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特開2024-19678クレージングを低減させるための装置、システム、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019678
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】クレージングを低減させるための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/54 20060101AFI20240202BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20240202BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
C23C14/54 B
C23C16/505
H05H1/46 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216465
(22)【出願日】2023-12-22
(62)【分割の表示】P 2020561921の分割
【原出願日】2019-04-30
(31)【優先権主張番号】62/667,569
(32)【優先日】2018-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519027693
【氏名又は名称】エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ビー. パンクラッツ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アール. ペリーマウンター
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ クラウゼ
(57)【要約】
【課題】クレージングを低減させるための装置、システム、および方法の提供。
【解決手段】基板上のコーティングにクレージングを引き起こし得る、寄生電流を低減させる、コーティングシステム。一実施例では、本システムは、チャンバ内のプラズマから発生された寄生AC電流のための接地への一対の低インピーダンスシャント経路を含む。低インピーダンスシャントは、各チャンバの電力供給源と各チャンバのマグネトロンとの間の平衡された3軸接続を通して提供され得る。別の実施例では、隣接するチャンバ間の電位差が、チャンバ間の同期された電力供給源信号を通して最小限にされる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積システムであって、
第1の端子と第2の端子とを有する堆積チャンバと、
第1の伝導性経路を提供する前記堆積チャンバの第1の端子に結合されている第1の出力を含む電力供給源であって、前記電力供給源は、第2の伝導性経路を提供する前記堆積チャンバの第2の端子に結合されている第2の出力をさらに含み、前記第1の出力および前記第2の出力は、前記電力供給源のための一対の正出力および負出力を集合的に提供し、前記電力供給源は、前記第1の端子および前記第2の端子に電位を印加することにより、基板を処理するための前記堆積チャンバ内給電プラズマを生成する、電力供給源と、
前記堆積チャンバ前記電力供給源の接地との間に結合されている低インピーダンス経路であって、前記低インピーダンス経路は、前記基板を通って接地までの経路から離れて、前記給電プラズマによって生成される寄生電流を迂回させる専用の電気経路を提供し、これにより、前記基板を通って流れる寄生電流によって引き起こされるクレージングを低減する、低インピーダンス経路と、
前記第1の伝導性経路と接地との間および前記第2の伝導性経路と接地との間のインピーダンス接続であって、前記インピーダンス接続は、接地への寄生電流のための、かつ、前記基板から離れる寄生電流のための平衡されたシャント経路を提供する、インピーダンス接続と
を備える、堆積システム。
【請求項2】
前記インピーダンス接続は、前記第1の端子と接地との間に結合されている第1のコンデンサと、前記第2の端子と接地との間に結合されている第2のコンデンサとを備える、請求項に記載の堆積システム。
【請求項3】
前記インピーダンス接続は、前記第1の出力と接地との間に結合されている第1のコンデンサと、前記第2の出力と接地との間に結合されている第2のコンデンサとを備える、請求項に記載の堆積システム。
【請求項4】
前記インピーダンス接続は、前記第1の伝導性経路と接地との間の第1のインピーダンス接続と、前記第2の伝導性経路と接地との間の第2のインピーダンス接続とを備え、前記第1のインピーダンス接続および前記第2のインピーダンス接続は、同一のインピーダンスを有することにより、前記平衡されたシャント経路を提供する、請求項に記載の堆積システム。
【請求項5】
前記堆積システムは、
前記堆積チャンバの前記第1の端子に結合されている第1の導体を備える第1の伝導性アセンブリと、
前記堆積チャンバの前記第2の端子に結合されている第2の導体を備える第2の伝導性アセンブリと
をさらに備える、請求項に記載の堆積システム。
【請求項6】
前記インピーダンス接続は、第1のインピーダンス接続と第2のインピーダンス接続とを備え、
前記第1の伝導性アセンブリは、前記第1の導体と、前記第1の導体と接地との間の前記第1のインピーダンス接続とを備え、
前記第2の伝導性アセンブリは、前記第2の導体と、前記第2の導体と接地との間の前記第2のインピーダンス接続とを備え、前記第2のインピーダンス接続は、前記第1のインピーダンス接続と同一のインピーダンスを提供し、
前記第1のインピーダンス接続および前記第2のインピーダンス接続は、接地への前記平衡されたシャント経路を提供する、請求項に記載の堆積システム。
【請求項7】
前記第1のインピーダンス接続および前記第2のインピーダンス接続は、同一のインピーダンスを有する、請求項に記載の堆積システム。
【請求項8】
前記第1の伝導性アセンブリは、第1の3軸ケーブルであり、前記第2の伝導性アセンブリは、第2の3軸ケーブルである、請求項に記載の堆積システム。
【請求項9】
前記第1の3軸ケーブルは、第1の中心導体と第1の内側伝導性遮蔽体とを含み、
前記第2の3軸ケーブルは、第2の中心導体と内側第2の伝導性遮蔽体とを含み、
前記第1の出力は、前記第1の中心導体に結合されており、前記第2の出力は、前記第1の内側伝導性遮蔽体に結合されており、前記第1の出力は、前記第2の内側伝導性遮蔽体に結合されており、前記第2の出力は、前記第2の中心導体に結合されており、
前記第1の中心導体は、前記第1の端子に結合されており、前記第2の内側伝導性遮蔽体は、前記第1の端子に結合されており、
前記第1の内側伝導性遮蔽体は、前記第2の端子に結合されており、前記第2の中心導体は、前記第2の端子に結合されており、
前記第1のインピーダンス接続は、前記第1の中心導体と前記第1の内側伝導性遮蔽体とそれらの間の第1の絶縁体によって形成されている第1のコンデンサと、前記第1の内側伝導性遮蔽体と第1の外側遮蔽体とそれらの間の第2の絶縁体とによって形成されている第2のコンデンサとを備え、
前記第2のインピーダンス接続は、前記第2の中心導体と前記第2の内側伝導性遮蔽体とそれらの間の第3の絶縁体とによって形成されている第3のコンデンサと、前記第2の内側伝導性遮蔽体と第2の外側遮蔽体とそれらの間の第4の絶縁体とによって形成されている第4のコンデンサとを備える、請求項に記載の堆積システム。
【請求項10】
