(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019635
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20240202BHJP
【FI】
A61M25/10 550
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214352
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2022539945の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】飯田 桂史
(57)【要約】
【課題】バルーンカテーテルの先端と病変部との距離の短縮化を図る。
【解決手段】バルーンカテーテルは、第1のシャフト部分と、第1のシャフト部分より基端側に位置する第2のシャフト部分と、を有するシャフトと、第2のシャフト部分を覆うとともに第2のシャフト部分に接合されたバルーンと、を備える。第1のシャフト部分の柔軟性は、第2のシャフト部分の柔軟性よりも高く、かつ、第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルであって、
第1のシャフト部分と、前記第1のシャフト部分より基端側に位置する第2のシャフト部分と、を有するシャフトと、
前記第2のシャフト部分を覆うとともに前記第2のシャフト部分に接合されたバルーンと、
を備え、
前記第1のシャフト部分の柔軟性は、前記第2のシャフト部分の柔軟性よりも高く、かつ、前記第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上である、
バルーンカテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、
前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD47以下である、
バルーンカテーテル。
【請求項3】
請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、
前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD40以下である、
バルーンカテーテル。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
前記シャフトには、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンが形成されており、
前記第1のシャフト部分の基端側の外周面には、前記第1のルーメンに連通するサイドホールが形成されている、
バルーンカテーテル。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分のうち、少なくとも先端側の外周面には、親水性コーティングが形成されている、
バルーンカテーテル。
【請求項6】
請求項5に記載のバルーンカテーテルであって、
前記親水性コーティングは、前記第1のシャフト部分の先端部分の外周面に形成されており、
前記第1のシャフト部分のうち、前記親水性コーティングより基端側の外周面の摩擦係数は、前記親水性コーティングの摩擦係数よりも高い、
バルーンカテーテル。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分と前記第2のシャフト部分とが一体形成されており、
前記シャフトには、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンと、前記第2のシャフト部分の基端側から前記バルーン内まで伸びるとともに前記バルーン内に連通している第2のルーメンと、が形成されており、
前記第1のシャフト部分の外径は、前記第2のシャフト部分の外径より小さい、
バルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、バルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
血管等の体腔内に挿入して拡張・収縮させるバルーンを備えるバルーンカテーテルが知られている。バルーンカテーテルは、シャフトと、そのシャフトの一部を覆うとともにシャフトに接合されたバルーンとを備える(例えば、下記特許文献1参照)。このバルーンカテーテルでは、シャフトのうち、バルーンが接合された部分(以下、「バルーン接合部分」という)と、そのバルーンより先端側の部分(以下、「カテーテル先端部分」という)とは、互いに同一の柔軟性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のバルーンカテーテルでは、カテーテル先端部分は、バルーン接合部分と同程度の柔軟性しか有していない。このため、バルーンカテーテルを、例えば血管内の曲がった部分に挿入する場合、その曲がった部分にカテーテル先端部分を挿入することが困難であり、その結果、バルーンカテーテルの先端を、血管内における病変部(例えば狭窄部や閉塞部)に近づけることができない。このような場合、例えばバルーンカテーテルを用いて病変部に対する適切な処置を施すことができなくなる。
