(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019865
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】水切部材用カバー及び水切部材用カバーユニット
(51)【国際特許分類】
E04B 1/64 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
E04B1/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122607
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000109152
【氏名又は名称】株式会社デザインアーク
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】副井 啓
(72)【発明者】
【氏名】矢部 正浩
(72)【発明者】
【氏名】浅井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】川本 紗佑里
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA03
2E001FA09
2E001FA21
2E001GA13
2E001GA15
2E001HB02
2E001HB04
2E001LA13
2E001MA01
2E001NA07
2E001NB01
2E001NC01
(57)【要約】
【課題】外観が損なわれることを抑制しつつ、床下空間に必要な換気量を確保できる水切部材用カバー及び水切部材用カバーユニットを提供する。
【解決手段】建物1の床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐ水切部材8よりも屋外側に配置されて、水切部材8を覆う水切部材用カバーであって、水切部材用カバーの下部50aに設けられ、鉛直方向に沿って垂下した第1部分51と、第1部分51よりも屋外側に配置され、鉛直方向に沿って、第1部分51の上端51cよりも上方の位置から、第1部分51の上端51cと下端51dとの間の位置まで垂下した第2部分52と、第1部分51の上端部51aと第2部分52の下端部52aとの間に設けられ、水切部材用カバーと係合可能な部材と係合する第1係合部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の床下空間への水又は異物の侵入を防ぐ水切部材よりも屋外側に配置されて、前記水切部材を覆う水切部材用カバーであって、
前記水切部材用カバーの下部に設けられ、鉛直方向に沿って垂下した第1部分と、
前記第1部分よりも屋外側に配置され、鉛直方向に沿って、前記第1部分の上端よりも上方の位置から、前記第1部分の上端と下端との間の位置まで垂下した第2部分と、
前記第1部分の上端部と前記第2部分の下端部との間に設けられ、前記水切部材用カバーと係合可能な部材と係合する第1係合部と、を備える、水切部材用カバー。
【請求項2】
前記水切部材用カバーと係合可能な部材が前記水切部材である場合、前記第1係合部は、前記水切部材の下端部に設けられた被係合部と係合する、請求項1に記載の水切部材用カバー。
【請求項3】
前記水切部材が、前記建物の外壁を構成する外壁パネルよりも下方に配置されている場合、前記水切部材用カバーが前記外壁パネルよりも下方に配置されている、請求項2に記載の水切部材用カバー。
【請求項4】
前記床下空間が、地面と隣り合う空間である場合、前記第1部分の下端部が、前記建物の基礎又は土間のうち、地面から立ち上がった部分と、前記外壁パネルの厚み方向において隙間を隔てて対向している、請求項3に記載の水切部材用カバー。
【請求項5】
前記第1部分は、前記厚み方向において、前記基礎又は土間における前記地面から立ち上がった部分よりも、前記第2部分に近い位置に配置されている、請求項4に記載の水切部材用カバー。
【請求項6】
前記水切部材用カバーの上部に設けられ、前記第2部分の上方位置にて垂下した第3部分と、
前記第2部分の上端と前記第3部分の下端との間に設けられ、屋内側に凹むとともに水平方向に沿って延出した溝部と、を更に備える、請求項1に記載の水切部材用カバー。
【請求項7】
前記溝部の屋内側に設けられ、前記水切部材用カバーを支持する支持部材と係合する第2係合部を更に備える、請求項6に記載の水切部材用カバー。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水切部材用カバーと、
水平方向において前記水切部材用カバーと隣り合う位置に配置された他の水切部材用カバーとを備え、
前記水切部材用カバーの鉛直方向における長さは、前記第1部分を備えない前記他の水切部材用カバーの鉛直方向における長さよりも長い、水切部材用カバーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水切部材を覆う水切部材用カバー及び水切部材用カバーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、住宅等の建物では、床下空間への水又は異物の侵入を防ぐために、建物の外壁パネルの下方位置において、建物の外周部に沿って複数の水切部材が並べて配置されている(例えば、特許文献1参照)。このような水切部材は、通常、水切部材用カバーで覆われている。
