(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019649
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】排水管管理システム、及び排水管管理方法
(51)【国際特許分類】
E03C 1/12 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
E03C1/12 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214971
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2020107305の分割
【原出願日】2020-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】栗本 到
(57)【要約】
【課題】排水管管理が容易になり、ユーザー側に排水管の汚れの程度を知らしめることを可能とする排水管管理システムを提供する。
【解決手段】排水管管理システムは、排水管の汚れ量を検出し、汚れ量検出データを得る検出部と、検出部で得た汚れ量検出データを送信する送信部と、送信部から送信された汚れ量検出データを受信する受信部と、受信部で受信した汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する選択部と、選択部で選択された排水管洗浄方法を報知する報知部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水管の汚れ量を検出し、汚れ量検出データを得る検出部と、
前記検出部で得た前記汚れ量検出データを送信する送信部と、
前記送信部から送信された前記汚れ量検出データを受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて前記排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から前記排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記排水管洗浄方法を報知する報知部と、
を有する排水管管理システム。
【請求項2】
前記報知部は、前記排水管の設けられている住戸を管理する管理者に前記報知を行う、 請求項1に記載の排水管管理システム。
【請求項3】
排水管の汚れ量を検出し、汚れ量検出データを得る検出工程と、
前記検出工程で得た前記汚れ量検出データを送信する送信工程と、
前記送信工程から送信された前記汚れ量検出データを受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した前記汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて前記排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から前記排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記排水管洗浄方法を報知する報知工程と、
を有する排水管管理方法。
【請求項4】
前記報知工程では、前記排水管の設けられている住戸を管理する管理者に前記報知を行う、
請求項3に記載の排水管管理方法。
【請求項5】
前記排水管は、サイホン排水管である、
請求項1または請求項2に記載の排水管管理システム。
【請求項6】
前記排水管は、サイホン排水管である、
請求項3または請求項4に記載の排水管管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水管の状態を管理する排水管管理システム、及び排水管管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マンション等の集合住戸の排水設備において、サイホン力を用いて小口径の排水管で排水を行うサイホン排水システムが用いられてきている。
サイホン排水システムでは、水廻り器具から排出された排水がサイホン排水管に流入し、サイホン排水管の水平部をなす横引き管及びサイホン排水管の垂下部をなす竪管を満たす。そして、サイホン排水管の竪管が排水で満たされると、竪管内の排水は重力により落下し、横引き管の内部に竪管における水頭差に対応する吸引力、即ちサイホン力が発生する。横引き管内の排水は、サイホン力によって竪管に向かって吸引され、サイホン排水管内が排水で満たされる所謂満流となってサイホン排水管内を流下する。
【0003】
本来サイホン排水システムは排水流速が通常の排水システムより速く、また管内を満水で流れるため、排水管内に汚れが付着し難くい、という特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、サイホン排水システムといえども使用方法によっては、経時変化で排水管内に汚れが付着するケースも想定される。万が一のことを考えて、このようなサイホン排水システムにおいて、一例として、固形の洗浄剤を用いて排水管内の汚れを剥離して洗い落とす方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、この方法では、実際の運用においては汚れの確認が難しく、汚れの多い少ないに関係なく、集合住戸の全住戸に対して定期的な洗浄剤の投入を実施する必要があり、汚れの無い排水管に関しては無駄な作業となる。また、洗浄剤の効果の有無の確認は、ファイバースコープ等で排水管内を直接観察するしかなく、手間が掛かる。
