(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019750
(43)【公開日】2024-02-13
(54)【発明の名称】膝上げレバー
(51)【国際特許分類】
D05B 29/02 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
D05B29/02 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023125047
(22)【出願日】2023-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】522107854
【氏名又は名称】JUKIプロサーブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】安納 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】本水 紀恵
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150CE04
3B150CE22
3B150CE23
3B150EA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】膝当て部の位置又は姿勢をユーザの体形又は姿勢等に合わせることができる膝上げレバーを提供する。
【解決手段】膝上げレバー100は、ミシンMの押さえ具Mpに連動する取付部Mcに連結可能な連結部10と、連結部10から延在するアーム20と、アーム20に設けられる膝当て部30と、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持可能な位置調節機構40と、を備える。アーム20は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部21と、上アーム部21の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部22とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンの押さえ具に連動する取付部に連結可能な連結部と、 前記連結部から延在するアームと、 前記アームに設けられる膝当て部と、 前記取付部の位置に対する前記膝当て部の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持可能な位置調節機構と、を備える膝上げレバー。
【請求項2】
前記アームは、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、 前記第1アームは、前記位置調節機構の第1支持部によって、前記第1方向に沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持される請求項1に記載の膝上げレバー。
【請求項3】
前記アームは、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、 前記第1アームは、前記位置調節機構の第1支持部によって、前記第1方向を中心とする第1回転方向において、任意の回転位置で自在と固定を切換え可能に支持される請求項1に記載の膝上げレバー。
【請求項4】
前記アームは、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、 前記第2アームは、前記位置調節機構の第2支持部によって、前記第2方向に沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持される請求項1に記載の膝上げレバー。
【請求項5】
前記アームは、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、 前記第2アームは、前記位置調節機構の第2支持部によって、前記第2方向を中心とする第2回転方向において、任意の回転位置で自在と固定を切換え可能に支持される請求項1に記載の膝上げレバー。
【請求項6】
