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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019834
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】販促方法および販促システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240206BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240206BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20240206BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/02 398
G06Q30/02 300
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122558
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】506078404
【氏名又は名称】株式会社ローソン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平金 雄介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】販促方法および販促システムを提供する。
【解決手段】販促システム100は、顧客200の会員情報を取得する会員情報取得部と、会員情報に応じて、顧客の嗜好性を示す嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得部と、嗜好性情報に応じた販促情報を取得する販促情報取得部と、顧客に販促情報を提供する販促情報提供部とを備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員情報取得部が、顧客の会員情報を取得する段階と、
嗜好性情報取得部が、前記会員情報に応じて、前記顧客の嗜好性を示す嗜好性情報を取得する段階と、
販促情報取得部が、前記嗜好性情報に応じた販促情報を取得する段階と、
販促情報提供部が、前記顧客に前記販促情報を提供する段階と
を備える販促方法。
【請求項2】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客による商品の購買に関する購買データを含む
請求項1に記載の販促方法。
【請求項3】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客の購買に基づく購買属性データを含む
請求項1に記載の販促方法。
【請求項4】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客の会員貢献度を含む
請求項1に記載の販促方法。
【請求項5】
前記会員情報と複数の企画との紐づけ情報を記憶する段階と、
前記紐づけ情報に基づいて、前記複数の企画のうち前記会員情報に応じた企画の前記販促情報を選択する段階と
を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の販促方法。
【請求項6】
前記顧客の嗜好性情報をリアルタイムに更新する段階と、
前記顧客の嗜好性情報の更新に応じて、前記紐づけ情報を更新する段階と
を備える請求項5に記載の販促方法。
【請求項7】
前記会員情報と、前記会員情報に応じて前記販促情報を提供するか否かを示す発行ステータスとを紐づける段階と、
前記紐づけ情報に基づいて、前記販促情報を提供するか否かを決定する段階と
を備える請求項5に記載の販促方法。
【請求項8】
前記紐づけ情報は、前記顧客の来店頻度に応じた前記発行ステータスを含む
請求項7に記載の販促方法。
【請求項9】
コード発行部が、予め定められた発行要求に応じて、前記発行ステータスに応じたコードを発行する段階を備える
請求項7に記載の販促方法。
【請求項10】
前記販促情報は、複数の企画から選択された任意の企画の販促情報を含み、
前記コードを発行する段階は、同一の企画の前記販促情報に対して、前記顧客毎に異なる種類のコードを発行する
請求項9に記載の販促方法。
【請求項11】
前記コード発行部でコードを発行できなくなった場合に、次回以降に前記コードを発行するように前記発行ステータスを更新する段階を備える
請求項9に記載の販促方法。
【請求項12】
前記販促情報に応じた前記コードを前記顧客が使用することに応じて、さらに異なる前記販促情報を提供する段階を備える
