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特開2024-19573フルチカゾン及びビランテロール製剤並びに吸入器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019573
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】フルチカゾン及びビランテロール製剤並びに吸入器
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/569 20060101AFI20240202BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20240202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20240202BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61K31/569
A61K47/06
A61K9/72
A61P43/00 121
A61K9/14
A61K31/137
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023212145
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2020567879の分割
【原出願日】2019-06-05
(31)【優先権主張番号】62/681,980
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520448463
【氏名又は名称】キンデーバ ドラッグ デリバリー リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】サラ ジェイ.デクスター
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ エム.コックス
(57)【要約】
【課題】フルチカゾン及びビランテロールを含む組成物の提供。
【解決手段】フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物、ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び1,1-ジフルオロエタンを含む組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a);
を含む組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の組成物であって、前記ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である、組成物。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
【請求項5】
キャニスタ内に収容された請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記フルチカゾン粒子の大きさは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項6】
キャニスタ内に収容された請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩粒子の大きさは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
【請求項10】
フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む組成物であって、フルチカゾン及びビランテロール又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、前記組成物における唯一の有効成分である、組成物。
【請求項11】
請求項10の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
【請求項12】
請求項10~請求項11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記噴射剤は、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン又は1,1,1,2-テトラフルオロエタンをさらに含む、組成物。
【請求項13】
請求項10~請求項12のいずれか1項に記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
【請求項14】
キャニスタ内に収容された請求項10~請求項13のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記フルチカゾン粒子の大きさは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項15】
キャニスタ内に収容された請求項10~請求項14のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩粒子の大きさは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項16】
請求項10~請求項15のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
【請求項17】
請求項10~請求項16のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
【請求項18】
請求項10~請求項17のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
【請求項19】
請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
【請求項20】
有機連結基によって分離された、2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含むプライマ組成物を有する少なくとも1の表面を含む、請求項19のエアロゾルキャニスタであって、前記プライマ組成物は、少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含むコーティング組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
【請求項21】
請求項20に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、ポリフルオロポリエーテルシランである、エアロゾルキャニスタ。
【請求項22】
請求項20又は請求項21に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも1の表面は、バルブ表面の少なくとも一部である、エアロゾルキャニスタ。
【請求項23】
請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項19~請求項22のいずれか1項に記載のエアロゾルキャニスタを含む、吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、一例として、吸入剤形、及びエアロゾルキャニスタ、それを含む定量吸入器等の吸入器に使用される製剤に関する。特に、本開示は、フルチカゾン及びビランテロールを含む製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を含むドライパウダー吸入器(DPI)が、市販されている。これらは、GlaxoSmithKline社のRelvar(登録商標)Ellipta(登録商標)及びBreo(登録商標)Ellipta(登録商標)DPIを包含する。
【発明の概要】
【0003】
加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)は、DPIに比べていくつかの利点がある。例えば、患者に一定容量を送達するようにDPI中の微粉化薬剤の安定性を制御することは、困難な可能性がある。また、場合によっては、pMDIの製造は、DPI製品に比べてより安価に行うことができ得る。
【0004】
本開示によると、フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む組成物が提供される。
【0005】
実施形態において、フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルであってよい。
【0006】
実施形態において、ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である。
【0007】
実施形態において、噴射剤は、1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含んでよく、又は実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成ってよい。
【0008】
実施形態において、フルチカゾンのキャニスタサイズは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間であってよい。
【0009】
実施形態において、ビランテロールトリフェニル酢酸塩のキャニスタサイズは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間であってよい。
【0010】
実施形態において、フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間であってよい。
【0011】
実施形態において、フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間であってよい。
【0012】
実施形態において、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間であってよい。
【0013】
さらに、本開示によると、フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む組成物が提供され、ここでフルチカゾン及びビランテロール又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、該組成物における唯一の有効成分である。
【0014】
実施形態において、フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルであってよい。
【0015】
実施形態において、ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である。
【0016】
実施形態において、噴射剤は、1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含んでよく、又は実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成ってよい。
