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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001973
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電気配線構造及び荷台ステージ装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20231228BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20231228BHJP
   B62D 33/027 20060101ALI20231228BHJP
   A63J 1/00 20060101ALI20231228BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H02G3/04 087
B60P3/00 C
B62D33/027 Z
B62D33/027 P
A63J1/00
H02G11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100865
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敦子
(72)【発明者】
【氏名】大畑 智則
【テーマコード(参考)】
5G357
5G371
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB01
5G357DB02
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE03
5G371AA01
5G371BA02
5G371CA01
(57)【要約】
【課題】複数台の車両における荷台の間を接続することによりステージを形成する荷台ステージ装置に用いることで、効率の良い電気配線を行うことが可能な電気配線構造を提供すること。
【解決手段】電気配線構造1は、荷台4において立設された立設状態、及び荷台4の外側に突出するように横転させた横転状態とすることが可能なアオリ部材10を備えた車両2を少なくとも2台並べて配し、横転状態とした互いのアオリ部材10、10の間を架橋するように接続する接続部材20を有している。電気配線構造1は、接続部材20によって、互いのアオリ部材10,10の間を架橋するように接続することでステージSの少なくとも一部を構成する荷台ステージ装置5に用いられるものである。電気配線構造1において、接続部材20は、並べて配された車両2,2間に亘って配索される電気配線31を収容可能な導通路30を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台において立設された立設状態、及び前記荷台の外側に突出するように横転させた横転状態とすることが可能なアオリ部材を備えた車両を少なくとも2台並べて配し、
それぞれの前記車両の前記アオリ部材を、互いに干渉しないように前記横転状態とすることにより互いの前記アオリ部材の間を架橋するように接続する接続部材を有しており、
前記接続部材によって、互いの前記アオリ部材の間を架橋するように接続することでステージの少なくとも一部を構成する荷台ステージ装置に用いられる電気配線構造であり、
前記接続部材は、並べて配された前記車両間に亘って配索される電気配線を収容可能な導通路を有することを特徴とする電気配線構造。
【請求項2】
前記接続部材は、前記アオリ部材を構成する端部のうち、前記立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着されることを特徴とする請求項1に記載の電気配線構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気配線構造を備える荷台ステージ装置であって、
前記アオリ部材を備えた車両を少なくとも2台並べて配することによって構成されており、
前記アオリ部材は、前記横転状態とすることにより、ステージの一部を構成するベース台とすることができるものであり、
前記接続部材は、それぞれの前記車両の前記アオリ部材を互いに干渉しないように前記横転状態とすることにより形成される一対の前記ベース台を架橋するように接続するものであり、
前記接続部材によって一対の前記ベース台を接続することにより、一対の前記ベース台が略水平状態で支持されること、を特徴とする荷台ステージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気配線構造及び荷台ステージ装置に関する。さらに詳しくは、荷台を有する車両を用いて演奏や演劇等の各種のイベント等で利用される台座(舞台、ステージ)を形成する荷台ステージ装置、及び前記荷台ステージ装置に用いられる電気配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野外のイベント会場等に移動して、荷台を野外ステージとして利用可能なステージカーが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のステージカーは、荷台の前後、左右、及び天井を覆う各パネル板を開放することにより、荷台をステージとして利用するものとされている。
【0003】
