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特開2024-19710低全地球温暖化係数を有する冷媒ブレンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019710
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】低全地球温暖化係数を有する冷媒ブレンド
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
C09K5/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023221054
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2020572408の分割
【原出願日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】62/691,490
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ クリントン オールグッド
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ ハビランド マイナー
(57)【要約】
【課題】本発明は、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するためのプロセスに関する。
【解決手段】1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物は、1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから回収され、精製されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の回収されたヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵システムから前記1種以上のヒドロフルオロカーボンを回収する工程と、
(b)前記1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)前記1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約20未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、前記冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
前記1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年6月28日出願の米国特許仮出願第62/691,490号の利益を主張し、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するためのプロセスに関し、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物は、1種以上の冷蔵システムから回収され、精製されている。
【背景技術】
【0003】
過去数十年間にわたり、多くの産業でオゾン破壊性のクロロフルオロカーボン(CFC)類及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類に代わる代替物を見つける取り組みがなされてきた。CFC及びHCFCは、エアゾール噴射剤、冷媒、洗浄剤、熱可塑性及び熱硬化性発泡体用の膨張剤、伝熱媒体、気体誘電体、消火剤及び抑火剤、動力サイクル作動流体、重合媒体、微粒子除去流体、キャリア流体、バフ磨き研磨剤、並びに置換乾燥剤としての使用を含む、幅広い用途において使用されてきた。これら多用途の化合物に代わる代替物の探索において、多くの産業でヒドロフルオロカーボン(HFC)類及び/又はヒドロフルオロオレフィン(HFO)類の使用が注目されている。低オゾン層破壊係数及び低地球温暖化係数を有するHFOは、飽和CFCに代わる候補とみなされ、冷媒としての使用を含む幅広い用途で使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願第62/691,490号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、とりわけ、1種以上の回収されたヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロカーボンを回収する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約20未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される、プロセスを提供する。
【0006】
本出願は、冷媒ブレンドの地球温暖化係数を低下させるプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから回収された1種以上のヒドロフルオロカーボンを選択する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約20未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、精製冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
精製冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、低下した地球温暖化係数を有し、
1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される、プロセスを更に提供する。
【0007】
本出願は、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドを含む、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムを更に提供する。
【0008】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本発明で使用するための方法及び材料が本明細書に記載されており、また、当該技術分野において既知の他の好適な方法及び材料を使用してもよい。材料、方法、及び実施例は、単なる例証であり、限定することを意図するものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、及び他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含め、本明細書が優先される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
地球温暖化係数(GWP)は、1キログラムの二酸化炭素の排出と比較して、1キログラムの特定の温室効果ガスの大気排出に起因する相対的な地球温暖化への関与を推定するための指数である。GWPは、様々な対象期間について計算することができ、所与のガスの大気寿命の影響を示す。100年間を対象期間とする地球温暖化係数(GWP)が、一般的に参照される値である。
【0010】
GWPは、1トンのガスの排出が所与の期間にわたってどのくらいのエネルギーを吸収するかの尺度であるため、装置又はシステムでの使用から回収され、続いてリサイクル及び/又は精製される化合物(例えば、ヒドロフルオロカーボン又はヒドロフルオロオレフィン)は、冷媒混合物又はブレンドの作製に使用するために新たに製造された化合物と比較して、最小又は更にはゼロの「有効GWP」に寄与する。明確にするために、回収は、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、そのシステムでいくらかの期間にわたって使用した後、冷媒を除去するプロセスを記述することを意味する。再利用は、回収された化合物又はブレンドの洗浄/精製を意味することを意図し、使用済み冷媒から潤滑剤、固形分、水、及び空気などの不純物を除去すること、並びにまた冷媒混合物の組成物を潜在的に調整することを含む。再利用は、現場で、又は「再利用設備」若しくは使用済み冷媒の回収、精製、及び再販を専門とする実体で達成され得る。リサイクルは、システムから冷媒を現場で除去すること、次いで同じ又は類似のシステムへの洗浄及び再導入が最小限から全くないことを意味することを意図する。したがって、本明細書で使用するとき、「有効GWP」という用語は、装置又はシステムでの使用から回収され、続いて本明細書で提供されるプロセスのうちの1つ以上に従って再利用、リサイクル、及び/又は精製されたヒドロフルオロカーボン又はヒドロフルオロオレフィンなどの化合物を含有する冷媒混合物又はブレンドのGWPを指す。そのような混合物の有効GWPは、冷媒混合物又はブレンド中で使用するために新たに製造される「バージン」成分のみを含有する冷媒混合物又はブレンドのGWPに対して、有意に低下させることができる。冷媒ブレンドの回収され、再利用/リサイクル/精製された部分は、存在する地球温暖化化合物の正味の地球供給には加えられず、したがって冷媒ブレンドの回収された部分は、冷媒混合物又はブレンドのGWPに対する寄与がゼロである。冷媒は、リサイクル、再利用、又は精製の工程なしで回収及び再使用することができるが、そのような再使用は、意図したとおりには機能しない場合があり、未精製冷媒が後に使用されるシステムに有害である場合があることに留意されたい。
【0011】
本明細書で使用するとき、「オゾン層破壊係数(ODP)」という用語は、「The Scientific Assessment of Ozone Depletion,2002,A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project」のセクション1.4.4、ページ1.28~1.31(このセクションの最初の段落を参照)で定義されている。オゾン層破壊係数(ODP)は、フルオロトリクロロメタン(CFC-11)の質量に対する質量を基準とした化合物から予想される成層圏オゾン層破壊の度合いを表す。
【0012】
性能係数(COP)は、圧縮機を動作させるのに必要なエネルギーで割った、蒸発器で除去された熱の量である。COPが高いほど、エネルギー効率が高くなる。COPは、エネルギー効率比(EER)、すなわち特定の組の内部温度及び外部温度での冷蔵又は空調設備についての効率評定に直接的に関する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はこれらの他の任意の変化形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの要素に必ずしも限定されるものではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に対して明示的に記載されていない、又はこれらに固有のものではない、他の要素も含む場合がある。更に、明示的にこれに反する記載がない限り、「又は」は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下、すなわち、Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)のいずれか1つにより満たされる。
【0014】
本発明で使用するとき、「から本質的になる」は、これらの追加的に含まれる材料、工程、特徴、成分、又は要素が、特許請求される発明の基本的及び新規の特徴(複数可)、特に本発明のプロセスのいずれかの所望の結果を達成するための作用機序に実質的に影響を及ぼさないことを条件に、文字どおり開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む、組成物、方法を定義するために使用される。「から本質的になる(consists essentially of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、「含む」と「からなる」との間の中間の立場をとる。
【0015】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載された要素及び成分を記述するために用いられる。これは、単に便宜上なされるものであり、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるためのものである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、単数形は、別の意味を有することが明白でない限り、複数形も含む。
【0016】
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、実験誤差による変動(例えば、示された値のプラスマイナス約10%)を考慮することを意味する。本明細書で報告される全ての測定値は、特に明記しない限り、「約」という用語が明示的に使用されているか否かに関わらず、「約」という用語によって修飾されるものと理解される。
【0017】
量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、ある範囲、好ましい範囲、又は好ましい上方値及び/若しくは好ましい下方値のリストのいずれかとして与えられている場合に、これらは、範囲が別個に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限値又は好ましい上方値及び任意の範囲下限値又は好ましい下方値の任意の対から形成される全ての範囲を、具体的に開示するものとして、理解されるものとする。本明細書に数値範囲が記述されている場合、特に指示しない限り、この範囲は、その端点を包含し、かつその範囲内の全ての整数及び分数を包含することが意図されている。
【0018】
以下の略語が、本明細書で使用され得、当業者によって容易に理解されるであろう。
CFC:クロロフルオロカーボン
COP:性能係数
GWP:地球温暖化係数
HFC:ヒドロフルオロカーボン
HCFC:ヒドロクロロフルオロカーボン
HCFO:ヒドロクロロフルオロオレフィン
HFO:ヒドロフルオロオレフィン
ODP:オゾン層破壊係数
R-32又はHFC-32:ジフルオロメタン
R-125又はHFC-125:ペンタフルオロエタン
R-134a又はHFC-134a:1,1,1,2-テトラフルオロエタン
R-152a又はHFC-152a:1,1-ジフルオロエタン
R-134又はHFC-134:1,1,2,2-テトラフルオロエタン
R-227ea又はHFC-227ea:1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン
HFO-1336mzz又は1336mzz:1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(異性体の混合物)
HFO-1336mzz-(Z)又は1336mzz(Z):(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン
HFO-1336mzz-(E)又は1336mzz(E):(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン
HFO-1225ye-(E)又は1225ye(E):(E)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン
HFO-1234yf又は1234yf:2,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1234ze又は1234ze:1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(異性体の混合物)
