【0099】
ある特定の実施形態において、結合剤は、微結晶性セルロースである。
【0100】
ある特定の実施形態において、希釈剤は、微結晶性セルロースである。
【0101】
ある特定の実施形態において、充填剤は、乳糖である。
【0102】
ある特定の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンおよび重炭酸ナトリウム(NaHCO)、ならびにこれらの混合物から選択される。ある特定の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンおよび重炭酸ナトリウムから選択される。ある特定の実施形態において、崩壊剤は、重炭酸ナトリウムである。ある特定の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンである。
【0103】
ある特定の実施形態において、組成物は、重炭酸ナトリウムを含有する。N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンは、加水分解または他の手段によって、カルバメート不純物:
【0104】
【化3】
【0105】
に徐々に分解され得る。
重炭酸ナトリウムは、カルバメート不純物への分解を遅延させるのに役立つ。重炭酸ナトリウムはまた、錠剤が異なる湿度に曝露されるとき、一貫した錠剤の分解を提供するのにも役立つ。
【0106】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物、および
(b)重炭酸ナトリウムを含む。
【0107】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約1~約70重量%の固体分散体、および
(b)約0.1~約30重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の1~70重量%の固体分散体、および
(b)0.1~30重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
【0108】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約1~約70重量%の固体分散体、
(b)約0.1~約30重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の1~70重量%の固体分散体、
(b)0.1~30重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0109】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約25~約60重量%の固体分散体、および
(b)約1~約15重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の25~60重量%の固体分散体、および
(b)1~15重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
【0110】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約25~約60重量%の固体分散体、
(b)約1~約15重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の25~60重量%の固体分散体、
(b)1~15重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0111】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサ
ゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約40~約60重量%の固体分散体、および
(b)約1~約15重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の40~60重量%の固体分散体、および
(b)1~15重量%の重炭酸ナトリウム、を含む。
【0112】
ある特定の実施形態は、脳癌の治療のための薬学的組成物を提供し、本薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の約40~約60重量%の固体分散体、
(b)約1~約15重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
さらなる実施形態において、脳癌の治療のための薬学的組成物は、
(a)N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の40~60重量%の固体分散体、
(b)1~15重量%の重炭酸ナトリウム、を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0113】
薬学的組成物は、好ましくは、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物を含有する。しかしながら、いくつかの実施形態において、それぞれの個々の投与量は、組成物の複数回の投与が必要とされ得る(例えば、治療上有効量のために2つ以上の錠剤が必要とされる)ように、治療上有効量のN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンもしくは(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノール、またはこれらの混合物の一分量を含有する。したがって、本出願では、薬学的組成物が治療上有効量を含有するこ
とを述べる場合には、組成物が1回の投与量(例えば、1つの錠剤)、または複数回の投与量(例えば、2つの錠剤)であり得ることを意味する。
【実施例0114】
実施例
以下に記載される実施例では、別途明記されない限り、すべての温度は、摂氏温度で記載される。
【0115】
(実施例1)
頭蓋内に移植されたヌードマウスにおけるNCI-N87胃癌の成長
腫瘍細胞(NCI-N87胃癌細胞、NCI,Bethesda,MD)を、ヌードBALB/c雌マウス(Charles River Laboratories International,Inc.)において、脳内に頭蓋内注入を介して直接移植した。マウスは、4つの群(N=5)に分けられ、ビヒクル(生理食塩水)、1×10腫瘍細胞、2.5×10腫瘍細胞、または5×10腫瘍細胞が注入された。これらの結果を図1に示す。脳腫瘍細胞負荷は、NCI-N87モデルにおける生存の減少と関連した。