ところで、上述したようなステージカーを用いてステージを形成する場合は、スピーカーや照明器具、あるいは、ディスプレイや通信機器等の間を接続したり、これらの機器に電源供給を行ったりするための電気配線(通信配線を含む)を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-138159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のステージカーは、あくまでステージを形成するものであり、上述したような電気配線を考慮したものではない。そのため、特に、複数台の車両を利用して、複数台の車両間に亘って電気配線を行うような場合は、電気配線の取り回しが煩雑になり、配線作業の工数増大や外観の悪化が懸念される。また、電気配線(例えば、ケーブル類)が地面を這うように配線されたりすることで、電気配線の損傷、切断、浸水等による漏電等が懸念される。
【0006】
また、上述した特許文献1に記載のステージカーは、トラックなどの大型車両をベースとして構成されている。しかしながら、野外のイベント会場等に移動するまでの経路に狭い道や山道等が存在する場合は、上述した大型車両の通行が困難な場合があった。また、上述した特許文献1に記載のステージカーは、搭乗者が3名程度に限られるため、スタッフ等の輸送を考慮した場合、効率が悪くなる問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、各種のステージ(台座)を形成する荷台ステージ装置に用いることが可能で、効率の良い電気配線を行うことが可能な電気配線構造を提供することを目的とする。また、本発明は、移動経路に狭い道や山道等が存在しても利用が可能であり、効率良く人員の輸送も可能な荷台ステージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気配線構造は、荷台において立設された立設状態、及び前記荷台の外側に突出するように横転させた横転状態とすることが可能なアオリ部材を備えた車両を少なくとも2台並べて配し、それぞれの前記車両の前記アオリ部材を、互いに干渉しないように前記横転状態とすることにより互いの前記アオリ部材の間を架橋するように接続する接続部材を有しており、前記接続部材によって、互いの前記アオリ部材の間を架橋するように接続することでステージの少なくとも一部を構成する荷台ステージ装置に用いられる電気配線構造であり、前記接続部材は、並べて配された前記車両間に亘って配索される電気配線を収容可能な導通路を有することを特徴とするものである。
【0009】
上述した電気配線構造は、並べて配された少なくとも2台の車両において横転状態とされた互いのアオリ部材を、接続部材を介して接続することによりステージを構成すると共に、車両間の電気配線を、接続部材に設けられた導通路を介して行うものとされている。
そのため、上述した電気配線構造は、車両間における電気配線を、導通路を介して容易に行うことができる。ここで、電気配線は、例えば、通信配線を含む各種のケーブル類や端子類とされている。また、上述した電気配線構造は、接続部材が、車両間の接続を担うと共に、電気配線を通す導通路を形成するものとされているので、電気配線を所定の位置に配線することができる。そのため、上述した電気配線構造は、外観が損なわれたり、電気配線の取り回しが煩雑となったりすることを抑制できる。従って、上述した電気配線構造は、電気配線が損傷したり、浸水したりすることを抑制できる。また、上述した電気配線構造は、導通路により電気配線が覆われるようにすることで、ステージ上の演者等が電気配線に躓く要因を排除できる。
【0010】
また、上述した電気配線構造が適用される荷台ステージ装置は、使用する車両の台数に応じて、車両の台数分の荷台、及び横転状態とされたアオリ部材によるステージの拡大を行うことができる。ここで、形成されるステージは、例えば、コンサートや演劇等の舞台や、フリーマーケットや屋台等における台座など、各種の用途の台として利用することができる。また、上述した電気配線構造は、車両として例えば、軽トラックを用いることにより、移動経路に狭い道や山道などが存在していても、移動先に到達することができる。また、上述した電気配線構造は、複数台の車両を利用することにより、複数人のスタッフ等の搬送も併せて行うことができるので、効率良く人材を搬送することができる。なお、車両は、軽トラックだけではなく、移動経路に応じて中小型トラックや大型トラックなど、アオリ部材を有する各種の車両を用いることができる。
【0011】
(2)上述した本発明の電気配線構造は、前記接続部材が、前記アオリ部材を構成する端部のうち、前記立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着されることを特徴とするとよい。
【0012】
上述した電気配線構造は、かかる構成とすることにより、接続部材を最小限の大きさとしつつ、確実にアオリ部材同士を接続することができる。これにより、上述した電気配線構造は、車両の荷台を拡張しつつ、電気配線の配線経路(導通路)を短くできる。従って、上述した電気配線構造は、電気配線の煩雑化を抑制できると共に、電気配線のコストを低減できる。
【0013】
(3)上述した本発明の電気配線構造は、前記導通路が、断面視において略コの字状に形成されると共に、前記接続部材の背面側に向けて開口形成されていることを特徴とするとよい。
【0014】
上述した電気配線構造は、導通路における開口側が接続部材の背面側を向くように形成されているので、作業者が接続部材の外側から容易に導通路内にアクセスできる。そのため、上述した電気配線構造によれば、作業者が容易に電気配線を行うことができる。
【0015】
(4)上述した本発明の電気配線構造において、前記導通路は、両端側に接続端子を有し、前記接続端子間は、電気的に接続されていることを特徴とするとよい。
【0016】
