(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019782
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】グループ編成制御プログラム、グループ編成制御方法、グループ編成制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240206BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122453
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】崎村 詩音
(72)【発明者】
【氏名】大塚 信幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グループの組み合わせを適切に判断するグループ編成制御装置グループ編成制御プログラム及びグループ編成制御方法を提供する。
【解決手段】グループ編成制御システム100において、複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議に利用されるグループ編成制御装置200は、オンライン会議の討議中に、グループ毎に取得されるログ情報が格納されるログDB220から、複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行うグループ編成処理部230を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行う、処理をコンピュータに実行させる、グループ編成制御プログラム。
【請求項2】
前記テキストログ情報に含まれるキーワードの数に基づき、前記類似度を算出する、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1記載のグループ編成制御プログラム。
【請求項3】
討議における会話ログ情報を取得し、
前記会話ログ情報から検出された発話数に基づき、組み合わせ後のグループを1つの討議グループとした場合の前記討議グループの活発度を算出し、
前記討議グループの活発度に応じて、前記グループ同士の組み合わせを変更するか否かを判定する、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1又は2記載のグループ編成制御プログラム。
【請求項4】
前記討議グループの活発度が低下した場合に、前記グループ同士の組み合わせを変更する、請求項3記載のグループ編成制御プログラム。
【請求項5】
コンピュータによるグループ編成制御方法であって、前記コンピュータが、
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行う、グループ編成制御方法。
【請求項6】
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得するテキストログ取得部と、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出する類似度算出部と、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行うグループ編成部と、を有する、グループ編成制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グループ編成制御プログラム、グループ編成制御方法、グループ編成制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、教育機関におけるオンライン授業等において、参加者を複数のグループに分けて、各グループ内で討議を行う学習方法が知られている。また、この学習方法では、活発に討議が行われるグループと、そうではないグループとが混在する可能性があることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のグループの中に、活発に討議が行われていないグループが含まれる場合、このグループと、活発に討議が行われているグループとを組み合せる等して、各グループの活発な討議を促すことが一般的である。しかしながら、従来では、教師等が、各グループの討議の雰囲気等から、組み合わせるグループや組み合わせを行うタイミングを判断しており、グループの組み合わせが適切であるか否かを判断することが困難である。
【0005】
1つの側面では、本発明は、グループの組み合わせを適切に判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行う、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
グループの組み合わせを適切に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】グループ編成制御システムのシステム構成について説明する図である。
【
図2】グループ編成制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】グループデータベースの一例を示す図である。
【
図4】グループ編成制御装置の有するグループ編成処理部の機能について説明する図である。
【
図5】グループ編成制御装置の処理を説明する第一のフローチャートである。
【