【0116】
血液脳関門(BBB)の破壊について、トレーサーとして14Cアルブミンおよび陽性対照としてマンニトールを使用する予備的研究では、頭蓋内接種の手順が、血液脳関門を機械的に破壊しなかったことが確認された。
【0117】
(実施例2)
頭蓋内に移植されたマウスにおけるNCI-N87胃癌の異種移植片成長の阻害
麻酔をかけたヌードBALB/c雌マウス(Taconic Laboritories Inc.,Germantown,NY)に、ラムダ縫合で、頭蓋内にヒト腫瘍細胞(NCI-N87胃癌細胞、NCI,Bethesda,MD)を接種した。生理食塩水中の5×10細胞を、頭蓋内への注入を介して移植した。マウスは、ビヒクル(酸性化した30%Captisol(登録商標)、pH約4.5)、1日2回の50mg/kgのラパタニブの経口投与(30%Captisol(登録商標))、および1日2回の75mg/kgのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンの経口投与(酸性化した30%Captisol(登録商標)、pH約4.5)の3つの群(N=12)に分けた。投薬は、移植から2日後に開始した。薬物関連の体重減少(約5%)が観察された場合、投与量は、必要に応じて減少させた可能性がある。マウスは、全体的な健康および行動的/神経学的影響について、1日2回モニタリングされ、体重(BW)は、週に2回測定された。神経学的問題または20%超の体重減少の最初の兆候で、マウスは、CO吸入により殺処分した。脳および血漿が、分析のために回収された。図2は、生存しているマウスのパーセンテージを示す。図3は、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンが脳内のリンErbB2/総ErbB2が著しく減少させることを示す。
【0118】
(実施例3)
マウスにおける脳薬物動態学的(PK)研究
ヌード雌BALB/cマウスに、ラパタニブ(50mg/kg、30%Captisol(登録商標))およびN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(75mg/kg、30%Captisol、化合物を検量し、30%Captisol(登録商標)を添加して
、7.5mg/mLの溶液を得、次いで、透明な黄色の溶液を形成するまで、200μLずつ5N HClを添加した)の単回経口投与の投与量(投与量体積 10mL/kg)を投与した。マウスを、群に分けて、それらのPKを、4つの時点(0.5、1、2、および4時間、1時点当たり1群当たり4匹のマウス)で検証した。動物は、その時点で、CO吸入により殺処分した。心穿刺によって、全血を採取し(300μL)、エチレンジアミンテトラ酢酸(「EDTA」)(37.5μL、1.5%)が入っているエッペンドルフ管に入れた。試料を遠心分離し、血漿をデカントし、分析化学に引き渡されるまで、-20℃で冷凍した。脳を回収した。動物は、5~10mLの生理食塩水でかん流し、DMPK分析のために脳を取り出し、検量し、高速調製管に入れた。
【0119】
(2-((4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)アミノ)-4-メチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イル)メタノールの脳透過性は、ラパタニブまたはN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンよりも著しく高かった。化合物の血漿濃度(μg/mL)を図4および表1に示す。化合物の脳内濃度(ng/g)を図5および表2に示す。脳:血漿比を表3に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
(実施例4)
頭蓋内に移植されたマウスにおけるBT474乳癌の異種移植片成長の阻害
ヌードNCr雌マウス(Taconic Laboritories Inc.,Germantown,NY)を、4つの群(N=13)に分けた。17β-エストラジオール(0.5mg)/プロゲステロン(10mg)のペレット剤(35日放出)を、BT-
474腫瘍細胞接種の1日前に移植した。腫瘍細胞(1×10 BT474乳癌細胞、ATCC,Manassas,VA)を、脳内に頭蓋内注入を介してマウスに直接移植した。ビヒクルまたは薬物による治療を、腫瘍細胞移植から2日後に開始した。マウスに、ビヒクル(酸性化した30%Captisol(登録商標)、pH約4.5、10mL/kg、1日2回経口投与)、ラパタニブ(50mg/kg、1日2回経口投与、30%Captisol(登録商標))、ネラチニブ(40mg/kg、1日1回経口投与、酸性化した30%Captisol(登録商標))、およびN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(75mg/kg、1日2回経口投与、30%Captisol、化合物を検量し、30%Captisol(登録商標)を添加し、7.5mg/mLの溶液を得、次いで、透明な黄色の溶液を形成するまで、200μLずつ5N HClを添加した)を投与した。マウスは、全体的な健康および行動的/神経学的影響について、毎日モニタリングされ、体重は、週に2回測定された。神経学的問題または20%超の体重減少の最初の兆候で、マウスは、CO吸入により殺処分した。脳および血漿が、分析のために回収された。図6は、生存しているマウスのパーセンテージを示す。
【0124】
(実施例5)
マウス異種移植片モデルにおけるN87ヒト胃癌に対する抗腫瘍有効性
ヌードnu/nu雌マウス(NCI,Bethesda,MD)を、5つの群(N=8)に分けた。腫瘍細胞(NCI-N87胃癌細胞、NCI,Bethesda,MD 1×10)を、右脇腹に皮下注射(100μL)を介してマウスに直接移植した。良好な腫瘍を得ることを確実にするために、細胞は、90%超の生存能力がなければならない(したがって、注入した1×10細胞/100μLに対して、1×10細胞/mLの初期細胞の懸濁液を注入した)。腫瘍を、150±50mmまで成長させた。腫瘍のサイズを測定し、マウスを検量した。マウスに、ビヒクル(30%Captisol(登録商標)、500mLの脱イオン水中150g、1日2回経口投与)、ラパタニブ(50mg/kg、1日2回経口投与、30% Captisol(登録商標))、ラパタニブ(100mg/kg、1日2回経口投与、30%Captisol(登録商標))、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(50mg/kg、1日1回経口投与、30%Captisol)、およびN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(100mg/kg、1日1回経口投与、30%Captisol)を投与した。腫瘍体積を測定した。マウスにおける部分的応答の数は、以下の通りであった:ラパタニブ(50mg/kg) 0、ラパタニブ(100mg/kg) 1、ARRY-380(50mg/kg) 1、ARRY-380(100mg/kg) 4。これらの結果を図7に示す。