【0005】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示されるバルーンカテーテルは、バルーンカテーテルであって、第1のシャフト部分と、前記第1のシャフト部分より基端側に位置する第2のシャフト部分と、を有するシャフトと、前記第2のシャフト部分を覆うとともに前記第2のシャフト部分に接合されたバルーンと、を備え、前記第1のシャフト部分の柔軟性は、前記第2のシャフト部分の柔軟性よりも高く、かつ、前記第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上である。本バルーンカテーテルでは、シャフトは、バルーンが接合された第2のシャフト部分より先端側に第1のシャフト部分を備えている。この第1のシャフト部分の柔軟性は、第2のシャフト部分の柔軟性よりも低く、かつ、第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上である。このため、本バルーンカテーテルによれば、例えば第1のシャフト部分を備えない構成に比べて、バルーンカテーテル(第1のシャフト部分)の先端を病変部の近くまで挿入し易いため、バルーンカテーテルの先端と病変部との距離の短縮化を図ることができる。
【0008】
(2)上記バルーンカテーテルにおいて、前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD47以下である構成としてもよい。本バルーンカテーテルによれば、第1のシャフト部分の外層の樹脂材料のショア硬さがD47より高い構成に比べて、バルーンカテーテルの先端を病変部の近くまでさらに挿入し易いため、バルーンカテーテルの先端と病変部との距離のさらなる短縮化を図ることができる。
【0009】
(3)上記バルーンカテーテルにおいて、前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD40以下である構成としてもよい。本バルーンカテーテルによれば、第1のシャフト部分の外層の樹脂材料のショア硬さがD40より高い構成に比べて、バルーンカテーテルの先端を病変部の近くまでさらに挿入し易いため、バルーンカテーテルの先端と病変部との距離のさらなる短縮化を図ることができる。
【0010】
(4)上記バルーンカテーテルにおいて、前記シャフトには、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンが形成されており、前記第1のシャフト部分の基端側の外周面には、前記第1のルーメンに連通するサイドホールが形成されている構成としてもよい。本バルーンカテーテルでは、第1のシャフト部分がバルーンよりも先端側に突出している。このため、例えば病変部からの回収物(例えば血栓片等)を回収する場合、回収物が、第1のシャフト部分の先端に形成された第1のルーメンの開口内に回収されずに、第1のシャフト部分の外周側に入り込む可能性がある。しかし、本バルーンカテーテルによれば、その回収されなかった回収物を、サイドホールを介して回収することができる。
【0011】
(5)上記バルーンカテーテルにおいて、前記第1のシャフト部分のうち、少なくとも先端側の外周面には、親水性コーティングが形成されている構成としてもよい。本バルーンカテーテルによれば、親水性コーティングによって第1のシャフト部分の滑りやすさが向上するため、体腔内への第1のシャフト部分の挿入性を向上させることができる。
【0012】
(6)上記バルーンカテーテルにおいて、前記親水性コーティングは、前記第1のシャフト部分の先端部分の外周面に形成されており、前記第1のシャフト部分のうち、前記親水性コーティングより基端側の外周面の摩擦係数は、前記親水性コーティングの摩擦係数よりも高い構成としてもよい。本バルーンカテーテルによれば、第1のシャフト部分の先端部分は、相対的に摩擦係数が高い親水性コーティングが形成されているため、第1のシャフト部分の先端側を容易に体腔内に挿入させることができる。また、第1のシャフト部分のうち、親水性コーティングより基端側の外周面の摩擦係数は、親水性コーティングの摩擦係数よりも低い。このため、第1のシャフト部分のうち、相対的に摩擦係数が高い基端側は、例えば屈曲した体腔内の内壁面との接触により相対的な移動が規制される。これにより、バルーンカテーテルの第1のシャフト部分を体腔内に挿入させつつ、その挿入させた状態の保持性を向上させることができる。
