IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 楽天株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図1
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図2
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図3
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図4
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図5
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図6
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図7
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図8
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図9
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図10
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図11
  • 特開-制御装置、無人航空機、及び制御方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019756
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】制御装置、無人航空機、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/46 20060101AFI20240206BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240206BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240206BHJP
   B64D 9/00 20060101ALI20240206BHJP
   B66D 1/54 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B66D1/46 G
B64C39/02
B64C27/08
B64D9/00
B66D1/54 P
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120603
(22)【出願日】2022-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関 達裕
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
(57)【要約】
【課題】無人航空機に備えられるウインチを制御することで無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能とする制御装置、無人航空機、及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置133は、UAV1と、UAV1より下方に配置される物品Bとの間の距離を示す距離情報を取得し、当該取得した距離情報に示される距離に基づいて、線状部材15を繰り出すようにウインチ16を制御する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材の繰り出し量を決定する決定部を更に備え、
前記制御部は、前記決定部により決定された繰り出し量に応じた前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、時系列で前記距離情報を複数回取得し、
前記制御部は、前記距離情報に示される距離が所定距離になるまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記線状部材を巻き揚げるための反力は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力より大きい反力であることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記線状部材の繰り出しがロックされている状態において、前記無人航空機に備えられる外力検出部により所定の外力が検出された場合に、前記制御部は、前記ロックを解除するように前記ウインチを制御し、且つ前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力以上の反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ロックが解除された後に、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が前記所定距離に戻るまで前記反力を発生させ、前記所定距離に戻ると前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応している状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応することになった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記反力を発生させるように前記ウインチが制御されている状態で、且つ前記線状部材の繰り出し量が変化しない状態が所定時間継続した場合に、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4乃至9、及び11の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、
前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、
前記外力によって前記ウインチが回動不能な状態において前記線状部材の繰り出しがロックされた場合に、前記制御部は、前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、
前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、
前記制御部は、前記外力によって前記線状部材を繰り出し可能な状態において前記ウインチが回動不能になるように前記取付部を制御し、前記外力によって前記線状部材の繰り出し不能な状態において前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記距離情報が示す距離は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記取得部は、前記物品の高さと、前記物品の配置面から前記無人航空機までの高さと示す情報を取得し、それぞれの前記高さに基づいて前記距離情報を取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記無人航空機は、前記距離を測定するセンサを備え、
前記取得部は、前記センサから前記距離情報を取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
物品を係留可能な係留部材と、
前記係留部材に接続される線状部材と、
前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチと、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする無人航空機。
【請求項20】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得するステップと、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機により物品を配送するシステムにおいて無人航空機に物品を取り付ける方法等の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人航空機により物品を配送するシステムにおいて、無人航空機に物品を効率良く取り付ける方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ドローンによる配送物の配送拠点において、ドローンに迅速且つ効率的に配送物を供給するためのシステムが開示されている。特許文献1に開示されたシステムでは、ドローンが駐機する発着装置の底面が開口可能とされ、該開口の下には配送物が配置された昇降装置が備えられる。そして、昇降装置により配送物を上昇させることで開口を介してドローンに配送物が取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には、ウインチ(巻揚機)を備える無人航空機が該ウインチを用いて物品を無人航空機に取り付ける方法についての開示はない。
【0005】
そこで、本発明は、無人航空機に備えられるウインチを制御することで、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする制御装置、無人航空機、及び制御方法を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)上記課題を解決するために、本適用例に係る制御装置は、物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。これにより、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする。
【0007】
(適用例2)上記適用例1に記載の制御装置において、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材の繰り出し量を決定する決定部を更に備え、前記制御部は、前記決定部により決定された繰り出し量に応じた前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、ウインチに適切な量の線状部材を効率良く繰り出させることができる。
【0008】
(適用例3)上記適用例1に記載の制御装置において、前記取得部は、時系列で前記距離情報を複数回取得し、前記制御部は、前記距離情報に示される距離が所定距離になるまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、ウインチに適切な量の線状部材を精度良く繰り出させることができる。
【0009】
(適用例4)上記適用例1に記載の制御装置において、前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、以下の(i)と(ii)との少なくとも何れか1つの効果を奏することができる。(i)係留部材と、物品または物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離空けられるため、係留部材が物品に接触することによって物品が損傷する可能性を抑制することができる。(ii)線状部材を巻き揚げるための反力を発生させることで、スタッフによる物品の取り付け時に線状部材が必要以上に引き出されて弛むことを抑制することができ、スタッフは良好な作業感を得ることができる。
【0010】
(適用例5)上記適用例4に記載の制御装置において、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材と、物品または物品の接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができるとともに、外力によってさらに線状部材を繰り出し可能にさせることができる。
【0011】
(適用例6)上記適用例4に記載の制御装置において、前記線状部材を巻き揚げるための反力は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力より大きい反力であることを特徴とする。
【0012】
(適用例7)上記適用例4に記載の制御装置において、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材と、物品または物品の接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0013】
