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▶ モンサント テクノロジー エルエルシーの特許一覧

特開2024-19715収穫可能収量を増加させるためのジベレリン代謝操作を介して低草高植物を得るための方法及び組成物
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  • 特開-収穫可能収量を増加させるためのジベレリン代謝操作を介して低草高植物を得るための方法及び組成物 図1
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  • 特開-収穫可能収量を増加させるためのジベレリン代謝操作を介して低草高植物を得るための方法及び組成物 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019715
(43)【公開日】2024-02-09
(54)【発明の名称】収穫可能収量を増加させるためのジベレリン代謝操作を介して低草高植物を得るための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20240202BHJP
   C12N 15/82 20060101ALI20240202BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20240202BHJP
   A01H 6/46 20180101ALI20240202BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240202BHJP
   A01H 5/00 20180101ALI20240202BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/82 Z
C12N15/09 100
A01H6/46
C12N5/10
A01H5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】61
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023221496
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2022099664の分割
【原出願日】2017-08-17
(31)【優先権主張番号】62/376,298
(32)【優先日】2016-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/442,377
(32)【優先日】2017-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/502,313
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501231613
【氏名又は名称】モンサント テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ・エム・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤナンド・ボッドゥ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・アール・ディートリック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ゴールドシュミット
(72)【発明者】
【氏名】ミヤ・ハウエル
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・アール・コソラ
(72)【発明者】
【氏名】アニル・ニーラム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エル・スルウィンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ティアマゴンドル・ブイ・ベンカテシュ
(72)【発明者】
【氏名】ホアイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・リマルキス
(72)【発明者】
【氏名】シバリンガナ・マンジュナト
(57)【要約】
【課題】本開示は、トウモロコシ植物または他の穀類植物におけるジベレリン(GA)含量を改変するための組成物及び方法を提供する。GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の特定のサブタイプの抑制、変異誘発、及び/または編集を介して、ジベレリン生合成と関連する遺伝子の発現を改変するための方法及び組成物も提供される。
【解決手段】GAオキシダーゼ遺伝子の発現または活性を低減する抑制要素または変異を有する改変された植物細胞及び植物がさらに提供され、こうした改変された植物細胞及び植物では、ジベレリンレベルの低下ならびに特徴の改善(草高の低下及び耐倒伏性の増加など)が生じるが、異型は生じない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号30、または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項2】
前記非コードRNA分子が、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号28、配列番号29、配列番号31、または配列番号32の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項3】
前記非コードRNA分子が含む配列が、(i)単子葉もしくは穀類の植物もしくは植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有し、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有し、及び/または(ii)単子葉もしくは穀類の植物もしくは植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有し、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項4】
前記非コードRNA分子が含む配列が、(i)配列番号7もしくは配列番号8の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号13もしくは配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する、請求項3に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項5】
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項6】
前記維管束プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、請求項5に記載の組換えDNAコンストラクト:スクロース合成酵素プロモーター、スクローストランスポータープロモーター、Sh1プロモーター、ツユクサ黄斑ウイルス(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、イネ黄色条斑1(YS1)様プロモーター、またはイネ黄色条斑2(OsYSL2)プロモーター。
【請求項7】
前記維管束プロモーターが、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、もしくは配列番号71、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、請求項5に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項8】
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項9】
前記植物発現性プロモーターが、配列番号65もしくは配列番号66、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、請求項8に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項10】
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項11】
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、請求項10に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【請求項12】
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、請求項10に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項13】
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項14】
前記構成的プロモーターが、アクチンプロモーター、CaMV35SプロモーターもしくはCaMV19Sプロモーター、植物ユビキチンプロモーター、植物Gos2プロモーター、FMVプロモーター、CMVプロモーター、MMVプロモーター、PCLSVプロモーター、Emuプロモーター、チューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、オクトピン合成酵素プロモーター、マンノピン合成酵素プロモーター、またはトウモロコシアルコール脱水素酵素、あるいはその機能性部分からなる群から選択される、請求項13に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項15】
前記構成的プロモーターが、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、もしくは配列番号83、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、請求項13に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項16】
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項17】
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項18】
前記非コードRNA分子が、配列番号13または配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項17に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項19】
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA3オキシダーゼタンパク質が、配列番号30または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項20】
前記非コードRNA分子が、配列番号28、配列番号29、配列番号31、または配列番号32の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項19に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項21】
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項22】
前記非コードRNA分子が、配列番号10または配列番号11の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項21に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項23】
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、及び配列番号33のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、請求項1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項24】
前記非コードRNA分子が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、及び配列番号32のうちの1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項23に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項25】
請求項1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【請求項26】
請求項1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【請求項27】
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【請求項28】
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項29】
前記トランスジェニック植物の高さが、野生型対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項30】
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の1つまたは複数の節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項31】
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の節間と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、請求項26のいずれか1項に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項32】
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項33】
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、請求項26に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項34】
前記トランスジェニック植物が、少なくとも1つの雌性器官または雌穂に顕著な異型を全く有さない、請求項26のいずれか1項に記載のトランスジェニック穀類植物。
【請求項35】
請求項1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【請求項36】
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)請求項1に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【請求項37】
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、第1の標的指向性配列及び第2の標的指向性配列を含み、前記第1の標的指向性配列及び前記第2の標的指向性配列がそれぞれ、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し、前記内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、及び配列番号33のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項39】
前記非コードRNA分子の前記第1の標的指向性配列及び前記第2の標的指向性配列がそれぞれ、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、及び配列番号32のうちの1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する、請求項38に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項40】
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性タンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性タンパク質が、配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、または配列番号136に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項41】
前記非コードRNA分子が、配列番号84、配列番号85、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号95、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号134、配列番号135、または配列番号137の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項39に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項42】
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に変異誘発手法によって導入された変異を含むトウモロコシ植物または穀類植物であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、前記トウモロコシ植物または穀類植物において低減または除去され、前記トウモロコシ植物または穀類植物が、野生型対照植物と比較して低下した草高を有する、前記トウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項43】
前記変異を含む前記トウモロコシ植物または穀類植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、請求項42に記載のトウモロコシ植物または穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び多収性の増加。
【請求項44】
前記トウモロコシ植物または穀類植物の高さが、前記対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、請求項42に記載のトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項45】
前記トウモロコシ植物または穀類植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、前記対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、請求項42に記載のトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項46】
前記トウモロコシ植物または穀類植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して低い、請求項42に記載のトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項47】
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座またはその付近に標的ゲノム編集手法を介して導入されたゲノム編集を含むトウモロコシ植物または穀類植物であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、対照植物と比較して前記トウモロコシ植物または穀類植物において低減または除去され、前記編集されたトウモロコシ植物または穀類植物が、前記対照植物と比較して低下した草高を有する、前記トウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項48】
前記編集された植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び多収性の増加。
【請求項49】
前記編集された植物の高さが、前記対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項50】
前記編集された植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、前記対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項51】
前記編集された植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して低い、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項52】
前記編集された植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項53】
前記ゲノム編集が、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、またはトランスポゼースを使用して導入される、請求項149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【請求項54】
ガイドRNAを含む組成物であって、前記ガイドRNAが、穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含む、前記組成物。
【請求項55】
前記ガイドRNA分子が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記ガイドRNA分子が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含み、請求項54に記載の組成物。
【請求項57】
RNAガイド型エンドヌクレアーゼをさらに含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項58】
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、前記ガイドRNA分子の存在下で、前記穀類植物のゲノムにおける標的DNA配列またはその付近に二本鎖切断またはニックを生じさせる、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートをさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、請求項54に記載の組成物。
【請求項60】
非コードガイドRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記ガイドRNA分子が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項61】
前記ガイドRNAが、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項62】
前記ガイドRNA分子が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項63】
前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項64】
前記ガイドRNA分子が、CRISPR RNA(crRNA)または単鎖ガイドRNA(sgRNA)である、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項65】
前記穀類植物のゲノムに存在するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する前記標的DNA配列の直ぐ隣に位置する前記PAM配列に相補的な配列を前記ガイドRNAが含む、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項66】
前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子が、配列番号9、配列番号12、または配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するタンパク質をコードする、請求項60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項67】
請求項60に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、DNA分子またはベクター。
【請求項68】
請求項60に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、細菌細胞または宿主細胞。
【請求項69】
請求項60に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【請求項70】
請求項60に記載の組換えDNAコンストラクトを含む組成物であって、前記組成物が、RNAガイド型エンドヌクレアーゼをさらに含む、前記組成物。
【請求項71】
請求項60に記載の組換えDNAコンストラクトを含む組成物であって、前記組成物が、RNAガイド型エンドヌクレアーゼをコードする第2の転写可能なDNA配列を含む第2の組換えDNAコンストラクトをさらに含む、前記組成物。
【請求項72】
前記組換えDNAコンストラクト及び前記第2の組換えDNAコンストラクトを含むDNA分子またはベクターを含む、請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
第1のDNA分子またはベクターと、第2のDNA分子またはベクターと、を含む組成物であって、前記第1のDNA分子またはベクターが、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を標的とするガイドRNA分子をコードする組換えDNAコンストラクトを含み、前記第2のDNA分子またはベクターが、RNAガイド型エンドヌクレアーゼをコードする第2の組換えDNAコンストラクトを含む、前記組成物。
【請求項74】
少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートをさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、請求項70に記載の組成物。
【請求項75】
少なくとも1つの相同配列を含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記少なくとも1つの相同配列が、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項76】
前記少なくとも1つの相同配列が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する前記標的DNA配列の相補鎖と比較して少なくとも1つの変異を含む、請求項75に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項77】
前記少なくとも1つの相同配列が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項75に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項78】
前記少なくとも1つの相同配列が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項75に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項79】
第1のホモロジーアーム及び第2のホモロジーアームを含む2つのホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記第1のホモロジーアームが、第1の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第2のホモロジーアームが、第2の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第1の隣接DNA配列及び前記第2の隣接DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項80】
前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に位置する挿入配列をさらに含む、請求項79に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項81】
それぞれのホモロジーアームが、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項79に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項82】
それぞれのホモロジーアームが、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項79に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項83】
請求項79に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【請求項84】
トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項85】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼまたはホーミングエンドヌクレアーゼである、請求項84に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項86】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメイン及び切断ドメインを含むジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である、請求項84に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項87】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメイン及び切断ドメインを含む転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である、請求項84に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項88】
前記部位特異的ヌクレアーゼが結合する前記標的部位が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項84に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項89】
前記部位特異的ヌクレアーゼが結合する前記標的部位が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、請求項84に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【請求項90】
部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記部位特異的ヌクレアーゼが、単子葉植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項91】
前記導入遺伝子が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、請求項90に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項92】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼもしくはホーミングエンドヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である、請求項90に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項93】
請求項90に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【請求項94】
少なくとも1つのホモロジーアームと、挿入配列とを含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記少なくとも1つのホモロジーアームが、トウモロコシ植物または穀類植物のゲノムDNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記挿入配列が、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを含み、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の1つまたは複数の内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とし、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項95】
前記少なくとも1つのホモロジーアームが、第1のホモロジーアーム及び第2のホモロジーアームを含む2つのホモロジーアームを含み、 前記第1のホモロジーアームが、第1の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第2のホモロジーアームが、第2の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、 前記第1の隣接DNA配列及び前記第2の隣接DNA配列が、単子葉植物または穀類植物の同一のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列であり、前記挿入配列が、前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に位置し、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを含む、請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項96】
前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項97】
前記非コードRNA分子が、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号30、または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項98】
前記非コードRNA分子が、配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、または配列番号136に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【請求項99】
請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレートの前記挿入配列を含む、トウモロコシまたは穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【請求項100】
トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)請求項94に記載の組換えDNAドナーテンプレートでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含み、前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物が、前記組換えDNAドナーテンプレートの前記挿入配列を含む、前記方法。
【請求項101】
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近にゲノム編集を有するトウモロコシ植物または穀類植物の作出方法であって、 (a)前記トウモロコシ植物または穀類植物の外植体の少なくとも1つの細胞への、部位特異的ヌクレアーゼの導入、または前記部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNA分子の導入であって、前記部位特異的ヌクレアーゼが、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる前記導入と、 (b)前記編集された単子葉植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に前記ゲノム編集を含む前記少なくとも1つの外植体細胞からの、編集されたトウモロコシ植物または穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【請求項102】
前記導入段階(a)が、少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含むDNAドナーテンプレートの導入をさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、前記単子葉植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
(c)前記編集されたトウモロコシ植物または穀類植物の選択をさらに含む、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記選択段階(c)が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座が編集されたかどうかを、分子アッセイを使用して決定することを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記選択段階(c)が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子が編集されたかどうかを植物表現型の観測によって決定することを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
2000mm未満、1950mm未満、1900mm未満、1850mm未満、1800mm未満、1750mm未満、1700mm未満、1650mm未満、1600mm未満、1550mm未満、1500mm未満、1450mm未満、1400mm未満、1350mm未満、1300mm未満、1250mm未満、1200mm未満、1150mm未満、1100mm未満、1050mm未満、または1000mm未満の草高と、(i)18mm超、18.5mm超、19mm超、19.5mm超、20mm超、20.5mm超、21mm超、21.5mm超、もしくは22mm超の平均茎直径もしくは平均柄直径、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性、のいずれかと、を有する、改変されたトウモロコシ植物。
【請求項107】
前記トウモロコシ植物が、野生型対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、請求項106に記載の改変されたトウモロコシ植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【請求項108】
前記トウモロコシ植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、請求項106に記載の改変されたトウモロコシ植物。
【請求項109】
野生型対照植物と比較して低下した草高と、(i)野生型対照植物と比較して直径が増加した茎もしくは柄、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性と、を有する、改変された穀類植物。
【請求項110】
前記穀類植物の茎または柄における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物と比較して低い、請求項109に記載の改変された穀類植物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月17日出願の米国仮出願第62/376,298号、2017年1月4日出願の米国仮出願第62/442,377号、及び2017年5月5日出願の米国仮出願第62/502,313号の優先権を主張する。これらの米国仮出願はそれぞれ、参照によってそれらの全体が本明細書に援用される。
【0002】
配列リストの援用
2017年8月17日に作成された293,398バイト(MS-Windows(登録商標)によって測定)の「P34494WO00_SEQ.txt」という名称のファイルに含まれる配列リストが本明細書と共に電子的に提出され、参照によってその全体が援用される。
【背景技術】
【0003】
分野
本開示は、トウモロコシを含めて、単子葉植物または穀類植物における、耐倒伏性及び収量の増加などの形質を改善するための組成物及び方法に関する。
【0004】
関連技術分野
ジベレリン(ジベレリン酸またはGA)は、多くの主要な植物生育過程及び植物発育過程を制御する植物ホルモンである。コムギ、イネ、及びモロコシの半矮性植物品種ではGAレベルが操作されており、この操作によって、こうした穀類の収量増加及び倒伏減少が20世紀の間にもたらされ、このことが緑の革命に大きな役割を果たした。しかしながら、トウモロコシなどの他の穀類では、GA経路の操作よって良好な収量増加が実現したことはない。実際、GA経路遺伝子の変異によっては、トウモロコシのさまざまな異型と関連しているが、こうした異型が収量を同時に伴うことはなく、このことが、GA経路の操作によって半矮性の多収性トウモロコシ品種を発見することから研究者を遠ざけてきた。
【0005】
当該技術分野では、収量の増加及び/または耐倒伏性を有する、トウモロコシなどの単子葉植物または穀類植物の開発を必要とする状況が続いている。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性のGAオキシダーゼタンパク質は、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号30、または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。
【0007】
第2の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性のGA20オキシダーゼタンパク質は、配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。
【0008】
第3の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性のGA20オキシダーゼタンパク質は、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。
【0009】
第4の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性のGA3オキシダーゼタンパク質は、配列番号30または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。
【0010】
第5の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性のGA20オキシダーゼタンパク質は、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。
【0011】
第6の態様では、本開示は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、非コードRNA分子は、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性タンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、内在性タンパク質は、配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、または配列番号136に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。別の態様では、本開示は、本明細書に開示の組換えDNAコンストラクトを含む形質転換ベクターも提供する。別の態様では、本開示は、本明細書に開示の組換えDNAコンストラクトを含む、単子葉または穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞も提供する。1つの態様では、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞が提供される。別の態様では、トランスジェニック穀類植物の作出方法が提供され、この方法は、(a)本明細書に開示の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)形質転換された外植体からの、トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む。別の態様では、穀類植物は、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される。
【0012】
第7の態様では、本開示は、トウモロコシ植物または穀類植物の茎または柄における少なくとも1つの活性型GA分子のレベルの低減方法を提供し、この方法は、トランスジェニック穀類植物またはトランスジェニックトウモロコシ植物の1つまたは複数の組織において1つまたは複数のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子を組換えDNAコンストラクトで抑制することを含む。
【0013】
第8の態様では、本開示は、組換えDNAコンストラクトを含むトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物を提供し、組換えDNAコンストラクトは、少なくとも1つの内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結され、トランスジェニック単子葉植物またはトランスジェニック穀類植物は、野生型対照植物と比較して低い草高を有する。
【0014】
第9の態様では、本開示は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に変異誘発手法によって導入された変異を含む穀類植物を提供し、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルは、穀類植物において低減または除去され、穀類植物は、野生型対照植物と比較して低い草高を有する。
【0015】
第10の態様では、本開示は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座またはその付近に標的ゲノム編集手法を介して導入されたゲノム編集を含むトウモロコシ植物または穀類植物を提供し、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルは、対照植物と比較して低減または除去され、編集された穀類植物は、対照植物と比較して低い草高を有する。
【0016】
第11の態様では、本開示は、ガイドRNAを含む組成物を提供し、ガイドRNAは、穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含む。1つの態様では、組成物は、RNAガイド型エンドヌクレアーゼをさらに含む。
【0017】
第12の態様では、本開示は、非コードガイドRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、ガイドRNA分子は、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む。
【0018】
第13の態様では、本開示は、少なくとも1つの相同配列を含む組換えDNAドナーテンプレートを提供し、少なくとも1つの相同配列は、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、標的DNA配列は、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である。
【0019】
第14の態様では、本開示は、第1のホモロジーアーム及び第2のホモロジーアームを含む2つのホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートを提供し、第1のホモロジーアームは、第1の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、第2のホモロジーアームは、第2の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、第1の隣接DNA配列及び第2の隣接DNA配列は、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である。1つの態様では、本明細書に開示の組換えDNAドナーテンプレートを含むDNA分子またはベクターがさらに提供される。別の態様では、本明細書に開示の組換えDNAドナーテンプレートを含む細菌細胞または宿主細胞がさらに提供される。別の態様では、本明細書に開示の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞がさらに提供される。
【0020】
第15の態様では、本開示は、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、操作された部位特異的ヌクレアーゼを提供する。
【0021】
第16の態様では、本開示は、部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNAコンストラクトを提供し、部位特異的ヌクレアーゼは、単子葉植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる。
【0022】
第17の態様では、本開示は、トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の作出方法を提供し、この方法は、(a)本明細書に開示の組換えDNAドナーテンプレートでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)形質転換された外植体からの、トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含み、トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物は、組換えDNAドナーテンプレートの挿入配列を含む。
【0023】
第18の態様では、本開示は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近にゲノム編集を有するトウモロコシ植物または穀類植物の作出方法を提供し、この方法は、(a)トウモロコシ植物または穀類植物の外植体の少なくとも1つの細胞への、部位特異的ヌクレアーゼの導入、または部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNA分子の導入であって、部位特異的ヌクレアーゼが、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、導入と、(b)編集された単子葉植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近にゲノム編集を含む少なくとも1つの外植体細胞からの、編集されたトウモロコシ植物または穀類植物の再生または発育と、を含む。
【0024】
第19の態様では、本開示は、改変されたトウモロコシ植物を提供し、この改変されたトウモロコシ植物は、2000mm未満、1950mm未満、1900mm未満、1850mm未満、1800mm未満、1750mm未満、1700mm未満、1650mm未満、1600mm未満、1550mm未満、1500mm未満、1450mm未満、1400mm未満、1350mm未満、1300mm未満、1250mm未満、1200mm未満、1150mm未満、1100mm未満、1050mm未満、または1000mm未満の草高と、(i)18mm超、18.5mm超、19mm超、19.5mm超、20mm超、20.5mm超、21mm超、21.5mm超、もしくは22mm超の平均茎直径もしくは平均柄直径、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性、のうちの1つまたは複数と、を有する。
【0025】
第20の態様では、本開示は、改変された穀類植物を提供し、この改変された穀類植物は、野生型対照植物と比較して低下した草高と、(i)野生型対照植物と比較して直径が増加した茎もしくは柄、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】自殖系対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する自殖系トウモロコシ植物の草高が8つの形質転換イベントを通じて低下したことを示す。
図2図2Aは、雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の平均草高が低下したことを示す。図2Bは、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現し、草高が低下した雑種トウモロコシ植物(右)の隣に野生型雑種対照植物(左)を並べた画像を示す。
図3図3Aは、雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の平均茎直径が増加したことを示す。図3Bは、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現し、茎直径が増加した雑種トウモロコシ植物の柄の横断面(右)の隣に、野生型雑種対照植物の柄の横断面(左)を並べた画像を示す。
図4】雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の平均新鮮雌穂重量が増加したことを示す。
図5】2回の圃場試験において野生型雑種対照植物と比較すると、雑種対照植物では風イベントによって倒伏が多く生じたのに対して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物では平均新鮮雌穂重量が増加したことを示す。
図6】雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の収穫指数が増加したことを示す。
図7】雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の平均穀物収量推定値が増加したことを示す。
図8】雑種対照植物と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物の平均多収性スコアが増加したことを示す。
図9】V11からR1を超えるまでの発育段階の間の草高の経時変化をトランスジェニックトウモロコシ植物と対照とで対比したものを示す。
図10】R5期の葉組織における気孔コンダクタンス及び水レベルの指標として安定酸素同位体比(δ18O)の測定値をトランスジェニックトウモロコシ植物と対照とで比較したグラフを示す。
図11】V10からR2を超えるまでの発育段階の間の先端発根速度をSAP条件とHD条件との両方においてトランスジェニック植物と対照植物とで比較したグラフであり、水レベルの変化を検出するセンサーを異なる土壌深度で使用して実施したものを示す(センサーが水レベルの変化を検出すれば、その深度に根が存在することを示す)。
図12図12Aは、午前及び午後の間の気孔コンダクタンスの差異であり、温室において通常条件下及び乾燥条件下でトランスジェニックトウモロコシ植物と対照とを対比したものを示す。図12Bは、午前及び午後の間の光合成の差異であり、温室において通常条件下及び乾燥条件下でトランスジェニックトウモロコシ植物と対照とを対比したものを示す。
図13図13Aは、バルクの茎組織、または分離した維管束茎組織及び非維管束茎組織におけるmiRNAの発現レベルの差異であり、トランスジェニックトウモロコシ植物のものと対照のものとを対比したものを示す。図13Bは、バルクの茎組織、または分離した維管束茎組織及び非維管束茎組織におけるGA20オキシダーゼ_3のRNA転写物及びGA20オキシダーゼ_5mのRNA転写物の発現レベルの差異であり、トランスジェニックトウモロコシ植物のものと対照のものとを対比したものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
本開示の理解を容易にするために、本明細書で使用されるいくつかの用語及び略語が、次のように以下に定義される:
【0028】
「及び/または」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、記載の項目のいずれか1つを、単独で用いるか、または記載の項目のいずれか1つもしくは複数と組み合わせて用いることができることを意味する。例えば、「A及び/またはB」という表現は、A及びBのいずれかまたは両方、すなわち、A単独、B単独、またはA及びBの組み合わせを意味することが意図される。「A、B、及び/またはC」という表現は、A単独、B単独、C単独、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、またはA、B、及びCの組み合わせを意味することが意図される。
【0029】
本明細書で使用される「約」という用語は、それが修飾する数値の限定が意図され、そのような値が誤差の範囲内で可変であることを意味する。特定の誤差範囲(平均値に対する標準偏差など)が記載されないとき、「約」という用語は、記載の値を含むことになる範囲と、有効数字を考慮してその値へと切り上げまたは切り捨てを行うことによって含まれることになる範囲と、を意味すると理解されたい。
【0030】
本明細書で使用される「穀類植物」という用語は、PoaceaeまたはGramineaeの草本ファミリーに含まれ、典型的には、その種子が収穫される単子葉(monocotyledonous)(単子葉(monocot))の作物植物を指し、こうした単子葉作物植物には、例えば、コムギ、トウモロコシ、イネ、アワ、オオムギ、モロコシ、カラスムギ、及びライムギが含まれる。
【0031】
2つ以上のヌクレオチド配列またはタンパク質配列に関して本明細書で使用される「同一性パーセント」または「同一であるパーセント」という用語は、(i)比較窓にわたって最適にアライメントされた2つの配列(ヌクレオチドまたはタンパク質)の比較、(ii)両方の配列において同一の核酸塩基(ヌクレオチド配列について)またはアミノ酸残基(タンパク質について)が生じる位置の数を決定することによる一致位置数の生成、(iii)比較窓の位置の総数による一致位置数の除算、及び(iv)この商に100%を掛け算することによる同一性パーセントの生成、によって計算されるものである。DNA配列とRNA配列との間で「同一性パーセント」を計算することが目的の場合、RNA配列のウラシル(U)は、DNA配列のチミン(T)と同一であると考えられる。2つ以上の配列の間のアライメント領域(すなわち、アライメントされるポリヌクレオチド配列の5’末端及び3’末端のいくつかのヌクレオチドが除外されるか、またはアライメントされるタンパク質配列のN末端及びC末端のいくつかのアミノ酸が除外され、こうして除外されるいくつかのヌクレオチドまたはアミノ酸は、比較配列間で同一ではないものである)として比較窓が定義されるのであれば、「同一性パーセント」は、「アライメント同一性パーセント」とも称され得る。特定の比較窓が特定されることなく、参照配列に関して「同一性パーセント」が計算されるのであれば、アライメント領域にわたる一致位置数を参照配列の全長によって除算することによって同一性パーセントが決定される。したがって、本開示の目的では、2つの配列(問い合わせ及び対象)が最適にアライメント(それらのアライメントにおいてギャップが許容される)されるとき、問い合わせ配列に対する「同一性パーセント」は、2つの配列の間で同一である位置の数を、問い合わせ配列におけるその長さ(または比較窓)にわたる位置の総数によって除算した後、100%を掛け算したものと等しい。
【0032】
複数のタンパク質において同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なることが多いことが知られており、保存的アミノ酸置換では、アミノ酸残基は、同様のサイズ及び化学特性(例えば、電荷、疎水性、極性など)を有する他のアミノ酸残基で置換され、それ故に、分子の機能特性は変化し得ない。保存的置換で配列が異なるとき、当該非同一置換(複数可)の保存的性質について補正されるように配列類似性パーセントが上方補正され得る。そのような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有すると言われる。したがって、2つ以上のタンパク質配列に関して本明細書で使用される「類似性パーセント」または「類似するパーセント」は、(i)比較窓にわたって最適にアライメントされた2つのタンパク質配列の比較、(ii)両方の配列において同一または類似のアミノ酸残基が生じる位置の数を決定することによる一致位置数の生成、(iii)比較窓の位置の総数(または比較窓が特定されないのであれば、参照タンパク質または問い合わせタンパク質の全長)による一致位置数の除算、及び(iv)この商に100%を掛け算することによる類似性パーセントの生成、によって計算される。タンパク質に対する保存的アミノ酸置換は、当該技術分野において知られている。
【0033】
配列の同一性パーセントまたは類似性パーセントを計算するための最適な配列アライメントについては、2つ以上のヌクレオチド配列またはタンパク質配列の間で配列同一性または配列類似性を比較するために使用され得る、ペアワイズまたは多重配列のさまざまなアライメントアルゴリズム及びプログラム(ClustalW、またはBasic Local Alignment Search Tool(登録商標)(BLAST(登録商標))など)が当該技術分野において知られている。アライメント方法及び比較方法は、当該技術分野において他にも知られているものの、2つの配列の間のアライメント(上記の同一性パーセント範囲を含む)は、ClustalWまたはBLAST(登録商標)のアルゴリズムによって決定され得る。例えば、Chenna R.et al.,“Multiple sequence alignment with the Clustal series of programs,”Nucleic Acids Research 31:3497-3500(2003)、Thompson JD et al.,“Clustal W:Improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position-specific gap penalties and weight matrix choice,”Nucleic Acids Research 22:4673-4680(1994)、及びLarkin MA et al.,“Clustal W and Clustal X version 2.0,”Bioinformatics 23:2947-48(2007)、ならびにAltschul,S.F.,Gish,W.,Miller,W.,Myers,E.W.& Lipman,D.J.(1990)“Basic local alignment search tool.”J.Mol.Biol.215:403-410(1990)を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0034】
2つのヌクレオチド配列に関して本明細書で使用される「相補性パーセント」または「相補的なパーセント」という用語は、同一性パーセントの概念と同様であるが、二次フォールディング構造(ループ、ステム、またはヘアピンなど)をとることなく、問い合わせ配列及び対象配列が直線的に配置され、最適に塩基対形成するときに、対象配列のヌクレオチドに最適に塩基対形成またはハイブリダイズする、問い合わせ配列のヌクレオチドの割合を指す。そのような相補性パーセントは、2つのDNA鎖の間のものであるか、2つのRNA鎖の間のものであるか、またはDNA鎖とRNA鎖との間のものであり得る。「相補性パーセント」は、(i)比較窓にわたって直線的かつ完全に伸びた配置(すなわち、フォールディング構造または二次構造を伴わない)での、2つのヌクレオチド配列の最適な塩基対形成またはハイブリダイズ、(ii)比較窓にわたって2つの配列の間で塩基対形成する位置の数を決定することによる相補位置数の生成、(iii)比較窓における位置の総数による相補位置数の除算、及び(iv)この商に100%を掛け算することによる2つの配列の相補性パーセントの生成、によって計算される。2つの配列の最適な塩基対形成は、水素結合を介するヌクレオチド塩基の既知の対形成(G-C、A-T、及びA-Uなど)に基づいて決定され得る。特定の比較窓が特定されることなく、参照配列に関して「相補性パーセント」が計算されるのであれば、2つの直線配列の間の相補位置数を参照配列の全長によって除算することによって同一性パーセントが決定される。したがって、本開示の目的では、2つの配列(問い合わせ及び対象)が最適に塩基対形成(ヌクレオチドのミスマッチまたは非塩基対形成は許容されるが、フォールディング構造または二次構造は伴わない)するとき、問い合わせ配列に対する「相補性パーセント」は、2つの配列の間で塩基対形成した位置の数を、問い合わせ配列におけるその長さにわたる位置の総数(または問い合わせ配列における比較窓にわたる位置の数)によって除算した後、100%を掛け算したものと等しい。
【0035】
「機能可能なように連結された」という用語は、プロモーターまたは他の制御要素と、関連する転写可能なDNA配列または遺伝子(もしくは導入遺伝子)のコード配列と、の間の機能的な結び付きであって、その結果、少なくとも、ある特定の細胞(複数可)、組織(複数可)、発育段階(複数可)、及び/または条件(複数可)において、関連する転写可能なDNA配列またはコード配列の転写及び発現が開始し、支援を受け、影響を受け、誘起され、及び/または促進されるようにプロモーターなどが作動または機能する機能的な結び付きを指す。
【0036】
「植物発現性プロモーター」という用語は、植物の細胞または組織においてそれと関連する転写可能なDNA配列、コード配列、または遺伝子の転写及び発現を開始し、支援し、影響を与え、誘起し、及び/または促進することができるプロモーターを指す。
【0037】
関連するポリヌクレオチド配列(例えば、転写可能なDNA配列またはコード配列または遺伝子)と関係するプロモーターまたは他の制御配列に関する「異種」という用語は、天然ではそのような関連ポリヌクレオチド配列に機能可能なように連結されないプロモーターまたは制御配列であり、例えば、こうしたプロモーターもしくは制御配列は、関連するポリヌクレオチド配列と比較して異なる起源を有し、及び/またはこうしたプロモーターもしくは制御配列は、当該プロモーターもしくは制御配列で形質転換されるべき植物種において天然には生じない。
【0038】
ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)分子、タンパク質、コンストラクト、ベクターなど関する「組換え」という用語は、人工のものであり、天然には通常は見られず、及び/またはそれが天然には通常は見られない状況に存在する、ポリヌクレオチドまたはタンパク質の分子または配列を指し、こうしたものには、ヒトの介在なしには同一の様式で一緒に自然に生じることがないと想定される2つ以上のポリヌクレオチド配列またはタンパク質配列の組み合わせを含むポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)分子、タンパク質、コンストラクトなど(機能可能なように連結されるが、互いに関して異種である少なくとも2つのポリヌクレオチド配列またはタンパク質配列を含むポリヌクレオチド分子、タンパク質、コンストラクトなど)が含まれる。例えば、「組換え」という用語は、同一の分子(例えば、プラスミド、コンストラクト、ベクター、染色体、タンパク質など)における2つ以上のDNA配列またはタンパク質配列の任意の組み合わせであって、その同一の分子においてそのような組み合わせが人工のものであり、天然には通常は見られない組み合わせを指し得る。この定義で使用される「天然には通常は見られない」という語句は、ヒトによる導入なしには天然には見られないことを意味する。組換えのポリヌクレオチド分子またはタンパク質分子、コンストラクトなどは、(i)天然では互いに近接して存在する他のポリヌクレオチド配列もしくはタンパク質配列(複数可)から分離され、及び/または(ii)天然では互いに近接しない他のポリヌクレオチド配列もしくはタンパク質配列(複数可)と隣接(もしくは近接)するポリヌクレオチド配列またはタンパク質配列(複数可)を含み得る。そのような組換えのポリヌクレオチド分子、タンパク質、コンストラクトなどは、細胞の外側で遺伝子操作され、及び/または構築された、ポリヌクレオチドまたはタンパク質の分子または配列も指し得る。例えば、組換えDNA分子は、操作されているか、または人工の任意のプラスミド、ベクターなどを含み得ると共に、直鎖状または環状のDNA分子を含み得る。そのようなプラスミド、ベクターなどは、さまざまな維持要素(原核生物の複製起点を含む)及び選択可能マーカー、ならびに植物選択可能マーカー遺伝子に追加され得る1つまたは複数の導入遺伝子または発現カセットなどを含み得る。
【0039】
本明細書で使用される「単離された」という用語は、その天然の状態において典型的にはそれと関連する他の分子から少なくとも部分的に分離されている分子を指す。1つの実施形態では、「単離された」という用語は、その天然の状態において通常はそのDNA分子と隣接する核酸から分離されたDNA分子を指す。例えば、細菌に天然に存在するタンパク質をコードするDNA分子は、そのタンパク質をコードするそのDNA分子が天然に見られるその細菌のDNAに含まれないのであれば、単離されたDNA分子であることになる。したがって、例えば、組換えDNAまたは植物形質転換の手法の結果として、天然ではそれと関連しないと想定される1つまたは複数の他のDNA分子(複数可)に融合または機能可能なように連結されたDNA分子は、本明細書では単離されていると考えられる。そのような分子は、宿主細胞の染色体に組込まれるか、または他のDNA分子を含む核酸溶液に存在するときでさえ、単離されていると考えられる。
【0040】
本明細書で使用される「コード領域(encoding region)」または「コード領域(coding region)」は、機能性の単位または分子(例えば、限定はされないが、mRNA、タンパク質、または非コードRNAの配列または分子)をコードする、ポリヌクレオチドの一部分を指す。
【0041】
植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムと関連して本明細書で使用される「改変された」は、野生型または対照の植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムと比較して1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現レベル及び/またはコード配列に変化が生じるように植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムが操作されていることを指し、こうした操作は、(A)1つまたは複数のGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNAをコードする抑制コンストラクトまたは転写可能なDNA配列を含めるトランスジェニックイベント、あるいは(B)1つまたは複数の内在性のGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子の発現レベルまたは活性に影響を与える(例えば、低減または除去する)ゲノムの編集イベントまたは変異を介するなどして実施される。実際、「改変された」という用語は、植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムが、1つまたは複数の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子(1つまたは複数の内在性のGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子など)の発現に影響を与える1つまたは複数の変異を有することをさらに指し得、こうした変異は、化学的な変異誘発、トランスポゾンの挿入もしくは除去、または任意の他の既知の変異誘発手法を介して導入されるか、あるいはゲノム編集を介して導入される。したがって、明確化すると、改変された植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムには、変異導入され、編集され、及び/またはトランスジェニックである植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムが含まれ、こうした植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムの1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現レベル、発現パターン、及び/またはコード配列は、野生型または対照の植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムと比較して改変されている。改変された植物または種子は、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)(GA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子(複数可)など)の発現に影響を与えるさまざまな分子変化を含み得、こうした分子変化には、遺伝子改変及び/またはエピジェネティック改変が含まれる。改変された植物、植物部分、種子などは、変異誘発、ゲノム編集、もしくは部位特異的組込み(例えば、限定はされないが、部位特異的ヌクレアーゼを使用する方法を介すもの)、遺伝子形質転換(例えば、限定はされないが、Agrobacteriumによる形質転換方法もしくは微粒子銃による方法を介すもの)、またはそれらの組み合わせに供されたことがあり得る。そのような「改変された」植物、植物種子、植物部分、及び植物細胞には、1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子の分子変化(例えば、発現レベル及び/または活性の変化)を保持する「改変された」植物、植物種子、植物部分、及び植物細胞の子孫であるか、またはそれに由来する植物、植物種子、植物部分、及び植物細胞が含まれる。本明細書で提供される改変された種子からは、本明細書で提供される改変された植物が生じ得る。本明細書で提供される改変された植物、植物種子、植物部分、植物細胞、または植物ゲノムは、本明細書で提供される組換えDNAコンストラクトまたはベクターまたはゲノム編集を含み得る。「改変された植物産物」は、本明細書で提供される改変された植物、植物部分、植物細胞、もしくは植物染色体、またはその任意の部分もしくは構成成分から調製される任意の産物であり得る。
【0042】
本明細書で使用される「対照植物」(あるいは同様に、「対照」の植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノム)という用語は、改変された植物(あるいは改変された植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノム)との比較に使用され、1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子に影響を与えるトランスジェニックイベント及び/またはゲノム編集イベント(複数可)が存在することを除いて、改変された植物(あるいは植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノム)と同一または同様の遺伝的背景(例えば、同一の親系統、雑種交雑種、自殖系統、テスターなど)を有する植物(あるいは植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノム)を指す。例えば、対照植物は、改変された植物の調製に使用される自殖系統と同一の自殖系統であり得るか、または対照植物は、改変された植物と同一の自殖親系統雑種交雑の産物であり得るが、1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子に影響を与える任意のトランスジェニックイベントまたはゲノム編集イベント(複数可)が対照植物には存在しないことが例外である。改変された植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムとの比較の目的では、「野生型植物」(あるいは同様に「野生型」の植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノム)は、トランスジェニックでないか、またはゲノム編集を受けていない対照の植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムを指す。本明細書で使用される「対照」の植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムは、解析されるべき特徴または形質を比較するために十分に類似すると見なされるのであれば、改変された植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムと同様(しかし、同一(same)または同一(identical)ではない)の遺伝的背景を有する植物、植物種子、植物部分、植物細胞、及び/または植物ゲノムでもあり得る。
【0043】
本明細書で使用される、ゲノム編集のための「標的部位」は、植物ゲノム内のポリヌクレオチド配列の位置であって、ポリヌクレオチド配列及び/またはその相補DNA鎖の核酸骨格に二本鎖切断(または一本鎖ニック)を導入する部位特異的ヌクレアーゼが結合及び切断する位置を指す。標的部位は、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも29、または少なくとも30の連続ヌクレオチドを含み得る。RNAガイド型ヌクレアーゼのための「標的部位」は、その標的部位における、二本鎖核酸(DNA)分子または染色体のいずれかの相補鎖の配列を含み得る。部位特異的ヌクレアーゼは、非コードガイドRNA(例えば、限定はされないが、CRISPR RNA(crRNA)またはシングルガイドRNA(sgRNA)であり、これらについては、さらに後述される)を介すなどして標的部位に結合し得る。本明細書で提供される非コードガイドRNAは、標的部位に相補的であり得る(例えば、標的部位における、二本鎖核酸分子または染色体のいずれかの鎖に相補的である)。標的部位に結合またはハイブリダイズするために、非コードガイドRNAが完全な同一性または相補性を有することは不必要であり得ることを理解されよう。例えば、標的部位と非コードRNAとの間で許容されるミスマッチ数は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8(もしくはそれを超える数)であり得る。「標的部位」は、植物ゲノム内のポリヌクレオチド配列の位置であって、非コードRNA分子によるガイドを受け得ない別の部位特異的ヌクレアーゼ(メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)など)が結合及び切断することでポリヌクレオチド配列及び/またはその相補DNA鎖に二本鎖切断(または一本鎖ニック)が導入される位置も指す。本明細書で使用される「標的領域」または「標的となる領域」は、2つ以上の標的部位が隣接する、ポリヌクレオチドの配列または領域を指す。限定はされないが、いくつかの実施形態では、標的領域には、変異、欠失、挿入、または反転が導入され得る。本明細書で使用される「隣接する」は、ポリヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド分子の標的領域の説明に使用されるとき、そのポリヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド分子の2つ以上の標的部位がその標的領域を囲んでおり、その標的領域のそれぞれの側に1つの標的部位が存在することを指す。ゲノム編集は別であるが、「標的部位」という用語は、抑制コンストラクトがコードする非コードRNA分子(例えば、miRNA、siRNAなど)の少なくとも一部分に相補的な、mRNA分子の一部分(例えば、「認識部位」)を指すために、遺伝子抑制との関連においても使用され得る。
【0044】
本明細書で使用される「ドナー分子」、「ドナーテンプレート」、または「ドナーテンプレート分子」(まとめて「ドナーテンプレート」)は、組換えDNAドナーテンプレートであり得るものであり、植物細胞のゲノムに生じるニックまたは二本鎖DNA切断が修復されることを介して植物細胞のゲノムに部位特異的かつ標的化された挿入または組換えを行うための核酸テンプレートまたは挿入配列を有する核酸分子として定義される。例えば、「ドナーテンプレート」は、導入遺伝子もしくは抑制コンストラクトの部位特異的組込みに使用されるか、または植物のゲノム内の標的部位に変異(挿入、欠失など)を導入するためのテンプレートとして使用され得る。本明細書で提供される標的ゲノム編集手法は、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のドナー分子またはドナーテンプレートの使用を含み得る。「ドナーテンプレート」は、一本鎖または二本鎖のDNA分子もしくはRNA分子またはプラスミドであり得る。ドナーテンプレートの「挿入配列」は、植物細胞のゲノムへの標的化挿入が生じるように設計された配列であり、この配列は、任意の適切な長さのものであり得る。例えば、ドナーテンプレートの挿入配列の長さは、2~50,000、2~10,000、2~5000、2~1000、2~500、2~250、2~100、2~50、2~30、15~50、15~100、15~500、15~1000、15~5000、18~30、18~26、20~26、20~50、20~100、20~250、20~500、20~1000、20~5000、20~10,000、50~250、50~500、50~1000、50~5000、50~10,000、100~250、100~500、100~1000、100~5000、100~10,000、250~500、250~1000、250~5000、または250~10,000のヌクレオチドまたは塩基対であり得る。ドナーテンプレートは、相同組換えを介して植物のゲノム内の標的部位への変異または挿入配列の組込みを誘導するための少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアーム(2つのホモロジーアームなど)も有し得、相同配列またはホモロジーアーム(複数可)は、植物のゲノム内の標的部位またはその付近に位置する配列に対して、同一もしくは相補的であるか、またはある一定の同一性パーセントもしくは相補性パーセントを有する。ドナーテンプレートがホモロジーアーム(複数可)及び挿入配列を含むとき、ホモロジーアーム(複数可)は、ドナーテンプレートの挿入配列と隣接するか、またはそれを囲むことになる。
【0045】
ドナーテンプレートの挿入配列は、転写される非コードRNA配列もしくはmRNA配列、及び/または翻訳されるタンパク質配列をそれぞれがコードする1つまたは複数の遺伝子または配列を含み得る。ドナーテンプレートにおける転写される配列または遺伝子は、タンパク質または非コードRNA分子をコードし得る。ドナーテンプレートの挿入配列は、機能性遺伝子もしくは全遺伝子配列を含まないポリヌクレオチド配列を含み得るか(例えば、ドナーテンプレートは、単に、制御配列(プロモーター配列など)を含むか、または遺伝子もしくはコード配列の一部分のみを含み得る)、あるいは同定可能な遺伝子発現要素をいずれも含まないか、または能動的に転写される遺伝子配列をいずれも含み得ない。さらに、ドナーテンプレートは、直鎖状または環状であり得、一本鎖または二本鎖であり得る。ドナーテンプレートは、ネイキッド核酸として細胞に送達されるか(例えば、微粒子銃を介して送達される)、1つもしくは複数の送達物質(例えば、リポソーム、タンパク質、ポロクサマー、タンパク質で封入されたT鎖など)との複合体として細胞に送達されるか、または細菌送達媒体もしくはウイルス送達媒体(例えば、それぞれAgrobacterium tumefaciensもしくはジェミニウイルスなど)に含めて細胞に送達され得る。本明細書で提供されるドナーテンプレートの挿入配列は、RNA分子へと転写され得る転写可能なDNA配列を含み得、こうした転写可能なDNA配列は、非コード性であり得、プロモーター及び/または他の制御配列に機能可能なように連結されることもされないこともあり得る。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、ドナーテンプレートは、挿入配列を含まず、植物のゲノム内の標的部位(植物のゲノム内のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子またはその付近に位置するものなど)のゲノム配列と比較して1つまたは複数の変異(挿入、欠失、置換など)を含む1つまたは複数の相同配列を代わりに含み得る。あるいは、ドナーテンプレートは、コードDNA配列または転写可能なDNA配列を含まない挿入配列を含み得、挿入配列は、植物のゲノム内の標的部位(植物のゲノム内のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子またはその付近に位置するものなど)に1つまたは複数の変異を導入するために使用される。
【0047】
本明細書で提供されるドナーテンプレートは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の遺伝子または転写可能なDNA配列を含み得る。あるいは、ドナーテンプレートは、遺伝子を全く含み得ない。ドナーテンプレートの遺伝子または転写可能なDNA配列には、限定はされないが、例えば、殺虫剤耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、窒素利用効率遺伝子、水利用効率遺伝子、栄養価遺伝子、DNA結合遺伝子、選択可能マーカー遺伝子、RNAiもしくは抑制コンストラクト、部位特異的ゲノム改変酵素遺伝子、CRISPR/Cas9系のシングルガイドRNA、ジェミニウイルスに基づく発現カセット、または植物ウイルス発現ベクター系が含まれ得る。他の実施形態によれば、ドナーテンプレートの挿入配列は、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み得、こうした非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子(GA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子など)を抑制標的とし得る。ドナーテンプレートは、プロモーターを含み得、こうしたプロモーターは、組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター、構成的プロモーター、または誘導性プロモーターなどである。ドナーテンプレートは、リーダー、エンハンサー、プロモーター、転写開始部位、5’-UTR、1つもしくは複数のエクソン(複数可)、1つもしくは複数のイントロン(複数可)、転写終結部位、転写終結領域、もしくは転写終結配列、3’-UTR、及び/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。リーダー、エンハンサー、及び/またはプロモーターは、非コードRNA、ガイドRNA、mRNA、及び/またはタンパク質をコードする遺伝子または転写可能なDNA配列に機能可能なように連結され得る。
【0048】
本明細書で使用される「維管束プロモーター」は、たとえそのプロモーターが他の非維管束植物細胞(複数可)または非維管束植物組織(複数可)においても発現を生じさせるものであったとしても、植物の1つまたは複数の維管束組織(複数可)において、そのようなプロモーターに機能可能なように連結された転写可能なDNA配列または導入遺伝子の発現を誘導、誘起、または開始する植物発現性プロモーターを指す。そのような維管束組織(複数可)は、植物の師部、維管束実質、及び/または維管束鞘の細胞(複数可)または組織(複数可)のうちの1つまたは複数を含み得る。「維管束プロモーター」は、その発現パターンが、植物の1つまたは複数の維管束組織(複数可)を含み、制御され、かつ相対的により限定されたものであるいう点において構成的プロモーターと区別される。維管束プロモーターには、維管束特異的プロモーターと維管束優先的プロモーターとの両方が含まれる。
【0049】
本明細書で使用される「葉プロモーター」は、たとえそのプロモーターが他の非葉植物細胞(複数可)または非葉植物組織(複数可)においても発現を生じさせるものであったとしても、植物の1つまたは複数の葉組織(複数可)において、そのようなプロモーターに機能可能なように連結された転写可能なDNA配列または導入遺伝子の発現を誘導、誘起、または開始する植物発現性プロモーターを指す。葉プロモーターには、葉特異的プロモーターと葉優先的プロモーターとの両方が含まれる。「葉プロモーター」は、他の植物組織と比較して植物の葉組織(複数可)においてより優勢または排他的にそれによる発現が生じるという点において維管束プロモーターとは異なる一方で、維管束プロモーターは、維管束組織(複数可)で発現を生じさせるものであり、こうした維管束組織(複数可)には、より一般的には、葉の外側の維管束組織(複数可)(植物の茎の維管束組織(複数可)または植物の茎及び葉の維管束組織(複数可)など)が含まれる。
【0050】
本明細書で使用される「植物発現性プロモーター」は、1つまたは複数の植物細胞または植物組織(トウモロコシ植物または穀類植物の1つまたは複数の細胞または組織など)において、そのようなプロモーターに機能可能なように連結された転写可能なDNA配列または導入遺伝子の発現を誘導、誘起、または開始するプロモーターを指す。
【0051】
説明
穀物産生性が最も高い草本(コムギ、イネ、及びモロコシなど)は、円錐花序のそれぞれの小花の中に雄性構造と雌性構造との両方を形成する(すなわち、こうした草本は、単一の生殖構造を有する)。しかしながら、トウモロコシ(corn)またはトウモロコシ(maize)は、雄性(雄穂)花房と雌性(雌穂)花房とを別々に形成するという点において、穀物産生草本の中で独特である。トウモロコシは、雌穂の小花では雄性器官(葯)を、雄穂の小花では雌性器官(胚珠)を、発育の初期段階の内に選択的に形成中断することよって完全に性的二型性の生殖構造を形成する。この選択的な形成中断過程を制御するには、ジベレリンの合成及びシグナル伝達が正確に制御されることが非常に重要であり、雌性生殖性の雌穂は、GA経路のかく乱に対する感受性が最も高い。実際、「葯雌穂(anther ear)」表現型は、トウモロコシのGA変異体において最も一般的な生殖性表現型である。
【0052】
トウモロコシとは対照的に、コムギ、イネ、及びモロコシにおいて「緑の革命」をもたらした、ジベレリンの合成経路またはシグナル伝達経路における変異は、それらの生殖構造に影響を与えることはほとんどなかった。この理由は、円錐花序を有する穀物の選択的な形成中断過程がこうした作物種では発育の間に生じず、したがって、GAレベルのかく乱に対する感受性をこうした作物種が有さないためである。GAの合成経路及びシグナル伝達経路をかく乱すると、場合によっては極度の矮化が生じることに加えて、雌穂の劇的な歪み及び雄性化(「葯雌穂」)ならびに雄穂における不稔性(葯及び小胞子の発育かく乱)が繰り返し生じてきたため、トウモロコシでは同一の変異は利用されていない。例えば、Chen,Y.et al.,“The Maize DWARF1 Encodes a Gibberellin 3-Oxidase and Is Dual Localized to the Nucleus and Cytosol,”Plant Physiology 166:2028-2039(2014)を参照のこと。こうしたGA変異表現型(異型)がトウモロコシに生じると、穀粒産生が顕著に減少し、収量が減少した。さらに、雌穂内に葯が形成されると、真菌または昆虫による感染が生じる可能性が上昇し、これによって、そうした変異雌穂で産生する穀物の品質が低下する。トウモロコシの半矮性系統を開発するための前方育種(Forward breeding)は成功しておらず、GA変異体に生殖異型(ならびに極度の矮化)が生じることは、克服困難なこととなっている。したがって、他の草本では緑の革命につながったGA経路の変異と同一の変異によってトウモロコシにおいて成功がもたらされたことは未だない。
【0053】
GA経路の操作を介してトウモロコシで穀物収量の増加を達成することは、これまではこうした困難を伴っていたものの、本発明者らは、全体的な草高及び茎節間長を低減し、耐倒伏性を増加させるが、トウモロコシにおけるGA経路の変異と以前は関連していた生殖異型を誘起しない様式でトウモロコシ植物におけるGAレベルを操作する方法を発見した。こうした低草高または半矮性のトウモロコシ植物が1つまたは複数の追加の形質も有し得ることが追加の証拠によって示されており、こうした追加の形質には、茎直径の増加、茎の折損(green snap)の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の増加、水利用効率の増加、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、穀粒数の増加、穀粒重量の増加、収量の増加、及び/または収穫指数の増加が含まれる。
【0054】
理論に拘束されるものではないが、GA20オキシダーゼ遺伝子もしくはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を不完全に抑制し、及び/または1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)のサブセットを標的とすることは、耐倒伏性が増加するが、雌穂に生殖異型が生じない低草高の半矮性表現型を達成する上で有効であり得ることが提唱される。理論によって限定はされないが、ある特定の活性型GA産生組織(植物の維管束組織及び/または葉組織など)に限定してGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制することは、耐倒伏性が増加するが、生殖組織に顕著な異型が生じない低草高植物を作出する上で十分であり得ることがさらに提唱される。組織特異的または組織優先的な様式でGA20オキシダーゼまたはGA3オキシダーゼの抑制要素を発現させることは、トウモロコシのGA変異体で以前に観測された生殖組織における潜在的な異型を回避しつつ(例えば、GA20オキシダーゼ遺伝子(複数可)が抑制されることをそうした生殖組織において回避または限定することによって回避される)低草高表現型を有する植物を作出する上で十分かつ有効であり得る。例えば、GA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)が、植物の維管束組織における発現を誘導する維管束プロモーター(イネツングロ桿菌状ウイルス(RTBV)プロモーターなど)を使用する抑制の標的とされ得る。後述の実施例において裏付けられるように、RTBVプロモーターの発現パターンは、非維管束組織と比較してトウモロコシ植物の維管束組織に濃縮されており、このRTBVプロモーターは、GA20オキシダーゼ遺伝子及びGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とする抑制要素に機能可能なように連結されるとき、トウモロコシ植物の半矮性表現型を作出する上で十分なものである。トウモロコシ植物または穀類植物において活性型GAを産生する組織(複数可)における活性型GAのレベルを下げることで、草高が低下し、耐倒伏性が増加し得ると共に、生殖組織(植物の発育中の雌性器官または雌穂など)において活性型GAのレベルが顕著に影響を受けることもないか、または低下することもないのであれば、そうした植物において異型が回避され得る。生殖組織(例えば、雌性生殖性または雄性生殖性の器官または花房)におけるGAレベルに顕著な影響を与えることなく、トウモロコシ植物または穀類植物の柄、茎、または節間(複数可)において活性型GAのレベルが低下し得るならば、植物の生殖組織に異型が生じることなく、草高が低下し、耐倒伏性が増加したトウモロコシ植物または穀類植物が創出され得る。
【0055】
したがって、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結された、GA20オキシダーゼまたはGA3オキシダーゼの抑制要素または抑制配列を含む組換えDNAコンストラクト及びトランスジェニック植物が本明細書で提供され、こうしたプロモーターは、組織特異的または組織優先的なプロモーターであり得る。そのような組織特異的または組織優先的なプロモーターは、それと関連するGAオキシダーゼの抑制要素または抑制配列の発現を、植物の1つまたは複数の活性型GA産生組織(複数可)において誘導することで、そうした組織(複数可)において産生する活性型GAのレベルを抑制または低減し得る。そのような組織特異的または組織優先的なプロモーターは、それと関連するGAオキシダーゼ抑制コンストラクトまたは導入遺伝子の発現を1つまたは複数の発育栄養生長段階(複数可)の間に誘導し得る。そのような組織特異的または組織優先的なプロモーターでは、植物の発育中の雌性器官または雌穂の1つまたは複数の細胞(複数可)または組織(複数可)において発現がほとんど生じないか、または全く生じないことでも、そうした生殖組織に異型が生じる可能性が回避され得る。いくつかの実施形態によれば、組織特異的または組織優先的なプロモーターは、RTBVプロモーターなどの維管束プロモーターである。RTBVプロモーターの配列は、本明細書では配列番号65として提供され、短縮バージョンのRTBVプロモーターが、本明細書では配列番号66としてさらに提供される。
【0056】
活性型または生理活性型のジベレリン酸(すなわち、「活性型ジベレリン」または「活性型GA」)は、当該分野において所与の植物種ごとに知られており、不活性型GAと区別されるものである。例えば、トウモロコシ及び高等植物の活性型GAには、下記のものが含まれる:GA1、GA3、GA4、及びGA7。したがって、「活性型GA産生組織」は、1つまたは複数の活性型GAを産生する植物組織である。
【0057】
植物の活性型GA産生組織におけるGA20オキシダーゼ遺伝子を維管束組織プロモーターで抑制することに加えて、さまざまな構成的プロモーターで同一のGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制しても、トウモロコシに低草高の半矮性表現型が生じるが、視認可能な異型は雌穂に全く生じ得ないことが発見され、これは驚くべきことであった。GA経路の変異は、生殖組織に異型を生じさせるものであるとこれまでは示されてきたことを考慮すると、GA20オキシダーゼの構成的な抑制によって、同様の生殖性表現型が雌穂に生じなかったことは驚くべきことであった。したがって、植物において顕著または観測可能な生殖異型を全く生じさせることなく、低草高かつ耐倒伏性のトウモロコシ植物または穀類植物を創出するために、構成的プロモーターを使用して1つまたは複数のGA20オキシダーゼ遺伝子の抑制を実施し得ることがさらに提唱される。同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを茎、葉、または生殖組織で発現させたときに、驚くべき知見が他にも得られた。以下にさらに記載されるように、トウモロコシ植物の茎組織または雌穂組織において同一のGA20オキシダーゼ遺伝子を標的として抑制すると、低草高の半矮性表現型は生じなかった。さらに、トウモロコシ植物の発育中の雌穂の生殖組織において雌性生殖性組織(雌穂)プロモーターで直接的にGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを特異的に発現させると、顕著または観測可能な異型は雌穂に全く生じなかった。また一方で、葉組織において同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現させることは、顕著または観測可能な生殖異型が植物に生じることなく、中程度の低草高表現型を誘起する上で十分なことであった。
【0058】
理論によって限定はされないが、トウモロコシ植物及び他の穀類植物における低草高の半矮性表現型は、ある特定のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とする抑制コンストラクトの発現レベルが植物の活性型GA産生組織(複数可)において十分であることに起因し得るものであることが提唱される。少なくとも、トウモロコシにおいてある特定のGA20オキシダーゼ遺伝子を標的として抑制することについては、発現パターンを制限して生殖雌穂組織を避けることは、生育中の雌穂に生殖異型が生じることを避けるために必ずしも必要なことではない可能性がある。しかしながら、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを、低レベルで発現させること、及び/または植物組織の数を限定して発現させることは、顕著な低草高の半矮性表現型を誘起する上で不十分であり得る。GA20オキシダーゼを標的とした抑制で半矮性表現型が観測されたことが、植物の茎節間の短縮の結果であることを考慮すると、少なくともいくつかの茎組織においてGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制することが、節間の短縮及び草高の低下を誘起する上で不十分であったことは驚くべきことである。理論に拘束されるものではないが、植物における活性型GAの産生場所である組織(複数可)及び/または細胞(複数可)においてある特定のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制することが、半矮性植物を作出する上で十分なことであり得、低草高形質は、茎節間の短縮に起因するものの、この抑制は、茎組織または節間組織(複数可)では必ずしも必要ではないことが提唱される。植物の脈管構造を介してGAが移動できることを考慮すると、活性型GAの産生場所である植物組織(複数可)においてGAオキシダーゼ遺伝子を操作することで低草高の半矮性植物が生じ得るが、このことは、非茎組織(すなわち、節間伸長の減少によって半矮性表現型がもたらされる場所である茎における作用部位から離れている)において産生する活性型GAのレベルが抑制されることによって大部分が達成され得るものであることが提唱される。実際、葉組織においてある特定のGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制すると、トウモロコシ植物において中程度の半矮性表現型が生じることが判明した。いくつかの異なる「茎」プロモーターでGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現させてもトウモロコシにおいて半矮性表現型が生じなかったことを考慮すると、維管束プロモーターで同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現させることが、イベント及び生殖質を通じて高度な浸透率で半矮性表現型を一貫して作出する上で有効であったことは注目すべきことである。この半矮性表現型は、他の維管束プロモーターを使用して同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現させても観測された。
【0059】
本開示の実施形態によれば、少なくとも1つの有利な農学的形質と、異型を実質的または完全に有さない少なくとも1つの雌性生殖性器官または雌穂と、を有する改変された穀類植物またはトウモロコシ植物が提供される。有利な農学的形質には、例えば、草高の低下、1つもしくは複数の節間(複数可)の節間長の短縮、茎直径もしくは柄直径の増大(肥厚)、耐倒伏性の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の増加、水利用効率の増加、根の深化、葉面積の増大、樹冠閉鎖の早期化、及び/または収穫可能収量の増加が含まれ得る。異型には、雄性(雄穂もしくは葯)不稔性、穀粒もしくは種子の数の減少、及び/または植物の雌性器官もしくは雌穂における1つもしくは複数の雄性化生殖構造もしくは雄性(もしくは雄性様)生殖構造(例えば、葯雌穂)の存在が含まれ得る。植物の生殖組織に顕著な異型が存在しない改変された穀類植物またはトウモロコシ植物が本明細書で提供される。そのような改変された穀類植物またはトウモロコシ植物は、対照植物または野生型植物と比較して正常であると思われる雌性生殖性器官または雌穂を有し得る。実際、1つまたは複数の雌性器官または雌穂に異型(雄性不稔性、穀粒もしくは種子の数の減少、及び/または雄性化構造(複数可)を含む)を有さないか、もしくは示さないか、または実質的もしくは完全に有さない少なくとも1つの生殖器官または雌穂を含む改変された穀類植物またはトウモロコシ植物が提供される。本明細書で使用されるように、植物(トウモロコシなど)の雌性器官または雌穂は、後の生殖段階における雌性器官または雌穂の外観検査に基づいて植物の雌性器官または雌穂に雄性生殖構造が存在しないか、またはほとんど存在しないのであれば、雄性生殖構造を「実質的に有さない」。植物(トウモロコシなど)の雌性器官または雌穂は、後の生殖段階における雌性器官または雌穂の外観検査によって植物(トウモロコシ植物など)の雌性器官または雌穂に雄性生殖構造が存在しないか、または観測されないか、または観測不可能であるならば、成熟雄性生殖構造を「完全に有さない」。顕著な異型が生じず、雌穂に雄性生殖構造を実質的に有さない植物(トウモロコシなど)の雌性器官または雌穂では、当該植物の雌性器官または雌穂当たりの穀粒数または種子数は、野生型植物または対照植物の雌性器官または雌穂当たりの穀粒数または種子数の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%であり得る。同様に、顕著な異型が生じず、雌穂に雄性生殖構造を実質的に有さない植物(トウモロコシなど)の雌性器官または雌穂では、当該植物の雌性器官または雌穂の穀粒または種子の平均重量は、野生型植物または対照植物の雌性器官または雌穂当たりの穀粒または種子の平均重量の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%であり得る。成熟雄性生殖構造を完全に有さない植物(トウモロコシなど)の雌性器官または雌穂では、当該植物の雌性器官または雌穂当たりの穀粒数または種子数は、野生型植物または対照植物とほぼ同一であり得る。換言すれば、こうした植物の雌性器官または雌穂の生殖発生は、正常であるか、または実質的に正常であり得る。しかしながら、雌性器官または雌穂当たりの種子数または穀粒数は、こうした植物の資源活用及び発育に影響を与える他の因子に依存し得る。実際、こうした植物の雌性器官もしくは雌穂当たりの穀粒数もしくは種子数、及び/または植物の雌性器官もしくは雌穂の穀粒重量もしくは種子重量は、野生型植物または対照植物と比較してほぼ同一であるか、またはそれを超え得る。
【0060】
植物ホルモンであるジベレリンは、発芽、細胞伸長、開花、胚形成、及び種子発育を含めて、多くの植物発育過程において重要な役割を担っている。GA経路におけるある特定の生合成酵素(例えば、GA20オキシダーゼ及びGA3オキシダーゼ)ならびに分解酵素(例えば、GA2オキシダーゼ)は、植物組織における活性型GAのレベルに影響を与える上で非常に重要である。したがって、ある特定のGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制することに加えて、構成的または組織特異的または組織優先的な様式でGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制することでも、低草高表現型を有し、耐倒伏性が増加し、収量の増加が可能であるが、雌穂に異型が生じないトウモロコシ植物を作出し得ることがさらに提唱される。したがって、いくつかの実施形態によれば、構成的または組織特異的または組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターまたは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結されたGA3オキシダーゼの抑制要素または抑制配列を含むコンストラクト及び導入遺伝子が提供される。いくつかの実施形態によれば、組織特異的または組織優先的なプロモーターは、RTBVプロモーターなどの維管束プロモーターである。しかしながら、トウモロコシ植物または穀類植物の活性型GA産生組織においてGA3オキシダーゼを抑制するために他の型の組織特異的または組織優先的なプロモーターが使用され得る可能性があり、その結果、顕著な異型を伴わない半矮性表現型が生じ得る。
【0061】
本発明の実施形態に応じて、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制するために、当該技術分野において知られる任意の標的遺伝子抑制方法が使用され得、こうした方法には、アンチセンスRNA、二本鎖RNA(dsRNA)、もしくは逆方向反復RNA配列の発現、または低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、トランス作用性siRNA(ta-siRNA)、もしくはマイクロRNA(miRNA)の発現を介する同時抑制もしくはRNA干渉(RNAi)を介するものが含まれる。さらに、GAオキシダーゼ遺伝子内またはその付近に位置するコード性及び/または非コード性のゲノム配列またはゲノム領域を標的とするセンスRNA分子及び/またはアンチセンスRNA分子を使用することで、当該遺伝子のサイレンシングが生じ得る。したがって、こうした方法はいずれも、内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子(複数可)またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的として抑制するために、組織特異的または組織優先的な様式で使用され得る。例えば、米国特許出願公開第2009/0070898号、第2011/0296555号、及び第2011/0035839号を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0062】
本明細書で使用される「抑制」という用語は、植物発育の1つまたは複数の段階(複数可)における植物、植物細胞、または植物組織における標的遺伝子がコードするmRNA及び/またはタンパク質の発現レベルが、植物発育の同一の段階(複数可)における野生型植物または対照の植物、細胞、もしくは組織におけるそのような標的mRNA及び/またはタンパク質の発現レベルと比較して低下、低減、または除去されることを指す。いくつかの実施形態によれば、対照植物と比較して少なくとも1つの植物組織におけるGA20オキシダーゼ遺伝子の発現レベルが少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低下した改変された植物またはトランスジェニック植物が提供される。いくつかの実施形態によれば、対照植物と比較して少なくとも1つの植物組織におけるGA3オキシダーゼ遺伝子の発現レベルが少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低下した改変された植物またはトランスジェニック植物が提供される。いくつかの実施形態によれば、対照植物と比較して少なくとも1つの植物組織におけるGA20オキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、5%~20%、5%~25%、5%~30%、5%~40%、5%~50%、5%~60%、5%~70%、5%~75%、5%~80%、5%~90%、5%~100%、75%~100%、50%~100%、50%~90%、50%~75%、25%~75%、30%~80%、または10%~75%低下した改変された植物またはトランスジェニック植物が提供される。いくつかの実施形態によれば、対照植物と比較して少なくとも1つの植物組織におけるGA3オキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、5%~20%、5%~25%、5%~30%、5%~40%、5%~50%、5%~60%、5%~70%、5%~75%、5%~80%、5%~90%、5%~100%、75%~100%、50%~100%、50%~90%、50%~75%、25%~75%、30%~80%、または10%~75%低下した改変された植物またはトランスジェニック植物が提供される。こうした実施形態によれば、GA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現レベルが低下した改変された植物またはトランスジェニック植物の少なくとも1つの組織には、1つまたは複数の発育栄養生長段階(複数可)の間の当該植物の1つまたは複数の活性型GA産生組織(複数可)(当該植物の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)が含まれる。
【0063】
いくつかの実施形態では、内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の抑制は、組織特異的(例えば、葉組織及び/または維管束組織のみにおけるもの)である。GA20オキシダーゼ遺伝子の抑制は、構成的なもの及び/または維管束組織もしくは葉組織に特異的もしくは優先的なものであり得る。他の実施形態では、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の抑制は、構成的であり、組織特異的ではない。いくつかの実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子の発現は、対照植物の同一の組織(複数可)と比較して、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の組織型(例えば、葉組織及び/または維管束組織(複数可))において低減される。
【0064】
本開示の実施形態によれば、植物発現性の構成的または組織特異的または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結された、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とする抑制要素を含む組換えDNA分子、コンストラクト、またはベクターが提供される。抑制要素は、長さが少なくとも19のヌクレオチド(約19のヌクレオチドの長さ~約27のヌクレオチドの長さ、または19、20、21、22、23、24、25、26、または27のヌクレオチドの長さなど)の転写可能なDNA配列を含み得、転写可能なDNA配列は、抑制されるべき標的GAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも一部分に対応するものであり、及び/またはそれに相補的なDNA配列に対応するものである。抑制要素の長さは、19~30、19~50、19~100、19~200、19~300、19~500、19~1000、19~1500、19~2000、19~3000、19~4000、または19~5000のヌクレオチドであり得る。抑制要素の長さは、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、または少なくとも23以上のヌクレオチド(例えば、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、または少なくとも5000のヌクレオチドの長さ)であり得る。抑制要素の長さ及び配列に応じて、1つまたは複数の配列ミスマッチまたは非相補的塩基(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれを超える数のミスマッチなど)は、抑制要素がコードする非コードRNA分子が、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の標的mRNA分子に依然として十分にハイブリダイズ及び結合することができるのであれば、抑制の減少を伴うことなく許容され得る。実際、長さが約19のヌクレオチド~約27のヌクレオチドの範囲の、より短いRNAi抑制要素でさえ、1つまたは複数のミスマッチまたは非相補的塩基を有し得るが、標的GAオキシダーゼ遺伝子を抑制する上で依然として有効である。したがって、センス抑制要素配列またはアンチセンス抑制要素配列は、それぞれ、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分の対応する配列またはその相補的配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し得る。
【0065】
GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的として抑制するための、本発明の抑制要素または転写可能なDNA配列は、下記のもののうちの1つまたは複数を含み得る:(a)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対してアンチセンスまたは相補的な少なくとも1つのアンチセンスDNA配列を含むDNA配列、(b)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対してアンチセンスまたは相補的な少なくとも1つのアンチセンスDNA配列の複数のコピーを含むDNA配列、(c)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分を含む少なくとも1つのセンスDNA配列を含むDNA配列、(d)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分をそれぞれが含む少なくとも1つのセンスDNA配列の複数のコピーを含むDNA配列、(e)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の1つのセグメントまたは部分の逆方向反復を含み、及び/または標的となるGAオキシダーゼ遺伝子を、二本鎖RNAを形成することによって抑制するためのRNAへと転写されるDNA配列であって、転写されたRNAが、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対してアンチセンスまたは相補的な少なくとも1つのアンチセンスDNA配列と、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分を含む少なくとも1つのセンスDNA配列と、を含む、DNA配列、(f)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子を、単一の二本鎖RNAを形成することによって抑制するためのRNAへと転写されるDNA配列であって、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対してそれぞれがアンチセンスまたは相補的な複数の連続アンチセンスDNA配列と、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分をそれぞれが含む複数の連続センスDNA配列と、を含む、DNA配列、(g)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子を、複数の二本鎖RNAを形成することによって抑制するためのRNAへと転写されるDNA配列であって、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対してそれぞれがアンチセンスまたは相補的な複数のアンチセンスDNA配列と、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分をそれぞれが含む複数のセンスDNA配列と、を含み、複数のアンチセンスDNAセグメント及び複数のセンスDNAセグメントが、一連の逆方向反復となるように配置される、DNA配列、(h)miRNA、好ましくは植物miRNAに由来するヌクレオチドを含むDNA配列、(i)標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に相補的な人工miRNAをコードするmiRNA前駆体を含むDNA配列、(j)siRNAのヌクレオチドを含むDNA配列、(k)リガンドに結合する能力を有するRNAアプタマーへと転写されるDNA配列、ならびに(l)リガンドに結合する能力を有するRNAアプタマーへと転写されるDNA配列と、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の発現を制御する能力を有する制御RNAへと転写されるDNAと、であって、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の制御が、制御RNAの立体構造に依存しており、制御RNAの立体構造が、リガンドがRNAアプタマーに結合する状態によってアロステリックに影響を受ける、DNA配列及びDNA。こうした遺伝子抑制要素はいずれも、一本鎖RNAまたは二本鎖RNAへと転写されるかを問わず、抑制要素(複数可)の数及び配列に応じて、複数のGAオキシダーゼ標的遺伝子を抑制するように設計され得る。
【0066】
複数のGAオキシダーゼ標的に対する複数のセンス抑制要素及び/またはアンチセンス抑制要素は、直列に連続して配置されるか、直列のセグメントまたは反復(直列の逆方向反復など)となるように配置され得、こうした抑制要素は、1つまたは複数のスペーサー配列(複数可)によって分断もされ得、それぞれの抑制要素の配列は、1つまたは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とし得る。さらに、抑制要素のセンス配列またはアンチセンス配列は、抑制要素の配列及び長さに応じて、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子配列に完全にマッチまたは相補的ではあり得ない。長さが約19のヌクレオチド~約27のヌクレオチドの、より短いRNAi抑制要素でさえ、1つまたは複数のミスマッチまたは非相補的塩基を有し得るが、標的GAオキシダーゼ遺伝子を抑制する上で依然として有効である。したがって、センス抑制要素配列またはアンチセンス抑制要素配列は、それぞれ、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分の対応する配列またはその相補的配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し得る。
【0067】
アンチセンス抑制については、転写可能なDNA配列または抑制要素は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つの部分またはセグメントにアンチセンスまたは相補的な配列を含む。抑制要素は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の1つもしくは複数の部分もしくはセグメントに相補的な複数のアンチセンス配列を含むか、または標的となるGAオキシダーゼ遺伝子に相補的なアンチセンス配列の複数のコピーを含み得る。アンチセンス抑制要素配列は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に相補的なDNA配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し得る。換言すれば、アンチセンス抑制要素配列は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し得る。
【0068】
逆方向反復または転写されたdsRNAを使用するGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の抑制については、転写可能なDNA配列または抑制要素は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の1つのセグメントまたは部分を含むセンス配列と、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の1つのセグメントまたは部分に相補的なアンチセンス配列と、を含み得、センスDNA配列及びアンチセンスDNA配列は、直列に配置される。上記の標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の1つのセグメントまたは部分に対して、センス配列及び/またはアンチセンス配列は、それぞれ100%未満の同一性または相補性をそれぞれが有し得る。センス配列及びアンチセンス配列は、スペーサー配列によって分断され得、その結果、抑制要素から転写されるRNA分子は、センス配列とアンチセンス配列との間にステム構造、ループ構造、またはステム-ループ構造を形成する。抑制要素は、直列に配置された複数のセンス配列及びアンチセンス配列を代わりに含み得、こうした配列は、1つまたは複数のスペーサー配列によって分断もされ得る。複数のセンス配列及びアンチセンス配列を含むそのような抑制要素は、一連のアンチセンス配列が後に続く一連のセンス配列として配置されるか、または一連の直列に配置されたセンス配列及びアンチセンス配列として配置され得る。あるいは、1つまたは複数のセンスDNA配列は、1つまたは複数のアンチセンス配列とは別に発現し得る(すなわち、1つまたは複数のセンスDNA配列は、第1の転写可能なDNA配列から発現し得、1つまたは複数のアンチセンスDNA配列は、第2の転写可能なDNA配列から発現し得、第1の転写可能なDNA配列と第2の転写可能なDNA配列とは、別々の転写物として発現する)。
【0069】
マイクロRNA(miRNA)を使用するGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の抑制については、転写可能なDNA配列または抑制要素は、ウイルスもしくは真核生物(動物もしくは植物など)に天然に存在するmiRNA配列に由来するDNA配列を含むか、またはそのような天然のmiRNA配列から改変されたものであるか、もしくはそのような天然のmiRNA配列に由来するものであり得る。そのような天然または天然由来のmiRNA配列は、折り返し構造を形成し、前駆体miRNA(pre-miRNA)のための骨格として働き得、天然のmiRNA前駆体配列(天然(または天然由来)の一次miRNA(pri-miRNA)配列またはpre-miRNA配列などに由来する)のステム領域に相当し得る。しかしながら、こうした天然または天然由来のmiRNA骨格またはプレプロセシングを受ける配列に加えて、本発明の実施形態の操作されたmiRNAまたは合成miRNAは、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の1つのセグメントまたは部分に対応する配列をさらに含む。したがって、プレプロセシングを受けたmiRNA配列または骨格miRNA配列に加えて、抑制要素は、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子の1つのセグメントまたは部分に対応するセンス配列及び/またはアンチセンス配列、及び/またはそれに相補的な配列をさらに含み得るが、1つまたは複数の配列ミスマッチは許容され得る。
【0070】
miRNAの操作は、標的遺伝子抑制の特異性向上に有用である。例えば、Parizotto et al.,Genes Dev.18:2237-2242(2004)、ならびに米国特許出願公開第2004/0053411号、第2004/0268441号、第2005/0144669号、及び第2005/0037988号を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。miRNAは、非タンパク質コードRNAである。miRNA前駆体分子が切断されると、典型的には長さが約19~約25のヌクレオチド(植物では通常は約20~約24のヌクレオチドの長さ)(19、20、21、22、23、24、または25のヌクレオチドの長さなど)の成熟miRNAが形成され、成熟miRNAは、抑制の標的となる遺伝子に対応する配列及び/またはその相補的配列を有する。成熟miRNAは、標的mRNA転写物にハイブリダイズし、タンパク質の複合体が標的転写物に結合するようにガイドする。このことは、翻訳阻害及び/または転写物の分解が生じるように機能し、これによって、標的となる遺伝子の発現が負の制御または抑制を受け得る。miRNA前駆体は、標的遺伝子の抑制を誘起するためにRNA依存性RNAポリメラーゼが必要となる過程においてsiRNA(トランス作用性siRNA(ta-siRNA))の同一位相での産生を植物において誘導するためにも有用である。例えば、Allen et al.,Cell 121:207-221(2005)、Vaucheret Science STKE,2005:pe43(2005)、及びYoshikawa et al.Genes Dev.,19:2164-2175(2005)を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0071】
植物miRNAは、標的mRNA転写物における相補的またはほぼ完全に相補的な配列(miRNA認識部位)を認識して結合した後、RNaseIII酵素(アルゴノート1など)によって転写物を切断することによってその標的遺伝子を制御する。植物では、所与のmiRNA認識部位と、対応する成熟miRNAと、の間のある特定のミスマッチは、典型的には許容されず、具体的には、成熟miRNAの10位及び11位におけるヌクレオチドのミスマッチは、典型的には許容されない。成熟miRNA内の位置は、5’から3’の方向で示される。成熟miRNAの10位及び11位では、所与のmiRNA認識部位と、対応する成熟miRNAと、の間に完全な相補性が通常は必要である。例えば、Franco-Zorrilla et al.(2007)Nature Genetics,39:1033-1037、及びAxtell et al.(2006)Cell,127:565-577を参照のこと。
【0072】
多くのマイクロRNA遺伝子(MIR遺伝子)が同定されており、データベースにおいて公的に利用可能となっている(microrna.sanger.ac.uk/sequencesにおいてオンラインで利用可能な「miRBase」;Griffiths-Jones et al.(2003)Nucleic Acids Res.,31:439-441も併せて参照のこと)。MIR遺伝子は、ゲノムの遺伝子間領域に単独でもクラスターとしても生じることが報告されているが、他の遺伝子(タンパク質コード性のものと非タンパク質コード性ものとの両方)のイントロン内に完全または部分的に位置することもあり得る。miRNAバイオジェネシスの総説については、Kim(2005)Nature Rev.Mol.Cell.Biol.,6:376-385を参照のこと。MIR遺伝子の転写は、少なくともいくつかの場合では、MIR遺伝子自体のプロモーターの促進的な制御下にあり得る。「pri-miRNA」と呼ばれる一次転写物は、極めて大きなもの(数キロベース)であり得ると共に、ポリシストロニックであり、1つまたは複数のpre-miRNA(成熟miRNAへのプロセシングを受けるステム-ループ配置を含む折り返し構造)ならびにmRNAの通常の5’「キャップ」及びポリアデニル化尾部を含み得る。例えば、Kim(2005)Nature Rev.Mol.Cell.Biol.,6:376-385の図1を参照のこと。
【0073】
miRNAの1つまたは複数の標的遺伝子の発現を制御するために、miRNA(天然起源の配列であるか、または人工的な配列であるかは問われない)のトランスジェニック発現を利用することができる。miRNAの認識部位は、5’非翻訳領域、コード領域、イントロン領域、及び3’非翻訳領域を含めて、mRNAのすべての領域で確認されており、このことは、コード配列に対するmiRNAの標的部位または認識部位の位置は、必ずしも抑制に影響し得ないことを示している(例えば、Jones-Rhoades and Bartel(2004).Mol.Cell,14:787-799、Rhoades et al.(2002)Cell,110:513-520、Allen et al.(2004)Nat.Genet.,36:1282-1290、Sunkar and Zhu(2004)Plant Cell,16:2001-2019を参照のこと)。miRNAは、真核生物における重要な制御要素であり、miRNAでのトランスジェニック抑制は、生物学的な経路及び応答を操作するための有用なツールである。天然のmiRNA、その前駆体、認識部位、及びプロモーターの説明は、米国特許出願公開第2006/0200878号において提供されており、当該文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0074】
人工的なmiRNA配列の設計は、miRNA前駆体のステム領域のヌクレオチドを、意図する標的に相補的な配列で置換することによって達成でき、このことは、例えば、Zeng et al.(2002)Mol.Cell,9:1327-1333によって実証されている。多くの実施形態によれば、標的は、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の配列であり得る。目的の標的に対する操作されたmiRNA前駆体を生成するために天然のmiRNA配列において変更するヌクレオチドを決定するための一般的な方法の1つの非現例的な例は、下記の段階を含むものである:(a)標的遺伝子に特異的な少なくとも18のヌクレオチドの特有の標的配列の選択(例えば、BLASTなどの配列アライメントツールを使用することよって実施される(例えば、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.,215:403-410、Altschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.,25:3389-3402を参照のこと))(標的転写物のオルソログ、及び無関係の遺伝子に対する任意の潜在的マッチを同定するためにcDNA及び/またはゲノムDNA配列が使用され、それによって、非標的配列が意図せずにサイレンシングまたは抑制を受けることが回避され得る)、(b)望ましくない配列(例えば、非標的種に由来する配列にマッチするもの)について標的遺伝子を解析し、GC含量、レイノルズ(Reynolds)スコア(Reynolds et al.(2004)Nature Biotechnol.,22:326-330を参照のこと)、及び自由エネルギーの差異(「ΔΔG」)が負であることによって特徴付けられる機能的非対称性(Khvorova et al.(2003)Cell,115:209-216を参照のこと)について、有望な標的配列をそれぞれスコア付けすること(好ましくは、下記の特徴のすべてまたはほとんどを有する標的配列(例えば、19マー)が選択され得る:(1)レイノルズスコアが>4であること、(2)GC含量が約40%~約60%の間であること、(3)ΔΔGが負であること、(4)末端がアデノシンであること、(5)同一のヌクレオチドを4つ以上連続して含まないこと、(6)標的遺伝子の3’末端付近に位置すること、(7)miRNA前駆体転写物との差異が最小となること。1つの態様では、標的遺伝子(例えば、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子)を抑制するために本明細書で使用される非コードRNA分子は、上述の特徴のうちの1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上を示す配列が標的となるように設計される。抑制要素の3つのヌクレオチドごとの位置は、RNAiの効率に影響を与える上で重要であり得、例えば、「siExplorer」というアルゴリズムがrna.chem.t.u-tokyo.ac.jp/siexplorer.htmにおいて公的に利用可能である(Katoh and Suzuki(2007)Nucleic Acids Res.,10.1093/nar/gkl1120を参照のこと))、(c)改変された成熟miRNAの調製に使用するための、選択される標的配列(例えば、19マー)の逆相補鎖の決定(19マーの配列に対して20位に追加されるヌクレオチドは、選択される標的配列または認識配列にマッチするものであり得、21位のヌクレオチドは、標的転写物に対するサイレンシングの拡大を阻止するために対形成しないように選択されるか、または標的転写物に対するサイレンシングの拡大を促進するために標的配列と対形成するように選択され得る)、ならびに(d)植物への人工miRNAの形質転換。