前記低インピーダンス経路は、前記堆積チャンバからの高周波数電流のための帰還経路を提供する接地ストラップを備える、請求項に記載の堆積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約(PCT)出願は、その内容全体が、あらゆる目的のために参照することによって本明細書に組み込まれる、2018年5月6日に出願され、「Apparatus, System and Method to Reduce Crazing」と題された、米国特許出願第62/667,569号に関し、その優先権を主張する。
【0002】
本開示の側面は、コーティングされている基板内の寄生電流を低減させ、それによって、基板内にクレージングを引き起こす条件を低減させる、コーティングシステムを伴う。
【背景技術】
【0003】
ガラスシートは、金属および誘電体含有フィルムの層でコーティングされ、コーティングされたガラスシートの光学性質を変動させることができる。多くの事例では、ガラスは、透明から可視波長であるが、他の波長を遮断または低減させ得る、フィルムでコーティングされる。そのようなフィルムは、熱伝達を低減させ得、とりわけ、建築用ガラスおよび自動車用ガラスにおいて有用である。
【0004】
ガラスコーティング、特に、大規模なものは、多くの場合、プラズマチャンバ内で適用され、コーティングされているガラススラブが、コンベヤベルト等を用いて、チャンバ間を移動し、そこで、種々の層が、ガラス上に堆積される。いくつかの大規模ガラスコーティング機は、長さが200~300フィートであって、15~30個のプラズマチャンバまたはそれよりも多くのものを有することができる。各堆積チャンバは、1つ以上のスパッタリング標的と、ガラスが各チャンバを通して通過するにつれて、異なる薄フィルム層が堆積されるような電力供給源とを含むことができる。一連の数十個のチャンバを前提として、ガラスのシートは、迅速かつ均質に、数十層の薄フィルム層でコーティングされることができる。類似プロセスが、ガラスに加え、他の基板と併用されてもよい。
【0005】
ある場合には、堆積される層の縁の近傍のクレージング(時として、「電弧瑕疵」とも称される)が、引き起こされ得る。図1は、クレージング効果の代表的画像である。クレージングは、落雷のように現れ、故に、「電弧瑕疵」と称される、コーティング内に可視の瑕疵を伴う。クレージングは、有意である、または縁から離れて延在するとき、ガラスのスラブを破壊し、それを使用不可能にし得、故に、クレージングを低減または排除することは、本業界における継続中の課題である。
【0006】
とりわけ、これらの観察を念頭において、本開示の側面が、想起された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によると、堆積システムは、第1の出力と、第2の出力とを含む、交流電流電力供給源を備える。本システムはさらに、第1の中心導体と、第1の伝導性遮蔽体とを備える、第1の接地された3軸ケーブルを備える。一実施例では、第1の3軸ケーブルは、システム接地に接続され、接地されたケーブルを提供する、外側伝導性遮蔽体を含む。本システムはさらに、第2の中心導体と、第2の伝導性遮蔽体とを備える、第2の接地された3軸ケーブルを備える。一実施例では、第2の3軸ケーブルは、システム接地に接続され、接地されたケーブルを提供する、外側伝導性遮蔽体を含む。本システムはさらに、第1の端子と、第2の端子とを有する、堆積チャンバを含む。電力供給源の第1の出力は、第1の中心導体と結合され、電力供給源の第2の出力は、第1の伝導性遮蔽体と結合される。電力供給源の第1の出力は、第2の伝導性遮蔽体と結合され、電力供給源の第2の出力は、第2の中心導体と結合される。第1の中心導体は、第1の端子と結合され、第2の内側伝導性遮蔽体は、第1の端子と結合される。最後に、第1の内側伝導性遮蔽体は、第2の端子と結合され、第2の中心導体は、第2の端子と結合される。1つの具体的実装では、堆積システムは、ガラスコーティングシステムであって、第1の3軸ケーブルおよび第2の3軸ケーブルは、そうでなければガラスコーティングシステム内で処理されている基板上に瑕疵を引き起こす、寄生電流のための接地への容量または低インピーダンス経路を提供する。
【0008】
別の実施形態によると、堆積システムは、第1の出力と、第2の出力とを含む、電力供給源を備える。本システムはさらに、基板をコーティングするように構成される、プラズマ堆積チャンバの第1の端子と結合される第1の導体を備える、第1の伝導性アセンブリと、プラズマ堆積チャンバの第2の端子と結合される第2の導体を備える、第2の伝導性アセンブリとを備える。インピーダンス要素が、第1の端子と接地との間および第2の端子と接地との間に結合され、インピーダンス要素は、基板から離れるように寄生電流のための接地へのシャント経路を提供し、瑕疵発生を低減させる。
【0009】
別の実施形態によると、堆積システムは、第1の端子と、第2の端子とを含む、第1の堆積チャンバを備える。第1の電力供給源は、第1の端子と、第2の端子と結合される。第2の堆積チャンバは、第3の端子と、第4の端子とを含み、第2の電力供給源が、第3の端子と、第4の端子と結合される。コンベヤシステムが、基板を第1の堆積チャンバと第2の堆積チャンバとの間で移動させ、第1の堆積チャンバは、第2の堆積チャンバに隣接して位置付けられる。第1の交流電流信号を第1の端子および第2の端子に提供する、第1の電力供給源は、第2の交流電流信号を第3の端子および第4の端子に提供する、第2の電力供給源と協調され、協調は、少なくとも、第1の堆積チャンバの第2の端子と第2の堆積チャンバの第3の端子との間の電位差を最小限にする。
【0010】
別の例示的実施形態では、堆積システムは、第1の電力供給源と結合される第1の端子および第2の端子を含む、第1の堆積チャンバと、第2の電力供給源と結合される第3の端子および第4の端子を含む、第2の堆積チャンバとを備える。第2の堆積チャンバは、第1の堆積チャンバに隣接して位置付けられ、本システムは、基板を第1の堆積チャンバと第2の堆積チャンバとの間で移動させ、基板を処理するための運搬システムを含む。第1の堆積チャンバの第2の端子は、第2の堆積チャンバの第3の端子に近接し、第1の電力供給源は、AC電力信号を第2の端子に提供するように構成され、第2の端子における第1のAC信号の第1の極性が、第3の端子における第2のAC信号の第2の極性と同時に同一であるように、第2のAC電力信号を第3の端子に提供する、第2の電力供給源と同期される。
【0011】
本開示の側面はまた、第1のチャンバ内の基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する、第1のAC信号と、第2のチャンバ内の同一基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する、第2のAC信号とを伴い、第1のチャンバが、第2のチャンバに隣接する、システムにおいて、第1のAC信号および第2のAC信号を制御し、基板を横断した電位差または第1のチャンバと第2のチャンバとの間の電位プラズマ間の相互作用を最小限にするステップを含む、方法を伴い得る。
【0012】
別の実施例では、堆積システムは、第1の出力と、第2の出力とを含む、交流電流電力供給源を備える。本システムは、接地される、第1の3軸ケーブルを含み、第1の3軸ケーブルは、第1の中心導体と、第1の伝導性遮蔽体とを備える。本システムはさらに、接地される、第2の3軸ケーブルを備え、第2の3軸ケーブルは、第2の中心導体と、第2の伝導性遮蔽体とを備える。本システムはさらに、第1の端子と、第2の端子とを有する、堆積チャンバを備え、第1の出力は、第1の中心導体と結合され、第2の出力は、第1の伝導性遮蔽体と結合される。第1の出力は、第2の伝導性遮蔽体と結合され、第2の出力は、第2の中心導体と結合される。第1の中心導体は、第1の端子と結合され、第2の内側伝導性遮蔽体は、第1の端子と結合される。第1の内側伝導性遮蔽体は、第2の端子と結合され、第2の中心導体は、第2の端子と結合される。