図6】グループ編成制御装置の処理を説明する第二のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、グループ編成制御システムのシステム構成について説明する図である。
【0010】
本実施形態のグループ編成制御システム100は、グループ編成制御装置200と、端末装置300A-1、・・・、A-n、端末装置300B-1、・・・、B-n、端末装置300C-1、・・・、C-nを含む。
【0011】
本実施形態のグループ編成制御システム100は、例えば、オンライン授業を行う教育機関や、オンライン会議を行う企業等に導入されていてもよい。
【0012】
本実施形態では、参加者を予め複数のグループに分け、グループ毎に、予め決められた議題について、オンラインで討議を行わせる。
【0013】
グループ編成制御装置200は、オンライン授業等を行うための情報処理装置である。グループ編成制御装置200は、グループデータベース210、ログデータベース220、グループ編成処理部230を有する。
【0014】
グループデータベース210は、予めグループ分けされた参加者の情報を示すグループ情報が格納される。
【0015】
ログデータベース220は、討議中に、グループ毎に取得されるログ情報が格納される。また、本実施形態のログ情報には、グループに含まれる各参加者の音声データである会話ログ情報と、音声データをテキストデータに変換したテキストログ情報とを含む。
【0016】
グループ編成処理部230は、ログ情報に基づき、討議を行わせる討議グループを編成する際のグループ同士の組み合わせを制御する。
【0017】
ここで、本実施形態におけるグループと、グループ同士の組み合わせについて説明する。本実施形態におけるグループとは、例えば教師等によって、予め作成されるものであり、同じ課題について討議を行う複数の参加者の集合である。
【0018】
本実施形態において、グループ同士の組み合わせることは、予め作成された複数のグループの中から、共に討議を行わせる複数のグループを選択することを示す。
【0019】
例えば、オンライン授業の開始前に、予めグループGrA、グループGrB、グループGrCが作成され、各グループに参加者が割り振られていたとする。
【0020】
この場合に、グループ同士を組み合わせることとは、例えば、グループGrAと、グループGrBとを1つのグループとして、討議を行わせることを意味する。
【0021】
また、この場合に、グループ同士の組み合わせを変更することとは、例えば、グループGrAと共に討議を行わせるグループを、グループGrBからグループGrCに変更し、グループGrAとグループGrCとを1つのグループとして討議を行わせることを意味する。
【0022】
以下の説明では、共に討議を行うグループを、討議グループと表現する場合がある。討議グループは、オンライン授業の開始前に予め作成されたグループを複数含むグループである。
【0023】
グループ編成制御システム100において、端末装置300A-1、・・・、A-n、端末装置300B-1、・・・、B-n、端末装置300C-1、・・・、C-nは、オンライン授業に参加する参加者の端末装置である。本実施形態において、端末装置300A-1、・・・、A-nは、グループGrAに属する参加者の端末装置である。端末装置300B-1、・・・、B-nは、グループGrBに属する参加者の端末装置である。端末装置300C-1、・・・、C-nは、グループGrCに属する参加者の端末装置である。なお、以下の説明では、各端末装置を区別しない場合には、端末装置300と表現する。
【0024】
本実施形態では、グループ編成制御装置200のグループ編成処理部230により、討議中のグループGrA、グループGrB、グループGrCのそれぞれのログ情報を収集し、ログ情報から各グループ同士の類似度と活発度とを算出する。類似度と活発度の詳細は、後述する。
【0025】
次に、グループ編成処理部230は、グループ同士の類似度に基づきグループ同士を組み合わせて討議グループを作成し、討議グループの活発度を算出する。そして、討議グループの活発度に応じて、再度グループの組み合わせを行うか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、討議グループの活発度が低下する場合に、再度グループの組み合わせを行う。言い換えれば、本実施形態では、討議グループの活発度が低下した場合に、グループの組み合わせを変更する。
【0026】
このように、本実施形態では、討議内容のログ情報から算出される類似度を用いて、討議グループを作成し、討議グループの活発度に応じてグループの組み合わせを変更するか否かを判定する。したがって、本実施形態によれば、客観的な指標によりグループの組み合わせが必要か否かを判断することができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、教師等がグループ毎の討議の様子を観察しながらグループの組み合わせを行う必要がなく、教師の負担を低減させることかできる。
【0028】
なお、
図1の例では、グループデータベース210とログデータベース220とが、グループ編成制御装置200に設けられる構成としたが、これに限定されない。グループデータベース210、ログデータベース220は、一部又は全部がグループ編成制御装置200と通信が可能な外部装置に設けられていてもよい。
【0029】
また、
図1の例では、グループ編成制御装置200を一台の情報処理装置としたが、これに限定されない。グループ編成制御装置200は、複数台の情報処理装置であってもよい。