HFO-1234ze-(Z)又は1234ze(Z):(Z)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1234ze-(E)又は1234ze(E):(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン
HFO-1123又は1123:トリフルオロエチレン
HFO-1243zf又は1243zf:3,3,3-トリフルオロプロペン
R-407A:ASHRAEによってR-32、R-125、及びR-134aを(それぞれ20/20/40重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド R-407C:ASHRAEによってR-32、R-125、及びR-134aを(それぞれ23/25/52重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド R-410A:ASHRAEによってR-32及びR-125を(それぞれ50/50重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド
R-454A:ASHRAEによってR-32及びHFO-1234yfを(それぞれ35/65重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド
R-454B:ASHRAEによってR-32及びHFO-1234yfを(それぞれ68.9/31.1重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド
R-454C:ASHRAEによってR-32及びR-HFO-1234yfを(それぞれ21.5/78.5重量パーセントで)含有する指定されるものとして冷媒ブレンド R-449A:R454A:ASHRAEによってR-32、R-125、R-134a、及びHFO-1234yfを(それぞれ24.3/24.7/25.7/25.3重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド
R-513A:ASHRAEによってR-134a及びHFO-1234yfを(それぞれ44/56重量パーセントで)含有するものとして指定される冷媒ブレンド
【0019】
本発明の組成物を調製するためのプロセス
本出願は、1種以上の回収されたヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロカーボンを回収する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約50未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、冷媒ブレンドを形成する工程と、を含む、プロセスを提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物は、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、ジフルオロメタン(R-32)である。
【0022】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、ペンタフルオロエタン(R-125)である。
【0023】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)である。
【0024】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)である。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)である。
【0026】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)である。
【0027】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボンは、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される2種以上のヒドロフルオロカーボンの混合物である。
【0028】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボンは、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される2つ、3つ、4つ、又は5つのヒドロフルオロカーボンの混合物である。
【0029】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、約40未満、約30未満、約20未満、約10未満、約5未満、約2.5未満、又は約1未満の地球温暖化係数を有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々は、約10未満の有効地球温暖化係数を有する。いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々は、約2未満の有効地球温暖化係数を有する。いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々は、約1未満の有効地球温暖化係数を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、約1~約50、例えば、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約10、約1~約5、約1~約2.5、約2.5~約40、約2.5~約30、約2.5~約20、約2.5~約10、約2.5~約5、約5~約40、約5~約30、約5~約20、約5~約10、約10~約40、約10~約30、約10~約20、約20~約40、約20~約30、又は約30~約40の有効地球温暖化係数を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、約1~約10の地球温暖化係数を有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、約1~約5の地球温暖化係数を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、約0.1~約1の地球温暖化係数を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、1種以上の精製冷媒(ヒドロフルオロカーボン又はヒドロフルオロオレフィンのいずれか)化合物の各々は、5未満、例えば、4未満、3未満、2未満、1未満、又は0.1未満の有効地球温暖化係数を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、1種以上の精製冷媒化合物の各々は、約0~約5、例えば、約0~約4、約0~約3、約0~約2、約0~約1の有効地球温暖化係数を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、1種以上の精製冷媒化合物の各々は、約0の有効地球温暖化係数を有する。
【0038】
本明細書に記載のプロセスのいくつかの実施形態では、工程(b)は、工程(c)の混合の前に1回以上実行される。
【0039】
いくつかの実施形態では、工程(b)は、同じであっても異なっていてもよい、1回以上の精製技術を使用して、1回以上実行される。
【0040】
いくつかの実施形態では、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物は、工程(b)を実行する前の1種以上のヒドロフルオロカーボンと比較して、約1~約99.9%、例えば、工程(b)を実行する前の1種以上のヒドロフルオロカーボンと比較して、約1~約95%、約1~約90%、約1~約75%、約1~約50%、約1~約25%、約1~約10%、約10~約95%、約10~約90%、約10~約75%、約10~約50%、約10~約25%、約25~約95%、約25~約90%、約25~約75%、約25~約50%、約50~約95%、約50~約90%、約50~約75%、約75~約95%、約75~約90%改善された純度を示す。
【0041】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、AHRI Standard700-2017Specification for Refrigerantsに記載の汚染物質の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。
【0042】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物は、空気及び他の非凝縮物、水、揮発性不純物、微粒子/固形分、塩化物などのうちの1つ以上の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。非凝縮物には、酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0043】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物は、本明細書に記載の表1~8のいずれか1つ、及び参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、AHRI Standard700-2017Specification for Refrigerantsに記載の汚染物質の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるプロセスは、
(d)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロオレフィンを回収する工程を更に含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、工程(d)は、工程(c)のブレンドの前に実行される。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるプロセスは、
(e)1種以上のヒドロフルオロオレフィンを精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィンを形成する工程を更に含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、工程(e)は、工程(c)のブレンドの前に実行される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるプロセスは、
(d)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロオレフィンを回収する工程と、
(e)1種以上のヒドロフルオロオレフィンを精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィンを形成する工程と、を更に含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、工程(d)及び(e)は各々、工程(c)のブレンドの前に実行される。
【0061】
いくつかの実施形態では、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィン化合物は、工程(b)を実行する前の1種以上のヒドロフルオロオレフィンと比較して、約1~約99.9%、例えば、工程(b)を実行する前の1種以上のヒドロフルオロオレフィンと比較して、約1~約95%、約1~約90%、約1~約75%、約1~約50%、約1~約25%、約1~約10%、約10~約95%、約10~約90%、約10~約75%、約10~約50%、約10~約25%、約25~約95%、約25~約90%、約25~約75%、約25~約50%、約50~約95%、約50~約90%、約50~約75%、約75~約95%、約75~約90%改善された純度を示す。
【0062】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィン化合物は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、AHRI Standard700-2017Specification for Refrigerantsに記載の汚染物質の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。
【0063】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィン化合物は、空気及び他の非凝縮物、水、揮発性不純物、微粒子/固形分、塩化物などのうちの1つ以上の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。
【0064】
例えば、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィン化合物は、本明細書に記載の表1~8のいずれか1つ、及び参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、AHRI Standard700-2017Specification for Refrigerantsに記載の汚染物質の最大許容レベル以下の総量の不純物(すなわち、汚染物質)を含む。
【0065】
1種以上のヒドロフルオロオレフィンは、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、(E)1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E)、及び3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、又はこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボン化合物は、ジフルオロメタン(R-32)である。
【0067】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である。
【0068】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))である。
【0069】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))である。
【0070】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))である。
【0071】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、トリフルオロエチレン(HFO-1123)である。
【0072】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、(E)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E))である。
【0073】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)である。
【0074】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロオレフィンは、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、(E)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E)、及び3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)から選択される任意の2種以上のヒドロフルオロオレフィンの混合物である。
【0075】
いくつかの実施形態では、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、(E)1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E)、及び3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)から選択される任意の2、3、4、又は5つのヒドロフルオロオレフィンの混合物である。