【0013】
さらに別の実施例では、堆積システムは、第1の伝導性経路を提供する堆積チャンバの第1の端子と結合される、第1の出力を含む、電力供給源を備える。電力供給源はさらに、第2の伝導性経路を提供する堆積チャンバの第2の端子と結合される、第2の出力を含む。堆積チャンバは、基板を処理する。本システムはさらに、第1の伝導性経路と接地との間および第2の伝導性経路と接地との間のインピーダンス要素を含み、インピーダンス要素は、接地への、かつ基板から離れる、寄生電流のための平衡されたシャント経路を提供する。
【0014】
さらに別の実施例では、堆積システムは、第1の電力供給源と結合される第1の端子および第2の端子を含む、第1の堆積チャンバを備える。本システムはさらに、第2の電力供給源と結合される第3の端子および第4の端子を含む、第2の堆積チャンバを含み、第2の堆積チャンバは、第1の堆積チャンバに隣接して位置付けられ、基板を第1の堆積チャンバと第2の堆積チャンバとの間で移動させ、基板を処理するための運搬システムを含む。第1の堆積チャンバの第2の端子は、第2の堆積チャンバの第3の端子に近接し、第1の電力供給源は、AC電力信号を第2の端子に提供するように構成され、第2の端子における第1のAC信号の第1の極性が、第3の端子における第2のAC信号の第2の極性と同時に同一であるように、第2のAC電力信号を第3の端子に提供する、第2の電力供給源と同期される。
【0015】
別の実施例では、方法は、第1のチャンバ内の基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する、第1のAC信号と、第2のチャンバ内の同一基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する、第2のAC信号とを伴い、第1のチャンバが、第2のチャンバに隣接する、システムにおいて、第1のAC信号および第2のAC信号を制御し、基板を横断した電位差、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の電位差、および第1のチャンバ内のプラズマと第2のチャンバ内のプラズマからの電位差のうちの少なくとも1つを最小限にするステップを含む。
【0016】
本開示のこれらおよび他の側面は、下記にさらに説明される。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
堆積システムであって、
第1の出力および第2の出力を含む交流電流電力供給源と、
接地される第1の3軸ケーブルであって、前記第1の3軸ケーブルは、第1の中心導体および第1の伝導性遮蔽体を備える、第1の3軸ケーブルと、
接地される第2の3軸ケーブルであって、前記第2の3軸ケーブルは、第2の中心導体および第2の伝導性遮蔽体を備える、第2の3軸ケーブルと、
第1の端子および第2の端子を有する堆積チャンバと
を備え、
前記第1の出力は、前記第1の中心導体と結合され、前記第2の出力は、前記第1の伝導性遮蔽体と結合され、前記第1の出力は、前記第2の伝導性遮蔽体と結合され、前記第2の出力は、前記第2の中心導体と結合され、
前記第1の中心導体は、前記第1の端子と結合され、第2の内側伝導性遮蔽体は、前記第1の端子と結合され、
第1の内側伝導性遮蔽体は、前記第2の端子と結合され、前記第2の中心導体は、前記第2の端子と結合される、堆積システム。
(項目2)
前記第1の3軸ケーブルはさらに、前記交流電流電力供給源および前記堆積チャンバにおいて接地される第1の外側伝導性遮蔽体を備え、前記第2の3軸ケーブルはさらに、前記交流電流電力供給源および前記堆積チャンバにおいて接地される第2の外側伝導性遮蔽体を備える、項目1に記載の堆積システム。
(項目3)
前記堆積システムは、ガラスコーティングシステムであり、前記第1の3軸ケーブルおよび前記第2の3軸ケーブルは、そうでなければ前記ガラスコーティングシステム内で処理されている基板上に瑕疵を引き起こす寄生電流のための接地への容量または低インピーダンス経路を提供する、項目2に記載の堆積システム。
(項目4)
前記電力供給源は、第1の接地接続を含み、前記堆積チャンバは、第2の接地接続を含み、前記システムはさらに、前記第1の接地接続と前記第2の接地接続との間に結合される低インピーダンス帰還経路を備える、項目1に記載の堆積システム。
(項目5)
前記低インピーダンス帰還経路は、前記チャンバからの高周波数電流のために前記低インピーダンス帰還経路を提供する接地ストラップである、項目2に記載の堆積システム。
(項目6)
堆積システムであって、
第1の伝導性経路を提供する堆積チャンバの第1の端子と結合される第1の出力を含む電力供給源であって、前記電力供給源はさらに、第2の伝導性経路を提供する前記堆積チャンバの第2の端子と結合される第2の出力を含み、前記堆積チャンバは、基板を処理するためのものである、電力供給源と、
前記第1の伝導性経路と接地との間および前記第2の伝導性経路と接地との間のインピーダンス要素であって、前記インピーダンス要素は、接地への、かつ、前記基板から離れる寄生電流のための平衡されたシャント経路を提供する、インピーダンス要素と
を備える、堆積システム。
(項目7)
前記インピーダンス要素は、前記第1の端子と接地との間に結合される第1のコンデンサと、前記第2の端子と接地との間に結合される第2のコンデンサとを備える、項目6に記載の堆積システム。
(項目8)
前記インピーダンス要素は、前記第1の出力と接地との間に結合される第1のコンデンサと、前記第2の出力と接地との間に結合される第2のコンデンサとを備える、項目6に記載の堆積システム。
(項目9)
前記インピーダンス要素は、前記第1の伝導性経路と接地との間の第1のインピーダンス要素と、前記第2の伝導性経路と接地との間の第2のインピーダンス要素とを備え、前記第1のインピーダンス要素および前記第2のインピーダンス要素は、同一インピーダンスを有し、前記平衡されたシャント経路を提供する、項目6に記載の堆積システム。
(項目10)
前記プラズマ堆積チャンバの第1の端子と結合される第1の導体を備える第1の伝導性アセンブリと、
前記プラズマ堆積チャンバの第2の端子と結合される第2の導体を備える第2の伝導性アセンブリと
をさらに備える、項目6に記載の堆積システム。
(項目11)
前記インピーダンス要素は、第1のインピーダンス要素と、第2のインピーダンス要素とを備え、
前記第1の伝導性アセンブリは、前記第1の導体と、前記第1の導体と接地との間の前記第1のインピーダンス要素とを備え、
前記第2の伝導性アセンブリは、前記第2の導体と、前記第2の導体と接地との間の前記第2のインピーダンス要素とを備え、前記第2のインピーダンス要素は、前記第1のインピーダンス要素と同一インピーダンスを提供し、
前記第1のインピーダンス要素および前記第2のインピーダンス要素は、接地への前記平衡されたシャント経路を提供する、項目10に記載の堆積システム。
(項目12)
前記第1のインピーダンス要素および前記第2のインピーダンス要素は、同一インピーダンスを有する、項目11に記載の堆積システム。
(項目13)
前記第1の伝導性アセンブリは、第1の3軸ケーブルであり、前記第2の伝導性アセンブリは、第2の3軸ケーブルである、項目11に記載の堆積システム。
(項目14)
前記第1の3軸ケーブルは、第1の中心導体と、第1の伝導性遮蔽体とを含み、
前記第2の3軸ケーブルは、第2の中心導体と、第2の伝導性遮蔽体とを含み、
前記第1の出力は、前記第1の中心導体と結合され、前記第2の出力は、前記第1の伝導性遮蔽体と結合され、前記第1の出力は、前記第2の伝導性遮蔽体と結合され、前記第2の出力は、前記第2の中心導体と結合され、