【0075】
本開示の実施形態によれば、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的として抑制するためのmiRNA分子または前駆体miRNA分子をコードする転写可能なDNA配列または抑制要素を含む組換えDNA分子、コンストラクト、またはベクターが提供される。そのような転写可能なDNA配列及び抑制要素は、1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に対応する、長さが少なくとも19のヌクレオチドの配列、及び/または1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に相補的な配列を含み得るが、1つまたは複数の配列ミスマッチまたは非塩基対形成ヌクレオチドは許容され得る。
【0076】
GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)は、1つまたは複数の低分子干渉RNA(siRNA)を使用しても抑制され得る。siRNA経路では、より長い二本鎖RNA中間体(「RNA二本鎖」)が異なる位相で切断されて低分子干渉RNA(siRNA)となることが必要である。siRNAのサイズまたは長さの範囲は、約19~約25のヌクレオチドまたは塩基対であるが、一般的なクラスのsiRNAには、21塩基対または24塩基対を含むものが含まれる。したがって、転写可能なDNA配列または抑制要素は、長さが少なくとも約19~約25のヌクレオチド(またはこれを超える長さ)(少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25のヌクレオチドの長さなど)のRNA分子をコードし得る。したがって、siRNAによる抑制については、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的として抑制するためのsiRNA分子をコードする転写可能なDNA配列及び抑制要素を含む組換えDNA分子、コンストラクト、またはベクターが提供される。そのような転写可能なDNA配列及び抑制要素は、長さが少なくとも19のヌクレオチドであり、1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に対応する配列、及び/または1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に相補的な配列を有し得る。
【0077】
GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)は、1つまたは複数のトランス作用性低分子干渉RNA(ta-siRNA)を使用しても抑制され得る。ta-siRNA経路では、二本鎖RNA前駆体の産生にRNA依存性RNAポリメラーゼが必要な過程においてsiRNA一次転写物の同一位相でのプロセシングをガイドするようにmiRNAが働く。ta-siRNAは、二次構造の欠如と、二本鎖RNAの産生を開始するmiRNA標的部位と、DCL4及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(RDR6)が必要であることと、2つのヌクレオチドの3’オーバーハングを含む完全にマッチした二本鎖を有し、位相が完全に同一の約21-ntの低分子RNAが複数産生することと、によって定義される(Allen et al.(2005)Cell,121:207-221を参照のこと)。ta-siRNAのサイズまたは長さの範囲は、約20~約22のヌクレオチドまたは塩基対であるが、最も一般的には21の塩基対である。したがって、本発明の転写可能なDNA配列または抑制要素は、長さが少なくとも約20~約22のヌクレオチド(20、21、または22のヌクレオチドの長さなど)であるRNA分子をコードし得る。したがって、ta-siRNAによる抑制については、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的として抑制するためのta-siRNA分子をコードする転写可能なDNA配列または抑制要素を含む組換えDNA分子、コンストラクト、またはベクターが提供される。そのような転写可能なDNA配列及び抑制要素は、長さが少なくとも20のヌクレオチドであり、1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に対応する配列、及び/または1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に相補的な配列を有し得る。適切なta-siRNA骨格の構築方法については、例えば、米国特許第9,309,512号を参照のこと。当該文献は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0078】
本発明の実施形態によれば、植物細胞における標的mRNAに結合またはハイブリダイズする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、標的mRNA分子は、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子をコードし、転写可能なDNA配列は、構成的または組織特異的または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結される。成熟mRNA配列を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子もしくはmRNA転写物のイントロン配列を代わりに標的とするか、またはコード配列と非コード配列とがオーバーラップするGAオキシダーゼmRNA配列を代わりに標的とし得る。他の実施形態によれば、植物細胞における標的mRNAに結合またはハイブリダイズする成熟非コードRNA分子への切断またはプロセシングを受ける非コードRNA(前駆体)分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、標的mRNA分子は、GA20オキシダーゼタンパク質またはGA3オキシダーゼタンパク質をコードし、転写可能なDNA配列は、構成的または組織特異的または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結される。本開示の目的では、「非コードRNA分子」は、タンパク質をコードしないRNA分子である。非コードRNA分子の例には、限定はされないが、マイクロRNA(miRNA)、miRNA前駆体、低分子干渉RNA(siRNA)、siRNA前駆体、低分子RNA(長さ18~26nt)及びそれをコードする前駆体、ヘテロクロマチンsiRNA(hc-siRNA)、Piwi相互作用RNA(piRNA)、ヘアピン二本鎖RNA(ヘアピンdsRNA)、トランス作用性siRNA(ta-siRNA)、天然起源のアンチセンスsiRNA(nat-siRNA)、CRISPR RNA(crRNA)、トレーサーRNA(tracrRNA)、ガイドRNA(gRNA)、ならびにシングルガイドRNA(sgRNA)が含まれる。
【0079】
本開示の実施形態によれば、GA20オキシダーゼ抑制要素またはGA3オキシダーゼ抑制要素の発現に適した組織特異的または組織優先的なプロモーターには、トウモロコシ植物または穀類植物の少なくとも維管束組織及び/または葉組織(複数可)(あるいはGA3オキシダーゼの場合は他の組織もあり得る)においてそれと関連する抑制要素または抑制配列の発現を誘導または誘起するプロモーターが含まれ得る。組織特異的または組織優先的なプロモーターでのGAオキシダーゼの抑制要素またはコンストラクトの発現は、穀類植物またはトウモロコシ植物における維管束組織及び葉組織以外の他の組織でも生じ得るが、植物の発育中の生殖組織(具体的には、雌性生殖性器官または雌穂)における活性型GAのレベルは、好ましくは顕著に低下しないか、または顕著に影響を受けず(野生型植物または対照植物との比較)、その結果、雌穂に異型が生じず、産生能力が減少せずに、トランスジェニック植物において雌性器官または雌穂の発育が正常に進行し得ることが好ましい。
【0080】
当該技術分野において知られる任意の維管束プロモーターが、組織特異的または組織優先的なプロモーターとして使用され得る可能性がある。維管束プロモーターの例には、RTBVプロモーター(例えば、配列番号65を参照のこと)、既知のスクロース合成酵素遺伝子プロモーター(トウモロコシスクロース合成酵素-1(Sus1もしくはSh1)プロモーター(例えば、配列番号67を参照のこと)、トウモロコシSh1遺伝子パラログプロモーター、オオムギスクロース合成酵素プロモーター(Ss1)プロモーター、イネスクロース合成酵素-1(RSs1)プロモーター(例えば、配列番号68を参照のこと)、またはイネスクロース合成酵素-2(RSs2)プロモーター(例えば、配列番号69を参照のこと)など)、既知のスクローストランスポーター遺伝子プロモーター(イネスクローストランスポータープロモーター(SUT1)(例えば、配列番号70を参照のこと)など)、あるいはさまざまな既知のウイルスプロモーター(ツユクサ黄斑ウイルス(Commelina yellow mottle virus)(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、またはイネの黄色条斑1(YS1)様プロモーターもしくはOsYSL2プロモーター(配列番号71)など)、及び上述のプロモーターのいずれかの任意の機能性の配列部分または配列短縮物であり、同様の発現パターンを有するもの(短縮型RTBVプロモーター(例えば、配列番号66を参照のこと)など)が含まれる。
【0081】
当該技術分野において知られる任意の葉プロモーターが、組織特異的または組織優先的なプロモーターとして使用され得る可能性がある。葉プロモーターの例には、トウモロコシピルビン酸リン酸ジキナーゼプロモーターまたはPPDKプロモーター(例えば、配列番号72を参照のこと)、トウモロコシフルクトース1,6二リン酸アルドラーゼプロモーターまたはFDAプロモーター(例えば、配列番号73を参照のこと)、及びイネNadh-Gogatプロモーター(例えば、配列番号74を参照のこと)、ならびに上述のプロモーターのいずれかの任意の機能性の配列部分または配列短縮物であって、同様の発現パターンを有するものが含まれる。単子葉植物の遺伝子に由来する葉プロモーターの他の例には、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ(RuBisCO)プロモーターまたはRuBisCO小サブユニット(RBCS)プロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、及びMyb遺伝子プロモーター、ならびにこれらのプロモーターのいずれかの任意の機能性の配列部分または配列短縮物であって、同様の発現パターンを有するものが含まれる。
【0082】
当該技術分野において知られる任意の他の維管束プロモーター及び/または葉プロモーターも使用され得、こうしたプロモーターには、同一または異なる植物種またはウイルスに由来する関連遺伝子に由来し、同様の発現パターンを有するプロモーター配列(例えば、スクロース合成酵素プロモーター配列、スクローストランスポータープロモーター配列、及びウイルス遺伝子プロモーター配列)が含まれる。上述のもののいずれかに対して高度の相同性を有するプロモーター配列がさらに提供される。例えば、維管束プロモーターは、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、及び配列番号71のうちの1つもしくは複数、その任意の機能性の配列部分もしくは配列短縮物、及び/または上述の配列のいずれかに相補的な任意の配列に対して少なくとも少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含み得る。葉プロモーターは、例えば、配列番号72、配列番号73、及び配列番号74のうちの1つもしくは複数、その任意の機能性の配列部分もしくは配列短縮物、及び/または上述の配列のいずれかに相補的な任意の配列に対して少なくとも少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含み得る。構成的プロモーターは、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、及び配列番号83のうちの1つもしくは複数、その任意の機能性の配列部分もしくは配列短縮物、及び/または上述の配列のいずれかに相補的な任意の配列に対して少なくとも少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含み得る。維管束プロモーター及び/または葉プロモーターの例には、他の既知のプロモーター配列、操作されたプロモーター配列、及び/または今後同定されるプロモーター配列であって、穀類植物またはトウモロコシ植物の維管束組織及び/または葉組織(複数可)に発現パターンを有することが示されているプロモーター配列がさらに含まれ得る。さらに、GA20オキシダーゼ抑制要素またはGA3オキシダーゼ抑制要素を発現させるために、任意の既知または今後同定される構成的プロモーターも使用され得る。構成的プロモーターの一般的な例は、以下に示される。
【0083】
当該技術分野において理解されていることであるが、「プロモーター」という用語は、一般に、RNAポリメラーゼ結合部位、転写開始部位、及び/またはTATAボックスを含み、関連する転写可能なポリヌクレオチド配列及び/または遺伝子(もしくは導入遺伝子)の転写及び発現を支援または促進するDNA配列を指し得る。プロモーターは、合成もしくは人工のもの、及び/または既知もしくは天然起源のプロモーター配列から操作されたもの、改変されたもの、もしくはそれに由来するものであり得る。プロモーターは、2つ以上の異種配列の組み合わせを含むキメラプロモーターであり得る。したがって、本発明のプロモーターには、既知または本明細書で提供される他のプロモーター配列(複数可)と組成は同様であるが同一ではない、プロモーター配列の変異が含まれ得る。プロモーターは、そのプロモーターに機能可能なように連結された関連するコード配列もしくは転写可能な配列または遺伝子(導入遺伝子を含む)の発現パターンに関してさまざまな基準に従って分類され得る(構成的、発育的、組織特異的、誘導性など)。植物のすべてまたはほぼすべての組織において発現を誘導するプロモーターは、「構成的」プロモーターと称される。しかしながら、「構成的プロモーター」での発現レベルは、異なる組織型及び細胞を通じて必ずしも均一というわけではない。発育のある特定の期間または段階の間に発現を誘導するプロモーターは、「発育的」プロモーターと称される。他の植物組織と比較して植物のある特定の組織において発現増進を誘導するプロモーターは、「組織増進」プロモーターまたは「組織優先」プロモーターと称される。したがって、「組織優先」プロモーターは、植物の特定の組織(複数可)において相対的に上昇した発現または優先的な発現または優勢な発現を誘起するが、植物の他の組織(複数可)において誘起する発現レベルは低い。植物の特定の組織組織(複数可)内で発現が生じ、他の植物組織での発現がほとんど生じないか、または全く生じないプロモーターは、「組織特異的」プロモーターと称される。組織特異的または組織優先的なプロモーターは、それと関連する転写可能なDNA配列または抑制要素の発現をそれが誘導する特定組織または優先組織(複数可)に関しても定義され得る。例えば、維管束組織に特異的な発現を誘起するプロモーターは、「維管束特異的プロモーター」と称され得る一方で、維管束組織に優先的または優勢な発現を誘起するプロモーターは、「維管束優先的プロモーター」と称され得る。同様に、葉組織に特異的な発現を誘起するプロモーターは、「葉特異的プロモーター」と称され得る一方で、葉組織に優先的または優勢な発現を誘起するプロモーターは、「葉優先的プロモーター」と称され得る。「誘導性」プロモーターは、環境刺激に応じて転写を開始するプロモーターであり、こうした環境刺激は、低温、乾燥、もしくは光、または他の刺激(損傷もしくは化学物質適用など)などである。プロモーターは、その起源に関しても分類され得るものであり、異種、同種、キメラ、合成のものなどとして分類される。「異種」プロモーターは、上に定義されるように、それと関連する転写可能な配列、コード配列、もしくは遺伝子(もしくは導入遺伝子)と比較して異なる起源を有し、及び/または形質転換されるべき植物種では天然に生じないプロモーター配列である。
【0084】
穀類植物のGAオキシダーゼのいくつかは、関連するGAオキシダーゼ遺伝子のファミリーから構成される。例えば、トウモロコシは、GA20オキシダーゼ_1、GA20オキシダーゼ_2、GA20オキシダーゼ_3、GA20オキシダーゼ_4、GA20オキシダーゼ_5、GA20オキシダーゼ_6、GA20オキシダーゼ_7、GA20オキシダーゼ_8、及びGA20オキシダーゼ_9を含む、少なくとも9つのGA20オキシダーゼ遺伝子のファミリーを有する。しかしながら、トウモロコシに存在するGA3オキシダーゼは、GA3オキシダーゼ_1及びGA3オキシダーゼ_2という2つのみである。これらのGA20オキシダーゼ遺伝子のそれぞれのDNA配列及びタンパク質配列は、配列番号によって表1に示され、これらのGA3オキシダーゼ遺伝子のそれぞれのDNA配列及びタンパク質配列は、配列番号によって表2に示される。
表1.配列識別子によって示される、トウモロコシのGA20オキシダーゼ遺伝子のDNA配列及びタンパク質配列.
【表1】
表2.配列識別子によって示される、トウモロコシのGA3オキシダーゼ遺伝子のDNA配列及びタンパク質配列.
【表2】
【0085】
GA20オキシダーゼ_3のゲノムDNA配列は、配列番号34で示され、GA20オキシダーゼ_5のゲノムDNA配列は、配列番号35で示される。GA20オキシダーゼ_3遺伝子については、配列番号34は、GA20オキシダーゼ_3の5’-UTRの上流に位置する3000のヌクレオチドを示し、ヌクレオチド3001~3096は、5’-UTRに対応し、ヌクレオチド3097~3665は、第1のエクソンに対応し、ヌクレオチド3666~3775は、第1のイントロンに対応し、ヌクレオチド3776~4097は、第2のエクソンに対応し、ヌクレオチド4098~5314は、第2のイントロンに対応し、ヌクレオチド5315~5584は、第3のエクソンに対応し、ヌクレオチド5585~5800は、3’-UTRに対応する。配列番号34は、3’-UTRの末端の下流に位置する3000のヌクレオチド(ヌクレオチド5801~8800)も示す。GA20オキシダーゼ_5遺伝子については、配列番号35は、GA20オキシダーゼ_5の開始コドンの上流に位置する3000のヌクレオチド(ヌクレオチド1~3000)を示し、ヌクレオチド3001~3791は、第1のエクソンに対応し、ヌクレオチド3792~3906は、第1のイントロンに対応し、ヌクレオチド3907~4475は、第2のエクソンに対応し、ヌクレオチド4476~5197は、第2のイントロンに対応し、ヌクレオチド5198~5473は、第3のエクソンに対応し、ヌクレオチド5474~5859は、3’-UTRに対応する。配列番号35は、3’-UTRの末端の下流に位置する3000のヌクレオチド(ヌクレオチド5860~8859)も示す。
【0086】
GA3オキシダーゼ_1のゲノムDNA配列は、配列番号36で示され、GA3オキシダーゼ_2のゲノムDNA配列は、配列番号37で示される。GA3オキシダーゼ_1遺伝子については、配列番号36のヌクレオチド1~29は、5’-UTRに対応し、配列番号36のヌクレオチド30~514は、第1のエクソンに対応し、配列番号36のヌクレオチド515~879は、第1のイントロンに対応し、配列番号36のヌクレオチド880~1038は、第2のエクソンに対応し、配列番号36のヌクレオチド1039~1158は、第2のイントロンに対応し、配列番号36のヌクレオチド1159~1663は、第3のエクソンに対応し、配列番号36のヌクレオチド1664~1788は、3’-UTRに対応する。GA3オキシダーゼ_2遺伝子については、配列番号37のヌクレオチド1~38は、5-UTRに対応し、配列番号37のヌクレオチド39~532は、第1のエクソンに対応し、配列番号37のヌクレオチド533~692は、第1のイントロンに対応し、配列番号37のヌクレオチド693~851は、第2のエクソンに対応し、配列番号37のヌクレオチド852~982は、第2のイントロンに対応し、配列番号37のヌクレオチド983~1445は、第3のエクソンに対応し、配列番号37のヌクレオチド1446~1698は、3’-UTRに対応する。
【0087】
GA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)、あるいはGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を抑制標的とすることで表現型の知見が得られることに加えて、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制することでも半矮性表現型が観測される。GA20オキシダーゼ_4のゲノムDNA配列は、配列番号38で提供される。GAオキシダーゼ_4遺伝子については、配列番号38は、5’-UTRの上流に位置するヌクレオチド1~1416を示し、配列番号38のヌクレオチド1417~1543は、5’-UTRに対応し、配列番号38のヌクレオチド1544~1995は、第1のエクソンに対応し、配列番号38のヌクレオチド1996~2083は、第1のイントロンに対応し、配列番号38のヌクレオチド2084~2411は、第2のエクソンに対応し、配列番号38のヌクレオチド2412~2516は、第2のイントロンに対応し、配列番号38のヌクレオチド2517~2852は、第3のエクソンに対応し、配列番号38のヌクレオチド2853~3066は、3’-UTRに対応し、配列番号38のヌクレオチド3067~4465は、3’-UTRの下流に位置するゲノム配列に対応する。
【0088】
本開示の実施形態によれば、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、非コードRNA分子は、(i)内在性のGAオキシダーゼ遺伝子から発現し、及び/または(ii)植物の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結され、植物は、穀類植物またはトウモロコシ植物である。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ遺伝子(複数可)(GA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)など)を抑制標的とし、配列番号7、配列番号8、配列番号13、及び配列番号14のうちの1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号9及び配列番号15のうちの1つのまたは両方に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号9及び配列番号15のうちの1つまたは両方に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。成熟mRNA配列(非翻訳配列またはエクソン配列のいずれかまたは両方を含む)を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼの遺伝子または転写物のイントロン配列をさらに標的とし得る。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制標的とし、配列番号28、配列番号29、配列番号31、及び配列番号32のうちの1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。他の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号30及び配列番号33のうちの1つまたは両方に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号30及び配列番号33のうちの1つまたは両方に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。成熟mRNA配列(非翻訳配列またはエクソン配列のいずれかまたは両方を含む)を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼの遺伝子または転写物のイントロン配列をさらに標的とし得る。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とし、配列番号10及び配列番号11のうちの1つまたは両方の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。他の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号12の1つまたは両方に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。成熟mRNA配列(非翻訳配列またはエクソン配列のいずれかまたは両方を含む)を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼの遺伝子または転写物のイントロン配列をさらに標的とし得る。
【0092】
多くの実施形態によれば、組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトの転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を標的とする成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAであり得る。
【0093】
本発明の実施形態によれば、GAオキシダーゼファミリー内の限定されたサブセットの遺伝子のみを抑制標的とすることによって穀類植物またはトウモロコシ植物の柄または茎におけるGAレベルが低減され得る。理論に拘束されるものではないが、GAオキシダーゼファミリー内の限定された数の遺伝子を抑制標的とすることで、トランスジェニック植物において低草高表現型及び耐倒伏性が生じるが、植物の生殖性組織または雌穂組織に異型が生じず、このことが、GAオキシダーゼ遺伝子間で発現に差異が存在すること、そうした生殖組織において抑制されるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)が他のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)によって十分に補われること、及び/または標的となるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の抑制が不完全であること、に起因し得ることが提唱される。したがって、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現または抑制を組織特異的または組織優先的なプロモーターで限定することのみによって異型が回避され得るのではなく、限定されたサブセットのGAオキシダーゼ遺伝子(例えば、限定された数のGA20オキシダーゼ遺伝子)が抑制標的となり得、その結果、同一の遺伝子ファミリー内の他のGAオキシダーゼ遺伝子(例えば、他のGA20オキシダーゼ遺伝子)が、そうした組織において抑制されるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現の減少を補い得ることが提唱される。標的となるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の抑制が不完全であることでも、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現のレベルが1つまたは複数の組織において十分となり、その結果、作物収量に負の影響を与えると想定される植物の異型または望ましくない形質(生殖異型または草高の過度の低下など)が回避され得る。遺伝子の機能が完全に消失する変異とは異なり、抑制では、標的となる遺伝子の部分的な活性を持続させることが可能となり得る。異なるGA20オキシダーゼ遺伝子は、植物において異なる発現パターンを有するため、限定されたサブセットのGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とすることで、穀類植物においてGA変異体と以前は関連した異型が生じることを回避しつつ、ある特定の形質を改変することが可能となり得る。換言すれば、トウモロコシ及び他の穀類においてGA変異体と以前は関連した生育、発育、及び生殖の形質または異型は、限定された数またはサブセット(すなわち、1つまたは複数であるがすべてではない)のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子のみを標的とし、及び/または標的となるGAオキシダーゼ遺伝子を不完全に抑制することによって関連を断ち得るものである。植物内での抑制のために1つまたは複数の内在性のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子のサブセットをトランスジェニック的に標的とすることによって、より広い発現パターン(例えば、構成的プロモーターを用いるもの)を使用することができ、その結果、トランスジェニックコンストラクトが生殖組織(複数可)において発現する場合でさえ、顕著な生殖異型及び/または他の望ましくない形質が植物に生じることなく、半矮性植物が作出される。実際、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(上の表1に示される)を選択的に抑制標的とする抑制要素及びコンストラクトが本明細書で提供され、こうした抑制要素及びコンストラクトは、維管束プロモーター、葉プロモーター、及び/または構成的プロモーターに機能可能なように連結され得る。
【0094】
限定されたサブセットのGA20オキシダーゼ遺伝子(GA20オキシダーゼ_3、GA20オキシダーゼ_4、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)など)のみを標的とする抑制コンストラクト、あるいはGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を標的とする抑制コンストラクトでは、抑制要素の発現パターンを制限することは、穀類植物またはトウモロコシ植物の正常な生殖発生を獲得し、雌性器官または雌穂において異型を回避する上であまり重要性ではなく、このことは、他のGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子からの補償などが生じることに起因し得るものである。したがって、例えば、トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)、あるいは他の穀類植物の同様の遺伝子及び相同体を選択的または優先的に標的とする抑制コンストラクト及び抑制要素の発現は、さまざまな異なる植物発現性プロモーター型によって誘導され得るものであり、こうしたプロモーター型には、構成的プロモーター及び組織特異的または組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターまたは葉プロモーターなど)(例えば、上に紹介されるRTBVプロモーター(例えば、RTBV配列(配列番号65)または短縮型RTBV配列(配列番号66)を含むプロモーター)を含み得る)、ならびに植物の維管束組織及び/または葉組織(複数可)のほとんどまたはすべてを含む組織での発現を誘導する任意の他のプロモーターが含まれる。トウモロコシのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子のサブセット、具体的には、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)、あるいは他の穀類植物の同様の遺伝子及び相同体を標的とする抑制コンストラクトを発現させるために、十分に高いレベルの発現を伴う任意の既知または今後同定される構成的プロモーターも使用され得る。
【0095】
単子葉植物(穀類植物またはトウモロコシ植物など)において使用され得る構成的プロモーターの例には、例えば、さまざまなアクチン遺伝子プロモーター(イネアクチン1プロモーター(例えば、米国特許第5,641,876号を参照のこと。配列番号75または配列番号76も併せて参照のこと)及びイネアクチン2プロモーター(例えば、米国特許第6,429,357号を参照のこと。例えば、配列番号77または配列番号78も併せて参照のこと)など)、CaMV35SプロモーターまたはCaMV19Sプロモーター(例えば、米国特許第5,352,605号を参照のこと。例えば、CaMV35Sについては配列番号79も併せて参照のこと)、トウモロコシユビキチンプロモーター(例えば、米国特許第5,510,474号を参照のこと)、Coix lacryma-jobiポリユビキチンプロモーター(例えば、配列番号80を参照のこと)、イネまたはトウモロコシGos2プロモーター(例えば、Pater et al.,The Plant Journal,2(6):837-44 1992を参照のこと。例えば、イネGos2プロモーターについては配列番号81も併せて参照のこと)、FMV35Sプロモーター(例えば、米国特許第6,372,211号を参照のこと)、二重増進CMVプロモーター(例えば、米国特許第5,322,938号を参照のこと)、MMVプロモーター(例えば、米国特許第6,420,547号を参照のこと。例えば、配列番号82も併せて参照のこと)、PCLSVプロモーター(例えば、米国特許第5,850,019号を参照のこと。例えば、配列番号83も併せて参照のこと)、Emuプロモーター(例えば、Last et al.,Theor.Appl.Genet.81:581(1991)、及びMcelroy et al.,Mol.Gen.Genet.231:150(1991)を参照のこと)、トウモロコシ、イネ、または他の種に由来するチューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素(nos)プロモーター、オクトピン合成酵素(ocs)プロモーター、マンノピン合成酵素(mas)プロモーター、または植物のアルコール脱水素酵素(例えば、トウモロコシAdh1)プロモーター、穀類植物またはトウモロコシ植物において構成的な発現を生じさせるための、当該技術分野において既知または今後同定される任意の他のプロモーター(ウイルスプロモーターを含む)、単子葉植物または穀類植物において使用され得る、当該技術分野において知られる任意の他の構成的プロモーター、ならびに上述のプロモーターのいずれかの任意の機能性の配列部分または配列短縮物が含まれる。
【0096】
倒伏に抵抗する低草高の半矮性表現型を作出するためには、GAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列が十分なレベルで発現することが必要となり得、この理由は、発現レベルが低下すると、顕著な表現型の誘起に十分な度合まで植物における活性型GAのレベルを低下させるには不十分なものとなり得るためである。したがって、それと関連する転写可能なDNA配列を植物の活性型GA産生組織(複数可)において中程度または強度の発現レベルで誘導などする組織特異的プロモーター及び組織優先プロモーターが好ましくあり得る。さらに、そのような組織特異的及び組織優先的なものは、植物が生育及び/または伸長する植物発育の1つまたは複数の栄養生長段階(複数可)の間に、それと関連する転写可能なDNA配列の発現を誘導などすることになり、こうした栄養生長段階(複数可)には、下記の栄養生長段階(複数可)のうちの1つまたは複数が含まれ:VE、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、V14、Vn、VT、こうした栄養生長段階(複数可)での発現は、少なくともV3~V12の間、少なくともV4~V12の間、少なくともV5~V12の間、少なくともV6~V12の間、少なくともV7~V12の間、少なくともV8~V12の間、少なくともV3~V14の間、少なくともV5~V14の間、少なくともV6~V14の間、少なくともV7~V14の間、少なくともV8~V14の間、少なくともV9~V14の間、少なくともV10~V14の間などに生じる発現であるか、あるいは植物の生育及び/または伸長が生じる栄養生長段階の任意の他の範囲の間に生じる発現などである。
【0097】
多くの実施形態によれば、植物発現性プロモーターは、構成的に発現を誘導するか、あるいは植物の維管束組織及び/または葉組織の少なくとも1つの部分において発現を誘導するものが好ましくあり得る。植物におけるその特定の発現パターン及び発現強度に応じて異なる度合まで草高を低減し、耐倒伏性を増加させる上では、トウモロコシの内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)、あるいは他の穀類植物の同様の遺伝子及び相同体を標的とする抑制要素の発現を誘導する異なるプロモーターが有効であり得る。しかしながら、植物においてGA20オキシダーゼ抑制要素またはGA3オキシダーゼ抑制要素の発現を誘導する組織特異的プロモーター及び組織優先プロモーターのいくつかからは、顕著な低草高表現型または抗倒伏表現型が生じず、このことは、植物発育の間のプロモーターによる空間的-時間的な発現パターン、及び/またはプロモーターによる発現量もしくは発現強度が低すぎるか、もしくは弱すぎることに起因し得るものである。さらに、いくつかの抑制コンストラクトは、植物で発現するときに、標的となるGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現を低減のみし、除去はし得ないものであり、したがって、所与のプロモーターでの発現パターン及び発現強度によっては、そのようなプロモーターでのGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトまたはGA3オキシダーゼ抑制コンストラクトの発現パターン及び発現レベルは、植物において観測可能な草高及び耐倒伏性の表現型を作出する上では不十分であり得る。
【0098】
本発明の実施形態によれば、植物において1つまたは複数の内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制するための組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、こうした組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトは、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、非コードRNA分子は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子から発現し、植物の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結され、植物は、穀類植物またはトウモロコシ植物である。上記のように、成熟mRNA配列を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼの遺伝子または転写物のイントロン配列(複数可)をさらに標的とし得る。多くの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を抑制標的とし、配列番号7または配列番号8の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。いくつかの実施形態によれば、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号7または配列番号8の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とし、配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0099】
上述のように、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子のエクソンの5’UTRまたは3’UTRの代わりに、またはそれに加えて、GAオキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号34、及び/または配列番号34のヌクレオチド3666~3775もしくはヌクレオチド4098~5314の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。GA20オキシダーゼ_3遺伝子について本明細書で提供される配列は、遺伝子多型、及び/または遺伝子の異なる対立遺伝子の存在に起因する、トウモロコシ植物、トウモロコシ系統、及びトウモロコシ生殖質の多様性によって異なり得ることに留意することが重要である。さらに、GA20オキシダーゼ_3遺伝子は、抑制コンストラクト及び非コードRNA分子の設計に影響を与え得る異なるmRNA、cDNA、及びコード配列が生じ得る選択的スプライシングを受けたアイソフォームとして発現し得る。したがって、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号34の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含むものとして、より広く定義され得る。
【0100】
本開示の実施形態によれば、植物において内在性のGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制するための組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、こうした組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトは、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、GA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号13または配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態によれば、GA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号13または配列番号14の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とし、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0101】
上述のように、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子の成熟mRNAのエクソン領域または非翻訳領域の代わりに、またはそれに加えて、GAオキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、GA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号35、及び/または配列番号35のヌクレオチド3792~3906もしくはヌクレオチド4476~5197の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。GA20オキシダーゼ_5について本明細書で提供される配列は、遺伝子多型、及び/または遺伝子の異なる対立遺伝子の存在に起因する、トウモロコシ植物、トウモロコシ系統、及びトウモロコシ生殖質の多様性によって異なり得るものである。さらに、GA20オキシダーゼ_5遺伝子は、抑制コンストラクト及び非コードRNA分子の設計に影響を与え得る異なるmRNA、cDNA、及びコード配列が生じ得る選択的スプライシングを受けたアイソフォームとして発現し得る。したがって、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号35の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含むものとして、より広く定義され得る。
【0102】
別の実施形態によれば、植物において内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に抑制するための組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、こうした組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトは、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子が含む配列は、(i)配列番号7及び/または配列番号8の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し、(ii)配列番号13及び/または配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。こうした実施形態のいくつかによれば、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に抑制標的とする非コードRNA分子は、(i)配列番号7(及び/または配列番号8)ならびに(ii)配列番号13(及び/または配列番号14)の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。多くの実施形態によれば、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に抑制標的とする非コードRNA分子が含む配列は、(i)配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し、(ii)配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。上述のように、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、非コードRNA分子は、上に示されるGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)のうちの1つまたは両方のイントロン配列(複数可)を標的とし得る。
【0103】
特定の実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、(i)配列番号39、配列番号41、配列番号43、もしくは配列番号45に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する配列、及び/または(ii)配列番号40、配列番号42、配列番号44もしくは配列番号46に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する配列を含む非コードRNA分子をコードする配列もしくは抑制要素を含む。いくつかの実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、標的となるGA20オキシダーゼ遺伝子のmRNAの標的部位または認識部位の配列に対して1つまたは複数のミスマッチ(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを超える数の相補ミスマッチなど)を有する配列(配列番号40にほぼ相補的であるが、配列番号40に対して1つまたは複数の相補ミスマッチを有する配列など)を含み得る。特定の実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、配列番号40に対して100%の同一性を有する配列を含み、この配列は、GA20オキシダーゼ_3のcDNA及びコード配列(すなわち、それぞれ配列番号7及び配列番号8)内の標的配列に対して、及び/または内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子がコードするmRNAの対応する配列に対して、100%の相補性を有する。しかしながら、配列番号40、配列番号42、配列番号44、または配列番号46に対して100%の同一性を有する、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子の配列は、GA20オキシダーゼ_5遺伝子のcDNA及びコード配列(すなわち、それぞれ配列番号13及び配列番号14)内の標的配列に対して、及び/または内在性のGA20オキシダーゼ_5遺伝子がコードするmRNAの対応する配列に対して、完全に相補的ではあり得ない。例えば、配列番号40の非コードRNA分子またはmiRNA配列と、GA20オキシダーゼ_5遺伝子のcDNA及びコード配列と、の間の最密な相補マッチは、配列番号39の第1位のミスマッチを1つ含み得る(すなわち、配列番号39の第1位の「C」が「G」と交換されている(すなわち、
【化1】
)。しかしながら、配列番号40の非コードRNA分子またはmiRNA配列は、この僅かなミスマッチが存在するにもかかわらず、内在性のGA20オキシダーゼ_5遺伝子がコードするmRNAに依然として結合及びハイブリダイズし得る。
【0104】
本開示の実施形態によれば、植物において1つまたは複数の内在性のGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制するための組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、こうした組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトは、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、非コードRNA分子は、内在性のGA3オキシダーゼ遺伝子から発現し、植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも1つのセグメントまたは部分に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結され、植物は、穀類植物またはトウモロコシ植物である。成熟mRNA配列を標的とすることに加えて、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼの遺伝子または転写物のイントロン配列をさらに標的とし得る。
【0105】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼ_1遺伝子を抑制標的とし、配列番号28または配列番号29の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。いくつかの実施形態によれば、GA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号28または配列番号29の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、GA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号30に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号30に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0106】
上述のように、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ遺伝子のエクソンの5’UTRまたは3’UTRの代わりに、またはそれに加えて、GA3オキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、GA3オキシダーゼ_1遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号36、及び/または配列番号36のヌクレオチド515~879もしくはヌクレオチド1039~1158の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。GA3オキシダーゼ_1について本明細書で提供される配列は、遺伝子多型、及び/または遺伝子の異なる対立遺伝子の存在に起因する、トウモロコシ植物、トウモロコシ系統、及びトウモロコシ生殖質の多様性によって異なり得るものである。さらに、GA3オキシダーゼ_1遺伝子は、抑制コンストラクト及び非コードRNA分子の設計に影響を与え得る異なるmRNA、cDNA、及びコード配列が生じ得る選択的スプライシングを受けたアイソフォームとして発現し得る。したがって、GA3オキシダーゼ_1遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号36の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含むものとして、より広く定義され得る。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼ_2遺伝子を抑制標的とし、配列番号31または配列番号32の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。いくつかの実施形態によれば、GA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号31または配列番号32の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、GA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0108】
上述のように、非コードRNA分子は、GA3オキシダーゼ遺伝子のエクソンの5’UTRまたは3’UTRの代わりに、またはそれに加えて、GA3オキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、GA3オキシダーゼ_2遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号37、及び/または配列番号37のヌクレオチド533~692もしくはヌクレオチド852~982の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。GA3オキシダーゼ_2について本明細書で提供される配列は、遺伝子多型、及び/または遺伝子の異なる対立遺伝子の存在に起因する、トウモロコシ植物、トウモロコシ系統、及びトウモロコシ生殖質の多様性によって異なり得るものである。さらに、GA3オキシダーゼ_2遺伝子は、抑制コンストラクト及び非コードRNA分子の設計に影響を与え得る異なるmRNA、cDNA、及びコード配列が生じ得る選択的スプライシングを受けたアイソフォームとして発現し得る。したがって、GA3オキシダーゼ_2遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号37の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含むものとして、より広く定義され得る。
【0109】
特定の実施形態によれば、GA3オキシダーゼ遺伝子を標的とするための転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、(i)配列番号57もしくは配列番号59に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する配列、及び/または(ii)配列番号58もしくは配列番号60に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する配列を含む非コードRNA分子をコードする配列もしくは抑制要素を含む。いくつかの実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、標的となるGA3オキシダーゼ遺伝子のmRNAの標的部位または認識部位の配列に対して1つまたは複数のミスマッチ(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを超える数の相補ミスマッチなど)を有する配列(配列番号57または配列番号59にほぼ相補的であるが、配列番号57または配列番号59に対して1つまたは複数の相補ミスマッチを有する配列など)を含み得る。特定の実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、配列番号58または配列番号60に対して100%の同一性を有する配列を含み、この配列は、トウモロコシのGA3オキシダーゼ_1遺伝子もしくはGA3オキシダーゼ_2遺伝子のcDNA及びコード配列(すなわち、配列番号28、配列番号29、配列番号31、及び/または配列番号32)内の標的配列に対して、及び/または内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子もしくはGA3オキシダーゼ_2遺伝子がコードするmRNAの対応する配列に対して、100%の相補性を有する。
【0110】
いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とし、配列番号10または配列番号11の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。いくつかの実施形態によれば、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号10または配列番号11の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、GA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む。別の実施形態によれば、非コードRNA分子は、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0111】
上述のように、非コードRNA分子は、GA20オキシダーゼ遺伝子のエクソンの5’UTRまたは3’UTRの代わりに、またはそれに加えて、GA20オキシダーゼ遺伝子のイントロン配列を標的とし得る。したがって、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号38、及び/または配列番号38のヌクレオチド1996~2083もしくはヌクレオチド2412~2516の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。GA20オキシダーゼ_4について本明細書で提供される配列は、遺伝子多型、及び/または遺伝子の異なる対立遺伝子の存在に起因する、トウモロコシ植物、トウモロコシ系統、及びトウモロコシ生殖質の多様性によって異なり得るものである。さらに、GA20オキシダーゼ_4遺伝子は、抑制コンストラクト及び非コードRNA分子の設計に影響を与え得る異なるmRNA、cDNA、及びコード配列が生じ得る選択的スプライシングを受けたアイソフォームとして発現し得る。したがって、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子は、配列番号38の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含むものとして、より広く定義され得る。
【0112】
特定の実施形態によれば、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を標的とするための転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、(i)配列番号61に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する配列、及び/または(ii)配列番号62に対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する配列を含む非コードRNA分子をコードする配列もしくは抑制要素を含む。いくつかの実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、標的となるGA20オキシダーゼ遺伝子のmRNAの標的部位または認識部位の配列に対して1つまたは複数のミスマッチ(1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを超える数の相補ミスマッチなど)を有する配列(配列番号61にほぼ相補的であるが、配列番号61に対して1つまたは複数の相補ミスマッチを有する配列など)を含み得る。特定の実施形態によれば、転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、配列番号62に対して100%の同一性を有する配列を含み、この配列は、トウモロコシのGA20オキシダーゼ_4遺伝子のcDNA及びコード配列(すなわち、配列番号10もしくは配列番号11)内の標的配列に対して、及び/または内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子がコードするmRNAの対応する配列に対して、100%の相補性を有する。
【0113】
本開示の実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトが提供され、転写可能なDNA配列は、構成的、組織特異的、または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結され、転写可能なDNA配列は、その転写可能なDNA配列で形質転換された植物の1つまたは複数の組織(複数可)において内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)の発現レベルを低減または低下させる。転写可能なDNA配列がコードするそのような非コードRNA分子が含み得る配列は、(i)配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する。
【0114】
本開示の実施形態によれば、内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトが提供され、転写可能なDNA配列は、構成的、組織特異的、または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結され、転写可能なDNA配列は、その転写可能なDNA配列で形質転換された植物の1つまたは複数の組織(複数可)において内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)の発現レベルを低減または低下させる。転写可能なDNA配列がコードするそのような非コードRNA分子が含み得る配列は、(i)配列番号30に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の同一性を有する植物の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、もしくは少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、もしくは100%の相補性を有する。
【0115】
本開示の実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトが提供され、転写可能なDNA配列は、構成的、組織特異的、または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結され、転写可能なDNA配列は、その転写可能なDNA配列で形質転換された植物の1つまたは複数の組織(複数可)において内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子の発現レベルを低減または低下させる。転写可能なDNA配列がコードするそのような非コードRNA分子は、(i)配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0116】
多くの実施形態によれば、本明細書で提供されるように、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/または標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)における内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)の発現レベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%除去、低減、または低下する。多くの実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/またはその発現レベル及び/または活性レベルが低減または除去されるように標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の茎組織、節間組織、維管束組織、及び/または葉組織(複数可)、あるいは1つまたは複数の茎組織及び/または節間組織(複数可)など)における1つまたは複数の活性型GA(GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7など)のレベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低減または低下する。
【0117】
多くの実施形態によれば、本明細書で提供されるように、内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/または標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子もしくはGA3オキシダーゼ_2遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)における内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)の発現レベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%除去、低減、または低下する。多くの実施形態によれば、内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/またはその発現レベル及び/または活性レベルが低減または除去されるように標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の茎組織、節間組織、維管束組織、及び/または葉組織(複数可)、あるいは1つまたは複数の茎組織及び/または節間組織(複数可)など)における1つまたは複数の活性型GA(GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7など)のレベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低減または低下する。
【0118】
多くの実施形態によれば、本明細書で提供されるように、内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/または標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)における内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子(複数可)の発現レベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%除去、低減、または低下する。多くの実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/またはその発現レベル及び/または活性レベルが低減または除去されるように標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA20オキシダーゼ_4遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の茎組織、節間組織、維管束組織、及び/または葉組織(複数可)、あるいは1つまたは複数の茎組織及び/または節間組織(複数可)など)における1つまたは複数の活性型GA(GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7など)のレベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低減または低下する。
【0119】