【0076】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボンは、ジフルオロメタン(R-32)とペンタフルオロエタン(R-125)との混合物である。
【0077】
いくつかの実施形態では、ヒドロフルオロカーボンは、ジフルオロメタン(R-32)と、ペンタフルオロエタン(R-125)と、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134aと)の混合物である。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約21~約22重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)、及び
約78~約79重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約21~約22重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)、及び
約78~約79重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)から本質的になる。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約21~約22重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)、及び
約78~約79重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)からなる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約68~約69重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約30~約31重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約68~約69重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約30~約31重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、から本質的になる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約68~約69重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約30~約31重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、からなる。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約34~約36重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約64~約66重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約34~約36重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約64~約66重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、から本質的になる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約34~約36重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約64~約66重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、からなる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約66~約68重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約6~約8重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約27重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約66~約68重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約6~約8重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約27重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、から本質的になる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約66~約68重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約6~約8重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約27重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、からなる。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約24~約25重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約24~約25重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約26重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約25~約26重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約24~約25重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約24~約25重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約26重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約25~約26重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、から本質的になる。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約24~約25重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約24~約25重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約26重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約25~約26重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、からなる。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約43~約45重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約55~約57重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約43~約45重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約55~約57重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、から本質的になる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドは、
約43~約45重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約55~約57重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、からなる。
【0096】
本明細書に記載のプロセスのいくつかの実施形態では、工程(b)の精製は、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物から固形不純物を除去することを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、固形不純物は、濾過から独立して選択される1種以上の精製技術によって除去される。濾過の種類又は方法としては、圧力、真空、膜遠心、重力、深層フィルタ、粒状床、炭素、繊維、又は金属を使用するカートリッジフィルタ、及びプレコート濾過を挙げることができる。濾過は、金属微粒子及び不溶性ポリマー、プラスチック、並びにエラストマーなどの固形粒子の除去に特に有用である。
【0098】
いくつかの実施形態では、工程(b)の精製は、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物から、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせを除去することを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせは、蒸留、デカンテーション、分子篩との接触、及び蒸気空間パージ(vapor space purging)から独立して選択される1種以上の精製技術によって除去される。分子篩は、空気除去のための水除去及び蒸気空間パージ(vapor space purging)に特に有用である。蒸留及びデカンテーションは、有機、オリゴマー、及び可溶性ポリマー不純物の除去に有効である。
【0100】
いくつかの実施形態では、工程(e)の精製は、1種以上のヒドロフルオロオレフィンから固形不純物を除去することを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、固形不純物は、圧力濾過、真空濾過、膜遠心濾過、重力濾過、深層フィルタ濾過、粒状床濾過、炭素、繊維、又は金属濾過を使用するカートリッジ濾過、及びプレコート濾過から独立して選択される1種以上の精製技術によって除去される。
【0102】
いくつかの実施形態では、工程(e)の精製は、1種以上のヒドロフルオロオレフィンから、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせを除去することを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせは、蒸留、分子篩との接触、及び蒸気空間パージ(vapor space purging)から独立して選択される1種以上の精製技術によって除去される。
【0104】
いくつかの実施形態では、本出願は、冷媒ブレンドの地球温暖化係数を低下させるプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから回収された1種以上のヒドロフルオロカーボンを選択する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約50未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、精製冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
精製冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、低下した地球温暖化係数を有し、
1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)から選択される、プロセスを更に提供する。
【0105】
いくつかの実施形態では、冷媒ブレンドは、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドのGWPと比較して、約5%以下、例えば、約10%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、約80%以下、約90%以下、又は約99%以下である有効地球温暖化係数を有する。
【0106】
いくつかの実施形態では、精製冷媒ブレンドは、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドのGWPと比較して、約5%以下である有効地球温暖化係数を有する。
【0107】
いくつかの実施形態では、冷媒ブレンドは、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドに対するGWPと比較して、約1%以下である有地球温暖化係数を有する。
【0108】
いくつかの実施形態では、冷媒ブレンドは、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドのGWPの約5%~約99%、例えば、約5%~約90%、約5%~約80%、約5%~約70%、約5%~約60%、約5%~約50%、約5%~約40%、約5%~約30%、約5%~約20%、又は約5%~約10%である有効地球温暖化係数を有する。
【0109】
使用方法
本明細書に記載のプロセスに従って調製される組成物は、熱源からヒートシンクに熱を運ぶために使用される作動流体として作用することができる。そのような伝熱組成物は、流体が相転移するサイクル、すなわち、流体が液体から気体に変化し、再び液体に戻る、又はその逆に変化するサイクルにおける冷媒としても有用であり得る。例示的な伝熱システムとしては、空調機(例えば、自動車用空調機)、冷凍庫、冷蔵庫、ヒートポンプ、冷却機(例えば、冷水機、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、遠心冷却機)、ウォークインクーラ、高温ヒートポンプ、移動式冷蔵庫、移動式空調ユニット、浸漬冷却システム、データセンター冷却システム、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
機械的な蒸気-圧縮冷蔵、空調、及びヒートポンプシステムは、蒸発器、圧縮機、凝縮器、及び膨張機器を含む。冷蔵サイクルは、1つの工程において冷却効果を生み出し、かつ、異なる工程において加熱効果を生み出す、多重の工程において冷媒を再使用する。サイクルは、以下のように記述することができる:液体冷媒が、膨張機器を通って蒸発器に入り、液体冷媒が、低温で、環境から熱を奪うことによって蒸発器内で沸騰して、気体を形成し、冷却を生み出す。多くの場合、空気又は伝熱流体は、蒸発器の上を、又は周囲を流れ、蒸発器内の冷媒の蒸発によって生じる冷却効果を、冷却される物体まで伝達する。低圧の気体は、圧縮機へ入り、そこで気体は圧縮され、その圧力及び温度が上昇する。次いで、高圧の(圧縮された)気体状の冷媒は、凝縮器へ入り、そこで冷媒は凝縮され、その熱を環境へ放出する。冷媒は膨張機器に戻り、それを通じて液体は凝縮機におけるより高圧レベルから蒸発機における低圧レベルに膨張し、このようにして、サイクルを繰り返す。
【0111】
冷却される又は加熱される物体は、冷却又は加熱を提供することが望ましい任意の空間、場所、物又は物体として定義され得る。例としては、アパート建物、総合大学の寮、一軒家、若しくは他の付属の家屋若しくは単身者世帯住宅、病院、オフィスビル、スーパーマーケット、単科大学若しくは総合大学の教室若しくは管理棟、及び自動車又はトラックのパッセンジャー・コンパートメントなどの、部屋、アパート、又は建物などの、空調、冷却、又は加熱を必要とする(開放された若しくは閉鎖された)空間などが挙げられる。更に、冷却される物体としては、とりわけ、コンピュータ設備、中央処理ユニット(cpu)、データセンター、サーババンク、及びパーソナルコンピュータなどの電子機器を挙げることができる。
