(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019816
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】カーテンウォールユニット
(51)【国際特許分類】
E04B 2/96 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
E04B2/96
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122518
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】奈良 栄達
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 麻子
(72)【発明者】
【氏名】青野 真典
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB02
2E002NC03
2E002NC04
2E002PA01
2E002QA06
2E002QA08
2E002QC01
2E002QC05
2E002UA02
2E002UB01
2E002WA17
2E002XA01
2E002XA09
2E002XA11
2E002XA16
(57)【要約】
【課題】カーテンウォールユニットのパネル体よりも室外側に張り出す張出部による縦枠の温度の低下を緩和して、縦枠の室内側の表面に結露が発生するのを抑制する。
【解決手段】カーテンウォールユニット2は、縦枠6により形成される開口部3Aに配置されるパネル体2Aを備える。縦枠6は、パネル体2Aよりも室外側の位置まで張り出す張出部6Aを有する。カーテンウォールユニット2は、張出部6Aの外部に露出する露出部6Jを覆うカバー30、40と、張出部6Aとカバー30、40の間に介在する絶縁材74を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦枠により形成される開口部に配置されるパネル体を備えたカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、前記パネル体よりも室外側の位置まで張り出す張出部を有し、
前記張出部の外部に露出する露出部を覆うカバーと、
前記張出部と前記カバーの間に介在する絶縁材と、
を備えたカーテンウォールユニット。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記カバーは、ゴンドラをガイドするガイドレールを有するカーテンウォールユニット。
【請求項3】
請求項2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記ガイドレールは、前記張出部の左右方向の一方側に位置する前記カバーに形成されたカーテンウォールユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体と、前記縦枠本体に取り付けられた張出材と、を有し、
前記縦枠本体は、前記パネル体よりも室外側の位置まで突出する突出部を有し、
前記張出材は、前記突出部に取り付けられて、前記突出部から室外側に張り出し、
前記張出部は、前記突出部及び前記張出材からなるカーテンウォールユニット。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体を有し、
前記縦枠本体は、前記パネル体よりも室外側の位置まで突出する突出部を有し、
前記張出部は、前記突出部であるカーテンウォールユニット。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体と、前記縦枠本体に取り付けられて前記縦枠本体から室外側に張り出す張出材と、を有し、
前記張出部は、前記張出材であるカーテンウォールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦枠により形成される開口部に配置されるパネル体を備えたカーテンウォールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールユニットの縦枠に張出部が設けられることがある。縦枠の張出部は、例えば、縦枠の強度を確保するため、又は、化粧材として、パネル体よりも室外側の位置まで張り出す。また、従来、縦枠である方立の室外側にシール受け部材が連結され、シール受け部材の外側面に、ゴンドラのガイド車を案内する案内レールが一体的に形成されたカーテンウォールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来のカーテンウォールでは、パネル体であるガラス板よりも室外側の位置まで案内レールが張り出す。ところが、このような張出部を有する縦枠では、外気に接する部分が多くなり、冬季には、外気の影響で冷されて、温度が低下し易くなる。また、冷された縦枠と室内の温かい空気が接した際には、空気が冷されて露点温度を下回ることで、縦枠の室内側の表面に結露が発生する虞がある。特に、温度条件の厳しい寒冷地では、縦枠の室内側の表面の結露への対策が重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、カーテンウォールユニットのパネル体よりも室外側に張り出す張出部による縦枠の温度の低下を緩和して、縦枠の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、縦枠により形成される開口部に配置されるパネル体を備えたカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、前記パネル体よりも室外側の位置まで張り出す張出部を有し、
前記張出部の外部に露出する露出部を覆うカバーと、
前記張出部と前記カバーの間に介在する絶縁材と、
を備えたカーテンウォールユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カーテンウォールユニットのパネル体よりも室外側に張り出す張出部による縦枠の温度の低下を緩和して、縦枠の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
【
図2】第1実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図3】
図2の一部を拡大して示す第1実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
【
図4】第1実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠とカバーを分解して示す横断面図である。
【
図5】第2実施形態のカーテンウォールユニットを示す横断面図である。
【
図6】第2実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠とカバーを分解して示す横断面図である。
【
図7】第3実施形態のカーテンウォールユニットを示す横断面図である。
【
図8】第3実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠とカバーを分解して示す横断面図である。
【
図9】第4実施形態のカーテンウォールユニットを示す横断面図である。
【
図10】第4実施形態のカーテンウォールユニットの縦枠とカバーを分解して示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォールユニットの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、建物の外壁に設けられる。複数のカーテンウォールユニットは、互いに組み合わされて、カーテンウォールの一部を構成する。カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の外壁で、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置されて、建物の外壁を形成する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10の外壁11に設置されたカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を室外側からみて示している。