前記第1の中心導体は、前記第1の端子と結合され、第2の内側伝導性遮蔽体は、前記第1の端子と結合され、
第1の内側伝導性遮蔽体は、前記第2の端子と結合され、前記第2の中心導体は、前記第2の端子と結合され、
前記第1のインピーダンス要素は、前記第1の中心導体および前記第1の伝導性遮蔽体ならびにそれらの間の第1の絶縁体によって形成される第1のコンデンサと、前記第1の伝導性遮蔽体および第1の外側遮蔽体ならびにそれらの間の第2の絶縁体によって形成される第2のコンデンサとを備え、
前記第2のインピーダンス要素は、前記第2の中心導体および前記第2の伝導性遮蔽体ならびにそれらの間の第3の絶縁体によって形成される第3のコンデンサと、前記第2の伝導性遮蔽体および第2の外側遮蔽体ならびにそれらの間の第4の絶縁体によって形成される第4のコンデンサとを備える、項目13に記載の堆積システム。
(項目15)
前記電力供給源は、第1の接地接続を含み、前記堆積チャンバは、第2の接地接続を含み、前記システムはさらに、前記第1の接地接続と前記第2の接地接続との間に結合される低インピーダンス経路を備える、項目6に記載の堆積システム。
(項目16)
前記低インピーダンス経路は、前記チャンバからの高周波数電流のための帰還経路を提供する接地ストラップを備える、項目15に記載の堆積システム。
(項目17)
堆積システムであって、
第1の端子および第2の端子を含む第1の堆積チャンバと、
前記第1の端子および前記第2の端子と結合される第1の電力供給源と、
第3の端子および第4の端子を含む第2の堆積チャンバと、
前記第3の端子および前記第4の端子と結合される第2の電力供給源と、
前記第1の堆積チャンバと前記第2の堆積チャンバとの間で基板を移動させるコンベヤシステムであって、前記第1の堆積チャンバは、前記第2の堆積チャンバに隣接して位置付けられ、第1の交流電流信号を前記第1の端子および前記第2の端子に提供する前記第1の電力供給源は、第2の交流電流信号を前記第3の端子および前記第4の端子に提供する前記第2の電力供給源と協調され、前記協調は、少なくとも、前記第1の堆積チャンバの第2の端子と前記第2の堆積チャンバの第3の端子との間の電位差を最小限にする、コンベヤシステムと
を備える、堆積システム。
(項目18)
前記第1の堆積チャンバの第2の端子は、前記第2の堆積チャンバの第3の端子に隣接する、項目17に記載の堆積システム。
(項目19)
前記第1の堆積チャンバは、前記第2の堆積チャンバと同時に材料を前記基板上に堆積させるように動作されており、前記第1の電力供給源および前記第2の電力供給源の協調は、前記第2の端子および前記第3の端子に同一極性を同時に有するように、前記第1の交流電流信号および前記第2の交流電流信号を管理することを含む、項目18に記載の堆積システム。
(項目20)
前記システムは、前記第1の堆積チャンバと前記第2の堆積チャンバとの間の前記基板上に課される周波数遷移を最小限にするように動作される、項目17に記載の堆積システム。
(項目21)
前記システムは、前記第1の堆積チャンバと前記第2の堆積チャンバとの間の遷移を同期させるように動作される、項目17に記載の堆積システム。
(項目22)
堆積システムであって、
第1の電力供給源と結合される第1の端子および第2の端子を含む第1の堆積チャンバと、
第2の電力供給源と結合される第3の端子および第4の端子を含む第2の堆積チャンバであって、前記第2の堆積チャンバは、前記第1の堆積チャンバに隣接して位置付けられ、基板を前記第1の堆積チャンバと前記第2の堆積チャンバとの間で移動させ、前記基板を処理するための運搬システムを含む、第2の堆積チャンバと
を備え、
前記第1の堆積チャンバの第2の端子は、前記第2の堆積チャンバの第3の端子に近接し、前記第1の電力供給源は、AC電力信号を前記第2の端子に提供するように構成され、前記第2の端子における前記第1のAC信号の第1の極性が、前記第3の端子における前記第2のAC信号の第2の極性と同時に同一であるように、第2のAC電力信号を前記第3の端子に提供する前記第2の電力供給源と同期される、堆積システム。
(項目23)
前記第2の端子および前記第3の端子はそれぞれ、同一タイプのマグネトロンを含む、項目22に記載の堆積システム。
(項目24)
方法であって、
第1のチャンバ内の基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する第1のAC信号と、第2のチャンバ内の同一基板のプラズマコーティングプロセスを駆動する第2のAC信号とを伴い、前記第1のチャンバが前記第2のチャンバに隣接するシステムにおいて、前記第1のAC信号および前記第2のAC信号を制御し、前記基板を横断した電位差、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間の電位差、および前記第1のチャンバ内のプラズマと前記第2のチャンバ内のプラズマからの電位差のうちの少なくとも1つを最小限にすること
を含む、方法。
(項目25)
前記第1のAC信号および前記第2のAC信号を制御し、同一極性を前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバの隣接するマグネトロンに印加することをさらに含む、項目24に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、その上のコーティングにクレージングを伴う、ガラス基板の代表的略図である。
【0018】
図2図2は、本開示の側面による、電力供給源とコーティングシステムのプラズマチャンバのうちの1つとの間に低インピーダンスシャント経路を伴う、コーティングシステムの一部のブロック図であって、低インピーダンスシャント経路は、そうでなければ基板のコーティングにクレージングを引き起こし得る、寄生AC電流を迂回させる。
【0019】
図3図3は、本開示の側面による、コーティングシステムのプラズマチャンバのモデルである。
【0020】
図4A図4Aは、3軸ケーブルの断面図である。
【0021】
図4B図4Bは、図4の3軸ケーブルの中心導体と接地との間の容量結合の電気図である。
【0022】
図4C図4Cは、図4の3軸ケーブルの内側遮蔽体導体と接地との間の容量結合の電気図である。
【0023】
図4D図4Dは、本開示の側面による、一対の3軸ケーブルの使用を通した、プラズマチャンバの端子間の平衡された容量結合の電気図であって、図4Aおよび4Bに示されるものと対照的に、平衡された接続が端子毎に提供されるように、プラズマチャンバの1つの端子は、1つの3軸ケーブルを用いて、電力供給源への中心導体接続を有し、端子はまた、別の3軸ケーブルを用いて、電力供給源への内側遮蔽体導体接続を有し、他の端子は、同一対のケーブルとの接続の鏡映を有する。
【0024】
図5図5は、本開示の側面による、コーティングシステムのチャンバと結合される電力供給源を描写する、略図であって、電力供給源は、図4Cによって表される平衡された3軸ケーブル接続を使用して結合される。
【0025】
図6図6は、本開示の側面による、コーティングシステムのチャンバと結合される電力供給源を描写する、略図であって、低インピーダンス経路が、チャンバの接地点と電力供給源の接地点との間に接続される。
【0026】
図7A図7Aは、各チャンバへのAC信号が、同期されず、チャンバ間に可能性として考えられる電位差をもたらすときにコーティングシステムのチャンバ間を流動し得る、寄生電流を描写する、略図である。
【0027】
図7B図7Bは、本開示の側面による、各プラズマチャンバへの平衡されたAC信号波形を描写する、略図である。
【0028】
図7C図7Cは、本開示の側面による、チャンバ間のAC信号極性同期を描写する、略図である。
