(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001978
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】回路設計装置、回路設計方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/394 20200101AFI20231228BHJP
【FI】
G06F30/394
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100876
(22)【出願日】2022-06-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 章
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA22
5B146GE03
5B146GE04
(57)【要約】
【課題】部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とする回路設計装置を提供する。
【解決手段】回路設計装置は、回路図生成部と、回路図記憶部と、処理部を含み、回路図生成部は、回路図記憶部に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置し、各部品について各端子の入出力属性と各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、回路図生成部によって配置された部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、部品の端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、処理部は、回路図上の部品の端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路図生成部と、
回路図記憶部と、
処理部を含み、
前記回路図生成部は、前記回路図記憶部に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置し、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、前記回路図生成部によって配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記処理部は、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行う、回路設計装置。
【請求項2】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項3】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項4】
前記回路図生成部が、前記回路図上で、前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理が行われた前記部品の前記端子に、別の部品の出力端子を接続した場合には、前記処理部は、前記回路図から、前記出力端子の接続された前記部品の前記端子の前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行する、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項5】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を削除することにより行う、請求項4に記載の回路設計装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記プルアップ抵抗及び前記プルダウン抵抗に、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を識別する識別符号を付与し、削除する前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を、前記識別符号に基づいて、決定する、請求項5に記載の回路設計装置。
【請求項7】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記配線又は前記他の配線を削除することにより行う、請求項4に記載の回路設計装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記配線及び前記他の配線に、前記配線又は前記他の配線を識別する識別符号を付与し、削除する前記配線又は前記他の配線を、前記識別符号に基づいて、決定する、請求項7に記載の回路設計装置。
【請求項9】
コンピュータによって実行される、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置するステップと、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行うステップを含む、回路設計方法。
【請求項10】
コンピュータに、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置する処理と、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路設計装置、回路設計方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
回路設計における部品の端子のプルアップ、またはプルダウンに関する技術については、例えば、以下のようなものがある。
【0003】
特許文献1は、組み立て時にプルアップまたはプルダウンの処理を要する電子回路を備えた電子機器に関するものである。
【0004】
特許文献2は、半導体集積回路製造後に、論理信号配線を切断して論理変更をする場合に、オープンとなっている入力端子に論理変更用未使用ゲートの出力端子を接続する、半導体集積回路の補修方法に関するものである。
【0005】
特許文献3は、設計対象回路の回路データが自動生成される、回路の自動設計方法に関するものである。
【0006】
特許文献4は、CMOS系ディジタルICにおける空き入力端子を自動的に判定する、空き入力端子検出回路に関するものである。
【0007】
特許文献5は、インサーキット・エミュレータ用プローブ終端装置に関するものである。
【0008】
特許文献6は、CADシステムにおける回路図入力装置に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010-056974号公報