(適用例8)上記適用例7に記載の制御装置において、前記線状部材の繰り出しがロックされている状態において、前記無人航空機に備えられる外力検出部により所定の外力が検出された場合に、前記制御部は、前記ロックを解除するように前記ウインチを制御し、且つ前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力以上の反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、所定の外力が検出されるまで、反力を発生させるために要する消費電力を低減することができる。
【0014】
(適用例9)上記適用例8に記載の制御装置において、前記ロックが解除された後に、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が前記所定距離に戻るまで前記反力を発生させ、前記所定距離に戻ると前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、スタッフによる物品の取り付け時に線状部材が必要以上に引き出されて弛むことを抑制することができ、スタッフは良好な作業感を得ることができるとともに、係留部材と、物品または物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0015】
(適用例10)上記適用例1に記載の制御装置において、前記制御部は、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする。
【0016】
(適用例11)上記適用例10に記載の制御装置において、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応している状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材の垂直方向における位置が物品の接続部材の垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0017】
(適用例12)上記適用例10に記載の制御装置において、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応することになった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材の垂直方向における位置が物品の接続部材の垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0018】
(適用例13)上記適用例4乃至9、及び11の何れか一つに記載の制御装置において、前記制御部は、前記反力を発生させるように前記ウインチが制御されている状態で、且つ前記線状部材の繰り出し量が変化しない状態が所定時間継続した場合に、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、線状部材がさらに繰り出されて係留部材への物品の取り付けが完了した際に、外力による線状部材の繰り出しを防止することができる。
【0019】
(適用例14)上記適用例13に記載の制御装置において、前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、前記外力によって前記ウインチが回動不能な状態において前記線状部材の繰り出しがロックされた場合に、前記制御部は、前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする。これにより、外力によって線状部材が繰り出し不能な状態にもかかわらず、外力によって線状部材が繰り出されようとした際に、線状部材に加わる外力が無人航空機に与える好ましくない影響を低減させることができる。
【0020】
(適用例15)上記適用例1乃至12の何れか一つに記載の制御装置において、前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、前記制御部は、前記外力によって前記線状部材を繰り出し可能な状態において前記ウインチが回動不能になるように前記取付部を制御し、前記外力によって前記線状部材の繰り出し不能な状態において前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする。これにより、外力によって線状部材が繰り出し不能な状態にもかかわらず、外力によって線状部材が繰り出されようとした際に、線状部材に加わる外力が無人航空機に与える悪影響を低減させることができる。
【0021】
(適用例16)上記適用例1乃至12の何れか一つに記載の制御装置において、前記距離情報が示す距離は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離であることを特徴とする。
【0022】
(適用例17)上記適用例1乃至12の何れか一つに記載の制御装置において、前記取得部は、前記物品の高さと、前記物品の配置面から前記無人航空機までの高さと示す情報を取得し、それぞれの前記高さに基づいて前記距離情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機に距離を測定するセンサが備えられていなくても、無人航空機と、無人航空機より下方に配置される物品との間の距離を示す距離情報を取得することができる。
【0023】
(適用例18)上記適用例1乃至12の何れか一つに記載の制御装置において、前記無人航空機は、前記距離を測定するセンサを備え、前記取得部は、前記センサから前記距離情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機と、無人航空機より下方に配置される物品との間の距離を示す距離情報を迅速に取得することができる。
【0024】
(適用例19)本適用例に係る無人航空機は、物品を係留可能な係留部材と、前記係留部材に接続される線状部材と、前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチと、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
(適用例20)本適用例に係る制御方法は、物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得するステップと、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】架台2に着陸しているUAV1の外観構成例を示す図である。
図2】ウインチ16の概要構成例を示す模式的断面図である。
図3】物品保持機構17を備えるUAV1の外観構成例を示す図である。
図4】制御装置133の概要構成例を示す図である。
図5】制御処理部1335における機能ブロック例を示す図である。
図6】線状部材15が繰り出されることでUAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離d4になった状態を示す図である。
図7】線状部材15の繰り出しが停止している状態(a)と、外力によって線状部材15がさらに繰り出された状態(b)と、物品Bが係留部材14に取り付けられることなく外力がなくなることで線状部材15が巻き揚げられている状態(c)とを示す図である。
図8】線状部材15の繰り出しが停止している状態(a)と、外力によって線状部材15がさらに繰り出されて物品Bが係留部材14に取り付けられた状態(b)と、外力がなくなっても線状部材15が巻き揚げられない状態(c)とを示す図である。
図9】リール162の回転がロックされている状態においてウインチ16が回動する様子を示す図である。
図10】制御処理部1335による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例(実施例1)を示すフローチャートである。
図11】制御処理部1335による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例(実施例2)を示すフローチャートである。
図12】外力による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る無人航空機(以下、「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」と称する)について説明する。
【0029】
1.UAV1の構成及び動作概要
先ず、図1等を参照して、本実施形態に係るUAV1の構成及び動作概要について説明する。図1は、架台2に着陸しているUAV1の外観構成例を示す図である。UAV1は、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれる。架台2は、UAV1により配送対象となる物品BがUAV1に取り付けられる拠点(例えば、店舗や物流拠点)に設置される。架台2には、物品Bが通過可能な開口21が形成されている。貨物(荷物)として配送される物品Bは、特に限定されるものではないが、例えば、EC(Electronic commerce)サイトまたは宅配サイトなどで注文される商品または宅配品などであってもよいし、避難場所などへ提供される救援物資や支援物資であってもよい。或いは、物品Bは、上述した商品、宅配品、または物資等が1または複数収容された収容物(例えば、配送箱)であってもよい。
【0030】
なお、物品Bのサイズ(縦×横×高さ)は大小様々である。そのため、上記従来技術を利用してドローンに物品Bを取り付ける際、物品Bのサイズが異なる場合に適切に取り付けができるものではない。例えば、サイズの大きな物品Bとサイズの小さな物品Bとでは、上記従来技術の載置部をドローンポート層の高さまで上昇させた際に物品Bとドローンとの間の距離が異なるため、適切に物品取り付け動作を行うことが難しくなる。しかしながら、本実施形態によれば、物品Bのサイズが異なる場合であっても、適切に物品取り付け動作を行うことが可能となる。
【0031】
UAV1は、図1に示すように、ロータ部11、脚部12、ボディ部13、物品Bを係留可能な係留部材14、係留部材14の一端に接続される線状部材15、及び線状部材15の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチ16等を備えて構成される。線状部材15には、例えば、ロープやワイヤ等を用いることができる。係留部材14には、例えば、フックやシャックル等を用いることができる。係留部材14には、拠点にいるスタッフT(例えば、店員や作業者)により物品Bが取り付けられる。スタッフTが係留部材14に物品Bを適切に取り付けることを可能にするため、図1に示すように、物品Bには、係留部材14に接続するための接続部材Baが設けられるとよい。接続部材Baは、物品Bの一部とみなしてもよい。なお、図1の例では、スタッフTである人が物品Bの取り付け作業を行う例を示しているが、例えばセンサ、制御機構、及び駆動機構を備えたロボット等の機械装置がスタッフとして物品Bの取り付け作業を行ってもよい。
【0032】
ロータ部11は、水平回転翼である複数のロータ(プロペラ)111、及びロータ駆動機構112を含む。ロータ駆動機構112は、ロータ111に接続される回転軸(図示せず)、及び回転軸を介してロータ111を回転させるためのアクチュエータ(図示せず)等を備えて構成される。かかるアクチュエータ(モータを有する)は、後述の制御装置133により制御される。なお、脚部12の下端p1は、架台2の上面に接触している。
【0033】
ボディ部13は、回動抑止体131、回動抑止体駆動機構132、制御装置133、及びバッテリ134を含む。回動抑止体駆動機構132は、回動抑止体131の少なくとも一部分を収容する中空の受容体1321、及び受容体1321内で回動抑止体131を上下方向に摺動させるためのアクチュエータ(図示せず)等を備えて構成される。かかるアクチュエータは、制御装置133により制御される。受容体1321は、ボディ部13内で固定される。
【0034】
ウインチ16は、UAV1(ボディ部13)に取り付けられるための取付部の一例としての回動部161を有し、回動部161を支点として外力によって回動可能または回動不能にUAV1に取り付けられる。換言すると、回動部161は、ウインチ16の首振り機構として機能し、回動可能(首振り可能)と回動不能(首振り不能)とが切り替えできるようになっている。なお、外力とは、例えばスタッフTにより線状部材15(係留部材14)が引っ張られることにより発生する力[N]であり、後述するリール162から繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力(換言すると、線状部材15及び係留部材14の荷重)より大きい力である。かかる重力は、繰り出された線状部材15及び係留部材14の質量mと重力加速度gとの積であり、線状部材15が繰り出された量が増すほど大きくなる。