【0007】
このように、従来のサイホン排水システムでは、排水管管理に手間が掛り、ユーザー側では排水管の汚れの程度が分からず、改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、排水管管理が容易になり、ユーザー側に排水管の汚れの程度を知らしめることを可能とする排水管管理システム、及び排水管管理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の排水管管理システムは、排水管の汚れ量を検出し、汚れ量検出データを得る検出部と、前記検出部で得た前記汚れ量検出データを送信する送信部と、前記送信部から送信された前記汚れ量検出データを受信する受信部と、前記受信部で受信した前記汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて前記排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から前記排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する選択部と、前記選択部で選択された前記排水管洗浄方法を報知する報知部と、を有する。
【0010】
請求項1に記載の排水管管理システムでは、検出部が排水管の汚れ量を検出し、排水管内の汚れ量に対応した汚れ量検出データを得る。
送信部は、検出部で得た汚れ量検出データを送信する。
受信部は、送信部から送信された汚れ量検出データを受信する。
選択部は、受信部で受信した汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する。
報知部は、選択部で選択された排水管洗浄方法を報知する。
報知された側では、報知された排水管洗浄方法にしたがって排水管を洗浄することが可能となり、自身で排水管洗浄方法を選択する手間が省ける。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排水管管理システムにおいて、前記報知部は、前記排水管の設けられている住戸を管理する管理者に前記報知を行う。
【0012】
請求項2に記載の排水管管理システムでは、報知部が、排水管の設けられている住戸を管理する管理者に報知を行う。これにより、管理者は、排水管の設けられている住戸のユーザーに対して、排水管の汚れ量を知らせることができる。
【0013】
請求項3に記載の排水管管理方法は、排水管の汚れ量を検出し、汚れ量検出データを得る検出工程と、前記検出工程で得た前記汚れ量検出データを送信する送信工程と、前記送信工程から送信された前記汚れ量検出データを受信する受信工程と、前記受信工程で受信した前記汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて前記排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から前記排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する選択工程と、前記選択工程で選択された前記排水管洗浄方法を報知する報知工程と、を有する。
【0014】
請求項3に記載の排水管管理方法では、検出工程で排水管の汚れ量を検出し、排水管内の汚れ量に対応した汚れ量検出データを得る。
送信工程では、検出工程で得た汚れ量検出データを送信する。
受信工程では、送信工程から送信された汚れ量検出データを受信する。
選択工程では、受信工程で受信した汚れ量検出データを処理し、処理した結果に基づいて排水管の汚れ量を判断し、予め設定された複数の排水管洗浄方法の中から排水管の汚れ量に対応した排水管洗浄方法を選択する。
報知工程では、選択工程で選択された排水管洗浄方法を報知する。
報知された側では、報知された排水管洗浄方法にしたがって排水管を洗浄することが可能となり、自身で排水管洗浄方法を選択する手間が省ける。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の排水管管理方法において、前記報知工程では、前記排水管の設けられている住戸を管理する管理者に前記報知を行う。
【0016】
請求項4に記載の排水管管理方法では、報知工程で、排水管の設けられている住戸を管理する管理者に報知を行う。これにより、管理者は、排水管の設けられている住戸のユーザーに対して、排水管の汚れ量を知らせることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の排水管管理システムにおいて、前記排水管は、サイホン排水管である。
【0018】
サイホン排水管は、勾配の付けられた一般的な排水用の排水管に比較して径が細く、排水管内を直接観察することが難しいが、本発明の排水管管理システムを用いることで、排水管内の汚れ量を把握することが容易になる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の排水管管理方法において、前記排水管は、サイホン排水管である。
【0020】