【0017】
実施形態において、フルチカゾンのキャニスタサイズは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間であってよい。
【0018】
実施形態において、ビランテロールトリフェニル酢酸塩のキャニスタサイズは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間であってよい。
【0019】
実施形態において、フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間であってよい。
【0020】
実施形態において、フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間であってよい。
【0021】
実施形態において、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間であってよい。
【0022】
さらに、本開示によると、開示された実施形態の組成物を含むエアロゾルキャニスタが提供される。
【0023】
実施形態において、エアロゾルキャニスタは、有機連結基によって分離された2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含む、プライマ組成物を有する少なくとも1つの表面を包含してよく、ここでプライマ組成物は、少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含むコーティング組成物を有する。
【0024】
実施形態において、少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、ポリフルオロポリエーテルシランである。
【0025】
実施形態において、少なくとも1つの表面は、バルブ表面の少なくとも一部である。
【0026】
さらに、本開示によると、開示された実施形態のいずれか1つの組成物、又は開示された実施形態のいずれか1つのエアロゾルキャニスタを含む吸入器が提供される。
【0027】
本開示のその他の特徴及び態様は、詳細な説明を検討することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示全体において、「a」「an」及び「the」等の単数形は、便益のために用いられる;単数形は、明示的に単数形のみが指定されているか、又は文脈によって明確に示されている場合を除き、複数形を含むことを意味する。数値範囲、例えば「xからyの間」又は「xからyまで」は、x及びyの端点の値を包含する。
【0029】
本出願において使用されるいくつかの用語は、本明細書中で記載されるように特定の意味を有する。全てのその他の用語は、当業者にとって既知であり、本発明の時点で当業者がそれらに与えたであろう意味が与えられる。
【0030】
本明細書における「一般的な」及び「一般的に使用される」と称される要素、及び類似の語句は、本開示の組成物、吸入器及び定量吸入器等の物品、及び方法の文脈において一般的であると理解されるべきであり、この用語は、これらの特徴が先行技術において存在すること、ましてや一般的であることを意味するために使われていない。特に指定されない限り、本出願の背景技術の部分のみが先行技術に関する。
【0031】
単一粒子の「粒子径」は、粒子を包み込むことができる最小の仮想中空球の大きさである。
【0032】
複数の粒子の「質量中央径」又はMMDとは、その複数の粒子の質量の50%の粒子がその値よりも小さい粒子径を有し、かつ、その複数の粒子の質量の50%の粒子がその値よりも大きい粒子径を有する粒子径の値を指す。
【0033】
複数の粒子の「キャニスタサイズ」とは、製剤が調製されるときの、複数の粒子の質量平均粒子径を指す。
【0034】
複数の粒子の「アクチュエータ外サイズ」とは、米国薬局方<601>に記載の手順で測定される、複数の粒子が定量吸入器等の吸入器のアクチュエータを通り抜けた後の、複数の粒子の空気力学的質量中央径(又はMMAD)を指す。
【0035】
本出願においてフルチカゾンの濃度が議論される場合、便宜上、本開示において最も一般的に使用されるフルチカゾンの形態、すなわち、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの濃度に関して言及される。したがって、フルチカゾンの別の形態又はフルチカゾンの塩が使用される場合、その別の形態又は塩の濃度は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルに基づいて計算されるべきであることを理解されたい。関連する技術の当業者は、使用されるフルチカゾンの形態又は塩の分子量を、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの分子量と比較することにより、この計算を容易に実施することができる。
【0036】
本出願においてビランテロールの濃度が議論される場合、便宜上、別段の指定がない限り、本開示において最も一般的に使用されるビランテロールの形態、すなわち、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度について言及される。したがって、ビランテロールの別の形態又は塩が使用される場合、その別の形態又は塩の濃度は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩に基づいて計算されるべきであることを理解されたい。関連する技術の当業者は、使用されるビランテロールの形態又は塩の分子量を、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の分子量を比較することにより、この計算を容易に実施することができる。
【0037】
製剤
医薬製剤は、フルチカゾン粒子を含む。フルチカゾンは、遊離塩基であってよいが、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びフルチカゾンプロピオン酸エステル等の1種又は複数種の薬学的に許容される塩、又は溶媒和物の形態であってよい。
【0038】
フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾンは、粒子の形態であってよい。フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾン粒子のキャニスタサイズは、任意の適切なキャニスタサイズであってよい。例示的な好適なキャニスタサイズは、1マイクロメートル以上、1.5マイクロメートル以上、2マイクロメートル以上、2.5マイクロメートル以上、3マイクロメートル以上、3.5マイクロメートル以上、4マイクロメートル以上、又は4.5マイクロメートル以上であってよい。例示的な好適なキャニスタサイズはまた、5マイクロメートル以下、4.5マイクロメートル以下、4.0マイクロメートル以下、3.5マイクロメートル以下、3.0マイクロメートル以下、2.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、又は1.5マイクロメートル以下であってよい。1マイクロメートルから5マイクロメートルまでが一般的である。実施形態において、キャニスタサイズは、2.0から4.0マイクロメートルの間であってよい。実施形態において、キャニスタサイズは、2.0から3.0マイクロメートルの間であってよい。
【0039】
フルチカゾンフランカルボン酸エステル粒子等の、フルチカゾン粒子のアクチュエータ外サイズは、任意の適切なアクチュエータ外サイズであってよい。例示的な好適なアクチュエータ外サイズは、1マイクロメートル以上、1.5マイクロメートル以上、2マイクロメートル以上、2.5マイクロメートル以上、3マイクロメートル以上、3.5マイクロメートル以上、4マイクロメートル以上、又は4.5マイクロメートル以上であってよい。例示的な好適なアクチュエータのサイズはまた、5マイクロメートル以下、4.5マイクロメートル以下、4.0マイクロメートル以下、3.5マイクロメートル以下、3.0マイクロメートル以下、2.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、又は1.5マイクロメートル以下であってよい。1マイクロメートルから5マイクロメートルまでが一般的である。実施形態では、アクチュエータ外サイズは、2.0から4.0マイクロメートルの間であってよい。実施形態において、アクチュエータ外サイズは、2.5から3.5マイクロメートルの間であってよい。
【0040】
フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾンは、製剤中に任意の適切な濃度で存在してよい。フルチカゾンの濃度が製剤のmg/gを単位として表される場合、フルチカゾンの濃度は、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.5以上、又は2.0以上であってよい。また、mg/gに基づいて、フルチカゾンの濃度は、10.0以下、8.0以下、6.0以下、5.0以下、4.0以下、3.0以下、2.5以下、2.2以下、又は2.0以下であってよい。1つの例示的な範囲は、1.0mg/gから2.5mg/gまでである。別の例示的な範囲は、2.0mg/gから4.5mg/gまでである。別の例示的な範囲は、1.0mg/gから5mg/gまでである。別の例示的な範囲は、2.0mg/gから10.0mg/gまでである。いくつかの用途では、約1.7mg/gの濃度が使用される。他の用途では、約3.5mg/gの濃度が使用される。
【0041】
組成物はまた、ビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロールを含む。ビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロールはまた、粒子の形態であってよい。ビランテロール粒子のキャニスタサイズは、任意の適切なキャニスタサイズであってよい。例示的な好適なキャニスタサイズは、1マイクロメートル以上、1.5マイクロメートル以上、2マイクロメートル以上、2.5マイクロメートル以上、3マイクロメートル以上、3.5マイクロメートル以上、4マイクロメートル以上、又は4.5マイクロメートル以上であってよい。例示的な好適なキャニスタサイズはまた、5マイクロメートル以下、4.5マイクロメートル以下、4.0マイクロメートル以下、3.5マイクロメートル以下、3.0マイクロメートル以下、2.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、又は1.5マイクロメートル以下であってよい。1マイクロメートルから5マイクロメートルが一般的である。実施形態において、キャニスタサイズは、3.0から4.5マイクロメートルの間であってよい。実施形態において、キャニスタサイズは、1.0から2.0マイクロメートルの間であってよい
【0042】
ビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロール粒子のアクチュエータ外サイズは、任意の適切なアクチュエータ外サイズであってよい。例示的な好適なアクチュエータ外サイズは、1マイクロメートル以上、1.5マイクロメートル以上、2マイクロメートル以上、2.5マイクロメートル以上、3マイクロメートル以上、3.5マイクロメートル以上、4マイクロメートル以上、又は4.5マイクロメートル以上であってよい。例示的な適切なアクチュエータのサイズはまた、5マイクロメートル以下、4.5マイクロメートル以下、4.0マイクロメートル以下、3.5マイクロメートル以下、3.0マイクロメートル以下、2.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、又は1.5マイクロメートル以下であってよい。1マイクロメートルから5マイクロメートルが一般的である。実施形態において、アクチュエータ外サイズは、1.0から4.0マイクロメートルの間であってよい。実施形態では、アクチュエータ外サイズは、1.5から2.5マイクロメートルの間であってよい。
【0043】
ビランテロールは、任意の適切な濃度で使用されてよい。mg/gに基づいて、例示的な濃度は、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上、又は0.5以上である。例示的な濃度はまた、2.0以下、1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、又は0.5以下である。一般的な濃度は、0.2mg/gから2.0mg/gまで、例えば、0.2mg/gから1.0mg/g、又は0.4mg/gから0.8mg/gである。一部の用途では、0.4mg/gの濃度が使用される。他の用途では、0.7mg/gの濃度が使用される。さらに他の用途では、0.9mg/gの濃度が使用される。
【0044】
実施形態において、上記のフルチカゾン及びビランテロールは、組成物中の唯一の有効成分であり得る。
【0045】
噴射剤もまた、製剤に含まれる。噴射剤は、(HFA-152aとしても知られている)1,1-ジフルオロエタンであってよい。特定の実施形態において、噴射剤は、(HFA-227又はHFC-227としても知られている)1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、及び/又は(HFA-134又はHFC-134としても知られている)1,1,1,2-テトラフルオロエタンを、1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)と組み合わせてさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、噴射剤は実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る。噴射剤はまた、フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾン、及びビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロールの粒子の分散剤としても機能し得る。
【0046】
フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾン、及びビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロールの粒子は、製剤中に溶解しなくてもよい。代わりに、フルチカゾンフランカルボン酸エステル等のフルチカゾン、及びビランテロールトリフェニル酢酸塩等のビランテロールの粒子は、噴射剤中に懸濁されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、組成物は、実質的にフルチカゾン、ビランテロール、及び1種又は複数種の噴射剤から成る。
【0048】
この懸濁を促進するため、追加成分が製剤に添加されてもよい。そのような追加成分の1つは、エタノールである。そのような別の追加成分は、界面活性剤である。これらの追加成分は、特に指定されない限り、必須ではない。
【0049】
エタノールが使用される場合、エタノールは比較的低い濃度で使用されてよい。質量パーセントに基づいて、使用されるエタノールの量は、使用される場合には、5以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、1.0以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、又は0.5以下であってよい。質量パーセントに基づいて、使用されるエタノールの量は、使用される場合には、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、又は5.0以上であってよい。エタノールが含まれる場合のエタノール濃度の例示的な範囲は、0.1質量%から5質量%まで、例えば、0.5質量%から4質量%までである。場合によっては、1質量%のエタノール濃度が使用されてよい。
【0050】
1種又は2種以上の界面活性剤が、製剤中の粒子の懸濁を促進するために使われてもよい。しかしながら、界面活性剤を含まない製剤は、いくつかの目的にとって有利であり得るし、特に明記しない限り、界面活性剤は必要とされない。
【0051】
任意の薬学的に許容される界面活性剤が使用されてよい。そのようなほとんどの界面活性剤は、吸入器での使用に好適である。例示的な界面活性剤には、オレイン酸、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、大豆レシチン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、又はそれらの組み合わせが含まれる。オレイン酸、ポリビニルピロリドン、又はそれらの組み合わせが最も一般的である。ポリビニルピロリドンとポリエチレングリコールの組み合わせもまた、一般的に使用される。ポリビニルピロリドンを使用する場合、ポリビニルピロリドンは、任意の適切な分子量を有することができる。適切な重量平均分子量の例は、10から100キロダルトンまでであり、10から50まで、10から40、10から30、又は10から20キロダルトンであってよい。ポリエチレングリコールを使用する場合、ポリエチレングリコールは、任意の適切なグレードであり得る。PEG1000及びPEG300が最も一般的に使用される。
【0052】
使用する場合、界面活性剤は、質量パーセントに基づいて、0.0001以上、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、又は1以上の量で存在してよい。界面活性剤は、質量パーセントに基づいて、1以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.14以下、0.13以下、0.12以下、0.11以下、0.10以下、0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下、0.03以下、0.02以下、又は0.01以下の量で存在してよい。濃度範囲は、0.0001質量%から1質量%まで、例えば0.001質量%から0.1質量%であってよい。特定の用途では、0.01質量%の界面活性剤を使用する。
【0053】
特に、オレイン酸は、上記のいずれかの濃度で使用されてもよい。特に、ポリビニルピロリドンは、上記のいずれかの濃度で使用されてもよい。特に、ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンの組み合わせは、上記のいずれかの濃度で使用されてもよい。特に、ソルビタントリオレエートは、上記のいずれかの濃度で使用されてもよい。
【0054】
上記の製剤は、本技術分野で既知の定量吸入器に使用されてもよい。
【0055】
本明細書に記載される医薬製剤のための例示的な定量吸入器は、バルブ付きのエアロゾルキャニスタを備える。キャニスタは、任意の適切な容積を有してよい。キャニスタの最大容量は、キャニスタを満たすために使用される製剤の量によって異なる。例示的な用途では、キャニスタは、5mLから500mL、例えば、10mLから500mL、25mLから400mL、5mLから50mL、8mLから30mL、10mLから25mL、又は5から20mL等の容積を有してよい。キャニスタは、大抵、適切な回数の投与のために十分な薬剤を含むために十分な容積を有し得る。投与の適切な数については、本明細書において議論される。バルブは、キャップ又はフェルールを介して、キャニスタに貼着され、又は圧着(crimpled)されてもよい。キャップ又はフェルールは、しばしば、アルミニウム又はアルミニウム合金でできており、それらはバルブアセンブリの一部であってよい。1又は複数のシールがキャニスタとフェルールの間に位置してよい。シールは、1又は複数のOリングシール又はガスケットシールであってよい。バルブは、定量バルブであってよい。例示的なバルブサイズの範囲は、20マイクロリットルから100マイクロリットルまでである。一般的に使用される特定のバルブサイズは、25、50、60、及び63マイクロリットルのバルブサイズを包含する。
【0056】
コンテナ及びバルブは、アクチュエータを包含してもよい。ほとんどのアクチュエータは、キャニスタに含まれる製剤を送達するための患者ポートを有し、これはマウスピースであってよい。患者ポートは、製剤の意図された投与先に応じ、様々な方法で構成されてよい。例えば、鼻腔への投与用に設計された患者ポートは、一般に、製剤を鼻に向けるために上向きの傾斜を有し得る。アクチュエータは、最も一般的には、プラスチック材料で作られる。この目的のための例示的なプラスチック材料は、ポリエチレン及びポリプロピレンのうち少なくとも1種を包含する。例示的なMDIは、オリフィス直径を備えたアクチュエータを有する。任意の好適なオリフィス直径が使用されてよい。例示的なオリフィス直径は、0.2mmから0.65mmである。例示的なオリフィス噴出長は、0.5mmからl.5mmである。具体的な例としては、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、又は0.6mmのオリフィス直径を包含し、いずれも0.8mm、1.0mm、又は1.5mmのオリフィス噴出長を有してよい。
【0057】
定量バルブが存在してもよく、定量バルブは大抵、キャニスタ内に少なくとも部分的に配置され、かつ、少なくとも部分的にアクチュエータと連通するように配置される。例示的な定量バルブは、バルブステムが通過する内側バルブ本体によって少なくとも部分的に画定された計量チャンバを包含する。バルブステムは、内側タンクシール及び外側ダイヤフラムシールとスライド密封係合するように、圧縮ばねによって外側に付勢され得る。バルブはまた、本体空け(body emptier)の形状の第2のバルブ本体を含み得る。主要バルブ本体と呼ばれることもある内部バルブ本体は、部分的に、計量チャンバを画定する。二次バルブ本体と呼ばれることもある第2のバルブ本体は、ボトル空け(bottle emptier)としての役割に加えて、プレ計量領域(プレ計量チャンバと呼ばれることもある)を部分的に画定する。キャニスタ内部に位置する定量バルブの部分の外壁、及びキャニスタの内壁は、医薬製剤を含む製剤チャンバを画定する。
【0058】