多くの実施形態によれば、本明細書で提供されるように、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトで形質転換され、及び/またはその発現レベル及び/または活性レベルが低下もしくは除去されるように標的ゲノム編集手法を介して編集された内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、もしくはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を有する改変された植物またはトランスジェニック植物が提供され、転写可能なDNA配列は、構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーター(維管束プロモーターもしくは葉プロモーターなど)に機能可能なように連結され、改変された植物またはトランスジェニック植物は、下記の形質のうちの1つまたは複数を有する:草高(plant height)もしくは草高(stature)の半矮性化もしくは低下、茎節間長の短縮、耐倒伏性の増加、及び/または茎直径もしくは柄直径の増加。そのような改変された植物またはトランスジェニック植物は、顕著な生殖異型を全く有し得ない。改変された植物またはトランスジェニック植物は、下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有し得る:茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の増加、水利用効率の増加、通常条件下及び/または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、穀粒数の増加、穀粒重量の増加、収量の増加、及び/または収穫指数の増加。こうした実施形態の多くによれば、改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)における内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)、あるいは内在性のGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子(複数可)の発現レベル及び/または活性レベルは、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%除去、低減、または低下し得、及び/または改変された植物またはトランスジェニック植物の1つまたは複数の植物組織(複数可)(1つまたは複数の茎組織、節間組織、維管束組織、及び/または葉組織(複数可)、あるいは1つまたは複数の茎組織及び/または節間組織(複数可)など)における1つまたは複数の活性型GA(GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7など)のレベルは、野生型植物または対照植物と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低減または低下する。
【0120】
上記のパラグラフに記載の実施形態の多くによれば、組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトの転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子は、植物細胞において後にプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成し得る前駆体miRNAまたは前駆体siRNAであり得る。
【0121】
本開示の組換えDNA分子、コンストラクト、またはベクターは、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み得、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーター(構成的プロモーター、あるいは維管束プロモーター及び/または葉プロモーターなど)に機能可能なように連結される。本開示の目的では、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする転写可能なDNA配列がコードする非コードRNA分子には、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする成熟非コードRNA分子、及び/または内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする成熟非コードRNA分子(miRNAもしくはsiRNAなど)へと変換されるプロセシングを植物細胞において受け得る前駆体RNA分子が含まれる。それと関連するプロモーターに加えて、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制するための非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列は、1つまたは複数の追加の制御要素(複数可)にも機能可能なように連結され得るものであり、こうした追加の制御要素(複数可)は、植物細胞における転写可能なDNA配列の発現の強化、制御、または実現に適切、必要、または好ましいエンハンサー(複数可)、リーダー、転写開始部位(TSS)、リンカー、5’非翻訳領域(複数可)(UTR)及び3’非翻訳領域(複数可)(UTR)、イントロン(複数可)、ポリアデニル化シグナル、終結領域または終結配列などである。そのような追加の制御要素(複数可)は、任意選択であり、及び/または導入遺伝子もしくは転写可能なDNA配列の発現の増進もしくは最適化に使用され得る。本明細書で提供される「エンハンサー」は、エンハンサーが転写開始部位、TATAボックス、または同等の配列を典型的には含まず、したがって、転写を誘導する上で単独では不十分であるという点において「プロモーター」とは区別され得る。本明細書で使用される「リーダー」は、転写開始部位(TSS)と、転写可能なDNA配列の5’末端または導入遺伝子のタンパク質コード配列開始部位と、の間に位置する遺伝子(または導入遺伝子)の5’-UTRのDNA配列として一般に定義され得る。
【0122】
別の実施形態によれば、トランスジェニック植物を作出するために、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結された転写可能なDNA配列または導入遺伝子を含む組換えDNA分子またはコンストラクトで植物細胞、組織、または外植体を形質転換するための方法が提供される。転写可能なDNA配列は、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制標的とする非コードRNA分子をコードするか、または1つもしくは複数のGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制標的とする成熟RNA分子(miRNAもしくはsiRNAなど)へと変換されるプロセシングを受けるRNA前駆体をコードし得る。植物細胞における染色体またはプラスチドを組換えDNA分子またはコンストラクトで形質転換するための方法は、当該技術分野において多く知られており、こうした方法は、トランスジェニック植物細胞及びトランスジェニック植物を作出するために本発明の方法の実施形態に従って使用され得る。当該技術分野において知られる、植物細胞を形質転換のための任意の適切な方法または手法が、本発明の方法に従って使用され得る。有効な植物形質転換方法には、細菌介在性の形質転換(Agrobacterium介在性またはRhizobium介在性の形質転換など)、及び噴出微粒子または微粒子銃介在性の形質転換が含まれる。細菌介在性の形質転換または噴出微粒子または微粒子銃を介して外植体を形質転換ベクターで形質転換した後、次に、そうした外植体を培養などすることでトランスジェニック植物を再生または発育させるための方法は、当該技術分野においてさまざまなものが知られている。マイクロインジェクション、電気穿孔、減圧浸潤、圧力、超音波処理、カーボランダム繊維を用いた撹拌、PEG介在性の形質転換などの他の植物形質転換方法も当該技術分野において知られている。
【0123】
植物細胞及び外植体の形質転換方法は、当業者によく知られている。組換えDNAでコートされた粒子を用いて微粒子銃によって植物細胞を形質転換するための方法は、例えば、米国特許第5,550,318号、第5,538,880号、第6,160,208号、第6,399,861号、及び第6,153,812号において提供され、Agrobacterium介在性の形質転換は、例えば、米国特許第5,159,135号、第5,824,877号、第5,591,616号、第6,384,301号、第5,750,871号、第5,463,174号、及び第5,188,958号に記載されており、これらの文献はすべて、参照によって本明細書に援用される。追加の形質転換方法は、例えば、Compendium of Transgenic Crop Plants(2009)Blackwell Publishingにおいて見つけることができる。本明細書で提供される核酸分子、コンストラクト、またはベクターのいずれかで植物細胞または外植体を形質転換するために、当該技術分野において既知または今後開発される任意の適切な植物形質転換方法を使用することができる。
【0124】
形質転換方法によって作出されるトランスジェニック植物は、使用される方法及び外植体に応じて形質転換イベントごとにキメラまたは非キメラであり得る。植物発現性プロモーター(本明細書で提供される構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、組織優先プロモーター、維管束プロモーター及び/または葉プロモーターなど)の制御下で1つまたは複数の植物細胞または植物組織において内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子を発現させるための方法がさらに提供される。そのような方法は、短縮、半矮性草高、節間長の短縮、柄直径/茎直径の増加、及び/または耐倒伏性の改善を有するトランスジェニック穀類植物またはトランスジェニックトウモロコシ植物を創出するために使用され得る。そのようなトランスジェニック穀類植物またはトランスジェニックトウモロコシ植物は、収量に有利であり得る他の形質をさらに有し得るものであり、こうした他の形質は、野生型植物または対照植物と比較したときの、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の増加、水利用効率の増加、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニン含量及び/またはアントシアニン面積の減少、雌穂重量の増加、種子もしくは穀粒数の増加、種子もしくは穀粒の重量増加、収量の増加、及び/または収穫指数の増加などである。本明細書で使用される「収穫指数」は、収穫面積にわたる植物の地上バイオマスの総質量で収穫穀物の質量を除算したものを指す。
【0125】
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするGAオキシダーゼ導入遺伝子または非コードRNA分子を発現するトランスジェニック植物は、野生型植物または対照植物と比較して樹冠閉鎖が早期化(例えば、樹冠閉鎖が、約1日早期化するか、または12~48時間、12~36時間、18~36時間、もしくは約24時間早期化する)し得る。内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするGAオキシダーゼ導入遺伝子または非コードRNA分子を発現するトランスジェニック植物は、野生型植物または対照植物と比較して雌穂高が低下し得るが、雌穂の高さは、一般に、少なくとも地上18インチであり得る。内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子を発現するトランスジェニック植物は、1つまたは複数の後期栄養生長段階(例えば、V8~V12)の間に野生型植物または対照植物と比較してバイオマス及び/または葉面積が増加し得る。内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするGAオキシダーゼ導入遺伝子または非コードRNA分子を発現するトランスジェニック植物は、圃場で生育すると、より後期の栄養生長段階の間に、野生型植物または対照植物と比較して根が深化し得、これは、先端発根速度の増加に起因し得るものである。こうしたトランスジェニック植物は、野生型植物または対照植物と比較して早く(例えば、10~25日早く、15~25日早く、または約20日早く)、地下90cmの深度に達し得、これは、植物が生育から生殖へと段階移行することによって生じ得るものである(例えば、V16/R1が、対照植物では植え付けから約70日後であるのとは対照的に植え付けから約50日後となることによって生じる)。
【0126】
形質転換のレシピエントとなる細胞(複数可)または外植体または細胞標的には、限定はされないが、種子細胞、果実細胞、葉細胞、子葉細胞、胚軸細胞、分裂組織細胞、胚細胞、胚乳細胞、根細胞、苗条細胞、茎細胞、鞘細胞、花細胞、花房細胞、柄細胞、小花柄細胞、花柱細胞、柱頭細胞、花床細胞、花弁細胞、萼片細胞、花粉細胞、葯細胞、線維細胞、子房細胞、胚珠細胞、果皮細胞、師部細胞、芽細胞、カルス細胞、葉緑体、気孔細胞、毛状突起細胞、根毛細胞、貯蔵根細胞、もしくは維管束組織細胞、種子、胚、分裂組織、子葉、胚軸、胚乳、根、苗条、茎、節、カルス、浮遊細胞、プロトプラスト、花、葉、花粉、葯、子房、胚珠、果皮、芽、及び/または維管束組織、あるいは上記のもののいずれかの任意の形質転換可能部分が含まれる。植物の形質転換については、本開示の組換えDNAの形質転換用のベクターまたは分子を受容するために使用され得る任意の標的細胞(複数可)、標的組織(複数可)、標的外植体(複数可)などは、形質転換のための「外植体」としてまとめて称され得る。好ましくは、形質転換可能または形質転換される外植体細胞または外植体組織は、さらに発育または再生されて植物となり得る。稔性植物の生育源または再生源となり得る任意の細胞または外植体が、本開示を実施するための有用なレシピエント細胞またはレシピエント外植体として(すなわち、形質転換のための標的外植体として)企図される。カルスは、さまざまな組織源から開始または創出することができ、こうした組織源には、限定はされないが、胚または胚の一部分、非胚性種子組織、実生頂端分裂組織、小胞子、及び同様のものが含まれる。カルスとして増殖する能力を有する任意の細胞が、形質転換のためのレシピエント細胞として働き得る。トランスジェニック植物を調製するための形質転換方法及び材料(例えば、さまざまな媒体及びレシピエント標的細胞またはレシピエント標的外植体、ならびに形質転換方法及びトランスジェニック植物へのその後の再生方法)は、当該技術分野において知られている。
【0127】
標的植物材料または標的外植体の形質転換は、栄養培地での組織培養において実施され得るものであり、こうした栄養培地は、例えば、インビトロの細胞増殖、または細胞培養を可能にする栄養分の混合物である。形質転換された外植体、細胞、または組織は、追加の培養段階に供され得、こうした追加の培養段階は、当該技術分野において知られる、カルスの誘導、選択、再生などである。形質転換は、カルス組織の創出または使用なしでも実施され得る。組換えDNA配列の挿入またはイベントを含む、形質転換された細胞、組織、または外植体は、当該技術分野において知られる方法に従って培地、プラグ、または土壌において増殖、発育、または再生することでトランスジェニック植物となり得る。トランスジェニック植物は、トランスジェニック種子及びトランスジェニック子孫を得るために、自体または他の植物との交雑にさらに供され得る。トランスジェニック植物は、組換えDNA配列または形質転換イベントを含む第1の植物と、挿入を含まない第2の植物と、の交雑によっても調製され得る。例えば、組換えDNAコンストラクトまたは配列は、形質転換に適した第1の植物系統へと導入され得た後、この第1の植物系統を第2の植物系統と交雑させることで第2の植物系統に組換えDNAコンストラクトまたは配列が遺伝子移入され得る。こうした交雑体の子孫は、より望ましい系統への戻し交雑をさらに複数回実施(6~8つの世代または6~8回の戻し交雑など)することで、組換えDNAコンストラクトまたは配列が導入されていることを除いて元の親系統と実質的に同一の遺伝子型を有する子孫植物を作出することができる。
【0128】
本明細書で提供される、トランスジェニックであるか、または編集された植物、植物部分、細胞、または外植体は、精鋭品種または精鋭系統ものであり得る。精鋭品種または精鋭系統は、優れた農学的能力を得るための育種及び選択から生じた品種を指す。本明細書で提供される、トランスジェニックであるか、または編集された植物、細胞、または外植体は、雑種の植物、細胞、または外植体であり得る。本明細書で使用される「雑種」は、異なる品種、系統、自殖系統、または種に由来する2つの植物の交雑によって創出され、その結果、子孫は、それぞれの親に由来する遺伝物質を含む。高次雑種を得ることも可能であることを当業者は認識している。例えば、品種Aと品種Bとの交雑によりAxB雑種を創出することによって第1の雑種を調製することができ、品種Cと品種Dとの交雑によりCxD雑種を創出することによって第2の雑種を調製することができる。第1の雑種と第2の雑種とをさらに交雑させることで、4つすべての親品種に由来する遺伝情報を含む高次雑種(AxB)x(CxD)を創出することができる。
【0129】
本開示の実施形態によれば、2つ以上のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするGAオキシダーゼ抑制要素を含むか、あるいは2つ以上のGAオキシダーゼ抑制要素(複数可)及び/または遺伝子編集(複数可)の組み合わせを含む改変された植物が提供される。組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、少なくとも第1のGAオキシダーゼ遺伝子及び第2のGAオキシダーゼ遺伝子を含む2つ以上のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識配列または標的配列に相補的な非コードRNA分子をコードするように設計または選択された転写可能なDNA配列を含む単一のカセットまたは抑制要素を含み得、すなわち、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAは、同一またはほぼ同一(または同様の)配列を共有しており、その結果、単一の抑制要素及びコードされる非コードRNA分子が、標的となるGAオキシダーゼ遺伝子のそれぞれを抑制標的とすることができる。例えば、GA20オキシダーゼ_3遺伝子とGA20オキシダーゼ_5遺伝子との両方を抑制標的とする単一の非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む発現カセット及び抑制コンストラクトが本明細書で提供される。
【0130】
他の実施形態によれば、組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、単一の発現カセットに直列に、または2つ以上の発現カセットに別々に、コンストラクトまたはベクターにおいて一緒にスタックされ得る2つ以上の抑制要素または抑制配列を含み得る。組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、少なくとも第1の標的指向性配列及び第2の標的指向性配列を含めて、直列に配置された2つ以上の標的指向性配列を含む非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む単一の発現カセットまたは抑制要素を含み得、第1の標的指向性配列は、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的であり、第2の標的指向性配列は、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的であり、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。植物発現性プロモーターは、本明細書で提供される構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーターであり得る。非コードRNA分子は、プロセシングを受けることで、少なくとも第1の成熟miRNA及び第2のmiRNAを含む2つ以上の成熟miRNAとなるpre-miRNAとして発現し得、第1のmiRNAは、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な標的指向性配列を含み、第2のmiRNAは、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な標的指向性配列を含む。
【0131】
他の実施形態によれば、組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、第1の発現カセット及び第2の発現カセットを含む2つ以上の発現カセットを含み得、第1の発現カセットは、第1の植物発現性プロモーターに機能可能なように連結された第1の転写可能なDNA配列を含み、第2の発現カセットは、第2の植物発現性プロモーターに機能可能なように連結された第2の転写可能なDNA配列を含み、第1の転写可能なDNA配列は、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な標的指向性配列を含む第1の非コードRNA分子をコードし、第2の転写可能なDNA配列は、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な標的指向性配列を含む第2の非コードRNA分子をコードする。第1の植物発現性プロモーター及び第2の植物発現性プロモーターはそれぞれ、本明細書で提供される構成的プロモーターまたは組織特異的もしくは組織優先的なプロモーターであり得、第1の植物発現性プロモーター及び第2の植物発現性プロモーターは、同一または異なるプロモーターであり得る。
【0132】
他の実施形態によれば、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)及び/またはGAオキシダーゼ遺伝子編集(複数可)を標的とする2つ以上の抑制要素またはコンストラクトは、2つ以上の植物を1つまたは複数の世代で共に交雑させることによって1つの改変された植物に統合され、その結果、抑制要素(複数可)及び/または遺伝子編集(複数可)の所望の組み合わせを有する改変された植物が作出され得る。こうした実施形態によれば、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とする抑制要素もしくはコンストラクト(またはGAオキシダーゼ遺伝子編集)を含む第1の改変された植物は、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を標的とする抑制要素もしくはコンストラクト(またはGAオキシダーゼ遺伝子編集)を含む第2の改変された植物との交雑に供され得、その結果、第1の抑制要素もしくはコンストラクト及び第2の抑制要素もしくはコンストラクト、抑制要素もしくはコンストラクト及びGAオキシダーゼ遺伝子編集、または第1のGAオキシダーゼ遺伝子編集及び第2のGAオキシダーゼ遺伝子編集を含む改変された子孫植物が調製され得る。あるいは、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)及び/またはGAオキシダーゼ遺伝子編集(複数可)を標的とする2つ以上の抑制要素またはコンストラクトを含む改変された植物は、(i)第1の抑制要素もしくはコンストラクトと第2の抑制要素もしくはコンストラクト(それぞれがGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする)との同時形質転換、(ii)改変された植物の、第2の抑制要素もしくはコンストラクトでの形質転換であって、改変された植物が、第1の抑制要素もしくはコンストラクトを既に含む形質転換、(iii)改変された植物の、抑制要素もしくはコンストラクトでの形質転換であって、改変された植物が、編集されたGAオキシダーゼ遺伝子を既に含む形質転換、(iv)改変された植物の、コンストラクト(複数可)での形質転換であって、この形質転換の目的がGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に1つもしくは複数の編集を施すことであり、改変された植物が、抑制要素もしくはコンストラクトを既に含む形質転換、または(v)コンストラクト(複数可)での形質転換であって、この形質転換の目的が、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に2つ以上の編集を施すことである形質転換、によって調製され得る。
【0133】
本開示の実施形態によれば、第1の組換えDNAコンストラクト及び第2の組換えDNAコンストラクトを含めて、GAオキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制標的とするコンストラクトを2つ以上含む改変された植物が提供され、第1の組換えDNAコンストラクトは、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識配列または標的配列に相補的な第1の非コードRNA分子をコードする第1の転写可能なDNA配列を含み、第2の組換えDNAコンストラクトは、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識配列または標的配列に相補的な第2の非コードRNA分子をコードする第2の転写可能なDNA配列を含む。第1の組換えDNAコンストラクト及び第2の組換えDNAコンストラクトは、単一のベクターにスタックされ、単一のイベントとして植物に形質転換されるか、または別々のイベントとして形質転換され得る別々のベクターもしくはコンストラクトに存在し得る。こうした実施形態によれば、第1のGAオキシダーゼ遺伝子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子であり得、第1の非コードRNA分子は、そのようなGAオキシダーゼ遺伝子から発現するmRNAの認識配列または標的配列に相補的であり、第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子であり得る。いくつかの実施形態によれば、第1のGAオキシダーゼ遺伝子及び第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、同一または異なるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)であり得る。あるいは、第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、別のGAオキシダーゼ遺伝子(GA20オキシダーゼ_1遺伝子、GA20オキシダーゼ_2遺伝子、GA20オキシダーゼ_6遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、GA20オキシダーゼ_8遺伝子、またはGA20オキシダーゼ_9遺伝子など)であり得、第2の非コードRNA分子は、そのようなGAオキシダーゼ遺伝子から発現するmRNAの認識配列または標的配列に相補的である。
【0134】
本開示の実施形態によれば、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識配列または標的配列に相補的な第1の標的指向性配列と、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識配列または標的配列に相補的な第2の標的指向性配列と、を少なくとも含めて、直列に配置された2つ以上の標的指向性配列を含む非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む、GAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする組換えDNAコンストラクトを含む改変された植物が提供される。非コードRNA分子は、プロセシングを受けることで、少なくとも第1の成熟miRNA及び第2のmiRNAを含む2つ以上の成熟miRNAとなるpre-miRNAとして発現し得、第1のmiRNAは、第1のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な第1の標的指向性配列を含み、第2のmiRNAは、第2のGAオキシダーゼ遺伝子のmRNAの認識部位または標的部位に相補的な第2の標的指向性配列を含む。こうした実施形態によれば、第1のGAオキシダーゼ遺伝子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子であり得、第1の非コードRNA分子は、そのようなGAオキシダーゼ遺伝子から発現するmRNAの認識配列または標的配列に相補的であり、第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子であり得る。いくつかの実施形態によれば、第1のGAオキシダーゼ遺伝子及び第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、同一または異なるGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)であり得る。あるいは、第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、別のGAオキシダーゼ遺伝子(GA20オキシダーゼ_1遺伝子、GA20オキシダーゼ_2遺伝子、GA20オキシダーゼ_6遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、GA20オキシダーゼ_8遺伝子、またはGA20オキシダーゼ_9遺伝子など)であり得、第2の非コードRNA分子は、そのようなGAオキシダーゼ遺伝子から発現するmRNAの認識配列または標的配列に相補的である。
【0135】
上記のスタックシナリオでは、標的指向性配列が、単一の転写可能なDNA配列(もしくは発現カセット)に直列にスタックされるか、または別々の転写可能なDNA配列(もしくは発現カセット)にスタックされるかを問わず、第2のGAオキシダーゼ遺伝子は、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1、またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子以外のGAオキシダーゼ遺伝子(GA20オキシダーゼ_1遺伝子、GA20オキシダーゼ_2遺伝子、GA20オキシダーゼ_6遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、GA20オキシダーゼ_8遺伝子、またはGA20オキシダーゼ_9遺伝子など)であり得る。こうした実施形態によれば、非コードRNA分子の第2の標的指向性配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、及び/または配列番号26のいずれか1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子の第2の標的指向性配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、及び/または配列番号26のいずれか1つまたは複数の少なくとも19の連続ヌクレオチドであるが、27以下の連続ヌクレオチドに相補的(19、20、21、22、23、24、25、26、または27の連続ヌクレオチドに相補的など)であり得る。いくつかの実施形態によれば、非コードRNA分子の第2の標的指向性配列は、配列番号3、配列番号6、配列番号18、配列番号21、配列番号24、及び/または配列番号27のいずれか1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する植物の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し得る。別の実施形態によれば、非コードRNA分子の第2の標的指向性配列は、配列番号3、配列番号6、配列番号18、配列番号21、配列番号24、及び/または配列番号27のいずれか1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の類似性を有する内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み得る。
【0136】
本開示の組換えDNA分子またはコンストラクトは、標的植物細胞、標的組織、または標的外植体の形質転換において使用するためのDNA形質転換ベクターを構成するか、またはそこに含まれ得る。そのような形質転換ベクターは、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするGAオキシダーゼ遺伝子または非コードRNA分子をコードする少なくとも1つの導入遺伝子、発現カセット、及び/または転写可能なDNA配列に加えて、有効な形質転換に必要または有利な配列または要素を一般に含み得る。Agrobacterium介在性の形質転換、Rhizobia介在性の形質転換、または他の細菌介在性の形質転換については、形質転換ベクターは、少なくとも1つの転写可能なDNA配列または導入遺伝子が隣接する2つの境界配列(左境界(LB)及び右境界(RB))を有する操作された転移DNA(もしくはT-DNA)セグメントまたは転移DNA(もしくはT-DNA)領域を含み得、その結果、T-DNAが植物ゲノムに挿入されると、転写可能なDNA配列、導入遺伝子、または発現カセットの形質転換イベントが創出されることになる。したがって、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列、導入遺伝子、または発現カセットは、追加の導入遺伝子(複数可)または発現カセット(複数可)(植物に農学的な目的の形質または表現型を付与し得る農学的な目的の植物選択可能マーカー導入遺伝子及び/または他の遺伝子(複数可)など)とおそらくは一緒に、T-DNAの左境界と右境界との間に位置し得る。代替の実施形態によれば、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列、導入遺伝子、または発現カセットと、植物選択可能マーカー導入遺伝子(または農学的な目的の他の遺伝子)と、は、同一または異なる組換えDNA分子(複数可)(同時形質転換のためのものなど)に存在する別々のT-DNAセグメントに存在し得る。形質転換ベクターまたはコンストラクトは、原核生物維持要素をさらに含み得、こうした原核生物維持要素は、ベクターにおいてT-DNA領域(複数可)の外側に位置し得る。
【0137】
本開示の形質転換ベクターまたはコンストラクトにおける植物選択可能マーカー導入遺伝子は、形質転換された細胞または組織が選択薬剤(抗生物質または除草剤など)の存在に起因して選択されることを支援するために使用され得、植物選択可能マーカー導入遺伝子は、選択薬剤に対する耐性または抵抗性を与えるものである。したがって、選択薬剤によって、植物選択可能マーカー遺伝子を発現する形質転換細胞が生存、発育、生育、増殖などするように偏るか、またはそれに好都合となり、その結果、R0植物における形質転換細胞また形質転換組織の割合の増加などが生じ得る。一般に使用される植物選択可能マーカー遺伝子には、例えば、抗生物質に対する耐性もしくは抵抗性を付与するもの(カナマイシン及びパロモマイシン(nptII)、ハイグロマイシンB(aphIV)、ストレプトマイシンもしくはスペクチノマイシン(aadA)、ならびにゲンタマイシン(aac3及びaacC4)など)、または除草剤に対する耐性もしくは抵抗性を付与するもの(グルホシネート(barもしくはpat)、ジカンバ(DMO)、及びグリホサート(aroAもしくはEPSPS)など)が含まれる。形質転換体を視覚的に選別する能力を与える植物選別可能マーカー遺伝子も使用され得、こうした植物選別可能マーカー遺伝子は、ルシフェラーゼもしくは緑色蛍光タンパク質(GFP)、またはそれに対するさまざまな発色基質が知られるベータグルクロニダーゼを発現する遺伝子もしくはuidA遺伝子(GUS)などである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるベクターまたはポリヌクレオチドは、nptII、aphIV、aadA、aac3、aacC4、bar、pat、DMO、EPSPS、aroA、GFP、及びGUSからなる群から選択される選択可能マーカー遺伝子を少なくとも1つ含む。植物形質転換は、形質転換された外植体、組織、植物、及び/または植物部分の培養、発育、または再生の1つまたは複数のステップまたは段階の間に選択を行うことなく実施されることもあり得る。
【0138】
本発明の実施形態によれば、組換えDNA分子またはコンストラクトでの植物細胞、組織、または外植体の形質転換方法は、部位特異的組込みまたは標的化組込みをさらに含み得る。こうした方法によれば、組換えDNAドナーテンプレート分子の一部分(すなわち、挿入配列)が、植物ゲノム内の所望の部位または遺伝子座に挿入または組込まれ得る。ドナーテンプレートの挿入配列は、導入遺伝子またはコンストラクト(内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする導入遺伝子または転写可能なDNA配列など)を含み得る。ドナーテンプレートは、挿入配列と隣接する1つまたは2つのホモロジーアームも有することで、相同組換え及び/または相同組換え修復を介する標的化された挿入イベントを促進し得る。それぞれのホモロジーアームは、単子葉植物または穀類植物のゲノム内の標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有し得る。したがって、本開示の組換えDNA分子は、植物のゲノムへの導入遺伝子またはコンストラクト(内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする導入遺伝子または転写可能なDNA配列など)の部位特異的組込みまたは標的化組込みを生じさせるためのドナーテンプレートを含み得る。
【0139】
本明細書で提供される導入遺伝子、コンストラクト、または転写可能なDNA配列の部位特異的組込みには、植物のゲノム内の任意の部位または遺伝子座が選択され得る可能性がある。部位特異的組込みについては、選択されるゲノム遺伝子座に対して部位特異的ヌクレアーゼで二本鎖切断(DSB)またはニックが最初に生じ得、こうした部位特異的ヌクレアーゼは、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、操作されているか、もしくは天然のメガヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ、またはRNAガイド型エンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9もしくはCpf1)などである。当該技術分野において知られる任意の部位特異的組込方法が使用され得る。挿入配列を含むドナーテンプレート分子の存在下では、DSBまたはニックが生じた後、ドナーテンプレートのホモロジーアーム(複数可)と植物ゲノムとの間の相同組換えによって、または非相同末端結合(NHEJ)によって、DSBまたはニックが修復され、その結果、植物ゲノムへの挿入配列の部位特異的組込みが生じることで、DSB部位またはニック部位を標的とする挿入イベントが創出され得る。このようにして、導入遺伝子、コンストラクト、または配列の部位特異的な挿入または組込みが達成され得る。
【0140】
DSBまたはニックの導入は、植物のゲノムを標的として変異を導入するためにも使用され得る。この手法によれば、DSBまたはニックの不完全修復を介して変異(欠失、挿入、反転、及び/または置換など)が標的部位に導入されることで、GAオキシダーゼ遺伝子のノックアウトまたはノックダウンが生じ得る。そのような変異は、ドナーテンプレート分子を使用しなくても、標的となる遺伝子座の修復が不完全であることによって生じ得る。GAオキシダーゼ遺伝子の「ノックアウト」は、GAオキシダーゼタンパク質が発現しなくなるか、または非機能性タンパク質が発現するようになるDSBまたはニックをGAオキシダーゼ遺伝子の内在性遺伝子座またはその付近に導入することによって達成され得る一方で、GAオキシダーゼ遺伝子の「ノックダウン」は、コードされるGAオキシダーゼタンパク質の機能を除去すると想定される様式ではGAオキシダーゼ遺伝子のコード配列に影響を与えない部位に不完全な修復が生じるDSBまたはニックをGAオキシダーゼ遺伝子の内在性遺伝子座またはその付近に導入することによって同様の様式で達成され得る。例えば、内在性遺伝子座内のDSB部位またはニック部位は、GAオキシダーゼ遺伝子の上流または5’領域(例えば、プロモーター配列及び/またはエンハンサー配列)に生成されることで、その発現レベルに影響が及ぶか、またはそれが低減され得る。同様に、GAオキシダーゼ遺伝子を標的とするそのようなノックアウト変異またはノックダウン変異は、ドナーテンプレート分子で生成されることで、DSBまたはニックの修復を介して標的部位またはその付近に特定の変異または望ましい変異が誘導され得る。ドナーテンプレート分子は、挿入配列を含むか、または含まない相同配列であって、DSB部位もしくはその付近、またはニック部位もしくはその付近に位置する標的となるゲノム配列と比較して1つまたは複数の変異(1つまたは複数の欠失、挿入、反転、及び/または置換など)を含む相同配列を含み得る。例えば、GAオキシダーゼ遺伝子を標的とするノックアウト変異は、遺伝子の少なくとも1つの部分を欠失もしくは反転させるか、または遺伝子のコード配列にフレームシフトもしくは未成熟終止コドンを導入することによって達成され得る。GAオキシダーゼ遺伝子の一部分の欠失は、2つの標的部位にDSBまたはニックを生成し、標的部位と隣接する介在標的領域の欠失を生じさせることによっても導入され得る。
【0141】
本明細書で提供される部位特異的ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、トランスポゼース、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。例えば、Khandagale,K.et al.,“Genome editing for targeted improvement in plants,”Plant Biotechnol Rep 10:327-343(2016)、及びGaj,T.et al.,“ZFN,TALEN and CRISPR/Cas-based methods for genome engineering,”Trends Biotechnol.31(7):397-405(2013)を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。リコンビナーゼは、DNA認識モチーフに結合したセリンリコンビナーゼ、DNA認識モチーフに結合したチロシンリコンビナーゼ、または当該技術分野において知られる他のリコンビナーゼ酵素であり得る。リコンビナーゼまたはトランスポゼースは、DNA結合ドメインに結合したDNAトランスポゼースまたはDNAリコンビナーゼであり得る。DNA認識モチーフに結合したチロシンリコンビナーゼは、Creリコンビナーゼ、Flpリコンビナーゼ、及びTnp1リコンビナーゼからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態によれば、本明細書で提供されるCreリコンビナーゼまたはGinリコンビナーゼは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインに繋留される。別の実施形態では、本明細書で提供されるDNA認識モチーフに結合したセリンリコンビナーゼは、PhiC31インテグラーゼ、R4インテグラーゼ、及びTP-901インテグラーゼからなる群から選択される。別の実施形態では、本明細書で提供されるDNA結合ドメインに結合したDNAトランスポゼースは、TALE-piggyBac及びTALE-ミューテーターからなる群から選択される。
【0142】
本開示の実施形態によれば、RNAガイド型エンドヌクレアーゼは、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1及びCsx12としても知られる)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、ならびにそれらの相同体または改変バージョン、アルゴノート(アルゴノートタンパク質の例には、限定はされないが、Thermus thermophilusアルゴノート(TtAgo)、Pyrococcus furiosusアルゴノート(PfAgo)、Natronobacterium gregoryiアルゴノート(NgAgo)、及びそれらの相同体または改変バージョンが含まれる)からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態によれば、RNAガイド型エンドヌクレアーゼは、Cas9酵素またはCpf1酵素であり得る。
【0143】
1つの態様では、本明細書で提供される部位特異的ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、RNAガイド型ヌクレアーゼ、TALE-ヌクレアーゼ、リコンビナーゼ、トランスポゼース、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。別の態様では、本明細書で提供される部位特異的ヌクレアーゼは、Cas9またはCpf1からなる群から選択される。別の態様では、本明細書で提供される部位特異的ヌクレアーゼは、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、それらの相同体、またはそれらの改変バージョンからなる群から選択される。別の態様では、本明細書で提供されるRNAガイド型ヌクレアーゼは、Cas9またはCpf1からなる群から選択される。別の態様では、本明細書で提供されるRNAガイド型ヌクレアーゼは、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、それらの相同体、またはそれらの改変バージョンからなる群から選択される。別の態様では、本明細書で提供される方法及び/または組成物は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の部位特異的ヌクレアーゼを含む。さらに別の態様では、本明細書で提供される方法及び/または組成物は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の部位特異的ヌクレアーゼをコードする少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10のポリヌクレオチドを含む。
【0144】
RNAガイド型エンドヌクレアーゼについては、塩基対形成またはハイブリダイゼーションを介して植物のゲノムの標的部位にエンドヌクレアーゼを誘導して標的部位またはその付近にDSBまたはニックを生じさせるために、ガイドRNA(gRNA)分子がさらに提供される。gRNAは、gRNA分子として、または植物発現性プロモーターに機能可能なように連結された、ガイドRNAをコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、コンストラクト、もしくはベクターとして、(ヌクレアーゼ、またはヌクレアーゼをコードするDNA分子、コンストラクト、もしくはベクターとおそらくは一緒に)植物の細胞または組織に形質転換または導入され得る。当該技術分野において理解されていることであるが、「ガイドRNA」は、例えば、CRISPR RNA(crRNA)、単鎖ガイドRNA(sgRNA)、またはゲノムの特定の標的部位へとエンドヌクレアーゼをガイドもしくは誘導し得る任意の他のRNA分子を含み得る。「単鎖ガイドRNA」(または「sgRNA」)は、リンカー配列によってtracrRNAに共有結合で連結されたcrRNAを含むRNA分子であり、このRNA分子は、単一のRNA転写物またはRNA分子として発現し得る。ガイドRNAは、植物ゲノム内の標的部位(GAオキシダーゼ遺伝子またはその付近など)と同一またはそれに相補的なガイド配列または標的指向性配列を含む。ガイドRNAの標的指向性配列に相補的なゲノム標的部位配列の5’末端の直ぐ隣かつ上流(すなわち、ゲノム標的部位のセンス(+)鎖(ガイドRNAの標的指向性配列に対するもの)のすぐ下流(3’))のゲノム位置にはプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が存在し得ることが当該技術分野において知られている。例えば、Wu,X.et al.,“Target specificity of the CRISPR-Cas9 system,”Quant Biol.2(2):59-70(2014)を参照のこと。当該文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。標的部位に隣接してセンス(+)鎖(ガイドRNAの標的指向性配列に対するもの)に存在するゲノムPAM配列は、5’-NGG-3’を含み得る。しかしながら、ガイドRNAの対応する配列(すなわち、ガイドRNAの標的指向性配列のすぐ下流(3’))は、一般に、ゲノムPAM配列に相補的ではあり得ない。ガイドRNAは、典型的には、タンパク質をコードしない非コードRNA分子であり得る。ガイドRNAのガイド配列は、長さが少なくとも10のヌクレオチドであり得、こうした長さは、12~40ヌクレオチド、12~30ヌクレオチド、12~20ヌクレオチド、12~35ヌクレオチド、12~30ヌクレオチド、15~30ヌクレオチド、17~30ヌクレオチド、もしくは17~25ヌクレオチドの長さ、または約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、もしくはそれを超える数のヌクレオチドの長さなどである。ガイド配列は、ゲノム標的部位に位置するDNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有し得る。
【0145】
GA20オキシダーゼ_3遺伝子またはその付近の、RNAガイド型エンドヌクレアーゼでのゲノム編集については、配列番号34またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号34またはそれに相補的な配列の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。GA20オキシダーゼ_5遺伝子またはその付近の、RNAガイド型エンドヌクレアーゼでのゲノム編集については、配列番号35またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号35またはそれに相補的な配列の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。ポリヌクレオチド配列またはタンパク質配列に関して本明細書で使用される「連続」という用語は、配列中に欠失またはギャップを含まないことを意味する。
【0146】
ゲノム編集を介するノックダウン(及び場合によってはノックアウト)変異については、GA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の上流または下流の配列(プロモーター配列及び/またはエンハンサー配列など)、あるいはGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のイントロン配列、5’UTR配列、及び/または3’UTR配列がRNAガイド型エンドヌクレアーゼの標的となることで、遺伝子の1つまたは複数のプロモーター配列及び/または制御配列が変異し、その発現レベルが影響を受けるか、または減少し得る。トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子のノックダウン(及び場合によってはノックアウト)については、配列番号34の1~3096の範囲のヌクレオチド配列、配列番号34の3666~3775の範囲のヌクレオチド配列、配列番号34の4098~5314の範囲のヌクレオチド配列、配列番号34の5585~5800の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号34の5801~8800の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号34の1~3096、3666~3775、4098~5314、5585~5800、5801~8800、もしくは5585~8800の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0147】
トウモロコシのGA20オキシダーゼ_5遺伝子のノックダウン(及び場合によってはノックアウト)については、配列番号35の1~3000の範囲のヌクレオチド配列、配列番号35の1~3000の範囲のヌクレオチド配列、配列番号35の3792~3906の範囲のヌクレオチド配列、配列番号35の4476~5197の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号35の5860~8859の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号35の1~3000、3792~3906、4476~5197、もしくは5860~8859の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0148】
ゲノム編集を介するノックアウト(及び場合によってはノックダウン)変異については、GA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のコード配列のコード配列及び/またはイントロン配列がRNAガイド型エンドヌクレアーゼの標的となることで、遺伝子に由来する機能性のGAオキシダーゼタンパク質の発現及び/または活性が除去され得る可能性がある。しかしながら、GAオキシダーゼ遺伝子発現のノックアウトは、場合によっては、遺伝子の上流の配列及び/または5’UTR配列(複数可)、あるいは遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する他の配列を標的とすることによっても達成され得る。したがって、GA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のノックダウンについて上に記載したように、標的となるGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の部位もしくはその付近または遺伝子座もしくはその付近に位置するゲノム配列、GA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の上流または下流の配列(プロモーター配列及び/またはエンハンサー配列など)、あるいはGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のイントロン配列、5’UTR配列、及び/または3’UTR配列を標的とすることによってGAオキシダーゼ遺伝子発現のノックアウトが達成され得る。
【0149】
トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝のノックアウト(及び場合によってはノックダウン)については、配列番号34の3097~5584の範囲のヌクレオチド配列、配列番号34の3097~3665の範囲のヌクレオチド配列、配列番号34の3776~4097の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号34の5315~5584の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号34の3097~5584、3097~3665、3097~3775、3665~4097、3776~4097、3776~5314、4098~5584、もしくは5315~5584の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0150】
トウモロコシのGA20オキシダーゼ_5遺伝子のノックアウト(及び場合によってはノックダウン)については、配列番号35の3001~5473の範囲のヌクレオチド配列、配列番号35の3001~3791の範囲のヌクレオチド配列、配列番号35の3907~4475の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号35の5198~5473の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号35の3001~5473、3001~3791、3001~3906、3792~4475、3907~4475、3907~5197、4476~5473、もしくは5198~5473の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とするためのガイドRNAが提供され、このガイドRNAは、配列番号138~167のいずれか1つまたは複数の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含む。
【0152】
RNAガイド型エンドヌクレアーゼでの、GA20オキシダーゼ_4遺伝子またはその付近のゲノム編集については、配列番号38またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号38またはそれに相補的な配列の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0153】
ゲノム編集を介するノックアウト(及び場合によってはノックダウン)変異については、GA20オキシダーゼ_4遺伝子のコード配列及び/またはイントロン配列がRNAガイド型エンドヌクレアーゼの標的となることで、遺伝子に由来する機能性のGA20オキシダーゼ_4タンパク質の発現及び/または活性が除去され得る可能性がある。トウモロコシのGA20オキシダーゼ_4遺伝子については、配列番号38の1544~2852の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の1544~1995の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の2084~2411の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号38の2517~2852の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号38の1544~2852、1544~1995、1544~2083、1996~2411、2084~2411、2084~2516、2412~2852、もしくは2517~2852の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0154】
ゲノム編集を介するノックダウン(及び場合によってはノックアウト)変異については、GA20オキシダーゼ_4遺伝子の上流または下流の配列(プロモーター配列及び/またはエンハンサー配列など)、あるいはGA20オキシダーゼ_4遺伝子のイントロン配列、5’UTR配列、及び/または3’UTR配列がRNAガイド型エンドヌクレアーゼの標的となることで、遺伝子の1つまたは複数のプロモーター配列及び/または制御配列が変異し、その発現レベルが影響を受けるか、または減少し得る。トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子のノックダウンについては、配列番号38の1~1416の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の1417~1543の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の1996~2083の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の2412~2516の範囲のヌクレオチド配列、配列番号38の2853~3066の範囲のヌクレオチド配列、もしくは配列番号38の3067~4465の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド(例えば、配列番号38の1~1416、1417~1543、1~1543、1996~2083、2412~2516、2853~3066、3067~4465、または2853~4465の範囲のヌクレオチド配列、またはそれに相補的な配列内の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチド)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含むガイドRNAが使用され得る。
【0155】
ガイド配列に加えて、ガイドRNAは、1つまたは複数の他の構造配列または骨格配列(複数可)をさらに含み得、こうした配列は、RNAガイド型エンドヌクレアーゼと結合または相互作用し得る。そのような骨格配列または構造配列は、他のRNA分子(例えば、tracrRNA)とさらに結合または相互作用し得る。RNAガイド型エンドヌクレアーゼを使用することで植物のゲノム内の標的部位がコンストラクト及びガイドRNAによるゲノム編集及び部位特異的組込みの標的となるように設計するための方法及び手法は、当該技術分野において知られている。
【0156】
いくつかの実施形態によれば、部位特異的ヌクレアーゼ(ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、またはトランスポゼースなど)をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクト及びベクターが提供され、コード配列は、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される。RNAガイド型エンドヌクレアーゼについては、ガイドRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクト及びベクターがさらに提供され、ガイドRNAは、植物のゲノム内の標的部位(標的となるGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に位置するものなど)に対してある一定の同一性パーセントまたは相補性パーセントを有する十分な長さのガイド配列を含む。いくつかの実施形態によれば、部位特異的ヌクレアーゼまたはガイドRNAをコードする組換えDNAコンストラクト及びベクターのポリヌクレオチド配列は、植物発現性プロモーター(誘導性プロモーター、構成的プロモーター、組織特異的プロモーターなど)に機能可能なように連結され得る。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、植物形質転換手法を介して一緒に植物細胞に導入され得る、部位特異的ヌクレアーゼをコードする第1のポリヌクレオチド配列と、ガイドRNAをコードする第2のポリヌクレオチド配列と、を含み得る。あるいは、第1の組換えDNAコンストラクトまたはベクターと、第2のDNAコンストラクトまたはベクターと、を含む2つの組換えDNAコンストラクトまたはベクターが提供され得、これら2つの組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、植物形質転換手法を介して一緒にまたは連続的に植物細胞に導入され得るものであり、第1の組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、部位特異的ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含み、第2の組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、ガイドRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態によれば、部位特異的ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、ガイドRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターを既に含む(またはそれで形質転換されている)植物細胞へと植物形質転換手法を介して導入され得る。あるいは、ガイドRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、部位特異的ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターを既に含む(またはそれで形質転換されている)植物細胞へと植物形質転換手法を介して導入され得る。さらに別の実施形態によれば、部位特異的ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターを含む(またはそれで形質転換された)第1の植物は、ガイドRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターを含む(またはそれで形質転換された)第2の植物との交雑に供され得る。そのような組換えDNAコンストラクトまたはベクターは、植物細胞に一過性に形質転換されるか、または植物細胞のゲノムに安定的に形質転換もしくは組込まれ得る。
【0158】
1つの態様では、部位特異的ヌクレアーゼと、任意選択の1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のgRNAと、をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって植物細胞に与えられる。1つの態様では、Cas9ヌクレアーゼと、任意選択の1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のgRNAと、をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって植物細胞に与えられる。別の態様では、Cpf1と、任意選択の1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のcrRNAと、をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、ウイルストランスフェクション、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって細胞に与えられる。
【0159】
いくつかの部位特異的ヌクレアーゼ(リコンビナーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、及びTALENなど)は、RNAガイド型ではなく、DSBもしくはニックを生じさせるためのその標的部位を決定するために自体のタンパク質構造を代わりに利用するものであるか、またはDNA結合タンパク質ドメインもしくはDNA結合タンパク質モチーフにそれが融合、繋留、もしくは結合されるものである。部位特異的ヌクレアーゼ(または融合/結合/繋留されたDNA結合ドメイン)のタンパク質構造によって、標的部位が部位特異的ヌクレアーゼの標的となり得る。こうした実施形態の多くによれば、非RNAガイド型部位特異的ヌクレアーゼ(リコンビナーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、及びTALENなど)は、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子(トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子など)のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位を標的として結合するように既知の方法に従って設計、操作、及び構築されることで、そのようなゲノム遺伝子座にDSBまたはニックを創出し、その結果、DSBまたはニックの修復を介してGAオキシダーゼ遺伝子の発現をノックアウトまたはノックダウンし得る。例えば、操作された部位特異的ヌクレアーゼ(リコンビナーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、またはTALENなど)は、(i)配列番号34内の配列もしくはその相補的配列に対応する植物のゲノム内の標的部位を標的として結合することで、GA20オキシダーゼ_3遺伝子のゲノム遺伝子座にDSBもしくはニックが創出されるように設計されるか、(ii)配列番号35内の配列もしくはその相補的配列に対応する植物のゲノム内の標的部位を標的として結合することで、GA20オキシダーゼ_5遺伝子のゲノム遺伝子座にDSBもしくはニックが創出されるように設計されるか、または(iii)配列番号38内の配列もしくはその相補的配列に対応する植物のゲノム内の標的部位を標的として結合することで、GA20オキシダーゼ_4遺伝子のゲノム遺伝子座にDSBもしくはニックが創出されるように設計され得、こうしたDSBまたはニックによって、次に、細胞修復機構を介して、DSB部位またはニック部位に位置する配列に変異または挿入が創出され得、この細胞修復機構は、ドナー分子またはドナーテンプレートによってガイドされ得る。