【0013】
(7)上記バルーンカテーテルにおいて、前記第1のシャフト部分と前記第2のシャフト部分とが一体形成されており、前記シャフトには、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンと、前記第2のシャフト部分の基端側から前記バルーン内まで伸びるとともに前記バルーン内に連通している第2のルーメンと、が形成されており、前記第1のシャフト部分の外径は、前記第2のシャフト部分の外径より小さい構成としてもよい。シャフトが一体形成されており、第1のシャフト部分には第2のルーメン(拡張ルーメン)が形成されておらず、かつ、第1のシャフト部分は第2のシャフト部分より径小である。(効果)本バルーンカテーテルでは、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分とが一体形成されているため、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分と互いに別体で接合された構成に比べて、シャフトのトルク伝達性が高い。また、ルーメンの数の相違と外径の相違とによって第1のシャフト部分と第2のシャフト部分との柔軟性の差が実現されている。すなわち、本バルーンカテーテルによれば、シャフトのトルク伝達性の低下を抑制しつつ、バルーンカテーテルの先端と病変部との距離の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の構成を概略的に示す説明図
【
図2】シャフト10の先端シャフト部分14を概略的に示す説明図(横断面図)
【
図3】シャフト10の基端シャフト部分16を概略的に示す説明図(横断面図)
【
図4】バルーンカテーテル100を血管内に配置した状態を示す説明図
【
図5】第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aの構成を概略的に示す説明図
【
図6】シャフト10aの基端シャフト部分16aを概略的に示す説明図(横断面図)
【
図7】バルーンカテーテル100aを血管内に配置した状態を示す説明図
【
図8】サイドホール20による血栓片Cの回収状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.第1実施形態:
A-1.バルーンカテーテル100の基本構成:
図1は、第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の構成を概略的に示す説明図である。
図2は、シャフト10の先端シャフト部分14を概略的に示す説明図であり、
図3は、シャフト10の基端シャフト部分16を概略的に示す説明図である。
図2には、
図1のII-IIの位置におけるシャフト10(先端シャフト部分14)の横断面(XY断面:
図1に記載されたX軸とY軸とを含む平面に沿って切断した断面図)の構成が示されている。
図3には、
図1のIII-IIIの位置におけるシャフト10(基端シャフト部分16)の横断面の構成が示されている。なお、
図2および
図3では、後述のバルーン30やコネクタ40は省略されている。
【0016】
図1において、Z軸正方向側(バルーンカテーテル100の先端チップ12の側)が、体内に挿入される先端側(遠位側)であり、Z軸負方向側(バルーンカテーテル100の先端チップ12の側とは逆側)が、医師等の手技者によって操作される基端側(近位側)である。なお、
図1では、バルーンカテーテル100が全体としてZ軸方向に平行な直線状となった状態を示しているが、バルーンカテーテル100は湾曲させることができる程度の柔軟性を有している。また、
図1では、後述のバルーン30が拡張した状態が示されている。
【0017】
バルーンカテーテル100は、例えば血管内における病変部(狭窄部や閉塞部)の手前側において血管壁に密着するようにバルーン30を拡張させて血流を遮断するために、血管内に挿入される医療用デバイスである。
図1に示すように、バルーンカテーテル100は、シャフト10と、バルーン30とを備えている。
【0018】
シャフト10は、先端と基端とが開口した筒状(例えば円筒状)の部材である。なお、本明細書において「筒状(円筒状)」とは、完全な筒形状(円筒形状)に限らず、全体として略筒状(略円筒形状、例えば、若干、円錐形状や、一部に凹凸がある形状など)でもよい。
図2および