【0030】
さらに、
図1の例では、オンライン授業の参加者が予め3つのグループに分けられるものとしたが、グループの数は、任意の数であってよい。
【0031】
次に、
図2を参照して、グループ編成制御装置200のハードウェア構成について説明する。
図2は、グループ編成制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
本実施形態のグループ編成制御装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインタフェース装置27を含むコンピュータである。
【0033】
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現されてよい。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0034】
グループ編成制御装置200が有するグループ編成処理部230を実現させるグループ編成制御プログラムは、グループ編成制御装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。グループ編成制御プログラムは、例えば、記録媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。グループ編成制御プログラムを記録した記録媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0035】
記録媒体28に記録されたグループ編成制御プログラムは、グループ編成制御プログラムを記録した記録媒体28がドライブ装置23にセットされると、記録媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされたグループ編成制御プログラムは、インタフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0036】
グループデータベース210、ログデータベース220を実現する補助記憶装置24は、グループ編成制御装置200にインストールされたグループ編成制御プログラムを格納すると共に、グループ編成制御装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、グループ編成制御装置200の起動時に補助記憶装置24からグループ編成制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納されたグループ編成制御プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0037】
次に、本実施形態のグループ編成制御装置200の有する各データベースについて説明する。
【0038】
図3は、グループデータベースの一例を示す図である。本実施形態のグループデータベース210は、オンラインによる討議が行われる前に、予め作成されてグループ編成制御装置200に格納される。
【0039】
グループデータベース210に格納されるグループ情報は、情報の項目として、グループ名と参加者IDとを有し、両者が対応付けられている。
【0040】
項目「グループ名」の値は、グループを識別するための情報であり、グループの名称を示す。なお、グループを識別するための情報は、グループ名以外の情報であってもよい。具体的には、グループを識別するための情報は、グループID等であってもよい。
【0041】
項目「参加者ID」の値は、オンラインによる討議に参加する参加者を特定するための識別情報である。言い換えれば、項目「参加者ID」の値は、参加者の端末装置300を特定するための識別情報である。
【0042】
次に、ログデータベース220に格納されるログ情報について説明する。本実施形態のログデータベース220は、グループ毎に、討議中に収集されたログ情報が格納される。
【0043】
本実施形態のログ情報は、各端末装置300から取得さたれ参加者の音声データである会話ログ情報と、音声データをテキストデータに変換したテキストログ情報とを含む。
【0044】
会話ログ情報は、例えば、発話した参加者の参加者IDと、発話毎の音声データとが対応付けられた情報であってよい。
【0045】
テキストログ情報は、例えば、参加者IDと対応付けられた音声データを、音声認識機能等によりテキストデータに変化した情報である。テキストログ情報は、発話した参加者の参加者IDと対応付けられていてもよいし、対応付けられていなくてもよい。
【0046】
次に、
図4を参照して、本実施形態のグループ編成制御装置200のグループ編成処理部230の機能について説明する。
【0047】
図4は、グループ編成制御装置の有するグループ編成処理部の機能について説明する図である。
【0048】
本実施形態のグループ編成処理部230は、会話ログ収集部231、テキストログ取得部232、キーワード検出部233、発話数検出部234、類似度算出部235、活発度算出部236、グループ編成部237を有する。
【0049】
会話ログ収集部231は、オンライン授業が開始されると、授業の参加者の端末装置300に対して入力される音声データを収集する。また、テキストログ取得部232は、グループデータベース210に格納されたグループ情報を参照し、収集した音声データを、会話ログ情報として、グループ毎にログデータベース220に格納する。
【0050】