特許文献1には、建物の1階部分の外壁の下方に水切部材が設けられた水切構造が開示されている。水切部材は、外壁パネルの下端部に固定された固定部と、その固定部から下方に延びている水切板部と、を有している。特許文献1では、ジョイナス部材を用いて隣り合う水切り部材を突き合わせた状態で連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の水切構造では、複数の水切部材が隣り合って配置されており、さらに水切部材は水切部材用カバーで覆われる。このとき、水切部材用カバーについて外観(意匠性)が損なわれないことが求められている。また、水切部材は、床下空間に必要な換気量を確保することが要求されており、水切部材と外部とを通気させる必要がある。
【0005】
そこで、本発明の目的とするところは、外観が損なわれることを抑制しつつ、床下空間に必要な換気量を確保できる水切部材用カバー及び水切部材用カバーユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題は、本発明の水切部材用カバーによれば、建物の床下空間への水又は異物の侵入を防ぐ水切部材よりも屋外側に配置されて、水切部材を覆う水切部材用カバーであって、水切部材用カバーの下部に設けられ、鉛直方向に沿って垂下した第1部分と、第1部分よりも屋外側に配置され、鉛直方向に沿って、第1部分の上端よりも上方の位置から、第1部分の上端と下端との間の位置まで垂下した第2部分と、第1部分の上端部と第2部分の下端部との間に設けられ、水切部材用カバーと係合可能な部材と係合する第1係合部と、を備えることにより解決される。
【0007】
上述のように構成された本発明の水切部材用カバーでは、外観が損なわれることを抑制しつつ、床下空間に必要な換気量を確保できる。
【0008】
また、上述の水切部材用カバーにおいて、水切部材用カバーと係合可能な部材が水切部材である場合、第1係合部は、水切部材の下端部に設けられた被係合部と係合してもよい。この場合、水切部材に対する水切部材用カバーの設置位置が安定する。
【0009】
また、上述の水切部材用カバーにおいて、水切部材が、建物の外壁を構成する外壁パネルよりも下方に配置されている場合、水切部材用カバーが外壁パネルよりも下方に配置されてもよい。この場合、水切部材用カバーは、外壁パネルよりも下方に配置されている水切部材を確実に覆うことができる。
【0010】
また、上述の水切部材用カバーにおいて、床下空間が、地面と隣り合う空間である場合、第1部分の下端部が、建物の基礎又は土間のうち、地面から立ち上がった部分と、外壁パネルの厚み方向において隙間を隔てて対向してもよい。この場合、上述の隙間によって床下空間への換気路が確保されるので、床下空間に必要な換気量を効果的に確保できる。
【0011】
また、上述の水切部材用カバーにおいて、第1部分は、厚み方向において、基礎又は土間における地面から立ち上がった部分よりも、第2部分に近い位置に配置されてもよい。この場合、水切部材用カバーは、外観が損なわれることの抑制と、床下空間に必要な換気量の確保とをバランス良く実現できる。
【0012】
また、上述の水切部材用カバーは、水切部材用カバーの上部に設けられ、第2部分の上方位置にて垂下した第3部分と、第2部分の上端と第3部分の下端との間に設けられ、屋内側に凹むとともに水平方向に沿って延出した溝部と、を更に備えてもよい。この場合、複数の水切部材用カバーが水平方向に並べて配置された際、隣り合う溝部同士が、水平方向に沿って一列に延びることとなるので、複数の水切部材用カバーにおいて、外観上の統一感が生じる。
【0013】
また、上述の水切部材用カバーは、溝部の屋内側に設けられ、水切部材用カバーを支持する支持部材と係合する第2係合部を更に備えてもよい。この場合、建物に対する水切部材用カバーの設置位置のバラつきが抑制される。
【0014】
本発明の水切部材用カバーユニットは、上記に記載の水切部材用カバーと、水平方向において上述の水切部材用カバーと隣り合う位置に配置された他の水切部材用カバーとを備えている。水切部材用カバーの鉛直方向における長さは、第1部分を備えない他の水切部材用カバーの鉛直方向における長さよりも長い。
上述のように構成された本発明の水切部材用カバーユニットでは、水切部材用カバーの鉛直方向における長さが、第1部分を備えない他の水切部材用カバーの鉛直方向における長さよりも長いので、高さの異なる基礎及び土間の境界部においても水切部材用カバーユニットを配置できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外観が損なわれることを抑制しつつ、床下空間に必要な換気量を確保できる水切部材用カバー及び水切部材用カバー用ユニットが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態の水切部材用カバーが設けられる建物の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
また、「同じ」、「同一」、「同程度」、及び「等間隔」のそれぞれの意味には、本発明が属する技術分野で一般的に許容される誤差の範囲が含まれ得る。