図3に示すように、シャフト10の内部には、メインルーメンS1と拡張ルーメンS2とが形成されている。メインルーメンS1には、ガイドワイヤ、回収デバイス(ステントリトリーバー、吸引カテーテル)やダイレータ等の線状のデバイス(図示しない)が挿通される。拡張ルーメンS2には、バルーン30を拡張するための拡張用の流体が流通する。なお、流体は、気体でも液体でもよく、例えば、ヘリウムガス、CO
2ガス、O
2ガス等の気体や、生理食塩水、造影剤等の液体が挙げられる。すなわち、バルーンカテーテル100は、メインルーメンS1と拡張ルーメンS2とを備える、いわゆる2ルーメンタイプのカテーテルである。メインルーメンS1は、特許請求の範囲における第1のルーメンの一例であり、拡張ルーメンS2は、特許請求の範囲における第2のルーメンの一例である。
【0019】
具体的には、シャフト10は、先端シャフト部分14と基端シャフト部分16とを有する。先端シャフト部分14は、特許請求の範囲における第1のシャフト部分の一例であり、基端シャフト部分16は、特許請求の範囲における第2のシャフト部分の一例である。
【0020】
先端シャフト部分14は、シャフト10の先端を含む部分である。先端シャフト部分14は、メインルーメンS1のみが形成されたシングルルーメン構造である。メインルーメンS1は、先端シャフト部分14の軸方向の全長にわたって貫通している。
図2に示すように、バルーンカテーテル100の軸方向(各図ではZ軸方向)から見たとき、メインルーメンS1は、先端シャフト部分14における略中央部に形成されている。軸方向から見たとき、先端シャフト部分14の厚さD1は、全周にわたって略同一である。なお、本実施形態では、軸方向から見たとき、先端シャフト部分14の外周形状と内周形状とはいずれも略円形である。先端シャフト部分14の軸方向の長さは、例えば2cmである。
【0021】
なお、先端シャフト部分14の先端には、先端チップ12が設けられている。先端チップ12は、先端と後端とが開口した筒状の部材である。先端チップ12は、全長にわたって外径が同一の外形でもよいし、先端に向かって外径が徐々に小さくなるテーパ状の外形でもよい。メインルーメンS1に挿入されたデバイスは、先端チップ12の先端から外部に導出される。先端チップ12は、先端シャフト部分14の基端側と同等以上の柔軟性を有している。
【0022】
基端シャフト部分16は、シャフト10の基端を含む部分である。先端シャフト部分14と基端シャフト部分16とは、軸方向において互いに隣接している。基端シャフト部分16は、メインルーメンS1に加えて拡張ルーメンS2が形成されたダブルルーメン構造である。メインルーメンS1は、基端シャフト部分16の軸方向の全長にわたって貫通している。拡張ルーメンS2は、基端シャフト部分16の基端から先端側に向かって伸びており、基端シャフト部分16の先端部分の外周面に開口している。具体的には、
図3に示すように、軸方向から見たとき、メインルーメンS1は、基端シャフト部分16における若干偏心した位置に形成されており、拡張ルーメンS2は、メインルーメンS1の外周側に形成されている。拡張ルーメンS2の径は、メインルーメンS1の径よりも小さい。
【0023】
先端シャフト部分14に形成されたメインルーメンS1の径と基端シャフト部分16に形成されたメインルーメンS1の径とは略同一である。なお、本明細書において、AとBとが略同一とは、AとBとの誤差がAまたはBの5%以下であることを意味する。すなわち、シャフト10には、全長にわたって略同一径のメインルーメンS1が貫通形成されている。軸方向から見て、基端シャフト部分16のうち、拡張ルーメンS2とは反対側の厚さD2は、先端シャフト部分14の厚さD1と略同一である。基端シャフト部分16のうち、拡張ルーメンS2が形成された側の厚さD3は、拡張ルーメンS2とは反対側の厚さD2に比べて厚い。このように、先端シャフト部分14は、基端シャフト部分16に比べて肉薄の部分を有し、かつ、先端シャフト部分14の外径は、基端シャフト部分16の外径より小さい。これにより、先端シャフト部分14の柔軟性は、基端シャフト部分16の柔軟性よりも高くなっている。例えば先端シャフト部分14の外層樹脂材料のショア硬さがD47以下である。先端シャフト部分14の外層樹脂材料のショア硬さがD40以下でもよい。なお、基端シャフト部分16の基端には、各ルーメンS1,S2にデバイスや流体等を導入するためのコネクタ40が取り付けられている。
【0024】
本実施形態では、シャフト10は、全体にわたって同一の材料により一体形成されている。シャフト10は、熱融着可能であり、かつ、ある程度の可撓性を有する材料により形成されていることが好ましい。シャフト10の形成材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。
【0025】