テキストログ取得部232は、会話ログ収集部231がグループ毎に取得した音声データをテキストデータに変換したテキストログ情報を取得し、グループ毎にログデータベース220に格納する。本実施形態のテキストログ取得部232は、音声認識機能を有してもよい。また、本実施形態のテキストログ取得部232は、音声データを外部の音声認識装置に出力し、外部の音声認識装置から出力されたテキストデータを取得して、テキストログ情報としてもよい。
【0051】
キーワード検出部233は、テキストログ取得部232により取得したグループ毎のテキストログ情報に含まれるキーワードと、キーワードの出現回数とを検出する。
【0052】
発話数検出部234は、会話ログ収集部231が収集したグループ毎の会話ログ情報から、グループに含まれる参加者毎の発話回数を検出する。
【0053】
類似度算出部235は、キーワード検出部233により検出されたグループ毎のキーワードに基づき、あるグループと、他のグループとの類似度を算出する。
【0054】
活発度算出部236は、発話数検出部234により検出された、グループに含まれる参加者の発話回数に基づき、グループの活発度を算出する。
【0055】
グループ編成部237は、類似度算出部235により算出されたグループと他のグループとの類似度に応じて、討議グループとなるグループ同士を組み合わせる。また、グループ編成部237は、活発度算出部236により算出されるグループの活発度に応じて、グループ同士の組み合わせを変更する。
【0056】
次に、
図5及び
図6を参照して、本実施形態のグループ編成制御装置200の処理について説明する。
【0057】
図5は、グループ編成制御装置の処理を説明する第一のフローチャートである。
図5に示す処理は、オンライン授業又は討議の開始と共に実行を開始し、所定の期間毎に実行される。また、
図5の処理は、オンライン授業又は討議の終了と共に終了する。
【0058】
本実施形態のグループ編成制御装置200のグループ編成処理部230は、オンライン授業が開始されると、会話ログ収集部231により、グループ毎の会話ログ情報の収集を開始する(ステップS501)。
【0059】
続いて、グループ編成処理部230は、テキストログ取得部232により、会話ログ情報をテキストデータに変換し、グループ毎のテキストログ情報を取得する(ステップS502)。
【0060】
続いて、グループ編成処理部230は、キーワード検出部233により、グループ毎のテキストログ情報から、キーワードとキーワードの出現頻度とを検出する(ステップS503)。
【0061】
続いて、グループ編成処理部230は、発話数検出部234により、グループ毎の会話ログ情報から、各グループの参加者毎の発話回数を検出する(ステップS504)。
【0062】
続いて、グループ編成処理部230は、類似度算出部235により、各グループと他のグループとの類似度を算出し、活発度算出部236により、各グループの活発度を算出する(ステップS505)。
【0063】
以下に、本実施形態の類似度の算出について説明する。本実施形態の類似度算出部235は、各グループのテキストログ情報からキーワード検出部233により検出されるキーワードと、キーワードの出現回数とに基づき、グループと他のグループとの類似度を算出する。
【0064】
言い換えれば、類似度算出部235は、テキストログ情報に含まれるキーワードと、キーワードの数とに基づき、グループ同士の類似度を算出する。このように類似度を算出することで、グループ同士が、討議の内容が似通っているグループであるか否かを判断できる。
【0065】
ここで、例えば、ステップS503において、グループGrAのテキストログ情報において検出されたキーワードxの出現回数をa(x)とし、グループGrAのテキストログ情報において検出されたキーワードyの出現回数をa(y)とし、グループGrAのテキストログ情報において検出されたキーワードzの出現回数をa(z)と表現する。
【0066】
また、グループGrBのテキストログ情報において検出されたキーワードxの出現回数をb(x)とし、グループGrBのテキストログ情報において検出されたキーワードyの出現回数をb(y)とし、グループGrBのテキストログ情報において検出されたキーワードzの出現回数をb(z)と表現する。
【0067】
さらに、グループGrCのテキストログ情報において検出されたキーワードxの出現回数をc(x)とし、グループGrCのテキストログ情報において検出されたキーワードyの出現回数をc(y)とし、グループGrCのテキストログ情報において検出されたキーワードzの出現回数をc(z)と表現する。
【0068】
この場合、グループGrAに対するグループGrBの類似度をRabとした場合、
Rab=b(x)/a(x)+b(y)/a(y)+b(z)/a(z)
となる。また、グループGrAに対するグループGrCの類似度をRacとした場合、
Rac=c(x)/a(x)+c(y)/a(y)+c(z)/a(z)
となる。
【0069】
このように、本実施形態では、あるグループと他のグループとの類似度を、各グループの討議中に収集した音声データから変換されたテキストデータに含まれるキーワード毎の出現頻度の割合を合算した値とする。したがって、本実施形態の類似度とは、あるグループの討議の内容と、他のグループの討議の内容との類似の度合いを示す値と言える。
【0070】
次に、本実施形態の活発度算出部236による各グループの活発度の算出について説明する。
【0071】