請求項9に記載の販促方法。
【請求項13】
顧客の会員情報を取得する会員情報取得部と、
前記会員情報に応じて、前記顧客の嗜好性を示す嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得部と、
前記嗜好性情報に応じた販促情報を取得する販促情報取得部と、
前記顧客に前記販促情報を提供する販促情報提供部と
を備える販促システム。
【請求項14】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客による商品の購買に関する購買データを含む
請求項13に記載の販促システム。
【請求項15】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客の購買に基づく購買属性データを含む
請求項13に記載の販促システム。
【請求項16】
前記顧客の嗜好性情報は、前記顧客の会員貢献度を含む
請求項13に記載の販促システム。
【請求項17】
前記販促情報取得部は、
前記会員情報と複数の企画との紐づけ情報を記憶し、
前記紐づけ情報に基づいて、前記複数の企画のうち前記会員情報に応じた企画の前記販促情報を選択する
請求項13から16のいずれか一項に記載の販促システム。
【請求項18】
前記紐づけ情報は、前記会員情報と、前記会員情報に応じて前記販促情報を提供するか否かを示す発行ステータスとを紐づけた情報を含む
請求項17に記載の販促システム。
【請求項19】
前記販促情報取得部は、前記紐づけ情報に基づいて、前記販促情報を提供するか否かを決定し、
予め定められた発行要求に応じて、前記発行ステータスに応じたコードを発行するコード発行部を備える請求項18に記載の販促システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販促方法および販促システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「精算情報の他に所定の案内情報が印刷されたレシートが精算装置によって発行されることを顧客に報知することができる、商品登録装置、精算装置、およびPOSシステムを提供する」ことが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特許第6176205号公報
【0003】
顧客の嗜好性に合わせて販促することが好ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様においては、会員情報取得部が、顧客の会員情報を取得する段階と、嗜好性情報取得部が、会員情報に応じて、顧客の嗜好性を示す嗜好性情報を取得する段階と、販促情報取得部が、嗜好性情報に応じた販促情報を取得する段階と、販促情報提供部が、顧客に販促情報を提供する段階とを備える販促方法を提供する。
【0005】
顧客の嗜好性情報は、顧客による商品の購買に関する購買データを含んでよい。
【0006】
顧客の嗜好性情報は、顧客の購買に基づく購買属性データを含んでよい。
【0007】
顧客の嗜好性情報は、顧客の会員貢献度を含んでよい。
【0008】
販促方法は、会員情報と複数の企画との紐づけ情報を記憶する段階と、紐づけ情報に基づいて、複数の企画のうち会員情報に応じた企画の販促情報を選択する段階とを備えてよい。
【0009】
販促方法は、顧客の嗜好性情報をリアルタイムに更新する段階と、顧客の嗜好性情報の更新に応じて、紐づけ情報を更新する段階とを備えてよい。
【0010】
販促方法は、会員情報と、会員情報に応じて販促情報を提供するか否かを示す発行ステータスとを紐づける段階と、紐づけ情報に基づいて、販促情報を提供するか否かを決定する段階とを備えてよい。
【0011】
紐づけ情報は、顧客の来店頻度に応じた発行ステータスを含んでよい。
【0012】
販促方法は、コード発行部が、予め定められた発行要求に応じて、発行ステータスに応じたコードを発行する段階を備えてよい。
【0013】
販促情報は、複数の企画から選択された任意の企画の販促情報を含んでよい。コードを発行する段階は、同一の企画の販促情報に対して、顧客毎に異なる種類のコードを発行してよい。
【0014】
販促方法は、コード発行部でコードを発行できなくなった場合に、次回以降にコードを発行するように発行ステータスを更新する段階を備えてよい。
【0015】
販促方法は、販促情報に応じたコードを顧客が使用することに応じて、さらに異なる販促情報を提供する段階を備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、顧客の会員情報を取得する会員情報取得部と、会員情報に応じて、顧客の嗜好性を示す嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得部と、嗜好性情報に応じた販促情報を取得する販促情報取得部と、顧客に販促情報を提供する販促情報提供部とを備える販促システムを提供する。