また、「鉛直」、「直交」、「水平」、及び「平行」のそれぞれの意味には、本発明が属する分野で一般的に許容される誤差の範囲を含み、数度(例えば2~3°)未満の範囲内でずれている場合も含まれ得る。
【0018】
[建物]
本実施形態に係る建物は、屋外から隔てられた屋内空間を有する建築物であり、具体的には住宅家屋、店舗、及び設備等を収容する建屋等が該当する。建物について、
図1~4を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態の水切部材用カバーが設けられる建物の一例を示す平面図である。
図2は
図1の領域Aを拡大して示す斜視図であり、
図3は
図2のB-B線に沿った縦断面図であり、
図4は
図2のC-C線に沿った縦断面図である。
図1に示すように、建物1は、1階の床の下方に床下空間S2を有する。外壁パネル5の屋外側には、例えば玄関用土間やテラス用土間等のような土間6が設けられている。床下空間S2に対して外壁パネル5を挟んで反対側の空間を屋外空間S1という。床下空間S2は、地面と隣り合う空間であり、詳しくは1階の床と地面のとの間に存在する空間である。
建物1の床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐ水切部材8(
図2参照)が外壁パネル5の下方に設けられている。建物1は、第1カバー50(水切部材用カバー)、及び第2カバー70(他の水切部材用カバー)を備えている。第1カバー50及び第2カバー70も、水切部材8と同様、外壁パネル5よりも下方に配置されている。
【0019】
以下の説明では、
図1に示すように、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向、及びZ方向と呼ぶ。X方向及びY方向は水平方向とし、X方向は、外壁パネル5の厚み方向に該当する。Z方向は、鉛直方向に該当する。
X方向において、屋外空間S1側を「屋外側」と呼び、床下空間S2側を「屋内側」と呼ぶ。Y方向において、土間6が設けられている側を「奥側」と呼び、土間6が設けられている側とは反対側を「手前側」と呼ぶ。Z方向において、上側を「上方」と呼び、下側を「下方」と呼ぶこととする。
【0020】
建物1は、
図2に示すように基礎2と、土台3と、外壁パネル5とを備えている。
図2は、具体的には、建物1の1階の外壁パネル5周辺において、基礎2と土間6との境界部における建物1の構成を示している。手前側には土間6が設けられておらず、奥側には土間6が設けられている。
【0021】
基礎2は、
図2及び
図3に示すように、地面から立ち上がった部分として、立上り部2aを有する。立上り部2aの上面(「基礎上面2c」と呼ぶ)は、X方向及びY方向に延びた水平面である。基礎上面2cの上には、不図示の複数のアンカーボルトが、立上り部2aの延出方向(
図2におけるY方向)に沿って等間隔で並べて配置されている。
【0022】
複数の土台3は、それぞれ柱状をなし、基礎上面2cにおいて、上述のアンカーボルトと対応する位置にそれぞれ載置されている。複数の土台3は、立上り部2aの延出方向(
図2におけるY方向)に沿って等間隔で並べて配置されている。隣り合う土台3の間の空間を通じて、屋外空間S1と床下空間S2との間で空気の移動が可能となっている。
【0023】
土台3は、
図3に示すように、主要部3aと、側部3bと、を有する。主要部3aは、例えば、溝形鋼から構成されている。主要部3aは、ウェブが延びる方向をY方向と平行とし、フランジの先端を屋外側に向けた状態で、基礎上面2cの上に配置されている。主要部3aの下端には、例えば、上述のアンカーボルトを挿通する不図示のボルト穴が設けられている。このボルト穴に、上述のアンカーボルトを挿通した状態で、ナット等を締結することにより、土台3が基礎2に固定される。
【0024】
側部3bは、
図3に示すように、主要部3aの屋外側の端(主要部3aの開口側)に配置されている。側部3bは、例えば、平鋼で構成されている。側部3bは、主要部3aの屋外側の端に対して、例えば、不図示の固定具(ボルト等)、又は溶接等によって固定されている。側部3bの屋外側の端は、立上り部2aの屋外側の端よりも屋内側に位置している。言い換えると、立上り部2aは、土台3の屋外側の端よりも屋外側に張り出した張出し部分2bを有する。
【0025】
外壁パネル5は、建物1の1階の外壁を構成する部材であって、土台3よりも上方に配置されている。外壁パネル5は、下地4、面材、通気層、及び断熱材等を厚み方向(X方向)に重ねることにより構成されている。
【0026】
土間6は、コンクリート又はモルタル等で構成されている。
図2に示すように、土間6の上面(「土間上面6a」と呼ぶ)は、X方向及びY方向に延びた水平面である。土間上面6aは、
図4に示すように、基礎上面2cよりも高い位置に設定されている。土間6は、土間上面6aの屋内側の縁から、Z方向に延びる土間側部6bを有する。土間側部6bは、基礎上面2cと、横板部23の下面との間に配置されている。なお、土間6が土間側部6bを有する構成は一例であり、土間6が土間側部6bを有しない場合もある。
【0027】
[水切部材及び水切部材用カバー]
上述のように構成された建物1に対して、
図2に示すように、水切部材8、支持部材30、第1カバー50(水切部材用カバー)、及び第2カバー70(他の水切部材用カバー)が配置されている。
【0028】
水切部材8は、