ここでは、例えば、グループGrAに含まれる参加者による発話数の総数をXとし、グループGrAに含まれる参加者の人数をYとした場合の活発度を、以下の式(1)で示す値とする。
【0072】
活発度=X/Y 式(1)
となる。つまり、本実施形態の活発度は、グループGrAに含まれる参加者による発話回数の平均値となる。
【0073】
なお、本実施形態では、活発度算出部236は、グループGrAの参加者毎に発話回数を検出してよい。そして、本実施形態では、例えば、グループGrAに含まれる参加者のうち、発話回数が、グループGrAに含まれる参加者による発話回数の平均値の2倍以上となる参加者が存在する場合には、式(1)によって算出される値の1/2の値を、グループGrAの活発度としてもよい。
【0074】
このように、活発度を算出することで、例えば、グループ内の特定の人物のみが発話をしているグループ等が、活発な討議が行われているグループと判定されることを防止できる。
【0075】
本実施形態のグループ編成処理部230は、類似度算出部235により算出されたグループ毎の他のグループとの類似度と、活発度算出部236により算出されたグループ毎の活発度とを、
図5の処理を実行する度に保持してよい。この類似度と活発度とは、
図6に示すグループ編成部237の処理によって参照される。
【0076】
図6は、グループ編成制御装置の処理を説明する第二のフローチャートである。
図6の処理は、
図5の処理と並列に実行されてよい。
【0077】
本実施形態のグループ編成処理部230は、グループ編成部237により、グループ毎の活発度を参照し、活発度が所定の閾値未満であるグループが存在するか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601において、活発度が所定の閾値未満であるグループが存在しない場合には、グループ編成部237は、後述するステップS605へ進む。
【0078】
なお、ステップS601において、活発度が所定の閾値未満であるグループが存在しない場合とは、全てのグループにおいて、活発な討議が行われていることを示す。活発度の所定の閾値は、例えば、グループ編成部237により予め保持されていてもよい。
【0079】
ステップS601において、活発度が所定の閾値未満のグループが存在する場合、グループ編成部237は、このグループと他のグループとの類似度に基づき、グループ同士を組み合わせ、1つの討議グループとする(ステップS602)。
【0080】
続いて、グループ編成部237、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。ここで、所定時間とは、
図5の処理により、グループ毎の他のグループとの類似度と、グループ毎の活発度とが更新されるまでの時間であってよい。
【0081】
なお、このとき、グループ編成処理部230は、討議グループと、他のグループとの類似度と、討議グループの活発度とを算出してもよい。算出の方法は、
図5で説明した方法と同様である。
【0082】
グループ編成処理部230において、討議グループについて、類似度と活発度とを算出する場合には、所定時間は、一度討議グループの類似度と活発度とが算出されてから、この討議グループの類似度と活発度が更新されるまでの時間であってもよい。
【0083】
ステップS603において、所定時間が経過していない場合には、所定時間が経過するまで待機する。
【0084】
ステップS603において、所定時間が経過すると、グループ編成部237は、グループ毎の活発度が増加したか否かを判定する(ステップS604)。ステップS604において、活発度が増加していない場合、グループ編成部237は、ステップS602に戻りもグループの組み合わせを変更する。
【0085】
本実施形態では、例えば、活発度が所定の閾値未満であったグループと、このグループとの類似度が第一の閾値未満のグループとを組み合わせてもよい。本実施形態では、類似度が第一の閾値未満のグループ同士は、討議の内容が似ていないことを示す。
【0086】
また、本実施形態では、例えば、活発度が所定の閾値未満であったグループと、このグループとの類似度が、第一の閾値よりも値の大きい第二の閾値以上のグループとを組み合わせてもよい。本実施形態では、類似度が第二の閾値以上のグループ同士は、討議の内容が似ていることを示す。
【0087】
ステップS604において、活発度が増加した場合、グループ編成部237は、会話ログ情報の収集が終了したか否かを判定する(ステップS605)。言い換えれば、グループ編成部237は、グループでの討議が終了したか否かを判定する。
【0088】
ステップS605において、会話ログ情報の収集が終了していない場合、グループ編成部237は、ステップS601に戻る。ステップS605において、会話ログ情報の収集が終了した場合、グループ編成部237は、処理を終了する。
【0089】
以下に、
図6に示す処理について、具体的に説明する。以下の説明では、グループGrAとグループGrBとの類似度が、第一の閾値未満であり、グループGrAとグループGrCとの類似度が、第一の閾値よりも大きい値である第二の閾値以上であるものとする。
【0090】
つまり、言い換えれば、グループGrAとグループGrBとは、討議の内容が似ておらず、グループGrAとグループGrCとは、討議の内容が似ているものとする。
【0091】
ここで、グループ編成部237は、ステップS602において、類似度が第一の閾値未満のグループ同士を組み合わせる。具体的には、グループ編成部237は、グループGrAと、グループGrAとは討議の内容が類似していないグループGrBとを組み合わせて、1つの討議グループとする。