サイホン排水管は、勾配の付けられた一般的な排水用の排水管に比較して径が細く、排水管内を直接観察することが難しいが、本発明の排水管管理方法を用いることで、排水管内の汚れ量を把握することが容易になる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明の排水管管理システム、及び排水管管理方法によれば、排水管管理が容易になり、ユーザー側で汚れの程度に適した排水管の洗浄を行うことが可能となる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る排水管管理システムが適用されたサイホン排水システムの全体構成を示す側面図である。
【
図2】清掃口付き継手を示す一部を断面とした斜視図である。
【
図3】清掃口付き継手を示す一部を断面とした分解斜視図である。
【
図4】中子の汚れ検出装置周辺を示す拡大断面図である。
【
図5】電極が取り付けられた横引き管部材を示す断面図である。
【
図6】排水管管理システムの制御系を示すブロック図である。
【
図7】排水管管理システムの動作手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1、乃至
図7にしたがって、本発明の排水管管理システム8の一実施形態について説明する。本実施形態の排水管管理システム8は、一例として、マンション、団地等の集合住戸に設置されたサイホン排水システム10に適用されている。
排水管管理システム8は、各住戸に設けられる宅内排水管管理装置110と、宅外に設けられる排水管集中管理装置112とを含んで構成されている。宅内排水管管理装置110、及び排水管集中管理装置112の構成については後述する。
【0024】
排水管集中管理装置112は、宅外、一例として、マンション、団地等の集合住戸の管理室等に設けることができるが、集合住戸の管理会社、集合住戸の管理組合、住戸の販売会社、住戸のメインテナンスを行うメインテナンス会社、排水設備を清掃する清掃業者等に設けることができる。
【0025】
(排水管管理システムの概略)
図1には、排水管管理システム8が適用されたサイホン排水システム10の全体構成が概略図にて示されている。本実施形態に係るサイホン排水システム10は、サイホン力を利用して水回り器具からの排水を効率よく排出する排水システムである。
【0026】
本実施形態のサイホン排水システム10は、一例として、複数階で構成された集合住戸に用いられ、
図1に示すように、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。この排水立て管12は、集合住戸の上下方向(鉛直方向)に延設され、集合住戸の各階の床スラブ14を貫いている。なお、排水立て管12は、住戸の内外を仕切る外壁16の外側、例えば、メーターボックス18の中に配置されている。本実施形態のサイホン排水システムは、集合住戸に好適に用いられるが、集合住戸以外の戸建住戸や工場、ビル等に用いることもできる。
【0027】
集合住戸の各階の各戸には、水回り器具20が設けられている。この水回り器具20は、一例としてキッチのシンクであり、排水方向下流側にディスポーザー22、及び排水トラップ24が接続されている。排水トラップ24の排水方向下流側には、L字状に曲げられた第1L字排水管部材26が配置されている。第1L字排水管部材26は、排水トラップ24に接続されて鉛直方向に延びる鉛直部26A、床スラブ14の上に水平方向に配置されて水平方向に延びる水平部26B、及び鉛直部26Aと水平部26Bとを繋ぐ湾曲部26Cを含んで構成されている。
【0028】
第1L字排水管部材26の排水方向下流側には、床スラブ14の上に配置されて水平方向、言いかえれば鉛直方向に対して直角方向に延びる横引き管部材28が配置されている。第1L字排水管部材26と横引き管部材28とは、継手30を介して接続されている。
【0029】
横引き管部材28の排水方向下流側には、継手32を介して後述する清掃部50の第1接続部60が接続されている。清掃部50の下流側にはL字状に曲げられた第2L字排水管部材34が配置されている。
【0030】
第2L字排水管部材34は、床スラブ14の上に配置されて水平方向に延びる水平部34A、鉛直方向に延びる鉛直部34B、及び水平部34Aと鉛直部34Bとを繋ぐ湾曲部34Cを含んで構成されている。第2L字排水管部材34は、水平部34Aが清掃部50の第2接続部62に接続されている。
【0031】
第2L字排水管部材34の排水方向下流側には、上下方向に延びる竪管部材36が配置されている。竪管部材36は、排水方向下流側の端部が、継手38を介して第2L字排水管部材34の鉛直部34Bに接続されている。竪管部材36の排水方向下流側の端部は、排水立て管12の中間部に取付けられた合流継手40に継手42を介して接続されている。
【0032】
本実施形態において、床スラブ14の上に水平に配置されている排水管部分、具体的には第1L字排水管部材26の水平部26B、横引き管部材28、清掃部50、第2L字排水管部材34の水平部34Aがサイホン排水管44の横引き管46とされ、第2L字排水管部材34の鉛直部34B、及び竪管部材36がサイホン排水管44の竪管48とされている。
【0033】