【0035】
回動部161は、球体1611、及び球体1611を支持する支持体1612を含む。球体1611の一部分(例えば、上部及び中央部)は、ボディ部13に設けられた球体受135に回動可能に篏合され、且つ球体1611がボディ部13から抜け落ちないようになっている。また、球体1611の上部は、回動抑止体131と接触可能または篏合可能になっている。なお、ボディ部13には、回動抑止体131が複数備えられてもよく、この場合、球体1611の上部は、複数の回動抑止体131と接触可能または篏合可能になる。
【0036】
回動抑止体駆動機構132のアクチュエータにより回動抑止体131が下方向に摺動した場合、回動抑止体131の下端部が球体1611の上端部に当接(押圧)することで、回動抑止体131と球体1611との接触面の摩擦力により回動部161の回動が抑止され、回動不能(首振り不能)となる。或いは、回動抑止体駆動機構132のアクチュエータにより回動抑止体131が下方向に摺動した場合、回動抑止体131の下端部が球体1611の上端部に設けられた溝(図示せず)に篏合されることで、回動部161の回動が抑止され、回動不能(首振り不能)となる。一方、回動抑止体駆動機構132のアクチュエータにより回動抑止体131が上方向に摺動した場合、回動抑止体131が球体1611から離れることで、回動部161の回動抑止が解除され、回動可能(首振り可能)となる。なお、球体1611の下端部は、支持体1612の上端部に固着(例えばネジにより螺着)されている。
【0037】
図2は、ウインチ16の概要構成例を示す模式的断面図である。ウインチ16は、上述した回動部161に加え、線状部材15が巻き付けられるリール162、リール162に挿通される回転軸163、リール162及び回転軸163を回転駆動させるリール駆動機構164、リール162及び回転軸163の回転をロックさせるリール回転ロック機構165、及びケーシング166等を備えて構成される。ケーシング166は、リール162、回転軸163、リール駆動機構164、及びリール回転ロック機構165等を収容し、これらの構成部分を直接的または間接的に支持する。ケーシング166の上端部は、回動部161の支持体1612の下端部に固着されている。また、ケーシング166には、線状部材15が挿通される案内体167が取り付けられたロッド168が設けられてもよい。案内体167は、ロッド168の軸方向に沿って往復移動するようになっており、リール162に線状部材15を均等に巻回する機能を有する。
【0038】
リール162は、回転軸163の回転駆動に伴って軸回りに回転(正回転、または逆回転)する。例えば、リール162に巻き付けられた線状部材15は、リール162が正回転することにより初期位置から繰り出される。一方、繰り出された線状部材15は、リール162が逆回転することにより巻き揚げられ、且つリール162に巻き付けられる。また、リール162は、回転軸163に径方向に突出するよう設けられた係合部材1631によって回転軸163との相対回転が防止されるとよい。回転軸163は、ケーシング166に取り付けられた軸受169によって回転可能に支持されている。
【0039】
リール駆動機構164は、ギア1641、ギア1641とかみ合わされるギア1642、制御装置133により制御される駆動モータ1643、及び力検出センサ1644(外力検出部の一例)等を備えて構成される。なお、リール駆動機構164には、ギア1641及びギア1642以外のギアが含まれてもよい。また、力検出センサ1644は、外力を検出するばかりでなく、リール162から繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力も検出することができる。ギア1641の中心は、回転軸163に固着されている。一方、ギア1642の中心は、駆動モータ1643の回転軸1643aに固着されている。或いは、ギア1642の中心は、図示しない軸綱手を介して接続されてもよい。また、回転軸163は、制御装置133による駆動モータ1643の駆動に伴ってギア1641,1642を介して回転駆動する。つまり、駆動モータ1643の駆動により発生したトルク(回転力)がギア1641,1642を介して回転軸163に伝達されることでリール162が正回転または逆回転する。
【0040】
また、制御装置133の繰り出し制御(モータ制御)による線状部材15の繰り出しが停止するタイミング(後述するタイミング)で、外力により線状部材15が繰り出し(外力による場合は引き出しともいう)可能となるように切り替えられる。つまり、繰り出し制御による線状部材15の繰り出しモードから、外力による線状部材15の繰り出しモードに切り替えられる。モード切り替え後、線状部材15が引っ張られることで発生する外力によりリール162が回転する。かかる外力は、力検出センサ1644により検出され、当該検出された外力を示す力情報は制御装置133へ出力される。力検出センサ1644には、繰り出された線状部材15が受ける張力を検出する張力センサや、繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する力により変形する部材に貼付された歪みゲージが適用可能である。
【0041】
なお、ウインチ16には、リール162の回転数(回転角度でもよい)を検出する回転数検出センサが備えられてもよい。回転数検出センサは、例えば、ケーシング166の内側に設けられたマーキングを検出することでリール162の回転数を検出することができる。回転数検出センサにより検出された回転数を示す回転数情報は制御装置133へ出力される。また、ウインチ16には、リール162からの線状部材15の繰り出し量を測定する繰り出し量測定センサが備えられてもよい。ここで、線状部材15の繰り出し量とは、リール162から繰り出される線状部材15の長さである。繰り出し量測定センサにより測定された繰り出し量を示す繰り出し量情報は制御装置133へ出力される。
【0042】
また、外力により線状部材15が繰り出し可能となるように切り替えられた後、リール162が繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力により回転し、線状部材15が繰り出されるケースも考えられる。これを防ぐため、後述するように、制御装置133によりリール駆動機構164またはリール回転ロック機構165が制御されるとよい。
【0043】
リール回転ロック機構165は、回転軸163に固着された回転体1651、回転体1651の回転を抑止するための回転抑止体1652、回転抑止体1652の少なくとも一部分を収容する中空の受容体1653、及び受容体1653内で回転抑止体1652を上下方向に摺動させるためのアクチュエータ(図示せず)等を備えて構成される。かかるアクチュエータは、制御装置133により制御される。受容体1653は、ケーシング166内で固定される。なお、リール回転ロック機構165には、回転抑止体1652が複数備えられてもよい。
【0044】
リール回転ロック機構165のアクチュエータにより回転抑止体1652が下方向に摺動した場合、回転抑止体1652の下端部が回転体1651の上端部に当接(押圧)することで、回転体1651と回転抑止体1652との接触面の摩擦力により回転体1651の回転が抑止され、その結果、リール162の回転がロックされる(つまり、リール162は回転不能となる)。これにより、線状部材15の繰り出しがロックされる。或いは、リール回転ロック機構165のアクチュエータにより回転抑止体1652が下方向に摺動した場合、回転抑止体1652の下端部が回転体1651の上端部に設けられた溝(図示せず)に篏合されることで、回転体1651の回転が抑止され、その結果、リール162の回転がロックされる。
【0045】
一方、リール回転ロック機構165のアクチュエータにより回転抑止体1652が上方向に摺動した場合、回転抑止体1652が回転体1651から離れることで、回転体1651の回転抑止が解除され、その結果、リール162の回転ロックが解除される。これにより、線状部材15の繰り出しロックが解除される。なお、リール回転ロック機構165は、回転抑止体1652及び受容体1653に代えて、コイルに通電することにより発生する電磁力を利用して回転体1651の回転を抑止可能な電磁ブレーキを備えて構成されてもよい。また、リール162の回転がロックされていない状態(換言すると、外力によって線状部材15を繰り出し可能な状態)においては、ウインチ16は回動不能になっている。一方、リール162の回転がロックされている状態(換言すると、外力によって線状部材15を繰り出し不能な状態)においては、ウインチ16は回動可能になっている。
【0046】
なお、UAV1は、上述した構成要素に加えて、物品Bを保持するための物品保持機構を備えてもよい。図3は、物品保持機構17を備えるUAV1の外観構成例を示す図である。物品保持機構17は、伸縮可能部材171、可動保持体172、及びアクチュエータ(図示せず)等を備えて構成される。伸縮可能部材171は、例えば中空の上側部材1711、及び上側部材1711内に挿通可能に連接される下側部材1712を含む。上側部材1711の上端部はボディ部13に固着され、下側部材1712の下端部は可動保持体172に固着されている。下側部材1712は、物品Bが保持されていない状態において、制御装置133の制御により上側部材1711の中空部分に挿通されるようになっている。可動保持体172は、制御装置133の制御により回転軸1721を中心として破線矢印で示すように開閉可能になっている。可動保持体172は、図3の実線で示すように閉状態になると、物品B(底部)の保持(支持)が可能になる。これにより、物品Bの降下を防止することができる。一方、可動保持体172は、図3の破線で示すように開状態になると、物品Bの保持が不能になる。
【0047】
図4は、制御装置133の概要構成例を示す図である。制御装置133は、測位部1331、通信部1332、センサ部1333、記憶部1334、制御処理部1335、及び音出力部1336等を備えて構成され、これらの各部へバッテリ134から電力が供給される。測位部1331は、電波受信機及び高度センサ等を備える。測位部1331は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUAV1の水平方向の現在位置(緯度及び経度)を検出する。測位部1331により検出された現在位置を示す位置情報は、制御処理部1335へ出力される。さらに、測位部1331は、気圧センサ等の高度センサによりUAV1の垂直方向の現在位置(高度)を検出してもよい。この場合、位置情報には、UAV1の高度を示す高度情報が含まれる。
【0048】
通信部1332は、無線通信機能を備え、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。UAV1は、通信部1332を介して通信ネットワークNWに接続された管理サーバSAとの間で通信可能になっている。管理サーバSAは、物品Bの配送を管理するサーバである。管理サーバSAは、UAV1の管理及び制御を行うことができる。また、通信部1332は、スタッフTが使用する操作端末(図示せず)との間で近距離無線通信を行うことが可能になっている。
【0049】
センサ部1333は、UAV1の飛行制御等に用いられる各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれる。光学センサは、カメラ(例えば、RGBカメラ)を含んで構成され、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的に撮像する。センサ部1333によりセンシング(例えば、撮像、または測定等)されたセンシング情報は、制御処理部1335へ出力される。センシング情報は、UAV1の機体IDとともに通信部1332により管理サーバSAへ逐次送信されてもよい。UAV1の機体IDは、UAV1を識別するための識別情報である。
【0050】