前記アームは、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、 前記第1方向と前記第2方向とは、互いにねじれの位置関係にある請求項1に記載の膝上げレバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膝上げレバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミシンに設けられた膝上げレバーがあった。従来の膝上げレバーは、膝当て部に当てられたユーザの膝の動きに連動して、縫製時に生地を押さえるための押さえ具の昇降を操作するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の膝上げレバーは、形状及び寸法が定まっており、ミシンを基準とした位置及び姿勢も定まっていた。したがって、膝上げレバーの膝当て部の位置及び姿勢は、ミシンを基準とした定まった位置及び姿勢になっていた。そのため、従来の膝上げレバーでは、膝当て部が、ユーザの体形又は姿勢等によって変化するユーザの膝の最適な位置又は姿勢に対応して位置及び姿勢になるとは限らなかった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、膝当て部の位置又は姿勢をユーザの体形又は姿勢等に合わせることができる膝上げレバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。(1)本発明の一態様に係る膝上げレバーは、ミシンの押さえ具に連動する取付部に連結可能な連結部と、前記連結部から延在するアーム部と、前記アーム部に設けられる膝当て部と、前記取付部の位置に対する前記膝当て部の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持可能な位置調節機構と、を備える。(2)上記(1)において、前記アーム部は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、前記第1アームは、前記位置調節機構の第1支持部によって、前記第1方向に沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持されてよい。(3)上記(1)において、前記アーム部は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、前記第1アームは、前記位置調節機構の第1支持部によって、前記第1方向を中心とする任意の回転位置で自在と固定を切換え可能に支持されてよい。(4)上記(1)において、前記アーム部は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、前記第2アームは、前記位置調節機構の第2支持部によって、前記第2方向に沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持されてよい。(5)上記(1)において、前記アーム部は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、前記第2アームは、前記位置調節機構の第2支持部によって、前記第2方向を中心とする任意の回転位置で自在と固定を切換え可能に支持されてよい。(6)上記(1)において、前記アーム部は、第1方向に沿って延在する第1アームを含む上アーム部と、前記上アーム部の下方にあって、第2方向に沿って延在する第2アームを含む下アーム部とを有し、前記第1方向と前記第2方向とは、互いにねじれの位置関係にあってよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、膝当て部の位置又は姿勢をユーザの体形又は姿勢等に合わせることができる膝上げレバーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ミシンに取り付けられる膝上げレバーの概要図である。
【
図2】左上前から見た膝上げレバーの斜視図である。
【
図4】右上後から見た膝上げレバーの斜視図である。
【
図6】右上後から見た膝上げレバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態) 以下、図面を参照し、実施形態に係る膝上げレバー100を説明する。
図1は、ミシンMに取り付けられる膝上げレバー100の概要図である。なお、以下、
図1に示すように、ミシンMに対峙して膝上げレバー100がある場所にいるユーザUからミシンMに向かう方向を後とし、その反対であるミシンMからユーザUに向かう方向を前とし、ミシンMに向かう方向(後)を基準として、上下左右を設定する。なお、以下、ユーザUからミシンMに向かう方向を正面といい、上方から下方に向かう方向を平面という場合がある。
【0010】
図1に示すように、膝上げレバー100は、ミシンMの押さえ具Mpに連動する取付部Mcに連結されて用いられる。押さえ具Mpは、縫う対象となる生地を押さえる機能を有している。膝上げレバー100は、押さえ具Mpを操作する機能を有する操作レバーである。ミシンMは、ユーザUがミシンMを使用するときには、ミシン台Dの上に載置されている。
【0011】
ユーザUは、ミシンMを使用するときには、膝上げレバー100の左方において、ミシンMに向かって対峙して、ミシンMが載置されたミシン台Dの前方にある不図示の椅子に腰掛けた状態となる。
【0012】