【0160】
1つの態様では、本明細書に記載の標的ゲノム編集手法は、リコンビナーゼの使用を含み得る。いくつかの実施形態では、DNA認識ドメインまたはDNA認識モチーフに結合などされるチロシンリコンビナーゼは、Creリコンビナーゼ、Flpリコンビナーゼ、及びTnp1リコンビナーゼからなる群から選択され得る。1つの態様では、本明細書で提供されるCreリコンビナーゼまたはGinリコンビナーゼは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインに繋留され得る。Flp-FRT部位特異的組換え系は、パン酵母であるSaccharomyces cerevisiaeに由来する2μプラスミドに由来するものであり得る。この系では、Flpリコンビナーゼ(フリッパーゼ)がフリッパーゼ認識標的(FRT)部位間で配列を組換え得る。FRT部位は、34のヌクレオチドを含むものである。Flpは、FRT部位の「アーム」(1つのアームは逆配向である)に結合し得、反転する核酸配列のいずれかの末端に位置するFRT部位を切断する。切断後、Flpは、2つのFRT部位の間で核酸配列を組換え得る。Cre-loxは、Flp-FRT組換え系と同様の、バクテリオファージP1に由来する部位特異的組換え系である。Cre-loxは、核酸配列の反転、核酸配列の欠失、または核酸配列の転座に使用することができる。この系では、Creリコンビナーゼがlox核酸配列のペアを組換え得る。Lox部位は、34のヌクレオチドを含み、最初の13のヌクレオチド(アーム)と最後の13のヌクレオチド(アーム)とが回文構造をとっている。組換えの間、Creリコンビナーゼタンパク質は、異なる核酸に存在する2つのlox部位に結合し、これらのlox部位を切断する。切断された核酸は、一緒にスプライシングを受け(相互転座される)、組換えが完了する。別の態様では、本明細書で提供されるlox部位は、loxP部位、lox2272部位、loxN部位、lox511部位、lox5171部位、lox71部位、lox66部位、M2部位、M3部位、M7部位、またはM11部位である。
【0161】
ZFNは、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)(制限エンドヌクレアーゼ(例えば、FokI)に由来し得る)に融合した、操作されたジンクフィンガーDNA結合ドメインからなる合成タンパク質である。DNA結合ドメインは、古典的なもの(C2H2)または非古典的なもの(例えば、C3HもしくはC4)であり得る。DNA結合ドメインは、標的部位に応じて1つまたは複数のジンクフィンガー(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、またはそれを超える数のジンクフィンガー)を含み得る。DNA結合ドメインにおける複数のジンクフィンガーは、リンカー配列(複数可)によって分断され得る。ZFNは、ジンクフィンガーDNA結合ドメインを改変することによって二本鎖DNAのほぼ任意の区間を切断するように設計することができる。ZFNは、標的部位のDNA配列に結合するように操作されたジンクフィンガーアレイを含むDNA結合ドメインに融合した非特異的なDNA切断ドメイン(例えば、FokIヌクレアーゼに由来するもの)から構成される単量体から二量体を形成する。ZFNのDNA結合ドメインは、典型的には、3~4つ(またはそれを超える数)のジンクフィンガーから構成され得る。ジンクフィンガーのα-ヘリックス(標的部位への部位特異的結合に寄与する)の開始位置に対して-1位、+2位、+3位、及び+6位に存在するアミノ酸は、特定の標的配列に適合するように変更及びカスタマイズすることができる。その他のアミノ酸は、コンセンサス骨格を形成することで、異なる配列特異性を有するZFNを生成し得る。特定の標的配列を標的として結合するようにZFNを設計するための方法及び規則は、当該技術分野において知られている。例えば、米国特許出願第2005/0064474号、第2009/0117617号、及び第2012/0142062号を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。FokIヌクレアーゼドメインは、DNAを切断するには二量体化する必要があり得、それ故に、切断部位の相対するDNA鎖(5~7bp離れた位置)に対して2つのZFNがそれらのC末端領域を伴って結合することが必要である。ZFN単量体は、2つのZF結合部位が回文構造をとるのであれば、標的部位を切断することができる。本明細書で使用されるZFNは、広範なものであり、別のZFNから支援を得ることなく二本鎖DNAを切断することができる単量体ZFNを含む。ZFNという用語は、DNAの同一の部位を切断するために一緒に働くように操作されたZFNのペアの1つまたは両方のメンバーを指すためにも使用され得る。
【0162】
いずれの科学理論によっても限定はされないが、ジンクフィンガードメインのDNA結合特異性は、さまざまな方法のうちの1つを使用して再操作することができるため、ほぼ任意の標的配列(例えば、植物ゲノムにおけるGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に位置するもの)が標的となるようにカスタマイズされたZFNを理論的には構築することができる。ジンクフィンガードメインを操作するための、公的に利用可能な方法には、コンテキスト依存性アセンブリ(Context-dependent Assembly)(CoDA)、オリゴマー化プール操作(Oligomerized Pool Engineering)(OPEN)、及びモジュラーアセンブリ(Modular Assembly)が含まれる。1つの態様では、本明細書で提供される方法及び/または組成物は、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のZFNを含む。別の態様では、本明細書で提供されるZFNは、標的とするDSBまたはニックを生成する能力を有する。1つの態様では、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のZFNをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、ウイルストランスフェクション、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって細胞に与えられる。ZFNは、ZFNタンパク質、ZFNタンパク質をコードするポリヌクレオチド、及び/またはタンパク質とタンパク質をコードするポリヌクレオチドとの組み合わせとして導入され得る。
【0163】
メガヌクレアーゼ(LAGLIDADGファミリーのホーミングエンドヌクレアーゼなど)は、微生物において一般に同定されるものであり、活性が強く、認識配列が長い(>14bp)ことから、標的DNAを部位特異的に消化する特有の酵素である。操作されたバージョンの天然起源のメガヌクレアーゼでは、典型的には、DNA認識配列が延長されている(例えば、14~40bp)。いくつかの実施形態によれば、メガヌクレアーゼは、I-CreI、I-CeuI、I-MsoI、I-SceI、I-AniI、及びI-DmoIからなる群から選択される骨格または基本酵素を含み得る。メガヌクレアーゼのDNAを認識及び切断する機能は、単一のドメインにおいて絡み合っているため、メガヌクレアーゼの操作は、ZFN及びTALENと比較して、より困難であり得る。特有の配列を認識し、ヌクレアーゼ活性が改善された新規のメガヌクレアーゼ変異体を創出するためには、特殊な変異誘発方法及びハイスループットスクリーニング方法が使用されている。したがって、メガヌクレアーゼは、植物のゲノム標的配列(GAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するものなど)に結合するように選択または操作され得る。1つの態様では、本明細書で提供される方法及び/または組成物は、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のメガヌクレアーゼを含む。別の態様では、本明細書で提供されるメガヌクレアーゼは、標的とするDSBを生成する能力を有する。1つの態様では、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のメガヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、ウイルストランスフェクション、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって細胞に与えられる。
【0164】
TALENは、転写活性化因子様エフェクター(TALE)DNA結合ドメインをヌクレアーゼドメイン(例えば、FokI)に融合することによって生成される人工制限酵素である。TALENのペアのそれぞれのメンバーが、標的部位と隣接するDNA部位に結合すると、FokI単量体が二量体化し、標的部位に二本鎖DNA切断を生じさせる。野生型のFokI切断ドメインに加えて、切断特異性及び切断活性を改善するために、変異を有するFokI切断ドメイン変異体が設計されている。FokIドメインは、二量体として機能するものであり、適切な配向及び間隔を有する標的ゲノム部位に対する特有のDNA結合ドメインを含む2つのコンストラクトを必要とする。TALENのDNA結合ドメインとFokI切断ドメインとの間のアミノ酸残基数と、2つの個別のTALEN結合部位の間の塩基数と、の両方が、高レベルの活性を達成するためのパラメータである。
【0165】
TALENは、転写活性化因子様エフェクター(TALE)DNA結合ドメインをヌクレアーゼドメインに融合することによって生成される人工制限酵素である。いくつかの態様では、ヌクレアーゼは、PvuII、MutH、TevI、FokI、AlwI、MlyI、SbfI、SdaI、StsI、CleDORF、Clo051、及びPept071からなる群から選択される。TALENのペアのそれぞれのメンバーが、標的部位と隣接するDNA部位に結合すると、FokI単量体が二量体化し、標的部位に二本鎖DNA切断を生じさせる。本明細書で使用されるTALENという用語は、広範なものであり、別のTALENから支援を得ることなく二本鎖DNAを切断することができる単量体TALENを含む。TALENという用語は、DNAの同一の部位を切断するために一緒に働くTALENのペアの1つまたは両方のメンバーも指す。
【0166】
転写活性化因子様エフェクター(TALE)は、事実上任意のDNA配列(植物のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するものなど)に結合するように操作することができる。TALEは、33~34のアミノ酸の単量体が13~28回繰り返すものから構成されるDNA結合ドメインを中央に有する。それぞれの単量体のアミノ酸は、12位及び13位の超可変アミノ酸残基を除き、高度に保存されている。これら2つの可変アミノ酸は、反復可変二残基(RVD)と呼ばれる。RVDのアミノ酸ペアであるNI、NG、HD、及びNNは、それぞれアデニン、チミン、シトシン、及びグアニン/アデニンを優先的に認識し、RVDを調節することで、連続DNA塩基を認識できるようになる。アミノ酸配列とDNA認識との間にこうした単純な関連性が存在することで、適切なRVDを含む反復セグメントの組み合わせを選択することによって特定のDNA結合ドメインを操作することが可能になっている。
【0167】
野生型のFokI切断ドメインに加えて、切断特異性及び切断活性を改善するために、変異を有するFokI切断ドメイン変異体が設計されている。FokIドメインは、二量体として機能するものであり、適切な配向及び間隔を有する標的ゲノム部位に対する特有のDNA結合ドメインを含む2つのコンストラクトを必要とする。TALENのDNA結合ドメインとFokI切断ドメインとの間のアミノ酸残基数と、2つの個別のTALEN結合部位の間の塩基数と、の両方が、高レベルの活性を達成するためのパラメータである。FokI及びFokI変異体の代わりにTALEと共に使用するためのものとしては、PvuII切断ドメイン、MutH切断ドメイン、及びTevI切断ドメインが有用である。PvuIIは、TALEとカップリングさせると、高度に特異的な切断ドメインとして機能する(Yank et al.2013.PLoS One.8:e82539を参照のこと)。MutHは、鎖特異的なニックをDNAに導入する能力を有する(Gabsalilow et al.2013.Nucleic Acids Research.41:e83を参照のこと)。TevIは、DNAの標的となる部位に二本鎖切断を導入する(Beurdeley et al.,2013.Nature Communications.4:1762を参照のこと)。
【0168】
TALE結合ドメインのアミノ酸配列とDNA認識との間に関係性が存在することで、タンパク質を設計することが可能である。DNA WorksなどのソフトウェアプログラムをTALEコンストラクトの設計に使用することができる。TALEコンストラクトの設計方法は、他にも当業者に知られている。Doyle et al.,Nucleic Acids Research(2012)40:W117-122.、Cermak et al.,Nucleic Acids Research(2011).39:e82、及びtale-nt.cac.cornell.edu/aboutを参照のこと。1つの態様では、本明細書で提供される方法及び/または組成物は、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のTALENを含む。別の態様では、本明細書で提供されるTALENは、標的とするDSBを生成する能力を有する。1つの態様では、1つもしくは複数、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のTALENをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、当該技術分野において知られる形質転換方法(例えば、限定はされないが、ウイルストランスフェクション、微粒子銃、PEG介在性のプロトプラストトランスフェクション、またはAgrobacterium介在性の形質転換)によって細胞に与えられる。例えば、米国特許出願第2011/0145940号、第2011/0301073号、及び第2013/0117869号を参照のこと。これらの文献の内容及び開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0169】
本明細書で提供される「標的ゲノム編集手法」は、部位特異的ヌクレアーゼ(メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas9系)、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、またはトランスポゼースなど)を使用し、植物のゲノムの特定の位置を正確に及び/または標的として編集する(すなわち、編集は、ほとんどまたは完全に非無作為的である)ことを可能にする任意の方法、プロトコール、または手法を指す。本明細書で使用される「編集」または「ゲノム編集」は、内在性の植物ゲノム核酸配列の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも10,000、または少なくとも25,000のヌクレオチドを標的として変異、欠失、反転、または置換を生成することを指す。本明細書で使用される「編集」または「ゲノム編集」は、植物の内在性ゲノムの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも5000、少なくとも10,000,または少なくとも25,000のヌクレオチドを標的として植物の内在性のゲノムに挿入または部位特異的組込みを生じさせることも包含する。単数系の「編集」または「ゲノム編集」は、1つのそのような標的化された変異、欠失、反転、置換、または挿入を指し、一方、「編集」または「ゲノム編集」は、2つ以上の標的化された変異(複数可)、欠失(複数可)、反転(複数可)、置換(複数可)、及び/または挿入(複数可)を指し、それぞれの「編集」は、標的ゲノム編集手法を介して導入される。
【0170】
トウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制することによって、他の有利な形質に加えて草高及び節間長が短縮した植物が作出されることを考慮すると、1つまたは複数のこれらの遺伝子(複数可)をゲノム編集することによってこれらの遺伝子のうちの1つまたは両方の発現を低減または除去することで、トウモロコシ植物に同様の有利な形質を与え得ることが提唱される。これらのGA20オキシダーゼ遺伝子を標的とする抑制コンストラクトを構成的に発現させることによって、雌穂に異型が生じず、有利な低草高形質を有するトウモロコシ植物が作出され、生殖雌穂組織で直接的に発現させても生殖異型が生じないことをさらに考慮すると、これらの遺伝子座のうちの1つまたは両方を編集してその発現をノックダウンまたはノックアウトすることでトウモロコシ植物において同様の作用が生じ得ることが提唱される。標的化された欠失、挿入、変異、または他の配列変化を介すなどしてGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のうちの1つまたは複数のプロモーター領域及び/または制御領域(複数可)の配列を改変してこれらの遺伝子の(複数可)の発現をノックダウンまたはノックアウトするために標的遺伝子編集手法が使用され得る。実際、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子のうちの1つまたは複数のプロモーター領域もしくは制御領域(複数可)及び/またはプロモーター配列もしくは制御配列(複数可)、あるいは5’-UTR配列、3’UTR配列、及び/またはイントロン配列(複数可)が広く欠失または変異導入され得る。あるいは、GA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の1つまたは複数のコード(エクソン)配列、5-UTR配列、3’UTR配列、及び/またはイントロン配列(複数可)のすべてまたは一部が編集、欠失、変異導入、または他の形で改変されることでこれらの遺伝子(複数可)の発現または活性がノックダウンまたはノックアウトされ得る。GA20オキシダーゼ_3遺伝子座、GA20オキシダーゼ_4遺伝子座、及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子座に対するそのような標的化された改変は、部位特異的ヌクレアーゼ(例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、操作されているか、もしくは天然のメガヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ、またはRNAガイド型エンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9もしくはCpf1)など)によって導入される二本鎖切断(DSB)またはニックの修復を介すなどして、当該技術分野において知られる任意の適切なゲノム編集技術を使用して達成され得る。DSBもしくはニックのそのような修復によって、そのDSBもしくはニックが導入された場所である標的部位に対して欠失、付加、変異などが自発的もしくは確率的に導入され得るか、または部位の修復には、ドナーテンプレート分子を使用して、標的部位に好ましいもしくは特定の欠失、付加、変異などを誘導もしくは誘起することが必要であり得る。
【0171】
本明細書で提供されるように、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列をコードする導入遺伝子を含む組換えDNA分子または形質転換ベクターで形質転換される植物またはそれが含められる植物には、さまざまな単子葉植物または穀類植物が含まれ得、こうした植物は、トウモロコシ(maize)/トウモロコシ(corn)、ならびに雄性花及び雌性花(トウモロコシと同様のもの)を別々に有するために、雌性生殖性の器官、構造、または組織がGA経路に変異を有するとそこに異型が生じ易くあり得る他の単子葉植物または穀類植物などである。
【0172】
本発明の組成物及び方法は、草高の低下及び/または耐倒伏性の増加に起因して恩恵を受けると想定される他の穀類植物にもさらに適用可能であり得る。そのような植物は、本明細書で提供される方法及び手法に従って、植物の1つまたは複数の内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制するために、組換えDNA分子またはコンストラクトで形質転換され、その結果、草高の低下及び/または耐倒伏性を有し得る穀類植物が作出され得る。実際、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を異所的に発現する穀類植物は、導入遺伝子または転写可能なDNA配列を有さない野生型植物または対照植物と比較して、本明細書で提供される他の収量関連形質及び/または耐乾燥形質が改善することに加えて、さまざまな有利な形質(草高(stature)または草高(plant height)の低下、節間長の短縮、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善など)を有し得る。以下にさらに記載されるように、GA経路に変異導入することによって収量が増加し、耐倒伏性となるように既に改変されている穀類植物(コムギ、イネ、アワ、オオムギ、及びモロコシなど)が、本明細書で提供される組換えDNA分子またはコンストラクトで代わりに形質転換され得る。こうした作物の劣性であり得るGA経路変異の多くとは異なり、そうした作物の内在性の生合成GAオキシダーゼ遺伝子を標的とする抑制要素を発現するトランスジェニックコンストラクトは、半接合型であるか、または単一コピーとして植物に存在するときでさえ優性であり得る。したがって、抑制コンストラクトを発現する組換えDNA分子またはコンストラクトで形質転換され得る植物には、さまざまな単子葉植物または穀類が含まれ得る可能性がある。半矮性の耐倒伏性表現型を誘起する優性のトランスジェニック遺伝子座を有することは、育種及び形質組込みにおいて利点が生じることから、同一の表現型に対する劣性の変異対立遺伝子を上回って有利または好ましくあり得る。
【0173】
本開示の実施形態によれば、組換えDNA抑制コンストラクトで抑制すると低草高の半矮性表現型及び他の有利な形質が得られることが本明細書に示されるトウモロコシのGA20オキシダーゼ_3遺伝子、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA20オキシダーゼ_5遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子に対して最も高い配列同一性/類似性を有する他の穀類植物のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とすることでも、同様の半矮性及び/または耐倒伏性の表現型を有するトランスジェニック穀類植物が作出され得ることがさらに提唱される。表3は、抑制すると低草高の半矮性表現型が生じるトウモロコシのGAオキシダーゼ遺伝子のうちの1つと高度の配列同一性を有する他の穀類植物(モロコシ-Sorghum bicolor、イネ-Oryza sativa、アワ-Setaria italica、コムギ-Triticum aestivum、及びオオムギ-Hordeum vulgare)由来のGAオキシダーゼ遺伝子のリストを示す。表3.他の穀類植物に由来するトウモロコシGAオキシダーゼ遺伝子の相同体。
【表3-1】
【表3-2】
【0174】
本開示の別の態様によれば、穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子を抑制するための組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトが提供され、組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトは、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、非コードRNA分子が含む配列は、(i)配列番号84、配列番号85、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号95、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号134、配列番号135、及び/または配列番号137のいずれか1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、及び/または配列番号136のいずれか1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する穀類植物のタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する。同様に、非コードRNA分子は、トウモロコシの草高に影響を与えることが示されたGAオキシダーゼ遺伝子(複数可)に対してある一定の同一性パーセントを有する穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子を標的とし得る。したがって、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号30、及び/または配列番号33のいずれか1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する穀類植物の内在性タンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む非コードRNA分子がさらに提供される。上述のように、非コードRNA分子は、GAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子のエクソン配列、イントロン配列、及び/またはUTR配列を標的とし得る。
【0175】
本明細書に記載の方法のいずれかに従って、上述のコンストラクト、ベクター、またはコンストラクト(異なるスタック配置または共標的指向性配置を含むように本明細書に記載の任意の適切な様式で構築され得る)のいずれかを穀類の植物、植物部分、または植物細胞に導入または形質転換するための方法、ならびにそれによって調製され、及び/または任意のそのような組換えDNA分子、ベクター、もしくはコンストラクトを含む改変された穀類の植物、植物部分、植物組織、及び植物細胞がさらに提供される。上記のコンストラクトから発現する非コードRNA分子は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を標的とするように設計されることが想定されるため、そのような組換えDNA分子、ベクター、またはコンストラクトで形質転換される穀類植物は、標的配列の起源種に対応するものか、または密接に関連する種、系統種、生殖質、系統などが好ましいことになる。例えば、配列番号84に相補的な抑制コンストラクトであれば、モロコシ植物(Sorghum bicolor植物など)の形質転換に使用されるか、または密接に関連するか、もしくは同様のGAオキシダーゼ(もしくはGAオキシダーゼ様)遺伝子配列を有するであろうと予測され、おそらくは関連するモロコシの種、系統種などの形質転換に使用されることになる。
【0176】
穀類植物に由来する上に示される遺伝子のそれぞれについてのゲノム配列が表3にさらに示され、こうしたゲノム配列は、そうした遺伝子を任意の既知の手法に従うゲノム編集の標的とするために使用され得る。遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近にDSBまたはニックを生成するために、任意の部位特異的ヌクレアーゼ及び方法が本明細書に記載されるように使用され得、こうしたDSBまたはニックは、不完全に修復されるか、またはテンプレート介在性の組換えを介すことで、遺伝子、遺伝子付近、または遺伝子内に変異などを創出し得る。適切なヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、トランスポゼース、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。RNAガイド型エンドヌクレアーゼについては、標的部位へのヌクレアーゼの誘導に使用され得るガイドRNAを含む組換えDNAコンストラクトまたはベクターが提供される。したがって、穀類のGAオキシダーゼ(またはGA-オキシダーゼ様)遺伝子を編集するためのガイドRNAは、配列番号84、配列番号85、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号95、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号134、配列番号135、及び/または配列番号137のいずれか1つまたは複数の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、またはそれを超える数の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含み得る。RNAガイド型ではない部位特異的ヌクレアーゼ(ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、及び/またはトランスポゼースなど)については、編集のためのゲノム標的特異性は、そのタンパク質構造、具体的には、そのDNA結合ドメインによって決定される。そのような部位特異的ヌクレアーゼは、穀類植物のゲノム内の上記のGAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子のいずれかまたはその付近に位置する所望の標的部位に結合し、それを切断するように選択、設計、または操作され得る。抑制コンストラクトでの形質転換と同様に、特定のガイドRNA、またはガイドRNAをコードする組換えDNA分子、ベクター、もしくはコンストラクトで形質転換される穀類植物は、ガイドRNAが所望の標的切断部位を認識して結合できるように、標的となるゲノム配列が存在する種であるか、または密接に関連する種、系統種、生殖質、系統などが好ましいことになる。
【0177】
本明細書に記載の方法のいずれかに従い、おそらくはRNAガイド型ヌクレアーゼに加えて、上記の任意のガイドRNA、またはそのようなガイドRNAをコードする任意のコンストラクト、ベクター、もしくはコンストラクトを穀類の植物、植物部分、または植物細胞に導入または形質転換するための方法、ならびにそれによって調製され、及び/または任意のそのような組換えDNA分子、ベクター、もしくはコンストラクト及び/または編集されたGAオキシダーゼ(もしくはGAオキシダーゼ様)遺伝子を含む改変された穀類の植物、植物部分、植物組織、及び植物細胞がさらに提供される。編集されたGAオキシダーゼ(もしくはGAオキシダーゼ様)遺伝子、及び/またはGAオキシダーゼ(もしくはGAオキシダーゼ様)遺伝子を標的とする抑制要素を有する改変された穀類植物は、任意のそのような編集または抑制要素を有さない野生型植物または対照植物と比較して、本明細書で提供される1つまたは複数の有利な形質(草高の低下、節間長の短縮、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、及び/または乾燥耐性など)を有し得る。ゲノム編集に加えて、GAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子の変異が、本明細書に記載の他の変異誘発手法を介して導入され得る。
【0178】
本開示の別の態様によれば、その少なくとも1つの植物細胞のゲノムへの形質転換イベントまたは挿入を含むトランスジェニック植物(複数可)、トランスジェニック植物細胞(複数可)、トランスジェニック種子(複数可)、及び植物部分(複数可)が提供され、形質転換イベントまたは挿入は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNA配列、コンストラクト、または発現カセットを含み、転写可能なDNA配列は、植物発現性プロモーター(構成的プロモーター、維管束プロモーター、及び/または葉プロモーターなど)に機能可能なように連結される。そのようなトランスジェニック植物は、トランスジェニックR0植物を作出するための上に示される任意の適切な形質転換方法によって作出され得、その後、こうしたトランスジェニックR0植物からは、自殖または他の植物との交雑によって、R1種子、ならびに追加の交雑などを介して生じる次の子孫世代及び種子が生成し得る。本開示の実施形態は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAまたはポリヌクレオチド配列の形質転換イベントまたはゲノムへの挿入を有する1つまたは複数のトランスジェニック細胞を含む植物細胞、組織、外植体、植物部分などをさらに含む。
【0179】
本開示のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物細胞、トランスジェニック種子、及びトランスジェニック植物部分は、その少なくとも1つの植物細胞のゲノムへのGAオキシダーゼ遺伝子の抑制のための転写可能なDNA配列のトランスジェニックイベントもしくは挿入、または標的ゲノム編集イベントについてホモ接合型または半接合型であり得、本発明の実施形態の植物、植物細胞、種子、及び植物部分は、そのようなトランスジェニックイベント(複数可)、挿入(複数可)、及び/または編集(複数可)の任意の数のコピーを含み得る。導入遺伝子または転写可能なDNA配列の発現用量または発現量は、その接合状態及び/またはコピー数によって変わり得るものであり、こうした接合状態及び/またはコピー数は、トランスジェニック植物などにおける表現型変化の度合いまたは程度に影響を与え得る。上に紹介されるように、本明細書で提供されるトランスジェニック植物には、さまざまな単子葉植物または穀類植物、ならびに以前の育種成果及びこうした植物のGA経路の変異に起因して収量の増加及び/または耐倒伏性を既に有する作物植物(コムギ、イネ、及びモロコシなど)でさえ含まれ得る。生合成GAオキシダーゼ遺伝子を標的とする抑制要素を発現させるために導入遺伝子または転写可能なDNA配列を使用する利点には、組織特異的または組織優先的な様式で発現を限定する能力のみでなく、作物植物において有利な低草高かつ半矮性の形質または表現型を誘起するための転写可能なDNA配列の単一コピーまたは半接合型コピーが潜在的に優性であること(例えば、優性阻害効果)も含まれる。したがって、本開示の組換えDNA分子またはコンストラクトは、トランスジェニックイベント、挿入、またはコンストラクトの単一コピーのみを使用して異型を伴わずにさまざまな単子葉植物または穀類植物において有利な形質を創出するために使用され得る。劣性であり、変異対立遺伝子に対して植物がホモ接合型であることが必要になる、GA経路の以前に説明された変異または対立遺伝子とは異なり、本開示のGA改変性の導入遺伝子及び抑制コンストラクトで形質転換された植物では、必要となるものは、導入遺伝子または抑制コンストラクトの単一コピーまたは半接合型コピーのみであるため、雑種穀類植物の作出が促進されることによって形質、収量、及び作物育種成果が改善し得る。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制するためのGAオキシダーゼ導入遺伝子もしくは転写可能なDNA配列、またはゲノム編集されたGAオキシダーゼ遺伝子を含む、トランスジェニックであるか、または改変された穀類植物またはトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物と比較して1つまたは複数の有利な形質を有するものとしてさらに特徴付けられ得、こうした有利な形質は、草高の低下または半矮性草高、節間長の短縮、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、水制限条件下での葉の水分含量の増加及び/または気孔コンダクタンスの上昇、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニン含量及び/またはアントシアニン面積の減少、収量関連形質の改善(雌性生殖性器官または雌穂の増大を含む)、雌穂重量、収穫指数、収量、種子、もしくは穀粒数、及び/または種子もしくは穀粒の重量の増加などである。そのようなトランスジェニック穀類植物またはトランスジェニックトウモロコシ植物では、ストレス耐性の増加(乾燥耐性の増加、窒素利用の増加、及び/または高密度の植え付けに対する耐性の増加など)がさらに生じ得る。
【0181】
本開示の目的では、「植物」は、再生または発育の任意の段階における外植体、植物部分、実生、小植物、または植物全体を含む。本明細書で使用される「トランスジェニック植物」は、組換えDNA分子、コンストラクト、または配列の組込みまたは挿入によってそのゲノムが改変されている植物を指す。トランスジェニック植物には、最初に形質転換された植物細胞(複数可)から発育または再生したR0植物、ならびにR0トランスジェニック植物に由来する後の世代または交雑で生じる子孫トランスジェニック植物が含まれる。本明細書で使用される「植物部分」は、植物の任意の器官またはインタクトな組織(分裂組織、苗条器官/構造(例えば、葉、茎、もしくは節)、根、花、または花器官/構造(例えば、苞葉、萼片、花弁、雄蕊、心皮、葯、及び胚珠)など)、種子(例えば、胚、胚乳、及び種皮)、果実(例えば、成熟子房)、珠芽、あるいは他の植物組織(例えば、維管束組織、皮膚組織、基本組織、及び同様のもの)、あるいはそれらの任意の部分を指し得る。本開示の植物部分は、生存可能、生存不可能、再生可能、及び/または再生不可能であり得る。「珠芽」は、植物全体へと生育することができる任意の植物部分を含み得る。
【0182】
本発明の実施形態によれば、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制するための転写可能なDNA配列を含むコンストラクトもしくは分子で形質転換される植物細胞、またはゲノム編集に使用されるコンストラクトで形質転換される植物細胞には、形質転換方法に基づいて当該技術分野において理解される形質転換を受ける能力を有する任意の植物細胞(分裂組織細胞、胚細胞、カルス細胞など)が含まれ得る。本明細書で使用される「トランスジェニック植物細胞」は、安定的に組込まれた組換えDNA分子、コンストラクト、または配列で形質転換された任意の植物細胞を単に指す。トランスジェニック植物細胞には、最初に形質転換された植物細胞、再生もしくは発育したR0植物のトランスジェニック植物細胞、別のトランスジェニック植物細胞から培養されたトランスジェニック植物細胞、または形質転換されたR0植物の任意の子孫植物もしくは子孫に由来するトランスジェニック植物細胞(植物種子もしくは胚の細胞(複数可)、または培養された植物細胞、カルス細胞などを含む)が含まれ得る。
【0183】
本開示の実施形態は、形質転換、ゲノム編集、交雑などによってトランスジェニック植物または改変された植物を調製または作出するための方法をさらに含み、この方法は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制するためのGAオキシダーゼ導入遺伝子もしくは転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、コンストラクト、もしくは配列の、植物細胞への導入、または内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座の編集と、その後の、形質転換または編集された植物細胞からのトランスジェニック植物または改変された植物の再生または発育と、を含み、この再生または発育は、トランスジェニックイベントを支援する選択圧力下で実施され得る。そのような方法は、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制するための転写可能なDNA配列を含む組換えDNA分子、コンストラクト、または配列での植物細胞の形質転換と、野生型植物または対照植物と比較して1つまたは複数の改変された表現型または形質を有する植物の選択と、を含み得、こうした表現型または形質は、1つまたは複数の発育段階における下記の形質のうちの1つまたは複数などである:草高(stature)または草高(plant height)の低下または半矮性化、1つまたは複数の節間(複数可)の節間長の短縮、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、水制限条件下での葉の水分含量の増加及び/または気孔コンダクタンスの上昇、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニン含量及び/またはアントシアニン面積の減少、収量関連形質の改善(雌性生殖性器官または雌穂の増大を含む)、雌穂重量、収穫指数、収量、種子、もしくは穀粒数、及び/または種子もしくは穀粒の重量の増加、ストレス耐性の増加(乾燥耐性の増加、窒素利用の増加、及び/または高密度の植え付けに対する耐性の増加など)。
【0184】
本開示の別の態様によれば、本明細書で提供される改変された植物またはトランスジェニック植物(複数可)を通常/標準的または高密度で圃場に植え付けるための方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、本開示の改変された植物またはトランスジェニック植物(複数可)をより高い密度で圃場に植え付けることによってエーカー当たり(または土地面積当たりの)の作物植物の収量が増加し得る。本明細書に記載されるように、内在性のGAオキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を発現する改変された植物もしくはトランスジェニック植物、またはゲノム編集されたGAオキシダーゼ遺伝子を有する改変された植物もしくはトランスジェニック植物では、草高の低下、節間(複数可)の短縮、柄直径/茎直径の増加、及び/または耐倒伏性の増加が生じ得る。改変された植物またはトランスジェニック植物は、茎直径が増加することで耐倒伏性を有し得ると共に、草高が短縮することで高密度の植え付け条件下でより低位置の葉への光浸透率が増加し得ることから、高密度の植え付け条件に対する耐性を有し得ることが提唱される。したがって、本明細書で提供される改変された植物またはトランスジェニック植物をより高い密度で植え付けることで、圃場におけるエーカー(または土地面積)当たりの収量が増加し得る。作条作物については、作条の長さ当たりに植え付ける種子/植物の数を増やし、及び/または作条の間の間隔を減らすことによって高密度化が達成され得る。
【0185】
いくつかの実施形態によれば、改変された作物植物またはトランスジェニック作物植物は、標準的な農学的慣例に従ってその作物植物向けの通常の植え付け密度と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、または少なくとも250%高い密度(土地/圃場面積当たりの植物数)で圃場に植え付けられ得る。改変された作物植物またはトランスジェニック作物植物は、エーカー当たりの植物数が少なくとも38,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも40,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも42,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも44,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも45,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも46,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも48,000、エーカー当たりの植物数が50,000、エーカー当たりの植物数が少なくとも52,000、エーカー当たりの数が少なくとも54,000、またはエーカー当たりの植物数が少なくとも56,000となる密度で圃場に植え付けられ得る。一例として、トウモロコシ植物は、標準的な密度範囲(エーカー当たりの植物数約18,000~エーカー当たりの植物数約38,000など)とは対照的に、より高い密度(エーカー当たりの植物数約38,000~エーカー当たりの植物数約60,000、もしくはエーカー当たりの植物数約40,000~エーカー当たりの植物数約58,000、もしくはエーカー当たりの植物数約42,000~エーカー当たりの植物数約58,000、もしくはエーカー当たりの植物数約40,000~エーカー当たりの植物数約45,000、もしくはエーカー当たりの植物数約45,000~エーカー当たりの植物数約50,000、もしくはエーカー当たりの植物数約50,000~エーカー当たりの植物数約58,000、もしくはエーカー当たりの植物数約52,000~エーカー当たりの植物数約56,000の範囲、またはエーカー当たりの植物数約38,000、エーカー当たりの植物数約42,000、エーカー当たりの植物数約46,000、もしくはエーカー当たりの植物数約48,000、エーカー当たりの植物数約50,000、もしくはエーカー当たりの植物数約52,000、もしくはエーカー当たりの植物数約54,000など)で植え付けられ得る。
【0186】
本開示の実施形態によれば、(i)2000mm未満、1950mm未満、1900mm未満、1850mm未満、1800mm未満、1750mm未満、1700mm未満、1650mm未満、1600mm未満、1550mm未満、1500mm未満、1450mm未満、1400mm未満、1350mm未満、1300mm未満、1250mm未満、1200mm未満、1150mm未満、1100mm未満、1050mm未満、もしくは1000mm未満の草高、及び/または(ii)少なくとも18mm、少なくとも18.5mm、少なくとも19mm、少なくとも19.5mm、少なくとも20mm、少なくとも20.5mm、少なくとも21mm、少なくとも21.5mm、もしくは少なくとも22mmの平均茎直径もしくは平均柄直径、を有する改変されたトウモロコシ植物(複数可)が提供される。換言すれば、2000mm未満、1950mm未満、1900mm未満、1850mm未満、1800mm未満、1750mm未満、1700mm未満、1650mm未満、1600mm未満、1550mm未満、1500mm未満、1450mm未満、1400mm未満、1350mm未満、1300mm未満、1250mm未満、1200mm未満、1150mm未満、1100mm未満、1050mm未満、もしくは1000mm未満の草高、及び/または18mm超、18.5mm超、19mm超、19.5mm超、20mm超、20.5mm超、21mm超、21.5mm超、もしくは22mm超の平均茎直径もしくは平均柄直径、を有する改変されたトウモロコシ植物(複数可)が提供される。ミリメートル(mm)で示されるそのような草高形質または草高範囲はいずれも、既知の変換(例えば、1インチは、2.54cmまたは25.4ミリメートルと等しく、ミリメートル(mm)、センチメートル(cm)、及びメートル(m)は、10の1乗または複数乗のみ異なる)に基づいて異なる測定単位に変換され得る。したがって、本明細書で提供される測定値はいずれも、既知または確立された変換に従って任意の他の同等の測定単位でさらに記載される。しかしながら、改変されたトウモロコシ植物の正確な草高及び/または茎直径は、環境的背景及び遺伝的背景に依存し得る。したがって、改変されたトウモロコシ植物の草高及び/または茎直径の変化は、対照植物と比較したときの最小の差異または変化パーセントで代わりに記載され得る。改変されたトウモロコシ植物は、雄性の生殖組織もしくは生殖構造または他の異型を実質的に有さない少なくとも1つの雌穂をさらに含み得る。
【0187】
本開示の実施形態によれば、発育の後期栄養生長段階及び/または生殖段階(例えば、R3期)の間の草高が、1000mm~1800mm、1000mm~1700mm、1050mm~1700mm、1100mm~1700mm、1150mm~1700mm、1200mm~1700mm、1250mm~1700mm、1300mm~1700mm、1350mm~1700mm、1400mm~1700mm、1450mm~1700mm、1000mm~1500mm、1050mm~1500mm、1100mm~1500mm、1150mm~1500mm、1200mm~1500mm、1250mm~1500mm、1300mm~1500mm、1350mm~1500mm、1400mm~1500mm、1450mm~1500mm、1000mm~1600mm、1100mm~1600mm、1200mm~1600mm、1300mm~1600mm、1350mm~1600mm、1400mm~1600mm、1450mm~1600mm、1000mm~2000mm、1200mm~2000mm、1200mm~1800mm、1300mm~1700mm、1400mm~1700mm、1400mm~1600mm、1400mm~1700mm、1400mm~1800mm、1400mm~1900mm、1400mm~2000mm、もしくは1200mm~2500mmであり、及び/または平均茎直径が、17.5mm~22mm、18mm~22mm、18.5~22mm、19mm~22mm、19.5mm~22mm、20mm~22mm、20.5mm~22mm、21mm~22mm、21.5mm~22mm、17.5mm~21mm、17.5mm~20mm、17.5mm~19mm、17.5mm~18mm、18mm~21mm、18mm~20mm、もしくは18mm~19mmである改変されたトウモロコシ植物が提供される。改変されたトウモロコシ植物は、その改変されたトウモロコシ植物の1つまたは複数の雌穂に異型(雄性の生殖組織または生殖構造など)を実質的に有し得ない。
【0188】
本開示の実施形態によれば、(i)野生型植物もしくは対照植物の高さと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、もしくは少なくとも75%低い草高、及び/または(ii)野生型植物もしくは対照植物の茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも100%大きな茎直径もしくは柄直径、を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。本開示の実施形態によれば、改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物もしくは対照植物の高さと比較して20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、もしくは60%以下の低下が生じた低草高、及び/または野生型植物もしくは対照植物の茎直径もしくは柄直径と比較して10%未満(もしくは以下)、15%未満(もしくは以下)、20%未満(もしくは以下)、25%未満(もしくは以下)、30%未満(もしくは以下)、35%未満(もしくは以下)、40%未満(もしくは以下)、45%未満(もしくは以下)、50%未満(もしくは以下)、55%未満(もしくは以下)、60%未満(もしくは以下)、65%未満(もしくは以下)、70%未満(もしくは以下)、75%未満(もしくは以下)、80%未満(もしくは以下)、85%未満(もしくは以下)、90%未満(もしくは以下)、95%未満(もしくは以下)、もしくは100%未満(もしくは以下)の増加が生じた茎直径もしくは柄直径、を有し得る。例えば、改変された植物は、(i)野生型植物もしくは対照植物と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、もしくは少なくとも20%低いか、もしくは低下している(すなわち、10%以上、15%以上、もしくは20%以上の低下)が、50%以下もしくは50%以下である低下が生じた草高、及び/または(ii)野生型植物もしくは対照植物と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、もしくは少なくとも15%の増加であるが、30%以下、35%以下、もしくは40%以下の増加が生じた茎直径もしくは柄直径、を有し得る。明確化すると、「少なくとも20%の低下」及び「20%以上の低下」という語句であれば、例えば、10%の低下は除外されることになる。同様に、明確化すると、「50%以下の低下(not greater than 50% shorter)」、「50%以下の低下(no more than 50% shorter)」、及び「50%以下の低下(not more than 50% shorter)」という語句であれば、60%の低下は除外されることになる。「少なくとも5%の増加」という語句であれば、2%の増加は除外されることになる。「30%以下の増加(not more than 30% greater)」及び「30%以下の増加(no more than 30% greater)」という語句であれば、40%の増加は除外されることになる。
【0189】
本開示の実施形態によれば、野生型植物もしくは対照植物の高さと比較して5%~75%、5%~50%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、10%~50%、10%~45%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、10%~10%、10%~75%、25%~75%、10%~50%、20%~50%、25%~50%、30%~75%、30%~50%、25%~50%、15%~50%、20%~50%、25%~45%、もしくは30%~45%低い高さ、及び/または野生型植物もしくは対照植物の茎直径もしくは柄直径と比較して5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~85%、5%~80%、5%~75%、5%~70%、5%~65%、5%~60%、5%~55%、5%~50%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~100%、10%~75%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、25%~75%、25%~50%、50%~75%、8%~20%、もしくは8%~15%大きな茎直径もしくは柄直径、を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。
【0190】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物の同一節間長または平均節間長と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、または少なくとも75%短い平均節間長(マイナス2節間長及び/またはマイナス4節間長(雌穂の位置に対する相対的位置))を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。トウモロコシ植物の「マイナス2節間」は、植物の雌穂の下の第2の節間を指し、トウモロコシ植物の「マイナス4節間」は、植物の雌穂の下の第4の節間を指す。多くの実施形態によれば、野生型植物または対照植物の同一節間長または平均節間長と比較して5%~75%、5%~50%、10%~70%、10%~65%、10%~60%、10%~55%、10%~50%、10%~45%、10%~40%、10%~35%、10%~30%、10%~25%、10%~20%、10%~15%、10%~10%、10%~75%、25%~75%、10%~50%、20%~50%、25%~50%、30%~75%、30%~50%、25%~50%、15%~50%、20%~50%、25%~45%、または30%~45%短い平均節間長(マイナス2節間長及び/またはマイナス4節間長(雌穂の位置に対する相対的位置))を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。
【0191】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物の雌穂重量と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%大きな雌穂重量(個別または平均)を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。本明細書で提供される改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物の雌穂重量と比較して5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~85%、5%~80%、5%~75%、5%~70%、5%~65%、5%~60%、5%~55%、5%~50%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~100%、10%~75%、10%~50%、25%~75%、25%~50%、または50%~75%大きな雌穂重量を有し得る。
【0192】
本開示の実施形態によれば、少なくとも0.57、少なくとも0.58、少なくとも0.59、少なくとも0.60、少なくとも0.61、少なくとも0.62、少なくとも0.63、少なくとも0.64、もしくは少なくとも0.65(またはそれを超える数)の収穫指数を有する改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供される。改変されたトウモロコシ植物は、0.57~0.65、0.57~0.64、0.57~0.63、0.57~0.62、0.57~0.61、0.57~0.60、0.57~0.59、0.57~0.58、0.58~0.65、0.59~0.65、または0.60~0.65の収穫指数を有し得る。改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物の収穫指数と比較して少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%大きな収穫指数を有し得る。改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物の収穫指数と比較して1%~45%、1%~40%、1%~35%、1%~30%、1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~14%、1%~13%、1%~12%、1%~11%、1%~10%、1%~9%、1%~8%、1%~7%、1%~6%、1%~5%、1%~4%、1%~3%、1%~2%、5%~15%、5%~20%、5%~30%、または5%~40%大きな収穫指数を有し得る。
【0193】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して、収穫可能収量が、エーカー当たり少なくとも1ブッシェル、エーカー当たり少なくとも2ブッシェル、エーカー当たり少なくとも3ブッシェル、エーカー当たり少なくとも4ブッシェル、エーカー当たり少なくとも5ブッシェル、エーカー当たり少なくとも6ブッシェル、エーカー当たり少なくとも7ブッシェル、エーカー当たり少なくとも8ブッシェル、エーカー当たり少なくとも9ブッシェル、またはエーカー当たり少なくとも10ブッシェル増加した改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供される。改変されたトウモロコシ植物の収穫可能収量は、エーカー当たり1~10ブッシェル、エーカー当たり1~8ブッシェル、エーカー当たり2~8ブッシェル、エーカー当たり2~6ブッシェル、エーカー当たり2~5ブッシェル、エーカー当たり2.5~4.5ブッシェル、またはエーカー当たり3~4ブッシェル増加し得る。改変されたトウモロコシ植物の収穫可能収量は、野生型植物または対照植物の収穫可能収量と比較して少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%多く増加し得る。改変されたトウモロコシ植物の収穫可能収量は、野生型植物または対照植物の収穫可能収量と比較して1%~25%、1%~20%、1%~15%、1%~14%、1%~13%、1%~12%、1%~11%、1%~10%、1%~9%、1%~8%、1%~7%、1%~6%、1%~5%、1%~4%、1%~3%、1%~2%、5%~15%、5%~20%、5%~25%、2%~10%、2%~9%、2%~8%、2%~7%、2%~6%、2%~5%、または2%~4%多くあり得る。
【0194】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%低いか、または低下した倒伏頻度を有する改変された穀類植物またはトウモロコシ植物が提供される。改変された穀類植物またはトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物と比較して5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~85%、5%~80%、5%~75%、5%~70%、5%~65%、5%~60%、5%~55%、5%~50%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~100%、10%~75%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、25%~75%、25%~50%、または50%~75%低いか、または低下した倒伏頻度を有し得る。耐倒伏性が増加し、倒伏頻度が減少した穀類植物またはトウモロコシ植物の個体群がさらに提供される。野生型植物または対照植物の個体群と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%低いか、または低下した倒伏頻度を有する改変された穀類植物またはトウモロコシ植物の個体群が提供される。改変されたトウモロコシ植物の個体群は、野生型植物または対照植物の個体群と比較して5%~100%、5%~95%、5%~90%、5%~85%、5%~80%、5%~75%、5%~70%、5%~65%、5%~60%、5%~55%、5%~50%、5%~45%、5%~40%、5%~35%、5%~30%、5%~25%、5%~20%、5%~15%、5%~10%、10%~100%、10%~75%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、25%~75%、25%~50%、または50%~75%低いか、または低下した倒伏頻度を有し得、こうした倒伏頻度は、特定の数の植物または密度が等しい作物面積にわたる平均値として示され得る。
【0195】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して顕著に減少または低下した草高(例えば、2000mm以下)、及び顕著に増加した茎直径(例えば、18mm以上)を有する改変されたトウモロコシ植物が提供される。こうした実施形態によれば、草高の低下または減少、及び茎直径の増加は、本明細書に記載の高さの範囲、直径の範囲、または割合の範囲のいずれかに含まれ得るものである。野生型植物または対照植物と比較して低下した草高及び増加した茎直径を有するそのような改変されたトウモロコシ植物は、少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/または少なくとも1つのGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列で形質転換され得る。野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または顕著に増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物は、雄性の生殖組織もしくは生殖構造及び/または他の異型を実質的に有さない少なくとも1つの雌穂をさらに有し得る。野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物では、野生型植物または対照植物の同一の組織(複数可)と比較して、植物の1つまたは複数の組織(複数可)(植物の1つまたは複数の維管束組織及び/または葉組織(複数可)など)における1つまたは複数のGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の活性が低下し得る。多くの実施形態によれば、改変されたトウモロコシ植物は、プロモーター(構成的、組織特異的、または組織優先的なプロモーターであり得る)に機能可能なように連結された、非コードRNA分子をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドまたは転写可能なDNA配列を含み得、非コードRNA分子は、本明細書で提供されるように、少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)を抑制標的とする。非コードRNA分子は、miRNA分子、siRNA分子、またはmiRNA前駆体分子もしくはsiRNA前駆体分子であり得る。いくつかの実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物と比較して増加した収穫指数及び/または増加した耐倒伏性をさらに有し得る。
【0196】
野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または顕著に増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物または穀類植物は、遺伝子編集技術または他の変異誘発手法を介してGAオキシダーゼ遺伝子に導入された変異(例えば、挿入、欠失、置換など)を含み得、GAオキシダーゼ遺伝子の発現は、改変された植物の1つまたは複数の組織において低減または除去される。野生型植物または対照植物と比較して低下した草高及び/または増加した茎直径を有するそのような改変されたトウモロコシ植物は、野生型植物または対照植物と比較して増加した収穫指数及び/または増加した耐倒伏性をさらに有し得る。そのような改変されたトウモロコシ植物は、その改変された植物の少なくとも1つの雌穂に異型(雄性の生殖組織もしくは生殖構造及び/または他の異型など)を実質的に有し得ない。植物変異誘発手法(ゲノム編集を除く)には、化学的変異誘発(すなわち、化学的変異誘発物質(アジ化物、ヒドロキシルアミン、亜硝酸、アクリジン、ヌクレオチド塩基類似体、またはアルキル化剤(例えば、EMS(エチルメタンスルホネート)、MNU(N-メチル-N-ニトロソウレアなど))など)での処理)、物理的変異誘発(例えば、ガンマ線、X-線、UV、イオンビーム、他の形態の放射線など)、及び挿入変異誘発(例えば、トランスポゾンまたはT-DNAの挿入)が含まれ得る。植物、またはさまざまな植物部分、植物組織、または植物細胞が変異誘発に供され得る。処理された植物は、繁殖によって種子の収集または子孫植物の作出が実施され得、処理された植物部分、植物組織、または植物細胞は、発育または再生されて植物または他の植物組織となり得る。化学的または物理的な変異誘発手法で生成する変異には、標的となる遺伝子(GA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子など)の機能または発現の減少をもたらすフレームシフト変異、ミスセンス変異、またはナンセンス変異が含まれ得る。
【0197】
遺伝子の変異誘発方法の1つは、「TILLING」(ゲノムを標的として局所的な損傷を誘導するためのもの)と呼ばれ、この方法では、植物の細胞または組織に変異が創出され、好ましくは、植物の種子、生殖組織、または生殖系列に変異が創出され、この変異創出では、例えば、変異誘発物質が使用(EMS処理など)される。得られる植物は、生育させて自家受精が行われ、子孫は、DNA試料の調製に使用される。GAオキシダーゼ遺伝子の核酸配列のPCR増幅及びシークエンシングが行われることで、変異導入された植物が、GAオキシダーゼ遺伝子に変異を有するかどうかが同定され得る。GAオキシダーゼ遺伝子に変異を有する植物は、次に、形質の改変(草高の低下など)について試験され得る。あるいは、変異誘発された植物は、形質の改変(草高の低下など)について試験され得た後、GAオキシダーゼ遺伝子の核酸配列のPCR増幅及びシークエンシングが行われることで、改変された形質を有する植物が、GAオキシダーゼ遺伝子に変異も有するかどうかが決定され得る。例えば、Colbert et al.,2001,Plant Physiol 126:480-484、及びMcCallum et al.,2000,Nature Biotechnology 18:455-457を参照のこと。TILLINGは、遺伝子の発現、または遺伝子がコードするタンパク質の活性を改変する変異を同定するために使用することができ、トウモロコシ植物または穀類植物のGAオキシダーゼ遺伝子を標的する変異の導入及び選択に使用され得る。