【0112】
「付近」とは、蒸発器を介して移動される空気が、冷却される物体内又は周囲を移動するように、冷媒組成物を含有するシステムの蒸発器が、冷却される物体内又は物体に近接してのいずれかに位置されていることを意味する。加熱を生み出すプロセスでは、「付近」とは、蒸発器を介して移動される空気が、加熱される物体内又は周囲を移動するように、冷媒組成物を含有するシステムの凝縮器が、加熱される物体内又は物体に近接してのいずれかに位置されていることを意味する。いくつかの実施形態では、伝熱のために、「付近」とは、例えば、冷却される物体が、伝熱組成物に直接浸漬されるか、又は伝熱組成物を含有する管が、内部でその内若しくは周囲を流れ、例えば、電子設備から出ることを意味し得る。
【0113】
本明細書で提供される組成物が有用であり得る冷蔵システムの例としては、商業用、工業用、又は住宅用冷蔵庫及び冷凍庫、製氷機、内蔵型クーラ及び冷凍庫、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、スクリュー冷却機、スクロール冷却機、遠心冷却機、ウォークイン及びリーチイン冷却機及び冷凍庫、並びに組み合わせシステムを含む設備である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、スーパーマーケットの冷蔵システムにおいて使用され得る。更に、固定型用途は、1つの位置において、冷却を生み出す一次冷媒を使用し、この冷却を二次伝熱流体を介して遠隔地に移動させる、二次ループシステムを利用し得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステム又は装置を含む移動式伝熱システムにおいて有用である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステム又は装置を含む固定式伝熱システムにおいて有用である。
【0115】
本明細書で使用するとき、移動式冷蔵庫、空調、又はヒートポンプシステムは、道路、鉄道、海上、又は航空の輸送ユニットに組み込まれる、任意の冷蔵、空調、又はヒートポンプ装置を指す。移動式空調又はヒートポンプシステムは、自動車、トラック、列車、又は他の輸送システムに使用され得る。特に、移動式ヒートポンプは、熱を生み出すための燃焼エンジンを含まないハイブリッド又は電気自動車に有用であり得る。移動式冷蔵庫は、トラック、飛行機、又は列車の輸送用冷蔵庫を含み得る。更に、「複合一貫輸送」システムとして知られている、任意の移動式キャリアに依存しないシステムに冷蔵を提供することを意図する装置は、本発明に含まれる。そのような複合一貫輸送システムとしては、「コンテナ」(例えば、海上/陸上複合輸送)、並びに「スワップボディ」(例えば、道路及び鉄道複合輸送)が挙げられる。
【0116】
本明細書で使用するとき、固定式空調又はヒートポンプシステムは、動作中に適所に固定されるシステムである。固定式空調又はヒートポンプシステムは、いずれかの様々な建物に関連付けられ得るか、又は取り付けられ得る。これらの固定式の用途としては、冷却機、住宅用及び高温ヒートポンプを含むヒートポンプ、住宅用、商業用、又は工業用空調システムを含み、かつダクトの有無に関わらず、屋上システムなどの建物に接続される窓付のパッケージ型端末及びそれらの外部を含むがこれらに限定されない、固定式空調及びヒートポンプであり得る。
【0117】
固定式伝熱は、浸漬冷却システム、浸水冷却システム、相転移冷却システム、データセンター冷却システム、又は単純に液体冷却システムなどの電子機器を冷却するためのシステムを指し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物又は組成物を伝熱流体として使用するための方法が提供される。本方法は、当該組成物を熱源からヒートシンクに輸送する工程を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、冷却を生み出すための方法であって、冷却される物体の近傍で本明細書に開示する組成物のいずれかを蒸発させる工程と、その後、当該組成物を凝縮させる工程と、を含む、方法が提供される。
【0120】
いくつかの実施形態では、加熱を生み出すための方法であって、加熱される物体の近傍で本明細書に開示する組成物のいずれかを凝縮させる工程と、その後、当該組成物を蒸発させる工程と、を含む、方法が提供される。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、伝熱用途において有用であり、作動流体は、伝熱成分である。好ましくは、伝熱成分として使用するための組成物は、-60℃~300℃の沸点範囲を有する。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷蔵又は空調において使用するためのものである。好ましくは、冷媒又は空調成分として使用するための組成物は、-80℃~35℃の沸点範囲を有する。いくつかの冷却機用途では、沸点範囲は、好ましくは0℃~35℃である。
【0123】
本明細書に開示する化合物又は組成物は、とりわけ、R-123(又はHFC-123、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン)、R-11(又はCFC-11、トリクロロフルオロメタン)、R-12(又はCFC-12、ジクロロジフルオロメタン)、HFC-134a(1,1,1,2-テトラトリフルオロエタン)、HFC-32(ジフルオロメタン)、R-22(クロロジフルオロメタン)、R-245fa(又はHFC-245fa、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、R-114(又はCFC-114、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン)、R-236fa(又はHFC-236fa、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン)、R-236ea(又はHFC-236ea、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン)、R-124(又はHCFC-124、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン)を含むがこれらに限定されない、現在使用されている(例えば、「現用」)冷媒の代替物として有用であり得る。
【0124】
本明細書で使用するとき、「現用冷媒」という用語は、伝熱システムがそれに対して動作するように設計された冷媒、又は伝熱システム内に存在する冷媒を意味するものとして理解される。
【0125】
多くの場合、異なる冷媒用に、例えば、システム変更が最小から全くない状態で設計された最初の冷却設備において使用することができる場合には、代替冷媒は、最も有用である。多くの用途では、開示の組成物のいくつかの実施形態は、冷媒として有用であり、代替品が求められる冷媒として、少なくとも同等の冷却性能(冷却能力を意味する)を提供する。
【0126】
冷蔵能力(冷却能力と呼ばれることもある)は、循環する冷媒又は作動流体の単位質量当たりの、蒸発器中の冷媒又は作動流体のエンタルピーの変化を定義する用語である。体積冷却能力は、蒸発器を出る冷媒蒸気の単位体積当たりの、冷媒又は作動流体によって除去された熱の量を指す。冷蔵能力は、冷媒、作動流体、又は伝熱組成物の冷却を生み出す能力の尺度である。したがって、作動流体の体積冷却能力が高いほど、所定の圧縮機で達成可能な最大体積流量を伴う蒸発器で生み出すことができる冷却率が大きくなる。冷却率は、蒸発器内の冷媒によって除去される単位時間当たりの熱量を指す。
【0127】
同様に、体積加熱能力は、圧縮機に入る冷媒又は作動流体蒸気の単位体積当たりの、凝縮器中の冷媒又は作動流体によって供給される熱の量を定義する用語である。冷媒又は作動流体の体積加熱能力が高いほど、所定の圧縮機で達成可能な最大体積流量を伴う凝縮器で生み出される加熱率が大きくなる。
【0128】
いくつかの実施形態では、本出願は、空のシステムに本明細書に開示する組成物を充填することによって、又は当該現用冷媒を本明細書に開示する組成物で実質的に置換することによって、現用冷媒を用いて動作するように設計された伝熱システムを動作させる方法又は熱を伝達するための方法を提供する。
【0129】
本明細書で使用するとき、「実質的に置換する」という用語は、現用冷媒をシステムから排出させるか、又は現用冷媒をシステムから圧送した後、システムに本明細書に開示する組成物を充填することを意味するものとして理解される。システムは、充填する前に1回以上の量の置換冷媒でフラッシングすることができる。いくつかの実施形態では、システムが本明細書で提供される組成物で充填された後にも幾分の少量の現用冷媒がシステム内に存在してもよいものとして理解される。
【0130】
別の実施形態では、現用冷媒及び潤滑剤を含有する伝熱システムを再充填するための方法であって、潤滑剤の相当部分を当該システム内に保持しながら現用冷媒を伝熱システムから実質的に除去する工程と、本明細書で提供される組成物のうちの1つを伝熱システムに導入する工程と、を含む、方法が提供される。特定の実施形態では、システム内の潤滑剤は、部分的に置換される。
【0131】
本明細書で使用するとき、「潤滑剤」という用語は、部品の焼付き防止を補助するために圧縮機に潤滑を提供する、組成物又は圧縮機に添加される(かつ任意の伝熱システム内で使用中の任意の伝熱組成物と接触する)任意の材料を指す。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、冷却機内の冷媒の補充に使用され得る。例えば、R-449Aを使用する冷却機の性能が、冷媒の漏出により低下した場合、本来の仕様に性能を戻すために、本明細書に開示する組成物を冷却機に添加することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物のいずれかを含有する熱交換システムであって、空調機、冷凍庫、冷蔵庫、ヒートポンプ、冷水機、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、スクリュー冷却機、スクロール冷却機、遠心冷却機、ウォークインクーラ、ヒートポンプ、移動式冷蔵庫、移動式空調ユニット、及びこれらの組み合わせを有するシステムからなる群から選択される、システムが提供される。更に、本明細書で提供される組成物は、これらの組成物が一次冷媒として機能することで二次伝熱流体の冷却を提供し、この二次伝熱流体が遠隔地を冷却する二次ループシステムにおいて有用であり得る。
【0134】
本明細書で提供される組成物は、本明細書に記載の熱交換器においていくらかの温度勾配を有し得る。これにより、向流モード又は向流傾向を有する横流モードで熱交換器が動作している場合、システムは、より効率的に動作し得る。向流傾向とは、熱交換器が向流モードに可能な限り近づくほど、伝熱がより効率的であることを意味する。したがって、空調熱交換器、特に蒸発器は、向流特質のいくつかの態様を提供するように設計される。
【0135】
したがって、空調又はヒートポンプシステムであって、向流モード又は向流傾向を有する横流モードで動作する、1種以上の熱交換器(例えば、蒸発器、凝縮器、又は両方)を含む、システムが本明細書で提供される。
【0136】
いくつかの実施形態では、冷蔵システムであって、向流モード又は向流傾向を有する横流モードで動作する、1種以上の熱交換器(例えば、蒸発器、凝縮器、又は両方)を含む、システムが本明細書で提供される。
【0137】
いくつかの実施形態では、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムは、固定式冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムである。いくつかの実施形態では、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムは、移動式冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムである。
【0138】
更に、いくつかの実施形態では、本明細書に開示する組成物は、水、食塩水溶液(例えば、塩化カルシウム)、グリコール、二酸化炭素、又はフッ素化炭化水素流体(例えば、HFC、HCFC、HFO、HCFO、CFO、若しくはPFC)を含み得る二次伝熱流体の使用によって、遠隔地に冷却を提供する二次ループシステムにおいて一次冷媒として機能し得る。この場合、二次伝熱流体は、蒸発器に隣接しており、冷却される第2の遠隔物体に移動させる前に冷却されることから、冷却される物体である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する組成物は、二次伝熱流体として機能し、したがって遠隔地に冷却(又は加熱)を伝達又は提供することができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、潤滑剤、染料(例えば、紫外線染料)、可溶化剤、相溶化剤、安定剤、トレーサ、パーフルオロポリエーテル、摩耗防止剤、極圧添加剤、腐食及び酸化防止剤、金属表面エネルギー還元剤(metal surface energy reducer)、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、泡制御剤、粘度指数改善剤、流動点降下剤、洗剤、粘度調節剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の非冷媒成分(本明細書では添加剤とも呼ばれる)を含む。実際には、これら任意の非冷媒成分の多くは、これらの部類のうちの1つ以上に合致し、それ自体が1つ以上の性能特性を達成するのに役立つ品質を有し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、1種以上の非冷媒成分は、組成物全体に対して少ない量で存在する。いくつかの実施形態では、開示の組成物における添加剤(類)の濃度の量は、全組成物の、約0.1重量パーセント未満~約5重量パーセントと同程度までである。本発明のいくつかの実施形態においては、添加剤は、開示の組成物において、全組成物の、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの量で、又は約0.1重量パーセント~約3.5重量パーセントの量で存在する。開示の組成物として選択される添加剤成分(類)は、実用性及び/又は個々の設備構成要素、若しくはシステムの要件に基づいて選択される。
【0141】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、鉱油、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、パーフルオロポリエーテル、シリコーン、ケイ酸エステル、リン酸エステル、パラフィン、ナフテン、ポリアルファ-オレフィン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0142】
本明細書に開示する潤滑剤は、市販の潤滑剤であってよい。例えば、潤滑剤は、BVM100NとしてBVA Oilより販売されているパラフィン鉱油、商標名Suniso(登録商標)1GS、Suniso(登録商標)3GS及びSuniso(登録商標)5GSでCrompton Co.より販売されているナフテン系鉱油、商標名Sontex(登録商標)372LTでPennzoilより販売されているナフテン系鉱油、商標名Calumet(登録商標)RO-30でCalumet Lubricantsより販売されているナフテン系鉱油、商標名Zerol(登録商標)75、Zerol(登録商標)150及びZerol(登録商標)500でShrieve Chemicalsより販売されている直鎖アルキルベンゼン、HAB22としてNippon Oilより販売されている分枝鎖アルキルベンゼン、商標名Castrol(登録商標)100でCastrol,United Kingdomより販売されているポリオールエステル(POE)、Dow(Dow Chemical,Midland,Michigan)のRL-488Aなどのポリアルキレングリコール(PAG)、並びにこれらの混合物であってもよい。