【特許文献2】特開平07-078878号公報
【特許文献3】特開平06-274558号公報
【特許文献4】特開平05-333109号公報
【特許文献5】特開平05-257731号公報
【特許文献6】特開平03-009478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。
【0011】
CADツールを利用した回路設計において、部品の未使用の入力端子(または入力設定した入出力端子)に対しては、プルアップ抵抗、またはプルダウン抵抗を付けることが推奨される。CMOSテクノロジデバイスの入力ピン(入力端子)などは、必ず接続、結線しなければ回路動作が不安定となるため、CADツールを利用した回路設計のルールチェックを行う際には、部品のピン(端子)が未結線(オープン)となっていないかをチェックする。ピンの結線必須情報は、部品データシート等を参照し部品ライブラリの属性の1つとして定義されており、このチェックにより回路設計段階から、部品の入力端子がオープンのまま残ってしまう問題を未然に防ぐ技術が存在する。
【0012】
即ち、部品の入力端子がオープンのまま残ってしまうと、次のような問題が発生する可能性がある。
【0013】
第1に、部品の入力端子がオープンのままでは、部品の誤動作、故障、破壊の原因となる。入力端子がオープンのままで使用すると、その入力端子を有する回路の出力が不安定となり、貫通電流による消費電流の増加や誤動作につながるという問題がある。
【0014】
第2に、部品の入力端子がオープンとなっていることは、CADシステムのルールチェックを行うことにより検出することができるが、ルールチェックは、その結果をエラーレポートとして表示するのみであり、入力端子にプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を追加する等により回路自体を修正することは、回路設計者が行わなくてはならないという問題がある。
【0015】
本発明は、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とすることに貢献する、回路設計装置、回路設計方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の視点によれば、回路図生成部と、
回路図記憶部と、
処理部を含み、
前記回路図生成部は、前記回路図記憶部に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置し、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、前記回路図生成部によって配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記処理部は、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行う、回路設計装置を、提供できる。
【0017】
本発明の第2の視点によれば、コンピュータによって実行される、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置するステップと、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行うステップを含む、回路設計方法を、提供できる。本方法は、回路設計方法を行うコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0018】
本発明の第3の視点によれば、コンピュータに、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置する処理と、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を実行させる、プログラム、を提供できる。
【0019】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とすることに貢献する、回路設計装置、回路設計方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態の回路設計装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の回路設計装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の部品データベースに格納された部品情報の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の回路設計装置の動作の一例のフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態の回路図生成部により生成された回路図の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態のプルアップ接続処理の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態のプルダウン接続処理の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態のCMOS入力端子の結線判定処理の過程の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態のCMOS入力端子の結線判定処理の過程の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態のCMOS入力端子のプルアップ接続処理の結果を削除する処理の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態のプルアップ接続処理の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態のプルダウン接続処理の一例を示す図である。
【
図13】本発明の回路設計装置を構成するコンピュータの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
はじめに、本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態の回路設計装置の構成の一例を示す図である。なお、本発明の一実施形態の回路設計装置は、回路設計CAD(Computer Aidad Design)ソフトウェアをインストールした端末上にて実現されてもよい。
図1を参照すると、本発明の一実施形態の回路設計装置100は、回路図生成部200と、回路図記憶部300と、処理部400を含む。
【0024】