【0198】
変異誘発処理またはゲノム編集処理に供されたトウモロコシ植物または穀類植物は、観測可能な表現型(例えば、本明細書に記載の任意の表現型(短縮した草高、増加した茎直径/柄直径など))に基づくか、あるいは選択可能マーカーと選択薬剤(例えば、除草剤など)との併用、選別可能マーカーの使用、または分子手法(例えば、GAレベルの低下、GAオキシダーゼ転写物もしくはタンパク質のレベル低下、導入遺伝子もしくは転写可能な配列の存在など)の使用によって、スクリーニング及び選択され得る。そのようなスクリーニング手法及び/または選択手法は、所望の植物表現型をもたらす変異をGAオキシダーゼ遺伝子に有する植物の同定及び選択に使用され得る。
【0199】
本開示の実施形態によれば、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の個体群が提供され、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の個体群は、野生型植物または対照植物の個体群と比較して顕著に低い平均草高、及び/または顕著に増加した平均茎直径もしくは平均柄直径を有する。改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の個体群は、一般に、単一の改変されたトウモロコシ植物または穀類植物と共通の祖先を有し、及び/またはトランスジェニックGAオキシダーゼ抑制コンストラクトによる単一の挿入、イベント、もしくは編集を有し得る。改変されたトウモロコシ植物の個体群内の改変されたトウモロコシ植物は、一般に、雄性の生殖組織もしくは生殖構造及び/または他の異型を実質的に有さない少なくとも1つの雌穂を含み得る。改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の個体群は、野生型植物または対照植物の個体群と比較して、植物数もしくは圃場面積の平均で、または植物数もしくは圃場面積当たりで増加した耐倒伏性を有し得る。改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の個体群は、対照のトウモロコシ植物または穀類植物の個体群と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%低い(または低下した)倒伏頻度を有し得る。改変されたトウモロコシ植物の個体群は、少なくとも0.57以上の収穫指数を有し得る。
【0200】
本発明の実施形態によれば、野生型植物または対照植物の同一の組織(複数可)と比較して少なくとも茎組織及び節間組織(複数可)(茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)など)におけるジベレリン含量(活性形態のもの)が低下した、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供される。多くの実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または顕著に増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供され、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物では、さらに、野生型植物または対照植物の同一の組織(複数可)と比較して、1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)における活性型ジベレリンまたは活性型GA(例えば、GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7の1つまたは複数)のレベル(複数可)が顕著に低減または低下している。例えば、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)における1つまたは複数の活性型GAのレベルは、野生型または対照のトウモロコシ植物の同一の組織(複数可)におけるものと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低いか、または低下し得る。
【0201】
いくつかの実施形態によれば、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物では、1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)における活性型ジベレリン(GA)(例えば、GA1、GA3、GA4、及び/またはGA7の1つまたは複数)のレベル(複数可)は、野生型または対照のトウモロコシ植物の同一の組織(複数可)におけるものと比較して5%~50%、10%~100%、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、80%~90%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、50%~100%、20%~90%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~40%、20%~30%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、50%~60%、60%~90%、60%~80%、60%~70%、70%~90%、または70%~80%低いか、または(または低下した)ものであり得る。1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)における活性型ジベレリン(GA)レベル(複数可)が低下した、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物は、さらに、改変されたトウモロコシ植物の少なくとも1つの雌穂に異型(雄性の生殖組織もしくは生殖構造及び/または他の異型など)を実質的に有し得ない。
【0202】
本開示の実施形態によれば、野生型植物または対照植物の同一の組織(複数可)と比較して、改変された植物の1つまたは複数の組織(複数可)(1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)など)におけるGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)の発現レベルが顕著に低減または除去された、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供される。多くの実施形態によれば、野生型植物または対照植物と比較して顕著に低下した草高及び/または顕著に増加した茎直径を有する改変されたトウモロコシ植物または穀類植物が提供され、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物では、野生型または対照のトウモロコシ植物の同一の組織(複数可)と比較して、改変された植物の1つまたは複数の組織(1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)など)におけるGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)の発現レベルが顕著に低減または除去されている。例えば、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物では、野生型植物または対照植物の同一の組織(複数可)と比較して、改変された植物の1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)におけるGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)の発現レベルが顕著に低減または除去されており、及び/または改変された植物の1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)におけるGA3オキシダーゼ_1遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)の発現レベルが顕著に低減または除去されている。例えば、改変されたトウモロコシ植物の1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)におけるGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)のレベル、あるいはGAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)のレベルは、野生型または対照のトウモロコシ植物または穀類植物の同一の組織(複数可)におけるものと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低いか、または低下したものであり得る。
【0203】
いくつかの実施形態によれば、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物では、1つまたは複数の茎組織、節間組織、葉組織、及び/または維管束組織(複数可)におけるGA3オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)のレベル(複数可)、あるいはGAオキシダーゼ(またはGAオキシダーゼ様)遺伝子の1つまたは複数の転写物(複数可)及び/またはタンパク質(複数可)のレベル(複数可)は、野生型または対照のトウモロコシ植物または穀類植物の同一の組織(複数可)におけるものと比較して、5%~50%、10%~100%、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、80%~90%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、50%~100%、20%~90%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~40%、20%~30%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、50%~60%、60%~90%、60%~80%、60%~70%、70%~90%、または70%~80%低いか、または低下したものであり得る。1つまたは複数の組織(複数可)における少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/またはGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現レベルが低減または除去された、改変されたトウモロコシ植物または穀類植物は、改変されたトウモロコシ植物の少なくとも1つの雌穂に異型(雄性の生殖組織もしくは生殖構造及び/または他の異型など)も実質的に有し得ない。
【0204】
いくつかの実施形態によれば、作物植物の少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/または少なくとも1つのGA3オキシダーゼ遺伝子(作物植物の1つまたは複数の茎組織、節間組織、維管束組織、及び/または葉組織など)の発現の低減方法または除去方法が提供され、野生型植物または対照植物と比較して、少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子及び/または少なくとも1つのGA3オキシダーゼ遺伝子(複数可)の発現は、植物の少なくとも1つの生殖組織では顕著に改変または変更されず、及び/または1つまたは複数の活性型GAのレベル(複数可)は、植物の少なくとも1つの生殖組織では顕著に改変または変更されない。多くの実施形態によれば、少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の発現レベル(複数可)は、GA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子に対する抑制要素をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを含む改変された植物の少なくとも1つの組織において低減または除去され、こうした抑制要素は、少なくとも1つの成熟miRNA、またはプロセシングを受けることで成熟miRNAとなる少なくとも1つのmiRNA前駆体などであり、miRNAは、少なくとも1つのGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子の発現レベルを低減または抑制することができ、転写可能なDNA配列は、構成的、組織特異的、または組織優先的なプロモーターに機能可能なように連結される。
【0205】
標的化された編集または導入遺伝子が細胞または植物などに存在するかをスクリーニング及び/または同定するための方法及び手法、ならびに標的化された編集または導入遺伝子を含む細胞または植物を選択するための方法及び手法が提供され、これらの方法及び手法は、1つまたは複数の表現型または形質に基づくものであるか、または細胞もしくは植物における分子マーカーもしくはポリヌクレオチドもしくはタンパク質配列の存在もしくは非存在に基づくものであり得る。核酸は、当該技術分野において知られる手法を使用して単離及び検出することができる。例えば、核酸は、限定はされないが、組換え核酸技術、及び/またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して単離及び検出することができる。一般的なPCR手法は、例えば、PCR Primer:A Laboratory Manual,Dieffenbach & Dveksler,Eds.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995に記載されている。組換え核酸手法には、例えば、制限酵素消化及びライゲーションが含まれ、こうした手法は、核酸の単離に使用することができる。単離された核酸は、単一の核酸分子または一連のオリゴヌクレオチドとして化学的に合成することもできる。ポリペプチドは、既知の方法によって天然源(例えば、生体試料)から精製することができ、こうした方法は、DEAEイオン交換、ゲル濾過、及びヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーなどである。ポリペプチドは、例えば、発現ベクターにおいて核酸を発現させることによっても精製することができる。さらに、精製されたポリペプチドは、化学合成によっても得ることができる。ポリペプチドの精製度は、任意の適切な方法を使用して測定することができ、こうした方法は、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析である。細胞、植物などがそのゲノムに導入遺伝子またはゲノム編集を有するかをスクリーニング及び/または同定するために、当該技術分野において知られる任意の方法が使用され得、こうした方法は、任意の適切な形態の目視観測、選択、分子手法などに基づくものであり得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、植物細胞における組換え核酸及び/またはポリペプチドを検出するための方法が提供される。例えば、核酸は、当該技術分野において知られるように、ハイブリダイゼーションプローブを使用するか、またはプライマーと共にPCRを使用して増幅産物を生成することによって検出され得る。核酸間のハイブリダイゼーションは、Sambrook et al.(1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)において議論されている。ポリペプチドは、抗体を使用して検出することができる。抗体を使用してポリペプチドを検出するための手法には、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降法、免疫蛍光法、及び同様のものが含まれる。本明細書で提供される抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。本明細書で提供されるポリペプチドに対する特異的な結合親和性を有する抗体は、当該技術分野において知られる方法を使用して生成することができる。抗体またはハイブリダイゼーションプローブは、当該技術分野において知られる方法を使用して固体支持体(チューブ、プレート、またはウェルなど)に付加され得る。
【0207】
検出(例えば、増幅産物の検出、ハイブリダイゼーション複合体の検出、ポリペプチドの検出)は、ハイブリダイゼーションプローブまたは抗体に付加または結合し得る検出可能な標識を使用して達成することができる。「標識」という用語は、直接的な標識の使用、ならびに間接的な標識の使用を包含することが意図される。検出可能な標識には、酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、及び放射性物質が含まれる。
【0208】
改変されているか、編集されているか、またはトランスジェニックである植物または植物細胞のスクリーニング及び選択は、分子生物学の当業者に知られる任意の手段によって実施することができる。スクリーニング及び選択の手段の例には、限定はされないが、サザン解析、ポリヌクレオチドを検出するためのPCR増幅、ノーザンブロット、RNaseプロテクション、プライマー伸長、RNA転写物を検出するためのRT-PCR増幅、サンガーシークエンシング、次世代シークエンシング技術(例えば、Illumina(登録商標)、PacBio(登録商標)、Ion Torrent(商標)など)、ポリペプチド及びポリヌクレオチドの酵素活性またはリボザイム活性を検出するための酵素アッセイ、ならびにポリペプチドを検出するためのタンパク質ゲル電気泳動、ウエスタンブロット、免疫沈降法、及び酵素結合免疫測定法が含まれる。ポリペプチド及び/またはポリヌクレオチドの存在または発現を検出するために、インサイチュハイブリダイゼーション、酵素染色、及び免疫染色などの他の手法を使用することもできる。参照される手法はすべて、その実施方法が当該技術分野において知られているものである。
【0209】
実施形態
下記のパラグラフは、例示の実施形態のサブセットのリストである。
【0210】
実施形態1.
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号9に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【0211】
実施形態2.
前記非コードRNA分子が、配列番号7または配列番号8の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0212】
実施形態3.
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0213】
実施形態4.
前記非コードRNA分子が、配列番号13または配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態3に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0214】
実施形態5.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0215】
実施形態6.
前記維管束プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態5に記載の組換えDNAコンストラクト:スクロース合成酵素プロモーター、スクローストランスポータープロモーター、Sh1プロモーター、ツユクサ黄斑ウイルス(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、イネ黄色条斑1(YS1)様プロモーター、またはイネ黄色条斑2(OsYSL2)プロモーター。
【0216】
実施形態7.
前記維管束プロモーターが、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、もしくは配列番号71、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態5に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0217】
実施形態8.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0218】
実施形態9.
前記植物発現性プロモーターが、配列番号65もしくは配列番号66、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態8に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0219】
実施形態10.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0220】
実施形態11.
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態10に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【0221】
実施形態12.
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態10に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0222】
実施形態13.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0223】
実施形態14.
前記構成的プロモーターが、アクチンプロモーター、CaMV35SプロモーターもしくはCaMV19Sプロモーター、植物ユビキチンプロモーター、植物Gos2プロモーター、FMVプロモーター、CMVプロモーター、MMVプロモーター、PCLSVプロモーター、Emuプロモーター、チューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、オクトピン合成酵素プロモーター、マンノピン合成酵素プロモーター、またはトウモロコシアルコール脱水素酵素、あるいはその機能性部分からなる群から選択される、実施形態13に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0224】
実施形態15.
前記構成的プロモーターが、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、もしくは配列番号83、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態13に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0225】
実施形態16.
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0226】
実施形態17.
実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0227】
実施形態18.
実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0228】
実施形態19.
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0229】
実施形態20.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0230】
実施形態21.
前記トランスジェニック植物の高さが、野生型対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0231】
実施形態22.
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の1つまたは複数の節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0232】
実施形態23.
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の節間と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態18のいずれか1つに記載のトランスジェニック穀類植物。
【0233】
実施形態24.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0234】
実施形態25.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態18に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0235】
実施形態26.
実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0236】
実施形態27.
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態1に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0237】
実施形態28.
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態25に記載の方法。
【0238】
実施形態29.
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【0239】
実施形態30.
前記非コードRNA分子が、配列番号13または配列番号14の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0240】
実施形態31.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0241】
実施形態32.
前記維管束プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態31に記載の組換えDNAコンストラクト:スクロース合成酵素プロモーター、スクローストランスポータープロモーター、Sh1プロモーター、ツユクサ黄斑ウイルス(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、イネ黄色条斑1(YS1)様プロモーター、またはイネ黄色条斑2(OsYSL2)プロモーター。
【0242】
実施形態33.
前記維管束プロモーターが、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、もしくは配列番号71、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態31に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0243】
実施形態34.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0244】
実施形態35.
前記植物発現性プロモーターが、配列番号65もしくは配列番号66、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態34に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0245】
実施形態36.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0246】
実施形態37.
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態36に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【0247】
実施形態38.
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態36に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0248】
実施形態39.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0249】
実施形態40.
前記構成的プロモーターが、アクチンプロモーター、CaMV35SプロモーターもしくはCaMV19Sプロモーター、植物ユビキチンプロモーター、植物Gos2プロモーター、FMVプロモーター、CMVプロモーター、MMVプロモーター、PCLSVプロモーター、Emuプロモーター、チューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、オクトピン合成酵素プロモーター、マンノピン合成酵素プロモーター、またはトウモロコシアルコール脱水素酵素、あるいはその機能性部分からなる群から選択される、実施形態39に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0250】
実施形態41.
前記構成的プロモーターが、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、もしくは配列番号83、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態39に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0251】
実施形態42.
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0252】
実施形態43.
実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0253】
実施形態44.
実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0254】
実施形態45.
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0255】
実施形態46.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0256】
実施形態47.
前記トランスジェニック植物の高さが、野生型対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0257】
実施形態48.
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の1つまたは複数の節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0258】
実施形態49.
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の節間と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態44のいずれか1つに記載のトランスジェニック穀類植物。
【0259】
実施形態50.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0260】
実施形態51.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態44に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0261】
実施形態52.
実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0262】
実施形態53.
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態29に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0263】
実施形態54.
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態29に記載の方法。
【0264】
実施形態55.
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA3オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA3オキシダーゼタンパク質が、配列番号30または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【0265】
実施形態56.
前記非コードRNA分子が、配列番号28、配列番号29、配列番号31、または配列番号32の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0266】
実施形態57.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0267】
実施形態58.
前記維管束プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態57に記載の組換えDNAコンストラクト:スクロース合成酵素プロモーター、スクローストランスポータープロモーター、Sh1プロモーター、ツユクサ黄斑ウイルス(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、イネ黄色条斑1(YS1)様プロモーター、またはイネ黄色条斑2(OsYSL2)プロモーター。
【0268】
実施形態59.
前記維管束プロモーターが、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、もしくは配列番号71、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態57に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0269】
実施形態60.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0270】
実施形態61.
前記植物発現性プロモーターが、配列番号65もしくは配列番号66、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態60に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0271】
実施形態62.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0272】
実施形態63.
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態62に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【0273】
実施形態64.
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態62に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0274】
実施形態65.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0275】
実施形態66.
前記構成的プロモーターが、アクチンプロモーター、CaMV35SプロモーターもしくはCaMV19Sプロモーター、植物ユビキチンプロモーター、植物Gos2プロモーター、FMVプロモーター、CMVプロモーター、MMVプロモーター、PCLSVプロモーター、Emuプロモーター、チューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、オクトピン合成酵素プロモーター、マンノピン合成酵素プロモーター、またはトウモロコシアルコール脱水素酵素、あるいはその機能性部分からなる群から選択される、実施形態65に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0276】
実施形態67.
前記構成的プロモーターが、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、もしくは配列番号83、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態65に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0277】
実施形態68.
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0278】
実施形態69.
実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0279】
実施形態70.
実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0280】
実施形態71.
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0281】
実施形態72.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0282】
実施形態73.
前記トランスジェニック植物の高さが、野生型対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0283】
実施形態74.
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の1つまたは複数の節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0284】
実施形態75.
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の節間と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態70のいずれか1つに記載のトランスジェニック穀類植物。
【0285】
実施形態76.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0286】
実施形態77.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態70に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0287】
実施形態78.
実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0288】
実施形態79.
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態55に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0289】
実施形態80.
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態79に記載の方法。
【0290】
実施形態81.
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号12に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【0291】
実施形態82.
前記非コードRNA分子が、配列番号10または配列番号11の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0292】
実施形態83.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0293】
実施形態84.
前記維管束プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態83に記載の組換えDNAコンストラクト:スクロース合成酵素プロモーター、スクローストランスポータープロモーター、Sh1プロモーター、ツユクサ黄斑ウイルス(CoYMV)プロモーター、コムギ矮化ジェミニウイルス(WDV)長鎖遺伝子間領域(LIR)プロモーター、トウモロコシ縞葉枯病ジェミニウイルス(MSV)コートタンパク質(CP)プロモーター、イネ黄色条斑1(YS1)様プロモーター、またはイネ黄色条斑2(OsYSL2)プロモーター。
【0294】
実施形態85.
前記維管束プロモーターが、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、もしくは配列番号71、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態83に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0295】
実施形態86.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0296】
実施形態87.
前記植物発現性プロモーターが、配列番号65もしくは配列番号66、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態86に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0297】
実施形態88.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0298】
実施形態89.
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、実施形態88に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【0299】
実施形態90.
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態88に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0300】
実施形態91.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0301】
実施形態92.
前記構成的プロモーターが、アクチンプロモーター、CaMV35SプロモーターもしくはCaMV19Sプロモーター、植物ユビキチンプロモーター、植物Gos2プロモーター、FMVプロモーター、CMVプロモーター、MMVプロモーター、PCLSVプロモーター、Emuプロモーター、チューブリンプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーター、オクトピン合成酵素プロモーター、マンノピン合成酵素プロモーター、またはトウモロコシアルコール脱水素酵素、あるいはその機能性部分からなる群から選択される、実施形態91に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0302】
実施形態93.
前記構成的プロモーターが、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、もしくは配列番号83、またはその機能性部分のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するDNA配列を含む、実施形態91に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0303】
実施形態94.
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0304】
実施形態95.
実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0305】
実施形態96.
実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0306】
実施形態97.
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0307】
実施形態98.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0308】
実施形態99.
前記トランスジェニック植物の高さが、野生型対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0309】
実施形態100.
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の1つまたは複数の節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0310】
実施形態101.
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照植物の同一の節間と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態96のいずれか1つに記載のトランスジェニック穀類植物。
【0311】
実施形態102.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0312】
実施形態103.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態96に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0313】
実施形態104.
実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシのトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0314】
実施形態105.
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0315】
実施形態106.
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態105に記載の方法。
【0316】
実施形態107.
前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、及び配列番号33のうちの1つまたは複数に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有する、実施形態1、実施形態29、実施形態55、または実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0317】
実施形態108.
前記非コードRNA分子が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、及び配列番号32のうちの1つまたは複数の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態107に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0318】
実施形態109.
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の内在性タンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記内在性タンパク質が、配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、または配列番号136に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有し、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAコンストラクト。
【0319】
実施形態110.
前記非コードRNA分子が、配列番号84、配列番号85、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号95、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号102、配列番号103、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号119、配列番号120、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号134、配列番号135、または配列番号137の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0320】
実施形態111.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0321】
実施形態112.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0322】
実施形態113.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0323】
実施形態114.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0324】
実施形態115.
実施形態81に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0325】
実施形態116.
実施形態109に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0326】
実施形態117.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態116に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0327】
実施形態118.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態116に記載のトランスジェニック穀類植物。
【0328】
実施形態119.
トランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態116に記載の組換えDNAコンストラクトでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0329】
実施形態120.
前記穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態119に記載の方法。
【0330】
実施形態121.
トウモロコシ植物または穀類植物の茎または柄における少なくとも1つの活性型GA分子のレベルの低減方法であって、前記トランスジェニック穀類植物またはトランスジェニックトウモロコシ植物の1つまたは複数の組織において1つまたは複数のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子を組換えDNAコンストラクトで抑制することを含む、前記方法。
【0331】
実施形態122.
前記組換えDNAコンストラクトが、1つまたは複数のGA3オキシダーゼ遺伝子またはGA20オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードし、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、実施形態121に記載の方法。
【0332】
実施形態123.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態122に記載の方法。
【0333】
実施形態124.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態122に記載の方法。
【0334】
実施形態125.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態122に記載の方法。
【0335】
実施形態126.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態122に記載の方法。
【0336】
実施形態127.
前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物である、実施形態121に記載の方法。
【0337】
実施形態128.
組換えDNAコンストラクトを含むトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物であって、前記組換えDNAコンストラクトが、少なくとも1つの内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とする非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含み、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結され、前記トランスジェニック単子葉植物またはトランスジェニック穀類植物が、野生型対照植物と比較して低い草高を有する、前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0338】
実施形態129.
前記トランスジェニック植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、ならびに多収性の増加。
【0339】
実施形態130.
前記トランスジェニック植物の高さが、前記対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0340】
実施形態131.
前記トランスジェニック植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、前記対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0341】
実施形態132.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態128のいずれか1つに記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0342】
実施形態133.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態128のいずれか1つに記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0343】
実施形態134.
前記トランスジェニック植物が、少なくとも1つの雌性器官または雌穂に顕著な異型を全く有さない、実施形態128のいずれか1つに記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0344】
実施形態135.
前記トランスジェニック穀類植物が、トウモロコシ植物であり、前記非コードRNA分子が、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)を抑制標的とする、実施形態128のいずれか1つに記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0345】
実施形態136.
前記植物発現性プロモーターが、維管束プロモーターである、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0346】
実施形態137.
前記植物発現性プロモーターが、RTBVプロモーターである、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0347】
実施形態138.
前記植物発現性プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0348】
実施形態139.
前記植物発現性プロモーターが、葉プロモーターである、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0349】
実施形態140.
前記トランスジェニック植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態128に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、ならびに多収性の増加。
【0350】
実施形態141.
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に変異誘発手法によって導入された変異を含む穀類植物であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、前記穀類植物において低減または除去され、前記穀類植物が、野生型対照植物と比較して低い草高を有する、前記穀類植物。
【0351】
実施形態142.
前記変異を含む前記穀類植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態141に記載の穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、ならびに多収性の増加。
【0352】
実施形態143.
前記穀類植物の高さが、前記対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態141に記載の穀類植物。
【0353】
実施形態144.
前記穀類植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、前記対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態141に記載の穀類植物。
【0354】
実施形態145.
前記穀類植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態141に記載の穀類植物。
【0355】
実施形態146.
前記穀類植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態141に記載の穀類植物。
【0356】
実施形態147.
前記穀類植物が、少なくとも1つの雌性器官または雌穂に顕著な異型を全く有さない、実施形態141に記載の穀類植物。
【0357】
実施形態148.
前記穀類植物が、トウモロコシ植物である、実施形態141に記載の穀類植物。
【0358】
実施形態149.
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座またはその付近に標的ゲノム編集手法を介して導入されたゲノム編集を含むトウモロコシ植物または穀類植物であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の発現レベルが、対照植物と比較して低減または除去され、前記編集された穀類植物が、前記対照植物と比較して低い草高を有する、前記トウモロコシ植物または穀類植物。
【0359】
実施形態150.
前記編集された植物が、前記対照植物と比較して下記の追加の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、ならびに多収性の増加。
【0360】
実施形態151.
前記編集された植物の高さが、前記対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0361】
実施形態152.
前記編集された植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、前記対照植物と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%大きい、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0362】
実施形態153.
前記編集された植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0363】
実施形態154.
前記編集された植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、前記対照植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0364】
実施形態155.
前記編集された植物が、少なくとも1つの雌性器官または雌穂に顕著な異型を全く有さない、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0365】
実施形態156.
前記ゲノム編集が、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ(TALEN)、リコンビナーゼ、またはトランスポゼースを使用して導入される、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0366】
実施形態157.
前記ゲノム編集が、前記対照植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の配列と比較したときの、1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、または反転を含む、実施形態149に記載の編集されたトウモロコシ植物または穀類植物。
【0367】
実施形態158.
ガイドRNAを含む組成物であって、前記ガイドRNAが、穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有するガイド配列を含む、前記組成物。
【0368】
実施形態159.
前記ガイドRNA分子が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、実施形態158に記載の組成物。
【0369】
実施形態160.
前記ガイドRNA分子が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、実施形態158に記載の組成物。
【0370】
実施形態161.
RNAガイド型エンドヌクレアーゼをさらに含む、実施形態158に記載の組成物。
【0371】
実施形態162.
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、前記ガイドRNA分子の存在下で、前記穀類植物のゲノムにおける標的DNA配列またはその付近に二本鎖切断またはニックを生じさせる、実施形態161に記載の組成物。
【0372】
実施形態163.
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn1、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx12、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、アルゴノート、及びRNAガイド型エンドヌクレアーゼ活性を有するそれらの任意の相同体または改変バージョンからなる群から選択される、実施形態161に記載の組成物。
【0373】
実施形態164.
少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートをさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、実施形態158に記載の組成物。
【0374】
実施形態165.
非コードガイドRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記ガイドRNA分子が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的DNA配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、前記組換えDNAコンストラクト。
【0375】
実施形態166.
前記ガイドRNAが、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0376】
実施形態167.
前記ガイドRNA分子が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または少なくとも25の連続ヌクレオチドに対して少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有するガイド配列を含む、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0377】
実施形態168.
前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0378】
実施形態169.
前記ガイドRNA分子が、CRISPR RNA(crRNA)または単鎖ガイドRNA(sgRNA)である、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0379】
実施形態170.
前記穀類植物のゲノムに存在するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列であって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する前記標的DNA配列の直ぐ隣に位置する前記PAM配列に相補的な配列を前記ガイドRNAが含む、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0380】
実施形態171.
前記PAM配列が、古典的な5’-NGG-3’配列を含む、実施形態165のいずれか1つに記載の組換えDNAコンストラクト。
【0381】
実施形態172.
前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子が、配列番号9、配列番号12、または配列番号15に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するタンパク質をコードする、実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0382】
実施形態173.
実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、DNA分子。
【0383】
実施形態174.
実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【0384】
実施形態175.
実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、細菌細胞。
【0385】
実施形態176.
実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【0386】
実施形態177.
実施形態165に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、組成物。
【0387】
実施形態178.
RNAガイド型エンドヌクレアーゼをさらに含む、実施形態177に記載の組成物。
【0388】
実施形態179.
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、アルゴノート、及びRNAガイド型エンドヌクレアーゼ活性を有するそれらの相同体または改変バージョンからなる群から選択される、実施形態177に記載の組成物。
【0389】
実施形態180.
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼをコードする第2の転写可能なDNA配列を含む第2の組換えDNAコンストラクトをさらに含む、実施形態177に記載の組成物。
【0390】
実施形態181.
前記組換えDNAコンストラクト及び前記第2の組換えDNAコンストラクトを含むDNA分子またはベクターを含む、実施形態177に記載の組成物。
【0391】
実施形態182.
第1のDNA分子またはベクターと、第2のDNA分子またはベクターと、を含み、前記第1のDNA分子またはベクターが、前記ガイドRNA分子をコードする前記組換えDNAコンストラクトを含み、前記第2のDNA分子またはベクターが、前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼをコードする前記第2の組換えDNAコンストラクトを含む、実施形態177に記載の組成物。
【0392】
実施形態183.