図3及び4に示すように、外壁パネル5よりも下方に配置されている。水切部材8は、基礎側に配置された下側水切板10又は下側水切板10Aと、下側水切板10,10Aよりも外壁パネル5側に配置された上側水切板20とを有する。下側水切板10は、
図3に示すように、土間6が設けられていない箇所に配置され、下側水切板10Aは、
図4に示すように、土間6が設けられている箇所に配置されている。
【0029】
下側水切板10,10Aは、外壁パネル5と張出し部分2bとの間から床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐために、建物1の外周部に沿って並べて複数配置されている。複数の下側水切板10,10Aのうち、隣り合う2つの下側水切板10,10Aは、例えば、互いに突合せた状態で配置されている。
【0030】
下側水切板10は、
図3に示すように、縦板部11と、横板部12と、下板部13とを有する。縦板部11は、側部3bの屋外側の側面に取り付けられている。縦板部11は、Z方向において、側部3bの中央部から側部3bの下端の手前まで垂下している。縦板部11は、不図示の固定具(ボルト又はクリップ等)によって側部3bに固定されている。横板部12は、縦板部11の下端から屋外側に向かって、水平方向よりも下方に傾斜して延びている。横板部12は、張出し部分2bの屋外側の端の手前まで延びている。下板部13は、横板部12の屋外側の端から、横板部12の延びる方向よりも更に下方に傾斜して延びている。下板部13は、張出し部分2bにおける屋外側の角部まで延びている。
【0031】
下側水切板10Aは、
図4に示すように、縦板部11Aと、複数のバーリング部14とを有する。縦板部11Aは、側部3bの屋外側の側面に取り付けられている。縦板部11Aは、Z方向において、側部3bの中央部から基礎上面2cまで垂下し、基礎上面2cに接している。縦板部11Aは、不図示の固定具(ボルト又はクリップ等)によって側部3bに固定されている。
バーリング部14は、縦板部11Aに設けられた貫通孔の周縁から屋外側の土間6に向かって立ち上がっており、土間6と下側水切板10Aとの密着性を高めている。複数のバーリング部14は、基礎上面2cと横板部23の下面との間に位置し、Y方向に沿って間隔を空けて配置されている。
【0032】
上述のように構成された下側水切板10,10Aは、
図2に示すように、Y方向に沿って長く延びた部材によって構成されている。下側水切板10は、例えば、メッキ処理された鋼板を、金型を用いてプレス加工することにより、一体に形成されたものである。下側水切板10,10Aは、材質及び加工方法について、特に限定されるものではなく、例えば、ステンレス製の鋼板、又はアルミニウム製の型材等で構成することができる。また、下側水切板10は樹脂で構成してもよい。また、下側水切板10,10Aは、1枚の金属板で形成されるものに限定されるものではなく、複数枚の金属板を組み合せて形成したものでもよい。
【0033】
横板部12の下面と、基礎上面2cとの隙間には、
図3に示すように、屋外側シール部7が設けられている。屋外側シール部7は、この隙間から床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐ。
【0034】
上側水切板20は、外壁パネル5と張出し部分2bとの間から床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐために、建物1の外周部に沿って複数配置されている。複数の上側水切板20のうち、隣り合う2つの上側水切板20は、例えば、互いに突き合わせた状態で配置されている。
【0035】
上側水切板20は、
図3及び4に示すように縦板部21と、上板部22と、横板部23と、傾斜板部24と、換気部25と、下板部26と、被係合部27とを有する。
【0036】
縦板部21は、縦板部11,11Aの屋外側の側面に取り付けられている。縦板部21は、Z方向において、側部3bの上端部から側部3bの中央部まで垂下している。縦板部21は、不図示の固定具(ボルト、又はクリップ等)によって側部3bに固定されている。縦板部21には、不図示の換気用の開口が形成されており、この開口を通じて、屋外空間S1と床下空間S2との間で空気の移動が可能となっている。
【0037】
上板部22は、縦板部21の上端から屋外側(側部3bから離れる側)に向かって上方に傾斜して延びている。上板部22の上面と、外壁パネル5の下面5aとの隙間には、この隙間から床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐための屋内側シール部9が設けられている。屋内側シール部9の材料としては、弾性材料が用いられ、好ましくはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が用いられる。横板部23は、縦板部21の下端から屋外側に向かって延び縦板部21から離れるにつれて下方に向かうように傾斜し、X方向において張出し部分2bの屋外側の端と略同じ位置まで延びている。傾斜板部24は、横板部23の屋外側の端から延び、横板部23から離れるにつれて更に下方に向かうように傾斜し、X方向において外壁パネル5の屋外側の端よりも屋外側に延びている。
【0038】