図1に示すように、シャフト10の先端シャフト部分14の外周面の先端部分には、親水性の樹脂により形成された親水性コーティング18が先端シャフト部分14の全周にわたって形成されている。親水性コーティング18は、先端シャフト部分14を血管内に挿入したときに、先端シャフト部分14の表面と血管内壁との間の摩擦抵抗を低減して、滑り性を確保するために設けられている。なお、本実施形態では、先端シャフト部分14における基端側には、親水性コーティング18が形成されておらず、先端部分に比べて外周面の摩擦係数が高くなっている。
【0026】
バルーン30は、流体の供給および排出に伴い拡張および収縮可能な拡張部である。バルーン30は、基端シャフト部分16の先端部分の外周を覆う。バルーン30の先端部32と後端部34とは、それぞれ、例えば溶着により、基端シャフト部分16の先端部分の外周面に接合されている。なお、本実施形態では、バルーン30の先端部32は、基端シャフト部分16の先端の外周面に接合されており、先端部32と基端シャフト部分16との接合部分は、軸方向において先端シャフト部分14と隣接している。上述した拡張ルーメンS2は、バルーン30と基端シャフト部分16との間に形成される内部空間S3(
図1参照)に連通している。バルーン30は、収縮された状態では、基端シャフト部分16の外周面に密着するように折り畳まれる(図示しない)。なお、バルーン30の軸方向の長さは、例えば2cm程度である。
【0027】
バルーン30は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されていることが好ましく、シャフト10より薄くて、可撓性を有する材料により形成されていることがより好ましい。バルーン30の形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
【0028】
A-2.バルーンカテーテル100の使用例:
次に、第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の使用例について説明する。
図4は、バルーンカテーテル100を血管内に配置した状態を示す説明図である。
図4には、頸動脈の以遠側の血管(総頸動脈B、外頸動脈B1、内頸動脈頸部B2、内頸動脈錐体部B3、眼動脈B4、前大脳動脈B5、中大脳動脈B6)が模式的に示されている。バルーンカテーテル100は、バルーン付きガイディングカテーテルであり、例えば、急性期脳梗塞における血栓回収治療に用いられる。
【0029】
具体的には、バルーン30が収縮した状態で、バルーンカテーテル100を血管内に挿入し、総頸動脈Bから例えば内頸動脈頸部B2に押し込む。内頸動脈頸部B2には、屈曲血管であるペトラスPが存在している。ここで、シャフト10における基端シャフト部分16は、相対的に柔軟性が低く(剛性が高く)、特にバルーン30と基端シャフト部分16との接合部分の柔軟性が低い。このため、基端シャフト部分16をペトラスPに挿入させることは困難である。
【0030】
一方、シャフト10における先端シャフト部分14は、相対的に柔軟性が高く、かつ、先端シャフト部分14の軸方向の長さが1.5cm以上である。このため、
図4に示すように、先端シャフト部分14を、比較的に容易にペトラスP内に挿入させることができる。先端シャフト部分14がペトラスPに挿入された状態で、バルーン30を拡張させることにより、頸動脈の血流が一時的に遮断される。このとき、バルーン30は、例えば、内頸動脈頸部B2におけるペトラスPの手前に位置している。その後、回収デバイス(図示しない)を、メインルーメンS1を介してバルーンカテーテル100の先端から導出し、ペトラスPの以遠(例えば内頸動脈錐体部B3等)に存在する病変部の近傍まで送り出す。そして、回収デバイスを用いて血栓片を捕捉し、血栓片を捕捉した回収デバイスをバルーンカテーテル100のメインルーメンS1内に引き込む。これにより、血管内の血栓片を回収することができる。
【0031】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のバルーンカテーテル100では、相対的に柔軟性が高い先端シャフト部分14がバルーン30の先端側に配置されている(
図1および
図2参照)。これにより、本実施形態では、先端シャフト部分14を備えない構成に比べて、血管内におけるバルーンカテーテル100の先端と病変部との距離(以下、「血栓回収距離」という)が短くなる。血栓回収距離が短くなると、例えば、回収デバイスが露出した状態で血管内を移動する距離が短くなる分だけ、回収デバイスによる血管の損傷等を抑制することができる。例えば、回収デバイスが血管を引っ掻くこと等による血管穿孔やスパズムの発生リスクを低減することができる。
【0032】
また、