【0029】
図8図8は、本開示の側面による、コンピュータシステムを描写する、略図であって、これは、電力システムの制御システムまたはコントローラを実装するために使用される、またはそれと一体型であって、種々の方法を実装し得る。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示のいくつかの側面は、基板コーティングにおいて使用される堆積システムの新しいモデルと、それらのモデルがクレージングの可能性として考えられる原因を識別するために使用され得る方法とによって表される、新しい理解の認識によって理解され得る。従来、クレージングは、静電放電によって開始されると理解されている。放電は、堆積された層のうちの1つ以上のものを溶融または蒸発させ、ガラスの縁から始まり、ガラスの中心に向かって内向きに広がる、落雷のように現れる、基板を通して流動する電流を伴うと考えられる。本開示の目的のために、基板は、建築ガラス、ディスプレイ技術ガラス(例えば、ラップトップおよびTV画面)、またはその上に薄フィルムコーティングが堆積され得る、任意の他の基板等のガラス基板であることができる。クレージングの可能性として考えられる原因の新しい認識では、基板およびその上の任意のコーティング内を流動する、寄生電流、必ずしもではないが、静電放電が、または放電に加え、フィルムの熱容量を超え、それを溶融および蒸発させるとき、電弧が引き起こされ得ると考えられる。基板フィルム電流は、意図されず、ガラス上の別個の面積間の電位差、システム接地への意図されないインピーダンス、およびフィルムインピーダンスに起因して引き起こされ得る。これらの電流は、常時、ある程度、存在し、スパッタリングゾーン内またはその間に引き起こされ得、単一ゾーン内でも引き起こされ得る。
【0031】
図2は、処理ライン内に配列されるいくつかの堆積チャンバ202A-202Cを含む、基板コーティングシステム200の代表的略図である。種々の堆積チャンバは、電力供給源204を含む、種々の可能性として考えられる電力供給源によって給電され、これは、概して、AC供給源として表されるが、方形波、正弦波、他の可能性として考えられる波形、および交流信号を提供してもよい。AC供給源は、ACまたはバイポーラDC電源(Advanced Energy Industries(Fort Collins, Co.)によって製造されたCrystal AC Power Supply and Ascent DMS等)であってもよい。コーティングシステムは、基板210をチャンバからチャンバに移動させ、基板210が各チャンバを通して通過するにつれて、薄フィルムを持続的に堆積させる、または種々のチャンバの他の動作を行うように配列される、コンベヤローラ208等の基板支持を提供する、運搬システム206を含む。多くの場合、チャンバのある組み合わせは、任意の所与の瞬間に、フィルムを基板508上の異なる場所に堆積させる。
【0032】
電力供給源204は、2つ以上の端子AおよびBに結合されることができ、これは、本明細書では、チャンバの電極またはマグネトロンとも称され得る。2つの電極が、使用される場合、図示されるように、対の電極は、アノードレス対であることができ、各電極が、AC電力供給源のACサイクルに応じて、カソードおよびアノードの役割を果たすことを意味する。ACシステムでは、各端子に印加される電位は、プラズマをチャンバ内に発生させ、維持する、交流信号に従って、各端子間で変化する。電極は、任意の形状、形態、および配列をとることができ、そのような代替は、本開示の結果に影響を及ぼさないであろう。例えば、電極は、2つの非限定的実施例のみを挙げると、円筒形または立方体であることができる。電極はまた、その中にそれらが位置付けられる、堆積チャンバ202の側面に接触するように配列されることができる。
【0033】
本開示の側面は、電力供給源とチャンバとの間の平衡された3軸接続の使用を伴い、これは、図示される実施形態では、各ケーブルの中心および外側導体の組み合わせられた使用を通して、電力供給源204を個別の電極AおよびBに接続する、2つの接地された3軸ケーブル212A、212Bによって提供される。一実施例では、個別の3軸ケーブルの外側伝導性遮蔽体は、電力供給源およびチャンバにおけるシステム接地に接続される。平衡された接続は、ケーブル内の固有の静電容量を利用して、寄生電流のための接地への代替低インピーダンス経路を提供し、クレージング等の瑕疵を引き起こし得る、条件を低減させる。従来、供給源とチャンバとの間の接続は、接続毎に別個の同軸ケーブル、電力供給源と堆積チャンバの端子との間に離散導体を伴う3軸ケーブル、ワイヤ、リード、または他の形態の接続等、単一ケーブル内に具現化され得る。AC供給源によって駆動されると、プラズマのバイアスが、ガラス基板に結合される電流源としてモデル化され得ることが認識されている。さらに、プラズマ内で発生された電流パルスは、接地への経路を模索するであろうことが認識されており、その寄生電流は、従来のシステムでは、少なくともある程度、基板(およびその上のコーティング)を通して流動すると認識されている。平衡された3軸ケーブルの使用は、基板およびコーティング内を流動する寄生電流を低減させ、それによって、クレージングを低減させ得る、接地へのインピーダンス経路(容量)を提供する。
【0034】
一実施例では、接地への、かつ基板を通らない、チャンバ内に形成される電流パルスのための低インピーダンス経路を提供する、システムが、提案される。電流分割の原理を通して、一部の電流は、基板から方向転換され、クレージングを引き起こす条件を低減させる。接地への代替経路の概念および利点を文脈化かつ解説するために、図3は、チャンバシステム302、電力供給源304、基板306、および関連特徴の提案されるモデル300であって、電流源310と並列のインピーダンス要素(例えば、本明細書に議論されるような対の3軸ケーブルを通した接地への平衡された容量結合によって提供されるように)は、AC給電プラズマからの電流パルスを表し、これは、基板への寄生電流結合と見なされ得る。モデルはさらに、ソースインピーダンス316(RSOURCE)と直列なプラズマバイアス314として図示されるその抵抗とともに、プラズマによって提示されるバイアスを図示する。コーティングの間、プラズマは、基板と接触し、故に、プラズマバイアスは、基板を通して、電流源を作成する。従来のシステムでは、電流は、RSUBSTRATE312によって表される、接地への基板を通した経路を見出すであろう。
【0035】
効果は、クレージングが引き起こされ得る条件を作成することになるであろう。モデルを参照すると、高インピーダンスである可能性が高いが、それにもかかわらず、既存のチャンバのチャンバインピーダンス(RCHAMBER)を通して、および可能性として、他のチャンバを通して、ローラを通して、および同等物(但し、モデル内には図示されない)を通して、接地への経路が存在する。基板上のコーティングまたはフィルムを通した意図されない寄生電流は、フィルム熱閾値を超え、クレージング事象を誘起させ得る(雷様パターンでフィルムを溶融および蒸発させる)と考えられる。クレージングは、電位が低減され、クレージング事象が消滅するまで、フィルム内に経路をエッチングし続け得る。本明細書に議論されるように、クレージングを開始し得る寄生レベルを回避するために、そのような寄生電流を迂回させる、種々の解決策が、提案される。
【0036】