また、光学センサには、カメラとともに、物品Bまでの距離を測定することが可能な距離センサが含まれてもよい。距離センサには、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)センサを用いることができる。或いは、距離センサには、近赤外線を発光し物品Bから反射して戻ってくるまでの時間を測定することで距離(奥行き)を測定する計器を用いることができる。物品Bに接続部材Baが設けられている場合、UAV1と、物品Bに設けられた接続部材Baとの間の距離が測定されてもよい。なお、距離センサは、脚部12、係留部材14、またはウインチ16(例えば、ケーシング166の外側)に取り付けられてもよい。特に、距離センサが係留部材14に取り付けられる場合、UAV1の係留部材14と、物品B(または物品Bに設けられた接続部材Ba)との間の距離を正確に測定することができる。
【0051】
記憶部1334は、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部1334は、UAV1の機体IDを記憶する。制御処理部1335は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、記憶部1334)に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。なお、制御処理部1335は、ロータ駆動機構112、回動抑止体駆動機構132、リール駆動機構164、及びリール回転ロック機構165に電気的に接続されている。図5は、制御処理部1335における機能ブロック例を示す図である。制御処理部1335は、例えばROMまたは記憶部1334に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、図5に示すように、情報取得部1335a(取得部の一例)、飛行制御部1335b、繰り出し量決定部1335c(決定部の一例)、及びウインチ制御部1335d(制御部の一例)等として機能する。
【0052】
情報取得部1335aは、UAV1と、UAV1より下方に配置される物品Bとの間の距離(間隔)を示す距離情報を取得する。例えば、センサ部1333に距離センサが含まれる場合、情報取得部1335aは、図1に示すように、UAV1が架台2に着陸している状態において、当該距離センサにより測定された距離d11を示す距離情報をセンサ部1333から取得するとよい。これにより、UAV1と物品Bとの間の距離d11を示す距離情報を迅速に取得することができる。なお、図1の例において、物品Bは、UAV1のウインチ16の真下に配置されているが、真下に配置されるとは限らない。例えば、UAV1のウインチ16の真下から水平方向に数十cmずれている場合も想定される。
【0053】
また、情報取得部1335aは、距離センサの取付位置p4と、線状部材15の繰り出し前における係留部材14の下端p3との間の距離d31(垂直方向における距離)を特定してもよい。この場合、情報取得部1335aは、距離センサにより測定された距離d11から上記特定された距離d31を減算した長さをUAV1と物品Bとの間の距離d12として示す距離情報を取得する。ここで、距離d31を示す情報は、UAV1のサイズ情報から取得されるとよい。UAV1のサイズ情報は、例えば、記憶部1334に予め記憶される。この場合、情報取得部1335aは、UAV1のサイズ情報を記憶部1334から取得する。或いは、情報取得部1335aは、管理サーバSAにUAV1のサイズ情報を問い合わせることで管理サーバSAから取得してもよい。
【0054】
なお、情報取得部1335aは、線状部材15の繰り出しが開始された後、距離センサにより時系列で複数回測定された距離d11を示す距離情報をセンサ部1333から取得してもよい。この場合も、情報取得部1335aは、距離センサの取付位置p4と、線状部材15の繰り出し前における係留部材14の下端p3との間の距離d31を特定し、それぞれの距離d11から上記算出された距離d31を減算した長さをUAV1と物品Bとの間の距離d12としてそれぞれ示す距離情報として取得する。
【0055】
或いは、情報取得部1335aは、図1に示すように、物品Bの高さh1と、物品Bの配置面(例えば、地面または建物の屋上面)p2からUAV1(例えば、架台2の上面p1)までの高さh2と示す情報を取得し、それぞれの高さh1,h2に基づいて、UAV1と物品Bとの間の距離d21を算出することで距離情報を取得してもよい。これにより、UAV1に距離センサが備えられていなくても、UAV1と物品Bとの間の距離d21を示す距離情報を取得することができる。例えば、UAV1までの高さh2から物品Bの高さh1を減算した長さが、UAV1と物品Bとの間の距離d21として算出される。また、情報取得部1335aは、架台2の上面p1と、線状部材15の繰り出し前における係留部材14の下端p3との間の距離d32(垂直方向における距離)を特定してもよい。この場合、情報取得部1335aは、上記算出された距離d21に上記特定された距離d32を加算した長さをUAV1と物品Bとの間の距離d22として示す距離情報を取得する。ここで、距離d32を示す情報は、距離d31を示す情報と同様、UAV1のサイズ情報から取得されるとよい。
【0056】
物品Bの高さh1を示す情報は、物品Bの物品情報から取得されるとよい。例えば、情報取得部1335aは、物品Bごとに割り当てられ、物品Bの上面に表記された2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を、カメラを介して読み込むことで物品情報を取得する。なお、情報取得部1335aは、管理サーバSAに物品Bの物品情報を問い合わせることで管理サーバSAから取得してもよい。或いは、物品Bが上述した収容物である場合、物品Bの高さh1を示す情報は、当該収容物のサイズ情報から取得されてもよい。例えば、収容物のサイズが予め1種類に決まっている場合、当該収容物のサイズを示すサイズ情報が記憶部1334に予め記憶される。この場合、情報取得部1335aは、当該サイズ情報を記憶部1334から取得する。
【0057】
一方、収容物のサイズが2種類以上ある場合、それぞれの種類を識別するための種類IDごとに対応付けられたサイズ情報が記憶部1334に予め記憶されるとよい。この場合、情報取得部1335aは、収容物の上面に表記された2次元コードを、カメラを介して読み込むことで種類IDを取得し、当該取得した種類IDに対応付けられたサイズ情報を記憶部1334から取得する。なお、情報取得部1335aは、管理サーバSAに収容物のサイズ情報を問い合わせることで管理サーバSAから取得してもよい。一方、UAV1までの高さh2を示す情報は、例えば、記憶部1334に予め記憶される。この場合、情報取得部1335aは、当該高さh2を示す情報を記憶部1334から取得する。なお、高さh2を示す情報は、管理サーバSAから取得されてもよい。
【0058】
飛行制御部1335bは、目的地へUAV1を飛行させる飛行制御(離陸制御及び着陸制御を含む)を行う。かかる飛行制御においては、測位部1331から取得された位置情報、センサ部1333から取得されたセンシング情報、及び目的地情報等が用いられて、ロータ111の回転数、UAV1の位置、姿勢及び進行方向等が制御される。これにより、UAV1は自律的に目的地へ飛行し、該目的地に着陸することができる。ここで、目的地情報は、例えば、情報取得部1335aにより管理サーバSAから取得される。目的地情報は、例えば、目的地の位置情報(緯度及び経度)を含む。目的地は、例えば、物品BがUAV1に取り付けられる拠点(例えば、物流拠点)、または物品BがUAV1から解放される拠点(例えば、物流拠点または配送先)である。
【0059】
繰り出し量決定部1335cは、情報取得部1335aにより取得された距離情報に示される距離に基づいて、線状部材15の繰り出し量を決定する。例えば、繰り出し量決定部1335cは、距離情報に示される距離(d11,d12,d21,d22のうち何れか1つ)から所定距離を減算した長さを線状部材15の繰り出し量として決定する。ここで、所定距離は、スタッフTが物品BをUAV1の係留部材14に迅速且つ適切に取り付けることを可能とするための適切な距離である。または、所定距離は、スタッフTが物品BをUAV1の係留部材14に取り付ける際に良好な作業感を得られる距離である。例えば、距離情報に示される距離d12または距離d22が用いられる場合、所定距離は数cm(0cmより大きい)~20cm程度に設定されるとよい。一方、距離情報に示される距離d11または距離d21が用いられる場合、距離d31またはd32が考慮され、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が数cm~20cm程度になるように所定距離が設定されるとよい。なお、繰り出し量決定部1335cは、距離情報に示される距離から物品Bの接続部材Baの高さを減算した長さをUAV1と物品Bとの間の距離として用いることで線状部材15の繰り出し量を決定してもよい。
【0060】
ウインチ制御部1335dは、情報取得部1335aにより取得された距離情報に示される距離に基づいて、線状部材15を初期位置から繰り出すように(換言すると、リール162を回転させるように)ウインチ16を制御する。これにより、UAV1と物品Bとの間の距離に応じて線状部材15の繰り出し量を変えることができるため、物品Bのサイズ(特に高さ)にかかわらず、ウインチ16に適切な量の線状部材15を繰り出させることができる。また、スタッフTは、線状部材15及び係留部材14を用いて、UAV1に物品Bを適切に取り付けることができる。例えば、ウインチ制御部1335dは、繰り出し量決定部1335cにより決定された繰り出し量に応じた線状部材15を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御する。これにより、ウインチ16に適切な量の線状部材15を効率良く繰り出させることができる。なお、決定された繰り出し量の線状部材15が繰り出されたタイミングで線状部材15の繰り出しが停止する。
【0061】
ここで、線状部材15の繰り出し量と、リール162の回転数(回転角度でもよい)との対応関係(例えば、繰り出し量“x cm”に対して回転数“0.05(18度)”を対応付け)が予め定められているとよい。この場合、ウインチ制御部1335dは、当該対応関係にしたがって、繰り出し量決定部1335cにより決定された繰り出し量に対応する回転数だけリール162を正回転させる制御信号をウインチ16のリール駆動機構164へ出力する。これにより、リール駆動機構164における駆動モータ1643が駆動することで当該繰り出し量に応じた線状部材15がリール162から繰り出される。そして、線状部材15の繰り出しが停止すると、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御による線状部材15の繰り出しモードから、外力による線状部材15の繰り出しモードに切り替えられる。このとき、ウインチ制御部1335dは、切り替え完了を示す音を音出力部1336に出力(例えば、報知音または音声メッセージをスピーカから出力)させてもよい。
【0062】
また、UAV1と物品Bとの間の距離が距離センサにより測定される場合、ウインチ制御部1335dは、情報取得部1335aにより時系列で複数回取得される距離情報に基づいて、当該距離情報に示される距離が所定距離になるまで線状部材15を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御してもよい。つまり、当該距離情報に示される距離(d11またはd12)が所定距離になったタイミングで線状部材15の繰り出しが停止する。この場合、繰り出し量決定部1335cを用いることなく、適切な繰り出し量の線状部材15を繰り出すことができる。これにより、ウインチ16に適切な量の線状部材15を精度良く繰り出させることができる。
【0063】
図6は、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御により線状部材15が繰り出されることでUAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離d4(例えば、10cm)になった状態を示す図である。図6の例では、物品Bより上方の少し離れた位置でUAV1の係留部材14が停止するので、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御により繰り出された線状部材15(係留部材14)が物品Bに接触して、物品Bが損傷する可能性を抑制することができる。そのため、図6とは別の例(後述)に比べて速い繰り出し速度で線状部材15を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御することができる。したがって、スタッフTは、UAV1に物品Bをより迅速且つ適切に取り付けることができる。さらに、スタッフTが線状部材15を引き出すことで物品BをUAV1(係留部材14)に取り付けることができるため、線状部材15が必要以上に繰り出され、弛んでいる状態において物品BをUAV1(係留部材14)に取り付ける場合と比較して、スタッフTの作業感を向上させることができる。また、不必要に線状部材15が繰り出されることにより発生する問題(例えば、係留部材14を別の物品に取り付けてしまうという問題や、隣り合うUAV1の線状部材が絡まるなどの問題)を解決することができる。なお、図6の例では、所定距離d4は、線状部材15の繰り出し後における係留部材14の下端p3から物品の上面p5までの距離であるが、当該係留部材14の下端p3から物品Bの接続部材Baの上端p6までの距離であってもよい。