図4に示すように、先端シャフト部分14がペトラスP内において屈曲することにより、血管内における先端シャフト部分14の位置が固定され、バルーンカテーテル100のサポート力が向上する。すなわち、一般に、サポート力の向上のためには、シャフトの柔軟性を低くすることが好ましいが、その反面、柔軟性が低くなるため、血管内への挿入性(血管追従性)が低下する。これに対して、本実施形態では、ペトラスP内において屈曲可能な柔軟性を有する先端シャフト部分14がバルーン30の先端側に配置されている。このため、先端シャフト部分14による血管追従性を確保しつつ、先端シャフト部分14の屈曲によるバルーンカテーテル100のサポート力の向上を図ることができる。
【0033】
特に、先端シャフト部分14の先端部分には、相対的に摩擦係数が低い親水性コーティング18が形成されている。このため、先端シャフト部分14の先端側を、ペトラスP内に円滑に挿入させることができる。また、先端シャフト部分14の基端側には、親水性コーティング18が形成されておらず、相対的に摩擦係数が高い。このため、先端シャフト部分14が屈曲しつつその基端側がペトラスPの内壁面に接触することにより、血管内における先端シャフト部分14の位置が、より強固に固定される。これにより、バルーンカテーテル100のサポート力の更なる向上を図ることができる。
【0034】
B.第2実施形態:
B-1.バルーンカテーテル100aの基本構成:
図5は、第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aの構成を概略的に示す説明図である。
図6は、シャフト10aの基端シャフト部分16aを概略的に示す説明図である。
図6には、
図5のVI-VIの位置におけるシャフト10a(基端シャフト部分16a)の横断面の構成が示されている。なお、
図6では、バルーン30やコネクタ40は省略されている。また、
図6のII-IIの位置におけるシャフト10a(先端シャフト部分14a)の横断面の構成は、上記第1実施形態の
図2と同じである。以下では、第2実施形態のバルーンカテーテル100aの構成の内、上述した第1実施形態のバルーンカテーテル100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0035】
バルーンカテーテル100aが備えるシャフト10aは、先端と基端とが開口した筒状(例えば円筒状)の部材である。
図2および
図6に示すように、シャフト10aの内部には、メインルーメンS1と拡張ルーメンS2aとが形成されている。拡張ルーメンS2aは、特許請求の範囲における第2のルーメンの一例である。
【0036】
具体的には、シャフト10aは、先端シャフト部分14aと基端シャフト部分16aとを有する。先端シャフト部分14aは、特許請求の範囲における第1のシャフト部分の一例であり、基端シャフト部分16aは、特許請求の範囲における第2のシャフト部分の一例である。
【0037】
先端シャフト部分14aは、上記第1実施形態の先端シャフト部分14と同様、メインルーメンS1のみが形成されたシングルルーメン構造である(
図2参照)。但し、先端シャフト部分14aの軸方向の長さは、上記第1実施形態の先端シャフト部分14の軸方向の長さよりも長く、例えば20cmである。また、先端シャフト部分14aの基端側の外周面には、メインルーメンS1に連通するサイドホール20が形成されている。本実施形態では、一対のサイドホール20が、先端シャフト部分14aの中心軸に対して互いに対称の位置に配置されている(後述の
図8参照)。
【0038】
基端シャフト部分16aは、メインルーメンS1に加えて拡張ルーメンS2aが形成されたコアキシャル構造である。拡張ルーメンS2aは、基端シャフト部分16aの基端から先端側に向かって伸びており、基端シャフト部分16の先端部分の外周面に開口している。具体的には、
図6に示すように、軸方向から見たとき、メインルーメンS1は、基端シャフト部分16aにおける中央部に形成されており、拡張ルーメンS2aは、メインルーメンS1の外周を囲むように環状に形成されている。先端シャフト部分14aに形成されたメインルーメンS1の径と基端シャフト部分16aに形成されたメインルーメンS1の径とは略同一である。すなわち、シャフト10aには、全長にわたって略同一径のメインルーメンS1が貫通形成されている。先端シャフト部分14aの厚さD1は、基端シャフト部分16aの厚さD4よりも薄く、かつ、先端シャフト部分14aの外径は、基端シャフト部分16aの外径より小さい。これにより、先端シャフト部分14aの柔軟性は、基端シャフト部分16aの柔軟性よりも高くなっている。例えば先端シャフト部分14aの外層樹脂材料のショア硬さがD47以下である。先端シャフト部分14の外層樹脂材料のショア硬さがD40以下でもよい。
【0039】