一実施例では、意図されない寄生電流の一部は、代わりに、インピーダンス要素308を通して、接地への経路を見出し、基板をバイパスし、それによって、クレージングを引き起こし得る条件を低減させ得る。1つの特定の実施形態では、所与のチャンバの各プラズマ端子から接地への平衡されたコンデンサを通して提供され得る、インピーダンス接続が、そのような寄生電流の一部が接地に流動するために、基板から離れる代替経路を提供するように提供される。より特定の形態、すなわち、平衡された3軸ケーブル配列の形態における、電力供給源とチャンバ端子との間の接続では、ケーブルの固有の静電容量が、平衡された接続では、チャンバのAC寄生電流パルスのための接地への経路を提供し、それによって、電流の一部に基板をバイパスさせる。
【0037】
図4Aは、3軸ケーブル400の断面図であって、その対は、本明細書に議論されるように、平衡された3軸接続を提供するために使用され得る。3軸ケーブル400は、第1の絶縁体404によって囲繞される、中心導体402を含み、これは、第1の伝導性遮蔽体(第2の導体)406によって囲繞され、これは、外側伝導性遮蔽体(第3の導体)410と、外側(第3の)絶縁体412とを伴う、第2の絶縁体408によって囲繞される。3軸ケーブルは、その構造の性質上、コンデンサを形成し得る。より具体的には、中心導体402、第1の絶縁体404、および内側伝導性遮蔽体406の組み合わせは、第1のコンデンサ(C1)を形成し、第1の内側伝導性遮蔽体406、第2の絶縁体408、および外側伝導性遮蔽体410の組み合わせは、第2のコンデンサ(C2)を形成する。
【0038】
いくつかの従来の構成では、単一従来の3軸ケーブルは、電力供給源をチャンバの端子に結合するために使用される。図4Bおよび4Cは、チャンバの1つの端子(例えば、A)が、中心導体402(図4B)を用いて電力供給源204に接続され、チャンバの別の端子(例えば、B)が、第1の内側伝導性遮蔽体406(図4C)を用いて電力供給源に接続されるであろう、従来の配列の非平衡性質を図示する。図4Bを参照すると、非平衡方法において、(端子Aのための)導体402は、コンデンサC1およびC2の両方を通して、接地への経路を提供する一方、(端子Bのための)導体406は、C2を通して接地に接続され、すなわち、1つの経路は、2つのコンデンサを有し、他の経路は、単一コンデンサを有することが分かる。中心導体と接地との間の経路において直列である2つのコンデンサC1およびC2として図示されるが(図4B)、内側遮蔽体406は、事実上、接地への中心導体を遮蔽し、これは、事実上、コンデンサが中心導体を接地することを可能にしない。故に、非平衡な従来の接続では、中心導体402は、特に、プラズマコーティングシステム内で被られる一部の高周波数寄生電流のための、接地への低インピーダンス経路を有していない。
【0039】
図4Dは、電力供給源204とチャンバ202の端子(A)および(B)との間の接続毎に2つの3軸ケーブルを使用することによって提供され得る、平衡された3軸接続の表現である。本配列では、A側とB側との間の接続は両方とも、それぞれ、内側遮蔽体と接地との間の接続を有し、故に、両方とも、高周波数電流のための接地への低インピーダンス経路を有することが分かる。図5は、堆積チャンバの電力供給源と端子(A)および(B)との間の平衡された二重3軸ケーブル接続を図示する、別の略図である。図5に図示される各3軸ケーブル500A、500Bは、図4Aに図示される断面を有する。平衡されたAC電流シャントを達成するために、2つの3軸ケーブル500A、500Bが、電力供給源204をチャンバの2つの端子AおよびBに接続するために使用される。第1のケーブル500Aでは、端子Aは、中心導体502Aを介して、側(A)において、電力供給源204に接続され、端子Bは、第1の内側遮蔽体導体506Aを用いて、電力供給源側(B)に接続される。第2のケーブル500Bでは、端子Aは、中心導体502Bを介して、電力供給源側(B)に接続され、端子Bは、第1の内側遮蔽体導体506Bを用いて、電力供給源側(A)に接続される。本接続は、図4Dに描写される平衡された配列を提供する。
【0040】
さらに詳細に、3軸ケーブルの組み合わせられた使用を通して、第1のケーブルでは、電力供給源の片側(例えば、A)から端子のうちの1つ(例えば、A)までの1つの中心導体経路(第1のA接続)が存在し、電力供給源の他側(例えば、B)から他の端子(例えば、B)までの1つの遮蔽体導体経路(第1のB接続)が存在する。第1のケーブルでは、A側とA端子との間の第1の接続内に接地への2つのコンデンサと、B側とB端子との間の第2の接続内に接地への1つのコンデンサとが存在する。第2のケーブルでは、平衡は、接地への1つのコンデンサを伴う内側遮蔽体導体を通して、電力供給源のA側とA端子との間の第2のA接続を提供することによって、A側接続内と、接地への2つのコンデンサを伴う中心導体接続を通して、電力供給源のB側とB端子との間の第2のB接続を提供することによって、B側接続内とで達成される。したがって、A側とA端子との間の接続には、第1の3軸ケーブル内の接地への2つのコンデンサを伴う、1つの経路と、他の第2の3軸ケーブル内の接地への1つのコンデンサを伴う、並列経路とが存在する。B側とB端子との間の接続では、第2の3軸ケーブル内の接地への2つのコンデンサを伴う、1つの経路と、第1の3軸ケーブル内の接地への1つのコンデンサを伴う、別の経路とが存在する。したがって、電力供給源の各側と個別の端子との間の接続は、各経路の組み合わせられた並列接続によって提供される接地への同一容量接続を伴う、各経路の並列接続によって提供される同一(平衡された)経路を有する。さらに、AおよびB接続はそれぞれ、内側遮蔽体によって提供される高周波数寄生電流および図4DにおけるC2によって表される接地への容量結合のための低インピーダンス経路を有する。
【0041】
図6は、直接、その電力供給源604へのAC接地を伴う、コーティングシステムの多くのうちの1つのチャンバであり得る、チャンバ602を図示する。本システムは、チャンバと電力供給源との間の低インピーダンス経路を提供する。低インピーダンス帰還経路が、提供され得、電力供給源は、直接、チャンバ上に、またはチャンバおよび供給源に相互接続される専用低インピーダンスフレームまたは他の部材を通して、搭載される。一実施例では、銅ストラップ606が、プラズマチャンバの接地点608と関連付けられた電力供給源604の接地点610との間に接続される。ストラップは、基板およびその上の任意のコーティングから離れるようなチャンバ内のプラズマからの寄生電流の迂回によって、クレージングを低減させる目的のために、チャンバとその電力供給源接地との間の専用低インピーダンス経路を提供する。銅ストラップが、一実施例では提供されるが、供給源接地とチャンバ接地との間の他の低インピーダンス接続も、可能性として考えられる。さらに、図6では、電力供給源とマグネトロンとの間の平衡された3軸結合も、図示され、チャンバと供給源接地との間のAC帰還経路は、クレージングの可能性をさらに低減させる。しかしながら、AC帰還経路は、平衡された3軸アプローチまたは他のシャントインピーダンスアプローチを伴わずに使用されてもよい。
【0042】
チャンバと電力供給源との間のAC接地は、チャンバ内のプラズマから電力供給源への高周波数AC寄生電流のための専用帰還経路を提供する。図3に描写されるモデルに戻って参照すると、AC接地帰還経路は、シャントインピーダンス要素308、電流源310(プラズマを電流源としてモデル化する)、プラズマバイアス314および関連付けられたソースインピーダンス316、およびチャンバインピーダンス(RCHAMBER)間の銅ストラップ相互接続によって提供される。ストラップは、基板から離れ、かつ供給源接地への、任意のAC供給源誘発寄生電流のための専用低インピーダンス経路を提供する。
【0043】