上述した電気配線構造は、かかる構成とすることにより、配線作業(配索)する手間を省くことができる。すなわち、上述した電気配線構造は、両端部の接続端子に、電源や電気機器等を接続することにより、配線作業を容易に行うことができる。これにより、配線作業における工数の削減効果や配線ミス等の低減効果が期待できる。ここで、接続端子には、各種のものが採用できるが、例えば、ソケット、コネクタ、コンセントなどが好ましく利用できる。
【0017】
(5)上述した本発明の電気配線構造は、前記接続部材が、導電性を有しており、前記接続部材を介して、互いの前記車両を電気的に接続することで、互いの前記車両がボデーアースされることを特徴とするとよい。
【0018】
上述した電気配線構造は、かかる構成とすることにより、電源のマイナス側又はプラス側のいずれか一方側の配線を省略できる。そのため、上述した電気配線構造は、電気配線が煩雑となることを抑制でき、配線ミスや配線の損傷等も抑制できる。
【0019】
(6)上述した本発明の電気配線構造は、前記導通路に収容された前記電気配線の少なくとも一端側に、前記車両における補機バッテリ又は駆動バッテリが接続されていること、を特徴とするとよい。
【0020】
上述した電気配線構造は、かかる構成とすることにより、電気配線における電源の取り出しを車両を通じて行うことができる。これにより、上述した電気配線構造は、別途に電源を用意することなく、接続された電気機器等に電源供給を行うことができる。従って、上述した電気配線構造は、例えば、荷台ステージ装置によって形成されるステージを非常時における避難スペースとして利用する場合などに有効的に利用できる。なお、上述した電気配線構造は、車両の駆動が不能となる前に補機バッテリや駆動バッテリの電圧降下を検知し、電源供給を停止させる制御機構等を設けることが望ましい。
【0021】
(7)上述した本発明の電気配線構造は、互いの前記アオリ部材の間が、少なくとも2つの前記接続部材によって架橋するように接続されていることを特徴とするとよい。
【0022】
上述した電気配線構造は、かかる構成とすることにより、一方側の接続部材に設けられている導通路を電源供給ラインとし、他方側の接続部材に設けられている導通路をその他の電気配線として利用できる。これにより、上述した電気配線構造は、電源供給ラインとその他の配線が混在することによる配線ミス等を抑制できる。また、上述した電気配線構造は、配線ミスに伴う短絡等を抑制できるので、接続される電気機器等の破損を抑制できる。
【0023】
(8)上述した課題を解決すべく提供される荷台ステージ装置は、上述した電気配線構造を備える荷台ステージ装置であって、前記アオリ部材を備えた車両を少なくとも2台並べて配することによって構成されており、前記アオリ部材は、前記横転状態とすることにより、ステージの一部を構成するベース台とすることができるものであり、前記接続部材は、それぞれの前記車両の前記アオリ部材を互いに干渉しないように前記横転状態とすることにより形成される一対の前記ベース台を架橋するように接続するものであり、前記接続部材によって一対の前記ベース台を接続することにより、一対の前記ベース台が略水平状態で支持されること、を特徴とするものである。
【0024】
上述した荷台ステージ装置は、並べて配された少なくとも2台の車両におけるアオリ部材を横転状態とすることにより一対のベース台が構成されており、一対のベース台同士が接続部材により略水平状態で接続されて支持されている。すなわち、上述した荷台ステージ装置では、少なくとも2台の車両における荷台が、アオリ部材を介して接続されている。従って、上述した荷台ステージ装置は、複数の荷台、及び横転させたアオリ部材の双方によりステージを拡張することができる。
【0025】
また、上述した荷台ステージ装置は、使用する車両の台数に応じて、車両の台数分の荷台とベース台とによるステージの拡大を行うことができる。ここで、形成されるステージは、例えば、コンサートや演劇等の舞台や、フリーマーケットや屋台等における台座など、各種の用途の台として利用することができる。また、上述した荷台ステージ装置は、車両として例えば、軽トラックを用いることにより、移動経路に狭い道や山道などが存在していても、移動先に到達することができる。また、上述した荷台ステージ装置は、複数台の車両を利用することにより、複数人のスタッフ等の搬送も併せて行うことができるので、効率良く人材を搬送することができる。なお、車両は、軽トラックだけではなく、移動経路に応じて中小型トラックや大型トラックなど、アオリ部材を有する各種の車両を用いることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、各種のステージ(台座)を形成する荷台ステージ装置に用いることが可能で、効率の良い電気配線を行うことが可能な電気配線構造を提供することができる。また、本発明によれば、移動経路に狭い道や山道等が存在しても利用が可能であり、効率良く人員の輸送も可能な荷台ステージ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る電気配線構造を備える荷台ステージ装置の全体斜視図である。
図2図1における電気配線構造を拡大した拡大斜視図である。
図3】(a)は、本発明の一実施形態に係る電気配線構造を構成する接続部材の斜視図であり、(b)は、図3の左側面図である。
図4】本発明の変形例1に係る電気配線構造を構成する接続部材の斜視図である。
図5】本発明の変形例2に係る電気配線構造を構成する接続部材の斜視図である。
図6】本発明に変形例3に係る電気配線構造の概略平面図である。
図7】本発明に変形例4に係る電気配線構造の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係る電気配線構造1について、図1図3を参照しつつ詳細を説明する。なお、電気配線構造1を説明するにあたり、まず電気配線構造1が適用される荷台ステージ装置5についての詳細を説明する。また、本実施形態では、荷台ステージ装置5が、2台の車両2,2を並列に配置することによって構成されている場合を例として説明する。