図5に示すように、シャフト10aの先端シャフト部分14aの外周面の全体には、親水性の樹脂により形成された親水性コーティング18aが形成されている。
【0040】
B-2.バルーンカテーテル100aの使用例:
次に、第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aの使用例について説明する。
図7は、バルーンカテーテル100aを血管内に配置した状態を示す説明図である。
図7に示すように、バルーン30は、内頸動脈頸部B2の入り口付近に位置しており、先端シャフト部分14aは、ペトラスPを超えて中大脳動脈B6付近まで伸びている。このように、先端シャフト部分14aの軸方向の長さが20cm程度である場合、ペトラスPよりもさらに以遠に位置する病変部付近までバルーンカテーテル100aの先端を近づけることができる。
【0041】
図8は、サイドホール20による血栓片Cの回収状態を示す説明図である。バルーンカテーテル100aでは、先端シャフト部分14aがバルーン30よりも先端側に突出している。このため、例えば病変部からの血栓片Cを回収する場合、血栓片Cが、先端シャフト部分14aの先端に形成されたメインルーメンS1の開口内に回収されずに、先端シャフト部分14aの外周側に入り込む可能性がある(
図8(a)(b)参照)。しかし、本実施形態によれば、その回収されなかった血栓片Cは、先端シャフト部分14aに形成されたサイドホール20を介してメインルーメンS1内に回収される。
【0042】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0043】
上記実施形態におけるバルーンカテーテル100,100aの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記各実施形態における先端シャフト部分14,14aの軸方向の長さは、1.5cm以上の任意の長さでよい。具体的には、上記第1実施形態において、先端シャフト部分14の軸方向の長さは、1.5cm以上、2cm未満でもよいし、2cmより長くてもよい。上記第2実施形態において、先端シャフト部分14aの軸方向の長さは、1.5cm以上、20cm未満でもよいし、20cmより長くてもよい。上記各実施形態において、先端シャフト部分14,14aは、先端チップ12を備えない構成でもよい。
【0044】
上記各実施形態において、メインルーメンS1および拡張ルーメンS2,S2aは、基端シャフト部分16,16a(シャフト10,10a)の基端まで伸びておらず、途中で曲がってシャフト10の外周面に開口した構成でもよい。また、拡張ルーメンS2,S2aは、先端シャフト部分14,14aまで延伸している構成でもよい。上記実施形態において、先端シャフト部分14,14aに形成されたルーメンの数は2つ以上でもよく、基端シャフト部分16,16aに形成されたルーメンの数は3つ以上でもよい。要するに、第1のシャフト部分と第2のシャフト部分とが同一材料により形成された構成において、第1のシャフト部分を、第2のシャフト部分よりも柔軟性が高い(すなわち、曲げ剛性が低い)横断面の形状とすることにより、特許請求の範囲におけるシャフトを実現できる。例えば、上記実施形態において、第1のシャフト部分に形成されたルーメンの数が第2のシャフト部分に形成されたルーメンの数より少なく、かつ、第1のシャフト部分の外径が第2のシャフト部分の外径より小さい構成である。また、シャフトは、第1のシャフト部分を、第2のシャフト部分の形成材料よりも硬度が低い材料により形成した構成でもよい。
【0045】
上記実施形態において、バルーン30の先端部32は、基端シャフト部分16,16aの先端部より若干基端側に接合された構成でもよい。すなわち、バルーン30は、基端シャフト部分16,16aの先端側に接合された構成でもよい。要するに、特許請求の範囲におけるバルーンカテーテルは、バルーンが接合された第2のシャフト部分よりも先端側に、相対的に柔軟性が高い第1のシャフト部分を備える構成であればよい。
【0046】
上記実施形態において、バルーンカテーテル100,100aは、親水性コーティング18,18aを備えない構成でもよい。また、上記第1実施形態において、先端シャフト部分14の外周面にサイドホールが形成された構成でもよいし、上記第2実施形態において、先端シャフト部分14aの外周面にサイドホールが形成されていない構成でもよい。
【0047】
上記実施形態において、シャフト10,10aの外径が全長にわたって略同一である構成であってもよい。また、シャフト10,10aの横断面の形状は、円形に限らず、多角形状等であってもよい。また、シャフト10,10a全体、先端シャフト部分14,14a、または、基端シャフト部分16,16aは、一層の構成に限らず、複数の樹脂層(例えば内層樹脂と外層樹脂)を備える構成でもよく、更に、補強体(ブレード)やコイル体等が埋設された構成であってもよい。上記実施形態において、シャフト10,10aが複数の樹脂層および補強体を備える場合、複数の樹脂層および補強体のそれぞれについて、先端シャフト部分14,14aと基端シャフト部分16,16aとが互いに同一材料によって一体形成されている構成でもよい。