使用時には、医薬製剤は製剤チャンバから計量チャンバに入る。計量チャンバへの移動において、製剤は、二次バルブ本体(又は二次バルブ本体のフランジ)と主要バルブ本体の間の環状空間を通過して、上記のプレ計量チャンバに入ることができる。バルブステムをコンテナの内側へ押すことでバルブが作動し、これにより、医薬製剤が、プレ計量チャンバからバルブステムの側穴を通り、バルブステムの出口を通り、アクチュエータノズルに至り、そして最後に患者ポートを通って患者に至る。バルブステムが解放されると、医薬製剤が、環状空間を通過してバルブ内、例えばプレ計量チャンバ等に入り、次に、計量チャンバに移動する。
【0059】
医薬製剤は、任意の既知の方法で、キャニスタに入れられてよい。2つの最も一般的な方法は、コールドフィリング及び圧送注入である。コールドフィリング工程では、医薬製剤は適切な温度にまで冷却され、キャニスタに注入される。ここで噴射剤HFA 152a、HFA 134a、HFA 227、又はそれらの組み合わせを用いる製剤の場合には、温度は-40℃から-60℃であってよい。続いて、定量バルブはキャニスタに圧着(crimpled)される。キャニスタが常温に温まると、医薬製剤と関連した蒸気圧が上昇し、それによりキャニスタ内に適切な圧力が提供される。
【0060】
圧送注入法では、定量バルブは、最初に空のキャニスタに圧着(crimpled)されてよい。続いて、加圧によって、製剤がバルブを通ってコンテナ内に注入され得る。代替として、キャニスタにバルブが圧着(crimpled)される前に、全ての不揮発性成分が最初に空のキャニスタ内に注入されてもよい。噴射剤は、その後、圧力をかけることにより、バルブを通してキャニスタ内に加えられてよい。
【0061】
作動時に、本明細書に記載された製剤のいずれかで充填された例示的な定量吸入器は、1回の作動あたり5mcgから20mcgまでのビランテロールの微粒子質量、特に、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の微粒子質量、及び1回の作動あたり10mcgから40mcgまでのフルチカゾンの微粒子質量、特に、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの微粒子質量を生成することができる。特定の場合、定量吸入器等の吸入器は、1回の作動あたり6mcgから12mcgまでのビランテロールの微粒子質量、特に、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の微粒子質量、及び1回の作動あたり15mcgから25mcgまでのフルチカゾンの微粒子質量、特に、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの微粒子質量を生成することができる。特定の場合、定量吸入器等の吸入器は、1回の作動あたり6mcgから12mcgまでのビランテロールの微粒子質量、特に、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の微粒子質量、及び1回の作動あたり25mcgから35mcgまでのフルチカゾンの微粒子質量、特に、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの微粒子質量を生成することができる。微粒子質量は、本開示の実施例の部分に記載される手順によって計算することができる。
【0062】
上記で議論される微粒子質量は、ビランテロール、特に、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の微粒子画分、及びフルチカゾン、特に、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの微粒子画分と一致してよく、微粒子画分は、20%から65%まで、特定の場合には20%から40%まで、さらに特定の場合には25%から35%までであってよい。微粒子画分は、本開示の実施例の部分に記載される手順によって計算することができる。
【0063】
例示的な定量吸入器は、医薬製剤の特定の服用数を送達するように設計されている。ほとんどの場合、特定の服用数は、15から400までであり、例えば120から250まで、又は例えば15から60までである。一般的に使用されるある定量吸入器は、120回の用量を提供するように設計されており、これは、本明細書に記載される製剤又は吸入器の種類のいずれかと共に使用されてよい。別の一般的に使用される定量吸入器は、240回の用量を提供するように設計されており、これは、本明細書に記載される製剤又は吸入器の種類のいずれかと共に使用されてよい。別の実施形態において、定量吸入器は、30回の用量を提供してもよい。
【0064】
定量吸入器は、服用数を数えるための用量カウンタを備えることができる。好適な用量カウンタは、本技術分野において既知であり、例えば、米国特許第8740014号明細書、第8479732号明細書、及び第8814035号明細書、並びに米国特許出願公開第2012/0234317号明細書に記載されており、これらは全て、用量カウンタの開示についての参照によりその全体が援用される。
【0065】
米国特許第8740014号明細書に詳細が記載される、ある例示的な用量カウンタは(その用量カウンタの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)、吸入器内の作動要素と用量カウンタとの間の相反移動と連動し、相反移動をするように構築及び配置される固定ラチェット要素及びトリガ要素を有する。相反移動は、往行程(吸入器に対して外向き)、及び復行程を含んでよい。復行程は、トリガ要素を往行程の前の位置に戻す。カウンタ要素は、この種類の用量カウンタにも包含される。カウンタ要素は、用量が投与される度に、あらかじめ決められているカウント動作を行うように構築及び配置されている。カウンタ要素は、固定ラチェット及びトリガ要素の方に付勢されており、トリガ要素の相反移動の方向に実質的に直交する方向の動きを数えることができる。
【0066】
上述の用量カウンタにおけるカウンタ要素は、トリガ部材と相互作用する第1の領域を含む。第1の領域は、トリガ部材の往行程の間にトリガ部材に係合される、少なくとも1つの傾斜面を含む。往行程の間のこの係合により、カウンタ要素はカウンタ動作を行う。カウンタ要素はまた、ラチェット部材と相互作用する第2の領域を有する。第2の領域は、カウンタ要素のさらなるカウント動作の実行を引き起こす、トリガ要素の復行程の間にラチェット要素と係合される、少なくとも1つの傾斜面を含み、それによってカウント動作が終了する。カウンタ要素は、通常、カウンタ・リングの形状であり、トリガ要素の往行程及びトリガ要素の復行程で部分的に前進する。トリガの往行程が、バルブの発射(及び定量吸入器の場合には、内容物の計量も行う)を引き起こすバルブステムの押下と連動することができ、復行程はバルブステムの休止位置への戻りと連動することができるため、用量カウンタは正確な用量を数えることができる。
【0067】
米国特許第8479732号明細書に詳細が記載される、別の好適な用量カウンタは(その用量カウンタの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)、特に定量吸入器での使用に適合されている。この用量カウンタは、第1表示体支持面を有する、第1カウント表示器を含む。第1カウント表示器は、第1軸線周りに回転可能である。用量カウンタはまた、第2表示体支持面を有する、第2カウント表示器を含む。第2カウント表示器は、第2軸線周りに回転可能である。第1及び第2軸線は、それらが鈍角を成すように配置される。上記の鈍角は、任意の鈍角であってよいが、有利には、125°から145°である。鈍角は、第1及び第2の表示体支持面が服用数カウントの少なくとも一部分をまとめて示すために、共通視認領域において整列する。第1及び第2表示体支持面のうちの1つ又は両方は、視認領域を通して一緒に表示されたときに、数字が服用数を提供するように、数字でマークされることができる。例えば、2つの表示体支持面を一緒に読んだときに、服用数を表す000から999の間の数字が提供されるように、第1及び第2表示体支持面のうちの一方が「100」及び「10」の位を有し、他方が「1」の位を有してもよい。
【0068】
さらに別の好適な用量カウンタは、米国特許出願公開第2012/0234317号明細書に詳細が記載される(その用量カウンタの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。このような用量カウンタは、用量が投与される度に、あらかじめ決定されたカウント動作を実行するカウンタ要素を包含する。カウント動作は、垂直、又は実質的に垂直であってよい。カウント表示要素もまた含まれる。用量が投与される度にあらかじめ決定されたカウント表示動作を行うカウント表示要素は、カウンタ要素と相互作用する第1領域を含む。
【0069】
カウンタ要素は、カウント表示要素と相互作用する領域を有する。特に、カウント要素は、カウント表示要素と相互作用する第1領域を含む。第1領域は、前述のカウント表示要素の第1領域の少なくとも1の表面に係合する、少なくとも1の表面を含む。カウンタ要素の第1領域、及びカウント表示要素の第1の表面は、カウンタ表示部材が、カウンタ要素のカウント動作と連動するカウント表示動作を完了するように配置され、カウンタ要素の動作中に、かつ、動作によって誘発されて、カウント誘発要素が回転運動又は実質的な回転運動を行うように配置される。実際には、カウンタ要素又はカウンタ表示要素の第1領域は、例えば、1又は複数のチャンネルを含んでよい。他の要素の第1領域は、前記1又は複数のチャンネルと係合するように適合された、1又は複数の突起を含んでよい。
【0070】
さらに別の好適な用量カウンタは、米国特許第8814035号明細書に詳細が記載される(その用量カウンタの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。そのような用量カウンタは、第1軸線に沿って作動する相互アクチュエータを備える吸入器での使用に、特に適合される。用量カウンタは、第2軸線の周りを回転可能な表示要素を含む。表示要素は、1又は複数の用量が投与されたときに、あらかじめ決定された1又は複数のカウント表示動作を行うように適合される。第2軸線は、第1軸線に対して鈍角に位置する。用量カウンタはまた、ウォーム軸線の周りを回転可能なウォームを含む。ウォームは、表示要素を駆動させるために適合されている。それは、例えば、表示要素の領域と相互作用をし、かつ、巻き込む領域を備えることによって行ってもよい。ウォーム軸線及び第2軸線は、交差せず、かつ、垂直に配列されない。ウォーム軸線はまた、ほとんどの場合、第1軸線と同軸の列に配置されない。しかしながら、第1及び第2軸線は交差してもよい。
【0071】
本明細書で記載したような定量吸入器等の吸入器の様々な内部構成要素のうち少なくとも1つは、例えば、キャニスタ、バルブ、ガスケット、シール、又はOリングのうち1又は複数は、1又は複数種のコーティングで被覆されていてもよい。これらのコーティングのうちいくつかは、低い表面エネルギーを提供する。そのようなコーティングは、全ての吸入器の正常な動作に必須ではないため、必要とされない。
【0072】