【0125】
(実施例6)
PVP-VAを使用した30%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、30重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびPVP-VAを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入り口温度、35m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により
、19.6g(収率87.7%)の固体分散体を得た。物理化学的分析の結果は、表4中にある。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、MeOHは検出できなかったことを示した。
【0126】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、63.46μg/mLおよび245.05μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、52.50μg/mLおよび204.12μg/mL時間であった。
【0127】
(実施例7)
Eudragitを使用した30%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、30重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびEudragit L100を含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入り口温度、35m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、18.6g(収率82.7%)の固体分散体を得た。物理化学的分析の結果は、表4中にある。残留溶媒分析は、分散体が約4.5%のTHFを有し、MeOHは検出できなかったことを示した。
【0128】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、22.70μg/mLおよび71.06μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、9.26μg/mLおよび35.49μg/mL時間であった。
【0129】
(実施例8)
HPMCPを使用した30%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、30重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびHPMCP H-55を含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入り口温度、35m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、20.3g(収率90.3%)の固体分散体を得た。物理化学的分析の結果は、表4中にある。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、MeOHは検出できなかったことを示した。
【0130】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、25.00μg/mLおよび96.66μg/mL時間であった。遊離薬物種にお
けるCmaxおよびAUCは、それぞれ、16.15μg/mLおよび56.81μg/mL時間であった。
【0131】
(実施例9)
CAPを使用した30%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、30重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびCAPを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入り口温度、35m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、20.0g(収率90.4%)の固体分散体を得た。物理化学的分析の結果は、表4中にある。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、MeOHは検出できなかったことを示した。
【0132】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、11.62μg/mLおよび36.69μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、5.64μg/mLおよび20.58μg/mL時間であった。
【0133】
(実施例10)
HPMCASを使用した30%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、30重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびHPMCASグレードMを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、163.19mg(収率48.3%)の固体分散体を得た。物理化学的分析の結果は、表4中にある。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、MeOHは検出できなかったことを示した。
【0134】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、19.04μg/mLおよび68.09μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、13.50μg/mLおよび51.74μg/mL時間であった。
【0135】