【0029】
図1に示すように、荷台ステージ装置5は、アオリ部材10を備えた少なくとも2台の車両2,2と、接続部材20等を備えている。
【0030】
車両2は、本実施形態では、軽トラックが用いられている。従って、車両2は、狭い道や山道等の走行に適したものとされている。車両2は、前方に運転室3と、運転室3の後方に配された荷台4と、荷台4の車幅方向両側に配される左右一対の側方アオリ部材10L,10Rと、荷台4の後方側に配される後方アオリ部材10B等を備えている。なお、説明において、特に区別が必要でない場合は、側方アオリ部材10L,10R及び後方アオリ部材10Bは、総称してアオリ部材10と称することがある。
【0031】
運転室3は、ハンドル、アクセル、ブレーキ等の各種の運転機器(図示せず)を備えた運転席、及び助手席(共に図示せず)を備えており、運転者と少なくとも1人の乗員が搭乗可能なものとされている。なお、運転室3に搭乗できる人数は、車両2に応じて適宜変更できる。運転室3の下方には、前輪6,6(一方は非表示)が設けられている。
【0032】
荷台4は、矩形状の略平坦な台として形成され、荷物等の積載が可能なものとされている。荷台4の下方には、後輪7,7(一方は非表示)が設けられている。また、荷台4は、ステージSの一部を構成するものとされている。
【0033】
左右一対の側方アオリ部材10L,10R(アオリ部材10,10)は、車両前後方向に延びる矩形状の板状部材で形成されている。詳細は後述するが、本実施形態では、側方アオリ部材10L,10Rが、鉄等の磁性体で形成されている。側方アオリ部材10L,10Rは、荷台4の車幅方向両側に立設されている。側方アオリ部材10L,10Rは、下端側が複数のヒンジ11を介して荷台4の車両前後方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されている。
【0034】
また、側方アオリ部材10L,10Rは、荷台4において立設された立設状態から、荷台4の外側に突出するように横転させることにより横転状態とすることができる。側方アオリ部材10L,10Rは、横転状態とすることにより、後述するステージSの一部を構成するベース台12とすることができる。なお、側方アオリ部材10L,10Rは、適宜のロック機構により、立設状態で固定することが可能である。
【0035】
後方アオリ部材10B(アオリ部材10)は、車幅方向に延びる矩形状の板状部材で形成されている。また、本実施形態では、後方アオリ部材10Bが鉄等の磁性体で形成されている。後方アオリ部材10Bは、荷台4の後端側に立設されている。後方アオリ部材10Bは、下端側が複数のヒンジ11を介して荷台4の車幅方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されている。
【0036】
また、後方アオリ部材10Bは、荷台4において立設された立設状態から、荷台4の外側に突出するように横転させることにより横転状態とすることができる。後方アオリ部材10Bは、横転状態とすることにより、後述するステージSの一部を構成するベース台12とすることができる。なお、後方アオリ部材10Bは、適宜のロック機構により、立設状態で固定することが可能である。
【0037】
接続部材20は、本実施形態では、図3に示すように、板状部材が断面視(側面視)において、コの字状に屈曲された形状をなしている。また、接続部材20は、内壁部分がアオリ部材10の外縁部に対して係合可能な係合部21を形成している。詳細は後述するが、接続部材20は、本発明の電気配線構造1の一部を構成するものとされている。
【0038】
図1及び図2に示すように、係合部21は、互いに干渉しないように横転状態とされた一対のベース台12,12における側端側外縁部に係合させることができる。これにより、接続部材20は、一対のベース台12,12を架橋するように接続(連結)することができる。言い換えれば、接続部材20は、側方アオリ部材10L,10Rを構成する端部のうち、側方アオリ部材10L、10Rの立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着されている。
【0039】
また、接続部材20は、一対のベース台12,12を接続することにより、一対のベース台12,12を略水平状態で支持することができる。これにより、2台の車両2,2における荷台4,4がベース台12,12を介して接続され、荷台4,4及びベース台12,12によりステージSが形成される。なお、本実施形態では、ベース台12,12に跨るように平坦な板材13が載置されている。従って、ベース台12,12上に凹凸があっても、ステージSが平坦に保たれる。
【0040】
ここで、接続部材20は、例えば、アオリ部材10の高さが、接続部材20の高さよりも大きくなるように形成するとよい。これにより、接続部材20は、収納時にアオリ部材10の外縁部(上端側)に懸架することができる。また、接続部材20は、長さが、一対のベース台12,12の幅(本実施形態では車幅方向)よりも小さくなるように形成するとよい。これにより、接続部材20と荷台4との干渉が抑制される。
【0041】
図3(b)に示すように、係合部21には、アオリ部材10の外縁部と接する部分にシート状の磁石22が敷設されている。また、上述したようにアオリ部材10は、磁性体で形成されているので、接続部材20を、アオリ部材10に懸架した際に係合部21がアオリ部材10の外縁部に係合すると共に、磁石22とアオリ部材10の外縁部とが磁力により保持される。これにより、接続部材20のズレや脱落が抑制されるので、ステージSが安定に維持される。なお、磁石22の磁力は、適宜、変更することができる。