【0048】
また、上記実施形態における各部材の材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
【0049】
上記実施形態では、バルーンカテーテルとして、血管内に挿入されるバルーンカテーテル100,100aを例示したが、血管以外の体腔(例えば食道等)内に挿入されるものでもよい。
【符号の説明】
【0050】
10,10a:シャフト 12:先端チップ 14,14a:先端シャフト部分 16,16a:基端シャフト部分 18,18a:親水性コーティング 20:サイドホール 30:バルーン 32:先端部 34:後端部 40:コネクタ 100,100a:バルーンカテーテル B1:外頸動脈 B2:内頸動脈頸部 B3:内頸動脈錐体部 B4:眼動脈 B5:前大脳動脈 B6:中大脳動脈 B:総頸動脈 C:血栓片 P:ペトラス S1:メインルーメン S2,S2a:拡張ルーメン S3:内部空間
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルであって、
先端に先端チップが設けられている第1のシャフト部分と、前記第1のシャフト部分より基端側に位置する第2のシャフト部分と、を有し、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンが形成されているシャフトと、
前記第2のシャフト部分を覆うとともに前記第2のシャフト部分に接合されたバルーンと、
を備え、
前記第1のシャフト部分の柔軟性は、前記第2のシャフト部分の柔軟性よりも高く、かつ、前記第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上であり、
前記第1のシャフト部分の前記先端チップよりも基端側の部分の外径は、前記第2のシャフト部分の前記バルーンの基端における外径より小さい、
バルーンカテーテル。
【請求項2】
バルーンカテーテルであって、
第1のシャフト部分と、前記第1のシャフト部分より基端側に位置する第2のシャフト部分と、を有し、前記第2のシャフト部分の基端側から前記第1のシャフト部分の先端まで貫通する第1のルーメンが形成されているシャフトと、
前記第2のシャフト部分を覆うとともに前記第2のシャフト部分に接合されたバルーンと、
を備え、
前記第1のシャフト部分と前記第2のシャフト部分とが一体形成されており、
前記第1のシャフト部分の柔軟性は、前記第2のシャフト部分の柔軟性よりも高く、かつ、前記第1のシャフト部分の軸方向の長さは1.5cm以上であり、
前記第1のシャフト部分の外径は、前記第2のシャフト部分の前記バルーンの基端における外径より小さい、
バルーンカテーテル。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、
前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD47以下である、
バルーンカテーテル。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分の外層と、前記第2のシャフト部分の外層は、それぞれ樹脂で構成されており、
前記第1のシャフト部分の外層の樹脂材料はショア硬さがD40以下である、
バルーンカテーテル。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分の基端側の外周面には、前記第1のルーメンに連通するサイドホールが形成されている、
バルーンカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
前記第1のシャフト部分のうち、少なくとも先端側の外周面には、親水性コーティングが形成されている、
バルーンカテーテル。
【請求項7】
請求項6に記載のバルーンカテーテルであって、
前記親水性コーティングは、前記第1のシャフト部分の先端部分の外周面に形成されており、
前記第1のシャフト部分のうち、前記親水性コーティングより基端側の外周面の摩擦係数は、前記親水性コーティングの摩擦係数よりも高い、
バルーンカテーテル。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
前記シャフトには、前記第2のシャフト部分の基端側から前記バルーン内まで伸びるとともに前記バルーン内に連通している第2のルーメンが形成されている、
バルーンカテーテル。