このように、横引き管46と竪管48とでサイホン排水管が構成されている。なお、サイホン排水管を構成する横引き管46、及び竪管48の口径は、一例として15A~30Aの範囲内であるが、本実施形態では20Aである。因みに、住戸における勾配の付けられた一般的な排水管の口径は、一例として40A~75Aである。
【0034】
(継手の構成)
図2、及び
図3に示すように、清掃部50は、本体部52、閉塞部材としての中子54、及び蓋56を含んで構成されている。本実施形態の本体部52、中子54、及び蓋56は、合成樹脂で成形されている。
【0035】
本体部52は、軸方向に一定の径で形成された筒状の本体管部58を備えている。本体管部58には、軸方向一端側に第1接続部60が一体的に形成され、軸方向他端側に第2接続部62が一体的に形成されている。
【0036】
第1接続部60は、本体管部58の径よりも大径に形成されており、継手32(
図1参照)が挿入可能となっている。第2接続部62は、本体管部58の径よりも大径に形成されており、第2L字排水管部材34の水平部34A(
図1参照)が挿入可能となっている。本実施形態の清掃部50において、第1接続部60と第2接続部62とは同一形状であり、第1接続部60の内径と第2接続部62の内径は同一内径とされている。
【0037】
本体管部58の軸方向中央部には、本体管部58の軸方向と直交する方向に延びる側管部64が一体的に設けられている。本実施形態のサイホン排水システム10では、側管部64を本体管部58の上側に位置させ、かつ側管部64の軸方向を鉛直方向としている。側管部64の径は、本体管部58の径よりも大径に形成されている。
【0038】
側管部64と本体管部58との間には、仕切壁66が設けられている。仕切壁66には、側管部64の内部と本体管部58の内部とを連通する清掃口68が開口している。
【0039】
清掃口68は、本体管部58の軸方向に沿って細長く形成されており、また、本体管部58の中心軸から上側に形成されている。
【0040】
図3に示すように、側管部64の内周部には、仕切壁66側に、内周側に突出した環状の段部70が形成されている。一方、側管部64の外周部には、側管部64の端部側に雄螺子72が形成されており、雄螺子72の本体管部58側には、環状溝74が形成されている。この環状溝74には、Oリング76が装着されている。
【0041】
図2に示すように、側管部64の内部には、中子54が挿入されている。中子54は、側管部64の内部に挿入される円筒部78を備え、円筒部78の軸方向一端には清掃口68に嵌合する清掃口閉塞部80が円筒部78と一体的に形成されている。
【0042】
図3に示すように、円筒部78には、清掃口閉塞部80側の外周部に環状溝82が形成されており、この環状溝82には、Oリング84が装着されている。
図2に示すように、中子54が側管部64の内部に挿入された状態では、Oリング84が側管部64の内周部に接触し、中子54と側管部64との間の隙間をシールする。
【0043】
清掃口閉塞部80には、本体管部58の内周面58Aと連続する湾曲面86が形成されている。湾曲面86の曲率半径dは、本体管部58の内周面58Aの半径1/2Dと同一となっている。
【0044】
蓋56の内周部には、側管部64の雄螺子72に螺合する雌螺子88と、側管部64のOリング76が接触する接触部90が形成されている。側管部64に蓋56を取り付けると、側管部64のOリング76が蓋56の接触部90に接触し、側管部64と蓋56との間の隙間をシールする。
【0045】
図2に示すように、清掃口閉塞部80が清掃口68に嵌合するように中子54を側管部64に挿入し、側管部64に蓋56を取り付けると、中子54は仕切壁66と蓋56との間に挟持され、本体管部58の内周面58Aと中子54の湾曲面86とが段差無く繋がる。
【0046】
(汚れ検出装置)
図2、及び
図3に示すように、本実施形態の清掃部50には、中子54に、汚れ検出装置100が設けられている。中子54の清掃口閉塞部80には、湾曲面86と湾曲面86とは反対側の外面とを連通する貫通孔102が形成されており、この貫通孔102に透明な材料からなる窓ガラス104が取り付けられている。なお、本実施形態の清掃部50は、窓ガラス104以外の部分が、不透明な合成樹脂(硬質塩ビ等)で形成されている。
なお、窓ガラス104の内面と、湾曲面(管路の内壁面)86とは段差無く繋がっており、排水中の異物が貫通孔102や窓ガラス104のエッジに引っ掛からないようにしている。
【0047】
窓ガラス104の外面には、汚れ検出装置100を構成する反射式の光センサー106が設けられている。反射式の光センサー106は、本発明の検出部の一例であり、図示が省略された光源と受光素子とを備えている。
図4に示すように、反射式の光センサー106は、光源から窓ガラス104に向けて光を照射し、窓ガラス104の内面(管路の内周面)に付着した汚れ108で反射した光、即ち、反射光を受光素子で受光する。受光素子は、入射した反射光の光量データ、言い換えれば、汚れの度合いを示すデータを出力することができる。
【0048】
図5に示すように、横引き管部材28の内周面には、隙間を開けて一対の電極114が下方側に取り付けられている。一対の電極114は、後述する宅内排水管管理装置110の制御部116に接続されており、一対の電極114には、制御部116により、予め設定した所定の電圧が印加可能となっている。制御部116は、一対の電極114に電圧を印加して、電極間に電流が流れる場合には、横引き管部材28の内部に排水が滞留していると判断し、電極間に電流が流れない場合には、横引き管部材28の内部に排水が滞留していないと判断することができる。