【0143】
本明細書に開示する組成物の上記重量比にも関わらず、いくつかの伝熱システムでは、本組成物が使用されている間、そのような伝熱システムの1種以上の設備構成要素から追加の潤滑剤が得られる可能性があることが理解されている。例えば、いくつかの冷蔵、空調、及びヒートポンプシステムでは、圧縮機及び/又は圧縮機潤滑剤サンプ内に潤滑剤を充填してよい。このような潤滑剤は、任意の潤滑添加剤に加えて、このようなシステムの冷媒中に存在する。使用中、圧縮機内にあるとき、冷媒組成物は、ある量の設備潤滑剤を捕捉して、冷媒-潤滑剤組成物を出発比率から変更してもよい。
【0144】
本発明の組成物と共に使用される非冷媒成分は、少なくとも1種の染料を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、染料は、少なくとも1種の紫外線(UV)染料を含む。本明細書で使用するとき、「紫外線」染料は、電磁スペクトルの紫外線又は「近」紫外線領域内の光を吸収する紫外線蛍光性組成物又はリン光性組成物として定義される。約10ナノメートル~約775ナノメートルの範囲内の波長を有する、少なくともいくらかの放射線を放出する紫外線照射下において、紫外線蛍光性染料によって生み出された蛍光が検出され得る。
【0145】
紫外線染料は、装置(例えば、冷蔵ユニット、空調機、又はヒートポンプ)中での漏出点又は漏出点の近傍で染料の蛍光を観察することができることから、組成物の漏出を検出するにあたって有用な成分である。紫外線放出(例えば、染料からの蛍光)は、紫外線光下で観察することができる。したがって、こうした紫外線染料を含有する組成物が装置中の所与の点から漏出した場合、蛍光は、漏出点又は漏出点の近傍で検出され得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、紫外線染料は、蛍光染料であってもよい。いくつかの実施形態では、蛍光染料は、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナントラセン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセイン、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0147】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1種の可溶化剤を含む。いくつかの実施形態では、可溶化剤は、開示の組成物中の1種以上の染料の溶解度を改善するように選択される。いくつかの実施形態では、組成物中の染料の可溶化剤に対する重量比は、約99:1~約1:1の範囲である。例示的な可溶化剤としては、炭化水素、炭化水素エーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル(例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル)、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン(例えば、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、又はこれらの混合物)、エステル、ラクトン、芳香族エーテル、フルオロエーテル、1,1,1-トリフルオロアルカン、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
いくつかの実施形態では、非冷媒成分は、少なくとも1種の相溶化剤を含む。本明細書で使用するとき、「相溶化剤」という用語は、伝熱システム潤滑剤中の、開示の組成物のヒドロフルオロカーボンの溶解度を改善する化合物を指す。いくつかの実施形態では、相溶化剤により圧縮機への油戻しが改善される。いくつかの実施形態では、組成物をシステム潤滑剤と共に使用して、油リッチ相の粘度を低下させる。
【0149】
いくつかの実施形態では、非冷媒成分は、1種以上の潤滑剤と開示の組成物との相溶性を改善するために少なくとも1種の相溶化剤を含む。いくつかの実施形態では、相溶化剤は、炭化水素、炭化水素エーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル(例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル)、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン(例えば、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム、又はこれらの混合物)、エステル、ラクトン、芳香族エーテル、フルオロエーテル、1,1,1-トリフルオロアルカン、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0150】
いくつかの実施形態では、可溶化剤及び/又は相溶化剤は、炭化水素エーテルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、炭化水素エーテルは、ジメチルエーテル(DME)などの、炭素、水素、及び酸素のみを含有するエーテルからなる。
【0151】
いくつかの実施形態では、相溶化剤は、3~15個の炭素原子を含有する直鎖又は環式脂肪族又は芳香族炭化水素相溶化剤であり得る。いくつかの実施形態では、相溶化剤は、プロピレン及びプロパンを含む少なくともプロパン、n-ブタン及びイソブタンを含むブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、及びシクロペンタンを含むペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカンなどからなる群から選択される少なくとも1つの炭化水素を含む。いくつかの実施形態では、相溶化剤は、Exxon Chemical(USA)から商標名Isopar(登録商標)Hで販売されているもの、ウンデカン(C11)とドデカン(C12)との混合物(高純度C11~C12イソ-パラフィン)、Aromatic150(C9~C11芳香族)(Aromatic200(C9~C15芳香族)及びNaptha140(C5~C11パラフィンと、ナフテンと、芳香族炭化水素との混合物)、並びにこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、市販の炭化水素である。
【0152】
いくつかの実施形態では、相溶化剤は、少なくとも1種のポリマー相溶化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー相溶化剤は、フッ素化アクリレート及び非フッ素化アクリレートのランダムコポリマーであり得、このポリマーは、式CH2=C(R1)CO22、CH2=C(R3)C644、及びCH2=C(R5)C64XR6によって表される少なくとも1つのモノマーの反復単位を含む(式中、Xが、酸素又は硫黄であり、R1、R3、及びR5が、H及びC1~C4のアルキルラジカルからなる群から独立して選択され、R2、R4、及びR6が、C及びFを含有する炭素鎖系ラジカルからなる群から独立して選択され、チオエーテル、スルホキシド、又はスルホン、及びこれらの混合物の形態でH、Cl、エーテル酸素、又は硫黄を更に含有し得る)。そのようなポリマー相溶化剤の例としては、商標名Zonyl(登録商標)PHSでE.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE,19898,USA)から市販されているようなものが挙げられる。Zonyl(登録商標)PHSは、40重量%のCH2=C(CH3)CO2CH2CH2(CF2CF2mF(Zonyl(登録商標)フルオロメタクリレート又はZFMとも呼ばれる)であり、式中、mが、1~12、主に2~8であるものと、60重量%のラウリルメタクリレート(CH2=C(CH3)CO2(CH211CH3(LMAとも呼ばれる)とを重合することによって作製されたランダムコポリマーである。
【0153】
いくつかの実施形態では、相溶化剤成分は、潤滑剤の金属への粘着性を低下させる方法で、熱交換器中で見出される金属銅、アルミニウム、鋼、又は他の金属及びそれらの合金の表面エネルギーを低下させる(相溶化剤の総量に基づいて)約0.01~30重量%の添加剤を含有する。金属表面エネルギーを低下させる添加剤の例としては、商標名Zonyl(登録商標)FSA、Zonyl(登録商標)FSP及びZonyl(登録商標)FSJにてDuPontから市販されているものが挙げられる。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、金属表面不活性化剤である非冷媒成分を更に含む。いくつかの実施形態では、金属表面不活性化剤は、アレオキサリル(areoxalyl)ビス(ベンジリデン)ヒドラジド(CAS登録番号6629-10-3)、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン(CAS登録番号32687-78-8)、2,2,’-オキサミドビス-エチル-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナマート(CAS登録番号70331-94-1)、N,N’-(ジサリシクリデン(disalicyclidene))-1,2-ジアミノプロパン(CAS登録番号94-91-7)、エチレンジアミンテトラ-酢酸(CAS登録番号60-00-4)、又は前述のもののいずれかの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0155】
本明細書で提供される非冷媒成分は、ヒンダードフェノール、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート、オルガノホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、アスコルビン酸、チオール、ラクトン、チオエーテル、アミン、ニトロメタン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、アリールスルフィド、ジビニルテレフタル酸、ジフェニルテレフタル酸、アセトアルデヒドジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン、イオン性液体、及びこれらの混合物からなる群から選択される安定剤を更に含み得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、安定剤は、トコフェロール;ヒドロキノン;t-ブチルヒドロキノン;モノチオホスフェート、及びジチオホスフェート(Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerland(以後「Ciba」)から商標名Irgalube(登録商標)63として市販);ジアルキルチオリン酸エステル(Cibaからそれぞれ商標名Irgalube(登録商標)353及びIrgalube(登録商標)350として市販);ブチル化トリフェニルホスホロチオネート(Cibaから商標名Irgalube(登録商標)232として市販);アミンホスフェート(Cibaから商標名Irgalube(登録商標)349(Ciba)として市販);ヒンダードホスファイト(CibaからIrgafos(登録商標)168として市販)、及びトリス-(ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(Cibaから商標名Irgafos(登録商標)OPHとして市販);(Di-n-オクチルホスファイト);及びイソ-デシルジフェニルホスファイト(CibaからIrgafos(登録商標)DDPPとして市販);トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、及びトリ(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート;トリフェニルホスフェート、リン酸トリクレシル及びトリキシレニルホスフェートを含むトリアリールホスフェート、並びにイソプロピルフェニルホスフェート(IPPP)及びビス(t-ブチルフェニル)フェニルホスフェート(TBPP)を含む混合アルキルアリールホスフェート;Syn-O-Ad(登録商標)8784など、商標名Syn-O-Ad(登録商標)にて市販されているものなどのブチル化トリフェニルホスフェート;商標名Durad(登録商標)620として市販のものなどのtert-ブチル化トリフェニルホスフェート;商標名Durad(登録商標)220及びDurad(登録商標)110で市販されているものなどのイソプロピルトリフェニルホスフェート;アニソール;1,4-ジメトキシベンゼン;1,4-ジエトキシベンゼン;1,3,5-トリメトキシベンゼン;ミルセン、アロオシメン、リモネン(特にd-リモネン);レチナール;ピネン;メントール;ゲラニオール;ファルネソール;フィトール;ビタミンA;テルピネン;δ-3-カレン;テルピノレン;フェランドレン;フェンチェン;ジペンテン;リコピンなどのカラテノイド(caratenoids)、βカロチン、及びゼアキサンチンなどのキサントフィル;ヘパキサンチン及びイソトレチノインなどのレチノイド;ボルナン;1,2-プロピレンオキシド;1,2-ブチレンオキシド;n-ブチルグリシジルエーテル;トリフルオロメチルオキシラン;1,1-ビス(トリフルオロメチル)オキシラン;3-エチル-3-ヒドロキシメチル-オキセタン(例えば、OXT-101(Toagosei Co.,Ltd));3-エチル-3-((フェノキシ)メチル)-オキセタン(例えば、OXT-211(Toagosei Co.,Ltd));3-エチル-3-((2-エチル-ヘキシルオキシ)メチル)-オキセタン(例えば、OXT-212(Toagosei Co.,Ltd));アスコルビン酸;メタンチオール(メチルメルカプタン);エタンチオール(エチルメルカプタン);コエンザイムA;ジメルカプトコハク酸(DMSA);グレープフルーツメルカプタン((R)-2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-チオール));システイン((R)-2-アミノ-3-スルファニル-プロパン酸);リポアミド(1,2-ジチオラン-3-ペンタンアミド);5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-[2,3(又は3,4)-ジメチルフェニル]-2(3H)-ベンゾフラノン(Cibaから商標名Irganox(登録商標)HP-136として市販);ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジイソプロピルアミン;商標名Irganox(登録商標)PS802(Ciba)でCibaから市販されているジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート;ジドデシル3,3’-チオプロピオネート(Cibaから商標名Irganox(登録商標)PS800として市販);ジ-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(Cibaから商標名Tinuvin(登録商標)770として市販);ポリ-(N-ヒドロキシエチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジルスクシネート(Cibaから商標名Tinuvin(登録商標)622LD(Ciba)として市販);メチルビスタローアミン;ビスタローアミン;フェノール-α-ナフチルアミン;ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(DMAMS);トリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS);ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン;2,5-ジフルオロベンゾフェノン;2’,5’-ジヒドロキシアセトフェノン;2-アミノベンゾフェノン;2-クロロベンゾフェノン;ベンジルフェニルスルフィド;ジフェニルスルフィド;ジベンジルスルフィド;イオン性液体;並びにこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、イオン性液体安定剤である添加剤を更に含む。