膝上げレバー100の膝当て部30は、ユーザUの膝等の体の一部を当てて力を作用させる部分である。膝上げレバー100の膝当て部30は、例えば、円盤状である。膝当て部30は、ボルト等の適宜の締結手段によって下アーム部22に取り付けられている。膝当て部30は、下アーム部22の延在方向を中心として、任意の回転位置で自在と固定とを切換え可能に取り付けられていてよい。これにより、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置及び相対姿勢の自由度を高めることができる。膝当て部30は、ユーザUが膝上げレバー100を操作していない状態では、ニュートラル姿勢Qnで、ニュートラル位置Pnに配置されている。ユーザUが体の一部(例えば、右膝)で膝上げレバー100を押して操作すると、膝上げレバー100が取付部Mcの回転軸Maを中心として揺動し、その動きに連なって取付部Mcが動き、その動きに連動して押さえ具Mpが昇降する。膝上げレバー100の膝当て部30は、ユーザUが膝上げレバー100を操作すると、取付部Mcの回転軸Maを中心として揺動位置P1まで回転移動し、揺動姿勢Q1となる。膝上げレバー100の膝当て部30は、ユーザUが膝上げレバー100に加えた力を減らすと、取付部Mcを通じて膝上げレバー100に与えられた時計回り方向(ユーザUからミシンMに向かう正面方向を基準とする。)の付勢力により、取付部Mcを中心としてニュートラル位置Pnまで回転移動して戻る。
【0013】
ここで、実施形態に係る膝上げレバー100は、ミシンMの押さえ具Mpに連動する取付部Mcに連結可能な連結部10と、連結部1から延在するアーム20と、アーム20に設けられる膝当て部30と、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置(ニュートラル位置Pn)又は相対姿勢(ニュートラル姿勢Qn)の関係を調節して維持可能な位置調節機構40と、を備えている。取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置(以下、単に位置という場合がある。)とは、空間における上下左右前後の位置である。取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対姿勢(以下、単に姿勢という場合がある。)とは、膝当て部30の、上下方向を中心とする回転姿勢、左右方向を中心とする回転姿勢又は前後方向を中心とする回転姿勢である。位置調節機構40は、膝上げレバー100の変形を維持する機構である。膝上げレバー100は、位置調節機構40によって変形が維持された状態で、ユーザUによる操作により、取付部Mcの回転軸Maを中心として揺動できるようになっている。このように、膝上げレバー100は、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持可能な位置調節機構40を備えているので、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持できる。膝上げレバー100は、位置調節機構40により、変形を維持できる。これにより、ユーザUの右膝が当たる膝当て部30のニュートラル位置Pnを、例えば、ユーザUの体格が大きい場合にミシンMに向かって右方に調節したり、上方に調節したりできる。また、ユーザUの右膝が当たる膝当て部30の姿勢(ニュートラル姿勢Qn)を、例えば、ユーザUの好みに応じて平面視で回転させて調節したり、正面視で回転させて調節したりできる。このように、膝上げレバー100は、ユーザUの体形又は姿勢等に合わせて多自由度で変形できる。そして、膝当て部30を、ユーザUの体形又は姿勢等によって変化するユーザUの膝の最適な位置に対応させて位置させることができる。ユーザUは、最適な位置にある膝当て部30を膝で押すことで膝上げレバー100を揺動させて、押さえ具Mpを昇降させることができる。
【0014】
アーム20は、第1方向Xに沿って延在する第1アーム21xを含む上アーム部21と、上アーム部21の下方にあって、第2方向Yに沿って延在する第2アーム22yを含む下アーム部22とを有している。第1方向Xは、第1アーム21xの軸心(断面の図心を延在方向に結んだ線)と一致していてよい。このように、アーム20は、上アーム部21と下アーム部22とに分割されている、これにより、各部品を簡単に製造でき、各部品に分解された状態でコンパクトな状態で保管又は移送でき、各部品の組み立てを簡単にできる。なお、第1方向Xは、
図2から
図6に示すように、前方から後方に向けて斜め下方に傾斜していてよく、鉛直方向に沿っていてもよく、水平方向に沿っていてもよい。すなわち、上アーム部21における第1アーム21xの延在方向は、
図2から