【0042】
また、係合部21は、図5に示すように、収納する際に、係合部21がアオリ部材10(図示では、側方アオリ部材10L)の上端側外縁部と係合すると共に、磁力により保持される。
【0043】
このように、接続部材20は、係合部21を有しているので、一対のアオリ部材10,10が横転状態とされているときに、一対のアオリ部材10,10(一対のベース台12,12)同士を確実に接続することができる。また、接続部材20は、車両2の移送時のように、アオリ部材10が立設状態とされているときに、アオリ部材10に係合させて保管することができる。これにより、上述した荷台ステージ装置5は、接続部材20を収容するためのスペースを新たに設ける必要がないので、車両2における荷台4のスペースが制約されることがない。また、上述した荷台ステージ装置5は、接続部材20をアオリ部材10に係合させて保管できるので、接続部材20を紛失したり、接続部材20の搭載を失念したりすることを抑制できる。
【0044】
また、上述した荷台ステージ装置5では、係合部21がコの字状に屈曲形成されているので、係合部21をアオリ部材10の外縁部に対して懸架できる。従って、接続部材20が安定にアオリ部材10に保持される。また、上述した荷台ステージ装置5は、接続部材20の重量により、アオリ部材10の外縁部に対して確実に係合させることができる。そのため、上述した荷台ステージ装置5は、アオリ部材10の外縁部に対して懸架した際に、接続部材20の落下を抑制できる。
【0045】
また、上述した荷台ステージ装置5では、接続部材20が、係合部21による係合に加えて、磁力による吸引力により、アオリ部材10の外縁部に対して保持されるので、より確実に接続部材20のアオリ部材10からの脱落を抑制できる。
【0046】
ここで、接続部材20の内壁には、フェルト、保護フィルム、ゴムシート等の緩衝部材(図示せず)が、敷設されている。緩衝部材は、接続部材20がアオリ部材10に直接的に接触することを抑制できる。そのため、接続部材20やアオリ部材10が損傷したり、騒音を発したりすることを抑制できる。
【0047】
以上が、本発明の一実施形態に係る荷台ステージ装置5の構成であり、次に荷台ステージ装置5の作用効果についての詳細を説明する。
【0048】
上述した荷台ステージ装置5は、並べて配された少なくとも2台の車両2,2におけるアオリ部材10,10を横転状態とすることにより一対のベース台12,12が構成されており、一対のベース台12,12同士が接続部材20により略水平状態で接続されて支持されている。すなわち、上述した荷台ステージ装置5では、少なくとも2台の車両2,2における荷台4が、アオリ部材10,10を介して接続されている。従って、上述した荷台ステージ装置5は、複数の荷台4,4、及び横転させたアオリ部材10,10の双方によりステージSを拡張することができる。
【0049】
また、上述した荷台ステージ装置5は、使用する車両2の台数に応じて、車両2の台数分の荷台4とベース台12とによるステージSの拡大を行うことができる。ここで、形成されるステージSは、例えば、コンサートや演劇等の舞台や、フリーマーケットや屋台等における台座など、各種の用途の台として利用することができる。また、上述した荷台ステージ装置5は、車両2として例えば、軽トラックを用いることにより、移動経路に狭い道や山道などが存在していても、移動先に到達することができる。
【0050】
また、上述した荷台ステージ装置5は、複数台の車両2を利用することにより、複数人のスタッフ等の搬送も併せて行うことができるので、効率良く人材を搬送することができる。なお、車両2は、軽トラックだけではなく、移動経路に応じて中小型トラックや大型トラックなど、アオリ部材10を有する各種の車両を用いることができる。また、上述した荷台ステージ装置5は、例えば、並列方向に2台以上の車両2を並べて各車両間のアオリ部材10を接続することにより、車幅方向に幅広いステージSを形成することができる。また、複数台の車両2を利用することにより、複数人のスタッフ等の搬送も併せて行うことができるので、効率良く、人材を搬送することができる。
【0051】
以上が、本発明の一実施形態に係る荷台ステージ装置5の構成及び作用効果であり、次に、本発明の一実施形態に係る電気配線構造1についての詳細を説明する。
【0052】
図1図3に示すように、本発明の電気配線構造1は、上述した荷台ステージ装置5における配索に用いられるものとされている。具体例は後述するが、電気配線31は、例えば、通信配線を含む各種のケーブル類や端子類とされている。
【0053】
図1に示すように、電気配線構造1は、上述した接続部材20を有するものとされている。ここで、接続部材20は、上述したようにアオリ部材10,10を構成する端部のうち、アオリ部材10,10の立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着されている。言い換えると、接続部材20は、横転状態とされた側方アオリ部材10L,10Rにおける車幅方向に延びる端部同士を架橋するように装着されている。また、接続部材20は、並べて配された車両2,2間に亘って配索される電気配線31を収容可能な導通路30(図2及び図3参照)を有するものとされている。
【0054】