図2は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図である。
図示のように、カーテンウォール1は、建物10の外壁11に並べて設置される複数のカーテンウォールユニット2を備えている。カーテンウォールユニット2は、カーテンウォール1を構成するパネルユニットであり、外壁11への設置前に、予めユニットとして組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の躯体の室外側に配置され、躯体に取り付けられて、建物10の外壁11の壁面(外壁面)を形成する。複数のカーテンウォールユニット2は、上下方向と左右方向Rに並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2と互いに組み合わされている。
【0011】
なお、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに(
図1参照)、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向Rである。
図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向Rは水平方向である。室内外方向S(
図2参照)は、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2における室内外方向(屋内外方向)である。また、室内外方向Sは、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに、前後となる方向であり、
図1では、左右方向Rに直交する水平方向である。このように、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関して室内側、室外側とは、建物10に設置した状態での室内側、室外側である。
【0012】
カーテンウォールユニット2は、2つのパネル体2Aと、パネル体2Aを囲む枠体3を備えている。複数のカーテンウォールユニット2の枠体3は、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3と互いに組み合わされている。枠体3は、開口部3Aを形成する方形状の開口枠であり、建物10の躯体に取り付けられる。パネル体2Aは、方形状のガラスパネル体(例えば、板ガラス、複層ガラス、又は、合わせガラス)であり、枠体3の開口部3Aに配置されている。
【0013】
枠体3は、互いに組み合わされた4つの枠4~6(上枠4、下枠5、一対の縦枠6)と無目7を有し、枠4~6により、方形状の開口部3Aを形成している。枠体3の枠4~6は、枠体3を構成する枠材であり、枠体3の枠4~6と無目7は、押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。
【0014】
上枠4と下枠5は、枠体3の上下の横枠であり、枠体3の上部と下部で左右方向R(横方向)に沿って延びる。一対の縦枠6は、枠体3の左右の側部に位置する側枠であり、枠体3の側部で上下方向(縦方向)に沿って延びる。上枠4、下枠5、及び、一対の縦枠6の端部同士が接続されて、枠4~6が枠組みされている。無目7は、上枠4と下枠5の間で左右方向Rに沿って延び、一対の縦枠6に接続されて、枠体3の開口部3Aを上下に区画している。パネル体2Aは、枠体3に嵌め込まれて、枠体3に保持されている。
【0015】
図3は、
図2の一部を拡大して示す第1実施形態のカーテンウォール1の横断面図であり、左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6側の部分を示している。また、
図3では、ゴンドラ20の一部を二点鎖線で模式的に示している。
図示のように、複数のカーテンウォールユニット2及び枠体3は、建物10の外壁11に、左右方向Rに並べて設置されている。左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2の縦枠6と他方のカーテンウォールユニット2の縦枠6は、左右方向Rにおいて互いに対向して、左右に隣接して配置されている。
【0016】
左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の縦枠6は、左右方向Rに間隔をあけて配置されている。縦枠6は、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6(左右方向Rに並べて設置される他のカーテンウォールユニット2の縦枠6)から左右方向Rに離隔する。カーテンウォールユニット2のそれぞれで、パネル体2Aは、枠体3の縦枠6により形成された開口部3Aに配置されて、室外に露出している。パネル体2Aは、縦枠6の開口部3A側に位置して、縦枠6により保持されている。
【0017】
縦枠6は、室外側に向かって張り出す張出部6Aを有し、カーテンウォールユニット2は、縦枠6の張出部6Aを覆う2つのカバー30、40(第1カバー30、第2カバー40)を備えている。張出部6Aは、中空形状に形成されて、パネル体2Aよりも室外側の位置に配置されている。左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の縦枠6の張出部6Aは、パネル体2Aよりも室外側の位置で、左右方向Rに間隔をあけて、左右に隣接して配置されている。縦枠6の張出部6Aは、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の張出部6Aから左右方向Rに離隔し、左右方向Rにおいて、他の縦枠6の張出部6Aと対向して配置されている。
【0018】
縦枠6の張出部6Aは、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の張出部6Aとの間に間隙8を形成している。間隙8は、左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6Aの間の空間であり、縦枠6の張出部6Aに沿って縦枠6の長手方向(上下方向)に延びる。上下方向に並ぶカーテンウォールユニット2の間隙8は、互いに室内外方向S及び左右方向Rの位置を合わせて、上下方向に並べて配置される。縦枠6のそれぞれで、張出部6Aは、縦枠6の室外側の端部を含む室外側部に設けられて、室内外方向Sに沿って延びる。
【0019】
図4は、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の縦枠6とカバー30、40を分解して示す横断面図であり、
図3に示す左右の縦枠6及びカバー30、40のうちの左方の縦枠6及びカバー30、40を示している。
図3、
図4に示すように、縦枠6は、室内側に位置する縦枠本体50と、室外側に位置する張出材60と、縦枠本体50に取り付けられた水密材70及び気密材71を有している。縦枠本体50は、枠体3の他の枠(上枠4、下枠5)と接続されて、枠体3の開口部3Aを形成し、パネル体2Aを保持している。張出材60は、縦枠本体50に付設される付設材であり、縦枠本体50の室外側に位置している。また、張出材60は、縦枠本体50に取り付けられて、縦枠本体50から室外側に張り出す。
【0020】
水密材70と気密材71は、弾性変形可能なタイト材であり、縦枠6及び縦枠本体50の長手方向(上下方向)に延びる。水密材70は、レインバリアであるとともに、気密材71よりも室外側に位置する室外側タイト材(第1タイト材)であり、縦枠6の張出部6Aよりも室内側に位置している。気密材71は、ウインドバリアであるとともに、水密材70よりも室内側に位置する室内側タイト材(第2タイト材)であり、水密材70から室内側に離隔して配置される。
【0021】
水密材70と気密材71は、室内外方向Sに離隔して並列し、互いの間に等圧空間72を形成するための間隔をあけて配置されている。等圧空間72は、室外(外気)の気圧(外気圧)と等圧となる空間であり、室外と連通する。室外は、カーテンウォールユニット2の室外側に位置する空間であり、外気は、室外の空気である。
【0022】