回路図生成部200は、回路図記憶部300に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置する。回路図生成部200によって回路図上に部品が配置されると、回路図生成部200は部品データベース500を参照し、各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース500内に、回路図生成部200によって配置された部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、処理部400は、回路図上の部品の端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行う。なお、
図1においては、部品データベース500は、回路設計装置100の外部に配置されているが、回路設計装置100の内部に配置されてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することにより、CMOS電圧レベルの入力端子のオープン状態を未然に防ぐことができ、回路設計の信頼性を向上することができる。
【0026】
従って、本発明の一実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とすることに貢献する、回路設計装置を提供することができる。また、本発明の一実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することにより、回路設計の信頼性を向上することができる。
【0027】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態の回路設計装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明の第1の実施形態の回路設計装置は、回路設計CAD(Computer Aidad Design)ソフトウェアをインストールした端末上にて実現されてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態の回路設計装置の構成の一例を示す図である。
図2において、
図1と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。
【0028】
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態の回路設計装置100は、回路図生成部200と、回路図記憶部300と、処理部400を含む。処理部400は、各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース500に接続される。回路図記憶部300は回路図表示部600に接続され、回路図表示部600は、回路図記憶部300に記憶された回路図を、画像により表示する。回路図生成部200は、回路設計者により、回路図上に部品を配置し、部品の端子を接続し、部品の入力端子からVCCレベルに接続するプルアップ抵抗、または、部品の入力端子からGNDレベルに接続するプルダウン抵抗を配置する機能を含む。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態の部品データベースに格納された部品情報の一例を示す図である。
図3を参照すると、部品データベース500に格納された部品情報550は、部品名551、ピン番号552、ピン名553、IO属性(入出力属性)554、入力電圧555、結線必須556、ピンタイプ557、電圧レベル558を含む例が示されている。なお、ピン番号552及びピン名553は、以下で、端子番号552及び端子名553とも称する場合もあるものとする。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態の回路設計装置の動作の一例のフローチャートである。
図4を参照して、以下、本発明の第1の実施形態の回路設計装置の動作を説明する。動作は、ステップS1000で開始する。
【0031】
次に、ステップS1001で、回路設計者が回路図上に部品を配置するか、又は部品の結線を行う。
図2を参照すると、回路図生成部200は、回路設計者から部品配置接続指示110を受信し、回路図記憶部300に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、配置接続指示120を送ることにより、部品を配置し、又は部品の結線を行う。回路図生成部200は、回路図に部品を配置すると、処理部400へ接続126を介して、部品の配置を通知する。回路図生成部200は、回路図上で、部品の結線が行われた場合には、処理部400へ接続126を介して、部品の結線が行われたこと通知する。
【0032】
次に、ステップS1002で、回路設計者が、回路図上に部品を配置した場合には(S1002Y)、ステップS1003へ進む。回路設計者が、回路図上で、部品の結線処理をした場合には(S1002N)、ステップS1007へ進む。
【0033】
なお、一例として、回路図生成部200は、接続125を介して回路図表示部600に接続され、回路図表示部600上に、回路図記憶部300に記憶された回路図と共に、配置する部品、接続線、VCCレベルに接続するプルアップ抵抗、または、部品の入力端子からGNDレベルに接続するプルダウン抵抗等を表示するようにしてもよい。回路設計者は、回路図表示部600上に表示された、部品、接続線、プルアップ抵抗、または、プルダウン抵抗等を、回路図生成部200に接続されたマウスや入力ペン等を用いて選択して回路図上へドラッグ等を行って配置し、マウスや入力ペン等を用いて回路図上に配置された部品間の結線を行うことにより、回路図生成部200へ部品配置接続指示110を入力し、回路図生成部200が回路図を生成する構成とすることができる。
【0034】
図5は、本発明の第1の実施形態の回路図生成部200により生成された回路図の一例を示す図である。
図5を参照すると、回路図生成部200によって、端子21を有する部品20が配置された回路
図10が生成され、回路図表示部600上で、画像により表示される。
図5は、回路図記憶部300に記憶された、部品20が配置された回路
図10が、回路図表示部600上で表示された場合の画像を示している。以下の説明において、回路
図10を示す図面は、回路図記憶部300に記憶された回路
図10が、回路図表示部600上で表示された場合の画像を示すものとする。
【0035】
次に、ステップS1003で、処理部400は、回路
図10に配置された部品20の端子21について、部品データベース500を参照する。
【0036】
なお、
図5に示す回路
図10上に配置された部品20は、一例として、