本開示の別の側面は、電位差は、コーティングを横断して、および電位差間に寄生電流流動をもたらす、チャンバ間に誘発され得ることを認識する。概して、図2に示されるように、基板コーティングシステム200または処理ラインは、典型的には、多くのプラズマ堆積チャンバ(例えば、202A-202C)を含み、それぞれ、絶縁体または導体のいずれかを堆積させるように構成される。建築ガラスのスラブ等の基板210が、本システム内に示される。基板は、複数のプラズマ堆積チャンバ内に跨架するように定寸され得、したがって、異なる層の堆積を同時に被り得る。基板がその間で移動し、各チャンバにおいてコーティングまたは別様に処理される、一連のプラズマ堆積チャンバを含む、従来のガラスコーティングシステムは、電力供給源および各堆積チャンバに提供されるエネルギーに対して同期されない。換言すると、堆積チャンバは、チャンバ間で移動する基板をコーティングまたは別様に処理するための全体的システムの一部であるが、各チャンバを駆動する電力および所与のチャンバのプロセスは、他のチャンバに対して同期または制御されない。
【0044】
離散チャンバ内で、電力供給源は、差動電圧をマグネトロン(端子)間に発生させ、コーティングプロセスの一部として、プラズマを開始および持続させる。従来、1つのチャンバ内のプラズマプロセスは、隣接するチャンバ内のプロセスからのバイアスと異なる、バイアスを基板上に発生させ得る。故に、本開示の別の側面は、そのような隣接するチャンバ内に印加されている差動電圧からのチャンバ間の電位差に起因して、電流経路が隣接するチャンバ間に形成され得るという認識を伴う。チャンバ間の電流経路は、基板と、基板が隣接するチャンバ内で同時に処理されるにつれて基板上に存在する、あらゆるコーティングとを含み得る。
【0045】
図7Aは、3つの隣接するチャンバ(702A、702B、および702C)と、運搬システム(例えば、図2のローラ206参照)上でチャンバからチャンバに移動されている、基板710との従来の配列を伴う、堆積システム700を描写する、略図である。各チャンバは、各チャンバの個別のマグネトロンAおよびBに給電し、各チャンバ内でプラズマを点火および持続させる、個別のAC電力供給源704A、704B、および704Aを有する。3つのチャンバは、単に、例証のために示され、本システムは、より多くのそのようなチャンバを有してもよい。基板は、基板がチャンバからチャンバに運搬されるにつれて、種々の隣接するチャンバ内で同時に処理され得る。図7Aに示されるような従来のシステムでは、各チャンバのマグネトロンAおよびBは、典型的には、同一であって、Bマグネトロンは、示されるように、Aマグネトロンに直に隣接する結果をもたらす。
【0046】
各チャンバ内のAC電力信号を制御しなければ、および/またはマグネトロン配列を改変しなければ、電位差がチャンバ間に引き起こされるであろうことが可能性として考えられ、実際、その可能性が高い。チャンバ毎に、Aマグネトロンが、デューティサイクルの正の部分を引き受け、Bマグネトロンが、デューティサイクルの負の部分を引き受ける方式下では、チャンバ702A内の端子(Bと標識される)は、負の電圧信号を受信し得る一方、隣接するチャンバ702B内の隣接する端子(Aと標識される)は、正の電圧信号を受信し得ることが分かる。議論の目的のために、各信号が、同一であって、正の電圧が、+500Vであって、負の電圧が、-500Vである場合、100ボルトの電位差が、隣接するチャンバの端子間に作成され得る。そのような電位差は、2つの隣接するチャンバ間で電流を基板(および基板に適用され得るあらゆるコーティング)を通して流動させ得る。電流は、コーティング内にクレージングを開始させ得る。
【0047】
クレージングを引き起こし得る、チャンバ間およびコーティングされた基板を横断した電流経路を低減または排除するために、本開示の側面は、隣接するチャンバの隣接する端子間の電位差が最小限にまたは排除されるように、(例えば、図7Aに示されるような)隣接する信号間の電力信号の同期化と、単独で、または電力信号の同期と組み合わせて、隣接するチャンバの隣接する端子が、同様に同一または実質的に同一電圧であり得る、(例えば、図7Cに示されるような)同一極性の電力信号を受信するように、端子または隣接するチャンバの物理的配列とを伴う。
【0048】
図7Bは、各チャンバの一対の端子と結合される個別の3つの電力供給源から印加され得る、AC信号を図示する。これらの信号は、同期形態で図示される(例えば、3つの信号は、50%デューティサイクルを伴う同一方形波パターンを描写する)。信号同期に関して、各電力供給源のコントローラまたは複数の電力供給源を制御するように動作可能に結合されるコントローラが、隣接するチャンバ内のプロセスと同期するように、任意の所与の堆積チャンバ内のプロセスを制御し、隣接するチャンバの隣接するマグネトロン間の電位差を最小限にするように構成され得る。例証目的のための単純実施例では、図7Cのチャンバに印加されている図7Bに図示される信号を検討する。第1および第2のチャンバに印加される第1および第2の信号がそれぞれ、低いとき、各チャンバのマグネトロンBは、同時に低くなるように同期されるであろう。故に、隣接するチャンバの隣接する端子は、同一極性を有する。これは、信号制御を通して、および/または個別の供給源とチャンバの端子との間の接続を通して、達成されてもよい。+500ボルトと-500ボルトとの間のACパターンを伴う上記に導入された実施例に戻ると、-500ボルトが、チャンバ702AのBに印加されると同時に、-500ボルトが、チャンバ702BのBに印加される。値は、同一であって、両方とも負であるため、チャンバ間の直の面積内に電位差は存在しないであろう。異なる電圧レベルを伴う波形が、チャンバ毎に使用される場合でも、信号の極性は、隣接する端子において同一であるため、電位差は、隣接する端子において、1つの信号が正であって、他の信号が負である場合未満となるであろう。それぞれ、第2および第3のチャンバに印加される、第2および第3の信号が、それぞれ、高いとき、各チャンバのマグネトロンAは、同時に高くなるように同期されるであろう。A隣接物およびB隣接物(例えば、チャンバ間のアノード隣接物およびカソード隣接物)のための各チャンバの電極Aおよび電極Bの再配列の文脈で図示されるが、同期はまた、従来のチャンバ配列において管理され、信号を協調させ、隣接するチャンバのマグネトロン間の電位差を最小限にしてもよい。プロセス、故に、各チャンバへの信号は、異なり得るが、それにもかかわらず、そのような信号を同期させ、隣接するチャンバの隣接する(端子)マグネトロン間の電位差を最小限にすることが可能性として考えられる。
【0049】
多くの場合、任意の所与のチャンバ内のプロセスを制御するAC信号は、電圧レベルのみに差異を伴って、同一または類似であり得る。そのような事例では、特に、同一デューティサイクルを有する、同一タイプの信号では、各チャンバへの極性は、同一極性を有する隣接するチャンバの隣接する端子を用いて制御され得る。他の事例では、信号の周波数またはタイプの差異は、信号の協調をより複雑にし得る。それにもかかわらず、依然として、隣接するチャンバ間の信号極性におけるある重複が存在するように信号を制御する、または別様に、電位差が可能な限り最小限にされるように、信号を協調させることが可能性として考えられる。
【0050】