左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の縦枠6において、左右の縦枠6の縦枠本体50の水密材70は、互いに対向する位置に配置されて互いに当接する。また、左右の縦枠6の縦枠本体50の気密材71は、互いに対向する位置に配置されて互いに当接する。互いに当接する水密材70と気密材71により、左右の縦枠6の縦枠本体50の間の箇所が止水されて、左右の縦枠6の縦枠本体50の間に等圧空間72が形成される。等圧空間72は、水密材70、気密材71、及び、縦枠本体50により形成されて、縦枠6及び縦枠本体50の長手方向に延びる。
【0023】
このように、縦枠6の縦枠本体50は、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の縦枠本体50との間の箇所が水密材70と気密材71により止水される。その状態で、縦枠6の縦枠本体50は、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の縦枠本体50との間に等圧空間72を形成し、他の縦枠6の縦枠本体50と等圧空間72を挟んで対向して配置される。等圧空間72は、左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6A及び左右の張出部6Aの間の間隙8よりも室内側に位置する。縦枠6の張出部6A及び間隙8は、等圧空間72よりも室外側に位置する。
【0024】
縦枠本体50は、パネル体2Aを保持する保持部51と、保持部51の室内側に位置する室内側部52と、2列の溝状の被取付部53、54(第1被取付部53、第2被取付部54)と、保持部51の室外側に位置する突出部55を有している。縦枠本体50の保持部51は、室内側部52と突出部55の間に位置し、溝状に形成されて、パネル体2Aの縦縁部2Bを収容する。パネル体2Aの縦縁部2Bは、パネル体2Aの左右の側部に位置して、上下方向(縦方向)に延び、溝状の保持部51により保持されている。
【0025】
縦枠本体50の室内側部52は、縦枠本体50の室内側の端部を含む中空部(室内側中空部)であり、パネル体2A及び保持部51よりも室内側の位置まで突出している。室内側部52は、パネル体2Aの室内側で、保持部51に接続し、保持部51から室内側に突出して、パネル体2Aの室内側に配置されている。
【0026】
縦枠本体50の第1被取付部53と第2被取付部54は、室内外方向Sに離隔して並列し、縦枠6及び縦枠本体50の長手方向に延びる。第1被取付部53は、第2被取付部54よりも室外側に位置する室外側被取付部であり、縦枠6の張出部6Aよりも室内側に位置している。第2被取付部54は、第1被取付部53よりも室内側に位置する室内側被取付部であり、第1被取付部53から室内側に離隔する。水密材70は、第1被取付部53に取り付けられ、気密材71は、第2被取付部54に取り付けられている。
【0027】
縦枠本体50の突出部55は、縦枠本体50の室外側の端部を含む中空部(室外側中空部)であり、パネル体2A及び保持部51よりも室外側の位置まで突出している。突出部55は、保持部51の室外側で、保持部51に接続し、保持部51から室外側に突出して、室内外方向Sに沿って配置されている。また、突出部55は、張出材60が係合する被係合部55Aと、張出材60が固定される被固定部55Bを有している。被係合部55Aと被固定部55Bは、突出部55の室外側の端部(先端部)に設けられている。被固定部55Bは、左右方向Rにおいて、被係合部55Aに対して枠体3の開口部3A側(間隙8の反対側)に位置して、開口部3A側に突出している。
【0028】
張出材60は、カーテンウォールユニット2の化粧材であり、縦枠本体50よりも室外側の位置まで張り出す。ここでは、張出材60は、垂直フィンであり、縦枠本体50の突出部55の室外側に位置して、突出部55よりも室外側の位置まで張り出す。張出材60は、突出部55の室外側で、突出部55に取り付けられて、突出部55から室外側に張り出し、室内外方向Sに沿って配置されている。
【0029】
張出材60は、突出部55に係合する係合部61と、固定具80により突出部55に固定される固定部62と、凹状の溝部63を有している。係合部61と固定部62は、張出材60の室内側の端部に設けられている。固定部62は、左右方向Rにおいて、係合部61に対して枠体3の開口部3A側に位置して、開口部3A側に突出している。溝部63は、張出材60の室外側の端部を含む張出材60の室外側の部分に形成され、左右方向Rにおいて、開口部3Aの反対側(反開口部側)に向かって開放されている。開口部3Aの反対側は、間隙8側である。
【0030】
張出材60の係合部61は、突出部55の被係合部55Aに係合する。その状態で、張出材60の固定部62は、突出部55の被固定部55Bに室外側から当接して、被固定部55Bに重ねて配置される。固定具80は、ボルト及びナットであり、張出材60の固定部62を突出部55の被固定部55Bに固定する。これにより、張出材60(ここでは、室内側の端部)は、突出部55の室外側の端部に取り付けられて、突出部55の室外側の端部から室外側に張り出す。
【0031】
縦枠6の張出部6A、縦枠本体50の突出部55、張出材60、及び、間隙8は、パネル体2A及び縦枠本体50の保持部51よりも室外側に位置している。張出部6Aは、突出部55及び張出材60からなり、パネル体2A及び保持部51よりも室外側の位置まで張り出す。張出部6Aは、保持部51の室外側で、保持部51に接続し、保持部51から室外側に張り出して、室内外方向Sに沿って配置されている。
【0032】
縦枠6の張出部6Aは、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の張出部6Aと間隙8を挟んで対向して配置される。また、張出部6Aの突出部55は、他の縦枠6の張出部6Aの突出部55との間に間隙8を形成し、他の縦枠6の張出部6Aの突出部55と間隙8を挟んで対向して配置される。張出部6Aの張出材60は、他の縦枠6の張出部6Aの張出材60との間に間隙8を形成し、他の縦枠6の張出部6Aの張出材60と間隙8を挟んで対向して配置される。
【0033】
縦枠6の張出部6Aは、室外側の端面部6Bと、左右の側面部6C、6D(第1側面部6C、第2側面部6D)と、カバー30、40を受ける5つの受け部6E~6I(第1受け部6E、第2受け部6F、第3受け部6G、第4受け部6H、第5受け部6I)を有している。張出部6Aの端面部6Bは、張出材60及び張出部6Aの室外側の端面(先端面)となる部分であり、室外側に向けて配置されている。また、端面部6Bは、溝部63の室外側の壁部、及び、張出材60及び張出部6Aの室外側の見付け部(端面部)であり、縦枠6の見付け方向(左右方向R)に沿って配置されている。
【0034】
張出部6Aの左右の側面部6C、6Dは、張出部6Aを室外側からみたときに、突出部55、張出材60、及び、張出部6Aの左右の側面となる部分であり、張出部6Aの左右方向Rの一方側と他方側に位置して、張出部6Aの左右の側方に向けて配置されている。また、側面部6C、6Dは、張出部6Aの左右の見込み部(第1見込み部、第2見込み部)であり、縦枠6の見込み方向(室内外方向S)に沿って配置されている。側面部6C、6Dは、それぞれ室内外方向Sに連続する突出部55の側面部6C、6Dと張出材60の側面部6C、6Dからなり、張出部6Aの端面部6Bと縦枠本体50の保持部51の間に位置している。
【0035】
第1側面部6Cは、張出部6Aの左右方向Rにおける枠体3の開口部3A側に位置し、第2側面部6Dは、張出部6Aの左右方向Rにおける開口部3Aの反対側(間隙8側)に位置している。突出部55の被固定部55Bと張出材60の固定部62は、第1側面部6Cに設けられて、第1側面部6Cの室内外方向Sの中間部に位置している。張出材60の溝部63は、第2側面部6Dに設けられて、端面部6Bの室内側、及び、第2側面部6Dの室外側の端部を含む第2側面部6Dの室外側の部分に形成されている。間隙8は、左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6Aの第2側面部6Dの間に形成されている。
【0036】
張出部6Aの受け部6E~6Iは、カバー30、40が装着される被装着部である。第1受け部6E、第2受け部6F、及び、第3受け部6Gは、第1側面部6Cに設けられている。また、第4受け部6Hは、端面部6B及び第2側面部6Dに設けられ、第5受け部6Iは、第2側面部6Dに設けられている。