使用可能ないくつかのコーティングは、米国特許第8414956号明細書、及び第8815325号明細書、並びに米国特許出願公開第2012/0097159号明細書に記載され、これらは全て、吸入器及び吸入器構成要素のためのコーティングの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。その他のコーティング、例えば、フッ素化エチレンプロピレン樹脂、すなわちFEPもまた好適である。FEPは、キャニスタのコーティングでの使用に特に好適である。
【0073】
第1の許容されるコーティングは、以下の方法によって提供されてよい:
a)定量吸入器等の吸入器の、1又は複数の構成要素を提供すること、
b)有機連結基によって分離される2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含むプライマ組成物を提供すること、
c)少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含むコーティング組成物を提供すること、
d)構成要素の表面の少なくとも一部分にプライマ組成物を適用すること、
e)プライマ組成物の適用の後に、構成要素の表面の前記部分にコーティング組成物を適用すること。
【0074】
少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、通常、1又は複数の反応性官能基を有し、その反応性官能基又は各反応性官能基は、通常、反応性シラン基であり、例えば、加水分解性シラン基又はヒドロキシシラン基である。このような反応性シラン基は、部分的にフッ素化された化合物と、プライマの反応性シラン基の1又は複数との反応を可能にする。このような反応は、しばしば縮合反応である。
【0075】
使用され得るシランの一例は、以下の式を有し
3-m(RSi-Q-Si(R3-k
ここでR及びRは、独立して選択される1価の基であり、Xは、加水分解性基又はヒドロキシ基であり、m及びkは、独立して0、1又は2の数値であり、Qは、2価の有機連結基である。
【0076】
このようなシランの有用な例は、1,2-ビス(トリアルコキシシリル)エタン、1,6-ビス(トリアルコキシシリル)ヘキサン、1,8-ビス(トリアルコキシシリル)オクタン、1,4-ビス(トリアルコキシシリルエチル)ベンゼン、ビス(トリアルコキシシリル)イタコネート、及び4,4’-ビス(トリアルコキシシリル)-1、l’-ジフェニルのうち1種、又は2種若しくはそれ以上の混合物を包含し、ここで任意のトリアルコキシ基は、独立してトリメトキシ又はトリエトキシであり得る。
【0077】
コーティングの溶媒は、一般的にアルコール又はハイドロフルオロエーテルを含む。
【0078】
コーティングの溶媒がアルコールである場合、好ましいアルコールは、C~Cアルコールであり、特に、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選択されるアルコール、又はこれらのアルコールの2種若しくはそれ以上の混合物である。
【0079】
コーティングの溶媒がハイドロフルオロエーテルである場合、コーティングの溶媒がC~C10ハイドロフルオロエーテルを含む場合が好ましい。一般的に、ハイドロフルオロエーテルは次の式であり、
2g+1OC2h+1
ここでgは、2、3、4、5、又は6であり、hは1、2、3、又は4である。好適なハイドロフルオロエーテルの例は、メチルヘプタフルオロプロピルエーテル、エチルヘプタフルオロプロピルエーテル、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものを含む。
【0080】
ポリフルオロポリエーテルシランは、次の式であってよく、
[Q -[C(R-Si(X)3-x(R
ここで:
は、ポリフルオロポリエーテル部位であり;
は、3価の連結基であり;
各Qは、独立して選択される2価又は3価の有機連結基であり;
各Rは、独立して水素又はC1-4アルキル基であり;
各Xは、独立して加水分解性基又は水酸基であり;
はC1-8のアルキル又はフェニル基であり;
v及びwは、独立して0又は1であり、xは、0又は1又は2であり;yは、1又は2であり、zは、2、3、又は4である。
【0081】
ポリフルオロポリエーテル部位Rは、-(C2nO)-、-(CF(Z)O)-、-(CF(Z)C2nO)-、-(C2nCF(Z)O)-、-(CFCF(Z)O)-、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるペルフルオロ繰り返し単位を含んでよく;ここで、nは1から6までの整数であり、Zは、ペルフルオロアルキル基、酸素含有ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基、又は酸素置換ペルフルオロアルコキシ基であり、これらはそれぞれ、直鎖状、分岐状、又は環状であってよく、酸素含有又は酸素置換の場合、1から5個の炭素原子、及び最大4個までの酸素原子を有し、ここでZを含む繰り返し単位の場合、連続する炭素原子の数は、最大で6個までである。特に、nは1から4までの整数であってよく、より具体的には、1から3までの整数であってよい。Zを含む繰り返し単位の場合、連続する炭素原子の数は、最大で4個までであってよく、より具体的には、最大3個までであってよい。一般的に、nは1又は2であり、Zは-CF基であり、さらにここでzは2であり、Rは、-CFO(CFO)(CO)CF-、-CF(CF)O(CF(CF)CFO)CF(CF)-、-CFO(CO)CF-、-(CFO(CO)(CF-、-CF(CF)-(OCFCF(CF))O-C2t-O(CF(CF)CFO)CF(CF)-から成る群から選択され、ここでtは2、3又は4であり、ここでmは1から50であり、pは3から40である。
【0082】
架橋剤が含まれてもよい。例示的な架橋剤は、テトラメトキシシラン;テトラエトキシシラン;テトラプロポキシシラン;テトラブトキシシラン;メチルトリエトキシシラン;ジメチルジエトキシシラン;オクタデシルトリエトキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;3-アミノプロピルトリメトキシシラン;3-アミノプロピルトリエトキシシラン;ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン;3-アミノプロピルトリ(メトキシエトキシエトキシ)シラン;N(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン;ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン;3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン;3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレート;3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレート;ビス(トリメトキシシリル)イタコネート;アリルトリエトキシシラン;アリルトリメトキシシラン;3-(N-アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン;及びこれらの混合物が包含される。
【0083】
コーティングされる構成要素は、コーティングの前に、洗浄等による前処理がなされてもよい。洗浄は、ハイドロフルオロエーテル、例えば、HFE72DE、又は約70%w/wトランスジクロロエチレン;30%w/wのメチル及びエチルノナフルオロブチル及びノナフルオロイソブチルエーテルの混合物の共沸混合物等の溶媒を用いて行われてもよい。
【0084】
前述の最初の許容されるコーティングは、バルブステム、ボトル空け(bottle emptier)、ばね、及びタンクのうち1又は複数を包含するバルブ構成要素をコーティングするために特に有用である。このコーティング系は、本明細書に記載の任意の種類の吸入器及び製剤と共に使用してよい。実施形態において、本発明のMDIの医薬性能は、参照の吸入器の医薬性能と同様になるように制御される。例えば、実施形態において、本発明のMDIの医薬性能は、個々の用量が100マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び25マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む、ドライパウダー吸入器製品であるRelvar(登録商標)Ellipta(登録商標)100/25の医薬性能と同様である。Relvar(登録商標)Ellipta(登録商標)100/25のビランテロール用量は、塩基当量として与えられ、すなわち、用量は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩の形で存在する25マイクログラムのビランテロール塩基である。これは、以下に記載の他のRelvar及びBreo製品の各ビランテロール用量についても同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、個々の用量が200マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び25マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む、ドライパウダー吸入器製品であるRelvar(登録商標)Ellipta(登録商標)200/25の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、個々の用量が100マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び25マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む、ドライパウダー吸入器製品であるBreo(登録商標)Ellipta(登録商標)100/25の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、個々の用量が200マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び25マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩を含む、ドライパウダー吸入器製品であるBreo(登録商標)Ellipta(登録商標)200/25の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、1吸入あたり92マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び22マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩の公称用量を送達する、ドライパウダー吸入器製品であるRelvar(登録商標)Ellipta(登録商標)92/22の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、1吸入あたり184マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び22マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩の公称用量を送達する、ドライパウダー吸入器製品であるRelvar(登録商標)Ellipta(登録商標)184/22の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、1吸入あたり92マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び22マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩の公称用量を送達する、ドライパウダー吸入器製品であるBreo(登録商標)Ellipta(登録商標)92/22の医薬性能と同様である。実施形態において、本開示のMDIの医薬性能は、1吸入あたり184マイクログラムのフルチカゾンフランカルボン酸エステル、及び22マイクログラムのビランテロールトリフェニル酢酸塩の公称用量を送達する、ドライパウダー吸入器製品であるBreo(登録商標)Ellipta(登録商標)184/22の医薬性能と同様である。