換気部25は、傾斜板部24に設けられており、例えば、換気用の複数の孔又スリットによって構成されている。換気部25を通じて、換気部25よりも下方の空間(屋外空間S1側)と上方の空間(床下空間S2側)との間で、空気の移動が可能となっている。なお、換気部25は、傾斜板部24に対して穿孔処理を施することで形成されてもよいし、傾斜板部24とは別の部材、例えば、網板、又はパンチングメタル等によって換気部25を構成してもよい。
【0039】
下板部26は、傾斜板部24の屋外側の端から垂下しており、下板部26の下端部が、被係合部27を構成している。すなわち、被係合部27は、水切部材8の下端部に設けられている。ここで、被係合部27は、
図3及び4に示すように、第1カバー50及び第2カバー70にそれぞれ設けられた第1係合部61と係合可能である。
【0040】
上述のように構成された上側水切板20は、
図2に示すように、Y方向に沿って長く延びた部材によって構成されている。上側水切板20は、例えば、メッキ処理された鋼板を、金型を用いてプレス加工することにより、一体に形成されたものである。上側水切板20は、材質及び加工方法について、特に限定されるものではなく例えば、ステンレス製の鋼板、又はアルミニウム製の型材等で構成することができる。上側水切板20は、樹脂で構成してもよい。また、上側水切板20は、1枚の金属板で形成されるものに限定されるものではなく、複数枚の金属板を組み合せて形成したものでもよい。
【0041】
支持部材30は、第1カバー50及び第2カバー70を支持する部材である。また、支持部材30は、Y方向において第1カバー50及び第2カバー70に跨って配置され、第1カバー50及び第2カバー70を連結する。具体的に説明すると、支持部材30は、
図2に示すように、Y方向において隣り合う第1カバー50及び第2カバー70の境界部に跨った位置に配置されており、第1カバー50及び第2カバー70の双方に係合することで両カバー部材を支持している。
【0042】
支持部材30は、
図3に示すように縦板部31と、一対の横板部32と、一対の被係合部33とを有する。縦板部31は、縦板部21の屋外側の側面に取り付けられている。縦板部31は、不図示の固定具(ボルト、又はクリップ等)によって縦板部21に固定されている。一対の横板部32は、Z方向における縦板部31の両端から屋外側にそれぞれ延びており、Z方向において互いに対向して配置されている。
【0043】
被係合部33は、各横板部32の屋外側の端部に設けられており、縦板部31とは反対側に突出している。すなわち、上側の被係合部33は、上側の横板部32における被係合部33以外の部分よりも上方に突出しており、下側の被係合部33は、下側の横板部32における被係合部33以外の部分よりも下方に突出している。被係合部33は、いわゆるスナップフィット方式の雄側の構造をなす部分である。上側の被係合部33は、後述する第3係合部63と係合し、下側の被係合部33は、係合する第2係合部62と係合する。なお、被係合部33は、スナップフィット方式の雄側の構造をなすものに限定されず、その他の任意の係合構造であってもよい。
【0044】
上述のように構成された支持部材30は、
図2に示すように、Y方向において、第1カバー50における第2カバー70側の端部から、第2カバー70における第1カバー50側の端部まで延びた板状の部材である。
支持部材30は、例えば、アルミニウム製の型材によって一体に形成されている。なお、支持部材30は、材質を問わず、他の金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。また、支持部材30は、一体に形成された型材に限定されるものではなく、複数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
【0045】
以下では、本実施形態の特徴部である第1カバー50及び第2カバー70について説明する。まず、
図2及び3を参照しながら、第1カバー50の構成について説明する。その後、
図2及び4を参照しながら、第2カバー70の構成について、第1カバー50の構成との相違点を中心に説明する。
【0046】
第1カバー50は、
図3に示すように、水切部材8を覆う水切部材用カバーである。第1カバー50は、外壁パネル5よりも下方に配置され、水切部材8よりも屋外側に配置されている。
図1において、太線の実線L1で示す範囲に、複数の第1カバー50が建物1の外周部に沿って配置されている。複数の第1カバー50は、
図2に示すように、建物1の外周部に沿って、土間6が設けられた箇所以外の箇所に配置されている。
【0047】
第1カバー50は、
図3に示すように、その下部50aをなす第1部分51を有し、第1部分51から上方に向かって順に、第2部分52、溝部54、第3部分53、第4部分55、第5部分56、及び第6部分57を更に有する。
【0048】
第1部分51は、
図3に示すように、第1カバー50の下部50aに設けられている。第1部分51は、鉛直方向(Z方向)に沿って、上側水切板20の被係合部27と略同じ位置から基礎上面2cの下方まで垂下している。第1部分51は、X方向において、外壁パネル5の屋外側の端と略同じ位置にある。第1部分51の下端部51bは、
図3に示すように、X方向において、張出し部分2bよりも屋外側に位置し、張出し部分2bと隙間G1を隔てて対向している。
【0049】
第2部分52は、