【0037】
第1受け部6Eは、突出部55、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室内側の端部に位置している。第2受け部6Fは、突出部55の室外側の端部に位置するとともに、張出部6A及び第1側面部6Cの室内外方向Sの中間部に位置している。第3受け部6Gは、張出材60、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室外側の端部に位置している。第4受け部6Hは、張出材60、張出部6A、及び、第2側面部6Dの室外側の端部に位置するとともに、端面部6Bの間隙8側の端部に位置している。第5受け部6Iは、張出材60、張出部6A、及び、第2側面部6Dの室内外方向Sの中間部に位置している。第4受け部6Hと第5受け部6Iは、溝部63の室内外方向Rの一方側と他方側に位置している。
【0038】
縦枠6は、縦枠6の張出部6Aの第2側面部6Dに取り付けられた水密材73を有している。水密材73は、第2側面部6Dの張出材60の溝部63及び第5受け部6Iの室内側に隣接する部分に取り付けられて、縦枠6及び張出部6Aの長手方向(上下方向)に延びる。また、水密材73は、端面部6Bから室内側に離隔し、溝部63の室内側に隣接する位置で、第2側面部6Dから間隙8側に突出している。間隙8で、縦枠6の水密材73は、左右方向Rに隣り合う他の縦枠6の水密材73と室内外方向Sにおいて重ね合わせて配置される。互いに重なり合う水密材73により、左右方向Rに隣り合う縦枠6Aの張出部6A(第2側面部6D)の間の箇所が止水される。
【0039】
左右方向Rに隣り合う縦枠6の水密材73により、間隙8が室内外方向Sに仕切られる。間隙8は、水密材73により、室内側空間8Aと室外側空間8Bとに仕切られる。室内側空間8Aは、間隙8における水密材73よりも室内側に位置する空間であり、第2側面部6Dの水密材73よりも室内側の部分により形成される。室外側空間8Bは、間隙8における水密材73よりも室外側に位置する空間であり、第2側面部6Dの水密材73よりも室外側の部分である溝部63の側方に形成される。水密材73は、間隙8の室内側空間8Aと室外側空間8Bの間に位置している。左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6Aを室外側からみたときに、水密材73により、間隙8の室内側空間8A、第2側面部6Dの水密材73よりも室内側の部分、及び、張出部6Aの室内側空間8Aに面する部分が遮蔽される。間隙8の室外側空間8Bは、縦枠6の室外側に向かって開放されている。
【0040】
カバー30、40は、パネル体2Aの室外側で、縦枠6の張出部6Aの露出部6Jを覆って、露出部6Jを遮蔽する。露出部6Jは、張出部6Aにおいて張出部6Aの外部に露出する部分である。また、左右のカーテンウォールユニット2の縦枠6の張出部6Aが左右方向Rに隣り合う状態で、張出部6Aの外部は、隣り合う左右の張出部6Aに対して外部となる部分であり、露出部6Jは、隣り合う左右の張出部6Aの外部に露出する部分である。カバー30、40がない状態で、露出部6Jは、カーテンウォールユニット2の室外側において露出して、外気に晒される。
【0041】
カーテンウォールユニット2は、縦枠6の張出部6A(ここでは、張出部6Aの露出部6J)とカバー30、40の間に介在する5つの絶縁材74を備えている。カバー30、40は、パネル体2Aよりも室外側の位置で、張出部6Aとの間に絶縁材74を介在させて、張出部6Aに装着される。絶縁材74は、張出部6Aとカバー30、40の間に設けられて、張出部6Aとカバー30、40に接触する。
【0042】
絶縁材74は、断熱機能を有する弾性変形可能な断熱材(ここでは、弾性体である絶縁ゴム)であり、カバー30、40の全体を縦枠6の張出部6A及び露出部6Jから離隔して配置する。絶縁材74は、固体絶縁材(固体断熱材)であり、張出部6Aの長手方向(上下方向)の全体に、又は、張出部6Aの長手方向の複数箇所に設けられる。ここでは、絶縁材74は、張出部6Aの長手方向の全体にわたって設けられて、張出部6Aとカバー30、40の間に挟まれる。また、絶縁材74は、張出部6Aとカバー30、40の間の複数箇所に設けられる。カバー30、40は、絶縁材74により、全体にわたって張出部6A及び露出部6Jに接触せずに、張出部6A及び露出部6Jとの間に隙間をあけて配置される。
【0043】
カバー30、40は、パネル体2Aよりも室外側に位置し、縦枠6の張出部6Aの外部において、張出部6Aの露出部6Jの全体を覆う。ここでは、露出部6Jは、端面部6B、第1側面部6C、第2側面部6Dの水密材73よりも室外側の部分である溝部63、及び、受け部6E~6Iであり、受け部6E~6Iは、露出部6Jに設けられている。露出部6Jである端面部6B、第1側面部6C、及び、第1~第4受け部6E~6Hは、第1カバー30により覆われる。第1カバー30は、張出部6Aに対して枠体3の開口部3A側及び室外側に配置されて、露出部6Jを開口部3A側及び室外側から覆う。また、露出部6Jである端面部6B、溝部63、及び、第4、第5受け部6H、6Iは、第2カバー40により覆われる。第2カバー40は、張出部6Aに対して間隙8側に配置されて、露出部6Jを間隙8側から覆う。
【0044】
第1カバー30は、板状の2つの覆い部31、32(第1覆い部31、第2覆い部32)と、第1覆い部31に取り付けられた隙間塞ぎ材33と、縦枠6の張出部6Aに装着される4つの装着部34~37(第1装着部34、第2装着部35、第3装着部36、第4装着部37)を有している。第1覆い部31は、露出部6Jである第1側面部6Cに対して枠体3の開口部3A側に位置して、室内外方向Sに沿って配置され、第1側面部6Cから離隔した状態で、第1側面部6Cを開口部3A側から覆う。また、第1覆い部31は、縦枠本体50の保持部51から室外側に離隔し、縦枠本体50の保持部51との間に隙間をあけて配置される。隙間塞ぎ材33は、第1覆い部31から室内側に突出して、第1覆い部31と縦枠本体50の保持部51の間の隙間に配置され、縦枠本体50の保持部51に当接して、第1覆い部31と縦枠本体50の保持部51の間の隙間を塞ぐ。その状態で、隙間塞ぎ材33は、第1覆い部31とともに、第1側面部6Cから離隔した状態で、第1側面部6Cを開口部3A側から覆う。
【0045】
第2覆い部32は、第1覆い部31の室外側の端部に接続し、第1覆い部31の室外側の端部から間隙8(室外側空間8B)側に突出している。第2覆い部32は、露出部6Jである端面部6Bに対して室外側に位置して、左右方向Rに沿って配置され、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室外側から覆う。
【0046】
第1装着部34は、第1覆い部31及び第1カバー30の室内側の端部に位置している。第2装着部35は、第1覆い部31及び第1カバー30の室内外方向Sの中間部に位置している。第3装着部36と第4装着部37は、第1カバー30の室外側の端部に位置している。また、第3装着部36は、第2覆い部32の左右方向Rの中間部に位置し、第4装着部37は、第2覆い部32の間隙8側の先端部に位置している。
【0047】
絶縁材74は、第1装着部34と第1受け部6Eの間、第2装着部35と第2受け部6Fの間、第3装着部36と第3受け部6Gの間、及び、第4装着部37と第4受け部6Hの間のそれぞれに設けられる。装着部34~37及び第1カバー30は、張出部6Aの受け部6E~6Hとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6E~6Hに受けられ、受け部6E~6H及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第1側面部6C)に装着される。その状態で、第1カバー30は、ビスである固定具81により、張出部6Aの露出部6J(突出部55の第1側面部6C)に固定される。固定具81は、第1カバー30の第1装着部34を露出部6Jに固定する。
【0048】
第2カバー40は、覆い部41と、縦枠6の張出部6Aに装着される2つの装着部42、43(室外側装着部42、室内側装着部43)を有している。覆い部41は、第2カバー40の溝状に形成された溝部であり、露出部6Jである第2側面部6Dの溝部63に対して間隙8(室外側空間8B)側に位置して、溝部63内に配置されている。また、覆い部41は、溝部63から離隔した状態で、溝部63を間隙8側から覆う。覆い部41は、露出部6Jである端面部6Bに対して室内側に位置して、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室内側から覆う。