【0092】
また、グループ編成処理部230は、組み合わせ後の各グループと、討議グループとについて、他のグループとの類似度と、グループ毎の活発度とを算出する。
【0093】
そして、グループ編成部237は、例えば、討議グループの活発度が増加したか否かを判定し、判定結果に応じて、そのまま討議を継続させるか、又は、グループの組み合わせを変更するか、判断する。
【0094】
例えば、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBとを組み合わせた討議グループにおいて、グループGrAとグループGrBのそれぞれの活発度が増加し、討議グループとしての活発度が増加した場合、この討議グループでの討議を継続させる。
【0095】
また、例えば、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBの何れか一方の活発度が増加したことで、討議グループとしての活発度が増加した場合も、この討議グループでの討議を継続させる。
【0096】
このように、本実施形態では、予め作成されたグループを複数含む討議グループの活発度が増加した場合には、この討議グループによる討議を継続させる。
【0097】
また、例えば、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBの何れか一方の活発度が減少し、討議グループとしての活発度が減少した場合、グループ同士の組み合わせを変更する。この場合、グループ編成部237は、これまでと同様の組み合わせ方で、グループ同士を組み合わせてもよい。
【0098】
ここでは、グループGrAとグループGrBとの類似度は、第一の閾値未満である。したがって、グループ編成部237は、活発度が低下したグループを、そのグループとの類似度が第一の閾値未満の他のグループと組み合わせる。
【0099】
具体的には、グループ編成部237は、例えば、グループGrAの活発度が低下した場合には、グループGrAを、グループGrAとの類似度が第一の閾値未満の他のグループと組み合わせる。また、グループ編成部237は、グループGrBの活発度が低下した場合には、グループGrBを、グループGrBとの類似度が第一の閾値未満の他のグループと組み合わせてもよい。
【0100】
また、例えば、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBの両方の活発度が減少し、討議グループとしての活発度が減少した場合、2つのグループの何れか一方の活発度が低下したときとは異なる方法で、グループ同士の組み合わせを変更してもよい。
【0101】
ここでは、グループGrAとグループGrBとの類似度は、第一の閾値未満である。したがって、この場合、グループ編成部237は、活発度が低下したグループを、そのグループとの類似度が第二の閾値以上の他のグループと組み合わせる。言い換えれば、グループ編成部237は、討議の内容が類似しているグループ同士を組み合わせてもよい。
【0102】
具体的には、グループ編成部237は、グループGrAと、グループGrAとの類似度が第二の閾値以上のグループとを組み合わせ、グループGrBと、グループGrBとの類似度が第二の閾値以上のグループとを組み合わせてもよい。
【0103】
このように、本実施形態では、予め作成されたグループを複数含む討議グループの活発度が低下した場合には、低下の要因に応じた方法で、討議グループを再作成する。
【0104】
さらに、本実施形態では、例えば、グループ編成部237は、上記のようにグループの組み合わせを変更しても、活発度が所定の閾値未満のグループが存在する場合には、類似度の算出方法を変更してもよい。
【0105】
具体的には、例えば、グループ編成処理部230の類似度算出部235は、あるグループのテキストログ情報から抽出されたキーワードから、出現頻度の高い順に複数のキーワードを特定する。そして、類似度算出部235は、他のグループのテキストログ情報における、特定された複数のキーワードの出現頻度を取得し、あるグループにおける特定のキーワードの出現頻度と、他のグループにおける特定のキーワードの出現頻度とに基づき、あるグループと他のグループとの類似度を算出してもよい。
【0106】
このように、本実施形態では、グループ同士の組み合わせを変更する際に、類似度の算出方法を変更してもよい。本実施形態では、これにより、様々なパターンでグループ同士を組み合わせることができる。
【0107】
なお、本実施形態のグループ編成部237は、討議グループの活発度に応じて、グループ同士の組み合わせの変更(討議グループを再作成)を行うか否かを判定するものとしたが、これに限定されない。本実施形態のグループ編成部237は、例えば、討議グループとされた複数のグループ毎の活発度に基づき、グループ同士の組み合わせを変更するか否かを判定してもよい。
【0108】
例えば、グループGrAとグループGrBとを組み合わせて討議グループとした場合について説明する。このとき、グループGrAに対するグループGrBの類似度は、第一の閾値未満とする。
【0109】
この場合に、例えば、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBとの活発度が同程度である場合には、この討議グループによる討議を継続させる。
【0110】