【表4】
【0136】
(実施例11)
PVP-VAを使用した60%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、60重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびPVP-VAを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、135.0mg(収率88.2%)の固体分散体を得た。
【0137】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、34.80μg/mLおよび133.76μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、21.88μg/mLおよび84.43μg/mL時間であった。
【0138】
(実施例12)
Eudragitを使用した60%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、60重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびEudragit L100を含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、88.1mg(収率52.4%)の固体分散体を得た。
【0139】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞ
れ、26.82μg/mLおよび84.49μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、9.85μg/mLおよび34.89μg/mL時間であった。
【0140】
(実施例13)
HPMCPを使用した60%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、60重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびHPMCP H-55を含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、98.0mg(収率58.0%)の固体分散体を得た。
【0141】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、32.21μg/mLおよび38.28μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、9.96μg/mLおよび38.28μg/mL時間であった。
【0142】
(実施例14)
CAPを使用した60%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、60重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびCAPを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、74.9mg(収率44.6%)の固体分散体を得た。
【0143】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、51.98μg/mLおよび144.91μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、15.07μg/mLおよび59.69μg/mL時間であった。
【0144】
(実施例15)
HPMCASを使用した60%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、60重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびHPMCASグレードMを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psig
のノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、40℃で約16時間行われた。噴霧乾燥により、113.3mg(収率67.2%)の固体分散体を得た。
【0145】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。固体分散体を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。全薬物種(コロイド+遊離)におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、26.45μg/mLおよび96.21μg/mL時間であった。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、10.96μg/mLおよび42.83μg/mL時間であった。
【0146】
(実施例16)
PVP-PAを使用した50%固体分散体
Buchi B-290小型噴霧乾燥機を使用して、50重量パーセントのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンおよびPVP-VAを含有する固体分散体が、調製された。固体分散体は、MeOH:THF(1:3)の溶媒系、3.9%噴霧溶液濃度、30mL/分の流速で100℃の入り口温度、40m/時の乾燥気体の流速、80psigのノズル圧力、0.66m/時のノズルのガス流れ、および1.5mmのノズル型から噴霧乾燥させた。分散体の二次乾燥は、真空下で、50℃で約72時間行われた。噴霧乾燥により、28.7g(収率72.7%)の固体分散体を得た。
【0147】
(実施例17)
薬学的組成物1
実施例6~16のうちのいずれかの固体分散体を含有する錠剤は、従来の様式で調製することができ、これには以下のものが含まれる。
【0148】
【表4A】
【0149】
ある調製では、錠剤は、錠剤コーティングとして、3重量%のOPADRY II 85F92727を使用して作製された。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0150】
(実施例18)
薬学的組成物2
実施例2~12のうちのいずれかの固体分散体を含有する錠剤は、従来の様式で調製することができ、これには以下のものが含まれる。
【0151】
【表4B】
【0152】
ある調製では、錠剤は、錠剤コーティングとして、3重量%のOPADRY II 85F92727を使用して作製された。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0153】