【0049】
室外側装着部42は、覆い部41の室外側の端部に位置し、室内側装着部43は、覆い部41の室内側の端部に位置している。絶縁材74は、室外側装着部42と第4受け部6Hの間、室内側装着部43と第5受け部6Iの間のそれぞれに設けられる。装着部42、43及び第2カバー40は、張出部6Aの受け部6H、6Iとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6H、6Iに受けられ、受け部6H、6I及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第2側面部6Dの溝部63)に装着される。その状態で、第2カバー40は、ビスである固定具82により、張出部6Aの露出部6J(溝部63)に固定される。固定具82は、第2カバー40の覆い部41を露出部6Jに固定する。
【0050】
カバー30、40は、ゴンドラ20をガイドする溝状のガイドレール90を有している。ガイドレール90は、縦枠6の張出部6Aの左右方向Rの一方側に位置するカバー30、40に形成されて、カバー30、40の一部を構成する。ここでは、左右方向Rの一方側は、間隙8側であり、ガイドレール90は、第2カバー40に一体に形成されている。第2カバー40は、張出部6Aの間隙8側に位置して、張出部6Aの間隙8側の露出部6Jを覆う。ガイドレール90は、第2カバー40の溝状の覆い部41であり、左右方向Rにおいて、間隙8側に向かって開放されている。第2カバー40及びガイドレール90は、パネル体2Aよりも室外側に位置して、張出部6Aの長手方向に延びる。上下方向に並ぶカーテンウォールユニット2のガイドレール90は、互いに室内外方向S及び左右方向Rの位置を合わせて、上下方向に並べて配置される。
【0051】
ゴンドラ20は、人が搭乗するゴンドラ本体(図示せず)と、第2カバー40のガイドレール90によりガイドされる複数(
図3では、2つ)のガイドローラ21と、ガイドローラ21をゴンドラ本体に連結するロッド状の連結部材22を有している。ゴンドラ本体は、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2の室外側で上下方向に移動する。連結部材22は、ゴンドラ本体から縦枠6の張出部6Aに向かって延びる。ガイドローラ21は、連結部材22の先端部に回転可能に設けられ、ガイドレール90の内側に配置されて、ガイドレール90によりガイドされる。ガイドローラ21及びゴンドラ20は、ガイドレール90により、ガイドレール90及び縦枠6の長手方向にガイドされて、縦枠6の長手方向に移動する。
【0052】
第2カバー40及びガイドレール90は、張出部6Aの室外側の部分の間隙8(室外側空間8B)側に位置して、張出部6Aの室外側の部分の間隙8側の露出部6J(溝部63、端面部6B)を覆う。左右方向Rに隣り合うカーテンウォールユニット2の第2カバー40及びガイドレール90は、それぞれ縦枠6の張出部6Aの間隙8側に設けられ、間隙8の室外側空間8Bを挟んで、左右方向Rに隣り合う。左右方向Rに隣り合う第2カバー40及びガイドレール90は、互いの間に間隙8の室外側空間8Bを形成し、左右方向Rにおいて互いに対向して、左右方向Rに離隔した状態で左右に隣接して配置されている。連結部材22は、ゴンドラ本体から間隙8の室外側空間8Bまで延び、連結部材22及びガイドローラ21は、間隙8の室外側空間8Bに配置される。ガイドローラ21は、間隙8の室外側空間8Bにおいて、左右方向Rに隣り合うガイドレール90の内側のそれぞれに配置されて、ガイドレール90によりガイドされる。
【0053】
以上説明したカーテンウォールユニット2では、カバー30、40により、縦枠6の張出部6Aの露出部6Jが外気に晒されるのを妨げて、外気により、張出部6A及び縦枠6が冷されるのを抑制することができる。また、外気によりカバー30、40の温度が低下したときに、絶縁材74により、張出部6Aとカバー30、40の間での熱の伝達を阻害して、カバー30、40への伝熱により張出部6A及び縦枠6が冷されるのを妨げることができる。左右方向Rに隣り合う縦枠6の水密材73によっても、張出部6A及び縦枠6が外気により冷されるのを妨げることができる。そのため、張出部6Aによる縦枠6の温度の低下を緩和して、室内に向けて配置される縦枠6の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することができる。
【0054】
張出部6Aの露出部6Jの全体をカバー30、40により覆うことで、外気が張出部6Aに直接に接するのを妨げて、張出部6A及び縦枠6の温度の低下を緩和することができる。また、カバー30、40により、縦枠本体50の突出部55及び突出部55に取り付けられた張出材60からなる張出部6Aの露出部6Jが外気に晒されるのを妨げて、張出部6A及び縦枠6の温度の低下を抑制することができる。
【0055】
ガイドレール90は、ゴンドラ20をガイドするため、カーテンウォールユニット2の室外側で外部に露出する箇所に設ける必要があり、外気に晒される。これに対し、ガイドレール90を第2カバー40に設けることで、張出部6Aが外気に晒されるのを妨げて、外気により、張出部6A及び縦枠6が冷されるのを緩和することができる。ただし、ガイドレール90は、張出部6Aの左右方向Rにおける枠体3の開口部3A側に位置する第1カバー30に形成してもよい。この場合には、ガイドレール90は、第1カバー30の室内外方向Rの任意の位置(例えば、室外側の部分、室内側の部分、室内外方向Rの中間の部分)に形成することができる。このように、ガイドレール90が張出部6Aの左右方向Rのいずれの側に設けられるときでも、縦枠6の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することができる。
【0056】
なお、張出部6Aの露出部6Jの態様に応じて、1つのカバーのみで露出部6Jを覆ってもよく、複数のカバーで露出部6Jを覆ってもよい。また、張出材60は、化粧材に限定されず、室外側に張り出す他の張出材であってもよい。ゴンドラをガイドする必要がない場合等には、ガイドレール90をカバー30、40に形成しなくてもよい。
【0057】
パネル体2Aの室内側で、縦枠6をカバー(室内側カバー)で覆うようにしてもよい。この場合には、縦枠6と室内側カバーの間に絶縁材を介在させて、室内側カバーを縦枠6に装着する。また、本発明は、固定されたパネル体2Aを備えたカーテンウォールユニット2に限定されず、種々のカーテンウォールユニット(例えば、開閉可能又は移動可能なパネル体を備えたカーテンウォールユニット)に適用することができる。
【0058】
次に、他の実施形態のカーテンウォールユニット2について説明する。以下の各実施形態では、第1実施形態と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態と相違する事項について主に説明する。また、以下の各実施形態に関し、第1実施形態の構成に相当する構成には、第1実施形態の構成と同じ名称を用いる。
【0059】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のカーテンウォールユニット2を示す横断面図であり、
図3と同様に、左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6側の部分を示している。
図6は、第2実施形態のカーテンウォールユニット2の縦枠6とカバー30、40を分解して示す横断面図であり、
図4と同様に、
図5に示す左右の縦枠6及びカバー30、40のうちの左方の縦枠6及びカバー30、40を示している。
【0060】
図示のように、第2実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠6は、開口部3Aを形成する縦枠本体50を有し、縦枠本体50は、パネル体2Aよりも室外側の位置まで突出する突出部55を有している。ただし、縦枠6は、張出材60を有しておらず、縦枠6の張出部6Aは、縦枠本体50の突出部55である。このように、張出部6Aは、張出材60を含まず、縦枠本体50の突出部55のみからなる。