【0064】
図6とは別の例として、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置(物品Bの配置面p2からの高さ)が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置とほぼ同じになるようにウインチ制御部1335dの繰り出し制御が行われてもよい。この場合、ウインチ制御部1335dは、距離情報に示される距離に基づいて、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応するまでUAV1の線状部材15(例えば、上記決定された繰り出し量に応じた線状部材15)を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御する。ここで、「係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応する」とは、例えば、係留部材14の下端p3が、物品の上面p5から接続部材Baの上端p6までの範囲内に収まることを意味する。これにより、スタッフTは、線状部材15を図6の例よりも引き出すことなくUAV1に物品Bを適切に取り付けることができる。ただし、この場合、係留部材14が物品Bに接触するように線状部材15が繰り出されるため、物品Bが傷つけられないように、図6の例に比べて、線状部材15の繰り出し速度を制限することが望ましい。すなわち、ウインチ制御部1335dは、図6の例の場合の繰り出し速度よりも遅い繰り出し速度で線状部材15を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御するとよい。これにより、係留部材14をゆっくりと物品Bに接触させることができる。
【0065】
なお、UAV1と物品Bとの間の距離が距離センサにより測定される場合においても、ウインチ制御部1335dは、情報取得部1335aにより時系列で複数回取得される距離情報に基づいて、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応するまでUAV1の線状部材15を繰り出すようにウインチ16のリール駆動機構164を制御してもよい。
【0066】
以上のように、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御により線状部材15が繰り出されることでUAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離(例えば、10cm)になっている状態(つまり、線状部材15の繰り出しが停止している状態)において、外力によって線状部材15がさらに繰り出された場合に、ウインチ制御部1335dは、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164を制御するとよい。これにより、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離空けられるため、係留部材14が物品Bに接触することによって物品が損傷する可能性を抑制することができる。また、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させることで、スタッフTによる物品Bの取り付け時に線状部材15が必要以上に引き出されて弛むことを抑制することができ、スタッフTは良好な作業感を得ることができる。なお、線状部材15を巻き揚げるための反力は、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御により繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力とは反対方向の力であり、当該重力より大きい力である。
【0067】
図7は、線状部材15の繰り出しが停止している状態(a)と、外力によって線状部材15がさらに繰り出された状態(b)と、物品Bが係留部材14に取り付けられることなく外力がなくなることで線状部材15が巻き揚げられている状態(c)とを示す図である(矢印で示されるように状態(a)から状態(c)に遷移する)。線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させるための制御において、ウインチ制御部1335dは、当該反力に相当するトルクを駆動モータ1643に発生させる制御信号をウインチ16のリール駆動機構164へ出力する。かかる制御は、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離に戻るまで行われる。これにより、スタッフTにより線状部材15が必要以上に繰り出されたとしても自動的に物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離を所定距離に戻すことができる。また、不必要に線状部材15が繰り出されることにより発生する問題を、より効率良く解決することができる。
【0068】
一方、図8は、線状部材15の繰り出しが停止している状態(a)と、外力によって線状部材15がさらに繰り出されて物品Bが係留部材14に取り付けられた状態(b)と、外力がなくなっても線状部材15が巻き揚げられない状態(c)とを示す図である(矢印で示されるように状態(a)から状態(c)に遷移する)。ここで、状態(c)は、線状部材15を巻き揚げるための反力によって、係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離になるように、係留部材14が戻ろうとするが戻れない状態である。なお、後述するように、状態(c)が所定時間(例えば、10秒間)継続した場合、物品Bの取り付け完了と判定される。
【0069】
なお、ウインチ制御部1335dは、力検出センサ1644からの力情報に基づいて、上記繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力と、線状部材15が引っ張られることにより発生する外力とを区別して認識することができる。例えば、ウインチ制御部1335dは、線状部材15の繰り出し量が所定量(例えば、数cm)に達するまで(つまり、線状部材15が引っ張られないと想定される繰り出しに達するまで)に連続的に取得された力情報それぞれに示される力を、繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力として認識する。かかる力情報に示される力は線状部材15の繰り出し量に応じて徐々に変化(上昇)するが、ウインチ制御部1335dは、当該力の変化量が閾値以上になったときの力情報に示される力を、線状部材15が引っ張られることにより発生する外力として認識する。
【0070】
ところで、上述したように、外力により線状部材15が繰り出し可能となるように切り替えられた後、リール162が線状部材15及び係留部材14に作用する重力により回転し、線状部材15が繰り出されるケースでは、ウインチ制御部1335dは、ウインチ16のリール駆動機構164またはリール回転ロック機構165を制御することで線状部材15の繰り出しを抑止するとよい。
【0071】
例えば、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御が行われることでUAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になっている状態において、ウインチ制御部1335dは、当該状態において繰り出されている線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164を制御する。かかる制御において、ウインチ制御部1335dは、当該状態において繰り出されている線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力に相当するトルクを駆動モータ1643に発生させる制御信号をウインチ16のリール駆動機構164へ出力する。これにより、線状部材15及び係留部材14に外力が加わっていない場合において、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができるとともに、外力によってさらに線状部材14を繰り出し可能にさせることができる。
【0072】
なお、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応している状態においても、ウインチ制御部1335dは、当該状態において繰り出されている線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164を制御してもよい。これにより、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0073】
線状部材15の繰り出しを抑止する別の例として、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御が行われることでUAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になった場合に、ウインチ制御部1335dは、リール162の回転をロック(つまり、線状部材15の繰り出しをロック)するようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御してもよい。かかる制御において、ウインチ制御部1335dは、回転抑止体1652を下方向に摺動させる制御信号をウインチ16のリール回転ロック機構165へ出力する。これにより、線状部材15及び係留部材14に外力が加わっていない場合において、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0074】
また、リール162の回転がロックされている状態において、ウインチ制御部1335dは、力検出センサ1644により所定の外力(例えば、閾値以上の外力)が検出された場合に、当該ロックを解除するようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御し、且つ当該ロック前に繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力以上の反力(つまり、少なくとも当該重力と釣り合う反力)を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164を制御するとよい。リール162の回転のロックを解除するための制御において、ウインチ制御部1335dは、回転抑止体1652を上方向に摺動させる制御信号をウインチ16のリール回転ロック機構165へ出力する。これにより、所定の外力が検出されるまで、駆動モータ1643等を駆動させないので、反力を発生させるために要する消費電力を低減することができる。
【0075】
そして、リール162の回転のロックが解除された後に、外力によって線状部材がさらに繰り出された場合に、ウインチ制御部1335dは、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離に戻るまで、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させ、当該距離が当該所定距離に戻るとリール162の回転を再度ロックするようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御してもよい。これにより、線状部材15の繰り出しのロック解除後に外力によって線状部材15が繰り出された場合であってもUAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になるように自動的に戻すことができるとともに、UAV1の係留部材14と、物品Bまたは物品Bの接続部材Baとの間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0076】