【0017】
顧客の嗜好性情報は、顧客による商品の購買に関する購買データを含んでよい。
【0018】
顧客の嗜好性情報は、顧客の購買に基づく購買属性データを含んでよい。
【0019】
顧客の嗜好性情報は、顧客の会員貢献度を含んでよい。
【0020】
販促情報取得部は、会員情報と複数の企画との紐づけ情報を記憶し、紐づけ情報に基づいて、複数の企画のうち会員情報に応じた企画の販促情報を選択してよい。
【0021】
紐づけ情報は、会員情報と、会員情報に応じて販促情報を提供するか否かを示す発行ステータスとを紐づけた情報を含んでよい。
【0022】
販促情報取得部は、紐づけ情報に基づいて、販促情報を提供するか否かを決定してよい。販促システムは、予め定められた発行要求に応じて、発行ステータスに応じたコードを発行するコード発行部を備えてよい。
【0023】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】販促システム100の構成の概要を示す。
図1B】販促システム100の動作フローチャートの一例である。
図2】判定部20で用いる企画成立要件のリストの一例を示す。
図3】顧客200の会員貢献度の評価方法の一例を示す。
図4】販促情報取得部50で用いる紐づけ情報ILの一例を示す。
図5】販促システム100の動作を示すシーケンス図の一例である。
図6A】販促情報IPrの発行方法の一例を示す。
図6B】販促情報IPrの発行方法の一例を示す。
図6C】販促情報IPrの発行方法の一例を示す。
図6D】販促情報IPrの発行方法の一例を示す。
図7A】販促情報提供部10による販促情報IPrの発行方法の一例である。
図7B】販促情報提供部10が提供する販促情報IPrの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
図1Aは、販促システム100の構成の概要を示す。販促システム100は、販促情報提供部10と、判定部20と、会員情報取得部30と、嗜好性情報取得部40と、販促情報取得部50と、コード発行部60とを備える。
【0027】
販促情報提供部10は、顧客200の購入情報IBを取得して、購入情報IBに応じた販促情報IPrを提供する。一例において、販促情報提供部10は、購入情報IBを管理するPOSレジスタである。購入情報IBは、顧客200が購入した商品の種類、購入金額、購入点数または購入時刻等を含んでよい。販促情報提供部10は、レシートに販促情報IPrを付与して提供してもよいし、携帯端末のアプリ上で販促情報IPrを表示して提供してもよい。
【0028】
判定部20は、販促情報提供部10が取得した購入情報IBが、予め定められた企画の条件を満たすか否かを判定する。判定部20は、判定結果を販促情報提供部10に送信する。例えば、判定部20は、顧客200が予め定められた商品を購入した場合に、企画の条件を満たすと判定してよい。
【0029】
会員情報取得部30は、顧客200の会員情報IMを取得する。会員情報取得部30は、顧客200が会員登録したデータベースから会員情報IMを取得してよい。会員情報IMは、会員ID等の会員を特定する情報であってよい。会員情報IMは、顧客200の性別、年齢または住所などの情報を含んでよい。また、会員情報IMは、顧客200による商品の購入情報IBを含んでよい。
【0030】
嗜好性情報取得部40は、会員情報IMに応じて、顧客200の嗜好性を示す嗜好性情報IPを取得する。嗜好性情報取得部40は、顧客200毎に嗜好性情報IPを取得することにより、顧客200のターゲティング情報として設定することができる。嗜好性情報取得部40は、嗜好性情報IPを販促情報取得部50に送信してよい。
【0031】
嗜好性情報IPは、顧客200による商品の購買に関する購買データ、顧客200の購買に基づく購買属性データ、または顧客200の会員貢献度の少なくとも1つを含んでよい。購買データは、購入商品、サービス、購入日時、予約日時、不購入日時、購入場所、利用場所または予約状況などを含んでよい。購買データは、提供した販促情報IPrの利用状況を含んでよい。より具体的には、購買データは、クーポン利用状況を含んでよく、クーポン利用媒体に関する情報を含んでよい。
【0032】
購買属性データは、消費者属性データまたは商品属性データの少なくとも一方を含んでよい。消費者属性データは、購買データに基づく傾向、好み、嗜好性(例えば、商品)などを含んでよい。商品属性データは、購買データに基づく商品特性、メーカー、量目または商品カテゴリなどを含んでよい。会員貢献度は、顧客200の会員ランクなどの情報を含んでよい。会員貢献度については後述する。