図8は、コンピューティングデバイスまたはコンピュータシステム800の実施例を図示する、ブロック図であって、これは、例えば、コントローラを実装する際に使用され得る。コントローラはまた、RF電力供給源または他の形態の供給源と統合される、インピーダンス整合ネットワーク内に統合される、または別様に、種々の可能性として考えられる形態で提供されてもよい。図8の実施例を参照すると、コンピューティングシステム800は、上記に議論されるドライバ回路のためのスイッチングデバイスのうちのいずれかに任意の制御信号を提供するための、制御デバイスであってもよい。コンピュータシステム(システム)は、1つ以上のプロセッサ802-806を含む。プロセッサ802-806は、キャッシュ(図示せず)の1つ以上の内部レベルと、プロセッサバス812との相互作用を指示するための、バスコントローラまたはバスインターフェースユニットとを含んでもよい。ホストバスまたはフロントサイドバスとしても公知である、プロセッサバス812が、プロセッサ802-806をシステムインターフェース814と結合させるために使用されてもよい。システムインターフェース814が、システム800の他のコンポーネントにプロセッサバス812とインターフェースをとらせるように、プロセッサバス812に接続されてもよい。例えば、システムインターフェース814は、メインメモリ816にプロセッサバス812とインターフェースをとらせるための、メモリコントローラ818を含んでもよい。メインメモリ816は、典型的には、1つ以上のメモリカードと、制御回路(図示せず)とを含む。システムインターフェース814はまた、1つ以上のI/OブリッジまたはI/Oデバイスにプロセッサバス812とインターフェースをとらせるための、入力/出力(I/O)インターフェース820を含んでもよい。1つ以上のI/Oコントローラおよび/またはI/Oデバイスは、図示されるような、I/Oコントローラ828およびI/Oデバイス830等のI/Oバス826と接続されてもよい。システムインターフェース814はさらに、プロセッサバス812および/またはI/Oバス826と相互作用するための、バスコントローラ822を含んでもよい。
【0051】
I/Oデバイス830はまた、プロセッサ802-806に情報および/またはコマンド選択を通信するための、英数字キーおよび他のキーを含む、英数字入力デバイス等の入力デバイス(図示せず)を含んでもよい。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ802-806に方向情報およびコマンド選択を通信するための、および表示デバイス上でカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御を含む。
【0052】
システム800は、メインメモリ816と称される、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(RAM)、またはプロセッサ802-806によって実行されるべき情報および命令を記憶するための、プロセッサバス812に結合される、他のコンピュータ可読デバイスを含んでもよい。メインメモリ816はまた、プロセッサ802-806による命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。システム800は、プロセッサ802-806に関する静的情報および命令を記憶するための、プロセッサバス812に結合される、読取専用メモリ(ROM)および/または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。図8に記載のシステムは、本開示の側面に従って採用する、または構成され得る、コンピュータシステムの唯一の可能性として考えられる実施例である。
【0053】
一実施形態によると、上記の技法は、メインメモリ816内に含有される、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ804に応答して、コンピュータシステム800によって実施されてもよい。これらの命令は、記憶デバイス等の別の機械可読媒体からメインメモリ816の中に読み取られてもよい。メインメモリ816内に含有される命令のシーケンスの実行が、プロセッサ802-806に本明細書に説明されるプロセスステップを実施させてもよい。代替実施形態では、回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせられて使用されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントとの両方を含んでもよい。
【0054】
機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取可能である形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または伝送するための、任意の機構を含む。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体および揮発性媒体の形態をとり得る。不揮発性媒体は、光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ816等の動的メモリを含む。機械可読媒体の一般的形態は、限定ではないが、磁気記憶媒体、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な他のタイプの媒体を含んでもよい。
【0055】
本開示の実施形態は、本明細書に説明される、種々のステップを含む。ステップは、ハードウェアコンポーネントによって実施されてもよい、または命令を用いてプログラムされた汎用目的または特殊目的プロセッサにステップを実施させるために使用され得る、機械実行可能命令に具現化されてもよい。代替として、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせによって実施されてもよい。
【0056】
上記の説明は、本開示の技法を具現化する、例示的システム、方法、技法、命令シーケンス、および/またはコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される開示は、これらの具体的な詳細を用いずに実践され得ることを理解されたい。本開示では、開示される方法は、デバイスによって読取可能な命令またはソフトウェアのセットとして実装され得る。さらに、開示される方法のステップの具体的な順序または階層は、例示的アプローチの事例であることを理解されたい。設計選好に基づいて、本方法のステップの具体的な順序または階層は、開示される主題の範囲内に留まりながら、再配列され得ることを理解されたい。付随の方法請求項は、種々のステップの要素をサンプル順序で提示し、必ずしも提示される具体的な順序または階層に限定することを意図していない。
【0057】
本開示およびその付随する利点の多くのものが、前述の説明によって理解されるはずであると考えられ、種々の変更が、開示される主題から逸脱することなく、またはその実質的な利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構成、および配列において成され得ることが明白となるはずである。説明される形態は、説明にすぎず、そのような変更を包含かつ含むことが、以下の請求項の意図である。
【0058】
本開示は、種々の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、例証的であり、本開示の範囲は、それらに限定されないことを理解されたい。多くの変形例、修正、追加、および改良が、可能性として考えられる。さらに一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装の文脈において説明されている。機能性は、本開示の種々の実施形態において異なるように分離される、またはブロックに組み合わせられる、または異なる専門用語を用いて説明され得る。これらおよび他の変形例、修正、追加、および改良は、後に続く、請求項において定義されるような本開示の範囲内にあり得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
【外国語明細書】