【0085】
同様の医薬性能は、in vitro又はin vivo試験法のいずれかによって評価することができる。
【0086】
好適なin vitro試験法は、これに限定されないが、単一作動含量、及び空気力学的粒子径分布を包含する。単一作動含量は、28.3L/分の流量を利用して、MDIの寿命の開始、中間、及び/又は終了時に測定してよい。米国薬局方<601>装置A、又はその他の好適な装置が使用されてよい。空気力学的粒子径分布は、28.3L/分の流量を利用して、寿命の開始、中間、及び/又は終了時に測定してよい。米国薬局方<601>装置1、装置6、又はその他の好適な装置が使用されてよい。単一作動含量は、微粒子質量(FPM)及び/又はインパクタステージ質量(ISM)を決定するために、さらに分析されてもよい。空気力学粒子径分布は、空気力学的質量中央径(MMAD)を決定するために、さらに分析されてもよい。
【0087】
好適なin vivo試験法は、これに限定されないが、薬物動態(PK)生物学的同等性試験、及び臨床薬力学の生物学的同等性試験を包含する。本技術分野の当業者は、生物学的同等性を確立するために必要とされる、好適な変数及び範囲を理解し得る。例示的なPK生物学的同等性試験は、血漿中の活性及び/又は活性代謝物の曲線下面積(AUC)及びCmax(最大濃度)が、80~125%の範囲内に収まる試験品と参照品との間の比の幾何学的平均値について90%信頼区間を有する場合に、生物学的同等性が確立されているとみなされる。例示的な臨床薬力学の生物学的同等性試験は、FEV1等の1又は複数の肺機能の臨床測定値が、80~125%の範囲内に収まる試験品と参照品との間の比の幾何学的平均値について90%信頼区間を有する場合に、生物学的同等性が確立される。
【0088】
例示的な実施形態の一覧
以下の実施形態は、例示を意図するものであり、特に明記しない限り、限定することを意図するものではない。
1.フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロールトリフェニル酢酸塩粒子;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a);
を含む組成物。
2.実施形態1に記載の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
3.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である、組成物。
4.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
5.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンのキャニスタサイズは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
6.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩のキャニスタサイズは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
7.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
8.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
9.前記実施形態のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
10.フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む組成物であって、フルチカゾン及びビランテロール又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、前記組成物における唯一の有効成分である、組成物。
11.実施形態10の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
12.実施形態10~実施形態11のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である、組成物。
13.実施形態10~実施形態12のいずれかに記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
14.実施形態10~実施形態13のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンのキャニスタサイズは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
15.実施形態10~実施形態14のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩のキャニスタサイズは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
16.実施形態10~実施形態15のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
17.実施形態10~実施形態16のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
18.実施形態10~実施形態17のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
19.前記実施形態のいずれかに記載の組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
20.有機連結基によって分離された、2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含むプライマ組成物を有する少なくとも1の表面を含む、実施形態19のエアロゾルキャニスタであって、前記プライマ組成物は、少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含む、エアロゾルキャニスタ。
21.実施形態20に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、ポリフルオロポリエーテルシランである、エアロゾルキャニスタ。
22.実施形態20又は実施形態21に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも1の表面は、バルブ表面の少なくとも一部である、エアロゾルキャニスタ。
23.実施形態1~実施形態18のいずれかに記載の組成物、又は実施形態19~実施形態23のいずれかに記載のエアロゾルキャニスタを含む、吸入器。
【実施例0089】
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)は、Mexichem(Runcorn、イギリス)から入手した。ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、Hovione(ポルトガル)から入手した。フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、Hovione(ポルトガル)から入手した。
【0090】
例1
FEP(IntraPac International社製、Mooresville、ノースカロライナ州、アメリカ合衆国)で被覆された16mLアルミニウムキャニスタ、PBT(ポリブチレンテレフタレート)ステム及びEPDM(エチレン-プロピレンジエンターポリマーエラストマー)ダイヤフラムシール(3M社製)を備えた63マイクロリットルの3Mリテンションタイプのバルブ、及び一体型用量カウンタが取り付けられた0.25mm出口オリフィス径3M Mk6アクチュエータ(Oechsler、Ansbach、ドイツ)を用いた定量吸入器(MDI)が準備された。バルブは、Jinksらの米国特許出願公開第2017/0152396号明細書の例2に記載された一般的なプロセスに従って、フルオロポリマーコーティングで被覆された。ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、微粉化され、約1.5ミクロンの質量中央径(MMD)を提供した。フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、高圧均質化され、約3.5ミクロンの範囲の質量中央径(MMD)を提供した。キャニスタはフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.1744%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0698%、及びHFA-152aを99.7558%含む懸濁製剤でコールドフィリングされた。個々のキャニスタをコールドフィリングするためのバルク製剤は、-40℃未満に冷却された容器内で、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びビランテロールトリフェニル酢酸塩を、HFA-152a噴射剤と混合することによって調製された。懸濁物は、シルバーソンミキサー(Silverson社製、Chesham、イギリス)を用いて10分間、高せん断混合された。
【0091】
送達用量試験
単位寿命の開始時の送達用量は、フィルタが嵌合された標準ユニットスプレー収集装置(USCA)を使用して決定した。各決定において、カプラを用いてMDIをUSCAに取り付け、1回作動させた。取り付けの直前、MDIを激しく振った。試験サンプルの収集前に、MDIを4回作動させることによって準備した。各準備作動の前にMDIを激しく振った。機器を通る流量は、28.3L/分±0.5L/分に調整された。USCA内に堆積した試験サンプルは既知の体積の収集溶液ですすぐことによって収集された。回収されたサンプルは、その後、既知の標準物質を参照するHPLC分析を使用して、サンプル含有量が分析された。UV検出器(0分において220nm、5分において240nm)、及びsymmetry shield RP18、150mm×4.6mm(3.5μm)カラム(温度25℃)を備えるHPLC装置が使用された。移動相は、10mM SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、60:40(v/v)アセトニトリル:50mM NHOAc(硫酸アンモニウム)、pH5.50であった。注入量は50μlで、流量は1.0mL/分であった。