【0033】
販促情報取得部50は、嗜好性情報IPに応じた販促情報IPrを取得する。販促情報取得部50は、購入情報IBおよび嗜好性情報IPに基づいて、予め定められたリストから顧客200に提供すべき販促情報IPrを決定してよい。
【0034】
販促情報IPrは、顧客200に商品の販促をするための情報である。販促情報IPrは、商品のクーポンまたは広告であってよい。販促情報IPrの販促は、値引きによる販促であってもよく、無料引き換え券等のクーポンによる販促であってもよく、ポイント付与による販促であってもよい。販促情報IPrは、複数の企画の中から、顧客200の嗜好性情報IPに応じて選択された企画であってよい。販促情報取得部50は、会員情報IMおよび販促情報IPrを関連付けた紐づけ情報ILを生成してよい。
【0035】
紐づけ情報ILは、会員情報IMと、会員情報IMに応じて販促情報IPrを提供するか否かを示す発行ステータスとを紐づけた情報を含む。紐づけ情報ILは、嗜好性情報IPに基づいて生成されてよい。紐づけ情報ILを用いることにより、特定の顧客200をターゲティングして販促することができる。紐づけ情報ILは、顧客200に提供するための販促情報IPrを決定するためのリストであってよい。
【0036】
販促情報取得部50は、紐づけ情報ILに基づいて、複数の企画のうち会員情報IMに応じた企画の販促情報IPrを選択する。販促情報取得部50は、複数の販促情報IPrを選択してもよい。また、販促情報取得部50は、紐づけ情報ILに基づいて、販促情報IPrを提供するか否かを決定する。販促情報取得部50は、会員情報IMと複数の企画との紐づけ情報ILを記憶する記憶部を有してよい。
【0037】
コード発行部60は、予め定められた発行要求に応じて、発行ステータスに応じたコードを発行する。発行されたコードは、販促情報IPrに付与されてよい。コードは、バーコードまたは二次元コードであってよい。コード発行部60は、販促情報取得部50が販促情報IPrを提供することを決定した場合にのみコードを発行してよい。
【0038】
なお、販促システム100の各構成は、それぞれ異なる装置に設けられてもよいし、一部が同一の装置に設けられてもよい。販促情報提供部10および嗜好性情報取得部40は、同一のサーバに設けられてよい。判定部20、販促情報取得部50およびコード発行部60は、異なるサーバに設けられてよい。販促情報提供部10が商品を販売する店舗内に設けられ、それ以外の構成が店舗外に設けられてよい。
【0039】
図1Bは、販促システム100の動作フローチャートの一例である。ステップS100において、販促システム100は、顧客200の会員情報IMを取得する。会員情報IMは、顧客200の会員登録時に取得されてよい。ステップS102において、販促システム100は、会員情報IMに応じて、嗜好性情報IPを取得する。嗜好性情報IPは、顧客200の来店に応じて随時更新されてよい。
【0040】
ステップS104において、嗜好性情報IPに応じた販促情報IPrを取得する。販促情報IPrは、顧客200の来店に応じて随時更新された嗜好性情報IPに基づいて取得されてよい。ステップS106において、販促情報IPrを顧客200に提供する。販促情報IPrは、顧客200による商品の購入時に提供されてもよいし、退店後に顧客200の携帯端末等を通じて提供されてもよい。
【0041】
図2は、判定部20で用いる企画成立要件のリストの一例を示す。判定部20は、顧客200の購入情報IBについて、企画成立要件を満たす企画があるか否かを判定する。それぞれの企画は、特定の商品の購入などの成立要件が予め設定されている。例えば、企画1は、コーラ350mlを購入したことを成立要件としている。
【0042】
判定部20は、複数の企画成立要件が満たされた場合には複数の企画に該当すると判定してもよい。この場合、販促情報取得部50は、企画毎に優先順位を設定しておき、該当する複数の企画のうち、優先順位の高い企画を選択してもよい。なお、企画成立要件のリストは、全ての顧客200に対して共通であってよい。
【0043】
図3は、顧客200の会員貢献度の評価方法の一例を示す。縦軸は会員数(人)を示し、横軸は会員貢献度(点)を示す。会員貢献度の得点に応じて、会員のロイヤリティランクが設定されてよい。本例では、ランクL1~L5の5つのロイヤリティランクに、会員が割り振られている。
【0044】
会員貢献度は、来店頻度などの様々なパラメータを用いて数値化されてよい。例えば、会員貢献度は、購入金額、購入商品、ロイヤリティランク、再来店確率または来店頻度などに基づいて、予め定められた計算式により数値化される。会員貢献度は、複数の店舗でリアルタイムに共有されてよいし、営業日毎に更新されてもよい。