【0061】
縦枠本体50の突出部55は、被係合部55A及び被固定部55Bを有さず、凹状の溝部56を有している。突出部55の溝部56は、第1実施形態の張出材60の溝部63と同様に構成されており、突出部55の室外側の端部を含む突出部55の室外側の部分に形成され、左右方向Rにおいて、間隙8側に向かって開放されている。
【0062】
張出部6Aの端面部6Bは、突出部55の室外側の端面(先端面)となる部分であり、突出部55の室外側の見付け部(端面部)である。張出部6Aの左右の側面部6C、6Dは、それぞれ突出部55の側面部6C、6Dである。突出部55の溝部56は、第2側面部6Dに設けられて、端面部6Bの室内側、及び、第2側面部6Dの室外側の端部を含む第2側面部6Dの室外側の部分に形成されている。
【0063】
縦枠6の張出部6Aは、4つの受け部6E~6H(第1受け部6E、第2受け部6F、第3受け部6G、第4受け部6H)を有している。第1受け部6Eと第2受け部6Fは、第1側面部6Cに設けられている。また、第1受け部6Eは、突出部55、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室内側の端部に位置し、第2受け部6Fは、突出部55、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室外側の端部に位置している。第3受け部6Gは、端面部6B及び第2側面部6Dに設けられて、突出部55、張出部6A、及び、第2側面部6Dの室外側の端部に位置するとともに、端面部6Bの間隙8側の端部に位置している。第4受け部6Hは、第2側面部6Dに設けられて、突出部55、張出部6A、及び、第2側面部6Dの室内外方向Sの中間部に位置している。第3受け部6Gと第4受け部6Hは、溝部56の室内外方向Rの一方側と他方側に位置している。
【0064】
水密材73は、第2側面部6Dの突出部55の溝部56及び第4受け部6Hの室内側に隣接する部分に取り付けられて、縦枠6及び突出部55の長手方向(上下方向)に延びる。また、水密材73は、溝部56の室内側に隣接する位置で、第2側面部6Dから間隙8側に突出している。間隙8の室外側空間8Bは、第2側面部6Dの水密材73よりも室外側の部分である溝部56の側方に形成されている。
【0065】
カーテンウォールユニット2は、4つの絶縁材74を備えている。張出部6Aの露出部6Jは、端面部6B、第1側面部6C、第2側面部6Dの水密材73よりも室外側の部分である溝部56、及び、受け部6E~6Hである。露出部6Jである端面部6B、第1側面部6C、及び、第1~第3受け部6E~6Gは、第1カバー30により覆われる。また、露出部6Jである端面部6B、溝部56、及び、第3、第4受け部6G、6Hは、第2カバー40により覆われる。
【0066】
第1カバー30は、3つの装着部34~36(第1装着部34、第2装着部35、第3装着部36)を有している。第1装着部34は、第1覆い部31及び第1カバー30の室内側の端部に位置している。第2装着部35と第3装着部36は、第1カバー30の室外側の端部に位置している。また、第2装着部35は、第2覆い部32の左右方向Rの中間部に位置し、第3装着部36は、第2覆い部32の間隙8側の先端部に位置している。
【0067】
絶縁材74は、第1装着部34と第1受け部6Eの間、第2装着部35と第2受け部6Fの間、及び、第3装着部36と第3受け部6Gの間のそれぞれに設けられる。装着部34~36及び第1カバー30は、張出部6Aの受け部6E~6Gとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6E~6Gに受けられ、受け部6E~6G及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第1側面部6C)に装着される。
【0068】
第2カバー40の覆い部41は、露出部6Jである第2側面部6Dの溝部56に対して間隙8(室外側空間8B)側に位置して、溝部56内に配置され、溝部56から離隔した状態で、溝部56を間隙8側から覆う。絶縁材74は、第2カバー40の室外側装着部42と第3受け部6Gの間、及び、第2カバー40の室内側装着部43と第4受け部6Hの間のそれぞれに設けられる。装着部42、43及び第2カバー40は、張出部6Aの受け部6G、6Hとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6G、6Hに受けられ、受け部6G、6H及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第2側面部6Dの溝部56)に装着される。その状態で、第2カバー40は、固定具82により、張出部6Aの露出部6J(溝部56)に固定される。第2カバー40及びガイドレール90は、溝部56を覆う。
【0069】
第2実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠本体50の突出部55である張出部6Aの露出部6Jが外気に晒されるのを妨げて、張出部6A及び縦枠6の温度の低下を抑制することができる。
【0070】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態のカーテンウォールユニット2を示す横断面図であり、
図5と同様に、左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6側の部分を示している。
図8は、第3実施形態のカーテンウォールユニット2の縦枠6とカバー30、40を分解して示す横断面図であり、
図6と同様に、
図7に示す左右の縦枠6及びカバー30、40のうちの左方の縦枠6及びカバー30、40を示している。
【0071】
図示のように、第3実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠6は、開口部3Aを形成する縦枠本体50を有し、縦枠本体50は、パネル体2Aよりも室外側の位置まで突出する突出部55を有している。ただし、縦枠6は、張出材60を有しておらず、縦枠6の張出部6Aは、縦枠本体50の突出部55である。このように、張出部6Aは、張出材60を含まず、縦枠本体50の突出部55のみからなる。
【0072】
縦枠本体50の突出部55は、被係合部55A及び被固定部55Bを有さず、突片57を有している。突片57は、突出部55の室外側の端部に設けられ、左右方向Rにおいて、枠体3の開口部3A側に突出している。張出部6Aの端面部6Bは、突出部55の室外側の端面(先端面)となる部分であり、突片57を含む突出部55の室外側の見付け部(端面部)である。張出部6Aの左右の側面部6C、6Dは、それぞれ突出部55の側面部6C、6Dである。突片57は、第1側面部6Cの室外側の端部に位置している。
【0073】
縦枠6の張出部6Aは、3つの受け部6E~6G(第1受け部6E、第2受け部6F、第3受け部6G)を有している。第1受け部6Eと第2受け部6Fは、第1側面部6Cに設けられて、突出部55、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室内側の端部に位置している。第3受け部6Gは、突片57であり、端面部6Bに設けられて、突出部55、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室外側の端部に位置するとともに、端面部6Bの開口部3A側の部分に位置している。
【0074】
カーテンウォールユニット2は、4つの絶縁材74を備えている。張出部6Aの露出部6Jは、端面部6B、第1側面部6C、及び、受け部6E~6Gである。露出部6Jである端面部6B、第1側面部6C、及び、受け部6E~6Gは、第1カバー30により覆われる。第1カバー30は、張出部6Aに対して枠体3の開口部3A側に配置されて、露出部6Jを開口部3A側から覆う。また、露出部6Jである端面部6B、及び、第3受け部6Gは、第2カバー40により覆われる。第2カバー40は、張出部6Aに対して室外側に配置されて、露出部6Jを室外側から覆う。
【0075】