いくつかの実施形態では、イオン性液体安定剤は、室温(約25℃)で液体である有機塩からなる群から選択される。他の実施形態では、有機塩は、イオン性液体の安定剤は、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、及びトリアゾリウム、並びにこれらの任意の混合物からなる群から選択されるカチオンと、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -、(HCF2CF2SO3-、(CF3HFCCF2SO3-、(HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[(CF3SO23C]-、(CF3CO2-、及びF-、並びにこれらの任意の混合物からなる群より選択されるアニオンと、を含む。いくつかの実施形態では、イオン性液体安定剤は、emim BF4(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート)、bmim BF4(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラボラート);emim PF6(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート);及びbmim PF6(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)からなる群から選択され、これらの全ては、Fluka(Sigma-Aldrich)より入手可能である。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、ヒンダードフェノールである安定剤を更に含む。いくつかの実施形態では、ヒンダードフェノールは、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール;2,4-ジメチル-6-tertブチルフェノール;トコフェロール;などt-ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンの他の誘導体などを含むヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン;など、4,4’-チオ-ビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)を含むヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;4,4’-チオビス(3-メチル-6-tertブチルフェノール);2,2’-チオビス(4メチル-6-tert-ブチルフェノール);など、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)を含むアルキリデン-ビスフェノール;4,4’-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール);2,2-、又は4,4-ビフェノールジオール誘導体;2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tertブチルフェノール);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tertブチルフェノール);4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール);4,4-イソプロピリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール);2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール);2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール、2,2-又は4,4-ビフェニルジオール(2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)など);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、又は2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、(2,6-ジ-tert-アルファ-ジメチルアミノ-p-クレゾール、4,4-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)を含むヘテロ原子を含むビスフェノール;など、アシルアミノフェノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4(N,N’-ジメチルアミノメチルフェノール);以下などのスルフィド;ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、並びにこれらの任意の混合物を含むアルキル化モノフェノールなどの1種以上の置換若しくは環式、直鎖、又は分枝鎖脂肪族置換基を含むフェノールを含む、任意の置換フェノール化合物である。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、トレーサである非冷媒成分を更に含む。いくつかの実施形態では、トレーサは、同一の分類の化合物又は異なる分類の化合物の2種以上のトレーサ化合物を含む。いくつかの実施形態では、トレーサは、全組成物の重量に基づいて、約50重量百万分率(ppm)~約1000ppmの合計濃度で組成物中に存在する。他の実施形態では、トレーサは、約50ppm~約500ppmの合計濃度で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、トレーサは、約100ppm~約300ppmの合計濃度で組成物中に存在する。
【0160】
いくつかの実施形態では、トレーサは、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、重水素化ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素酸化合物、アルコール、アルデヒド及びケトン、亜酸化窒素、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、トレーサは、フルオロエタン、1,1,-ジフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエタン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7-トリデカフルオロヘプタン、ヨードトリフルオロメタン、重水素化炭化水素、重水素化ヒドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨード化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N2O)、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、組成物のなんらかの希釈、汚染、又は他の変更を検出できるようにするために、トレーサは、所定の量で本発明の組成物に添加されてもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物は、参照によりその開示がその開示全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2007-0284555号に記載のペルフルオロポリエーテルである添加剤を更に含む。
【0162】
非冷媒成分に好適であると本明細書で参照される特定の添加剤は、潜在的な冷媒として特定されていることが認識されるであろう。しかしながら、本発明によれば、これらの添加剤が使用される場合、本発明の冷媒混合物の新規かつ基本的特徴に影響を及ぼし得る量では存在しない。
【0163】
本明細書に記載のように、本発明のプロセスに従って調製された組成物は、ゼロのオゾン層破壊係数及び低地球温暖化係数(GWP)を有する。更に、本発明で提供される組成物は、現在使用中の多くのヒドロフルオロカーボン冷媒よりも低い地球温暖化係数を有し得る。したがって、本発明によれば、本明細書に記載の組成物は、冷却を生み出すための方法、加熱を生み出すための方法、及び熱を伝達するための方法において有用であり得る。
【実施例0164】
本発明を、具体的な実施例によって、より詳細に説明する。以下の実施例は、例示目的のために提供され、いかなる意味でも、本発明を限定することを意図するものではない。
【0165】
実施例1.低下した有効GWPを有する組成物の調製
GWPは、1トンのガスの排出が所与の期間にわたってどのくらいのエネルギーを吸収するかの尺度であるため、装置又はシステムでの使用から再利用され、続いてリサイクル及び/又は精製される化合物(例えば、ヒドロフルオロカーボン又はヒドロフルオロオレフィン)は、新たに製造された化合物と比較して、最小又はゼロの「有効GWP」に寄与する。例えば、表9に示されるように、組成物R-449Aは、24.3重量%のHFC-32、24.7重量%のHFC-125、25.7重量%のHFC-134a、及び25.3重量%のHFO-1234yfを含有し、1282のGWPを有する冷媒混合物である。R-449Aを1種以上のリサイクル/再利用/精製された成分(例えば、R-449Aを配合するために、冷媒装置又はシステムから回収し、続いて精製し、ブレンドした成分)を使用して調製することによって、R-449AのGWPを、最大99%だけ低下させることができる。表9に提供されるデータでは、冷媒ブレンドの回収/リサイクル/再利用された部分は、冷媒ブレンドの有効GWPへの寄与がゼロであると考えられる。
【0166】
【表13】
【0167】
表10~11は、回収/リサイクル/再利用されたHFC成分を使用して、R-513A(44重量%のHFC-134a、56重量%のHFO-1234yf)及びR-452B(67重量%のHFC-32、7重量%のHFC-125、26重量%のHFO-1234yf)のGWPを、それぞれ99.9%及び40%だけ低下させることができることを示す。
【0168】
【表14】
【0169】
【表15】
【0170】
実施例2.バージン原料を使用してR-449Aを調製するためのプロセス
冷媒R-449Aは名目上、24.3重量パーセントのHFC-32と、24.7重量パーセントのHFC-125と、25.7重量パーセントのHFC-134aと、25.3重量パーセントのHFO-1234yfとの混合物である。4つの成分(すなわち、新たに製造された成分)のバージン原料を使用してブレンドする場合、R-449Aは、約1281のGWPを有する。1kgのR-449Aを調製するための例示的なプロセスを以下に記載する。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器からHFC-134aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.253gのHFC-134aをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.257gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.ブレンド容器からHFC-125の供給容器に移送ラインを取り付ける。
7.247gのHFC-125をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
8.ブレンド容器からHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける。
9.243gのHFC-32をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
10.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
11.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析して、調製されたR-449Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度内であることを確認する。
【0171】
実施例3.リサイクルされたR-134aを使用してR-449Aを調製するためのプロセス
1kgのR-449Aは、26%の回収/リサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って回収及び再利用及び/又はリサイクルされたR-134aを使用して調製した場合、約26%低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.空の排気したブレンド容器からリサイクル又は再利用されたHFC-134aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.253グラムのリサイクル又は再利用されたHFC-134aをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたHFC-134aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みHFC-134aを除去することによって得ることができる。
b.回収されたHFC-134a中の不純物は、それを使用して新たなブレンドを調製する前に、回収されたHFC-134aから除去されなければならない。
c.不純物としては、錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、新たな冷媒ブレンド中に有することが望ましくない任意の固形分、液体、又は気体が挙げられる。
d.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.257gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.ブレンド容器からHFC-125の供給容器に移送ラインを取り付ける。
7.247gのHFC-125をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
8.ブレンド容器からHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける。
9.243gのHFC-32をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
10.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
11.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-449Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度内であることを確認する。
12.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0172】
実施例4.リサイクルされたR-410Aを使用してR-449Aを調製するためのプロセス