【0049】
(宅内排水管管理装置の概略)
図6に示すように、宅内排水管管理装置110は、前述した汚れ検出装置100、電極114、制御部116の他に、本発明の送信部の一例としての送信部118、受信部120、表示装置122、清掃終了ボタン124等を含んで構成されている。制御部116には、汚れ検出装置100、電極114、送信部118、受信部120、表示装置122、清掃終了ボタン124等が接続されている。
【0050】
反射式の光センサー106の受光素子に入射した反射光の光量データは、制御部116、及び送信部118を介して宅外の排水管集中管理装置112に送信される。
【0051】
(集中管理装置の概略)
排水管集中管理装置112には、本発明の受信部の一例としての受信部130、送信部132、コンピュータを含んで構成される制御部134を備えている。本実施形態の制御部134は、本発明の選択部の一例である。
【0052】
制御部134のコンピュータには、表示装置136、キーボード138等が接続されている。コンピュータは、一例としてCPU、ROM、RAM、記憶装置(HDD、SSD等)を含んで構成されている。表示装置136は、本発明の報知部の一例である。
【0053】
コンピュータの記憶装置には、各住戸の排水管管理システム8を管理するためのプログラム(ソフトウエア)が記憶されている。該コンピュータは、サーバーとして機能している。なお、排水管管理システム8を管理するためのプログラム(ソフトウエア)は、記録媒体140に記録されていてもよい。記録媒体140としては、一例として、USBメモリ、SDカード(登録商標)等の固体メモリを挙げることができるが、他の記録媒体であってもよい。
【0054】
排水管集中管理装置112の受信部130は、各住戸の宅内排水管管理装置110から送信された光量データを受信することができる。受信部130で受信された光量データは、制御部134のコンピュータに送られ、コンピュータは、予め記憶されたプログラムにしたがって、宅内排水管管理装置110から送られた光量データ等の処理を行うことができる。
【0055】
排水管集中管理装置112の送信部132は、コンピュータで処理した各種データを宅内排水管管理装置110へ送信することができる。
表示装置136には、宅内排水管管理装置110から送信された各種データ、宅内排水管管理装置110へ送信する各種データ等を表示することができる。
【0056】
なお、排水管集中管理装置112と宅内排水管管理装置110との間のデータの送受信は、有線(電線、光ケーブル等)、または無線で行うことができる。なお、データの送受信を行う無線の通信方式に関して、特に制限はない。無線としては、一例として、インターネット回線、携帯電話回線、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)などを挙げることができるが、他のものであってもよい。
【0057】
住居から送信するデータ量は非常に軽いため、遠隔で監視するための通信手段として、LET回線等の高速通信回線を使用せずとも、例えば、LPWA(Low Power Wide Area:消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方式)等の他の通信方式を活用することができる。
【0058】
(作用、効果)
次に、本実施形態の排水管管理システム8の作用を
図7に示すフローチャートにしたがって説明する。
本実施形態の排水管管理システム8では、一例として、1週間に1回、言い換えれば、予め設定した所定の曜日の所定の時刻に各住戸のサイホン排水システム10の排水管の汚れの状態を調べるようになっている。
【0059】
先ず、最初のステップ100では、排水管集中管理装置112の制御部134が、予め設定した所定の曜日の所定の検査時刻になったか否かを判断する。ステップ100で、予め設定した所定の曜日の所定の検査時刻になっていないと判断された場合はステップ100に戻る。
一方、ステップ100で、設定した所定の曜日の所定の検査時刻になったと判断されると次のステップ102へ進む。排水管集中管理装置112の制御部134は、宅内排水管管理装置110に向けて、サイホン排水システム10の排水管の汚れの状態を検査するように指示データを送信する。
【0060】
指示データを受信した宅内排水管管理装置110の制御部116は、先ず、一対の電極114に電圧を印加し、横引き管部材28の内部に排水wが滞留しているか否かを判断する。
排水wが横引き管部材28に滞留していると判断した場合には、電圧の印加を停止し、予め設定した所定時間経過後に再度電圧を印加するか、または、連続して電圧を印加し、一対の電極114間に電流が流れないと判断、即ち、横引き管部材28の内部に排水wが滞留していないと判断するまで待機する。本実施形態において、排水管の検査は、排水wが排水管内に無い状態で行う必要があるため、ここでは、汚れの検査を出来るか否かを判断している。
【0061】
横引き管部材28の内部に排水wが滞留していないと判断されると、反射式の光センサー106の光源から光が照射され、窓ガラス104の内面(管路の内周面)に付着した汚れ108で反射した光、即ち、反射光が受光素子で受光される。受光素子は、入射した反射光の光量データ、言い換えれば、汚れの量を示すデータを出力する。