導通路30は、図3(b)に示すように、断面視において、略コの字形状に形成されている。また、導通路30は、図3(a)に示すように、車両2,2の車幅方向(図示長手方向)に沿って延びるように形成されると共に、接続部材20の背面側に向けて開口形成されている。従って、導通路30は、車両2,2の車幅方向に沿って電気配線31を収容可能なものとされている。これにより、上述した電気配線構造1は、作業者が接続部材20の外側から容易に導通路30内にアクセスできる。そのため、上述した電気配線構造1によれば、作業者が容易に電気配線を行うことができる。また、導通路30の開口側には、カバー32が設けられている。
【0055】
カバー32は、導通路30の形成方向に沿って延びるように形成されている。カバー32は、導通路30の開口側に着脱可能に形成されており、導通路30の開口側に装着することにより、導通路30の開口側を覆うものとされている。従って、カバー32は、導通路30から電気配線31がはみ出したり、外部から電気配線31が視認されたりすることを抑制できる。
【0056】
また、上述した電気配線構造1は、接続部材20が、車両2,2間の接続を担うと共に、電気配線31を通す導通路30を形成するものとされているので、電気配線31を所定の位置に配線することができる。そのため、上述した電気配線構造1は、外観が損なわれたり、電気配線31の取り回しが煩雑となったりすることを抑制できる。従って、上述した電気配線構造1は、電気配線31が損傷したり、浸水したりすることを抑制できる。また、上述した電気配線構造1は、導通路30により電気配線31が覆われるようにすることで、ステージS上の演者等が電気配線31に躓く要因を排除できる。
【0057】
また、上述した電気配線構造1は、導通路30における開口側が接続部材20の背面側を向くように形成されているので、接続部材20の外側から容易に導通路30内にアクセスできる。そのため、上述した電気配線構造1は、容易に電気配線を行うことができる。
【0058】
また、上述した電気配線構造1は、接続部材20が、アオリ部材10,10を構成する端部のうち、アオリ部材10,10の立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着されている。従って、上述した電気配線構造1は、接続部材20を最小限の大きさとしつつ、確実にアオリ部材10,10同士を接続することができる。これにより、上述した電気配線構造1は、車両2の荷台4を拡張しつつ、電気配線31の配線経路(導通路30)を短くできる。従って、上述した電気配線構造1は、電気配線31の煩雑化を抑制できると共に、電気配線31のコストを低減できる。
【0059】
以上が、本発明の電気配線構造1の一実施形態であり、次に、本発明の変形例1~4に係る電気配線構造1A~1Dについての詳細を説明する。なお、以下の変形例1~4の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、説明を省略する。また、上述した実施形態と同一の部材については同一の符号を用いていることに留意されたい。
【0060】
≪変形例1≫
図4は、本発明の変形例1に係る電気配線構造1Aを構成する接続部材20の斜視図である。電気配線構造1Aは、電気配線31が中間部分においてコネクタ50,50(接続端子50,50とも称する)により接続されている以外の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0061】
コネクタ50,50は、例えば一方側が雄型に形成されており、他方側が雌型に形成されている。従って、互いのコネクタ50,50を接続することにより、一方側の電気配線31と他方側の電気配線31とが互いに接続されて導通する。
【0062】
電気配線構造1Aは、上述した構造とすることにより、電気配線31の汎用性を高めることができる。また、電気配線構造1Aは、電気配線31の導通路30への収容の手間を軽減することができる。
【0063】
以上が本発明の変形例1に係る電気配線構造1の構成であり、次に本発明の変形例2に係る電気配線構造1Bについての詳細を説明する。
【0064】
≪変形例2≫
図5は、本発明の変形例2に係る電気配線構造1Bを構成する接続部材20の斜視図である。電気配線構造1Bは、導通路30の両端側にコネクタ51,51(接続端子51,51とも称する)が設けられている以外の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0065】
コネクタ51,51は、導通路30の両端側に設けられている。コネクタ51,51は、本変形例2では、雌型に形成されている。また、コネクタ51,51の間には、電気配線31が配索されており、コネクタ51,51は、電気配線31を介して電気的に接続されている。
【0066】
コネクタ51,51には、それぞれ外部からの外部電気配線35,35が接続される。外部電気配線35の一端側には、雄型のコネクタ52が接続されており、当該コネクタ52をコネクタ51に挿し込むことにより、外部電気配線35が電気配線31に接続されて導通する。これにより、外部電気配線35,35同士が、導通路30に収容された電気配線31を介して導通する。
【0067】
このように、変形例1に係る電気配線構造1Bは、上述した構造とすることにより、配線作業(配索)の手間を省くことができる。すなわち、上述した電気配線構造1Bは、両端部の接続端子51,51に、電源や電気機器等を接続することにより、配線作業を容易に行うことができる。これにより、配線作業における工数の削減効果や配線ミス等の低減効果が期待できる。なお、接続端子51,51には、上述したコネクタ51,51の他、各種のものが採用できるが、例えば、ソケット、コンセントなどが好ましく利用できる。また、コネクタ51,51は、雌型のものに代えて雄型のものも利用できる。また、コネクタ51,51は、それぞれ同一の形態のものを用いてもよいし、互いに異なる形態のものを用いてもよい。
【0068】