1kgのR-449Aは、49%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って再利用及び/又はリサイクルされたR-410Aを使用して調製した場合、約73%低い「有効」GWPを示す。
1.実施例3の工程1~5に従う。
2.HFC-134a及びHFO-1234yfをブレンド容器に充填した後、HFC-125及びHFC-32を個々の成分として添加することによって続ける代わりに、以下のように回収/リサイクル/再利用されたR-410Aを添加する。
3.空の排気したブレンド容器から回収されたR-410Aの供給容器(R-125とR-32との50/50重量%ブレンド)に移送ラインを取り付ける。
4.490gのR-410Aをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたR-410Aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みR-410Aを除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたR-410A中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたR-410Aから除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
5.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
6.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-449Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度と共にあることを確認する。
7.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0173】
実施例5.リサイクルされたR-407Aを使用してR-449Aを調製するためのプロセス
1kgのR-449Aは、62%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って回収及び再利用されたR-407A(それぞれ20/40/40重量%のHFC-32/HFC-125/HFC-134aの混合物)を使用して調製した場合、約93%低い「有効」GWPを呈する。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.250gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
4.ブレンド容器からR-407Aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.625gの回収されたR-407Aをシリンダー内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたR-407Aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みR-407Aを除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたR-407A純度中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたR-407Aから除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
6.ブレンド容器からHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける。
7.125gのHFC-32をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
8.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
9.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-449Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度と共にあることを確認する。
10.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0174】
実施例6.リサイクルされたR-134a及びリサイクルされたR-410Aを使用してR-449Aを調製するためのプロセス
1kgのR-449Aは、75%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って、回収、再利用、及び/又はリサイクルされたR-134a及びR-410Aを使用して調製した場合、99%超低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器から回収されたHFC-134aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.253グラムの回収されたHFC-134aをシリンダー内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたHFC-134aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みHFC-134aを除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたHFC-134a中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたHFC-134aから除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.257gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.ブレンド容器からリサイクル/再利用/回収されたR-410Aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
7.490gのR-410Aをシリンダー内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたR-410Aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みR-410Aを除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたR-410A中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたR-410Aから除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
8.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
9.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-449Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度内であることを確認する。
【0175】
実施例7.リサイクルされたR-134aを使用してR-513Aを調製するためのプロセス
1kgのR-513Aは、44%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って、回収、再利用、及び/又はリサイクルされたR-134aを使用して調製した場合、99%超低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器から回収されたHFC-134aの供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.440gの回収されたHFC-134aをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたHFC-134aは、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵若しくは空調システム)から、使用済みHFC-134aを除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたHFC-134a純度中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたHFC-134aから除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.560gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
7.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-513Aの測定された組成が許容可能な仕様及び許容度内であることを確認する。
8.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0176】
実施例8.リサイクルされたHFC-32を使用してR-454Aを調製するためのプロセス
1kgのR-454Aは、35%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って再利用及び/又はリサイクルされたR-32を使用して調製した場合、99%より低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器から回収されたHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける
3.350gの回収されたHFC-32をシリンダー内に秤量することによって、移送する
a.回収されたHFC-32は、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みHFC-32を除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたHFC-32純度中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたHFC-32から除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.650gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
7.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-454Aの測定された組成が仕様及び許容度内であることを確認する。
8.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0177】
実施例9.リサイクルされたHFC-32を使用してR-454Bを調製するためのプロセス
1kgのR-454Bは、68.9%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って再利用及び/又はリサイクルされたR-32を使用して調製した場合、99%より低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.空の排気した容器から回収されたHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける。
3.689gの回収されたHFC-32をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたHFC-32は、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みHFC-32を除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたHFC-32純度中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたHFC-32から除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける
5.311gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
7.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-454Bの測定された組成が仕様及び許容度内であることを確認する。
8.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0178】
実施例10.リサイクルされたHFC-32を使用してR-454Cを調製するためのプロセス
1kgのR-454Cは、21.5%のリサイクル/再利用されたHFC含有量を使用して調製され、以下に記載の例示的な手順に従って再利用及び/又はリサイクルされたR-32を使用して調製した場合、99%より低い「有効」GWPを示す。
1.ブレンド容器を洗浄、乾燥、及び排気することによって、冷媒容器を準備する。
2.ブレンド容器から回収されたHFC-32の供給容器に移送ラインを取り付ける
3.215gの回収されたHFC-32をブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
a.回収されたHFC-32は、冷蔵装置又はシステム(例えば、器具、自動車、又は任意の他の冷蔵、空調、若しくはヒートポンプシステム)から、使用済みHFC-32を除去することによって得ることができる。
b.錆、油(複数可)、汚れ、水、空気、他の非凝縮性ガスなどを含むがこれらに限定されない、回収されたHFC-32純度中の不純物は、それを使用して新たな冷媒ブレンドを調製する前に、回収されたHFC-32から除去されなければならない。
c.不純物の除去は、濾過、分子篩を使用する乾燥機、蒸留、蒸気空間パージ(vapor space purging)などを含むがこれらに限定されない、様々な方法によって達成することができる。
4.ブレンド容器からHFO-1234yfの供給容器に移送ラインを取り付ける。
5.785gのHFO-1234yfをブレンド容器内に秤量することによって、移送する。
6.圧延又は他の手段によって、ブレンド容器内の成分を約1時間十分に混合する。
7.ブレンド容器から冷媒の液相の試料を得、GCによって分析して、調製されたR-454Cの測定された組成が仕様及び許容度内であることを確認する。
8.個々の成分のうちの1種以上をブレンド容器内の調製された混合物に添加して、全組成を仕様範囲内にすることが必要であり得る。
【0179】
他の実施形態
1.いくつかの実施形態では、本出願は、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドを調製するプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロカーボンを回収する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約20未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、又はこれらの任意の混合物から選択される、プロセスを提供する。
2.1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々が、約10未満の有効地球温暖化係数を有する、実施形態1に記載のプロセス。
3.1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々が、約2未満の有効地球温暖化係数を有する、実施形態1に記載のプロセス。
4.1種以上のヒドロフルオロオレフィンの各々が、約1未満の有効地球温暖化係数を有する、実施形態1に記載のプロセス。
5.工程(b)が、工程(c)の混合の前に1回以上実行される、実施形態1~4のいずれか1つに記載のプロセス。
6.