汚れの度合いを示すデータは、制御部116、及び送信部118を介して排水管集中管理装置112へ送信される。汚れの量を示すデータが排水管集中管理装置112で受信されると、次のステップ104へ進む。
【0062】
窓ガラス104に汚れ108が付着していない、または汚れ108の付着量が少ない場合には、反射光の光量は少なく、窓ガラス104に付着した汚れ108の量が多い場合には、反射光の光量は大きくなる。
ステップ104では、受信した反射光の光量を示すデータから、汚れ108の量が予め設定した汚れ量Aに達しているか否かを判断する。ここで「汚れ量A」とは、一例として、汚れ108の量としては比較的少ない軽度の汚れであり、清掃する必要が無いことを示している。この「汚れ量A」の値は、予め実験などにより求めることができる。
ステップ104で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量Aに達していないと判断されるとステップ100に戻り、汚れ108の量が予め設定した汚れ量Aに達していると判断されると次のステップ106に進む。
【0063】
ステップ106では、受信したデータから、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上で、かつ予め設定した汚れ量B未満であるか否かが判断され。ここで汚れ量Bとは、一例として、汚れ108の量としては中程度の汚れで、簡単な清掃(一例として、溜めすすぎ排水)を行うレベルの汚れであることを示している。この「汚れ量B」の値は、予め実験などにより求めることができる。
【0064】
ステップ106で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上で、かつ予め設定した汚れ量B未満であると判断されるとステップ108へ進み、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上で、かつ予め設定した汚れ量B未満では無い(言い換えると、汚れ量B以上)であると判断されるとステップ132へ進む。
【0065】
ステップ132では、汚れ108の量が予め設定した汚れ量B以上で、かつ予め設定した汚れ量C未満であると判断されるとステップ120へ進み、汚れ108の量が予め設定した汚れ量B以上で、かつ予め設定した汚れ量C未満では無い(言い換えると、汚れ量C以上)であると判断されるとステップ134へ進む。ステップ120、及びステップ134での制御については後述する。
【0066】
ステップ108では、排水管集中管理装置112から、溜めすすぎ排水を指示するデータが宅内排水管管理装置110に送信される。
【0067】
溜めすすぎ排水を指示するデータが宅内排水管管理装置110で受信されると、宅内排水管管理装置110の表示装置122に、一例として、「排水管の汚れ中程度」、及び「溜めすすぎ排水をして下さい」等のメッセージが表示される。表示装置122は、本発明の報知部の一例である。
【0068】
表示装置122にメッセージが表示されることで、ユーザーは、排水管の汚れの程度、及び排水管を洗浄する必要性が分かる。「溜めすすぎ排水をして下さい」のメッセージが表示された場合、ユーザーは、溜めすすぎ排水を行って排水管の洗浄を行う。溜めすすぎ排水が終了したら、ユーザーは、清掃終了ボタン124を押し、溜めすすぎ排水の終了報告を行う。清掃終了ボタン124を押すと、清掃が終了したことを表すデータが、排水管集中管理装置112へ送信される。
【0069】
ステップ110では、溜めすすぎ排水が終了したことを表すデータが受信されたか否かが判断される。該データが受信されたと判断した場合は次のステップ114へ進み、該データが受信されていないと判断した場合は待機する。
【0070】
ステップ114では、前述したステップ102と同様に、窓ガラス104の内面(管路の内周面)に付着した汚れ108の量が検出され、汚れの量を示すデータが排水管集中管理装置112へ送信される。
【0071】
次のステップ116では、受信したデータから、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっているか否かが判断される。
【0072】
ステップ116で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっていると判断されるとステップ118へ進み、溜めすすぎ洗浄が成功したことを表すデータが宅内排水管管理装置110に送信され、溜めすすぎ洗浄が成功したことを表すメッセージが表示装置122に表示され、ステップ100に戻る。
【0073】
一方、ステップ116で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上であると判断されると、ステップ120へ進む。ここで、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上であることは、溜めすすぎ排水では、清浄能力が不足していることを意味する。
【0074】
ステップ120では、排水管集中管理装置112から、洗浄剤による排水管の洗浄を指示するデータが宅内排水管管理装置110に送信される。
【0075】