図3に示すように、X方向において第1部分51よりも屋外側に配置されている。第2部分52は、Z方向に沿って、第1部分51の上端51cよりも上方の位置から、第1部分51の上端51cと下端51dとの間の位置まで垂下している。本実施形態では、第2部分52が、Z方向に沿って、下側の被係合部33より若干下がった位置から、第1部分51の上端51cより若干下がった位置まで垂下している。また、X方向における第1部分51と第2部分52との間隔G2は、隙間G1よりも小さい。言い換えると、第1部分51は、X方向において、張出し部分2bよりも、第2部分52に近い位置に配置されている。
【0050】
以上までに説明したように、第1カバー50では、第2部分52が第1部分51の上端51cと下端51dとの間の位置まで垂下しているので、第2部分52の下端部52aが第1部分51より屋外側に位置している。これにより、第2部分52の下端52cの影が第1部分51の屋外側の表面上に映る。この影は、下端52cに沿って水平方向に延びる直線状の影となる。このため、水平方向に並べて配置された複数の第1カバー50のうち、隣り合う2つの第1カバー50のそれぞれに映る上述の影同士が、水平方向に沿って一列に並ぶこととなるので、複数の第1カバー50において、外観上の統一感が生じる。その結果、第1カバー50の外観が損なわれることが抑制される。また、上述の影は、第2部分52に対して第1部分51を屋内側に間隔G2だけオフセットすることで形成される。この場合、第1部分51と張出し部分2bとの間には隙間G1が確保され、これにより、床下空間S2に対して、十分な換気量が確保される。
【0051】
また、本実施形態では、水切部材8が、外壁パネル5よりも下方に配置されており、それに応じて、第1カバー50も外壁パネル5よりも下方に配置されている。このため、第1カバー50は、外壁パネル5よりも下方に配置されている水切部材8を確実に覆うことができる。
【0052】
また、X方向において第1部分51の下端部51bが、張出し部分2bと、隙間G1を隔てて対向している。このため、隙間G1によって床下空間S2への換気路が確保されるので、床下空間S2に対して十分な換気量を効果的に確保できる。
【0053】
また、第1部分51は、X方向において、張出し部分2bよりも、第2部分52に近い位置に配置されている。このため、第1カバー50は、外観が損なわれることの抑制と、床下空間S2に対する十分な換気量の確保とをバランス良く実現できる。
【0054】
第1カバー50は、第1部分51の上端部51aと第2部分52の下端部52aとの間に設けられ、水切部材用カバーと係合可能な部材と係合する第1係合部61を更に有する。本実施形態では、「水切部材用カバーと係合可能な部材」が水切部材8である。
【0055】
第1係合部61の構成について補足すると、第1部分51の上端部51aと第2部分52の下端部52aとは、接続部分58によって接続されている。接続部分58は、X方向(水平方向)に沿って、第1部分51の上端51cよりも下方の位置から、第2部分52の下端52cよりも上方の位置まで延びている。つまり、第1部分51の上端51cは、
図3に示すように、接続部分58よりも上方に位置しており、第2部分52の下端52cは、接続部分58よりも下方に位置している。そして、第1部分51の上端部51a、接続部分58、及び第2部分52によって囲まれた上方に開口した凹部が構成され、この凹部がY方向に沿って延在している。この凹部が第1係合部61をなし、凹部内に上側水切板20の被係合部27が入り込むことによって、第1係合部61と被係合部27とが係合する。
なお、接続部分58を挟んで第1係合部61とは反対側には、下方に開口する凹み部分が設けられている。
【0056】
以上までに説明したように、第1カバー50は、水切部材8の被係合部27と係合する第1係合部61を備えている。第1係合部61が被係合部27に係合することにより、第1部分51及び第2部分52のそれぞれの設置位置が安定する。その結果、水平方向に並べて配置された複数の第1カバー50のうち、隣り合う2つの第1カバー50の各々の位置ずれが抑制されるので、外観が損なわれることが抑制される。
【0057】
第3部分53は、第1カバー50の上部50bに設けられている。第3部分53は、第2部分52の上方に位置する。第3部分53は、Z方向において、上側の被係合部33と略同じ位置から、下側の被係合部33よりもやや上方の位置まで垂下している。第3部分53は、第2部分52とともに、第1カバー50において、最も屋外側に張り出した位置に配置されている。つまり、第2部分52及び第3部分53は、外壁パネル5の屋外側の端に対して、間隔G2と同程度の長さ分、X方向に張り出している。
【0058】
溝部54は、
図3に示すように、第2部分52の上端52bと第3部分53の下端53aとの間に設けられており、Y方向に沿って延びている。溝部54は、底部54aと、上側部54bと、下側部54cとによって構成されており、屋内側に凹んだ形状をなしている。底部54aは、第2部分52及び第3部分53よりも屋内側に位置している。上側部54bは、第3部分53の下端53aから屋内側に向かって水平方向に延びており、第3部分53の下端53aと底部54aの上端とを接続している。下側部54cは、第2部分52の上端52bから屋内側に向かって上方に傾斜し、第2部分52の上端52bと底部54aの下端とを接続している。