第1カバー30は、第2覆い部32を有さず、第1覆い部31に形成された凹状の溝部38を有している。溝部38は、第1カバー30及び第1覆い部31の室外側の部分に形成されて、左右方向Rにおいて、枠体3の開口部3A側に向かって開放されている。第1覆い部31は、第1側面部6Cを覆うとともに、露出部6Jである端面部6B(突片57)に対して室内側に位置して、溝部38の室外側の壁部により、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室内側から覆う。第1カバー30は、3つの装着部34~36(第1装着部34、第2装着部35、第3装着部36)を有している。第1装着部34と第2装着部35は、第1覆い部31及び第1カバー30の室内側の端部に位置している。第3装着部36は、第1カバー30の室外側の端部に位置している。
【0076】
絶縁材74は、第1装着部34と第1受け部6Eの間、第2装着部35と第2受け部6Fの間、及び、第3装着部36と第3受け部6Gの間のそれぞれに設けられる。第1装着部34と第1受け部6Eの間の絶縁材74は、ビスである固定具83により、張出部6Aの露出部6J(突出部55の第1側面部6C)に固定される。装着部34~36及び第1カバー30は、張出部6Aの受け部6E~6Gとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6E~6Gに受けられ、受け部6E~6G及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第1側面部6C)に装着される。その状態で、第1カバー30の第2装着部35は、固定具81により、露出部6J(突出部55の第1側面部6C)に固定される。
【0077】
第2カバー40の覆い部41は、中空形状に形成されている。覆い部41は、露出部6Jである端面部6Bに対して室外側に位置し、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室外側から覆う。第2カバー40は、室外側装着部42と室内側装着部43を有さず、端面部6Bと対向する装着部44(対向装着部)を有している。絶縁材74は、第2カバー40の装着部44と第3受け部6Gの間に設けられる。装着部44及び第2カバー40は、張出部6Aの第3受け部6Gとの間に絶縁材74を介在させて、第3受け部6Gに受けられ、第3受け部6G及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B)に装着される。その状態で、第2カバー40は、固定具82により、張出部6Aの露出部6J(端面部6Bである突片57)に固定される。
【0078】
水密材73は、張出部6A及び第2カバー40の間隙8側の箇所で、端面部6Bと第2カバー40の間に挟まれて取り付けられ、縦枠6及び突出部55の長手方向に延びる。また、水密材73は、端面部6Bの室外側の位置で、第2カバー40から間隙8側に突出して、間隙8の室外側に配置される。互いに重なり合う水密材73により、左右方向Rに隣り合う第2カバー40の間の箇所が止水される。左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6Aを室外側からみたときに、左右方向Rに隣り合う縦枠6の水密材73により、間隙8、第2側面部6D、及び、張出部6Aの間隙8に面する部分が遮蔽される。
【0079】
ガイドレール90は、縦枠6の張出部6Aの左右方向Rの一方側(ここでは、枠体3の開口部3A側)に位置する第1カバー30に形成されて、第1カバー30の一部を構成する。第1カバー30は、張出部6Aの開口部3A側に位置して、張出部6Aの開口部3A側の露出部6Jを覆う。ガイドレール90は、第1カバー30の溝部38であり、左右方向Rにおいて、開口部3A側に向かって開放されている。第1カバー30の溝部38及びガイドレール90は、張出部6Aの室外側の部分の開口部3A側に位置して、張出部6Aの室外側の部分の開口部3A側の露出部6J(端面部6B、第1側面部6C)を覆う。連結部材22は、ゴンドラ本体から第1カバー30まで延びる。ガイドローラ21は、ガイドレール90に対して開口部3Aに位置して、ガイドレール90の内側に配置される。
【0080】
第3実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠本体50の突出部55である張出部6Aの露出部6Jが外気に晒されるのを妨げて、張出部6A及び縦枠6の温度の低下を抑制することができる。
【0081】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態のカーテンウォールユニット2を示す横断面図であり、
図7と同様に、左右方向Rに隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠6側の部分を示している。
図10は、第4実施形態のカーテンウォールユニット2の縦枠6とカバー30、40を分解して示す横断面図であり、
図8と同様に、
図9に示す左右の縦枠6及びカバー30、40のうちの左方の縦枠6及びカバー30、40を示している。
【0082】
図示のように、第4実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠6は、開口部3Aを形成する縦枠本体50と、縦枠本体50に取り付けられて縦枠本体50から室外側に張り出す張出材60を有している。ただし、縦枠本体50は、突出部55を有しておらず、縦枠6の張出部6Aは、張出材60である。このように、張出部6Aは、縦枠本体50の突出部55を含まず、張出材60のみからなる。
【0083】
縦枠本体50の保持部51は、着脱可能な押縁51Aを有しており、押縁51Aにより、パネル体2Aの縦縁部2Bを室外側から保持している。また、縦枠本体50は、室外側の見付け部58と、張出材60が係合する被係合部58Aを有している。張出材60は、見付け部58の室外側に位置して、見付け部58よりも室外側の位置まで張り出す。見付け部58は、保持部51の間隙8側に位置し、被係合部58Aは、見付け部58の室外側に設けられている。張出材60の係合部61は、見付け部58の被係合部58Aに係合する。その状態で、固定具80は、張出材60を見付け部58に固定する。これにより、張出材60(ここでは、室内側の端部)は、見付け部58の室外側で、縦枠本体50の室外側の端部である見付け部58に取り付けられて、見付け部58から室外側に張り出す。
【0084】
張出材60は、固定部62と溝部63を有さず、突片64を有している。突片64は、張出材60の室外側の端部に設けられ、左右方向Rにおいて、枠体3の開口部3A側に突出している。張出部6Aの端面部6Bは、突片64を含む張出材60の室外側の端面部である。張出部6Aの左右の側面部6C、6Dは、それぞれ張出材60の側面部6C、6Dである。突片64は、端面部6Bに設けられて、第1側面部6Cの室外側の端部に位置している。
【0085】
縦枠6の張出部6Aは、3つの受け部6E~6G(第1受け部6E、第2受け部6F、第3受け部6G)を有している。第1受け部6Eと第2受け部6Fは、第1側面部6Cに設けられている。また、第1受け部6Eは、張出材60、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室内側の端部に位置し、第2受け部6Fは、張出材60、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室内外方向Sの中間部に位置している。第3受け部6Gは、突片64であり、端面部6Bに設けられて、張出材60、張出部6A、及び、第1側面部6Cの室外側の端部に位置するとともに、端面部6Bの開口部3A側の部分に位置している。
【0086】
カーテンウォールユニット2は、4つの絶縁材74を備えている。張出部6Aの露出部6Jは、端面部6B、第1側面部6C、及び、受け部6E~6Gである。露出部6Jである端面部6B、第1側面部6C、及び、受け部6E~6Gは、第1カバー30により覆われる。第1カバー30は、張出部6Aに対して枠体3の開口部3A側に配置されて、露出部6Jを開口部3A側から覆う。また、露出部6Jである端面部6B、及び、第3受け部6Gは、第2カバー40により覆われる。第2カバー40は、張出部6Aに対して室外側に配置されて、露出部6Jを室外側から覆う。
【0087】