【0045】
販促システム100は、会員貢献度に応じて、提供する販促情報IPrを変化させてよい。同一の商品が購入された場合であっても、会員貢献度が高い顧客200と低い顧客200とで異なるクーポンを発券してよい。
【0046】
図4は、販促情報取得部50で用いる紐づけ情報ILの一例を示す。紐づけ情報ILは、会員情報IM、企画および発行ステータスに関する情報を含む。本例の紐づけ情報ILは、会員情報IMとして会員IDを用いているが、これに限定されない。
【0047】
発行ステータスが「未」の場合、対応する会員IDおよび企画の組み合わせに対して、販促情報IPrが提供されていないことを示す。未発行の発行ステータスの場合、販促情報取得部50は、企画の成立要件が満たされたと判定されると、販促情報IPrの提供を販促情報提供部10に許可する。販促情報取得部50は、販促情報IPrが提供されると、発行ステータスを「済み」に更新する。
【0048】
嗜好性情報取得部40は、顧客200の嗜好性情報IPをリアルタイムに更新してよい。販促情報取得部50は、顧客200の嗜好性情報IPの更新に応じて、紐づけ情報ILを更新してよい。販促システム100は、リアルタイムに嗜好性情報IPを更新することにより、高い精度で顧客200をターゲティングして販促することができる。
【0049】
ここで、アクセスの集中などにより、コード発行部60でコードを発行できなくなる場合がある。このような場合、販促情報取得部50は、次回以降にコードを発行するように発行ステータスを「次回来店時」に更新してよい。紐づけ情報ILは複数の店舗からアクセスすることができるので、異なる店舗に顧客200が来店したときに販促情報IPrを取得することができる。
【0050】
本例の販促システム100は、紐づけ情報ILを適切に更新することにより、嗜好性情報IPに応じた適切な販促情報IPrを顧客200に提供することができる。また、販促システム100は、顧客200毎にそれぞれの販促情報IPrを紐づけて、発行ステータスを管理するので、状況に応じて適切なタイミングで販促情報IPrを提供することができる。
【0051】
例えば、紐づけ情報ILは、顧客200の来店頻度に応じた発行ステータスを含む。紐づけ情報ILが顧客200の来店頻度を含むことにより、来店の頻度が落ちやすい顧客200に最適な企画を提案できる。これにより、顧客200の来店頻度を向上して、ロイヤリティを向上することができる。
【0052】
図5は、販促システム100の動作を示すシーケンス図の一例である。本例では、販促システム100の動作の一例を示しており、これに限定されない。
【0053】
ステップS200において、販促情報提供部10は、顧客200が商品を購入したことに応じて購入情報IBを取得する。ステップS202において、顧客200の購入情報IBが企画の成立要件を満たすか否かを判定部20に問い合わせる。ステップS204において、判定部20は、成立要件を満たすか否かを判定した判定結果を販促情報提供部10に送信する。
【0054】
ステップS206において、販促情報提供部10は、成立要件を満たした企画の販促情報IPrが提供可能か否かを販促情報取得部50に問い合わせる。ステップS208において、販促情報取得部50は、販促情報IPrの提供の可否を販促情報提供部10に送信する。販促情報IPrを提供可能な場合に、販促情報IPrの提供を販促情報提供部10に許可する。販促情報取得部50は、提供可能な販促情報IPrがない場合、その旨を販促情報提供部10に通知してよい。
【0055】
ステップS210において、販促情報提供部10は、コード発行部60に販促情報IPrに対応するコードの発行要求を送信する。ステップS212において、コード発行部60は、販促情報IPrに応じたコードを発行して販促情報提供部10に提供する。
【0056】
ステップS214において、販促情報提供部10は、顧客200に販促情報IPrを提供する。本例の販促情報提供部10は、レシートに販促情報IPrを付与することで販促情報IPrを提供する。但し、販促情報IPrの提供方法はこれに限定されない。
【0057】
図6Aは、販促情報IPrの発行方法の一例を示す。本例では、販促情報提供部10aでクーポンを提供して、他の販促情報提供部10bにおいて顧客200がクーポンを使用する。例えば、レシート210には、販促情報IPrに応じたバーコードが印字されており、顧客200が来店時に提示して使用することができる。
【0058】
本例の販促システム100は、嗜好性情報IPに基づいてクーポン等を顧客200に提供することにより、顧客200の嗜好性に合わせて販促したり、特定の商品を提案したりすることができる。これにより、顧客200のロイヤリティを向上することができる。