図3に記載の部品情報550の部品名551により識別され、部品20の端子21は、
図3に記載の部品情報550のピン番号552により識別されることが可能である。部品データベース500には、部品名551がCPU0001、ピン番号552がF12、電圧レベル558がCMOSである、行559が示す部品情報が格納されている。本発明の第1の実施形態では、以下で、部品20の部品名は、CPU0001であり、端子21は、CPU0001のピン番号F12の端子であるものとする。
【0037】
ステップS1004で、部品20の端子21の入出力属性(IO情属性)を、部品データベース500を参照して判定する。部品20の端子21の入出力属性(IO情属性)が、例えば、OUTPUT(出力)、BIDIRECT(BIDIRECTION、双方向)、POWER(電源)、GROUND(グランド)等のような、「INTPUT(入力)」以外の場合(S1004N)には、ステップS1009に進み、部品配置又は結線処理が終了の場合には、ステップS1010に進み、処理を終了する。部品配置又は結線処理が継続する場合には、ステップS1001へ戻り、部品配置又は結線処理を継続する。部品20の端子21の入出力属性(IO情属性)が、「INTPUT(入力)」である場合(S1004Y)には、処理は次のステップS1005へ進む。
【0038】
図3に示すように、部品データベース500には、部品名551がCPU0001であり、ピン番号552がF12の端子のIO属性554が、「INPUT(入力)」であることを示す部品情報が部品データベース500の行559に格納されている。従って、部品20の端子21の入出力属性(IO属性)が、「INTPUT(入力)」であることを示す部品情報が、部品データベース500に格納されているので、処理は次のステップS1005へ進む。
【0039】
ステップS1005で、部品20の端子21の電圧レベルを、部品データベース500を参照して判定する。部品20の端子21の電圧レベルがCMOSの場合(S1005Y)は、処理は次のステップS1006に進む。部品20の端子21の電圧レベルがCMOS以外の場合(S1005N)、例えば、TTL等の場合には、ステップS1009へ進み、部品配置又は結線処理が終了の場合には、ステップS1010に進み、処理を終了する。部品配置又は結線処理が継続する場合には、ステップS1001へ戻り、部品配置又は結線処理を継続する。
【0040】
部品データベース500には、部品名551がCPU0001でありピン番号552がF12の端子の電圧レベル558が「CMOS」を示す部品情報が行559に格納されている。従って、部品20の端子21の電圧レベルが、「CMOS」であることを示す部品情報が、部品データベース500に格納されているので、処理は次のステップS1006へ進む。
【0041】
次に、ステップS1006で、処理部400は、
図5に示す回路
図10上で、部品20の端子21に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を自動的に行う。
【0042】
図6は、本発明の第1の実施形態のプルアップ接続処理の一例を示す図であり、
図7は、本発明の第1の実施形態のプルダウン接続処理の一例を示す図である。
図6を参照すると、プルアップ接続処理は、処理部400が、回路
図10上で、プルアップ抵抗40を介して部品20の端子21を電源(VCC)へ接続することより自動的に実行される。
図7を参照すると、プルダウン接続処理は、回路
図10上で、処理部400が、プルダウン抵抗50を介して部品20の端子21をグランド(GND)へ接続することにより自動的に実行される。すなわち、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理は、回路設計者が、回路図生成部200に、個々のプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を配置接続する部品配置接続指示110を入力することなく、処理部400によって、自動的に実行される。
【0043】
なお、上記のステップS1002からステップS1006の処理は、回路
図10に部品が配置されるたびに実行されるので、回路
図10上の全ての部品について、実行される。
【0044】
あるいは、回路
図10上に、幾つかの部品の配置及び結線(配線部品の配置)が行われた後に、回路設計者から、回路図生成部200に対して、プルアップ接続処理及びプルダウン接続処理命令が部品配置接続指示110として入力された場合に、一括して、回路図上の全ての部品に対して、上記のステップS1002からステップS1006の処理を実行するように構成してもよい。この場合、回路図生成部200を介して接続126により処理部400に対し、或いは、処理部400に対して直接、回路設計者から、プルアップ接続処理及びプルダウン接続処理命令を入力するように、構成することも可能である。
【0045】
ステップS1006が終了すると、ステップS1009に進み、部品配置又は結線処理が終了の場合には、ステップS1010に進み、処理は終了する。部品配置又は結線処理が継続する場合には、ステップS1001へ戻り、部品配置又は結線処理を継続する。
【0046】
次に、CMOS入力端子の結線判定処理について、説明する。上述したように、回路設計者が、回路
図10上で、部品の結線の処理をした場合には(S1002N)、ステップS1007へ進む。
【0047】
ステップS1007で、処理部400は、CMOS入力端子の結線判定を行う。CMOS入力端子の結線判定処理について、
図8から
図10を参照して、説明する。
図8から
図10は、本発明の第1の実施形態のCMOSの電圧レベルを有する入力端子の結線判定処理の過程の一例を示す図である。
【0048】
図8を参照すると、回路
図10上で、プルアップ抵抗40を介して部品20の端子21を電源(VCC)へ接続されたプルアップ接続処理が行われた後に、回路設計者が、回路図生成部200により、回路
図10上に、出力端子31を有する部品30を配置した状態が示されている。
【0049】
次に、回路設計者が、回路図生成部200により、回路
図10上で、プルアップ抵抗40を介して電源(VCC)へ接続された部品20の端子21と、部品30の出力端子31を接続する。
図9を参照すると、回路
図10上で、プルアップ抵抗40を介して電源(VCC)へ接続された部品20の端子21と、部品30の出力端子31を接続した状態が示されている。
【0050】
図9に示されたように、回路図生成部200により、回路