以上が、本発明の変形例2に係る電気配線構造1Bの構成及び作用効果であり、次に本発明の変形例3に係る電気配線構造1Cについての詳細を説明する
【0069】
≪変形例3≫
図6は、本発明の変形例3に係る電気配線構造1Cの概略平面図である。変形例3に係る電気配線構造1Cでは、接続部材20が、導電性を有するものとされている。また、電気配線構造1Cでは、接続部材20を介して、互いの車両2,2が電気的に接続されている。これにより、互いの車両2,2が、ボデーアースされている。
【0070】
また、電気配線構造1Cは、導通路30に収容された電気配線31の少なくとも一端側(変形例3では両端側)に、車両2,2における補機バッテリ40,40(電源40,40とも称する)が接続されている。なお、電気配線構造1Cは、補機バッテリ40,40の少なくとも一方を、電気自動車やハイブリッド車における駆動バッテリとすることもできる。
【0071】
このように、電気配線構造1Cは、電気配線31における電源40の取り出しを車両2を通じて行うことができる。これにより、上述した電気配線構造1Cは、別途に電源40を用意することなく、接続された電気機器等に電源供給を行うことができる。従って、上述した電気配線構造1Cは、例えば、荷台ステージ装置5によって形成されるステージSを非常時における避難スペースとして利用する場合などに有効的に利用できる。なお、上述した電気配線構造1Cは、車両2の駆動が不能となる前に補機バッテリ40や駆動バッテリの電圧降下を検知して電源供給を停止させる制御が行われるようにすることが望ましい。
【0072】
また、電気配線構造1Cは、側方アオリ部材10L,10Rにおける車両前後方向両側に接続部材20,20が設けられている。また、互いの側方アオリ部材10L,10Rの間が、2つの接続部材20,20によって架橋するように接続されている。
【0073】
従って、電気配線構造1Cは、一方側の接続部材20に設けられている導通路30を電源供給ラインとし、他方側の接続部材20に設けられている導通路30をその他の電気配線31として利用できる。これにより、上述した電気配線構造1Cは、電源供給ラインとその他の電気配線31が混在することによる配線ミス等を抑制できる。また、上述した電気配線構造1Cは、配線ミスに伴う短絡等を抑制できるので、接続される電気機器等の破損を抑制できる。
【0074】
また、電気配線構造1Cは、接続部材20を介してボデーアースされているので、電源40のマイナス側又はプラス側のいずれか一方側の電気配線31を省略できる。そのため、上述した電気配線構造1Cは、電気配線31が煩雑となることを抑制でき、配線ミスや配線の損傷等も抑制できる。
【0075】
以上が、本発明の変形例3に係る電気配線構造1Cの構成及び作用効果であり、次に本発明の変形例4に係る電気配線構造1Dについての詳細を説明する。
【0076】
≪変形例4≫
図7は、本発明の変形例4に係る電気配線構造1Dの概略説明図である。変形例4では、例えば、コンサート会場におけるステージSが、荷台ステージ装置5により形成されている場合を例として説明する。
【0077】
電気配線構造1Dでは、3台の車両2が並列方向に並べて配されている。ステージSは、車両2,2の荷台4,4の間のそれぞれのベース台12,12(アオリ部材10,10)を接続部材20,20によって架橋するように接続することで形成されている。
【0078】
ステージSには、当該ステージSの周囲に配された複数の照明55と、一対のスピーカー56,56と、一対のディスプレイ57,57と、これらの機器やその他の各種機器を制御するパソコンなどのコンピュータ58と、が配されている。
【0079】
電気配線構造1Dでは、各車両2における補機バッテリ40(例えば、DC12V)におけるプラス側端子同士が、接続部材20における導通路30を介して接続されている。また、各車両2における補機バッテリ40におけるマイナス側端子は、接続部材20を介してボデーアースされている。照明55、スピーカー56,56、及びディスプレイ57,57、コンピュータ58等の各機器は、それぞれマイナス側の端子(図示せず)が、ボデーアースされている。また、上述した各機器は、電気配線構造1Dを用いて配索されている。具体的には、荷台4,4,4の間における各機器の電気配線31が、導通路30を介して配策されている。
【0080】
また、補機バッテリ40のプラス側には、電気配線31を介してDC/ACコンバータ59が接続されている。DC/ACコンバータ59は、接続された各機器に電力を供給するものとされている。なお、各機器に供給する電圧は、各機器に必要とされる電圧に昇圧や降圧されて入力される。また、補機バッテリ40(電源40)は、車両2に搭載されたものだけではなく、別途に用意したものを利用してもよい。
【0081】
このように、電気配線構造1Dでは、照明55等の各機器の電気配線31が導通路30を介して配索されているので、電気配線31を導通路30に集約することができる。これにより、上述した電気配線構造1Dは、複雑な電気配線31を簡単にまとめることができるので、外観の見栄えを向上させることができ、配線作業における工数を削減できる。また、上述した電気配線構造1Dは、電気配線31の外部への露出を最小限に留めることができるので、演者等の躓きの要因を排除できる。また、上述した電気配線構造1Dは、電気配線31が地面に垂れたり、外部に露出したりすることを抑制できるので、電気配線31が損傷、切断、浸水等することを抑制できる。
【0082】
以上が、本発明の電気配線構造1及び荷台ステージ装置5の実施形態及び変形例1~4に係る構成及び作用効果であるが、本発明の電気配線構造1及び荷台ステージ装置5は、上述した実施形態及び変形例1~4に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0083】