【0059】
図6Bは、販促情報IPrの発行方法の一例を示す。販促システム100は、顧客200毎に異なる販促情報IPrが付与されたレシート210を発行する。顧客200aおよび顧客200bは、互いに異なる顧客を示す。
【0060】
本例の販促システム100は、顧客200aにレシート210aを発行して、顧客200bにレシート210bを発行する。レシート210aおよびレシート210bは、複数の企画から選択された任意の企画の販促情報IPrをそれぞれ含んでよい。販促情報提供部10は、顧客200aおよび顧客200bが同じ商品を購入した場合であっても、嗜好性情報IPに応じて顧客200毎に異なる種類のコードが付与されたレシート210を発行してよい。これにより、販促システム100は、顧客200毎の嗜好性情報IPに応じて、適当な販促情報IPrを提供することができる。
【0061】
本例の販促システム100は、同一の企画に対しても、それぞれの顧客200に対して独自のバーコードを提供することで、顧客200毎に発行ステータスを管理できる。例えば、顧客200aがクーポンを使用した場合、顧客200aの発行ステータスのみを使用済みに変更して、コードの使いまわしを防止することができる。また、販促システム100は、顧客200が他人のクーポンを使用できないように制限することもできる。なお、本例の販促システム100は、顧客200毎に異なるコードを提供するので、接続が集中する等の原因によりコード発行部60でコードを発行できなかった場合であっても、次回以降の来店時にクーポンを発行できる。
【0062】
図6Cは、販促情報IPrの発行方法の一例を示す。本例では、発行されたレシート210を発券端末220に読み込ませて引換券225を発券する。本例の発券端末220は、レシート210に印字されたピンコードを読み込んで引換券225を発券する。顧客200は、次回以降の来店時に販促情報提供部10bで引換券225を使用することにより、特典を受けることができる。このように、販促システム100は、レシート210に印字されたコードを発券端末220などの他の装置に読み取らせて、顧客200に特典を受け取らせてよい。
【0063】
図6Dは、販促情報IPrの発行方法の一例を示す。本例では、顧客200によって使用されたクーポンに応じて、ラリー形式で異なるクーポンを発行する。
【0064】
本例の販促システム100は、販促情報IPrが付与されたレシート210aのコードを顧客200が使用することに応じて、さらに異なる販促情報IPrが付与されたレシート210bを発行している。レシート210aに付与された販促情報IPrは、レシート210bに付与される販促情報IPrと異なっていてよい。販促システム100は、紐づけ情報ILでラリー形式の特典を管理しておき、クーポンの使用回数等に応じて販促情報IPrを決定してよい。ラリーの回数は特に限定されず、来店に応じて、3回以上、販促情報IPrを提供してもよい。
【0065】
図7Aは、販促情報提供部10による販促情報IPrの発行方法の一例である。本例の販促システム100は、接続部215で接続された2つのレシート210cおよびレシート210dを発行している。接続部215は、レシート210cおよびレシート210dを部分的に接続して、容易に引き離せるように処理されたパーシャルカットであってよい。なお、レシート210に広告を印字する場合、コードの印字を省略してもよい。
【0066】
図7Bは、販促情報提供部10が提供する販促情報IPrの一例である。本例の販促システム100は、顧客200の携帯端末230に販促情報IPrを提供する。例えば、販促システム100は、携帯端末230にインストールされたアプリ上で販促情報IPrを表示する。これにより、レシート210に販促情報IPrを付与する場合と同様に、顧客200に販促情報IPrを提供することができる。また、顧客200がレシート210を取り忘れた場合であっても、顧客200に販促情報IPrを提供することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0068】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0069】
10・・・販促情報提供部、20・・・判定部、30・・・会員情報取得部、40・・・嗜好性情報取得部、50・・・販促情報取得部、60・・・コード発行部、100・・・販促システム、200・・・顧客、210・・・レシート、215・・・接続部、220・・・発券端末、225・・・引換券、230・・・携帯端末
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B