図10上で、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理(なお、本第1の実施形態では、プルアップ接続処理)が行われた部品20の端子21に、別の部品30の出力端子31を接続したので(ステップS1001及びS1002N)、接続126を介して処理部400に接続が行われたことが通知され、ステップS1007で、処理部400は、CMOSの電圧レベルを有する入力端子に出力端子の結線が行われた(S1007Y)との結線判定を行い、次のステップS1008へ進む。なお、出力端子の結線が行われた入力端子が、CMOSの電圧レベルを有する入力端子ではない場合(S1007N)には、ステップS1009に進み、部品配置又は結線処理が終了の場合には、ステップS1010に進み、処理は終了する。部品配置処理が継続する場合には、ステップS1001へ戻り、部品配置又は結線処理を継続する。
【0051】
なお、出力端子の結線が行われた端子が、CMOSの電圧レベルを有する入力端子であるかどうかは、上記のステップS1003からS1005を再度繰り返すことにより、判定することができる。
【0052】
また、処理部400は、ステップS1006のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理において、プルアップ抵抗及びプルダウン抵抗に、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を識別する識別符号を付与すれば、識別符号に基づいて、出力端子が接続された入力端子に接続された抵抗が、削除するプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗か、或いは、回路設計者が、回路図生成部200により配置した抵抗部品かを、容易に区別することができる。従って、端子21に出力端子31の結線が行われたときに、端子21に接続された抵抗40に、プルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を識別する識別符号が付与されている場合には、処理部400は、CMOSの電圧レベルを有する端子21に出力端子31の結線が行われた(S1007Y)との結線判定を容易に行うことができる。これにより、削除するプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を、識別符号に基づいて決定することができる。
【0053】
本発明の第1の実施形態では、上述のように、ステップS1007で、処理部400は、CMOSの電圧レベルを有する入力端子に出力端子の結線が行われた(S1007Y)との結線判定を行い、次のステップS1008へ進む。ステップS1008では、処理部400は、回路
図10から、出力端子31の接続された部品20の端子21のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理(なお、本第1の実施形態では、プルアップ接続処理)の結果を削除する処理を自動的に実行する。なお、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理は、回路
図10上で、プルアップ抵抗40又はプルダウン抵抗50を削除することにより自動的に行う。すなわち、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理は、回路設計者が、回路図生成部200に、個々のプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗を削除する部品配置接続指示110を入力することなく、処理部400によって、自動的に実行される。
【0054】
図10は、本発明の第1の実施形態のCMOS入力端子のプルアップ接続処理の結果を削除する処理の一例を示す図である。
図9に示されたように、回路
図10上で、プルアップ抵抗40が接続された部品20の端子21に、別の部品30の出力端子31を接続されたので、
図10に示すように、処理部400により、回路
図10上で、プルアップ抵抗40は削除された。
【0055】
なお、
図8から
図10を参照した一例の説明では、部品20の端子21に、別の部品30の出力端子31が接続された例を示しているが、部品20の端子21に、部品20の出力端子が接続された場合にも、同様に、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行する。プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理が終了の場合には、ステップS1009に進み、部品配置処理が終了の場合には、ステップS1010に進み、処理は終了する。部品配置又は結線処理が継続する場合には、ステップS1001へ戻り、部品配置又は結線処理を継続する。
【0056】
なお、上記のステップS1007からステップS1008の処理は、接続処理又はプルダウン接続処理のなされた部品の入力端子に、回路図生成部200により、回路
図10上で部品の出力端子が結線されるたびに(即ち、ステップS1002で、配線部品が配置されるたびに)、接続126を介して処理部400に接続が行われたことが通知されて、実行されるので、回路
図10上の全ての部品について、実行される。
【0057】
あるいは、回路
図10上に、幾つかの部品の配置及び結線(配線部品の配置)が行われた後に、回路設計者から、回路図生成部200に対して、結線判定処理命令が部品配置接続指示110として入力された場合に、一括して、回路図上の全ての部品に対して、出力端子が結線されている入力端子について、上記のステップS1007からステップS1008の処理を実行するように構成してもよい。この場合、回路図生成部200を介して接続126により処理部400に対し、或いは、処理部400に対して直接、回路設計者から、結線判定処理命令を入力するように、構成することも可能である。
【0058】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することにより、CMOS電圧レベルの入力端子のオープン状態を未然に防ぐことができ、回路設計の信頼性を向上することができる。また、回路設計者が、CMOS電圧レベルの入力端子を別の部品又は自部品等の出力端子に結線した場合には、プルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の削除処理を自動的に行うので、回路設計者の負担を軽減することができる。
【0059】