少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートをさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、実施形態177に記載の組成物。
【0393】
実施形態184.
少なくとも1つの相同配列を含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記少なくとも1つの相同配列が、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【0394】
実施形態185.
前記少なくとも1つの相同配列が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する前記標的DNA配列の相補鎖と比較して少なくとも1つの変異を含む、実施形態184に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0395】
実施形態186.
前記少なくとも1つの変異が、前記標的DNA配列の相補鎖と比較したときの、1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、または反転を含む、実施形態185に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0396】
実施形態187.
前記少なくとも1つの相同配列が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態184に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0397】
実施形態188.
前記少なくとも1つの相同配列が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態184に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0398】
実施形態189.
第1のホモロジーアーム及び第2のホモロジーアームを含む2つのホモロジーアームを含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記第1のホモロジーアームが、第1の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第2のホモロジーアームが、第2の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第1の隣接DNA配列及び前記第2の隣接DNA配列が、トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【0399】
実施形態190.
前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に位置する挿入配列をさらに含む、実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0400】
実施形態191.
前記挿入配列が、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000のヌクレオチドを含む、実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0401】
実施形態192.
それぞれのホモロジーアームが、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0402】
実施形態193.
それぞれのホモロジーアームが、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0403】
実施形態194.
前記単子葉植物または穀類植物のゲノムに存在し、前記第1の隣接DNA配列と前記第2の隣接DNA配列との間に位置する1つまたは複数のヌクレオチドが、前記組換えDNAドナーテンプレート分子における前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に存在しない、実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0404】
実施形態195.
前記単子葉植物または穀類植物のゲノムに存在し、前記第1の隣接DNA配列と前記第2の隣接DNA配列との間に位置する少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000ヌクレオチドが、前記組換えDNAドナーテンプレート分子における前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に存在しない、実施形態194に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0405】
実施形態196.
実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレートを含む、DNA分子またはベクター。
【0406】
実施形態197.
実施形態189に記載の組換えDNAドナーテンプレートを含む、細菌細胞または宿主細胞。
【0407】
実施形態198.
実施形態189に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【0408】
実施形態199.
トウモロコシ植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0409】
実施形態200.
前記部位特異的ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼまたはホーミングエンドヌクレアーゼである、実施形態199に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0410】
実施形態201.
前記操作されたメガヌクレアーゼまたはホーミングエンドヌクレアーゼが、I-CreI、I-CeuI、I-MsoI、I-SceI、I-AniI、及びI-DmoIからなる群から選択される骨格または基本酵素を含む、実施形態200に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0411】
実施形態202.
前記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメイン及び切断ドメインを含むジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である、実施形態199に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0412】
実施形態203.
前記切断ドメインが、FokIヌクレアーゼドメインである、実施形態202に記載の操作されたジンクフィンガーヌクレアーゼ。
【0413】
実施形態204.
前記部位特異的ヌクレアーゼが、DNA結合ドメイン及び切断ドメインを含む転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である、実施形態199に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0414】
実施形態205.
前記切断ドメインが、PvuIIヌクレアーゼドメイン、MutHヌクレアーゼドメイン、TevIヌクレアーゼドメイン、FokIヌクレアーゼドメイン、AlwIヌクレアーゼドメイン、MlyIヌクレアーゼドメイン、SbfIヌクレアーゼドメイン、SdaIヌクレアーゼドメイン、StsIヌクレアーゼドメイン、CleDORFヌクレアーゼドメイン、Clo051ヌクレアーゼドメイン、及びPept071ヌクレアーゼドメインからなる群から選択される、実施形態204に記載の操作されたTALEN。
【0415】
実施形態206.
前記部位特異的ヌクレアーゼが結合する前記標的部位が、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号38、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態199に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0416】
実施形態207.
前記部位特異的ヌクレアーゼが結合する前記標的部位が、配列番号87、配列番号91、配列番号95、配列番号98、配列番号105、配列番号109、配列番号113、配列番号117、配列番号122、配列番号126、配列番号130、もしくは配列番号137、またはそれに相補的な配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の同一性または相補性を有する、実施形態199に記載の操作された部位特異的ヌクレアーゼ。
【0417】
実施形態208.
部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記部位特異的ヌクレアーゼが、単子葉植物または穀類植物の内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる、前記組換えDNAコンストラクト。
【0418】
実施形態209.
前記導入遺伝子が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、実施形態208に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0419】
実施形態210.
前記部位特異的ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼもしくはホーミングエンドヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)である、実施形態208に記載の組換えDNAコンストラクト。
【0420】
実施形態211.
実施形態208に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、DNA分子またはベクター。
【0421】
実施形態212.
実施形態208に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、細菌細胞または宿主細胞。
【0422】
実施形態213.
実施形態208に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トウモロコシまたは穀類の植物、植物部分、または植物細胞。
【0423】
実施形態214.
少なくとも1つのホモロジーアームと、挿入配列とを含む組換えDNAドナーテンプレートであって、前記少なくとも1つのホモロジーアームが、トウモロコシ植物または穀類植物のゲノムDNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記挿入配列が、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを含み、前記非コードRNA分子が、単子葉または穀類の植物または植物細胞の1つまたは複数の内在性のGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とし、前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、前記組換えDNAドナーテンプレート。
【0424】
実施形態215.
前記少なくとも1つのホモロジーアームが、第1のホモロジーアーム及び第2のホモロジーアームを含む2つのホモロジーアームを含み、前記第1のホモロジーアームが、第1の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第2のホモロジーアームが、第2の隣接DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有する配列を含み、前記第1の隣接DNA配列及び前記第2の隣接DNA配列が、単子葉植物または穀類植物の同一のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列であり、前記挿入配列が、前記第1のホモロジーアームと前記第2のホモロジーアームとの間に位置し、非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトを含む、実施形態214に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0425】
実施形態216.
前記転写可能なDNA配列が、植物発現性プロモーターに機能可能なように連結される、実施形態215に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0426】
実施形態217.
前記非コードRNA分子が、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号30、または配列番号33に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態215に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0427】
実施形態218.
前記非コードRNA分子が、配列番号86、配列番号90、配列番号94、配列番号97、配列番号101、配列番号104、配列番号108、配列番号112、配列番号116、配列番号118、配列番号121、配列番号125、配列番号129、配列番号133、または配列番号136に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の同一性を有するGAオキシダーゼタンパク質をコードするmRNA分子の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、または少なくとも27の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%の相補性を有する配列を含む、実施形態215に記載の組換えDNAドナーテンプレート。
【0428】
実施形態219.
実施形態214に記載の組換えDNAドナーテンプレートを含む、組成物。
【0429】
実施形態220.
実施形態214に記載の組換えDNAドナーテンプレートを含む、細菌細胞または宿主細胞。
【0430】
実施形態221.
実施形態214に記載の組換えDNAドナーテンプレートの前記挿入配列を含む、トウモロコシまたは穀類のトランスジェニック植物、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック植物細胞。
【0431】
実施形態222.
前記トランスジェニック植物が、対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態214に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物:草高の低下、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0432】
実施形態223.
前記トランスジェニック植物が、草高の低下及び/または耐倒伏性の改善を有する、実施形態222に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0433】
実施形態224.
前記トランスジェニック植物の高さが、対照植物と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%低い、実施形態222に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0434】
実施形態225.
前記トランスジェニック植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態222に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物。
【0435】
実施形態226.
トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の作出方法であって、(a)実施形態215に記載の組換えDNAドナーテンプレートでの、外植体の少なくとも1つの細胞の形質転換と、(b)前記形質転換された外植体からの、前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物の再生または発育と、を含み、前記トランスジェニックトウモロコシ植物またはトランスジェニック穀類植物が、前記組換えDNAドナーテンプレートの前記挿入配列を含む、前記方法。
【0436】
実施形態227.
前記単子葉植物または穀類植物が、Agrobacterium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、実施形態226に記載の方法。
【0437】
実施形態228.
内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近にゲノム編集を有するトウモロコシ植物または穀類植物の作出方法であって、(a)前記トウモロコシ植物または穀類植物の外植体の少なくとも1つの細胞への、部位特異的ヌクレアーゼの導入、または前記部位特異的ヌクレアーゼをコードする導入遺伝子を含む組換えDNA分子の導入であって、前記部位特異的ヌクレアーゼが、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置する標的部位に結合し、前記標的部位に二本鎖切断またはニックを生じさせる前記導入と、(b)前記編集された単子葉植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子またはその付近に前記ゲノム編集を含む前記少なくとも1つの外植体細胞からの、編集されたトウモロコシ植物または穀類植物の再生または発育と、を含む、前記方法。
【0438】
実施形態229.
前記導入段階(a)が、少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームを含むDNAドナーテンプレートの導入をさらに含み、前記少なくとも1つの相同配列またはホモロジーアームが、標的DNA配列の少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、または少なくとも5000の連続ヌクレオチドに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%の相補性を有し、前記標的DNA配列が、前記単子葉植物または穀類植物の前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に位置するゲノム配列である、実施形態228に記載の方法。
【0439】
実施形態230.
(c)前記編集されたトウモロコシ植物または穀類植物の選択をさらに含む、実施形態228に記載の方法。
【0440】
実施形態231.
前記選択段階(c)が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子の遺伝子座が編集されたかどうかを、分子アッセイを使用して決定することを含む、実施形態230に記載の方法。
【0441】
実施形態232.
前記選択段階(c)が、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子が編集されたかどうかを植物表現型の観測によって決定することを含む、実施形態230に記載の方法。
【0442】
実施形態233.
前記植物表現型が、対照植物と比較したときの草高の低下である、実施形態231に記載の方法。
【0443】
実施形態234.
前記導入段階(a)によって、前記内在性のGAオキシダーゼ遺伝子のゲノム遺伝子座またはその付近に少なくとも1つの変異が創出され、前記変異が、対照植物のゲノムDNA配列と比較したときの、1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、または反転を含む、実施形態228に記載の方法。
【0444】
実施形態235.
2000mm未満、1950mm未満、1900mm未満、1850mm未満、1800mm未満、1750mm未満、1700mm未満、1650mm未満、1600mm未満、1550mm未満、1500mm未満、1450mm未満、1400mm未満、1350mm未満、1300mm未満、1250mm未満、1200mm未満、1150mm未満、1100mm未満、1050mm未満、または1000mm未満の草高と、(i)18mm超、18.5mm超、19mm超、19.5mm超、20mm超、20.5mm超、21mm超、21.5mm超、もしくは22mm超の平均茎直径もしくは平均柄直径、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性、のいずれかと、を有する、改変されたトウモロコシ植物。
【0445】
実施形態236.
前記トウモロコシ植物が、野生型対照植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、実施形態235に記載の改変されたトウモロコシ植物:柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【0446】
実施形態237.
前記トウモロコシ植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物の同一の節間組織と比較して低い、実施形態235に記載の改変されたトウモロコシ植物。
【0447】
実施形態238.
野生型対照植物と比較して低下した草高と、(i)野生型対照植物と比較して直径が増加した茎もしくは柄、(ii)野生型対照植物と比較して改善した耐倒伏性、または(iii)野生型対照植物と比較して改善した乾燥耐性と、を有する、改変された穀類植物。
【0448】
実施形態239.
前記穀類植物の茎または柄における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照植物と比較して低い、実施形態238に記載の改変された穀類植物。
【実施例0449】
実施例1.GA20オキシダーゼ抑制要素の形質転換イベントを通じて生じる、自殖トウモロコシ系統の草高の低下。
植物の維管束組織における発現を誘起することが知られるイネツングロ桿菌状ウイルス(RTBV)プロモーター(配列番号65)の制御下にmiRNAの標的指向性配列(配列番号40)をコードする配列(配列番号39)を含む転写可能なDNA配列を含む発現コンストラクトを有する形質転換ベクターで、Agrobacterium介在性の形質転換を介して自殖トウモロコシ植物系統の形質転換を実施した。このコンストラクトがコードするmiRNAは、トウモロコシ植物のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とするRNA配列を含むものである。このコンストラクトを用いて形質転換イベントをいくつか生じさせ、こうした形質転換体の草高が非トランスジェニック野生型対照植物と比較して低下したかを決定するために形質転換体を温室で試験した。図1において確認できるように、野生型(WT)対照植物と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック植物において草高が有意に低下し、この有意な低下は、いくつかの形質転換イベント(イベント1~8を参照のこと)を通じて一貫して観測された。それぞれの形質転換イベントについての草高を、それぞれのイベントにつき約10の植物の平均値として計算し、対照植物の高さの平均値と比較した。それぞれのイベント及び対照植物について標準誤差を計算した。計算した標準誤差は、エラーバーとして図1に示される。さらに、こうした形質転換体のそれぞれにおける雌穂の発育は、正常であると思われた。
【0450】
この実験の結果から確認できるように、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とするmiRNAを発現する植物の平均草高では、対照植物と比較して最大で35%の草高低下が生じており、この低下は、複数のイベントを通じて一貫して生じた。このデータは、この抑制コンストラクトで確認される作用が、植物ゲノム内のいずれか1つの遺伝子座にコンストラクトが挿入されることに起因するものではないという結論を支持するものである。
【0451】
このデータは、RTBV維管束プロモーターを使用するこのGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトの発現が、こうした草高表現型を生じさせる上で有効であることさらに示している。さらに、異なる構成的プロモーターの制御下で同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを構成的に発現するR0トウモロコシ植物の早期のデータにおいても植物の草高が低くなることが示されている(後述の実施例15を参照のこと)。したがって、維管束での発現及び構成的な発現を含めて、発現パターンが異なっても、明らかな異型が雌穂に生じることなく同様の草高表現型が生じることを考慮すると、標的化されたGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトの発現は、草高を低減し、本明細書に記載の他の有利な抗倒伏形質及び収量関連形質を与える上で有効であり得る。
【0452】
実施例2.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物における草高の低下。
実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを保有する雑種トウモロコシ植物もまた、圃場条件下で生育すると、野生型対照植物と比較して草高が低下することが示された。GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の平均草高を10の小区画で計算し、32の小区画における(非トランスジェニック)野生型対照雑種トウモロコシ植物の平均草高と比較した。トランスジェニック及び非トランスジェニック対照について約6つの植物を各小区画に含めたが、区画当たりの実際の植物数は、出芽して雌穂を有する植物へと発育した植物の数に応じて異なり得る。図2Aにおいて確認できるように、野生型雑種トウモロコシ植物(対照)と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック雑種植物(SUP-GA20ox雑種)では平均草高の有意な低下が観測された。トランスジェニック雑種及び対照植物について標準誤差を計算した。計算した標準誤差は、エラーバーとして図2Aに示される。GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種植物(右)の隣に雑種対照植物(左)を並べた画像が図2Bにさらに示される。
【0453】
この実験では、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とするmiRNAを発現する雑種トウモロコシ植物を圃場で生育させると、野生型雑種対照植物と比較してその平均草高が約40%低下した。このデータは、自殖系統に加えて雑種トウモロコシ植物でもこの草高表現型が生じることを示している。しかしながら、この実験における半矮性トウモロコシ植物の全バイオマスは、対照と比較して中立であると思われた。
【0454】
実施例3.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物の茎直径の増加。
実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを保有する雑種トウモロコシ植物は、圃場条件下で生育すると、野生型対照植物と比較して茎直径が増加することも示された。茎直径は、一次雌穂の下の第2の節間で測定した。GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の平均茎直径を8つの小区画で計算し、8つの小区画における(非トランスジェニック)野生型対照雑種トウモロコシ植物の平均茎直径と比較した。各小区画には約6つの植物を含めた。図3Aにおいて確認できるように、野生型雑種トウモロコシ植物(対照)と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック雑種植物(SUP-GA20ox雑種)では平均茎直径の有意な増加が観測された。トランスジェニック雑種及び対照植物について標準誤差を計算した。計算した標準誤差は、エラーバーとして図3Aに示される。雑種対照植物(対照;左)に由来する柄の横断面を、GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種植物(SUP_GA20ox;右)に由来する柄の横断面の隣に並べて示した画像が図3Bにさらに示される。
【0455】
この実験では、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とするmiRNAを発現する雑種トウモロコシ植物を圃場で生育させると、野生型雑種対照植物と比較してその平均茎直径が約13%増加した。このデータは、GA20オキシダーゼmiRNAを発現する雑種トウモロコシ植物が、草高が低下した表現型に加えて、肥厚した柄も有し得ることを示している。
【0456】
実施例4.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物では、新鮮雌穂重量が増加した。
実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを保有する雑種トウモロコシ植物は、圃場条件下で生育すると、野生型対照植物と比較して新鮮雌穂重量が増加することも示された。GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の区画当たりの平均新鮮雌穂重量を24の小区画で計算し、8つの小区画における(非トランスジェニック)雑種トウモロコシ対照植物の平均新鮮雌穂重量と比較した。この場合も先と同様に、各小区画には約6つの植物を含めた。図4において確認できるように、野生型雑種トウモロコシ植物(対照)と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック雑種植物(SUP-GA20ox雑種)では、区画当たりの平均新鮮雌穂重量の増加が観測され、雌穂及び穀粒の発育は正常であると思われた。トランスジェニック雑種植物及び対照植物についてこの実験の標準偏差を計算した。計算した標準偏差は、エラーバーとして図4に示される。図5に示されるように、風害も併せて受けた別の圃場試験場所においても同様の結果が得られた。
【0457】
この実験では、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とするmiRNAを発現する雑種トウモロコシ植物を圃場で生育させると、野生型雑種対照植物と比較してその平均新鮮雌穂重量が増加しており、このことは、こうしたトランスジェニック植物では、収量関連形質の改善が追加で生じ得ることを示している。しかしながら、こうした結果は、対照との大規模な統計学的比較が行われない観測データに基づいたものであることから、収量性は、広域エーカー条件の下で試験されるべきである。
【0458】
実施例5.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物では、耐倒伏性が増加した。
圃場試験場所において開花前の雑種トウモロコシ植物に風害を与えたところ、野生型雑種対照植物と比較して、実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する植物では耐倒伏性が増加していることが示された。野生型(非トランスジェニック)雑種対照植物では、この強風イベントを受けて視覚的に倒伏が生じたが、GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物は、隣接する圃場場所において倒伏害に抵抗性を示した。GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種トウモロコシ植物による耐倒伏性の効果を評価するために、2つの圃場試験場所に倒伏害を与え、これらの場所を通じて、トランスジェニックGA20オキシダーゼ抑制雑種トウモロコシ植物の区画当たりの平均新鮮雌穂重量を野生型雑種対照植物の平均新鮮雌穂重量と比較した。これらの2つの試験から収集したデータによって、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する雑種植物と比較して、雑種対照植物の平均新鮮雌穂重量が2つの試験でそれぞれ約57%及び約81%減少したことが示された。
【0459】
非トランスジェニック対照植物と比較してトランスジェニックGA20オキシダーゼ抑制雑種トウモロコシ植物では耐倒伏性の増加が視覚的に観測されたことに加えて、トランスジェニックGA20オキシダーゼ抑制植物では、こうした試験において平均新鮮雌穂重量の増加も伴っていたことは、耐倒伏性が増加するということは、平均新鮮雌穂重量が増加するということであると解釈し得るものであることを示している。したがって、GA20オキシダーゼ抑制植物において耐倒伏性が増加すると、過酷な天候イベントの間に生じる倒伏作用に抵抗することによってこうしたトランスジェニックトウモロコシ植物の産生能力/安定性がさらに増加し得る。
【0460】
実施例6.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物では、収穫指数が増加した。
実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを保有する雑種トウモロコシ植物は、圃場条件下で生育すると、野生型対照植物と比較して収穫指数が増加することがさらに示された。GA20オキシダーゼ抑制要素を発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の収穫指数を、8つの小区画で生育した植物から決定し、非トランスジェニック雑種トウモロコシ対照植物と比較した。各小区画には約6つの植物を含めた。図6において確認できるように、野生型雑種トウモロコシ植物(対照)と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック雑種植物(SUP-GA20ox雑種)では収穫指数の有意な増加が観測された。トランスジェニック雑種及び対照植物について標準誤差を計算した。計算した標準誤差は、エラーバーとして図6に示される。
【0461】
この実験では、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とするmiRNAを発現する雑種トウモロコシ植物を圃場で生育させると、野生型雑種対照植物と比較してその収穫指数が約11%増加した。収穫指数がこうして増加したことは、野生型対照植物と比較して茎葉重量が減少したこととさらに関連していたが、トランスジェニック植物においてバイオマスの総乾燥重量に差異が観測されることはなかった。
【0462】
実施例7.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物では、平均穀物収量推定値が増加した。
GA20オキシダーゼ抑制要素(実施例1に示される)を発現する雑種トウモロコシ植物についての平均穀物収量推定値は、圃場の16の小区画(区画当たり約6つの植物を含む)から計算した。GA20オキシダーゼを抑制するこうしたトランスジェニック雑種トウモロコシ植物について計算した平均穀物収量推定値は、トウモロコシ雑種対照植物を上回って約15%増加していた(図7)。穀物収量推定値は、雌穂形質指標に基づく予測収量の一般的な推定値を与える指標である。穀物収量推定値は、小区画に対して手作業で収穫された雌穂から得られるものであり、単位は、kg/ha(bu/acの代わり)である。穀物収量推定値(kg/ha)は、(単位面積当たりの穀粒数(穀粒/m2)x単一穀粒重量(mg)x15.5%/100)という式によって計算される。
【0463】
実施例8.GA20オキシダーゼ抑制要素を発現する雑種トウモロコシ植物では、平均多収性スコアが増加した。
GA20オキシダーゼ抑制要素(実施例1に示される)を発現する雑種トウモロコシ植物では、非トランスジェニック雑種対照植物と比較して多収性及び二次雌穂が増加することも小区画実験で示された。多収性スコアは、圃場におけるトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の10の小区画(区画当たり約6つの植物を含む)から決定した。図8に示されるように、GA20オキシダーゼを抑制するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の平均多収性スコアは3であった一方で、対照植物の平均多収性スコアは1であった。多収性スコアを決定するために、R1発育期における二次雌穂の発育について植物をアッセイした。下記の尺度に基づいて植物の評価付けを行った:1=二次雌穂の形成がほとんど生じないか、または全く生じない。2=二次雌穂で絹糸が顕著である。3=雌穂の葉鞘から発育した二次雌穂が出現している。4=一次雌穂と同様に二次雌穂が良好に発育している。収穫期の終わりには、少なくともいくつかの二次雌穂が産生し、穀粒が正常に発育したことがさらに示された。
【0464】
実施例9.GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトで形質転換された雑種トウモロコシ植物を用いた、広域エーカーでの収量及び形質の圃場試験。
実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを形質転換して市販の雌性トウモロコシ自殖系統に導入し、多くの形質転換イベントを創出した。形質転換した植物を生育させ、自家交雑によって十分な種子を増やした後、さまざまな市販の雄性トウモロコシ自殖系統と交雑させることで雑種トウモロコシ植物を作出した。雄性-雌性雑種の作出に使用される異なる雄性自殖系統はそれぞれ、テスターと呼ばれる。次に、異なるテスターとの雑種トウモロコシ植物を、標準的な農学的慣例(SAP)に従って圃場の広域エーカーで生育させた。SAPの植え付け密度では、作条間隔を30インチとしてエーカー当たりの植物数を34,000とした。
【0465】
収量試験については、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する4つの異なる形質転換イベントを2つの異なる市販のテスター系統と交雑させた。その後、6つの米国中西部州にまたがる16の地理的場所において雑種トウモロコシ植物を試験した。これらの場所を通じてトランスジェニック雑種トウモロコシ植物の収量を計算し、非トランスジェニック雑種トウモロコシ対照植物の収量と比較した。表4は、それぞれのイベントについて非トランスジェニック対照と比較したときの収量差異を、トランスジェニック雑種トウモロコシ植物間でブッシェル/エーカーで示したものである。負の数は、収量の減少を示す。統計学的なp値が0.2未満である収量差異は、表4において太字のイタリックフォントで示される。この表記法は、別段の記載がない限り、統計学的有意性を示すために、これらの実施例における残りの表でも使用される。表4においてSAPの見出しの下に示されるように、野生型雑種トウモロコシ植物(対照)と比較して、抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック雑種トウモロコシ植物(トランスジェニック植物)では、SAP条件下で収量の有意な増加が観測された。4つトランスジェニックイベント及び2つのテスター系統を通じて収量の有意な増加が観測された。
【0466】
作条間隔を30インチとしてエーカー当たりの植物数を42,000とする高密度(HD)植え付け条件下で同等の広域エーカー収量試験を実施し、標準的な農学的慣例(SAP)密度と比較した。表4においてHDの見出しの下にHD条件下での収量差異が示される。こうした高密度条件下では、イベント及びテスターによって収量が異なるという入り混じった結果が得られた。しかしながら、2つのイベントについては、2つのテスターのうちの1つとの組み合わせで収量の増加が観測されており、異なる高密度条件下で、より大きな数の生殖質にまたがって収量が増加する可能性が残っている。
表4.SAP条件下及びHD条件下におけるトランスジェニック植物と対照との広域エーカーでの収量差異
【表4】
【0467】
多くの発育形質及び生殖形質を測定するために、圃場において形質試験も実施した。こうした試験は、上記の通常の密度(SAP)条件下、及び作条間隔を20インチとしてエーカー当たりの植物数を54,000とする超高密度(UHD)植え付け条件下で実施した。試験は、7つの形質転換イベントと3つのテスターとの雑種トウモロコシ植物で実施し、それぞれのテスターごとのデータを7つのイベントにわたってプールした。
【0468】
表5は、雑種トウモロコシ植物での形質試験結果をまとめたものである。測定値は、トランスジェニック植物と対照との間の、パーセント差異、または日数差異もしくは葉数差異のいずれかである。必要に応じて、測定を実施した発育段階(R3など)が、「形質名称」という縦列の下に括弧内に示される。花粉飛散は、発芽してから植物の50%に花粉の飛散が生じるまでの日数に関して測定されている。絹糸抽出出現は、発芽してから植物の50%に絹糸抽出が生じるまでの日数に関して測定されている。花粉-絹糸間隔は、植物の50%に花粉の飛散が生じてから絹糸抽出が生じるまでの日数の尺度である。柄強度は、柄の折損機器を使用し、柄セグメントが横方向に折れるときにかかる力量の尺度である。葉面積指数(LAI)は、植物樹冠の程度を特徴付ける無次元量であり、広範な葉樹冠空間内の単位地表面積当たりの片側緑葉面積として定義される。
表5.SAP下及びUHD下でのトランスジェニック植物と対照植物との間の形質差異。
【表5】
【0469】
表5に示されるように、対照と比較してトランスジェニック植物では、草高、雌穂高、及び節間長の有意な短縮が観測された。トランスジェニック植物は、6フィート未満の草高及び18インチ超の雌穂高を一貫して示しており、このことによって、機械に改変を加えることなくコンバインによる収穫が可能となる。この実験では、柄直径の増加が観測され、この増加は、特に、より高い密度の植え付け条件下で観測された。
【0470】
表6は、雑種トウモロコシについての雌穂形質試験の結果をまとめたものである。試験は、7つの形質転換イベントと3つのテスターとの雑種トウモロコシ植物で実施し、それぞれのテスターごとのデータを7つのイベントにわたってプールした。測定値は、トランスジェニック植物と対照との間の差異(差分パーセント)である。必要に応じて、測定を実施した発育段階(R3など)が、「形質名称」という縦列の下に括弧内に示される。雌穂面積は、穀粒及び空隙を含めて雌穂を画像化することによって得られる二次元図に由来する面積に関する雌穂の区画平均サイズの尺度である。雌穂直径は、その最も幅の広い区間にわたる雌穂の最大「幅」軸として測定される雌穂直径の区画平均値を示す尺度である。雌穂長は、雌穂の先端から雌穂節の根元までの直線として測定される雌穂の長さの区画平均値の尺度である。雌穂先端空隙_pctは、穀粒及び空隙を含めて雌穂を画像化することによって得られる二次元図に由来する、雌穂の上部30%の面積における空隙の面積割合の区画平均値の尺度である。雌穂空隙は、二次元図に由来する、雌穂に対する空隙の面積割合の区画平均値を示す尺度であり、穀粒及び空隙を含めて雌穂を画像化することによって測定される。穀物収量推定値は、実施例7に定義される。単位面積当たりの穀粒数は、圃場の単位面積当たりの穀粒数の区画平均値として測定される。雌穂を設定作条長(典型的には1メートル)から収集し、脱穀してから統合して穀粒数を数えた後、得られた数を圃場の単位面積当たりの総穀粒数に変換した。単一穀粒重量は、穀粒当たりの区画平均重量を示す尺度である。単一穀粒重量は、(水分を15.5%に補正した試料穀粒重量)/(試料穀粒数)の比として計算される。雌穂当たりの穀粒数は、雌穂当たりの穀粒数の区画平均値の尺度である。雌穂当たりの穀粒数は(穀粒総重量/(単一穀粒重量*総雌穂数))として計算され、穀粒総重量及び総雌穂数は、0.19~10平方メートルの面積にわたる雌穂試料から測定される。
表6.SAP下及びUHD下でのトランスジェニック植物と対照植物との間の雌穂形質差異。
【表6】
【0471】
表6に示されるように、トランスジェニック植物についてのこうした実験で観測された雌穂面積及び雌穂長を対照と比較するとこれらには有意な増加が存在した。雌穂直径にも注目すべき減少が存在した。この実験では、トランスジェニック植物と対照との間で穀物収量推定値は、ほとんどで中立であった。
【0472】
1つのテスターに交雑した8つのイベントにまたがって標準的な密度で圃場において追加のデータを収集し、これによって、対照と比較して草高、雌穂高、及び節間長が減少し、茎直径及び収穫指数が増加したことが示された(データ掲載なし)。草高は、地面から最上部の舌状葉までをR3期に測定した。雌穂高は、地面から雌穂節までをR3期に測定した。柄直径は、別段の記載がない限り、雌穂から2節下の柄節間の中央で測定した。こうしたデータによって、イベントを通じて草高形質及び柄形質の浸透率が高いことが実証されたが、多収性(または二次雌穂の数)の増加は、こうした試験では、有意ではないか、または明白ではなかった。
【0473】
別の実験では、V11期からR1期以降まで草高生育を測定した。図9は、この期間にわたるトランスジェニック植物と対照との草高差異を示す。この図では、5フィート及び6フィートの高さに対応する点線が参照用に描かれている。
【0474】
実施例10.トランスジェニック植物では、制御された環境条件において窒素ストレス条件下及び水ストレス条件下で形質が増進した。
この実施例は、自動化温室(AGH)または圃場(記載のとおり)において、実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニックトウモロコシ植物の、水及び窒素のストレス応答が対照と比較して増進したことを示す。AGHにおいて植物の表現型を自動でアッセイするための装置及び方法は、例えば、米国特許公開第2011/0135161号に開示されており、当該文献は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0475】
AGHの状況では、非ストレス条件、軽度及び中程度の窒素欠乏ストレス条件、ならびに軽度及び中程度の水欠乏ストレス条件を含む5つの異なる条件下でトウモロコシ植物を試験した。表7に示されるストレス特異的条件下でトウモロコシ植物を生育させた。
表7.AGHでの5つの生育条件の説明。
【表7】
【0476】
水欠乏は、非ストレス植物の体積含水率(VWC)と比較して低い特定のVWCとして定義される。例えば、非ストレス植物は、50%のVWCに維持され得、水欠乏アッセイのためのVWCは、35%~40%のVWCとして定義され得る。可視光及びハイパースペクトルイメージングを使用すると共に、ポット重量、ならびに個々の植物に日々与えた水及び栄養分の量を直接的に測定してデータを収集した。窒素欠乏は、非ストレス植物の窒素濃度と比較して低い特定の窒素mM濃度として(1つには)定義される。例えば、非ストレス植物は、窒素濃度が8mMに維持され得るが、窒素-欠乏アッセイに適用される窒素濃度は、4~6mMの濃度に維持され得る。
【0477】
それぞれのスクリーニングにつき最大で10のパラメータを測定した。草高、バイオマス、及び樹冠面積は、可視光カラーイメージングに基づく測定値である。草高(PlntH)は、側面画像から得られる、ポットの上部から植物の最高点までの距離(mm)を指す。バイオマス(Bmass)は、複数角度の視点から得られる画像から得られる植物の推定苗条新鮮重量(g)として定義される。樹冠面積(Cnop)は、トップダウン画像で見られる葉面積(mm2)として定義される。アントシアニンスコア及びアントシアニン面積、クロロフィルスコア及びクロロフィル濃度、ならびに水分含量スコアは、ハイパースペクトルイメージングで測定した。アントシアニンスコア(AntS)は、トップダウンハイパースペクトル画像から得られる葉樹冠におけるアントシアニンの推定値である。アントシアニン面積(AntA)は、側視ハイパースペクトル画像から得られる茎におけるアントシアニンの推定値である。クロロフィルスコア(ClrpS)とクロロフィル濃度(ClrpC)とは両方共、トップダウンハイパースペクトル画像から得られる葉樹冠におけるクロロフィルの測定値であり、クロロフィルスコアは、相対単位で測定され、クロロフィル濃度は、百万分率(ppm)単位で測定される。葉の水分含量(FlrWtrCt)は、トップダウンハイパースペクトル画像から得られる葉樹冠における水の測定値である。水利用効率(WUE)は、与えた水のリットル当たりの植物バイオマスのグラムに由来する。適用水(WtrAp)は、実験過程の間にポット(穴のないポット)に与えた水の直接的な測定値である。こうした生理学的試験は、試験するトランスジェニック植物が対照と比較されるように組み立てた。2つの形質転換イベントのトランスジェニック植物を測定し、対照と比較した。データはすべて、対照とトランスジェニック植物との差異(差分パーセント)で示される。統計学的なp値が<0.1であるデータ点は、太字のイタリックフォントで示した。他のデータ点は、>0.1のp値を有する。
【0478】
表8は、植え付けから21日経過した時点で測定した栄養生長段階でのAGH形質試験結果をまとめたものであり、表9は、植え付けから55日経過した時点で測定した生殖段階でのAGH形質試験結果をまとめたものであり、これらの結果は、実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトの2つのイベントのうちの1つを有するトランスジェニック植物におけるものを対照植物と比較したものである。
表8.温室における通常条件下及びストレス条件下のトランスジェニック植物と対照植物とを、植え付けから21日経過した時点で比較したもの。
【表8】
表9.温室における通常条件下及びストレス条件下のトランスジェニック植物と対照植物とを、植え付けから55日経過した時点で比較したもの。
【表9】
【0479】
表8に示されるように、対照と比較して、トランスジェニック植物では、ストレス抵抗性と関連するいくつかの形質が増進し、他の有益な形質もストレス条件下で維持された。草高は、すべての処理を通じて有意に低下し、ストレス条件によって影響を受けなかった。バイオマス及び樹冠面積は、ストレスなしの条件では中立であったが、ストレス条件が厳しくなると増加した。葉の水分含量は、ストレスなしの条件下及びストレス条件下で有意に増加しており、このことは、トランスジェニック植物が葉組織に留める水分量が増えたことを示している。アントシアニン面積は、ストレスなしの条件下及びストレス条件下で有意に減少しており、このことは、トランスジェニック植物では窒素欠乏が生じなかったことを示している。
【0480】
表9に示されるように、対照と比較すると、トランスジェニック植物では、適用水、WUE、バイオマス、及び茎葉重量の形質領域において有意な減少が生じており、このことは、植物のバイオマスが減少することで必要になる水が少なくなり、これによってトランスジェニック植物の水利用効率が改善したことを示している。収穫指数は、非ストレス条件下及びストレス条件下で有意に増加した。
【0481】
実施例11.トランスジェニック植物では、圃場において標準密度と高密度との両方で生殖段階時の乾燥耐性、気孔コンダクタンス、及び先端発根速度が増加した。 圃場において乾燥条件下で対照植物と比較すると、実施例1由来のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニックトウモロコシ植物では、葉巻の減少が直接的に観測された。トウモロコシの葉巻は、葉の水ポテンシャルが約-1.1MPaの閾値を下回ると生じるものである。水ストレス下では、気孔コンダクタンスも低下する。気孔コンダクタンスの指標として安定酸素同位体比(δ18O)(気孔コンダクタンスに反比例する)を使用した。トランスジェニック植物のR5期に収集した雌穂葉試料では、対照を上回ってδ18Oの有意な減少が生じたことから、気孔コンダクタンスの有意な上昇が観測された(図10を参照のこと)。2つの形質転換イベントを通じてトランスジェニック植物由来のデータを取得し、テスター当たり2つの反復検体を用いて10のテスターにまたがって平均化した。対照植物の葉におけるδ18Oが増加したことは、対照の気孔コンダクタンスが低下したことを示している。圃場において観測される葉巻が減少したこと併せると、収量試験において16の圃場場所中、15の圃場場所でトランスジェニック植物の葉の気孔コンダクタンスが有意に増加したことは、後期栄養生長の間にトランスジェニック植物の葉の水分状況が改善したことを示している。
【0482】
根によって有効に水が取り込まれることは、植物の生育において重要な因子である。発根深度の進展過程を測定するために、1つの圃場場所の植物間の作条内にSentek(登録商標)SOLO土壌水分容量プローブをV4期に設置した。地表面から10cm、20cm、30cm、50cm、70cm、90cm、120cm、及び150cmの深度で容量センサーを用いて時間単位で土壌水分を測定した。発根先端の深度は、センサーによって記録される土壌水分の枯渇に日周パターンが存在することによって推測した。V4期の設置時点で既に10cm、20cm、及び30cmの深度で根の活性が存在した。我々は、50cm、70cm、及び90cmの深度で土壌水分の枯渇が最初に生じることを検出した。120cam及び150camの深度では生育シーズンを通じて土壌は飽和していた。根が生育してこれらの深度に到達していた可能性はあるが、飽和ゾーンで土壌水分の枯渇を検出することが不可能であったため、我々は、この実験についてはこれらの深度で根の活性を検出することができなかった。図11は、Y軸上のさまざまな深度に植物の根の先端が到達するのに要する期間(植え付け後の日数)を示す。円と共に示される線は、作条間隔を30インチとし、エーカー当たりの植物数を34,000とした植え付け密度の植物のものであり、正方形と共に示される線は、作条間隔を20インチとし、エーカー当たりの植物数を55,000とした植え付け密度の植物のものである。生育段階は、X軸上に示される。
【0483】
図11に示されるように、トランスジェニック植物と対照植物との間でこの実験における根の生育はV12までは同様であり、植え付け後から約30日経過時点及び36日経過時点の根の到達深度は、それぞれ50cm及び70cmであった。しかしながら、トランスジェニック植物の根は、R1の時点もしくはR1より前(すなわち、植え付け後から約50日目の時点)、または対照植物の根と比較して約20日早い時点で、90cmの深度に到達した。トランスジェニック植物では、V11/V12期を過ぎてから先端発根速度が増加しており、このことは、開花前後の非常に重要な植物発育期間に乾燥回避の向上をもたらし得るものである。先端発根速度がこうして増加すると、R1期前後の非常に重要な期間に土壌のより深い位置に蓄えられた水をトランスジェニック植物が利用することが可能となることによって、開花及び受粉に対する乾燥作用の回避、低減、または最小化が可能となり得る可能性がある。乾燥条件下での受粉が改善すると、穀粒一式及び産生能力が改善し得る可能性がある。
【0484】
水分センサーを用いた上記の圃場実験を補完するために、実施例1由来のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニックトウモロコシ植物(n=10)の先端発根速度を根箱実験において測定し、野生型対照植物(n=9)と比較した。第10番圃場の土壌/バーミキュライト/パーライト(1:1:1の比)の混合物をプレキシガラスの根箱(高さ5フィート、断面6×8インチ、壁の厚さ1/2インチ)に充填し、それぞれの植物の根を視覚化するために使用した。植え付け後にそれぞれの箱の最大発根深度を一定間隔(約2日ごと)で測定した。この実験では、トランスジェニック植物の根の先端の深度の中央値は、野生型対照植物と比較して一貫して伸長または深化しており、この伸長または深化は、植え付け後から約21日が経過した時点(すなわち、およそV4期の時点)で始まり、植え付け後から少なくとも34日が経過した時点(測定中止時点)まで継続した(データ掲載なし)。制御された環境である根箱でのこの知見は、圃場において水分センサーを用いて観測された根の深度増加と整合しており、圃場実験ではV11/V12期を過ぎるまで根の深度差異が検出されなかったものの、根の深化は、より早い発育段階で生じ得ることを示している。
【0485】
後述の実施例14に記載の制御環境の実験で測定された根の形質では、根の深度に有意な差は一般に存在しなかった(または差異は最小のものにすぎなかった)ものの、実施例14のバーミキュライトの実験は、この実施例11の根箱の実験で根の深度差異が観測された時期(すなわち、V4期前後に始まる)より前のV3期に実施したものであると共に、実施例14の空中栽培装置の実験は、V5期に実施したものの、空中栽培系は、根の正常(またはより自然)な生育及び発育に影響し得る、植物と土壌との相互作用が全く存在しないものである(バーミキュライトの実験とは異なる)。
【0486】
実施例12.トランスジェニック植物では、通常条件下及び乾燥条件下で気孔コンダクタンスが上昇し、乾燥ストレス下で光合成能力がより高く維持される。
通常条件下及び乾燥条件下での葉における気孔コンダクタンス及び光合成のレベルを温室においても測定した。この実験については、実施例1由来のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含むトランスジェニック植物、及び野生型対照植物を、十分な水(1日当たり水1500ml)を与える処理、または水制限/長期乾燥(1日当たり水1000ml)処理に供した。野生型対照植物の20の反復検体、及びGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトについてはイベント当たり10の反復検体(合計2つのイベント)を、十分な水を与える処理に供すと共に、野生型対照植物の140の反復検体、及びGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトについてはイベント当たり70の反復検体(合計2つのイベント)を、水制限/長期乾燥処理に供した。温室では実験植物の外周付近に適切な高さの境界用植物(野生型植物については雑種のもの、及びトランスジェニック植物については自殖のもの)を設置することで遮光作用を標準化した。日周の気孔コンダクタンス及び光合成の測定値は、製造者の説明に従い、午前及び午後にLI-COR(登録商標)デバイスを用いてV12期に取得した。図12Aに示されるように、トランスジェニック植物については水を十分に与える条件下と乾燥条件下との両方において毎日の両方の時点で気孔コンダクタンスが一貫して上昇していることが明らかとなった。トランスジェニック植物では、乾燥条件下で葉巻の減少も観測された。図12Bにさらに示されるように、乾燥条件に応じて光合成速度がより高く観測され、この光合成速度は、特に乾燥条件下で午後に光合成速度が低下した対照植物とは異なり、午後に太陽光が増加しても、その増加に対して有意に応答することはなかった。