(d)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから、1種以上のヒドロフルオロオレフィンを再利用する工程と、
(e)1種以上のヒドロフルオロオレフィンを精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロオレフィンを形成する工程と、を更に含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載のプロセス。
7.工程(d)及び(e)が各々、工程c)のブレンドの前に実行される、実施形態6に記載のプロセス。
8.1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン又は精製ヒドロフルオロオレフィン化合物の各々が、約0の有効地球温暖化係数を有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のプロセス。
9.1種以上のヒドロフルオロオレフィンが、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、(E)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E)、及び3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、又はこれらの任意の混合物からなる群から選択される、実施形態1~8のいずれか1つに記載のプロセス。
10.ヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
11.ヒドロフルオロオレフィンが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、実施形態1~10のいずれか1つに記載のプロセス。
12.冷媒ブレンドが、
約21~約22重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約78~約79重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のプロセス。
13.冷媒ブレンドが、
約68~約69重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約30~約31重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のプロセス。
14.冷媒ブレンドが、
約34~約36重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約64~約66重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のプロセス。
15.ヒドロフルオロカーボンが、ジフルオロメタン(R-32)とペンタフルオロエタン(R-125)との混合物である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
16.ヒドロフルオロオレフィンが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、実施形態1~9及び15のいずれか1つに記載のプロセス。
17.冷媒ブレンドが、
約66~約68重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約6~約8重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約27重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~9、15、及び16のいずれか1つに記載のプロセス。
18.1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)と、ペンタフルオロエタン(R-125)と、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)との混合物である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
19.ヒドロフルオロオレフィンが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、実施形態1~9及び18のいずれか1つに記載のプロセス。
20.冷媒ブレンドが、
約24~約25重量パーセントの精製ジフルオロメタン(R-32)と、
約24~約25重量パーセントの精製ペンタフルオロエタン(R-125)と、
約25~約26重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約25~約26重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~9、18、及び19のいずれか1つに記載のプロセス。
21.ヒドロフルオロカーボン化合物が、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
22.ヒドロフルオロオレフィンが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、実施形態1~9及び21のいずれか1つに記載のプロセス。
23.冷媒ブレンドが、
約43~約45重量パーセントの精製1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)と、
約55~約57重量パーセントの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)と、を含む、実施形態1~9、21、及び22のいずれか1つに記載のプロセス。
24.冷蔵システムが、空調機、冷凍庫、冷蔵庫、冷却機、ヒートポンプ、移動式冷蔵庫、移動式空調ユニット、浸漬冷却システム、データセンター冷却システム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載のプロセス。
25.空調機が、自動車用空調機である、実施形態24に記載のプロセス。
26.ヒートポンプが、高温ヒートポンプである、実施形態24に記載のプロセス。
27.冷却機が、冷水機、満液式蒸発器冷却機、直接膨張冷却機、スクリュー冷却機、スクロール冷却機、又は遠心冷却機である、実施形態24に記載の方法。
28.冷蔵庫が、ウォークイン冷蔵庫である、実施形態24に記載のプロセス。
29.冷凍庫が、ウォークイン冷凍庫である、実施形態24に記載のプロセス。
30.工程(b)の精製が、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物から固形不純物を除去することを含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載のプロセス。
31.固形不純物が、圧力濾過、真空濾過、膜遠心濾過、重力濾過、深層フィルタ濾過、粒状床濾過、炭素、繊維、又は金属濾過を使用するカートリッジ濾過、及びプレコート濾過から選択される1種以上の精製技術によって除去される、実施形態1~30のいずれか1つに記載のプロセス。
32.工程(b)の精製が、1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物から、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせを除去することを含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載のプロセス。
33.液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせが、蒸留、デカンテーション、分子篩との接触、及び蒸気空間パージ(vapor space purging)から選択される1種以上の精製技術によって除去される、実施形態1~32のいずれか1つに記載のプロセス。
34.工程(e)の精製が、1種以上のヒドロフルオロオレフィンから固形不純物を除去することを含む、実施形態7~33のいずれか1つに記載のプロセス。
35.固形不純物が、圧力濾過、真空濾過、膜遠心濾過、重力濾過、深層フィルタ濾過、粒状床濾過、炭素、繊維、又は金属濾過を使用するカートリッジ濾過、及びプレコート濾過から選択される1種以上の精製技術によって除去される、実施形態34に記載のプロセス。
36.工程(e)の精製が、1種以上のヒドロフルオロオレフィンから、液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせを除去することを含む、実施形態7~35のいずれか1つに記載のプロセス。
37.液体不純物、気体不純物、又はこれらの組み合わせが、蒸留、デカンテーション、分子篩との接触、及び蒸気空間パージ(vapor space purging)から選択される1種以上の精製技術によって除去される、実施形態36に記載のプロセス。
38.いくつかの実施形態では、本出願は、冷媒ブレンドの地球温暖化係数を低下させるプロセスであって、
(a)1種以上の冷蔵、空調、又はヒートポンプシステムから回収された1種以上のヒドロフルオロカーボンを選択する工程と、
(b)1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を精製して、1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を形成する工程と、
(c)1種以上の精製ヒドロフルオロカーボン化合物を、約20未満の地球温暖化係数を有する1種以上のヒドロフルオロオレフィンとブレンドして、精製冷媒ブレンドを形成する工程と、を含み、
精製冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、低下した地球温暖化係数を有し、
1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物が、ジフルオロメタン(R-32)、ペンタフルオロエタン(R-125)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)から選択される、プロセスを更に提供する。
39.1種以上のヒドロフルオロオレフィンが、(Z)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(Z))、(E)-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz-(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、(E)-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze-(E))、トリフルオロエチレン(HFO-1123)、(E)-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye-(E)、及び3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、又はこれらの任意の混合物からなる群から選択される、実施形態38に記載のプロセス。
40.冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、約10%以下である有効地球温暖化係数を有する、実施形態38又は39に記載の方法。
41.精製冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、約5%以下である有効地球温暖化係数を有する、実施形態38又は39に記載の方法。
42.冷媒ブレンドが、1種以上のヒドロフルオロオレフィン、並びに工程(b)~(c)に従って回収及び精製されていない1種以上のヒドロフルオロカーボン化合物を含む冷媒ブレンドと比較して、約1%以下である有効地球温暖化係数を有する、実施形態38又は39に記載の方法。
43.実施形態1~42のいずれか1つに記載のプロセスに従って調製された冷媒ブレンドを含む、冷蔵、空調、又はヒートポンプシステム。
【0180】
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を例示することを意図し、かつ限定するものではないことを理解すべきである。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。本発明が、本発明の任意の特定の態様及び/又は実施形態に関して本明細書に記載される特徴のいずれも、本明細書に記載される本発明の任意の他の態様及び/又は実施形態の他の特徴のいずれかのうちの1つ以上と組み合わせることができ、組み合わせの適合性を確実にするために適宜変更することができることが、当業者により理解されるべきである。このような組み合わせは、本開示により企図される本発明の一部であるとみなされる。
【外国語明細書】