【0092】
寿命開始時の投与量の均一性は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルでは90.0mcg/作動であり、ビランテロールでは23.1mcg/作動であった。
【0093】
次世代インパクタ(NGI)試験
各MDIから放出される空気力学粒子径分布は、次世代インパクタ装置(MSP社製、Shoreview、ミネソタ州)を使用して評価された。各試験にについて、MDIをNGI器具のスロート部(Emmace anatomical throat、Emmace Consulting社製、Lund、スウェーデン)に取り付け、器具の中に6回作動させた。各作動の前に、MDIを激しく振った。取り付けの直前、MDIを4回作動させることによって準備した。各準備噴射の前に、MDIを激しく振った。試験中に器具を通過する流量は、30L/分で調整された。バルブステム、アクチュエータ、スロートアセンブリ(Emmace anatomical throat)、独立した無被覆の収集カップ1~7、マイクロオリフィスコレクタ(MOC)、及び最終フィルタ構成要素に堆積した試験サンプル(フルチカゾンフランカルボン酸エステル、及びビランテロールトリフェニル酢酸塩)は、それぞれの独立した構成要素を既知の体積の収集溶液ですすぐことによって収集された。回収されたサンプルは、その後、既知の標準物質を参照するHPLC分析を使用して、サンプル含有量が分析された。UV検出器(0分で220nm、5分で240nm)、及びsymmetry shield RP-18、4.6-150mmカラム(25℃のカラム温度)を備えるHPLC装置が使用された。移動相は10mM SDS、60:40(v/v)アクリロニトリル:50mM NHOAc、pH5.5であった。注入量は50マイクロリットルで、流量は1.0mL/分であった。
【0094】
表1に、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)及びビランテロール(V)の微粒子質量(FPM)、インパクタサイズ質量(ISM)、空気力学的質量中央径(MMAD)、及びスロート保持量のデータを示す。各時点で、3つの独立したMDIが試験され、結果は平均値として表される。
【0095】
スロート保持量は、スロートアセンブリからのサンプル含有量をバルブ外総含有量で割った比率として決定された。
【0096】
【表1】
【0097】
微粒子質量(FPM)は、CITDAS(Copley Inhaler Testing Data Analysis Software、Copley Scientific社、Nottingham、イギリス)を使用して、粒子径が5マイクロメートル(um)未満のサンプル含有量の合計として計算され、1回の作動あたりのマイクログラム(mcg/作動)として報告された。
【0098】
空気力学的質量中央径(MMAD)は、CITDAS(Copley Inhaler Testing Data Analysis Software)を使用して計算された。
【0099】
インパクタサイズ質量(ISM)は、カップ2~7、MOC、及びフィルタについて決定されたサンプル含有量の合計として決定され、1回の作動あたりのマイクログラム(mcg/作動)として報告された。
【0100】
例2
FEP(IntraPac International社製、Mooresville、ノースカロライナ州、アメリカ合衆国)で被覆された16mLアルミニウムキャニスタ、PBTステム及びEPDMダイヤフラムシール(3M社製)を備えた25マイクロリットルの3Mリテンションタイプのバルブ、及び噴射長0.8mmの0.25mm出口オリフィス径3M Mk6アクチュエータを用いた定量吸入器(MDI)が準備された。アクチュエータは、一体型用量カウンタを備えた。バルブは、Jinksらの米国特許出願公開第2017/0152396号明細書の例2に記載された一般的なプロセスに従って、フルオロポリマーコーティングで被覆された。ビランテロールトリフェニル酢酸塩は、微粉化され、約1.5ミクロンの質量中央径(MMD)を提供した。フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、高圧均質化され、約3.5ミクロンの範囲の質量中央径(MMD)を提供した。キャニスタはフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.8791質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.1758質量%、及びHFA-152aを98.9451質量%含む懸濁製剤でコールドフィリングされた。充填手順において、フルチカゾンフランカルボン酸エステル及びビランテロールトリフェニル酢酸塩が各キャニスタに注入され、続いて冷却された(約-55℃~-60℃)HFA-152aが注入された。各キャニスタは、バルブと圧着(crimped)され、その後、懸濁物を分散させるために10分間超音波処理された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、104.9マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.5マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは13.6マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.6マイクロメートルであった。
【0101】
例3
50マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.4396質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0879質量%、及びHFA-152aを99.4725質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、69.3マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.4マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは8.8マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.7マイクロメートルであった。
【0102】
例4
63マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.3489質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0698質量%、及びHFA-152aを99.5813質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。MDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、55.9マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.3マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは6.7マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.3マイクロメートルであった。
【0103】
例5
100マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.2198質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0440質量%、及びHFA-152aを99.7362質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、45.2マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.3マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは5.5マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.5マイクロメートルであった。
【0104】
例6
製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.4396質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.1758質量%、及びHFA-152aを99.3846質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、41.0マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.1マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは11.4マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.1マイクロメートルであった。
【0105】
例7
50マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.2198質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0879質量%、及びHFA-152aを99.6923質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、26.3マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.9マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは7.7マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.2マイクロメートルであった。
【0106】
例8
63マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.1744質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0698質量%、及びHFA-152aを99.7558質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、23.8マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.0マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは5.9マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.3マイクロメートルであった。