本実施形態では、2台の車両2,2を並列方向又は直列方向に並べて配置したが、使用する車両2の台数は、3台以上並べるものであってもよい。また、車両2を配置する方向は、並列方向と直列方向とを組み合わせたものでもよい。また、アオリ部材10は、矩形状で、平坦状に形成されていることが望ましいが、アオリ部材10は、矩形状や平坦状のものには限定されず、各種の形状のものを利用できる。例えば、アオリ部材10が、適度に湾曲していてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、一対のアオリ部材10,10で形成される一対のベース台12,12が略水平状態で支持されるものとしたが、ステージSの使用において許容される範囲で、水平状態から逸脱していてもよい。例えば、ベース台12,12が、僅かに山形となるように支持されていてもよい。また、一対のアオリ部材10,10の間は、適宜の延長台等により、例えば、車幅方向に延長することもできる。
【0085】
また、接続部材20は、実施形態のものには限定されず、各種の形状のものが利用できる。例えば、接続部材20が係合ではなく、ベース台12,12の下面側に架橋されるものでもよい。かかる場合は、適宜、ネジ等でベース台12,12と接続部材20とを接続すればよい。また、接続部材20を設ける個数は、ベース台12,12の支持強度等に応じて単数のものから複数のものまで各種の数量で構成することができる。また、接続部材20は、係合部21の嵌め込みにより係合させるものだけではなく、ネジ止め等で固定するものや、挿込み等の異なった方式で係合させるものなど、各種の方式で接続することができる。また、本実施形態では、接続部材20が、アオリ部材10,10を構成する端部のうち、アオリ部材10,10の立設状態において高さ方向に延びる端部同士を架橋するように装着される構成としたが、アオリ部材10,10の接続方法は、各種の手段を利用できる。
【0086】
また、導通路30は、並べて配された車両2,2間に亘って配索される電気配線31を収容可能なものであれば、各種の形状や大きさのものが利用できる。また、用いられる電気配線31も各種の形態のものが利用できる。例えば、電気配線31は、音声ケーブルや電源ケーブル、あるいは、HDMI(登録商標)ケーブルなどの映像用ケーブル等の各種のケーブル類を利用できる。
【0087】
また、本実施形態では、車両2として軽トラックを例示したが、車両2は、軽トラックには限定されず、道路状況などに応じて、中小型車や、大型車を用いることもできる。また、車種もトラックには限定されず、アオリ部材10を有する各種の車両を利用することができる。
【0088】
また、本実施形態では、導通路30が、断面視において略コの字状に形成されると共に、接続部材20の背面側に向けて開口形成されている構成としたが、これには限定されず、導通路30は、各種の形状や大きさのものが利用できる。また、導通路30の開口方向は、接続部材20の背面側だけではなく、各種の方向に向けて形成することができる。かかる場合は、導通路30が、外部から視認されにくいように形成することが望ましい。
【0089】
また、変形例2では導通路30が、両端側に接続端子51,51を有しており、接続端子51,51間が、電気的に接続されている構成としたが、接続端子51,51を設ける態様は、電気配線31や外部電気配線35等の形態に応じて適宜変更することができる。また、接続端子51は、コネクタだけではなく、ソケットやコンセントなど各種の形態の端子を利用することができる。
【0090】
変形例3及び変形例4では、接続部材20が、導電性を有しており、接続部材20を介して、互いの車両2,2を電気的に接続することで、互いの車両2,2がボデーアースされる構成としたが、接続部材20によるボデーアースは、必要に応じて採用すればよい。例えば、接続部材20が非導電性の素材で形成されており、互いの車両2,2がボデーアースされていないものとしてもよい。また、ボデーアースも上述した実施形態や変形例に係るものだけではなく、各種の手段で行うことができる。
【0091】
また、変形例3及び変形例4では、導通路30に収容された電気配線31の一端側に、車両2における補機バッテリ40が接続されているが、補機バッテリ40は、車両2に搭載されたものだけではなく、別途に用意したものを利用してもよい。また、本発明の電気配線構造1は、補機バッテリ40に代えて、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載される駆動バッテリを利用することもできる。
【0092】
以上が、本発明に係る電気配線構造の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の電気配線構造は、車両の荷台を用いて形成される演奏や演劇などの各種のイベントの舞台(ステージ)に利用することができる。また、本発明の電気配線構造は、車両によって形成されるフリーマーケット、屋台などの各種の台座として利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 :電気配線構造
1A:電気配線構造
1B:電気配線構造
1C:電気配線構造
1D:電気配線構造
2 :車両
4 :荷台
5 :荷台ステージ装置
10 :アオリ部材
10L:側方アオリ部材
10R:側方アオリ部材
10B:後方アオリ部材
12 :ベース台
20 :接続部材
21 :係合部
30 :導通路
31 :電気配線
40 :補機バッテリ(電源)
50 :接続端子(コネクタ)
51 :接続端子(コネクタ)
S :ステージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7