また、グループ編成部237は、グループGrAの活発度と、グループGrBの活発度との差分が所定の値以上である場合、グループ同士の組み合わせを変更してもよい。2つのグループの活発度の差分が所定の値以上の場合とは、言い換えれば、グループGrAとグループGrBとの間で、各グループ内の参加者の発話数に大きなちがいがある場合である。
【0111】
この場合、グループ編成部237は、グループGrAに対する類似度が、第一の閾値未満のグループを、グループGrAと組み合わせる。
【0112】
また、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBのうち、何れか一方のグループの参加者の一部の発話数が、討議グループの他の参加者よりも極端に多い場合、又は、何れか一方のグループの参加者の一部の発話数が、討議グループの他の参加者よりも極端に少ない場合に、グループ同士の組み合わせを変更してもよい。
【0113】
一部の参加者の発話数が討議グループの他の参加者よりも極端に多い場合とは、例えば、討議グループにおける総発話回数に対する、一部の参加者の発話回数の割合が、ある所定値以上となる場合である。また、一部の参加者の発話数が討議グループの他の参加者よりも極端に少ない場合とは、例えば、討議グループにおける総発話回数に対する、一部の参加者の発話回数の割合が、ある所定値より値の小さい所定値未満となる場合である。
【0114】
この場合、グループ編成部237は、グループGrAとグループGrBとの活発度の差分が所定の値以上である場合とは異なる方法で、グループ同士を組み合わせてもよい。
【0115】
具体的には、例えば、類似度の算出方法を、特定のキーワードを用いた方法に変更し、変更後の類似度に応じてグループ同士を組み合わせてもよい。
【0116】
以上のように、本実施形態では、予め作成されたグループ毎の討議の内容の類似度に応じてグループを組み合わせ、組み合わされた複数のグループを含む討議グループの討議における活発度に応じて、グループ同士の組み合わせを変更するか否かを判定する。
【0117】
したがって、本実施形態では、討議グループにおいて活発に討議が行われるようなグループの組み合わせを適切に判断できる。
【0118】
なお、本実施形態では、グループ編成部237は、討議グループの活発度の増減に応じて、グループの組み合わせを変更するか否かを判定するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、討議グループの活発度の代わりに、討議グループに含まれる複数のグループのそれぞれの活発度の増減に応じて、グループの組み合わせを変更するか否かを判定してもよい。
【0119】
また、上述した実施形態では、組み合わされるグループの数(討議グループに含まれるグループの数)が2つである場合を説明したが、3以上のグループが組み合わされてもよい。
【0120】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行う、処理をコンピュータに実行させる、グループ編成制御プログラム。
(付記2)
前記テキストログ情報に含まれるキーワードの数に基づき、前記類似度を算出する、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1記載のグループ編成制御プログラム。
(付記3)
討議における会話ログ情報を取得し、
前記会話ログ情報から検出された発話数に基づき、組み合わせ後のグループを1つの討議グループとした場合の前記討議グループの活発度を算出し、
前記討議グループの活発度に応じて、前記グループ同士の組み合わせを変更するか否かを判定する、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1又は2記載のグループ編成制御プログラム。
(付記4)
前記討議グループの活発度が低下した場合に、前記グループ同士の組み合わせを変更する、付記3記載のグループ編成制御プログラム。
(付記5)
前記討議グループの活発度の低下の要因に応じて、前記グループ同士の組み合わせ方を変更する、付記4記載のグループ編成制御プログラム。
(付記6)
コンピュータによるグループ編成制御方法であって、前記コンピュータが、
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得し、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出し、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行う、グループ編成制御方法。
(付記7)
複数の参加者をそれぞれ有する複数のグループから成るオンライン会議において、前記複数のグループそれぞれの討議内容に関するテキストログ情報を取得するテキストログ取得部と、
取得したテキストログ情報に基づいて、グループ毎に、他のグループとの類似度を算出する類似度算出部と、
算出した前記類似度に応じてグループ同士の組み合わせの制御を行うグループ編成部と、を有する、グループ編成制御装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
100 グループ編成制御システム
200 グループ編成制御装置
210 グループデータベース
220 ログデータベース
230 グループ編成処理部
231 会話ログ収集部
232 テキストログ取得部
233 キーワード検出部
234 発話数検出部
235 類似度算出部
236 活発度算出部
237 グループ編成部
300 端末装置