図6に示すように、前方から後方に向けて斜め下方に傾斜していてよく、鉛直方向に沿っていてもよく、水平方向に沿っていてもよい。上アーム部21の形状は、図示のものに限られない。上アーム部21の形状は、途中で折れ曲がったL字状であってよく、水平方向に延びる水平部分と、水平部分から鉛直方向に延びる鉛直部分とによって形成されるL字状であってよく、単純に水平方向又は鉛直方向に延びる直線状であってもよい。
【0015】
上アーム部21と下アーム部22とは、位置調節機構40を介して連結されている。
【0016】
図2から
図6に示すように、第1アーム21xは、位置調節機構40の第1支持部41によって、第1方向Xに沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持されている。これにより、位置調節機構40は、第1アーム21xへの固定位置を、第1方向Xに沿って、上下、左右又は前後に変えることができる。よって、膝上げレバー100を第1方向Xに沿って延ばしたり縮めたりして変形させることができるので、膝当て部30の位置をユーザUの体形又は姿勢等に合わせて変えることができる。
【0017】
第1支持部41は、第1アーム21xの外寸法(第1アーム21xが円断面の棒状である場合は外径)に対応する内寸法(第1アーム21xが円断面の棒状である場合は内径)を有する案内部41hと締結部41bとを有していてよい。案内部41hは、孔又は溝であってよい。締結部41bは、
図4に示すように、第1アーム21xに向かって案内部41hを貫通する雌ねじe及びその雌ねじeに螺合されて第1アーム21xに先端を当接されるボルトfを含む構造であってよい。第1支持部41は、第1アーム21xを、第1方向Xに沿う任意の位置で案内部41hに保持した状態で、締結部41bで締めると、第1アーム21xをその任意の位置で固定できる。また、第1支持部41は、第1アーム21xを案内部41hに保持した状態で、締結部41bを緩めると、第1アーム21xを第1方向Xに沿う任意の位置に自在に動かすことができる。このように、位置調節機構40の第1支持部41によって第1アーム21xを任意の位置で固定して、第1アーム21xと位置調節機構40との第1方向Xに沿う位置関係を調節できる。
【0018】
第1アーム21xは、位置調節機構40の第1支持部41によって、第1方向Xを中心とする第1回転方向XRにおいて、任意の回転位置で自在と固定を切換え可能に支持されている。これにより、位置調節機構40は、第1アーム21xへの固定位置を、第1方向Xを中心として回転させて変えることができる。よって、膝上げレバー100を、第1方向Xを中心として回転させて変形させることができるので、膝当て部30の姿勢をユーザUの体形又は姿勢等に合わせて変えることができる。また、このようにして、膝上げレバー100を第1回転方向XRにも変形できるようにした場合、変形の自由度を高めることができる。
【0019】
第1支持部41は、第1アーム21xを、第1方向Xを中心とする第1回転方向XRにおいて、任意の回転位置で案内部41hに保持した状態で、締結部41bで締めると、第1アーム21xをその任意の回転位置で固定できる。また、第1支持部41は、第
1アーム21xを案内部41hに保持した状態で、締結部41bを緩めると、第1アーム21xを第1方向Xを中心とする任意の回転位置に自在に動かすことができる。このように、位置調節機構40の第1支持部41によって第1アーム21xを任意の回転位置で固定して、第1アーム21xと位置調節機構40との第1方向Xを中心とする回転位置を調節できる。
【0020】
第2アーム22yは、位置調節機構40の第2支持部42によって、第2方向Yに沿う任意の位置で自在と固定を切換え可能に支持されている。第2方向Yは、第2アーム22yの軸心(断面の図心を延在方向に結んだ線)と一致していてよい。これにより、位置調節機構40は、第2アーム22yへの固定位置を、第2方向Yに沿って、上下、左右又は前後に変えることができる。よって、膝上げレバー100を第2方向Yに沿って延ばしたり縮めたりして変形させることができるので、膝当て部30の位置をユーザUの体形又は姿勢等に合わせて変えることができる。また、このようにして、膝上げレバー100を第2方向Yにも変形できるようにした場合、変形の自由度を高めることができる。なお、第2方向Yは、
図2から
図6に示すように、前方から後方に向けて斜め上方に傾斜していてよく、鉛直方向に沿っていてもよく、水平方向に沿っていてもよい。すなわち、下アーム部22における第2アーム22yの延在方向は、
図2から
図6に示すように、前方から後方に向けて斜め上方に傾斜していてよく、鉛直方向に沿っていてもよく、水平方向に沿っていてもよい。下アーム部22の形状は、図示のものに限られない。下アーム部22の形状は、途中で折れ曲がったL字状であってよく、水平方向に延びる水平部分と、水平部分から鉛直方向に延びる鉛直部分とによって形成されるL字状であってよく、単純に水平方向又は鉛直方向に延びる直線状であってもよい。下アーム部22の形状が、鉛直方向に延びる直線状である場合、下アーム部22を第2方向Yを中心として第2回転方向YRに回転させると、下アーム部22に取り付けられた膝当て部30の姿勢を第2回転方向YRに回転させて変えることができる。