従って、本発明の第1の実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とすることに貢献する、回路設計装置を提供することができる。また、本発明の第1の実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することにより、回路設計の信頼性を向上し、かつ、出力端子に接続されたCMOS電圧レベルの入力端子のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を自動的に削除するので、回路設計者の負担を軽減することにより操作性の向上を図ることができる。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の一実施形態の回路設計装置は、回路設計CAD(Computer Aidad Design)ソフトウェアをインストールした端末上にて実現されてもよい。本発明の第2の実施形態の回路設計装置の構成の一例は、
図2に示す本発明の第1の実施形態の回路設計装置100の構成の一例と同一であるので、その構成の説明を省略する。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態の回路設計装置の動作について、図面を参照して説明する。本発明の第2の実施形態の回路設計装置の動作が、本発明の第1の実施形態の回路設計装置の動作と異なる点は、本発明の第1の実施形態において、
図4を参照して説明したステップS1006のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の方法である。本発明の第1の実施形態では、
図6を参照して説明した、プルアップ接続処理は、回路
図10上で、プルアップ抵抗40を介して部品20の端子21を電源(VCC)へ接続することより実行される。また、本発明の第1の実施形態では、
図7を参照して説明した、プルダウン接続処理は、回路
図10上で、プルダウン抵抗50を介して部品20の端子21をグランド(GND)へ接続することにより実行される。
【0062】
これに対して、
図11は、本発明の第2の実施形態のプルアップ接続処理の一例を示す図であり、
図12は、本発明の第2の実施形態のプルダウン接続処理の一例を示す図である。本発明の第2の実施形態においては、
図11を参照すると、プルアップ接続処理は、回路
図10上で、配線45を介して部品20の端子21を電源(VCC)へ直接接続することにより実行される。
図12を参照すると、プルダウン接続処理は、回路
図10上で、他の配線55を介して部品20の端子21をグランド(GND)へ直接接続することにより実行される。
【0063】
なお、本発明の第1の実施形態において、
図4を参照して説明したステップS1008のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理方法も、本発明の第2の実施形態においては、以下のように実行される。
【0064】
即ち、本発明の第2の実施形態においては、処理部400は、回路
図10から、出力端子31の結線された部品20の端子21のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理の結果を削除する処理では、回路
図10上で、配線45又は他の配線55を削除することにより行う。配線45又は他の配線55を削除しない場合には、出力端子31が、電源(VCC)又はグランド(GND)へ、直接接続されることとなるので、配線45又は他の配線55を削除する処理は、必須の処理となる。
【0065】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することを可能とすることに貢献する、回路設計装置を提供することができる。また、本発明の第2の実施形態によれば、部品の未結線の入力端子を自動的に処理することにより、回路設計の信頼性を向上し、かつ、出力端子に接続されたCMOS電圧レベルの入力端子のプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を自動的に削除するので、回路設計者の負担を軽減することにより操作性の向上を図ることができる。
【0066】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成、メッセージの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。また、「A及び/又はB」は、A又はBの少なくともいずれかという意味で用いる。
【0067】
また、上記した第1から第2の実施形態に示した手順は、本発明の回路設計装置として機能するコンピュータ(
図13の9000)に、回路設計装置としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、
図13のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、
図13のCPU9010にて、回路設計装置の制御プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメータの更新処理を実施させればよい。
【0068】
メモリ9030は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0069】
即ち、上記した第1から第2の実施形態に示した回路設計装置の各部(処理手段、機能)は、上記コンピュータのプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0070】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による回路設計装置を参照)
[第2の形態]
第1の形態の回路設計装置は、前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、ことが好ましい。
[第3の形態]
第1の形態の回路設計装置は、前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、ことが好ましい。
[第4の形態]
第1の形態の回路設計装置は、前記回路図生成部が、前記回路図上で、前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理が行われた前記部品の前記端子に、別の部品の出力端子を接続した場合には、前記処理部は、前記回路図から、前記出力端子の接続された前記部品の前記端子の前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行する、ことが好ましい。
[第5の形態]
第4の形態の回路設計装置は、前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を削除することにより行う、ことが好ましい。
[第6の形態]