【0487】
こうした結果は(圃場での上記の別の知見と併せると)、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含むトランスジェニック植物では、葉においてガス交換及び光合成が上昇しただけでなく、水制限/長期乾燥条件に応じてガス交換及び光合成の上昇が維持されたことを実証している。トランスジェニック植物では、対照植物と比較して葉の温度低下もさらに観測された(データ掲載なし)。したがって、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック植物は、対照と比較して、乾燥耐性が向上しており、水制限条件下で光合成を維持する能力を有し得ると予測される。理論に拘束されるものではないが、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含むトランスジェニック植物で(特に後期栄養生長段階及び早期生殖段階の間に)観測された根の深化が、こうしたトランスジェニック植物の乾燥耐性に寄与し得ることがさらに提唱される。
【0488】
実施例13.トランスジェニック植物では、温室条件下で対照のものと同等の生殖形質が生じた。 実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニックトウモロコシ植物、及び対照植物を温室においてポットで生殖R1期まで生育させ、V8期及びR1期に生殖形質を測定した。2つの形質転換イベントのトランスジェニック植物についてデータを取得した(表10)。データは、野生型対照と比較したときのトランスジェニック植物について、日数差異で示されるか、またはパーセント差異として示され、有意な変化は、太字で示される。形質名称は、上記の実施例9及び実施例10に定義される。この表には、開花、未成熟雌穂、成熟雌穂、及び雄穂の形質及び形質クラスの特定の知見がまとめられている。全体として、トランスジェニック植物における生殖発生は、ごく少数の僅かまたはマイナーな変化を有するものの、対照植物とほぼ同等であった。
表10.トランスジェニック植物と対照との温室での生殖形質の比較。
【表10】
【0489】
実施例14.温室条件下でのトランスジェニック及び対照植物の根の形質。 実施例1に記載のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニック植物、及び対照植物をバーミキュライト培地でV3期まで、または空中栽培装置でV5期まで、温室において生育させた。植物を採取し、根の形質の直接的な測定または光学イメージングによる測定を行うために根を洗浄した。4つの形質転換イベントのトランスジェニック植物を試験して対照と比較した。表11及び表12には、それぞれバーミキュライト培地で生育した植物または空中栽培生育装置の植物について測定結果がまとめられている。根の分岐点数は、植物根のイメージングを介して植物の根の分岐先端点の数を測定したものある。根系の画像は、根の長さを測定するためにスケルトン化した。根の垂直軸周囲をさまざまな角度で撮影して最大で40の画像を取得し、画像を通じて測定値を平均化した。根の全長は、植物の根系のイメージングを介して、根をすべて1列に並べた場合と同様に、植物の根の累積長を測定したものである。根系の画像は、根の長さを測定するためにスケルトン化した。根の垂直軸周囲をさまざまな角度で撮影して最大で40の画像を取得し、画像を通じて測定値を平均化した。表11及び表12のデータは、トランスジェニック植物と対照とを比較したときの差異(差分パーセント)であり、有意な変化は、太字で示される。
表11.バーミキュライト培地におけるV3時点のトランスジェニック植物と対照との温室での根の形質比較。
【表11】
表12.空中栽培装置におけるV5時点のトランスジェニック植物と対照との温室での根の形質比較。
【表12】
【0490】
表11及び表12に示されるように、トランスジェニック植物では、V3期及びV5期に草高が有意に低下したが、こうした実験においてトランスジェニック植物と対照植物との間で観測された根の全体構造における変動はごく僅かなものにすぎなかった。
【0491】
実施例15.代替のプロモーターを有するトランスジェニック植物の表現型知見。 実施例1~14では、トランスジェニック植物は、RTBVプロモーターに機能可能なように連結されたGA20オキシダーゼ抑制要素を含むものであった。さまざまな他のプロモーターに機能可能なように連結された同一の抑制要素でもトウモロコシ植物を形質転換することで、GA20オキシダーゼ抑制要素が異なるパターンで発現すると草高及び他の表現型にどのように影響し得るかを試験した。
【0492】
さまざまなプロモーターに機能可能なように連結されたコンストラクトで形質転換した外植体から再生したトランスジェニック植物(R0植物)を温室においてR5の生育段階に観測すると共に、乾燥して垂れ下がることで皮がむけた後の雌穂を観測した。表13には、試験したさまざまなプロモーターが示される。異なるプロモーターを含むそれぞれのコンストラクトについて複数の形質転換イベントの植物について、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含まない同一の育種系統の対照植物と比較して観測を実施した。こうした観測の結果は、それぞれのコンストラクトについての形質転換イベントにまたがって表13にまとめられている。
表13.異なるプロモーターの制御下にある、GA20オキシダーゼに対するmiRNA抑制コンストラクトを含むR0トランスジェニック植物の知見のまとめ。
【表13-1】
【表13-2】
【0493】
表13に示されるように、対照と比較して、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含むR0トランスジェニック植物では、試験したプロモーターのすべてについて観測による顕著な異型は全く生じなかった。生殖雌穂組織において直接的に発現させたときでさえも、観測可能な異型は全く生じなかった。RTBVプロモーターコンストラクト(上述の実施例におけるもの)で草高が明らかに低下しただけでなく、さまざまな構成的プロモーター、異なる発現レベルの葉プロモーター、いくつかの維管束プロモーター、及び高度の発現レベルを有する根プロモーターに機能可能なように連結された同一のGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを有するトランスジェニック植物でも草高が明らかに低下した。GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトに連結された、構成的発現を伴う操作されたプロモーター(C1)を試験し、このプロモーターもまた、低草高表現型を生じさせることが明らかとなった。同様に、イネ維管束Cyp2プロモーターに加えて、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトに連結された、維管束発現を伴う少なくとも1つの操作されたプロモーター(V1)が低草高表現型を生じさせることが明らかとなったが、2つの他の操作された維管束プロモーター(V2、V3)、及び3つの操作された茎プロモーター(S1、S2、S3)では、植物の草高は低下しなかった。しかしながら、RTBVプロモーターの制御下にあるGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトの転写終結配列を変えても、低草高表現型は変化しなかった(表11には掲載なし)。本明細書で使用される「中程度に低い」という用語は、草高の中程度の低下(RTBVプロモーターで観測される草高の低下との比較)を指し、「いくらか低い」の知見は、草高の低下量にいくらかの変動が存在したことを意味する。
【0494】
こうした結果は、構成的プロモーターで観測される草高表現型には、いくらかの可変性が存在したものの、こうした構成的プロモーターでGA20オキシダーゼ抑制要素が発現すると、低草高表現型が一貫して生じたことを示している。同様に、RTBVプロモーターをエンハンサー要素と組み合わせることで発現パターンを維管束のものから構成的なものへと変換しても、依然として低草高表現型が生じた(このことは、RTBVプロモーターの十分性を示している)。RTBVプロモーターを含めて、少数の維管束プロモーターでは低草高表現型が生じたが、2つの他の操作された維管束プロモーターでは低草高表現型は生じず、このことは、こうしたプロモーターでの発現レベルが低いことに起因し得るものである。茎プロモーターのいずれにおいても、低草高表現型は生じず、このことは、茎におけるGA20抑制コンストラクトの発現は、この表現型を生じさせるには不十分であったことを示している。驚くべきことに、結果にはいくらかの可変性が存在したものの、葉においてGA20抑制コンストラクトを発現させると、発現レベルの異なる低草高表現型が一貫して生じた。このデータは、葉組織における活性型GAの産生が、植物の生育及び最終的には草高に寄与しており、そのような垂直方向の生育は植物の茎または柄で生じるにもかかわらず、このように寄与することを示している。さまざまな根プロモーターでGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現させると、低草高表現型が一般に生じることはなかったが、1つの根プロモーターでは、中程度の表現型が実際に生じ、このことは、地上植物組織で発現が追加で生じることに起因し得るものである。
【0495】
次に、R0植物の自家交雑を行い、得られた種子を苗床で生育させてホモ接合型の自殖子孫植物(R1植物)を作出した。プロモーターコンストラクトのいくつかを含むR1子孫トランスジェニック植物(コンストラクト当たり少なくとも4形質転換イベント)の観測をR1発育段階に実施し、GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを含まない同一の育種系統の対照植物と比較した。R0植物と同様に、RTBVプロモーター、CAMV e35Sプロモーター、及びCoix lacryma-jobiポリユビキチンプロモーターのそれぞれでGA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現するR1子孫植物でもまた、顕著な異型が全く観測されることなく、低草高の半矮性表現型が生じることが明らかとなった。
【0496】
実施例16.異なるGAオキシダーゼ遺伝子を標的とするコンストラクトを含むトランスジェニックトウモロコシ植物の表現型知見。 GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とし、植物発現性の維管束プロモーター、構成的プロモーター、及び/または葉プロモーターに機能可能なように連結されたmiRNA発現コンストラクトは、低草高の半矮性トウモロコシ植物の作出に使用し得るものであることを上記の実施例は実証している。異なるGA20オキシダーゼ遺伝子またはGA3オキシダーゼ遺伝子を抑制標的とするか、あるいはGA20オキシダーゼ_3遺伝子及び/またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子の異なる部分を抑制標的とすることが、どのように草高に影響し得るかを試験するために、いくつかのコンストラクトを生成し、トウモロコシ植物に形質転換した。上記の実施例と同一の標的指向性配列を有するが、異なるmiRNA骨格配列を有するコンストラクト(骨格配列が、2つはトウモロコシmiRNA由来のもの、1つはダイズmiRNA由来のもの、及び1つはワタmiRNA由来のもの(上記の実施例ではイネmiRNA骨格配列を使用したコンストラクト))も調製した。表14では、こられの追加の抑制コンストラクトのリストが、これらのコンストラクトを含むトランスジェニックR0植物の温室での知見(野生型対照植物との比較)と共に示される。(i)GA20オキシダーゼ_1/GA20オキシダーゼ_2を標的とするコンストラクト、(ii)GA20オキシダーゼ_3/GA20オキシダーゼ_9を標的とするコンストラクト、(iii)GA20オキシダーゼ_7/GA20オキシダーゼ_8を標的とするコンストラクト、及び(iv)GA20オキシダーゼ_3/GA20オキシダーゼ_5を標的とするコンストラクト(異なるmiRNA骨格を有する)は、両方の遺伝子標的に相補的な単一の標的指向性配列を有するmiRNAをそれぞれがコードするようにした一方で、(i)個別のGA20オキシダーゼ_3標的指向性配列及びGA20オキシダーゼ_5標的指向性配列のスタック、(ii)個別のGA20オキシダーゼ_4標的指向性配列及びGA20オキシダーゼ_6標的指向性配列のスタック、ならびに(iii)個別のGA20オキシダーゼ_4標的指向性配列及びGA20オキシダーゼ_7/8標的指向性配列のスタックは、切断及び分離されて2つの成熟miRNAとなる直列に配置された2つの標的指向性配列を有する単一のpre-miRNAとしてそれぞれを発現させた。表14は、miRNA標的指向性配列、及びmiRNA標的指向性配列に相補的なcDNA配列を示す。GA20オキシダーゼ_1/GA20オキシダーゼ_2コンストラクトについては、アスタリスク(*)は、miRNAの標的指向性配列とmRNAの標的部位または認識部位との間のアライメント長が、GA20オキシダーゼ_2のものと比較してGA20オキシダーゼ_1のものの方が短い(20ヌクレオチドと17ヌクレオチドとの対比)ことを示す。同様に、GA20オキシダーゼ_3/GA20オキシダーゼ_9コンストラクトについては、アスタリスク(*)は、miRNAの標的指向性配列とmRNAの標的部位または認識部位との間のアライメント長が、GA20オキシダーゼ_3のものと比較してGA20オキシダーゼ_9のものの方が短い(20ヌクレオチドと17ヌクレオチドとの対比)ことを示す。表14に記載のコンストラクトのそれぞれについて、この表に示される知見以外、顕著な異型が観測されることは全くなかった。
表14.異なるGAオキシダーゼ遺伝子を標的とするmiRNA抑制コンストラクトを含むR0トランスジェニック植物の知見のまとめ。
【表14-1】
【表14-2】
【0497】
表14にまとめた知見は、いくつかの他のGA20オキシダーゼ遺伝子を標的としても低草高の半矮性表現型が生じなかったことを実証している。(i)関連するGA20オキシダーゼ_1遺伝子及びGA20オキシダーゼ_2遺伝子、(ii)関連するGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_9遺伝子、(iii)関連するGA20オキシダーゼ_7遺伝子及びGA20オキシダーゼ_8遺伝子、または(iv)GA20オキシダーゼ_9遺伝子単独、を標的とするコンストラクトのいずれでも、R0植物において観測可能な低草高の半矮性表現型は生じなかった。対照的に、GA20オキシダーゼ_3遺伝子とGA20オキシダーゼ_5遺伝子とを一緒に標的とする単一のmiRNAをコードするコンストラクトでは、異なる転写終結配列または異なるmiRNA骨格(全部で5つのmiRNA骨格配列を試験した)を使用しても、トランスジェニックR0植物及びトランスジェニックR1植物において低草高の半矮性表現型が実際に生じた。さらに、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子の異なる配列を標的としても、依然として半矮性植物が生じた。興味深いことに、GA20オキシダーゼ_3遺伝子を個別に標的とするコンストラクトでは、草高の僅かな低下が実際に生じたものの、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子のいずれかを個別に標的とするように設計した抑制コンストラクトでは、低草高の半矮性表現型は生じず、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に標的とするコンストラクトとは異なっていた。しかしながら、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を個別に標的とする抑制コンストラクトの直列ベクタースタックを有するトランスジェニック植物では、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に標的とする単一のmiRNAをコードするコンストラクトと同様の低草高の半矮性表現型が実際に生じた。こうしたデータは、GA20オキシダーゼ_3遺伝子とGA20オキシダーゼ_5遺伝子との両方を標的とするコンストラクトでは低草高の半矮性表現型が観測されるが、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を個別に抑制標的とすると完全な半矮性表現型は観測されないことを実証している(GA20オキシダーゼ_3を標的とすると高さの僅かな低下が生じるのみであり、GA20オキシダーゼ_5を標的とすると草高表現型は全く観測されなかった)。さらに、記載のGA20オキシダーゼ_1遺伝子、GA20オキシダーゼ_2遺伝子、GA20オキシダーゼ_6遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、GA20オキシダーゼ_8遺伝子、及び/またはGA20オキシダーゼ_9遺伝子(複数可)を標的とすると、草高表現型は全く観測されなかった。
【0498】
GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子以外では、(i)GA20オキシダーゼ_4遺伝子及びGA20オキシダーゼ_6遺伝子を一緒に標的とするために直列に配置された相補性の2つの標的指向性配列、または(ii)GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、及びGA20オキシダーゼ_8遺伝子を一緒に標的とするために直列に配置された相補性の2つの標的指向性配列(2つのGA20標的指向性配列のうちの1つは、GA20オキシダーゼ_7遺伝子とGA20オキシダーゼ_8遺伝子との両方を標的とする)、を含む抑制コンストラクトを含むR0トランスジェニック植物では、草高の中程度の低下が観測された。GA20オキシダーゼ_7遺伝子及びGA20オキシダーゼ_8遺伝子を標的とする別のコンストラクトでは草高表現型は生じず、GA20オキシダーゼ_4遺伝子及びGA20オキシダーゼ_6遺伝子を標的とする抑制コンストラクトでは、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA20オキシダーゼ_7遺伝子、及びGA20オキシダーゼ_8遺伝子を標的とする抑制コンストラクトと同様の草高表現型が生じたことを考慮すると、GA20オキシダーゼ_4遺伝子を標的とすることが、こうしたトランスジェニック植物で観測される草高表現型の大部分(完全でないとすれば)を担っていると考えられる。さらに、GA3オキシダーゼ_1遺伝子またはGA3オキシダーゼ_2遺伝子を標的とするコンストラクトを含むトランスジェニックトウモロコシ植物でも、草高の低下が生じたが、この表現型には、構成的プロモーターに応じていくらかの可変性が存在した。したがって、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子に加えて、GA20オキシダーゼ_4遺伝子、GA3オキシダーゼ_1遺伝子、及びGA3オキシダーゼ_2遺伝子を抑制標的としても、低草高の半矮性植物が作出され得る。
【0499】
実施例17.編集されたGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子を有するトウモロコシ植物の表現型知見。 上記の抑制コンストラクトに加えて、トウモロコシ植物の内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子にゲノム編集変異をいくつか創出することで、こうした遺伝子のそれぞれをノックアウトすることによる表現型作用を試験した。GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子のそれぞれについて、それぞれの遺伝子のゲノム配列に沿って異なる位置を標的とする標的指向性コンストラクトをコードする一連の10の単鎖ガイドRNA(sgRNA)を創出した。GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子の両方をそれぞれが標的とする一連の10のsgRNAを追加で創出し、それぞれの遺伝子のゲノム配列に沿って同様または異なる位置がその標的位置となるようにした。Cas9タンパク質の発現と併せてsgRNAをトウモロコシ外植体に送達することによって標的ゲノム編集を実施することで、gRNAのゲノム標的部位またはその付近にDSBまたはニックを生じさせた。このDSBまたはニックは、その後、不完全に修復されることで標的部位またはその付近に変異を導入し得るものである。次に、植物のRFLP分析及び/またはシークエンシングによって変異が存在することを確認した。以下の表15は、試験したガイドRNA(gRNA)コンストラクトのリストを示し、こうしたgRNAは、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子(複数可)の1つまたは両方をRNAガイド型エンドヌクレアーゼでゲノム編集するために使用され得るものである。こうしたガイドRNAコンストラクトは、一般に、GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子のコード配列を標的とするように設計されているが、両方を一緒に標的化するコンストラクトのいくつかは、2つの遺伝子のうちの1つについてはUTR配列を代わりに標的とし得る。こうしたgRNAは、適切なエンドヌクレアーゼと共に使用されることで、それぞれのgRNAのゲノム標的部位またはその付近にゲノムの二本鎖切断(DSB)またはニックを生じさせ得るものであり、このDSBまたはニックは、不完全に修復されることで変異(例えば、挿入、欠失、置換など)を生じさせ得る。編集されたGA20オキシダーゼ_3遺伝子についてホモ接合型であるトランスジェニック植物、または編集されたGA20オキシダーゼ_5遺伝子についてホモ接合型であるトランスジェニック植物が、少数のコンストラクトから生成した(太字のものを参照のこと)。両方の遺伝子を編集標的とするコンストラクトからもイベントを生成させた。GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を一緒に標的とするコンストラクトについては、2つの遺伝子のうちの1つ(括弧内に示される)に関してコード配列(CDS)座標が示される。表15は、どのコンストラクトによって遺伝子編集イベントが生じたか、そうしたイベントがR0植物でホモ接合型またはヘテロ接合型であったかどうかをさらに示し、括弧内の±付きの数は、変異で生じた可能性のある配列変化を示す(例えば、+1は、1つのヌクレオチドの挿入を意味するなどであり、より大きいなインデルまたはより複雑なインデルは、「デル」または「インサート」と標識されている)。GA20オキシダーゼ_3及びGA20オキシダーゼ_5のスタック標的化を行うものについては、変異した遺伝子の識別も括弧内に示される。抑制コンストラクトの結果と一致して、編集されたGA20オキシダーゼ_3遺伝子またはGA20オキシダーゼ_5遺伝子についてホモ接合型のトランスジェニック植物では低草高の半矮性表現型は生じておらず、対照植物と比較してその草高は通常のものであり(表15のコンストラクトGA20オキシダーゼ_3-D及びコンストラクトGA20オキシダーゼ_3-G、ならびにコンストラクトGA20オキシダーゼ_5-B及びコンストラクトGA20オキシダーゼ_5-Gを参照のこと)、このことは、これらの遺伝子のうちの1つのみのノックアウトでは、半矮性表現型を作出する上で不十分であることを示している。
表15.GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGAオキシダーゼ_5遺伝子を編集標的とするガイドRNA(gRNA)。
【表15-1】
【表15-2】
【0500】
実施例18.GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とする抑制コンストラクトは、植物におけるGA20オキシダーゼ転写物及び活性型GAのレベルを低減する。
GA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を標的とする抑制コンストラクトを用いることで、トランスジェニック植物におけるGA20オキシダーゼの転写物レベルがどのように影響を受けたかを決定するために、温室で生育したトランスジェニック植物のさまざまな部分から、異なる栄養生長段階(V3、V8、及びV14)に組織全体を採取し、GA20オキシダーゼ遺伝子のそれぞれのmRNA転写物レベルをTaqMan(登録商標)アッセイを使用して分析した。こうした実験については、Zymo Research(商標)から入手したDirect-Zol RNA抽出キットを使用して全RNAを抽出し、Turbo(商標)DNaseで処理することでゲノムDNAの混入を低減した。その後、RNAの逆転写を行うことで二本鎖cDNAを生成した。遺伝子特異的プライマー及びFAM標識TaqMan(登録商標)プローブをBio-Rad(登録商標)CFX96リアルタイムシステムで用いて逆転写定量的PCRを実施した。組織特異的な標準物質を使用して品質管理指標を計算し、qPCRの効率、及び逆転写を受けなかった全RNAを決定することで、残留ゲノムDNAの混入を把握した。正規化遺伝子に対する目的遺伝子のサイクル閾値の間の差異によって、それぞれの組織におけるそれぞれの遺伝子転写物の相対量を決定した。この相対量は、1つの正規化遺伝子(18S)を使用するか、または2つの正規化遺伝子(18S及びELF1A)の幾何平均を使用して計算した。
【0501】
この実験では、GA20オキシダーゼ_3転写物のレベルは、V3の葉組織及び茎組織、V8の節間組織、ならびにV14の葉組織及び節間組織を含めて、これらの段階の栄養生長組織のほとんどで低下したが、V3の根及びV8の葉におけるGA20オキシダーゼ_3転写物のレベルは不変であると思われた(データ掲載なし)。さらに、この実験については、GA20オキシダーゼ_5転写物のレベルは、試験した栄養生長組織において一般に変化しなかったが(データ掲載なし)、こうした組織におけるGA20オキシダーゼ_5転写物の発現レベルは、相対的に低いものであった。トランスジェニック植物の根組織試料では、GA20オキシダーゼ_3及びGA20オキシダーゼ_5のいずれも、有意に低下しなかった。他のGA20オキシダーゼ遺伝子(すなわち、サブタイプ1、サブタイプ2、サブタイプ4、及びサブタイプ6~9)はそれぞれ、一般に不変であるか、またはトランスジェニック植物のいくつかの組織で上昇した。
【0502】
同一の抑制コンストラクトを発現するトランスジェニック植物に由来する生殖組織で、同様の実験を実施した。温室で生育したトランスジェニック植物のさまざまな部分から、異なる生殖段階(R1及びR3)に組織全体を採取し、GA20オキシダーゼ遺伝子のそれぞれのmRNA転写物レベルをTaqMan(登録商標)アッセイを使用して分析した。この実験では、R1の葉、雌穂、雄穂、及び節間、ならびにR3の葉及び節間におけるGA20オキシダーゼ_3転写物及びGA20オキシダーゼ_5転写物のレベルは、対照と比較してほぼ不変であった(データ掲載なし)。他のGA20オキシダーゼ遺伝子の結果は、大部分は入り混じったものであるか、または中立であった(データ掲載なし)。
【0503】
こうしたデータは、栄養生長段階の間のトランスジェニックトウモロコシ植物におけるGA20オキシダーゼ_3転写物のレベルが、この実験では一般に低下したが、後の生殖段階の間は、対照植物組織と比較してほぼ不変であると思われることを示している。GA20オキシダーゼ_5遺伝子転写物のレベルの明らかな低下は、こうしたトランスジェニック植物組織で一般に観測されなかったものの、この遺伝子の発現レベルは、相対的に低かった。したがって、その発現レベルの変化をこの方法で検出することは困難であった可能がある。さらに、他のGA20オキシダーゼ遺伝子のいずれについても、この実験で発現レベルの一貫した低下は全く観測されなかったため、抑制コンストラクトは、標的となるGA20オキシダーゼ遺伝子に特異的であると思われる。
【0504】
別の実験では、上述の実施例の抑制コンストラクト(RTBVプロモーターの制御下でGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子を抑制標的とするもの)を発現するトランスジェニック植物の茎組織におけるGA20オキシダーゼの発現レベルを決定し、野生型対照と比較した。組織試料は、V3~V6の茎/柄から採取し、そうした茎の一部はさらに解体して維管束組織と非維管束組織とを分離することで、こうした組織の間の発現レベル差異を決定した。転写物の発現レベルは、トランスジェニック組織と野生型植物組織との間で定量的な比較を行うためにRNAシークエンシング(RNA-Seq)手法を使用して決定した。図13Aに示されるデータは、2つのイベントのうちの1つを有するトランスジェニック植物と、2つの生殖質のうちの1つを有する野生型対照植物と、から得られたものであり、図13Aのそれぞれのバーは、それぞれ2つのトランスジェニックイベントのうちの1つまたは2つの生殖質のうちの1つを示す。こうした実験については、個々の維管束を、試料の残りの茎/柄組織から分離し、別の分析に供した。図13Aに示されるように、抑制コンストラクトが発現するmiRNAは、バルクの植物茎組織(「バルク」は、すなわち、維管束組織と非維管束組織が分離されていないもの)だけでなく、バルクの茎/柄試料から分離した維管束(「Vasc」)組織及び非維管束(「非Vasc」)組織でも検出された。しかしながら、miRNAの発現レベルは、非維管束組織と比較して維管束組織ではるかに高く、このことは、RTBVプロモーターが維管束発現パターンを有することを示している。
【0505】
トランスジェニック植物と野生型対照植物とで(他のGA20オキシダーゼ遺伝子と併せて)GA20オキシダーゼ_3遺伝子転写物及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子転写物のレベルを測定及び比較するために、バルクの茎/柄試料ならびに分離した維管束試料及び非維管束試料についても同様のRNA-Seq実験において分析したが、野生型試料は、それぞれの組織型につき1つのみ示される。こうした実験については、対照植物またはトランスジェニック植物(2つのイベント)に由来する柄組織を上記のように解体することで維管束組織と非維管束組織とを分離した。それぞれの試料について全sRNA及び全mRNAのシークエンスを実施し、主成分分析を使用してデータの解析及び比較を実施した。
【0506】
図13Bに示されるように、GA20オキシダーゼ_3遺伝子の転写物レベルは、野生型対照(野生型)と比較してトランスジェニック植物(TG)のバルクの茎組織(バルク)及び分離した茎維管束組織(Vasc)で有意に低下したが、分離した非維管束(非Vasc)組織では不変であると思われた。また一方で、GA20オキシダーゼ_5遺伝子の転写物レベルは、バルクの茎組織(バルク)で有意に低下したが、トランスジェニック植物の分離した維管束(Vasc)組織及び非維管束(非Vasc)組織では相対的に不変であったものの、トランスジェニック植物に由来する維管束(Vasc)組織試料ではGA20オキシダーゼ_5転写物に下降傾向線が存在した。GA20オキシダーゼ_5遺伝子の発現レベルは低く、特に非維管束組織で低かった。他のGA20オキシダーゼ遺伝子はすべて、分析したトランスジェニック植物組織においてそれらの転写物レベルが有意に低下することはなかったが、2つのGA20オキシダーゼ遺伝子では、それらの発現レベルに僅かな上昇傾向が実際に存在した。このデータは、抑制コンストラクトを有するトランスジェニック植物の1つまたは複数の組織においてGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子の発現レベルが対照と比較してさまざまな程度にまで低下することをさらに実証している。実際、維管束組織において、miRNAの発現が上昇し、内在性のGA20オキシダーゼ_3遺伝子の抑制が強化されることは、RTBVプロモーターの維管束発現パターンと整合し、おそらくは、野生型植物の維管束組織と非維管束組織とを比較するとGA20オキシダーゼ_3遺伝子の発現レベルが維管束組織でより高いことと整合するものである。GA20オキシダーゼ_3遺伝子ほど明確ではないものの、GA20オキシダーゼ_5遺伝子についても維管束組織と非維管束組織との間で同様のパターンが観測される。
【0507】
トランスジェニック植物においてGA20オキシダーゼを抑制して観測された低草高の半矮性表現型は、茎組織もしくは節間組織、及び/または活性型GAを産生する植物組織に存在する活性型GAのレベルが低下することによって媒介される可能性がある。活性型GA(具体的には、G1、G3、及びG4)のレベルを決定し、このホルモンの他の不活性型と比較するために、異なる発育段階にトランスジェニック植物及び野生型対照植物から採取した異なる組織試料におけるGAレベルを測定した。こうした実験については、それぞれの組織の新鮮凍結試料を粉砕し、内部標準物質と共に96ウェルガラス管に分注した。メタノール:水:酢酸(80:19:1v/v/v)溶媒を使用し、4℃で4時間、試料を2回抽出した。窒素を用いて多チャネルSPEを使用し、抽出液から溶媒を蒸発させてほぼ乾燥させた。SPEカートリッジを使用し、試料をさらに精製した。精製後、Shimadzu(登録商標)Nexera(登録商標)UPLC及びSCIEX(登録商標)三連四重極型5500質量分析装置を用いて標準的なLC-MS/MS法を使用して試料を分析した。内部標準物質を使用してクロマトグラフによる解析及び定量化を実施した。
【0508】
栄養生長段階の植物のさまざまな組織から採取した試料を用いて2セットの実験を実施した。温室での1つの実験について表16に示されるように、異なる栄養生長段階のトランスジェニック植物のさまざまな組織において活性型GA(GA1、GA3、及びGA4)のレベル低下が観測された。表16のデータは、所与の組織のそれぞれのGAホルモンの量に有意な変化が生じたトランスジェニック植物の数として示される。(「U」=上昇または増加、「D」=低下または減少、「N」=中立または不変、及び「T」=植物の総数)。組織試料において少なくとも部分的に減少したGAは太字で示される。活性型GA1は、V8期の葉組織及び節間組織、ならびにV14期の節間組織で減少し、活性型GA4は、V3の茎、ならびにV8及びV14の節間で減少した。しかしながら、活性型GA3は、この実験では観測可能なほどは減少しなかった。表16に示されるように、トランスジェニック植物のさまざまな組織において他の不活性型GAに変化が生じた。一般に、ジベレリン酸経路においてGA20オキシダーゼ遺伝子の下流に位置するGA(例えば、GA9、GA20、及びGA34)は減少傾向を示した一方で、GA20オキシダーゼ遺伝子の上流に位置するGA(例えば、GA12及びGA53)は増加傾向を示しており、この増加は、GAオキシダーゼ遺伝子の活性低下によって、上流の前駆体GAが蓄積したことに起因し得るものである。このデータは、こうした組織においてGA20オキシダーゼの活性が抑制され、トランスジェニック植物の茎及び葉において活性型GAホルモンのレベルが低下することと整合する。
【0509】
別の実験では、発育の栄養生長段階の間にさまざまな植物組織から同様のGAホルモン測定値を取得した。温室及び圃場の植物から採取した組織を使用した実験について表17に示されるように、V3期及びV8期のトランスジェニック植物の葉及び節間において1つまたは複数の活性型GA(GA1、GA3、及びGA4)のレベルの低下が観測された。この実験のV8期の葉試料は、圃場の植物から採取したものであり、温室の植物から採取した他の試料とは異なる。表17のデータは、表16について記載したものと同様の様式で示されている。表17に示されるように、トランスジェニック植物のさまざまな組織において他の不活性型GAに変化が生じた。上記の知見と同様に、ジベレリン酸経路においてGA20オキシダーゼ遺伝子の下流に位置するGA(例えば、GA9、GA20、及びGA34)は減少傾向を示した一方で、GA20オキシダーゼ遺伝子の上流に位置するGA(例えば、GA12及びGA53)は増加傾向を示した。このデータもまた、こうした組織においてGA20オキシダーゼの活性が抑制され、トランスジェニック植物の茎及び葉において活性型GAホルモンのレベルが低下することと整合する。
表16.GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する、温室のトランスジェニックトウモロコシ植物の組織におけるGAホルモンレベルの変化。
【表16】
表17.GA20オキシダーゼ抑制コンストラクトを発現する、温室(GH)または圃場のトランスジェニックトウモロコシ植物の組織におけるGAホルモンレベルの変化。
【表17】
【0510】
トランスジェニックトウモロコシ植物においてGA20オキシダーゼ_3遺伝子及びGA20オキシダーゼ_5遺伝子の抑制は、茎、節間、維管束組織、及び葉を含めて、標的となるGAオキシダーゼ転写物のレベルをさまざまな組織において低下させるものであり、こうしたGA20オキシダーゼ遺伝子の抑制は、茎及び節間(栄養生長段階の間の植物生育、ならびに最終的には後の栄養生長段階及び生殖段階による草高に影響を及ぼす作用部位である)を含めて、トランスジェニック植物の組織において活性型GAのレベルが低下することとさらに関連している。GA20オキシダーゼの転写物レベルが生殖段階の組織においてほぼ不変であるか、または入り混じったものであるという知見と同様に、活性型GAを含めて、GAホルモンのレベルもまた、生殖段階の組織においてほぼ不変であるか、または入り混じったものである(データ掲載なし)。
【0511】
本開示を詳細に説明してきたが、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、改変、変形、及び同等の実施形態が可能であることが明らかであろう。さらに、本開示における実施例はすべて、非限定的な実施例として提供されるものであることを理解されよう。
図1
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図3
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図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
【配列表】
2024019715000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非コードRNA分子をコードする転写可能なDNA配列を含む組換えDNAコンストラクトであって、前記非コードRNA分子が、
(a)トウモロコシ植物または植物細胞の第一の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードする第一のmRNA分子の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して少なくとも9%の相補性を有し、前記第一の内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号9に対して少なくとも9%の同一性を有し、かつ
(b)トウモロコシ植物または植物細胞の第二の内在性のGAオキシダーゼタンパク質をコードする第二のmRNA分子の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有し、前記第二の内在性のGAオキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも95%の同一性を有する、
標的配列を含み、
前記転写可能なDNA配列が、プロモーターに機能可能なように連結され
前記非コードRNA分子が、対照植物と比較して、前記組換えDNAコンストラクトを含むトランスジェニックトウモロコシ植物の少なくとも1つの組織における第一のmRNA分子及び第二のmRNA分子の発現レベルを低減させ、かつ
前記非コードRNA分子が、前記トランスジェニックトウモロコシ植物中で発現される、前記組換えDNAコンストラクト。
【請求項2】
前記非コードRNA分子の標的配列が、配列番号7、8、13、及び14からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有する、請求項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項3】
前記非コードRNA分子の標的配列が、(i)前記第一のmRNA分子の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有し、及び/または(ii)前記第二のmRNA分子の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有する、請求項1又は2に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項4】
前記非コードRNA分子の標的配列が、(i)配列番号7もしくは配列番号8の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号13もしくは配列番号14の少なくとも19の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項5】
前記葉プロモーターが、下記のもののうちの1つを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト:RuBisCOプロモーター、PPDKプロモーター、FDAプロモーター、Nadh-Gogatプロモーター、クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター、またはMyb遺伝子プロモーター。
【請求項6】
前記葉プロモーターが、配列番号72、配列番号73、もしくは配列番号74からなる群から選択される、少なくとも90%のDNA配列を含む、請求項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項7】
前記転写可能なDNA配列がコードする前記非コードRNA分子が、植物細胞においてプロセシングまたは切断を受けることで成熟miRNAまたは成熟siRNAを形成する前駆体miRNAまたは前駆体siRNAである、請求項1から6のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項8】
前記非コードRNA分子の標的配列が、(i)前記第一のmRNA分子の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有し、及び/または(ii)前記第二のmRNA分子の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項9】
前記非コードRNA分子が、(i)配列番号7もしくは配列番号8の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号13もしくは配列番号14の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して少なくとも90%の相補性を有する配列を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項10】
前記非コードRNA分子の標的配列が、(i)前記第一のmRNA分子の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有し、及び/または(ii)前記第二のmRNA分子の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項11】
前記非コードRNA分子が、(i)配列番号7もしくは配列番号8の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有し、及び/または(ii)配列番号13もしくは配列番号14の少なくとも21の連続ヌクレオチドに対して100%の相補性を有する配列を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項12】
i)前記第一の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号9に対して少なくとも9%の同一性を有し、及び/または(ii)前記第二内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して少なくとも9%の同一性を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項13】
(i)前記第一の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号9に対して100%の同一性を有し、及び/または(ii)前記第二の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質が、配列番号15に対して100%の同一性を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項14】
トランスジェニックトウモロコシ植物で発現された場合に、前記非コードRNA分子が、トランスジェニックトウモロコシ植物における第一及び第二の内在性のGA20オキシダーゼタンパク質の発現を、対照植物と比較して下方制御する、請求項1から13のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、DNA分子。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、形質転換ベクター。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、トランスジェニックトウモロコシ植物、植物部分、または植物細胞。
【請求項18】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物が、野生型対照トウモロコシ植物と比較して下記の形質のうちの1つまたは複数を有する、請求項17に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物:低い植物高、柄直径/茎直径の増加、耐倒伏性の改善、茎の折損の減少、根の深化、葉面積の増加、樹冠閉鎖の早期化、気孔コンダクタンスの上昇、雌穂高の低下、葉の水分含量の増加、乾燥耐性の改善、窒素利用効率の改善、通常条件下または窒素もしくは水を制限するストレス条件下での葉におけるアントシアニンの含量及び面積の減少、雌穂重量の増加、収穫指数の増加、収量の増加、種子数の増加、種子重量の増加、及び/または多収性の増加。
【請求項19】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物が、対照植物と比較して低下した草高を有する、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項20】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の高さが、野生型対照トウモロコシ植物と比較して少なくとも10%低い、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項21】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の高さが、野生型対照トウモロコシ植物と比較して少なくとも20%低い、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項22】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の高さが、野生型対照トウモロコシ植物と比較して少なくとも30%低い、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項23】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の高さが、野生型対照トウモロコシ植物と比較して少なくとも40%低い、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項24】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物が、対照植物と比較してより深化した根を有する、請求項17又は18に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項25】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、対照植物の同一の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径より大きい、請求項17から24のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項26】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径が、野生型対照トウモロコシ植物の同一の1つまたは複数の茎節間の柄直径または茎直径と比較して少なくとも5%大きい、請求項17から24のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項27】
記トランスジェニックトウモロコシ植物の雌穂の下の第1の節間、第2の節間、第3の節間、及び/または第4の節間のうちの1つまたは複数の柄直径または茎直径が、野生型対照トウモロコシ植物の同一の節間と比較して少なくとも5%大きい、請求項17から24のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項28】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照トウモロコシ植物の同一の節間組織と比較して低い、請求項17から27のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項29】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物の茎または柄の少なくとも1つの節間組織における1つまたは複数の活性型GAのレベルが、野生型対照トウモロコシ植物の同一の節間組織と比較して少なくとも5%低い、請求項17から27のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項30】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物が、少なくとも1つの雌性器官または雌穂に顕著な異型を全く有さない、請求項17から29のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
【請求項31】
前記組換えDNAコンストラクトが、前記トランスジェニックトウモロコシ植物、植物部分、または植物細胞のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項17から30のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物、植物部分、または植物細胞。
【請求項32】
トランスジェニックトウモロコシ植物の作出方法であって、
(a)請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト、請求項15に記載のDNA分子又は請求項16に記載の形質転換ベクターで、トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞形質転換して、形質転換されたトウモロコシ外植体を生成する工程と、
(b)前記形質転換されたトウモロコシ外植体から、前記トランスジェニックトウモロコシ植物再生する、または発育させる工程と、
を含み、
トランスジェニックトウモロコシ植物が前記組換えDNAコンストラクトを含む、前記方法。
【請求項33】
前記組換えDNAコンストラクトが、前記トランスジェニックトウモロコシ植物のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞が、Agrobacterium介在性の形質転換、Rhizobium介在性の形質転換、または微粒子銃を介して形質転換される、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞が、前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞のゲノムへの前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みにより形質転換される、請求項32から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みが、部位特異的ヌクレアーゼの使用を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、天然のメガヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ、及びRNAガイド型エンドヌクレアーゼからなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みが、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ及び少なくとも1つのガイドRNAの使用を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas9及びCpf1からなる群より選択される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、CasY、ならびにそれらの相同体または改変バージョンからなる群より選択される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項41】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクト、請求項15に記載のDNA分子又は請求項16に記載の形質転換ベクターで、トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞を形質転換する工程を含む、トランスジェニックトウモロコシ外植体の作出方法
【請求項42】
前記組換えDNAコンストラクトが、前記トランスジェニックトウモロコシ外植体のゲノムに安定的に組み込まれる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞が、微粒子銃介在性の形質転換を介して形質転換される、請求項41又は43に記載の方法。
【請求項44】
前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞が、Agrobacterium介在性の形質転換、又はRhizobium介在性の形質転換を介して形質転換される、請求項41又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞が、前記トウモロコシ外植体の少なくとも1つの細胞のゲノムへの前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みにより形質転換される、請求項41又は43に記載の方法。
【請求項46】
前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みが、部位特異的ヌクレアーゼの使用を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、天然のメガヌクレアーゼ、TALE-エンドヌクレアーゼ、及びRNAガイド型エンドヌクレアーゼからなる群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記組換えDNAコンストラクトの部位特異的組込みが、RNAガイド型エンドヌクレアーゼ及び少なくとも1つのガイドRNAの使用を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas9及びCpf1からなる群より選択される、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記RNAガイド型エンドヌクレアーゼが、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Cpf1、CasX、及びCasYからなる群より選択される、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項51】
請求項17から31のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物から作成され、前記組換えDNAコンストラクトを含む、改変された植物産物。
【請求項52】
請求項17から31のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物部分から作成され、前記組換えDNAコンストラクトを含む、改変された植物産物。
【請求項53】
請求項17から31のいずれか1項に記載のトランスジェニックトウモロコシ植物を含み、前記組換えDNAコンストラクトを含む、改変された植物産物。
【請求項54】
前記トランスジェニックトウモロコシ植物部分が種子である、請求項53に記載の改変された植物産物。
【請求項55】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、改変された植物産物。
【請求項56】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、組成物。
【請求項57】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、生存不可能なトウモロコシ植物部分。
【請求項58】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、再生不可能なトウモロコシ植物部分。
【請求項59】
生存不可能な、又は再生不可能なトウモロコシ植物部分、ならびに請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、改変された植物産物。
【請求項60】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、改変されたトウモロコシプロトプラスト。
【請求項61】
請求項1から14のいずれか1項に記載の組換えDNAコンストラクトを含む、改変されたトウモロコシ種子。
【外国語明細書】