なお、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応することになった場合においても、ウインチ制御部1335dは、リール162の回転をロックするようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御してもよい。これにより、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0077】
また、外力によって線状部材15が繰り出された後、ウインチ制御部1335dは、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164が制御されている状態で、且つ線状部材15の繰り出し量が変化しない状態が所定時間(例えば、10秒間)継続した場合に、リール162の回転をロックするようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御してもよい。これにより、外力によって線状部材15がさらに繰り出されてUAV1の係留部材14への物品Bの取り付けが完了した際に、外力による線状部材15の繰り出しを防止することができる。
【0078】
また、外力によってウインチ16が回動不能(首振り不能)な状態においてリール162の回転がロックされた場合に、ウインチ制御部1335dは、ウインチ16が回動可能(首振り可能)になるように回動部161(回動抑止体駆動機構132)を制御する。かかる制御において、ウインチ制御部1335dは、回動抑止体131を上方向に摺動させる制御信号をウインチ16の回動抑止体駆動機構132へ出力する。これにより、外力によってリール162の回転がロックされている状態(つまり、線状部材15が繰り出し不能な状態)にもかかわらず、外力によって線状部材15が繰り出されようとした際に、線状部材15に加わる外力がUAV1本体に与える好ましくない影響を低減させることができる。なお、ウインチ制御部1335dは、リール162の回転がロックされていない状態(つまり、外力によって線状部材15を繰り出し可能な状態)においてウインチ16が回動不能(首振り不能)になるように回動部161を制御する。
【0079】
図9は、リール162の回転がロックされている状態においてウインチ16が回動する様子を示す図である。ウインチ制御部1335dは、リール162の回転がロックされている状態において、図9に示すように、ウインチ16が回動可能になるように回動部161を制御することになる。これにより、仮に、スタッフTがUAV1の係留部材14への物品Bの取り付けを完了した後、ウインチ16の真下に物品Bが位置するよう、物品Bを水平方向に引っ張ったとしても、これに伴ってUAV1本体が引っ張られて傾くことなどを防止することができる。
【0080】
UAV1の係留部材14への物品Bの取り付けが完了した後、ウインチ制御部1335dは、例えばスタッフTからの巻き揚げ指示に基づいて、リール162のロックを解除するようにウインチ16のリール回転ロック機構165を制御し、且つウインチ16が回動不能になるように回動部161を制御し、さらに線状部材15を繰り出し前の初期位置まで巻き揚げるための反力を発生させるようにウインチ16のリール駆動機構164を制御する。なお、スタッフTからの巻き揚げ指示は、例えば、スタッフTが使用する操作端末から通信部1332を介して受信されるとよい。
【0081】
2.UAV1のウインチ制御に関する動作
次に、UAV1のウインチ制御に関する動作について説明する。
【0082】
(2-1.制御処理部1335による線状部材15の繰り出し動作)
先ず、図10及び図11等を参照して、制御処理部1335(ウインチ制御部1335d)による線状部材15の繰り出し動作について、実施例1と実施例2に分けて説明する。図10は、制御処理部1335による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例(実施例1)を示すフローチャートである。図11は、制御処理部1335による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例(実施例2)を示すフローチャートである。
【0083】
(実施例1)
実施例1は、繰り出し量決定部1335cが用いられる場合の動作例である。図10に示す処理は、UAV1が架台2に着陸し、且つUAV1より下方の所定位置に物品Bが配置された後、例えば、UAV1の光学センサにより物品Bが検出されたことに応じて開始されるか、またはスタッフTからの繰り出し指示に応じて開始される。なお、スタッフTからの繰り出し指示は、例えば、スタッフTが使用する操作端末から通信部1332を介して受信されるとよい。
【0084】
図10に示す処理が開始されると、制御処理部1335は、UAV1と物品B(つまり、UAV1と、UAV1より下方に配置される物品B)との間の距離を示す距離情報を情報取得部1335aにより取得する(ステップS1)。例えば、上述したように、情報取得部1335aは、距離センサにより測定された、UAV1と物品Bとの間の距離を示す距離情報を取得する。或いは、情報取得部1335aは、物品Bの高さと物品Bの配置面からUAV1までの高さと示す情報を取得し、それぞれの高さに基づいてUAV1と物品Bとの間の距離を算出することで距離情報を取得してもよい。なお、UAV1と物品Bとの間の距離は、例えば、UAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離であるとよい。
【0085】
次いで、制御処理部1335は、ステップS1により取得された距離情報に示される距離に基づいて、線状部材15の繰り出し量を繰り出し量決定部1335cにより決定する(ステップS2)。例えば、上述したように、繰り出し量決定部1335cは、距離情報に示される距離から所定距離(例えば、10cm)を減算した長さを線状部材15の繰り出し量として決定する。
【0086】
次いで、制御処理部1335は、ステップS2で決定された繰り出し量に応じた線状部材15を繰り出すようにリール駆動機構164をウインチ制御部1335dにより制御する(ステップS3)。かかる制御においては、上述したように、ステップS2で決定された繰り出し量に対応する回転数だけリール162を正回転させる制御信号がウインチ制御部1335dからリール駆動機構164へ出力される。これにより、リール駆動機構164における駆動モータ1643が駆動することで当該繰り出し量の線状部材15がリール162から繰り出され、UAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離になったタイミングで線状部材15の繰り出しが停止する。
【0087】
次いで、制御処理部1335は、ウインチ制御部1335dの繰り出し制御による線状部材15の繰り出しモードから、外力による線状部材15の繰り出しモードに切り替え(ステップS4)、切り替え完了を示す音を音出力部1336に出力させる(ステップS5)。これにより、スタッフTは、例えば、UAV1の係留部材14の垂直方向における位置が物品Bの接続部材Baの垂直方向における位置とほぼ同じになるように線状部材15を引き出して、UAV1の係留部材14を物品Bの接続部材Baに連結する(つまり、UAV1に物品Bを取り付ける)ことができる。
【0088】
なお、リール162が線状部材15及び係留部材14に作用する重力により回転し、線状部材15が繰り出されるケースでは、ウインチ制御部1335dは、ステップS4の処理後、ステップS2で決定された繰り出し量だけ繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにリール駆動機構164を制御する。或いは、ステップS4の処理後、ウインチ制御部1335dは、リール162の回転をロック(つまり、線状部材15の繰り出しをロック)するようにリール回転ロック機構165を制御し、且つウインチ16が回動可能になるように回動部161を制御する。
【0089】
(実施例2)
実施例2は、繰り出し量決定部1335cが用いられなくてもよい場合の動作例である。図11に示す処理は、実施例1と同様、UAV1が架台2に着陸し、且つUAV1より下方の所定位置に物品Bが配置された後、例えば、UAV1の光学センサにより物品Bが検出されたことに応じて開始されるか、またはスタッフTからの繰り出し指示に応じて開始される。
【0090】
図11に示す処理が開始されると、制御処理部1335は、線状部材15を所定量(例えば、数cm)繰り出すようにリール駆動機構164をウインチ制御部1335dにより制御する(ステップS11)。これにより、リール駆動機構164における駆動モータ1643が駆動することで当該所定量の線状部材15がリール162から繰り出される。
【0091】
次いで、制御処理部1335は、距離センサにより測定された、UAV1と物品Bとの間の距離を示す距離情報を情報取得部1335aにより取得する(ステップS12)。次いで、制御処理部1335は、ステップS12で取得された距離情報に示される距離が所定距離(例えば、10cm)になったか否かを判定する(ステップS13)。当該距離情報に示される距離が所定距離になっていないと判定された場合(ステップS13:NO)、処理はステップS11に戻る。一方、当該距離情報に示される距離が所定距離になったと判定された場合(ステップS13:YES)、図11の処理開始後に線状部材15が繰り出された繰り出し量が特定され(ステップS14)、処理はステップS15へ進む。
【0092】
なお、ステップS15及びS16の処理は、図10に示すステップS4及びS5と同様である。また、リール162が線状部材15及び係留部材14に作用する重力により回転し、線状部材15が繰り出されるケースでは、ウインチ制御部1335dは、ステップS14で特定された繰り出し量だけ繰り出された線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにリール駆動機構164を制御する。或いは、ウインチ制御部1335dは、実施例1と同様、リール162の回転をロックするようにリール回転ロック機構165を制御し、且つウインチ16が回動可能になるように回動部161(回動抑止体駆動機構132)を制御する。
【0093】
(2-2.外力による線状部材15の繰り出し動作)
次に、図12を参照して、外力による線状部材15の繰り出し動作について説明する。図12は、外力による線状部材15の繰り出し動作における制御処理部1335の処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、図10または図11に示す処理によって、例えば、UAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離(例えば、10cm)になっている状態において、力検出センサ1644により所定の外力が検出された場合に開始される。なお、図12に示す処理前にリール162の回転がロックされている場合、力検出センサ1644により所定の外力が検出されると、当該ロックを解除するようにリール回転ロック機構165が制御され、且つウインチ16が回動不能になるように回動部161が制御された後、図12に示す処理が開始される。
【0094】
図12に示す処理が開始されると、制御処理部1335は、外力による線状部材15の繰り出し量を特定する(ステップS21)。ここで、外力による線状部材15の繰り出し量とは、UAV1の係留部材14と物品Bとの間の距離が所定距離になっている状態から線状部材15がさらに繰り出された繰り出し量である。例えば、回転数検出センサからの回転数情報、または繰り出し量測定センサからの繰り出し量情報に基づいて、外力による線状部材15の線状部材15の繰り出し量が特定されるとよい。なお、線状部材15がスタッフTにより引っ張られる時間を考慮し、繰り出し量の特定が所定の外力の検出から所定時間(例えば、数秒)経過後に行われるとよい。
【0095】