(実施例19)
薬学的組成物3
実施例2~12のうちのいずれかの固体分散体を含有する錠剤は、従来の様式で調製することができ、これには以下のものが含まれる。
【0154】
【表4C】
【0155】
ある調製では、錠剤は、錠剤コーティングとして、3重量%のOPADRY II 85F92727を使用して作製された。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0156】
(実施例20)
安定性スクリーニング
噴霧乾燥させた分散体の安定性スクリーニングは、8日間にわたって、ガラス製バイアル中で、開放条件下で、40℃、75%の相対湿度で完了した。結果を表5に示す。
【0157】
【表5】
【0158】
観察された主な分解は、カルバメート不純物であり、これは、これらのポリマーのいくつかの酸性の性質による可能性が高い。本研究にわたるXRPD分析は、実施例6~9のうちのいずれの固体分散体も結晶化の証拠がないことを示した。
【0159】
(実施例21)
N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンの遊離塩基性ヘミエタノレート
ステップ1:(E)-N’-(2-シアノ-4-(3-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)チオウレイド)フェニル)-N,N-ジメチルホルムイミダミドを、45℃で酢酸イソプロピル:酢酸(65:35v/v)中の4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルアニリンと結合させて、1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)-3-(1-ヒドロキシ-
2-メチルプロパン-2-イル)チオ尿素(91%)を得た。
【0160】
ステップ2:1-(4-((4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)-3-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)チオ尿素を、塩基性条件下(2.5N NaOH)、テトラヒドロフラン中で撹拌し、続いて、p-トルエンスルホニルクロリドを添加した。水を加えて、多形体の混合物(一般に、形態C、形態GヘミTHF、形態GモノTHF、形態M、または形態Pのうちの1つ以上を含有する混合物)として、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミン(96%)を得た。
【0161】
ステップ3:ステップ2からのN4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンを、65℃超で、エタノール中で粉砕して、N4-(4-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イルオキシ)-3-メチルフェニル)-N6-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル)キナゾリン-4,6-ジアミンの形態Bエタノール(89%)を得た。
【0162】
溶解試験は、リン酸緩衝液中でpH6.5において行われた。結晶(粒子)を、HO中に懸濁させ、37℃で緩衝液に直接添加した。溶解プロファイルは、約240分間にわたって収集された。遊離薬物種におけるCmaxおよびAUCは、それぞれ、0.44μg/mLおよび5.49μg/mL時間であった。
【0163】
(実施例22)
ビーグル犬におけるインビボ薬物動態
実施例6の固体分散体は、通常の絶食条件下で、ペンタガストリンまたはファモチジンを使用した前処置を行って、実施例21の結晶性の微粉化された懸濁製剤(d(v,0.9)=3.0μm)に対して試験した。水中の懸濁液として、実施例6の固体分散体を調製し、経口投与した。水を用いて再構成されたSyrSpend(登録商標)SF Dryを用いて、懸濁液として、実施例21の微粉化懸濁液を調製し、経口投与した。変動を減らすために、ビーグル犬は、5日間の休薬期間後、ペンタガストリンからファモチジンに転向させた。ペンタガストリンは、胃のpHを約2から3に修正するpH修正剤であり、ファモチジンは、胃のpHを約5から7.5に修正するpH修正剤である(Zhou,Rong,et al.“pH-Dependent Dissolution in Vitro and Absorption in Vivo of Weakly Basic Drugs:Development of a Canine Model.” Pharm.Res.Vol.22,No.2(Feb.2005):pp.188-192)。1群あたり4匹のビーグル犬であった。群Aは、ペンタガストリンでの前処置を受け、実施例21の微粉化懸濁液を投与し、続いて、5日間の休薬期間を経て、ファモチジンでの前処置を受け、最後に、実施例21の微粉化懸濁液を投与した。群Bは、ペンタガストリンでの前処置を受け、実施例6の固体分散体を投与し、続いて、5日間の休薬期間を経て、ファモチジンでの前処置を受け、最後に、実施例6の固体分散体を投与した。群Cは、実施例21の微粉化懸濁液を投与し、続いて、5日間の休薬期間を経て、最後に、実施例6の固体分散体を投与した。これらの結果を表6に示す。
【0164】
【表6】
【0165】
列挙された実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないことが理解されよう。反対に、本発明は、すべての代替物、変更物、および同等物を網羅することが意図され、これらは特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る。したがって、前記の説明は、本発明の原理の例示のみとして考慮される。
【0166】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、および「含む(includes)」という語は、本明細書および以下の特許請求の範囲において使用されるとき、提示された特徴、整数、構成成分、またはステップの存在を特定することを目的としているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成成分、ステップ、またはこれらの群の存在または追加を排除しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7