洗浄剤による排水管の洗浄を指示するデータを宅内排水管管理装置110が受信すると、宅内排水管管理装置110の表示装置122に、一例として、「洗浄不足」、及び「洗浄剤洗浄で排水管を洗浄してください」等のメッセ―ジが表示される。
表示装置122に「洗浄不足」が表示されることで、ユーザーは、溜めすすぎ排水では排水管の汚れが落ちなかったことが分かる。そして、「洗浄剤洗浄で排水管を洗浄してください」が表示された場合、ユーザーは、洗浄剤を用いて排水管の清掃を行う。
【0076】
なお、表示装置122に、一例として、「洗浄不足」、及び「洗浄剤洗浄で排水管を洗浄してください」が表示される場合、管理側がユーザー宅に洗浄剤を送付し、ユーザーは、送付された洗浄剤を用いて排水管の洗浄を行うことができる。また、洗浄剤は、ユーザー宅に予め準備しておいてもよい。
【0077】
(洗浄剤による排水管の洗浄方法)
以下に、洗浄剤を用いた排水管の洗浄方法の一例を簡単に説明する。
本実施形態に係る管内の洗浄方法は、第1工程S1と、第2工程S2、第3工程S3とを有している。
【0078】
第1工程S1では、固形の薬剤をディスポーザー22の中に投入する。薬剤は、一例として中性の洗浄剤を固形に形成したものであり、好適には、界面活性剤を含むものが好ましい。これにより泡の状態を長時間保つことができる。
【0079】
第2工程S2では、ディスポーザー22を起動し、薬剤を粉砕して流動性のある泡を生じさせる。また、ディスポーザー22の起動時には、給水口からディスポーザー22内に水を供給す。ディスポーザー22内に給水しながら薬剤を粉砕し、撹拌することで、流動性のある泡が生じる。この泡は、下流側の排水管へ流れて行き、該排水管内を満たす。排水管のうち、排水トラップ24から少なくとも横引き管46の下流側端部までが泡で満たされる。なお、泡を竪管48まで充満させてもよい。
【0080】
そして、泡で排水管内が満たされた状態を、所定時間維持する。なお、所定時間とは、例えば一晩或いは一昼夜であるが、状況に応じてこれより短くても長くてもよい。
【0081】
そして、第3工程S3では、排水管内に水を流すことで、排水管内の汚れを剥離させると共に泡を洗い流すことができる。具体的には、水栓から水を流しながらディスポーザー22を空運転する。
【0082】
なお、以上説明した洗浄剤を用いた洗浄方法は一例であり、他の洗浄剤を用いた他の洗浄方法を採用してもよい。
【0083】
洗浄剤を用いた排水管の洗浄が終了したら、ユーザーは、清掃終了ボタン124を押し、溜めすすぎ排水の終了報告を行う。清掃終了ボタン124を押すと、排水管の洗浄が終了したことを表すデータが、排水管集中管理装置112へ送信される。
【0084】
ステップ122では、排水管の洗浄が終了したことを表すデータが受信されたか否かが判断される。該データが受信されたと判断した場合は次のステップ126へ進み、該データが受信されていないと判断した場合は待機する。
【0085】
ステップ126では、前述したステップ102と同様に、窓ガラス104の内面(管路の内周面)に付着した汚れ108の量が検出され、汚れの量を示すデータが排水管集中管理装置112へ送信され、その後、次のステップ128へ進む。
【0086】
ステップ128では、受信したデータから、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっているか否かが判断される。
ステップ128で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっていると判断されるとステップ130で洗浄剤を用いた洗浄が成功したことを表すメッセージが表示装置122で表示され、ステップ100に戻る。
一方、ステップ128で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上であると判断されると、ステップ134へ進む。
【0087】
ステップ134では、排水管集中管理装置112から、高圧洗浄を指示するデータが宅内排水管管理装置110に送信される。高圧洗浄を指示するデータが宅内排水管管理装置110で受信されると、宅内排水管管理装置110の表示装置122に、一例として、「洗浄不足」、及び「高圧洗浄を依頼してください」等のメッセージが表示される。
表示装置122にメッセージが表示されることで、ユーザーは、排水管の汚れが落ちなかったことが分かる。そして、「高圧洗浄を依頼してください」が表示された場合、ユーザーは、排水管の高圧洗浄を管理側に依頼し、業者等が排水管の高圧洗浄を行う。
【0088】
本実施形態のサイホン排水システム10では、サイホン排水管44を以下の様にして高圧洗浄することができる。
先ず、水廻り器具20からの排水を停止し、
図3に示すように、清掃部50から蓋56を取り外し、中から中子54を取り出して、清掃口68を露出する。なお、清掃口68を露出することで、清掃口68から管内の汚れ108を目視することができる。
【0089】
そして、高圧洗浄機の洗浄ノズル(図示せず)を、清掃口68からサイホン排水管44の内部へ挿入し、洗浄ノズルから水を噴出させながらサイホン排水管44の内部を移動させる。これにより、サイホン排水管44の内部が洗浄され、汚れ108を除去することができる。
排水管の高圧洗浄が終了したら、ユーザーは、清掃終了ボタン124を押し、高圧洗浄の終了報告を行う。清掃終了ボタン124を押すと、清掃が終了したことを表すデータが、排水管集中管理装置112へ送信される。