【0059】
以上までに説明したように、第1カバー50は、第3部分53と、溝部54と、を備えている。このため、水平方向に並べて配置された複数の第1カバー50において隣り合う溝部54同士が、Y方向に沿って一列に延びることとなるので、複数の第1カバー50において、外観上の統一感が生じる。
【0060】
溝部54の屋内側には、
図3に示すように、下側の被係合部33と係合する第2係合部62が設けられている。より詳しくは、第2係合部62は、底部54aと下側部54cとの接続部54dから屋内側に延びた延出部62aと、延出部62aの先端に設けられ上方に突出する突出部62bとで構成されている。第2係合部62は、いわゆるスナップフィット方式の雌側の構造をなす部分である。上方に突出する突出部62bと、下方に突出する被係合部33とが互いに係り合うことによって、第2係合部62と被係合部33とが係合する。第2係合部62は、スナップフィット方式の雌側の構造をなすものに限定されず、その他の任意の係合構造であってもよい。
【0061】
以上までに説明したように、第1カバー50は、溝部54の屋内側に設けられ、支持部材30の被係合部33と係合する第2係合部62を備えている。これにより、屋内側に凹んでいる溝部54に第2係合部62が設けられているので、第1カバー50は、土台3により近い位置で支持される。これにより、複数の第1カバー50の各々支持位置が、建物1の一部である土台3を基準にして設定される結果、建物1に対する各第1カバー50の位置のバラつきが抑制される。
【0062】
第4部分55は、
図3に示すように、第3部分53の上端から屋内側に向かって上方に傾斜し、外壁パネル5の屋外側の端の下方まで延びている。第5部分56は、
図3に示すように、第4部分55の屋内側の端から屋内側に延びている。第6部分57は、第5部分56の屋内側の端から上方に延びている。第6部分57の上端57aは、外壁パネル5の下面5aと、Z方向において隙間を隔てて対向している。
【0063】
第5部分56の上面と、外壁パネル5の下面5aとの隙間には、
図3に示すように、この隙間から床下空間S2への水又は異物の侵入を防ぐ目的で屋外側シール部7が設けられている。
【0064】
第5部分56の下面56aには、
図3に示すように、第3係合部63が設けられている。第3係合部63は、上側の被係合部33と係合する。第3係合部63は、下面56aから下方に突出する第1突出部63aと、第1突出部63aから屋外側に離れた位置に設けられて下面56aから下方に突出する第2突出部63bとを有する。第2突出部63bは、第1突出部63aよりも長く突出している。第3係合部63は、いわゆるスナップフィット方式の雌側の構造をなす部分である。下方に突出する第1突出部63aと、上方に突出する被係合部33とが互いに係り合うことによって、第3係合部63と被係合部33とが係合する。第3係合部63は、スナップフィット方式の雌側の構造をなすものに限定されず、その他の任意の係合構造であってもよい。
【0065】
以上までに説明したように、第1カバー50は、被係合部33と係合する第3係合部63を備えている。これにより、第1カバー50は、第2係合部62及び第3係合部63の双方によって支持部材30に係合されるので、土台3に対する第1カバー50の設置位置が安定する。
【0066】
上述のように構成された第1カバー50は、Y方向に延びた板状の部材からなり、例えば、アルミニウム製の型材によって構成されている。なお、第1カバー50は、材質を問わず、他の金属材料によって構成されてもよいし、あるいは樹脂製であってもよい。また、第1カバー50は、一部品として形成されたものに限定されず、複数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
【0067】
次に、
図2及び
図4を参照しながら、第2カバー70の構成について説明する。なお、
図4に示す第2カバー70において、第1カバー50と共通する部分には同一符号を付して、その詳細な説明については省略することとする。
【0068】
第2カバー70は、
図4に示すように、水切部材8を覆う水切部材用カバーである。第2カバー70は、水切部材8よりも屋外側に配置されている。
図1において、太線の破線L2で示す範囲は、複数の第2カバー70が建物1の外周部に沿って配置されている範囲を示す。複数の第2カバー70は、建物1の外周部に沿って、土間6が設けられた箇所に配置されており、複数の第2カバー70のうち、隣り合う2つの第2カバー70は、互いに突き合わされた状態で配置されている。
そして、本実施形態では、互いに高さが異なる基礎2及び土間6の境界部に、第2カバー70が、水平方向において第1カバー50と隣り合う位置に配置されている。このように隣り合う位置に配置された第1カバー50及び第2カバー70を、以下では水切部材用カバーユニット40と呼ぶこととする。
【0069】
第2カバー70は、
図3及び4から分かるように、第1部分51を備えない点で、第1カバー50と異なるが、それ以外については第1カバー50と同様の構成である。
【0070】