第5の形態の回路設計装置は、前記処理部は、前記プルアップ抵抗及び前記プルダウン抵抗に、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を識別する識別符号を付与し、削除する前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を、前記識別符号に基づいて、決定する、ことが好ましい。
[第7の形態]
第4の形態の回路設計装置は、前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記配線又は前記他の配線を削除することにより行う、ことが好ましい。
[第8の形態]
第7の形態の回路設計装置は、前記処理部は、前記配線及び前記他の配線に、前記配線又は前記他の配線を識別する識別符号を付与し、削除する前記配線又は前記他の配線を、前記識別符号に基づいて、決定する、ことが好ましい。
[第9の形態]
(上記第2の視点による回路設計方法を参照)
[第10の形態]
(上記第3の視点によるプログラムを参照)
なお、上記第9から10の形態は、第1の形態と同様に、第2から第8の形態に展開することが可能である。
【0071】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0072】
10 回路図
20 部品
21 端子
30 別の部品
31 出力端子
40 プルアップ抵抗
45 配線
50 プルダウン抵抗
55 他の配線
100 回路設計装置
200 回路図生成部
300 回路図記憶部
400 処理部
500 部品データベース
600 回路図表示部
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路図生成部と、
回路図記憶部と、
処理部を含み、
前記回路図生成部は、前記回路図記憶部に記憶された各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置し、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、前記回路図生成部によって配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記処理部は、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行い、
前記回路図生成部が、前記回路図上で、前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理が行われた前記部品の前記端子に、別の部品の出力端子を接続した場合には、前記処理部は、前記回路図から、前記出力端子の接続された前記部品の前記端子の前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行する、回路設計装置。
【請求項2】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項3】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行される、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項4】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、プルアップ抵抗を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、プルダウン抵抗を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を削除することにより行う、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記プルアップ抵抗及び前記プルダウン抵抗に、前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を識別する識別符号を付与し、削除する前記プルアップ抵抗又は前記プルダウン抵抗を、前記識別符号に基づいて、決定する、請求項4に記載の回路設計装置。
【請求項6】
前記プルアップ接続処理は、前記回路図上で、配線を介して前記端子を電源へ接続することにより実行され、及び、前記プルダウン接続処理は、前記回路図上で、他の配線を介して前記端子をグランドへ接続することにより実行され、及び、
前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理は、前記回路図上で、前記配線又は前記他の配線を削除することにより行う、請求項1に記載の回路設計装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記配線及び前記他の配線に、前記配線又は前記他の配線を識別する識別符号を付与し、削除する前記配線又は前記他の配線を、前記識別符号に基づいて、決定する、請求項6に記載の回路設計装置。
【請求項8】
コンピュータによって実行される、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置するステップと、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理を行うステップと、
前記回路図上で、前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理が行われた前記部品の前記端子に、別の部品の出力端子を接続した場合には、前記回路図から、前記出力端子の接続された前記部品の前記端子の前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行するステップを含む、回路設計方法。
【請求項9】
コンピュータに、
各部品の配置情報と接続情報を含む回路図上に、部品を配置する処理と、
各部品について各端子の入出力属性と前記各端子の電圧レベルを含む部品情報を格納した部品データベース内に、配置された前記部品の端子の入出力属性が入力であることを示し、且つ、前記部品の前記端子の電圧レベルがCMOSであることを示す部品情報が格納されている場合には、前記回路図上の前記部品の前記端子に対してプルアップ接続処理又はプルダウン接続処理と、
前記回路図上で、前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理が行われた前記部品の前記端子に、別の部品の出力端子を接続した場合には、前記回路図から、前記出力端子の接続された前記部品の前記端子の前記プルアップ接続処理又は前記プルダウン接続処理の結果を削除する処理を実行させる、プログラム。