第1カバー30は、第2覆い部32を有さず、第1覆い部31に形成された凹状の溝部38を有している。溝部38は、第1カバー30及び第1覆い部31の室内側の部分に形成されて、左右方向Rにおいて、枠体3の開口部3A側に向かって開放されている。第1覆い部31は、第1側面部6Cを覆うとともに、露出部6Jである端面部6B(突片64)に対して室内側に位置して、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室内側から覆う。第1カバー30は、3つの装着部34~36(第1装着部34、第2装着部35、第3装着部36)を有している。第1装着部34は、第1覆い部31及び第1カバー30の室内側の端部に位置している。第2装着部35は、溝部38に接続して、溝部38の室外側に位置するとともに、第1覆い部31及び第1カバー30の室内外方向Rの中間部に位置している。第3装着部36は、第1カバー30の室外側の端部に位置している。
【0088】
絶縁材74は、第1装着部34と第1受け部6Eの間、第2装着部35と第2受け部6Fの間、及び、第3装着部36と第3受け部6Gの間のそれぞれに設けられる。第1装着部34と第1受け部6Eの間の絶縁材74は、ビスである固定具83により、張出部6Aの露出部6J(張出材60の第1側面部6C)に固定される。装着部34~36及び第1カバー30は、張出部6Aの受け部6E~6Gとの間に絶縁材74を介在させて、受け部6E~6Gに受けられ、受け部6E~6G及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B、第1側面部6C)に装着される。その状態で、第1カバー30は、固定具81により、張出部6Aの露出部6J(張出材60の第1側面部6C)に固定される。固定具81は、第1カバー30の第2装着部35を露出部6Jに固定する。
【0089】
第2カバー40の覆い部41は、中空形状に形成されている。覆い部41は、露出部6Jである端面部6Bに対して室外側に位置し、端面部6Bから離隔した状態で、端面部6Bを室外側から覆う。第2カバー40は、室外側装着部42と室内側装着部43を有さず、端面部6Bと対向する装着部44(対向装着部)を有している。絶縁材74は、第2カバー40の装着部44と第3受け部6Gの間に設けられる。装着部44及び第2カバー40は、張出部6Aの第3受け部6Gとの間に絶縁材74を介在させて、第3受け部6Gに受けられ、第3受け部6G及び張出部6Aの露出部6J(端面部6B)に装着される。その状態で、第2カバー40は、固定具82により、張出部6Aの露出部6J(端面部6Bである突片64)に固定される。
【0090】
水密材73は、張出部6A及び第2カバー40の間隙8側の箇所で、端面部6Bと第2カバー40の間に挟まれて取り付けられ、縦枠6及び突出部55の長手方向に延びる。また、水密材73は、端面部6Bの室外側の位置で、第2カバー40から間隙8側に突出して、間隙8の室外側に配置される。互いに重なり合う水密材73により、左右方向Rに隣り合う第2カバー40の間の箇所が止水される。左右方向Rに隣り合う縦枠6の張出部6Aを室外側からみたときに、左右方向Rに隣り合う縦枠6の水密材73により、間隙8、第2側面部6D、及び、張出部6Aの間隙8に面する部分が遮蔽される。
【0091】
ガイドレール90は、縦枠6の張出部6Aの左右方向Rの一方側(ここでは、枠体3の開口部3A側)に位置する第1カバー30に形成されて、第1カバー30の一部を構成する。第1カバー30は、張出部6Aの開口部3A側に位置して、張出部6Aの開口部3A側の露出部6Jを覆う。ガイドレール90は、第1カバー30の溝部38であり、左右方向Rにおいて、開口部3A側に向かって開放されている。第1カバー30の溝部38及びガイドレール90は、張出部6Aの室内側の部分の開口部3A側に位置して、張出部6Aの室内側の部分の開口部3A側の露出部6J(第1側面部6C)を覆う。連結部材22は、ゴンドラ本体から第1カバー30まで延びる。ガイドローラ21は、ガイドレール90に対して開口部3Aに位置して、ガイドレール90の内側に配置される。
【0092】
第4実施形態のカーテンウォールユニット2では、縦枠本体50に取り付けられる張出材60である張出部6Aの露出部6Jが外気に晒されるのを妨げて、張出部6A及び縦枠6の温度の低下を抑制することができる。
【0093】
以上のとおり、カーテンウォールユニットは、
縦枠により形成される開口部に配置されるパネル体を備えたカーテンウォールユニットであって、
前記縦枠は、前記パネル体よりも室外側の位置まで張り出す張出部を有し、
前記張出部の外部に露出する露出部を覆うカバーと、
前記張出部と前記カバーの間に介在する絶縁材と、
を備えたカーテンウォールユニットである。
従って、カーテンウォールユニットのパネル体よりも室外側に張り出す張出部による縦枠の温度の低下を緩和して、縦枠の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することができる。
【0094】
前記カバーは、ゴンドラをガイドするガイドレールを有する。
従って、張出部が外気に晒されるのを妨げて、外気により、張出部及び縦枠が冷されるのを緩和することができる。
【0095】
前記ガイドレールは、前記張出部の左右方向の一方側に位置する前記カバーに形成される。
従って、ガイドレールが張出部の左右方向のいずれの側に設けられるときでも、縦枠の室内側の表面に結露が発生するのを抑制することができる。
【0096】
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体と、前記縦枠本体に取り付けられた張出材と、を有し、
前記縦枠本体は、前記パネル体よりも室外側の位置まで突出する突出部を有し、
前記張出材は、前記突出部に取り付けられて、前記突出部から室外側に張り出し、
前記張出部は、前記突出部及び前記張出材からなる。
従って、カバーにより、縦枠本体の突出部及び突出部に取り付けられた張出材からなる張出部の露出部が外気に晒されるのを妨げて、張出部及び縦枠の温度の低下を抑制することができる。
【0097】
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体を有し、
前記縦枠本体は、前記パネル体よりも室外側の位置まで突出する突出部を有し、
前記張出部は、前記突出部である。
従って、縦枠本体の突出部である張出部の露出部が外気に晒されるのを妨げて、張出部及び縦枠の温度の低下を抑制することができる。
【0098】
前記縦枠は、前記開口部を形成する縦枠本体と、前記縦枠本体に取り付けられて前記縦枠本体から室外側に張り出す張出材と、を有し、
前記張出部は、前記張出材である。
従って、縦枠本体に取り付けられる張出材である張出部の露出部が外気に晒されるのを妨げて、張出部及び縦枠の温度の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0099】
1・・・カーテンウォール、2・・・カーテンウォールユニット、2A・・・パネル体、2B・・・縦縁部、3・・・枠体、3A・・・開口部、4・・・上枠、5・・・下枠、6・・・縦枠、6A・・・張出部、6B・・・端面部、6C・・・第1側面部、6D・・・第2側面部、6E・・・第1受け部、6F・・・第2受け部、6G・・・第3受け部、6H・・・第4受け部、6I・・・第5受け部、6J・・・露出部、7・・・無目、8・・・間隙、8A・・・室内側空間、8B・・・室外側空間、10・・・建物、11・・・外壁、20・・・ゴンドラ、21・・・ガイドローラ、22・・・連結部材、30・・・第1カバー、31・・・第1覆い部、32・・・第2覆い部、33・・・隙間塞ぎ材、34・・・第1装着部、35・・・第2装着部、36・・・第3装着部、37・・・第4装着部、38・・・溝部、40・・・第2カバー、41・・・覆い部、42・・・室外側装着部、43・・・室内側装着部、44・・・装着部、50・・・縦枠本体、51・・・保持部、51A・・・押縁、52・・・室内側部、53・・・第1被取付部、54・・・第2被取付部、55・・・突出部、55A・・・被係合部、55B・・・被固定部、56・・・溝部、57・・・突片、58・・・見付け部、58A・・・被係合部、60・・・張出材、61・・・係合部、62・・・固定部、63・・・溝部、64・・・突片、70・・・水密材、71・・・気密材、72・・・等圧空間、73・・・水密材、74・・・絶縁材、80・・・固定具、81・・・固定具、82・・・固定具、83・・・固定具、90・・・ガイドレール、R・・・左右方向、S・・・室内外方向。