次いで、制御処理部1335は、ステップS21で特定された繰り出し量が所定量(例えば、数cm)以上であるか否かを判定する(ステップS22)。当該特定された繰り出し量が所定量(例えば、数cm)以上でないと判定された場合(ステップS22:NO)、図12に示す処理は終了する。当該処理の終了後、繰り出されている線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにリール駆動機構164が制御される。或いは、リール162の回転をロックするようにリール回転ロック機構165が制御され、且つウインチ16が回動可能になるように回動部161が制御されてもよい。一方、当該特定された繰り出し量が所定量(例えば、数cm)以上であると判定された場合(ステップS22:YES)、処理はステップS23へ進む。
【0096】
ステップS23では、制御処理部1335は、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させるようにリール駆動機構164をウインチ制御部1335dにより制御する。かかる制御において、ウインチ制御部1335dは、巻き揚げ停止指令があるまで線状部材15を所定速度以下でゆっくりと巻き揚げさせる制御信号をリール駆動機構164へ出力する。これにより、線状部材15を巻き揚げるための反力を発生させるようにリール駆動機構164が制御されている状態は、ステップS23以降の処理において継続(つまり、繰り出し量が所定量未満になるまで継続)することになる。なお、線状部材15が巻き揚げられている間においても、外力による線状部材15の繰り出しが可能になっている。
【0097】
次いで、制御処理部1335は、ステップS21と同様、外力による線状部材15の繰り出し量を特定する(ステップS24)。次いで、制御処理部1335は、ステップS24で特定された繰り出し量が所定量(例えば、数cm)未満になったか否かを判定する(ステップS25)。当該特定された繰り出し量が所定量未満になった(つまり、線状部材15の巻き揚げにより繰り出し量が所定量未満になった)と判定された場合(ステップS25:YES)、制御処理部1335は、リール駆動機構164へ巻き揚げ停止指令を出力する(ステップS26)。これにより、リール駆動機構164による線状部材15の巻き揚げが停止する。そして、図12に示す処理は終了する。当該処理の終了後、繰り出されている線状部材15及び係留部材14に作用する重力と釣り合う反力を発生させるようにリール駆動機構164が制御される。或いは、リール162の回転をロックするようにリール回転ロック機構165が制御され、且つウインチ16が回動可能になるように回動部161が制御されてもよい。
【0098】
一方、ステップS25において、上記特定された繰り出し量が所定量未満になっていないと判定された場合(ステップS25:NO)、処理はステップS27へ進む。ステップS27では、制御処理部1335は、線状部材15の繰り出し量が変化したか否かを判定する。例えば、制御処理部1335は、単位時間あたりの線状部材15の繰り出し量の変化量を特定することで、線状部材15の繰り出し量が変化したか否かを判定する。または、制御処理部1335は、力検出センサ1644が検出する力の大きさが所定時間一定であるか否かを判定してもよい。線状部材15の繰り出し量が変化したと判定された場合(ステップS27:YES)、または、力検出センサ1644が検出する力の大きさが所定時間一定でないと判定された場合、処理はステップS24に戻り、上記処理が繰り返される。一方、線状部材15の繰り出し量が変化していない(つまり、変化量が“0”)と判定された場合(ステップS27:NO)、または、力検出センサ1644が検出する力の大きさが所定時間一定であると判定された場合、処理はステップS28へ進む。
【0099】
ステップS28では、制御処理部1335は、ステップS27の最初の処理から所定時間(例えば、10秒間)経過したか否かを判定する。所定時間経過していないと判定された場合(ステップS28:NO)、処理はステップS27に戻り、上記処理が繰り返される。一方、所定時間経過したと判定された場合(ステップS28:YES)、制御処理部1335は、UAV1の係留部材14への物品Bの取り付け完了とみなし(判定し)、リール駆動機構164へ巻き揚げ停止指令を出力する(ステップS29)。
【0100】
次いで、制御処理部1335は、リール162の回転をロックするようにリール回転ロック機構165をウインチ制御部1335dにより制御する(ステップS30)。次いで、制御処理部1335は、ウインチ16が回動可能になるように回動部161をウインチ制御部1335dにより制御し(ステップS31)、図12に示す処理を終了する。図12の処理後、制御処理部1335は、再びリール162のロックを解除し、線状部材15を繰り出し前の状態(例えば、図3に示す状態)まで巻き揚げきるようにウインチ16を制御する。なお、図12に示すステップS29~ステップS31の処理は実行されなくてもよい。この場合、制御処理部1335は、所定時間経過したと判定(つまり、物品Bの取り付け完了と判定)すると、線状部材15を繰り出し前の状態(例えば、図3に示す状態)まで巻き揚げきるようにウインチ16を制御する。
【0101】
以上説明したように、上記実施形態によれば、制御装置133は、UAV1と、UAV1より下方に配置される物品Bとの間の距離を示す距離情報を取得し、当該取得した距離情報に示される距離に基づいて、線状部材15を繰り出すようにウインチ16を制御するように構成したので、スタッフTがUAV1に物品Bを適切に取り付けることを可能にする。特に、店舗や物流拠点等の拠点において、様々なサイズの物品Bが取り扱われるが、上記実施形態によれば、物品Bそれぞれの高さが異なる場合であっても、スタッフTがUAV1に物品Bを効率良く適切に取り付けることを可能にする。
【0102】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態において、図10図12に示す処理はUAV1に搭載された制御装置133により行われるように構成したが、これに代えて、UAV1と通信する管理サーバSAにより行われるように構成してもよい。この場合、管理サーバSAは、UAV1のウインチ16を制御する制御装置として機能し、UAV1とUAV1より下方に配置される物品Bとの間の距離を示す距離情報を、通信ネットワークNWを介してUAV1から取得し、当該取得した距離情報に示される距離に基づいて、UAV1の線状部材15を繰り出すようにウインチ16を制御するための制御情報を、通信ネットワークNWを介してUAV1へ送信する。この場合、回動抑止体駆動機構132、リール駆動機構164、またはリール回転ロック機構165への制御信号は、管理サーバSAからUAV1の制御処理部1335を介して送信されるとよい。また、上記実施形態においては、無人航空機としてUAVを例にとって説明したが、無人航空機の例として飛行ロボットなどに対しても本発明は適用可能である。
<付記>
【0103】
[1]本開示に係る制御装置は、物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。これにより、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする。
【0104】
[2]上記[1]に記載の制御装置において、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材の繰り出し量を決定する決定部を更に備え、前記制御部は、前記決定部により決定された繰り出し量に応じた前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、ウインチに適切な量の線状部材を効率良く繰り出させることができる。
【0105】
[3]上記[1]に記載の制御装置において、前記取得部は、時系列で前記距離情報を複数回取得し、前記制御部は、前記距離情報に示される距離が所定距離になるまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、ウインチに適切な量の線状部材を精度良く繰り出させることができる。
【0106】
[4]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の制御装置において、前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、以下の(i)と(ii)との少なくとも何れか1つの効果を奏することができる。(i)係留部材と、物品または物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離空けられるため、係留部材が物品に接触することによって物品が損傷する可能性を抑制することができる。(ii)線状部材を巻き揚げるための反力を発生させることで、スタッフによる物品の取り付け時に線状部材が必要以上に引き出されて弛むことを抑制することができ、スタッフは良好な作業感を得ることができる。
【0107】
[5]上記[4]に記載の制御装置において、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材と、物品または物品の接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができるとともに、外力によってさらに線状部材を繰り出し可能にさせることができる。
【0108】
[6]上記[4]または[5]に記載の制御装置において、前記線状部材を巻き揚げるための反力は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力より大きい反力であることを特徴とする。
【0109】
[7]上記[4]に記載の制御装置において、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材と、物品または物品の接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0110】
[8]上記[7]に記載の制御装置において、前記線状部材の繰り出しがロックされている状態において、前記無人航空機に備えられる外力検出部により所定の外力が検出された場合に、前記制御部は、前記ロックを解除するように前記ウインチを制御し、且つ前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力以上の反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、所定の外力が検出されるまで、反力を発生させるために要する消費電力を低減することができる。
【0111】
[9]上記[8]に記載の制御装置において、前記ロックが解除された後に、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が前記所定距離に戻るまで前記反力を発生させ、前記所定距離に戻ると前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、スタッフによる物品の取り付け時に線状部材が必要以上に引き出されて弛むことを抑制することができ、スタッフは良好な作業感を得ることができるとともに、係留部材と、物品または物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態を維持させることができる。
【0112】
[10]上記[1]乃至[9]の何れか一つに記載の制御装置において、前記制御部は、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、スタッフが無人航空機に物品を適切に取り付けることを可能にする。
【0113】
[11]上記[10]に記載の制御装置において、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応している状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記無人航空機の前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材の垂直方向における位置が物品の接続部材の垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0114】
[12]上記[10]に記載の制御装置において、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応することになった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、無人航空機の係留部材の垂直方向における位置が物品の接続部材の垂直方向における位置に対応している状態を維持させることができる。
【0115】