【0021】
第2支持部42は、第2アーム22yの外寸法(第2アーム22yが円断面の棒状である場合は外径)に対応する内寸法(第2アーム22yが円断面の棒状である場合は内径)を有する案内部42hと締結部42bとを有していてよい。案内部42hは、孔又は溝であってよい。締結部42bは、例えば、
図6に示すように、案内部42hに連通するスリットsと、スリットsに面して第2支持部42に設けられる雌ねじjと、第2支持部42に設けられてスリットsを跨いで雌ねじjに螺合されるボルトkとを含む構造であってよい。案内部42hに第2アーム22yが通された状態で、ボルトkを第2支持部42のスリットsに面した雌ねじjにスリットsを跨いで第2支持部42の外方から螺合して締め付けると、第2支持部42が撓んでスリットs及び案内部42hの内方空間が狭くなる。。このような作用で、第2アーム22yは案内部42hで挟まれて締め込まれて固定される。
【0022】
第2支持部42は、第2アーム22yを、第2方向Yに沿う任意の位置で案内部42hに保持した状態で、締結部42bで締めると、第2アーム22yをその任意の位置で固定できる。また、第2支持部42は、第2アーム22yを案内部42hに保持した状態で、締結部42bを緩めると、第2アーム22yを第2方向Yに沿う任意の位置に自在に動かすことができる。このように、位置調節機構40の第2支持部42によって第2アーム22yを任意の位置で固定して、第2アーム22yと位置調節機構40との第2方向Yに沿う位置関係を調節できる。
【0023】
第2支持部42は、第2アーム22yを、第2方向Yを中心とする第2回転方向YRにおいて、任意の回転位置で案内部42hに保持した状態で、締結部42bで締めると、第2アーム22yをその任意の回転位置で固定できる。また、第2支持部42は、第2アーム22yを案内部42hに保持した状態で、締結部42bを緩めると、第2アーム22yを、第2方向Yを中心とする任意の回転位置に自在に動かすことができる。このように、位置調節機構40の第2支持部42によって第2アーム22yを任意の回転位置で固定して、第2アーム22yと位置調節機構40との第2方向Yを中心とする回転位置を調節できる。また、このようにして、膝上げレバー100を第2回転方向YRにも変形できるようにした場合、変形の自由度を高めることができる。
【0024】
第1方向Xと前記第2方向Yとは、互いにねじれの位置関係にある。これにより、膝上げレバー100の変形の空間における範囲を広げることができ、膝当て部30のミシンM(ミシンMの取付部Mc)に対する相対位置を広い範囲で変更できる。よって、膝当て部30の位置又は姿勢を、ユーザUの体格又は姿勢に応じて広範囲で変化させて対応できる。
【0025】
第1アーム21xの軸心を第1方向Xに延長した直線と第2アーム22yの軸心を第2方向Yに延長した直線のこれら2つの直線のなす角は、略90度であることが好ましい。これにより、膝上げレバー100の変形の空間における範囲を更に広げることができ、膝当て部30のミシンM(ミシンMの取付部Mc)に対する相対位置を広い範囲で変更できる。よって、膝当て部30の位置又は姿勢を、ユーザUの体格又は姿勢に応じて広範囲で変化させて対応できる。
【0026】
以上説明したように、実施形態に係る膝上げレバー100は、ミシンMの押さえ具Mpに連動する取付部Mcに連結可能な連結部10と、連結部10から延在するアーム20と、アーム20に設けられる膝当て部30と、取付部Mcの位置に対する膝当て部30の相対位置又は相対姿勢の関係を調節して維持可能な位置調節機構40と、を備えている。これにより、膝当て部30の位置又は姿勢をユーザUの体形又は姿勢等に合わせることができる。
【0027】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0028】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記した変形例の特徴を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0029】
100 膝上げレバー
10 連結部
20 アーム
21 上アーム部
21x 第1アーム
22 下アーム部
22y 第2アーム
30 膝当て部
40 位置調節機構
41 第1支持部
41b 締結部
41h 案内部
42 第2支持部
42b 締結部
42h 案内部
D ミシン台
M ミシン
Ma 回転軸
Mc 取付部
Mp 押さえ具
P1 揺動位置
Pn ニュートラル位置
Q1 揺動姿勢
Qn ニュートラル姿勢
U ユーザ
X 第1方向
XR 第1回転方向
Y 第2方向
YR 第2回転方向
e,j 雌ねじ
f,k ボルト
s スリット