【0090】
ステップ136では、排水管集中管理装置112において、高圧洗浄が終了したことを表すデータが受信されたか否かが判断される。該データが受信されたと判断された場合は次のステップ140へ進み、該データが受信されていないと判断された場合は待機する。
【0091】
ステップ140では、前述したステップ102と同様に、窓ガラス104の内面(管路の内周面)に付着した汚れ108の量が検出され、汚れの量を示すデータが排水管集中管理装置112へ送信される。
【0092】
次のステップ142では、受信したデータから、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっているか否かが判断される。
ステップ142で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A未満になっていると判断されるとステップ144で高圧洗浄が成功したことを表すメッセージが表示装置122に表示され、ステップ100に戻る。
【0093】
一方、ステップ144で、汚れ108の量が予め設定した汚れ量A以上であると判断されると、ステップ146へ進み、高圧洗浄が成功しなかったこと、言い換えれば、洗浄不可を表すメッセージが表示装置122に表示される。
なお、高圧洗浄で汚れ108が落ちなかった場合には、ブラシによる清掃、分解掃除等、他の公知の清掃を行うことができる。
【0094】
本実施形態のサイホン排水システム10では、メッセージが表示されてから清掃を行えばよいので、定期的に目視による検査を行う必要がなく、必要のない洗浄を行うことも無く、居住者、及び業者等の負担を大幅に削減することができる。
また、本実施形態の排水管管理システム8では、汚れの程度に応じた洗浄方法が表示装置122(または表示装置136)表示されるので、どのような洗浄をすればよいか迷うことがない。
【0095】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0096】
上記実施形態では、1週間に1回、予め設定した所定の曜日の所定の時刻に各住戸のサイホン排水システム10の排水管の汚れの状態を検査したが、汚れの検査を行う間隔は1週間に1回に限らず、任意である。
【0097】
上記実施形態では、各住戸に設けた宅内排水管管理装置110の表示装置122に、清掃を促すメッセージ等を表示するようになっていたが、例えば、居住者の携帯端末(スマートフォン、携帯電話等)、パソコン等にメッセージを送信するようにしてもよい。
また、携帯端末、パソコン等に、排水管集中管理装置112との間でデータの送受信を可能とする排水管管理システム8と連携するアプリケーションソフトウェアをインストールして該アプリケーションソフトウェアの実行画面で清掃を促すメッセージ等を表示するようにしてもよい。
【0098】
上記実施形態では、各住戸に設けた宅内排水管管理装置110の表示装置122に、清掃を促すメッセージ等を表示するようになっていたが、排水管集中管理装置112に設けた表示装置136に清掃を促すメッセージ等を表示することもできる。
【0099】
排水管集中管理装置112に設けた表示装置136に清掃を促すメッセージ等を表示する場合、管理者が、表示装置136のメッセージを見て、該当する住戸の居住者に清掃を促すように、手紙、チラシ等を用いたり、電話や訪問により清掃の必要性、清掃方法等を伝達したりしてもよい。このようにして、管理側が排水管の清掃を促す場合には、宅内排水管管理装置110に表示装置122、受信部120、清掃終了ボタン124等は必要無くなり、宅内排水管管理装置110を簡素化できる。
【0100】
また、メッセージを排水管集中管理装置112に設けた表示装置136に表示するようにすれば、居住者がメッセージに気付かない場合であっても、例えば、マンションの管理室、住戸やマンションの管理会社、住戸のメインテナンスを行うメインテナンス会社、排水設備の清掃業者等の管理者側において、排水管の汚れの状態を把握できる。したがって、居住者が清掃時期を見逃すことも無くなる。
【0101】
なお、溜めすすぎ排水によって汚れが落ちなかった場合に、洗浄剤による洗浄を行い、洗浄剤でも汚れが落ちなかった場合に高圧洗浄を促すようにしているが、洗浄剤を居住者宛てに送付する前に、居住者側の意向を聞き、洗浄剤による清掃は行わず、高圧洗浄を行う意向であれば、住居者の意見に沿って高圧洗浄を行うようにしてもよい。
【0102】
また、集合住宅において、高圧洗浄が必要な住戸の割合が、予め設定した戸数を超えた場合に、集合住宅の全ての住戸の排水管に対して高圧洗浄を実施するように報知してもよい。
【0103】
上記実施形態では、排水管管理システムをサイホン排水システムに適用した例を説明したが、排水管管理システムは、サイホン排水システムに限らず、勾配排水管を備える通常の排水システムに適用することもでき、適用する排水管の種類は問わない。通常の排水システムにおいても、上記サイホン排水システム10と同様の汚れ検出装置100を設けることができる。
【符号の説明】
【0104】
8…排水管管理システム、44…サイホン排水管、106…反射式の光センサー(検出部)、118…送信部、122…表示装置(報知部)、130…受信部、134…制御部(選択部)、136…表示装置(報知部)