【0107】
例9
100マイクロリットルのバルブを使用し、製剤がフルチカゾンフランカルボン酸エステルを0.1099質量%、ビランテロールトリフェニル酢酸塩を0.0440質量%、及びHFA-152aを99.8461質量%含むことを除き、例2に記載の手順に従って、MDIが準備された。組み立てられたMDIは、前述のNGI試験手順に従って試験された。フルチカゾンフランカルボン酸エステルについて、計算されたFPMは、19.3マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは3.2マイクロメートルであった。ビランテロールについて、計算されたFPMは4.2マイクログラム/作動であり、計算されたMMADは2.6マイクロメートルであった。
【0108】
本明細書で引用される全ての参考文献及び刊行物は、参照によりその全体が本開示に明示的に援用される。
【0109】
本開示の種々の特徴及び態様は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
本開示の種々の特徴及び態様は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
本開示は以下も包含する。
態様1
フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a);
を含む組成物。
態様2
上記態様1に記載の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
態様3
上記態様1又は上記態様2に記載の組成物であって、前記ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、ビランテロールトリフェニル酢酸塩である、組成物。
態様4
上記態様1~上記態様3のいずれかに記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
態様5
キャニスタ内に収容された上記態様1~上記態様4のいずれかに記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記フルチカゾン粒子の大きさは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
態様6
キャニスタ内に収容された上記態様1~上記態様5のいずれかに記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩粒子の大きさは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
態様7
上記態様1~上記態様6のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
態様8
上記態様1~上記態様7のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
態様9
上記態様1~上記態様8のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
態様10
フルチカゾン粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
ビランテロール粒子又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む組成物であって、フルチカゾン及びビランテロール又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、前記組成物における唯一の有効成分である、組成物。
態様11
上記態様10の組成物であって、前記フルチカゾン又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルである、組成物。
態様12
上記態様10~上記態様11のいずれかに記載の組成物であって、前記噴射剤は、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン又は1,1,1,2-テトラフルオロエタンをさらに含む、組成物。
態様13
上記態様10~上記態様12のいずれかに記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
態様14
キャニスタ内に収容された上記態様10~上記態様13のいずれかに記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記フルチカゾン粒子の大きさは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
態様15
キャニスタ内に収容された上記態様10~上記態様14のいずれかに記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩粒子の大きさは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
態様16
上記態様10~上記態様15のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
態様17
上記態様10~上記態様16のいずれかに記載の組成物であって、前記フルチカゾンの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
態様18
上記態様10~上記態様17のいずれかに記載の組成物であって、前記ビランテロールトリフェニル酢酸塩の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
態様19
上記態様1~上記態様18のいずれかに記載の組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
態様20
有機連結基によって分離された、2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含むプライマ組成物を有する少なくとも1の表面を含む、上記態様19のエアロゾルキャニスタであって、前記プライマ組成物は、少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含むコーティング組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
態様21
上記態様20に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、ポリフルオロポリエーテルシランである、エアロゾルキャニスタ。
態様22
上記態様20又は上記態様21に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも1の表面は、バルブ表面の少なくとも一部である、エアロゾルキャニスタ。
態様23
上記態様1~上記態様18のいずれかに記載の組成物、又は上記態様19~上記態様22のいずれかに記載のエアロゾルキャニスタを含む、吸入器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルチカゾンプロピオン酸エステル粒子
粒子状の、ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;及び
噴射剤を含む組成物であって、フルチカゾンプロピオン酸エステル及びビランテロール又はそれらの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、前記組成物における唯一の有効医薬成分であり、
前記噴射剤は1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)を含む、組成物。
【請求項2】
請求項に記載の組成物であって、前記噴射剤は、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン又は1,1,1,2-テトラフルオロエタンをさらに含む、組成物。
【請求項3】
請求項に記載の組成物であって、前記噴射剤は、実質的に1,1-ジフルオロエタン(HFA-152a)から成る、組成物。
【請求項4】
キャニスタ内に収容された請求項~請求項のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記フルチカゾンプロピオン酸エステル粒子の大きさは、約2マイクロメートルから4マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項5】
キャニスタ内に収容された請求項~請求項のいずれか1項に記載の組成物であって、前記キャニスタ内の前記粒子状の、ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の大きさは、約1マイクロメートルから2マイクロメートルの間である、組成物。
【請求項6】
請求項~請求項のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンプロピオン酸エステルの濃度は、約1.0mg/gから2.5mg/gの間である、組成物。
【請求項7】
請求項~請求項のいずれか1項に記載の組成物であって、前記フルチカゾンプロピオン酸エステルの濃度は、約2.0mg/gから4.5mg/gの間である、組成物。
【請求項8】
請求項~請求項のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ビランテロール又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の濃度は、約0.2mg/gから1.0mg/gの間である、組成物。
【請求項9】
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の組成物を含む、エアロゾルキャニスタ。
【請求項10】
有機連結基によって分離された、2又はそれ以上の反応性シラン基を有するシランを含むプライマ組成物を有する少なくとも1の表面を含む、請求項のエアロゾルキャニスタであって、前記プライマ組成物は、前記プライマ組成物の上に配置された少なくとも部分的にフッ素化された化合物を含むコーティング組成物を有する、エアロゾルキャニスタ。
【請求項11】
請求項1に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも部分的にフッ素化された化合物は、ポリフルオロポリエーテルシランである、エアロゾルキャニスタ。
【請求項12】
請求項1又は請求項11に記載のエアロゾルキャニスタであって、前記少なくとも1の表面は、バルブ表面の少なくとも一部である、エアロゾルキャニスタ。
【請求項13】
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項~請求項12のいずれか1項に記載のエアロゾルキャニスタを含む、吸入器。
【外国語明細書】