第1カバー50及び第2カバー70が水平方向において隣り合って接した状態で配置されることにより、第1カバー50と第2カバー70との境界部における隙間、並びに、屋外側の面の位置ズレ(段差)が生じ難くなる。このため、第1カバー50と第2カバー70との境界部において外観が損なわれることが抑制される。また、境界部で段差及び隙間が生じにくいことから、境界部からの水又は異物の侵入が抑制される。この結果、境界部の隙間を埋める目的でエンドキャップ等の別部品を配置する必要がなくなり、部品点数を削減できる。
【0071】
また、第2カバー70のZ方向における長さ(高さ)は、第1部分51を備えない分、第1カバー50のZ方向における長さよりも短くなっている。言い換えると、第1カバー50のZ方向における長さは、第1部分51を備えない第2カバー70のZ方向における長さよりも長くなっている。また、第2カバー70において、第2部分52の下端52cは、
図4に示すように、土間上面6aと、Z方向において隙間G3を隔てて対向している。隙間G3は、例えば、
図3における隙間G1と略同じ大きさの間隔である。
【0072】
以上までに説明したように、第1カバー50と第2カバー70との間でZ方向における長さが異なる。このような高さの違いを利用して、
図2に示すように、高さの異なる基礎2及び土間6の境界部において、第1カバー50及び第2カバー70からなる水切部材用カバーユニット40を配置することができる。また、第1カバー50では、上述したように、第1部分51の屋外側の面に、第2部分52の下端52cに沿って水平方向に延びる影のラインが映るようになる。その一方で、第1部分51を備えない第2カバー70においても、第2部分52の屋内側に存在する箇所に、第2部分52の下端52cに沿って水平方向に延びる影のラインが映る。第1カバー50及び第2カバー70がY方向に並べて配置された際、上述の影のライン同士が、Y方向に沿って一列に並ぶこととなるので、水切部材用カバーユニット40において、外観上の統一感が生じる。その結果、水切部材用カバーユニット40の外観が損なわれることが抑制される。
【0073】
仮に、第1部分51が第2部分52よりも屋外側に位置した場合、第1カバー50において第1部分51が最も屋外側に張り出すことになり、第1部分51の屋外側の面で光が反射しやすくなる。これにより、水平方向に並んで配置された第1カバー50及び第2カバー70では、第1部分51に相当する箇所において、第1カバー50側がより明るくなり、第2カバー70側がより暗くなる。このため、第1部分51に相当する箇所において、第1カバー50と第2カバー70との間で明度差が大きくなってしまい、その結果、水切部材用カバーユニット40において外観が損なわれる。
これに対して、本実施形態では、第1部分51が第2部分52よりも屋内側に位置しているため、第1カバー50及び第2カバー70のいずれにおいても、第1部分51に相当する箇所が暗くなるので、双方の明度差が小さくなる。この結果、水切部材用カバーユニット40において外観が損なわれることが抑制される。
【0074】
上述の実施形態では、床下空間のうち、建物の1階の床下空間において、水切部材用カバー、及び水切部材用カバーユニットを適用する例を説明したが、これに限られない。例えば、建物における2階以上の上層階の床下空間、廊下、及びバルコニーに、本発明の水切部材用カバー、及び水切部材用カバーユニットを適用してもよい。
【0075】
上述の実施形態では、第1係合部61は、水切部材8の下端部に設けられた被係合部27と係合するとしたが、これに限定されるものではない。第1係合部61は、第1カバー50及び第2カバー70と係合可能な部材に設けられた被係合部に対して係合可能な部分であればよい。
【0076】
上述の実施形態では、土間上面6aは、
図4に示すように、基礎上面2cよりも高い位置に設定されていたが、これに限られず、基礎上面2cよりも低い位置に設定されてもよい。すなわち、本発明の水切部材用カバーユニット40(第1カバー50及び第2カバー70)は、基礎又は土間であるか否かを問わず、建物の外周部において高さの異なる境界部が存在する箇所に適用可能である。
【0077】
以上までに、本発明の水切部材用カバー、及び水切部材用カバーユニットに関する一つの実施形態を説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0078】
1 建物
2 基礎
2a 立上り部
2b 張出し部分
2c 基礎上面
3 土台
3a 主要部
3b 側部
4 下地
5 外壁パネル
5a,56a 下面
6 土間
6a 土間上面
6b 土間側部
7 屋外側シール部
8 水切部材
9 屋内側シール部
10,10A 下側水切板
11,11A,21,31 縦板部
12,12A,23,32 横板部
13,26 下板部
14 バーリング部
20 上側水切板
22 上板部
24 傾斜板部
25 換気部
27,33 被係合部
30 支持部材
40 水切部材用カバーユニット
50 第1カバー(水切部材用カバー)
50a 下部
50b 上部
51 第1部分
51a 上端部
51b,52a,57a 下端部
51c,52b 上端
51d,52c,53a 下端
52 第2部分
53 第3部分
54 溝部
54a 底部
54b 上側部
54c 下側部
54d 接続部
55 第4部分
56 第5部分
57 第6部分
58 接続部分
61 第1係合部
62 第2係合部
62a 延出部
62b 突出部
63 第3係合部
63a 第1突出部
63b 第2突出部
S1 屋外空間
S2 床下空間
G1,G3 隙間
G2 間隔
L1 実線
L2 破線