[13]上記[4]乃至[12]の何れか一つに記載の制御装置において、前記制御部は、前記反力を発生させるように前記ウインチが制御されている状態で、且つ前記線状部材の繰り出し量が変化しない状態が所定時間継続した場合に、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする。これにより、線状部材がさらに繰り出されて係留部材への物品の取り付けが完了した際に、外力による線状部材の繰り出しを防止することができる。
【0116】
[14]上記[13]に記載の制御装置において、前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、前記外力によって前記ウインチが回動不能な状態において前記線状部材の繰り出しがロックされた場合に、前記制御部は、前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする。これにより、外力によって線状部材が繰り出し不能な状態にもかかわらず、外力によって線状部材が繰り出されようとした際に、線状部材に加わる外力が無人航空機に与える好ましくない影響を低減させることができる。
【0117】
[15]上記[1]乃至[13]の何れか一つに記載の制御装置において、前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、前記制御部は、前記外力によって前記線状部材を繰り出し可能な状態において前記ウインチが回動不能になるように前記取付部を制御し、前記外力によって前記線状部材の繰り出し不能な状態において前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする。これにより、外力によって線状部材が繰り出し不能な状態にもかかわらず、外力によって線状部材が繰り出されようとした際に、線状部材に加わる外力が無人航空機に与える悪影響を低減させることができる。
【0118】
[16]上記[1]乃至[15]の何れか一つに記載の制御装置において、前記距離情報が示す距離は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離であることを特徴とする。
【0119】
[17]上記[1]乃至[16]の何れか一つに記載の制御装置において、前記取得部は、前記物品の高さと、前記物品の配置面から前記無人航空機までの高さと示す情報を取得し、それぞれの前記高さに基づいて前記距離情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機に距離を測定するセンサが備えられていなくても、無人航空機と、無人航空機より下方に配置される物品との間の距離を示す距離情報を取得することができる。
【0120】
[18]上記[1]乃至[17]の何れか一つに記載の制御装置において、前記無人航空機は、前記距離を測定するセンサを備え、前記取得部は、前記センサから前記距離情報を取得することを特徴とする。これにより、無人航空機と、無人航空機より下方に配置される物品との間の距離を示す距離情報を迅速に取得することができる。
【0121】
[19]本開示に係る無人航空機は、物品を係留可能な係留部材と、前記係留部材に接続される線状部材と、前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチと、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0122】
[20]本開示に係る制御方法は、物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得するステップと、前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【符号の説明】
【0123】
1 UAV
2 架台
11 ロータ部
12 脚部
13 ボディ部
14 係留部材
15 線状部材
16 ウインチ
111 ロータ
112 ロータ駆動機構
131 回動抑止体
132 回動抑止体駆動機構
133 制御装置
134 バッテリ
135 球体受
161 回動部
162 リール
163 回転軸
164 リール駆動機構
165 リール回転ロック機構
166 ケーシング
167 案内体
168 ロッド
169 軸受
1321 受容体
1331 測位部
1332 通信部
1333 センサ部
1334 記憶部
1335 制御処理部
1335a 情報取得部
1335b 飛行制御部
1335c 繰り出し量決定部
1335d ウインチ制御部
1611 球体
1612 支持体
1631 係合部材
1641,1642 ギア
1643 駆動モータ
1644 力検出センサ
1651 回転体
1652 回転抑止体
1653 受容体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材が前記物品より所定距離だけ上方で停止するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材の繰り出し量を決定する決定部を更に備え、
前記制御部は、前記決定部により決定された繰り出し量に応じた前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、時系列で前記距離情報を複数回取得し、
前記制御部は、前記距離情報に示される距離が所定距離になるまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備え、
前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記線状部材を巻き揚げるための反力は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力より大きい反力であることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記線状部材の繰り出しがロックされている状態において、前記無人航空機に備えられる外力検出部により所定の外力が検出された場合に、前記制御部は、前記ロックを解除するように前記ウインチを制御し、且つ前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力以上の反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ロックが解除された後に、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が前記所定距離に戻るまで前記反力を発生させ、前記所定距離に戻ると前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備え、
前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応している状態において、前記制御部は、前記繰り出された前記線状部材及び前記係留部材に作用する重力と釣り合う反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする制御装置。
【請求項11】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応するまで前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備え、
前記係留部材の垂直方向における位置が前記物品に設けられた接続部材の垂直方向における位置に対応することになった場合に、前記制御部は、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記反力を発生させるように前記ウインチが制御されている状態で、且つ前記線状部材の繰り出し量が変化しない状態が所定時間継続した場合に、前記線状部材の繰り出しをロックするように前記ウインチを制御することを特徴とする請求項4乃至10の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、
前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、
前記外力によって前記ウインチが回動不能な状態において前記線状部材の繰り出しがロックされた場合に、前記制御部は、前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御する制御装置であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備え、
前記ウインチは、前記無人航空機に取り付けられるための取付部を有し、
前記ウインチは、前記取付部を支点として外力によって回動可能または回動不能に取り付けられており、
前記制御部は、前記外力によって前記線状部材を繰り出し可能な状態において前記ウインチが回動不能になるように前記取付部を制御し、前記外力によって前記線状部材の繰り出し不能な状態において前記ウインチが回動可能になるように前記取付部を制御することを特徴とする制御装置。
【請求項15】
前記距離情報が示す距離は、前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記取得部は、前記物品の高さと、前記物品の配置面から前記無人航空機までの高さと示す情報を取得し、それぞれの前記高さに基づいて前記距離情報を取得することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記無人航空機は、前記距離を測定するセンサを備え、
前記取得部は、前記センサから前記距離情報を取得することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
物品を係留可能な係留部材と、
前記係留部材に接続される線状部材と、
前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチと、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す
距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記係留部材が前記物品より所定距離だけ上方で停止するまで前記ウインチを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする無人航空機。
【請求項19】
物品を係留可能な係留部材と、
前記係留部材に接続される線状部材と、
前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチと、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す
距離情報を取得する取得部と、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御部と、
を備え、
前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御部は、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする無人航空機。
【請求項20】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得するステップと、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記係留部材が前記物品より所定距離だけ上方で停止するまで前記ウインチを制御するステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項21】
物品を係留可能な係留部材、前記係留部材に接続される線状部材、及び前記線状部材の繰り出し及び巻き揚げが可能なウインチを備える無人航空機の前記ウインチを制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、
前記無人航空機と、前記無人航空機より下方に配置される前記物品との間の距離を示す距離情報を取得するステップと、
前記距離情報に示される距離に基づいて、前記線状部材を繰り出すように前記ウインチを制御する制御ステップと、
を含み、
前記線状部材が繰り出されることで前記係留部材と、前記物品または前記物品に設けられた接続部材との間の距離が所定距離になっている状態において、外力によって前記線状部材がさらに繰り出された場合に、前記制御ステップにおいては、前記線状部材を巻き揚げるための反力を発生させるように前記ウインチを制御することを特徴とする制御方法。